神戸市摩耶ロッジ整備等事業の事業者選定審査結果について
資料提供(平成12年10月18日)
産業振興局観光交流課 TEL:078-322-5339 FAX:322-6074
E-mail:tourism@office.city.kobe.jp
経緯
摩耶ロッジ整備等事業(PFI事業)に係る事業者選定は、6グループから提出された提案企画書を審査するため、学識経験者などで構成する「摩耶ロッジ整備等事業事業者選定審査委員会」を設置し、審査を行ってきました。このたび、第2回審査委員会(10月16日)を開催し、次のとおりの結果となりましたのでお知らせいたします。今後、市はこれに基づき、契約交渉を進めていきます。
審査結果
- 優先交渉順位1位グループ 鹿島建設株式会社(得点39.7点/50点)
- 優先交渉順位2位グループ 桜商事株式会社(得点27.8点/50点)
審査の経緯
第1回審査委員会(10/3)
- 6グループから提案内容のプレゼンテーション
- 審査項目、審査方法の検討
第2回審査委員会(10/16)
- 審査項目、審査方法の決定、提案企画書審査、優先交渉順位の決定
審査項目
施設計画 | 外観・外構、計画内容・内装、配置・動線、バリアフリー、環境対策 |
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事業計画 | 計画内容、宿泊業務・宿泊料金、飲食・物販・入浴等収益事業、体験学習事業、誘致プロモーション体制 |
収支計画 | リスク分担、企業の経営状況、事業の実績、事業の経営計画・継続性、資金調達計画、事業の安定性、市の財政負担 |
審査方法
各審査委員が、各審査項目ごとに個別評価を行い、それをもとにして、施設計画、事業計画、収支計画毎に5段階評価を行った。そのうえで、各計画の得点配分を20%、30%、50%とし、各計画毎の得点(5点満点)に各々2、3、5を乗じて得点化(50点満点)を行った。
審査委員
委員長 | 貴多野 乃武次 | 阪南大学国際コミュニケーション学部国際観光学科教授 |
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委員 | 伊藤 あや子 | 摩耶山を守ろう会会長 |
委員 | 森川 一郎 | 六甲摩耶観光推進協議会会長 |
委員 | 岡村 修 | 公認会計士、税理士 |
委員 | 中原 和之 | 弁護士 |
委員 | 長尾 秀樹 | 日本政策投資銀行関西支店企画調査課長 |
委員 | 野村 善史 | 神戸市企画調整局調査室長 |
委員 | 赤松 勉 | 神戸市建設局参事 |
委員 | 久森 敏平 | 神戸市住宅局営繕部長 |
委員 | 竹中 幸雄 | 神戸市産業振興局次長 |
審査講評
今回の摩耶ロッジ整備等事業に係る事業者選定においては、6企業グループからそれぞれに特色のある提案をいただいた。
1. まず、施設計画は、既設棟改修のみが1グループ、既設棟改修と増築が4グループ、全面建て替えが1グループであった。 |
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外観は、それぞれに六甲摩耶の自然との調和を意識し、その表現方法として、南欧ヴィラ風、ドイツ山小屋ロッジ風、アジアンリゾート風など提案内容に工夫が見られた。 増築部分には、カフェ、ジャグジー、スパ、大浴場、宴会場、チャペル、体験学習棟などさまざまな施設を配置し、それぞれに国民宿舎の魅力向上をはかる提案となっている。 バリアフリーへの取組みでは、各案ともエレベーターやスロープの設置など移動の容易性を確保する手段を提案しているが、一方、配慮、対策が不充分であるところも見受けられた。しかし、おおむね設計段階で修正・対応可能な範囲であった。 環境対策は、一部の案に雨水再利用や太陽熱給湯などの提案もなされていたが、概して、周辺植生への配慮やエコ資材の使用といったレベルの提案で、あまり特徴的なものは見受けられなかった。 |
2.次に、事業計画は、それぞれにアーバンリゾート、アスリートタウン、ラーニングバケーション、グリーンツーリズムといったさまざまなコンセプトの提案があった。 |
宿泊料金は、5グループがおおむね国民宿舎として適切な範囲の料金設定であったが、1グループについては高価格設定の提案であった。 今回、募集要項で特記した体験学習事業は、自然系から文化系、スポーツ系教室から健康教室まで様々な提案がなされていた。 |
3.最後に、収支計画は、「本事業が20年間の長期にわたって継続的・安定的に運営がなされることが最も重要である。」との審査委員の総意から、結果的に施設計画、事業計画に比較して重点的な得点配分とした。 |
資金調達計画では、プロジェクトファイナンスを想定していたものは1グループであった。 市の財政負担額は、各グループとも整備業務に係る経費として市が上限とした5億円を提案しており、維持管理運営業務に係る経費として、1グループを除き、室料・休憩料相当額を提案してきたため、顕著な差はみられなかった。 優先交渉順位1位、2位については、下記の点が評価された。なお、優先交渉順位1位グループについては、施設計画、事業計画、収支計画のいずれも最高得点であった。 |
【優先交渉順位1位:鹿島建設株式会社】
- 施設計画では、外観がスペイン瓦等を基調とした南欧ヴィラ風のデザインであり、また、アプローチ部分に新たに整備するガラス張りのグラスハウス(ショップとカフェ)や海を臨む眺めのよい丘にジャグジーを増築する等、施設の魅力付けを行っていること。
- 事業計画では、豊かな自然の中でガラス工芸などの創作活動を行うラーニングバケーションの拠点施設として、さらにはアスリートタウン構想「六甲スカイウオーク」のサポート施設という明確なコンセプトを打ち出していること。
- 収支計画における各事業のノウハウ・実績、経営計画、安定性等全般にわたり総合的にバランスがとれていること。
- 運営面における大手旅行代理店との連携により、需要喚起が期待されること。
【優先交渉順位2位:桜商事株式会社】
- 施設計画、事業計画、収支計画全般にわたりよくまとまっていること(特に収支計画)。
平成12年10月18日
摩耶ロッジ整備等事業事業者選定審査委員会
審査委員長 貴多野 乃武次