
〜平成20年度入賞作品〜
【小学生部門】 ◆優秀賞
たいせつにされ、あいされる
わたしは、ようちえんのさんねんかん、からだのふじゆうなおんなのことおなじくらすでした。おんなのこがしたにものをおとすとひろったり、こうえんにさんぽにいくときは、せんせいがついていっておんなのこがころばないようにしてきました。
おんなのこはやがてじぶんでいろいろなことをしなくなり、たよるようになってきました。おんなのこはじぶんでひろわずに、おちゃをこぼしたりすると、まわりのおともだちに「ありがとう、おねがいね」というようになりました。
おんなのこのまわりのおともだちは、「おねがいねなんて、からだがふじゆうだからしかたがないけどひどいよね」「あまえているよね」「じぶんでじぶんでやろうとしないよね」「だれかがしてくれるとおもっているんだよ」とおもったけれどみんながんばりました。わたしも、おんなのこもねんちょうのあおばっぢになったとき、あたらしいせんせいにかわりました。せんせいは、おんなのこにとくべつなあつかいをすることをやめました。ゆかになにかこぼすとおんなのこがふきおわるまでつぎにすすませなかったのです。いままでやらなかったおひるのおとうばんも、おそうじのおとうばんもみんなとおなじようにやるようにされました。わたしは、おんなのこがひとりでやればいいんだとおもって、てつだうことはしなくなりました。おんなのこがえんちょうせんせいのいる1かいにいって2かいのきょうしつにいないときに、せんせいは、わたしたちに「せんせいはおんなのこのしょうらいのためにきびしくしています。でも、みんなは、おともだちとしてしんせつにしてあげてね」といってなみだをながしていました。わたしは、じーんとこころがあつくなってせんせいをみられなくなっていました。
せんせいは2がつになってとうとうてつぼうのまえまわりのれんしゅうをしなさいといいました。わたしはむりだとおもいました。おんなのこは、ちかくのえきまえこうえんでゆうがたまで、てつぼうをやるかいすうがふえました。わたしもおうえんしました。おんなのこがてつぼうをやっているときはせんせいは、はなれたところでだまってみていました。れんしゅうをいっぱいして、おんなのこはついにまえまわりができるようになりました。わたしたちはみんなでよろこびました。はなれたところからみていた、せんせいは、くるっとむきをかえもどっていきました。
せんせいはどうして、おんなのこのてつぼうができたとき、がんばったおんなのこやおうえんしたおともだちをほめたりいっしょによろこんだりしないでもどったんだろう。せんせいは「ひとがほんとうにひとをあいするとはどういうことか」をわたしたちにおしえるためにたえたそうです。わたしは、「ともだちがにんげんとしてたいせつにされ、にんげんとしてあいされるとはどういうことなのか」、じっくりとかんがえてみます。
わたしはおんなのことであえてよかったです。おんなのこありがとう。