(PDF形式:406KB)別ウインドウで開きます

障がい者制度改革推進会議(第20回)
議事録

小川議長 定刻になりましたので、これより第20回「障がい者制度改革推進会議」を開催させていただきます。

本日は岡崎トミ子内閣府特命担当大臣が御出席です。

本日の委員の出欠状況ですが、藤井議長代理、山崎委員、福島オブザーバー、遠藤オブザーバーが御欠席、清原委員が公務のため15時ごろ御退席、ほかの委員さんは御出席です。

会議の公開はこれまでと同様といたします。

進行上の時間配分については、後ほど東室長より報告があります。

本日の会議は17時までを予定しております。

今回は藤井議長代理が欠席ですので、私が進めてまいります。皆さん御協力のほどよろしくお願いいたします。

それでは、岡崎大臣にごあいさつをいただきたいところでございますが、お見えになった時点でごあいさつをお願いいたします。

それでは、東室長より本日の進め方について概略の説明をお願いいたします。

東室長 皆さんこんにちは。

推進会議も第20回になりました。本当に御苦労様です。

今回は障害者基本法の改正に関わるテーマについて省庁ヒアリング等を行ってまいります。

今回も15分の休みを3回とし4つのコーナーに分けることにします。門川委員の御意見を受けて前回試行的に休息を3回にしましたが、非常に助かったなどの御感想をいただいておりますので、今後ともこの形で続けていきたいと思っております。御協力のほどよろしくお願いします。

第1のコーナーは50分をとります。ユニバーサルデザインについて経済産業省へのヒアリングを20分、続きまして、障害の予防について厚生労働省へのヒアリングを30分行う予定でおります。

次に第2コーナーは40分で、スポーツ・文化について文部科学省と厚生労働省にヒアリングを行います。

続く第3コーナーは30分で、住宅についてのヒアリングを国土交通省と厚生労働省に行います。

最後の第4コーナーは60分で、幾つかの報告事項を予定しております。報告の後、それらについての質疑なども行う予定です。

本日の予定は以上ですので、よろしくお願いします。

小川議長 ありがとうございます。

それでは、大臣がお見えのようでございますので、大臣からのごあいさつをお願いいたします。大臣よろしくお願いいたします。

岡崎大臣 皆さんこんにちは。このたび障害者施策を担当する内閣府特命担当大臣に就任いたしました岡崎トミ子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

ありがとうございます。障害を持たれた当事者の皆さんが参加をしている会合ということで、私は大変意義深い会合だと思っております。

本日は障がい者制度改革推進会議に御参集いただきまして、本当にありがとうございます。

私自身は国連での障害者権利条約の草案作成に際して、特別委員会で審議に参加をさせていただきましたけれども、そのときは石毛先生のお誘いでございまして、お誘いがなければ参加することが難しかったと思って、そのことにも感謝したいと思います。ありがとうございます。その際にやはり関係者の皆さんとも意見交換をする機会がございました。現在、条約の批准に向けて国内制度を改革していくという取組みに私が参画できますことに大変感慨深いものがございます。

推進会議では第一次意見として、本年6月7日に障害者制度改革を進めていくための基本的な考え方をとりまとめたところでございます。そのことを最大限に尊重する形で、去る6月29日に閣議決定がされまして、改革の工程表が示されましたこと、皆さんの御尽力に対して感謝を申し上げたいと思います。

本日の推進会議では、8月から開始されております障害者基本法の改正につきまして、各関係省庁からのヒアリングを行ってまいります。

今後は差別禁止部会が立ち上げられますほかに、年末を目途に障害者制度改革の重要方針に関する第二次意見のとりまとめが行われるものと承知しておりまして、新たなステージに向けて一層の議論がされていきますことを心から期待いたしております。

皆様とともに障害者権利条約の批准に向けた改革が進んでいくこと、私自身も頑張って進めてまいりますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)

小川議長 ありがとうございました。

それでは、議論に入ります。第1コーナーは50分で、まず前半の20分はユニバーサルデザインについて経済産業省へのヒアリングです。

それでは、経済産業省の高橋直人参事官から5分程度で御説明をよろしくお願いいたします。

高橋参事官 経済産業省の高橋でございます。

本日このように皆様にお話をする機会を与えていただいて、ありがとうございます。

それでは、ヒアリング項目に沿った形で御説明申し上げたいと思います。

まずユニバーサルデザインに関する現行の施策、経済産業省においてどのように取り組んでいるかという御質問でございます。

当省といたしましては、高齢者や障害者のニーズを満たす機器の開発を促進するために、新エネルギー・産業技術総合開発機構、いわゆるNEDOと言っておりますけれども、そこを通じまして、福祉機器の実用化開発支援を行っておるところでございます。また、その研究開発を行うことによりまして、市場化と申しますか、実際に製品化といった事例も出てきているところでございます。

また、今年度より子どもに優しいデザインは子どもだけではなく大人にも優しいデザインということで、キッズデザイン製品開発支援事業というものを開始しておるところでございます。子どもの安全・安心と健やかな成長、発達につながる生活環境の創出といったことを目指してやっておる事業でございます。

更につけ加えまして、アクセシブルデザインということで、高齢者及び障害のある人々のニーズに対応した規格作成を念頭にJIS規格の制定、策定を通じて、アクセシブルデザインの製品普及を推進しておるところでございます。

次に特定の障害者の集団のための支援装置等が必要な場合には、それらのニーズについて何らかの形で考慮されることという御質問でございます。

そこの部分につきましては、先ほど申し上げましたとおり、我が国におきましては福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律、いわゆる福祉用具法で研究開発及び普及の促進を図るための財政上及び金融上の措置を講ずるようにと定められておりますところで、経済産業省といたしましては、先ほど御説明いたしましたとおり、NEDOを通じまして研究開発を支援しておるところでございます。

次にユニバーサルデザインのプロセス化についてというところで、ユニバーサルデザインやその促進、研究開発のための基準、ガイドライン、指針、規範等の作成や法制化をすべきではないかという御質問でございます。

ここにつきましても、先ほど申し上げましたとおり、国際ルールでございますISOを基にJIS Z 8071を策定しておりまして、アクセシブルデザインというものの概念を定義し、その概念に基づきまして、包装容器の識別であるとか、消費生活用品の凸記号表示であるとか、触知案内図などといった約30のJIS規格を現在つくっておるところでございます。

同じくプロセス化についてというところで、研究開発を進めることと、そのための財政支援もというお話でございます。

ここは繰り返しになりますけれども、先ほどのNEDOを通じて研究開発を実施しておるところでございます。

次にユニバーサルデザインが社会で果たす意義について、啓発、広報すべきではないかというところでございます。

おっしゃられるとおりでございまして、社会で果たす意義は非常に重要であると認識しておりまして、NEDOにおきまして、展示会といたしまして、実用化研究の成果物の出典支援といったようなものを行っておったり、もしくは経済産業省のホームページであるとかメールマガジンであるとか政府広報、その他民間団体によりますシンポジウムといったようなものを通じまして、周知、普及を図っておるところでございます。また、JISに関連しますパンフレットも作成し、関係機関等に配付していこうと考えておるところでございます。

最後に製品化の過程における各段階で障害当事者が参画、連携すべきではないかというところでございます。

ここの部分につきましては、JISの規格におきまして、規格の策定段階から障害当事者に参加していただいておるところでございまして、それらの方々から得られた情報を十分に活用させていただいているところでございます。

簡単ではございますが、以上でございます。

小川議長 ありがとうございました。

ただいまのユニバーサルデザインについての経済産業省のヒアリングに対して、御質問がある方は挙手をお願いいたします。

門川委員、久松委員、よろしいですか。ただいま申し上げました順序において、御質問をお願いいたします。

門川委員 全国盲ろう者協会の門川です。

経済産業省からの御報告ありがとうございました。

1つ質問をしたいのですけれども、ユニバーサルデザインという考え方について、障害者基本法に理念として盛り込むことは非常に大事なことかと考えているところなんですが、1つ疑問に思っていることは、最近ユニバーサルデザインということではタッチパネル方式のものがどんどん出てきていまして、それは券売機にしろ、ジュースなどの自動販売機にしろ、最も困るのは金融機関のATMなどがあります。タッチパネルは視聴覚、目や耳などに障害のある人あるいは障害がなくても非常に使いづらいという人も多数いらっしゃることを聞いています。タッチパネル方式はユニバーサルデザインなのかどうか、アクセシブルになっているのかどうか非常に疑問を感じています。これについての経済産業省の見解をお聞かせ願いたいと思います。

先日、札幌において全国盲ろう者大会が開催されたのですが、ここでも盲ろう当事者から困っていることについて生の声をたくさん聞きました。その中で多かったのは、金融機関などのATMが使えないということがありました。

個人的なことになって恐縮ですが、私自身も近くのコンビニエンスストアでお金を下ろそうとしても、使えないんです。それで店員さんに協力を求めるのですが、今回限りです、次からはお手伝いできませんと言われてしまいました。規則があるからお手伝いできませんと言うんです。そんな規則があるなら見せてくださいと言ったのですが、見せていただけずにいます。

ユニバーサルデザインとタッチパネルについての見解を是非聞かせていただきたいと思います。

以上です。

小川議長 お答えについては、久松委員の御質問をちょうだいしてから同時にお願いいたしたいと思います。久松委員、どうぞ。

久松委員 御質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。全日本ろうあ連盟の久松でございます。

幾つか質問させていただきます。ユニバーサルデザインにつきまして、技術開発と知的財産との関係についてどう整理したらよいかということについてです。現在、経済産業省で整理している範囲で教えていただきたいと思います。

2つ目、現在、企業の経済状況は悪化していますが、研究開発では選択と集中という施策を進めているため、障害者のための技術開発をやめているところが増えている現状にあります。今、NEDOの支援だけでは十分に対応できないのではないかと思っています。効果的な施策への着手の仕方があればお話いただきたいと思います。

3つ目、障害者の参画のことについてですが、障害者の声を聞く機会をつくることは最も当然なことではありますが、今、障害者の社会参加を広げるということが非常に重要なことす。製品をつくる開発の段階で障害者も責任を持って、技術開発、製品作りを担うことも重要なことだと思います。そういう技術を持った障害者が参画できる企業をもう少し増やしていくような取組みができないかどうか。その辺の働きかけがあるのかどうかお聞きします。

4つ目、これは最後になりますが、アメリカではDVDに字幕をつけるということについて、義務づけるという法律がございます。日本でも同じように義務づけという法律をつくる必要があると考えておりますが、経済産業省は必要があると考えているかどうかをお伺いしたいと思います。

以上です。

小川議長 高橋参事官、どうぞ。お二方の御質問について、お答えをいただきたいと思います。

高橋参事官 最初の方は担当から答えさせたいと思います。

佐藤 医療福祉機器産業室の佐藤と申します。

御質問いただきましたタッチパネルのユニバーサルデザインとの関係についてですが、今、御指摘いただいた点も含めて持ち帰り検討させていただこうと思います。

今、31の製品でユニバーサルデザインの取組みが進められているんですけれども、こちらの部分については今のところ検討はまだないということですね。

あと、自動販売機の取組み状況について補足で説明をさせていただきます。

久保 JISを担当しております久保と申します。

今年3月28日に制定されました自動販売機の操作性というものがATMとかタッチパネルに変わるようなものとしての操作性の規格の第1弾になると思います。今後こういうところで進めていくと思います。

まず自動販売機の操作性という規格はタッチパネルを使うものではなくて、例えば目の見えない方、リウマチのような病を患った方々、下の物が取れないとかそういう方々も含めまして、そのほかの車いすの方々もJISの規格に参加していただいて、パネルの押しやすさ、出てきた物の取り出しやすさを中心にやっております。この規格については、まだ券売機などのようなものまでには至っておりませんけれども、今後そういう方向に進んでいくものと考えられます。

高橋参事官 知財とユニバーサルデザインの整理の関係ですけれども、ここにつきましては、本日、知財関係を担当している者がおりませんので、中に帰って調べましてお答え申し上げたいと思います。

2つ目の最近企業が研究開発をやめているところについて、何か効果的な施策があればということでございますけれども、我々といたしましては、繰り返しになりますが、企業にユニバーサルデザインが重要である、経済産業省の産業構造審議会におきまして検討しました中でも、やはり消費者を基点にして物事は考えていかなければ、今後企業の発展、産業の発展はないといったような結論も出ておるところでございます。当然障害者もしくは高齢者、更には子どもといったようなことはあるかもしれませんけれども、いわゆる一般的に、社会的に弱いと言われた方々につきましても、しっかり企業として認識を持って、そちらの部分につきまして製品開発等を考えていかないといけないと我々認識しておるところでございまして、まずはそういったような考え方を企業にしっかりとってもらう、企業、産業界に対しての啓蒙、普及といったところに努めてまいりたい。

更にそれを促すように、先ほど研究開発予算とございましたけれども、経済産業省としてはそういったようなところで企業に対して支援していくといったようなところが、経済産業省としての手段だと思います。その他の省庁さんにはそれぞれいろんな手段が考えられ得ると思いますけれども、経済産業省としては今のところそのようなことで進めていきたいと考えておるところでございます。

次に障害者の方々も社会参画していく上で、いろいろ参加できる企業を増やしていく必要があるのではないかといったお話でございますが、おっしゃられるとおり、全くそのとおりでございまして、私が知るところでは厚生労働省さんで障害者の雇用といったようなところにつきまして施策をとっておられると承知しておるところでございます。

また、最後にDVDに字幕を義務づけるといったお話でございますけれども、ここの部分につきましては、持ち帰って、経済産業省として何か意見があるかどうかといったところは聞いてみたいと思っております。

済みません。以上でございます。

小川議長 門川委員、久松委員、ただいまのお答えで御理解できますか。お持ち帰る部分については、報告するということでございます。

久松委員 久松です。

承知いたしました。お持ち帰りいただくということで、調べた結果、後で改めて御報告いただきたいと思っております。よろしくお願いします。

小川議長 ありがとうございます。

門川委員、よろしいですか。

門川委員 門川です。

タッチパネルの問題については、随分前から要望として上がっているものなので、今後障害当事者のヒアリング、モニター等を行う場合は、必ず盲ろうの人を含めた視聴覚の障害者にも実体験等を行っていただくようお願いしたいと思います。

それから、持ち帰り検討されるということですが、検討結果の報告を是非お願いしたいと思います。よろしくお願いします。

小川議長 参事官よろしいですか。今、門川委員から持ち帰ってということがありましたが、御報告はしっかりしていただきたいと思います。

佐藤委員、どうぞ。

佐藤委員 ありがとうございます。日本社会事業大学の佐藤久夫です。

ただいまの説明で基準の確立だとか研究開発の普及、推進ということで、いろいろ取り組まれているということがよくわかりました。それによる効果、影響のモニタリングはどうなっているのかということをお伺いしたいわけですけれども、いろんな成果が上がっているんだろうと思いますが、最終的な評価は障害を持った人の生活がどう変わったのかということだろうと思います。いろいろ分野が広がっているので、そう簡単ではないと思いますけれども、障害者の生活の変化で評価をするというモニタリングをやっておられるのかどうなのか。どのようにやっておられるのか。

また、必要であれば、他の省庁との協力でモニタリングはやらないといけないと思いますけれども、その辺の課題意識というものがあればお伺いできればと思います。

小川議長 ただいまの御要望について、おわかりの担当者がいらっしゃいましたら、お答えいただきたいと思います。

佐藤 医療福祉機器産業室の佐藤と申します。

今の御質問の効果ですけれども、アクセシブルデザインのなされた製品の売り上げ状況につきましては、日本共用品機構で調査を行っておりまして、1995年では当初4,800億円だった市場規模が2008年度では3兆3,000億円と7倍となっております。このようにアクセシブルデザイン化された製品というのは、着実に普及をしているという状況になっております。

