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障がい者制度改革推進会議(第15回)
議事録

小川議長 「第15回障がい者制度改革推進会議」を開催させていただきます。

本日は、大島副大臣が13時15分から13時40分の予定で御出席です。

委員の出欠状況でございますが、本日は、長瀬委員、大谷委員、福島オブザーバーが御欠席、清原委員が15時30分に御退席、その他の委員は御出席です。

会議の公開は、これまでと同様といたします。

進行上の時間配分については、後ほど東室長より報告があります。

本日の会議は16時までを予定しております。

それでは、これより先の進行については、藤井議長代理、よろしくお願いいたします。

藤井議長代理 それでは、これから先は、私、藤井が議長を務めてまいります。

今もありましたけれども、途中で大島副大臣がお見えになりますので、切りのいいところで一言ごあいさつをいただきます。

それでは、本日の議事の進め方の概略につきまして、東室長より提案させていただきます。東室長、よろしくお願いします。

東室長 こんにちは、担当室長の東でございます。

本日の概要ですけれども、20分間の休息を1回挟む形で2つのコーナーでやりたいと思っております。第1のコーナーは75分です。このコーナーの最初に、第一次意見に関する結果報告を行います。次に、今後、推進課題として検討すべき分野についての討議を行いたいと思っております。続く第2コーナーにおいて、推進課題として検討すべき分野の課題が第1コーナーで終わればですが、第2コーナーでは、今後の進め方について議論をしたいと思っております。また、その他としまして、報告事項を何点かお知らせすることにしております。

以上です。

藤井議長代理 それでは、今から14時20分をめどにして第1コーナーを進行してまいります。第1コーナーの冒頭は、第一次意見の結果報告についてお願いいたしますが、資料1をお手元に置きながら議事に参加をお願いします。

では、東室長から提案をお願いします。

東室長 東です。1月から初めまして、これまで14回の会議を行ってまいりましたけれども、その会議の到達点として、第一次意見としてまとめることができました。構成員の皆様方には、精力的な御討議をいただきまして、本当に感謝申し上げている次第です。

なお、この第一次意見書につきましては、ルビなし版を3,000部、ルビあり版を500部印刷しております。推進会議の委員及びその所属団体、総合福祉部会の委員及びその所属団体、ヒアリング団体、その他の関係団体、各方面に配布しております。まだ配布していないところもありますが、今後配布していく予定です。点字版につきましては、印刷が遅れておりますけれども、110部ほど印刷を予定しているところであります。加えて、内閣府のホームページにも掲載しております。

今日配付しております資料1は、わかりやすくコンパクトに図式化した概要版です。これを見ていただくと、ほぼ中身について触れております。今日は、この点の御説明は申し上げませんが、これも併せて構成員の皆さんにも大いに活用していただいて、第一次意見が多くの皆様の御理解を得られるようなことに活用していただければと思っております。

この第一次意見につきましては、第2回障がい者制度改革推進本部が明日、29日に開催され、その場で小川議長から菅本部長、菅総理大臣に手渡される予定になっております。また、その際には、総合福祉部会において取りまとめられました障害者総合福祉法(仮称)の実施以前に早急に対応する課題の整理(当面の課題)についても本部に提出する予定です。そして、その後、しかるべき時期に閣議が開かれ、第一次意見を受けた政府の対処方針が決定される見込みです。

以上です。

藤井議長代理 第一次意見、今ありましたように、配布もされ、そして、明日は本部長、総理大臣も手交式を行うということが出ていました。

これに関する何か御意見等がありましたら受け付けますが、いかがでしょうか。松井さん。

松井委員 松井です。ありがとうございます。

一番最後の議論のときに、この4の個別分野における基本的方針と今後の進め方の前書きの部分について議論をしたと思います。そのときの私の理解では、尾上委員が最後のところをまとめてくださいましたが、この表現だと、「事項ごとに各府省において検討を進め、所要の期間内に結論を得て」という形になっているので、この部分については、特に横断的な課題であるとか、重要な事項については、併せて推進会議でも継続検討するということで決着したと思っておりました。しかし、結果としてそういうふうになっていないので、そこのところはどういうことなのか、補足説明いただきたいと思います。

藤井議長代理 個別分野における基本的方向と今後の進め方の個別分野に入る前の前文の部分ですか。

松井委員 前書きの部分です。いまの表現ですと、「事項ごとに関係各府省において検討を進め」ということになっているので、それだけでは十分ではない。少なくとも横断的な課題であるとか重要な課題については、推進会議としても継続して議論することが必要だという共通理解に達したと考えていたのですが、そういう表現にはなっていなので、その間の事情というか、結論としてこうなったことについての説明をいただきたいということで、発言させていただい次第です。

藤井議長代理 これは東室長の方でお願いします。

東室長 4.個別分野における基本的方向と今後の進め方という、その次に来る文章の話だと思います。ルビつき版は15ページになります。

ここに部会とか推進会議において検討するということは触れてはおりませんが、これは全部、各省庁にもうみんな丸投げで、あとはやりませんということでは決してないわけですよね。当然、推進会議並びに必要な部会で検討していくことが前提になっておりますので、特に政府に求める事項という部分に重点を置いた第一次意見ですので、そこは書かなくても当たり前の話だという認識でおりますけれども。勿論、各部会をいつ立ち上げるとかということについては、まだ今後検討していかなければなりませんけれども。

それと、8ページを開けていただけますか。ルビつきは9ページですけれども、平成22年内の進め方のところで、「推進会議は、第一次意見を基に、障害者基本法の抜本改正を始め、改革が必要な分野について個別に部会や作業チーム等を設け、分野別課題の検討に着手する。」という文言が入っておりますし、平成23年以降の進め方につきましても、「推進会議は、改革集中期間内において、改革が必要な分野の制度・施策の在り方や次期障害者基本計画の在り方・方向性等を具体化するため、部会・作業チーム等の議論を踏まえ」という形で、推進会議並びに部会・作業チーム等での検討の予定はここで一応書いてありますので、あそこには書かなかったということになります。

松井委員 ありがとうございます。確かにおっしゃるように、8ページの一番上のところでそういうことは明記されているということで、担保されているという理解をしたいと思いますけれども、これからの推進会議の中で具体的にどの問題について、どういう形で議論を進めるのかということについて確認をする機会があるわけですね。

東室長 それは、勿論いつごろの時期に、どういうものを立ち上げるか、どういう形にするのか、それは検討していかなければならないと思っています。ただ、いつ、どのようなものを具体的に立ち上げるのか。例えば総合福祉部会においても、特に横断的な課題についてワーキングチームといいますか、作業チームといいますか、そういうものを立ち上げながらやっていきたいというような御要望もありますし、推進会議のメンバーにも入っていただきたいとか、そういう御要望がありますので、そういう総合福祉部会の意見も踏まえながら検討していきたいと思っておりますけれども。

藤井議長代理 恐らく松井委員が心配されていますのは、当該省庁のそこで検討すべきことと、推進会議として検討すべきことが、どんなふうにジョイントしていくのだろうかと。それは、労働であり、医療であり、また教育であり、ほかにもあるかもわかりませんが。だから、今お話のとおり、恐らく双方で議論していくのだろうと。しかし、今までと違って推進会議があるわけですから、双方でまた連携をしていくということが、ぎりぎりこの文脈からは読み取っていくことではないかと思いますので、個別の分野ごとにタイミングとか方法については、また提案があったら考えていくと。こんなことで、文言にはきちんと入らなかったけれども、そういう趣旨であるということを共通認識にしておきましょう。

ほかにございますか。どうぞ、新谷委員。

新谷委員 全難聴の新谷ですけれども、閣議決定の仕方というのを私はよく理解していないのですが、明日の閣議決定の中で、例えばこの意見の中のロードマップ部分、工程表の部分とか、こういうところは閣議決定されるのでしょうか。基本的な考え方とか、基本的な課題における改革の方向性とか、基本的方向性とか、こういう大事なところプラス、ロードマップあたりが閣議決定されると理解してよろしいのでしょうか。

藤井議長代理 では、東室長からお答えいただきます。

東室長 一応盛り込んでいただきたい部分として考えておりますのは、基本的もしくは基礎的な改革の方向性、考え方、そういう部分を前提に、横断的課題における基本的方向性として、障害者基本法の抜本改正、障害を理由とする差別の禁止法(仮称)等の制定、及び障害者総合福祉法(仮称)の制定というこの3つの柱とともに、個別分野における基本的方向と今後の進め方ということで、第一次意見の政府に求める今後の取組みに関する意見という部分がありますけれども、いわゆるこの○をつけた部分、これを中心に決定していただければと思っているところです。ですから、特に個別分野に関しては、このロードマップ的なものが中心になるのではないかと考えております。

藤井議長代理 新谷委員、よろしいですか。

新谷委員 はい。

藤井議長代理 ほかに。勝又委員。

勝又委員 今の件についての確認なのですが、明日は第一次意見を提出するのであって、明日、閣議決定があるということはおっしゃっていないと思います。先ほど新谷委員が、明日、閣議決定というような御発言をされたと思うので、明日は提出するだけで、しかるべき時期に閣議決定ということで、そのしかるべき時期というのはどのくらいをめどにされているのか、わかりましたら教えていただきたいと思います。

藤井議長代理 では、東室長。

東室長 東です。できるだけ速やかにとお願いしているところです。だから、2週間とか3週間後ということでは、決してないと思っています。

藤井議長代理 勝又委員、いいですか。

勝又委員 はい、結構です。

藤井議長代理 では、関口委員。

関口委員 明日提出するのは制度改革の一意見だけではなくて、部会から上がってきたものも提出すると思うのですけれども、それは非常に多岐にわたっていまして、例えばその中の14ページ、これは資料がないですが、ウェブで見ると14ページの方に、医療的ケアもあるショートステイ増設が、知的障害者、精神障害者、重度心身障害者にとっては必要ということが書いてあって、これは、本会の方で僕が、精神の場合は、医療的ケアが必要だったらレスパイトで入院すればいいのであって、そういう体制を整えていただきたいということを明確に言っているので、ちょっとこの辺を我々は全然、一回も読まなくていいんですかね。つまり、かなり細かいことまで言ってしまっているので、これと本会で言っていることとが、本会では単に医療的というのを消しただけですが、違うということだとまずいと思うのですけれども、どうなんですか。

藤井議長代理 東室長、わかりましたか。

東室長 むしろ、部会長である佐藤委員からお話ししていただいた方がいいかと思いますけれども、その前に、部会における当面の課題のまとめは、全員合意でこの点を早急に当面の課題としてやるべきだという形よりも、むしろ皆さんの御意見を盛り込んでいただいて、その中で、比較的重要と思われる分野を幾つかピックアップされているということですので、すべての意見が、全員が一致したところの意見として出されているものではないという前提で考えているところです。

藤井議長代理 佐藤総合福祉部会長、コメントございますか。

佐藤委員 今、東室長が説明されたとおりですけれども、例えば、日額制を残すべきだという意見とか、月額に直すべきだという意見とか、利用者負担は応益にするべきだという意見とか、ゼロにするべきだという意見とか、まだまだ議論をして、一致点に至るには相当時間がかかるので、しかし、当面急いで解決しなければならないような項目もあるので、とりあえず、一部は両論併記的な一致していない意見なども、55名から出たものは並べたと。しかし、それだけだと網羅的で余りインパクトもないので、4点については、特に来年度の概算要求に向けても非常に重要な点があるので、自立支援医療の低所得者を無料にすることとか、障害者手帳のない人もそのサービスが受けられるような工夫とか、4点ほどについては、全体の一致点ということでまとめたものを前書きのところにきちんと明記をしたと。そういうのが当面の課題の整理の文章です。

藤井議長代理 関口委員、よろしいですか。

関口委員 わかりましたけれども、そうすると、つまり一致した4点、<4>までのところは推進会議としてやってほしいということを全面的に言っていいのだと思うのですが、その後の各論というんですか、膨大にあるのですが、これは、どうもまだ意見が必ずしも一致してはいない可能性もあるということは、逆に、その辺は言った方がいいのではないですか。だって、さっき言った部分だって違うし、もしかしたら、ほかの部分も各論では違うかもしれないので、これは作業チームでやったということですけれども、それだと後で文句が出ませんか。

藤井議長代理 佐藤委員、お答えいいですか。

佐藤委員 各論的にいろいろ書いてある内容は、必ずしも部会全体での議論の結果の一致ではないと。しかし、委員から寄せられた切実な当面の要求であるので、そのことを念頭に施策の充実に努めてほしいというようなことを前書きに書いてあるので、そういう扱いをきちんとしていただければ、とりあえずは問題ないのかなと思います。

藤井議長代理 関口委員、よろしいですか。

関口委員 だから、そうすると、医療付きショートステイを精神はつくるのか、つくらないのかといったときに、つくるという話になりますよね。これ、厚生労働省は絶対つくりたいと思いますよ。多分いろいろな業界の圧力もあるでしょうから、そういうふうに行くと思います。それは阻止したいので、僕は本会でわざわざ削ったのですから、こういう書き方をされると僕は納得できません。

藤井議長代理 さて、どうしましょうか。佐藤委員、引き続きありますか。

では、東室長が挙手していますので、お願いします。

東室長 部会は、この推進会議の下にあるという関係で、大枠としては、推進会議の議論を念頭に部会で議論してもらいたいと思っているところですが、具体的には、部会の方で各委員の意見を通じて議論していただければと思っています。

精神の当事者の方も入っておられますし、しかも、あれは頭出し的に議論を出されたところで、議論は今後なされていきますので、そこでの議論をよろしくお願いしたいと思っているところです。

藤井議長代理 関口委員、いろいろあるけれども、引き続き部会の場で議論しましょうということなんです。確かに、明日は出されることは出されるんだけれども、引き続き議論の方で深めようということで、とりあえずこの場はいいですか。いいですか。

