第4回中央障害者施策推進協議会 議事録
- 日時
- 平成20年7月24日
- 出席委員
- 京極会長、安藤委員、岩城委員、、清原委員、小金澤委員、笹川委員、
佐藤委員、潮谷委員、諏訪委員、副島委員、竹中委員、館森委員、田山委員
妻屋委員、、成田委員、ニキ委員、野村委員、福島委員、藤井委員
松尾委員、水越委員、村田委員、山本委員、米田委員
内閣府政策統括官(共生社会政策担当)
○京極会長 それでは、定刻になりましたので、これより、第4回「中央障害者施策推進協議会」を開催いたします。
本日は石川委員、川本委員、樋口委員、が御欠席されております。
また、本日は福田内閣総理大臣、町村内閣官房長官及び大野内閣官房副長官、内閣府からは岸田内閣府特命担当大臣及び西村大臣政務官に御出席いただいております。
それでは、協議会の開催に当たりまして、福田内閣総理大臣から、ごあいさつをお願いいたします。
○福田内閣総理大臣 おはようございます。委員の皆様には、京極会長を始め、いつも大変お世話になりまして、ありがとうございます。
政府の方も、昨年末に障害者基本計画の後期5年間における施策目標を定めました。それは重点施策実施5か年計画でございます。
この計画では、委員の皆様の貴重な御意見をいただきまして、前期計画に比べ施策項目を2倍にするといったような、より積極的なものにすることができたわけでございます。
障害者自立支援法につきましては、緊急措置を講じておりますけれども、今後これまでの施行状況を踏まえまして、制度全般にわたる見直しを進めてまいりたいと思っております。また、昨年9月に署名をいたしました障害者の権利に関する条約につきましても、可能な限り早期の締結を目指して、国内法令を整備してまいりたいと思っております。
私は、障害者施策というものは、常に思いやりの精神が大事だと思っております。懸命に生きていらっしゃる障害者の方々、またそういう方々を支える家族、多くの関係する方々の協力を得ながら、中身を充実していくべきものと考えております。
本日の協議会での皆様の御意見も生かして、共に助け合い、共に支え合う思いやりのある共生社会の実現に向けて、着実にこれからも歩みを進めてまいりたい。しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
委員の皆様方には、大変御協力をいただいておりますことに感謝申し上げ、また皆様の御健勝を心からお祈りを申し上げたいと思います。今日も本当にありがとうございます。
(報道関係者退室)
○京極会長 福田内閣総理大臣は、後ほどやむを得ず公務のために御退席されますので、ここで障害当事者として御活躍され、これまで御都合により御欠席されていて、今回御出席いただきました成田委員に御発言いただいた上で、議事に入りたいと思います。御案内のように、成田委員は近く北京で開催されますパラリンピックへの出場に向けて、猛練習中と伺っております。
それでは、成田委員、よろしくお願いいたします。
○成田委員 御紹介いただきました成田真由美です。体調のこともあり本日が初めての出席となり申し訳ありませんでした。
北京パラリンピックが9月6日から開催されますので、今は猛練習の日々を送っていますが、最近嬉しいなと思うのは、回を重ねるごとに日本の皆さんの応援が大きくなっているということです。私自身、北京で4回目の出場になりますが、応援が大きくなっていくのを実感しています。
初めて参加したアトランタの時と比べると、マスコミの方々も今まで以上にパラリンピックをスポーツとして取り上げてくださっていることに心から感謝をしたいと思っています。
今日、私は官邸が新しくなって初めて来たのですが、嬉しかったのは、車椅子用のトイレを探していたら女子トイレの中にあったことです。普段だったら車椅子用のトイレはたいがい男子トイレ、女子トイレとは別のものなので、「車椅子用のトイレ」を探したんですが、当たり前のように女子トイレの中に車椅子用のトイレがあることがとても嬉しかったのです。トイレなり、駐車場なり、公共の施設を障害者も当たり前のように使えるということが私たち障害をもっている者にとって一番嬉しいことなので、このように少しずつ変わっていっていることが嬉しいなと感激をしたところです。
今、車椅子で生活をしていますので、どうしても移動は車でするんですが、やはりガソリンの値上がりというものがものすごく痛くて、もうちょっと何か考えていただければと思います。本当に車で移動することが必要最低限の者にとっては、ものすごく痛いところなので、援助ではないんですけれども、何か考えてくださる方がいらっしゃったら、私たち国民の声をぜひお聞き届け願いたいという気持ちでいます。
ここに御出席の皆さんはそれぞれの立場にある方々なので、いろいろな意見交換をしていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○京極会長 どうもありがとうございました。福田内閣総理大臣は所用のため、ここで御退席される予定ですので、御了承願います。
○福田内閣総理大臣 いろいろな施設をバリアフリーにしなければいけないというので、これも内閣として重要課題として数年前から取り組んでおりますけれども、7、8年前、私も東京駅に行ってきました。当時、車いすでもって東京駅に行ってもホームまで行けない。入り口が6か所あるんですけれども、そのうちの1か所しかなかったんです。東京駅の南口で、郵便局のあるところです。
ですから、もし車いすで行ったらば、そこにしか入る道はなかったんですけれども、JRの方にも来ていただいて、こういう問題があるんだということを指摘しまして、翌年に6か所全部付いたんです。
今日は申し訳ないんですけれども、皆様に大変お世話になっていることを御礼申し上げながら、途中で失礼させていただきたいと思います。ありがとうございました。
(福田内閣総理大臣退室)
○京極会長 それでは、議事に入らせていただきます。「障害者施策の実施状況等について」、初めに各府省から資料の説明をお願いいたします。
まず内閣府からお願いいたします。
○松田政策統括官 お手元の資料1をごらんいただきたいと思います。19年度を中心といたしまして障害者施策の実施状況につきまして、平成20年版の障害者白書のポイントをかいつまんで御紹介する形で御説明いたしたいと存じます。
1ページでございます。これは今回の白書の構成という形で、第1章で障害者基本計画の前期5年間の政策動向について記述、あるいは2~5章で障害者基本計画に定める8つの施策分野の概況を記述しているという構成を紹介しております。
2ページにお移りいただきまして「障害者施策の動向」ということで、障害者基本計画の前期5か年におきまして、各種の法制度の改正等が行われました。障害者施策は共生社会の実現に向けまして、着実に推進しているということでございまして、法制度の改正等、国連動向等の御紹介をいたしております。
3ページでございます。これは分野別にどのような法改正がこの数年間に行われたかというものを御紹介したものでございます。
4ページでございます。5年に1回行われる身体障害児・者実態調査結果の18年の結果では、障害児・者の総数は366万人となっております。
5ページでございます。この障害者施策推進本部。内閣総理大臣を本部長といたしまして、すべての国務大臣が参加する体制で政府として施策を推進する。こういう体制の下に、平成19年12月にこの本部におきまして、新たな重点施策実施5か年計画を決定いたしております。
6ページでございます。その重点施策実施5か年計画の中身でございますけれども、施策項目数は旧計画では60項目でありましたものを倍に相当する120の施策項目、新規42項目を含みます57の数値目標を掲げて進めることといたしております。
7ページでございます。地方障害者計画の策定状況ということでございますが、平成16年の基本法の改正におきまして、19年4月から市町村におけます障害者計画の策定が義務化されました。3月末現在で全体の96.5%まで策定ということになっております。
以下、障害福祉サービス等に関しましての調査から、評価結果について御紹介いたしたいと思います。
8ページでございます。障害福祉サービスを利用しておられる方のうち、サービスに満足している人、やや満足している人は62%余、不満、やや不満な方が32%余ということになっております。