あと、NEDOで進めている研究開発につきましても、平成5年から進めてきて171件の事業が終了しておりまして、そのうちの88件の製品化が実現しているという状況になっております。

共用品機構では、新たなアクセシブルデザイン化を進めるに当たって、障害者の方々のニーズのような調査を毎年行っておりますので、そういった中で製品の普及状況などについて、その障害者に対する効果などについても検証できるように進めていきたいと思っております。

以上です。

小川議長 ここで岡崎大臣が公務のために御退席されます。本日はありがとうございました。

岡崎大臣 申し訳ありません。また参加しますので、よろしくお願いします。また、しっかり聞いてまいりますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)

(岡崎大臣退室)

小川議長 次に挙手された大濱委員、どうぞ。

大濱委員 今のモニタリングの件ですが、これはアクセシブルなデザインの商品の売り上げが上がっているということなのですが、ユニバーサルのトイレに関して1点言わせていただくと、これは売り上げと関係ないので、トイレの売り上げが上がっているかどうかということではないと思うのです。ユニバーサル化されたことによって、かえって使いづらくなったという声が団体の中にあるということです。ここら辺はお含みおきいただきたいということです。

これはどういう意味合いかというと、ユニバーサル化されて皆さん使いやすいということはいいのですが、トイレの数がそれに比例して増えていっていればいいんですけれども、やはり乳幼児、オストメイトの方などいろんな方が使われるということで、トイレの数が増えていないという現状の中で、今まで車いすで使えていたところが使えなくなっている。赤ちゃんのオムツ交換のために使われているために塞がれてなかなか使えないとか、そういう現状が発生しているということで、車いすでどうしても緊急に使いたいけれども、使えないという状況が発生しているというのが第1点目です。

2点目はタッチパネルの件なんですが、タッチパネルは静電式で、手の静電気を感知するという形のタッチパネルがほとんどの形をとっていまして、実際に圧力センサーのタッチパネルがかなり減っています。したがって、義手の方もそうですし、私みたいに手が使えなくて、マウススティック、口に棒をくわえて操作している人間にとっては、タッチパネルが使いづらい、使えないという現状です。ノートパソコンのタッチパネルもそうなんですが、ほとんど静電式なので、静電気を感知してパネルが動くということなので、圧力センサー式のタッチパネルが今ほとんど排除されているのが現状です。これについても少し御検討を加えていただいて、モニタリングしていただきたい。

以上の2点です。

小川議長 ただいまの大濱委員の2つの質疑について、お答えをいただきたいと思います。

佐藤 御指摘ありがとうございます。

トイレの件につきましては、利便性が損なわないような製品開発などをNEDOの事業を通じてしっかりと促進を進めていきたいと思います。

あと、タッチパネルの件については、静電式か圧力センサー式かという点も含めて、持ち帰り検討させていただきます。

高橋参事官 申し上げますけれども、トイレのお話でございまして、建物にどのようなトイレを備えつけていくか、もしくは駅の構内にどのようなトイレをつけていくか、公園のトイレはどうあるべきかといったようなお話が中心になってくるのではないか。数のお話ということでございましたので、そう思うわけでございます。

そこの部分につきましては、関係各省と経済産業省が連携いたしまして、また当然公園ということでありますれば、例えば自治体が所管しているとか、もしくは国土交通省の方になるのか、環境省の方になるのかいろいろな関連部局が非常に広うございますので、そういうところと協力体制をとっていかないと、トイレの数の問題はなかなか解決しないんだろうと考えております。その辺りのところは、しっかりと関係各省と連携していきたいと考えておるところでございます。

小川議長 大濱委員、ただいまの御質疑のついてのお答えはよろしいですか。

大濱委員 ありがとうございます。

1点なんですが、公園等公共のところにつきましては、安全性の問題がありますので、一部の市町村では障害者にかぎを持たせたりとか、特殊なことに配慮しているところもありますので、安全性のことも考慮しながらということでお願いしたいと思います。

ありがとうございます。

小川議長 長瀬委員、どうぞ。

長瀬委員 どうもありがとうございます。東京大学の長瀬です。

岡崎大臣がいらっしゃる間に言いたかったのですけれども、先ほど大臣がおっしゃってくださいましたように、国連の障害者の権利条約の交渉の際にも岡崎大臣はいらっしゃってくださったので、また今日はちゃんとこの推進会議にも顔を出してくださったので、本当に心強く思ったということを最初にお礼として申し上げたいと思います。

ヒアリングの項目の方なのですけれども、やはりユニバーサルデザインというのが本当に幅広い対象になっています。例えば発達障害や精神障害や知的障害を含めた本当に広い意味でのユニバーサルデザインを達成するというのは、非常に難しいことだと思いますけれども、それに向かって経済産業省の方で取り組んでいただいているということは本当にありがたく思います。

産業技術総合研究所と共用品推進機構で、ここの資料にも書いてくださっているISO/IEC Guide71を基にしたアクセシブルデザインの取組みの中で、国際障害同盟に入っているさまざまな障害者団体、国際的な団体とも協力をして、今、取組みを進めていただいているのは非常にありがたく思っています。特にユニバーサルデザインやアクセシブルデザインの中で注目されることが比較的少なかった精神障害の方ですとか、知的障害の方の部分についてもユニバーサルデザインの中で取り上げていただいていることをありがたく思っているということを申し上げたいと思います。ありがとうございます。

小川議長 室長、どうぞ。

東室長 済みません。最後に推進会議の担当室からお願いなんですが、先ほど持ち帰られるという点がありましたので、ついでといってはなんですが、ヒアリングの回答の中で「『アクセシブルデザイン(狭義のユニバーサルデザイン)』という概念を定義しており」という部分があるんですが、こちらで調べればわかることかもしれませんが、狭義のユニバーサルデザインという形で定義されたアクセシブルデザインの具体的な定義と、狭義と言われていますので、そもそもユニバーサルデザインがどう定義されているのか。この両者の関係がどういうふうに位置づけられているのか。それについて書面をいただければと思いますが、よろしくお願いします。

小川議長 参事官、どうぞ。

高橋参事官 JISの中で定義しておるものでございまして、JISを後でお渡ししたいと思います。

小川議長 ありがとうございました。これでユニバーサルデザインにつきましての経済産業省へのヒアリングを終わります。経済産業省の皆さん御協力ありがとうございました。

続きまして、第1コーナー後半の30分は、障害の予防についての厚生労働省へのヒアリングです。

それでは、厚生労働省の中島誠課長と難波吉雄課長から5分程度で御説明をよろしくお願いいたします。

中島課長 厚生労働省障害保健福祉部企画課の中島でございます。

厚労省の方に幾つか質問をいただいておりまして、後ほど別途担当課長が参ってスポーツ、住まい等について現行施策を御紹介申し上げますけれども、まず私から、資料3について説明させていただきます。

ヒアリング項目に対する意見書ということで、障害の原因と障害の予防について現行施策を説明するようにという御指示でございますが、障害の原因及び障害の予防につきましては、私どもの保健医療施策のほぼ全般的な分野にまたがる施策を講じておるということでございまして、施策についてはたくさんのメニューで構成されているということになろうかと思っております。

資料3のヒアリング項目1の(1)でございます。障害の原因と障害の予防のそれぞれに係る調査研究として、どのようなものをしているのかということでございます。

回答といたしまして、5行目からでございますけれども、まず1つは厚生労働科学研究費補助金として、障害者対策総合研究事業ということでやらせていただいています。

2つ目には、国立障害者リハビリテーションセンターにおける研究を実施しているということです。

まずいわゆる厚労科研費というものでございまして、(1)の下のところでございます。身体・知的等の分野、感覚器の分野、精神・神経・筋疾患の分野において総合的な障害に係る研究をしておりまして、その中で病因・病態の解明、効果的な予防、診断、治療といったものの研究・開発をしているところでございます。身体・知的につきましては、リハビリや福祉機器が主なものでございますし、感覚器につきましては、ここに書いてございませんけれども、緑内障や難治性の中耳炎、更には未熟児網膜症等に着目した研究を行っております。精神分野につきましては統合失調症についての研究を行っていますし、筋ジストロフィー、ALS、その他自殺対策についても近年取り組んでおるところでございます。

予防施策だけに限ったものではございませんけれども、トータル予算は22年度で20億円強の予算でございます。

2つ目は国立障害者リハビリテーションセンターにおける研究でございまして、所沢にございますナショナルセンターでございます。医学、工学、社会心理学、補装具製作といった各分野にまたがった研究に取り組ませていただいているところでございます。

その中で、障害の原因に関しての研究事業といたしましては、下の方で小さな活字になっておりますけれども、まず高次脳機能障害のメカニズムの問題。次のページでございますが、吃音についての解明、更には網膜色素変性症の研究、脊髄損傷の研究といったことを行わせていただいておりまして、本年度予算として1億円強の予算を計上しておるところでございます。

次のページでございます。障害の予防のために障害者基本法では知識の普及、母子保健、更には傷病の早期発見、早期治療などが記されているが、どのような施策をやっているのかということでございます。

回答の6行目からでございます。大きな柱として、健診体制の強化を行っています。

まず1つ目の○でございます。乳幼児の健診ということで、1歳半健診、3歳健診ということでございまして、20年度でございますけれども、9割を超える受診率ということで、多くの乳幼児に受けていただいているということでございます。市町村でしっかり行っていただいているということでございます。

2つ目の○は、健診結果等を踏まえまして、妊産婦や新生児・未熟児等への訪問指導といったものを市町村でしっかり行っていただいているところでございます。

3つ目、知的障害等の原因となりえます先天性代謝異常等についても、フェニールケトン尿症等についての検査を行わせていただいております。これは都道府県及び指定都市を中心にしているということでございます。

更に4つ目でございます。壮年期からいわゆるメタボリックシンドロームに着目した健診を医療保険者にやっていただいているわけでございまして、メタボリックシンドロームから糖尿病、更に糖尿病が失明や人工透析、下肢切断というものにつながっていくわけでございますので、予備群の段階でメタボリックシンドロームを予防し、しっかりした保健指導をして、生活習慣を変えていただくという施策をしておるところでございます。

それが大きな健診体制でございます。

次のページでございます。健診と並びまして母子医療対策の大きな柱、周産期医療体制や広く救急医療体制の整備をさせていただいているところでございます。全国84か所に総合周産期母子医療センターといったものを整備させていただいておりますし、地域レベルでは252か所に地域周産期母子医療センターといったものを整備させていただいております。こうした母子医療センターを核として、しっかりした周産期医療体制を組んでいるところでございます。

また、救急医療につきましては、初期、二次、三次といった形での救急医療体制を計画的かつ体系的に整備しているところでございます。

次に(3)早期療育ということで、気になる段階からしっかり発見をして、しっかり対応していくということでございます。

1つ目の○にございます入所または通所の障害児施設で、しっかり早期療育に取り組む。

1つ飛ばして、3つ目の○でございますけれども、都道府県に発達障害者支援センターというものを設けて、支援をしていくということ。

4つ目の○でございます。来年度の概算要求におきましては、アウトリーチといいますか、専門のスタッフが親の集まる場所や保育所等に出向いて相談、支援に携わっていただくという巡回支援専門員整備事業という形で発達障害施策を講じていきたいということで、新たに盛り込んでいるところでございます。

精神疾患につきましては、1つ目の○にございますように、ウェブ等を通じた各種の情報発信。

次のページでございますけれども、今月10日からは自殺予防週間ということでございます。今年度は菅総理を始めとし、長妻前大臣等に街頭に立って呼びかけていただいたわけですが、こうした取組み。

更には3つ目でございます。発達障害同様、精神障害につきましても、プロの多職種チームが御自宅等に訪問して、しっかり支援をしていくアウトリーチ施策というものを来年度の概算要求に盛り込ませていただいておるところでございます。

次のページでございます。権利条約では二次障害についてどう予防するのかということが書いてあるけれども、それについてどうしているのかということでございます。これまで御説明したような中で、二次障害の予防についても施策を講じておるところでございまして、とりわけ早期療育、精神疾患の早期発見、早期治療という施策に力を入れて、二次障害の予防にもしっかりと組んでいきたいと思っておるところでございます。

以上が私からでございます。

あと、難病等について御説明申し上げます。

難波課長 それでは、7ページの回答、下の欄をごらんください。難病の施策について全体像を御説明させていただきます。

まず難病の対策でございますけれども、昭和47年10月、難病対策要綱というものができまして、それによりまして、原因不明、治療方針未確定であり、かつ後遺症を残すおそれが少なくない疾病、あるいは、経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病に対して、5つの施策という観点で実施をさせていただいております。

<1>調査研究の推進、<2>医療施設等の整備、<3>医療費の自己負担の軽減、<4>地域における保健医療福祉の充実・連携、<5>QOLの向上を目指した福祉施策の推進、といったような観点でございます。

具体的に私どもが行っている施策について下の方に書いてございますが、難病等の調査及び研究を推進しています。厚生労働科学研究の難治性疾患克服研究分野の臨床調査研究分野として、現在130の疾患を対象に原因究明及び治療法の確立に向けた研究を推進しております。

次のページをおめくりください。この130疾患以外に平成21年度からは研究奨励分野という分野を設けまして、本年度は214の疾患を対象に希少疾患の研究を推進しております。

また、臨床調査研究分野の対象130疾患のうち、治療が困難で、かつ医療費が高額な疾患56疾患につきましては、特定疾患治療研究事業として医療費の助成を行っております。

下の段は、継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける者に対する施策の推進という観点でございまして、これは介護保険法、老人福祉法、障害者自立支援法等に基づく施策の対象となっていない難治性疾患克服研究事業、臨床調査研究分野の対象疾患130疾患の患者及び関節リウマチ患者に対して、難病患者等居宅支援事業を開始し、難病患者等にホームヘルプサービス、短期入所、日常生活用具給付を実施しております。

また、御指摘にございますように、制度の谷間という観点で難病患者に対応する必要があるということから、本年度より厚生労働副大臣を座長といたしまして、省内関係各局メンバーからなる新たな難治性疾患対策の在り方検討チームというもので検討が行われているところでございます。

実際に9ページには研究事業の概要がございます。これは130疾患と56疾患の関係、あるいは研究奨励分野との関係をお示ししたものでございます。

あと、それぞれ研究事業の概要を御説明してございますけれども、10ページ目の「2.研究内容」の(2)をごらんください。これは平成21年度より創設された研究奨励分野でございますけれども、括弧内の「原則1年とする」というところは、古い要綱の内容ですので、「原則1年とする」という部分は削除いただきたいと思います。

私からは以上でございます。

小川議長 御苦労様でございました。ありがとうございます。

それでは、これより質疑に移ります。ただいまの説明についての御質問、御意見がある方は挙手をお願いいたします。

先ほど抑えたので、清原委員、どうぞ。

清原委員 ありがとうございます。三鷹市長の清原です。

難病に関する御報告をいただきまして、御質問をさせていただきます。三鷹市でも医師会の皆様の御協力、また東京都の保健所等関係機関との連携の中で難病の皆様の相談を定期的に行い、かつセカンドオピニオンなどを得ながらの症状の改善に向けてできる限りのことをさせていただいておりますが、このたびの御報告におきましては、現在、積極的に難治性疾患克服研究事業というものに副大臣も含めて取り組んでいらして、かなり力を入れる方向に移行してくださっているということがわかりました。