関口委員 よくないです。だって、本会で、何でなんだ、まで言われて、説明して、なくしてもらったものが、部会に出てまた復活してしまうのだったら、本会で議論する意味なんかないじゃないですか。本会の下にならないじゃない。だって、本会で医療付きショートステイということに関して、それはおかしいじゃないか、どこから出てきたんだという話をして、「医療付き」を削ってもらったという経緯があるわけで、それを部会の方から精神障害者と知的障害者と重度心身障害者には医療付きショートステイが必要だというのであれば、精神については、少なくとも入れないでほしい。それは、だって本会で僕が主張したことだし、その場でオーケーということになって削ったわけじゃないですか。それが部会からまた出てくるのは、復活するのだったら、もうすべての問題を全部部会に投げればいいじゃないですか。本会の意味なんかないじゃないですか。

藤井議長代理 竹下委員。

竹下委員 関口委員のおっしゃっていること、僕は少し整理してほしいと思うんですよ。関口委員の意見としては、僕は前からお聴きしているし、それが賛同できるかどうかはともかく、理解はできますよ。しかし、部会で、関口委員以外の当事者の方がどういう意見を出したか、私はつぶさには知りませんが、現に意見が出ているものを、それを無視することの方が、それこそ非民主的でしょう。そうではなくて、ここで出た意見は意見として、当然一つの大きな、大きなというのは僕の形容詞ですけれども、一つの柱となる、あるいは大きな意見の一つだと思うんですよ。では、部会で議論するときに、その部会で出てきた議論は一切、関口委員と違う意見の人は、それは一切だめなんだということ自身が、それはちょっと、関口委員自身が、部会での議論のあり方というものを抑え込むというか、それを否定することになってしまうから、それはちょっと幅広い皆さんの議論を集めようとしている部会の趣旨にも合わなくなるわけで、そこはもう少しいろいろな方の意見を、どんどん議論して、集約した結果が、関口委員と同じ結論になるのかもしれませんけれども、そこはもっともっと議論していただく必要があるということではないですか。

以上です。

関口委員 関口ですけれども、部会には精神障害当事者が2人おります。そのうちの1人は僕の仲間です。医療付きショートステイはやめさせてくれと言ったのは、その人です。それが、両論併記になっていない形で入っていて、しかも本会では削るということをやっただけです。本会の中で、医療付きショートステイはおかしいんだということが明記されていれば、確かに両論併記という形で、それは本会ではこういう意見があって、部会ではこういう意見があったということになりますけれども、そうでない以上、そしてまた、部会の中でも医療付きショートステイは嫌だと言っている精神障害者がいる以上、両論併記してもらわなければ、部会の意見としてだっておかしいではないですか。

藤井議長代理 東室長。

東室長 今、関口委員が言われましたように、基本的には部会で取りまとめた形になっておりますので、やはり両論併記されていなければ、その時点で両論併記すべきだということでやってもらうのが筋ではないかと思うところです。

こういう問題は、これから差別禁止法の部会もできると思いますけれども、そういう部会と推進会議との関係という形で、一般論的にも問題になるかもしれませんので、そこら辺は気をつけながら、推進室としても運営していきたいと思っております。

以上です。

藤井議長代理 大島内閣府副大臣は35分ぐらいまでこの場に、残り時間が限定されていますので、ちょっと中断しますが、ここでごあいさつをいただきましょうか。大島敦副大臣、では、よろしくお願いできますか。

大島副大臣 今日はありがとうございます。副大臣の大島でございます。

いろいろと公務が錯綜しているものですから、皆さんの意見を十分には聴けないのですけれども、後で議事録等は読ませていただいております。活発な議論ですので、有意義に進まれることを期待しております。

以上でございます。本当に皆さん、活発な御議論、誠にありがとうございます。

藤井議長代理 では、時間の範囲で、まだ、どうぞよろしく。

では、東室長の先ほどの見解に対して、関口委員、更にありますか。

関口委員 そういうことであるならば、部会の方で、僕は直接本人から聴いているのでね、部会員から、私は反対だということを。だから、部会の方のまとめ方として両論併記という形をとっていただければいいと思います。

藤井議長代理 佐藤委員、いいですか。

佐藤委員 明日、本部に添付資料として当面の課題が提出されるわけですけれども、それを提出する直前に修正ということは難しいと思いますので、いずれにしろ、これからのショートステイのあり方、そこにどのくらい医療的な機能も持った方がいいのかということ、これからの新しい総合福祉法をつくる議論の中で、今の関口委員の意見は十分に心して検討するということで対応させていただければと思います。

藤井議長代理 では、関口委員、いいかな、そういうことで。明日については、もう今から修正が難しいので、今の面は、内容面もさることながら、部会と推進会議の運営に関する問題でもありますので、今後、そういうことが、そういう点での問題がないようにしていくということで、これからの課題となっていくけれども、これで了解していただけませんか。

関口委員 基本的には了解ですけれども、だとするならば、本会でもって決議をしてほしいんですよ。つまり、この部会の最初に出てきている<1>~<4>までの項目に関しては、本会としても即座にやってほしいんだと。残余については、まだこれから部会や会議で議論があるかもしれないということは分けてほしいんですよ。そうじゃないと、一緒に出されてしまうと、出されたものとして同じ扱いを受けてしまうので、そこはちょっと困ってしまうと思うんです。

藤井議長代理 関連してですか、山崎委員。では、山崎委員、まず関連してお願いします。

山崎委員 山崎です。ありがとうございます。

今の御議論についてですが、先ほど、かなり冒頭に東室長がおっしゃったことが私は妥当だと思いますので、もう一回確認的にお伺いしたいと思います。明日の手交式で手交されるのは第一次意見でございまして、同時に、総合福祉部会の文書も提出されるということです。この両者が提出されて、両者の間の関係について何らの説明もしないと、私どもの第一次意見が極めて総論で、細かなことは各論的に総合福祉部会が出される文書にゆだねられていると取られるかもしれないと思います。

今の御議論、やりとりを伺っていても、はっきりしているのは、必ずしも総論、各論の関係にないということですね。ですから、その点をまずはっきりさせて、手交式の際にはお示しいただければと思います。

以上です。

藤井議長代理 北野委員は関係する意見ですか。お願いします。

北野委員 私も、基本的に山崎委員と同じ意見ですけれども、改革推進本部に意見を上げるときの上げ方の仕組みについてです。つまり、改革推進会議で議論したものと、それから各部会で議論したものがどういう関係で推進本部に上げられるかなのです。私は基本的に、例えば、もし福祉部会で4つの基本的な全体合意があったと、あと、合意のない幾つかの意見があったとする場合、例えば全体合意があった4つの部分が、もし推進会議の我々の合意と矛盾していることがあれば、これは大きな問題ですので、当然、一度ここに上げていただいて、ここで4つの合意についても、全体との関係でどうかということは、合意をここでまず形成していただいて、あと、それ以外についてはどういうふうに扱うべきかについても、ここで議論されて、そして上に持っていかれるべきであると思います。

以上です。

藤井議長代理 それでは、そういうことで、これからの課題という点も少なくありませんけれども、明日についてはそういう説明をしてお渡しをすると。引き続き、部会で議論もし、関口委員が言われたように、推進会議のこの親会議体で議論しても意味がないというのではしようがないので、これはきちんとこういう場で議論したことを反映するようにということは確認しましょう。

この件はよろしゅうございますね。中西委員、関係してですか。どうぞ。

中西委員 4つの合意点がもう既にできているということなので、ここで今日配っていただくことはできないのですか。配ってありますか。

関口委員 ごめんなさい、僕はネットで見ながら言っているのですけれども、例えば3ページ以下の各委員の意見についても十分配慮をお願いしたいと書いてあるんですよ。2ページまでは、4つの<4>までは、基本的な全委員が一致したというものなんですね。それに関しては、僕も親会のメンバーとして見て、これは別に問題なしと思っているわけです。ところが、3ページ以下の各委員の意見についてもと言われてしまうと、「も」なんですね。「も」だと一緒にということではないですか。「は」にしてほしいんですよ。つまり、各委員のと言ったって、直截に名前を言えば、山本眞理委員の意見、つまり医療的ケアのあるショートステイは反対だという意見は載っていないわけです。だから、それはおかしいではないかと言っているんですよ。

藤井議長代理 では、東室長の方でお願いします。

東室長 推進会議が第一次意見の中で取り上げているのは、障害者総合福祉法(仮称)の制定のところで、今後の進め方という欄ですけれども、「当面対応が急な課題について、同部会において整理された意見を踏まえ、政府は必要な対応策を講ずべきである」というように、こういう形で当面の課題について整理された文章を指摘しているわけですね。ですから、ここで書いてあるのはあくまでも当面の課題であって、医療付きのショートステイという今後の総合福祉法における課題を引用しているわけでは決してないわけです。ですから、部会における議論のまとめ方が、この当面の課題という形で直接的にまとめられていないという問題はありますけれども、一応この推進会議の意見としては、その中の部分の当面の課題に絞っているということの整理でいいのではないかと思っているところですけれども。

関口委員 当面の課題を踏み越えて細かなところでは言っているので、だから僕は、例えば、この前、要望書をたしか出したと思うのですけれども、そのときに、部会から上がってきたものを本会で承認して、それで上に出したわけですよね。だから、ここに書いてある「障がい者制度改革推進本部は、上記の重点事項の実現に向け全力で当たっていただきたい」というのは、本会で承認して、その上でもって上に上げていただきたい。そのほかのことについては、福祉部会ではこういう意見が出ていますということでやっていただきたい。

藤井議長代理 東室長。

東室長 東ですけれども、一応、推進会議としても、部会の意見書を提出していただいて、それを承認するような形をとりましたよね。ちょっと時間がなかったという問題もありますけれども、今日、議論されている問題は、本来は、そのときに話すべき議題ではなかったのかなということも思います。

しかし、一たんあれを取り上げて、一緒に上げるということについては合意があったわけですから、今後こういうことがないようにという形で対処させていただきたいと思っていますが、いかがでしょうか。

藤井議長代理 今のまとめでいかがですか。6月7日に一たんここで合意をしたわけですよね。たまたま手交式が明日に延びたんだけれども、その点で言うと、その場でやはり議論すべきだっただろうと。しかし、そうは言っても、今後、さっきから出ているように、推進会議という親会議体と総合福祉部会というところの関係については、やはり推進会議の方で議論したことを尊重するのは当たり前であって、そういうことの確認はもう一回させてもらうと。明日については、6月7日の確認を終えていますので、中西委員も、そのときに資料が出ていると思うんです。重点項目もね。そこについてはもう了解しているので。

中西委員 すみません、題名がわからなくて。今、もう一回チェックし直しました。

藤井議長代理 すみません。そんなことで、6月7日の時点での確認をそのまま今回については推進していくということで、関口委員、いろいろとあるけれども、これでどうかな。

関口委員 このウェブに載っているものがここで配られたんですか。僕はそういうふうには思っていなくて、ここで配られたものの中には、すごく課題別にいろいろなことが載っていて、医療観察法廃止から何から全部載っているものがばんと配られたという覚えはあるのですが、このウェブに載っている本会議に上げましたというものが、ここで配られたという記憶は僕はないのですけれども、それはどうなんですか。配られましたか。いつ配られたの。そうしたら、そのときに気がつくはずなんだけどな。

藤井議長代理 関口委員、6月7日にこれを配っているらしいんだ。佐藤委員、そこでこれを配っていますよね。

佐藤委員 6月7日に小川議長に渡したものと、今、ウェブに載っているものは同じものです。ただ、30ページ近くて非常に多くの項目があるので、細かいところまでなかなかチェックはできなかったのではないかと思います。

藤井議長代理 こういう場だから、余りしゃくし定規ということはないにしても、一応、日程上、そういうことを踏んできたことは事実だと思うので。しかし、幾つか反省点は確かにありますので、関口委員、そういう点で今後注意し合うけれども、とりあえず今日の段階はこれでいいかな。いいですか。

関口委員 はい。

藤井議長代理 ちょっと、無理にはいと言わせてはいけないんだけれども、しかし、手続上は6月7日にこれ、全文配っているということでもあるし、みんなでもっと早目に気づき合いながらということになると思うので、これからの課題にしましょう。

ほかにございますか。どうぞ。

清原委員 清原です。ありがとうございます。

明日の手交式でございますが、障がい者制度改革推進本部長でいらっしゃる総理と、これをお手渡しした後、御説明をされる時間はどれぐらいとっていらっしゃるのでしょうか。私としては、是非、これをお手渡しされるときに、小川議長、あるいは藤井議長代理も御一緒にいらっしゃると思いますので、短い時間でも、この間の経過と、それから今日、資料1という大変わかりやすく1枚紙でまとめてくださったものがございますので、これをもとに御説明をされ、趣旨を、余り細かくは御説明する時間がないかもしれませんけれども、大切な横断的課題における改革の基本的方向性などについて言っていただければ、大変心強いと思います。

例えば、私、市長という仕事をさせていただいておりまして、審議会あるいはさまざまな取組みについて検討していただいている市民会議等の皆様から、答申なり御提言をいただくときには、後に勿論ゆっくり読ませていただきますけれども、この今日おつくりいただいた資料1のようなものをもとに、ポイントを短時間でも御説明いただくと大変ありがたいという経験を持っております。ましてや総理は本部長でいらっしゃいますので、それが2~3分であっても、私は必ず効果があると思いますので、そのようにお取り計らいをいただければ心強いと思います。

なお、この資料とともに、この間、こういうメンバーが10数回にわたって議論してきたということも、1枚紙でわかるようなもの、それから各省あるいは各関係団体、大変多くの団体にヒアリングの御協力もいただいたということなども、この資料1の裏にまとまるぐらいのものでお示しいただくと、より一層、今回の第一次提言の内容の「思いの重さ」というか、そういうものが伝わるのではないかと思いまして、大変僣越ですが発言をさせていただきました。よろしくお願いいたします。

