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障がい者制度改革推進会議 差別禁止部会(第16回)
議事録

○棟居部会長 定刻になりましたので、これより第16回「障がい者制度改革推進会議差別禁止部会」を開会させていただきます。
差別禁止部会は、傍聴希望の方に所定の手続を経て公開しております。
また、会議の模様はインターネットを通じても幅広く情報提供いたします。なお、御発言に際してのお願いとして、発言を求めるときはまず挙手いただき、指名を受けた後、御自身のお名前を述べられてから、可能な限りゆっくりと御発言いただくようお願いいたします。
本日の会議は18時までを予定しております。
それでは、東室長から、委員、オブザーバー及び専門協力員の出席状況と資料説明をお願いします。
○東室長 こんにちは。担当室の東です。
まず、出席状況ですが、本日は野沢委員と松井委員が御欠席でございます。遠藤オブザーバーが16時ごろ御到着とのことです。その他の委員、オブザーバーは御出席です。
本日の議事は、「中間の論点整理について」ということで、15分の休憩を2回取ることとして、3つのコーナーでやっていきます。
第1のコーナーは60分で、資料1の項目の中で「0総則」「1雇用、就労」「2司法手続」といったところついて私の方から若干報告させていただきまして、その後、50分ほどで質疑応答ということになりますと。
次の第2コーナーも同じく60分を予定しております。資料1の項目の中の「3選挙等」「4公共的施設及び交通施設の利用」「5情報」、この3つのテーマで同じようにやっていきたいと思います。
第3コーナーも同様に60分ほどを予定しておりまして、資料1の「6教育」「7商品、役務、不動産」「8医療」といった3つの分野について同様に質疑応答ということでやっていきたいと思います。
最後に、今後の予定等についてお知らせいたします。
以上が今日の予定です。
次に資料の確認ですが、まず資料1は「障害を理由とする差別の禁止に関する法制の制定に向けて-論点に関する中間顆的な整理-(案その2)」と書いてあるものです。今日の議論はこれをベースにやっていきたいと思っております。
続きまして、委員提出資料として川島委員から提出された資料がございます。
以上が資料でございますので、御確認のほどをお願いします。
以上です。
○棟居部会長 ありがとうございます。
それでは、議事に入らせていただきます。第1のコーナーは60分で、資料1「障害を理由とする差別の禁止に関する法制の制定に向けて-論点に関する中間顆的な整理-(案その2)」の項目の中から、「0 総則」「1 雇用、就労」「2 司法手続」についてであります。最初に東室長から10分程度で御説明をお願いします。
○東室長 それでは、資料1をお手元に御用意ください。
前回からいろいろ御意見をいただきまして、かなりの部分で修正しております。修正の方針というものはそんなにあるわけではないのですが、いろいろ指摘を受けた中から、例えば意見の取扱いについて軽重があるのではないかといったような御指摘がありましたので、なるべくその意見について、どちらが多い意見であったとか少ない意見であったとかとうような表現はなるだけしないような形にしたりしております。それを基本的な考え方として修正しております。
それとともに漏れていた部分につきまして御指摘を受けた部分は、そのままというわけではありませんが、バランスの関係もありますので若干事務局の方で丸めた形ではありますが、基本的にはほとんど入れ込んでいると思っているところです。
その上での資料1ということでございます。そこでまず「はじめに」の辺りから説明してまいりたいと思います。
「はじめに」の部分についてはほとんど修正はございませんが、2段目の改革の工程表という部分の後に、閣議決定の正式名称を入れております。その部分が主だった修正でございます。
次に「第1総論」です。1ページから始まりますけれども、まず「1、差別禁止法の必要性、有用性」という部分についてはかなり多くの意見がございました。それも等しく扱うということで、見出しの後に頭書きと申しましょうか、この点に関し、以下のとおり差別禁止法の必要性やその有用性を首肯するさまざまな意見が出されたという形にしております。それぞれの意見についての語尾は、こういう意見があったとか、こういう意見もあったとか、それが多数だったとか、そういう表現は全部削除するといった形でまとめております。
個々的な意見につきましては、従来、1から3ページの上の<9>までしかなかったのですが、委員の意見を受けて<10><11><12>といった辺りを付け加えております。
次にその下の「2、現行法体系の下における差別禁止法の位置付け」という部分につきましては、同様に小見出しの後に頭書きを付けております。
その下の「3、差別禁止法の対象範囲」といった辺りにつきましては、表現の統一、特に障害者、障害のある人、障害でない人、いろいろと障害表記に関してありましたので、基本的には障害者という形で統一した形にしております。
次に4ページの「『障害』のとらえ方」なのですが、ここでは意見がいろいろあったわけですが、従来ずらずらと羅列したような形になっておりました。ただ、テーマが少し違うと思いましたので、テーマを3つに小分けして意見を整理する形を取っております。
まず(1)として、医学モデル、社会モデルといった視点から見た障害のとらえ方に関するテーマがありましたので、そこで意見をまとめるといったような形にしております。
5ページ、(2)で機能障害に関する問題ですが、期間とか程度といった視点から、何らかの制限を付けるかという問題点について意見を整理しております。
最後に(3)の部分がありますが、この部分は障害が現在存在しているだけの障害かといった視点から、過去とか未来の場合についての意見をまとめております。
6ページで「5、差別」といったところがあります。この部分につきましては、まず「(1)差別のとらえ方」につきまして、委員の御意見が出された部分を加えております。特に<2>につきましては、異別取扱いと同一取扱いの関係について委員の意見を加えておりますし、<3>はこれまで全くなかった部分でありますが、こういう意見もあったということで御指摘を受けましたので付け加えております。
その下の「(2)禁止されるべき差別について」という見出しの部分でありますが、この部分は差別の類型の問題を扱った部分です。これにつきましては、7ページに<2>というのがあります。ここでは直接差別と間接差別などの関係についての御意見を書いている部分ですが、これについても意見の漏れがあったということで、特に下の3行については加えております。
いろんな類型の議論があって最終的にどうなったかという部分を下の<4>というところで書いております。最終的には直接差別・間接差別・関連差別などを包括した規定と、あと1つは合理的配慮を提供しないという2つのパターンでまとめていくべきだといったことがここで書かれているわけですが、その理由付け辺りが少し薄かったので、委員の御指摘の下に書き加えたということです。
8ページ「(4)合理的配慮」というのがありますが、これにつきましては9ページ、合理的配慮の問題で事前になすべき措置というものを合理的配慮の中で議論すべきではないかといった議論を書いておりましたけれども、中身をもう少し書くべきだという御意見がありましたので、イギリスの例を具体的に書き込んでおります。
更に9ページの下の方に「(5)正当化事由」についてということで書いてありますけれども、ここの部分についてはもっと意見をきちっと反映しろという御指摘がありましたので、特に10ページのイ以下、ここでは<1><2><3><4>という番号が振ってありますが、特に<1>と<3>と<4>についてはかなり委員の意見を生かして修正しております。
以上が総論でございます。
次に「第2各論」に移ります。まず「1雇用、就労」の部分は、何が差別かというところで、働く上での不利益な取扱いを受けてはならないといった一番基本の部分を付け加えております。
そのほか、特に付け加えられた部分は、12ページ「(4)留意すべき事項」として意見が2つほど付け加えております。
具体的に申しますと<4>の部分で雇用促進法との関係をどう見るかといった辺りの意見が入っております。
13ページの<5>は、雇用の分野に関わる差別禁止の議論をどういった場ですべきなのかといった点についての意見が漏れておりましたので付加しているといった状況です。
あと司法につきましてほとんど修正はないのですが、15ページ「(5)その他」の<2>で、委員からこういう意見を付け加えてくれということでしたので書いております。これは身柄を拘束された場合の問題ですが、起訴前鑑定が行われると、一般の拘束期間よりも延びてしまうということについての問題提起です。
以上が修正の主だったところの説明であります。ありがとうございました。
○棟居部会長 ありがとうございます。それでは、質疑及び議論に入らせていただきますが、まず最初に私、形式的な確認ですけれども、今回のその2ということで前回のバージョンから、今、付け加わった変更された部分を言及いただきましたが、これは基本的にすべて従来議論されていると、その場で出されているということでよろしいですね。
○東室長 はい。その枠組みでやっております。
○棟居部会長 ありがとうございます。それでは、今、順序立ててお話をいただきましたが、これはそれぞれ非常に項目も大きいですし、最初から順番どおりやっていますと総論、総則というところで時間が尽きてしまうということが十分予想されますので、あえて特に順番は問わないと、お気づきの点、御意見がある点からどんどん御発言いただければと思います。
質疑及び議論につきまして50分ほど予定しております。どなたからでもいかがでしょう。
太田委員、どうぞ。
○太田委員 JDFの太田です。ありがとうございます。
今、室長の中間整理は今までの議論出てきたことを大体集約されたものだというような御発言がありました。そこで、お尋ねをしたいのですが、今日、発言するときにどういう心持ちを持って発言をすればいいのか。つまり、この3月16日の本日の部会の後、この中間整理をどういう意識を持って積み上げて骨格提言へとつなげていくかがポイントだろうと思うのです。そういうことの共通認識の扱いが部会全体にできていると、こういうような視点に立って発言してほしいということがあればお願いします。
○棟居部会長 お願いします。
○東室長 担当室の東です。ありがとうございます。
表題にあるとおり、位置づけは論点に関する中間的な整理でございます。要はまとめではないということです。今の中間的な時期でこれからの議論に役立てていくための論点の整理でしかないわけです。だから、これで何かが決まるとかということでは決してなくて、むしろこれまで何を議論してきたのかといったことをみんなで頭の中で整理してもらう、共通理解するといったことなのです。逆に、どの部分はまだ議論していないねとか、そういうことの確認にある意味役立てていただければいいかなと思います。
その上で今後の骨格提言にまとめていくに当たって、これをどう使うかということですけれども、既にここは論点として議論したけれども、まとまっていないということもこれから見ればわかると思うのです。だから、まとまっていない部分はどうまとめるかということをやっていくために、今、前提としてこの論点整理が必要かなと思うのです。ただ、もう一定の議論はしているわけですから、同じ議論を繰り返すといったことであると時間の浪費ということになりますので、既に言い尽くした部分はもう言い尽くしているわけだから、ではどうまとめていくかという観点からの議論をするといった運びになると思うのです。ですから、時間がそんなにない中でまとめるべき論点が何なのかということをみんなで共通理解をするといったためにこれがあるというように考えています。
あと1つは、議論している我々もそうですけれども、何を議論しているのか、いろんな議論をしてきましたのでよくわからない。ましてやインターネットで見ている方もよくわからない、国会議員の先生も行政の職員もよくわからないという中でこういう議論をしてきたのだというものを1つの形にして外に出していく、その上でいろんなところで議論していただく、そのためにも必要かなと思っているのです。そういったことでこれをつくっております。そういうところで答えとしてはよろしゅうございますでしょうか。
○棟居部会長 太田委員、どうぞ。
○太田委員 それでは、4月以降の部会がこういう点は合意できる、こういう点は合意できないというような確認を積み重ねていくというお考えなのでしょうか。
つまり、合意できること、合意できないことと積み重ねていくことをお考えでしょうか。
○棟居部会長 室長、お願いします。
○東室長 差別禁止といったことについて、日本の法体系の中に全くないわけではないのですが、障害分野では実質的にはこれまでなかったわけです。新しいものをつくる上で骨格というものを示していかなければなりません。その上で、みんなで合意すべき部分は合意していくという形を取らないと骨格提言まで行きつきません。だから、合意できるところが何なのか、合意できないところが何なのか、そこを明らかにするというよりも、むしろ骨格提言をどうつくっていくかという過程での話なのです。合意できないところを合意できないままで残していって骨格提言をつくるときに影響がなければそれは別に合意する必要はないのですが、骨格提言としてつくる限りにおいては、単に要望がこういうのがあったというだけでは骨格提言ではできないわけですから、合意すべき点はどうしても合意してもらわなければいけない。中身は別として、どういう合意をするかは別として。単に合意できるか、できないかの確認作業をやるということでは決してないわけです。
いいでしょうか。
○棟居部会長 ごめんなさい。私が先ほど、それでは、皆さんどうぞという非常にアバウトな言い方をしたので、恐らく太田委員は今日は何をする日なのだろうと疑問に思われたかと思います。つまり、2つのとらえ方があったはずです。
つまり、配られておる案その2を更に、これは意見として取り上げるのはおかしいとかニュアンスが違うとかという形で、今日議論して案その3に持っていくのか。それともこの案その2で一応中間的な整理は終えたとして、今後の本格提言に向けて早速議論を開始するのか、あるいはそれは4月から後にどうつながるのかという御質問があったと思います。それでよろしいですね。もう一度お願いします。
○東室長 その点は、皆さんの意見を受けて事務局の案として出しているものですから、出しただけでは皆さんの合意にはならないわけです。だから、出した案、こういう修正の仕方でいいかどうかについて、今日、皆さんから御意見を伺って、これでいいという確認を取った上で、「案」というものを取って部会の中間整理としたいと思っています。
ですから、今日出した案その2の部分で何ページの何はこういう表現は困るといったような意見があれば、それは今日出していただくということで考えております。
○棟居部会長 では、本日は当面の課題として、本日の課題としては中間的な整理を確定すると考えてよろしいですね。ということで、それはしかし、先ほど室長からのお話にもありましたように、4月以降は合意形成をしていかなければいけないということですから、何についてもっと議論すべきだということも、今日、言わば4月以降のクエスチョンを発見していければ、4月から後の多分議論はしやすくなるのだろうと思います。
ですから、今日はこの案2について更にここをこうした方がいいという御提案あるいは御批判と併せて、この点が足りない、薄いというお気づきになった点も御発言いただく、これを4月以降に項目として取り込んでいくという流れでよろしいですか。私は一応この座長をしていながら今日の進行の意味がよくわかっていませんでした。
では、そういうことでこの第1コーナーの御発言をお願いいたします。
池原委員、お願いします。
○池原委員 記載の形式のことで、もし意図があるというか、お考えがあるなら教えていただきたいのですけれども、ざっと見ると、例えば5ページのところを見ていただきますと、<4>のところの最後の方の行で、機能障害をベースに法の対象を広げるべきとの意見が出された。ただし、その一方で、これこれとの意見もあったという書きぶりのところが例えばあって、内容的には必ずしも読んでみると対立した意見ということでもなさそうなのですけれども、一定程度意見が一致していないというか、やや対立的な構造を持っているものがあるのだと、余り議論にずっと触れていなかった人が読むと、形式面から見るとそう見える記載の部分と、例えば6ページの「5、差別」の(1)の<1>の最終行を見ると、おおむね意見の一致が見られたというような記述があって、これは一致しているのだなというメッセージが伝わってくる。
