○ 小川議長 定刻になりましたので、これより第32回「障がい者制度改革推進会議」を開会させていただきます。
本日の委員の出欠状況ですが、大久保委員、清原委員、竹下委員、福島オブザーバーが御欠席、中島委員が1時間程度遅れて御到着、遠藤オブザーバーが2時間程度遅れて御到着、その他の委員、オブザーバーは御出席です。
会議の公開はこれまでと同様といたします。
進行上の時間配分については、後ほど東室長より報告があります。
本日の会議は17時までを予定しております。
それでは、これより先の進行については、藤井議長代理、よろしくお願いいたします。
○ 藤井議長代理 それでは、ここから先は藤井の方で担当させていただきます。
まず最初に障害者基本法の改正法案の動向につきまして、事務局より報告いただきます。関参事官から報告をお願いします。
○ 関参事官 内閣府事務局の関でございます。
障害者基本法の現状でございますけれども、4月18日に第31回推進会議があって以降の動きといたしまして、4月22日に障害者基本法の改正法案、政府案が閣議決定されております。4月22日に閣議決定され、同日、国会に提出されております。
まず衆議院の内閣委員会での審議が見込まれておりますけれども、現在、その法案をめぐっての扱い、審議の日程を含めまして、各党間での調整に付されているということで、現時点では何か具体的なことが決まっているわけでございません。
今後の動向ということで、進展がありましたときには、またいろいろな形で御報告していきたいと思っております。
以上です。
○ 藤井議長代理 それでは、本日の全体のスケジュールの概略を東室長よりお願いいたします。
○ 東室長 こんにちは。担当室の東です。
今日は災害と障害者をテーマとして議論いたします。
15分の休憩を3回として、4つのコーナーに分けたいと思っています。
まず第1のコーナーは40分ほどの時間をかけて、資料2-1と資料2-2というものがあると思いますが、障害者関連団体による災害救援活動の概要について、事務局から報告させていただきます。また、参考資料もありますが、これについても事務局から説明を行いたいと思っております。その後、これらについての質疑を行います。
次に第2のコーナーは60分を予定しております。災害と障害者について、事前にお示ししました論点及びそれに対する委員の皆様からの御意見を基に議論いたしたいと思っています。このコーナーでは以下の論点について議論いたします。論点1から論点4までは現状ということですが、論点1は安否や被災状況の確認及び必要なニーズの把握の現状についてということであります。論点2は避難所での障害者の現状について、論点3は福祉避難所での障害者の現状について、論点4は今回の災害において求められた被災障害者への支援についてということで、現状について御報告いただいて、議論いたしたいと思います。
第3のコーナーは50分で、以下の論点について議論します。論点5と論点6ですが、論点5は被災障害者にとっての被害とはということ、論点6は被災障害者に対する支援を行う上での基本的な課題、これについても皆さんからの事前意見の概要を事務局から説明させていただいた上で、その後、議論したいと思います。
最後の第4コーナーは30分ほどで、前半は以下の論点について25分ほど議論したいと思います。すなわち、論点7と論点8ですが、復旧、復興のプロセスの中で、特に大事なことが論点7です。論点8はその他、救援の在り方、制度、仕組みなどについてということです。これにつきましても、皆さん方からの事前の御意見の概要を事務局から5分程度で説明申し上げます。その後、20分ほど議論ということになります。
第4コーナーの最後に2月27日に開催されました福井フォーラムの報告を改めてさせていただきたいと思っています。
以上が本日の予定でございます。
○ 藤井議長代理 それでは、早速第1コーナーを始めましょう。今から40分強、大体13時50分をめどに第1コーナーに入ってまいりますけれども、最初に構成員から提出いただきました資料を基にして、障害関連団体の救援活動、支援活動の概要について報告をいただきながら議論に入ってまいります。
それでは、東室長、引き続きお願いします。
○ 東室長 担当室の東です。
前回も述べましたように、障害と災害の問題は本来障害者基本法で扱うべき問題であります。ただ、これまで議論してきたのは、情報保障ということに特化した部分だけでありました。ですので、改めて全体的な議論が必要だと思っているところです。ただ、現段階では被災障害者の全容が必ずしも明らかになっているとは言えません。情報もなかなか共有できていない状況にあると思います。そこで、まずはできるだけ被災障害者に関する情報を共有した上で議論を始めていくことが大事だろうと思っている次第です。今後の災害のテーマにつきましての予定としては、今後の復興状況等をにらみながら、障害者と災害をテーマとして再度議論することになるかと思います。
さて、今回の議論をするに当たって、冒頭にも述べましたように、できる限り被災障害者の状況と救援の状況を明らかにしたいと思いまして、障害関連団体の皆様方が救援活動をなされているわけですけれども、それによって得られた被災障害者に関する情報の提供をお願いいたしております。その結果、とても忙しい中であったと思いますが、27の団体の方から情報提供いただきました。改めてこの場をかりてお礼を申し上げたいと思います。詳しくは障害関連団体による災害救援活動の概要(1)と(2)、資料2-1と資料2-2という形で配付させていただいております。
それ以外に時間の締め切りの関係もあって、3つの報告が上がっております。
1つ目は、JDF被災障害者総合支援本部支援センターみやぎとふくしまの2か所からの報告が小川議長の提出資料として配付されております。
また、ペラ1で真っ白い紙があると思います。日本障害フォーラムの被災地障害者支援センターふくしまという表題が付いておりますけれども、データが1枚もので提出されております。
2つ目は、仙台市障害者福祉協会からの報告で、災害救援活動の概要と題してお手元にあるかと思います。
3つ目は、ゆめ風基金やDPI、JILが中心となって行っております被災地障害者センターみやぎの活動報告書ナンバー1というものがお手元にあるかと思います。
詳細はこれらを見ていただければありがたいんですが、これら27団体の活動内容や調査結果を団体ごとに紹介する時間はありませんが、大まかにまとめると、活動内容としては、まず安否や被災状況の確認から始まって、ニーズの把握、それに基づく必要な支援という流れになっているかと思います。
これらの情報を基に合計すると、まず安否確認や被災状況の点ですが、調査結果のうち、在宅障害者関係に限って言えば、およそ9,000名の在宅障害者を対象にさまざまな活動がなされております。そのうち、死亡と行方不明はそれぞれ100名を超えているということがデータから出てくるかと思います。支援が必要と思われる数も1,800を超えているところです。
次に施設関係ですけれども、500を超えた施設を調査されております。その中で全壊が100を超え、一部損壊も250を超えている状況であります。
ただ、今、申し上げました数字は、調査がオーバーラップしている、重なり合っている可能性もあります。ですので、実数よりも多いかもしれません。また、逆に調査をしても数字化されていない形で報告されている場合もありますので、27団体の活動の実数よりも少ない可能性もあります。その意味で決して正確な数字ではありませんが、一定の目安にはなるだろうと考えているところです。
今日、参考資料ということで1と2をお配りしております。
参考資料1は、平成18月3月に政府において災害時要援護者の避難対策に関する検討会というものが開かれまして、そこがまとめた災害時要援護者の避難支援ガイドラインというものです。この中身については、詳しくは見ていただければありがたいんですが、3つの柱からなっております。
1つは災害が起こったときの避難支援に関する市町村の中での全体計画というものが最初にあります。
2番目の柱としては、災害時の要援護者名簿の作成ということです。市町村では一定の障害者が災害時には援護が必要だろうという想定をした。その想定の下に、この名簿に同意する人たちを募って名簿をつくるということが行われたようです。
3番目には、その名簿を基に個別的にどう支援していくかという個別計画というものがあります。
この3つの内容を柱としたガイドラインが18年3月に出されておるわけですけれども、全国の市町村でどんな策定状況なのかということに関する資料が参考資料2です。消防庁でまとめられたものですが、この3つの柱について、全国市町村でどの程度できているのかということなんですが、全体計画などを策定見込みであると報告したところは、平成23年3月末までで考えると、96.9%という数字が上がっております。22年度末まではほぼすべての団体、すべての市町村が全体計画については策定されるという見込みであるという報告です。
また、名簿につきましては、2ページを見るとわかりやすいと思います。名簿の整備状況につきましては、22年3月31日現在で全団体の88.7%という数字が上がっております。
更に個別計画に至っては、22年3月31日現在で、全団体の72.7%が作成中ということです。その一覧も3ページ目に付いております。
多くの団体ではこういう整備ができている、もしくは整備中という状況でしょうけれども、いかんせん、名簿者の数とか内訳、そういうものはまだ消防庁でも把握していないということでありました。しかしながら、こういうものが市町村にはある、現実に被災を受けた市町村でもあるだろうという前提で議論を進めた方がいいのではないかと思っています。
ちなみに、被災3県に限っての話ですけれども、太平洋沿岸に区域を有する市町村に住む人たちの人口の総計は、ざっと言って250万です。そのうち手帳を所持している人たちがどのぐらいいるかというと、人口の約6%として換算すれば、15万ぐらい手帳を持っている人たちがいるということになります。この15万の人たちのうち、どの程度被災を受けているのかどうかはわかりません。しかし、分母としてはこのぐらいの数が考えられるという状況にあるわけです。その中で、27団体が本当に一生懸命になって頑張って調査されているわけですけれども、在宅に関して言えば9,000人前後という数であるわけです。
