平成27年度「心の輪を広げる体験作文」作品集 小学生部門佳作
ぼくとたけちゃん
茨城大学教育学部附属小学校一年 佐々木 順一(茨城県)
たけちゃんは、わたしのいえのちかくにすんでいます。たけちゃんは、わたしとおなじとしです。たけちゃんは、おすわりができなくて、あるけません。いつもくろいくるまいすにのっています。けれども、とてもげんきです。おはなしはできないけれど、わたしのからだにさわろうとして、「あらあら。」とか、「んーんー。」と、いってはなそうとします。
たけちゃんとはじめてあそんだのは、わたしが2さいのときです。わたしがようちえんにいくようになると、たけちゃんとあえなくなりました。たまにあって、わたしが「たけちゃん。」と、いうと、たけちゃんは、「きゃー。」とか、「んふふん。」と、いいます。わたしは、なんとなくたけちゃんのいうことがわかりました。たけちゃんは、うれしそうだな。と、おもいました。
たけちゃんのおじいさんは、わたしがようちえんのかえりにあうと、いつもてをふってくれました。わたしは、「いつもあえないけれど、たけちゃんはげんきかな。」と、おもいました。
ことしの4がつに、わたしはしょうがく一ねんせいになりました。あたらしいともだちができました。スイミングクラブにいくようになりました。わたしは、たけちゃんをわすれそうになりました。
4がつがおわるころ、たけちゃんのおじいさんがなくなりました。わたしは、おかあさんとおそうしきにいきました。「たけちゃんは、だいすきなおじいさんがなくなってかわいそうだな。」と、おもいました。
おそうしきのかえりに、たけちゃんに、「たけちゃん。」と、いうと、たけちゃんは、めがしたをむいていて、「おじいちゃん。」と、いっているようなきがしました。
がっこうがはやくおわったひに、たけちゃんとこうえんであそびました。わたしが、くるまいすをおしてぐるぐるまわると、たけちゃんは、「はは、はは。」と、たのしそうにわらっていました。わたしは、「たけちゃんは、いっしょにかけっこができないのだな。」と、おもいました。
でも、たけちゃんは、やさしいこころをもっているし、おはなしはできないけれど、「じゅんちゃん。」と、いっているきがします。なかなかあえないし、おなじしょうがっこうではないけれど、たけちゃんはわたしのともだちです。