それ以外の部分では、こういう意見があった、こういう意見があったということが並列的に記載されているところがあって、更にもう一つの形式としては9ページのエ)の権利条約においてはというパラグラフの最後のところですが、引き続き検討を要するという記載のされ方があって、例えば14ページ、司法のところの最後の行のところで更に検討を要するというような記載の仕方がされていて、例えば引き続き検討を要するのと更に検討を要するというのは何か意図があって書いているのかというのが、もう少し統一した方がいいのかもしれないというのと、検討を要するという表現がされている部分と、幾つかの意見がこういう意見もあった、こういう意見もあった記載されている部分というのは違いがあるのかどうかということがよくわからなくて、意見が統一されていないということは多分検討が必要なのだろうとも考えられるのだけれども、それとは別に検討を要するという書き方もされている場合があるので、その辺りが言ってみれば全体を見たときに形式面だけから見ていったときにどの部分が一番時間をかけた議論が必要な論点で、どの部分はおおむね意見は幾つか出ているけれども、大体一致しているのだなという辺りがわかりにくいなという印象を受けたのです。
○東室長 今、言われて見ると、そんなふうに分けられるのかなと私も思いました。議論をまとめていく必要があるのだけれども、議論が多岐にわたっていてこのままでは前に進めないという部分は事務局的な判断として引き続き検討を要するというか更に検討を要するとかという文言を無意識的に書いてしまったのだろうと思うのです。ただ、引き続きと更にというのがどこがどう違うかと言われてもよくわかりません。言われてみてそういう違いがあるのだなと思った次第です。
○棟居部会長 池原委員、どうぞ。
○池原委員 私はただ、余り中身に入らないで形式だけで見た感じで受けた印象としては、例えばA説、B説、C説というのはこの点についてあったのですよという議論のところはこういう意見があったと。だから、今後の議論はAかBかCのどれかに決まっていくのかな、あるいはABCの何らかの妥協案が提示されてくるのかなという印象を1つ受けました。
検討を要すると書いてあるところは、どうも意見も幾つか出ているのだけれども、まだほかの分野との関係があったりして、その論点自体が十分に整理尽くされていないというニュアンスが含まれているのかなと、例えば司法の分野とかを見ますと、ほかの訴訟法関係とかほかの省庁との関わりもあって、そういう分野のことについてどの程度例えば内閣府の固有の所管として踏み込んだことができるのかという配慮があって書かれているのかなと。言わば、ABCというふうに単純に説を整理したり、ここの問題の論点はこれとこれなのだと明確に提示しきれていないところが検討を要するという書き方、書きぶりになっているのかなという印象を受けたのですけれども、特にそうではなければそれはそれでも構わないです。
○東室長 特にそうではありません。具体的に事務局は何人かしかいませんけれども、1人でつくっているわけではなくてみんなで集団作業でやっておりますが、それぞれの言葉の使い方などをきちっと最初に基準を挙げて共通化して準備するということはなかなかできませんので、担当した人の書きぶりによっても司法の分野はこういう感じ、教育の分野はああいう感じと分かれているのが実情だと思います。
司法の分野で更に検討を要する辺りをまとめて書いているのですが、正直言って、まだ議論がなされていない、だから検討を要するのだと言っているだけです。そういう書き方と、例えば9ページの事前的改善措置の部分についても検討を要すると書いてありますけれども、これは他省庁の分野ということではなくて、その合理的配慮の概念自体としてまだ議論が足りない、全体の議論としてどうまとめていくかという作業が必要だということで書いているだけです。
○棟居部会長 池原委員、どうぞ。
○池原委員 そうしますと、実は本音のところで申し上げると、検討を要するというところは、ほかの論点に比べて議論がまだ成熟していなくて、下手をすると差別禁止法の中で置いてきぼりにされてしまうのではないかという深読みをしてしまったのですけれども、そういう意味ではなくて、これは4月以降、8月までの間に議論を尽くして、そこについてはしっかりした骨格提言ができるようにすると理解してよろしいわけですね。
○東室長 検討を要する部分で検討しないまま放っておいて骨格提言はできません。明確になっていないからある意味で検討を要すると書いていますが、その部分を放置しておいていいということではありません。
○棟居部会長 それと確認ですが、基本的には今、池原委員御指摘の検討を要するといった表現が付されておる項目について、特に4月以降の論点として室長は意識していただいているということでよろしいですか。
○東室長 そういう区分けはしていなくて、検討を要すると書いていないところでも議論が分かれていれば検討を要するわけですね。誤解が生じるのであれば、ある意味検討を要するというのはばっさり全部削ればいいのかもしれません。
○棟居部会長 大谷委員、お願いします。
○大谷委員 要するに確認なのですけれども、なるべく一致したところは一致したという形で記載するということは可能なのではないかと思うのです。例えばの例で司法を挙げているだけなのですけれども、人的な範囲についても前提として議論されている。被疑者、被告原告等々は当事者が対象となることを前提として議論されている。これを対象とすることに関してほとんど異論はなかった。だけれども、上記手続の範囲の問題と連動して、何か人的な範囲についても更に検討を要するという言葉の意味が、少なくとも被疑者、被告人等々に関して先生方が対象になることは前提として議論されたけれども、それを含めてはいけないという意見はあったのでしたか。私はこういうふうに少なくともこの辺はおおむね反対がなかったとか、おおむね固まったところに関してはできるだけ積み重ねていってもらいたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○東室長 そのことを書くと一定の評価が入ってしまう。その評価が皆さんの共通理解であれば何も異論は出てこないのですけれども、共通理解できてない場合に、これは付加的な議論として扱われているなどという意見が前回出たわけですね。だから、異論がなかったから基本的に皆さん共通理解されているのか、そこをきちっと議論するならば別の意見があったのに余り議論されなかったから言わなかっただけだと思われる方がいらっしゃるのか、そこら辺の判断はなかなか難しいのです。だから、議論の終わりに、ここは異論なかったということをテーマごとに確認しておけばよかったのでしょうけれども、なかなかテーマごとに議論するというやり方自体がきちっとできておりませんでした。Aということを言ったりBということを言ったりCということを言ったり、また繰り返したり、そういうような状況もありましたので、テーマごとにきちっとした議論ができないから確認も取れないといったような進行上の問題もあったわけです。
ですから、これは繰り返して言いますが、まとめではないのです。これはたたき台でしかないわけであって、そんなに神経質になって表現ぶりに拘泥される必要はないと思います。書き振りによって、これからの4月以降の議論が拘束されるわけでも何でもないわけです。
○棟居部会長 ごめんなさい。まず山崎委員に御発言いただいてよろしいですか。
○山崎委員 山崎です。ありがとうございます。
今、室長さんがおっしゃった「-論点に関する中間的な整理-(案その2)」、これがどういう趣旨の文書であるかというのは大体理解いたしました。ただ、その上で、今日、その2の中身についてどういう発言をしたらいいのか、少なくとも私個人はかなり戸惑っています。先ほどからどうしてかなと自問自答していたのですが、その1つの原因は、先ほど室長さんが今日の第3コーナーで、今後、骨格提言に向けて4月以降、どういうような方向で議論願いたいか提案されるとおっしゃっていたのですが、それを前倒しして今の段階で示していただいて、つまり、骨格提言というのは形式的にどんな形で固定していくことを願っていらっしゃるのかというのがある程度見えないと、今日、御提言いただいているその2についてどうコメントしていいか。少なくとも私個人はかなりの戸惑いがありますので、場合によっては前倒しで今後の検討の方向性についてお示しいただけるのであればありがたいと個人的には思います。
以上です。
○東室長 事務局サイドとして、こういう点を議論してほしいと委員の皆様に要望することは、ある意味議論をスムーズに進めていく上で必要なことだと思っています。けれども、最終ゴールの枠組みを事務局から示すということは私はやりたくないと思っています。なぜかというと、それは一定の方向で議論をまとめていくやり方は、これまでの従来のやり方とどこがどう違うのかといったような御意見もあるわけです。ですから、そこは皆さんの自主的な意見の下で骨格というものを提示していただいて、それをまとめていくといった方が正しいやり方だろうと思っています。
○棟居部会長 どうぞ。
○山崎委員 山崎です。
1点、今の御説明について確認なのですが、ということであると、例えば我々個々の委員が骨格提言の形式についても、こういうような形で固定すべきであるということを提言的に意見を示すということは、むしろやった方がよろしいと理解していいのでしょうか。
○東室長 形式と言われたのは、私が言っているのは、要するに骨格提言の中身自体です。新法にどういうものを盛り込むべきかという内容の話について、こちらの方からあらかじめこういう枠組みでお願いしたいということは避けたいと言いましたけれども、文書の形式とかそこら辺は一応一定の標準みたいなのはあると思いますので、形式上は事務的なことでしかありませんけれども、それはこちらから出したいと思います。
○山崎委員 山崎です。
了解いたしました。
○棟居部会長 ありがとうございます。
池原委員、お待たせしました。
○池原委員 これをおまとめになること自体がとても大変な作業だったと思うので、それ自体については大変敬意を表しているのですけれども、ただ単にサンプルとして見ていただきたいと思うのですが、引き続き司法手続のところですが、形式にこだわってしまうのですが、これを読むと(1)のア)のところの末尾は「更に検討を要する」で、イ)のところの末尾も「更に検討を要する」になっていて、(2)のア)についても「更にその内容の検討を要する」、イ)についても更に検討が必要である。(3)の合理的配慮については、そういうものではなくて議論がなされたというのが第1段落に書いてあって、<3>のところに「プログラムの導入が必要だとする意見もあった」、イ)のところでこれこれという「意見が出された」。(4)のところも、それぞれこれこれという「意見があった」「意見が出された」となっていて、ざっと読むと、結局、もう一回司法手続について全部議論しなければいけなくなってしまうのかなという印象を受けてしまうのです。
だから、これは多分何か技術的な工夫なのだろうと思うのですけれども、では、どこのところに今度4月以降、焦点を当てて議論したらいいのだろうかということが明快なメッセージとして伝わりにくいなというのが読んだときの印象として思ってしまうのです。
○東室長 そういう技術的な話であれば「検討を要する」とした言葉を全部削除しましょうか。
○棟居部会長 ごめんなさい。全部この言葉遣いの点から精査して申し上げているわけではありませんけれども、普通、「検討を要する」と書くときには、これは大事な流れだという点で、まさに骨格という言葉が使われるわけですが、大きな全体の枠組みに関わるので今後ここは中心に詰めていくというピンのとめ方をされていて、枝葉と言うと語弊があるかもしれませんけれども、もっと細かい論点については意見があったという形で情報としてそこに書き留めておくということで、これはどういう選択をするかというのはある種の選択の問題になって、場合によっては事務局的にさせていただく含みもあるのではないかなと。
ですから、大きな流れのところとそうではないところを、木の幹と枝を選別するような言葉遣いが無意識にもされているのではないか。それは形式美があるのではないかなと私は勝手に思っておりましたが、勿論、これは凸凹がいろいろあろうかとは思います。どうもよけいなことを言いました。
ごめんなさい。川島委員、お願いします。
○川島委員 ありがとうございます。川島です。
私は、実は室長のおっしゃるようなことが余り問題はないのではないかなと。つまり、この中間整理というのは、特に今後の作業を拘束するものではないとおっしゃられました。ですので、表現も例えばこういう点について比較的合意が得られそうであると仮に書いたとしても、それに拘束されず、今後の議論によっては覆る可能性だって十分あると私は理解しておりまして、障害者権利条約のときにドン・マッケイ議長が最後の最後まで何も決まらないと。つまり、骨格提言でこれでいきましょうというコンセンサスがとれるまでは、たとえいろんな議論があって比較的有意義に見えたとしても、最終的には最後の段階までは決まらないというような形で、とりあえず現段階でこれまでの議論を単に整理しただけと。ですから、余り細かい文言にこだわる必要はないと室長は理解しているのかなと私は理解しているのですけれども、それでよろしいのでしょうかということ。
○東室長 もう何度も同じ意見ばかりで繰り返しになりますけれども、拘束するものではないわけです。
○棟居部会長 川島委員、どうぞ。
○川島委員 その上で、今度は内容に関してなのですけれども、今日ここでまとめているのは、これまで議論があった内容をまとめているという話だったと思うのですけれども、確認したいのが、各論とありますね。例えば司法とかいろいろ。何を各論にするかというものも、とりあえず暫定的に今設定しているということもここには書いてあったかどうかというと、ないように見えたのですけれども、それはわざわざ書く必要があるのかというところもお願いします。
○東室長 これまで各論につきましては、こちらでこういうテーマでお願いしたいという形で議論していただいて、その中でこのような仕分けの仕方で議論していていいのですかと、もっと別の切り口でテーマをえぐり出して議論すべきところがあれば言ってくださいという投げかけもいたしました。しかし、本格的に論点整理案に記載されている以外の別個のものを議論してきたというのはなかったわけです。
いいですか。論点中間整理は、こういう議論をすべきだということの整理ではありません。議論すべきという意見があったにしてもそれを独自のテーマとして取り上げて、一定の時間をかけて、みんなで議論したというのは論点中間整理以上にあるわけではないわけです。もちろん、議論の中で個別的に違うテーマについて議論されたことはあります。だから、例えば欠格事由についても議論の中では出てきましたけれども、では、欠格事由について一定の時間をつくってみんなで議論したかというと、そういう経緯はないわけです。だから、あくまでも1つのテーマとして欠格事由についてまとめていないわけです。ただ、一定の部分でそういう問題があることは触れてはいるわけです。
論点の中間整理はそれ以上のものではありませんので、先ほど救済の在り方なども議論していないから今後議論するということは申しましたけれども、別の切り口でこういう各論的な分野は議論すべきだということで今後皆さん方の合意が得られれば議論していくということになります。
○川島委員 その議論は今日はやらないということになりますと、いつやるのでしょうか。
○東室長 これまでも何度か機会があったと思いますが、正直言ってなかなか議論がなかったのです。今日、時間が早めに終われば、もっとどういう分野を議論すべきなのか、その意見を出してほしいと先ほど部会長の方からも言われましたが、時間があればそのコーナーでやっていただければいいなと思います。
○棟居部会長 ということで、進行を今日は早めまして、最後に時間を取っていきたいという流れがございます。
太田委員、どうぞ。
○太田委員 太田です。川島委員の補足のようなものですが、川島委員が、ある会議において、どういうテーマを各論にすべきかというようなことがあったのではないかということが今川島委員から提起されて、私もそのとおりだと思いました。委員の方から幾つか出されていて、女性障害者などを含む差別については、明確に記憶しています。
それは、議論されたかと言えば議論されていませんが、各論として議論の必要性はあるという形でテーマとしてどなたかが提起されたテーマだと意識しています。
○棟居部会長 ありがとうございました。浅倉委員が御提示されたテーマではないでしょうか。女性障害者複合差別というテーマ、そうでしたね。議論というか、そういう論点があるのではないかとおっしゃったけれども、具体的な議論をしていないという御指摘はそのとおりであったかと思います。ありがとうございました。