そして、これもまたアバウトな話ではありますが、250万のうち、死亡もしくは行方不明というのが2万5,000人ぐらいいらっしゃる。これは1%ぐらいの数字に当たるわけです。ですけれども、今日出された団体の数字を前提にして考えると、9,000人のうち死亡が100人以上、行方不明も100人以上ということで、2%を超えるような数字になるわけです。ですから、一般の被災状況と比べて、この点において見ても、かなり被害の率は高いのではないかと推測させるような数字も上がっているわけです。しかしながら、対象は9,000人ぐらいなわけで、これが15万になるとどのぐらいになるのか。いまだはっきりわからないという状況にあるのではないかということも言えるかと思います。勿論施設関係につきましては、本当にいろんなネットワークの中で調査もほぼ終わっているのではないかという感じもします。ですので、在宅の部分がなかなかわからないというのが現況だと思っております。
こういう状況の中で、どのような形でニーズ把握がされて、それに基づいてどんな支援がなされたのかということにつきましては、特に初期の物的な支援としてはガソリンとか食料品といった一般的な生活の必需品のほかに、やはり障害者にとってなくてはならない、例えば医薬品、医療用品、介護用品、補装具関係、電源確保機材など膨大な物資がさまざまなルートを確保されながら供給されていったということが伺えるかと思っています。
また、人的支援といたしましては、団体の規模とか種別によってかなり異なってはおりますけれども、今回の被災は単に物的被害にとどまらず、福祉とか医療のサービス供給体制そのものに被害が出ておりますので、かなりの数の介護職員を始めいろんな人的な資源が派遣されていったということが見えてくると思っています。
最後に各団体からいろんな形で課題が提起されております。これにつきましても、一つひとつ取り上げる時間はございません。ただ、一番大きな枠などで提起されている話としては、例えば障害者団体はそれぞれ独自に一生懸命やっているけれども、全体的な形で見ると統一されていないということも感じられている。だから、内閣府とか厚労省においてやはり団体を束ねる必要があるのではないかという御指摘とか、今後においての話ですけれども、自治体や防災センターなどによる災害前の障害者関係施策、利用者の把握と障害に応じた効果的な対策が本当に行われたのか、行われなかったのか、できなかったとしたら、その理由は何なのか、そういった面について検証などが必要になってくるのではないかという御指摘もございました。
また、厚労省によっていろんな対策がなされておりますけれども、その通知がなかなか現場まで伝わりにくかったとか、通知の内容についてもいろいろ問題があるということもいろんな形で御指摘が上がっているところです。
団体からの概要の報告としては以上であります。どうもありがとうございました。
○ 藤井議長代理 もうおわかりのように、今度の地震というのは非常に広域性、そして複合性というんでしょうか、地震、津波、原発、風評、余震。こういう中で被害も非常に複雑になってきている。決して震災は終わったわけではなくて、今でも福島では震災中です。今月中には計画的避難区域から出て行かれる。新しい災害が始まるという状況で、まちまちではあるんですが、今、団体からの全体状況をごくかいつまんで報告いただきました。これは第2コーナー以降の全体のベースになりますので、また後で深めてまいります。
今、報告いただいたところで、まず質問があったらお受けいたします。いかがでしょうか。
関口さんからどうぞ。
○ 関口委員 手帳の数をパーセントで推測しているようですけれども、御存じのように、精神の手帳取得者のパーセンテージは非常に低いので、手帳の数というのは特に精神障害者においては、精神障害者の数とは一致しないと思っていますけれども、その点はいかがでしょうか。
○ 東室長 東です。
少し説明が間違っていたかと思います。6%という数字は障害者白書に表れている障害者の人口を基に概算でいったパーセントです。
精神障害者につきましては、何も手帳所持者だけが白書上の精神障害者とはなっておりませんので、行政統計上認められた数と訂正いたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○ 藤井議長代理 関口さん、いいですか。
○ 関口委員 はい。
○ 藤井議長代理 ほかに質問はいかがでしょうか。山崎構成員、お願いします。
○ 山崎委員 山崎です。
先ほど障害を持っている方の死亡者、行方不明者が各1,000人ほどいるということでした。100人ですか。失礼しました。
○ 藤井議長代理 団体からの報告では、9,000人中100人ということです。
○ 山崎委員 そこを伺いたかったんですが、その辺りについての政府の全体のとりまとめという取組みはあるのかお聞かせください。
以上です。
○ 藤井議長代理 東室長、どうぞ。
○ 東室長 私が答える立場にはないと思いますけれども、恐らく厚労省で正確な数字を把握されている、もしくはデータをきちっと集められている最中だろうと思います。
今日こちらの時間的な余裕があれば、来ていただいて、現状わかっている限りを報告していただければと思っておったんですが、まずは障害者団体の活動によってどの程度の状況が明らかになるかということを最初にやって、次回もう少し落ち着いた辺りで出していただければと考えまして、今日はそこのデータについては持ち合わせがございません。
○ 藤井議長代理 恐らく最大の関心事は障害を持たない人との比較だと思うんです。つまり障害を持たない人の中で亡くなられたり犠牲になった方の割合と、障害を持った人の中で犠牲者あるいは行方不明者の割合、この比較をどう検証されるかということだと思います。これはどんなふうになるかわかりませんけれども、各市町村も含めて是非検証してほしいところだと思います。
新谷委員、どうぞ。
○ 新谷委員 新谷です。
要援護者名簿登録数での調査はできないんですか。
○ 藤井議長代理 東室長、どうぞ。
○ 東室長 御質問はだれがということですか。
○ 新谷委員 新谷です。
先ほどの消防庁の調査がありますね。各自治体に聞けば、少なくとも要援護者名簿に登録されている数はわかります。それは障害者に限っていませんので、いろいろありますけれども、身体障害とか高齢介護保険の対象者とか、そういうことは書いてあるはずなんですが、そういう調査は進んでいないんですか。
○ 東室長 少なくとも担当室ではやっておりません。現場に行かれるとわかると思いますけれども、自治体によっては人的な被害も含めて甚大な被害を受けております。各種のデータが全部流されてしまっているところもあります。今は少しは落ち着いたと思いますけれども、そういう情報を教えてくれと電話して事務作業をお願いすること自体がはばかられるような状況がまだ続いているところもあると思います。そういうデータをこちらの方で集めることができれば非常にいいことだろうと思いましたけれども、そういう現地の状況も考えると、電話一本でそういう事務作業をお願いするということについては、まだ躊躇を覚えざるを得ないということもあって、少なくともここではやっておりません。
○ 藤井議長代理 新谷委員、どうぞ。
○ 新谷委員 今の質問の背景は、手帳保持者というのは非常に狭い範囲に限定されていますので、もう少し調査範囲、対象を広げる意味では、手がかりになるのは要援護者名簿登録者ではないかと思ったんです。
○ 藤井議長代理 これは東さんからお願いします。
○ 東室長 東です。
私も詳しく知っているわけではないんですが、要援護者が何かということはそれぞれの自治体の要綱に多分書いてあると思います。例えば私が知っているところでいえば、障害者手帳所持者という形ではなくて、1級とか2級とか3級という限定があったり、障害種別で違ったり、精神の方については必ずしも入っていなかったりという状況があるんだろうと思います。ですので、手帳の台帳名簿よりも広いということはないのではないかと推測しておりますけれども、そこら辺は要綱を全部取り寄せてみないと必ずしもはっきりしないところではあります。
以上です。
○ 藤井議長代理 ちょっと待ってください。
新谷さん、今日の段階でわかること、言えることは、今の要援護者の中で障害者の数と手帳所持者の数でいうと、むしろ手帳所持者の方が広いのではないかという推測だということなんですが、よろしいですか。
○ 新谷委員 私の実体験なんですけれども、要援護者名簿というのは手帳に関わりなく申請できる要素があるんです。ということで、自分で申告するというのは微妙なところもあるのかもわかりませんけれども、手帳要件に縛られない、とにかく自分としては緊急時の情報がほしいという意味で要援護者名簿に登録するということがありますので、私は手帳よりは広い範囲をカバーしていると思います。当然高齢者が入っていますので、はるかに広いことは確実なんですけれども、障害者分野に限っても広い範囲をカバーしているのではないかと思っていたんですが、認識がちょっと違うのかもわかりません。
○ 藤井議長代理 それは今後の検証でと思っていますので、今日これ以上ここで議論しても深まりにくいので、大事な問題提起として受け止めておきましょう。
これに関連して、関口さん、どうぞ。
○ 関口委員 実際に仙台に行って現地調査に入ったときに、ある自治体では登録されている要援護者については安否確認は済ませました。この登録というのは、あくまでも任意なんです。ですから、精神の場合、手帳を持っている人が登録しているかどうかもまるっきりわからないし、ましてや持っていない人がはるかに多いわけですから、これが登録しているとは到底思えなくて、行政としては災害時の要援護者という形で登録を一応受け付けて、それに関して登録を済ませた人に関しては、少なくとも安否確認はしました、その他の方に関してはわかりませんというお返事でした。
○ 藤井議長代理 東さん、どうぞ。
○ 東室長 要援護者名簿をつくるときに、行政はまず一定の基準で対象を想定するわけです。想定した対象の中から声かけをして、名簿に記入することに同意するかどうかという手続をとって実際の名簿ができ上がるんだと思います。ある市の状況についてホームページに出ておりましたが、想定の要援護者は2万4,000人、そのうち手を挙げたのが8,200~8,300人ということになっておりました。ですので、手を挙げるかどうかという点で、実際はがくんと狭まっていく状況もあるわけです。
○ 藤井議長代理 関連として、委員、どうぞ。
○ 今のことに関連したことなんてすけれども、実は私の自治体では手挙げ方式をとっておりまして、実際、精神障害者は手を挙げなかったということが自治体から言われております。ですから、要援護者という数は障害者の実態を把握できるものにはちょっと遠いのではないかという気がいたしております。
○ 藤井議長代理 私の自治体というのは、川崎市ですか。
○ 大田区です。
○ 藤井議長代理 ごめんなさい。印象としては、大田区で大体どれぐらいの方が手を挙げられるんですか。
○ いわゆる3障害に手挙げ方式で自治体の方が手紙を送ったそうなんです。それで、登録する人は返事がほしいということだったらしいんですけれども、私が家族会などで聞いたことと、福祉課の話によりますと、精神の人はだれもおりませんでしたということがありました。