やはり一番重要なのは、原因あるいは対処療法がわかっていないからこそ130という指定された難病以外の皆様の生活上の困難、それをどう支援したらいいかということについて自治体、支援者、勿論御家族が課題に直面しているわけです。ですから、この研究というのは大変重要だと思っておりますが、これを取り組まれてこられて、指定されている難病以外に今後医療あるいは医療費の補助等について、厚生労働省の方で何か具体的な対応策を方向性としては少し意識されつつあるのかどうかということが1点目の質問です。

あとは具体的なことで恐縮ですが、障害のある方と難病に直面していらっしゃる方、私などの考え方では同じような支援の対象であると認識しておりますが、厚生労働省の中で難病に対応されている部門と障害者の取組みをしていらっしゃる部門との連携の強まりというものをこの間どのぐらい進めてくださり、また今後、その方向でいらっしゃるかどうかという実情について教えていただければありがたいです。

以上です。ありがとうございました。

小川議長 今、5人の委員から挙手されていますので、関連して難病について先に御質問を伺いたいと思います。難病については、ほかにございませんか。ないようですね。

それでは、清原委員の御質問について、担当課長、どうぞ。

難波課長 それでは、疾病対策課からお答えを申し上げます。

資料3の13ページをごらんください。これは副大臣を座長といたします省内の検討チームで用いた資料を付けさせていただいておりますけれども、まず医療費の助成につきましては、事業費の増加あるいは都道府県の超過負担を踏まえた安定的な財源の確保という点がございます。あるいは対象疾患の拡大の要望もいただいておりますし、小児慢性特定疾患のキャリーオーバーの問題といったものなどが、現状の課題として共通認識されております。

その方向性といたしまして、特定疾患の治療研究事業の見直しにおきまして、1つは高額療養費制度と保険の制度との役割分担あるいは連携といった観点が必要ではないかといったことで、私どもが実施しております難病対策委員会といったところでも議論を進めておりますし、先般の医療保険部会においても、難病に関する事業について御説明をさせていただいた状況にございます。そういった状況を併せて、省内の検討チームでも検討を進めていくということが考えられると思います。

あと、一番下のところにございますように、研究につきましても対象疾患の拡大という要望をたくさんいただいておるわけですけれども、これは平成21年度から研究費を増額していただきまして、新たに研究奨励分野というものを設けて、130以外の病気につきましても研究を進めさせていただいております。これにつきましても、どのような研究の在り方がよいのかといったようなことを難病対策委員会で御検討いただいているという現状でございます。

中島課長 市長さんの後段の御質問でございます。いわゆる障害福祉と難病の関係、そして、組織の中でどのような連携が図られつつあるのかということでございますけれども、これまでの行政では、難病対策というのは主として医療という面が強い分野であろうということで、基本的には公衆衛生局、現在の健康局の疾病対策課で医療面の対応を中心に施策を講じてきた。一方、その中でヘルパー等の派遣の福祉的なサービスも併せてやっておったというのが現状でございます。

ただ、今般新たに障害者総合福祉法をつくる際の大きな柱の1つとして、主として難病を念頭に置かれて、制度の谷間をなくす障害者総合福祉法をつくるという方向がございますので、現在、総合福祉部会でも法の対象となる障害の範囲をどう考えるかという御検討が開始されておりますので、そうした検討の動き、更には障害者総合福祉法というものをにらんで、難病の方についても医療と福祉が一体的に切れ目なく提供できるような施策を実現していくことになると思っておるところでございます。

以上です。

小川議長 清原委員、どうぞ。

清原委員 ありがとうございました。

大変前向きに、かつ今までの実績を踏まえて積極的な方向で御検討いただいているということがわかりました。市町村でも都道府県と連携しながら努力いたしますが、国がこのような方向を明確に示していただくことが大変重要だと思いまして、これまで御苦労の中深めてくださいました研究を進展させていただくとともに、言っていただきました保健、医療、福祉の密接な連携の中で、着実に進めていただきますようお願いいたします。今の御回答は大変力強く受け止めましたし、感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。

小川議長 よろしいですね。

関口委員、どうぞ。

関口委員 全国「精神病」者集団の関口です。

これは言わずもがなだと思いますが、確認しておきたいんですけれども、疾患、いわゆるディジーズはインペアメントの一部であるということについては、厚生労働省としてはまず異論がないんでしょうねということをお尋ねします。

次にいわゆる厚労科研費なんですけれども、実は医療観察法が施行されてから今年で5年目に当たります。そこで、これまで5年間の精神、医療、保健、福祉に関する厚労科研費の使われた研究の本数、そして、その中の医療観察法に関連するものの本数、ちょっと偏りが出ていると思うんですけれども、わかりましたら教えてください。

小川議長 次に川崎委員、どうぞ。

川崎委員 精神障害者の家族会の川崎です。ありがとうございます。

今回、提示されました精神障害者のアウトリーチ推進事業は、私どもも大変評価しておりますところですが、アウトリーチといいますのは訪問支援なんですけれども、実は訪問支援の中の多職種チームが訪問するということなんですが、ちょっと確認させていただきたいのは、訪問の中に私どもは往診も含めて支援が必要だと考えておりますが、ここに書かれました中に医師という文字がないんですけれども、その辺も含めて考えてよろしいかということの確認をさせていただきたいと思います。

以上です。

小川議長 ありがとうございます。

次に久松委員、どうぞ。

久松委員 ろうあ連盟の久松です。御説明ありがとうございました。

お聞きしたいことは、まず1ページです。厚生労働科学研究費の補助金の内容について御質問したいと思います。この研究事業について情報の開示が不足していて、内容が把握できない、とりわけ障害を持つ当事者が入りにくい分野であると思います。特に私の知る限りでは、研究活動をする方々は主に医療関係者が中心と理解しておりますが、研究補助費が数十億円出されている。これが安い金額なのか、高いのか判断がつきませんが、研究活動で使われる事業費に対する成果の検証について、どのように行われているのか。研究成果をどのような形で発表しているのか。障害を持つ当事者が参画をすることができるのかどうか。その辺りの現状についても教えていただきたいと思います。

以上です。

小川議長 次に尾上委員、どうぞ。

尾上委員 DPI日本会議の尾上です。どうもありがとうございます。

今日、私は別途資料を提出させていただいております。障害者基本法第3章、障害の予防関連と書いている2枚ものの資料でございますけれども、先ほど冒頭に御回答のありました現行の22条の3、難病に関する施策等については、今後も更に充実をさせていく必要があると改めて思いましたし、それをどういうふうに今後の障害者基本法の改正の中に入れ込んでいくのかというのが1つ宿題だと思いました。一方、現行22条の1というのは、明らかにその前の1970年につくられました心身障害者対策基本法の第2章の条文を踏襲したものだというのは、まぎれもない事実でございます。

前回の会議でも申し上げましたけれども、心身障害者対策基本法と相前後して、例えば不幸な子どもの生まれない県民運動というものが兵庫県で展開されてきました。その資料は大阪人権博物館の松永さんからいただいたものなんですけれども、1966年に始まりまして、ちょうど心身障害者対策基本法ができたころに兵庫県不幸な子どもの生まれない対策室というものが設置されて、その後、障害者団体からの抗議でその室は廃止されました。

この運動における不幸な子どもというのは、私の資料の3ページにそのままコピーしておりますけれども、例えば社会的に恵まれない児、保育に欠ける児などと並んで、3の不幸な状態を背負った児、遺伝性疾患を持つ児、精神障害児、身体障害児と書かれています。読むのも躊躇するような表現があります。

更に前の2ページを見ていただきますと、こういうふうに分類されている中で、特に行政の担当者の方の中には、不幸な子どもの中でも障害児の存在が相当意識されていたのではないかという言葉が幾つも見つけることができます。この当時の知事さんの言葉で、1人で食べることも歩くこともできない幸せ薄い子どもが寂しく毎日を送っています。不幸な子どもだけは生まれないでほしい云々ということが書かれています。

こちらは衛生部長さんですけれども、次世代を担う子どもたちが心身ともに健やかに生まれ、かつ育てられることは、すべての幸せの根源であり、もんなの切なる願いでありますい。しかし、このような願いにも関わらず、知恵遅れや身体障害など薄幸な子どもの生まれる率は案外に多い現状ですという形で、施策が進められてきた歴史がございます、とあります。

そういう意味では誤ったというか、明らかに優生思想、障害イコール不幸、あってはならないという考え方を前提にしている。あるいはそれを促進してきた経過がございます。そして、それは自治体レベルだけではなくて、国レベルでも優生保護法の改悪ということで1973年に国会でも議論されかけたという経過がございます。

長々と説明をいたしましたけれども、やはりこういった歴史を含む現行第3章、とりわけ22条の1と2をそのままにしてはまずいのではないかという意見を持っています。

質問なんですが、こういった歴史的な経過があったことを御存じだったかどうか。御存じなかったとしたら、今この資料を読まれてどういう感想をお持ちかということをお聞かせ願いたいのが1つです。

もう一つ質問なんですけれども、いただいた資料3の3ページです。その中の回答の2つ目の段落です。「なお、これらの施策は、『障害の原因となる疾病等』の予防・治療の施策であり、公衆衛生又は医療に係る施策全般の中に含まれるものである」と書かれております。そうだとすれば、障害者基本法に直接根拠を持つのではなくて、別の法律を根拠にして施策を進められているという理解でいいのかどうか。

その後の3ページの「(1)健康指導・健康診査」ということで、例えば1歳半健診などがありますが、これが根拠になっている法律はどれですか。何の法律に基づいて実施されているのかどうかお聞かせ願えればと思います。

以上です。

小川議長 本件については最後の質問者です。新谷委員、どうぞ。

新谷委員 全難中の新谷です。

3ページの「(1)健康指導・健康診査」のところですけれども、1歳6か月の健康診査、3歳児の健康診査の間の診断履歴の継続性は母子手帳か何かの記載でフォローされておられるんでしょうか。

それと、就学前の健康診断がありますね。これは管轄としては文部科学省に置かれてしまって、入学適齢期になってくれば、厚生労働省としては健康診断のフォローアップは一旦手を切るという仕組みなんでしょうか。

それから、学校に入ってしまった後の健康問題について、特に診断が私たちの関心事なんですけれども、それについては全部文部科学省の領域に入るという理解でよろしいんでしょうか。

小川議長 それでは、以上5名の委員から詳細な質疑の論点が示されましたが、両課長どうぞよろしくお願いいたします。

中島課長 障害保健福祉部の中島です。質問をいただきましたので、お答えを申し上げてまいります。

関口委員からのディシーズとインペアメントの関係です。ここは本推進会議で障害のモデルというものが、医学モデルから社会モデルへという形で具体的な検討が進められていると聞いておりますので、そうした本会議での議論を踏まえながら、厚生労働省としても考えていく話だと思ってございます。

2つ目、科研費の中で医療観察法絡みの調査研究がどれぐらいあるのかということでございますけれども、改めて持ち帰らせていただいて、別途事務局とも相談をさせていただいて、資料等の形で御提出を申し上げたいということでございます。

川崎委員からの御質問ですが、アウトリーチにドクター等が入るのかということですが、これは必要に応じ医師等にも入っていただくことになろうかと思います。その際に往診と今回の訪問支援といったものを制度的にどのような形で分けていくのかというのは、今後の課題かと思っておりますけれども、決して医師等を排除するものではないということでございます。

久松委員からの御質問ですが、科研費について、1つ目は、情報開示が不徹底ではないか、2つ目は、第三者がしっかり評価をしておるのか、という御質問かと思います。

まず科研費については、ホームページに掲載をする、更には図書館等で研究成果といったものをきちっと閲覧可能な状況にするといった形の一般的な情報公開はさせていただいておりますけれども、本当に障害当事者の方々にとってアクセスが容易なものになっているのかということについては、本日の御指摘を踏まえて、改めて、今、どのような形で情報公開をさせていただいているのかということを点検させていただければよいと思っております。

それから、科研費について第三者の目はどうなっているのか、検証は行われているのかということでございますけれども、科研費については、近年、透明性、公平性というものをしっかり重視してということが政府全体の方針でございます。したがいまして、科研費の採択、また事後評価につきましても、第三者で構成される評価委員会というものを置いて、そこで審査していただいたものを基本的に行政としては決定するというルートにしておるということでございます。

尾上委員から、昭和40年代の兵庫県でのこうしたものについて、どのように感じるのかということでございますけれども、基本的にこういう時代も昭和40年代にあったんだということでございまして、今日インクルージョンといったものを大いに進めていく中で、障害者についての理解といったものもしっかり行政として進め、国民の方々に正しい理解をしていただくように努めていかなければならないと思っております。

それから、ここで挙がっている施策というのは、別途施策の根拠法を持っておるのではないか。それと障害者基本法との関係はどうなのかということでございますけれども、基本的には施策の実施根拠といったものは、例えば1歳半健診、3歳健診等ならば母子保健法というところで、それぞれの制度の根拠となっている法律でございます。ただ、障害者基本法をつくりますときに、障害者基本法の条文に沿って、しっかりそれなりの政策が講じられているのかということは、私どもを始め各省庁は点検をしておるところでございますので、基本的には障害者基本法に盛り込まれた条文について、それに対する施策というものは、それぞれの各法において実施、施行されていっているという理解だと思っておるところでございます。

新谷委員からの母子保健の話については、母子保健課から答弁をさせますので、よろしくお願いします。

小川議長 担当官、どうぞ。

母子保健課担当者 持ち帰らせていただきまして、別途回答させていただきたいと思います。

小川議長 新谷委員、どうぞ。

新谷委員 お聞きしたかったのはそういう事務的な回答ではなくて、厚生労働省として1歳半健診、3歳児健診、学校に入ってからの健診、そういう障害についての早期発見、早期対応のついての考え方をお聞きしたかったんです。

今、制度的に就学前健診からは文部科学省の担当だということであれば、そういう考え方を是とされているのか、改善が必要だとされているのかということをお聞きしたいと思ったんです。

小川議長 課長、どうぞ。

中島課長 すみません。私ども障害保健福祉部の直接の担当ではないので、母子保健課長から別途きちっと機会を設けて答弁させますけれども、基本的には母子保健、学校保健、更には職域保健と健康づくりについてはそれぞれライフステージごとにぶつ切りになっていたということは大きな課題だと思っておるところでございます。

今、新谷委員から御質問のあった就学前健診、更には学校における健診等は文科省の所管として、学校健診の中で行われている。しかし、そこでの健診データというものが一貫した形で管理をされ、それを基にお子さんにとって最適なサービス等が提供されているのかというところはまだまだ課題があると思っております。ただ、健やか親子みたいな形で厚労省としても文科省と必要に応じ連携をとってやっておるところだと思いますが、具体的には母子保健課の方で答弁できないと言っておりますので、改めてペーパーなりで御回答申し上げるということで、おわび申し上げます。申し訳ありません。

小川議長 関口さん、どうぞ。

関口委員 全国「精神病」者集団の関口です。

これは言わずもがなだと思いますが、確認しておきたいんですけれども、疾患、いわゆるディジーズはインペアメントの一部であるということについては、厚生労働省としてはまず異論がないんでしょうねということをお尋ねします。

次にいわゆる厚労科研費なんですけれども、実は医療観察法が施行されてから今年で5年目に当たります。そこで、これまで5年間の精神、医療、保健、福祉に関する厚労科研費の使われた研究の本数、そして、その中の医療観察法に関連するものの本数、ちょっと偏りが出ていると思うんですけれども、わかりましたら教えてください。