ということで、第1コーナーでどこからでもどうぞと申し上げましたが、前提の話ばかりになってしまっていまして、第1コーナーで本来取り上げを。
室長、どうぞ。
○東室長 今日提案させていただいている論点中間整理案のその2の書きぶりはどうしましょうか。今、言われたような視点を考慮するとなると、文章技術的に今日中にまとめることは恐らく無理です。そうすると、また別に機会をつくらなければいけないということになります。
○棟居部会長 池原委員、どうぞ。
○池原委員 私としてはこの今日の今質問させていただいた中で一応説明を受けていますので、例えば今後検討を更に要するとか引き続きといっても、それについては先ほどのような説明で、それはそれで了解できますから、その説明があればそれでも結構です。
○東室長 やり方としては、内容的なものは今日確定し、具体的な書きぶり的な部分は次回に御報告という形にするというやり方もあると思うのです。こちらとしては柔軟に対応していきたいとは思いますけれども、いかがでしょうか。
○棟居部会長 ということで、中身のお話を基本にしていただければ。
浅倉委員、お願いします。
○浅倉委員 うまく理解していなかったのですが、せっかく太田委員が言ってくださったので言わせていただけば、例えば複合差別の問題、女性障害者の問題、それらを、是非、入れてほしいと思っています。総論には書かれていないことですが、是非とも議論していただきたいと思います。
○東室長 あるいはその問題だけではなくて、ほかにもそういう点はいろいろ御指摘がありますので、それは4月以降やっていこうと思っています。
○棟居部会長 西村委員、どうぞ。
○西村委員 前提ではないつもりで発言させていただきます。
11ページの各論の「1雇用、就労」の「(1)対象範囲」の下から2行目のところで、
差別が禁止される事項として、募集、採用、解雇、退職というところがあるのですけれども、働いている状況についての記載がありません。労働条件、労働環境については、継続雇用ということを考えたときに、こうしたことも必要だと思いますので、この4つの項目の中に労働条件と労働環境を付記していただきたいと思います。という指摘でいいのかなと思っているのですけれども、どうなのでしようか。
○棟居部会長 御指摘賜りました。今日、確定させる今までの議論でこれに反映されていないという御指摘ではなくて、今後もう少し詰める必要があるという御指摘ですか。
○西村委員 発言をしたつもりだったのですけれども、発言として載っていないのか、発言していなかったのか記憶があいまいなので、改めてこの項目の中には、障害者の雇用の場合にはたしか採用に関しては相当の手立てがあると。だけれども、働き続けるというところでは十分な環境整理がされていないというところで議論があったと記憶しています。
ですから、働き続けるための労働条件とか、職場環境とか、そういったものも影響すると思われますので、この「雇用、就労」の対象範囲については、労働条件と環境も明記してほしいという趣旨です。
以上です。
○棟居部会長 つまり、議事録をもう一度確認させていただきまして、場合によってはとりまとめに取り込むあるいは今後の課題にさせていただく、それも含めて室長の方で検討させていただくという理解でよろしいですか。ありがとうございました。
伊藤委員、お願いします。
○伊藤委員 あいかわらず形式の話なのであれなのですけれども、もう一回確認なのですが、棟居部会長が説明された「検討を要する」といった表現ぶりのもつ意味については共通認識が必要だと思うのですが。
○棟居部会長 ごめんなさい。どうも室長は違う理解をされているようで、私は素直に読めばそういうふうにとるのだという第三者的な素朴な見方を申し上げて、場合によってはその書きぶりで統一できたらいいのかもしれませんけれども、それは勿論、今は今回の修正も手元にございますので見てみますと、随分そこら辺は文章のしっぽの表現もいろいろ変更をこの1週間の間に加えていますので、そういう意味では最初に書いた方はある種統一的な目線が担当者の方はあったかもしれませんけれども、直していく中でしっぽが切れたりとか加えたりしているものはあると思います。
○伊藤委員 伊藤です。
では、表現ぶりに区別は特にないということで、最初から室長がおっしゃっていることですよいのですか。
○棟居部会長 ということに戻させていただきます。どうも失礼しました。
いよいよ残り15分かそこらでございます。太田委員、お願いします。
○太田委員 もし可能であれば、部会長、副部会長と室長で認識が違う場合は、やはりそこは合議体ですから統一見解をつくってお願いいたします。
○棟居部会長 私の先ほどの混乱に対する御注文と思います。大変失礼しました。
これは勿論、とりまとめでございますので、中身でここがまとめておかしいという意見で今いただきたいということで、どうこれを読むかという話ばかり先ほどからしておりますけれども、まず中身が今俎上に上がっております。ということで、それをお願いしたい。読み方については、室長の説明がこちらの共通の理解という前提でお願いいたします。いかがでしょうか。
特に前回の案その1に対して、こういう点が抜けておるではないかと随分御指摘をいただいておりまして、相当程度が取り込まれておると思うのですけれども、場合によっては、ほかの委員の方からすると、そこまで書くべきであったのかという疑問もあるかもしれませんが、加えた部分について特に言及して議論をお誘いした方がよろしいですか。
川島委員、どうぞ。
○川島委員 ありがとうございます。川島です。
4ページの障害のとらえ方のところなのですけれども、これはたしか私は、発言したと思うのですが、障害の法的定義というのは法律によって異なるということが1つ前提としてありまして、我々は議論で共有していたと思いまして、つまり、具体的な障害者雇用促進法の障害者の定義と、障害差別禁止法の障害の定義は当然異なり得るというところを本当は宿題のときに書くべきだったのですけれども、今、思い起こして。
○東室長 それは4ページの「4、『障害』のとらえ方」の頭書きに、差別禁止法においてどのようにとらえるかについてと書いてあります。そこにおっしゃっている趣旨は書いているのです。だから、法律はいろいろありますけれども、その法律においてどう考えるかという書き方は当然法律の目的とか性格によって障害の考え方も違うことがあり得るよという前提でここに書いているわけですから、それは含まれていると思っています。
○川島委員 川島です。
私はそこを明示的に書くことが重要だと思っておりまして、それを前提として当然皆が共有している前提として一言も書かないことが後で誤解を生むのではないかと。つまり、障害者雇用促進法の障害者の定義と同じであればそれでいいという議論も潜在的にあったと思うのです。そこで差別禁止法というのは全く法の趣旨、目的が違うから必ずしも障害者雇用促進法の障害者の定義をそのまま持ってくるという考え方が妥当ではないという議論もこれまでの議論であったと思います。
○東室長 今、文言をどういうふうに書くか御提案があれば文章として御提示願えればありがたいのです。
○川島委員 川島です。
今日、帰ってからでもよろしいでしょうか。
○東室長 今日まで事前に文章として出してくださいとお願いしておりましたので、今日じゅうに出していただければありがたいです。
○川島委員 川島です。
私の中で幾つか修正意見は出したのですけれども、今、この場に来て思い出したというか、これは書くべきだなと思ったことは発言していいのですか。それを今すぐここで書けということをおっしゃられているのですか。
○東室長 書いていただければ非常にありがたいという話です。
○川島委員 ですから、今日帰ってから提出するというのはまずいのですか。
○東室長 だから、この議論をいつまで続けていくかという話です。先ほど言いましたように、4月からは新たなステージで始めていくということはこれまで言ってきていましたし、そのスタートラインにするためにとりまとめましょうということを言ってきているわけで、そのために前回、総論の案については、御意見をいただいて、更にまとめたものをまた皆さん方にお渡ししているわけです。ですから、進行上の時間的な配分ということも一定考慮していただければと思います。
○棟居部会長 要するに、今、みんなで鉛筆を使って書く作業を議論しながらしようということなのです。時間の進行上、このようになっているわけで、その点を御理解いただきたい。
○川島委員 それでは、この時間中に書きます。
○棟居部会長 山本委員、お願いします。
○山本委員 そのような御趣旨であればということで発言させていただきます。
2点あるのですが、4ページ目の「3 差別禁止法の対象範囲」の上から5行目「憲法第1条」とあるのですけれども、これは「第14条」なのではないかというようなレベルのことも申し上げておいた方がよいという御趣旨でしょうか。
○棟居部会長 委員しか手元に修正バージョンとか書き込みバージョンを持っておりません。ごめんなさい。
○山本委員 先ほど言いましたように、「3 差別禁止法の対象範囲」で4ページ目になります。
○棟居部会長 4の一番上から3行目の<1>ですね。
○山本委員 一番上の「第1条」では「第14条」であるということです。
○東室長 これは全くのミスでございます。
○山本委員 もう一点は、前に私が発言したことの意味をここでももう一度確認しておいた方がよいという趣旨でも、発言させていただきます。
3ページ目の「2 現行法体系の下における差別禁止法の位置付け」の<2>「国は個人に基本的人権を保障していることとの関連で」という文章なのですが、「国は」というのがどこに係っているかといいますと、後ろにもまた次の「侵害されている」は、「国は義務があるという観点から」となっていまして、こちらはよろしいのですが、前の方の「国は」は「個人に基本的人権を保障している」とも読めるわけです。しかし、これは正確に言いますと、基本的人権を保障しているのは国ではなく、憲法が保障しているということだと思います。つまり、憲法が個人に基本的人権を保障している。だから、国は個人の基本的人権を侵害してはいけない、あるいは、他人から基本的人権を侵害されているときは、保護しなければならないというようにつながります。
要するに、何か国が欽定憲法のようなものを作って、個人に恩恵として基本的人権を保障するということではないということです。あくまでも、国民全体が憲法を作って、基本的人権を保障することにしましょうというのが建前です。これはかなり重要なポイントですので、やはり正確を期して書く必要があると思います。
したがって、例えばですけれども、「憲法により個人に基本的人権が保障されていることとの関連で」というぐらいに改めてはどうかと思います。
○東室長 確認しますけれども、<2>は「国は」を削除して、「憲法により」という言葉で置き換える。
○山本委員 「憲法により個人に基本的人権が保障されている」と受身形に改めていただいてはどうかと思います。
○東室長 ありがとうございます。
○棟居部会長 今、山本委員がおっしゃったような修文を含む、あるいはもう少し中身といいますか、こういうまとめがわかりにくい、おかしいという代替案の御提案を伴う発言を以下のわずかの時間を使っていただければと思います。
浅倉委員、どうぞ。
○浅倉委員 先ほど西村委員がおっしゃったことも私は重要だと思います。そこで、見え消しではなくて皆さんにお配りいただいているものの11ページの第2の1の(1)の下2行、これについて、差別が禁止される事項として、募集、採用からと入れたらどうでしょうか。募集、採用から解雇、退職に至るまですべてのものが含まれる、という意見が出されたと修文しておくと、すべての雇用に関する取扱いが含まれるように思います。
○棟居部会長 ありがとうございました。
大谷委員、お願いします。
○東室長 ちょっと待ってください。西村委員はいいですか。
○西村委員 いいです。
○棟居部会長 ありがとうございました。
ごめんなさい、大谷委員に待っていただいていると思いますので、お願いします。
○大谷委員 私も簡単なところで、6ページ、履歴のある方でよろしいでしょうか。資料1ですか。
○棟居部会長 きれいな方で、履歴がない方で言っていただくと皆さんがわかります。
○大谷委員 「5、差別」のところで、「(1)『差別』のとらえ方」の<2>ただし、この場合であっても、原則は平等取扱いであることから、ということですけれども、これは文章の流れからすれば、原則は同一取扱いであることから、になると思います。ここは平等は同一取扱いであることから、異別取扱いは本人が求めた場合に限るという意見があったという流れになると思います。直したのできっとそこの訂正がないのかな。
○東室長 済みません、もう少し場所をはっきり特定しておっしゃってください。
○大谷委員 6ページの(1)の<2>の5行目、「この場合であっても原則は平等取扱いであることから」になっていますけれども、ここは同一取扱いです。異別取扱いはということで、異別と同一取扱いを対比して述べているところですので、ここは同一になると思います。
それと、その趣旨で言うと、ごめんなさい、履歴ばかり見ていたのでどこを特定すればいいのかわからないのですけれども、雇用の方は直されたところでこの文章で皆様がよければいいのですが、新しく入ったところの14ページ、こちらで言うとどこだろう。
○棟居部会長 12ページの<4>ですか。
○大谷委員 履歴のあるところの<5>なのです。だから、13ページの<5>。雇用分野における障害者差別の具体的な内容は、公労使障の四者で構成されている障害者雇用分科会でという記述になっていますけれども、これで意味がわかって内容が特定されていれば私は別にあえて異論は唱えないのですけれども、大丈夫ですかということだけです。もしこれでよければ全然私は問題ありませんけれども、意味がとらえにくいかなと思っただけです。
司法ですけれども、これに関しては私は意見出しをしたのですが、今回は時間がなくて意見出しできなかったところなのですけれども、14ページの(2)差別についてということでさらっとこれだけしか意見が出されなかったかのようになっているのですが、これは今日時間があれば足したいけれども、なければもう次に検討を要するということになっているのでもういいかなと思いますが、もう少し具体的に提案したつもりです。特に現行法との関係はどうするのでしょうかという問題提起をしたつもりなので、そういうことは余り書かない方がいいのかということで削除されたのかなということで、ア)についてこの程度のまとめ方に不満がありますけれども、意見出しをしていなかったのであえて言わないということにします。
○東室長 大谷先生、その点はおっしゃるとおりで、現行法に対して問題があるという意見はいっぱい出ました。でも、何がこの場面で差別なのかというお話はなかなか少なかったと思っています。ですから、書きようがなかったというのが正直なところです。
○棟居部会長 つまり、恐らく今室長のお話で思い出したのは、問題として挙げられているのは、現行法すら守っていないというケースで、法務省の方に聞いても立法事実がないと。つまり、これは別に差別禁止法がないからこうなっているわけではありませんよという御回答で、我々は別にそれで引っ込んだつもりは私個人はないのですけれども、少し詰め切れていない部分が残っているかなと思います。
○大谷委員 いろいろ思い出してきました。現行法自体が問題の場合と、現行法の運用が問題の場合ということでいろいろ提案させてもらったのだけれども、まとめきれなかったということですか。
○棟居部会長 ぼちぼち時間がきております。
○大谷委員 もう一つごめんなさい。これは誤解が生じてしまうので修文を考えますけれども、今日、追加された15ページ「(5)その他」の<2>で刑事訴訟法では身柄を拘束した場合の一定期間内に起訴しなければいけないと。これは鑑定留置の場合には長くなりますけれども、起訴前鑑定の場合は、いわゆる20日以内にやっている。これは後で訂正文を入れさせてください。
○東室長 その点、太田さんの方から意見が出ましたので、少しそこはお二人で話し合っていただければと思います。
○棟居部会長 ごめんなさい、引馬様がお手を挙げられました。
お願いします。
○引馬専門協力員 引馬です。細かな内容のことではありません。また、委員の先生方がどうお考えになるかにもよるかと思うのですが、最初に部会長が濃い、薄いについても述べてよいとおっしゃられていたので、私から1点あげさせていただきたいと思います。2ページ目になりますが、総論の差別禁止法の必要性、有用性を記した<7>の最後の方の行になります。差別禁止法が新しい社会づくりに重要な役割と意義があることについても理解を広げなければいけないという表現がございます。こういった広範かつ大変重要なことが<7>の最後の方に少し書かれています。この文言との関係も含めまして、やはり差別禁止法が社会的に不利な立場にある人、今回の場合は障害のある方々が広く社会に参加する礎の1つになる、もし適切な差別禁止法ないしは均等法が実施されれば、それは社会全体にとっての、今の少子高齢社会全体にとっての利益になるのだということが、どこかにしっかり書かれたらどうかと思いました。
