【小学生区分】 ◆佳作 白土 治子(しらと はるこ)

言葉がでなくても・・・白土 治子(東京学芸大学附属竹早小学校2年 東京都)

にーには言葉をはなした事がありません。小学校5年生ですが、まだおはなしができません。

お母さんに聞くと、発達しょうがいでおはなしすることができないという事です。言葉はでませんが、ジェスチャーや、「ばばばばば。」などのにーに語で私たちと会話しています。でも、字も書く事ができないので、にーにの本当につたえたい気持ちをわかってあげられない事がたくさんあります。

にーにははじめての場所やなれない場所も苦手です。そういう所では息があらくなったり、はいてしまったりすることもあります。説明しなければ、見た目ではにーににしょうがいがあることがわからないので、外出するとまわりの人はこういうにーにの様子を見てへんな目で見たりします。楽しくなると大声をあげてしまったり、何か質問されても答えられなかったりして、いやな言葉をかけられる事もあります。その度にお母さんは「すいません。すいません。」とあやまっています。にーにはとてもやさしくて、みんなが喜ぶ事がすきで、じゅんすいで、道じゅんなどは私よりもおぼえるのがすごい、すてきなお兄さんです。でも、いちいち、「しょうがいがあるから…。」とせつ明しなければいけない今のじょうきょうがふしぎです。

私はいつか、いろいろな人がいる事があたりまえの世界になってほしいと願っています。ふつうに生活しているのに「すいません。」とあやまったり、せつ明したり、何かしるしをつけたりしなくても、にーにの様な人も楽しくくらせる社会になってほしいです。