○ 藤井議長代理 わかりました。
○ といいますのは、町会とか民生委員さんにこれが公表されるということで、精神の人のいわゆる偏見といいますか、そういう中で手が挙げづらかったのではないかと思っております。
○ 藤井議長代理 この辺は自治体間の濃淡もあるし、どちらにしても検証をする必要があると思います。
尾上さん、お待たせしました。
○ 尾上委員 ちょっと別の質問なんですが、先ほどの参考資料2ということで、消防庁から出されている資料の詳細なところを見ますと、福島県では既に100%全体計画をつくっておられる。宮城、岩手も22年度末ということなので、ぎりぎり今年の3月という震災時点ではどうだったかは不明ですが、一応22年度末、今年の3月までに100%つくるということで、そういう意味での要援護者の人たちに対する支援計画は、基本的には今回の被災、特に大きかった3県は大体お持ちだったと改めて思いました。
そのことと、例えば福祉避難所と言われるもの、県によってかなり取組み状況が違うと聞いています。実際、ある県ですけれども、地元の障害者が福祉避難所を設置してほしいと言っても、これからはともにという時代だから、福祉避難所は要らないという対応をされた自治体があるとお聞きをしています。何を言いたいかというと、単に全体計画があるか、ないかだけではなくて、具体的に全体計画の中に、例えば最寄りの避難所のバリアフリーの度合いをチェックされているかどうか、あるいは福祉避難所をお持ちかどうか、そういった計画の中で災害時要援護者と言われる人たちに対する具体的な配慮の中身をもう少し精査したようなデータがないかどうか。今日でなくてもいいので、あれば是非出していただきたいと思います。
100%、ほとんどの3県が持っておられるということと、責任がどうのこうのというよりは、実際に、今、私たちが被災地の現場からお聞きしている状況と実態とはかなりずれているような印象を持ちますので、よろしくお願いします。
○ 藤井議長代理 尾上さんの質問は、そういうデータを更に追加で集めてほしいということですか。
○ 尾上委員 そうです。例えば全体計画をお持ちの自治体で、福祉避難所の協定を結んでいるところです。福祉避難所として協定を結んでおられるところは何か所あってとか、そういう追加データを集約できるようでしたら、是非お願いをしたいと思います。
○ 藤井議長代理 東室長、どうぞ。
○ 東室長 それについては、これ以上のデータは、現時点では持ちませんけれども、今後の話として、例えば要綱辺りがホームページで出ていれば、それを集めて、その中身がどうなっているのかということは、やろうと思えばできないわけではないですけれども、そもそもホームページに出ているかどうかはわかりませんし、しかも、役場の機能が全部失われているところは、ホームページが全部あるのかどうなのか、そこさえちょっとわからない状況です。ましてや実態としてどうなっているのかについて調査をするのは、ここベースではなかなか持ち得ないというところがありますので、それに関しても、できれば現地に入られているところで、実際に調べていただければということも一面思ったりします。
○ 藤井議長代理 引き続き、尾上さん、どうぞ。
○ 尾上委員 今の被災地の状況からして、この追加調査は今すぐにという意味ではないんですが、例えば全体計画をつくっているかどうかという集約をしたときに、全体計画の写しとかそういったものを消防庁の方で集約されていないかどうかなんです。もし集約されているようでしたら、そういったものの中から福祉避難所をお持ちかどうかみたいなことがわかればと期待をして質問した次第です。
○ 藤井議長代理 いずれにしても、要支援名簿というのは手段であって、目的はやはり支援をちゃんと行うというのが本来だと思います。想定外の大きな震災とはいっても、この間ずっと要支援名簿と言われていますので、これがどういう効力があったのかというのは、全部は無理でもどこかサンプリングを含めたり、これは東さんたちの担当室というのではなくて、NGOも含めてこれについて言及をしていくということは、今の発言からテーマに挙がってくると思います。東さんの方では、そこまでのお答えしかできないと思います。
関口委員、どうぞ。
○ 関口委員 中野区の話になってしまいますけれども、中野区の場合は行政自体がやっているわけではなくて、NGOが災害時の要支援者に対して手を挙げてくれといって、中野区とタイアップしてやるという形になっています。
ですから、先ほど濃淡があるとおっしゃられましたが、まさにそのとおりで、基礎自治体によってやり方も含めて要支援者名簿のつくり方とか、範囲のかけ方とか、そういうものが全部違っている可能性があるんです。そうなってくると、どの自治体ではどうだったのかということをある程度検証していく必要がある。今すぐデータを上げるというのは難しいかもしれませんけれども、我々の方でも頑張りますが、基礎自治体ごとに要支援者名簿がどこまでどういう形でやられていたのかということは検証しないと、一概に被災3県という形で言えるものではないと思います。
○ 藤井議長代理 御意見として承っておきましょう。
ほかにいかがでしょうか。質問はよろしいですか。
そうしたら、少し早いんですが、むしろこの後の方に時間をとっていきたいと思いますので、一旦ここで10分ほど休憩に入りましょう。今40分ぐらいですので、1時55分から再開します。それでは、休会します。
(休憩)
○ 藤井議長代理 それでは、第2コーナーを開始してまいります。よろしゅうございますか。
先ほど今日のスケジュールの概要がありましたけれども、第2コーナーは主に現状についてです。安否や被災状況の確認及びニーズ把握の現状、避難所の現状、福祉避難所の現状、今回の災害において求められた被災障害者への支援、この4つの論点について話し合いをしようと思います。
まず最初に各構成員から寄せられた資料に基づいて、東室長から報告をお願いします。
○ 東室長 担当室の東です。
多くの委員の皆様から事前に御意見をいただきましたので、概要について報告いたしたいと思います。
1番目の安否や被災状況の確認及び必要なニーズ把握の現状についてということで、まず行政の対応についてどういう御認識でおられるかということで聞いております。
障害者の個人情報については行政の方で把握されておりますけれども、一部の市町村を除いて、現段階においてはまだ行政による安否確認とかニーズの把握、それに基づく個別支援といったことができる体制にはなっていないのではないかという御意見が多かったと思います。
続きまして、行政と障害者団体との連携の現状ですが、これにつきましても、一部では確かに行われているけれども、やはり個人情報の保護ということがネックになって、全体的にはうまくいっていないのではないかという御指摘がありました。
3番目の属されている障害者団体の取組みの現状ということで、入所、通所など小分けして聞いております。
まず入所関係、通所関係でございますけれども、委員の御指摘と先ほど申しました障害者関係団体からいただいたデータ基にすると、入通所関係においては、おおむね現状が把握されているのではないかと思われます。
続きまして、精神病院に通院していた障害者関係はどうかという点でありますが、一部の病院のワーカーによって救援活動がなされているところもあるという御指摘がありますが、例えばクリニックなどに通院していた障害者の把握は困難だろうという御指摘があります。
また、在宅で訪問系のサービスを受けていた障害者についてはどうかということでありますが、委員の御指摘によると、障害者団体がその運営に関与している事業のサービスを受けている障害者に関しては、一応現状が把握されていると推測されますけれども、それ以外の民間事業者の場合については、ここには情報が届いていないという現状です。
更に在宅で訪問系のサービスを受けていない障害者はどうかということです。この部分が数としては最も多いと思われますけれども、この部分の把握はほとんどできていないのではないかと思われます。
行政が保有している各種名簿も有効に使われていないのが現状だろうという御指摘があります。例えば難病の方についても、必ずしも手帳を所持されている方ばかりではないので、やはり現状把握は遅れているということでした。
最後に障害関連団体に属する会員の方についてはどうかということですけれども、委員の御指摘のほか、先ほどの団体からいただいたデータを見ても、会員についてはほぼ100%近く安否確認とか被災状況を把握している団体もございますが、全容把握はなかなか困難だという団体もあるように思われます。
続きまして、避難所での障害者の現状ですが、これにつきましては、避難所の障害者の現状はどうなのかという点と、避難所になかなか障害者がいないという話も聞くけれども、それについての理由、もしくはどこでどういう形で生活しているのかという点について御質問をしております。これにつきましては、2つまとめて御報告したいと思います。
まず肢体関係の障害者につきましては、特に全身性障害者は体温調節に障害があったり、暖房のない避難所では生活できない、排泄介助を必要とする障害者は大部屋では生活できないなどの理由から、ライフラインが全く途絶えたような自宅とか、もしくは親戚、老人ホーム等へのショートステイという形で現在生活しているのではないかという御指摘があります。車いす利用者の場合は、入口に段差があったり、トイレが使えない、占有できるスペースが狭い、介助体制に不安があるといったことで避難所生活をあきらめた人がいる。そこで、例えば自立生活センターの事務所に寝泊まりしたり、他県の兄弟の家に避難しているといった御指摘がありました。
次に聴覚の場合とか難聴の場合ですけれども、例えば補聴器がハウリングを起こして音がうるさいと言われたり、周りの人になかなか溶け込めないので、寝るときだけ避難所生活をするといった状況の人もいた。また、避難所では字幕の付いたテレビ報道はなかなか見られない。聞こえないので情報が届かなかったり、例えばそのために入浴とか食事の機会を逃がしたり、孤立したりといった状況にある。また、避難所生活を送っている難聴の会員は、調査の結果いなかった、もしくは非常に少ないと思われるということが言える。ただ、中軽度の難聴の方、高齢で聞こえに困っている方は結構多かったということです。中軽度はそうなんだけれども、会員自体がいないということは、避難所ではなく自宅とか身内に身を寄せている方が多いのではないかということが指摘されています。
知的障害に関しましては、例えば重度の知的障害のある男性が夜中に走り回ったり、所構わず排泄したりするなどの行為が続いて、ほかの住民から安心して寝られないという不満が相次いだ。そういう状況とか、子ども自体について見ると、全く声を出さなくなったり、少しの物音でも敏感に恐がるようになった。そういう状況でなかなか避難所で過ごすことは難しい状況にあるといった御指摘がありました。