○棟居部会長 ありがとうございました。室長ともそれは別の時間に話をさせていただいておったのですけれども、骨格提言という場合にはやはり前振りの文章が要る。今、少し端っこの方に入ってしまっているけれども、もう少し大きく扱うべきではないかという御指摘をいただいたと思います。ありがとうございました。
浅倉委員、お待たせしました。
○浅倉委員 大谷委員が言ってくださった13ページの上から3行目の<5>のところなのですが、ここはどなたかが修文してくださった部分ですね。<5>というのはこれでいいのでしょうか、私もそう思います。つまり、「論議のすみ分けの整理を図っていくべきとの意見が出された」と書かれていることの意味がよくわかりません。
○棟居部会長 今の点、室長、御説明をお願いします。
○東室長 これは委員の意見出しに基づいて入れた部分です。
○伊藤委員 伊藤です。私の方から13ページの上から3行目の<5>のところを追加していだきたいという意見を出させていただきました。
私は労働組合に関わる者としてこの場に出させていただいておりますけれども、同じ労働組合の立場で入っておりました小島前委員が昨年の10月14日に欠席をしたのですけれども、ペーパーで意見を出しておりまして、その際に、厚労省の労働政策審議会の障害者雇用分科会の方での議論があるので、そちらの方との議論のすみ分けの整理が必要という趣旨でペーパーを出しておりまして、それ以上のことを意見として出すことがこの時点でできないのかと思いましてこのような書き方をしていただいたところです。
○棟居部会長 ありがとうございました。関係の方々の記憶はすべて正しかったということだと思います。
川島委員、お願いします。
○川島委員 ありがとうございます。13ページの1行目なのですけれども、雇用促進法とは別に規範性を持った法律を新たに位置づける必要があるという部分の意味がよくわからなかったので教えていただければと思います。
もう一つは、今、伊藤委員の方から、他意は全くないのですけれども、ペーパーで出した意見はこの整理には反映しないという方針が前回打ち出されていたので、そことの関係でどうなるのかなという2点をお願いいたします。
○棟居部会長 一応今の点について、室長、お答えになりますか。
私は先ほど伊藤委員がおっしゃったペーパーというのは発言の代わりという、つまり、例えば川島委員がお出しいただいているのを丸ごと御提案されているけれども、少し性格は違うのではないかなという理解で、本当はこちらでこういう御発言を特に求めるというペーパーをちょうだいしていますという読み上げをしておればよかったと思うのですけれども、読み上げるまでもなく、こういう御発言をペーパーとしていただいたということが1つと、内容的にも我々は問題点として厚労省の関係とどう調整していくのかというのか、すみ分けという言葉が妥当かはともかくとしまして、並行して似たようなことをどういうふうにやっていくのかという、これは何度も議論に出ていると思います。それを省略してまとめということで、私は不正確な記載と個人的には思っておりませんが、勿論、御異論があればという。川島委員、どうぞ。
なお、時間がもう本当にオーバーしていますので。
○川島委員 一言だけですけれども、私はむしろそういうペーパーの意見は入れるべきだと思ったのです。私自身が前回そうすべきでないと、私は在外研究のときに何回か欠席して、その間、ペーパーを出したのです。でも、当然ここで読み上げられることもないですし、そういう意味でそこはどうなっているのかなという、いわゆる公平性の観点から、当然意見を言うべきだなと思った次第です。
○東室長 その点に関しましては、具体的な議論の中でそのまま引用されたというわけではないのですけれども、ペーパーとして出たままという状況ではなかったみたいです。もう少し詳しく調べないとわかりません。
○棟居部会長 多少ここでの議論に反映されたと私も記憶しております。
ということで、どうしましょうか。ごめんなさい、御発言の前に内容を聞いて恐縮ですけれども、浅倉委員、西村委員、それぞれ御関連というか、もう1~2分でこれはやめるべき時間に来ております。
西村委員、お願いします。
○西村委員 西村です。
記載されていないと思われる事項が1つございます。障害のとらえ方のところで、たしか障害者基本法に基づくというところを入れるべきではないかというものがあったと思います。
○東室長 何ページですか。
○西村委員 4ページ、障害者のとらえ方ですけれども、障害者基本法の中での定義がありますので、それを入れるべきだという議論があったと思います。
どこに入れるかということはまだわからないのですけれども、先ほど関係法令というところのお話がありましたが、関係法令の中でやはり差別を助長しているものと、ヒアリングであった欠格条項の部分も中間的な整理の論点の中で入れるべきだと思います。
以上です。
○棟居部会長 ありがとうございます。
浅倉委員、お願いします。
○浅倉委員 川島委員からの御質問で13ページの1~2行目のところですけれども、これは私が出した意見です。その前ページから見ていただくと、要するに現在の障害者雇用促進法を大幅に改正するか、あるいはそれとは別に新たに規範性を持った差別禁止法をきちんと位置づけるかという、その2つを書いたつもりだったのです。もしそう読めなければ、後で修文した方がいいですね。それが1点です。
その下の<5>なのですけれども、私もこだわっているのですが、これをそのまま読むと、「具体的な内容」は厚労省の分科会に任せてしまって、当差別禁止部会では枠組みだけ議論しろ、みたいな意見のように読めてしまいます。ここはそういう指示をせずに、両者で調整を図った方がいいと書いていただければよろしいと思います。いかがでしょうか。
○棟居部会長 もう少し短くすると、調整が必要という指摘にとどめるという。どうしましょうか。今日の部会が終わるまでの休憩時間をお使いいただいて、最後までにもう文章で出していただくというのがよろしいですね。そうでないと、今日じゅうということになるとまたここの議論を経ないことになる。
では、どうもありがとうございました。
室長、お願いします。
○東室長 先ほど西村委員が言われましたけれども、障害者基本法の改正された新しい定義をここに持ってくるという議論があったのですか。
○西村委員 あったと思います。
○東室長 なかったのではないでしょうか。その点、私も見てみないとわかりませんが、総合福祉法の議論の関係では部会の方でそういう議論は確かにありましたけれども、この部会で同じような議論があったのでしょうか。
障害者の定義ということでおっしゃったのですか。それとも障害という定義ですか。
○西村委員 失礼、障害者です。
○東室長 障害者の定義であれば、ここで言っていることと随分違うのです。だから基本法の障害者の定義を持ってくるという議論はなかったように思うのです。障害については同じですから持ってくるという議論はあり得たと思うのですが、そこは調べてみないとわかりません。
○棟居部会長 では、議事録が今この部屋にありますね。この休憩時間に確認いただくということでよろしいですか。もし御希望の方は、事務局の方に是非お問い合わせください。
ということで、進行が悪く延びてしまいましたが、以上で第1コーナーを終わります。15分の休憩をいただくといたしまして、今、手元の時計で3時25分でございますので、40分に再開ということでよろしくお願いします。

(休憩)

○棟居部会長 それでは、再開します。
まず室長から少し御注意点を申し上げます。
○東室長 今の時間帯で修文案を持ってこられた方の意見を紹介しますので、それでいいかどうか御確認いただければと思います。
まず資料1の4ページの4の(1)の部分を御参考ください。「『障害』のとらえ方」という小見出しが付いている部分です。これの冒頭に(1)の後という形になりますが、障害者の法的定義は、法律の趣旨、目的に応じて異なる。例えば障害者雇用促進法と差別禁止法とでは、障害者の法的定義は異なる。そのため、差別禁止法独自の障害の法的定義をつくる必要があるといった御意見が川島委員から出ておりますので、このとおり書くべきかどうか御意見があればお願いします。
川島委員の御提言の中に、障害者の「者」を括弧でくるんであるのですが、むしろ障害のとらえ方ですから、今のペーパーの中の「者」というのは省いた方がいいのではないでしょうか。どうですか。
○川島委員 川島です。
それも理解できるのですが、障害を論じるときには障害がある人というのは障害者になるのでどちらでもいいかなとも思います。
○東室長 こういうふうに聞くのは、障害者基本法は障害についてはもっぱら機能障害をベースに考えておりますけれども、障害者については社会モデル的な要素を付け加えているわけです。ですから、どちらの議論をしているのかということが明快にならないと議論が混乱するわけです。
○川島委員 川島です。
私の中では、障害者基本法の障害または障害者と差別禁止法における障害または障害者とも全く違うというか、異なる定義であっていいという理解でおりますので、「障害(者)」という表現でも特段の問題は発生しないと思っています。
○東室長 あとはここでは小見出しが障害のとらえ方という形になって、障害者のとらえ方というテーマではないので、できれば文章の中で言えば障害に限定した書きぶりにしていただけると理解がスムーズかなと思うのです。
○川島委員 川島です。
余りしつこく言うつもりはございませんが、5ページの<3>に「障害者」の範囲が限定されているという記述があるのですけれども、この4ページの4の小見出しを「障害(者)」のとらえ方に直してもいいのではないのかなとも思います。
○東室長 そういう御意見ですが、皆様いかがでしょうか。例示されているのは障害者雇用促進法です。
○棟居部会長 時間がございませんので、今の点についても御指摘、御意見があったということでどうとりまとめるか、室長に一任させていただければと思います。
それとの関連で、今の箇所のすぐ下なのですが、<2>の体重150kgの人がという具体的な表記は、これは例なので、ここまで限定というか特定するのはいかがかと。先ほど休憩時間に伊東副部会長から御指摘いただいて、私もこのまとめの段階では体の大きな人がという表記に改めたらいいのではないかなと考えます。この点も御異議がなければこのように直させていただきたいと思います。
ほか、ペーパーが室長の方に出ておりますね。
○東室長 はい。先ほどの点は私が申し上げたということでようございますか。
15ページの(5)の<2>、このように修文いただきました。<2>刑事訴訟法では身柄の拘束は限定的でなければならないが、心身喪失の疑いがあるということで鑑定留置が行われると長期の拘束となってしまうことについて不当だとの意見があったという形に修文したらどうかという御意見でした。起訴前鑑定ではなくて鑑定留置という言葉に替わっております。御異議がなければそれで確定したいと思いますが、いいですか。ありがとうございます。
○棟居部会長 浅倉委員、お願いします。
○浅倉委員 先ほど文章を出すまで調整できなかったので、今、修文の部分を発言してよろしいでしょうか。
○棟居部会長 どうぞ。
○浅倉委員 13ページの上から3行目の<5>、伊藤委員と調整をいたしました。労働・雇用分野における障害者差別の具体的な内容は、修文するところは「公労使障の四者で」というのを「公労使の三者で」。「障」を除いているのです。公労使の三者で構成されているとしまして、そこが1か所修正します。障害者雇用分科会というのが何だかよくわからないので、「労政審の」というのを入れます。労政審の雇用分科会でと入れまして、あとはそのままにさせていただいて、実は最後に、「これに対して当部会でも具体的内容について議論すべきとの意見もあった」と加えさせていただきます。
○東室長 では、ちょっと読みますね。
<5>労働・雇用分野における障害者差別の具体的な内容は公労使の三者で構成されている労政審の障害者雇用分科会で審議を行い、当差別禁止部会では基本的な枠組みについて議論を行って、雇用分科会と差別禁止部会の役割、議論のすみ分けの整理を図っていくべきだとの意見が出された。これに対して、当部会でも具体的内容について議論すべきだとの意見が出されたということでいいですか。
○棟居部会長 ごめんなさい、今の1点、最後に付け加えられたこれに対しての文章ですけれども、これは議論すべきとの意見が出されたというのは、今日のと併せてそういうことをおっしゃっているのか、それともペーパーの段階で既にそういう趣旨である、あるいはほかの発言でそう言えるという、どこから来る話ですか。
○浅倉委員 説明させていただきます。実は先ほどのお話では、<5>の内容はペーパーで出されていたらしいとのことですので、私はこれについて意見を述べる機会がありませんでした。そこで、ペーパーで出されたものだから全部削除してほしいということも可能かと思うのですが、せっかく伊藤委員から出されたご意見だということなので、それは生かす方向でいこう、ただし、それを活かすのならば、反対の意見もあったということを入れこんでほしいという私の要求でございます。どうでしょうか。
○東室長 私も余り正確には覚えていませんが、伊藤委員が出された部分は私が小島委員から出されたペーパーを出して説明する中で抽象的にですけれども、若干触れております。議論の中身ではこれに対してこの部会で議論するべきだというような言葉があったかどうかは定かではないのですが、議論の前提として当然ここでも細かくやっていくべきだというような御意見が前提にあった発言があったと思いますので、今のこういう形でまとめるのはいいのかなと思いました。
○棟居部会長 川島委員、お願いします。
○川島委員 ありがとうございます。先ほどの休憩時間に浅倉委員と意見交換をさせていただきまして、2人の合意というところで、12ページから13ページにかけての12ページの<4>、修文を私の方から代表して今お伝えしたいと思います。
○棟居部会長 上と下、どちらの<4>ですか。
○川島委員 済みません、12ページの一番下の<4>です。
まず、最初のところは修正がなくて、雇用促進法で定めている障害者雇用率制度の維持について反対はなかった。次に、「が、」を取って、現在の障害者雇用促進法に、差別禁止法の役割を担わせるには。
○東室長 ごめんなさい、差別禁止法ですか。
○川島委員 ごめんなさい、差別禁止の役割を担わせるためには、大幅な改正が必要であるという意見、その次が修文で、意見があった。「や、」を取って、むしろを追加させてもらいまして、むしろ雇用促進法とは別に規範性を持った、その後に言葉を足して差別禁止で法を生かして「律」を取って、規範性を持った差別禁止法を新たに、次が「位置づける」を取って制定するにして、新たに制定する必要があるという意見が出されたという形で現時点でなのですけれども、以上です。
○棟居部会長 今のは誤解を避ける修文という理解ですね。特に何かウェートを変えるといったことではないですね。わかりました。
室長のところにはもうペーパーは来ていませんか。
○東室長 ペーパーはありません。
○棟居部会長 川島案のは私の理解では特に内容に変更を加えるものではないと、誤解を避けるということでしたが、それも含めてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、第2コーナーに入らせていただいてよろしいでしょうか。
第2のコーナーは60分を予定しておりましたが、到底その時間は取れませんが、案その2の項目の中から「3 選挙等」「4 公共的施設及び交通施設の利用」「5 情報」についてです。以上の3点について第2コーナーで取り上げます。
最初に東室長から論点等について資料1に基づき10分程度で御説明をお願いします。
○東室長 「3選挙」からです。15ページをお開けください。これについてはほとんど修文はありません。
次に「4公共的施設及び交通施設の利用」につきましても、中身的な部分はそんなにありません。
次に「5情報」ですが、これについても内容を大きく変えるような変更はほとんどありません。
以上です。
○棟居部会長 ありがとうございます。
それでは、質疑及び議論に入らせていただきます。時間については、40分ほどを予定しております。先ほどと同じように、この文章はこうすべきであるといった、あるいはこういう点が抜けておるといった御指摘はいかがでしょうか。