藤井議長代理 それは要望として、東室長、よろしいですね。

松田さんかな。

松田政策統括官 第一次意見書の手交につきましては、先般来、意見書がまとまった形で、またまとまった段階で官邸の総理にお渡しに行くと。その上で、別途、本部閣議決定を行う、こういう手順で皆様に御説明を何らかの形でしておったと思うのですけれども、御承知のように、今回、鳩山総理が退陣されて、菅総理に代わられたと、今月の話でございます。それで、今、御承知のとおりサミットに行っておられまして、スケジュールが非常にタイトになっているという中で、意見書の手交を別途構えるというのは日程的に非常に困難であるということから、先ほど御説明ありましたように、本部の場で、小川議長から菅本部長に第一次意見書をお手渡していただく、こういう当初の予定が変更されております。

このため、むしろ今後の基本的方向としての、この意見書を受けての政府としての今後の取組みについての御議論が本部としてなされ、更には閣議決定の道筋をつけていただく、こういった議題になろうかと思いますので、今、御要望がございましたけれども、なかなか時間的に意見書の中身を細かく説明する時間はとれないというような、非常に変則的な、本部の中でお渡しするという、余り例はないのですけれども、そういう形になったことを御理解いただきたいと存じます。

以上でございます。

藤井議長代理 清原委員。

清原委員 御丁寧な御説明ありがとうございました。事情は大変よくわかりますし、本部の中で手渡されるということは、これからの道筋に向けて、むしろ有効ではないかと思いますし、先ほど2~3分でもと申し上げましたが、このような資料が1枚あるだけでも、総理及び各大臣は一目瞭然でポイントは御理解いただけると思いますし、それで、引き続き本部で今後に向けての検討がなされるならば、それは望ましいと思いますので、私は、時間の長さよりも密度で対応していただくことを大変ありがたく思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。

藤井議長代理 ほかにございますか。北野委員。

北野委員 1つお願いがあります。総合福祉部会の当面のまとめの意見書は6月7日の推進会議において、そのときに配られたんですよね。これでは恐らく検討する時間というのは、各委員には全くなくて、そのまま素通りしてしまっておりますので、できましたら何日か前にでも各委員に、このような部会での議論のまとめを送っていただいて、各部会の意見書を推進会議の委員が理解して、議論できるような、今後そういう状況をつくっていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

藤井議長代理 要望として、大事なことだと思いますので、受けておきます。

ほかにいかがでしょうか。

なければ、この第1コーナーの後半、これがメインなのですけれども、今後の推進会議の進め方に関して、お手元の資料2を御用意ください。資料2。では、東室長より報告をお願いいたします。

東室長 東です。資料2をお開けください。検討を要する分野ということで、1)が、現行の障害者基本法で取り上げられている分野であるが、議論していない分野として3つ上げております。1つは住宅の確保。これは、障害者基本法の第17条で、同じ題名のもとで条文がございます。また、文化・スポーツ、これにつきましては、障害者基本法第22条で、文化的諸条件の整備等という項目にございます。続きまして、発生予防ですが、これにつきましては、障害者基本法の第3章、障害の予防に関する基本的施策、第23条、国及び地方公共団体は、障害の原因及び予防に関する調査及び研究を促進しなければならないということで、以下、2項、3項の規定がございます。

これらにつきましては、特に住宅の確保については、所得保障の一環としての議論はありましたけれども、正面からの議論はなかったと記憶しております。つきましては、障害者基本法の抜本改正に当たって、少なくともこの3つの論点は議論する必要があるかと思っております。

また、次のページには、新たに検討を要する分野ということで、ユニバーサルデザインについて掲げております。これにつきましては、廃案になりましたけれども、障がい者制度改革推進法案、これは第171回国会提出にある法案ですが、この第10条で、ユニバーサルデザイン等についての規定がございます。このユニバーサルデザインにつきましては、これまでほとんど議論がありませんが、やはり大事な項目ですので、基本法改正に当たっては議論が必要かなと思っているわけです。

その他、まだ議論が薄かった分野等々いろいろあるかと思いますが、少なくとも基本法改正に関しては、この4つの分野については議論していただきたいと思っております。ただ、今日これを細かく詰めてやるということでこの議題を提出させていただいたわけではありません。それぞれの議題について、どういう問題があるかとか、どういう問題認識を持っているかとか、そういうことをアトランダムに出していただいて、今後の議論の前提にしたいということで考えているところです。

大体説明としては以上です。

藤井議長代理 いいですか。横断的な課題の中で、トップバッターとして障害者基本法の抜本的改正の作業に入っていくと。ここまで議論してきた中で、やはりまだ議論が十分でなかった点、今出たのは3つ、今までの基本法にあって、現在の基本法に載っかっていて、ここでの議論がまだまだ十分ではない住宅の確保とか、文化的な生活、それから発生予防、加えてユニバーサルデザイン。

議論の仕方としまして、まず今挙がった4つを順番、順番で議論していきます。その上で、なおかつ、今出ましたけれども、これもやはりどうだろうかという挙げておきたいというものがあったら、後半の方で時間をとってありますので、まず順番に、住宅の確保、それから文化・レクリエーション、スポーツも入ってですね、そして発生予防、で、ユニバーサルデザインと行った後に、そのほかとなりますので、進行に協力をお願いいたします。

そこで、まず、住宅の確保です。現行で言うと第17条、お手元に現行法の全文が出ています。今日の資料の2に入っています。また、権利条約では、第28条、相当な生活水準及び社会的な保障というところの第1項目と第2項目のdに関して、ここで住宅のことが書かれています。これに関する御発言があったら受け付けますが、いかがでしょうか。土本委員、お願いします。

土本委員 住宅のことでなのですけれども、自分たちがアパートを借りるときに、緊急連絡先について、親族がないと借りられない。親族がない仲間は借りられないのが、それをどうするかということなんですけれども。

藤井議長代理 もう少し関連して発言をお願いできますか。門川委員。

門川委員 門川です。住宅の確保ですけれども、この部分について、この条文を見ますと、「障害者のための住宅」と書かれてありまして、これは障害者用住宅と解釈されるかと思うので、「障害者用の住宅の供給」と読み取れるのですが、そうではなくて、障害者の住みたい場所に、障害者が選ぶ形態で、つまり地域で暮らすということが大切ではないかと考えます。これは、権利条約の第19条にも、居住地及びどこで誰と生活するかを選択する機会を有すること並びに特定の生活様式で生活することを義務づけられてはならないと書いてありますから、障害者が住みたいところに、障害者の住みたい形態で生活ができるようにすることも大事かなと思うので、所得に加えて、今言ったことも考えとしては盛り込んでいただければと思います。

以上です。

藤井議長代理 ほかにもう少し意見を伺いましょうか。ほかにどうでしょうか。清原委員どうぞ。

清原委員 ありがとうございます。住宅の確保につきまして、例えば、三鷹市を初め自治体の中では、高齢者とともに障がい者の居住支援、あるいは居住継続支援事業というものを実施している自治体があります。これらの自治体は、不動産の関係団体と協力しながら地域での居住を支援しているわけでございます。

こうしたことから、今後の進め方でございますけれども、これは、住宅の確保のテーマだけではなくて、その後の文化・スポーツあるいは発生予防に共通していることと思いますが、これらの分野について、障がい者の支援をする、あるいはあり方を保障するために、主語として、「国及び地方公共団体は」と、このようにあります。

そこで、これまでも各省ですとか、あるいは関係団体からヒアリングをしてきたわけですけれども、今回このようなテーマを進められるときにも、三鷹市の事例、あるいは私が知っている事例等であれば私が発言することはできますが、やはり自治体によって取組みも違うかもしれませんし、あるいは、住宅であれば不動産関係団体、あるいは住宅の供給に関係する団体において、障がい者のこのような取組みを進めてきた経験のお声を聴くのも有用かと思います。したがいまして、自治体であれば、都道府県の団体もありますし、市長会、町村会もございますし、いろいろな団体がございまして、すべてというわけではありませんが、適時適切に関係団体のヒアリング、あるいは何らかの統計データを利用した意見交換ができれば幸いですし、また、事例等について、事務局が入手している先行事例であるとか、あるいは困難事例であるとか、そうしたものを共有しながら検討できれば幸いだと思います。よろしくお願いします。

以上です。

藤井議長代理 ほかにございますか。北野委員。

北野委員 今、門川委員がおっしゃってくださったことは、私は非常に大切なところだなと思いました。例えばこの障害者基本法の第17条の表現ですけれども、「国及び地方公共団体は、障害者の生活の安定を図るため」云々とありますが、やはり門川委員がおっしゃってくださったように、「国及び地方公共団体は、障害者の地域で暮らす権利を促進するために」とすべきです。さらに「障害者のために」ではなくて「本人が希望する住宅を確保する」といった表現を今後展開できるような方向で議論していただけたらと思います。

以上です。

藤井議長代理 門川委員と関係した発言と考えていいですね。

大久保委員。

大久保委員 大久保です。この17条の文言をどうするかということより、一応問題提起というか、今、知的障害の分野で課題になっている点というか、この辺をちょっと申し上げたいと思います。

1つは、グループホームというのは、地域生活における住まいの一つの形態として広く利用されているわけですけれども、公営住宅の活用というところにおいて、かなり地域間格差があること。積極的に推進しているところと、ほとんど活用していないというような地方自治体もあるということがあります。そういった実態や、あるいはグループホームというもの自体が、そもそも建築基準法で想定していないということもあるのでしょうけれども、いわゆる施設という扱いになってしまっているというところがあります。つまり厳しい建築基準というものが求められることによって、地域におけるグループホームの確保が難しいという現実があろうかと思います。

なお、先ほど土本委員から問題提起された保証人というか、ひょっとしたらその保証人のない方について、それを何らかの形で公の機関が保証するような制度がたしかあったと思うのですけれども、そういったところも普及していないのかなという感じを持った次第です。

以上です。

藤井議長代理 関口委員と尾上委員。イエローカードが挙がりましたね。では、まずイエローカードを最優先します。土本委員、何ですか。

介助者 今の育成会の大久保委員の発言についてですが、恐らく保証協会の話をされたと思うのですが、保証協会が、審査の段階で緊急の連絡先はだれなんだと言うんですね。そのとき親族でなければだめだということを言われるんです。そのことを土本委員が言っているんですよね。

藤井議長代理 これは介助者の方だけれども、僕もそういう支援した経験であるのですけれども、そのとき、障害を持っていなくて、親族のいない人も今いらっしゃいます。その場合はどう、つまり、障害を持っている方と持っていない方とそこに格差があるのですか。差別的な扱いというのは、保証協会の方は。もしわかっていれば。

介助者 そこら辺の差別についてはよくわかりません。障害のない人たちの部分については、よくわからないので。私が関与している人たちの中に、そういう人が何人もいるということです。

藤井議長代理 わかりました。

関口委員、お願いします。

関口委員 第17条はいいことが書いてあるのですけれども、これは、僕らの団体で、東京都の人権機関のところとお話し合いをするグループがありまして、そこに僕らは団体加入をしているわけですが、要するに、例えば民族差別とか部落差別とかということで家を貸してくれないということがあって、それとごっちゃになって精神も入ったわけですが、23区の中で住宅サポートをやっているのは13とか言っていましたね。そのうち保証人の面倒まで何とかしましょうと言っているのは3つ以下だと言っていましたね。つまり23のうちで13だから、何ともはや、つまりやっていないところの方が多いんですね、そういう住居サポート自体を、そのシステムがないと。こういうものというのは、つまり幾ら条文に書いても、各自治体できちんとやってもらわなければ何の意味もない、絵に描いたもちになってしまうので、これをやるところはいいですよ。僕は評価しますけれども、逆に、では、やっているところとやっていないところと雲泥の差ができてしまって、それこそ地域間格差が広がるというようなことはないような形で、この基本法のところで担保できないとまずいと僕は思います。

以上です。

藤井議長代理 基本法の性格ともかかわってくるので、後でまたお答えいただきますが、では、尾上委員。

尾上委員 尾上です。どうもありがとうございます。

先ほど門川委員が発言されたこととも関係するのですが、今後の障害者基本法の抜本改正ということとも関係してくると思うのですけれども、これまでの障害者基本法の特に第2章以下は、「国、地方公共団体は○○する」という、つまり行政はこれこれ、こういうことをするということが書かれているだけで、これまでの推進会議の議論で言いますと、施策の対象という枠組みでの書きぶりだったと思うんですね。

それをこちらの今日お配りいただいた資料1の一番上にある基本的考え方、「『権利の主体』である社会の一員」というのが、私ども推進会議の基本的考え方なわけですから、先ほど門川委員が引用されました例えば19条のa項、どこで、だれと住むか、それを選択する機会を有しているというようなことを、いわば、地域で生活する権利を有しておりということがまずあって、そして、それを実現するためにこういう施策を行うみたいな書きぶりであってほしいなと思います。そういう意味で、基本的考え方に書かれている「権利の主体」である社会の一員ということを踏まえた書きぶり、特に、この部分で言えば19条のa項を最大限生かしたような書きぶりにできないかというのが1点です。

そして、もう1点ですけれども、先ほど土本委員からもおっしゃられた、公的保証人制度を含めた住まい方支援といいますか、これまで日本の住宅に関する施策というのは、持ち家政策を中心に進んできたと思っています。それ以外というのは、基本的には、もう公営住宅ぐらいしかなくて、もっと言えば、重度の障害者の住宅というか住むところの確保は、福祉サービスの施設を中心に進んできた歴史があると思うのです。それが、先ほど言いました19条のa項を中心にした書きぶりにしていくとしたならば、やはり相当いろいろな形の住まい方支援の充実ということをここの住宅の確保の、現行17条ですが、例えば17条のaが、障害者は、これこれ、こういう権利を有するということがあるとするならば、そのb項にかなりいろいろな形の住まい方支援というものを書いて拡充していかなければいけないのではないかと思います。

