〜平成20年度入賞作品〜
【中学生部門】 ◆佳作
障害を乗り越えて
僕は、中学校に入学した頃、自分に少し障害がある事を知りました。両親に話を聞いてみた所、3歳半まで言葉が一言も喋れず、多動で一秒たりともじっとしていることすらできなかったそうです。両親は「この子は、普通の小学校に入学できるのだろうか」ととても心配したそうですが諦めずに僕の成長のために努力をしてくれました。毎週通う訓練の中で言葉が少しずつ出てきて、小学校入学の頃には落ち着いて座っていられるようにもなりました。無事、小学校に入学できて一年生から四年生までは、普通学級で過ごしました。入学当時は、まるで分からなかった算数も母親と毎日、計算ブロックを使って勉強しました。その甲斐あって、一年生の夏休み明けに急に分かるようになりました。いつも、先生と両親に見守ってもらいながら、二年生、三年生までは何とか頑張る事が出来ました。しかし、四年生になると勉強の内容が難しくなったり、学校生活の一日のペースが速くなり、なかなかついて行けなくなり、苦しい状態が続きました。そんな時、校長先生がとても心配してくださり、翌年から、支援学級に所属させてもらえるようになりました。支援学級の担任の先生にフォローしてもらいながら協力学級でなんでもみんなと一緒に頑張る事ができました。小学校卒業が数ヶ月後に迫ったある日、僕の尊敬する人から激励の言葉を頂きました。
「君の夢は君しか持てない
君の宝は君しか持てない
君の使命は君しか持てない」
この言葉を頂いてから自分は自分のままで精一杯頑張ればいいのだと自信が持てるようになりました。
中学校生活が始まった頃は、環境の変化や友達のいない寂しさなどで辛い思いをしましたが、一年半経った今では支援学級の担任の先生をはじめ、協力学級の担任の先生、各教科の担当の先生や、部活の顧問の先生、たくさんの人達にお世話になりながらではありますが、自分の今の力を出し切り頑張っています。
これからも、何でもできるという事を証明し、同じ障害を持つ人やそのご両親に希望を与えられるような人に成長していきたいと思います。