なお、今、室長が大きな修正はないといった表現をされましたが、これはもとより先ほどと同じように、前回の案1からその後、さまざまな意見が寄せられ、修文を加えまして案2が今日お手元にわたっておるわけでございます。その案2について、特に大きな変更はないという御指摘があったところであります。
大きな変更がないということは、変更すべき点で今日これから出てくるのか、それともかなり議論が熟しておって、まとめ方も特に異論はないということで済むのかということなのですけれども、いかがでしょうか。あるいは何か論点が落ちておるということも含めてチェックをお願いいたします。
川内委員、お願いいたします。
○川内委員 「4 公共的施設及び交通施設の利用」の(2)の<4>の2行目に、抽象的理由でそれが拡大適用されないようにする必要があるという意見というのが書いてありますが、これは抽象的理由というのがすごくわかりにくい感じがしまして、例えば「具体的な根拠なく」と直した方がわかりやすいのではないかと思います。
○棟居部会長 今、御指摘いただいたのは17ページの下から5行目辺りに相当しますでしょうか。なお、これは前回の案1ではなかった表現でございまして、その後の御指摘により<4>に「抽象的理由で」というのが入れられているところであります。しかし、今、再度確認させていただきますが、川内委員の「抽象的理由で」を変えた代替案はもう一度お願いできますか。
○川内委員 「具体的な根拠なく」という。「抽象的理由」というのは私が加えてくださいと申し入れたものではありませんが、ここで入っているので、抽象的理由というのではよけい抽象的になってわからない。
○棟居部会長 どなたか別の方の御提案だが、それを入れるならば「具体的な根拠なく」とすべきではないかと。
室長、どうぞ。
○東室長 東です。
例えば安全性といった場合に、飛行機に重度の身体障害者が乗るとします。乱気流か何か起きた場合に、酸素を出す管などが出る場合がありますね。そういう場合に、自分の手でマスクを口に付けられないことも考えられるといったような理由で搭乗拒否されることが考えられます。確かにそういう飛行機事故が起こることはあり得る話なのですが、そういう事故が起きる危険性自体は少ないわけです。ただ、抽象的に考えればそういう危険性もあり得るから、搭乗拒否の理由になると言われるといったことが念頭にあってこういう表現となったのだろうと思います。ですので、「具体的な根拠がなく」という言葉を使用した場合に、今述べた根拠があるのだと言われて、それは具体的ではないと言えるのか、それはそういう抽象な理由を除外できるような言葉として使えるのか、どうかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○棟居部会長 つまり、今、室長がおっしゃっているのは、例えば酸素マスクが下りてくるなどというのは、場面としては極めて具体的ですね。そういう具体的な場面を挙げればそれで具体的な根拠があることになってしまうと、かえって拡大適用されてしまうということになるのではないかという再反論だったと思うのですけれども、川内委員、いかがでしょう。
○川内委員 川内です。
では、ここでおっしゃる抽象的理由というのは、数値的な根拠は挙げられないけれども、こんなことが起きるのではないかという推定でという意味で使われるということですか。
○東室長 東です。
安全性といった場合に、具体的に切迫したような危険性ではなくて、抽象的なあり得る危険性、そういったものを根拠にされるのはどうかという問題だと思うのです。表現の自由の規制の場合でも、明白、かつ現在の危険がある場合に限って制限できるといった議論があるのですが、それと同じような事柄の問題だと思うのです。
ですから、もう少しわかりやすく言えば抽象的な危険とか、抽象的な可能性というようなことの方がわかりやすいのかなという感じもしますが、いかがでしょうか。
○棟居部会長 あるいは一般的というのを抽象的の前に付けるやり方もよく取られると思いますけれども、一般的、抽象的理由でという、つまり、一般論としてしかそれは考えられなくはないけれども、果たしてこの場面で具体的に差し迫っているかどうかがポイントだというのが室長がおっしゃっていることで、川内委員の御提案で具体的根拠というと、差し迫っていなくても酸素マスクがとか、そういう具体的な話になると正当な理由になってしまわないかという言葉の水掛け論かもしれませんけれども、恐らくそういう再反論を室長はされたと思います。
川内委員、いかがでしょうか。
○川内委員 川内です。
私が申し上げた「具体的」というのは、例えばこういうことが起きる可能性がほかの人に比べて高くもないのに、障害のある方々は危険だからというようなことで乗車拒否されたりとか、そういうことが背景にあったのでそういうことを申し上げたのですが、今の東さんの説明が私の中にすとんと落ちてはいないのですけれども、これで法律の専門家の方々がごらんになっていいのだということになるのならばそれ以上は申しません。
○棟居部会長 これは池原委員、例えばいかがでしょうか。
○池原委員 私は「理由」よりは、今の議論からすると「可能性」ぐらいの方がいいような気がします。「危険性」とか「可能性」とか。
○棟居部会長 竹下副部会長、今のはいかがでしょうか。17ページの4の(2)の<4>。池原委員の御提案は「理由」に替えて「可能性」ですか。
○池原委員 先ほど室長と座長の両方でおっしゃっていたような、総合すると一般的、抽象的な可能性とか、一般的、抽象的な危険性とかという感じなのではないでしょうか。
○棟居部会長 では、言葉についてはこれも室長一任で、しかし、理解としては今議論した流れの中で取らせていただくという扱いでよろしいでしょうか。ありがとうございました。
ほかに御提案はございませんでしょうか。あるいは御疑問はいかがでしょう。なお、これも先ほどと同じで、3つの論点、順不同ということでどこからでも結構です。今回、特に赤が入ったといいますか、前回の案1から変わっております案2の変化のところで今川内委員はとらまえて抽象的理由と、この点を問題になさいましたが、ほかも数こそ少ないですけれども、幾つか修正が入っておりますが、その点を中心に御異論ございませんでしょうか。
川内委員、お願いします。
○川内委員 再び川内です。同じ「4 公共的施設及び交通施設の利用」の「(1)対象範囲」の1行目の終わり辺りからですが、アクセスが問題になっているときに、不特定の利用とか、多数の利用という限定がなぜ、重要になってくるのか疑問であるというのはバリアフリー新法で不特定の利用とか多数の利用というのにものすごくこだわって使っているわけです。ですから、そのことについて私が述べたものですが、皆さんこれでわかりますか。私はここのところは「アクセスが問題になっているときに」というのを「現行のバリアフリー法制の中では」不特定の利用とか多数の利用という限定がなぜ重要になってくるのか疑問であるというようなことに今から変えていただけるならば、そうしていただければと思います。
○棟居部会長 どうぞ。
○東室長 現行のバリアフリー法の問題点としてここに書くべきかという問題が出てくるのではないでしょうか。勿論、現行法の問題点についての意見は意見としてあるのだろうと思うのですが、ここでは、この分野で差別禁止を考えるときに公共性とか不特定というものを要素として、この差別禁止法に盛り込むかどうかということについて議論がなされていると思うわけです。だから、何も現行のバリアフリー法の議論をしているのではないのだということをわかってもらう必要があると思うのです。その上でこの文章は読みづらいなという御指摘はそのとおりだと思うので、そこを考えていただいた上で御提案いただければと思います。
○川内委員 わかりました。現行に対する疑問をベースにしているとはいえ、ここに書くのは差別禁止法の中でどう扱うかということを書くべきだと。了解しました。
○棟居部会長 太田委員、お願いします。
○太田委員 太田です。今の関連ですが、東室長のおっしゃることは基本的に支持したいと思います。現行法とは切り離してもなお差別禁止という視点では不特定とか多数とか、そういうことを取っ払ってそういうものを考えていこうということだろうと思うので、そこはきちんとこの文章を生かしたものにしてほしいと思います。
○棟居部会長 ありがとうございました。
川島委員、どうぞ。
○川島委員 川島です。
川内委員のおっしゃられた論点なのですけれども、特定多数とか不特定とか。
○棟居部会長 17ページの4の(1)ですか。
○川島委員 ありがとうございます。17ページの4の(1)なのですけれども、これは私も同種の発言をした記憶がありまして、この4の「(1)対象範囲」のところで、アクセスが問題になっているときにというところが私の中は変えればいいのではないかなと。つまり、障害差別禁止法の文脈で不特定の利用とか多数の利用という限定がなぜ重要になってくるのか疑問だという趣旨で私は発言した記憶がございます。
○棟居部会長 今の点は、川内委員と実際に内容的には異なるものでしょうか。川内委員も異なる。では、表現は別にどちらでも構わないと。わかりました。川島案でいいということで、その点、川島委員と、川内委員。
○東室長 では、確認しますけれども、「アクセスが問題になっている時に」を削除して、その代わりに障害差別、障害者差別、どちらですか。
○川島委員 「障害差別禁止法の文脈では、」で終わりです。
○棟居部会長 それは「法」を入れない方がいいのではないですか。障害差別禁止という概念にしておいた方が。
○川島委員 では、「法」を取ってください。
○棟居部会長 ごめんなさい、そうすると、どうされますか。では、障害差別禁止ということでよろしいですか。「法」は入れないと。
○川島委員 なくてOKです。
○棟居部会長 ありがとうございました。ほかに再修正の御提案等。
委員のお手元には履歴を示す赤で消したものがございますので、先ほど来、私が申し上げているのは、特にそこについてはある意味要チェックということで見ていただければということでございます。いかがでしようか。
19ページの真ん中辺り「5情報」の(3)、「情報保障は、他の分野も含めて」という、これが今回案2で「他の分野も含めて」という部分が新たに挿入されているわけなのですけれども、ここはどういう趣旨でしたか。お願いします。
○東室長 東です。
情報保障は、障害のアクセスにしても教育にしても移動にしてもいろんな分野で重要だという議論がなされていたわけです。ですから、情報保障を個別分野として書く場合にも、そういう情報保障という単独の分野ではなくて、ほかの分野でも重要な機能を果たすのだということが議論の中に出ておりましたので、そこの趣旨も含めて書き込んだということです。
○棟居部会長 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。
最初の選挙の項目については特に今回さほどの修正ということは入っておりませんけれども、そもそもの原案自体がこれでよろしいでしょうかというか、我々はこういう御議論をしてきたわけです。これしかしていないということでもあるのですけれども、これが足りないとか、ここをもう少しという点も含めて、御感想でも結構です。
選挙について、特に宿題は残っておりませんでしょうか。
では、次の17ページの「4公共的施設及び交通施設の利用」につきまして異論はございませんでしょうか。では、情報についても多分よろしいということだろうと思いますので、ここでどんどん項目を進めていくという議事運営をさせていただきたいと思います。
すなわち「6教育」「7商品、役務、不動産」「8医療」ということで、室長から御説明をいただきます。
○東室長 東です。
教育につきましては、結構付け加えた部分がございます。まず、20ページ「6教育」の(2)差別及びその正当化事由という部分ですが、差別についてということで、何が差別かの記述の中で<1>本人または保護者が当該教育機関への入学を求めたにもかかわらず、部分が付加されております。そして、それに続けて読みますと、障害を理由に入学を拒否することは教育における差別に当たるという意見が出されたということになります。「求めた」という部分を入れるべきだという御意見に基づいて入れております。
正当化事由につきまして、21ページで随分書かれてあります。これにつきましては、一つひとつ読みませんが、特に一般的な制限のほかに、例えば合理的配慮を尽くしても、なお本人の教育目的を達成し得ないといったことを証明し得たときには差別に当たらないのではないかとか、義務教育においては国がすべての国民を就学させる条件整備義務を負っている関係があるので、障害を理由に入学を拒否することの正当化事由は存在しないのではないかといったような意見。もしくは、より制限の少ない教育が提供されなければならないといったような意見。
更には、知的障害の関係につきまして、高校入学の入試の問題ですが、成績の観点だけで判断すべきではないといったような御意見。そのような御意見がありましたのでここに加えているというところです。
更に「(3)合理的配慮及びその例外」が下の方に書いてありますが、ここで加わっている部分は<2>のところの後段でありまして、教育分野においても先ほど言いましたように情報保障は重要性を帯びるのですが、情報保障は合理的配慮の概念を経由して、教育・労働・役務を含むすべての分野に及ぶので、情報保障という個別分野を設けないという意見を付け加えております。
22ページの<3>、合理的配慮の例外としては、一般的には過度の負担がある場合には例外となるという条約上の規定があるわけですけれども、特に義務教育は先ほど言いましたように国が条件整理義務を負っている関係がありますので、過度の負担の主張も適用されないといったような意見がありました。
この部分については、私立学校や私立幼稚園なども同じだという意見がありましたので、これも加えております。
教育に関しては大体以上です。
「7商品、役務、不動産」につきましては、23ページ「(1)対象範囲」で<2>という部分がありますが、そこで相手方を考えるに当たって、法律の下でだれが義務を負っているのかを明確にするという趣旨で、義務を負う主体を特定していくという観点からの意見があったという部分を付け加えております。
その他、「留意すべき事項」ということで24ページの下の方に(4)というのがあります。その部分で契約強制という問題について書いてあるわけですけれども、これは裁判所を念頭に置いて、裁判所が履行請求を認めることは難しいという表現の方が正しいだろうということで「認める」に変えています。また、行政委員会では、具体的な作為命令が出せるだろうということで、司法の関係と行政委員会の関係では分けた書きぶりになっております。
以上が商品等のところの検討です。
25ページ「8 医療」がありますが、医療についてはほとんどありません。ただ、医療につきましては、この前議論したばかりですので、今日意見があれば出していただければと思います。
以上です。
○棟居部会長 今、室長がおっしゃいましたように、特に今、触れていただいた点はすべて前回の案その1から今回修正が加えられている案その2で新たに主に加わった部分を中心にお話をいただいているということでございまして、非常に大規模に加わってまいりましたのは、先ほどの正当化事由という教育のところですね。こちらについてどなたか御提案に加わっていると思うのですけれども、場合によっては説明いただく必要はありますか。よろしいですか。
そもそもこの点について全く案その1では入っていなかったということですか。そっくり数字を入れられているわけです。
大谷委員、お願いします。
○大谷委員 ごめんなさい。提案させていただいたので説明させていただきますけれども、まとめ方において正直誤解があったかなと思われたのは、合理的配慮のところに全部正当化事由というところが入ってしまっていたのです。正当化事由と合理的配慮を区分してこういうふうなまとめ方をするならば、合理的配慮のところにまとめられていたものを正当化事由の方に載せるべきではないかということで場所を移動したところが多々あります。勿論、加えたこともありますけれども、基本的にこの正当化事由と合理的配慮というのを分けて記載していただきたいということによってそういうふうになったということですので、内容においてはそんなに大幅に変えていないと思います。
○棟居部会長 しかし、これは合理的配慮以前の問題であるという、そこは重要な違いなのだという観点で大谷委員は特に場所の移動といいますか、項目立ての変更をお求めになられたということですね。そういう議論を大谷委員御自身あるいは大谷委員と議論したほかの委員もそういう意識を共有していたということでここで場所の移動を御提案になり、室長の方でそういう修正を出されているということと思います。
川島委員、どうぞ。
○川島委員 ありがとうございます。川島です。
