○ 小川議長 定刻になりましたので、これより第12回「障がい者制度改革推進会議」を開催させていただきます。今回は、本会議としてとりまとめる第一次意見案についての討議を行います。
本日は、福島内閣府特命担当大臣が後ほど御都合がつけば、途中から御出席されます。委員の出欠状況ですが、本日は門川委員、清原委員、竹下委員が御欠席。その他の委員さんは全部出席です。
会議の公開はこれまでと同様といたします。進行上の時間配分については、後ほど東室長より報告があります。本日の会議は17時までを予定しております。
それでは、これより先の進行については、藤井議長代理よりよろしくお願いいたします。
○ 藤井議長代理 それでは、これから先は藤井の方で議事の進行をしてまいります。進行に協力をお願いいたします。
後でまた詳しく説明がありますけれども、大事な議論を今日からまた始まってまいりますけれども、是非ゆっくりとということを進行上みんな留意しましょう。
前に私も言いましたけれども、できる限り自分の障害のことを言うのは当たり前なんですが、他の障害とか他の分野を意識し合って、全体を頭に入れて考えていくということも是非お願いいたします。
大変難しい問題をいっぱい抱えていくと思うんですけれども、何とかまとめていくという視点を忘れずに、是非議論に参画をお願いしたいということをあえて申し上げておきます。
では、本日の議事の進め方につきまして、東室長から提案をさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
○ 東室長 どうもこんにちは。担当室長の東です。
今日は、本会議としてまとめる第一次意見案というものについての討議を行います。前回、骨子をお知らせしましたけれども、その後皆さんのお手元には第一次意見の素案というものが配られていると思います。
今日は3つのコーナーで行います。第1のコーナーは70分で、意見書というものの目的とか性格について若干私の方で説明をさせていただいた後で、総論と各論のうちの労働及び雇用、教育、この2点についてやっていきたいと思っています。
第2のコーナーも70分という時間配分で、各論のうちの所得保障、医療、障害児支援、虐待防止、建物利用、交通アクセスの5点にわたって報告と討議を行いたいと思っております。
最後の第3コーナーは60分ということで、各論のうちで残った情報アクセス・コミュニケーション保障と、政治参加、司法手続、更に国際協力という4点にわたって報告と討議を行っていきたいと思っております。
大体これが本日の概要でございます。
○ 藤井議長代理 それでは、今ありましたように第1コーナーなんですが、これから14時15分をめどに進めてまいります。今、話がありましたように、第一次意見に関する大きな総論部分、大体これに35分ぐらい提案を含めて使います。
次は第1コーナーでは、分野別の教育と労働雇用については、20分間ずつ、いずれも提案を含みます。というおよその目安を頭に置きながら、時計を少しにらめっこしながら協力をしてください。
それでは、第一次意見の目的、性格、総論。35分間時間を使いますけれども、これについて10分間程度の冒頭での提案を東室長からお願いします。
○ 東室長 東です。お手元に「障害者制度改革の推進のための基本的な方向(第一次意見)(素案)」というものがあると思います。せっかくですけれども、標題にあるとおり、第一次意見でありまして、これで最終の意見ということではありません。ですので、これまでの議論の中で重立った点を中心に書いております。
ただ、いろいろ議論する中でまだ足りない点とか、議論が必要だという点、そういう点もあろうかと思います。これらにつきましては、今回に入れられなくても第二次意見の中で触れていきたいと考えております。
第二次意見は、目安としては今年の12月くらいにめどとして出せればと予定しているところではあります。
次に、この意見書は基本的な方向性について意見を述べるという形になっておりますので、大体特に各論における結論部分は、原則として、いついつまでにこういう方向で何をすべきだという形の書き方、書きぶりになっているかと思います。一応、政府全体としてどういう方向性で改革を進めていくべきだということについての意見書という位置づけですので、そういう形の書きぶりになるかと思っております。
今回、皆さんに配付しました素案の中で、特に各論の中で推進会議の意見というものが点線の括弧の中で書いてありますけれども、その下に「政府に求める今後の取組に関する意見」という1行があって、「P」としてあると思います。このPというのはペンディングの意味です。一応留保ということで。
これはなぜそういうふうな形になっているかというと、推進会議の意見というものを前提に、各省にそれを投げて各省との折衝という部分が必要になってきますので、折衝を経た上でそこら辺を書くということにもなろうかと思っているわけです。ですから、今回はまずその前提として、推進会議の意見というものをまとめていくということになります。
スケジュールの問題なんですが、御存じのように参議院選も近まってきました。新聞報道によると、6月24日ぐらい告示という話も出ております。勿論、確定した話ではないわけですが、推進会議としてはなるべく選挙に入る前の時点で意見を挙げて、きちんと閣議決定をしていただきたいと考えております。ですので、時間はそんなにありません。
細かい点でいろいろ議論するよりも、大まかな基本的な方向を早急に政府に閣議決定してもらうという重要性が検討されなければならないと思います。
そういうことですので、今日の意見をベースに、ある程度固まったところで省庁との折衝を経た上で、31日に省庁の意見も踏まえたような形での政府に求める今後取組みに関する意見というものをまとまるかどうかわかりません、これについてはこういうような意見があるという形で論点整理的な形式になるかもしれませんけれども、そういうものをお出ししたい。その次に7日になりますが、そこで基本的にはまとめると考えております。
それが大体の大枠の説明です。
○ 藤井議長代理 それでは、今ありましたけれども、今から質疑をしまして、それ以降はもう各分野に入ってまいりますので、全体状況はこのコーナーで質問や意見を出していただく。また後で戻ってもいいけれども、できるだけこのコーナーで全体に関わる意見、質問をいただく。
今あった中で大変大事なことは、この推進会議の面々で合意形成という流れが1つ。もう一つは、今度は省庁との関係で調整がまた要るんだという。そういう今後の議論なり調整の構造というのは2つあるわけです。こんなことも頭に置きながら、省庁との関係も大変大事になってくる。先ほど日程は31日と6月7日に向かって、更に収れんしていくんだということがありました。
こんなことを踏まえて、今日、8時45分までに13名の方から文書にて意見が出されました。このうち11名がこの「はじめに」の部分の、あるいは全体の部分に関わっての御意見がありますのでたくさんあろうかと思うんですが、全員は無理かもわかりませんが、文書で出ていますので、これは私や室長の方でも内容については反映できるものは反映していくということもありますので、精一杯発言はとりますが、全部に発言が当たらないということもあらかじめ御了承ください。
こんなことで進めてまいりますが、いかがでしょうか。発言したい方はいらっしゃいますか。
では、もう一回まとめて更に東さんの方から。
○ 東室長 担当室長の東です。総論と呼んでいる部分は目次で見てもらうと「I はじめに」「II 障害者制度改革の基本的考え方」「III 障害者制度改革の基本的方向と今後の進め方」という。その中のIとIIを総論と呼んでいるわけですけれども、総論の中の特に「はじめに」の経緯の部分です。これについては結構いろんな方がいろんな意見を述べられておられます。
これをここで議論を始めると、とても収拾がつきません。1つの素案として提起をしたわけです。なぜこの部分を書いたかというと、制度改革推進会議というものがどういう現状をベースに議論しているのか。それについての一定程度の認識を示しておく必要があるだろうと。これは多くの人が見るわけですから、議論のベースをまず書いておいて、それをベースにこういう議論をしているんだと。そういう意味でのこの部分は外せないかなと担当室としては書いたわけです。
ただ、いろんな御意見がありますので、この場でまとめていくという作業は非常に難しい、時間もかかると思います。藤井さんの方からも言われると思いますけれども、一応担当室としては「はじめに」の部分だけはどなたか何人かで集まっていただいて、調整していただいて、7日の前ぐらいまでに調整案を推進会議に上げていただければというようなところも考えているところです。
ですので、今日はこの「はじめに」の部分の議論は時間もありますので、次のIIから議論を始めたいと思っています。
以上です。
○ 藤井議長代理 今、東室長からこの部分についても何人かからも意見がありましたので、仮称ですが、起草委員会でもつくって、この扱いはチームをつくって考えてもらう。何人かから前回も委員も汗をかいてみんなでつくっていこうということがありましたので、ここの位置づけあるいは書き方等を含めて、そこに委ねる。
ただ、ここで手を挙げてもらっていて、私は委員に立候補したいというとまた大変なので、できれば4~5名のチームを東室長を中心に人選をして、更に皆さんの意向も聞きますけれども、早めに候補者を挙げて、いかがですかと投げかけさせていただこうと思うんですが、これについてはよろしゅうございますか。
佐藤さん、どうぞ。
○ 佐藤委員 そういうことでよろしいと思うんですけれども、私もいろんな意見を送らせていただきました。ただ、総合福祉部会の方がもう始まって本格化し始めましたので、そのチームの中には入れないだろうと思いますので、そのチームの皆さんにお願いをしておきたいと思うのです。
この推進会議で問題になったわけですけれども、なぜ障害関係の予算がOECDの30か国の中で一番下から何番目というようなランクなのか。この正確な数字についてはちゃんと精査をする必要があるにしても、そういう状況なのかということは歴史的な経緯の中できちんと明らかにする。そういう分析をする必要があるのではないかと思うんです。
なぜ障害者の出現率が5~6%という水準になっているのか。なぜ30万人もの精神障害者がずっと精神病院の中に入り続けているのか。なぜ家族依存がずっと続いているのか。そういうような制度政策上の今日の到達点がなぜ生まれていっているのかということ。政策の変遷だとか、政策意図がどうだったのか。それに対抗する障害者運動など国民側の運動の成果と貢献、評価をどうするのか。そういうようなことが余りこの原案の中に書いていないので、その辺の補強を是非していただきたいなと思いました。
「はじめに」のところも、社会全体が悪いと。内村鑑三のような進歩的な人ですら差別者であったと。そういう中でようやく権利条約が出てきたので、これからはうまくいくと期待できるというような、乱暴に言えばそういう感じなので、もう少し感情的、主観的ではなくて、客観的に科学的に分析をしていくようなことを是非チームの中でやっていただければありがたいなと思います。
○ 藤井議長代理 チーム名は決めていませんけれども、関口さん、今のことに関係しますか。
では、短く言ってください。
○ 関口委員 史実のところで、やはり精神保健のことをもう少し背景、事実を書きこんでいただかないとまずいというので、書き込んだものを送ってあります。これは参考にしていただければいいと思うんですけれども、少なくとも2回、日本政府は国連、WHOからクラーク勧告というのと、その後、国際法律家とその医療従事者の関係の団体がジュネーブで発表した日本政府への勧告というのがあるんですけれども、これは2番目のところでも関連するわけですけれども、勧告の中身、最後の勧告は1985年です。それが全く実現されていないという実態があるということは明確にしておいていただきたい。
治安とか保安とか、医療モデルとかというところでつまずいているんだなということが地域を見れば明らかなので、それは言っておきたいと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 では、「はじめに」の1の部分に関しては、東室長を中心に候補者を挙げてチームをつくって記述をしていただく。6月の上旬ぐらいにまとめてもらうとしていきましょう。
では、「はじめに」の2、3。国際動向あるいは推進会議の件を含めて、更にもう少し御意見があったらこのコーナーで出してください。
では、尾上さん。
○ 尾上委員 尾上です。どうもありがとうございます。
16ページのIIの3の2)になるんですけれども、障害を理由とする差別の禁止ということで、今後部会を立ち上げてその差別禁止についてこういうように検討していくということなんですが、その中で追加意見として、障害を理由にした欠格条項を始めとした、言わば既存の法律の中にある障害に基づく差別に当たる規定の改廃に向けた一括見直しということも入れていただければと思っています。
もちろん、これからの差別の禁止や防止をしていくということで差別禁止法が重要なんですけれども、これまでの歴史の中で既にもう法律の中に組み込まれている差別的な規定はまだ残念ながら残っております。そういう意味で権利条約が求める非差別の原則ということから、差別的な諸規定の改廃ということの規定が
○ 藤井議長代理 尾上さん、今、「はじめに」の中の1、2、3で、1がチームをつくって、2と3に関して、大きいIIは後でまた。
○ 尾上委員 失礼いたしました。では、後で。ごめんなさい。
○ 藤井議長代理 ほかに大谷さんかな。
○ 大谷委員 私も大きなIIとIIIだと勘違いました。後でお願いします。
○ 藤井議長代理 はい。いいですか。
では、今の尾上さん、続きはありますか。
○ 尾上委員 もう次の大きなIIにいっていいのでしょうか。
○ 藤井議長代理 東さん。
○ 東室長 IIにつきましては、中身を読み上げて議論を始めたいと思いますので、金君の方から読んでいただきます。
○ 金政策企画調査官 それでは、金です。政策企画調査官を担当しております。よろしくお願いします。
それでは、私の方から「II 障害者制度改革の基本的考え方」について、読み上げさせていただきます。
12ページになっております。「II 障害者制度改革の基本的考え方」。
「障害者権利条約の批准に向け、我が国の国内法制をその理念・趣旨に沿う形で整備するとともに、我が国が目指すべき社会である、障害の有無にかかわらず、国民が相互に人格と個性を尊重し支え合う『共生社会』を実現することを目的とし、制度改革を進めるに当たっての基本的な考え方は次のとおりとする。
1.『権利主体』たる社会の一員。
すべての障害者を、福祉・医療等を中心とした『施策の客体』に限定することなく、『権利主体』たる社会の一員としてその責任を分担し、自らの判断の下で、社会のあらゆる分野の活動に参加、参画する主体としてとらえる。
2.『自己選択・自己決定』の尊重。
障害者に関する施策を講ずるに当たっては、障害者の自主性が十分に尊重され、障害者が自らの決定・選択に基づき、地域において自立した生活を営むことができるよう権利を保障し、その実現としての支援制度の構築を目指すものとする。
3.『差別』のない社会づくり。
何人も障害を理由とする差別を受けない権利を有することを確認するとともに、その侵害から救済を受ける法制度を構築し、差別のない社会づくりを目指すものとする。なお、差別には合理的配慮が提供されない場合も含むものとする。
4.『社会モデル』的観点からの新たな位置付け。
障害者が日常生活又は社会生活において受ける制限は、様々な社会環境との相互作用によっても生ずるものであることを踏まえ、障害の捉え方や障害者の範囲を見直すとともに、障害者が日常生活及び社会生活のあらゆる分野の活動への容易な参加を可能とするため、公共的施設、輸送機関、情報通信などの社会環境の改善を図る。
5.『共生社会』の実現。
障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進し、もって障害者の福祉増進と人権の確保を図ることにより、障害の有無にかかわらず、国民が相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会の実現を図る」。
以上です。
○ 藤井議長代理 この後またIIIの話に入りますが、これに関してもし意見があればということなんですが、いかがですか。
では、大谷さん、いきましょうか。
○ 大谷委員 ここに関して違和感を感じるのは、「2.『自己選択・自己決定』の尊重」ということが2項目に入っていて、第1文の「障害者に関する施策を講ずるに当たっては」等とあって、「障害者が自らの決定・選択に基づき、地域において自立した生活を営むことができるよう」となっているのですけれども、「自らの決定・選択に基づき」というのは、第1項の「『権利の主体』たる社会の一員」とほぼ同旨だろうと私は考えています。
そして逆に「地域において自立した生活を営むことができるよう」というこれは自らの自己決定に基づいて保障されるのではなく、もう当然生まれたからには生まれた場所で生活するという当たり前の権利だということを明らかにするためには、ここを1文で続けてしまうことに抵抗があります。ですから、ここは2つに離していただいて、後ろの方の後段だけを取り上げて、地域で生活する権利の保障とかという形にしていただきたいと思います。
ただし、そうすると、この場所が第2項に入るのはバランスが悪いと思いますので、できたら「『差別』のない社会づくり」を2項、障害の概念、定義のところの4項を3項、その後に地域で生活する権利の保障というのを4項にした上で、その後、「『共生社会』の実現」と並べ替えていただきたいなと思っています。
そして、「『共生社会』の実現」の文言なんですけれども、これは余りにもどこかで見たことあるような文章ばかりということで、非常に特異性が出ていないんです。私とすると、「障害の有無にかかわらず」の後に、せめて「多様性を尊重し」とか、我々はそれを目指しているわけですから、もう少し文言においても具体性の持った文言を入れ込みたいと思いました。ただ、余り文言は思いつかなかったので、積極的な提案ではないんですけれども、検討していただきたいと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 何人か連携や関係付けながらと思うんですが、一応手が挙がっていますので、順番に当てていきます。その後、少しまとめて東さん、金さんから見解をお願いします。
