【小学生区分】 ◆佳作 小畑 智啓(こはた ちひろ)

伯父さんからのプレゼント小畑 智啓(綾部市立綾部小学校6年 京都府)

毎年、僕の誕生日やクリスマスになると伯父さんからプレゼントが届く。そのプレゼントは、百円ショップに売ってある文房具やおもちゃだ。伯父さんがプレゼントをくれることは嬉しいけど、
「なんで、いっつも百円ショップのおもちゃしかくれないんやろ?ゲームとか買ってくれてもいいのにな…。」
と、密かに思うことがあった。しかし、ある時、祖母から伯父さんの工賃の話を聞いた。その話を聞いて、伯父さんのプレゼントに対する思いが変わった。

伯父さんは、「あやべ作業所」という所に通って仕事をしている。仕事は、醤油作りで、伯父さんは醤油の瓶を洗う作業を毎日頑張っている。夏は暑く冬は寒い中での作業だけど
「たくさん給料をもらいたいんや。」
と言いながら毎日休まず仕事に行っている。頑張って仕事をしている伯父さんだけど、ひと月に貰える工賃は一万円位しかないと祖母が教えてくれた。その事を知った時、僕 はとても驚いた。伯父さんは、自閉症という障害があるけど、昔は工場で鉄を作って、たくさんの給料を貰っていたそうだ。障害があるのでできないこともあるけど、工場で仕事をする力も持っている。だから、伯父さんの工賃は少ないと思う。僕は、伯父さんのように障害があっても、社会のために自分の力を活かせる場所が増えて、障害のある人も頑張った分、給料を貰えるような社会になっていけば伯父さんも嬉しいと思う。

伯父さんの工賃の額を知った時、自分が今まで伯父さんに貰ったプレゼントを思い出してみた。そして、月一万円の工賃の中から僕のために百円ショップで買ってくれたプレゼントは、高価なゲームより伯父さんの僕への気持ちがつまったプレゼントだったと気付いた。だから、今まで伯父さんから貰ったプレゼントも、これから伯父さんから届くプレゼントも、大切にしたいと思う。伯父さんのプレゼントから、僕は百円の重みや伯父さんが僕のことを思ってくれる優しい気持ちに気付くことができた。