本日、修文された部分についてコメントをしたいと思います。20ページの「6 教育」の(2)のア)の<1>、本人または保護者が当該教育機関への入学を求めたにもかかわらず障害を理由にというところで、私はたしか部会でこれに括弧して障害に関連する事柄を含むと入れてくださいみたいなことを言ったと思いますので、障害(障害に関連する事柄を含む。以下同じ)と。なぜ以下同じかといいますと、次の21ページをごらんいただきたいのですけれども、21ページのイ)の<2>の2行目に、障害を理由にというところもありますので、これも同じ趣旨として大谷委員は合意されていたと思われます。
そのすぐ下の<3>の2行目に、障害に基づくとありますので、ここも同じ趣旨だと思うのですけれども、ただ、障害を理由にと障害に基づくは、特に今回ここは意識的に区別していないのでこういうふうになったのかわからないのですけれども、とりあえずは障害というものは障害に関連する事柄も含んでいるのだという理解でたしか議論は進んでいたと思われます。
もう一点が21ページの一番下の行で、「ないという意見であった」とありますけれども、この部分は主語が「この意見では」となっていますので、「意見」が2つ重なってしまうので、最後は「設けないという意見であった」ではなくて「設ける必要はない。」でよろしいかと思います。
以上です。
○棟居部会長 ありがとうございます。今の川島委員の修正提案、御異議はございませんでしょうか。
西村委員、どうぞ。
○西村委員 西村です。
異議ではないのですけれども、障害に基づく差別につきましては、教育以外のところでも相当出てくるのではないかと思っています。障害に基づく差別ということで、関連だとか直接とか間接だとかという議論もあったわけで、どこかに一番最初に出てくる障害に基づく差別のところで、その辺のところをはっきりした方がいいのではないかなと思いました。教育以外のところにつきましてもそういうものが出てきますので、障害に基づく、括弧、今の川島委員がおっしゃられたものをまず付けておけば全体にそれがかかるとなると思いますので、以上です。
○棟居部会長 ありがとうございます。
室長、よろしいですか。
○東室長 大まかな方向性としてはそうありますけれども、現段階でそこの言葉の意味をきちっと確定するといったところまで確認が取れているかというと、それぞれの出された委員のイメージで書いている部分もありますので、機械的に全部統一するというのはどうなのでしょうか。若干不安があります。
○棟居部会長 竹下副部会長、お願いします。
○竹下副部会長 竹下です。私は、個人的には川島さんの言うような引用の仕方は避けた方がいいと思うのです。理由は、まず今の西村さんの指摘も含めて言うと、総論のところで整理された中で間接差別や関連差別等の議論のあった部分については整理されているわけです。それがまず1点。
もう一つは、我々は差別の概念を議論しているときに、仮に条文化するときに類型化した条文構成をすべきなのか、それを現時点では統一した、あるいは包含する内容の表現の方がいいのではないかという議論があったことが1つ。
もう一つは、あえてここにそういう言い方をすると、それは紛れもなく直接差別のほかに間接差別または関連差別というものを意識してそこに整理されているということを特記した形になりますね。それはまたよけいだと言ったら言い過ぎかも知れませんが、議論をもう一度ぶり返すことになってしまうのではないかと思うので、そこまで厳格にこの部分で引用することは必要なのでしょうか。もしどうしても必要とするならばその意図をもう少し御説明いただいた方がいいかと思うのです。
以上です。
○棟居部会長 川島委員、御反論でしょうか。
どうぞ。
○川島委員 ありがとうございます。川島です。
竹下副部会長のおっしゃられる趣旨も3分の1は理解できるのですけれども、私はこの教育の部分で大谷委員が発言したときに発言をしました。その発言は、例えばうつ病を理由に処分を受けるという学生もいるし、うつ病を理由に欠席が多くて不利益処分を受ける生徒さんもいる。つまり、うつ病を理由に学校を休んだことによって処分を受けた子どもは、障害差別から漏れてしまいかねないからわざわざ障害に関連する事柄という言葉を入れる意義があるのだという具体例を10個ぐらい挙げて話したのです。
○東室長 東です。
その点はそのとおりだと思います。ただ、今言われたのは西村さんに対する意見なのです。ただ、西村委員はもっと広い範囲でそれを確定しろとおっしゃった。
○川島委員 竹下副部会長の趣旨は教育でも入れるべきではないと入れたので、私は教育の分野でそういう議論があったので、それはノーとしてほしいなと思ったという趣旨です。
○棟居部会長 済みません、重なる発言はお避けください。ゆっくり順番にお願いします。
竹下副部会長、どうぞ。
○竹下副部会長 川島さん、私はその議論を覚えているけれども。あえて言いますが、では、うつ病を理由に欠席したことを理由に不利益取扱いをしたら、それは関連差別ですか。それが直接差別と違うのですか。私は直接差別だと思う。そういう議論になるよと言いたいわけ。
○棟居部会長 川島委員、いかがでしょうか。
○川島委員 川島です。
それが直接差別か、間接差別か、関連差別かということについては結論は出ていないのです。ただ、少なくとも私はそれは関連差別だという趣旨で発言をして、それで総論でも関連差別と直接差別というのは連続していて、なかなか現実には区別し得ない、今の竹下副部会長と私のような意見になるから、それを1つにまとめた不均等待遇という枠組みをつくって議論すべきだというところまでつながっていて、そういう趣旨ではここに議論の記録を残しておくということは全くマイナスになるとは思えません。
○棟居部会長 これは4月からの大きな話に今の点は1つなりますね。
室長、お願いします。
○東室長 担当室の東です。
ですから、議論があった部分は議論があった部分として書くのが妥当だと思うのですが、それをどこかでまとめてこの言葉はこうだという形で一般的に規定するのは問題があると私としては思っているわけです。具体的に議論を出されたのは、ア)の<1>と<2>、<3>も出されたのですか。ア)の<1>については言われたと思うのです。
○川島委員 川島ですが、私は<1>の部分で明確に言いました。しかし、その文脈、趣旨を考えたら、大谷委員がそのとおりと言ったわけですので、<2><3>が漏れるということは考えられません。
○東室長 では、このアの部分だけに限定してそれを入れ込むということでいいですか。イの正当化事由などは、「に基づく」とか、別の言葉で書いてあって、別の委員の意見として書いてあるわけですから、そこまでは広がらないという形でいいのですか。
○川島委員 川島ですが、それは私と大谷委員の本意ではないと思いますけれども、それでよければOKです。
○東室長 この意見は別にお二人だけの意見を書いているわけではございませんので。
○川島委員 それは知っていますけれども、文脈で言っているわけです。
○棟居部会長 記録には残りましたので、それでよろしいかと思います。そして、4月以降、今の議論は皆さんの記憶に残ると思いますので、どんどんまた大きな議論として取り上げてください。
西村委員、お願いします。
○西村委員 西村です。
先ほどの竹下副部会長からの御意見ですけれども、そのとおりでいいと思います。というのは、6ページの差別、この差別のとらえ方の中でこの部分が明確にこの後、確定していけば、そういった意味では中間の整理の中ではあえてこだわるものではないので、この差別のとらえ方のところでの議論の中でそれは今後整理していけばいいのかなと思っております。
以上です。
○棟居部会長 伊東副部会長、お願いします。
○伊東副部会長 文科省からヒアリングで来ていただいたときに、私は教育のことについて、特別支援教育だけでなく、大学や大学院を含めて、高等教育についての現状の配慮について質問いたしました。
ところが、文科省の方からの回答は、帰って確認の上、回答しますという話でございました。その後、文科省から何らかの回答があったのかどうか、全く情報がなく今に至っております。障害者差別禁止法においては、障害者も高等教育の機会をきちっと与えられることが非常に重要だと思っておりますので、その後のことを教えていただきたいと思います。
○東室長 その後の何か回答があったということは聞いておりません。ですので、これは議論されたベースでの書きぶりになっておりますので、今後の課題かなと思っております。
○棟居部会長 川内委員、どうぞ。
○川内委員 幾つかあるのですけれども、教育の(2)のア)の差別についてというので、20ページです。<1>で、今度書き加えられたのが、本人または保護者が当該教育機関への入学を求めたにもかかわらずというところが書き加えられたわけですけれども、それの2行下に、なお、障害者が特別支援学校への入学を希望する場合にはと書いてあります。これは書き加えられたことを考えると、障害のある本人または保護者が特別支援学校に入学を希望する場合にはとしないと整合性がないように思います。それが1点。
その前に、書き加えられた文章の最後に、入学を求めたにもかかわらず入学を拒否することはというのがありまして、下の正当化事由についてというのが2のところに新たにたくさん書き加えられておりますが、その<2>の2行目に、障害を理由に入学等を拒否することと書いてある。最初のところでは入学を拒否する、ここでは入学等を拒否する。これの違いというのがよくわからないというのが2点。
同じく正当化事由の<2>の3行目で、義務教育の場合には、多々差別に該当するというだけでなく、より制限の少ない教育が提供されなければならずと書いてありますが、ここでなぜ義務教育の場合にはと限定する必要があるのかというのがよくわからないということについて御説明いただければと思います。
○棟居部会長 これは大谷委員にお聞きしましょうか。
どうぞ。
○大谷委員 大谷です。
最初の本人または保護者という方が文章的にも正しいと思いますので、そのように直すべきだと思います。
障害を理由に入学等の「等」を加えたのは、その議論の過程で入学を第1に出したのですけれども、川島委員の方から転学、除籍等々全部含めるべきではないかという指摘があって、なるほど、勿論、そうだということで、その後の議論では入学、転学、具体的な資格に関わること、すべてにおいて不利益を与えてはならないというようなことで入学等ということを入れましたので、ここの「等」は転学、除籍、退学等々のことを指すという意味で「等」を入れたらどうかと提案しました。
義務教育の場合には、ただ正当化事由が存在するときには入学が拒否できるということで、学校に来なくてもいいよということでは済まない。その後に、それに代わり得る代替措置として、例えばより制限の少ない特別支援学校、学級、通級等々というものはもう既に提案されているので、そのことをちゃんと踏まえたものを出しておいた方がいいのではないかということで、より制限の少ない教育が提供されなければならないということが正当化事由を認めるに当たってのセットの話ではないかなということで提案させていただきたいと思います。
以上です。
○棟居部会長 その際に川内委員がもし違えばまた教えていただきたいのですが、川内委員の御質問は、義務教育にあらざる、例えば高等学校の教育の場合について、より制限の少ない教育という提示は必要ないのかという御指摘ですか。
川内委員、お願いします。
○川内委員 川内です。
今の特別支援学校とか何とかというのは高等教育にはないわけですけれども、より制限の少ない教育という面では、公教育でもそれはあり得ると思うわけです。ですから、ここで義務教育と限定するのは逆にこちらの守備範囲を狭めてしまって、これからの議論を窮屈にするような気がするというのが1つあります。
○棟居部会長 大谷委員、どうぞ。
○大谷委員 なるほど、その趣旨でしたら、教育においてはその必要性からより制限の少ないとして、特に義務教育においてはというふうに修文させていただければ、私とすると非常にありがたいです。
○棟居部会長 ちなみにこれは今日の約束として、今回新たに加えてまとめに入れるというのは避けていただきたいということで、当初からそういう御趣旨だったかということの御確認をさせていただくことになります。
○大谷委員 勿論、特に義務教育においては、先ほど来から何回か言っているように、条件整備義務を国が課せられているということで、より必要性が高いということですけれども、全般において教育が保障されなければいけないということですから、そこは前提としてされていると思っております。
○棟居部会長 つまり、義務教育の場合にはという文章の趣旨は、義務教育にあらざる教育の場でより制限の少ない教育を否定する趣旨ではないということを括弧書きでも入れれば、大谷委員からの当初からの意図に近いということでよろしいでしょうか。
竹下副部会長、どうぞ。
○竹下副部会長 要するにこういうところで余り時間を取りたくないので。川内さんと大谷さんとのやりとりで言うなら、例えば義務教育のところはそれこそ頭になかんずく、あるいはとりわけという言葉を付けておくだけでいいのではないですか。
「等」のところに関しては、「以下、入学等」と付けることで疑問は解消しませんか。
○棟居部会長 まとめですから最大公約数という意味でそれがベストの案であろうと思います。どうも大変ありがとうございました。
池原委員、お願いします。
○池原委員 医療の分野ですけれども、論点を動かしてしまっていいですか。
○棟居部会長 どうぞ。
○池原委員 医療の分野のところで修正をしていただきたいところがありまして、時間的な限界があって事前にペーパーを出せなかったのですけれども、26ページのイ)正当化事由についてというところの文章です。この中のまず<1>なのですけれども、現在ある文章は精神障害者の自傷、他害の恐れを理由にした強制入院は障害者権利条約では差別としてとらえられることになっていると書いてあるのですけれども、これは議論のときにそう申し上げていたつもりですけれども、障害者権利条約は要するに精神障害とか障害ということに特化した自由剥脱が差別だと言っていて、御承知のように精神保健福祉法には自傷、他害のおそれの要件に基づく措置入院と、法的判断能力の欠如に基づく医療保護入院と両方あるわけですので、むしろここの自傷、他害のおそれを理由にしたというところを取ってしまって、精神障害者に限定した強制入院はという書き方にしていただいた方がいいと思います。
続いて<2>のところなのですけれども、ここは後で清書した文章をお渡ししますけれども、読んでみて趣旨がよくわかりにくいところがあって、私が申し上げたことをまとめていただいているのだと思うのですけれども、次のように変えていただいた方がわかりやすいと思います。
実はここも自傷、他害のおそれの強制入院だけに限定した書き方がされていて、私が申し上げていたのは措置入院だけではなくて医療保護入院も含めて両方問題があって、かつ、むしろ現行法とぶつかる部分について何か攻め込んでいくというやり方をするよりは、現行法の書いていることについて手を付けないで、むしろ隙間の部分というか、個別的な医療行為についてちゃんと差別のないやり方をすべきだという書き方をした方がいいのではないかという趣旨の発言をした部分だと思うのです。
そこで、少し長いのですけれども、後で置いたものをお渡ししますが、一応申し上げますと、今の文章は精神保健福祉法を差別禁止法のレベルで改廃することは困難であると書いてあるのですけれども、そもそも精神保健福祉法全部を差別禁止法で改廃する必要はないので、精神保健福祉法の定める強制入院は差別禁止法のレベルで改廃することは困難であるがということで、「の定める強制入院を」というのを「差別禁止法」の前に入れた方がいいと思います。
その後の5行の文章は申し訳ないのですけれども、全部次のように修正させていただきたいと思います。個々の医療行為について、インフォームド・コンセントの原則を履践すべきことは、医療一般の原則とされているところであるから、他の者と同質で平等な医療を保障するという観点から差別禁止法に規定することが現行法との抵触を避けて法文化する上で妥当であるとの意見があったというような文章にしていただいた方がいいと思います。
○棟居部会長 室長、お願いします。
○東室長 担当室の東です。
池原さんの全体的な御趣旨はよくわかるのですが、ここで問題にしているのは正当化事由がどうあるべきかということを議論しているわけです。ですから、勿論、今の御意見はアの上の方に持っていくことも可能です。ただ、そうした場合にでも、正当化事由がどうあるべきかということは書かないといけないわけで、議論があるわけですから、そっくり上に持ってくるとなると、イの<2>に何を書くかということを考えていただかないと、こちらとしては困ります。
○池原委員 <2>に関しては、結局差別禁止法で現行法の強制入院について改廃することがそもそも困難なので、その点について特別な、積極的な言及をしないことの方が妥当だというのが私の意見だったのです。