では、北野さん、お願いします。
○ 北野委員 私の方も「『自己選択・自己決定』の尊重」のところで少し心配な部分がありましたので、意見させていただきました。
「『自己決定・自己選択』の尊重」というのはとても大切なことなのでありますけれども、現在、障害を持っている方がさまざまな経験であるとか体験、選択肢が阻まれていらっしゃるという現状、あるいはさまざまな支援があれば自己決定が非常にスムーズになるという方もいらっしゃいますので、できましたら「『自己決定・自己選択』の尊重」のタイトルそのものを、例えば必要な支援に基づく自己決定・自己選択の尊重という表現にしていただいて、どんな重い障害を持つ人も、必要な相談支援や選択肢を広げるような体験、経験を踏まえた自己決定・自己選択という表現を含めていただいて、どんな重い障害を持っている方も知的障害や精神障害の方も含めて自己決定・自己選択が本当に大切にされるという表現をしていただけたらと思っています。
以上です。
○ 藤井議長代理 それでは、久松さん、先ほど手が挙がっていますので、久松さんの方から発言をお願いします。
○ 久松委員 全日本ろうあ連盟の久松でございます。
「はじめに」の内容の書き方、記述の仕方が少しわかりにくいなと思います。また2番目の「基本的な考え方」とどのように結び付くかということについて、理解ができればいいのではないかと思います。
まず、基本的考え方の中に少し確認をお願いしたいことがございますが、5番目「『共生社会』の実現」というテーマの中で2つあります。1つは「障害者の福祉増進」という言葉を使っておりますが、「障害者の福祉」ということが「共生社会」とどのように結び付くのかイメージが出てこないのです。人権保障、人間として生きるということをもっと強く打ち出すべきではないかと考えています。
2つ目は、同じ5番目の中の共生社会の実現の中に、施策を総合的かつ計画的に推進するという文言がございますが、現在、地域主権戦略会議で、地域主権の考え方は、地域に委ねるという考え方です。地域に委ねることなく、共生社会の実現のためには、全体というか我が国の政策を進めていくことを基本とする考え方を強く打ち出すべきだと思いますので、あえて申し上げました。
以上です。
○ 藤井議長代理 それでは、順番で言うと、佐藤久夫さんかな。
○ 佐藤委員 この5項目はかなり似ている項目ですね。権利とか自由権とか、非常に欠けていた領域なので、こういうことを重視して今後の改革を進めていくということは必要なことだと思うんですけれども、これだけだと家族の責任で家族の負担で何とか地域で暮らしてくださいみたいなことにもなりかねない。家族依存からの脱却というものをきちんと設けて、障害者が権利を持って主体的に地域で選択した生活ができるということを保証するために、家族の犠牲でそれをやるのではない、この子より早く死んでいくのが苦痛だというようなことを親に言わせるような時代はもう終わりにしようということをきちんと位置づける、そういう項目が必要かなと思いました。
以上です。
○ 藤井議長代理 それでは、福島さん、お願いします。
○ 福島オブザーバー IIの4番のところについて意見を出させていただいたんですけれども、社会モデルという用語についてで、趣旨としては、この推進会議が1月に始まったころから何人かの委員からときどき社会モデルという言葉が出てきていましたので、そのこと自体は歓迎すべきことだとは思っているんですけれども、イギリスの障害学の研究の中から出てきた社会モデルという用語については、マイケル・オリバーなどの論者ですが、いろんなバリエーションがありますので、発言する人によってどんな意味合いで社会モデルというのを使うのかということがすごく多義的。意味合い、ニュアンスが違います。
更に社会モデルは対立される概念である医学モデルが、当然想定されますので、その医学モデルをどう捉えるかということ、どういうふうに位置づけるかということによって、社会モデルの意味合いも変わってくるので、そこがすごく気になっているんです。
定義はなくてぽんと社会モデルというのが出てきたというのですごく重要な問題なので、どこかで社会モデルとか医学モデルということをこの文書の中で定義付ける。少なくとも解説するようなところをきちんと設けた方がいいかなと思っています。
ただ、社会モデルは多義的ではあるけれども、医学モデルに対抗する枠組みとして出てきたということは共通点なので、そこは共通の認識として出すのもいいかなと思うんです。インペアメント、つまり、どこか体が動かないとか、働かないということと、ディスアビリティー、つまり何か社会的な活動ができないとか、社会的な不利を抱えているという意味での障害とを同一視するような発想が医学モデルで、あるいはそれは医学的な取組みによってとにかく損傷イコール障害を克服するんだという発想で、それに対して、そうではなくて障害が社会的な関係の中で生じるのだということを社会モデルは提起するわけですけれども、その辺りの意味づけを明確にする必要があるかなと思っています。
ただし、医学モデルといったときに、では医療的な取組みが余り意味はないのかとか、軽視しているのではないかみたいな誤解が生じかねないので、医療的な取組みと医学モデルとは違うんだということもはっきり誤解のないように示す必要があるかなと思っています。
その上で、コメントで書いたのは、社会モデルというのを本人が持っている損傷と、物理的な周囲の環境との間の相互作用だけみたいな感じで考えてしまうと、表面的なとらえ方になるので、物理的な周囲の環境ということだけではなくて、広い意味での社会制度とか社会システムとか、障害をめぐる価値観とか意識とか、そういった目に見えないものも含めたさまざまな社会関係の中で、障害が生じてしまっているんだということを言わないと、非常に表面的なとらえ方になりかねないので、そこが気になりました。
そういうことで社会モデルを使うこと自体は歓迎しているけれども、少し丁寧に使った方がよいですよねという趣旨です。
○ 藤井議長代理 まだ手が挙がっています。順番を立てますけれども、IIIの方も入りますので、それを意識しながら進行に協力してください。発言の機会が余り今までなかった山崎さん、いきましょうか。
○ 山崎委員 山崎です。全般を通じて、実は「我が国」という言葉が非常に気になります。従来、立法、司法、行政の方々が日本全体について語るときに使ってきたものと思っています。私のイメージではやや上から目線の言葉に聞こえます。
ここの会議の場は障害当事者の視点を前面に出して制度改革を語るという場だと思いますので、わざわざ我が国という言葉を使わず、むしろ「日本」で単純に置き換えたらいかがかと思います。
いずれこの中身が閣議決定されたら、そこでは「我が国」にまた置き換わるかもしれませんが、ここの場でわざわざ使う必要はないと個人的に思っております。
以上です。
○ 藤井議長代理 大濱さん、どうぞ。
○ 大濱委員 私としましては、2番目の自己選択・自己決定の件は、地域での自立した生活を営むことができる権利をもっときちんと前面に強調していただきたいというのが1点目。
2点目ですが、「『差別』のない社会づくり」という3番のところですが、この中に虐待防止の件が入っているなと私は解釈していますが、侵害からの救済を受ける法制度を構築しというのは、虐待の禁止、虐待の制限、虐待防止のことが入っていると思います。一方で、26日頃の会議で現在出されている虐待防止法案が可決されるという話も入っていますので、この虐待防止の件もきちんとこの中に書き込んでいただきたいというのが2点目です。
以上です。
○ 藤井議長代理 大臣が今お見えになりましたけれども、また次の公務があって出られますので、ここでごあいさつをいただいて、退室になると思いますので。もう少しいますか。いいですか。
では、一言ごあいさつの方を。
○ 福島大臣 どうも皆さんこんにちは。1月から精力的な議論を続けてくださいまして、本当にありがとうございます。
本日は、障害者制度改革の推進のための基本的な方向、第一次意見として、これを基に真剣な議論をしていただきまして、本当にありがとうございます。これを閣議決定して、政治の意思、国家の意思として障害者施策をこういうふうにするんだということを決定しますので、私はこれは事前にいただいて、分厚いなとは思ったんですが、きっと皆さんからするともっとこれも入れてほしい、あれもほしいというお声も大変あると思います。
これはきちっと閣議決定をして、国の政策として決定いたしますので、是非皆さんたちの知恵をいただいて、できるだけ本当にいいものにして、しっかり国の方針として打ち出していくということをやっていきたいと思っております。
時間がもったいないのであいさつは短くしますが、是非本当にいいものを方針として出せるように、皆さんたちの御協力をお願いいたします。いつもいつも熱心な議論をしていただき、委員の皆さん、介助者の皆さん、傍聴者の皆さん、本当にありがとうございます。
時間がもったいないのであいさつは短くやめます。よろしくお願いいたします。(拍手)
○ 藤井議長代理 大変心強い担当大臣からあいさつがありました。これはいずれ6月の中旬に閣議に上がりますので、福島大臣の役割と責任は大変重いと思います。よろしくお願いいたします。
さて、残りの質問が残っているんですが、関口さんと堂本さん、どうしてもここのコーナーで発言がありますか。関口さん、どうですか。堂本さんは我慢しますか。30秒。
では、関口さんは結論から言ってください。
○ 関口委員 今までの制度改革推進会議の討議を踏まえて出されているものだと思うんですけれども、これは差別ということに関して、差別というのは人権侵害があるところにあるんだろうということで私は提起して、社会的にこれは明らかに差別ではないかという議論があったと思うのです。
ですから、地域で当たり前に暮らす権利というのは、権利性が非常に強いということであるがゆえに、今までにいろんな人が意見を言ったのと同時にもう一つ、最後の書きぶりですけれども、支援等となっていて、これは支援される障害者は客体になりますね。
やはり障害者が人権を持っている主体であるということであれば、例えば英語で言うとライツベースド、つまり人権に根差したという言い方をします。その考え方を貫いた方がいいと思います。
○ 藤井議長代理 堂本さん、どうぞ。
○ 堂本委員 障害者当事者の視点で貫かれていることに敬意を表したい。人権を中心に言われていることはいいのですが、同時にもう少し客観的な視点から言うと、その障害当事者をどういうところに位置づけるかということが書かれていない。
私はまた千葉県のことをいつも言って申し訳ないけれども、常に言ったことは、障害者を地域の、社会の中心に置こうということです。これは精神的にも物理的にも、そういう位置づけをきちっとしていただきたい。障害者を真ん中に置くんだということを基本的な考え方に位置づけることが大事だと思います。どうもありがとうございました。
○ 藤井議長代理 9人の御発言があって、いずれも大変大事だったんですが、これは東さんと金さんから少しお答えといいますか見解を伺わせてもらいますが、これはほぼ争点ではなくて、もう受け入れましょうと、これは少し意見が違うというのがあったら、それを中心にお答えいただけますか。
東室長から。
○ 東室長 東です。書きぶりであいまいであったり、はっきりしなかったり、字が少し違ったりといういろんな御意見があります。何とかその方向で書き変えていきたいと思いますけれども、発言された中で意見書としてペーパーで修文を出されていない方はいらっしゃいますか。堂本委員だけですね。ほかの方は一応ペーパーを参考にしてということでいいですか。山崎先生と堂本先生。
○ 藤井議長代理 関口さんもね。よろしいですか。大濱さんも出していないですね。では、今の件は出していないね。ほかにはありますか。
○ 東室長 済みません。できれば修文を出していただきたいんです。案を早急にお願いします。
○ 藤井議長代理 では、質問ですか。
新谷委員、どうぞ。
○ 新谷委員 新谷です。細かな点なので、あえて発言しませんでしたけれども、出した意見、コメントについては、それなりに中を検討いただいて、新しい案の中には盛り込んだか盛り込んでいないかわかるような形でいただけるんですか。
○ 藤井議長代理 東さん。
○ 東室長 今日の8時45分までが締め切りだったので、まだ全部見れていないんですけれども、これが終わった後、いただいた意見書を検討して、そこに基づいて文案を変える場合はここを削除してここを加えたということがわかるような形で出したいなと思っています。
○ 藤井議長代理 新谷さん、いいですね。
○ 新谷委員 了解しました。
○ 藤井議長代理 では、IIIの同じように、少し全体に関わってくるところを金調査官から朗読をお願いします。
○ 金政策企画調査官 それでは、13ページの「III 障害者制度改革の基本的方向と今後の進め方」を読み上げさせていただきます。
「IIの基本的考え方を踏まえ、障害者制度改革の基本的方向と今後の進め方については次のとおりとする。
1.全体的な当面の進め方。
1)平成22年内の進め方。
・推進会議は、第一次意見を基に、障害者基本法の抜本改正に向け、改革が必要な分野について個別に部会や作業チーム等を設け、分野別課題の検討に着手する。
また、推進会議は、改革の推進体制、モニタリング機関の在り方、各分野において更に検討すべき課題等の事項について引き続き議論を行い、平成22年秋から年末を目途に、制度改革の重要方針に関する第二次意見を取りまとめる。
・政府は、第一次意見を踏まえ、速やかに制度改革の方向性を決定するとともに、第二次意見を踏まえ、制度改革の重要方針を決定すべきである。
2)平成23年以降の進め方。
・政府は、制度改革の重要方針に基づき、障害者基本法の抜本改正や制度改革の推進体制等に関する法律案を平成23年の常会に提出すべきである。
・推進会議は、改革集中期間内において、改革が必要な分野の制度・施策の在り方や次期障害者基本計画の在り方・方向性等を具体化するため、部会・作業チーム等で審議を進め、必要に応じ政府に対する意見提出を行っていくこととする。
2.基礎的な課題における改革の方向性。
1)インクルーシブな社会の構築。
国際障害者年以降、ノーマライゼーションの理念が我が国にも紹介され、地域福祉が進んできたことは事実であるが、社会一般とは異なる生活、いわば障害福祉村とも呼べる世界に多くの障害者が生活している。障害に応じたきめ細かな支援が必要なことはもちろんであるが、それは、限りなく一般社会生活に近い形で提供されなければならず、人為的に作られた制度政策によって一般の社会生活とは異なる生活形態を強いられ、社会から分離・排除されてはならない。
こうした観点から、教育、福祉、医療における制度設計に当たっては、分野や排除の傾向を限りなく取り除くことが求められる。
2)障害の捉え方。
障害の捉え方について世界保健機関(WHO)が提唱した国際障害分類が、環境との相互作用によるものとする生活機能分類(ICF)に改められ、また、障害者権利条約では、より社会モデルに近い捉え方が示されている。
障害の捉え方についての医学モデルは、障害の除去、軽減、自助努力による克服、そして、それに向けた専門家の支援に力点が注がれるが、社会モデルは、障害という属性を有する人をありのままで受け入れようとしない社会の有り様そのものを問うものである。
こうした障害の捉え方の転換は、障害者施策全般に及びなければならず、より根本的には国民全体の意識変革に結びつかなければ、真の共生社会の実現には至らない。
3)障害の定義。
障害の捉え方は障害の定義に影響を及ぼし、障害の定義は障害の種類、範囲、障害者の総数、障害者施策の内容や対象を画するものとなる。
原理的に言えば、医学モデルによると障害の原因となる疾患や症状とその程度によって障害が規定され、それをもとに障害者施策の内容や対象範囲が限定されることになるが、社会モデルによると疾患や症状を有する、あるいは有するものとみなされる人々が負うところの社会的不利の種類やその程度に応じて障害が規定されることになる。
また、現実的に言えば、障害の定義は障害者施策の入り口を画する機能を有するので、そこで提供されるサービスを必要としている障害者をあまねく拾うことが重要であり、疾患や症状の違いに拘泥すべきではない。
こうした観点から、障害者基本法やその他の法制における諸定義は見直すことが求められる。
4)差別の定義。
これまでの社会は、障害者に対する社会の異なる取扱は個人の障害に起因するものとして、これを差別であるとは認識してこなかった。しかし、『障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例』制定に向けて行った千葉県の差別事例の募集や内閣府の調査によっても、きわめて多くの差別事象が存在し、救済されることなく放置されている実態が明らかとなった。
こうした実態からすると、障害者に対する差別の定義を明らかにし、新たに策定される障害者差別禁止法制に取り込むだけでなく、既存の法律に散在する差別禁止条項にも障害に基づく差別禁止を盛り込むことが求められる。
5)障害の表記。
『障害』の表記については、『障害』のほか、『障がい』『障碍』『しょうがい』等の様々な見解があることを踏まえ、推進会議としては、今後とも、学識経験者等の意見を聴取するとともに、国民各層における議論の動向を見守りつつ、それぞれの考え方を整理するなど、引き続き審議を行う。
3.横断的課題における改革の基本的方向と今後の進め方。
1)障害者基本法の抜本改正。
障害者基本法は、もともと心身障害者対策基本法を出発点としており、改正後も障害者施策の基本を定めるという枠組みを出るものではない。
しかし、障害者権利条約で示された障害者の人権とその確保のための締約国の義務履行を担保する受け皿として、障害者基本法を抜本改正して、社会権や自由権を実現するための基本法として位置付け、障害者の人権を確保するための諸施策を規定することが求められる。
具体的には、制度の谷間を生まない包括的な障害の定義、合理的配慮を提供しないことが差別であることを含む差別の定義、障害ゆえに侵されやすい基本的人権などを総則で確認し、さらに、人権の確保といった観点から既存の諸施策に関する規定を見直すとともに、政治参加や国際協力等の現行法の規定にない施策分野について新たな規定を追加することを検討すべきである。