精神に関しましては、過酷な避難所という環境とか、周囲の声や物音で睡眠がとれない。その結果、症状が悪化して大声を出したりして周囲から出て行ってほしいと言われたり、逆に何も言えず必要な支援が受けられないといった状況がある。精神障害者自体が存在するんだということを想定した避難所の世話役さんは少ないのではないか。避難所では支援と称して施設や病院、よくても福祉避難所につないでいって一般の避難所から排除されてしまうケースもあるということで、そういう状況の下で、例えば自宅に帰ったり、車の中で隠れるように暮らしているのではないかといった御指摘がありました。これは発達障害者も含めてというお話でございました。
難病の方に関連しましては、トイレが使いにくかったり、底冷えする環境では長期間そこで生活すること自体が難しい。オストメイトを装着している人が洗浄する場所もなく、理解も得られず、おりづらかった。寒さによる体力の低下とか感染症の心配のために、直ぐに出て行かざるを得なかった。利尿作用の薬を常用している人にとって、トイレが使いづらいということは大変なストレスであって、やはり避難所では生活が難しい状況があるという御指摘がありました。
そういう中で、ある方はみんなも大変だ、みんなに迷惑がかかるなら、在宅で我慢しよう、死ねば仕方ないと言って自宅に帰られた人がいたという御報告も上がっております。
状況としては、大体こういうことが上がっております。一旦は避難所に恐らく行かれたんだろうという状況が想定されます。しかしながら、継続して利用することはなかなか難しい。そのためになかなか避難所では障害者を見ないということが言われているのではなかろうかということが推測されると思います。
続きまして、福祉避難所での障害者の現状につきまして、御報告を願ったわけですけれども、この点に関しては余り具体的な情報が提供されていない状況です。
最後に4番目であります。今回の災害において求められた被災障害者への支援についてということで、御指摘をいただいております。
ここではさまざまな御意見がありますけれども、障害種別ごとに特徴のある支援が示されております。障害の種別に関係なく必要とされたものは少数でありました。情報保障とか移動の確保、医療の観点から見ると、複数の障害に共通した支援が多くしめされております。また、障害の種別という視点だけではなくて、障害のある女性という立場からの検討も必要であるという御意見、支援の項目の整理の仕方に関する御意見などがありました。
少し具体的に申し上げますと、肢体不自由に関しましては、避難所におけるスペースを確保したり、人の混み合う状況における移動とか体温調節、トイレ、シャワー、介助者の確保といった支援をしたという御指摘があります。
視覚障害に関しましては、情報の保障、移動の確保といった支援が上げられております。
聴覚に関しましては、やはり情報保障ということで、手話とか字幕、連絡先をファックスやメールで示したり、広報者のわかりやすい音声案内とか避難所での文字情報の表示、壁紙、筆談による対応という形で支援を提供した。
盲ろうにつきましては、やはり情報の保障と移動の確保という点の支援が上がっております。
知的に関しましては、やはり情報保障、環境の調整、避難所における周囲の理解のなさをなくすといったことを上げられております。
精神関係につきましては、医薬品の入手、避難所における周囲の理解のなさをなくすような対策、休憩できるスペース、プライバシーを考慮した支援というものが上げられております。
発達障害者に関しましては、やはり環境を調整するといったこととか、避難所における理解を求めるような支援が上げられております。
難病につきましては、人工呼吸器等の電源確保とか医薬品や医療器具の入手、施設の確保ということが上げられております。
女性に関しては、トイレや着替え等でのプライバシーの確保、性暴力の防止対策、相談支援体制の確保、同性介助の徹底ということが上げられております。
また、子どもに関しては、遊びとか楽しみを確保することが重要であろうと言われております。
特に初期の食料とか日用品の確保、ガソリンはやはり介助体制を確保してサービスを提供する上で非常に必要であったという御指摘もあります。
このようなことが支援として必要なんだということが指摘されております。
それと、被災状況によって支援の在り方が異なるのではないかという点について御意見を伺っております。
皆さんも御存じのように、津波が直接的に襲ってきたところと、内陸部の地震を受けたところ、もしくはそれに加えて原発といった特に福島県の状況、これはかなり違った状況があると言えるわけで、当然違った支援が必要になるという御意見でした。
特に原発の被害を受けております福島地方では、被災は現在進行形だろうと思います。ほかの地域は復興ということで動き出しておりますけれども、そういう段階でもないといった状況がある中で、特に障害者の場合、一般に先立った避難、遠隔地への避難の誘導とか、移動確保手段などが今後の課題であるという御指摘がありました。
大ざっぱですが、以上です。
○ 藤井議長代理 構成員はイコール関係団体を背負ってきていらっしゃる方もいっぱいいますので、まずこのコーナーは現状です。4つの論点を本当は1つずつ丹念にするべきだと思いますけれども、そうやりますと、また時間がありませんから、4つ併せて議論をしていこうと思っています。
今の報告にありましたところも含めてなんですが、1つは天災という部分と人災という部分、つまり福島原発のみならず、災害の直後に発生する新しい問題がいっぱいあったわけです。こんなことも含めて、災害そのものに巻き込まれた被災、震災直後に起こってくる新しい問題、こんなことも少し区分けをしながら議論しないといけないと思います。
とりあえずこのコーナーで御発言をしたいという方は挙手をしていただけますか。久松さん、新谷さんはいいですか。満を持して後ででもいいです。
○ 久松委員 久松です。
後ほど発言させていただきます。
○ 藤井議長代理 私は議長役ではあるんですが、JDFのこともありますので、終わりの方で少し発言させていただきます。
それでは、尾上さん、中西さん、さんという順番で発言をお願いします。
尾上さん、どうぞ。
○ 尾上委員 お示しいただいた論点の1番です。安否や被災状況の確認及び必要なニーズ把握の現状についてということで、一部のセッションで、震災以降、多くの障害者の安否確認や実態把握が進んでいない。特に震災以前から、例えばホームヘルプや通所、日中活動であったり、そういったサービスにつながっていなかった、利用されていなかった方の安否が遅れているということがありました。
それに関連して、個人情報保護との関係の話があったんですが、どうも論点がずれているというか、整理をしなければいけない。いただいた論点がというよりは、障害者団体が個人情報を出してほしい、それに対して行政が個人情報保護がありますから出せませんというのはちょっと違うのではないかと思っています。
私は阪神・淡路大震災のときに大阪にいまして、障害者救援本部で活動しておったんですが、たしかあのときは2週間後ぐらいに私どもが属していた被災地障害者センターや関係団体、社会福祉協議会さん、そういったいろんな団体を通じて障害者の安否確認を進められたと記憶しています。それで段ボール箱をあさりましたら、95年2月3日なんですけれども、神戸市から文書がNGO、NPO、障害者団体に対して出されました。震災からわずか2週間後です。今日慌てて持ってきたので印刷がございませんので、読みます。
阪神大震災に対する支援要請についてということで、神戸市長さんからボランティア団体や障害者団体に出された文章なんですが、去る1月17日に発生した阪神・淡路大震災により非常に深刻な被害を受けている。現在、復興に向け職員を中心に全力を尽くしているところであります。しかしながら、復興には今後長期間を要する見込みであり、職員の疲労も極限に達しつつあり、また行政が果たすべき本来の業務にも支障を来す可能性も出てきております。ここが大事だろうと思います。つきましては、なお、御支援、御協力を賜りたくお願い申し上げます。
つまり、行政の本来業務として障害を持つ住民の安否確認を進めていきたいんだけれども、今、非常に大変な状況の中で、行政職員だけで回るのは困難だから、障害者団体やNGO団体にも協力してという形で、別に障害者団体が個人情報を出しなさいとかそういう話ではなくて、そもそも当該の行政さんが当該の自治体の言わば住民ということで、特に困難な状況に置かれがちが障害者の安否確認や実態把握をどう進めていくのか。その中で自分たちだけでできないとするならば、そのときに障害者団体やボランティア団体を含めてどういうふうに協力を仰いでいくのかという形で整理をしていく必要がある。そういう意味で、それぞれの行政でどういうふうに障害者の安否確認を進められているのかということの検証が必要だと思っています。
その点で、後の報告にもなるのかもわかりませんが、幾つかよい事例ということで、例えば福島県の南相馬市ではJDFの被災地障害者支援センターなど障害者団体と行政が一緒になって在宅の安否確認なども進めていっている。阪神・淡路のときには、2週間後に神戸市がそういう形で関係団体に協力要請をした。今回は既に70日以上経っているわけですけれども、是非ともそういった形を構築をしていくべきではないかというのが1点です。
もう一つは、避難所の状況あるいは避難所生活すらできない障害者の状況ということで、例えば先ほど東さんからも少しお話いただきましたけれども、被災されて、御自宅のエレベーターが止まって家に帰れなくて避難所に行ったが、車いすを御利用の方でしたけれども、スペースが狭いあるいはトイレも車いすでは使いにくいということで、その方は自立生活センターのスタッフだったので、自立生活センターの事務所を使って1週間避難生活を送られたと聞いています。言わば避難所にいないから障害者は無事だったという意味ではなくて、避難所生活すらできない中で自主的な避難に追い込まれた、そして、自主的な避難所になった段階、自宅待機で避難をした当初の段階では、救援物資も来なかったと聞いています。
更にはそういった避難所に自主的に避難をされて、避難所として使っておられる事業所が、例えばヘルパーさんが被災しながらでも安否確認をするために車を動かそうとするんですが、やはり当初ガソリン不足ということで、非常に動きにくかった。政府から備蓄しているガソリンを放出していただいたときに、医療機関などには一定の優先割り当てなどがあったみたいですけれども、被災の状況から見れば、在宅で生活を支えているあるいは安否確認の先頭に立っている事業所などにも優占割り当ての枠を提供いただいて、自主的な避難所やそういったところがもう少し正式に位置づけられていくべきだと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 中西委員、どうぞ。