要するに、強制入院というのは本当は差別禁止法に違反するのだけれども、現在ある法律そのものはあっても仕方がないみたいな書き方をするぐらいであれば、そのことについてはむしろ法文化しないということの方が妥当であるという趣旨の発言をしたつもりです。
あともう一つは、川島意見で強制入院については書いて、かつ現行法については直接は改廃できないけれども、それは積極的に現行法が認めた趣旨ではないという注意書きをするという意見も出ていたとは思います。
○東室長 おっしゃっていることはわかるのですけれども、例えば熊本県条例でしたか、障害者自身の生命、身体を保護するためにやむを得ない場合という書きぶりならまだしも、障害者のみならず他人の生命、身体を保護するためというようなことであれば、自傷、他害というものが例外事由としてそっくりそのまま入る可能性があるわけです。それはそう書けば現行法は衝突というのは当然起こらないわけですけれども、そうした場合に、逆にアの差別の定義に戻った場合に、インフォームド・コンセントなしに云々かんぬん言っても、そこの例外事由としてそのままそっくりそれが入れば、結局こういう定義をしたことの意味自体がなくなってしまうのではないかと思うわけです。そこの悩みをどう書かれるかということです。
○棟居部会長 池原委員、お願いします。
○池原委員 そうしますと、そうだとすれば、ここで私が引っかかったのは、結局、自傷、他害のところだけにやや議論が限定されていて、法的判断能力の欠如の場合も強制入院の対象になっているわけですね。だから、言わば現行法にある自傷、他害のおそれとか、あるいは法的能力の欠如をそのまま正当化事由として認めることは現状の追認となるのではないかという書き方ならばいいと思います。
○棟居部会長 ごめんなさい。恐らく権利条約を批准して、しかし、差別禁止法等ですべてを受け止めるということではなくして、今、池原委員がおっしゃったような精神保健福祉法、これはもう既にそういうスキームを持っているとすると、差別禁止法で横から手は事実上出せないだろうと、そこには一定のすみ分けがあるだろう。しかし、かと言って、精神保健福祉法の運用とか解釈がそのままということではあり得ないわけで、つまり、そちらはそちらで条約を受け止めた新たな運用をせざるを得なくなるはずなのです。つまり、正当化事由というものがこの条約の国内法的な効力に伴いまして精神保健福祉法の措置入院の場合にも新たに問われる。今まで以上のものが、あるいは別の目線のものが問われている。しかし、それを差別禁止法であれこれ申し上げるということはしない。お手並み拝見という、これが池原委員がおっしゃっていることかなと思います。
○池原委員 そうしますと、もう一度修正したことを申し上げますと、<1>のところは先ほど申し上げたとおりですけれども、<2>のところは1行目は先ほど申し上げたように精神保健福祉法の定める強制入院を差別禁止法のレベルで改廃することは困難であるが、少なくとも自傷、他害のおそれあるいは法的判断能力の欠如といったところで強制入院をさせられるのはという書き方に、医療保護入院と措置入院を両方含める形にして、自傷、他害のおそれまたは、あるいは法的判断能力の欠如ということで強制入院をさせられるのは精神障害者のみであり、他の人がいくらそのような状況に陥った場合でも、強制入院させられるといったことはないので、現行法にあるこれらの要件をそのまま正当化事由として認めることは現状の追認となるのではないかということでどうでしょうか。
○棟居部会長 現状の追認というか、困難になるのではないかと見通す意見もあったとか、要するに人様の話だけれども、大変になるのではないかという第三者的なことでよろしいですか。
室長、お願いします。
○東室長 言葉で述べられても文章として正確に書けないので、正確に言ってもらえますか。
○池原委員 もう一度申し上げます。修正点の1点目は、イ)の正当化事由についての<1>のところで、今ある文章は精神障害者の自傷、他害のおそれを理由にした強制入院はという書きぶりになっていますが、ここの中の「自傷、他害のおそれを理由にした」というところを削除して、それに替えて「精神障害者に限定した強制入院は」という書き方に。
<2>の部分は、まず1行目のところの「精神保健福祉法を」というところの「を」を取ってしまって、そこに挿入する文章が「精神保健福祉法の定める強制入院を」と変えます。
1行目はそのままで2行目は、少なくとも自傷、他害のおそれの後に、「あるいは法的判断能力の欠如」といったことでということ。強制入院されるのは精神障害者のみであり、他の人がいくらそのような状況に陥った場合でも強制入院させられるということはないので、現行法にあるこれらの要件をそのまま正当化事由として認める。「自傷、他害のおそれ」と書いてあるところを「これらの要件を」に替えてしまう。
○東室長 あとはいいですか。
○池原委員 はい。あとは先ほどおっしゃっていたのは、現状の追認となるのではないかという言い方ではなくて、認めることは困難ではないかという意見があったという書きぶりの方がよろしいかと。
○棟居部会長 私が申し上げたのは、現行法の解釈、運用でも困難になるのではないかと見通す意見があったと、非常に回りくどい。
○東室長 そうなると、正当化事由の問題を言っているわけですから、はっきりした文章にしていただけませんか。
○棟居部会長 はっきり言わない方がいいだろうという御指摘なのです。
つまり、精神保健福祉法には触らないと。
○東室長 言葉を言ってください。
○棟居部会長 現行法の解釈、運用としても。
○東室長 どこから変えるのですか。
○棟居部会長 「認めることは」の後です。「現状の追認となるのではないか」を消す。正当化事由として認めることは、現行法の解釈、運用としても困難になるのではないかと見通す意見があったというまとめの提案です。
大谷委員、どうぞ。
○東室長 ちょっと待ってください。
○大谷委員 現行法の解釈、運用に関しては、限定的にとか拡大解釈にならないようなものを提案する必要があるのではないかということはかなり意見が出たと思うのです。そこは盛り込んでいただけませんか。
○棟居部会長 まとめですから、勿論、そうであったということで。
○東室長 ちょっといいですか。現行法自体の解釈がどうのこうの言っているわけではなくて、差別禁止法に書く正当化事由の書きぶりをどうするかということを言っているのです。一般な議論ではないのですから、そこはきちっとその趣旨を解釈して言葉を選んでほしいと思うのです。
○棟居部会長 差別禁止法に関係ないことは書かないということであれば、<2>はそもそも飛んでしまうということですか。
○東室長 差別禁止法における正当化事由を書く場合にどういう点を重視すべきかということを議論しているわけでしょう。
○棟居部会長 池原委員、お願いします。
○池原委員 そうすると、多分ここの今の議論のところではなくて最後の文章の現状の追認となるのではないかというのが私の先ほどの現行法との隙間がどうなっているのかという議論に引きずられて書かれているので、むしろそれを取ってしまって、最後のところまでいきますと、現行法にあるこれらの要件をそのまま正当化事由として認めるべきではないという見解があったとしていただいた方がはっきりしていいのではないでしょうか。
○棟居部会長 以上でよろしいでしょうか。
○池原委員 あとごめんなさい。先ほど私が長々申し上げたところをもう一つ、ア)の<2>のところの障害を理由に一般に提供されるインフォームド・コンセントなしに医療を提供することというところにできれば付け加えていただきたいのですが、これは後で紙をお渡しした方がいいですか。
○東室長 読んでください。
○池原委員 もう一度読みますと、個々の医療行為についてインフォームド・コンセントの原則を履践すべきことは、医療一般の原則とされているところであるから、他の者と同質、平等な医療を保障するという観点から、インフォームド・コンセントなしに医療を提供することは差別になると考える、そんな文章。結論は同じですので、理由が付いているだけなので。
○棟居部会長 太田委員、お願いします。
○太田委員 基本的に池原委員の意見に、同時に精神保健福祉法における強制入院は正当化事由に当たらないということについて、特に支持したいと思います。
○棟居部会長 ありがとうございました。第2コーナーと第3コーナーをまとめて議論して随分時間も引っ張りましたが、医療について随分詳細な修正。
まだございますか。
○池原委員 あと1点だけ申し訳ありません。医療のところで、26ページの一番下の「(3)合理的配慮及びその例外」のところで、医療の分野における合理的配慮そのものの内容について余り議論はなかったがという書き出しになっているのですが、ここのところは実は竹下委員と大谷委員と私で合理的配慮についてかなり細かい列挙事由を書いたのをお出ししていて、それである程度合理的配慮のイメージをおつかみいただいていたので余り議論がなかったのかなと思っているのです。
ただ、その中で特に大事なことが2つ申し上げた記憶があって、1つはインフォームド・コンセントの前提になっている自己決定を支えるための支援が合理的配慮で必要であるということです。インフォームド・コンセントのための自己決定支援というのは合理的配慮として必要であるということが1つ重要な指摘としてあって、もう一つは、居住する地域で在宅の医療が受けられるための支援というのも、これは言い回しはいろいろ議論がありましたけれども、そういう趣旨の合理的配慮が特に重要であるという指摘はあったと思います。
○棟居部会長 ごめんなさい、以上おっしゃった2点については、お三方の連名でお出しになったペーパーで特に力説された点で、議論がなかったのはそのペーパーでほぼ尽くされておったからだと、私は記憶にございます。是非今の文章を少し文章化というか正確に御提示いただいてまとめに入れさせていただくということでよろしいですか。
山本委員、お願いします。
○山本委員 山本です。その前の部分の「7 商品、役務、不動産」について2点述べたいと思います。
1点は単純な語句の問題で、もう一点は内容の確認です。まず、語句の方は、25ページの「(5)その他」の<2>の2行目です。「これに対して、契約強制や履行利益の賠償」とあります。ここで「契約強制」といいますのは、契約の締結強制のことですので、言葉としては「締約強制」と改めていただければと思います。
○棟居部会長 今の御提案は、単に契約強制に替えて締約強制ですか。それとも契約の締約。
○山本委員 「締約強制」です。
○棟居部会長 「契約の」は残りますね。
○山本委員 残しません。一般の用語としては「締約強制」と言われます。
○棟居部会長 「契約」という言葉はおよそ外して。
○山本委員 外して、「締約強制」としていただければと思います。
○棟居部会長 ありがとうございます。
○山本委員 もう一点の確認は、23ページの(2)の<3>です。「約款との関係では、障害または障害に関連する事由に基づく行為または基準が実質的不利益をもたらす場合は、不均等待遇になるとの意見があった」とあります。これは一体どのような趣旨の御意見だったのでしょうか。これによって一体何を述べようとしているのかが定かではありませんので、確認させていただきたいのです。
○棟居部会長 今の点、すぐ議事録から出てくれば同様で前後の文脈であったかと。今の点ですか。
では、川島委員、お願いします。
○川島委員 川島です。これは多分私の発言したものをまとめていただいた部分だと思いまして、私はこういうふうな感じでまとめたわけではないのですけれども、趣旨としましては、ここの文を生かしますと、障害または障害に関連する事由に基づく約款が実質的な不利をもたらす場合は不均等待遇となるという意見があったとなると思います。
○棟居部会長 山本委員、お願いします。
○山本委員 山本です。
特に約款と限定される理由はどこにあるのでしょうか。
○川島委員 私の記憶ですと、これは約款が特に1つ大きな見出しで立てられていまして、約款のことをどう考えますかという問いかけがあったと思います。それに対して障害または障害に関連する事由に基づく約款が障害者の実質的不利をもたらしているのであれば、それは差別ではないかというような趣旨の発言をさせていただきました。
○棟居部会長 山本委員、どうぞ。
○山本委員 前提を申し上げますと、契約書を作って契約するときに、契約条件を定めることが行われます。約款というのは、どの程度の多数かは別として、多数の場合を想定してあらかじめ契約条件を一般的に定めておく場合を意味します。
私の理解によりますと、契約において、障害者と障害者以外の者を比較して、障害者にとって実質的に不利をもたらす契約条件を定めれば、それは勿論差別だと思います。不均等待遇と言ってもいいかもしれません。それなのに、なぜ特に約款についてこのようなことを述べるのかが、私にはすぐに飲み込めなかったもので、趣旨がわからなかったということです。
○棟居部会長 川島委員、今、論争ではなくてまとめということでお願いします。
○川島委員 山本委員のおっしゃられることはごもっともでございまして、私はこういう約款が1つの大きな論点として、室長から挙げられていたのに対して私は当然だけれども、そういうふうに差別になりますよという発言をしたのでそのままここに記録に残っているのかなと思います。
○棟居部会長 この行為または基準がと約款の行にございますけれども、「行為は」外して基準ということを意識されているということではないのですか。
○川島委員 そのとおりです。
○棟居部会長 約款イーコル基準であり、その基準である約款自体が実質的不利をもたらすという文脈でおっしゃったということでしょうか。
○川島委員 そうです。
○棟居部会長 では、多少そこを調整させていただいて、約款との関係で意味を成す文章になるのかどうか。ただ、山本委員はそれは言わずもがなだとおっしゃるかもしれない。
山本委員、どうぞ。
○山本委員 よろしいでしょうか。何度も言いますが、通常の契約条件でこのようなことをすれば、やはりそれは不均等待遇だと思います。それとは別に、特にあらかじめ多数の者に使うことを予定された約款で同じことをした場合に不均等待遇になるとわざわざ述べる意味がどこにあるかがわからないまま残っているのです。
○棟居部会長 今の山本委員の御指摘は、事務局サイドにあえてこれをまとめの1項目に入れるだけの重みはないのではないかという御指摘と受け止めさせていただいて。
浅倉委員、どうぞ。
○浅倉委員 ここは大事なところだったと思っています。つまり、間接差別に該当するような議論をここでやったのだと思うのです。「実質的」という意味が強調されたのですが、その意味は、表面的には差別とはだれも思わないけれども、それをみんなに平等に適用すると、実質的に障害者にとって不利益になるような、という文脈で議論がされたと記憶しています。ですので、そういう意味では、やはり残した方がいいように思います。
○棟居部会長 山本委員、どうぞ。
○山本委員 修正案ということを述べてみたいのですが、「約款との関係では」を削除して、「障害または障害に関連する事由が契約条件もしくは約款条項において定められることにより、障害者に実質的な不利益をもたらす場合は」というように整理していかがでしょうか。
○棟居部会長 「約款との関係では」を取ると。障害または障害に関連する事由が契約条件もしくは約款条項に定められる、以下、もう一度お願いできますか。
○山本委員 「障害者に実質的な不利益をもたらす場合は」という修文です。
○棟居部会長 ありがとうございます。
川島委員、どうぞ。
○川島委員 適切な御意見、ありがとうございます。
○棟居部会長 ごめんなさい、先ほどもう既に引き取らせていただいていますので、川島委員の意見表明の時間はもう多分必要ないと思います。まとめの段階ですので、ということで第2、第3、2つのコーナーについて議論を集約していただきましたが、ここで15分の休憩を入れまして、再開後は4月以降の進め方について、先ほど来、随分議論を頂戴しています。それについて議論をさせていただく、あるいは室長から御説明をいただきたいということで、今、手元の時計で5時13分ということで、15分ここは取らせていただきまして、28分に再開ということでよろしくお願いします。

(休憩)

○棟居部会長 それでは、再開させていただきます。
先ほど第2コーナーと第3コーナーを併せて行いましたので、議事そのものは終わっておりますけれども、本日の最初の議論で後に回しております今後の運営、中身等を含めまして東室長から次回の予定等も含め、御報告をお願いします。
失礼しました。遠藤オブザーバーが先ほどのこちらの議論で修正をされたいということで御発言をいただきます。
