わかりやすい障害者基本計画(案)「障害者基本計画」について

I 全体の目標

(考え方)

「障害者基本計画」は、国がみんなと力をあわせて、障害のある人のために何をしていくのかを示したものです。

21世紀の日本は、「共生社会」を目指します。

「共生社会」では、障害のある人もない人も、みんながお互いのことを大切にします。

「共生社会」では、障害のある人もない人も、一人一人が違うことを大切にし、みんなが助けあいます。

「共生社会」では、障害のある人は、社会の仲間の一人として大切にされます。障害のある人は、自分で選び、決めることができ、あらゆる社会の活動に加わることができます。

障害のある人の社会参加を難しくしているものをなくし、障害のある人がもっている力を出して、生き甲斐を見つけることができるように、みんなで支援します。

障害のある人をみんなで支援し、「共生社会」をつくるためには、みんなが「共生社会」が大切だと思って、協力することが必要です。

(障害のある人すべてに共通する考え方)

  1. 障害のある人も障害のない人もみんなが同じように暮らすことができる社会にします。
  2. 障害のある人の気持ちになって、相談にのり、支援します。
  3. 障害のある人にもいろいろな人がいることをよく考えて、一人一人にあった支援をします。
  4. 障害のある人が必要とするさまざまなサービスを、うまく組みあわせて支援します。
    1. 国や市町村などで障害のある人のための仕事をしている人たちが、よく連絡をとって、協力します。
    2. 住んでいる場所や障害が違っても、同じようなサービスが受けられるように、よく考えます。
    3. 障害のある人が受けられるサービスを見直します。

II これから特に力を入れる取組み

  1. 障害のある人が社会に参加するための力をつけます。
    1. 病気や事故を防ぎます。
    2. 日常生活などを、障害のある人もない人も、みんなが使いやすいものにします。
    3. みんなが、パソコンやインターネットなどを自由に使えるようにします。
  2. 障害のある人が社会に参加するための環境づくりを進めます。
    1. 障害のある人が地域の一員として暮らすために、住宅や交通機関などを使いやすくします。身の回りで協力してくれる人を増やします。
    2. 障害のある人が自分で暮らすために必要なお金を得ることができるようにします。
  3. 精神障害のある人が、地域で暮らすためにいろいろな支援をします。
  4. 障害のある人が暮らしやすくなるように、アジアや太平洋の国々ともっと協力します。