また、改革期間終了後、後述する、改革集中期間における改革の推進等を担う委員会を継承し、障害者権利条約の実施状況を監視する(モニタリング)機能等を担う委員会を法的に位置付けることを検討すべきである。
○ 所掌事務。
障害者施策の推進に係る調査審議、障害者施策の実施状況の監視(モニタリング)等。
○ 権限。
関係各大臣等に対する勧告、資料提出要求等。
2)障害を理由とする差別の禁止等。
あらゆる分野における障害者に対する差別類型を明らかにしてこれを包括的に禁止し、また、障害者がこれらの人権被害を受けた場合の救済等を目的とした『障害者差別禁止法』(仮称)の制定に向けた検討を進める。検討に当たっては、現在法務省において検討中の人権救済制度の検討状況にも留意するものとする。なお、差別禁止の検討に際しては、関係法律を一括して整備するための法案の検討も行うものとする。
また、政府は、障害者に対する差別を防止するため、当該差別に該当するおそれのあるものについて事例収集を行い、その結果を公表すべきである。
(今後の進め方)
本年夏頃に、推進会議の下に『差別禁止部会』(仮称)を設け、『障害者差別禁止法』(仮称)の制定に向けた検討を開始し、平成24年度末を目途にその結論を得る。
3)障害者総合福祉法。
現行の障害者自立支援法を廃止して、新たな『障害者総合福祉法『(仮称)を策定する。
この策定に当たっては、制度の谷間を生まない障害の定義のもとに、医学モデルに偏った障害程度区分を見直すとともに応益負担を廃止し、自己の選択に従った様々な自立生活の場面をシームレスに結ぶサービスメニュー体系を整え、一般の児童福祉、医療、教育等のシステムを基盤として、最重度であっても、どのような地方であっても、その地域で安心して暮らせる、福祉を始めとするサービスを提供するものとする。
(今後の進め方)
本年4月から推進会議の下に『総合福祉部会』を設け、推進会議で大枠の議論の枠内で、障害者に係る総合的な福祉法制となる『障害者総合福祉法』(仮称)の制定に向けた検討に着手しているところであり、平成23年夏から秋までを目途に結論を得て、政府は、24年の常会への法案提出、25年8月までの施行を目指すべきである」。
「4.個別分野における基本的方向と今後の進め方」は省略です。
○ 藤井議長代理 これは読むのに15分かかったんですが、そうしますと、もはや大分時間を超過しています。ただし、このIIIの基本方向と進め方はかなり根幹に関わる問題なので、少し時間をオーバーしていますけれども、意見がある方は意見を出してほしいんです。
尾上さん、松井さん、山崎さん、久松さん、新谷さん、大谷さん、北野さん、佐藤さん。これは大変なことですね。では、少し時間はあれしますが、できるだけ結論からお話し願って、進行に協力してください。
では、尾上さんからいきましょうか。
○ 尾上委員 先ほどフライング気味で言ってしまったところなんですけれども、16ページのIIIの3の「2)障害を理由とする差別の禁止等」のところに書かれていますけれども、「差別禁止の検討に際しては、関係法律を一括して整備」というのは、多分、交通分野における差別禁止や労働における差別禁止というのも含めて一括ということが1つあると思うんですが、加えて障害を理由にした欠格条項を始めとした、言わば関係法律の中に、既存の法律の中にある障害に基づく差別に当たる規定の改廃に向けた一括見直しというのも付け加えるべきではないかというのが1点です。
もう一つが、3の3)でございます。総合福祉法あるいは書く場所がどこになるのか迷うところなんですが、この文章の中でいえば3の3)のところかなと思っておりますが、この後の労働や教育と推進会議における問題認識ということで、推進会議で議論されてきた部分を書いていただいているかと思うですが、特に総合福祉部会は既に立ち上がっておりまして、今後、当面の課題の整理の上で、6月下旬から議論を進めていくということになります。そのときに総合福祉部会で、では推進会議がどういう意見といいますか、どういう問題認識でなっているんだろうということがクリアーになっていないと、なかなか総合福祉部会の運営もしにくいなと思っています。
そういう意味で、労働や教育に並ぶような形の推進会議における問題認識ということで、例えば地域社会で生活する権利ということは明記をすべきだということは多数意見で出ておりますし、あるいは障害の定義の部分は書かれておりますけれども、その他支給決定プロセスであったり、地域移行であったり、もう少し推進会議として議論してきた、その中で大枠として確認をされている問題認識みたいなものの記述をここの総合福祉法のところでやるか、あるいは個別分野の中でそういった該当する部分をつくっていただけないかなという、以上2点です。
○ 藤井議長代理 大事な点なんですが、では、松井さん。
○ 松井委員 松井です。1点だけ確認をさせていただきます。平成22年内の進め方について、改革が必要な分野について個別に部会、作業チームを設け云々と書いてあります。この後の本文を見ると、少なくとも総合福祉部会、差別禁止部会については明記されておりますけれども、それ以外については全く触れていない。そういう意味でどの分野に部会を設けるのか、その辺の議論はいつの時点でやるのかということを確認させていただきたいと思います。
○ 藤井議長代理 これは後でお答えいただきます。
では、山崎さん。
○ 山崎委員 山崎です。今の松井先生の御質問にかなりかぶさるんですが、15~16ページにかけて、横断的課題における云々の「1)障害者基本法の抜本的改正」と「障害を理由とする差別の禁止等」のところなんですが、「障害を理由とする差別の禁止等」のところには今後の進め方があり、松井先生が御指摘のとおり、1)のところにはないんです。
私が伺いたいのは、1)の方のモニタリング等の所掌事務の話は、2)の下に書いてある差別禁止部会でこれを検討するということなのか、別の部会を起こすということなのか、あるいはこの会議で検討するということなのか。その辺りをお教えいただければと思います。
○ 藤井議長代理 進行上は、今のお三方はかなり基本的なことなので、ここで一旦、東さんなり金さんから見解をいただいて、少し練り上げていきましょうか。
尾上さん、松井さん、山崎さんは関連もしているんですが、東さん、見解があったら、いかがでしょうか。
○ 東室長 東です。尾上さんの意見の中で、欠格条項の話がありましたけれども、そのことも重要な問題だという認識は持っておりますけれども、表現としてそこまで書くかどうかというのは別の問題ではないかと思っています。欠格条項以外にもいろいろあるかと思うので、一応基本的な方向性としては、こういう文字面でと考えております。
総合福祉法に関する大枠の議論をもう少し入れ込めという件については、もう少し膨らませた方がいいかなという感じです。
他の部会についてはどうだとありましたけれども、まだ当面この時点で他の部会をどういうふうに設置するというようなところまでは現実的にいっていないのではないかなと。単に考えとして示しても、進行の状況とか何かを見なければ難しいとは考えております。ですので、今、当面考えているのは、差別禁止の部会だけです。
山崎先生がおっしゃっているのは、障害者基本法の抜本改正の話の部分についての御質問ですか。
○ 山崎委員 はい。そうです。
○ 東室長 それについての今後の進め方というのは、確かに入っていませんね。その点は書き方が適切ではないかもしれませんけれども、22年度内に意見はまとめて、23年度の通常国会には出すということ。別の部分で書いておりますので、少し書き方を整理します。
○ 藤井議長代理 尾上さん、松井さん、山崎さん、いいですか。大事なことなので、いいですか。一言ですよ。
○ 山崎委員 山崎です。一言。要するに、特にモニタリング機関に関してですが、差別禁止部会で恐らく何らかの救済機関を予定するのでしょうが、それとイコールにするのかそうでないのか、そこはオープンにして議論するのかを聞きたかったということなんです。
○ 藤井議長代理 では、金さんからどうぞ。
○ 金政策企画調査官 金です。今、山崎委員の方から御指摘の障害者差別禁止部会の下で検討される救済機関の在り方を「1)障害者基本法の抜本的改正」で言われているモニタリング委員会との関係についての御指摘だと思うんですが、基本的に障害者基本法の抜本改正でのモニタリングの委員会というのは、前回、泉政務官からも御説明が大枠ではあったかと思いますが、省庁が担当している各施策の実施状況などについて監視を行い、必要に応じて勧告を行うということが主な柱となったモニタリング委員会が障害者基本法の改正の中で盛り込まれることであろうと思います。
今、御指摘の障害者差別禁止部会の方では、救済の仕組みということが主な課題になるかと思いますので、一旦それはモニタリング委員会とは切り分けて、差別禁止部会の方で救済の在り方については整理すべき課題ではないかと思っております。このことは障害者の権利条約の第33条で規定されている国内実施で、施策の促進と保護と監視という3つのキーワードがありますが、その保護のところが差別や人権侵害を受けたときの救済の仕組みに当たると思いますので、その保護の部分についてはこの差別禁止法部会の検討課題になるのではないかなと整理していいのではないかと思っているところです。
以上。
○ 藤井議長代理 山崎さん、いいですか。
○ 山崎委員 基本的に了解しましたが、議論の余地はあろうかと思います。
○ 藤井議長代理 では、議論の余地はあるということでいきましょう。
久松さん。
○ 久松委員 全日本ろうあ連盟の久松です。目次の順番なのですが、1番目、「全体的な当面の進め方」から入って、2番目に「基礎的な課題における改革の方向性」、3番目というようにこれらのテーマから入ると、文章が読みにくく流れがわかりにくいというイメージがあります。5番目、「改革集中期間の推進体制に係る基本的方向」というテーマを1番にを持っていくという流れで変えた方が読みやすくなるのではないかと思います。読みやすい形をつくっていただくということが要望です。
○ 藤井議長代理 つまり、1と5は今後のことなので合わせて合体して5の方に持っていきなさいと。2、3、4が順次上に上がってというイメージですね。
○ 久松委員 そうです。
○ 藤井議長代理 これはまた後で見解をいただきましょう。
どうぞ。
○ 久松委員 次なのですが、よろしいでしょうか。続いて「2.基礎的な課題における改革の方向性」について、意見は文書で提出しておりますので、細かいところについては意見書を読んでいただきたいと思いますが、ポイントだけ御説明します。
ここには5つのテーマをつくっていただきましたが、「言語・コミュニケーションの定義」を入れていただきたいと思います。国連障害者権利条約を推進してきたドン・マッケイ氏は、ニュージーランド出身ですが、ニュージーランドの障害者施策の特徴は何かという質問に対して、ニュージーランドで一番の特徴は手話言語法があるということだということをまず最初にお話しされていました。
権利条約では言語とコミュニケーションについて非常に重要視し、条文にも定義されています。これは重みもありますので、今回のこの報告の中に「言語・コミュニケーションの定義」をきちんと明記していただきたいと思います。
続いて、3番目の「横断的課題における改革の基本的方向と今後の進め方」の1)基本法の抜本的改正のところで、ここでも言語の定義、コミュニケーションという言葉が抜けております。言語の定義、コミュニケーションを入れていただきたい。
申し訳ないのですが、先ほど金さんの御説明を聞いて改めて資料を読んだのですが、2番の「1)インクルーシブな社会の構築」について、これは意見は出しておりませんが、文とテーマが合っていないように感じます。もし排除されてはならないような、排除はだめという言い方でのインクルーシブの方向性であるならば、そのインクルーシブに沿った文章にして、そうでない場合は文に即したテーマに直した方がいいのではないかというのが意見です。
以上です。
○ 藤井議長代理 では、新谷さん、よろしいですか。
○ 新谷委員 いろいろあるのですけれども、まず、平成22年度の進め方のところで、先ほど山崎さんから説明があったモニタリング機関の問題ですけれども、モニタリング機関の検討を入れるというのは構わないんですけれども、人権救済機関の問題もここに織り込むべきだと思います。
前回の泉政務官の説明ですとモニタリング機関は八条委員会だけれども、特殊性から考えて人権救済機関は八条委員会では済まないと思うんです。それを法務省で検討していることに留意するで済ますわけにはいかないと思うのです。やはりここできちっと救済機関の議論はすべきだし、モニタリング機関を議論するのであれば、22年度の課題として人権救済機関も取り上げるべきであると思います。ここに併記が必要だと思います。
平成23年度以降の取組み方の問題ですけれども、差別禁止法は平成24年度までにめどを付けるという表現になっています。めどを付けるということが法律として仕上げてしまうのであれば、23年度の取組み方が大きく変わってくると思うのですけれども、基本法の改正が今23年の常会とやっています。そうすると、それと並行して差別禁止法を議論するのであれば、23年度の重点課題として禁止法と基本法の改正、両方併記する必要があるのではないかと思います。
15~16ページに関わるのですけれども、障害者基本法の改正の中身ですが、これは前回の会議の内閣府の案そのものが載っています。この点については、推進会議の中で基本法の改正の方向についての議論が要るのではないか。一番大切なことは、省庁に対する勧告権限しか与えていないというような基本法の改正では困るというのが議論だったと思います。
例えば裁判規範性を設けるという議論があったわけですが、基本法の改正の中身には裁判規範性という言葉を入れると、各省庁への勧告権限を越えた規定が基本法の中に入ってくるわけですから、その辺との整合を付ける意味では、ここは単に障害者基本法の改正を議論するとかそういうふうに書くのか、それとも所轄事務と権限を書きこむのであれば、もう少し詰めた議論をしないと不都合が起こるのではないかと思います。
5月17日の会議では差別禁止法というのは24年にめどを付けるというお話ではなかったと思うのですけれども、並行して議論しましょうという話だったと思いますけれども、24年度にめどを付けるということについてのお考えを聞きたいと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 では、大濱さんで一旦区切りを付けますが、大濱さん。
○ 大濱委員 今の新谷さんの意見と若干かぶりますが、この差別禁止法については、23年の常会にするのか、24年の常会にするのか。遅くとも24年の常会ぐらいにはきちっと上げるというようなことを明確に打ち出していただきたいと思います。
2点目、障害者総合福祉法の関係で、この後段にあります、ペーパーも出していますが、最重度であっても、2回目か3回目の推進会議の中でも検討されたと思いますが、この中に文言として、ニーズに応じて1日24時間以上のヘルパー制度が必要な人に介護が与えられるような政策が全国の市町村で実施することも含めというような文言をきちんと入れ込んでいただきたいという意見です。これはペーパーを出していますので宜しくお願いします。
○ 藤井議長代理 では、まだ発言者、手を挙げている方でまたお話をしてもらいますけれども、この3人のに大変大事なことが入っていましたので、これも東さん中心に一旦見解をいただけますか。
では、関連をして。
○ 大谷委員 大谷です。かなり大がかりな制度改革なので、どうしてもタイムラグが生じてしまうことは正直やむを得ないだろうと考えています。出された見解が22年度中、23年度中という形である種のロードマップが示された。このロードマップどおりにいくかどうかに関しても、正直申し上げてかなりテクニカル的に難しいところも出てくるんだろうと思われると思います。
そこで私は、障害者基本法で大枠を示す、通常国会でとにかくそれは通すということはまず当面の課題として我々が取り組むべき課題だろうとは考えるのですが、正直申し上げて、障害者基本法と個別法に齟齬が生じてきてしまうような場合、この場合も想定しているのかいないのかということはかなり重要な問題になってくると思います。
基本法を個別法と齟齬するような内容で制定してしまうということはあり得ません。現状からすると法、技術的にはあり得ないだろうと思われます。とするならば、せめて基本法の中に現行個別法の解釈指針なるものを入れ込まないと、法文上はなるべく矛盾しないような文言すり合わせをした上で、なおかつ解釈指針を基本法にきちんと書き込まないと、非常に、タイムラグが生じる数年間の間とはいえ、現場が混乱するということになりかねないと思います。その点はかなり意識的にした方がいいだろうと思います。
先ほど来から基本法と差別禁止法のある種タイムラグ、1年で済むのか、それとも2年間かけてしまうのかということに関しても、可及的速やかに差別禁止法を仕上げるということは我々の緊急の課題であり、私も熱意を持って取組みたいとは思っているのですけれども、正直申し上げて、重要な法律であって全般にわたる課題が大きすぎるので、1年で法案作成まで仕上げてしまえるかどうかに関しては、私自身も含めてこの力量でやりきれるかどうかかなり難しいのではないかと思います。
全力は投じるということからすると、とりあえずどこからかけていくのか、優先順位をどう付けていくのかということに関しても冷静に考えて、基本法、差別禁止法、そして個別課題へというようなロードマップはどうしてもしようがないかなと思います。
だから、もう少し個別課題に関してもロードマップを明記していただければ、我々も力量のかけ方というか納得の仕方もできてくるのではないかなと思いますので、その点ももう少し情報開示していただけたらと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 内容の主な要素に関わってくる部分、ロードマップです。大きな進め方に関わってくるという、これも大事な点なので、一旦これで少し見解をお答えいただきましょうか。