○ 中西委員 中西由起子です。
昨日、福島県の4つの自立生活センターが集まって、今までお互いきちんと会って話し合う機会がなかったのでということで、集会を開かれていたので、参加させていただきました。そこで思ったのは、先ほどの藤井さんのお話にあったように、人災と天災の部分というのは、やはり分けて考えなければいけないという視点でした。
皆様の御報告の中で特に顕著だったのは、これから更に避難訓練が必要だということなんです。ほかの被災地の場合にはもう復興の話に移せるんですけれども、福島の場合、例えばいわきの自立生活センターは40人規模で、つい最近、避難訓練を実施しています。それから、福島等の自立生活センターも避難訓練を計画していられるようですし、郡山に関しては、避難に当たった場合、どの程度の介助者の人たちが一緒に来てくれるのかという介助者の調査に入っています。
そういうことを考えると、今回の2つの部分をひっくるめて救済策をとるのではなく、一時期避難したとしても帰る場所がある人たちと、今後どれぐらいで帰るかわからない福島の大多数の人たちにとっての計画というのは、当然違いがあるはずです。そこを一緒にしてやるのではなくて、今後の救済策、復興支援計画というのは分けて考えられてしかるべきだと思ったので、まずそれは今回皆様の発言の中で考えていただきたいと思って発言しました。
以上です。
○ 藤井議長代理 大事な視点だと思います。
とりあえず発言はそのままいきましょう。委員、どうぞ。
○ です。
先日、岩手の大槌に行ってまいりました。そのときの事業所の方の報告をお話いたします。その事業所は町の建物で避難所に指定されておりましたので、災害が出て、すぐにそこは避難所指定となりまして、そこの事業をとりあえず廃止し、職員は全部解雇し、通所していた人たちは自宅待機という状態になっているという話を聞きました。これから再開する見通しも全然立たず、解雇された職員は恐らく生活のために何らかの仕事を探しているということです。今いる家族と精神障害者は、これからどうしたらいいかわからないという大変に困惑した状態にいることを聞いてまいりました。
自治体の建物に入っている事業所が多いと思いますし、避難所に指定されるのはやむを得ないと思いますが、障害者が軽く見られて、障害者のことが考えられていないという思いで帰ってきたことを報告いたします。
以上です。
○ 藤井議長代理 そこは今でも避難所になっているんですか。
○ そうです。
○ 藤井議長代理 作業所は再開しないということですね。
○ 再開の見通しも立っていないということです。
○ 藤井議長代理 ちなみに、人数は何人ぐらいでしたか。
○ 十分に把握していませんが、20人ぐらい通所していると聞いています。
○ 藤井議長代理 新谷委員、どうぞ。
○ 新谷委員 避難所の問題とは別に避難の在り方のところなんですけれども、先ほどの要援護者名簿とも関連するんですが、今の災害対策基本法の流れですと、まず避難準備情報が出て、要援護者はそこで避難準備を開始しないといけない。その次に避難勧告が出て、避難指示という段階になる。3つの段階にきれいにフェーズ分けされているんですけれども、今回の災害はそんなことはほとんど通用しなかったんです。ということで、ああいう法律で書いて、精緻なプロセスをつくっても、実際のときになるとそれが実行性を果たしていないところがあるので、私たちとしては、要援護者名簿にこだわるんですけれども、やはりあの活用をしていただきたい。津波情報が出て、どれだけの人にあれが伝わって、どういうふうに避難できたのかというところの実態を検証していただかないと、基本法でうたわれている内容ですから、今のままのプロセスで守られていないとなると、ちょっとどうしたいいのかというところがあります。
もう一点は、ここというよりも次の論点の方がいいのかもわかりませんけれども、書いてしまっていますので、続けます。東京にいたからかもわかりませんけれども、私たちにとっては直接的な災害というよりも、緊急事態での対応みたいな要素が非常に強かったわけです。帰宅困難とか計画停電にどう対応するとか、そういう問題が非常に大きかったわけですけれども、そういうのは災害というよりは、緊急事態でどうするんだという要素が非常に強いです。
それで、権利条約の11条は災害に限定していないです。緊急事態でどうするのかという話になっているんですけれども、今の時点で災害を広げてしまって緊急事態で議論するのがいいのかどうかわかりませんが、いずれ緊急事態の議論もどこかでしないといけないです。緊急事態は緊急事態でまたそのときになって考えようということもあるかもわかりませんけれども、原子力災害というのは通常の災害と違って緊急事態と重なる部分が非常に多いのではないか。ああいう避難の指示が出てどこかへ避難するというのは、緊急事態の対応に近いです。その辺のことを議論するのは今のタイミングがいいのか、もう少し後でいいのかわかりませんけれども、やはり取り上げていく必要があるのではないかと思います。
○ 藤井議長代理 その問題はかなり自然災害とオーバーラップはするけれども、質的には違う面もあるということで、それをどの段階で議論するか。当然この段階で一緒に議論した方がいいと思います。
ほかにありますか。堂本委員、どうぞ。
○ 堂本委員 ありがとうございます。
精神障害のことで発言させていただきます。中西さんもおっしゃったように、福島県の場合は放射能汚染という特殊な状況にあり、福島第一原発30キロ圏内の避難区域がある南相馬市の場合、精神病院が2つ、クリニックが3つあったのですが、全部閉鎖しています。そのため、外来は1つの病院が800人、1つの病院が500人いたそうなのですが、現在はその方々がどうしていらっしゃるのかわかりません。約1割の方の状況しか把握されていないという状態にあります。
そこで、提案があります。南相馬市の避難区域に病院の建物はありますが、外来診療は行われていません。したがって、自宅にいたり、近隣のNPOがやっているグループホームなどに身を寄せたりしています。今のところ、相馬市という隣の市に、全国から精神科医が1週間置きに交代で来ているのですが、それが6月いっぱいで打ち切られてしまうことになっています。そこで、訪問診療をするドクターに来てほしいのです。他職種、看護師やPSWなどの方たちとチームを組んで、自宅へ訪問する形の地域医療を是非展開してほしいという提案です。
このような巡回診療のプランを私も作ってみました。今まで1年間推進会議で議論してきた、「社会的入院を減らして地域で暮らせる」ということを災害で積極的にやらざるを得ません。被災地での地域医療が成功すれば、逆にそれが全国のモデルにすらなるだろうということです。第二次補正予算に向けて、具体的に提案させていただきたい。以上です。ありがとうございました。
○ 藤井議長代理 ほかにいかがでしょうか。
関口さん、どうぞ。
○ 関口委員 福島県で原子力災害によって、20km圏内及び20圏外でも全部で3つ病院がなくなったというか、避難したわけですけれども、そのうちの1つについては、原発の南西4kmに存在していた病院ですけれども、約440人中45人が死亡されているという事態があります。これは看過すべきではない事態だと思っています。『毎日新聞』のウェブ版の4月26日に掲載されているものです。この事件については、かなり最初はセンセーショナルに報道されたんですけれども、それに対して職員さんの家族から抗議が出て、一時病院バッシングみたいなものがやんだんです。その後で『毎日新聞』が検証した形でもって出しているものなので、かなり信頼性は高いと思います。こういった、言ってみれば対策の想定外にあったようなところで起こってしまった、結果として45人に上る死亡ということに関して、やはり真剣に考えなければいけないのではないかということが1つあります。これは入院患者の場合です。
もう一つのことですけれども、これは具体的に私が聞いた話であります。発達障害の関係のセンターというものが早い段階からつくられようとしていたわけですけれども、発達障害の方が精神病院にお出かけになった。そうしたら、そのままお帰りあそばされないという事態が起こりまして、どうやって取り戻そうかということを考えているというお話がありました。
これに関しましては、いわゆる保護入院等の要件が緩められているということがありまして、強制入院の要件が緩められますと、例えば自治体の長が判こを押すことで多分OKになっていると思うんですけれども、これがどれぐらいあったのか実態調査が全然わからない。本人が本当に同意して、3食屋根付きだから、とりあえず避難しようということだったら別に私は反対するものではないんですけれども、御本人が病院は嫌だと言っているのに、とりあえず3食屋根付きだからいらっしゃいという善意の押し売りはやめていただきたいと思います。
○ 藤井議長代理 森さん、どうぞ。
○ 森委員 森でございます。
仙台のことについて説明してみたいと思います。仙台市の障害者福祉協会で、代表者は阿部さんという会長でございますけれども、彼はみやぎ支援センターの責任者にもなっていただいているわけでございます。
私の方では、特に宮城県そのものもあるんですけれども、法人のところだけを直接調べてもらおうと思いまして、やりました。
被災障害者の安否確認のことについていいますと、法人の会員と事業所を5つ持っているんですが、そのうちの利用者の状況ということで調べていただきました。調査対象の総数は法人の名簿でわかっている7団体の会員で1,165名でございました。調査できた人数は762名、そのうちの86名が不明でございました。そのうちの1人の亡くなっておるという状況でございます。
一方、事業者の事業の利用者関係でございますが、ここは大体通所関係でございますので、大体わかったわけです。総数では488名でございまして、調査は全員できました。しかし、そのうちの16名が不明です。死亡はございませんでした。
そのうち支援を必要とする人たちの人数という形で見ますと、法人の会員の方では762名、全員でありました。また、利用者につきましても、488名、全員という形になっております。
2番目といたしましては、福祉施設等、先ほどお話いたしました5か所の実態を調べさせてもらいました。調査対象は障害者福祉センター障害福祉サービス事業所です。これは3か所です。障害者福祉センター相談支援事業所が2か所という形になっておりますが、被害のあった事業所はございませんでした。
その他といたしましては、災害直後から水道とか電気、ガスが止まった。特にガスの復旧は大変遅れて、1か月ぐらいかかったということでございました。これは両方だと思います。
