「アジア太平洋障害者の十年」最終年ハイレベル政府間会合の結果
開催期間 : 10月25日~28日
開催地 : 滋賀県大津市
本会合の目的
「アジア太平洋障害者の十年」を評価するとともに、同地域における今後10年の障害者施策の枠組みとなる「びわこミレニアム・フレームワーク」を設定すること。
出席者
353名
ESCAP加盟国/地域 | 27か国/地域 | 128名(閣僚級9名) |
国連機関等 | 7団体 | 13名 |
NGO他 | 212名 |
議事の概要
- (1)
- 本会合の初日、我が国首席代表である阿南政務官が議長に選出された。
- (2)
- 会期の前半で現行「十年」をレビューし、その後本会合の中心課題である「びわこミレニアム・フレームワーク」について全体会合及び地域別会合で討議。
- (3)
- 最終日に「びわこミレニアム・フレームワーク」及び本会合の報告書を採択。
本会合の成果
「びわこミレニアム・フレームワーク」はインクルーシブで、バリアフリーかつ権利に基づく社会の促進を目指すものであり、アジア太平洋地域の各国における21世紀の障害者問題への重要な指針となるもの。
◎参考
最終日、阿南議長立会いの下に、アフガニスタンが「アジア太平洋障害者の十年」に新たに参加する署名式が、同国殉教・障害者大臣とESCAP事務局長との間で行われた。
アジア太平洋障害者のための、インクルーシブで、バリアフリーかつ権利に基づく社会に向けた行動のためのびわこミレニアム・フレームワーク(概要)
目的
- 「21世紀におけるアジア太平洋地域の障害者のためのインクルーシブで、バリアフリーな、かつ権利に基づく社会の促進」(2002年5月第58回ESCAP総会決議)を受け、新たな「十年(2003年~2012年)」において、障害者のためのインクルーシブで、バリアフリーかつ権利に基づく社会を目指す地域内各国政府や関係者による行動のための地域的政策勧告を提供。
- 「国連ミレニアム開発目標」を補完。
原則と政策方針
アジア太平洋障害者のためのインクルーシブで、バリアフリーかつ権利に基づく社会を促進するため、以下の原則と政策方針を設定
- (1)
- 障害者に対する機会均等や平等な扱いに関する法律・政策の制定及び/または施行
- (2)
- すべての新たな及び既存の法律、政策、事業及びスキームに障害者の側面を取込む
- (3)
- 障害に関する国家の調整委員会の設立・強化
- (4)
- 障害に関する国の政策決定過程への障害者・障害者団体の参加
- (5)
- 障害者を「ミレニアム開発目標」を達成する試みの不可欠な部分に据える
- (6)
- 国による障害者に関する統計資料の収集・分析能力を高める
- (7)
- あらゆる分野での障害に対する早期対処に関する政策の採用
- (8)
- 障害の予防、リハビリ、障害者の機会均等に関する地域密着型の取組の強化
- (9)
- 社会基盤とサービスの開発における全市民のためのユニバーサル・アクセスの概念の取入れ
優先的な行動領域
「アジア太平洋障害者の十年(1993年―2002年)」の実行期間には十分な進展がみられず、行動が遅れた領域に更なる努力を集中する必要があることから、以下の七つの優先政策領域を設定。
- (a)
- 障害者の自助団体及び家族・親の団体
- (b)
- 女性障害者
- (c)
- 早期発見、早期対処と教育
- (d)
- 自営を含む職業訓練と雇用
- (e)
- 各種施設・公共交通機関へのアクセス
- (f)
- 情報通信技術及び支援技術を含む情報と通信へのアクセス
- (g)
- 能力構築、社会保障と持続的生計プログラムによる貧困の緩和
優先的領域における目標と具体的行動
21の目標の設定と目標達成のために求められる行動。
目標達成のための戦略
- (a)
- 障害に関する国の行動計画(5か年)
- (b)
- 障害者問題への権利に基づくアプローチの促進
- (c)
- 計画のための障害者統計と障害の共通な定義
- (d)
- 障害の予防及び障害者のリハビリテーションと権能強化のための地域密着型アプローチ
「びわこミレニアム・フレームワーク」の遂行における協力と支援
- (a)
- 準地域間の協力と連携
- (b)
- 地域協力
- (c)
- 地域間協力
監視と評価
- (a)
- 地域会合及び準地域会合の開催
- (b)
- 「行動のためのびわこミレニアム・フレームワーク」の調整と監視のための地域作業部会
- (c)
- 「行動のためのびわこミレニアム・フレームワーク」の中間評価