○ 東室長 見解といっても、ぱっと言える見解とこれからみんなで検討して結論を出すべき見解といろいろあると思うんです。今の時点ですべてが完成するわけではないです。決まっているわけでもないです。例えば23年にするか24年にするか25年にするかという、差別禁止法の制定の時期にしても、急ぐことは急ぎますけれども、大谷先生も言っていたように、ここの力量でやっていかないとだめです。
例えば基本法についての改正を夏以降ここでやっていくわけでしょう。そして、ある意味では基本法が終わった段階では、総合福祉部会の方はかなり煮詰まった議論をしているから多くはそちらに力量がかかっていく。その間、差別禁止法の部会でずっとやっていくわけですけれども、総合福祉部会と同じ時期に差別禁止法を出せるのか。みんなある意味では掛け持ちしている人たちも多いわけです。そういうことを考えると、本当に幅広いわけです。差別禁止法は単独1本の立法のように思えて実はそうではなくて、すべての分野が関連するわけです。そういうことがあるので、やはりどんなに早くても24年度だろうと思ったわけです。
解釈指針、各個別法との関係で、多分齟齬が生じるということはあり得るというお話ですけれども、だからこそモニタリング機関、監視機関はモニタリング機関ではありませんけれども制度改革のための委員会みたいなものですけれども、そこに勧告権を持たせる形で、手続的な面で保証していこうというのが基本的な考え方です。
基本法はやはり基本法ですから、ある意味では理念的な法律なんです。ですから、その理念法1本で各法をきちっと拘束していくというのは非常に実際上難しいと思います。だから、気持ちは具体的規範性とかということもありますけれども、具体的規範性を議論するのであれば、個別的な法律できちんと書かないことには、基本法にすべてを求めるというのは無理だと実際上の話は思います。
ですから、こういう指針、推進母体ないしモニタリングの母体にそういう実際上の基本法に合うような改正をつくっていく任務というか権限、そういうものを与えるべきではないのかなと思っているところなんです。
それとまだ質問があります。
○ 藤井議長代理 ちょっと待ってください。久松さん等の質問も含めて。
○ 東室長 それと新谷さんから出ました差別禁止法の中の人権救済委員会のことについて、留意するものとするとあるのでどうなのかという御質問があったかと思うんですが、これは本体では差別禁止法部会の中で救済機関も議論していくという前提で、ただ法務省でも全体的な枠組みの中で検討していますので、それとの整合性とかそういうことも留意しながらやっていくという趣旨で、差別禁止法の部会では人権救済機関を議論しないということではないんです。逆にそれをやることを前提に留意すると書いたつもりです。いいでしょうか。
ほかに質問はありますか。
○ 藤井議長代理 久松さんの手話と言語の話。
○ 東室長 確かに言われるとおり、言語とコミュニケーションの定義の辺りは基礎的な課題の問題として入れるぐらいに重要な問題ではあると思いますので、そこは検討していきたいと思います。
○ 藤井議長代理 休憩をしないと、大分指点字とか等々、要約筆記含めて手話の方も疲れていますので、ここで40分まで休憩します。もう大幅に遅れています。この先はどうなるかわかりません。
しかし、今、手が挙がっている方は、これは大変大事なことなので、少しほかの時間を削ってでも、あるいは少し延期してでも次にやりますので、40分まで休憩して、この続きをまた再開以降行いますので、休憩に入ってください。
(休憩)
○ 藤井議長代理 それでは、再開いたします。大分進行が遅れていますので、III、基本方向と今後の進め方に関して、3人手が挙がっています。この方々は順次発言していただいて、土本委員から全体に関わって発言したいということもありますので、順番としては、関口委員、佐藤委員、北野委員、土本委員ということでIIIの方は一旦終わります。
その後、分野別、個別のIIIの4になってくるんですが、11分野あります。第2コーナーでできれば5つか6つ進行しておこうと思っています。残りのコーナーは、第3コーナーで残りの5分野となっていきます。したがって、次の休憩時間はできれば15時50分過ぎ、55分には取るとしていきますので、大体今のことを頭に入れて御発言をしていただきます。
進行上、発言を多くの方にということがありますので、例の発言の合図がタイマー、1分間で一旦は鳴ります。もう2分間で鳴ったらやめていただきます。よろしく。したがって、できるだけ冒頭で結論を言ってください。そういうふうにしていきましょう。
それでは、順番でいきますので、今、言った残りの分でありますけれども、では、関口委員、お願いします。
○ 関口委員 結論から言います。2の基本的考え方を踏まえということで基本的方向と今後の進め方が議論されているわけですけれども、結論から言うと、2の基本的考え方というのは権利条約50条を5つのエッセンスにまとめてそれを持ってきているんだと思いますので、ここで基本文書になるのはやはり権利条約と、裁判での和解文書と、ILOの条約、あるいはそのほか日本が批准している条約というのが基本文書になるということは明確にしておいていただきたいと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 では、佐藤委員。
○ 佐藤委員 「2.基礎的な課題における改革の方向性」の「2)障害の捉え方」の3番目の段落です。「こうした障害の捉え方の転換は、障害者施策全般に及ばなければならならず」と書いてあるわけですけれども、「こうした障害の捉え方の転換」というのは医学モデルから社会モデルという文章の流れですけれども、ここで言っていることの意味は、医療やリハビリテーションなどでも社会モデル的な考え方、つまり社会参加と人権の確保ということを大事にしながら進めなければいけないという意味なんだろうと思うんです。読み方によっては医療やリハビリテーションはやめて、環境の改善だけに、そういう障害者施策に転換すると誤解されかねないので、表現の補強が必要だろうと思います。
2番目に、その下の障害の定義のところで、2番目の段落では、障害という言葉が3つ出てきていますけれども、それぞれ意味が違った使われ方がされていると思いますので、注意が必要かと思います。
「4)差別の定義」の中では、「障害者に対する社会の異なる取扱は個人の障害に起因するものとして、これを差別であるとは認識してこなかった」という表現の中に、異なる取扱いをすることイコール差別だという認識が伺われますけれども、権利条約の考え方と違うのではないかと思います。
「5)障害の表記」のところでは、碍を常用漢字に入れてほしいという議論をしてきたと思いますので、それも補強した方がいいと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 では、北野委員、どうぞ。
○ 北野委員 大谷委員や関口委員、尾上委員、大濱委員、久松委員も同じようなことをおっしゃったんですけれども、大事なことですので、再度地域で生きる権利というものを明確にするために、13ページの「インクルーシブな社会の構築」を地域で生き権利の保障とインクルーシブな社会の構築という表現にしていただけたらと思っています。
理由は、現在、地域主権戦略会議でさまざまな施策が地域の裁量権に委ねられようとしておりますけれども、例えばそのために地域で暮らすサービスが不足したり、あるいはグループホーム、ケアホームがゾーニングされたり、地域住民の反対によって認められないというようなことが起こってくる可能性が出てまいります。そのことは私たちが求めている障害者権利条約の第19条、すべての障害者が地域で暮らす権利というものと抵触する可能性すら出てまいります。ですから、そういうことが起こらないように明確に地域で暮らす権利というものを表現に入れていただいて、特にインクルーシブな社会の構築の部分については追加をしてほしいんです。
特にこれまで我が国では入所施設、病院への分離や排除を、この国の福祉政策として進めてきた経緯がある。権利条約の批准に際して、地域で生きる権利を明確に規定し、総合福祉法においては地域移行や地域生活支援の充実を柱に据えた内容を明確に盛り込むことが求められるということで、それをお願いします。
また、総合福祉法の方でも、地域で暮らす権利というものを明確に入れてもらった表現として書いていただけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。
○ 藤井議長代理 それでは、土本さん、よろしいですか。お願いします。
○ 土本委員 土本です。全体的に関わってくるんですけれども、今日の資料等も含めてなんですけれども、自分の使っていない文書とかがあったりとかして、どうしても追いつけれない部分、難しいところもあったり、その中で後ろの方に解説というか説明文を付けてもいいのかなと思いつつあります。
先ほどからずっと話して聞いていて、だんだん自分が置いていかれているなという感じをしていました。資料とかを含めてこれからできると思いますけれども、やはり私たち障害と言われているところのわかりやすい文書と、本とかそういうものでは出していければいいのかなと思います。
早いんですけれども、障害者の虐待の防止のところではもう少しじっくりと、早くつくり上げていくのではなくて、きちんと法律として認められて罰する法律、早くつくり上げて中身が何もなかったらということにならない虐待防止ではなくて、罰する法律をつくり上げていくべきではないかなと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 大変大事な意見があったんだけれども、これは土本さん、確認するけれども、今、私は3つぐらい伺ったんだけれども、1つはもっとわかりやすく解説を後半で付けてくれというのと、2つ目に全体としてわかりやすいものをでき上がった段階で、わかりやすいものを併せてつくってほしいということと、最後に虐待防止に関しては、形を急ぐのではなくて中身のあるものをと言われたと思うんですが、1点目、2点目のわかりやすいというのは、第一次意見のでき上がったものをわかりやすいバージョン、わかりやすい版を別個につくってほしいという意味なのかな。
○ 土本委員 わかりやすい権利条約みたいな1つずつ何条をこういうことで書いていますということを項目ごとというか、そういうことを書いてもらったら自分たちがわかりやすいかなと思うし、書き分けているところで、自分だけではなくてほかの知的と言われている人たちの意見とかそういうことを聞いてもう少し具体的というか、そのことがいいのかなと思いますので、今日、出しているものであれば5番目に書いている、先ほど支援の人に聞いたりとか聞いたりしているんですけれども、なかなか覚えきれないところもあったりするし、まだまだカタカナ用語とか使われている部分ではあるんですけれども、どうしても使わなければならない部分はそういう説明をしなければならないのではないかなと思います。
○ 藤井議長代理 これは東さんたちだけに言うのではなくて、今、土本さんたちもまたこんなふうに、こういうのはどうですかと少しつくり方についても、つくるのはみんなでつくるにしても、つくる方法、つくり方についてまた意見があれば考えていただいて、少し間がありますので、いずれにしてもわかりすいものをというのはみんなで心しましょう。
では、今、4人の方の発言があったので、これも東さん対皆さんというわけではないんだけれども、ここで答えられる範囲で答えていただいて、またみんなでつくっていくというのがありますので、東さん、もし意見があれば、いかがですか。
○ 東室長 今週の後半には訂正したものをお出ししたいと思っていますので、意見書という形で出されている分については、そこを参照して、今日の意見を踏まえてお出ししたいと思います。
ただ、理由というところだけ使われているものもありますので、どう具体的に書けばいいのかというのは非常に難しいところでもあるわけです。そういうすべて100%お答えできるかどうか自信がありませんけれども、できるだけ数日間の中で工夫したものをお出ししたいと思っております。
○ 藤井議長代理 では、もしこういう文章で出す方もここは問題点がある、その理由はというだけではなくて、こういうふうにしてはどうかという対案、具体的な文章案を示してほしいということもありますので、もう作業も今晩から始まると思いますので、もしあれば大至急そんなこともお寄せいただくとしましょうか。
では、残り時間、この第2コーナーは分野別に入ってまいります。進行はこういうふうに考えています。1分野は恐らく10分間弱になりますので、まず冒頭に発言したい方を募ります。余り多い場合には、私の方で全体のバランスを考えて大体3名程度になります。発言する方は責任重大です。そして、ポイントを突いて発言してください。文章でできることは極力省くというよりも簡略にしていただいて、そして全体の発展に貢献するように努力してください。
労働と雇用に関して発言をしたいという方はまず手を挙げてください。では、3人で一旦打ち切ります。もしどうしても後でというならばまた受け付けますので、とりあえずは3人でいきましょう。
では、まず松井委員よりも遠藤オブザーバー、まだ発言がなかったので、遠藤オブザーバー、トップにいきましょう。遠藤オブザーバー、お願いします。
○ 遠藤オブザーバー 発言の機会をいただき、ありがとうございます。私からは質問1点と意見1点を申し上げたいと存じます。
障害者の雇用の促進という項目の中に書いてある内容についてです。また以下のところですが、障害の種別によって賃金に格差があるなどと書かれているように読めるのですけれども、この事実関係はどういったことを背景に御指摘になっているのかというのを教えていただきたいというのが1点目です。
2点目、これは意見なのですが、現状を見たときに改善すべきところは幾つかあるということ、これは御指摘の通りだと思っております。ただ、法定雇用率の制度や、納付金制度がこれまで果たしてきた役割といったものについても、一定程度評価すべきだと考えておりますので、そういう立場からいたしますと、抜本的な改善策という表現につきましては、必要な改善策が求められるという形での記述ぶりに変えていただければと存じます。
以上でございます。
○ 藤井議長代理 質問の件は後でお答えいただきましょう。
では、松井委員。
○ 松井委員 松井です。ありがとうございます。非常に時間が限られているのでポイントだけ絞って発言します。福祉的就労については、総合福祉部会で検討するという形になっていますけれども、これまで70年代以降ずっとこの福祉的就労の問題については議論があって、いまだ解決されていない。そういう意味ではこの問題については今の機会を逃しては、恐らく改革するチャンスはないのではないかと考えています
福祉的就労は御承知のように雇用分野と福祉分野にまたがっているわけですから、総合福祉部会だけでの検討は不十分であって、当然併せて労働部会と調整しながらというか、両方にまたがった形で議論する場が必要ではないかと思います。
その議論には当然経営者団体、労働組合の関係者もきちんと入って、できるだけ国民的なコンセンサスを得られるような形に持っていくべきであろうと思います。就労移行支援事業のように訓練に非常に近いものもありますし、最低賃金減額特例措置といった、労働施策と調整が必要な課題ほか、雇用保障するのか、あるいは所得保障するのかという、所得保障との関連も併せて検討しなければならないので、これらを検討する部会を是非設けるべきあろうと思いますので、検討いただきたいと思います。ありがとうございました。
○ 藤井議長代理 佐藤委員。
○ 佐藤委員 佐藤久夫です。今の松井さんの発言のところと同じ部分なんですけれども、社会的事業所ということが出ています。その説明として、その運営に要する経費の一部を助成する、いわゆる社会的事業所となっているわけですけれども、運営の費用の一部助成ということであれば、今の就労継続事業だとか、授産施設でもやっているところなので、ここで新たに検討しようということは賃金補てんを含む助成ということですので、その辺の書きぶりを正確にした方がいいのかなと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 関係していますので、一旦ここで東さんや金さんの方で意見はございますか。まず、遠藤オブザーバーから質問が出ていますので、お答えいただいて。
○ 東室長 まず、賃金等に格差があるということについての根拠ですけれども、例えば雇用促進法では障害種別ごとに法定雇用率が決められているというシステムになっていないために、実際上は知的障害を持つ人などは採用がないという状況にあって、実質、雇用促進法で働く障害者の中でも賃金格差があるんだという御意見は、土本委員を始めいろいろ出されていたかと思うんです。それについて統計的なデータがあるかというと、行政自体がそういうデータを取っているのかいないのか。あるんですか。その結果としては格差があるということになるんですか。先生、知識があれば御披露願います。
○ 佐藤委員 厚労省が5年に1回ずつやっている障害者雇用実態調査というものがありまして、5人以上の事業所を全部対象にして調査している中では、身体、知的、精神とで大分賃金も開きがあって、たしか身体障害者の半分くらいしか知的障害者は受け取っていないということが出ていたと思います。
○ 東室長 ありがとうございます。指摘されると私もはっきりして答えられなくて申し訳ないんですが、そういうような状況を前提に使っていただいたということです。
抜本的な改善が求められるという表現は、実は以下の3つのパラグラフ、ポチで3つ書いておりますけれども、そこの下の結論部分につながっていくわけです。見直す方向で検討するとか、具体的方策を検討するとかというような措置を講ずるという形で具体的には書いておりますので、抜本的なという部分は遠藤オブザーバーが言われたように、根本的につくり直せというところまでで響きは持っていないのではないかなと思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○ 藤井議長代理 遠藤オブザーバー、どうぞ。
