第3回中央障害者施策推進協議会 資料 「びわこプラスファイブ」について

「びわこプラスファイブ」について

1 経緯

2002年(平成14年)5月の国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)総会において、日本、中国等の共同提案により、「アジア太平洋障害者の十年(1993-2002)」を更に10年延長し、2003年から2012年までを新たな「アジア太平洋障害者の十年」とする決議が採択。

2002年10月には、滋賀県大津市において、アジア太平洋障害者の十年最終年ハイレベル政府間会合が開催され、新十年に係る行動計画として「びわこミレニアム・フレームワーク(BMF)」が採択。BMFは2003年のESCAP総会において承認。

本年9月に中間評価に関するハイレベル政府間会合が開催され、各国の取組状況の報告等とともに、「びわこプラスファイブ(Biwako Plus Five)」が採択。

2 位置付け

「びわこプラスファイブ」は、ESCAPにおける「アジア太平洋障害者の十年(2003-2012)」の行動計画である「びわこミレニアム・フレームワーク(BMF)」を補完し、2008年から2012年までの実施を促進するための行動指針であり、「アジア太平洋地域の障害者のためのインクルーシブでバリアフリーな、かつ、権利に基づく社会」を目指すもの。

3 主な内容

(1)優先的行動分野における行動の追加

BMFに示された7つの分野に関し、以下の行動を追加。

  • A 障害者の自助団体及び家族・親の団体
     →障害者団体の発展、障害者の参加、リーダーの育成等
  • B 障害のある女性
     →ジェンダー視点の政策への反映、リーダー研修等
  • C 早期発見、早期対処と教育
     →保健及び教育を所管する政府機関間の効果的な調整、インクルーシブな教育制度の確保等
  • D 自営を含む職業訓練と雇用
     →障害者の国内・多国籍の事業主とのパートナーシップの開発、職業準備訓連、労働権の実現等
  • E 各種施設及び公共交通機関へのアクセス
     →ユニバーサルデザイン概念の促進、アクセシブルな観光の促進等
  • F 情報通信及び支援技術を含む情報通信へのアクセス
     →公的情報のアクセシブルな普及、公的対話での手話、点字等の利用促進等
  • G 能力構築、社会保障及び持続的生計プログラムによる貧困の緩和
     →障害者の視点による国内開発等

(2)目標達成のための戦略の再構築

BMFに示された戦略の4分野を以下のとおり5分野に再構築。

  • A 障害問題への権利に基づくアプローチの強化
     →あらゆるバリアの除去、優先事項としての障害者権利条約の署名及び締結の検討等
  • B 可能にする環境の促進、政策の立案及び実施のための効果的なメカニズムの強化
     →政府における障害者に関する行動計画の策定等
  • C 政策の立案及び実施を目的とする障害に関するデータ及び他の情報の利用可能性及び質の改善
     →障害のデータ収集の重要性、障害者のプライバシーの尊重等
  • D 障害を含む開発の促進
     →社会的経済的開発計画への障害の視点の配慮、障害を考慮に入れた災害管理等
  • E 障害の原因の予防及び障害者のリハビリテーションとエンパワメントのための障害問題への包括的な地域に根ざしたアプローチの強化
     →交通事故、疾病等予防可能な障害の原因を削減するための措置等

(3)効果的なモニタリング及びレビューの促進

BMF及び「びわこプラスファイブ」のレビューは、「アジア太平洋障害者の十年」の最終年(2012年)に実施。

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暫定訳

「びわこプラスファイブ」
Biwako Plus Five

アジア太平洋地域の障害者のためのインクルーシブで、バリアフリーな、かつ権利に基づく社会に向けた更なる努力
2007年9月21日、ESCAPアジア太平洋障害者の十年(2003-2012)の中間評価に関するハイレベル政府間会合にて採択

2007年10月29日

本暫定訳は内閣府において作成したもので、今後変更の可能性がある。

○「びわこプラスファイブ」の内容

  • I 前文
  • II びわこプラスファイブの性質及び架け橋となる原則
  • III BMFの優先領域のための行動
    A 障害者の自助団体及び家族・親の団体
    B 障害のある女性
    C 早期発見、早期対処と教育
    D 自営を含む職業訓練と雇用
    E 各種施設及び公共交通機関へのアクセス
    F 情報通信及び支援技術を含む情報通信へのアクセス
    G 能力構築、社会保障及び持続的生計プログラムによる貧困の緩和
  • IV 重要戦略
    A 障害問題への権利に基づくアプローチの強化
    B 可能にする環境の促進、政策の立案及び実施のための効果的なメカニズムの強化
    C 政策の立案及び実施を目的とする障害に関するデータ及び他の情報の利用可能性及び質の改善
    D 障害を含む開発の促進
    E 障害の原因の予防及び障害者のリハビリテーションとエンパワメントのための障害問題への包括的な地域に根ざしたアプローチの強化
  • V BMFの実施における協力及び支援の促進
  • VI 効果的なモニタリング及びレビューの促進 3