9ページでございます。満足の理由につきまして、職員や介護者の接し方がよいというのが最も多く、また不満の理由につきまして、費用負担、サービス内容、サービス量の項目が多くなってございます。
10ページはサービスの質や量に関する3年前との比較で「変わらない」が最も多い。
11ページでございます。保健・医療サービスにつきましては、利用している人の満足度、「満足している」「やや満足している」が67%余、「不満」「やや不満」が25%という構成になっております。満足の理由につきまして、職員の接し方がよい。不満の理由について費用負担。費用負担は満足、不満足の両方に出てくるところが注目されます。
13ページでございます。サービスの質や量は3年前との比較では「変わらない」が最も多くなっております。
14ページに移りまして、第2章でございます。障害のある方に対する理解を深めるための啓発広報ということで、障害者週間、行事等々を中心といたしまして、積極的に啓発広報に努めております。また、バリアフリーの関係につきましては、功労者につきまして、総理大臣表彰を行っております。
国際協力の関係あるいは権利条約の関係でございます。権利条約につきましては後ほど説明がありますけれども、昨年9月に署名いたしまして、今後可能な限り早期の締結を目指して、必要な国内法令を整備することといたしております。
15ページ「社会参加に向けた自立の基盤づくり」ということで、1つは障害のある子どもの教育・育成に関する施策でございます。教育・育成につきまして、19年4月から学校教育法等の一部改正法が施行されました。校内委員会の設置でありますとか、特別支援教育コーディネーターの指名、個別の教育支援計画の策定などの体制整備を推進することといたしております。
発達障害のある子どもへの支援や特別支援学校教諭免許状の保有率向上、学校施設のバリアフリー化等を推進することといたしております。
16ページに移りまして、雇用・就労の促進施策といたしまして、福祉から雇用へ推進5か年計画の策定でありますとか、障害者雇用納付金制度の中小企業への適用拡大、国の行政機関におけます知的障害者等のチャレンジ雇用の率先した実施もいたしております。
7月1日現在で内閣府が3名、金融庁が1名、厚生労働省109名、会計検査院1名ということで、更に積極的なチャレンジ雇用を進めることといたしております。
ハローワークにおけますチーム支援、あるいは障害者就業・生活支援センター等による就業面、生活面一体の支援を進めることといたしております。
17ページに移りまして、生活安定のための施策ということで、障害者自立支援法が平成18年10月から本格施行されたわけでございますが、その後、18年12月には同法の円滑な施行に向けて、利用者負担の軽減等を内容する特別対策を実施いたしております。昨年12月には利用者負担のさらなる軽減等を盛り込みました抜本的な見直しに向けた緊急措置が決定されております。
18ページに移りまして、数値目標及び福祉サービス見込み量の推移でございますが、具体的な数値目標といたしまして、左上のグラフでございますが、平成23年度末までに施設入所者を13.5万人にする。あるいは真ん中のところでございます。退院可能精神障害者を3.7万人減少させる。一番右の欄。年間一般就労移行者を0.9万人とするという目標を掲げておりました。これを達成させるために必要な訪問系サービス、日中活動系サービス、居住系サービスの見込み量を明確化いたしております。
19ページでございます。日々の暮らしの基盤づくりということで、平成19年、身体障害者補助犬法の一部改正が行われまして、都道府県等におきます苦情窓口の設置、発達障害者支援の推進ということで、発達障害者情報センターの開設等を行っております。また、保健・医療の分野では交通事故などで脳に損傷を負い、記憶障害等となられました高次脳機能障害のある方への対応を行うための支援拠点機関の設置等を進めることといたしております。
第5章では「住みよい環境の基盤づくり」ということで、障害のある人の住みよいまちづくりのため、住宅のバリアフリー化の推進のほか、バリアフリー新法に基づきます公共交通機関、建築物、道路等のバリアフリー化を推進することといたしております。
最後のページでございます。障害のある方の情報等を確保するための施策ということで、情報バリアフリー化の推進、障害のある方に対してITに関する研修等を行います障害者ITサポートセンターを始めといたしましたさまざまな情報バリアフリー化の推進。あるいはテレビの字幕放送の推進等の情報提供の充実を図ることといたしております。
次に資料2でございます。「障害者基本法附則第3条に係る検討について」という2枚ものの資料をごらんいただきたいと存じます。
おめくりいただきまして、平成16年の障害者基本法の一部を改正する法律の附則3条で、政府はこの法律の施行後、5年を目途として、この法律による改正後の規定の実施状況、障害者を取り巻く社会経済情勢の変化等を勘案し、障害者に関する施策の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされております。
3ページ目に障害者基本法の沿革が出ております。45年に心身障害者対策基本法が議員立法で制定されまして、その後、平成5年に議員立法で法律の題名変更等の改正がなされ、今、申し上げました16年6月に障害者基本法の一部を改正する法律ということで、市町村の障害者計画の策定義務化等を内容とする議員立法がなされておるわけでございます。
戻りまして、2ページ。そうした中でこの法律をどんな形で見直すかということでございますが、真ん中に検討と書いてございます。障害者基本法の趣旨及び規定どおり実施されてきたか。特に障害者基本計画及び重点実施5か年計画に基づく施策が計画どおり実施されてきたか。あるいは実施状況を踏まえて、障害者施策にはどのような課題があるのか。また、どのような措置が必要となるのか。障害者権利条約の締結に際しまして、障害者基本法に関し、どのような措置が必要となるのか。こうしたことを検討いたしまして、年内を目途に検討結果をとりまとめることといたしております。
説明は以上でございます。
○京極会長 ありがとうございました。
次に外務省よりお願いいたします。
○梅本外務省総合外交政策局審議官 外務省から、障害者権利条約について御説明をいたします。資料3という1枚紙の資料が配付されておりますので、それをごらんいただければと思います。
御案内のように、2006年12月の第61回国連総会で採択された障害者権利条約は、7月21日現在、129か国と1の地域機関が署名をして、30か国が締結済みということでございます。4月3日に締約国が20か国に達したことから、本条約は本年5月3日に発効をしたところでございます。
我が国につきましては、昨年9月、ニューヨークの国連本部において、高村外務大臣が障害者権利条約に署名をしたところでございます。現在、外務省、内閣府、法務省、総務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、警察庁の関係各課を構成員とする障害者権利条約に係る対応推進チームにおいて、可能な限り早期の締結を目指して検討を行ってきているところでございます。また、条約締結に向けまして、障害当事者を含むNGOとの意見交換も行ってきております。
今後ともそういう場でいただいた御意見も参考としつつ、さらなる検討を進めてまいりたいと考えている次第でございます。
以上でございます。
○京極会長 ありがとうございました。次に厚生労働省よりお願いいたします。
○木倉厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長 厚生労働省の障害保健福祉部長の木倉でございます。
それでは、資料4の1枚紙でございます。これをごらんいただきながら、御説明申し上げます。
障害者自立支援法は17年に成立をいたしまして、18年4月から施行しているものでございますが、この障害者自立支援法の見直しの状況でございます。障害者自立支援法は障害の有無にかかわらず、地域で安心して共に暮らすことのできる地域社会の実現ということを目指しまして、17年10月に成立をいたしまして、18年4月施行をされたところでございます。
この法律の中では三障害について、施策の一元化を図っていく。サービス体系全体を再編をしていく。就労支援を抜本的に強化をしていくというような改革が盛り込まれて推進をされているところでございます。