以上です。

藤井議長代理 中島委員。

中島委員 ありがとうございます。私も今までの意見に共通するところがありますが、1つ、これからの議論の論点として加えていただきたいと思うことがあります。日本では、住宅政策は、今まで持ち家政策が主流で、主に国土交通省の管轄ということで進められてきております。多くの先進国を見ますと、むしろ社会保障政策の中に居住権なり住宅保障ということで入っていると思います。

この間、福祉的な分野の問題もそうですし、多くの失業者の問題もそうなのですけれども、改めて、住宅の問題は、社会保障政策の中にきちんと位置づける必要があるということを、ここから発信するのも必要かと思っております。

既に、住宅基本法という法律がありますけれども、そうした関係法制とトータルに整合性を持たせるという議論も、こういう機会にする必要があると思います。同時に、必ずしもハードとしての住宅を公的につくるというだけではなくて、皆さんおっしゃっていますが、例えば住宅手当などの社会手当で保障していくという方法もあると思います。ここはまだ未開拓な分野と考えております。ですので、ここでの議論が、社会保障全体に広がっていくという可能性があるのではないでしょうか。

以上です。

藤井議長代理 以上7人から意見をいただきましたが、もしコメントできる範囲で、東室長からございますか。特にコメントはいいですか。

東室長 今日出していただいた御意見をもとに、今後、もう少し本格的な議論をしたいと思っております。

藤井議長代理 恐らく今日出ている意見は、おわかりのように、住宅という物理的な、ハウジング、住宅という場の保障と、居住権という、つまり住宅プラス、それを確保する費用にしても、土本委員が言われた、大久保委員が言われた保証制度の問題にしても、また、人的なケア付きということになったにしても、そうすると、住宅という物理的な場の保障と、その内容、具体的な内容、そのソフト、住宅プラスソフトパワー、これがまた当然セットなわけですね。これに住宅基本法のような国民一般の居住に関する法律があって、この関係性と。

だから、これは多分非常に深い議論が必要で、権利条約では第19条と第28条には、これに関して触れている事項がありますと。そういうことで、今後、これは更に深めていくということで、なかんずく、多分地域移行の問題とも連動するし、豊かな地域生活とも連動するので、大きな問題となっていますので、今日は一応問題点を出し合ったとしておいて、更に深めていくことをお約束して、次の項目に移りましょうか。

次は、文化・スポーツで、現行法で言うと第22条ですが、権利条約では第30条に文化的な生活、レクリエーション、余暇及びスポーツへの参加と大変克明にこれについては書かれております。こんなこともありますけれども、発言したい方いらっしゃいますか。まず、土本委員、久松委員、森委員という順番でいきます。中西委員も行きますね。では、まず土本委員から行きましょうか。

土本委員 土本です。このスポーツに関して、スポーツもそうですけれども、スポーツジムに通うときに、療育手帳を見せたら拒否されたという例がいっぱいあります。うちの仲間たちも、そういう形があったりとかして、道立のスポーツジムに通おうとしても、その障害者への理由で断られた部分があります。

やはりスポーツがそういう、自分たちが使いやすい施設なのに、そういう理解されていない部分がいっぱいあります。これは全国であるのではないかと思います。

以上です。

藤井議長代理 とても大事な問題ですよね。では、久松委員。

久松委員 全日本ろうあ連盟の久松です。

文化とスポーツが一緒のテーマになっていますが、文化の中身とスポーツの中身はかなり幅広くて、本来ですと分けて、独立したテーマでやるべきだと思っています。今後、テーマを分けて議論することをお願いします。

まず、スポーツに関することですが、皆さん御存じのように、障害者スポーツというのは管轄が厚生労働省、競技スポーツは文部科学省の2つに分かれています。厚生労働省の方のスポーツは、最初はリハビリ的な性格のスポーツ振興の政策だったと思いますが、最近のパラリンピック競技を見ますと、競技性を強く帯びたものになってきています。競技性の強いスポーツとみんなが楽しむスポーツの2つに分けることができます。実際にスポーツを楽しむ環境となっているのかいうと、本当にスポーツを楽しむ環境が整備されていないということがあります。

また、競技スポーツ等についても、パラリンピックと聾者のオリンピックと言われていますデフリンピック、またスペシャルオリンピックの3つがあります。それぞれ競技スポーツとして世界選手権への派遣もあるわけですが、競技ができるような環境にない、練習環境がないわけですね。具体的に申し上げますと、去年、台北でデフリンピックが開かれ、2,000人以上の選手が世界各地から集まって、日本からも多数の選手が参加しました。そのときにコーチも帯同したのですが、そのときの問題といいますと、長期間仕事を休めるような状況にないということで、なかなか職場の理解が得られないために、企業を回り理解をお願いして、やっと認めていただいているような状況がたくさんありました。

中には職場の理解が得られなくてデフリンピックに参加できない、断念したという選手もいました。

もう一つは、スタッフ、コーチの中には、ほとんどの場合、特別支援学校に勤務している方がいます。そういう特別支援学校あるいは養護学校の先生、盲学校の先生、聾学校の先生で障害者スポーツの支援をする、要はボランティア的にやっていただいている方も多数いらっしゃるのですが、特別支援学校の中でさえ、長期間休暇をとると困るという事例も幾つかあります。特別支援学校の中でも理解してもらうのは大変だったということで、学校長にお願いしたこともありました。

障害者スポーツの理解がなかなか国民の中にも浸透していないということも大きいと思います。環境の整備と、国民が障害者スポーツに対する理解を深めていくことが大きな課題だと私は思っていますので、このテーマでも深く議論していただきたいと思っています。

もう一つ、行政の問題ですが、文部科学省のスポーツ政策と厚生労働省のスポーツ政策、2つに分かれていますので、その一元化という形の体系や体制をつくっていただくのが課題だと思います。その方向でも議論していただきたいと思います。

そして、文化についても話したいと思いますが、最近は障害者の社会参加も広がり、演劇、文化活動をしたいという障害者も増えてきていますが、その文化活動をする環境も整備されていない、また文化活動のための支援も不足しているという状況ですので、ほとんどの場合、民間の演劇活動の団体や個人的なボランティアに支えられている現状なので、これを国の支援として具体的な内容を検討していただきたいと思っています。ヨーロッパ、ロシアの中では、障害者のための文化活動や演劇活動を国が支援しているという例も多数あります。そのような現状を参考に、日本でもやれるような環境整備を検討していただけないかと思っています。是非、議論のテーマにしていただきたいと思います。

以上です。

藤井議長代理 森委員。

森委員 ありがとうございます。森でございます。

私は、障害者施策の中でこれが一番遅れている分野だと思っているんです。それで、スポーツ関係で言うならば、先ほど久松委員がおっしゃっておりましたが、日本では昭和39年にパラリンピックが開催され、そこには障害者スポーツという言葉がありましたし、在宅の人たち、重度の人たちに対するいろいろな施策言うならば、福祉サービスという点で、支援がされてきたわけですね。ところが、やはり文化という面では、なかなか着手されてきていないというのが現状ではないかと思っております。しかし、各地方公共団体でそれぞれ努力しながら、さまざまな形で取り組んでいただいているのだと思っております。

それと同時に、NPOなど何かの形で、障害者の方とともに一生懸命実践している文化もあるわけですね。国でも障害者週間で精力的に執り行っていただいているようでございますけれども、もう少し全国的にどういうものが展開されているのかということを、できれば今年の障害者週間のあたりをうまく利用して見つけてもらいたい。そして、これから、文化あるいはスポーツの分野についても、さらに力を入れていただければ幸いだと思っています。是非、充実を図ってもらいたいと思っています。

以上でございます。ありがとうございました。

藤井議長代理 中西委員。

中西委員 中西由起子です。今、森委員の方から、単にこの文化・スポーツは福祉的サービスのみではないというお話だったのですが、その点でこの文章を見ますと、「障害者の文化的意欲を満たし、若しくは障害者に文化的意欲を起こさせ」というしごく丁寧な説明がついています。しかし、そういうものではなくて、他の人と平等に、これらの文化・スポーツが享受できるようにということが、権利的視点から言うとまず第1点であり、それから、これは障害者個々人のスポーツ・文化的才能を伸ばすような個人的利益のみを言っているわけではなくて、先ほどお話に出たような、パラリンピック、それからほかの芸術活動等が、他の人たちに対して刺激を与えているという意味での、社会を豊かにするという側面も併記されなければいけないと考えます。

以上です。

藤井議長代理 関口委員。

関口委員 中西委員のところと重なりますけれども、少なくとも基本法に関しては、JDFでも政策研でもいろいろと検討してきた経緯があって、ここの「文化的意欲を起こさせ」というのは、やはり指導または指示している感じがするのでよろしくないというのはもう既に出ています。もし直すとするならば「国及び地方公共団体は、障害者の文化的意欲を満たし、他の者と平等に」、平等にでも同等にでもいいですけれども、「平等に、文化的活動、レクリエーションの活動もしくはスポーツを行うことができるようにするため、施設、設備その他の諸条件の整備、文化、スポーツ等に関する活動の助成その他必要な施策を講じなければならない」というふうに直すという案が既に出ています。

ちょっと精神のことで言いますと、ボランティアの方が結構、精神障害の当事者を、組織と言ってもおかしいですけれども、要するに一緒にやりませんかということでスポーツに誘ってくださっているというのがあるんですね。ボランティアグループが。そういうところに、つまりお金も何もつかないわけですよ。むしろ、それどころか、例えば新しくできる障害者のセンターみたいなところがあるのですけれども、そこの体育館の時間がとれるだろうかみたいな、変な話ですが、そんな話で、何とか使わせてもらう時間をとるように頑張りましょうという、そんなような状態なので、やっているところに、きちんと目に見える形で助成をつけていくことが、すごく重要なんだと思います。

藤井議長代理 では、北野委員ですか。もう時間が来たので、では、北野委員、手が挙がっているの。では、ようく時計を見ながら。

北野委員 私も中西委員や関口委員の意見に全く賛成で、権利条約の第19条の地域で暮らす権利のc項が大事だと思います。やはり市民が通常利用する文化・スポーツ、レクリエーション等の設備であるとか機関を障害者も自由に利用できるような施策を講じるべきであるということは、明確にしていただけたらと思います。

以上です。

藤井議長代理 それでは、今、6人の方ですか御発言がありましたが、東室長の方でコメントございますか。特にはいいですか。

東室長 競技性が高まれば高まるほど、例えば一般の国体と身障者国体をなぜ分けなければならないのかと。オリンピックもそうですけれども、そもそも分ける必要があるのかという議論もあると思うんですね。他面、スポーツの育成という面では、特性に応じた形で分けることも一面必要だけれども、やはり枠組みとして分けていいのかという議論なんかもあると思うんですね。

ですから、やはり一般化という側面と支援という側面と、両方の議論が要るのではないかという感じもしておりますので、そこら辺の議論も含めて、今後、議論していただきたいと思っています。

以上です。

藤井議長代理 土本委員が言われた、今のスポーツ施設での入館拒否のような動き、これはレクリエーション施設、文化施設も多分そうだと思うのですが、やはりこういったものの状況がどうなっているかが大事です。

それから、久松委員が言われた、文化面とスポーツ面というのは、やはり分野が違うので、条項の中では両方並列であっても、議論はやはり分けてというあたりもね。

そのほか、皆さんのおっしゃった点で、とても大事なことで、ついつい基本分野から外れているプラスアルファの分野ということになりがちなので、実は、やはりこれは大事な分野だという森委員、中西委員の御指摘、北野委員の御指摘もそのとおりだと思いますので、関口委員も含めてね、今後、これはまた深めていくと。

ちなみに、パラリンピックなんかが、やっと何回か前から一般のスポーツ欄に、あるいは一般のテレビ欄に入ってきたということがあったりね。しかし、欧米で見ると、オリンピック委員会には、どうして日本はJOCに入らないのかと。厚生労働省で結団式をやって、今おっしゃった、やはりユニバーサルデザインという視点からも問われている面がありますので、また今後、これも、今の東室長のおっしゃるとおり、幾つかの角度から議論していくというようにしてまいりましょう。

それでは、時間が今14時24分です。20分間なので、14時45分まで休憩に入りまして、あとは、発生予防、それからユニバーサルデザイン、その他として進んでまいりますので、御発言の方を準備してください。

では、休憩に入ります。

(休憩)

藤井議長代理 それでは、再開します。16時に向かって進行してまいりますので、少し第1コーナーから持ち越して第2コーナーに時間を踏み込んでいますので、効率よく話し合いを進めてまいります。

では、第1コーナーの続きで、現行の基本法にあるもの、またないものだけれども、今までの議論では手薄なので少し深めておくし、今日ばかりではなくて、今後とも深めるんだけれども、今日は少し意見交換をしておきたいということで、残り、項目としてあるのが、発生予防、現行法では23条、それから権利条約等、あるいはさきの民主党の法律案にあったのがユニバーサルデザインですね。これを少し議論します。それから、その他、今までに含まれていなかったことで今日意見を言っておきたいということがあったら受け付けますので。

では、発生予防に関して御意見をいただきますけれども、発言をしたいという方いらっしゃいますか。では、まず、川崎委員、それから尾上委員、関口委員という順番でいきますので。極力、結論からお話し願います。

川崎委員 精神障害者の家族会の川崎でございます。

この障害の予防に関しましては、実は、精神疾患と言いますと、これは社会の理解、国民の理解がないことには、なかなか予防は進まないのではないかと思っております。特に、偏見のために早期発見や早期治療が進んでいないのが精神疾患の現状であります。ですから、ここにいろいろ施策が出ておりますけれども、社会、国民が理解するような啓発的な施策がこの予防には必要ではないかと思っております。