小川議長 よろしいですか。

尾上委員、どうぞ。

尾上委員 尾上です。

私の資料の出し方が余りよくなかったのかもわかりませんが、別に昭和40年代の昔語りをしたくて、この資料を出したわけではございません。なぜこの時期のものを出したかというと、今の障害者基本法の第3章の言わば出生の秘密といいますか、もとをたどればここにたどり着いていますということを指摘したかったんです。例えば今日は堂本さんもおられますけれども、堂本委員始め、あの当時、御奮闘いただいて廃止された優生保護法という法律は、実は1996年まで続いてきたわけです。つまり、優生思想に基づく法律は1996年まで明らかに日本の国の中にはあったということは、事実として指摘をしておきたいのが1つです。

もう一つは、最後の部分なんですが、意味がよくわかりませんでした。時間がありませんので、端的にお聞きします。確かに障害者基本法を預かる立場からすれば、それとの関係でどうかということを常に精査するというのが最後に言われた課長さんの言葉ですが、例えば先ほどの母子保健法が根拠になっている、裏返して言えば障害者基本法が直接の根拠規定ではないということでいいのかどうか。それだけ確認したいと思います。

小川議長 どうぞ。

中島課長 おそらく、基本法という場合には、障害者基本法だけではなくて一般的に他の基本法についても、個別の政策を実施するに当たっての根拠法となる個別法が別にある。そういう性格のものだと思っております。ただし、基本法というのが対象とする政策分野の最もベースとなる法律でございますから、そこに盛り込まれた理念、方向性に基づいて、それぞれ法体系全体として目指した方向に向けて、個別法といったものが既に整備をされている。または整備をしていく必要があるというようになっていくのではないかということでございます。

小川議長 第1回の質問について、ひと回りのお答えはちょうだいしたわけでございますが、大分時間が経過いたしておりますので、最後の1人でよろしいですね。端的に表現してください。

北野委員 北野です。

久松委員が厚労科研についての質問をされて、まだ中島課長が答えていらっしゃらないものが1つあると思います。それは効果測定の検証についての部分です。久松委員が聞かれたのは、評価委員会の評価の検証において、障害当事者がどれぐらい参画されて、どういうふうにできているかという障害当事者の参画の問題を聞かれておられますので、その問題について答えていただきいと思います。

小川議長 課長、どうぞ。

中島課長 いわゆる科研費における評価委員会の構成においては、障害当事者というものが自ら参画しておられる例というのは、今のところはない。医療関係者が圧倒的に多くを占めておられるというのが現状でございます。

北野委員 それについて課長はどう思われますでしょうか。

中島課長 今後、総合的に考えさせていただければと思います。

北野委員 是非御検討をよろしくお願いいたします。

中島課長 アドバイスありがとうございます。

小川議長 後半の御質疑は大変重要な課題でございますので、課長、後刻、報告事項ということも期待しておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

委員さん、よろしいですか。

ここで15分間の休憩といたします。35分から再開いたします。お願いいたします。

御苦労様でございました。ありがとうございました。

(休憩)

小川議長 休憩前にさかのぼりまして、時間でございますので、再開をいたします。

第2コーナーは40分です。第2コーナーは文化、スポーツについてのヒアリングです。

それでは、まずスポーツについて、文部科学省の山口敏課長と坂元譲次課長から5分程度で説明をお願いいたします。若干第1コーナーで時間がオーバーしておりますので、御協力いただけるようにお願いいたします。

山口課長 失礼いたします。文部科学省スポーツ・青少年局企画・体育課の山口でございます。簡単に御説明させていただきます。座って御説明させていただきます。

私どもに御質問いただきました最初の項目として、スポーツに関する施策の基本理念等という御質問でございます。

1の(1)につきまして、まず御説明申し上げたいと思いますが、文部科学省はスポーツの振興に関すること全般を所掌事務としております。基本的にはスポーツ振興法という法律が昭和36年にできておりますけれども、それに基づくスポーツ振興基本計画というものが平成13年度からおおむね10年間という計画期間で定められておりまして、これに基づいてスポーツ振興施策を進めております。おおむね10年間ということで、平成22年には一応期間が満了するわけでございますが、その後のことも含め、振興法の見直し等も視野に入れつつでございますけれども、スポーツ立国戦略というものを今年8月に策定しております。これが今後おおむね10年間の方向性を示すものでございます。

この中では、ライフステージに応じたスポーツ機会の創造、世界で競い合うトップアスリートの育成・強化等5項目を重点戦略として位置づけております。

(2)でございますけれども、スポーツ振興に係る一般スポーツ施策の中で障害者の参加に関してどのような議論、検討がなされているかという御質問をいただいております。

スポーツ振興基本計画では、さまざまな形で障害者の方々がスポーツに参加できるような施策を盛り込んでおります。例えば総合型地域スポーツクラブでの参加しやすい環境づくり、あるいはスポーツ指導者の養成、活用における障害者スポーツ団体との連携、スポーツ施設のバリアフリー化等々を掲げておりますが、先ほど申し上げましたように、基本的に文部科学省ではスポーツ振興施策全般を担当しておりますので、一般スポーツと障害スポーツという分け方はしておりません。障害者の方々がスポーツに参加できるようにという形の中で施策が取り込まれております。

2番目の○でございますが、実際に今totoというスポーツ振興くじの助成がございますが、この中で障害者の団体の方々が行っておられます競技団体への助成がございます。幾つかここに書いてございますが、行っております。

更に先ほど申し上げました8月のスポーツ立国戦略の中においても、ナショナルトレーニングセンターのパラリンピアンの利用の検討、あるいは障害者スポーツで、将来的なオリンピックなどのトップスポーツの選手との一体的支援といったものについて検討ということが掲げられているところでございます。

全般的な御説明は以上でございます。

小川議長 引き続きまして、坂元課長お願いいたします。

坂元課長 生涯スポーツ課の坂元でございます。

一般スポーツ施策と障害者スポーツ施策の関係ということで、施策の間に社会的な認知や理解、協議環境の整備状況等についての格差があるために、こうした格差を解消すべきとの意見があるが、その解決の方法について御教示いただきたいということでございます。

長野オリンピックの行われた平成10年に私ども文部科学省と厚生労働省で、障害者スポーツに関する懇談会報告を出しました。これは当時の厚生次官の懇談会として行われたものでございまして、そこの報告で障害者スポーツについての当時の文部省、厚生省との連携強化が提言されたことを受けまして、障害者スポーツについての情報、意見交換をこれまでずっと行ってきたところでございます。

近々の例で申し上げますと、第13回の連絡協議会におきましては、パラリンピック競技団体関係者のナショナルトレーニングセンターの見学を実施いたしまして、ナショナルトレーニングセンターの利用につきまして、厚生労働省と各障害者スポーツ団体の意向調査をやっておられるということを聞いているところでございます。

また、先ほども御説明申し上げましたけれども、スポーツ立国戦略におきまして、ナショナルトレーニングセンターのパラリンピック利用の在り方について、あるいはパラリンピックの競技性の高い障害者スポーツについて、将来的なオリンピックなどのトップスポーツとの一体的支援を見据えた連携強化が掲げられておりまして、これらの実現のために引き続き厚生労働省と連携しつつ、障害者スポーツの振興についても推進してまいりたいと思っております。

特に2点ほど申し上げたいと思いますが、1点は、文部科学省で実施をしております施策連携協議会に、障害者スポーツ団体の統括団体でございます日本障害者スポーツ協会にも主催団体として参画をしていただきまして、その分科会の中で障害者スポーツの振興について協議を行っていただいているところでございます。

2点目、障害者スポーツに関する指導者が不足しているわけでございますけれども、一般スポーツの指導者を養成いたしております日本体育協会の指導者資格を有している方々につきまして、日本障害者スポーツ協会の講習を受講していただきまして、障害者スポーツの指導ができる方の増員に努めているところでございます。

以上でございます。

小川議長 ありがとうございます。

続きまして、スポーツについて厚生労働省の矢田宏人室長から5分程度で説明をお願いいたします。

矢田室長 厚生労働省障害保健福祉部自立支援振興室の矢田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

資料4-2でございます。

2項目ございまして、1つ目が障害者スポーツに関する施策の基本理念、課題、具体的な施策内容ということでございます。順を追って説明をさせていただきたいと思います。

まず基本理念についてということでございますが、先ほどスポーツ振興基本計画につきましては、文科省から説明があったとおりでございます。

更に1つ目の○をご覧いただきたいと思いますが、障害者基本法におきまして、障害者が自主的かつ積極的にスポーツを行うことができるようにするために、必要な施策を講じなければならないと規定されております。これらに基づきまして、現在、諸施策を推進しているところでございます。

次に主な課題でございますが、2つ目と3つ目の○で整理をさせていただいております。

まず2つ目の○でございますが、障害者スポーツにつきましては、皆さん御承知だと思いますが、昭和39年の東京オリンピックでのパラリンピックを開催するという決定を契機にいたしまして、スポーツの振興を積極的に推進してまいったところでございます。近年では障害者のスポーツに対する理解、関心は年々高まりを見せているという状況にございます。

こういった中で、更に障害者スポーツを発展させていくということで、大きくは2つの課題がございます。

1つ目の課題でございますが、世界のトップアスリートの質、力が非常に向上しております。そういった意味で、我が国のトップアスリートの競技のレベルを更に引き上げていく必要があるのではないかと考えております。言わば競技としてのスポーツの視点ということでございます。

2つ目でありますが、障害者の方が広くスポーツに参加できる機会を確保していく必要性があると考えておりまして、言いかえれば生活の中で楽しむスポーツといった視点から、障害者スポーツの裾野を更に広げていくことが必要であろうと考えております。

4つ目の○にいきますが、これは3点目の質問の現在の施策内容についてでございます。

1枚おめくりいただきまして、主な事業ということで例示をさせていただいております。大きくは3本の柱での取組みを進めているところでございます。

まず1つは、国内大会関係でございます。これは毎年各県持ち回りで行っておりますが、全国の障害者スポーツ大会を開催しております。

2つ目でございますが、これは国際大会の関係でございます。パラリンピックであるとか、デフリンピック、こういった国際競技大会への選手の派遣、選手の指定強化を図っております。

3点目でございますが、すそ野を更に広げていく取組みでございます。具体的には幾つか挙げさせていただいておりますが、各種スポーツなりレクリエーション教室あるいは各都道府県での障害者スポーツ大会、こういったものを開催しておりますし、民間、NPO等の創意工夫ある活動、地域に密着した活動に対する助成というものもさせていただいてかおります。

バリアフリーの関係でございますが、一般の公立体育館等のバリアフリー化、障害者の方が使えるようにということで、そのための整備等も行っているところでございます。

引き続きまして、3ページに移らせていただきますが、ヒアリング項目の大きな2点目でございます。障害者スポーツ施策と一般スポーツ施策との関係でございます。

1つ目の○でございますが、これも先ほど文科省から説明がございましたが、平成13年度から厚生労働省と文部科学省の両省によって、障害者スポーツ施策連携協議会というものを立ち上げまして、毎年開催いたしております。審議官、部長クラスから担当係までを含めまして、連携を図って進めているところでございます。

2つ目の○でございます。北京あるいはバンクーバーのオリンピック、パラリンピックが開催されております。我が国の選手には本当に活躍をしていただきまして、私どもに大きな感動をいただいたということでございますが、このときにオリンピック選手に比べまして、パラリンピック選手への支援が十分ではないのではないかという御意見等をたくさんいただきました。こうしたことで、私どもも23年度予算の概算要求でございますが、競技選手に関する強化活動の支援ということで、22年度予算の3倍余りを概算要求で提出をさせていただいているところでございます。

3つ目の○でございますが、これも先ほど御説明がございましたけれども、スポーツ立国戦略の中で、ナショナルトレーニングセンターの在り方の検討、障害者スポーツとの連携、強化、総合的なスポーツ行政体制の検討といったことが打ち出されております。今後両省で連携をしながら、これらのことにつきまして検討を進めたいと考えております。

以上でございます。

小川議長 ありがとうございました。

引き続きまして、文化について、文化庁の大木高仁課長から5分程度で御説明を願います。多き課長、どうぞ。

大木課長 文化庁の政策課長の大木でございます。座って御説明をさせていただきます。

資料は文化関係一括で、資料4-3というものにとじ込んでございますので、ごらんいただきたいと思います。

障害のある方々に文化芸術の分野におけるさまざまな活動を享受いただく。こうした文部科学省における取組みについて御説明を申し上げたいと存じます。

文部科学省におきましては、文化芸術振興基本法という文化振興に関わります基本的な法律がございまして、これに基づいて文化芸術の振興に関する基本的な方針というものを定めておるところでございます。ちなみに、この方針は閣議でもってお決めいただいている方針でございます。これを踏まえまして、文化芸術の各分野におきまして、国民一般が広く文化を享受するために、各般の施策を講じているところでございます。その中におきましては、障害のある方々の文化活動への参加を促進するため、障害者基本法の精神にのっとりさまざまな取組みを行っているということが、御指摘いただいた項目の1の(1)に関わって、資料の中で御説明してございます。

続きまして、具体的な事柄といたしまして、御指摘のありました2の(1)~(3)までに関わりまして全体にお話を申し上げますと、まず国立の美術館、博物館、劇場といった文化施設でございますけれども、例を挙げますと、手話通訳付きのガイドツアーを実施してみたり、あるいは劇場において字幕表示を行ってみたりするなど、障害のある方々が文化的な作品、活動を享受するためのさまざまな取組みを行っております。

また、施設面につきましては、スロープや段差解消機の整備など、障害のある方々の施設利用環境の向上のための取組みを行っておるところでございます。

そのほかの国の取組みといたしまして、数年前に障害のある方々による自由な芸術活動を推進するため、厚生労働省とともに障害者アート推進のための懇談会というものを開催いたしまして、既に提言を実施に移しているところでございます。

また、舞台芸術でありますとか、日本映画の制作活動における助成を文化庁としていたしておりますけれども、そうしたものの字幕作成に係る経費の支援なども行っておるところでございます。

それから、文化関係の取組みといたしましては、地方公共団体が行うものも非常に多いわけでございますが、例えば文化財の整備等は地方公共団体がほとんど行っておるわけでございますけれども、こうした事業主体から障害のある方々への対応について御相談を受けまして、適宜御相談に応じ何か工夫ができないかということで検討いたしておるところでございます。

なお、最後の2の(4)に関わりまして御指摘がございました。文芸作品等にルビを振るということについてでございますけれども、現行のこうしたことにつきましては、著作権法というものがございまして、著作権者とのその使用者の権利関係がそこに規定されておるわけでございます。その法律でこうした形での作品の複製が直ちに禁止されたりとか、著作権者の権利侵害になるものではございませんが、こうした複製が可能である場合もあると考えられます。御理解をいただければと思います。

簡単ではございますが、以上で障害のある方々が文化芸術分野におけるさまざまな活動を享受していただくための文部科学省における取組みについての御説明とさせていただきます。

小川議長 ありがとうございました。

それでは、質疑に移ります。ただいまの御説明への御質問、御意見がある方は挙手をお願いいたします。

順次発言をお願いいたしますが、竹下さん、どうぞ。

竹下委員 ありがとうございます。竹下から3点短く言います。

第1点目、障害者スポーツの参加枠の問題ですが、どうしても障害者の場合は種別競技になる関係上、障害種別にそれなりの平等性なり参加の機会が保障されているかという問題であります。例えばパラリンピックでいえば、今年のパラリンピックに視覚障害者の参加は何人だったかを教えてください。