この法律におきましては、最初の○のところに参考で書いてございますように、附則が付けられておりまして、3年目で検討することになっておりまして、検討規定では障害児の児童福祉施設入所に関わる実施主体の在り方、障害者等の範囲、このようなものを中心に法施行後3年を目途に検討を行っていく。それに基づいて必要な措置を講ずるというように規定をされているところでございます。
この法律の施行後、施策の定着の万全を期するために、利用者負担の軽減あるいは事業者の方々に対する激変緩和措置など、総額1,200億円の特別対策が実施されているところでございますが、その3つ目の○にありますように、昨年12月には与党の障害者自立支援に関するプロジェクトチームの方から提言をいただいておりまして、20年度利用者負担の見直し、事業者の経営基盤の強化などの緊急措置を図るということで、実施をさせていただいているところでございます。
このプロジェクトチームの報告書では、法の抜本的な見直しの視点が示されておりまして、まさにこの指摘をされております事業者負担の在り方、あるいは事業者の経営基盤の強化、障害者の範囲など、この裏の方に付けさせていただいておりますが、こういう項目を挙げて、このような分野について検討を進めていくということも示されているところでございます。
この与党からの御指摘あるいは法の附則の見直し規定を受けまして、この4月から厚生労働省の社会保障審議会の障害者部会という場におきまして、本日も御出席いただいております潮谷部会長の下で議論を開始したところでございます。制度全般にわたります検討を進めていただきまして、その改善を図ってまいりたいと思っております。皆様方におかれましては、引き続き御指摘、御指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
○京極会長 ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、何か御質問等がございましたら、お願いいたします。今日は4人の方がお休みですけれども、その他全員出席されておりますので、1人当たり2~3分話しますと、すぐに1時間になりますので、できるだけ1~2分でお願いして、なるべく全員の方が発言できるようにいたしたいと思います。
それでは、笹川委員。
○笹川委員 2点につきまして、お尋ねをいたします。先ほど、障害者権利条約について、早期にという発言がございました。極めて抽象的で私どもにはわかりません。一体いつごろを目途にして、政府として取り組んでおられるのか。その辺をもう少し明確にしていただきたい。
第2点。身体障害者実態調査の結果によりますと、障害者全体の就業率がアップをしておりますけれども、視覚障害者に限っては平成13年の調査に比べて2.5%ダウンしております。その理由、分析、今後の取組み、どのようにお考えなのか。この2点をお尋ねいたします。
○京極会長 御質問につきましては、1対1で話していますと時間がかかってしまいますので、もうお二人くらい御意見を伺って、それで事務局の方でお答えいただく方がいいかと思います。
妻屋委員、どうぞ。
○妻屋委員 早朝に地震がありましたけれども、災害時の要援護者に対する対策について、ここに挙げてありますが、要援護者の名簿づくりはどれくらい進んでいるんでしょうか。それから、全体の計画策定がたしか11年に目標を置いているんですけれども、もうちょっと早くすることはできないでしょうかということです。災害は避けられないものですから、高齢者と障害者という災害弱者は非常に影響を受けやすいものですから、是非早めに要援護者の名簿づくりに努めてもらって、支援プランの作成につなげていただきたいと思っております。よろしくお願いしたいと思います。
○京極会長 ありがとうございます。もうお一方ぐらいどうでしょうか。どうぞ。
○山本委員 日身連の山本でございます。前回も10月29日に申し上げた内容なんですけれども、まさしく障害者の就労という取組みの中、いろいろと熱心にやっていただいておるわけでございますが、地元のハローワーク等においても組織改革というところで、この4月から障害者のコーディネートを中心にした中での定着を図るという意味合いでの組織改革をしていただいてありますし、白書などの方針に基づいてやっていただいてあるんですけれども、それにあっても定着というところにおいては、なかなか難しいところがあって、今回もその定着を図るがための対策であったかと思うんですけれども、しかしながら、まだ4月にできたばかりで云々ということは失礼に当たるかと思うんですが、この際、国連でも言われております合理的配慮という視点にたつならば、当事者が参画した中での障害者の就労ということを考えれば、このJDFを含めて、アンケート等いろいろと協力させていただいております私どもの団体に対しても、常日ごろから障害者の枠をたしか今回のハローワークは600名ほどの方が常駐の専従職員だという組織変更であったかと思います。
そうした中に3分の1でも結構ですから、私どものJDFであり、こういう会議を当事者の中からそういう方が応募できる。反対に私どもが参画させていただくというところにおいても、参画させていただきたいなということを痛切に思います。その辺のことについて、ひとつよろしくお願いします。
○京極会長 ありがとうございました。
では、福島委員、どうぞ。
○福島委員 実態調査を通しての御紹介があって、障害者数として700万人が出ておりますけれども、御承知のように700万人と言いましても、これは御本人だけなので、御家族や関係者を含めると2,000~3,000万人という人がかかわりますので、障害の問題は国民みんなの問題だということをまず前提にしていただければというのが意見です。
その上で要望、質問等ですが、資料4のところに自立支援法の見直しについて、与党のプロジェクトチームで検討がなされたということが書いてありました。非常に重要な取組みであると存じます。ただ、抜本的な見直しがなされたということ自体がある種の論点と言いますか、教訓を私たちに示しているのではないかと思います。
例えばこの資料の中に、介護保険との統合は前提とせず、独自の仕組みを工夫するという点が与党のプロジェクトチームの論点の中にございますが、自立支援法そのものはだれが見ても介護保険との統合を前提とした法律の枠組みになっておりますので、それ自体が言わば根本的に見直されているということなので、これは一体何を意味するかと言いますと、やはり障害当事者はもちろん、それだけではなくて、さまざまな事業者でありますとか、自治体でありますとか、経済界のみなさんを含めて、関係するさまざまな立場の調整が法律を制定する過程では十分ではなかったということの表れではないかと思います。
非常に障害の問題は複雑で多様なので、関係する人たちの要望や利害も錯綜するんですけれども、それだけによほど十分な調整をしてから法律をつくっていかないと、後ですぐに抜本的見直しが必要になるということでは、エネルギーのロスですし、こういうことは私たちにとって今後の教訓ではないかと思っております。
もう一点だけ。今度は質問なんですが、参考資料5の条約の関係で、差別の問題を検討する研究会を設けていくというお話が出ているんですが、若干表現でひっかかったところがございます。この資料ですと、障害者が人々からどういう対応をされると差別を感じるか、合理的配慮の否定という問題について、具体的に洗い出していくんだというような意味で書かれているんですが、これは文面だけを見ますと、何か民間での個人対個人の問題に差別問題が限定されているような印象があるんですが、恐らくこの合理的配慮の否定とまではいかなくても、行政的な不作為なども含めて、これは行政の取組みの中にも合理的配慮に欠ける取組みがなされている可能性、あるいはなされる可能性があると思いますので、是非この辺も含めて検討していただきたいと思っています。この辺りの取組みのスタンスがどうなっておられるか、その辺を確認したいと思います。
以上、要望と意見です。
○京極会長 ありがとうございました。どうぞ。
○潮谷委員 2点ございます。1つは、選挙における配慮事項についてです。障害者白書の中には国政ということで出されておりますけれども、障害者の選挙行為に対しては非常に関心が多く、またそれを阻まれているところに物理的な状況が阻んでいるということもございますので、この点について、障害者施策の実施状況では触れられませんでしたが、是非わかる限りお知らせいただきたいと思います。