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I 前文

1. アジア太平洋地域には、世界の6億5千万人の障害者の3分の2が住んでいる。障害者の権利の一層の認識を確保するために、アジア太平洋地域の各国政府及び他の関係者は、多くの措置を取っている。2002年5月22日のESCAP決議58/4(21世紀のアジア太平洋地域の障害者のためのインクルーシブで、バリアフリーな、かつ権利に基づく社会の促進)により、「アジア太平洋障害者の十年(1993-2002)」【1】を更に10年間(2003-2012)延長した。それ以来、延長された「アジア太平洋障害者の十年(2003-2012)」に沿って、多くのイニシアティブが立ち上げられてきた。その中で、「アジア太平洋地域の障害者のためのインクルーシブでバリアフリーな、かつ権利に基づく社会のためのびわこミレニアム・フレームワーク(BMF)」【2】は、2002年10月25日~28日、滋賀県大津市で開催された「アジア太平洋障害者の十年を締め括るハイレベル政府間会合」において、政策のための明確なガイドラインとして採択された。前十年(1993-2002)の延長は、前十年の目標及び「アジア太平洋地域における障害者の完全参加と平等に関する宣言」【3】への署名を行うことによる政府のコミットメントである障害者の完全参加と平等を推進することとなった。

2. 「BMF」は、前十年の政策ガイドラインである「アジア太平洋障害者の十年(1993-2002)のための行動課題」の実施から学んだ達成及び教訓を基に構成されている。「BMF」は、障害者の開発のための、慈善に基づくアプローチから権利に基づくアプローチのパラダイム・シフトを強調している。「BMF」はまた、人間の多様性を受け入れる、バリアフリーで、インクルーシブな、かつ権利に基づく社会を促進する。更に、その構成員の社会経済的貢献を可能にし、前進させ、及び障害者による権利の実現を確保する。「BMF」は、7つの優先領域及び4つの主要な戦略分野に21の目標、17の戦略が盛り込まれている。2003年9月4日、ESCAP第59回総会において採択された決議59/3を通して、政府は、他の関係者(例:国連機関、世界銀行、アジア開発銀行及び市民社会組織)と連携して、「BMF」の実施へのコミットメントを再確認した。2005年5月18日、ESCAP第61回総会において採択された決議61/8により、2007年にESCAP主催のアジア太平洋障害者の十年(2003-2012)の中間評価に関するハイレベル政府間会合を開催し、十年(2003-2012)の前期5年間(2003-2007)の「BMF」の実施をレビューすることを事務局長に要請した。

3. 前期5年間における最も顕著な達成事項のひとつは、「障害者権利条約」及びその「選択議定書」【4】の採択であった。このことは、障害者の市民的、政治的、社会的、経済的及び文化的権利を促進し保障し、また、障害を含む開発及び国際協力を促進するためのグローバルな努力における新たな時代の始まりを示している。本条約の採択の際に、国連総会は、国連加盟国に、優先事項として、「障害者権利条約」及びその「選択議定書」の署名・批准を検討することを求めている。本条約は、この課題についての国連加盟国の最新の考えを提示している。本条約は、障害者の人権及び基本的自由の完全な享受の促進及び障害者の完全参加の促進が、障害者の高まる属性の感覚を結果として生じ、社会の人的、社会的、経済的開発及び貧困削減における顕著な前進を結果として生じることを認めている。「BMF」の作成及び実施における地域の経験を基にして、ESCAP総会の加盟国及び準加盟地域は、一連の努力(2003年に、提案及び「バンコク・ドラフト」という名の地域のドラフトを障害者の権利及び尊厳の保護・促進に関する包括的総合的な国際条約に関するアドホック委員会への提出を含む)を通して、グローバルな起草過程に貢献した。「障害者権利条約」及び「BMF」の両者ともに、バリアフリーで、インクルーシブな、かつ権利に基づく社会の達成という共通の目標を遂行する。「BMF」の効果的な実施は、「障害者権利条約」の実施に顕著に貢献するものであり、「障害者権利条約」を批准する締約国によって取られる措置は、これらの締約国による「BMF」の実施に貢献する。

4. 延長された十年の前期5年間には、他の顕著な発展があった。例えば、2004年に、ILO、UNESCO、WHOは地域に根ざしたリハビリテーション及びサービスへの権利に基づくアプローチを解説する「ジョイント・ポジジョン・ペーパー」【5】を発行した。「情報社会に関する世界サミット(World Summit for Information Society)」は、2005年11月18日に、障害者を含むすべての人のためのアクセスを促進するユニバーサルデザイン及び支援技術の重要性を述べた「情報社会のためのチュニス・コミットメント及びチュニス・アジェンダ(Tunis Commitment and the Tunis Agenda for the Information Society)」【6】を採択した。WHOは、地域及び他のセクターと連携して、障害を予防するための最も効果的な措置を調査・実施する必要性を述べた。【7】「災害削減に関する世界会議(The World Conference on Disaster Reduction)」は、「行動のための兵庫フレームワーク(2005-2015)、国及び地域の災害の回復(Hyogo Framework for Action 2005-2015, Building the Resilience of Nations and Communities to Disasters)」【8】を採択する際に、特に、貧困者、高齢者及び障害者を支援する社会的セーフティー・ネットのメカニズムの実施を強化することを提言した。

