【高校生区分】 ◆佳作 荒木 唯穏(あらき いおん)

普通の子と違う子がいる所?荒木 唯穏(神奈川県立中原養護学校高等部1年 川崎市)

「支援級って普通の子と違う子がいる所」支援級の教室を通るたびなんとなくそう思っていました。支援級の子が交流級のクラスにでると授業中ふざけていたり、一人でブツブツ何か言っていたり、一つの事に集中してしまうとその行動を止められずに注意を受けている子を何度か見ました。

私は小学校3年生の時に、発達障害と診断されました。意外に思うかもしれませんが、発達障害があると聞いても私はあまり驚きませんでした。自分が普通の人よりやる事がゆっくりだったり、勉強があまりできない事を分かっていたからです。苦手な事が多いせいで苦しんできたので、支援級に入って同じ障害をもった子と同じペースで授業を受けられる事がうれしかったです。

支援級に入ってしばらくして家庭の事情で転校しました。転校先の学校でイジメを受けました。私が近くの席に来るとわざと机を離したり、私の事を「障害?」と呼んだり、家庭科の授業の時、裁縫用の針を私に刺そうとしてくる子もいました。そういう事が嫌で私は不登校になりました。イジメの事を相談したかったのですが、しかえしされるのが怖くてできませんでした。その後、それが理由で自信を無くしてしまい、家族に暴力をふるうようになりました。そして中学校一年生の時、家族と心の距離をとるために施設に入所しました。初めての場所に来た不安があって、初めは入所している子とケンカをしたり、お世話をしてくれる職員さんとぶつかる事もありました。しかし、私は日々変わっていきました。怒られて悲しくて泣いた事もあったけど、それも今につなげる事ができました。一人で苦しんできたけど、今は一人ではありません。まちがえている事があったら教えてくれる人、悲しんでいたら話を聞いてくれる人、ケンカもしたけど本当は優しい人。沢山の人に出会い、私は成長できました。
「支援級って普通の子と違う子がいる所」と言いましたが、人はみんな違って同じ人など一人もいません。確かに普通の人より苦手な事が多かったりしますが、工夫をすれば出来る事だってたくさんあります。それに障害をもっている人の中には普通の人より優れている所がある人だっています。私は勉強は苦手だけど絵を描く事と文章を書く事が得意です。それに、私の周りにはスポーツが得意だったり、歌が得意だったりする人もいます。得意な事ばかりのばして他の事が全く出来なくなるのは良くないですが得意な事をのばしつつ苦手な事も工夫してできるようになればいいなと思っています。

この作文を書いていると昔の自分より今の自分の方が良い方に変わっているのが分かります。だから私と同じように、障害をもって苦しんでいる人も工夫したり、周りにサポートしてもらったりしてつらい思いをしないようになってほしいです。自分の事を嫌いだと思ってる人は、自分の良い所を見つけて自信をもってほしいと思いました。自信をもつだけで考え方が変わるので、障害を理由にいろいろな事を、諦めないでほしいです。