1の資料の10ページです。3年前はサービスを利用していないという項目がこの資料の中にございます。この読み取りがどのように読み取りをしていけばいいのか。3年前との比較が出されていながら、実は項目の中に3年前はサービスを利用していないという項目が載せられておりますが、この10ページに関して、どのような読み取りをしていけばいいのか。
以上、2点、よろしくお願いいたします。
○京極会長 どうもありがとうございました。ここで打ち切りたいと思います。今5人の方から質問、御意見が出ましたけれども、福島委員からかなり大きな問題も出されておりますし、関係省庁でお答えするところが若干違ってくると思います。
条約関係については外務省の方がよろしいかと思いますが、笹川委員の最初の御質問についてはどうでしょうか。
○梅本外務省総合外交政策局審議官 私どもはできるだけ条約の早期の締結を目指すということで、これは具体的にいつかという御質問でございました。私どもはまさに皆さん方が一刻も早くと希望されていることは十分承知をしておりまして、できるだけ早くやりたいということでございまして、まさに先ほど御説明をいたしました推進チームで検討を行っているところでございます。
ただ、これは御案内のように、条約を締結するためには国内法令の整備等、この条約をきちんと実施できるという担保を国内において措置をとらなければならないということで、これは先ほど内閣府の方からも御説明がありましたけれども、例えば障害者基本法に関しまして、どのような措置が必要となるかというようなことも検討し、そういういろいろなことを検討していくということでございまして、本当に恐縮でございますが、現時点では具体的にいつと言うことを申し上げられるような状況にはなっておりません。ただ、私どもはできるだけ早くやりたいということで、作業を進めてまいりたいと思っております。
○京極会長 あとの御質問はかなり厚生労働関係に集中していたような気がしますが、適宜お願いいたします。
○木倉厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長 まず視覚障害者の方々の就業の問題、下がっておるのではないかということでございますけれども、就労促進は我々も非常に大事なものだと思っていますので、背景をもう少し分析をさせていただきまして、より就労の促進を図るように、それぞれの障害の方々についても、きめ細かな就労の促進が増えるようにやらせていただきたいと思っております。
まさに今朝未明、東北で大きな地震がございましたけれども、今、現地の方に我々も調査に入りまして確認をしておりますけれども、日ごろから要援護者の方々、障害者の方々に限らず、きちんと把握をして、対応を速やかに図るようにということで努めております。その方々の把握状況を徹底するように図ってまいりたいと思っております。
ハローワーク等での障害者の方々の就業促進の体制につきまして、団体の方々にも御協力願うことは当然お願いをしていかなければいけないと思っておりますので、よく雇用部局の方にも伝えまして、共に取り組ませていただきたいと思っております。
障害者自立支援法の見直しについてでございます。これは介護保険等の関係の在り方については、議論をまだ引き続きやっていかなければいけない論点だと思っております。それとともにこの支援法が3年目ということでございますので、より定着が進みますように、改善すべき点を見直していくこと。まずはそれに取り組ませていただきたいと思っております。
○京極会長 合理的配慮の否定等に関する調査につきましては、内閣府ですか。
○須田参事官 福島委員から御照会がございました参考資料5の関係でございます。ここにはタイトルといたしまして、障害を利用とする差別事例などの調査研究とございます。
趣旨につきましては、この資料にあるとおり、いわゆる合理的配慮といったものが非常に抽象的であり、わかりにくいということでございますので、それをできるだけわかりやすく明らかにしていく必要があるということで、障害の当事者の方々が特に差別に当たるものとして、行ってほしくないと望んでいる行為でありますとか、あるいは配慮として望んでいる行為といったことについて、アンケートによって把握をしていくことになります。
その際、個人と個人ということも当然ございますけれども、御指摘がございましたように、相手が行政である、あるいは企業とか団体とか、そういったこともあろうかと思います。そういった生活の場面場面で把握ができるように、ある程度の分類をした上で把握をしていこうということで、現在、調査研究を進めているところでございます。
災害管理の関係でございますが、今、厚生労働省からもお話がございましたけれども、これは非常に重要な問題でございまして、災害時の要援護者の対策につきましては、御案内のように避難支援のガイドラインを策定いたしまして、そこで個々の障害者を含めた要援護者の方を把握して、避難支援プランをつくっていくということになっているわけでございます。
その把握の仕方につきましては、プライバシーの問題がございまして、なかなか進んでおらないという話がございますけれども、御本人の同意を得る方法でありますとか、あるいは積極的にその趣旨に賛同いただいて、手を挙げていただく方法、あるいは関係機関が情報を共有化させていく。いろんな方法がございますが、そういった創意工夫をしていただいて、実態の把握、いわゆる名簿づくりとそれに対応したプランを策定していくということになっているところでございます。
特に5か年計画におきましては、平成21年度までに避難支援プランの全体計画を全市町村で策定することといたしておりまして、具体的には国でモデル計画をつくり、それを普及させる。あるいは今、全国のキャラバン隊を組織して動かしているところでございますので、そういった活動を通じて普及を図っていくということでございます。
潮谷委員から選挙の関係で物理的な障壁というお話がございましたけれども、内閣府におきましては5か年計画の中におきまして、特に社会参加の支援という観点から情報システムの開発普及の関連で、電子投票システムの課題などについての分析等を行い、地方公共団体に対して情報提供をして、電子投票の推進を図るということを盛り込んでいるところでございます。
総合調査につきまして、3年前とのサービスの質量についての比較の中で、3年前にはサービスを利用していないという項目がございます。これは見方としてはいろいろございまして、今回は現在、サービスを利用している方のそのサービスに対する評価をいただくということで調査をしているものですから、3年前との関係においては利用していない方が当然存在してくるだろうということでございます。
サービスを利用していないことの背景といたしましては、1つ考えられるのは、特に精神障害の方などではサービス自体が存在していなかった、あるいは地域になかったということで、なかったものが利用できるようになったために、現在は利用しているけれども、3年前は利用していないということがあろうかと思います。また、個人の実情によってサービスを必要としていなかったということもあろうかと思います。
そこの原因については詳しくは取っておりませんが、現在サービスを利用している方について3年前との比較ということを調査していますので、項目としてはこういう項目を用意する必要があるということで、障害者の方々の御意見を伺った上で、項目を設定させていただいたという経緯があるわけでございます。
以上でございます。
○京極会長 ありがとうございました。ここで町村官房長官が所用のため、お時間の関係で退席されますので、御了承をお願いいたします。
(町村内閣官房長官退室)
○京極会長 福島委員から出た御質問の中で、障害者自立支援法の見直しに関して、政府レベルではいろいろ検討されておりますし、また厚生労働省の障害者部会で議論をしているということですけれども、制度レベルでは既に与党のプロジェクトから意見が出ているということで、この辺の関係が質問で出ておりますので、厚生労働省の方でお願いします。
○木倉厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長 先ほど少し触れましたけれども、自民・公明与党の方でこのプロジェクトチーム、あるいは両党の方でも障害者の検討の委員会等を継続的にやっていただいております。