○ 遠藤オブザーバー 御質問についてお答えいただきありがとうございます。実は私もその調査を存じ上げておるのですが、これはあくまで実態がこうだということを言っているだけの話であって、本来、例えば職域が固定されていたり、狭かったり、その状況が障害の種別に応じて異なっているという分析であるならば、職域の拡大をしていこうという方向に持っていく記述ぶりだったらわかります。けれども、ややもすると、これは障害の種類によって何か賃金の格差を起こしてしまっているかのような状況が事業主サイドにあるのではないかというように読めてしまう部分がありますので、そこは記述ぶりについて工夫をいただければと存じます。職域を拡大していくことについては事業主団体としても取り組んでまいりたいと思っています。
先ほどご説明がありましたように、抜本的という表現を使ってあるのは障害者基本法のところにあるわけでして、そうするとそことの並びでどうしても見てしまうという部分は全体のストーリーからするとあり得ます。今の室長の解説を踏まえて言うのだとすれば、必要な改善策という表現で十分ことたりるのではないかと思っております。
以上でございます。
○ 藤井議長代理 では、引き続き、松井さんと佐藤委員に対して東さん、ありますか。
○ 東室長 先ほど出た、部会を今後どういうふうに設置していくんだという議論の一環だと思いますけれども、労働については、一般就労も福祉的就労も含めたようなものが必要なのかなということは前からも議論になっていますが、具体的にいつつくるというところまでは、まだそこまでの回答ができるような状況ではないです。勿論、こういう部会の必要性というのは感じておりますので。
佐藤先生の賃金補てんという言葉を明確に入れた方がいいのではないかということなんですが、その点については、今、即断できませんので、検討させていただきますということでよろしゅうございますか。
○ 藤井議長代理 これは司会の行為の越権なんですが、東さん、部会は今の事務局の機能から言っても、そう多数は難しいということは大体おわかりかと思うんです。しかし、総合福祉部会だけで労働は論じがたいとなると、折衷のような、例えば推進会議の中にワーキングチームをつくるとか、そういうふうなことで並行して議論していくというシステムなどは、東さん、考えられるとかはいかがですか。
○ 東室長 東です。そこら辺は柔軟に対応していく必要があるとは思っております。
○ 藤井議長代理 では、そういう課題意識は持ちながら、更に進めていきましょう。では、労働、雇用はこれで一旦終わります。次に教育に入ります。これに関して発言をしたい方は手をお挙げください。
済みません。では、コミュニケーションのタイムラグがあったので、新谷さん、ごめんなさい。どうぞ。
○ 新谷委員 17ページの障害者の雇用の促進のところに、現行政府における障害者の範囲については、WHO規定などの国際比較に加えてという文章を入れていただきたいと思います。念頭にあるのは、中軽度難聴者が手帳を持っていないということで、雇用でははじかれて、就労した後も職場支援がなくて退職とかいろいろな差別をうけていることで、手帳を持っている人とは大きなハンディーを背負っていますので、やはり国際比較ということを入れていただきたいと思います。
福島さんの最初の発言にありましたように、社会的モデルというのはわかるのですけれども、実際問題としてはなかなか社会的モデルを検討するだけでは改善が難しいので、国際比較というのを持ち出せば歴然とWHOと現在の手帳制度の差が分かります。それを念頭に入れていただきたいと思います。
○ 藤井議長代理 新谷さん、この件では文案、対案は何か文書で出ていますか。もしなかったら至急出していただくと。
○ 新谷委員 文書は提出しています。
○ 藤井議長代理 していますね。では、それに加えて今の御発言ということで、東さん、これはいいですね。
○ 東室長 はい。検討させていただきます。
○ 藤井議長代理 では、教育に関して発言をしたい方、挙手してください。
大谷さんだけですか。あとは松井さん。では、3人で、今度は佐藤さんからいきましょうか。
○ 佐藤委員 どうもありがとうございます。意見についは、細かく紙で出しましたので読んでいただければと思うんですけれども、教育についてもいろいろ検討しなければならないことがあるので、是非部会を早期というか、しかるべきときに設けて、そこでの検討をきちんとやるということが必要だろうと考えます。
我々の推進会議だけで今検討して何か方針を出したとしても、あなた方の推進会議の中に障害児教育の専門家が何人いるんですかと言われて、社会的な影響力や責任能力という意味では問題が生じます。やはり専門的な部会を設けるということが、勿論当事者をきちんと入れるということを前提にしてですけれども、必要なのではないかと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 討論の進め方ですね。
では、松井さん、いきましょうか。
○ 松井委員 松井です。ありがとうございます。教育の中で特に言及されていない、例えば高等教育であるとか、就労に向けての職業教育とか、能力開発のための技術教育、そういう義務教育レベルだけではなくて、高等教育についても教育の機会均等が与えられてしかるべきだろうと考えます。これは既に文書で出してございますので、御検討いただきたいと思います。ありがとうございました。
○ 藤井議長代理 では、大谷委員。
○ 大谷委員 大谷です。意見を出していますから、それに対する補足説明をさせてください。細かい表現上の問題に関しては意見を読んでいただければと思います。
20ページにポチが2つあります。20ページの1番目のポチと2番目のポチです。これを総合すると、推進会議の問題認識とすると、原則として地域の学校に就学し、学籍を置くことにし、そして、本人、保護者が望む場合には特別支援学校に行くことができるという制度に改める。ただし、その次に、今度は合理的配慮と支援の内容をそこにまたそれぞれが三者合意して決める。合意が得られない場合には、第三者機関で調整する。
このような制度枠が提案されていると思うのですけれども、気になるのは、就学先の決定や就学先における必要な合理的配慮ということをそこで検討しろということになっていますので、この就学先の決定が1番目のポチと2番目のポチに両方かかる。これは、個別支援計画の中で就学先の決定が動く可能性もあるというかなり例外的な場合を想定したことだろうと思いますので、この冒頭に就学先の決定を入れるということは誤解を生じる恐れがあるので、ここはこの文言を削除した上で、最終的に第三者機関で調整することができるというような形にしていただきたいと思いました。
そして具体的に佐藤委員のおっしゃるような専門家による部会というのは私も反対しないので是非そういう形でやっていただきたいんですけれども、そのときに従来の教育の審議会でやっていた人たちだけではなくて、インクルーシブ教育の経験者、そして当事者、この人たちの入った部会を是非設けていただきたい。それは第三者機関による調整を求めることができるとされている。この第三者機関の性格もやはりインクルーシブ教育の経験者、既に推進している人たち、この人たちによる第三者機関が予定されるべきだと思いますので、部会においてもそのことを意識した部会をつくっていただきたいと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 では、とりあえず挙手のあった方は3人でしたので、また東さんの方で感想、見解あったらお願いします。
○ 東室長 検討します。いちいち個別的に答えられるような問題ではありませんので。
○ 藤井議長代理 今の部会に関して何か見解はありますか。
○ 東室長 部会も一般的には話したとおりで、その中で検討するということです。
○ 藤井議長代理 では、教育はよろしゅうございますか。次に進みます。所得保障です。これも推進会議でもずっとこの間議論してまいった部分なんですが、これについて御発言をしたいという方はいますか。
だれも挙がらないというのは珍しいですね。中西さんね。ほかはいますか。では、一旦中西さんから御発言いただけますか。
○ 中西委員 所得保障の冒頭に、「その尊厳にふさわしい生活を保障され、地域で自立した生活」と書かれています。ここだけではなく、これはその後も出てきますが、「地域での自立した生活」や「地域移行」という表現が一番最初の段階できちんと「制度改革の基本的考え方」やその後のIIIの「基本的な課題における改革の方向性」の中で打ち出されていません。今後の医療のところにも関わりますが、きちんとし「地域移行」が出てこないといけないのではないかと思っています。
「基本的課題における改革の方向性」、IIIのところの「障害者制度改革の基本的方針と今後の進め方」の中で何か語られるのかと思っていました。しかしほとんど障害の話で、これが基本的方向性になるのは悲しいなと思いながら、地域移行というのがどこに出てくるのだろうと見たときに、各論でしか書かれていませんでした。一番大切な問題が最初の段階で言われなければ、この所得保障を初めとする論議が生きてこないのではないかと思っています。
以上です。
○ 藤井議長代理 これは何人かから出てきましたので、つまり今は所得保障の議論をしているんだけれども、中西さん、その前に全体にかぶる1つの大きなキーワードとして地域生活というところ、先ほど北野委員からインクルーシブに絡めて地域生活とインクルーシブということという議論がありましたけれども、この地域生活という辺りを少しディスカッションもこのコーナーは時間がありますので、これこそ東さん、見解はありますか。
○ 東室長 確かにおっしゃったとおり、そこら辺が明確でなかったということは反省しております。総論辺りできちっと触れるべきかなとは思っておりますので。ただ、具体的にどう書くのか、皆さんが提出していただいた意見書なども参考に検討したいと思います。
○ 藤井議長代理 では、所得保障に関してほかに発言したいという方はいらっしゃいますか。
松井さん、どうぞ。
○ 松井委員 先ほどの福祉的就労のところで少し触れましたけれども、所得を働いて収入を得ることを通して保障するのか、あるいは足りない部分については年金等で保障するのかということの政策的な検討が必要ではないかについてコメントさせていただきました。
○ 藤井議長代理 ほかに。では、この件はこれまでの議論というかペーパーで出ていますので、これらを参照して、またバージョンアップを図っていくとしましょう。
次は、4つ目は医療に入ります。この医療の分野で発言をしたいという方は挙手、ありますか。これはいっぱいいますね。
では、順番にいきます。堂本委員から順番に、全員に発言してもらいますので、よろしくお願いします。
○ 堂本委員 22ページで、本人の同意を必要とせずに強制入院に、ついては、「検討すべき問題」というのは弱いと思います。「自由はく奪されるようなことのない制度に改善するべきである」と書き換えるべきです。
同じように「保護者制度の見直し」も「検討」では実現しない可能性が高い。「検討」という表現では実現しないことが多いのです。ですから、就学については、改善を明確に打ち出している。例えば20ページの場合は、就学できる制度に改めるというような書き方になっている。
そして退院のサポートを行う地域移行への支援ですけれども、体制の整備、拡充を図るべきです。
○ ○藤井議長代理 大事な指摘だと思います。
では、関口委員、どうぞ。
○ 関口委員 意見書を出しておりますけれども、大前提の論点として、第6回及び第10回会議における精神医療の箇所は自己決定及び心身の自由について深く言及しております。よって、第10回会議での足立厚生労働大臣政務官のヒアリングの、要するに行政の問題認識と推進会議の持っている認識は大分ずれているのではないかと思って意見を書きました。
障害者の権利に関する条約は人権条約であることにかんがみ、医療の名の下に行われる自由権の制限が人権侵害になり得るということを確認してほしい。当然のことだが、強制入院が自由なはく奪へ当たらないという政府の主張は到底認められない。現実にあるのは、自由のはく奪プラス強制医療という事実である。真摯に反省し、論理的に整合性のある言葉で説明してほしい。医療が自由のはく奪を必要とするならば、厳密にその根拠を示すべきで、本来医療が必須とするインフォームドコンセントとの関係をどのように整理するのか。その際の人権保障はどうやって担保するのか。現行の制度がいずれも何らの人権の担保になっていないということは精神障害当事者の認識です。
よく言っても、医療モデルが人権を組み敷いている実態としか考えられない。既に明らかなように、障害者の権利に関する条約は医療モデルを取っていません。このままでは条約を批准できないのは火を見るより明らかではないでしょうか。
○ 藤井議長代理 今のは関口さん、ペーパーで出ているんですよね。
○ 関口委員 はい。出ています。
○ 藤井議長代理 わかりました。では、委員、お願いします。
○ 家族会のです。これは意見書を出しておりませんので、今日申し上げたいんですが、実は精神医療を論ずるに当たりましては、まず現行の制度といいますか、精神保健福祉法を改正されないとなかなかこれは難しいと感じております。精神保健福祉法が医療法と福祉法の合体であるというところから、今回この精神医療を論ずる前提として、精神保健福祉法を改正して、医療法と福祉法を別個に扱うべきと考えます。そこで医療法を一般医療に組み入れることにより、私たちは差別法と言っておりますけれども、保護者制度もなくなっていくし、また精神医療については一般医療の中でも特化しなくてはいけないところがあると思いますけれども、原則としては一般医療に組み入れられるべきだと思っておりますので、そのことをどこかに明記していただければと思っております。
以上です。
○ 藤井議長代理 さん、これは大事なことなので、文章で。実際のところ、責任は重大ですよ。
○ 了解いたしました。出します。
○ 藤井議長代理 是非ね。責任は重いですよ。
○ わかりました。
○ 藤井議長代理 今の件は、総合福祉部会は恐らく法体系を論じる場に関わってきますので、また全体に関わってくると思います。推進会議でも今のことは、そういう御意見なので。
その次は、大濱委員ですね。どうぞ。
○ 大濱委員 医療に関わる負担の軽減というところに、まず日常における医療行為として、たんの吸引や経管栄養等とありますが、これは誤りでして、医療行為としてなされているのはたんの吸引だけでして、経管栄養等というのはグレーゾーンとして医療類似行為ということではっきり違いますので、この辺の書きぶりを直していただきたいというのが第1点。
たんの吸引や経管栄養、その後段になりますが、23ページの医療に関する2つ目のポチになりますが、「たんの吸引や」というところがありますが、ここにつきましてもたんの吸引や経管栄養、摘便、褥瘡の措置、人工呼吸器操作、着脱等の日常における医療類似行為、これを医療類似行為とした書きぶりにしていただきたい。要はたんの吸引も含めて医療類似行為とした上で、これは何を私たちは言いたいかというと、医療類似行為というのは家族で基本的にいいですよと認められているのですが、現在、家族だけでなく1人暮らしなどの場合、ホームヘルパーが実際に医療類似行為をやっています。したがって、こういう形で現状認識、現状を追認するという形で医療類似行為は家族または熟練介護者、現在行為を実施しているへルパーの指導の下で行為できる介護体制をきちんと位置づける必要があるということを申し上げておきたいと思います。
一応これはペーパーで出してありますので、よろしくお願いいたします。
○ 藤井議長代理 これもかなり難しい問題かと思いますが、ひとつどうそこを克服するか。ペーパーとして出されている。
久松委員、お願いします。
○ 久松委員 全日本ろうあ連盟久松です。意見書は提出しております。今回の医療のテーマは、精神障害者の医療に関する記述が多いと思います。多いことは結構だと思いますが、他の障害を持つ方の医療を受ける行為そのものについての記述がほとんどありません。他の障害者も医療が保障される体制づくりが必要だということが1点。
例えば音声言語障害を持つ者は医者とのコミュニケーションが取りにくい。耳の聞こえない人も医療行為を受ける際、コミュニケーションが取りにくい。そのようなコミュニケーションが保障される体制をつくるということの記述をしていただきたいと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 大谷委員、どうぞ。
○ 大谷委員 これに関してはペーパーを出していません。
大濱委員の方から出された日常における医療行為ということで、たんと経管医療が出されていますけれども、医療行為という形で表現されていることに関して、表現を注意した方がいいのではないでしょうか。医療的行為もしくは医療ケアとかという形で、できるだけ幅広く認めようというときに、ここであえて医療行為という形で言い切ってしまうことに違和感を感じます。またそれが医療にかかる負担の軽減の中に書かれていますが、確かに家族の負担ということで負担が重い1例として医療的ケアのことが挙げられているとは思うのですけれども、やはり障害のある人からすると、地域で生活していくための不可欠なものということで、負担軽減の場所ではなくて、地域医療、もしくは地域生活における権利という中にくくっていただいた方が、権利性が明確になるのではないと思います。
もう一つ、これも意見書を出していないのですけれども、この総論で最高水準の健康を享受できるということになっていますので、女性の権利として特に言われている、リプロダクツヘルスライツ、性と生殖に関する健康と権利に関しては、ここで意識した文言を入れてもらいたいと思います。
ジェンダーに関する記述が一切ないので、権利条約6条に相応する条項をどこに入れたらいいのかというところは悩むところですけれども、障害者基本法における総論、もしくは健康のところに、特に女性に対しては、性と生殖に関する健康と権利に関しては留意するべきであるというような条項を是非入れていただきたいと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 では、これも大谷さん、ペーパーで。今の医療行為の問題も長い長い議論で、医療行為をだれでもさせろというのが医療法規に抵触する。今やっている行為はもう生活行為ではないかというと、表現の仕方も相当変える必要があるというような御指摘だと思います。
尾上さん、どうぞ。