5. 中間評価のための調査は、「BMF」の実施が多くのポジティブな発展があったことを結果として示している。「障害者の完全参加と平等に関する宣言(Proclamation on the Full Participation and Equality of People with Disabilities)」【9】に署名することにより障害問題へのコミットメントを示す政府が増加している。これまでに46か国が署名している。多くの政府は、また、憲法、法律、国内行動計画及び政策・プログラムにおいて障害者の権利の概念を盛り込むための措置も取っている。アジア太平洋地域の障害者は、この点に関して、自身の可能性を証明している。「障害者権利条約」を策定する間には、障害者のニーズを述べ、政策的議論に参画した。障害者は、また、地域及び国レベルでの政策決定プロセスにおいて一層、積極的になっている。障害者の権利を一般の開発の政策策定及び運営に主流化することに焦点を置く「障害を含む開発」を調査し、採用することを始めた国際支援・協力機関が増加している。

6. このような発展にもかかわらず、チャレンジや障壁が残っている。障害に関する人口統計及び社会経済指標の利用可能性及び質の欠如は、依然として主要な課題となっている。多くの政府及び他の関係者が、財政、人的資源、技術的知識及キャパシティの欠如は「BMF」の実施を妨げることを報告している。より多くの障害者がエンパワーされる一方で、精神障害、知的障害、重複障害のある者や、農村及び過疎地の障害者のような末端に置かれた障害者に注意が払われるべき。ESCAPには、また、北部中央アジアのような準地域において「BMF」を促進することが課され、準地域の政府間のメカニズムにおける障害の視点を主流化することが課されている。この5年間に、「国連ミレニアム開発目標(MDGs)」の達成のための努力が、積極的にレビューされている。極度の貧困と飢餓の撲滅、初等教育の完全普及の達成に関連する目標は、「BMF」の7つの優先領域のうち2つに反映されている。「MDGs」においては障害の視点が十分に反映されていなかったために、後に、障害者の権利は、特に、2005年の世界サミットの成果【10】において認識された。高度の危険(武力紛争を含む)を伴う自然災害及びその他の状況は、すべての人(特に障害者)が直面する物理的、制度上、意識上及び情報のバリアを悪化させる。そのような状況は、自然災害及び人的災害の両者に関して、障害を含むより良い災害管理の必要性を強調する。

7. 「BMF」を推進するにあたり、域内各国の閣僚レベルの代表は、2007年9月19日~21日、ESCAP主催によりバンコクにおいて開催された「アジア太平洋障害者の十年(2003-2012)の中間評価に関するハイレベル政府間会合」において、この「びわこプラスファイブ(Biwako Plus Five)」について議論し、最終決定した。「びわこプラスファイブ」の成果は、グローバルな開発、障害に関する地域の喫緊のニーズ及び克服が必要なチャレンジや障壁を考慮に入れて、5年間の評価の事実を文書に表すことである。「びわこプラスファイブ」は、すべてのためのインクルーシブでバリアフリーな、かつ権利に基づく社会の創造を促進することにより、十年の残りの5年間(2008-2012)にかけて、「BMF」の実施を高めるための顕著な貢献を行うという希望において、「BMF」を補完する。

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II 「びわこプラスファイブ」の性質及び架け橋となる原則

8. 「びわこプラスファイブ」は、「BMF」を補完するものである。内容に関して、「びわこプラスファイブ」は、以下の3点により「BMF」と区別される。

  • (a) 7つの優先領域へ追加的な行動を提供する。
  • (b) 4つの戦略分野を25の追加的戦略を持つ5つの分野に再構成する。
  • (c) 「BMF」の実施における「協力、支援、モニタリング、レビュー」下に3つの戦略を追加する。

9. 「びわこプラスファイブ」は、「BMF」における原則及び政策方針に基づき実施されるべき。しかしながら、以下の3つの側面が増強されるべき。

  • (a) 第一に、政府は、経済的能力及び開発の限度内で、「BMF」及び「びわこプラスファイブ」の実施のための国内戦略及び行動計画を策定するための適切な措置を取る。政府は、国内の努力を支援して、適当な場合には、国際協力及び国際的パートナーシップ(資源及び技術の移転を通したものを含む)の重要性を認めるべき。
  • (b) 第二に、様々な関係者間のパートナーシップ(政府、障害者の組織の代表、国際的NGO、地域のNGO、国内NGO、開発のための機関・機構、及び適当な場合は民間部門)は、あらゆる関連する活動(調査、データ収集、ニーズ評価、政策の開発、実施、モニタリング、評価、能力構築及び意識向上を含む)において促進されるべき。
  • (c) 第三に、多様な障害者は、障害者が政策、プログラム及びプロジェクトの目的であるという理由のみならず、障害者がプロジェクト及び政策の実施者や評価者であるのと同様に、障害に関する意思決定の過程のパートナーであるという理由から尊重されるべき。