その中で昨年12月にプロジェクトチームの報告書が出されておりまして、その緊急対策とともにこの3年目の見直しに向けましての視点ということで、9つの検討事項が挙げられております。これもまた部会の方にも報告をさせていただいておりまして、厚生労働省の政府レベルでの障害者部会の中でもこのような検討項目を踏まえて、それぞれについて、今は関係団体からも御意見を頂戴をしている最中でございますし、具体的な議論を進めてまいりたいと。年末までに方向性を出して、法律改正を実現させていただきたいと考えている次第でございます。
○京極会長 ありがとうございました。
引き続きまして、また質疑に入りたいと思います。清原委員。
○清原委員 三鷹市長の清原です。自治体の立場から意見と報告を申し上げます。
1つは潮谷委員を部会長として、社会保障審議会の障害者部会で、障害者自立支援法の見直しについて、今後積極的に御議論いただくということで、その取組みに大いに期待したいと思いますが、特に今日この資料4の見直しの裏に、先ほども御紹介がありましたが、与党障害者自立支援に関するプロジェクトチームの抜本的見直しの視点が5項目掲げられています。その中のすべてが大変重要なポイントだと思います。
1つは、介護保険との統合を前提とせずに、障害者施策としての仕組みを考察するということ。そして、利用者負担についても検証しながら、一層の工夫をされるということと、障害福祉サービス企業についても検討されるほか、利用者の立場に立って、簡素でわかりやすい制度体系を目指すとあります。この「簡素でわかりやすい」というのは、大変重要なポイントだと思います。近年、社会保障に関しましては、医療保険につきましても、あるいはこの障害者自立支援法、介護保険等につきましても、大変それぞれの制度が複雑であるとの印象を国民市民に与えています。自治体も現場で直接、障害当事者の皆様や支援団体と対応する立場におりますので、是非こうした簡素でわかりやすいという利用者視点に立った取組みが重要と考えます。
その視点から御報告を申し上げます。例えば三鷹市では現在ほかの自治体と同様、障害福祉計画に関して見直しを行っております。これは法定義務がございまして、そうした計画をつくっているわけですが、その委員の大半を障害当事者の皆様あるいは支援団体や関係団体の方にお願いをしております。直接障害当事者の皆様に関わっていただくことで、従来もよい計画ができたと思っておりますが、大切なのはそれを具体化していくときの推進体制と密接に結び付くことができるということです。
この中央障害者施策推進協議会も障害当事者や関係団体の方が過半数を占めるという取組みをお手本として示してくださっておりますので、自治体で計画を策定する際にも、是非障害当事者の方や関係団体の方を一定程度、確実に含むような指針が示されると有効だと思います。
2点目に、だからこそ三鷹市では、今年度もそうですが、作業所の運営をされているNPO法人や社会福祉法人など20近くの団体に連携をしていただいて、まさに協働の取組みとして、就労支援と作業所の自主製品のアンテナショップとして、名称は「星と風のカフェ」という場をオープンいたしました。これは市内にある国立天文台や武蔵野美術大学との連携により、今までより一層開かれた障害者の「就労支援」でもあり、「工賃アップ」の取組みでもあり、障害者の皆様と「交流」していただく取組みでもあります。
こうした事例を全国各自治体が取り組んでいると思いますので、そうした事例を共有することで、より一層計画の文字に中身、魂が入っていくのではないかと実感しております。是非この検証のプロセスの中で、取組みの事例を共有するための情報共有の取組みにも力を入れていただければ、ありがたいと思います。
情報バリアフリーの観点から、地上放送のデジタル化が2011年7月24日に行われます。これは政府が一体となって、現在PRに努めていらっしゃいますが、障害者の方にやはりテレビというのは大変重要な情報メディアでもございますので、それへの対応の必要性や機器の買い替えの必要性などについても重点的にPRをしていただきますよう、お願いしたいと思います。
以上、自治体も頑張りますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○京極会長 ありがとうございました。なるべく1~2分でお願いいたしたいと思います。では、小金澤委員、、どうぞ。
○小金澤委員 障害者基本法附則第3条にかかる検討についての3ページです。皆さん御存じのように、平成5年に障害者基本法が制定されました。にもかかわらず、現在、平成20年になっても精神は別扱いで、福祉手当は一切ついておりません。これを15年間放置したということは、国、政府の責任だと思うんですけれども、それ以外にもJRの運賃の割引とか、他障害、知的障害、身体障害のメリットが精神には付けられておりません。特にこの約1万5,500円になりますけれども、福祉手当。これは裁判のような形で私どもは政府と争うつもりはありませんので、是非抜本的に考え方を変えていただいて、三障害一緒と言うからには、全部一緒にしてください。そうでないと、我々は厚生労働省を信用することができなくなってしまいます。是非よろしくお願いいたします。
○ 連合の特別委員をしております、と申します。2点御要望を申し上げます。
まず障害者権利条約の関係でございますが、先ほどから幾つか御意見が出ております合理的配慮の点について、就労の場における合理的配慮が就労の定着にとっても大変重要だというふうに考えておりますし、福祉から雇用への流れを着実に進めるための鍵になると考えております。
これは雇用法制の中に合理的配慮という概念をどのように落とし込んで具体化していくのかの検討も是非早急に進めていただきたいということを要望として申し上げたいと思います。
2点目は、障害者自立支援法の見直しの関係ですが、雇用との関係で、就労の際に必要となります介護サービスや移送サービスなどを使えるように御検討いただきたいということが1つ。
2つ目は、介護保険と同様に障害者自立支援法のサービス事業者についても、大変な人材難でございまして、介護報酬の引き上げが今は話題になっておりますが、それと併せまして、自立支援法の報酬についても同時並行で引き上げを是非御検討いただきたい。そうしないと人材難でサービスが提供できなくなるということが起きるのではないか。これは連合に集っておりますサービスに従事する労働者の中からも大変強い要望としてございますので、是非御検討いただきたいと思います。
以上です。
○京極会長 ありがとうございました。安藤委員、どうぞ。
○安藤委員 まず権利条約の問題ですけれども、この障害者権利条約に対する国民的な理解が非常に低い感じです。障害者の権利条約については、障害者に対するあらゆる差別をなくし、合理的に権利を保障していく。この方向性は障害者だけではなくて、国民全体に共通するものなんです。外務省としても、また政府としても、国民的な理解を広げる施策を行う必要があるのではないかと思います。もっと国民の関心を高めて、国民的な合意の中で締結ができるようにしたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
もう一つ、この批准に関して、国内法の見直しが行われているようなんですけれども、見直しの課題とか問題点が出てこないんです。各省の検討の中でどのような課題があるのかという点は、整理はある程度できているのではないかと思いますけれども、その課題をきちんと出していただいて、障害者の皆さんとの合同的な検討を行うということが必要ではないかと。
特に聴覚障害者関係では手話が言語として定義づけられましたが、その言語的な処遇を国内法にどう位置づけていくか。私たちとしては判断できないわけですけれども、その課題も含めて、締結のための国内法の見直しの課題と私たちのニーズを併せて検討するような機会が必要ではないかと思います。
最後になりますけれども、自立支援法の見直しが今、障害者部会で行われていますけれども、結局基本的には財政の問題になるんです。今の国の財政状態の中で、国全体の節約の中で、障害者や高齢者に対する財政的な保障をどう考えているのか。そのような基本的な課題を抜きにして、支援法をどうするかというような枝葉のことを論議しても、きちんと障害者のニーズに沿った見直しにはならないと思うので、基本のところをどう考えているのか伺いたいと思いますので、お願いします。