○遠藤オブザーバー 御発言の機会をありがとうございます。経団連の遠藤と申します。済みません、今日は所用がありまして最初の議論に入れなかったということで、発言の機会をいただきました。
ページで申し上げますと雇用のところであります。13ページ、<5>であります。この<5>の部分につきましては、意見を申し述べたのは私でありまして、小島委員は紙を出されたというだけであります。私の発言は、障害者も含めた形での四者と申し上げたものでありますし、実態もそうなっていますので、そこは是非戻していただきませんと私は納得いたしません。
以上です。
○棟居部会長 これはこちらの重大な事実誤認があったようでございます。ペーパーがまず出ておるだけであるという扱いをいたしましたが、御発言があったと。更に、事実のものとして、公労使障であるということで、これはもう明らかにこちらの間違いでございますので、大変失礼しました。また、そもそも紙媒体として出されたものをどう扱うかという議論をいたしましたが、是非その時点でお越しいただいておればそういうつまらぬ議論をせずに、それはもっぱらこちらの運営上のまずさの上でございます。どうも貴重な御指摘、ありがとうございました。
ということで、先ほどの御指摘により修正をした上で元に戻りまして、東室長の今後の進め方等についての御発言ということでお願いします。
○東室長 今の点はそれで全員よろしゅうございますか。
先ほどの最初の話の中でも言いましたけれども、これをつくって終わりということではなくて、これをつくった上で更にまとめるという部分が今後の一番大きな課題になってくるわけですけれども、その前に、まだ議論が足りない部分をどうするか。特に救済の在り方についてはまとまった議論をしておりませんので、それはテーマとして当然取り上げて議論していくことになると考えております。
そのほか、ジェンダーの問題であれ、欠格事由の問題であれ、ヒアリングを行った部分もありますけれども、議論としてはきちんとした議論がなされておりません。
今、言い忘れましたけれども、ハラスメントの問題なども同じような課題が残っていると思っているところです。
具体的にどういうスケジュールでやっていくかということについては、まだ確定しているところではありませんが、具体的に申しますと、この部屋が取れている日程を申し上げますと、4月13日、4月20日、4月27日です。5月につきましては、11日、18日、25日と、各金曜日は取れてはおります。
毎週やるというわけにもまいりませんが、基本的にはこの金曜日でやっていきたいと思っておりまして、4月につきましては20日か27日辺りはどうかなと思っているところです。5月につきましては、皆さんに申し訳ないのですが、2回ほどさせていただければということで、11日、25日ぐらいがちょうど2週間おきですのでいいかなとは思っておりますが、何か御意見があればいただきたいと思っております。
それと先ほどまだ各論的な分野、もしくは総論にかかる問題ですけれども、その問題についてはこんな形で議論していくべきだという御意見があれば今日出していただければと思っているところです。
以上です。
○棟居部会長 ありがとうございました。
つまり、この年度末のこの間、随分集中的にしておりますけれども、これが4月からは基本は月1回のペースに戻るということで、ただ5月は2回するということでしょうか。
○東室長 前から申しておりますけれども、8月に骨格提言をつくるといった辺りは余りずらしたくないと思っております。ですので、それに向けてどのぐらいの時間が必要なのかということを考えると、恐らく月1回のペースを基本にすると間に合わないのではないかという感じを持っております。ですので、5月だけが2回という前提ではございません。
○棟居部会長 ありがとうございました。むしろそれ以降も2回を頭の隅に置いておいていただければありがたいということでございます。
ほかに進行につきまして。
川島委員、どうぞ。
○川島委員 ありがとうございます。川島です。
先ほど西村委員が帰られたときに言付けを頼まれまして、私も含めてなのですけれども、今回の中間整理では、ペーパーで出したものは反映しませんということで了解を皆さん得たということになっていたと思うのですけれども、西村委員からは、ペーパーを出してしまったので発言をしなかったこともあったということで、今後の骨格提言に向けて意見を集約していく段階で、これまでの部会で出したペーパーの意見等の扱いはどうなるのでしょうか教えてくださいということです。
○東室長 確かに時間がない中でペーパーで出して、その中のポイントだけしゃべらざるを得ないといった状況なので本当に御迷惑をかけているわけですけれども、ペーパーで出したからと言って議論がされたとは基本的には考えておりません。やはりペーパー単独で意見を出しても、みんなで議論したということにならないわけです。ある委員が意見書を出していて、それをすべての皆さんがそういう意見があるのだということを前提に議論ができるという前提があればいいのですけれども、必ずしもそうではないわけです。ですから、やはり基本はこの場で自分の意見はこうだという結論部分を出して、その理由については細かく言えば文章で書いてあるので、参照してほしいといった形で引用されるのはいいのですけれども、意見のテーマや結論、論拠も示さずに、いや既に出してあることだということでは、みんなで議論したということにはならないと思います。
そういった意味で、少なくともポイントだけでも示していただきながら議論していただきたい。そうでなければ、この状況をインターネットで見ている方についてもなかなか理解できない状況になってしまうと思うのです。
そういうことで、基本的には平場で話を出してほしいと思っていますが、だからといって出したペーパーが全く参考にされないとか共有されないとかということでもないわけです。ただ、今後のスケジュールはどうまとめていくかということですから、やはり具体的な議論が非常に重要になってくると思います。そういった意味では、今後においてはなおさら、書面に出したからということだけではどうかなという感じを持っています。
以上です。
○棟居部会長 川島委員、どうぞ。
○川島委員 ありがとうございます。川島です。
そうしますと、また同じことを繰り返させるなと怒られてしまうかもしれないのですけれども、この16回までに出したペーパーは今後の骨格提言までに向けて重ねていく部会の中では、特に考慮はもうしないという判断でよろしいのでしょうか。
○東室長 私の方で考慮するかどうかということとは次元が違う話だと思っています。議論をまとめるときに、提出されたペーパーをまとめる材料にするということではなくて、事務局の立場としては、皆さんの議論をまとめていくということです。まとめる段階では恐らく自分が出したペーパーとは違う形の議論になることもあるでしょう。それで出した委員も、全体的な議論の中でそれでいいというような、もしくは悪いという話になると思います。やはり最終的には皆さんが具体的に話されたことに基づいて成果をまとめていくということになります。ですので、資料について軽重があるとかないとか、ということについてはそんなに考えておりません。
○棟居部会長 川島委員、どうぞ。
○川島委員 御趣旨は理解できるのですけれども、この部会は4時間と長い時間だと思うのですけれども、その中で15名以上の委員がいて発言をするときに、室長のおっしゃられるようなやり方でいくのはベストだと思うのですが、部会が始まった段階では意見を提出するということは、皆さんその意見を読んでくるかどうかはわからないとおっしゃいましたけれども、そのとおりだと思うのです。ただ、国連の障害者権利条約の起草過程のときは、これは挙げてもしようがないと言われたらそうかもしれないのですけれども、すべて書面で出した条約草案は、すべて事務局の方で一覧にして、全部コンピレーションという形でまとめました。それを前提に議論しましょうという形でやったと思うのです。今回は、中間整理はできないということは仕方ないということで了解したのですけれども、今後、そういうような形で全く書面で出した意見というものが、これは発言しないと意味がいないというような扱いになってしまうことで、ここにおられる皆さんはそれでよろしいのかなとも思うのです。
○東室長 全く考慮しないと言っているわけではありません。議論の過程でこれについては自分はこういう書面を出していると、ここにこう書いてあるという形で引用して自分の意見を補強されればいいことだと思っています。ですので、その書面自体が独立の価値があるとは考えておりません。川島委員も何度も書面をバージョンアップされて出されているように、内容が若干変わっているようにも思われます。第1回目のときに出した意見がまとめの段階のときでも自分の意見であればそのときにそうおっしゃっていただければいいわけですが、書面自体もそのときの一定の目的を持ってつくってあるわけですから、それが今後も同じような趣旨なのかどうかをこちらでは判断できないことなのです。
そういった意味で、まとめにおいて書面を持ってこられればできる限りその書面を引用しながら議論していただければと思っているところです。
以上です。
○棟居部会長 補足になるかわかりませんけれども、私個人は座長ということで座らせていただいていますけれども、この委員会の非常にすばらしい特徴として、特にシナリオのようなものは一切与えられていないわけでして、資料しかない状態です。シナリオがないというと語弊がありますけれども、これは時間の割り振りの関係でございます。あとは資料に基づいて議論を、言わば喚起するというか、誘発する。例えば川島委員が資料をお出しになっているのでこれはどういう意味でしょうかとお尋ねをすると、ほかの方から更にその点についてこちらはこうであるという御発言があるという形で、大変ありがたく今までも活用させていただいているつもりではおります。
ただ、室長がずっとおっしゃっているように、あくまで紙の上での御提案というのは資料どまりなのです。議論を誘発することはあっても、逆に議論は紙に縛られているわけではございませんし、そこからどんどん飛躍をしたり横にそれたりと、御承知のようにやっておるわけでございます。
ですから、今後も資料としてはずっとストックされていくわけですけれども、もう提言の段階に入っていく、それが見えていきますと、あのときに資料で書いたではないかということで済まされるのではなくて、資料を提出された御本人がどんどん議論の形でこれからは積極的にこの平場でコミュニケーションを引き起こしていかれる必要があるのではないでしょうか。それは私は4月以降の運営上非常に期待しておるということを申し添えさせていただきます。
太田委員、どうぞ。
○太田委員 今の東室長の御回答のお話はお話で受け止めていきたいと思います。要は主体的に議論に関わっていくことだろうと思います。その上で、まだやっていない各論を今後やり、その後、もう5月に入るわけですが、骨格提言の入り口に入るのではないかと思いますが、各論が終わった後どのような議論の仕方、同じような議論をまたやっても生産性がないと思いますので、是非積み上げた議論、骨格提言を意識した議論の展開をお願いしたいと思います。
○棟居部会長 承りました。ありがとうございます。
ほかに進行等につきまして。
伊東副部会長、いかがでしょうか。
○伊東副部会長 川島委員からたくさん資料を出していただいて、協力員の方々からもいろんな調査をしていただいたり情報をいただいたりして、拝見したりすることもありますが、やはり参考になります。ありがとうございます。
ただ、膨大ないろんな資料を議論の中に盛り込んでいくというのは時間的に言っても非常に難しいと考えます。議論はかなり抽出された事項について行われるというのはやむを得ないことでしょう。川島さんにおかれても、そこは余り御心配なさらずによろしいのではないでしょうか。
○棟居部会長 山本委員、どうぞ。
○山本委員 スケジュールのことについてお願いしたいのですが、回数が増えてくればよけいにそうなのですけれども、出席できるかどうか、スケジュールを調整する関係で難しい問題も出てきますので、可能な限り早く日程を決めていただけないものかと思います。4月ですら必ずしもいつかがまだ決まっていないというのでは、対応したくてもできなくなってしまうところがあります。ですので、先々のことはなかなか難しいかもしれませんが、可能な限り早くお伝えいただけますと、ありがたく思います。
○棟居部会長 ありがとうございます。これからは回数も限られてきますので、こちらが直前に日程を決めた場合にどうしても都合がつかず出られないと、しかし、非常にこれは貴重な1回であるので、出ない代わりにペーパーを出すから、それを自分の発言として記録に残すべきであるとか、これを議論の素材にすべきであるという御注文が来ることを、私は客観的にはそういう方も今後出てくるのではないかと。それはある程度個別に見ていかざるを得ないのではないかという、これは勿論個人の意見ですけれども、それぐらい今後回数は少なくなっておる中で、今、日程の確定がクリアーに申し上げられないのは残念でございます。確定しましたか。
○東室長 いろいろ考えなければならない要素もあるのですが、4月は20日に。先生は無理ですか。では、27日でもいいのですけれども、どちらかに決めればいい話なのですけれども、20日がだめな人。1人。山本委員、20日はいいのですか。だめですね。27日がだめな人。では、27日にします。
5月は11日、25日ということでよろしゅうございますか。11日はだめですか。いいですか。
○棟居部会長 2回やる関係で。
○東室長 4月は1回だけです。
○棟居部会長 6月以降についておよそのめどは無理でしょうか。いずれにしろ金曜日ということですか。
○東室長 そこら辺、6月以降は早急に皆さんに投げますので。
○棟居部会長 太田委員、どうぞ。
○太田委員 4月以降、新たにつくられる政策委員会の部会のようなものとして位置づけられると承っていますが、政策委員会はいつ発足し、その政策委員会とこの部会はどういう関係になるのかをもう一回説明してください。
○東室長 担当室の東です。
政策委員会の第1回目は、4月中には行いたいと持っております。その関係で日程もはっきり決められなかったという状況もあります。政策委員会と当部会の関係は、政策委員会の下にあるという形になります。ですから、政策委員会の1つの専門部会といった位置づけです。
○棟居部会長 太田委員、どうぞ。
○太田委員 その部会は、期限はあるのでしょうか。
○東室長 この部会の期限ですか。専門部会ということで、与えられた課題を片づければなくなるということになります。
○太田委員 どういう意味でしょうか。
○東室長 だから、差別禁止法ができれば、ここを存続させる意義はなくなってしまいます。ここに投げられているのは差別禁止法制について意見をまとめて上げるということが基本的な役目なのです。
○太田委員 では、骨格提言を出して終わるということはないのでしょうか。
○東室長 それは基本法のときにも同じような問題はありましたし、総合福祉部会でも同じような課題がありました。骨格提言を出して即座に終わりとは考えておりません。
○棟居部会長 8月以降も続く可能性があるということでしょうか。もう時間もほぼ尽きておりますが、よろしいでしょうか。それでは、ありがとうございました。
山本委員、どうぞ。
○山本委員 次回の日程も決まりましたことですし、次回に具体的にはどのようなことが行われるかぐらいはお教えいただけないでしょうか。
○東室長 これまで議論していない分野もしくは救済機関のことを議論したいと思っていますが、準備を今のところまだやっていないので、確定的なことは言えませんけれども、救済機関の話をどこかではしなければなりませんので、準備できればそれをやりたいなと思っています。ただ、まだそれは未確定なところですので、その問題は御容赦ください。
○棟居部会長 もし救済機関の方が間に合わない、あるいはもう少し後に回した方がいいとなると、先ほど挙げられた、まだ触れていなかった重要なテーマ、ジェンダー、ハラスメント、欠格事由については以前やるにはやったと思いますけれども、こうしたハラスメントとかジェンダーなどがやってくる可能性があると。
○東室長 はい。その可能性もあります。
○棟居部会長 わかりました。
ということで、4月については、第1候補は救済機関である。それが無理な場合にはジェンダーもしくはハラスメントということで日程と内容について決まったということで、是非御準備をいただきたいと思います。
それでは、ありがとうございました。本日、終了いたします。
本日の差別禁止部会の概要につきまして、この後、記者会見において、私と伊東副部会長、竹下副部会長、東室長から説明させていただきます。
本日はお忙しい中をお集まりいただき、ありがとうございました。
以上です。

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