III BMFの優先領域のための行動

10. 「BMF」は7つの優先領域の下に分類される21の目標を含んでいる。目標1、2、3、4、5、16、17及び18の達成期日は、既に2007年以前に設定されているが、これらの目標をまだ達成していない政府及び他の関係者は、可能な限り早期に目標を達成するための努力を強化する必要がある。

11. 進展が十分ではなく、行動が停滞しているこれらの目的を達成するために更なる努力が必要である。それぞれの優先領域のもとで加盟国が目標を達成するのを助ける追加的行動は以下のとおり。

A 障害者の自助団体及び家族・親の団体

求められる行動

12. あらゆるレベルの政府は以下を支援することを奨励される:

  • (a) 地方及び国レベルでの障害者の団体、家族・親の団体の発展、及び、特に知的障害者、精神障害者、重複障害者の自助団体に注意を払いながら、地域、準地域、地域間レベルのネットワークの促進。
  • (b) 障害者のあらゆるレベルにおける経済的社会的政策及びプログラムの開発、実施及びモニタリングの過程への参加と同様に、政治的市民的プロセスへの参加。
  • (c) 障害のある若い男女をリーダーとして育成。
  • (d) 障害者の自助団体とのパートナーシップの発展、特に、農村部の障害者の自助グループ/団体と、都市部の障害者の自助グループ/団体との協力。

13. 障害者の自助団体及び関連する家族・親の団体は、あらゆるレベルの政府の支援を受け、障害者自身を他の弱者グループの自助団体及び地域に主流化すべき。

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B 障害のある女性

求められる行動

14. 政府は、以下を促進すべき。

  • (a) ジェンダーの視点を、障害関連の政策、計画及び法制に含むこと。
  • (b) 障害のある女性の視点を、ジェンダー関連の政策、計画及び法制に含むこと。
  • (c) 障害のある女性及び障害のある女性の組織が、ジェンダー関連及び障害関連の両者の政策、プログラム、計画及び法制の策定のプロセスへ参加すること。

15. 政府は、障害のある女性及び少女が、重複する差別に瀕していることを認め、この点に関して、自助団体とともに、特に、持続的なベースに基づき、リーダー管理者研修を通じて、障害のある女性の経済的、社会的及び政治的エンパワメントを支援すべき。政府は、障害のある女性の完全な開発、前進及びエンパワメントを確保するために、あらゆる事項における障害のある女性に対する差別(結婚、家族を持つこと、母親になること、及び性的関係に関する事項を含む)に取り組むためのあらゆる措置を取るべき。

16. 障害者の自助団体は、障害のある女性のニーズを考慮して、その既存の構造、政策、計画及び運営を見直し、政策決定の過程への完全参加を目的として、彼女らのエンパワメントを積極的に支援すべき。

17. 障害のある女性の自助団体及びネットワークは、地域に根ざした開発団体及びあらゆるレベルの政府と連携して、隔離された地域の障害のある女性及び少女に関する潜在的なネガティブな影響に対して敏感であるべきであり、地域に根ざした開発のプロセスを通して彼女らの問題と取り組むべき。

C 早期発見、早期対処と教育

求められる行動

18. 政府は、以下のことを行うべき。

  • (a) 早期発見、評価、早期対処及び保健サービス、プレスクールや学校への紹介又は登録に関して、障害のある子ども及び青少年へのサービス提供において保健及び教育を所管する政府機関間の効果的な調整及びコミュニケーションのメカニズムの設置の可能性を探索する。 8
  • (b) 都市、農村及び過疎地域におけるすべての障害のある子ども及びその家族へサービスを提供するのに、早期対処サービスにおいて訓練された職員数が十分であることを確保することに一層の注意を払う。
  • (c) 障害者のインクルーシブな教育制度(識字技能の習得を含む)、成人教育及び生涯学習へのアクセスを促進する。
  • (d) すべての子ども(盲者、ろう者、盲ろう者及び学習障害、知的障害のある子どもを含む)の教育が最も適切な言語及びコミュニケーションの様態及び手段で行われることを促進する。
  • (e) あらゆる教育のレベルにおいて業務に携わる専門家及び職員を訓練し、手話、点字及び拡大的又は代替的なコミュニケーションに熟達した教員(障害のある教員を含む)を雇用するための適切な措置を取る。
  • (f) 他の関係者と連携して、障害者を観客及び参加者の両方として、スポーツに組み入れるための適切な措置を取る。