○京極会長 藤井委員に御質問をいただいて、そこで一旦打ち切りたいと思います。
○藤井委員 最初に要望を二点述べます。まず障害者自立支援法にかかりましては、総理御自身が抜本的見直しということを去年の秋に表明されています。抜本的という意味はおわかりのように、根本から原因を抜き去る。これが抜本的という意味だと思います。
そこで、要望したいのですが、この2か年4か月の施行後の実態把握と検証を是非やってほしい。前回のこの法律施行時の議論として、やはり基礎データの不備というのがありました。是非この検証作業をしてほしい。
2つ目の要望は、先ほど外務省からありましたけれども、条約の早期締結、早期批准または加入ということの問題です。私は、この批准というのは国内法を変えていく千載一遇の好機であると思います。つまり、批准もこれもまた手段であって、目的は国内法の整備であり、このことを間違ってはいけない。
したがって、批准を早期にという問題と国内法の整備という両方をどう求めるか、一見競合しますが、あえて私はやはり国内法の整理を優先させるべきだと考えます。以上、2つの要望です。
次に質問です。資料2の障害者基本法の見直し、5年後の見直しについてですね。前回の法律改正時と違う環境は、権利条約が採択されたことで、この点は大きく変わっている点だと思います。つまりこの条約の正準に合わせて変えていくべきであろう。
質問したいことの一つ目は、改正に当たってどういうところを論点として考えているのか。例えば合理的配慮をどんなふうに入れるのかとか、あるいは障害者の範囲、障害の範囲をどう考えるのかなど、現時点でわかっている範囲でその主要な論点をお教えいただきたい。
二つ目は、これと関係していますけれども、障害者差別禁止法についてです。差別禁止法というのは仮称ですが、これを新たに設けたいという論議もあります。一方、基本法の中の差別禁止条項の手直しで終えたいというのもあります。
NGOとしましては、やはり裁判規範に足りる実体法としての差別禁止法を制定してほしいというのが大変根強くあります。応えられる範囲で結構ですが、差別禁止法の新しい創立という問題について、内閣府等はどう考えていらっしゃるかということを質問します。
これらを踏まえて、三つ目の質問は今後の日程についてです。基本法の改正について、どのように考えていらっしゃるのか。
以上、基本法改正の論点と差別禁止法の位置づけ、今後の日程について質問いたします。以上です。
○京極会長 確認いたしますけれども、障害者自立支援法の見直しは資料4ですね。
○藤井委員 済みません。基本法が資料2です。
○京極会長 基本法の方ですね。わかりました。 今たくさんの質問が出てきましたけれども、最後に藤井委員から出ました差別禁止の関係で、内閣府の方からお答えいただけますでしょうか。
○須田参事官 今、藤井委員から御質問がございました基本法の見直しでございまして、これにつきましてはお手元の資料2にございますように、検討規定が前回の改正の際に盛り込まれたということでございますので、政府として、この規定に基づいた検討を進めていくということでございます。
その中に視点ということで、資料の2ページにございますように、条約の締結に際して基本法に関してどういった措置が必要となるのかということも、入れているところでございます。
具体的にどういった論点があるかということにつきましては、今、藤井委員からお話がございましたように、大きな論点はこの基本法の中に差別禁止に関する規定がございます。一方で条約の中にも差別禁止に関する規定があり、また新しい概念としての合理的配慮の否定といった概念が登場してきているということでございます。ですから、その関係を整理していかなければならないというのが一つの大きな論点にはなろうかと思います。
そのほかにも、わかりやすく中身を明らかにしていくためにはどうしたらいいかというような論点もあろうかと思います。
いずれにいたしましても、この資料にございますように、これから障害者の方々のご意見を伺いながら、会議の中で検討していく。あるいは検討のために対応推進チームがございますので、そういったところで相互に連携を図りながら検討していくということになりますので、その検討を進めさせていただきたいと考えているところでございます。
また、差別禁止法ということにつきましては、御案内のように障害者基本法におきましては先ほど申し上げたとおり、平成16年の改正で差別禁止に関する関係規定が盛り込まれたところでございます。条約の締結に向けた検討を行う中で、その差別禁止法の在り方については考えていきたいと思っているところでございます。
日程につきましても、先ほど資料がございましたけれども、検討規定に関わる検討につきましては、年内を目途としていきたいと考えているところでございます。
○松田政策統括官 基本法は、もともと昭和45年の制定の際は議員立法、平成5年あるいは平成16年の際も議員立法で改正が行われておりまして、そういった意味で政府として、いつやるというところが申し上げにくいところもあるわけでございます。前回改正が平成16年6月でございますので、5年を目途と言えば来年の通常国会に当たるわけでございますけれども、どういう形で改正法を出せるのか。これは立法府の方々にも御相談をしながら、日程を決めざるを得ないということで、確たることは年内に検討結果をとりまとめて、それをどこまで改正内容に盛り込んでいくのか、そうした基礎的な考え方をとりまとめていくというスケジュールが今、申し上げられるところだということを御理解いただきたいと思います。
以上でございます。
○京極会長 ありがとうございました。制度改正が非常に大きくなされ、またそれに伴って、施行が非常に細かくてわかりにくいという御指摘もありましたし、主として厚労省の関係が多いかと思いますが、お答えいただければと思います。
○木倉厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長 自治体の立場からの御指摘もいただきました。確かにわかりにくい制度にどんどんなっていく傾向もございますので、利用者の方々、またそれを進めていただく自治体の方々にもわかりやすい体系を目指しての視点を大事にして、議論を進めさせていただきたいと思っております。
取組事例ですが、これは我々もの方も自治体の方々の取組事例をなるべく集約をして、また共有していただきたいと思っておりますが、引き続きお知恵を貸していただきながら、団体の方々にも広めてまいりたいと思っております。
精神障害についてのいろいろな施策がまだまだ不十分であるということ。これは確かに御指摘があるかと思います。三障害を一体として取り組むということで、よく御意見を賜りながら検討を進めてまいりたいと思っております。
今の条約との関係では、雇用法制への反映、就労の場でのいろんな支援策ということでございます。これにつきまして、既に御案内かと思いますけれども、厚生労働省の中でも労働政策審議会の方からの提言もいただいておりますが、具体的な配慮事項についての研究会も持たせていただいておりまして、進めております。その具体化をまた図ってまいりたいと思っております。
サービスを担う人材は介護保険の世界だけの問題ではございません。この障害も含めて、人材の問題は大変基本的な問題でございますので、介護保険だけではなくて、障害者の支援の立場からも十分な支援ができるように議論を進めてまいりたいと思います。
財源の御指摘もありましたが、財源だけの見直しにならないように、サービスがよりよくなるための見直しということで、我々も努力をしてまいりたいと思っております。その際には御指摘いただきましたが、やはり施行後の状況、本当に検証データを踏まえた議論を進める。これは御指摘のとおりだと思います。実態も踏まえて、御指摘をいただきながら、進めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
○京極会長 ありがとうございました。
それでは、引き続き、また委員から御質問等をいただきたいと思います。米田委員から。
○米田委員 障害者雇用に関しまして、要望を1つお願いいたします。障害者雇用の法定雇用率等々の数値が出ておりますけれども、これは働いている人の人数でしかありません。しかし、実際には継続雇用されているのかという視点をもう少し盛り込んでください。