以上でございます。

藤井議長代理 尾上委員。

尾上委員 尾上です。これは私、第2回の推進会議のときに意見ということで出させていただきましたけれども、この23条、今の第3章という障害の予防に関する基本的施策という項目自身を削除した上で、この中に書かれていた残さなければならない施策について、別な形のところに入れ込むべきではないかと思うところです。

御存じのとおり、この項目は、もともと1970年でしたでしょうか、心身障害者対策基本法のときには発生予防ということで、施策のところの一番最初にありました。そして、事実、その当時、不幸な子どもを産まない県民運動とか、そういう、いわば障害のあることがイコール不幸だという考え方、先ほどの川崎委員の言われた啓発と逆さまの啓発の考え方に使われてきた歴史的な経過がございます。93年の改正のときに、ようやく現行法のように、何とか「発生」というのを取って「障害の予防」ということになったのですが、やはりまだその尾ひれがついている感は否めません。そういう意味で、この第3章23条そのもののあり方が、やはり問われなければいけないのではないかと思うところです。

それで、第3章そのものは削除が適切ではないか。その上で、例えば、ここの23条の3にある難病の方々のいろいろな施策というものも、ここの23条の3に書かれています。これは、例えば第2章のほかの条文、例えば保健へのアクセス、保健サービス、そういったタイトルできちんとここら辺の施策を進めていくということは、別の条項に置くべきではないか。その上で、もう一度申し上げますけれども、この23条の発生予防という項目そのものは、障害者の権利の主体という視点からしたら非常に不適切だと思われますので、削除すべきではないかと思います。

藤井議長代理 関口委員。

関口委員 結論は削除です。この条文を読む限りにおいて、障害者とは、事故や疾病等による途中からの障害者という定義が全く感じられず、旧優生保護法のいわゆる不良な子孫という文脈がそのまま残っている感じがするし、人為的な障害者の発生予防については何一つ書かれていないことにより、生まれながらの障害者を、本来あってはならないものとする差別感を助長していることになっていると思われます。

現実に、着床前診断や出生前診断が、各医療機関で当然のように行われていて、それでも事が足りないのか、産科医療制度なるものまでつくられてきて、生まれてくる障害者の命を完全に特別なものとして位置づけようとしている。これが、女性に障害のない子を産まなければいけないという強迫観念を抱かせるものであり、また、障害者のいる家族は、精神的に追い詰められるような可能性がある。だから、この法律の目的である障害者の自立及び社会参加の支援等のためということであるとすれば、ここの条文は要らない。

ただし、第3項の難病等については、医療の部分の「医療介護」となっていますけれども、「介助」として、介護と介助の話は前にも出たと思いますが、そこの部分に少し入れ込んでいくのがいいのではないかと思います。勿論、難病等が障害であるということは、障害者の定義に絡んでくる問題ですけれども、それはまたそれで、また定義のところでやればいいんだと思います。

以上です。

藤井議長代理 ほかに。北野委員。

北野委員 これは1つ教えていただきたいのですけれども、国連において障害者の権利条約の作成過程でこの問題についてどういう議論をされたのかということについて、もし可能でしたら東室長なりに少し教えていただければと思います。

藤井議長代理 権利条約には直接これに触れた条項はないのですが、どうしてかということを含めて、もし東室長、わかれば、経過等、コメントできる範囲でお願いします。

東室長 今日、手元に条約の資料を持ってきておりませんが、恐らく、二次障害の予防ということでは触れてあったと思います。しかし、予防自体が、やはり今、皆さんが懸念されている問題がありますので、その部分は文字としてもなかったかと思います。

そのぐらいのことしか言えませんが、以上です。

藤井議長代理 これは多分大きなテーマだと思うんです。恐らくこういうメンバーは、障害があって生まれてきていいということは、だれも思っていない。そうすると、この法律だけで完結するのか、母子保健法等々、法律全般でカバーすべきという点等々含めてか、あるいはこの第23条の要素については、差別・偏見の防止・禁止を含めて、あるいは難病を含めて、分解して別な法律ということで、あたかもこの基本法の中に障害者差別をまさに助長することとつながりかねない発生予防という点では問題がありと。こういう点で、今後、そういう広い視点から議論していくことになってくると思うんですね。

よろしゅうございますか。はい。

次に、ユニバーサルデザインですが、ちょっとこれに関しましては、これも基礎知識としてもう共通理解になっているかもわかりませんが、特にこれは権利条約の中で強調された一節です。短いので、権利条約がお手元にあれば、第2条の5段落目、定義の中の一節、それから第4条の一般的義務の中の1のfですね。これはとても大事な条項でありまので、短いので読み合わせをさせていただきます。

介助者 障害者の権利に関する条約。公定訳案。3月3日付のバージョンを読みます。

第2条の5段落目、「ユニバーサルデザイン」とは、調整又は特別な設計を必要とすることなく、最大限可能な範囲ですべての人が使用することのできる製品、環境、計画及びサービスの設計をいう。ユニバーサルデザインは、特定の障害者の集団のための支援装置が必要な場合には、これを排除するものではない。

次、第4条1のfです。

第2条に規定するユニバーサルデザインの製品、サービス、設備及び施設であって、障害者に特有のニーズを満たすために必要な調整が可能な限り最小限であり、かつ、当該ニーズを満たすために必要な費用が最小限であるべきものについての研究及び開発を実施し、または促進すること。また、当該ユニバーサルデザインの製品、サービス、設備及び施設の利用可能性及び使用を促進すること。更に、基準及び指針が作成される場合には、ユニバーサルデザインが当該基準及び指針に含まれることを促進すること。

藤井議長代理 なかなか文面ではわかりにくいのですが、こういうとっても大事な要素が権利条約では盛り込まれています。先ほど東室長が言われたように、さきの障がい者制度改革推進法の中でも、たしか第10条でしたか、今日お手元にありますが、文言が入っていると。

これに関して発言をしたい方、挙手をお願いできますか。では、新谷委員、それから久松委員、松井委員、清原委員という順番で行きますので。では、新谷委員、お願いします。

新谷委員 新谷です。ユニバーサルデザインに対する取組みというのは非常に難しいところがあるのですけれども、階層別に考えると、1つは、汎用性を持ったデザインで、例えば高齢者と障害者の汎用性を持ったデザインという取組み方で、何も強制力がなく進んでいくデザイン部分があると思うんですね。これが基本だと思いますけれども、次の階層レベルは、開発側に何らかのインセンティブを与えられる、補助金が出るとか、そういう社会的なサポートがあって進むユニバーサルデザインの部分がある。

もう一つの階層は、余りいい方法ではないのかもわからないけれども、政府の法令で規定して、強引に進めていくユニバーサルデザインもあると思います。アメリカの例ですが、携帯電話に磁気誘導コイルを埋め込むというのをFCCが決めて、それを強引に進めたのですが、それで、電話事業者ごとに、加入者が多い事業者はいつまでにやらないといけないというタイムスケジュールを引いて強引に進めたところまでは私は理解しているのですが、実際その後、そのとおり進んでいるとは聴いていないんですよ。携帯に磁気誘導コイルが埋め込まれると、補聴器を使っている聴覚障害者の方は、かなりクリアな音を携帯電話で取れるというメリットはあるのですけれども、日本の場合には全く検討されていない。

こういうようなものを実際に進めるために、私たち団体側から意見を言っても、やはり開発業者、開発する会社は動かないんですよね。ほとんどそういうレベルでは。やはりそのときに、その開発会社が動くのは、社会に汎用性があるか、きちんとした法的な裏づけ、補助金がもらえるか、どちらかの道筋がついていないと、会社というのはなかなか動かないところがあるので、私たちは取組みをどうすればいいのか。また、法律的なレベルに上げるのは結構ですけれども、法律的なレベルに上がってしまうと、なかなかデザインレベルの創意工夫が出てこないということもあります。

やはり社会の意識が一番大事だと思うので、私たちの取組みとしては、例えば、劇場に字幕スクリーンを用意するのがなぜ必要か、これからは高齢者の方が非常に増えるので、高齢者の方が見るためにも字幕は必要なのですという、非常にまどろっこしい言い方でのPRしかないので、その辺をどういうふうに取り組めばいいのか、この会議でもアドバイスいただいて、私たちのような団体が、当初段階での動きとしてこうやれば、こういう効果があるんですというようなことのアドバイスもいただきたいという意見です。

以上です。

藤井議長代理 久松委員。

久松委員 ろうあ連盟の久松です。

権利条約の中のユニバーサルデザインの考え方を説明するとき、特定の障害者のためのバリアフリーを排除してはならないという考え方が書いてあります。実は、日本でユニバーサルデザインと言うと、特定の障害者が排除されるということが結構多い現状があります。ユニバーサルデザインの理念というものの意味をとらえ違えているという現状がありますので、すべての障害者にあまねく対応するという考え方をもっと強くPRしていく必要があるのではないかと思います。

日本の技術的な課題というのは、例えば、知的財産、国際標準、技術開発、この3つの関係をつくって、いろいろなあるべき姿としての方向性を議論していますが、その中にユニバーサルデザインの話が全く入ってきません。これは内閣府でやっている知的財産戦略本部会議の中では、ユニバーサルデザインの話は入っていないので、これを入れる必要があると思っています。

先ほど新谷委員からもお話がありましたように、一般企業は、皆さんも御承知のとおり、技術開発の事業化についても、今、日本では経済が落ち込んでいるということもあり、企業として障害者のための技術開発の姿勢がないので、技術開発をしていくというムードをつくっていくのが厳しいという現状にあります。技術者が夢を持って行う技術開発が、社会のためにつながっていくという考え方で技術開発する姿勢がないので、企業の技術開発の体制をサポートすることについての議論も必要だと思います。

何年か前に東大の有名な先生が、障害を持った当事者が研究開発または技術開発できるような体制をつくりたいということで、いろいろな企業に理解を求めるため動いてくださいましたが、なかなか障害当事者が技術開発する、この担い手となる体制づくりが難しい状況にありました。今までユニバーサルデザインと言うと、障害を持つ当事者の立場は、意見を聴く相手、体験を聴く相手ということで、それを踏まえて企業などが製品開発するということが多かったわけですが、障害当事者が技術開発をする、製品開発をする、また制作・運営の担い手になるということが今までありませんでした。社会参加促進のために、障害当事者自身がこれらを担えるような体制づくりが今後の大きな課題だと思います。これをテーマにして議論していただきたいと思います。

以上です。

藤井議長代理 松井委員。

松井委員 松井です。ありがとうございます。

ユニバーサルデザインというよりも、むしろ基本的な考え方になるのですけれども、2番目の住宅問題にもかかわるわけですが、日本の場合、基本的に非常に住宅の面積が狭い。だから、障害があってもなくても極めて使いにくいという実態があります。そういう意味では、ユニバーサルデザインという考え方は、例えば建築基準法等にきちんと反映させるべきであると思います。

例えば、日本では、大きなホテルでもせいぜい1部屋、2部屋しかアクセシブルな部屋がないというのは、結局そういうつくりになっていない。入り口が一定の幅以上であれば、特別の部屋でなくても十分使えることになるわけなので、その考え方を住宅にきちんと当てはめて、そういう住宅を整備していく必要がある。例えばニュータウンなど、昭和40年代につくられた集合住宅は5階以下のものはエレベーターがないために、高齢者にとってはきわめて使いづらいものになっているという実態になっています。人間らしい住宅環境をきちんと基準法の中で位置づけて整備するということをすれば、ユニバーサルデザインがおのずと住宅等に反映されると思います。

それから、最近、アクセシブルツアリズムと言って、高山市がかなり力を入れていらっしゃいますけれども、これは、別に特定の市だけでなく、そういうアクセシブルなまちづくりをすれば、どこでも高山市のようにすることができる。そういう理念をきちんと反映させるような取組が、ユニバーサルデザインに併せて取り組まれるべきだと思います。

藤井議長代理 それでは、清原委員。

清原委員 清原です。ありがとうございます。これからの論点整理に向けて、4つの点を提案したいと思います。

1点目は、第一次意見の24ページから25ページ以降に、建物利用・交通アクセス、それから情報アクセス・コミュニケーション保障という整理をしています。この内容は、言い方、キーワードとしては「バリアフリー」ということが使われているわけですけれども、それを更に普遍的に表した言葉が「ユニバーサルデザイン」と考えれば、第一次意見で議論した事柄、とりわけ「移動保障」であるとか「コミュニケーション保障」と「ユニバーサルデザイン」について、より連携を強められればと思います。

2点目には、先ほど松井委員もおっしゃいましたが、今日提起された住宅、それから、加えて文化・スポーツそれぞれ、やはり「ユニバーサルデザイン」の取組みがなければなかなか進展しない課題だと考えますので、今日提起されたほかの課題との連携の中でも、横串として「ユニバーサルデザイン」というのは意味があると考えます。

3点目に、これまでの経済産業省あるいは国土交通省、総務省等で、「バリアフリー」という用語だけではなくて、「ユニバーサルデザイン」ということを掲げた検討が進められていますし、推進本部がつくられた事例もあると承知しています。また、参議院等でも、「ユニバーサルデザイン」をキーワードで研究会が重ねられてきたと承知しておりますので、従来の取組みの成果の要点というものも、この会議で共有できれば前に進めるのではないかと思います。

最後に、日本でこのような「ユニバーサルデザイン」について本格的に障がい者の会議で議論していくことは、日本のみならず、私は、その研究あるいは実用化というのは、「国際貢献」もできる分野ではないかと考えておりまして、この問題提起、検討というのは、法律の改正とかそういうところに勿論第一義的には結びついていく議論がなされるかもしれませんが、実践としての調査・研究や技術開発、実用化のプロセスにおいては、是非、日本から、できれば「国際貢献」、「国際発信」もできるような展開があればありがたいと感じました。