また、国体の後の障害者スポーツの大会にある障害者団体から参加ができない、申し込みをしているけれども、厚生労働省から予算の枠がないから増やせないと言われているという問い合わせ、申し立てが日本弁護士連合会にあります。そういう申し立てを通じて感じられるのは、すべての障害者の参加ということについて、厚労省はどうお考えかというのが1点目の枠の問題であります。

2点目、障害者スポーツと一般のスポーツの交流の問題はある種統合の部分にも入ってくるわけですが、これをどうお考えになっているか。例えばプロの元スポーツ選手が例えば視覚障害者のサッカーに支援をしたり、あるいは視覚障害者の野球に元阪急のピッチャーが指導したりという経験を持っているわけですが、そういう交流を通じた部分が非常に重要になってくると思われるんですが、この点の育成も含めた統合の仕方についてのお考えを教えてください。

3点目は文化庁への質問ですが、映画などについてはNPOや一部のボランティアによって字幕スーパーまたは音声化についての努力がされているわけですが、そうした問題を興行主に対して義務づけることはバリアフリー化ないしはユニバーサルデザイン化の視点に立って必要かと思うんですが、その点についての文化庁としてのお考えを教えてください。

以上です。

小川議長 次に長瀬委員、どうぞ。

長瀬委員 長瀬です。今日はありがとうございます。

お伺いしたいのはスポーツに関するところなのですけれども、まず全般に障害者の権利条約はインクルージョンを目指しているということで、例えば24条の教育のところもそうですし、また30条のところもそうなんですが、原則としてインクルージョンだったり統合を目指すという観点と、また分離された環境を障害のある方自身が得られるという選択肢としての分離を両立させようとしているところだと思っています。

特に30条をごらんいただくとわかりますように、スポーツに関するところで、一般的なスポーツの中に障害のある方が入っていくということ、それを広げていくという原則と同時に障害のある方たち独自のスポーツというのがそれぞれ推奨されているところですけれども、その観点から考えますと、今日、文科省または厚労省両方からのお話をいただきましたスポーツ立国戦略の中のナショナルトレーニングセンターの在り方の検討のところで、例えばパラリンピアンがナショナルトレーニングセンターを使うということについてのそれぞれのメリット、デメリットという記載があります。まだ始まったばかりだと思いますけれども、現段階でそれぞれのメリット、デメリットについて、もし何かお考えがあればお伺いできれば幸いです。

ありがとうございます。

小川議長 次に関口委員、どうぞ。

関口委員 全国「精神病」者集団の関口です。

厚生労働省並びに文部科学省にお尋ねしたいと思いますが、先般の北京オリンピックで中国当局はハンセン病、精神障害者、感染症にかかっている者については、入国を拒否するということを出しました。ハンセン病だけは後に認められるわけですが、この事実を知っていたとするならば、どのような措置をとったのか。またそれをどう考えているのか。北京当局の締め出しについてお聞かせください。

小川議長 次に久松委員、どうぞ。

久松委員 ろうあ連盟の久松です。

御説明ありがとうございます。

文部科学省にお願いですが、ろうあ者の関係で、特別支援学校の先生や、一般の地域の学校の先生で熱心に障害者スポーツ支援を行っている方がたくさんいらっしゃいます。現状として海外のスポーツ大会に参加する方も増えているのですが、熱心に支援をしているコーチ、監督が長期間学校を休まざるを得ない状況にあります。

実例を言いますと、特別支援学校の校長に、是非その先生の参加をお願いしたいということです。先生も大変お忙しいので、お願いしたのですが、長期休暇をとるのはなかなか認められないと言われました。文部科学省としては、障害者スポーツの応援とかスポーツ立国を目指すと言いながらも、実際、学校関係者の皆さんは休みをとられたら困るという声が多いのが現状です。このようなことがないように、全国の特別支援学校に対して強く働きかけをし、理解、啓発をしていただけるようにお願いしたいと思います。それが1点です。

もう一点は、民間または学校の先生、公務員や障害を持った方々で働いている方が増えているわけです。スポーツを楽しんでいる方もたくさんいらっしゃいますが、逆の意味で、仕事の休みをとらなければならない状況が起きたとき、企業や職場を長く休む必要になったとき、休みをとっては困ると上司に言われ、休みがとりにくい方がたくさんいます。中には仕事を辞めてまでして大会に参加する方もたくさんいます。そういう点で、企業、職場、公務員の皆さんの理解が必要ですが、なかなか理解をいただくことが難しい現状にあります。理解していただけるように企業あるいは行政に対しても働きかけが必要ではないかと思います。その辺りを教えていただければと思います。

もう一点は学校関係ですが、地域の学校に通う子どもで障害を持っている場合、例えば体育が免除になるということが多くあります。スポーツを楽しむ機会を奪われていると思います。翻って言えば、特別支援学校のスポーツ環境が悪いこと、スポーツを楽しみアスリートを目指すというスポーツ環境がつくりにくい状況にあります。質の高いスポーツを目指すことができるような状況に何とか変えていかなければならないと思いますが、文部科学省または厚生労働省として、その対策についてどのように着手したらいいのか、御教示いただければと思います。

以上です。

小川議長 土本委員、どうぞ。

土本委員 土本です。

仲間によるとガイドヘルパーが必要だと言っています。例えばプールの場所までガイドヘルパーさんと一緒に行っても、その後のヘルパーさんがない。一緒に付き添って参加するべきではないかと思うし、それぞれの障害のことを含めて考えていけばいいと思いますし、説明するコミュニケーション支援も必要ではないかと思います。情報などを提供されても意味がわからない部分は説明をしなければならないと思います。自分たちがどんなスポーツをやるか選んで決めればいいのではないかと思います。

以上です。

小川議長 ありがとうございます。

私の方で視野に入らなかった方で質問の挙手はございませんか。中西委員、どうぞ。

中西委員 先ほどは手を挙げていなかったんですけれども、文化面に対する質問が1つだけだったようなので、追加させていただいてよろしいでしょうか。

小川議長 どうぞ。

中西委員 文化面に関しましては、まず障害者スポーツありきです。建物のアクセス、例えばトイレをつくるとか、入口のスロープをつくるとか、手話通訳、手話ガイドみたいなものを用意するとか、まず物理的な環境が整えられていますが、それ以上の問題として、平等に参加できるように。例えば私は車いすになってから展覧会とか博物館の展示会などは余り行きたくなくなりました。というのは、目の前に人がいて、絵があってもちっとも見えないし、ケースの中には物が入っているんですけれども、私の車いすの高さでは見下ろせない。そういうことを考えると平等な参加はできないと思います。

昨日は国立劇場で、普通、車いす用の座席は大体後列の最後の端の方なんですけれども、それはそれで仕方ないとして、更に通路の外側が障害者用の座席だと決められまして、とにかく割引をして入れればいいというのが現在の文化活動への参加のような気がしますので、その部分での基本的な施策が何か明示されていいのではないかと思っていますので、そのような答申等を出していただけたらと思っています。

以上です。

小川議長 それでは、6名の委員から御質疑がございましたが、順次お答えいただきたいと思います。どうぞ。

矢田室長 厚生労働省の矢田でございます。

厚生労働省単独で御質問いただいた点を中心に御説明をしたいと思います。

竹下委員からの御質問でございます。障害者スポーツの参加枠であるとか、予算についてということでございます。特にパラリンピックでは視覚障害者の方は何人出られたかということでございますが、大変申し訳ございませんが、今パラリンピックの視覚障害者の数については、資料を持ち合わせておりませんので、ここでお答えができません。申し訳ございません。

参加枠の関係でございますが、国際競技につきましては、当然前段として参加選手の資格というものが決められております。まずそれに合うかどうかということ。次は我が国から何人派遣できるかということですが、この辺につきましては、我が国ではJPC、日本パラリンピック委員会というものがございます。日本パラリンピック委員会、各競技団体等との意見調整がなされていると思っております。

それから、全国障害者スポーツ大会でございます。これは国内での大会になりますが、こちらにつきましては、厚生労働省、日本障害者スポーツ協会の共催ということになりますけれども、参加のための資格あるいは要項等をつくっております。これにつきましては、順次見直しをしてきております。これからも定期的にこういった内容について見直しをしていきたいと考えております。

予算の関係につきましては、厚生労働省としても努力を続けていきたいと考えております。

大きな2点目の一般のスポーツとの交流、育成等でございますが、合同でできるスポーツを進めていくという観点、どうしても障害者だけでないとできないものもございます。どちらの観点も重要だと思っております。一般のスポーツと一緒にやっていけるかどうか、この辺はルールとか競技の種類にも関係してまいりますので、各競技団体の考え方が非常に重要だろうと思っています。

それから、一般スポーツとの関係で、なるべく一緒にできるようにということにつきましては、先ほど少し御紹介いたしましたが、公共の体育館等についてバリアフリー化を進めていくということで努力をさせていただいているところでございます。

関口委員からの御質問でございます。北京でのお話でございましたが、状況を承知しておりませんので、この場で御紹介はできません。誠に申し訳ございません。

土本委員からガイドヘルパーの必要性等のお話がございました。ガイドヘルパーにつきましては、地域生活支援事業を通じて各市町村で対応してきているところでございます。地域生活支援事業の在り方についても、総合福祉部会等でも議論をされておりますので、今後の御意見等も踏まえながら、地域生活支援事業の対応は考えていきたいと思っております。そういった意味で、今回のガイドヘルパーの必要性のお話につきましても、1つの御意見ということで賜っておきたいと思います。

以上でございます。

小川議長 ありがとうございます。

矢田室長、パラリンピックの選手の関係については、後刻、文書で御報告願いたいと思いますが、いかがでしょうか。

矢田室長 パラリンピックの視覚障害者の参加の数につきましては、別途、御報告をいたしたいと思います。

小川議長 課長、どうぞ。

山口課長 文部科学省の山口でございます。

御質問の点について、何点か御説明申し上げたいと思います。

最初に障害者の権利条約の関係のインクルージョンという観点から、NTCの在り方についての御質問がございました。スポーツ立国戦略について、資料の中に参考資料として入れておりまして、パラリンピアンの利用についてそれぞれのメリット、デメリット、実現可能性等について日体協やJOC、NF等の意向も踏まえながら検討するという項目がございましたので、この関連の御質問だと思います。

先ほど申し上げましたように、立国戦略自体は8月にできたばかりで、これから10年間の方向性を示すということでございますので、実際のメリット、デメリット等々も含めて、これから検討していくことになってまいります。

ただ、現状どうかということについて少し御説明させていただきますと、先ほど来申し上げておりますように、例えばパラリンピック選手のNTC利用につきまして、厚生労働省さんで意向調査を実施予定と聞いておりますけれども、私どもの方でも実はNTCの宿泊施設を、今、増築しております。その中でパラリンピックの選手も利用可能なバリアフリーの対応施設の部分も増築するということで、これは年度内に仕上がる予定でございますが、拡充をしたりしております。

それから、先ほどのインクルージョンという観点に立っていえば、先ほど来申し上げておりますけれども、私どものスポーツ振興という観点からは一般スポーツと障害者スポーツということで頭から分けるという形の施策はとっておりませんので、スポーツの中に障害者の方々も含めて広く国民の方々が参加できるような方策、あるいは競技力を高めていくという方策をとりたいということで施策が成り立っております。

もう一つは学校における取組みということで、例えば特別支援学校の先生方、熱心に御支援いただいている先生方が休暇をとりにくい、あるいは選手としての参加も難しいということでしたが、これは特別支援学校に限らず民間の企業あるいは学校の先生でも参加することが難しいという御指摘をいただいておりました。実はこれは障害者の方々だけではなくて、一般の方々の場合も御理解いただけない場合には同様の問題がございます。やはり休暇を長期にわたってとるというのは厳しいところもございますし、特に民間企業の場合、それを円滑に御理解いただけるかどうかという課題があるところでございます。

企業に関して申し上げれば、スポーツの支援ということで積極的に御対応いただいている、例えば運動部というものを企業の中でつくってスポーツ支援をしているようなところもございます。こういった企業について、そういう取組みに対応することができないかということを、今、私どもは考えているところでございます。

それ以外にも学校関係あるいは地域の取組みの中で、もっとスポーツを楽しみ、アスリートを目指すような環境整備を進めていくべきではないかという御指摘をいただきました。本当におっしゃるとおりでございまして、スポーツ振興一般を担当していると言いながら、やはり十分に障害者の方々の支援ができていないところがあろうかと思います。こういったところについては、これから厚生労働省さんとも連携しながら進めてまいりたいと考えております。

以上でございます。

小川議長 続けて、御質問、御質疑に対するお答えをどうぞ。

大木課長 文化関係の御指摘が2点御ございましたので、お答えさせていただきたいと思います。

まず映画の関係でございますけれども、文化庁における映画に対する支援、その中で字幕の作成も行われておるということが1つございます。ただ、これはすべての映画というわけではございません。採算性が低いけれども、芸術的にという観点から選考した上で行っておるものでございまして、先ほどの興行主に対する字幕の義務づけができないだろうかという御指摘に関しましては、私が責任を持って担当を特定いたしまして、こういう御指摘があったことを伝えようと思います。むしろ、念頭に置かれておりますのは、大手の映画制作会社であったりとか、配給会社であったりとか、系列の映画館であったりとか、こういうところでつくられた作品を一般の方々がごらんになるわけでございますけれども、この担当が多分経済産業省の映画担当のところであったりとか、映画館の関係になりますと、厚生労働省もひょっとしたら絡んでくるのかもれません。担当を特定いたしまして、こういう御指摘があったということは、十分に趣旨がわかるように伝えておくようにいたします。これが1点目でございます。

2点目でございますけれども、国立劇場の鑑賞環境等の関係で御指示がございました。障害を持つ方々に関しまして、先ほどお話を申し上げました文化芸術の振興に関する基本的な方針というもの、後ほど関係部分を出させていただきたいと思いますけれども、ポイントだけ申し上げますと、これは高齢者等とともに障害を持つ方々もということなんですが、文化芸術活動の講演、展示等において幾つか例示がございまして、結論は対象者のニーズに応じたさまざまな工夫や配慮等を促進するという書きぶりになっております。こうしたところも含めて後ほど準備をして、お出しさせていただきたいと思っております。

小川議長 第2コーナーでの質問に対しまして、説明漏れはございませんか。時間の関係がありますが、大谷委員、どうぞ。

大谷委員 ごめんなさい。久松委員からの御発言で、質問という形にならなかったかもしれませんけれども、学校の体育の授業の中で、体育の授業が免除になってしまうということはスポーツを楽しむ機会を奪うのではないかということに関してです。それを固有に質問したわけではないのかもしれませんけれども、実際、免除、評価不能ということで、障害のある子が、特に地域の学校に行っているときに、体育の授業の機会を得られていないという実態がある。そのことに関して、文科省がどのように考えておられるのか。そして、今、厚生労働省と連携しながらとおっしゃいましたけれども、これは学校教育の中での話ですから、連携しなくてもすぐにでもできることです。お答えになっていないのか、不十分だと思いますので、その点だけでも答えていただけたらと思います。

小川議長 文科省の大木課長ですかね。

山口課長 山口でございます。

小川議長 ごめんなさい。山口課長、どうぞ。

山口課長 済みません。学校の体育の話は私どもの話でございますので、一般論としての厚生労働省との連携ということではなく、私どもの方から御説明を申し上げたいと思います。

