【中学生区分】 ◆佳作 川江 凰太(かわえ おうた)

生きる理由川江 凰太(京都市立二条中学校3年 京都市)

僕はあるきっかけで変われました。それは、岩本心さんという人の講演会でした。まず岩本心さんのことを紹介させてください。岩本心さんは、現在大学四回生です。もうすでに女性一人で世界一周を達成されました。留学もされていて、世界の恵まれない子供の現状を把握し、ボランティア活動もされました。そして、世界を周っていく中で本当の豊かさとは何かと疑問を持ち、国連の演説で有名になった「世界で最も貧しい大統領」と言われた元ウルグアイ大統領ホセ・ムヒカさんにアポなしで会いに行き、自らインタビューをすることに成功しました。インタビューの中から、「本当の豊かさとは『生きる理由』を持ち続ける人生のことだ」とムヒカ元大統領の言葉を僕たちに教えてくれました。僕はもう岩本さんの行動力と決断力に驚き、圧倒されっぱなしでした。

岩本さんの講演を聞いて、世界には家がなく、路上に住んでいて、学校に行けない、遊ぶ時間がない、金銭もない、支えてくれる家族もいない子供が世界にはたくさんいることを知りました。そんな厳しい環境の中、それでも懸命に笑顔で生きている。僕はそれが一番驚きました。そしてその子供たちに生きる理由をなんとか見つけさせようとする心さんの姿に感動しました。

皆さんは「生きる理由」を考えたことがありますか?
僕はあまり深く考えたことはありませんでした。でも、どうして自分は難聴で生まれてきたのかと考えたことはあります。少なくとも難聴の自分をイイと思った事はないです。

自分は今まで、人前に出たくなかったし、暗い自分だったと思います。

そして自分にとっての幸せとは、家族や友達が元気で暮らしていれば、それでいいと思っていました。でも、そんな考え方でいいのか。じっくり考えました。一所懸命に生きる子供たちと、その子供たちのために『より豊かに生きる方法』を考える心さんのようになりたい。

自分にとっての豊かな生き方とは、周りの人を思いやって、困っている人を助けることだと確信しました。自分は難聴で、他人よりハンデがあるかもしれません。でも世界を見てみれば、様々な過酷な環境の中で、懸命に生きている、そんな人がたくさんいることに気づけたから、そう考えてみたら自分の難聴なんて、小っちゃく見えてきました。僕は自分の考え方が甘いと気づきました。正直に言えば、難聴であることは、この先自分を苦しめると思います。でも諦めずに勇気を出せば必ず心さんのように自分の知りたいことや、やりたいことを夢として実現すると思えました。

だから今、自分は今できることをがんばっています。例えば、カナリー委員に立候補しました。

さらに、カナリー委員長に立候補しました。カナリー委員長には三人の立候補者がいたけれど、その時に心さんに教えてもらい、自分がこれまで思ってきたことを皆に訴えました。そして委員長を任してもらえました。

自分の思いがうまく伝わった気がしました。

僕は今までの自分にさよならします。これからは、「難聴だから○○」とあきらめることはやめます。出来ないと言いたくありません。「難聴でも出来る自分」を信じて世界に飛び出していきたいと思います。