以上です。ありがとうございます。

藤井議長代理 ほかにございますか。では、尾上委員、土本委員の順番に行きます。尾上委員。

尾上委員 尾上です。基本法の条文にどう書くかというのはもう少し考えなければいけないと思っているのですけれども、ユニバーサルデザインというときに、やはり大事なのは、スパイラルアップといいますか、一つのデザインをつくって終わりではなくて、それを評価し、更に次の改善に続けていくというスパイラルアップの仕組みがすごく大事なんだろうと思うんです。

先ほど久松委員が御指摘されたとおり、ユニバーサルデザインという言葉で、バリアフリーからユニバーサルデザインで、よりすばらしいデザインになっていくのかなと思ったら、現実には、出てくる成果物が今までよりも使いにくくなったりという事例が、残念ながら、今の日本ではままあったわけです。ということは、別にユニバーサルデザインが問題というよりは、ユニバーサルデザインがスパイラルアップする仕組みを持っていないということが問題だと思うんです。

そのスパイラルアップをする仕組みのときに、やはり日本ではどうしても、つくったらつくりっ放しというのが今まで多かったですから、開発段階に参加すると同時に、つくった後、きちんと評価をし、次の改善へつなげていく、そういう当事者参画の仕組みがきちんとできるような施策を進めていくような基盤といいますか、そういう条文のつくり込み方が要るかなと思います。

ちょっと長くなりましたけれども、もう一度申し上げますと、ユニバーサルデザインがいい形のデザインの方向にどんどん進んでいくように、当事者が開発段階に参加するのは勿論ですが、更に、でき上がったものを評価し、よりよいものにしていくような仕掛け、そういう施策が進んでいくような書きぶりが要るのではないかということを提起したいと思います。

藤井議長代理 土本委員。

土本委員 北海道・東北ですけれども、冬になると車椅子と点字ブロックが全く使えない状況である。高齢者も全くというか、困難を抱えてしまいます。それと、災害時の車椅子による移動のときも困難を抱えてくるので、そういうところでちょっと考えながら進めていきたいと思っていますけれども、どうでしょうか。

藤井議長代理 竹下委員。

竹下委員 結論的には、ユニバーサルデザインの保障、あるいはそれの促進のための規定は必要だと思うのですけれども、2つ大事なことがあると思うんです。1つは、そうしたユニバーサルというものを理念として掲げることについて反対する人はまずいないだろうと思うのですが、時として、便利さと他の要素とが衝突することを防ぐためには相当な議論が要ると思うんです。

最近、例えば視覚障害者で一番問題になっているのは、静穏車と言われる自動車、要するに電気自動車とかハイブリッド車ですね。これは、正眼者、目の見える方にとっても、後方から来る自動車の接近に気づかないという意味では危険だということが言えるわけですが、他方では、騒音規制との関係で、いわば促進してきたという経過があるわけですから、それを乗り越えたものとしてどうするかという議論は、多分総合的な議論の場はなかったのだろうと思っているんですね。でき上がった後で議論が始まっているから非常に厄介なことになっていて。幸いにして、国においても静穏車に対する対策は始めてくれているわけですけれども、でき上がってしまうと、結果的には、既に出回っている自動車へのいわば走行音を取り付けることについて義務化できないという現実にぶつかったりしている。そういう意味では、物をつくる過程で、そうしたユニバーサルデザインについて検討することを制度的に確実にするための、いわば機関が必要だろうというのが1点目です。

それから、2点目には、多分、今の尾上委員の言っていることと合致すると思うのですけれども、でき上がったものを固定化しないということが極めて大事なんだろうと思うんです。でき上がったものを常に柔軟に変更することを可能にする発想というか仕組みが必要なわけで、それがなければ、結果的に、でき上がってみれば危険をいわば増やすことになったり、先ほどどなたかがおっしゃっているように、不便を増やすことに、結局、障害者にとってもより便利だというつもりでつくってみたけれども、結果的に排除される人をつくり出しかねないということにもなるので、2点目の提案としては、でき上がったものを見直すためのシステムを是非盛り込んでいただきたいということです。

藤井議長代理 では、この件に関する東室長よりのコメントはございますか。

東室長 従来からユニバーサルデザインとバリアフリーデザインの違いとか、いろいろ議論されてきたところであると思いますけれども、そろそろこの関係にしても、条約の中でのある程度の位置づけができ上がっておりますので、障害を持つ人たちの共通理解としてこの辺を整理していく必要があるのではないかという感じは持っております。

以上です。

藤井議長代理 この権利条約にありますのは、これは製品のみならず、環境とか、サービスとか、計画ということになっていますので、ユニバーサルデザイン思想と言ってもいいと思うのですが、今日論じられたのは製品、商品のイメージが強かったと思うのですが、この場合、相手が民間企業が大半だと思うんですね。そうするとどれくらい、法的な拘束を含めて、開発での意思決定機関等々あると思うのですが、是非ともこの問題は、大事なテーマだけれども、相手が大変茫漠としていることもあって、どこまで政策化できるのかと。

ただ、1つ、今、総合福祉部会で議論している中で、例えば精神科医療も含めてですが、医療は国民一般の医療法規に、あるいは障害児は児童一般の法令に、労働は極力労働法規全般にとこうなっていて、その法律上の普遍化していくという作業も、これも立派なユニバーサルデザインという考え方だと思うので、幅広くこれについてもまた議論をしていこうと思います。

そのほかで、今まで言ってきた4つの項目以外で追加しておきたいこと、今日は、一応項目的に伺っておいて、議論はできにくいと思うので、こんな項目を追加したい、その理由はしかじかというぐらいで御意見をいただければと思うのですが、いかがでしょうか。佐藤委員、大濱委員、久松委員の順番で行きます。佐藤委員。

佐藤委員 ありがとうございます。この推進会議の第2回で基本法の検討をしたと思うのですけれども、そのときの議論の中でも幾つかその他の項目が挙げられていたと思いますので、その辺のレビューもまた漏れがないようにやっていただければと思います。恐らく、そこでも指摘をさせていただいたと思いますが、5点ほど、こういう項目も検討するべきではないかという点を提案させていただきたいと思います。

1つは、障害者の計画策定への参加及び事業運営への参加というような項目を検討するべきではないか。特に市町村の障害福祉計画づくり、障害者計画づくりなどに、いろいろな種類の障害を持った人が参加すると。肢体不自由者は参加することがかなり当たり前になってきていますけれども、知的や精神の人たちも含めて参加するようなことを基本法で促すことが必要なのではないか。そういうことによって、目に見えるような形で当事者が登場して、市民理解が初めて深まるという、地域の力が強まることがあるだろうと思います。

それと、事業運営への参加という点では、既に介護保険などで地域型のグループホームとか、いろいろなものは、運営推進協議会の設置が義務づけられていると思うんですね。最近そういうふうになってきて、利用している人と地域住民なども参加して、どういう運営をしていったらいいのかというようなことを話し合うような場が設けられるようになってきていますので、障害関係、これは主に福祉に関係することが中心かと思いますが、それ以外でも、基本法のレベルで事業運営、障害者のための事業の運営に当事者が参加するというようなことを検討したらどうかというのが1点目です。

2点目は、障害者に関する情報の収集と活用という項目を基本法の中で是非位置づけていただきたい。総合福祉法の検討の過程で、今まで谷間に置かれていた人も含めて総合的な実態調査をやろう、これをこれから5年おきに定期的に行う調査として位置づけようという方向で今、議論が進んでいるわけですけれども、これは、どちらかというと、福祉サービスの必要な人がどのくらいいて、どんなニーズがあるのかということを明らかにするのが基本的な目標・目的でありまして、それはやるけれども、同時に、障害者基本法の中で、障害のない一般市民と比べて、障害を持った人がどういう社会参加の状態にあるのか、その格差がどこまで縮まってきているのか、旅行とか、まちづくりとか、経済生活、所得とか、雇用とか、いろいろな分野にわたる総合的な障害者の実態調査とそれを活用することについて、やはり基本法できちんとした取組みをするべきではないかというのが2番目です。

3番目は、権利擁護ということに関して何かきちんとした条項がないものかなと。虐待防止とか差別禁止というのは、これからつけられると思うのですけれども、それらを含めて、成年後見制度の使いやすいものにするとか、そういうようなあたりの条項を補強する必要があるのではないか。

4番目が、先ほどもちょっと出ていましたけれども、災害時対策をきちんと位置づける。災害時の情報の保障もあるだろうし、避難所のアクセスとか、避難所での医療の保障とか、いろいろなものがあるのではないかと思います。

5番目に、経済的負担の軽減ということで、いろいろな施策があります。こういう全体として必要なものをきちんと整理する、考え方もきちんと整理して、障害者理解が深まるような方向での見直しをする。障害種別の格差をなくす。こういうような経済的負担の軽減という分野についても、既に基本法の中にありますけれども、この推進会議でもきちんと検討することができればいいのではないかと思いました。

ちょっと長くなって失礼しました。

藤井議長代理 次は久松委員ですね。時間が余りないので端的にお願いできれば助かります。

久松委員 全日本ろうあ連盟久松です。

障害者基本法のテーマではなくて、今まで余り議論されてこなかったことですが、人材確保のことについて、障害者の権利を実現するための人材確保というテーマの議論が必要だと思います。障害当事者が社会、地域に生活するために支援する人材をどう整備するのか、それをどう養成していくのかということについて、ほとんど議論されていないんですね。その議論も是非必要だと思っています。

例えば、社会福祉士とか介護福祉士という国家資格の法制度がありますが、法制度の内容も、本当にこのままでいいのかどうか議論も必要かと思います。また、今の障害者福祉を支えるのが、ほとんどの場合、ボランティアに支えられているという現状があります。ボランティアに支えられるような実情が本当に続いていいのかどうか。よくないということもありますので、ボランティアに支えられることがない、事業として給与保障も含めて人材確保をテーマとして議論していただくことをお願いしたいと思います。

以上です。

藤井議長代理 大濱委員。

大濱委員 大濱です。第一次意見の中の医療の中でも落としていまして、今回、私が言いたいとことは、今、障害者も含めて新しい治療が始まっています。それで、例えば網膜色素変性症とか、ほかの治療もそうなのですが、障害の治療は根本治癒みたいなものがかなり始まっていますので、そこら辺、新しい治療へ参画する平等な権利といいますか、やはりこれらも謳っていただきたい。これは10条の生命に対する権利とか、その辺とも関係してくるのかと思いますが、まずそれが第1点目です。

もう一つ、29条、政治的及び公的活動への参加とありますが、政治的活動はかなり議論されたと思いますが、公的活動への参加という部分で、例えばNPOの団体などに毎日出るとか、そういうことは今現在、制限されているわけで、公的活動の参加をもうちょっときちんと位置づけてもらいたいと。

それから、3点目は、これは佐藤委員と同じで、権利条約前文のOのところに、障害当事者があらゆる機会に積極的に参加することと意思決定の段階で参加するという、この前文のOの規定をきちんと読み込んでいただきたいと。

以上、3点です。

藤井議長代理 中西委員。

中西委員 中西由紀子です。権利条約のところでは、女性障害者に関して6条で1項目設けられていて、かつ、8条の意識の向上とか16条の搾取のあたり、それから26条の生活水準と社会保障のところ、そこでもジェンダーの問題として出てきています。

ここの会議でもジェンダー的視点から時たま討議があったような気がしますが、ほとんど女性障害者というような特定の差別を受けた存在としての取扱いではなかったので、障害を持つ女性の項目というものが一つ入って、かつ、さまざまなところで適切な部分には入れなければならないと考えます。

以上です。

藤井議長代理 関口委員。

関口委員 第8条、施策の基本方針の後に、要するに国及び地方公共団体は、この法の目的の達成のために必要な情報の公開と自由なアクセスの保障を行わなければならない。これは、条約で言うと31条に情報の収集というのがあって、それから、一般的な義務のところ、原則ではなくて義務のところの1のa項に、きちんとその条約の目的を達成するために政策を行いなさいということがあるので、理由としては、国及び地方公共団体は既にさまざまな情報をいっぱい把握しています。例えば、精神科病院の人員配置の実態とか、精神科病院の入院患者数とか、閉鎖処遇の実態とか、身体拘束の実態とか、自立支援法の支給実態とか利用実態とか、そういうものを全部知っているわけですよ。それで、それをわかりやすく公開してほしい。

このごろ厚生労働省は、ちょっと褒めますけれども、これは、目で見る精神保健福祉というもので、かなり公開するようになってきましたが、そういうように、もう既にある情報に関しては、障害当事者あるいはその団体がアクセスできる形で、利用できる形で公開してほしいということです。

以上です。

藤井議長代理 堂本委員。

堂本委員 ありがとうございます。最初に、明日ですか、総理のところにこれをお持ちになる、そういうふうにおっしゃいました。そうですね。本当に長い間、作業にかかわってこられた方や、それから、本当にリーダーシップを取ってくださった東室長、藤井議長代理にもたくさんのお礼を申し上げたいと思うのですけれども、やはり今日、最初に松井委員がおっしゃったことが、私はとても心配です。ここでさんざん議論したことが、省庁での検討というところでろ過されて薄くなってしまうということが一番心配です。

先ほど室長が、8ページにこういうことが書かれているからという説明をしてくださったのですが、最後の最後に、この前の回のときに、できれば当事者の方ができるだけ多く総理のところへお渡しするときには行っていただきたいというお願いもしましたけれども、もう一つ、あえて今日お願いしたいのは、口頭で、日本で初めて総理大臣が本部長の直下でこれだけの大議論を当事者がしてきたんだと。それを省庁が、省庁がよくしてくださるならいいのですけれども、私が見る限り、特にお隣の精神医療の分野なんかが、ここで議論されたことと随分変わってしまう。現行法に近い、現行法をどう運用するかというふうになってしまって、実際に精神保健法をどう改正するかというようなことが抜けてしまったのです。それが、それぞれの分野で少しずつあるように思えてなりません。