また、スタッフは被害に遭ったかどうかということでございますが、これについてはございませんでした。
その他の確認状況でございますが、被災翌日からいわゆる福祉避難所を開設したわけでございますが、50日間、事業を停止いたしました。これは日中活動でございますが、これをとりやめて24時間の体制に入ったということでございます。
災害の被災者のニーズの把握と支援内容でございますが、ニーズの把握の概要といたしましては、被災直後から2週間の間まではやはりガソリンが不足した。交通手段が遮断された、食料及び物資の不足、医薬品、入浴機会の断絶、ヘルパー利用の制限、これはガソリンの不足によるものです。あと、余震も大変不安があったということでございます。
支援方法のニーズの把握といたしましては、先ほど申し上げた676名の法人会員への電話による聞き取りということでございます。
また、必要な補装具の供給体制の情報提供をするとか、あるいは福祉避難所の開設と運営、ガイドヘルパーや手話などの派遣、あるいはリフト付き自動車による移送サービスの実施をしました。これは持っておりますので、利用したわけです。
これは日身連との関係があるわけでございますが、日身連でもJDFと協力するという一方において、本部を立ち上げて、被災地との連絡をとりながら対応してきたということになっております。
宮城の場合には、先ほどお話いたしましたけれども、JDFの東日本大震災総合支援本部、みやぎ支援センターとの連携をとって、支援活動を行っておるということでございます。
そして、2週間から1か月がたちましても、ガソリンの不足、交通手段の遮断、食料、物資の不足、入浴機会の断絶、余震、大体同じようなことだと思います。
1か月後に交通手段の遮断、入浴機会の減少、あとは大体満足になってきたと思っております。
なお、これにつきましては、24時間の体制でございますので、職員が足らなくなったということでございました。日身連の福岡市の協議会から職員を延べ10名派遣して1か月間お手伝いした。また、日身連の事務局からも職員が実地、勉強も含めまして、お手伝いに行ってまいりました。
支援をやっていた課題といたしましては、法人会員に対する安否の確認を行ったけれども、ほとんどが自宅、在宅の人たちが多いということで、なかなか全体像が見えなかったということでございます。一応小学校や中学校の指定避難所ができたんですけれども、ほとんどここにはいないという形でございました。やはり避難所での移動や生活は難しいということあるいは情報が困難ということで、在宅の方で行ってしまったということでございます。今度は在宅の方へ行きますと、反対に情報が入ってこない、あるいは物資が入ってこないという形で大変苦労したということも聞いております。
以上でございます。ありがとうございました。
○ 藤井議長代理 大濱さん、どうぞ。時間が大分迫ってきたので、かいつまんでお願いします。
○ 大濱委員 かいつまんでお話します。
震災直後から、私どもの団体へ「現地にドクターを派遣する必要があるか、医学会として協力できるが、」ということで、ドクターの学会から2つほどお申し入れがありました。急遽こちらからもお願いしますということで、ドクターカーを派遣することになりました。宮城、岩手の沿岸部を1週間ずつ2回に分けて派遣し、2人のドクターに入ってもらいました。やはりそこで一番ネックとなったのは、個人情報保護との関係です。当団体の持っている情報は勿論出しました。名簿情報を出して一軒一軒回っていただいたんですが、個人情報ということで他の団体の名簿は手に入りませんでした。ドクターとしてはもっときめ細かく回りたいけれども、情報がないという現状に突き当たりまして、できれば個人情報保護との関連をこの場で一度きちんと議論していただきたいというのが今日のお願いです。
以上です。
○ 藤井議長代理 今日ここにお集まりの中で十数名がJDFのメンバーになりますが、先ほどありましたように、JDFでも総合的な対策本部をつくって支援を行ってまいりました。かいつまんで報告させていただきます。
お手元の委員提出資料で、最初から27ページまでがJDFの資料の一部であります。今日これまでの議論であったように、要支援名簿との関係、災害時の障害を持たない者との比較を中心とした検証作業、更には個人情報保護とプライバシー、多分この辺が今まで出たキーワードだと思います。時間もありませんから、そんなことも意識しながらポイントだけ御報告させていただきます。
JDFでは、主要被災地帯の中に支援センターを設けています。主要というのは岩手、宮城、仙台の3県です。宮城と福島に支援センターを設けています。現地の障害当事者団体とも連携している。宮城は3月30日、福島は4月6日から始まっております。
宮城でいうと、5月20日まで51日間で、延べ1,614名の人員が入りました。使った車は延べ365台、人員でいうと1日32名、車でいうと7.2台という体制でぐるぐる回っています。当然最初は安否確認ですが、だんだんニーズ把握、具体的な支援とやってきております。
まず安否確認については、宮城県とも連携しながら、ここにありますように493施設に行っています。これはグループホーム、ケアホーム、一時活動支援センターが入って493のうち、流失7、焼失1、全壊が22、半壊が63、計93、大体493のうち5分の1弱が何らかの被災を受けたということになっています。
続いて、飛ばしますけれども、6ページ、7ページです。これは東さんがおっしゃったように、在宅者にたどり着きたいと思っても、個人情報保護の問題があります。幾つかの市の方の英断もあって一緒にやりましょうということもあって、これも5月20日現在なんですけれども、895人の方に実際に対話あるいは接触をした。しかし、宮城県下の手帳所持者は10万3,000人ですので、まさに0.1%以下にしか訪問できていない、あるいは接触を持てていないということになっています。この辺はプライバシーの保護という問題と個人情報保護法との関係をどうするかということになります。
この辺で1つ大きな転換があったのは福島であります。福島は8ページから資料が続くんですけれども、今お話をする前に10ページです。福島の支援活動は、前半期は相当避難所を回りました。203か所です。203か所という数は4月14日現在なんですけれども、縮小があったり合併があったり、また広がったりということで、この数はどんどん変わっています。一番新しい資料を今日は持って来られなかったんですが、結果的にはこのうち本人、家族、近所を含めて85名の方のじかに接している。しかし、この特徴は、避難所に障害者が余りにも少な過ぎるということです。一体どこにいらっしゃるのかということです。これは後で大きな問題になって来るところだと思います。
続いて、先ほど東さんや尾上さんから紹介してもらったんですが、今日は南相馬市の事例を簡単に報告しておきます。なぜこれを報告するかというと、先ほど来、前半期のキーワードである個人情報保護に関しましては、今日この資料を提供しますということも南相馬市の了解を得ています。南相馬市長さんの判断でもあったんですけれども、実際に市としても余力がない、あるいは手が回らないと率直に言っていただきました。ついては、市の行政とも連携しながら、地元の団体とも連携しながら、JDFのメンバーとも連携しながら訪問をしてほしいということで、とりあえず第1期として重度、中度、どちらかというと重度、具体的には身体障害者手帳1、2、3級、療育手帳1度、2度です。精神に関しては、今回は市の方から省かせてほしいということでしたので、省いております。
第2期として、今日から始まったんですが、今度は中度、軽度と言われている方たちへの訪問です。基本的には名簿を公開する。
ここでの問題は、個人情報保護法という問題と、もう一つは行政機関が保有する情報の公開に関する法律です。これは情報公開法と略称で言っていますが、この兼ね合いなんです。どうして南相馬市の市長さんは公開してくれたかというと、今日はプリントできませんから、これは情報公開法の第5条1項ロと書いてあります。ちょっと読んでください。
第5条、行政文書の開示義務というところです。
「行政機関の長は、開示請求があったときは、開示請求に係る行政文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該行政文書を開示しなければならない。
一、個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
イ、ロ、ハ、ニとありまして、そのロです。人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報」。
○ 藤井議長代理 生命、健康、生活、財産、このことに関わっては行政機関の長の判断によって、先ほど尾上さんがおっしゃったことも含まれると思うんですけれども、その限りではないということで、これにのっとって恐らくSOSがあり、今、一緒にやっているということです。このことは宮城県下の幾つかの自治体でも、今、生まれてきています。
こんなことで、今日お手元に配った第1期分の534です。
この中から、深刻な在宅生活支援に関する調査をしてニーズがわかって、支援をしてほしいという希望が上がってきていますので、今これに対処しつつあるということであります。なお、こんなことでJDFの方では動いていながら、また岩手に関しては、むしろ現地の団体を中心に動いていますので、その状況等を勘案しながら、またJDFとしても側面から関わっていければと思っています。
大変雑駁ですが、以上がJDFの支援活動の概要であると理解していただければいいと思います。
残り時間は余りありませんけれども、現状についてのコーナーは4つの論点が入り混じってはいるんですが、個人情報保護の問題は、プライバシーに関しては権利条約第22条にもありますし、そこの関係をどうするのかということはもう少しクリアーにできないかということが課題として残っていく気がします。
いかがでしょうか。もし手が挙がればいかがですか。
関口さん、どうぞ。
○ 関口委員 情報公開法にそのような条文があるということは知らなかったんですけれども、それも使えるならば使った方がいいと思います。
前回、仙台に行ったときに、いわゆる個人情報、特に要支援者と思われる障害者に関する個人情報、本来これは行政が面倒を見るというか、やらなければいけない部分なんですけれども、その部分を例えば障害者団体に委託して、受託した方は受託の条件として個人情報を守りますという誓約書を上げて、そのかわり出されたものについては報告を上げますという契約書をつくってということをお話したんですけれども、やはりてんかん協会の関係の方から、それでもまだ困るというか、例えばてんかんであることを隠していらっしゃる方がいらっしゃるわけです。そこに例えばJDFのジャケットを着た方が何人か現れて、突然ということになるとばれてしまう。それも困ったものだから、単に形式を整えればいいだけではないということでした。これは精神障害にも共通する部分があるので、その辺のことも配慮に入れなければいけないと思っています。