○ 尾上委員 これも意見を出しておりますけれども、先ほどの医療的ケアというのが地域における介護と医療という問題なんですけれども、もう一つ、今度は地域で介護を付けて暮らす障害者が入院した場合に、重度訪問介護等を始め、ホームヘルプ制度の利用が認められるようにするなどの整備を行うという。つまり、地域において医療的ケアも含めた一体的なサポート体制が得られるということと同時に、ときどき入院医療が必要なときに、それで言わば地域生活が切断されてしまわないような両方からのアプローチが要るかなと思いますので、あらためてこれは文書で出しておりますけれども、地域で介護を付けて暮らす障害者が入院した場合に、入院中の介護が使えるということも課題の中に入れていただきたいなと思います。
○ 藤井議長代理 これは今後みんなで知恵を出していくんですが、この11分野というのはかなり専門的分野なんです。同時に福祉と就労、就労と所得保障、地域生活と医療という、当然これはまたがってくるわけです。これは今後分野別に深めていく一方で、またがっていく分野をどうするかという記述は今後工夫が要るし、是非みんなで知恵を出し合っていかないといけない。むしろまたがる分野がきっと多いと思うんです。ということで個別にうんと深める部分と、うんと横断性を持つ分という辺りの縦横の関係を今後の書き方で工夫していくとなると思います。
では、一旦医療はこれでおしまいにします。
では、北野さん、どうぞ。
○ 北野委員 簡単に1つだけなんですけれども、事実の問題でありまして、22ページのところで精神病院の社会的入院の数が7万人という表現が出ておりますけれども、これはいろんな説がありまして、つまり社会資源、地域のサービスの質量によっても変わりますし、ほかの国との比較で余り多いものですから、これは7万人と明確にされずに、さしあたり極めて多くのという表現にしておいて、あとこれから全数調査を含めてされたらと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 北野さん、政府が平成16年、改革ビジョン等の前後に出している7万人、あの数字はどういうふうに認識していますか。
○ 北野委員 7万人が社会的入院ならば、現在わが国では32万ベットですから、25万人の方のベットが精神科病床として必要であるという判断は、欧米と比べれば多過ぎるなと。
ですから、恐らく地域の社会資源が進んでくれば、もう少し多くの数の方が社会的入院と判断ができると思われます。
以上です。
○ 藤井議長代理 一旦政府の資料を出しながら、それを少し問題視するという方法もあると思うので、また書き方は7万が独り歩きしないようにというような御指摘だと思います。
次に、障害児支援について発言をしたいという方は挙手をしてください。では、大久保さん、佐藤さん、関口さんという順番にいきます。
では、大久保委員、お願いします。
○ 大久保委員 ありがとうございます。大久保です。23ページ、ルビなしですけれども、ペーパーを出していなくて発言だけで申し訳ありません。23ページの下の方で専門的支援のことについて書かれているのですけれども、ここから読めるところは、専門的支援が家族や地域社会から分離するとか、障害の軽減のみを目標とされがちであるということだと思います。決してそんなに強くは言っていないと思うのですけれども、誤解を与えるかなという感じがします。
というのは、専門的支援というのは、私の考えるところ、発達支援と家族支援そのものであると思っております。これですと専門的支援というのを否定的に見るみたいな誤解を与えかねないということで、この辺の表現を工夫していただければと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 これはもしまた大久保委員もよかったら、大至急ペーパーで出していただくということでいいですか。
○ 大久保委員 はい。
○ 藤井議長代理 それでは、佐藤委員、お願いします。
○ 佐藤委員 障害児の放課後の保障。放課後とか休日の期間の保障ということが先般の団体ヒアリングの中でも強調されていたので、是非それも一言加えていただければと思います。
○ 東室長 放課後と何とおっしゃいましたか。
○ 佐藤委員 休日というか、夏休みだとかです。
○ 藤井議長代理 では、関口委員、どうぞ。
○ 関口委員 他の障害のこともと言われたので、発達障害のことを少し言いたいと思うんですけれども、多分専門的な支援も勿論必要な方も多くいらっしゃると思うんですけれども、教育とも関連しますけれども、それが分離。つまり私は学校でも何でもそうですけれども、一人ひとりが特別な支援を受けていく、固有の個性を持っていると思っていますので、その範疇でできるものはその範疇でなるべくやって、なるべくスティグマを負わせるようなことはないようにと考えています。
この問題について、発達支援の当事者の方にも直接どこかの部会に入ってもらってやってもらいたいと思います。
○ 藤井議長代理 少しまだ時間がありますので、この障害児支援の御発言はいかがですか。専門家がいないから議論が低迷というのはしようがないので、いいですか。
では、次に進みます。虐待防止です。目下の焦点になっているんですが、これに関して発言をしたいという方はいらっしゃいますか。
では、土本さん、堂本さん、関口さんの順番でいきましょうか。
では、土本委員、お願いします。
○ 土本委員 土本です。虐待防止についての部会をつくってほしいと。部会をつくらないとなかなか議論が進まないのではないか、話が進まないのではないかと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 部会をつくる。
それでは、堂本委員。
○ 堂本委員 先ほどと同じですが、最後の締めが、「次の方針に沿って検討されるべき」となっています。こここはもう少し強く言っていただきたい。特に早期発見にについて書いてありますけれども、精神病院の中の虐待は重要課題。は千葉県では高齢者に手錠みたいなものをかけたり、ベッドに両手両足を拘束したり、といった事件が起こっています。ですので、虐待については相当強い調子で、強い語尾で示していただきたいと思います。ありがとうございました。
○ 藤井議長代理 では、次は関口委員ですね。お願いします。
○ 関口委員 関口です。精神病院の中での虐待ということが1つあります。精神障害者に対する行き過ぎた干渉は、虐待を構成するということを是非理解していただきたいと思います。
土本さんが先ほどおっしゃっていたこともあるんですけれども、虐待防止については抑止のための虐待者への不利益処分が不可欠と考えています。その場合は、刑法よりも構成要件を緩和することも考慮する必要があるかと思います。同時に、虐待があったかなかったかという挙証責任の割合、按分も虐待者側にも重く課すべきであると考えております。
以上は意見で出しました。
○ 藤井議長代理 この虐待防止に関しては、今国会でも法案が上がっていて、かなり緊迫している状況ではあるんですが、この推進会議で重視しているテーマはなんです。少しまだ時間がありますので、御発言したい方はいらっしゃいますか。もう一回。
では、関口さん、どうぞ。
○ 関口委員 今、言ったようなことは、今のかかっている虐待防止法には多分何も入っていないんです。ということで私の論点は、拙速の法案の提出には反対という論点で書いておりますので、そこに書いてありますけれども、そういうことです。
○ 藤井議長代理 では、東さんから発言を求められたので、どうぞ。
○ 東室長 この分野に関しては、議員立法という形で議論が進んでいるわけです。この推進会議は、推進本部に意見を挙げて、政府としてどうするかという課題について議論するという形になるわけです。
1つの守備範囲として議員立法というところまで形式上でいえば及ばない。だから、普通に担当庁ということを考えると、従来の児童虐待防止法とかという絡みでいえば、虐待防止法は厚労省になりますね。
ですから、議員立法との絡みでどういうふうに言うべきかというのが難しい点だということだけ頭に入れておいてほしいなと思います。
○ 大谷委員 では、反対と言ってはいけないのか。
○ 東室長 だから、どうするかという。
○ 藤井議長代理 この問題は東さんも事実をおっしゃったんだけれども、通常は政府与党なので、与党が賛成しなかったら幾ら議員立法でも困難なわけですから、ある面では政府の見解は大きいと思うんです。
一方で、今週にもそういう可能性もなくはない。こういう推進会議でやっている議論というのは一体何かということも確かにあるんです。だから、それはまた後でありますから、そこでとはなかなかなりにくいんですが、場合によっては法が通ってからまた引き続きいくかもわからないし、そんなことも状況にはあるということも知っておいてもらった方がいいと思います。
大濱さん、ありますか。
○ 大濱委員 今、必要なことは、確かにそのような多分に難しいことはあるんでしょうが、やはり推進会議として虐待防止についてはいかがなものなのか。議員立法については精神障害が入っていないとかかなり問題点があるわけで、それについてはいかがなものかというその一言ぐらいは出していただければありがたいなというのが1点です。
つい最近の新聞等の報道によりますと、厚生労働省の調査でも、これは認知省の施設で8,000人ぐらい虐待状態があったという事実が報道されたりしていまして、これは表に出ているだけの数字ですから、水面下では相当な虐待があると思っています。
したがって、これは身体拘束の話ですが、虐待の部会も含めて、もう少し虐待については突っ込んでいただきたいと思っています。
○ 藤井議長代理 東さんから何かありますか。
○ 東室長 おっしゃることはよくわかります。部会も例えば虐待と差別禁止という問題も絡むので、一緒にという手段もあるかなと。選択の可能性としては一応考えてはいるんですけれども、まだ具体的にというところまでは進めていない。
○ 藤井議長代理 ということです。次に進みます。建物利用、交通アクセスの方に移りますけれども、この分野について発言をしたい方、挙手してください。久松さん。ほかにいいですか。
では、久松さんから発言していただきながら、また考えてください。では、久松委員、御発言をどうぞ。
○ 久松委員 全日本ろうあ連盟、久松です。意見書は提出しております。移動の権利という言葉が入っていることについて、大変よいことだと思います。移動に関する情報アクセスが保障されないという問題につきまして、前の審議のときに繰り返しお話ししました。
移動に関する情報が入らないという、これは聴覚障害者だけではなく、視覚障害者、発達障害者、重複障害者、知的障害者も含まれます。移動に関する情報が入らない方々は多々いますので、移動に関する情報アクセス権という言葉を是非入れていただきたい。そうでないと、移動は権利であるが、移動に関する情報にアクセスすることは努力義務という言い方が出されることが多くなりますので、是非明記してください。
○ 藤井議長代理 久松委員のペーパーを読ませていただきますと、これはペーパーの中に入っていますね。ほかにいかがでしょうか。いいですか。
では、情報アクセス・コミュニケーションの分野に関して、まず発言したい方は挙手いただけますか。新谷委員からいきましょうか。
○ 新谷委員 新谷です。26ページ、文書は提出しておりますけれども、ここで「我が国においては、情報や考え方を伝えるためのサービス(手話通訳者等)や情報や考えを得るためのサービス(要約筆記者等)」と書き分けていますけれども、これはコミュニケーションに対する理解を誤っていると思います。
コミュニケーションは手話通訳であり、要約筆記者であり、考えを伝えることもやるし、考えを受け取ることもやりますので、この書き分けは変えていただきたいと思います。
もう一点、ここも文書を出しておりますけれども、コミュニケーションに対する考え方として、私たちは障害を持っている人だけがコミュニケーション支援を求めるのではなくて、聞こえの障害とかほかの障害を持たない人もコミュニケーション支援を求めているということを何度も主張しています。こういう会議の場にコミュニケーション保障を付けるということは、私が聞こえていないからだけではなくて、聞こえる方のためにもコミュニケーション保障というのはあるわけですから、コミュニケーションしようとする場に対する保障だという考え方を明記していただきたいと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 では、関係があると思いますので、久松さんの御発言も一緒にいただきましょう。
○ 久松委員 全日本ろうあ連盟の久松でございます。意見書も提出しております。意見の中の1つは、新谷委員の御意見とダブる面がございますので、それは割愛させていただきますが、まず今回、移動に関する権利について、先ほど建物利用について申し上げました。
今回、情報アクセス・コミュニケーションに関する文の中に権利性が明記されていません。「自ら必要とする言語及びコミュニケーションを選択する権利」という言葉を明記していただきたいと思っております。
次にコミュニケーション支援全体を制度として、法的な制度とするよう抜本的な見直しをしていただきたい。具体的には通訳者の養成の拡大ということではなく、手話通訳者の養成のみならず、資格認定、公的機関への雇用、設置、また身分保障等、基本的な制度そのものの見直しを図るという考え方を入れていただきたくお願い申し上げます。
以上です。
○ 藤井議長代理 ほかにこの分野について発言したい方はいらっしゃいますか。
では、土本委員、どうぞ。
○ 土本委員 わかりやすい情報として適切な支援が必要だということです。依然として公的に認められていない支援がまだまだあります。まだまだ自分たちの声が小さいということも含めて、これからも言い続けて、大きな声で言わないとなかなか支援が付かない。行政にも言っているんだけれども、それは付かない、認めないということも含めて言ってきている部分があります。そういうことは自分たちの情報がわかりづらい、そこで止まってしまって、会議でもそこで座っていろと言わんばかりのことではないかなと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 土本さん、そうすると、一番情報とかわかりやすさという点で言うと幾つもあると思うんですが、人の支えは大きいんですか。一番大きいのはどういうことなんだろうと。
○ 土本委員 例えば今日、推進会議の資料としてもアドバイスを受けてこういうことを書かれているということで、自分の中に入らないとなかなか発言ができないし、自分が発言するわけではなくて、多くの仲間が支援を求めているのになかなか支援が認められていない部分。会議とか、出かけているときも含めて支援が足りない。いろんな情報が、多少駅とか振り仮名を振っているんですけれども、振り仮名が振れないところもいっぱいあるから、そういうときにも支援の説明が必要だと。
いろんな場面で自分たちの困難を抱えているということだと思うし、なかなかそういうことを伝えきれない仲間もいますけれども、自分だけでいいのではなくて、もっと多くの人たちがそういう情報を受けて経験をして達成感をしてもらいたいなと思っています。
○ 藤井議長代理 では、この分野は一旦これで。
佐藤委員から手が挙がっていますか。どうぞ。
○ 佐藤委員 済みません。佐藤久夫です。久松さんにお伺いしたいんですけれども、手話通訳、要約筆記などの養成、派遣とかそういうものを含む情報コミュニケーション法ということを独立したものとして考えたらどうかという御提案だと思いますけれども、その辺のことをお聞きしたいんです。
いつまでも障害者福祉の制度の中で手話通訳などの位置づけを持っていくということでいいのかどうかなのか私も疑問でありまして、やはり情報コミュニケーションという、福祉も人権ですけれども、また違ったタイプの人権がきちんと独立した法律の下でなされるということの意味は非常に大きいと思うんです。
そういうふうにして申請の窓口なども変えるというようなことになると、聴覚障害者が同時に福祉サービスも必要だというようなときに、あちらへ行け、こちらへ行けというようなことで不便なことにはならないのか。
土本さんなどでも、やはり知的障害のある人の情報保障だとか、コミュニケーションだとかということも、恐らくそういう法律ができれば考えることになるんだろうと思いますので、やはり福祉とコミュニケーション保障と両方必要なときに窓口が違うというようなことの不便とかそういうこともあり得るのではないかなと思うんですけれども、その辺まだまだわからないところがあるにしても、お考えがもしあれば、時間があればついでにお聞きできればと思います。
○ 藤井議長代理 是非委員間のこういう議論はとてもいいと思いますので、久松さん、今の御発言、質問の趣旨はわかりましたか。
○ 久松委員 はい。全日本ろうあ連盟の久松でございます。お時間をどのぐらいいただけるでしょうか。
○ 藤井議長代理 できれば3分ぐらいでいかがでしょうか。
○ 久松委員 佐藤先生から御質問をいただき、本当にありがとうございます。なかなかコミュニケーションの問題につきまして、あるいは手話について、言語についての質問というのは余りなかったものですから、非常にありがたい、いい御質問だと感謝申し上げます。
この日本の考え方といいますか体質というのは、なかなか言語という言葉に対して、またコミュニケーションという言葉に対してなじみがない体質だろうと思います。学校教育では教育とは国語であって、日本語という考え方ではない。また、本当は日本の中にアイヌ語という言葉を使っている方々もいらっしゃいますし、またいろいろな国から来られた外国人の方々、自分の国の言葉を使っている方々もたくさんおられます。しかし、日本というのは日本語だけということで、私たち聞こえない人たちが手話を使う立場としては、こういう言語体質の世界にはなかなか入りにくいという大きな言語的コミュニケーションの面での壁というものを感じております。
ですから、本当に繰り返し繰り返しコミュニケーションという言葉についてずっと申し述べてきました。コミュニケーションは私たち聞こえない人だけが使うものではありません。私たちろうあ連盟が、コミュニケーションの必要性というのを繰り返し訴えてきたことで、効果も非常に大きかったと思います。