私ども内部障害者は就職できても、体調が悪化したりして、なかなか継続して雇用できない、就労できないという状況がありますので、継続して、例えば1~2年等々、継続して雇用されているかということも調査の視点として入れていただきたいと思います。
以上でございます。
○京極会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
○水越委員 セブン&アイ・ホールディングスの水越でございます。障がい者の短時間勤務の労働促進については大変重要なことであるという認識を持っております。ただ、業態によっては従業員の短時間勤務雇用者が多い企業もございます。これを施行するに当たりましては、ある程度の準備期間が必要です。企業が短時間勤務の障がい者雇用を積極的に推進しようという環境づくりに対する配慮をぜひ検討すべきと思います。
例えば、イトーヨーカ堂の例をとりますと、現在の雇用率が2.06です。この度の基準の短時間勤務の方々を含めて試算いたしますと1.36になります。これまで、法定雇用率を上回り2.06にまでもってくる努力を続けてきたわけですが、急に大幅に下がってしまうのでは、前向きな気持ちが損なわれてしまいます。あらゆる企業がこの意義を理解して、積極的に取り組めるような形での促進のあり方を考えていただければと思います。
次に生活環境の整備についてですが、このところ、バリアフリー化、ユニバーサルデザイン化が進められています。特に日本では高齢化が急速に進んでいますが、高齢者も障がい者も「支えられる側」から「自立して生きられる」社会づくりが必要です。公共機関、交通機関等々だけでなくどこにでも出て行けるようにするため、官民一体となって取り組むべき課題と考えます。そのためにも、今後、多くの国民の理解を深めるために是非ともPRというか発信し続けていただければと思います。
○京極会長 ありがとうございました。ほかにどうぞ。
○佐藤委員 話があっちに行ったりこっちに行ったりで恐縮ですけれども、まず先ほど少し出ました介護報酬あるいは自立支援給付における報酬体系の見直しということに関して意見を述べます。私は保健医療福祉の分野に資するであろう人材を養成することを目的にしてつくられた大学で仕事をしておりますが、特に福祉に関しまして、今年の春に卒業した学生で、いわゆるシルバー産業、例えば民間の有料老人ホームの経営なども含めて、広い意味で福祉の場に就職をした者は30%余りにしか過ぎません。
あとはメガバンクと言われるような銀行を始めとした金融、メーカー、流通あるいはIT系というような、一般企業が半数以上を占めておりまして、残りが地方公務員になるというようなことです。
学生たちは4年前に入学してきたときに、自分が将来銀行で働くことになるということを決して考えてはいなかったと思うんですけれども、実際に就職活動を始め、そうしたところで内定が取れ、その後に来ます福祉関係の求人と見比べて見ると、率直に言って全く話にならない。4年制大学卒業で社会福祉士の国家試験に恐らく合格するであろうと自ら思っていても、自分の前に示された求人の給料を見ると、既に内定をとったところと3割も4割も違うというような中で、学生の就職動向がそういう方向に走ってしまっています。我々教育に当たる側としては、それでもなお、この仕事を目指して就職をしてほしいと願う気持ちはありますし、我々が学生にそういうモチベーションを4年間で維持することができなかったといういささかの悔いも残るわけですけれども、しかし、学生に、「銀行員になりたかったわけではないだろう」とは言えないという現実があるわけでありまして、極めて事態は深刻です。
そんな中で近年は、これは予備校の情報ですが、高校の進路指導で公然と進路指導の先生が、「福祉はやめておけ」というようなことが言うようになってきているということです。現に私どもは少子化以上に競争率が落ちてきています。公立の大学ですので、差し迫って経営がどうだこうだと、そこの部分で慌てる必要はなくて、その分だけのんびりしてしまっていてよくないと思っていますが、これもまた大学の経営云々という問題以前に、福祉にかかわる仕事の社会的な認知度が落ちてきているということに関して、非常に危惧をしています。やはりこれは報酬の見直しも含めて、この仕事が若い人たちにとって魅力と希望に溢れたものであるということを示すことが必要だと思っています。
もう一点、自立支援法と介護保険の統合の問題ですけれども、与党のプロジェクトチームは統合を前提とせずということを書かれているようですが、私はそもそも障害者福祉の基本的な理念というのは、障害があるからと言って、他のだれとも人として変わるわけではない。つまり特別な存在ではない。当たり前の人間なんだから、その人が当たり前に生きていけるように支援をしていこうということが原則であるとするならば、介護保険との統合問題も障害は別だということを強調するところから出発するのではなくて、ユニバーサルなデザインとして、援助を要する人たちにどのような支援システムを準備することが必要かという視点で、介護保険との統合問題を議論すべきです。繰り返しますけれども、障害があっても、歳をとって障害を持つことになっても、人は人として尊重されるべきであるという視点で物を考えることの方が、それぞれが特別であるというふうに物を考えて策を構築するよりも、よほど汎用性が高くて有効なものになるのではないかと思っています。
以上です。
○京極会長 ありがとうございました。御意見もあったと思うんですが、副島委員のところで一旦切りたいと思います。
○副島委員 3点意見を述べたいと思います。私どもは知的障害の団体なんですけれども、まず自立支援法の抜本的見直しのところでは、生活できる所得保障の確立というところが障害のある本人にとっては大きな問題です。福祉サービス利用の負担をする金額もない。地域で生活するためには、今の障害基礎年金では到底難しい。所得保障をどう確立するかというところが最重要な課題だと思っています。
そのときに就労によっての稼得収入もあるんですけれど、今は特別支援学校の卒業者の一般就労のパーセントが20%台とすごく落ちています。福祉へ進む人が60%くらいいる。そこの段階から就労に対して、そこに関わる支援者層の方々の就労意欲もしくは就労意識ですが、障害者が仕事をするんだという意識づけがすごく弱いのではないかと思います。そのところをどう確立していくのかが一つ大きな問題だと思いますので、是非そのところを強化していただきたい。
2点目には、権利条約にもかかわりますけれど、本人、特に知的障害者の施設とか企業とか学校などを含めて、社会の中での人権侵害が後を絶っておりません。これから障害者権利条約についての検討がされますが、先に虐待防止法を考えていくべきではないかと思っています。
特にどこかでこれをカバーできるかといったら、親はなかなか苦情が言えません。どうしても現状のところで、黙って目をつぶってしまう。そうしないとすべて親が見なければいけないという状況が発生しますので、どうしても発言ができないのです。これを法律で何とかカバーしていただきたいというのが2点目。
3点目が子育て支援です。子どもの子育てに対して、親は自分の子どもの発達遅れ、気になるところからすごく迷いが生じていて、どこに相談に行けばいいかという問題がまず1つあることと、発達障害のある子どもを抱えている親は家族崩壊に進むような状況にあります。そういうところをどうやって国としてサポートしていくのか。これは大きな問題だと思うんです。障害があろうと安心して子育てができる。そういう社会支援、国の方策を是非お願いしたいと思います。
以上、3点です。
○京極会長 ありがとうございました。御質問は多岐にわたっていますし、また教育の在り方にも関係してくるわけでございますけれども、これは厚生労働省から答えていただけまして、随時各省でお答え願えればと思います。
○木倉厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長 この人材養成の話は重ねて御指摘をいただきました。やはり若い方々に誇りを持って、処遇面も含めて働いていただける職場。その基本になりますのが報酬の問題だろうと思います。ちょうど見直しの時期に当たっていますので、障害者のサービスを支えていただける人材をより多く参入していただけるような見直しに向けての議論をしっかり進めさせていただきたいと思っております。