ですので、微調整になっていれば何の意味もない、今しか本当に障害者問題というものを大胆に改革、そして、最初に福島大臣が言われたように、革命的に変えるチャンスというのはめったにないと。だから、そのときに、少なくとも総理に、このことがあれだけ官のことをいろいろおっしゃっている総理なので、純粋にみんなの思いを必ず通してください、さもなかったら私たちは信頼できなくなってしまうということを、是非何らかの言葉で御発言いただけたら大変うれしい。それはお願いです。

それから、2つ目は、皆さんおっしゃったので、私も、さっき佐藤委員がおっしゃった、これから、こういうチャンスだけではなくて、あらゆる場所で、障害当事者が政策決定に関与すべきだと思うので、佐藤委員が一番目におっしゃってくださったことを是非書き込んでいただきたい。私も、県のレベルではそれをやりましたけれども、市町村ではそれをやっていない。したがって、どうしてもそこに、当事者としては使い勝手の悪い政策がつくられてしまうということです。

最後に、中西委員がおっしゃってくださったのですけれども、やはり女性の問題。今、女性の貧困が大変な日本のテーマになっていますが、女性であって、なおかつ障害を持っている方が、大変に貧困ということで苦しんでいると思うんですね。ですので、本当に日本の特殊事情に近いと思うのですが、構造的なところから女性が追い込まれているところに、また更に障害ということでいろいろな不条理なことに出会っている方が多くおられると思うので、その点についても御配慮いただきたいと思います。

どうもありがとうございました。

藤井議長代理 どうしてもここで発言しておきたい方、ほかにいますか。山崎委員。ほかにいますか。では、山崎委員でこのコーナーを終わりにしますので、山崎委員どうぞ。

山崎委員 山崎です。ありがとうございます。

その他のその他で恐縮ですが、5月12日付で東室長あてに省庁別障害者施策及び関係支出等に関する情報提供のお願いをさせていただいております。一部の委員から、これがどうなっているのかというお尋ねがありまして、私はこれを要請した側で、出す側ではないので、私が発言するのは適当でないかもしれませんが、今わかっている範囲内でお知らせさせていただきたいと思います。

1つは、先日公表されました今年度の障害者白書の中で、168ページから169ページですが、障害者施策関係予算の概要が既に公表されております。これはもう既に、一部のお答えになっているかと思います。

2つ目には、担当室の非常に前向きな御努力で、これにきちんと応えようという対応をしていただいています。例えば、勝又委員をお招きして勉強会を開かれて、OECDの予算の中での障害者予算・決算の位置づけをどのように見たらいいかの勉強会をされたと承知しております。今後は、この会議が終わってから少し御相談させていただこうと思っておりますが、どういうような趣旨で、具体的には、この会議の中で今後、どういう形で使うつもりなのかということを今、逆に私どもの方に問われておりまして、このすり合わせをして、第二次意見集約に向けて有益な資料を提供していただこうと思っております。ですので、是非、担当室におかれても、こういうような趣旨でございますので、引き続き前向きに御対応いただければ大変ありがたいと思います。

以上です。

藤井議長代理 以上、このその他に関しては、それを超えた御意見もありましたけれども、大変大事な意見がありました。質問もあったので、質問へのできる範囲での回答と全体のコメントを東室長の方でお願いできますか。

東室長 既に一部議論された部分と重なる部分について、再度御発言をいただいた部分もあるかと思います。それはそのことで重要なので、今後の検討の中で生かしていかなければならないと思っています。

それと、改めて、初めて出された分野もありますので、その分野について、正面から議題とするかどうかについては、今後検討していきたいと思います。

藤井議長代理 山崎委員はいいですか、それは。

東室長 コメントというよりも、今後ともできるだけのことをやっていきたいということで。

藤井議長代理 それでは、第1コーナーから引き続いた部分ですが、基本法の改正で、現行の法にあって議論が不十分なもの、それから現行法にはなくて大事な部分を議論しました。これについては、今日のこの頭出し議論を端緒にして今後議論するということになりますので、また引き続きこれは深めていくというようにさせていただきます。

では、続きまして、そのまま進行してまいりますが、今後の進め方で、部会等に絡むのですが、まず、今後の進め方について、東室長の方から、改めて部会等に関係した点で報告をお願いします。

東室長 東です。少しアトランダムになるかもしれませんけれども、まず、部会として前々から申し上げております差別禁止法に関する部会ですが、これにつきましては、8月から9月をめどに立ち上げられるように人選等を今後進めていきたいと思っているところです。

差別禁止法に関して言いますと、これまで日本の法体系の中で存在しなかった部分を新たにつくり出すという、そういう作業を行うことになると思います。つきましては、やはり法体系になじむかどうかという一番最初の入り口から始めて、障害の定義、差別の定義という大きな総論部分、そして、さまざまな生活分野ごとにおける具体的な差別の定義、合理的配慮も含めた定義の規定、それとともに、そういう実体規定のほかに、人権救済部分をどうつくっていくのかという、障害の問題だけではない大きな問題、検討すべき部分があります。それとともに、最終的には司法救済という部分も念頭に置きながら、具体的な権利性、裁判規範性を持った法体系としてどうつくり上げていくかということが大きなテーマになると考えております。

そこで、部会のメンバーとしては、これまで差別禁止法に関していろいろな形でかかわり、提言とか試案とかをつくられてきた関係団体の関係者を初め、やはり学者さんたち、特に法的な知識を有する学者さんなどの参画も非常に重要になるかと今思っているところです。

そういうことを念頭に、具体的にどういう論点で議論を始めていくのか、人選をどうするのかということを今後進めていきたいと思っておりますので、現段階においてまだ具体的には発表できるものはありませんが、鋭意進めていきたいと考えております。

それが当面考えている部会の話ですが、総合福祉部会でも議論がありましたように、部会という形ではないにしろ、ワーキングチーム、作業チーム、いろいろな呼び方で呼ばれておりますけれども、そういうものをどうつくっていくかということについても、具体的に決めていかなければいけない時期に来ているのかなと思います。総合福祉部会からは、先ほどもお話がありましたように、横断的な課題、医療、障害児支援、それとか労働、特に3つのことについて、部会の中でも作業チームをつくるかとかという議論があります。推進会議もやはり絡むところですので、例えばの話ですけれども、合同の作業チームをつくるかとか、既存の審議会等がありますので、それとの関係をどうしていくのか、何か合同で話せるようなものができるかどうかも含めて検討していきたいと思っています。

総合福祉部会からは、この前、議論いただいたところですけれども、そこら辺のあり方について、この推進会議に御意見を上げていただければと思っているところですので、何かその点について、佐藤委員の方から御意見があればと思っているところですが。

以上です。

藤井議長代理 これに関係する点等、あるいは総合福祉部会も絶えずこういう場で進捗状況の報告があって、また、状況、情報を共有した方がいいと思いますので、佐藤委員、何か総合福祉部会のコメントございますか。

佐藤委員 総合福祉部会では、6月22日に、新しい法律をつくるに当たって、どういう項目、論点で協議をするかということの概ねの合意ができまして、7月、8月、9月と、その論点を3つぐらいの分野に分けて、文章による意見を事前に出していただいて、それらを踏まえながら討議をすると。10月以降は、より詰めた議論をするために、幾つかの作業チームをつくったらどうかというようなことを今、話し合っているところです。

特に、そのいろいろなチームとしては、例えば障害者の範囲とか、利用者負担をどうするのかとか、法律の目的はどうかとか、サービス支援のあり方、体系をどうするかというような幾つかに分かれることになるだろうと思うのですけれども、特にこの推進会議、親会議でも検討された福祉とその他の分野にまたがるような領域、例えば雇用とか、医療とか、障害児支援とか、そういうものに関しては、できたらその推進会議のメンバーの皆さんと、それから部会のメンバーと、また、必要に応じてそれ以外の人たちにも参加していただくような、そういうチームで検討することが必要なのではないかと。それは、10月まで待つのか、もうちょっと早目にそういう作業を始めた方がいいのか。

いずれにしろ、来年の8月には、部会として新しい法律はこうあるべきだという結論を出すタイムテーブルになっているので、その時間軸をきちんと考えた上で、また、この推進会議とも協議をさせていただければと思っています。

藤井議長代理 差別禁止法(仮称)ですが、これについては8月から9月にかけて部会発足で、いわば白紙から議論をしましょうと。その他のワーキングチーム、または作業チーム、名称は別としておいて、今の佐藤総合福祉部会長との話も含めて、そこは設置を考えていく方向で準備に入ってもいいのではないかということですが、今のお二方の報告、どうぞ意見。

竹下委員 竹下ですけれども、2点。1点は質問ですけれども、虐待防止の関係は、これは差別禁止法の部会とは別で議論することになるのか、あるいは、特に急ぐ必要があるのではないかという気もするので、この点はどういう進行になるのかというのが質問の1点目。

2点目は希望ですけれども、僕は、今日の冒頭の松井委員とか、最後の堂本委員の質問にも絡むかとは思うのですが、例えば教育分野についての今後の改革、あるいは労働分野についての今後の改革、あるいは合理的配慮の内容も含めてなのでしょうけれども、既にそうした省庁等において、審議会あるいは専門委員会をお持ちなわけですから、そうしたところと、推進会議の全体にはならないかもしれませんが、先ほど言っているワーキングチーム云々との絡みも含めて、そうした合同での論議の場の設定というものを是非計画していただきたいと思います。

以上です。

藤井議長代理 今の1つの質問と意見ですが、これについては今後の議論にも関係しますので、東室長から、まず、質問についてお答えいただけますか。

東室長 まず、第1番目に虐待防止法をどう考えるかということですけれども、例えば、堂本委員もいらっしゃいますが、差別禁止の条例の中に虐待も含まれているというようなあり方もあると思うんですね。ただ、一応概念としては、虐待と差別の問題はやはり分けるべきだと思うわけですね。定義としてかなり違う問題であるし、虐待には、合理的配慮とかという問題は入らないわけですよね。だから、本質的に違う問題であるし、取り扱う機関も違うということで、法体系としては異なる取扱いをすべきだきという意見を、個人の意見ですけれども持っているところです。

それで、部会としてはどうするかという次の問題ですが、差別禁止の部会は、ちょっと長丁場で考えております。ですから、早急に対応すべき問題としては適当でないということで、差別禁止部会では、虐待防止は一応取り外して議論した方がいいだろうと思っております。虐待防止法に関しては、緊急に必要だという声が強い反面、今の既に提案されている法案などにおける問題点というものもあるかと思うんですね。一応、推進会議としては、骨格については既に意見はある程度まとまっているわけです。ですので、それをどう具体化するかという段階の問題だと思うんです。最初から議論するという問題ではなくてですね。ですから、虐待防止に関しては、改めて部会を設けて一から議論をするということではなくて、推進会議としてどう実現を図っていくかというレベルとして考えなければならんと思っているところです。

3番目のものは、御要望として検討していきたいと思っています。

以上です。

藤井議長代理 竹下委員、いいですね。

竹下委員 ありがとうございます。

藤井議長代理 では、新谷委員。

新谷委員 新谷です。差別禁止法の話、部会を立ち上げて進めるという話は前からお聴きしていたのでわかっているのですけれども、障害者基本法の検討スケジュールは、それとどういうふうに絡むのか、特に差別禁止法の基本的概念というか、基本的な定義は、禁止法に先立って基本法の中で議論しておく必要があると思うんですよ。基本法は、まず全体の障害者施策全般の法律分野の平面的な守備範囲、立体的な守備範囲、両方あるかもわかりませんけれども、その範囲を基本法できちんと押さえて、それをそれぞれの議論に割り振っていくと。差別禁止法の部会はこれをやりなさい、個別法の部会はこれをやりなさいという全体の議論を、やはり基本法の議論できちんと固めておく必要があると思うのですが、それは先行する必要はないのでしょうか。

藤井議長代理 これも大事なことなので、東室長から。

東室長 論理的には新谷委員がおっしゃるとおりだと思います。ただ、では基本法が完全に終わってから次の部会を立ち上げるかというと、やはり時間の制約もありますので。当然、議論の中で、ここは大枠としては基本法で決めるべき部分だから、それについては基本法で議論が終わった後で議論するということだって当然できる話ですので、部会としては、差別禁止に関しては8月、9月から立ち上げたいと思っているところです。

新谷委員 補足ですけれども、基本法を終わらせてから差別禁止法に移るという、そういう必要性はないのですけれども、基本法の議論をいつから、ここの推進会議がその議論の場であれば、基本法の議論をいつから始めるのか。それから、基本法の議論については、例えば条文をつくるまでここで議論するのか、それとも基本的な考え方だけを出して終わりにするのか、基本法については、現実的に考えればいろいろややこしいところがあると思うんですよ。それと、平成22年度中には考え方を整理して、23年度の常会に出すという流れがあるので、これは非常に作業時間も限られていると思うのですが、それはやはり早く、並行的にやる必要があるのではないかという気がしているのですけれども。

藤井議長代理 では、今後の進め方とも関係がありますが、スケジュールとも関係がありますが、東室長、内容論とスケジュールを出してください。

東室長 それについては、最後の方で今後の進め方の中で御説明しようと思っておりましたけれども、とにかく、これまでの推進会議の中で、基本法改正を念頭に置いてみたときに、まだ議論が足りなかった部分をまず終わらすということで、今日ないし次回を考えているわけですが、その後、もう少し各省庁からヒアリングすべきところはして、その次ぐらいからは基本法の改正の具体的な問題に入っていきたいと思っているところです。

ですから、部会との関連で言えば、並行した議論というものもあり得るでしょうけれども、理屈としては、何遍も言いますけれども、基本法の枠内で差別禁止法の部会も考えていくという関係になろうかと思っています。いいでしょうか。