御指摘のように、地域の学校の中で実際上体育の授業に参加できない場合ということで、免除という形の場合もありますけれども、おっしゃるように、それによってスポーツの活動の喜びが失われてしまうということについては問題であろうと思います。具体のケースによっていろいろな場合があろうかと思いますけれども、一般論として第一に免除ありきではなくて、何らかの形で充実を図った上で、しかし、できない部分について免除ということはあり得ると思いますので、最初から免除があって、それによって子どもたちの楽しみ、喜びが失われるようなことがないように考えていきたいと思っております。

小川議長 時間が大変切迫していますが、久松さんですか。端的にお願いします。

久松委員 申し訳ございません。時間のないところをありがとうございます。

文化庁にお伺いしたいと思います。ろうあ連盟の久松です。先ほど文化庁が国立関係の施設に文書を出すというお答えがあったと思います。どのような内容の文書を出されるのか。例えば聴覚障害の立場からいいますと、国立博物館ですとか国立美術館等には説明のビデオがありますが、ほとんど字幕がないという状況です。字幕が全くついていない。これもこの文書の中に含まれるのかどうか。どういう内容を含んだ文書を出されるのか。その辺りは非常に関心を持っております。すべての障害者がアクセスできるような内容になるのかどうかも教えていただきたいと思います。

以上です。

小川議長 課長、どうぞ。

大木課長 文書を出すと申し上げましたのは、既にでき上がっている文書の中身を若干御紹介差し上げるということです。文化芸術に関する基本的な方針というものが既にでき上がっております。その中で書かれていることを御紹介しながら、資料として御請求がございましたので、後ほどコピーをとって、該当箇所をお出しするというつもりで文書ということに関しては申し上げました。したがいまして、国立の施設に何か新しいものをという意味ではございません。

ただし、国立の施設といたしまして、障害を持つ方々にとって利用がしにくいということがあっては困りますので、今の御指摘もよく担当のところに伝えた上で、これはいろんな取組みが並行して進んでいく中で、今すべて完璧にというわけにはまいらないわけでございますが、少しずついい方向になるようにしたいと思います。国立の場合には文書で指導するも何もなく、私どもの直轄機関でございますので、その辺は対応が改善するように運んでいきたいと思っております。

小川議長 当事者の声でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

ありがとうございました。これで文化、スポーツについてのヒアリングを終わります。文部科学省の皆さん、厚生労働省の皆さん、御協力ありがとうございました。御苦労様でございました。

以上で第2コーナーを終了します。

それでは、ここで15分間の休憩をとりたいと思います。再開は15時40分からでございます。お願いいたします。

(休憩)

小川議長 再開いたしたいと思います。

最後のコーナーでございますけれども、国土交通省、厚生労働省の課長さんなどには大変長い時間お待たせしまして、おわび申し上げます。時間が30分ほど超過いたしておりますので、説明も3分程度にお絞りいただければありがたいと思います。6時からの作業部会の座長さんの関係もございますので、時間の針を止めるわけにいきませんので、委員の皆さんも御協力をお願いいたします。

それでは、再開いたします。第3コーナーは30分、住宅について国土交通省と厚生労働省へのヒアリングを行います。

それでは、国土交通省の伊藤あきこ課長から5分程度ということを申し上げますけれども、3分ぐらいにできるだけ短くしていただきたいと思います。

伊藤課長 国土交通省の住宅局の住宅総合整備課の伊藤でございます。

それでは、公営住宅及び住宅政策について御説明をさせていただきたいと思います。

お手元の資料を見ていただいたらということでございますが、私どもの公営住宅と民間賃貸住宅に関して、できるだけ低額所得者とか障害者の方々など住宅を確保しにくい方について配慮をするという観点から行っているものがあります。公営住宅については公営住宅法に基づいてやっておりまして、併せていわゆる住宅セーフティーネット法というものを平成19年につくりまして、この中で公営住宅、民間賃貸住宅についても住宅を確保しにくい人に対して配慮をしてくださいということを公共団体、民間の賃貸住宅事業者について協力を要請するといった法律の体系を持っております。

1枚資料をおめくりいただきまして、今度は民間賃貸住宅に関しての施策でございますが、これは先ほど申し上げた住宅セーフティーネット法において、できるだけ円滑な入居ができるようにということで公共団体も努力し、民間賃貸事業者の人にも協力を要請するという形になっております。後ろの方に書いておりますけれども、その際、関係の団体の方々に集まっていただいて協議会をつくっていただいて、そこでできるだけ入りやすくするとか、そういった配慮もしていただくようにする。それに対して、必要に応じて補助をしたり、そういう支援も行っております。

めくっていただきまして、4ページです。3分ということなので急いで申し訳ありませんが、その中で障害者はどのような位置づけにあるかということでございますが、先ほど申し上げましたとおり、セーフティーネット法においては特に住宅の確保に配慮するべき者として、低額所得者、高齢者等と同様に位置づけられているところでございます。

また、公営住宅法においては、入居資格として、収入基準は全世帯の25%以下と決めておりますし、基本的には同居親族要件というものがありますけれども、障害者世帯については入居収入基準を緩和しているとともに、入居者選考において優先的な取扱いをしていただくようにしております。また、単身入居も認めるという形になっております。

後の方で単身入居については一部制限があるのではないかという御指摘があるわけでございますが、御指摘のようにある程度介助をしてお住まいいただけるような方となっているわけではございますが、実は継続審議中の分権の一括法の中で、同居親族要件については、国としては廃止をするという法案を現在出しているところでございます。そうなりますと、今の単身入居に関しても、公共団体の御判断でやっていただけるという形になります。

それから、6ページに障害者の地域移行を進める上で、住宅政策の中でどのような考え方を持っているかということでございますが、住宅政策の中で、地域の中でいろんな方々にお住まいいただくというのは大変大切なことだと思っていますが、今の住宅政策は基本的には公共団体の方がお金を出しております。例えば公営住宅の補助なども包括の交付金化になっておりまして、公共団体が公営住宅の整備をする、あるいはそれと併せて自由に交付金の中で事業をできるとなっていまして、民間住宅についてバリアフリー改修工事を公共団体が民間事業者あるいは建主さんに補助されるというのに対して、国も交付金で支援をする、こういうこともできるようにしております。

また、公営住宅については、先ほどの入居者資格要件の緩和と併せて、優先入居またグループホーム等の活用ということも積極的にしてくださいということを私どもから公共団体の方に通知を出しているところでございます。

7ページは先ほど御説明いたしましたとおり、相対的欠格条項の話でございますが、先ほどの分権一括法で、今、継続審議中でございます。

9ページ以降は数字になっておりまして、今、公営住宅は218万戸ぐらいあるわけでございますが、現に入居している障害者世帯数自体はわからないので、障害者世帯向けとして管理している公営住宅の戸数を挙げさせていただいておりますので、御参考にしていただければと思います。

10ページにグループホーム等の話が載っております。ここにグループホームの活用、先ほど申し上げましたようにバリアフリー化等に対する助成などについても書かせていただいております。

11ページは数字でございます。具体的な優先入居のやり方がございまして、公共団体によってポイント制ですとか、あるいは登録先行制などいろんなやり方をしておりますので、それがどのような形になっているのかということをお示ししております。これは数字ですので、ごらんいただければと思います。ただ、一部どうしても障害者に限定してということではなくて、障害者その他の住宅確保の要配慮者を併せてやっている例もありますので、その点は御容赦いただければと思っております。

13ページは民間賃貸住宅の利用についての話であります。いわゆる入居拒否問題につきましては、先ほど私が申し上げました住宅セーフティーネット法の中で、賃貸住宅の事業者を含めて関係団体にも地域の中でお集まりいただいて、入居をしやすくするような形で動かしていただくようにということを私どももお願いしております。ただ、協議会自体が公共団体の中でたくさんできている状況にないものですから、是非地域でつくっていただくように、引き続き積極的に要請していきたいと思っております。

また、バリアフリー化についても、民間賃貸住宅のバリアフリー化は非常に遅れている状況でございますので、住宅金融支援機構の融資ですとか、あるいは先ほど申し上げました交付金、いわゆるバリアフリー法といった規制誘導措置も含めて積極的にバリアフリー化を支援したいと思っております。

15ページに公的な家賃債務保証制度の利用実績と契約件数に乖離があるのではないかという御指摘があるんですが、細かくなって大変申し訳ないんですが、まず入居を拒否しないで、どなたでもできるだけ入ってくださいという住宅に対して支援をするようにしているわけでございますが、そのときに基本約定というものを締結する数字というものが、非常に大きな数字になっています。現に利用されている数字が非常に少ないということになっていると思います。何を申し上げたいかというと、今の基本約定を締結する数字というのは、障害者世帯の入居を拒まないとしていますけれども、ほかの世帯が入ってはいけないとはしていませんので、どうしても乖離が出るということが1つです。

それから、家賃債務保証も別に公的債務保証ではなくて、民間の債務保証をお使いいただくということについて妨げていませんので、民間の家賃債務保証をお使いになられている方、場合によっては条件もそちらがいいということもあるものですから、そういうこともあるのではないかと思っています。

なお、私どものいわゆる公的家賃債務保証制度とおっしゃっているだろうと思われます高齢者居住支援センター自体が障害者世帯から家賃債務保証の申し込みをいただいて、個別にお断りをした例があるかということを担当者に聞いたんですが、担当者の知る範囲ではないと聞いております。もしそういう課題がございましたら、お教えいただければと思っております。

重複がありますので、17ページをごらんいただきたいと思います。グループホーム、ケアホームということでございます。公営住宅をグループホーム、ケアホーム等として活用することが可能だと通知をしているところではございますが、どのぐらいの戸数があるかということでございます。これは17ページにお示ししているとおりです。

18ページをごらんいただくとおわかりのとおり、公共団体によって非常にばらつきがあります。多いところと少ないところがあります。これは公営住宅の管理戸数の状況ですとか、あるいは地域においての確保のしやすさとかこういったこともあろうかとは思いますので、どうしてこうなっているかという原因については、大変申し訳ありませんが、私どもの方では把握できていないということでございます。

駆け足でございますが、以上でございます。3分を超過いたしまして、済みません。

小川議長 御苦労様でございます。ありがとうございます。

続きまして、厚生労働省の土生栄二課長から同じ時間帯で要領よく説明してください。

土生課長 厚生労働省障害保健福祉部障害福祉課長の土生と申します。

お手元資料5-2でございます。ヒアリング項目として、グループホーム、ケアホームにつきまして、3点の御説明をさせていただきます。

1ページ目、1点目でございますけれども、グループホーム、ケアホームにおいて、他の住宅に住んでいる障害者の方と同様に居宅支援サービスを利用できるようにしてほしいという要望について、どのような問題点があるのかという点でございます。

回答でございますけれども、グループホーム、ケアホームいずれも、原則としては入居者に必要な日常生活上の支援あるいは介護はそのホームの事業者が提供するという仕組みになっているということでございます。したがいまして、別の事業者から訪問系のサービスを受けるということになりますと、2点書いてございますけれども、1つ目として、サービスの提供に係る責任の所在等が不明確になる。あるいは適切なサービスが受けられないといったサービス上の問題があります。それから、2つ目として、二重にサービスを受けることになりますと、公費の負担も二重になるという問題がございまして、原則としましては、訪問系のサービスの利用を認めていないということでございます。

しかしながら、特例的な扱いとして、時限措置ではございますけれども、例外を2点定めているというのが現状でございます。1点目は、平成18年10月1日、障害者自立支援法の施行日でございますけれども、既に訪問系のサービスを利用されていた入居者がいらっしゃる施設で、生活支援員の配置がなかなか難しいという場合。もう1点は、重度の障害がある入居者の方に対しまして、配置基準を超えた手厚い介護を行うための体制が必要となるような場合ということになっているわけでございます。平成24年3月までの期限後につきましても検討課題であると、私どもは認識しているところでございます。

続きまして、2ページ目でございます。消防法上の規制を満たすための支援として、どのようなものがあるのかということでございます。

2ページ目の1でございます。消防法の現行の規制を整理したものでございます。障害程度の重い方がお住まいになるかどうかということ、それから、延べ床面積ということで規制が分かれているわけでございます。一定の面積以上の施設につきましては、スプリンクラー、自動火災報知機、消防機関への通報装置の設置義務があり、障害が重い方が多くお住まいの施設については、全ての施設に火災報知機や通報装置の設置義務があるという、こうした基準でございます。ページの下の方に記載しているとおり、現在、経過措置期間中でございまして、平成24年3月31日までの猶予期間があるわけでございます。

支援措置につきましては、2ページから3ページにかけまして、整理をしております。

まず設置義務があるグループホーム、ケアホームにつきましては、3ページの上でございますけれども、いわゆる基金事業におきまして、猶予期間中にこれを達成していただくための補助を実施しているということでございます。

また、併せまして3ページの(2)でございますけれども、必ずしも設置義務がない場合でも、一般の整備費等の補助金の中で国としても支援をしているということでございます。

最後に、4ページにございます、3点目のヒアリング項目でございます。グループホーム等の建設にあたりまして、地域の理解を得るための支援策としてどのようなものがあるのかということでございます。勿論各地域、自治体、事業者それぞれ御苦労いただいているというところではございますけれども、国の支援策としては、基金事業におきまして、障害の特性、必要な配慮等について住民の理解を得られるための各種の事業に対して補助を行っているということでございます。住民を対象とした普及啓発事業、町内会での説明会等々ということでございます。

また、それに関連するような研修事業につきまして、基金事業として一定の補助を行っているということでございます。勿論自治体それぞれでお取組みいただいているということでございますけれども、国としてもこういう支援を行っているということでございます。

私からは以上でございます。

小川議長 ありがとうございました。

それでは、質疑に移ります。ただいまの説明への御質問、御意見等がある方は挙手をお願いいたします。ありがとうございます。16時10分までに何とか短縮しなければ、この後6時から会議ももたれているようでございますので、委員さんはできるだけ単刀直入の御質問をお願いいたします。

尾上さん、どうぞ。

尾上委員 どうもありがとうございます。DPI日本会議の尾上です。

先ほど御回答いただいた中の相対的欠格条項についてということでお尋ねをいたします。この問題は1980年から私どもはずっと取り組んでまいりまして、近年ですと知的障害や精神障害にも単身入居枠の対象が拡大されて喜んでいたところなんですが、相対的欠格がいまだに残っていたということで、先ほどのお話の中でこれから地域主権の改革の中で、そもそもこれが条例委任になるんだということを申されました。条例になって相対的欠格条項そのものがなくなればいいんですけれども、できれば一括法案になる前に、まず国交省としてこういう相対欠格はあってはならないんだということで廃止をした上で、条例委任にしてほしかったというのが正直に思うところであります。

はっきり言いますと、権利条約19条、障害のある者はどこで住み、だれと住むかを選択する機会を有する。つまり、どんなに重度の障害があっても、これから地域を選ぶことができる、そういう地域の住まい方の確保という考え方を何とか国交省から出していただけないか。言うならば、今までの考え方というのは介護が必要な重度の障害者は社会福祉施設が基本なんだ。一部公営住宅でカバーしますという考え方が相対的欠格の背景にあったんだろうと思います。もう一度言いますけれども、権利条約の考え方に沿って何らかの形で、そもそも権利条約の考え方からすれば、そういう欠格条項が残るのは望ましくない。

あるいはもっと言えば、住宅部局からいただいた資料の18ページを見ますと、18ページはグループホーム、ケアホームに公営住宅を活用されている事例なんですけれども、私がもともといた大阪府が飛び抜けていて、全国の3分の2ぐらいを活用されているんですが、むしろ、問題は0の都道府県が17もあるということです。そういう状態なので、地域間格差が非常に拡大してしまうのではないかということを懸念しています。