介護保険等の統合議論は、またいろいろと御意見をいただきながら、広く御議論をいただかなければいけない課題だろうと思っております。
就労の関係は担当が来ておりますので、説明させていただきたいと思います。
○吉永厚生労働省障害者雇用対策課長 内部障害の方などの定着の関係についての御指摘がございました。何よりも障害者の方は内部障害者の方、精神障害者の方も含めて、定着は非常に大きな課題だと思っております。
雇用制度につきましては、1年以上の雇用をする方を前提にしてカウントするという制度になっていますが、こういう制度の運用をまたもう少し広く定着の関係につきまして、これから審議をしていきたいと思っております。
もう一点、現在、国会に提出しておりまして継続審議になっている、障害者雇用促進法の関係につきまして、御指摘がございました。短時間労働者の雇用率算入についてでございますけれども、短時間労働者における障害者の雇用の場という意味で、非常に大きな意義があるものだと思っております。
一方、これまでの取組みと変わりますので、事業者の方にも御負担をかけることもあろうかと思っております。現在予定しております法案におきましては、22年7月の施行を予定しているところでございます。これから約2年後ということでございます。
また、具体的には、短時間労働者を雇用率に算入して、企業から障害者の雇用状況について御報告をいただく時期は、23年6月1日現在という形になっておりまして、3年後ということでございます。施行時期については審議会でいろいろな意見をお聞きしながら決定したものでございますけれども、一定程度十分な期間を設けることができたのではないかと思っております。こういう制度の実施につきまして、周知を図って、円滑な施行を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○木倉厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長 虐待の問題につきましても、国会の方でも法的な枠組みの必要性ということを既に議論がされておりますので、その辺を踏まえまして、我々としても検討させていただきたいと思っております。
障害の方々を支える仕組みにつきましても、今度の検討の中でも取り上げていただいておりますが、議論を進めさせていただきたいと思っております。
○京極会長 内閣府の方で何かありますか。ございませんでしたら、時間が大分迫ってきましたので、あとお二方。
○岩城委員 現在29歳で寝たきり全介助の娘を在宅で育てております。在宅の立場から、このたび厚労省で児童福祉法の見直しが大きな議論をしていただきまして、大変感謝しております。また、自立支援法では、このたび緊急措置で在宅に大変目を向けていただいたことにも少し安心ができました。ありがとうございます。
ただ、在宅の生活をしている者にとりまして、私たちはやはりどんなに障害が重くても、家族の一員として、家庭で育てているんですが、その在宅生活を継続維持するためには、やはり施設がなくてはならないのです。
特に医療的ケア等を伴う子どもたちが多いものですから、時には親の休養のため、そして、ほとんどは障害のある子に関する社会参加、ほかの家族の世話のためなんです。それでいわゆる短期入所等を使わなければ、なかなか生活が維持できません。1つだけお話しをさせていただきます。これは昨年から起こっておりましたことで、重心の施設から看護師さんや職員が本当に消えてしまうように辞めてしまいました。ひどいところでは病床を縮小しなければ施設がなりたたない、そうすると、おのずと在宅の者はその施設を使うことができなくなる。
そのために、19年度は短期入所のベッドが東京だけでも半分機能しなくなりました。それはその施設に問題があるのではなくて、看護師配置や診療報酬のことからと思われます。そういうことから、親たちも施設と一緒になって初めてチラシをつくって配ったり、ティッシュペーパーにカードを入れたり、いろいろ一緒にやってまいりました。どうにか現在、落ち着いてまいりましたが不安は続いております。
在宅にあっては、いわゆる12年間の養護学校の教育を終わりますと、卒業後はそれ以上に2~3倍の期間を在宅生活が可能になっております。その在宅生活の維持のためには日中活動の場である通所の生活なんです。通所も利用者に合った適切な通所先の準備がないと、これもなかなか難しいものがあります。
ただ、現在の在宅におけるこの辺りのことは法制化されていないんです。重心の通所施設にA型、B型とありますが、法できちんと制度化されていないので、非常に不安定なんです。
ですから、このたびの緊急措置も大きな感謝は申し上げるんですが、これがいつまでという約束のないことでございます。その辺りもどうぞ数の少ない重症心身障害ではありますが、ほかの方と同様にやはり地域で本当に生活していかれるように、この辺りもこれからの施策に盛り込んでいただけたらと思います。ありがとうございました。
○京極会長 時間が来ましたので、もう一方と思ったんですけれども、どうしてもという方がいらっしゃいましたら。
○精神障害者の家族会です。実は先ほど来からいろいろと、今、岩城委員のように、やはり家族支援が必要と思います。資料の4ページをごらんのように、在宅の障害者が大変多いということで、ほとんどが家族が支援をしているということなんです。
今、精神障害者の場合には、特に言われておりますのが在宅訪問型の支援ということで、その中でも訪問型の相談が欲しいということを言われております。在宅支援としてはホームヘルプ、往診、訪問看護が行われておりますけれども、精神の場合にはなかなか利用につながらず、また、必要なところに出向いていくことが困難で、相談もできずに、そのまま病識がないままに発病して入院というスタイルがほとんどなんですけれども、これを事前に防ぐためには、訪問型で来てくれる相談体制が必要と考えます。
実は先日、イギリスで精神障害者の家族支援策を国策としている専門家の話を聞きました。そうしますと、訪問によりまして、大変に早期介入ができ、早期治療ができるということで、精神医療が入院しないで済む。そのようなことから、わが国でも精神医療が2兆円もかかっているということですが、実はこの数値を低くできる。入院しないで精神障害者が地域で生活できるような精神医療体制と訪問型の家族支援策を、構築していただきたいと思っております。
このイギリスの専門家は、「私はイギリスからウイルスを持ってきました」と言ってくださいまして、このウイルスが日本に感染して、日本において家族支援策ができることを切望しますというお話がありまして、是非ともこのことをお話ししたいと思いました。よろしくお願いいたします。
○京極会長 どうもありがとうございました。まだ御質問、御意見をいただきたいんですけれども、時間が来ましたので、これにつきましては、事務局がお答えするのは時間の関係で省略させていただきまして、個々に対応していただくようにしたいと思います。委員の中でもし御意見がございましたら、文書で事務局に挙げていただければと思います。
それでは、本当に残念なんですけれども、時間をオーバーしかけておりますので、最後に岸田内閣府特命担当大臣から、ごあいさつをお願いいたします。
○岸田内閣府特命担当大臣 本日も大変貴重な御意見を数多くいただきまして、誠にありがとうございました。障害者施策におきましては、障害者基本計画あるいは新たな重点施策実施5か年計画等の実施ですとか、あるいは障害者基本法、障害者自立支援法、更には権利条約締結に向けた国内法の整備ですとか、本当に今日も御指摘をいただきました多くの重要課題に着実に取り組んでいただければいけないと考えております。
その際に、今日多くの皆様方からいただきました御意見をしっかりと踏まえていくということ。これは当然のことでありますが、併せて障害者施策を担当する大臣としましては、関係省庁との連携の充実に心を砕きながら、共生社会の実現に向けて、しっかりと取り組んでいかなければいけない。このように考えているところでございます。
委員各位におかれましては、引き続きまして、御理解と御協力いただきますよう、心からお願いを申し上げるところでございます。重ねて今日のお力添えに心から感謝を申し上げまして、一言ごあいさつとさせていただきます。誠にありがとうございました。
○京極会長 これをもちまして、本日の会合を終了させていただきます。次回の開催は事務局を通じて連絡させていただきます。
本日はどうもありがとうございました。