○ 藤井議長代理 論議が続きますし、時間がきているので、一旦ここで切ります。
精神のことは十分議論できませんでしたけれども、堂本委員、関口委員、委員から御発言がありました。つまり自然災害やこういう災害というのは、最も障害者問題が集積化、顕在化するということです。普段十分に支援がない中で、ますます問題がクリアー化したということです。
それから、今日ここにいる方の多くがわかるとおり、あるいはJDFの支援活動を続けていく中で、なぜ避難所にいないんだろうか。多くが在宅ということが帰っている。その在宅者に対しては、支援の手が届きにくい、個人情報の壁が厚い。一方で、施設から地域へという道を施行していくんだと言いながら、出た先の地域が一番危ういとなると、政策上からもどう考えていけばいいのかということは大きな問題として突き付けられていると思います。
こんなことを現状ではぼんやりと意識していきながら、更に次の第3コーナーでまた深めていこうと思いますで、一旦ここで休憩に入ります。これから15時10分まで休憩をして、第3コーナーに入っていきます。休会します。
(休憩)
○ 藤井議長代理 それでは、着席していただいていますけれども、よろしゅうございますか。第3コーナーに入ります。
このコーナーは50分の時間をとります。午後4時までの時間とさせていただきます。
先ほどの課題設定からいうと、論点5の被災障害者にとっての被害とは、論点6の被災障害者に対する支援を行う上での基本的課題、このコーナーではこの2つについての意見交換を行います。
また例によって、最初に構成員からの事前意見、前もっていただきました意見の一括報告をお願いして、このコーナーは時間が多少ありますので、2つに分けて、先ほど言った論点5と6を分けて議論を進めていこうと思っています。
それでは、東室長、お願いします。
○ 東室長 まず論点5について御説明申し上げます。
論点5では、あらかじめ担当室の方で障害者にとって被災とは何か、被害とは何かという形で5つぐらいの類型を考えまして、皆さんにお示ししておるところです。なぜこういう類型を考えたかというと、災害が起こった場合の事前の避難ではなくて、起こった後の支援という観点から、どういう支援をすべきかということについて、類型的に被害に応じた形の支援というものが考えられるのではないかと思いまして、まず被害自体を類型化すれば、それぞれに応じた形の支援というものの体系が考えられるのではないかという観点から、例示としてお示しした次第です。
そこで示されている類型としては5つありまして、1つ目は生命、身体、財産への直接的被害です。この点は障害者特有の被害ということは決してなくて、被災者に共通する被災の類型だと考えております。
それをベースにしまして、障害者に関わる被害として、2番目として、従来から福祉医療のサービスを受けて生活を営んできた障害者がこれらのサービスを失うこと、利用できなくなること、それ自体が大きな被害ではないかということです。
3番目は、在宅の障害者によっては公的サービスを受けずに、家族とか地域社会の支えの中で生きてきた障害者がおられます。そういう障害者にとって家族を失ったり、支えてくれる地縁、血縁の関係が失われる。そういうことによって生活が困難になる。そういった形の被害があるのではないか。
4番目は、家族とか地域社会の支えがなくても生活してきた障害者にとっても、生活環境とか社会環境がドラスティックに変わることによって、急激な変化によって、生活が途端に困難になる。そういった被害類型があるのではないか。
最後に集約的な問題ですけれども、さまざまな支援の欠如は、ひいては障害者を社会生活から排除するといった要因を生み出していく。そういうことによって被害が生じているという類型があるのではないかと考えた次第です。
こういう整理の仕方について、その必要性とか妥当性も含めて御意見を伺いたいということで皆様に投げたわけです。
この点につきまして、委員の皆様方からはこのような整理の仕方については妥当であるとか重要であるという意見もございました。ただ、一方ですべての被災者に共通する困難と障害者に特有な困難に分けて、特に障害者に特有な困難につきましては、合理的配慮という形で支援を提供するという視点が大事ではないかという御意見がありました。
被害の類型化も必要だけれども、同時にハザード別の類型化も必要だという御意見もありました。
被災中に受ける差別、こういうことを被害の根本として類型化していくべきだといった御意見もありました。
また、被災前から地域で暮らす支援が欠如している場合もあります。ですから、震災前からの連続的な視点で被害をとらえることも重要だという御意見もあります。
被災障害者にとっての震災による被害の特性を明らかにするためには、障害のない高齢者などとの比較が必要ではないかといった御意見もあります。
特に3番目と4番目の類型の新たにサービスが必要となる被災者の実態が現実として見えてこないけれども、顕在化に従ってどのように支援を構築するかが課題である。そのような御意見もございました。
大体以上が意見の概要です。以上です。
○ 藤井議長代理 このコーナーは20分ほど時間をとりますので、被災障害者にとっての被害とはということで、今、仮設的なことも含めて5類型からの意見を聞き、この5類型が適当、妥当ということはあるにしても、これを端緒にして議論していこうということなので、いかがでしょうか。
大谷委員、どうぞ。
○ 大谷委員 どこで言えばいいのかと思っていて、ここではないのかもしれませんけれども、被災障害者にとって被害とはという5類型で排除する要因を生み出すこととなっていますが、今、東さんからも言われたように、露骨に差別が明らかになることがあるんだろうと思います。
もう一つ、前で言おうかと思ったのは、障害のある子どもが避難場所に入れなかった。発達障害であるがゆえに集団生活が難しいということだったんですけれども、要するに障害がどういうものなのかということが地域社会で理解されていない。そのために地域社会で平穏に暮らしていたときにはそのことが目立たなかったかもしれないけれども、こういう避難時に、集団生活を余儀なくされたときに、それがある種露呈する。そうすると、明らかに排除になってしまうということで、今までは何となく地域でオブラートに包んで、少し平和に暮らしていた子も、障害が理解されないがために一緒に生活することはできないという結論をその場で即断されてしまうという事態は、結構子どもの世界などでも出ているということです。これは被災による被害、障害が理解されていなかったために重複的な被害を生んでいるんだろうと思っています。
ですから、そこの視点は明確にしてもらいたいと思いますし、地域の学校に行っている子ども、もしくは特別支援学校に行っている子どもがこの状況下においてどういう避難状況にあったのかということの調査は、私はまだ入手していませんので、そこはもっと調べた上で、どのように地域理解が進み、地域理解がなかったがゆえに被害が多くなったかということは、やはりきちんと精査した上で取組みたいと思っています。
以上です。
○ 藤井議長代理 大谷委員に質問というか、議論を活性化するためにお聞きしますが、被災問題の縮図として避難所生活があるんですけれども、避難所暮らしで障害者に限らずに乳幼児の泣き声、あるいは認知症のお年寄りの徘徊、同時に発達障害や知的障害、精神障害の方がいづらい、排斥されるといった場合、避難所暮らしは一体どうあるべきか。実際にいろんなインタビューをしてまいりますと、震災が起こった直後3~4日はみんな肩を寄せ合って、そういうことがないということです。でも、4~5日経つと、周りから意見が出てくる、本人もいづらい。そういう点でいうと、避難所というもののありようというのは、論としては全員が一緒ということになるのか、それはどういうふうに考えればいいんでしょうか。
○ 大谷委員 個人的な見解を言わせていただいてよろしいでしょうか。
○ 藤井議長代理 いいですよ。
○ 大谷委員 避難所、緊急避難であっても1つの社会ができ上がる。それならば、そこに多くの人がいながら、個別のニーズが保障されるというのが1つの理想だと思います。
例えば体育館が指定された避難場所であれば、その地域の人たちが全員避難できるような体制がまず保障されている。その地域に車いすの人がいればバリアフリーになっているべきだったということも含めて、全員が入っている。加えて、乳幼児を抱えた人がいるならば、特別な支援をする場所として授乳する場所とか、少し隔離された場所があるとか、精神障害のある方は少し人間関係がつくりにくいということであれば、可能な限り速やかに個室化するとか、個別化するような形ができたらいいと思います。
これだけの大きな災害のときにはなかなかそこまでいかなくても、その方向性であるということを多くの人が認識していれば、そこの中でやるべきだった。正直申し上げて、福祉避難所ということで、やむなく一旦そこに入ることがあったとしても、障害者は福祉避難所へという形で行き場所を変えてしまう、逆に受け皿を福祉避難所として用意してしまうということは、インクルーシブな方向としては不適切ではないかと個人的には思っています。
以上です。
○ 藤井議長代理 避難所問題は恐らく後でまた論議になると思うんですが、被害の本質問題はいかがでしょうか。今のことに関係したことでも結構です。
久松さん、どうぞ。
○ 久松委員 全日本ろうあ連盟の久松です。
このテーマについて意見を出させなかったことを、まずお詫びします。
整理し切れなかった部分が多かったわけですが、今、被災を受けた聞こえない人への支援活動の中で一番大きなテーマで出てきているのは、精神的障害を受けた聞こえない人が何人か出てきております。心のケア、メンタルケアのサービスを提供しなければなりません。そのことにどう対応していくのか、今後どう取り組まなければいけないのかが課題になっております。
障害者が今回被災したとき、新たな障害を背負ったとき、新たなサービスを提供するという言い方をしたときに、類型のどこの辺りに当てはまるのかを考える必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○ 藤井議長代理 もう少し議論いただきながら、後で東さんからいただきましょう。
今のことに関連していかがですか。堂本さん、どうぞ。
○ 堂本委員 ありがとうございます。
