【中学生区分】 ◆最優秀賞 飛田 愛音(ひだ あいね)

友達として飛田 愛音(仙台市立南中山中学校3年 仙台市)

4年程前、私が小学生だった頃に友達ができた。その友達は障害をもった一歳年下の笑顔が素敵な女の子だ。初めは「障害をもった女の子」と思って接していた自分がいた。しかしその考えが間違っていることに気付かせてくれた。

私の通っていた小学校には障害をもった子達のためのクラスがある。そのため校庭で遊んでいる時や学校内で障害をもった子達と会うことがあった。しかし話すことはなく時々目が合うだけだった。そんな日が続いたある日のこと。私が休み時間に校庭で遊んでいると女の子が話しかけてきた。彼女は、
「一緒に遊ぼう。」
と優しい口調で誘ってくれた。話し方や顔立ちから障害をもっていることが分かった。目が合ったことは何度かあったけれど話しかけてくれるのは初めてで驚いた。しかしその気持ちよりも話しかけてくれたことに対する喜びの方が大きかった。私は、
「いいよ、何をして遊ぼうか。」
と言うと
「すべり台が良い、すべり台で遊ぼう。」
と嬉しそうにはしゃいでいた。時間はあっという間に過ぎ休み時間の終わりを告げるチャイムがなる。私達は次の授業に向け各々の教室に戻る。すると別れ際、彼女は言う、
「楽しかったね。また遊ぼうね、私達友達だね。バイバイ。」
と。私は手を振って教室に入っていく彼女を見てはっとする。そうか私達は友達なんだ。障害をもっている人と障害をもっていない人という関係ではない。友達なのだと。私は彼女が見えなくなる前に、
「私も楽しかった。友達になってくれてありがとう。」
と大きな声で伝えた。彼女は最後まで手を振り返してくれた。

この日、私の中で障害に対する考えが大きく変わった。私は勝手に壁を作ってしまっていた。彼女は障害をもっているから私とは違う、私達は友達になれないという心の壁を。しかしこの考えは間違っていると彼女は気付かせてくれた。障害という壁はないのだ。障害をもっている人も障害をもっていない人も支え合わなくてはならない。だからこそ壁を作るのではなく手を差し伸べる、いつだって私達は仲良くなれるなど、障害に対する考えを改めていくべきなのだ。そうすれば障害をもった人達はもっと楽しく生きやすい未来が待っていると思う。

あの日、私に大切な事を教えてくれた彼女にありがとうと伝えたい。彼女はもう「障害をもった女の子」ではない。私の大切な友達だ。