D 自営を含む職業訓練と雇用

求められる行動

19. 政府は、以下のことを行うべき。

  • (a) 他者と平等に障害者の労働の権利を認め、障害者の労働の権利の実現(雇用の途中で障害を有した者を含む)を促進する。
  • (b) 資源及びサービス(例えば、協同組合、社会的企業、自営のイニシアティブ、ミクロ的財政スキーム、OJT、ピア訓練)への改善されたアクセスを確保するために、特に地域に根ざしたアプローチにおける新たな開発に注意を払いながら、障害者(特に、隔離された、農村の、経済的に停滞した地域の障害者)の雇用のバリアに取り組むための包括的な戦略を開発する。
  • (c) NGOs、SHOs(自助団体)及び他の関係者からの支援とともに、障害者の雇用機会を増やすことを目的として、採用、雇用維持及び向上を促進するためのインセンティブを提供することにより、障害者の技能及び雇用を促進し、共同訓練及び雇用プログラムを運営し、国内及び多国籍の事業主とのパートナーシップを開発する。
  • (d) 障害者の仕事におけるリクルート、職業紹介及び雇用維持の支援を行うことができ、潜在的な事業主へ仕事の準備ができている障害者を紹介するための登録を維持することができるように、障害者を主流の公的な雇用サービスに含め、障害者及びその事業主に支援サービスを提供する。 9
  • (e) 雇用経験が不足している、又は技能が時代に合わない、又は障害のために以前の職業に復帰できない障害のある成人のための職業準備訓練及び/又は技能再開発及び技能再訓練に関連する政策及び慣行を採用する。

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E 各種施設及び公共交通機関へのアクセス

求められる行動

20. 政府は、以下のことを行うべき。

  • (a) 既存の及び新設の建物並びに公共交通におけるアクセシビリティー・スタンダードを効果的に施行し、アクセシビリティーを促進するための適切な措置を取る。
  • (b) 種別の異なる障害者が裨益するために、公的団体及び民間団体におけるユニバーサルデザインの概念を促進する。
  • (c) 他の関係者と連携して、公衆に開かれた又は提供されるあらゆるサービスに障害者のアクセシビリティーのあらゆる側面を考慮に入れることを確保する。
  • (d) 障害者が、負担可能な費用で、建物、公共交通、情報コミュニケーション及びサービスにアクセスできることを可能にするための質の高い移動補助具及び器具についての調査開発を奨励し、促進する。
  • (e) アクセシブルな観光を促進するための適切な措置を取る。

F 情報通信及び支援技術を含む情報通信へのアクセス

求められる行動

21. 政府は、以下のことを行うべき。

  • (a) 障害者の権利の完全な享受を確保するために、「情報社会に関する世界サミットのチュニス・コミットメント及びチュニス・アジェンダ」に従い、情報通信(情報通信技術を含む)に関するアクセシビリティーを積極的に促進する。
  • (b) アクセシブルな言語及びコミュニケーションの様態、手段(わかり易い言葉及びアクセシブルな技術によるものを含む)で、公的情報の作成及び普及を促進する。
  • (c) 公衆に開かれた又は利用可能な施設及びサービス、及び他のあらゆる公的な対話において、手話、点字、拡大的及び代替的コミュニケーション、及び障害者によって選択されたその他のあらゆるアクセシブルなコミュニケーションの手段、様式及び形態の利用を認め、及び促進するための適切な措置を取る。
  • (d) 民間部門と連携して、公衆に開かれた建物、公的性質のサービス(バンキング、郵便サービス、電子的に提供されるサービスを含む)への障害者のアクセシビリティーを促進するために、ライブ・アシスタンス及び媒介者(ガイド、朗読者及び専門職の手話通訳者を含む)の諸形態の利用可能性を促進する。
  • (e) 他の関係者とともに、ユニバーサルデザインの概念及び国際的に認められたアクセシビリティー基準に従う情報支援技術の調達と同様に、情報支援技術の調査・開発を促進する。
  • (f) 国内のろう者の組織と連携して、手話の開発及び手話通訳者の訓練を支援するための適切な措置を取り、教育的、雇用関連及び法的過程における手話の使用を認める。

G 能力構築、社会保障及び持続的生計プログラムによる貧困の緩和

求められる行動

22. 政府は、以下のことを行うべき。

  • (a) 貧困削減戦略ペーパー(PRSP)のような国内開発の枠組みにおいて、障害の視点を主流化する。
  • (b) 既存の社会保障政策及び実践をレビューし、それらを修正し、必要な場合は、障害者の個人のモビリティー、健康、リハビリテーション及びハビリテーションのサービス、教育及び相当な生活水準及び社会的保護を促進する。これらが存在しない場合は、基礎的なサービスを提供することを目的とする政策が開発され実施されるべき。必要とされるあらゆる個人的支援と同様に、障害者のニーズに呼応する基礎的な支援機器の提供が促進されるべき。

