VII 法制面の問題その他

VII-1 法制面の問題 【現状】
日本国憲法第7条第7号において、栄典の授与は、天皇が内閣の助言と承認により国民のために行う国事行為の一つとされている。
具体的な栄典の種類等については、制度制定当時の太政官布告、勅令等により定められており、これらの法令は現在政令と同一の効力を有している。
【懇談会における主な議論】
  • 栄典の種類等は、現在、制度制定当時の太政官布告、勅令等に拠っているが、これを法律に拠った方が良いのかどうかという問題については、栄典の授与は国民の権利義務に係るものではないので必ずしも法律に拠らなければならないというものでもなく、今までどおり運用でできるならそれでも良いのではないか。
  • 栄典制度が公平・公正に運用されるためにも、制度をきちんと法制化し、法的根拠を明確にしてはどうか。その中で、栄典の目的、顕彰の基準等を明示してはどうか。
VII-2 過去の受章者との関係について 【現状】
昭和39年に生存者叙勲が再開されて以来、28万人もの多くの方が叙勲されている。
【懇談会における主な議論】
  • 栄典制度は従来から長く続いてきた経緯、歴史があるので、過去の受章者との関係を考えなければならない。急激な変革は好ましくない。過去の受章者との整合性を保ちながらの修正の方が国民にはわかりやすい。
  • 過去との整合性も大事であるが、今後うまく機能する制度とすることが重要である。
VII-3 女性受章者数及び比率について 【現状】
叙勲における女性受章者は、13年春の叙勲においては323人で受章者全体に占める割合は7.0%となっている。また、褒章における女性受章者は、平成13年春の褒章において142人で受章者全体に占める割合は18.1%となっている。
【懇談会における主な議論】
  • 現在の男女の比率は問題にすることはないのではないか。男女を問わず同じ功績に対して同じ評価をすることが重要であって、今後はどんどん女性の受章者が増えてくるのではないか。
  • 女性の数が少ないという点については何か特別のことをする必要はないと思われるが、叙勲に携わる関係者が女性の候補者を見落とすことがないよう積極的に対象とする意識を持つことが必要ではないか。
VII-4 その他 【懇談会における主な議論】
  • 勲章を着用する機会がないというのが現状。略綬の活用も含めて検討してみてはどうか。

[栄典制度の在り方に関する論点の整理目次]