そういう意味で、国交省として責任を持って、条例委任した部分の動向把握のフォローアップをしていただきたいということをお願いしたいと思います。

小川議長 次に大濱委員、どうぞ。

大濱委員 脊損連合会の大濱です。

15ページの公的な家賃保証制度についてなんですが、これを見ますと、この中で財団と契約した物件では障害者の入居を敬遠できないという条件付けのもとで、保証制度の契約をするという縛りがある。要するに家主側が商業的な自由権をここで奪われて、このために家主側がこの保証制度を積極利用していないのではないか。保証制度を結びたいという家主さんが少ないのではないかという懸念があるんですが、そこら辺については、具体的にどうなのでしょうかという質問です。

小川議長 次に土本委員、どうぞ。

土本委員 土本です。

住宅のことで、アパートにしろ、公営住宅にしろ、身元引受人が親族でないとだめだ。緊急連絡先のこともあるので、もう少しはっきりしないとだめだと思います。知らないままになってしまう。アパートや公営住宅はコミュニケーション、言語の支援もしてもらわないと、相手の言っていることも難しくて、相手のことを理解していないまま契約すると大変な部分もあるのではないかと思います。

グループホームもミニ施設になることがないようにすること。そこに住んでいる仲間たちにも悩みを聞いてもらう、ピアカウンセリングのことを考えていかなければならないのではないかと思います。以上です。

小川議長 堂本委員、どうぞ。

堂本委員 大変単純なことなんですけれども、身体障害と限定して書いていらっしゃるのはどうしてでしょうか。今、割に精神障害で地域移行が多いんです。ほかは障害者と書いてあるんですけれども、資料5-1の7ページは、老人、身体障害者となっているのはどうしてでしょうか。

東室長 資料番号は5-1でよろしゅうございますか。

堂本委員 そうです。その7ページです。公営住宅法の23条と書いてあります。

小川議長 次に関口委員、どうぞ。

関口委員 全国「精神病」者集団の関口です。

資料5-2の最後のページです。グループホーム等の建設に当たり、地域の理解を得にくい状況があるとあるんですが、何で理解を得なければいけないかというと、国の方では撤廃しているんですけれども、例えば東京都の場合は建設に当たって地域住民との了解書をとってきてくださいと言うんです。これがあるから嫌でも地域住民と話をしなければならない。憲法で居住の自由は決められているわけですから、どこに住もうと知ったことではないということで、もしグループホームというものがプライバシー権を含む住居不可侵権を持つ住宅としてみなされるのであれば、このような自治体による縛りはなくしてほしい。逆にこのような理解を得るための事業をやることによって、やっているんだから理解を得てこいという話になっていると思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。

小川議長 松井委員、どうぞ。

松井委員 ありがとうございます。非常に時間が限られている中で申し訳ございません。

9ページの資料で、公営住宅の数が少なくなっている中で、障害を持った人たちが入っている住宅の数が増えているということはわかりますが、基本的に障害者向けの住宅というのは特別な配慮をした住宅だと思いますが、何も特別な配慮をした障害者向けの住宅に限定しなくても、例えば一般の公営住宅を段差のないものにするとか、エレベーターをあらかじめつけておくようなことを考える必要があるのではないか。生まれたときに障害がなくても高齢化すれば障害が出てくるわけです。ですから、そういう意味では、公営住宅全体の構造をアクセシブルなものに変えていくという方針は国土交通省にはあるんでしょうか。そこを確認させていただきたいと思います。

ありがとうございます。

小川議長 北野委員、どうぞ。

北野委員 前回の推進会議は休ませていただいて、国連の権利条約の19条、地域での自立生活を保障するために必要な支援についてスウェーデンとイギリスの方で、担当職員の聞き取りをさせていただきました。幾つか非常に明確なことがわかりました。スウェーデンでもイギリスでも、地域移行は基本的に特別教育から地域生活とか、施設や病院から地域生活、あるいは親元から地域生活という場合、必要な介助だけではなくて、必要な住まいの保障というものが非常に明確になっておりました。

イギリスの場合でいいますと、ヒアリングしたロンドンの3つの区は、オフィスオブ ハウジングアンドソーシャルケア、つまり、住宅と介助という1つの部局がそれを担当いたしております。ですから、住むことの保障と介助の保障というのは明確に連携してやっておるということなんです。

そこで、国土交通省と厚生労働省にお聞きしたいんですけれども、障害者の権利条約の第19条のb項とc項にうたわれている障害者が地域生活をするために必要な住まいの保障については、どちらの省が責任を持って担当されるべきであるとお考えでしょうか。御意見をお聞かせいただければ幸いです。

小川議長 ただいまの質疑に対しまして、各課長、御答弁をお願いします。

伊藤課長 まず欠格条項の条例委任の件ですが、フォローアップをしたいと思います。ただ、おそらく公営住宅の管理者の公共団体はある意味では責任感が過剰なところがあって、施設と同様に物すごい責任を負わなければいけないと旧来思うところがあって、そこの部分は最後の御質問にも関係あると思いますけれども、厚生労働省の福祉部局と連携しながらやっていく必要があるのではないか。旧来型の考え方だと、どうしても施設と同じように全部私が責任を持たなければいけないとも思ってしまうがゆえに、逆にはじいてしまうところもあるのではないかと思いますので、その点は是非連携をして対応していきたいと思います。

2番目の財団法人の高齢者住宅財団の家賃債務保証の件なんですが、これをいわゆる住宅弱者と言われている人に限定している理由は、基本的に民ができることは民がやった方がいいという中で、余り公が出しゃばるなということから、民がやってくれそうにない人たちに限定しろということで限定をしているという事情がございます。今の御質問自体はできるだけそうでない人にも広げろという御趣旨では多分ないと思うので、PRが不足しているとか、そういうところもあろうかと思いますので、その点は宅地建物業者を含めて周知をしたいと思います。知られていない部分もかなりあるのではないかと反省しております。

3番目は入居に当たっての言語支援を含めての支援の話ですが、住宅セーフティーネット法の中で協議会という話をちょっと申し上げましたけれども、その中では宅建業者さんだけではなくて、支援団体の方も含めて協議会をつくって、入居時の支援をお願いしたいと思っています。協議会ができているところは公共団体の中でも非常に少ないので、たしか愛知県と福岡市ぐらいしかできていないので、今、準備中のところもあるんですけれども、たくさんのところで御参画いただいて、そういうところを通じて私どもの方も支援をするという形にしたいと思っております。

4番目の公営住宅法の23条の障害者の書きぶりが身体障害者に限定されているのではないかということでございますが、公営住宅法は非常に古い法律でして、ここの条文の本文自体がその他となっていたと思いますが、そこで全部政省令に飛んでおりまして、その中では当然精神障害者も含めて規定されております。古い条文のまま政省令で措置していくという形になっていて、結果的に御心配をおかけしているかと思いますが、例示だとお考えいただければと思います。

5番目、バリアフリー化の話がございました。十分かどうかというところはございますけれども、公営住宅につきましては、整備基準で一定のバリアフリー化を新築のものについては全部するようにしております。4階以上ぐらいの建物ですと、エレベーターの設置ですとか、住居内の段差の解消とか、後で手すりがちゃんと付けられるようにするとか、そういった一定のバリアフリー化の措置は、新築基準についてはしているところです。また、物理的に付けられる、付けられないというところがあるんですが、エレベーターを付けるときには、当然補助対象にし、バリアフリー改修も支援しているという形です。

御指摘のように、当然身体障害者に限らずバリアフリーは大切なことでございますので、そういう形で推進をしたいと思います。何分にもレベルはいろんなレベルがあると思いますので、十分かという議論は当然あるかと思いますけれども、一定程度のバリアフリーは全部していくと考えて整備基準も定めているということでございます。公営住宅については、平成3年から整備基準の中にバリアフリー化を入れさせていただいているところでございます。

6番目の地域での自立保障、厚生労働省と国土交通省のどちらがという御指摘でございますが、これについては当然政府全体で責任をとっていくということでございますので、厚生労働省と連携をしてやっていく。どちらが主体という世界ではないのではないかと思います。厚生労働省はもしかしたら私どもの方だとおっしゃるかもしれませんが、私どもとしてはそのように考えております。

以上でございます。

小川議長 課長、どうぞ。

土生課長 続きまして、2点御質問をいただきました。

まずグループホームの建設等に関わる地域住民の理解でございますけれども、御指摘もいただきましたとおり、地域住民の同意書というのは既に国としては廃止をしまして、10年以上が経過しているということでございます。

ただ一方で、自治体レベルで、そもそもこういうホームというのはどういうものであるのかを説明をする、あるいは研修をしていく。これは1つの取組みとして必要だと思っておりまして、こういう事業をやっていることが建設のネックになっているということではないと認識しております。

最後の、どの省庁が責任を持って担当するかという点でございます。グループホーム、ケアホームについては、私ども厚労省で担当しているところでございますし、障害福祉サービスとの連携ということもあるわけですので、今、伊藤課長がおっしゃいましたとおり、やはり両省が連携をして、それぞれの立場でできることを協力してやっていくということが適当だと思っております。

以上でございます。

小川議長 委員の方々、今の課長の答弁について理解ができないという御意見がございましたら、お願いします。

尾上委員、どうぞ。

尾上委員 理解ができないという意味ではなくて、是非期待をしたいということで、先ほどフォローアップをしていきたいということをおっしゃっていただきましたけれども、特に一番懸念をしていますのは、せっかく権利条約で地域で暮らす権利がうたわれているにもかかわらず、自治体の方が過剰反応されて、相対的欠格をなくすどころか、また逆に絶対的欠格になったりとか、そういうバリアがよりひどくなってしまうことにならないようにしてほしいと思います。先ほど言われたとおりだと思います。つまり、住まいは住まいで提供してもらって、介護の人的支援は福祉部局がやればいい話で、住宅施策は住まいを提供するということをしっかりと責任を持ってやっていくんだみたいな考え方を進めていってほしいですし、是非フォローアップをお願いしたいと思います。

小川議長 時計を止めるわけにいきませんが、よろしいですか。

関口さん、率直にお願いします。

関口委員 率直に言いまして、このまま地域主権移行が進ますと、東京都は東京都の権限でやるということになって、多分周囲の住民の了解書を持ってこいというのはなくならないと思います。国は10年前にやめたにもかかわらず続くと思われます。こういうことに関して、事業主体に対してというよりも、そこに入る人に対する人権侵害だと思います。こういう無法な要求はやめさせるように指導はできないんですか。

小川議長 課長、お答えはいかがでございましょうか。

土生課長 指導といいますか、自治体なりに説明あるいは了解を得るために努力をされているということだと思いますので、国としてもできればこういう補助という形で応援していきたいというのが私の考えでございます。

小川議長 大久保委員、どうぞ。

大久保委員 大久保です。時間がないところ済みません。

消防法関連が出たので、ついでというかお聞きしたいんですけれども、国土交通省さんにお聞きしたいと思います。特にグループホーム、ケアホームにおいては、民間住居の活用という例が多いのですけれども、その際、今、最も問題なのは建築基準法です。そして、建築基準法では恐らくグループホーム、ケアホームは施設扱いで、それなりの防火構造が求められるということで、これが非常に課題になっている。そして、実際に対応の仕方も地域によって異なっているという現状がある。つまり、もともと建築基準法はグループホーム、ケアホームを想定していなかったのではないかと思うわけです。これについてどういうふうにお考えかお聞きしたいと思います。

以上です。

小川議長 課長、どうぞ。

伊藤課長 大変申し訳ありません。規制部局の人間が来ていないものですから、それについては持ち帰って回答させていただきたいと思います。ただ、いろんなタイプのものがお住まいになられるものにあって、どこまで実際の安全性が担保できるかという観点で個別に判断している部分もあろうかと思いますので、そこは聞いてみたいと思います。申し訳ありません。

小川議長 持ち帰って御回答いただくということでしたので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

これで住宅についてのヒアリングを終わります。国土交通省の皆さん、厚生労働省の皆さん御協力ありがとうございました。以上で第3コーナーを終了します。

ここで15分と申し上げたいんですけれども、10分にします。現在時刻が16時20分になろうとしているところでございますが、16時30分から再開いたします。最後のコーナーでございますけれども、10分間の休憩で御協力ください。

ありがとうございました。

(休憩)

小川議長 それでは、再開します。お席に着いてください。

第4コーナー60分です。第4コーナーは報告事項でございます。

報告の1点目は、地方フォーラムの状況報告についてです。

まず9月12日の愛知フォーラムの報告を森委員から願いますけれども、報告事項について要約してということは大変申し難いんですが、2~3分でまとめていただくように御協力をいただきたいと思います。

森委員、どうぞ。

森委員 日身連の森でございます。3分ということでございますので、簡単にご説明したいと思います。

平成22年9月12日日曜日でございましたが、名古屋市西区役所の大講堂で障害者制度改革に関する地域フォーラムということで、届けよう地域の声をということで行いました。

時間は1時から4時30分まででございます。

シンポジストといたしましては、東室長と崔さんと私、コーディネーターは林先生、金城学園大学の先生でございました。

参加者でございますが、愛知県障害者団体の大体25団体が集まりまして、400名程度の方がお集まりで、大変活発に行われました。

前半は東室長始め私たち3人から推進会議における審議状況につきましての基調報告をそれぞれ30分程度行いました。後半では、各団体の代表者と3人のシンポジストの間で第一次意見に関する意見交換と今後の取組みについての地域の要請、要望についてという形で、これも活発に行われました。特に24時間介護の問題とか、あるいは労働、雇用の問題、インクルーシブ教育の問題、コミュニケーションあるいは所得保障、特に新しいことでは制度間の差別を是正していただけないかという問題が出ました。

いろいろ意見交換した後、最後に本推進協議会の論議のままに終わらないよう、地方からの運動を盛り上げていきたい。つまり、話の論議だけで終わらないでくださいという激励がありました。

以上です。

小川議長 ありがとうございました。

続いて、9月18日の青森フォーラムの報告を長瀬委員よろしくお願いいたします。

長瀬委員 ありがとうございます。長瀬です。

9月18日にJDF地域フォーラムin青森が、障害者の権利条約の批准に向けて地域から発信をテーマとして、約150名の参加を得て、青森市男女共同参画プラザのカダールというところで開催されました。会場名はペルシャ湾の国名だと思われるかもしれませんが、「カダル」というのはうちの方言で、仲間になる、話すという意味です。

ここで青森の宣伝をしようと思いましたが、時間がないのでやめます。新幹線に乗って是非青森に来てください。

さて、会議の主催はJDFと実行委員会で、開会のあいさつは実行委員長の前田保さん、またJDFを代表して小川会長のかわりに森委員がされました。来賓あいさつとしては、青森県知事のビデオメッセージ、また青森市長御本人のあいさつの後、東室長の基調報告が障害者の人権についてというテーマでありました。その後、私から基調講演を障害者制度改革についてというテーマでさせていただきました。推進室が準備してくださった共通のパワーポイントの資料を基に、第一次意見を中心に紹介いたしました。

その後、青森県の障害者福祉と権利条約というテーマで、5名によるパネルディスカションがありました。日本障害者クロスカントリー協会会長の野澤英二さんからは災害時の救助対策、青森県視力障害者福祉連合会会長の福井さんからは視覚障害者の金融機関の利用、地域活動支援センター・waiwaiはうすコスモス代表の中村ちや子さんからは医療療育センターの機能の存続という御意見がありました。青森県知的障害者福祉協会会長の分枝さんからは入所施設の必要性、役割に関する御指摘がありました。青森県精神障害者連合会事務局長の桐原さんからは大学での精神障害者への合理的配慮の課題、精神病院の強制的入院の問題の御指摘がありました。