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IV 重要戦略

23. 「BMF」には「BMFの目標を達成するための戦略」の4つの分野(下記(a)~(d))の下に10の戦略がある。

  • (a) 障害に関する国内行動計画(5か年);
  • (b) 障害問題への権利に基づくアプローチの促進;
  • (c) 計画のための障害統計/共通の障害の定義;
  • (d) 障害の原因の予防及び障害者のリハビリテーションとエンパワメントへの強化された地域に根ざしたアプローチ

24. 以下に構築された5つの戦略の分野は、「BMF」に記載される戦略の上に築かれ「BMF」を拡大するものである。これらの戦略は、「BMF」を実施するために既に取られた努力から学んだ教訓及び、「BMF」の採択時以降に現れた新規の課題及び懸念に取り組む必要性を反映している。したがって、「BMF」における戦略の4つの分野は、再検討されて以下の5つの分野に再構築された。

  • (a) 障害問題への権利に基づくアプローチの強化;
  • (b) 可能にする環境の促進、政策の立案及び実施のための効果的なメカニズムの強化;
  • (c) 政策の立案及び実施を目的とする障害に関するデータ及び他の情報の利用可能性及び質の改善;
  • (d) 障害を含む開発の促進;
  • (e) 障害の原因の予防及び障害者のリハビリテーションとエンパワメントのための障害問題への包括的な地域に根ざしたアプローチの強化;

25. 再構築された戦略分野の「障害問題への権利に基づくアプローチの強化」は、「障害者権利条約」における権利に基づくアプローチの具現化の一層の重要性を考慮に入れて、「BMF」における既存の戦略である「障害問題への権利に基づくアプローチの促進」を拡大する。再構築された他の戦略分野である「可能にする環境の促進、政策の立案及び実施のための効果的なメカニズムの強化」は、「BMF」及び「びわこプラスファイブ」の両者において促進されるものを実施することを可能にするような制度的及び他の要因を再度強調することが必要であるために追加された。 「BMF」における既存の戦略である「障害に関する国内行動計画(5か年)」はこの修正された戦略に統合された。再構築された戦略分野の「政策の立案及び実施を目的とする障害データの利用可能性及び質の改善」は、障害に関する効果的なデータ及び情報を入手し、利用するための努力を強化する必要性を考慮に入れて、「BMF」における既存の戦略である「計画のための障害統計/共通の障害の定義」を拡大する。再構築された戦略分野の「障害を含む開発の促進」は、開発支援活動において障害の視点を主流化することが「BMF」の目標を達成するのに効果的であるという理由で追加された。再構築された戦略分野の「(a)障害の原因の予防、障害者の(b)リハビリテーション及び(c)エンパワメントへの包括的な地域に根ざしたアプローチの強化」は、地域に根ざしたリハビリテーション(CBR)の発展する概念を反映する既存の戦略分野である「障害の原因の予防及び障害者のリハビリテーションとエンパワメントへの強化された地域に根ざしたアプローチ」を拡大する。さらに、「BMF」の3つの戦略(戦略1、8及び9)は、2007年以前の目標達成時期が設定してあったが、未だ目標を達成していない政府及び他の関係者は、可能な限り早期に目標達成のための努力が必要となる。「BMF」の戦略6及び7は、「障害者権利条約」の採択とともに無効になったため、本文書の戦略4及び戦略5に再構成される。

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A 障害問題への権利に基づくアプローチの強化

戦略1

26. 政府は、障害を発展する概念として理解する際の、新たに出現したトレンドに留意し、障害が、障害者と障害者に対する態度及び環境による障壁との間の相互作用であって、障害者が他者と平等に社会に完全かつ効果的に参加することを妨げるものによって生ずるものであることを認めることを奨励される。政府は、この障害の理解を既存の及び新規の政策に盛り込むことを奨励される。障害者が完全に社会に参加し権利を行使することを妨げるあらゆる障壁の除去に対しても特別の注意が払われるべき。

戦略2

27. 政府は、締約国となっている人権及び障害に関する国際文書と整合性のない法律を廃止し又は修正し、及び障害者の権利を促進するような法律を採択するための措置を検討すべき。

戦略3

28. 政府は、障害者の権利を効果的に促進し保護するための適切な措置(非差別法制の開発及び実施を含む)を取ることを奨励される。

戦略4

29. 政府は、障害者の権利を保護し促進することを目的とした、法的、行政的及び機関的システムの実施のモニター及び評価における支援のための、効果的な、独立した、諮問的及び代表的メカニズムを設置するか又は既存のメカニズムを指定することを奨励される。