例えば視覚障害者の移動に関しては移動支援だけではなく、移動の中でさまざまな町の状況、情報があります。そういう情報が入らないと困るという現状、また視覚障害者もコミュニケーション支援が必要だという意見も出ております。知的障害者、発達障害者もコミュニケーションの必要性というものを言い始めています。ですから、コミュニケーションという言葉が最近新たな言葉として非常に広がっている、波及していると思っております。
今後いろいろな人が自分に合ったコミュニケーション選択ができると、自分が音声の言語を使っていない方でも、また代読というような制度も使って、人に頼んで機械を使って、また自分の言葉で伝えるという制度的な保障というものが今後必要だと思います。
私たちは手話です。例えば盲ろう者の方は指点字、また触手話がそれぞれ必要な方がいます。それぞれニーズがあるということが必要だと思いますので、そういう配慮の中身につきまして、改めて機会をつくって、皆様方に資料をお配りしたいと思っております。時間を過ぎてしまいましたので終了したいと思います。
もう一つ、最後に申し訳ございません。総合福祉法の中で、私たちはコミュニケーション支援を受けるということだけではなく、コミュニケーションが保障された上で福祉サービスを受けるという考え方で整理をしたいと考えております。それが総合福祉法とはまた別にコミュニケーション法をつくるという考え方と理解していただければ幸いだと思っております。
以上です。
○ 藤井議長代理 大変大事なことなので、こういう短い時間では申し訳なかったんですが、しかし、その一端をみんなで少し学び合ったとさせていただきます。
この分野に関して、これは一旦休憩が入りますが、東さんの方で何かございますか。特にいいですか。
○ 東室長 東ですが、意見書も出されているところだと思いますので、検討します。
○ 藤井議長代理 それでは、少し発言を制限したら随分発言が減りまして、残り3分野になっています。少し15分を欠けますが、今から16時5分まで休憩をしまして、そして残りの3分野、恐らく全体を通してまた発言もあると思いますので、そこら辺も含めて残り時間を使わせていただきます。
では、16時5分まで休憩に入ります。
(休憩)
○ 藤井議長代理 では、個別分野は残り3つありますので、第2ラウンドと同じ方法で進めてまいります。最初に政治参加、司法アクセス、国際協力ということで進めてまいります。
まず、政治参加について議論に入りますけれども、発言をしたい方は挙手していただけますか。
では、森委員から発言をお願いします。
○ 森委員 日身連の森でございます。どうもありがとうございます。1点だけお願いしたいのですけれども、28ページ、「選挙活動における配慮等」で真ん中あたりですが、選挙権、被選挙権に関わる成年被後見人の欠格条項のことでございますが、「差別化する人権侵害の側面が強いことから、廃止を含め、その在り方を検討する」ということになっております。
私とすれば、これは私がこの間提起したわけでございますが、在り方ではなくて、廃止をしていただきたいというような書き方はできないかなと思っております。御案内のとおり、これは人権を守るためにできている制度が、反対に人権を侵害するような形の中に位置づけられております。といいますのは、この欠格条項はほとんど法を犯した者が羅列されているわけです。その中の1項目として成年後見人というのが位置づけられているということでございますので、その辺を御検討していただきたいと思っています。
以上でございます。ありがとうございました。
○ 藤井議長代理 では、これに関しては東さんからコメントを求めていますので、どうぞ。
○ 東室長 私もおっしゃることはそのとおりだと思うんです。ただ、ここで選挙活動における配慮等ということで、その柱書きがあってポチが3つありますけれども、いずれも括弧して下の方で国会関係と書いてあるのがおわかりだと思うんですけれども、実はここに書いてある事項は、ほとんど総務省関係でどうこうできる事項ではなくて、すべて国会議員の身分とか国会議員の選挙活動に関連する問題で、ほとんど各党・会派で議論の上で具体的に法律を改正するとか、審議するとかという経緯だったそうです。
ですので、政府というレベルで国会でのそういう決め方について度外視して、総務省の方で法改正案を提案するということは非常に難しいということが言われているわけです。ですから、ここの書きぶりも国会においてこれを考えてくれということが1つ前提の問題としてあります。その上で書きぶりをどうするかということはおっしゃったとおり工夫の余地があるとは思ってございます。
○ 藤井議長代理 森委員、いいですか。
○ 森委員 わかりました。よろしくお願いします。
○ 藤井議長代理 では、新谷委員、挙手していますので、どうぞ。
○ 新谷委員 何点かあります。司法手続について29ページ。
○ 藤井議長代理 済みません。政治参加のコーナーで今やっていますので、そのコーナーですと。
○ 新谷委員 政治参加だけですか。3つ挙げられたので、3つともではないのですか。済みません。
○ 藤井議長代理 次に司法にいきますので、一旦政治参加に限定して発言していただけますか。ほかにいいですか。
尾上委員、どうぞ。
○ 尾上委員 こちらの方、ペーパーで出すのを忘れたので後で追加をいたしますけれども、先ほどの成年被後見の欠格条項に関してですが、広義の意味での政治参加になるのかもわかりません。別のところになるのかもわからないですけれども、成年被後見の欠格条項というのは、選挙権、被選挙権という非常に重要なものに加えて、いろんな団体の役員になったり、あるいはそれこそ地方公務員の試験を受ける際にも欠格条項ということになって、広い意味でのいろんな公職に就いたり公的活動をしていくというところの制限にもなっているので、ここの選挙活動における配慮等ということになると違うのかもわからないんですが、選挙権、被選挙権などというか、この欠格条項の部分を選挙権、被選挙権だけではなくて、そういう公的活動に関するという読み方ができるような文章を私も追加の文章として考えてみたいと思いますが、そういったことの検討をお願いしたいと思います。
○ 藤井議長代理 では、これに関しても東さんから発言を求めますので、どうぞ。
○ 東室長 今、御指摘の点は、差別禁止とも重複する部分かなという感じもしますけれども、切り分け方として両方ともに触れるべきなのか、差別禁止でもう一回やるべきなのか、もしくはこちらだけでやるべきなのかという点についてはどうお考えですか。
○ 尾上委員 総論としては差別禁止の中で欠格条項の全般的な見直しというのがあるべきだと思うんですが、特に今回の政治参加というのがもちろん選挙で中軸になると思うんですが、被選挙権があっても、そこに至るまでいろんな団体の活動や公的公職に就けなければなかなか被選挙権まで到達しないということなので、切り口が違うと思うんですけれども、両方にまたがるマターかなと理解しております。
○ 藤井議長代理 東さん、いいですか。
○ 東室長 そこは枠組みを整理した上で検討させてください。
○ 藤井議長代理 ちなみにここでこのことを議論したとき、読み上げた権利条約第29条は政治活動及び公的活動への参加ということになっているわけで、今の問題と関係してくると思うんですが、今日の原案は政治参加ということなんですが、その辺もう少し併せて検討をしていただく。
また尾上さん、ペーパーがもしあればお出しいただけますか。
○ 尾上委員 はい。具体的に考えて提案させていただきます。
○ 藤井議長代理 ほかにいかがでしょうか。なければ次に進みます。では、司法アクセスになりますが、先ほど新谷さんからも手が挙がっています。ほかにこの分野で発言をしたいという方は、関口さん、久松さん、大谷さん、新谷さん、あとは。
では、新谷さん、久松さん、関口さん、大谷さんの順番に発言を求めますので、準備をお願いします。
では、新谷さんからどうぞ。
○ 新谷委員 新谷です。29ページ、捜査段階のところで、手話通訳者、筆記者と書かれていますけれども、これは意図的に筆記者と書かれたら別ですけれども、私の理解は、ここは手話通訳者、要約筆記者です。捜査段階は筆談で構わないという暴論を吐く人がいましたので、そういうことに賛成の趣旨ではないですね。それでは、要約筆記者としてください。
後半段階は、明確にこの間の法務省の回答にもありましたように、筆記者ではなくて要約筆記者と明記いただきたいと思います。
もう一点、29ページのペンディングの方に入るのかもわかりませんけれども、法務省に要望する事項として、裁判の傍聴に当たってのパソコンの要約筆記による全体投影や磁気ループの設置など、傍聴者に対する権利配慮をお願いしたいということです。これは私の実体験を踏まえています。わざわざ自分が要約筆記者を連れて行かないと裁判傍聴が全くできませんので、それは裁判設置側できちっと準備していただきたいということです。
以上です。
○ 藤井議長代理 では、久松さん、どうぞ。
○ 久松委員 全日本ろうあ連盟の久松です。朝8時45分までに意見を提出しなければならないということでしたので、今回、司法手続に関する意見は時間切れで息切れしまして、ペーパーで出せませんでした。後ほどペーパーで出したいと思います。
司法手続に関して繰り返し言っていることですが、音声言語の通訳と手話通訳等の通訳について。通訳料、通訳に係る費用は無料であるべきということを法の中に明文化していただきたい。入れることを強く求めたいと思います。国連の人権条約にも無料と明記されていますので、そういう精神に則れば、これもひとつ生かしていただきたいと思います。
あと、報告ですけれども、全体の法務省へのヒアリングについてデータがあるかということで求められましたので、今、データを大阪、東京辺りで実態のデータを整理しているところです。後で改めてまとめて報告します。対策室の方に提出したいと思います。よろしくお願いいたします。
○ 藤井議長代理 では、関口委員。
○ 関口委員 これは文章で提出していますけれども、法務省のヒアリングのときに出し忘れていた追加意見として出した分を含んでおります。前提として他のものとの平等に基づいて司法の適正手続が必要ということは28ページにも書いてあることですけれども、精神障害者にのみ検察官のいわゆる起訴便宜主義の趣旨を適用しないわけです。つまり、軽い罪でもって謝っていて示談が成立しているような場合には不起訴という判断をして、普通の人だったらそのまま不起訴になるわけです。例えば全治一週間とかそれくらいですから。
ところが、必要的に医療観察法を申し立てなければいけないということで、精神障害者だけそこで不利益を受けるという形になっております。これは取扱で差別であるのではないか。弁護士が医療観察法では少年法と同様に付き添い人としているのも差別であります。精神障害者のみこの医療観察法では起訴状一本主義でなく、いきなり裁判長のところに意見書が行ってしまうのも差別であります。
公判前整備手続との法的な違いを説明してほしい。取り調べ段階においては、医療保障は医療の優先が精神障害者にも促されるべきであって、大けがをしている逮捕された健常者には治療が優先します。医療は迅速に、司法判断は慎重にというのは本来あるべき姿であろうと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 では、大谷委員、お願いします。
○ 大谷委員 大谷です。簡単な文書を出していますけれども、力尽きてはしょりましたので、少し補足させてください。
司法のところで意見なんですけれども、捜査段階、公判段階と規定されているんですけれども、基本的な問題意識として、まず被拘禁、逮捕された以降、釈放されるまでの間の権利保障、もしくは具体的な処遇上のもろもろの保障がされていないということが共通の認識としてあったと思います。
ですから、まず第1段、第2段と一番最初の28ページの2文になっていますけれども、第3段落目に被拘禁施設内における処遇においても、障害特性が理解されていないがゆえに不利益取扱が見逃されているという文章は是非入れていただきたいと思います。それを踏まえた上で、これは捜査段階と公判段階にはそれぞれ手話通訳、要約筆記者等々保障せよとなっているにもかかわらず、受刑中の処遇とせっかくくくりを分けたにも関わらず、ここのところが非常にあいまいな表現になっていて、抽象的になっています。ですから、ここにももう少し具体的に権利保障的な文言を入れていただきたい。
ちなみに、受刑中となると、刑が確定してからだけのことになりますので、被拘禁中、逮捕されてから釈放されるまでということを広くとらえる概念として、被拘禁中の処遇と文言を改めていただきたいと思います。
最後に司法関係者の研修ということにも、司法関係者の中に矯正関係者、刑務官、警察官を含むということは明記していただきたい。これは権利条約も13条が司法手続の利用の機会の中に常に括弧して、警察官及び刑務官を含むと注意書きで書かれています。やはり司法関係となると、矯正関係、刑務官等々外される恐れもあるので、条約においても注意的に括弧書きで記載されていますので、ここは意識して矯正関係者、刑務官、警察官を含むということは明記していただきたいと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 では、以上でこの件は終わりますが、最後にこの分野で東さんの方でコメントはありますか。
○ 東室長 東ですけれども、大谷さんもペーパーを出していただいているんですね。
○ 大谷委員 出していない。
○ 東室長 出していただければ。検討したいと思います。
○ 大谷委員 済みません。
○ 藤井議長代理 大谷さんももう一度補強し直して、力が尽きたというのはわかりますけれども、頑張っていただいて。
では、各論分野では最後になりますが、国際協力にいきましょうか。この分野で御発言したい方、挙手。
では、中西さんからいきましょうか。
○ 中西委員 中西由起子です。ここの最初の書き出しがかなり後ろ向きで、一昔前の障害者白書のような書き方です。実際協力をするのは我が国の障害者施策の推進に資するというよりも、むしろ国際社会の一員としての責務を障害分野でも果たしてほしいということであって、次に「リハビリテーション等の技術交流」とか、「技術者養成」とかが出てきますが、これは直接障害者に資するものではなくてなりません。この点では今の白書の方が進んでいます。きちんと障害当事者の能力構築を明記してほしいと思います。
第三次の10年に対する貢献を要請していますが、それならばここに第二次に貢献してきたというだけではなくて、第一次も付け加えてほしいと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 これは中西さんはペーパーでは出ていましたか。
○ 中西委員 ペーパーは簡単に書かれているので、書き換えなければいけないなと思いながら発言しました。
○ 藤井議長代理 では、これも補強、修正したものをお出しください。
○ 中西委員 はい。
○ 藤井議長代理 では、松井委員、どうぞ。
○ 松井委員 松井です。ありがとうございます。
今、中西さんの方からも指摘がありましたけれども、最初の部分は障害に特化した協力という形になっていますが、一般住民を対象とした国際協力にも障害の視点を入れるということによって、障害を持つ人たちがより幅広い国際協力の受益者になり得ると思いますので、その観点を入れてほしいということはペーパーとして出してございます。
障害の視点を障害分野以外の国際協力に入れていくとすると、その企画の段階から当事者の参加が確保される必要があると思います。その点はペーパーに出しておりますので、よろしく御検討ください。ありがとうございました。
○ 藤井議長代理 では、関口委員、どうぞ。
○ 関口委員 第7回で出された国際協力討議の必要性に関してのペーパーに加えてですけれども、意見として、日本政府はグローバル化が進み、国境の垣根が低くなった今、ODAは決して先進国から途上国への施しではなく、日本を含む世界の共同利益追求のための手段であると位置づけております。であるとするならば、そこから日本にとっても有益な成果が得られるような国際協力の在り方を考えていただきたい。
具体的に言うと、今、何人かの方がおっしゃったように、当事者がちゃんと参画するとか、そういうスキーム自体、ハコモノをつくって障害者会館みたいなものをつくってそれでよしとするのではなくて、むしろ立体的な交流とか、そういうことをちゃんとやっていただきたいと思います。
○ 藤井議長代理 国際協力については、それぞれペーパーで補強ということもありますので、東さん、いいですね。
○ 東室長 はい。
○ 藤井議長代理 それでは、全体、各分野11分野には入っていないだとか、あるいは11分野もう一言言っておきたいとかという、少し時間がありますので、いかがでしょうか。
まだ発言がなかった長瀬さん、尾上さん、久松さんですか。佐藤さん、関口さん。短時間でお願いします。
では、長瀬さんからいきましょうか。
○ 長瀬委員 東京大学の長瀬です。ありがとうございます。この発言のために国際協力のところも我慢しておりましたので、ありがとうございます。
まず、この意見書全体についてなんですけれども、私たちは推進会議から国民や市民に対して語りかけるという姿勢が非常に大切であると考えていまして、残念ながらところどころそれが欠けていると読めてしまう箇所があると思っています。
私たちは民主的に選ばれた政府によって指名された立場であり、つまり今は私たちがこの政府の立場ですから、高みに立った、いわゆる上から目線であるという誤解を避ける必要があると思います。それは意見書にも一部書きましたけれども、例えば14ページの「障害の捉え方」のところでも、「根本的には国民全体の意識変革」とあって、これは政府の文書によくある国民の啓蒙という観点で読めてしまうので、そうした誤解を本当に避けるという観点から見直しをもう一度検討していただければ幸いです。
それが第1点で、第2点がこれと関連する社会的なアピールという点で、先ほど土本さんからお話のあった、この意見書のわかりやすいバージョンの作成ですが、それについてはもし私でお役に立つことがあれば協力をしたいと考えております。
そして、当然ですけれども、土本さんにもお目付け役といいますか、モニターとして協力をお願いできれば幸いだと思います。このわかりやすいものは、知的障害者を念頭に置いてつくることになりますけれども、例えば子ども向けだったり、社会全般に向けてのアピールとしても活用できると思います。