III いろいろな取組み

  1. 障害のある人のことを理解してもらうために
    1. これからの目標
      • 諸具合のある人もない人も、お互いのことを大切にし、助けあう社会にするため、みんなに、障害のある人のことを、理解してもらうようにします。
    2. これからの取組み
      1. 国や都道府県、市区町村は、社会などと一緒になって、ポスターや広告などを使って、みんなに、障害のある人のことw、理解してもらうようにします。
      2. 学校の授業などで、みんなに、障害のある人のことを、理解してもらうようにします。
      3. 役所や病院、駅などで働く人に、障害のある人のことを、理解してもらうようにします。
      4. ボランディア活動を広めます。
  2. 地域での生活を支えるために
    1. これからの目標
      • 一人一人にあった地域での生活ができるように、サービスを利用する人の気持ちになって支援します。
      • 障害のある人が必要なサービスを増やし、中身を良くするように努力します。障害のある人がみんな、地域で豊かな生活をできるようにします。
    2. これからの取組み
      1. 地域で暮らすことができるように、サービスを利用する人の気持ちになって、支援します。
        • ア 市区町村の窓口などで、身近に相談できる場所をつくっていきます。
        • イ 知的障害や精神障害のために、自分で判断することが難しい人を支援するしくみ(成年後見制度、値域福祉権利擁護事業など)の利用をさらに広めていきます。
        • ウ 障害者団体や障害のある本人の活動を支援します。
      2. 地域で暮らすために必要なサービスを増やします。
        • ア ホームヘルプサービスなど、必要なサービスを増やします。
        • イ 障害のある人が住める場所をしっかりつくります。
        • ウ 障害のある人が地域で暮らし、いろいろな活動に加わっていくことができるように支援します。
        • エ 精神障害のある人や家族を、もっと支援します。
        • オ いろいろな障害にあった支援を行います。
      3. 障害にある人が自分で暮らすために必要なお金を得ることができるようにします。
      4. 障害のある人が福祉施設で受けられるサービスを見直します。
        • ア 地域で暮らす人を増やします。
        • イ 福祉施設でのサービスを見直します。
      5. 障害のある人が、いろいろなスポーツや文化、芸術活動をできるようにします。
      6. 使いやすい日常生活品などをつくり、広めます。
      7. サービスを良くするために、サービスの良いところ悪いところを考えます。苦情を聞いて直すための方法を広めます。
      8. 障害のある人のための仕事をする人を育て、増やします。
    3. 生活環境を良くするために
      1. これからの目標
        • 障害のある人もない人も、みんなが生活しやすいまちづくりを進めます。
      2. これからの取組み
        1. 障害のある人が使いやすい住宅をつくり、みんなが使う建物を利用しやすくします。
        2. 乗り物や道路などを利用しやすくします。
        3. 交通事故を防ぎ、みんなの安全を守ります。
        4. 災害や犯罪にあったときに、困らないようにします。
          • ア 福祉施設の土砂対策などをすすめます。
          • イ 住宅などの火事を防ぎます。
          • ウ 犯罪を防ぎます。
    4. 教育や子育てを支援するために
      1. これからの目標
        • 一人一人にあったきめ細かな支援をするために、赤ん坊のときから学校を卒業するときまでを通して教育をします。
        • 発達障害のある子ども(障害のために人とつきあうことや、勉強することが苦手な子ども)にも、必要な支援をします。
      2. これからの取組み
        1. 赤ん坊のときから学校を卒業するときまでを通して、障害のことを相談できるようにします。
        2. 障害のある子どもや親などの相談にのり、支援する仕事をする人がいる場所を増やします。
        3. 学校の先生などが、障害のある子どもや親などを支援する力をつけます。
          • 障害のある子どもや親などを支援する方法を研究します。
        4. 学校を卒業した後、地域で暮らし、職場で働くことができるように、一人一人にあった支援をします。
        5. 学校の建物などを使いやすくします。
    5. 働くことができるために
      1. これからの目標
        • 障害のある人が、もっている力をうまく使って働くことができるようにします。
      2. これからの取組み
        • a.就職できる社会を増やします。
          • ア 社会が障害のある人を雇うようにします。
          • イ 一人一人のもっている力や障害の違いにあった仕事を増やします。
          • ウ 仕事をする場所や時間を工夫し、働きやすくします。
          • エ パソコン、インターネットなどを使った仕事を増やします。
          • オ 障害のある人をたくさん雇っている会社を応援します。
          • カ 障害のある人が自分で社会をつくることを応援します。
        • b.いろいろな支援を行います。
          • ア 福祉の相談員や学校の先生と一緒になって支援します。
          • イ 障害のある人が少しずつ仕事を覚えていくような支援を増やします。
          • ウ 障害のある人が働く力をつけるための支援を増やします。
          • エ 障害を理由に、社会の中で差別されないようにしています。
    6. 医療やリハビリテーションを受けることができるために
      1. これからの目標 医療やリハビリテーションを増やし、中身を良くします。病気やけがを防ぎ、治します。
      2. これからの取組み
        • a.病気やけがを防ぎ、治します。
          • ア 病気やけがを防ぎ、早くみつけます。
          • イ 病気やけがを治すようにします。
          • ウ 病気やけがのことを、みんなが正しく知るようにします。
        • b.もっと良い医療やリハビリテーションにします。
          • ア 障害のある人を支援するために、障害を早く見つけます。
          • イ 医療やリハビリテーションのサービスを増やします。
          • ウ 障害のある人が健康でいるためのサービスを、増やします。
          • エ 健康づくりや医療のサービスのことを、みんなに知らせます。
        • c.精神障害のある人のための医療などのサービスを良くします。
          • ア 悩みの相談をしやすくします。
          • イ 病気を早く見つけて、早く治します。
        • d.病気の原因を見つけて防ぎ、治すための方法を考えます。
        • e.医療やリハビリテーションを仕事とする人を育て、増やします。
    7. 情報をうまく伝えるために
      1. これからの目標
        • みんなが、パソコンやインターネットなどを自由に使って、いろいろなことをできるようにします。
      2. これからの取組み
        • a.パソコンやインターネットなどを使いやすくします。
        • b.地域のいろいろな活動に加わることができるように、パソコンやインターネットなどを利用します。
        • c.いろいろな情報を手に入れることができるようにします。
        • d.みんなが、コミュニケーション(伝えたいことを伝える)ができるように、支援します。
    8. 国を超えてつながるために
      1. これからの目標
        • 日本のまわりの国々の障害者団体などと交流し、協力できるようにします。
      2. これからの取組み
        • a.日本のまわりの国々と、もっと交流し、協力できるようにします。
        • b.障害のある人のことを、他の国の人と一緒に考えて、行動します。
        • c.さまざまな国の障害のある人のことを調べて、みんなに知らせます。
        • d.国を越えて、障害のある人どうしが交流できるように、支援します。

IV 「障害者基本計画」の実現にむけて

  1. 大事な取組は、いつまでに実現するかをはっきり示して、実現にむけて進んでいるかを調べて、みんなに知らせます。
  2. 障害のある人の支援が進むように、国全体で協力して、都道府県や市区町村、障害者団体などとも協力します。
  3. 障害のある人のための支援が本当に役立っているか、障害者団体や障害のある人の意見を聞いて、調べます。
  4. 障害のある人のために必要な法律を考えます。
  5. 障害のある人が何を必要としているか調べて、みんなに伝えます。