藤井議長代理 新谷委員、よろしいですか。

新谷委員 了解しました。

藤井議長代理 いいですね。では、北野委員。

北野委員 竹下委員が言われたのですけれども、私も、障害者の権利と支援に関係するすべての関係省庁の審議会や検討会、あるいは、いろいろな委員会の中でどんなことが今、議論、検討されているのかということと、そこにはどういう権限、権能があるのかということと、我々の改革推進会議や部会等が、どういう役割分担なり関係があるのかということは、やはり早く検討して整理する必要があると思っております。

特に親密に関係している委員会なり審議会等については、事務局であるとか、委員の方と我々との意見とか情報交換も是非とも検討していただきたいと。

たとえば精神医療に関しましては、現在、新たな地域精神保健医療の構築に関する検討チームが、4回でもはや一定の結論を出してきていると。非常に急いでおられますので、これに関しましても、きっちり我々との意見交換なり、何らかの形のものをやらなければ、どんどん私たちも審議している、地域での共に生きる、暮らすという精神障害者の問題についての検討がほかのところで進んでしまっていると。これは非常にまずいと思いますので、是非ともそのあたりの御検討をどうぞよろしくお願いいたします。

以上です。

藤井議長代理 これも希望として、東室長、いいですね、承っておくと。

東室長 はい。例えばヒアリングみたいな形で今後お願いすることになるだろうと思っているところです。

藤井議長代理 それでは、この部会の新設という、1つ、差別禁止法、それから、総合福祉部会は、親会議体と、場合によってはワーキングチーム、作業チームを組んでやっていくんだと。プラスまた、そこに当てはまるような作業チーム等も、この力の範囲でどう考えるかということで、次回以降提案させていただくとしましょうか。では、この件については、これでおしまいにします。

少し時間が過ぎていますので、あと、大事な報告事項が続きますので、報告事項に入ります。

報告事項の第1点目は、仮称ですが、第一次意見等に関する地方フォーラムに関して、東室長からお願いいたします。

東室長 従前から個人の案みたいな形で言っていました地方での公聴会的なものをどうするかということで検討してまいりましたけれども、正直言って、なかなか予算の方が足りないという面もありまして、地方フォーラムを内閣府が丸ごと主催してやっていくことはちょっと難しいという状況もあります。当面は、今年に関しては、地方でいろいろ議論する舞台をつくっていただいて、そこにこちらから出向くという形をとりたいと思っているところです。

それで、時期としては、今年の8月ぐらいから10月過ぎぐらいまで。11月、12月は、恐らく第二次意見の取りまとめで大変だろうと思うんですね。ですので、それを越えて1月、2月ぐらいの形で、当面、欲張れば10カ所ぐらい、できるかどうかわかりませんが、そのぐらいの感じでやれればなというところです。

それにつきましては、例えばJDFとか、いろいろな団体の御協力が必要だと思いますけれども、その点については、よろしくお願いしたいと思っているところです。

大体こんな程度ですけれども。

藤井議長代理 広く第一次意見、第二次意見に向かって、推進会議の社会化、あるいは全国化ということを、今回、公聴会という形では難しいにしても、実質的に議論、意見交換できるような場面設定、今、東室長は個人とおっしゃったけれども、例えばJDFで前から是非そういう場が欲しいという意見もずっとあったので、何かうまいジョイントがということも今あったと思うのですが、これに関しては特に、よろしいですか。

箇所数とかどの地域というのは、また今後実務的に詰めていくと。8月から10月過ぎと出ていましたので、この辺を参考にして、全国的に広くやっていくと。

次の報告事項は、わかりやすい第一次意見ということで、この件は、今日は長瀬委員がお休みなので、土本委員がこのメンバーなので、土本委員から御報告をお願いします。

土本委員 土本です。わかりやすいチームについて、今日は会議の前に、12時から12時50分まで、委員の長瀬委員、堂本委員、北野委員、育成会の室津さん、私、支援の元氏さん、そして、担当室から成冨さんが参加して、今までに行政や団体が出したわかりやすいパンフレットを持ち寄り、それを参考にしながら話し合いました。

たたき台のたたき台は、今回出された第一次意見の改良をもとにする。わかりやすくするための目次案を次回、持ち寄ることになりました。イラストは必要最小限で使うようにします。

次回は、7月12日、9時半から。7月26日月曜日、12時から50分。8月9日月曜日、9時30分から12時の予定です。

北野委員、何か補足があれば。

北野委員 1つは、土本委員は委員ではなくて共同議長になっておられますので。それが1つです。

2つ目は、イラストは余り使わない。いうのは、どんな議論をしたかといいますと、イラストが与える影響といいますか、ぱっと見て、イラストがあるときに、イラストの与える影響がすごく強いので、むしろいいものをきっちり使おうと。例えば、このイラストで言いますと、相談支援の中で、相談支援の方がべらべらとしゃべっているようなイラストが出てくると、何か相談支援の人が基本的にしゃべっていて、障害者の人は聴くのが当たり前なのかとか、ちょっと誤解を与えたりする可能性がありますので、イラストというものは、できるだけ的確なものを、いいものをきちんと使いましょうとか、そういう議論をさせてもらったのです。もう一つは、今回、一次意見の概要を見事にまとめてもらっている。これをうまく活用する方法がないだろうかということで、この概要の基本的な考え方と方向性をうまくまとめてどう使おうかとか、あるいは、基本的な方向性と今後の進め方のタイムスケジュールみたいなものをどういうふうに見たら、なるほど、こんなふうに大事なことが議論されていて、こんなふうに進んでいって、こんなことが障害者や私たちの権利として実現されるんだなということが、すごくわかりやすくて、市民の方にも使ってもらえる。これは土本委員がおっしゃったのですが、市民の方でもみんな使っていける、だれでもこれを活用できるような、障害者だけではなくて、いろいろな市民の方に使えるようなものにしていきたいという議論がされたと思います。

私が覚えている限りでは、そのぐらいの感じです。堂本委員、もし他にありましたらお願いいたします。

堂本委員 今思いついたのですが、全国化というお話が出ましたが、なかなかそれまでに間に合いそうにないけれども、もし間に合えば、そういう全国に持っていくようなときに、本当にわかりやすいようなものができたらいいなと、今、夢を描きました。

藤井議長代理 是非、夢を形にしていってください。

さっき私、間違って、土本委員も共同座長、共同議長と言うのかな、さっきは失礼いたしました。

では、これは次回、その次も会合が決まっていますので、着々と準備をして、乞ご期待と、こうなります。

続きまして、先ほど一部もう触れられましたけれども、今後のスケジュール、この推進会議の日程等、改めて東室長から報告をお願いします。

東室長 東です。今後の推進会議の開催についてですが、第16回の推進会議を7月12日に予定しております。内容は、今回の議論をもとに、障害者基本法の改正につながる議論を深めていく予定であります。詳細については、また追ってお知らせします。

17回目の推進会議は7月26日です。内容は、文部科学省へのヒアリングを予定しております。教育についての意見交換ということで折衝中でありますので、恐らくヒアリングをやるということになると思います。

第18回の推進会議は8月9日を予定しておりますけれども、内容につきましてはまだ検討中であります。次回ぐらいには、18回の内容も明らかにできると思います。

以上が8月までの推進会議の予定でありますが、以降、基本法の改正ということに重点を置きながら議論が進んでいくことになると思います。

9月以降については、具体的には追って御連絡いたします。

以上でございます。

藤井議長代理 では、今日が15回なので、16回、17回、特に17回、18回はヒアリングということが出ていました。

あと2件、簡単な報告が続きますので、これで終わります。少し時間がオーバーしますが、協力してください。

先週、ESCAPの大事な会議が持たれました。ポスト第二次アジア太平洋障害者の10年等の議論に、参事官も行っていただきましたし、ここでの委員もお二方参加しています。3人か。中西由紀子委員か松井委員から、簡単にちょっとコメントしていただこうと思うのですが、いかがでしょうか。

中西委員 中西由起子です。この会議は、第二次アジア太平洋障害者の10年実施評価の専門家兼関係者協議という題名の会でした。23日から25日まであり、ここにいらっしゃる、本部から関参事官、南舘さん、並びに、ここの委員からは松井、長瀬、私と3名、計5名が参加いたしました。日本のプレゼンスはこれでもかなりあったのですが、今回はさらに専門家33名のうち10人が、本部からの参加者を含め、他のNGO代表としても参加していました。約3分の1を日本人が占めているということで、日本がこの分野に貢献していることがよくわかったと思います。

第2次10年が終わりになるのですが、結構多くの進歩も報告され、その中で、例えばベトナムは、つい先ごろ障害者法が国会を通過しましたが、それに関しても日本の貢献は大きく、例えば自立生活というのが法律の中に含まれたのも日本の貢献があったからです。

このような勢いを10月19日から21日に開かれます社会開発委員会に持ち込みたいと思います。ここではハイレベルの政府役員が集まりますので、その招待状には、当然、高官として、例えば大臣、副大臣、政務次官等、いろいろな方たちへの出席を検討していただくと同時に、障害当事者団体の代表とも招待されているそうなので、これも御検討いただけたらと思います。

次の10年に関しては、この6月の会議の直前に、障害者団体が団結してDPユナイテッドとして2日間会議を開き、「権利条約の実施に関する地域の10年の設立に向けて」と題して、次の10年を意識したインチョン戦略を発表しています。いろいろな意見も出ましたが、全体的方向としては、障害者の権利条約に基づいた10年、その実施のための10年ということで会議の本筋はできたように思いました。

松井委員、何か補足があればお願いいたします。

松井委員 松井です。少しだけ。

前回も既に御紹介しているわけですけれども、今、中西委員から発表があったように、10月19日から21日のESCAPの社会開発委員会に今回の専門家会議の結果が報告される。具体的には、次期の10年については、障害者権利条約の推進ということがテーマになるということですね。来年の4月にESCAPの総会がありますが、この社会開発委員会で採択されたものが、その総会で正式に決まる。それをベースに、2012年10月に韓国のインチョンで開かれる現10年の最終年、ハイレベル政府間会合で、新しい10年の具体的な戦略の中身を詰めることになると思います。

以上です。ありがとうございました。

藤井議長代理 参事官も、お忙しい中、行っていただいたと思うのですが、関参事官、一言ございますか。

関参事官 ありがとうございます。参事官の関でございますが、私も参加させていただきまして、ただいま中西委員、松井委員からお話しあったことが全体を非常によくまとめておられますので、ごくわずかですが、若干つけ加えておきますと、まず1つは、日本のこの推進本部推進会議の半年間の活動を手短に御説明するような機会も与えていただきまして、大変関心を持たれたということでございます。他方、先ほどベトナムの話が出ておりましたが、タイを初めとして、ほかの国々でも、非常に当事者参加国のもとでいろいろな動きがあって、そういうところから学ぶことも多いということも改めて感じた次第です。それが1点目。

それから、2点目ですが、やはり今後、2012年を迎え、またその先をどうするかということを考えていく上で、これまで日本が果たしてきた役割を踏まえて、日本に対する期待も非常に強いということがございます。これはまた、外務省を初め、関係するところと相談していかなければいけませんが、この推進会議で国際協力について、アジア太平洋での障害分野の国際協力に更に貢献するというような基本的な方針については、十分議論しておりますので、それを踏まえて、これからではあるけれども、前向きに検討していくというようなことを発言することができまして、それで会議の雰囲気が若干よくなったというような面もございました。そういう意味でも、よかったかと思っております。

最後ですが、先ほど中西委員からお話がありましたように、日本の関係者、特にNGOないしは障害当事者団体ということで大変な活躍をされておりますが、これは、これまでの蓄積ということもございまして、やはり事務局の方々ともそうですし、ほかの参加者の方々との信頼関係もあって、発言したことが、言っている意味が非常によく通りやすいというようなこともあります。また、これまでの二国間協力などを通じた人づくりで、APCDなどの活動で、今回参加している各国の障害当事者の代表の方なども、日本の協力でいろいろなトレーニングを受けたという方も多く、そういうことからしても、日本に対する非常に感謝の念、期待ということ、両方あったかと思います。そういった意味で、私も政府の立場で参加させていただきましたけれども、いろいろな意味で、今後、日本が何か役割を果たしていく上での下地は十分にあるということなので、その上に立ってどういうことをしていったらいいかということを、外務省とも相談して、よく考えていきたいと思った次第です。

以上です。

藤井議長代理 参加者はとても大事な役割を果たしてもらったと聴いていますし、特に関参事官の発言のときに拍手が起こったなんていう話も聴いていますので、とてもよかったなと思いますがね。

最後に、報告事項というかお願いになりますけれども、実は、小川議長とも話をしていて、大きく第1ラウンドというんですか、第一次意見が終わったと。今日から第二次意見等に向かって進んでいくのですが、少し議事運営に関して、多分いろいろな御意見があろうかと思うんです。精いっぱい合理的配慮等での実験的な取組みだったり、しかし、まだ不十分かもわかりません。等々ありますので、運営面に関して、1月12日から始まって、第14回、第15回も終わって、少しここでいろいろな面で反省もし、また手直しできるものは修正していくということで、東室長とも話をしながら、近々、多分アンケート等になるかもわかりませんが、配付させていだたいて、忌憚のない御意見等をお寄せいただければと思っていますので、その折には、是非協力をと思うのですが、この件で、東室長、よろしいですか。

東室長 はい。

藤井議長代理 そういうことで、よろしくお願いいたします。

以上をもちまして、本日準備しました議事案件はこれにて終了しますので、マイクを小川議長にわたします。

小川議長 それでは、本日は長時間の討議、お疲れさまでございました。ここで、東室長より、今後の予定を含め、報告すべき事項について簡潔に御説明を願います。室長どうぞ。

東室長 先ほど説明したとおりですので、よろしくお願いします。

小川議長 ありがとうございました。

それでは、これをもちまして本日の会議を終了いたします。

この後、この場所で記者会見を行います。

本日は、お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございました。御苦労さまでございました。

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