また、関連して、点字版はできると思いますけれども、是非、手話版の検討もお願いしたいと思います。例えば権利条約本体の方ですけれども、ハンガリーはハンガリー手話版を国連のサイトに掲載しています。ですから、意見書の手話版について、お名前を出して恐縮ですが、例えば久松さんに協力が得られるといいなと思っております。
この推進会議として、意見書自体についてもさまざまなアクセシビリティ、合理的配慮を模範となる形で確保するという社会的アピールが、この推進会議への政治的なサポートを得るという意味でも大事だと考えています。
最後になりますけれども、これはコメントにも書きましたが、障害のある女性の問題、社会的性別の問題であるジェンダーの問題についてです。どこに入れるのかわからないというコメントを書きましたけれども、先ほど大谷さんから御提起があったように、基本法の総論部分と、まだまだ優生思想が残っている健康に関する箇所、両方で必要と考えます。ありがとうございました。
○ 藤井議長代理 大変大事な具体的提案もあったり、またここは検討するという方向で受け取ればいいのでしょうか。
続きまして、久松委員。
○ 久松委員 全日本ろうあ連盟、久松です。今、長瀬先生からわかりやすい文章を私がつくりますと言っていただき、感動しました。手話版について、私どもがつくるように努力いたします。
1つ新しい追加項目についてですが、論点整理のとき、全く議論ができず今回議論の対象にならなかったのですが権利条約でも大切な項目として入っている文化、スポーツのテーマです。これは日本にいるたくさんの障害者が文化活動に参加する、また文化化活動を享受したい。スポーツも競技スポーツ、あるいは生涯スポーツに参加し、楽しみたいという声が多くあります。そのような文化活動に参加でき楽しみ、スポーツ活動に参加し楽しむ、そのような体制づくりも非常に大切で、皆さん関心の高い分野だと思います。ですので、この分野を項目に入れていただきたいと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 権利条約の第30条、文化生活及びレクリエーション、余暇、スポーツへの参加という辺りですね。これはどうするのかですね。
では、尾上さん、いきましょうか。
○ 尾上委員 推進会議で議論をした最後の日、4月12日のときに、障害者施策の予算確保に向けた課題で大分時間を取って議論をしたと思います。これはペーパーで具体的には出しておりますけれども、これに対応した項目を追加いただけないか。これは個別分野なのか、基本的な部分なのかありますけれども、その際、この4月12日の議論を思い起こしますと、1つはOECD諸国の中でどうかということで、もちろんいろんなデータとかそういうのも更に精査は要るわけですが、どう見ても低過ぎるということで、今の日本の経済的な状況とかを含めての適切な規模という全体の大きさの問題と、もう一つは先ほど前半の方の議論でありました、地域で暮らす権利であったり、病院や施設からの地域移行というのが今回の制度改革の基調的なトーンだと思うんですが、それに対応した、つまり入居施設やあるいは入院医療を中心になってきたものから、地域生活中心に構造転換をしていくようなものが要る。それが2つ目。
更にもう一つが、そのとき指摘されたもので、地域間格差が障害者施策の場合大きい。とりわけ地域での暮らしに関わっての地域間格差の問題。そういう意味での全体の予算規模の大きさの問題と、施設、病院から地域へという構造転換を進めていくものと、地域間格差を是正していく。そういった3点から、そういう仕組みを含めた予算確保をどうするのかというようなことを是非課題として挙げていただきたいと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 長瀬委員、久松委員、尾上委員、もう三人手が挙がっていますが、これは東さん、ここで何らかコメントがあれば一言いかがですか。
○ 東室長 推進会議の場だけの情報保障というだけではなくて、やはり意見として多くの人に提示することになるような意見書についていろんなバージョンをつくるということについては、是非ともやりたいなと私個人としても思いますが、時期の問題として、同時並行的にというのは若干時間的に無理だと思います。だから、遅れた形になろうかとは思いますが、そのことは努力しなければならない課題だと認識しているところです。
全般的にジェンダーの視点をどう入れ込むかというのは、権利条約でも最後に出てきた課題としてありましたけれども、これも全体を見通した上でどう入れ込むかということについて、長瀬さんの方から具体的な提案をいただければありがたいなとは思います。
久松さんから出ました手話についての今の問いですけれども、あと文化、スポーツとのテーマについては確かに権利条約でも触れているところですし、本来議論しなければならないところだったんですが、これまでの会議のテーマにはなっておりませんでしたので、ここは第二次意見書に盛り込めれば盛り込むべく今後議論を進めていくということになろうかと思います。
尾上さんから出ました点ですが、確かに予算確保の問題については議論されましたけれども、それと同時に、政府全体のお金の使い道をもう少し具体的なデータに基づいて検討したいからということで要望がありましたね。ですので、そういう資料をもう少しベースにして、より客観化した議論を続けなければならないかなと思っておりますので、今回皆さんに提案したところからは省いているという形にはなっております。
ただ、総論的にはどこかある程度触れる必要もあるかなと思っていますので、11の分野の各論みたいな形で、1つの分野としてはなかなか難しいでしょうけれども、どこかの総論的な部分に入れ込めれば入れ込みたいなというようなところです。
大体そういうところですかね。
○ 藤井議長代理 地域生活、地域間格差とか、構造転換とおっしゃったけれども、その辺も。
○ 東室長 だから、そこら辺についてのもう少し客観的な検討が細かく書き込むためには要るかなと。ですので、包括的な書き方にならざるを得ないかなと思いますけれども、言葉としてはどこかに挿入できればとは思って。
○ 藤井議長代理 お三方、いいですか。
では、関口さん、佐藤さん、堂本さんの順番にいきます。
関口さん、どうぞ。
○ 関口委員 精神保健福祉法と医療観察法をどうしてくれるのかという話がありまして、と申しますのも、1985年に出た日本における精神障害者の人権と処遇に関する国際法律家委員会及び国際医療従事者委員会合同調査団の結論と勧告というのがあります。そこで書いてあるのは、現在の状況、つまり1985年ですけれども、現在の日本の精神保健医療システムは精神障害者の人権及びその処遇の観点から見て、著しく不適当であると言わざるを得ない、と書いてあるんです。
主要な問題点として、入院手続中及び入院中の患者の法的保護の不十分さ、長期入院処遇の優位と地域内での処遇、地域内での社会福祉の相対的不足に特徴づけられるケアシステムと書いてあります。確かに法律は2回変わりましたけれども、この状況は変わっていない。これをどうしてくれるんだというとこが聞きたい。
○ 藤井議長代理 佐藤委員、どうぞ。
○ 佐藤委員 佐藤久夫です。追加すべき項目として、何点かあるわけですけれども、1つとしては、基本合意文書というのをきちんと紹介する必要があろうかと思います。
自立支援法の訴訟の基本合意について、我々も検討の材料というか、基礎として使ってきたわけですので、それが改革への1つの大きなインパクトになっているというのもまた事実なわけですので、これを位置づけるということと、障害のある人とのその家族の実態という部分を項目として起こす必要があろうかと思います。
先ほども意見が出たように、一般市民の皆さんにわかっていただくということが大事なわけで、しかし、今この素案の中を見ると、日本でどのくらいの数の障害者かいるのかというということについてすらデータが紹介されていないので、やはり基礎的なものは出す必要があるのではないかと。社会的入院だとか、入所の実態だとか、身体障害者実態調査の中で家族介護がまだいまだに中心になっているということだとか、そういうようなことは簡潔でいいですので是非紹介するべきではないかなと思います。
今後の施策の在り方という中では、障害者の実態把握をするというのを政策の立案と評価の基礎に使う。生活実態に基づいて評価をするというようなこと、定期的に調査をするというようなことを書く必要があるのではないか。
あと、各論の項目として住宅という部分が入っていなかった、議論をしていなかったので書きようがないのかもしれませんけれども、住宅というのは地域で暮らす上で非常に大事な部分なので、重視しているというメッセージは送りたいなと思います。
長くなりました。
○ 藤井議長代理 では、堂本さんまでいきましょう。どうぞ。
○ 堂本委員 今日、1日ここで説明を聞いていて、本当に東室長、大変でいらしたであろうと思っています。いろいろ要求することは簡単なんですけれども、それをまろめ、叩き台を書いていただいたことに、まず御苦労様と申し上げたいと思います。
そしてもう要求する気分にならなくて、どうやったら手伝えるか、と、私は考えています。
幾つかありますが、まず福島大臣が言われた、「なぜこれができなかったのか」という反省を書いておくべき、との意見に賛成です。例えば社会的入院とか、手話通訳の問題とかいろいろありましたが、なぜそれが日本では戦後できなかったのか。そういう視点をどう盛り込めるか。それを要求するのではなくて、私自身は考えてみたいと思いました。
もう一つは、戦後の障害者問題、あるいは福祉政策全体を半世紀ぶりに私達は大転換しようとしています。最初の頃に革命的という言葉が随分出ました。本当に革命なんだろうと思います。その内容を的確に書くということ、それをやり遂げることは至難の業だと思う。しかし、やり遂げるためには、改革の内容を明確に書き、はっきり打ち出していくこと。めり張りが大事。全部を満遍なく実現しようとすると、あれもこれもになってしまう。
皆さんそれぞれの分野で取り切りたいことがある。何を優先させるべきか、時間はないんですけれども、最重要課題を確認する必要があると思います。
もう一つは、この会議に対する国民の期待は大きい。だから、従来の審議会で出す答申と同じようなトーンのものだたら、みんながっかりしてしまいます。
特に、コンピュータでの全国同時中継を障害者の方が見ていますね。だから私もこの間こういう発言があった、ああいう発言がありましたね、と云われる。そうした発言が結集されると期待されている。その期待を私たちはできるだけ裏切りたくない。短い時間の中でも全力でそれに答える責務がこの会議のメンバー全員にあります。
最後に先ほど久松さんがおっしゃったことに私は感動しました。やはり文化が大事です。今まで障害者問題はネガティブに日本ではとらえられてきました。そうではなくて、私は最終的な視点としては、しっかりと前向きな、ポジティブに、権利条約に見合うような明るい、エネルギーを込めた答申にできれば仕上げたい。それを東さんほかや作業チームに期待するのではなく、私たち一人ひとりが、全員が、それに向けて取り組んでいく時だろうと思います。
私は一方で男女共同参画の第三次計画に対してパブリックコメントを用意しているので、ジェンダーのところは多分何かお手伝いできる。逆に向こうに書き込むということもとても大事なので、そちらの双方向でやらなければいけないと思っています。
○ 藤井議長代理 大変貴重な御意見。それでは、今、3人の方が発言があったのですが、これに関するコメントを東さん、もしあれば。
○ 東室長 堂本委員の御意見は本当にありがたく思っています。できるだけみんなでつくり上げるという方向で一緒に頑張っていければと思っています。
佐藤委員が言われました基本合意の文章だけではなくて、例えば権利条約とかILOの条約とか、障害者の権利条約でもいろいろ前文の中でこれに留意しとか、想起しとかありますね。ああいう一番重要な基本的な指針を提供するようなものについては、関口さんもおっしゃっていましたけれども、どこかに位置づけるということが必要ではないかということについては、検討したいと思っています。
実態の把握に基づく政策と立案という視点も、総論的な部分でどこかに入れ込めればとは思います。
住宅に関しては独自の項目という形ではありませんけれども、所得保障の一環として一応は触れておりますので、御了解願いたいと思っています。
○ 藤井議長代理 少し時間があるんですが、どうしても発言はありますか。
福島オブザーバー、どうぞ。では、お二人で終わります。
○ 福島オブザーバー 福島です。1つだけお伺い、質問なんですが、やはり非常に重要なポイントは、財源の問題だと思います。尾上さんが先ほど発言なさって、それに対して東室長からお答えいただいた中でよくわからなかったんですが、内閣が今後お金を使う使い方について、客観的なデータに基づいて進めていくと思うので、この予算のことは個別な各論的なところに書くのは難しいというニュアンスのお話があったんですが、その客観的なデータに基づいてお金の使い方を考えていくというのは、一体何を指しておられるのか。これまでもそうなされてきただろうと思うんです。あるいは今後予算の積み方、積算の仕方であるとか、財源の確保において何か新しい方針を内閣で考えようとなさっているのか。その辺りがよくわからなかったので御説明をお願いします。
○ 東室長 東です。
○ 藤井議長代理 東さん、どうぞ。
○ 東室長 正確に伝えられなくて申し訳なかったんですが、財源に絡めて数人の委員の先生からいろんな各省庁で障害関連のこういう負担があるはずだと。だから、決算も含めてどういう金額がどういう形で使われているのかという資料を出してくれと要望がありました。そのことについて言ったわけですけれども、そういう客観的な資料が出せれば、それをベースにしてもう少し議論したいということでこの推進会議の意見としては挙がっているんだなと思っておりましたので、そういう資料も含めて今後財源問題を検討していくことになるのかなと私としては認識していたわけです。ですから、まだ今の段階できちっとした意見についても細かくは書けないのではないかという認識を持っているということです。
推進会議としての議論がもうまとまってという段階であれば当然書かなければならないのでしょうけれども、そういう認識で触れていなかったということです。
○ 藤井議長代理 大事なことなので、福島オブザーバー、よろしいですか。
○ 福島オブザーバー はい。
○ 藤井議長代理 佐藤委員、どうぞ。
○ 佐藤委員 たびたび済みません。この地方分権といいますか、一括交付金化だとか、いろんな基準を都道府県などの条例に委ねるとかというような動きが今急速に伝えられているわけですけれども、最低限の保障がどの県に住んでもどの市町村に住んでも保障されるようにという辺りの指摘をどこかで書いておかないといけないのかなと思うんですけれども、御検討いただければと思います。
○ 藤井議長代理 これに関してほかにも意見が全体であったと思うんですが、東さん、コメントはありますか。
○ 東室長 やはり議論を始めるのがこの推進会議でも遅かったと思うんです。ですから、いろんな声が出ていますけれども、まとまった時間を取ってまだヒアリングもやっていない状況の中で、どういう扱いをしていいのかというのは迷っているところで、どうしましょうか。検討させてください。久松委員の方からも意見の中に挙がっていたと思うんですけれども、その点も含めてどう書くべきなのか、まだ書くべき時期ではないのかということも含めて判断させてください。
○ 藤井議長代理 私の方の分担する進行はこれで終わりますけれども、先ほど今日の中で、例えば起草委員会、チームをつくって、みんなでつくっていこうと。東さん、担当室対委員というのではなくてみんなでということで、少し東さんの負担軽減もあるので、議長団と東さんの方で話をしまして、まず1つはもうメンバーをここで挙げます。もう拒否権はありません。と申しますよりは、多分順番でこういうチームは幾つかあると思うんです。今日は第1弾ということで、みんなでやっていくということになります。そのことが1つ。
部会に関しましては、幾つも労働、雇用、教育、虐待防止がありました。この辺は今後恐らく事務局の機能だとか、全体の優先課題がありますので、あるいは教育なども行政との関係等々ありますので、これは今後また検討に入っていくということで、そういうふうに今日の段階でまとめさせていただきます。
起草委員会か、名称はまた後で考えてもらいますが、5人候補を挙げます。大谷委員、いいですね。
○ 大谷委員 はい。
○ 藤井議長代理 北野委員、よろしいですか。
○ 北野委員 はい。
○ 藤井議長代理 関口委員、松井委員。松井さん、いいですね。
○ 松井委員 はい。
○ 藤井議長代理 新谷委員。新谷さん、いいですか。
○ 新谷委員 はい。わかりました。
○ 藤井議長代理 この5人でどうしても私も入りたいという人はいますか。総合福祉部会もあればみんなやっていますので、そんなふうにしてこの担当室を支えていく。できれば6月の上旬ぐらいでいけば3日、4日には案が出るように頑張っていただいて、だれが責任者とは言いません。中で考えてください。場所は1回目は。
○ 東室長 それは具体的には。
○ 藤井議長代理 後で考えていただいて、集まっていただく。メーリング等も使ってやっていくとさせてもらえればと思います。私の方の担当したところの分は終わりますので、小川議長の方にマイクを渡します。
○ 小川議長 本日は長時間の討議、お疲れ様でございました。ここで東室長より今後の予定を含め、報告すべき事項について簡潔に御説明をお願いいたします。
どうぞ。
○ 東室長 東です。今日はどうもありがとうございました。次回の話は一番最初にしましたので繰り返しませんが、今の委員の皆様には、とにかく「はじめに」の1、2、3を頑張ってつくってほしいなと。藤井さんの方からは3~4日とかと言われましたけれども、私としてはもう少し早く、31日には粗々のものを出すということで、あとII以下についてはこちらが頑張りますので、よろしくお願いします。
どうもありがとうございました。(拍手)
○ 小川議長 ありがとうございました。それでは、これをもちまして、本日の会議を終了いたします。本日の推進会議の概要につきましては、この後、この場所で記者会見を行い、私と藤井議長代理及び東室長が対応いたします。
本日は、お忙しいところ、誠に御苦労様でございました。ありがとうございました。(拍手)