こうした御意見に対して、アドバイザーとして御指名を受けた東室長と私が適宜第一次意見や権利条約に基づいて意見を述べさせていただきました。なお、会場には当日、関口委員もいらっしゃったので、いろいろ御助言をいただきました。

振り返れば米国の障害者差別禁止法であるADAの制定に大きな力を発揮された故ジャスティン・ダートさんがADAの制定に向けて、全米すべての50州を訪問されたとおっしゃっていました。そうした地域での取組みが私たちの制度改革にとっても非常に重要であると感じる重要な機会でした。必要があれば、東室長からの補足をお願いできれば幸いです。

以上です。

小川議長 ありがとうございました。

続いて、9月23日の広島フォーラムの報告を勝又委員からお願いいたします。

勝又委員 広島地域フォーラムの報告を簡単にさせていただきます。

9月23日、秋分の日、広島市社会福祉センターの2階ホールに約250名のホールを埋め尽くす多くの参加者を集めて開かれました。

今回のフォーラムは、広島県内で活動する団体が障害種別を超えてフォーラム実行委員会を組織し、共同で開催したものです。

東室長より第一次意見の説明が行われ、その後、6つの団体の代表より障害者制度改革に寄せる期待とともに推進会議や総合福祉部会などの議論に対する問題提起や意見の発表がありました。第一次意見に表明された改革の方向性に強い賛同を表明していただきました。それと同時に、地域で生活することを権利として保障するための制度構築が重要であるということの確認、教育についてはインクルーシブ教育の本質を問う意見、コミュニケーションの保障の重要性を強調する意見など多くの意見をいただきました。

また、各省庁で実施されている検討会の動きの中に、必ずしも第一次意見を尊重した議論が行われていないのではないかという厳しい御意見もいただきました。特に厚生労働省の医療的ケアに関する検討会に在宅の重度障害者の視点が欠けていること、文部科学省の特別支援教育に関する検討会において、インクルーシブ教育が日本型という修飾語を付けて一部で議論されていることなどです。

会場からは精神障害者の就労の機会が制限されていることや、知的障害者が地域の人々や行政に理解されていない実態などについても報告がありました。更に中途で視覚障害になった人の点字習得等の機会が公的に保障されていない問題、在宅で重度障害児の介護を担う家族を支援する24時間介助サービスを強く求める意見などが出されました。

広島フォーラム実行委員会では、今後広島の声を地方議会や国会の政治家に向けて発信し、地域の団体が連帯して政策に影響を与えていくための具体的な行動計画を立てていくとのことです。そして、我々推進会議を側面から支援する力になっていきたいという力強い意思を示していただきました。

フォーラム翌日『中国新聞』に地域フォーラムが開催されたことが紹介されました。地域フォーラムはこれから来年2月まで全国14か所で開催されますが、ここでの議論がインターネットの中継を通じて、東京から遠く離れた地域においても強い関心と期待を持って見守られていることがわかりました。ますますこの推進会議の責任は重いと実感した次第です。

以上です。

小川議長 ありがとうございました。

ただいまの報告についての御質問はございませんか。代表者の力強い御報告がございまして、皆さんよく伝わったと思いますので、地域フォーラムの報告は終わります。

なお、10月の予定は10月5日が大阪フォーラムで藤井議長代理と東室長が出席、10月10日は千葉と富山のフォーラムで、千葉には大谷委員と川崎委員、富山には東室長が出席します。

続きまして、報告の2点目は合同作業チームと部会作業チームのメンバーについてでございます。これは東室長と佐藤部会長より御報告いただきます。

それでは、まず東室長からよろしくお願いいたします。

東室長 東です。

お手元に資料6があると思いますので、見ていただきませんでしょうか。

ここには合同作業チームのメンバー案という形で書かせていただいております。

3つの合同作業チームをつくるということになっています。

まず就労チームですが、座長として松井委員、推進会議の委員からは竹下委員、新谷委員、勝又委員。これは既に御了承いただいているところでありますが、総合福祉部会から委員として伊東委員、倉田委員、駒村委員、近藤委員、斎藤委員、増田委員に参加していただくという案が部会から上がっております。

また、医療の1期のチームですが、これにつきましては堂本委員が座長を務め、推進会議からは関口委員と川崎委員が参加されるということです。この点は御了解をいただいている点です。そして、総合福祉部会からは伊澤委員、河崎(建)委員、広田委員、三田委員が参加されるという報告が上がっております。

最後に障害児支援チームですが、これにつきましては大谷委員が座長を務め、推進会議からは長瀬委員に参加してもらうということで、この点については御了承をいただいておるところです。総合福祉部会からは柏女委員、水津委員、君塚委員、宮田委員ということで上がっております。

今、述べました総合福祉部会の委員について、これでいいかということで御了解をいただければと思っているところです。

以上です。

小川議長 室長からの報告でございますが、これでよろしいですかというお言葉がありますので、よろしいという御承認を賜りたいと思いますが、御異議ございませんか。

(「異議なし」と声あり)

小川議長 ありがとうございます。

それでは、続きまして、佐藤部会長よろしくお願いいたします。

佐藤委員 この3つの合同作業チームに加えて、3つの部会作業チームがございます。3つの部会作業チームは班に分かれているところもありますので、6つの班に分かれる。3つの合同作業チームと合わせて9つのサブグループで総合福祉法の在り方、就労、医療、障害児の在り方ということで検討をいただくことになります。

第1回目が10月26日火曜日、第2回目がこれだけ金曜日なんですけれども、11月19日金曜日、第3回目が12月7日火曜日、いずれも午後1時から厚労省の講堂で開催することになります。まず1時から30分か1時間ぐらい、55名の部会の全体会をやりまして、その後、作業チームに分かれての検討をしていただくことになります。

1時からの全体会のときに既に9つのテーブルに分かれて総合福祉部会の委員の方々には座っていただくことになりますので、全体会をやっている間中は推進会議の委員の皆さんは控えていただく。別にいすを用意していただくということです。それで作業チームの話し合いになったら移動していただいて、合流をしていただくということになります。

そういうことで、いよいよより少人数での詰めた議論になりまして、できたら10月、遅くとも11月の作業チームの打ち合わせのときには1月に報告をする予定の報告案的なものが座長さんを中心にして用意されて、11月と12月の検討でほぼ固めていただいて、最終的には1月に報告を出していただく。部会の作業チームは1期、3か月で大体上げるということで、合同作業チームは3月までということですので、若干ゆとりがあるわけですけれども、福祉に関連する部分についてはできるだけ早目に報告をしていただく。医療の合同作業チームは、精神医療のことを中心にして3か月である程度の結論を出していただくので、よろしくお願いしたいと思います。

以上です。

小川議長 ありがとうございました。

報告の3点目は、わかりやすい第一次意見をつくる作業チームからです。これにつきましては、土本委員と長瀬委員にお願いします。

長瀬委員 長瀬です。まず私からお話します。本日のわかりやすい作業チームの報告を簡潔に行わせていただきます。

今日の午前11時から正午まで作業チームの会合を開きました。出席者は土本さん、育成会の室津さん、担当室の成冨さん、そして、私、長瀬でした。

前回の推進会議で堂本さんから御報告をいただきましたように、作業チーム案がおかげさまで順調に完成いたしました。これから印刷業者の選定等を得て、デザインの作業に移ることになります。デザインは表紙ですとかいろいろな面でイメージ的に影響が大きいので、選定は慎重に行いたいと思っています。でき上がりはカラー版で、大体3,000部程度となりそうです。

気になる完成時期ですけれども、10月末ぐらいにようやく印刷関係業者が決まるという日程のため、そこからは大車輪になりますけれども、11月中旬の完成を目指している状態です。ですから、先ほども御紹介があった11月冒頭ぐらいの地域フォーラムには残念ながら間に合いそうにありませんが、御理解をお願いいたします。

次回10月12日の推進会議の前、11時から作業チームの会合を開いて、そこでデザインに関する意見をまとめる予定です。

私からは以上です。共同座長の土本さんから補足をお願いします。

小川議長 土本さん、補足説明をお願いします。

土本委員 土本です。

長瀬委員も言ったように、あとは細かい点とかまだまだやり切れないところもあるんですけれども、ほとんど皆さんの合意を求められたと思いますので、この間、広島、奈良、札幌の仲間たちもわかりやすいものを見せたことも含めて話をしました。大体意見が出そろったので、あとは印刷をかけて出したいと思っています。これからの細かい作業もやっていきたいと思っています。大変なこともあるんですけれども、やつていきたいと思います。

以上です。

小川議長 以上でわかりやすい第一次意見をつくる作業チームからの報告を終わります。

障害の表記についての作業チームからの報告ですが、これにつきましては、副座長の川崎委員にお願いいたします。

川崎委員委員 川崎です。

今日の午前中に「障害」の表記に関する作業チームの第3回を開催いたしました。

前回に引き続きまして、さまざまな立場での表記に関するヒアリングを行っているところで、今回は2回目のヒアリングで3人の方に御意見をいただきました。

お一人目はいわゆる企業側といたしまして、ソニー株式会社からおいでいただきました。

あと、精神障害者の団体、芦屋の方から豊田さんという方においでいただきまして、御意見を聞きました。

最後にDPI日本会議の西村さんから、それぞれの団体の立場での御意見を聞いたところです。

もう一度ヒアリングを行いまして、そこにはマスメディアの方とか有識者、障害者関係の団体の方を予定しております。

現在、内閣府のホームページで一般からのアンケートをいただいておりまして、それが9月30日に締め切りになりますので、そこでの意見などを踏まえまして、こちらのチームといたしましても、11月の中ごろに向けまして、論点整理をしていきたいと考えております。

以上です。

小川議長 ありがとうございました。

障害の表記についての作業チームからの報告を終わります。

報告の最後でございますけれども、長瀬委員より権利条約の締約国会議について報告いただきますが、長瀬委員どうぞよろしくお願いいたします。

長瀬委員 たびたび恐縮です。長瀬です。

9月1日から3日までニューヨークの国連本部で障害者の権利条約の第3回締約国会議が「障害者の権利条約の実施を通じた障害者のインクルージョン」をテーマとして開催されました。前回はそのために欠席をした次第です。

委員の皆様にはお手元に資料が届いていると思います。傍聴の方は、後日ウェブサイトで資料を拝見いただければ幸いです。

締約国会議というのは、条約の40条の規定があって、この条約の実施に関する事案を審議するための公的な機関になっています。この会議の時点では、締約を批准した国は90か国で、署名数は146でした。

今回の締約国会議の主要な議題の1つは、この条約の国際的なモニタリングの中心的な役割を果たす障害者の権利条約委員会の専門家の選挙でした。今回の締約国会議では、合計で12名が選出されました。これまでも障害のある専門家の比率が7割、8割であったわけですけれども、今回新たに選出された専門家のうちの障害者である専門家の比率は更に高く、現在全部で18名選出されていますけれども、恐らく15名程度は障害者自身である専門家という構成になって、条約交渉の過程でも繰り返された"Nothing about us without us" の精神はここでも生かされていると思います。とりわけ条約交渉に大きく貢献したドイツのテレジア・デゲナーやお隣の韓国の金教授の選出は非常にうれしく思いました。

この選挙で1日が費やされてしまいまして、2日目にパネルディスカッションが教育と地域生活それぞれについて開催をされました。

教育の方では、障害者の権利委員会の専門家であるアナ・パレーズからインクルーシブ教育に向けた政治的、経済的な措置と国際協力でのインクルーシブ教育の実施の重要性の指摘がございました。

また、次に開催された地域生活に関するパネルディスカッションでは、やはり障害者の権利委員会の専門家であるヨルダンのモハメド・アル=タラワネから地域での生活の権利と生活の形態を選ぶ権利の重要性の指摘があり、特に実際に地域での生活が選べるような環境を確保するための国家の役割の強調がございました。

3日目の9月3日ですけれども、この日は午前中だけでしたが、国連システムとしてどのような取組みが条約の実施に向けてなされているかについての報告が国連の各機関からありました。条約の実施を担っている人権高等弁務官事務所から、条約の国内実施に関する仕組みの構造と役割に関する研究の報告があり、パリ原則にのっとって独立した監視機関の重要性が指摘されました。また、次の研究は国際協力に関するもので、来年3月に公表予定という話がございました。

障害者の権利委員会の委員長であるオーストラリアのロバート・マッカラムからは、この委員会の動きについての報告があり、次の第4回会議が今度の10月4日から8日まで予定されていて、既に最初の定期報告書の提出のあったチュニジアとの対話を予定しているという報告がありました。

なお、締約国会議に関連して、前日の8月31日には国連事務局と国際障害同盟が主催する国際協力に焦点を当てた市民社会フォーラムが開催され、障害とミレニアム開発目標との関連が強調されておりました。ここでは国連の社会開発委員会の障害に関する特別報告者、南アフリカの方から開発協力を始めとする国際協力での障害の重要性に関する指摘があり、とりわけ日本の国際協力機構、JICAが果たしている国際協力での役割はモデル的な存在であるというお話をしてくださったのは、非常にうれしく感じました。

最後になりますけれども、今後の日本としての動きに関連して申し上げて終わりたいと思います。

締約国会議では既に批准を行った国だけではなく、署名しているだけの国、日本もそうですけれども、そうした国の発言の機会がありましたが、残念ながら日本政府の発言はありませんでした。制度改革推進本部、そして、この推進会議を中心として条約の批准、締結、そして肝心かなめの実施に向けて真剣な取組みを行っていることを日本政府の発言として国際社会にアピールする非常に重要な機会だったと思います。来年は是非日本政府に参加していただき、きちんとした発言をしてほしいと思います。

もう一点が最後ですけれども、日本としてもこうした取組み、この推進会議の取組みの延長線上として、批准することになると思いますけれども、そのあかつきには日本の障害者代表を是非障害者権利条約の履行に関する締約国会議に送り出したいと強く思った次第です。

ありがとうございます。

小川議長 ありがとうございました。

これで第4コーナーは、ほとんど時間ぴったりに終了します。どうぞ。

関口委員 質問なんですけれども、長瀬さん、ちょっと教えてください。

4ページの下から5行目「バラク・オバマ政権による批准を受けて、署名国として」と書いてあるんですけれども、これはどちらが正しいんですか。

長瀬委員 長瀬です。ありがとうございます。

それは私のミスです。米国についてのお話ですけれども、バラク・オバマ政権による署名を受けて、署名国として米国の政府代表であるジュディ・ヒューマンからの発言がありました。

ちなみに、米国の民主党政権ということで、行政府による署名まではいきました。次のステップとして上院に批准に向けての働きかけをする予定だという話がありましたが、残念ながら上院が障害者の権利条約を批准するのは非常に困難と思われると米国の政府関係者は発言していました。

御指摘ありがとうございます。

小川議長 これで本日予定いたしました議事は終了いたしました。

ここで東室長より今後の予定を含め報告すべき事項があれば、御説明をお願いします。室長、どうぞ。

東室長 担当室の東です。

どうも御苦労様でした。

次回は第21回になりますが、期日は10月12日火曜日で、議題としては障害者基本法の改正についてです。中身としては、総則と推進体制についての検討を行うというところです。月曜日ではなくて火曜日ですので、間違えないようにお願いしたいと思っています。

以上です。

小川議長 ありがとうございました。

それでは、これをもちまして、本日の会議を終了いたします。

この後、この場所で記者会見を行います。

本日はお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございました。御苦労様でございました。ありがとうございます。

▲ このページの上へ

-