戦略5

30. 政府は、優先事項として、「障害者権利条約」及びその「選択議定書」の署名及び批准又は加入を検討すること、及びすべての人権及び基本的自由を享受する障害者の権利を促進し保護することを奨励される。

戦略6

31. 政府は、あらゆる関係者と連携して、生活のあらゆる分野において存在する障害者の機会を均等化するための合理的配慮の提供を促進するに当たり積極的な措置を取るべき。「合理的配慮」とは、障害者が他者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。
戦略7

32. 政府は、他者と平等に、障害者の司法へのアクセスを促進すべき。

B 可能にする環境の促進、政策の立案及び実施のための効果的なメカニズムの強化

戦略8

33. あらゆるレベルの政府は、達成期限のある目標を伴う障害に関する行動計画を開発し又は更新し、計画の実施及びモニタリングのための十分な資源を割り当てることを奨励される。必要な場合は、以前の行動計画から学んだ教訓を考慮に入れるべき。

戦略9

34. 政府は、仮に未だ行っていない場合は、障害に関する政策及び計画を調整し及びモニターするための制度上のメカニズムを設置し又は指定すべき。このことは、すべての省庁の代表及び障害者の両者の効果的で定期的な参加を確保することとなる。地方自治体も、このメカニズムの統合的な部分となるべき。

戦略10

35. 政府は、経済的能力及び開発のレベルの限度内で、関連する政策及び計画、データ収集、公務員、専門家及び障害者の能力構築の実施、同様に障害関連事項の調整メカニズムの運営に対して十分に、かつ持続可能なベースで、財政措置を行うべき。

戦略11

36. すべての関係者は、メディア、調査機関、法律の専門家、ドナー及び開発機関及び民間部門との効果的なネットワーク及び連携を通して、権利に基づくアプローチ及び障害を含む開発の意識向上を行うべき。

戦略12

37. 政府は、他の関係者とともに、「BMF」及び本文書が適切な方法で普及されることを確保すべき。

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C 政策の立案及び実施を目的とする障害に関するデータ及び他の情報の利用可能性及び質の改善

戦略13

38. 障害に関するデータ収集の重要性が、国連組織内のみならず、国内レベルの意志決定者間(国内統計事務所、同様に学術的組織、自助団体及び他の市民社会組織を含む)で強調され、擁護されるべき。

戦略14

39. 政府は、必要な資源の配分と同様に、障害に関するデータ収集に権限を与える政策又は法律を策定することを奨励される。そのような政策及び法律は、とりわけ、障害者のプライバシーを尊重すべき。

戦略15

40. 可能な限り、データは、障害者の社会経済的状況(インペアメントの種類、性、年齢、教育、雇用及び収入を含む)によって分類されるべき。

戦略16

41. 政府は、人口センサス及び調査を通して、障害に関するデータが定期的に収集され普及されることができるように、国内のキャパシティを構築すべき。

戦略17

42. 政府は、特に非識字の障害者及び散村に住む障害者のニーズを掴むデータ収集の革新的な方法を開発することを奨励される。

戦略18

43. 政府は、障害者の状況を改善し、障害者が人権及び基本的自由を完全に享受することを確保することを意図した政策及び計画のインパクトの定期的評価を行うことを奨励される。

戦略19

44. 政府は、ESCAPと協力して、適当な場合は、資源の可能性に依って、アンケート及び調査を通して、障害者の懸念を明確化し、将来の行動計画を策定するための措置を取るべき。

戦略20

45. ESCAP、他の国連機関・機構及び政府間機関は、要求に応じて、政府が障害者に関する統計基準を設定する際に、また政策を策定する際に支援すべき。

D 障害を含む開発の促進

戦略21

46. あらゆるレベルの政府は、国連開発機関・機構、国際的、地域的及び国内開発機関、民間部門、他の市民社会と連携して、あらゆる社会的経済的開発計画、特に、MDGsに関連する事項の開発及び実施において障害の視点を主流化すべき。MDGsの障害の指標の開発が検討されるべき。

戦略22

47. 国際的、地域的及び国内開発機関・機構(国連開発機関・機構を含む)は、それらの一般的な政策及びプログラムの開発と実施へ障害の視点を主流化することを奨励される。経済・技術協力も、この努力の統合的な部分となるべき。

戦略23

48. 障害を含む災害管理が促進されるべき。障害の視点が、この分野における政策及びイニシアティブ(政府の災害管理を促進するための国際的フレームワークである「行動のための兵庫フレームワーク(2005-2015)」を含む)の実施に十分に含まれるべき。ユニバーサルデザインの概念が、災害準備及び災害後の再建におけるインフラ開発へ統合されるべき。

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E 障害の原因の予防及び障害者のリハビリテーションとエンパワメントのための障害問題への包括的な地域に根ざしたアプローチの強化

戦略24

49. 政府は、国連開発機関・機構、国際的、地域的及び国内開発機関・機構、民間部門、その他の市民社会組織と連携して、上記パラ4で言及されるILO/UNESCO/WHOのジョイント・ポジション・ペーパーに含まれる提言を考慮に入れて、包括的な地域に根ざしたリハビリテーション(CBR)の措置を適用することを奨励される。

戦略25

50. 政府は、交通事故及び疾病のような予防可能な障害の原因を削減するための適切な措置を取ることを奨励される。

V 「BMF」の実施における協力及び支援の促進

51. 「BMF」は、「BMFの実施における協力及び支援」の3つの分野(「準地域的協力及び連携」、「地域協力」、「地域間の連携」)の下に7つの戦略を有する。以下は、「BMF」の目標の実施を補強するための追加的な戦略である。

戦略26

52. ESCAPは、FAO、ILO、OHCHR、UNDP、UNESCO、UNICEF、WHO及び国連内の関連する基金、機構や団体のようなパートナーとともに、「BMF」及び「びわこプラスファイブ」を効果的に実施するために機関間の調整を促進すべき。

戦略27

53. 政府及び国際機関は、準地域政府機関への参画を通して、また中央アジア経済特別プログラムのような地域プログラムを通した、準地域協力及び連携を促進することを奨励される。APCD、APDF及びPIFのような、地域及び準地域の障害関連組織、プロジェクト及び活動との連携を奨励されるべき。

戦略28

54. ESCAPは、「BMF」及び「びわこプラスファイブ」の効果的な実施を支援する際に、関係者(市民社会組織及び民間部門を含む)との協力において、またAPCD、PIF及びAPDFのような国際的及び地域的フォーラムとのパートナーシップにおいて、知識のネットワークを開発し、好事例に関する地域全体の情報を普及し、交換することを奨励される。

VI 効果的なモニタリング及びレビューの促進

55. 「BMF」及び「びわこプラスファイブ」の実施のレビューは、2012年のアジア太平洋障害者の十年の最終年に、地域、準地域及び国内レベルで行われるべき。

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脚注

  • 【1】ESCAP総会決議48/3(1992年4月23日)を参照。
  • 【2】ESCAP総会決議59/3(2003年9月4日)を参照。
  • 【3】1992年12月1日~5日に北京において開催された「アジア太平洋障害者の十年を立ち上げるためのハイレベル政府間会合(High-level Intergovernmental Meeting to Launch the Asian and Pacific Decade of Disabled Persons)」において採択された。また、ESCAP総会決議49/6(1993年4月29日):「アジア太平洋障害者の十年(1993-2002)のための行動のための宣言及び課題」も参照。
  • 【4】国連総会決議61/106(2006年12月13日)のAnnex I及びII。
  • 【5】ILO、UNESCO、WHO、「CBR:A Strategy for Rehabilitation, Equalization of Opportunities, Poverty Reduction and Social Inclusion of People with Disabilities(CBR:障害者のリハビリテーション、機会均等化、貧困削減、及び社会的インクルージョンのための戦略)」(2004年、WHO、ジュネーブ)
  • 【6】A/60/687を参照。
  • 【7】世界保健総会決議 WHA58.23(2005年5月25日:障害の予防、管理及びリハビリテーションを含む障害に関する決議)
  • 【8】A/CONF.206/6 及びCorr.1, chap.I、resolution 2
  • 【9】E/ESCAP/902, annex I
  • 【10】国連総会決議60/1(2005年9月16日)

(参考)

びわこミレニアム・フレームワーク(BMF)

1 経緯

2002年(平成14年)5月、ESCAP総会において「アジア太平洋障害者の十年(1993-2002)」を更に10年延長し、2003年から2012年までを新たな「アジア太平洋障害者の十年」とする決議を採択。

2002年10月、滋賀県大津市において、「アジア太平洋障害者の十年(1993-2002)最終年ハイレベル政府間会合」(議長:阿南一成内閣府政務官)が開催。新十年に係る行動計画として「びわこミレニアム・フレームワーク(BMF)」を採択。BMFは、翌年のESCAP総会において承認。

2 概要

(1)位置付け
新たな「アジア太平洋障害者の十年(2003~2012年)」における、障害者のためのインクルーシブでバリアフリーな、かつ、権利に基づく社会を達成するための地域行動計画
(2)優先的行動分野
A 障害者の自助団体及び家族・親の団体
B 障害のある女性
C 早期発見、早期対処と教育
D 自営を含む職業訓練と雇用
E 各種施設及び公共交通機関へのアクセス
F 情報通信及び支援技術を含む情報通信へのアクセス
G 能力構築、社会保障及び持続的生計プログラムによる貧困の緩和
(3)目標達成のための戦略
A 障害に関する国の行動計画(5か年)
B 障害問題への権利に基づくアプローチの促進
C 計画のための障害統計/共通の障害の定義
D 障害の原因の予防及び障害者のリハビリテーションとエンパワメントへの強化された地域に根ざしたアプローチ