大谷さんのおっしゃったことと同じですが、平常時の問題が、災害があると極端に集約的に顕在化してきている。例えば阪神・淡路大震災のときも同じ状況があったし、新潟県中越大震災のときにも同じ問題がありました。こうした二度の大震災で学ばれてきたにもかかわらず、今回の東日本大震災でも、きちんと対応できませんでした。今度は単に分析するだけではなくて、次の災害が起きたときには、もうこのような議論をしなくて済むような提案したい。
そのときにいろんなことを類型化するのがいいのかどうか。今、聴覚障害の方が、聞こえなくてああいう状況下に置かれたので、とにかくパニックだったんだろうと思うんです。そうしたら、だれでも精神的にすごいショックを受けると思います。そういうように、なかなか類型化することが難しくて、ここに5つの類型があるんですけれども、非常にニーズが多様化している。その多様性に対してどうサービスを提供していくかという包括的なところと、類型化するだけではなくて、それをどう包括化していくかという両方で考えることが大事ではないかと、今お二人のお話を伺いながら思いました。
ありがとうございました。
○ 藤井議長代理 ほかにもう少しいかがでしょうか。
佐藤さん、どうぞ。
○ 佐藤委員 久松さんが先ほど言われたことと関連するんですけれども、この5類型の中だけだと安心への被害というか、心への影響というか、そういうものが特に明確にはならないという感じがします。同じような自然災害で自力で逃げられる人とそれが不安な人とで、ダメージの量は違う可能性があると思います。それから、在宅酸素療法とか電気が止まることの恐怖感だとか、あるいは知的障害の人で何が起こっているのか、みんなが不安そうにしているということを見ながらすごく不安になるとか、障害のない人に比べてより精神的な不安を生み出すという側面があります。
1番目の生命、身体、財産に加えて、安心への被害とか、そういうような精神も1つ入れた方がよりクリアーになると感じたので、一言発言させていただきます。
○ 藤井議長代理 東さんからいかがですか。
○ 東室長 おっしゃっていることはもっともだと思います。生命、身体に対する被害があるときには、精神的被害は当然発生するという前提で、言葉としては書いておりませんけれども、これは障害のある、なしにかかわらず発生する一般共通の課題としてあるわけで、おっしゃるように不安の問題、精神的被害の問題はここに言葉としてきちっと入れるべきだという感じはします。
それと、ここは個別的な被害を明らかにするということで類型化したわけでは決してないんです。どこにどういう被害が類型的に発生するのかという目安として、目に見えるところの被害だけで済むならそれはいいと思うんですけれども、ここにあるのではないかという想定自体をきちっとしておかないと、在宅からこれが上がってこないから被害がない、これまでサービスが必要なかったんだから、別に災害があってもサービスは必要なかろうということでいいのかという観点から、どこにどんな生活をしている障害者がいて、この人たち場合、被害があったらなかなか声が上げられない、そういう類型があるのではなかろうか。しかし、災害が起これば途端に生活が困難になる。人の支援が要るようになるパターンもあるとか、そういう形で被害がどこに発生しやすいのか、それが目に見えやすいのか、やすくないのかとか、そういう形で一応事前に想定しておくことが必要ではないかという観点からつくったわけです。ですから、決して個別の中身の問題までこの類型で全部割り切れという話ではないということは、御理解願いたいと思います。
情報の問題はどこに入るんだと言われれば、確かに情報という形では類型化していません。しかしながら、在宅で住まれる方の支援という中には、情報ということも当然入ってくるし、個別支援、介助も入ってくるわけです。言いわけがましく言っていますけれども、趣旨としてはそういうところですので、これですべてがわかるという話では決してないというところをまず御理解願えればと思っています。
そして、この中で出てくるのは、支援の方向性というのがある程度出てくるかと思います。例えば地域社会の中で、家族依存の中で生活している人たちにとって、新たなサービスが必要となってくるのではなかろうかという観点もここから出てきますし、支援を継続していく、将来的には新たなニーズに対する支援をつくり出していくことが救済、復興であるということも見えてくるのではなかろうかということで、つくらせていただいたということです。
○ 藤井議長代理 中西さん、どうぞ。
○ 中西委員 中西由起子です。
今の類型化の説明のときに、全体的なまとめとしてさらっと流されてしまったんですが、私は43ページのところに、類型化として7項目に分けて書いているんです。先ほどおっしゃった久松さんのように、例えば個別の障害に対する被害ということで、どこが自分の該当部分に当たるのかといったときに、この方が割と合致して考えられるのではないかと思うので、今後類型化の整理を進められる際に、これも検討していただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
○ 藤井議長代理 東さんがおっしゃったように、やはり最後は政策化が大事になってくる。そのときに類型化というのはしなければいけない。ただ、類型化に関しては、もう少し丁寧かつ慎重にという意見もあります。これも東さんがおっしゃったように考えていこうということで、これを1つの端緒にしていきながら、更にということだと思います。
もう一つ、裏表でいうと、例えば陸前高田などを回りますと、助かった障害者がいっぱいいるわけです。なぜかというと、皮肉にもといってもいいかもわかりませんが、町の中には障害者施設がつくれなかった。みんな山の上にあったんです。そこは全部助かるということです。そればかりではないんだけれども、逆に被害が減少した理由は一体何かという辺りも、被害の拡大という問題と非被害といいますか、その要因は何かという辺りも検証のポイントになろうかと思います。
いずれにしても、地震も津波もほぼ平等にきた。結果としての被害は不平等。ここに多分障害者問題の本質があると思います。その辺をこの類型化と併せて、また深めていくべきではないかと思います。今日はその皮切りぐらいにしましょう。
時間がきたので、一言でお願いします。
○ 堂本委員 一言にします。
私は類型化と包括することが大事だと申し上げたのですが、今の中西さんの発言で43ページを見せていただいて、緊急事態にあるからという理由で合理的配慮が否定されることが最も恐いことだと思います。だから、これが全体の結論のような部分だろうと思います。
ありがとうございました。
○ 藤井議長代理 それも含めて、更にこれを練り上げていくことにします。
それでは、今度は6番目の被災障害者に対する支援を行う上での基本的課題です。
東室長、お願いします。
○ 東室長 まず6番目の<1>として、安否や被災状況の確認及び必要なニーズの把握を行う体制の整備ということで、被災を受けた障害者の状態は被害全体の陰に隠れて顕在化しにくいという特徴があると思われますけれども、どうすれば早期に現状の把握ができるのか。市町村による災害時要援護者に対する避難支援の取組みなど、現状の問題点を摘示した上で御意見を伺いたいということで、皆さんに御意見をいただきました。
これに関しては、結構御意見があります。例えば被災時や緊急時などを想定した体制を平時からつくっておくこと、安否確認やニーズの把握は行政の責務であることを前提として、行政、障害者団体、障害者関連事業所、利用機関などの連携、ネットワークが重要であるという御指摘が一般的だと思っています。
また、現状としては、行政が安否確認をしたという事例も報告されていますけれども、安否確認以上にはなかなか進んでいないという実態も報告されております。ですから、安否確認をした上でニーズを把握する。その上でサービスにつなげる体制をどうつくっていくかという観点が重要だという御趣旨の御意見もございました。
先ほどから問題になっておりますけれども、安否確認とか災害時の要援護者の情報等をつくる場合には、プライバシーとの関係、本人の意向の尊重という点をどう配慮すべきかという御意見もあります。
災害時の要援護者名簿に基づく救援計画の策定だけではなくて、避難救援訓練を日ごろから実施していくことが重要ではないか。平時からその名簿に基づいて、障害者を含む被災弱者のマッピングを行う。マッピングというのは、簡単にいえば、だれがだれを助けるんだということを単に名簿だけでつくっておくのではなくて、具体的にやっていくことが大事であって、日ごろから避難支援が行えるようにやっていくべきだということです。
現在、災害時要援護者の対象は身体障害と知的障害に限られているので、精神障害、発達障害、難病等も対象にすべきとの意見もございました。要綱次第で随分違うと思いますけれども、要綱の中には高齢者、障害者、その他援護を必要とする者というその他の類型もありますので、必ずしもそうではないのかもしれませんけれども、こういう御意見もあったということです。
次に災害時要援護者の障害者は、現行の手帳制度ではなく、生活上困難を抱えている人というくくりでとらえる必要があるという御意見があります。特に精神障害者につきましては、手帳所持者だけではなく、最低でも自立支援医療を利用している人を対象とすべきだという御意見がございました。
これが大体<1>に対する御意見です。
次に福祉避難所や避難所の在り方についてですが、一般の避難所はなぜ利用し難いのか。現状の問題点を指摘した上で御意見を伺いたい。また、一般の避難所との関係で福祉避難所をどう位置づけるべきか、その在り方について御意見を伺いたい。
この点につきましては、ここで従前から御意見が出ておりますが、事前の意見としては、まず利用し難い原因は、以下によるということで何点か申し上げたいと思います。これは最初の方で言った意見と重なるわけですけれども、避難所の居住環境がバリアフリーではないこと。障害に対する社会的偏見や障害に基づく行動の理解不足。手話通訳や要約筆記などが配置されていないことなどによって、情報が保障されていないこと。難病患者などは通常と違った切迫したニーズがあるにもかかわらず、他の人にも大変な現状の中で、自分のニーズを申し出にくいと感じていること。長期にわたって避難する場合、個人のプライバシー保持が問題になること。避難者全員が被災者である中で、障害者が要望を出すと自分勝手だと評価を受けることが多いことなどが原因であると言われています。
福祉避難所につきましては、権利条約のアクセシビリティとかインクルーシブという理念からすると、福祉避難所の環境整備が一般避難所でも行われるべきである。あるいは一般避難所のバリアフリー化を進めつつ、福祉避難所も設置して、当事者が選べるようにすることが必要だという御意見があります。現状としては、福祉避難所の存在、そこでの支援、体制などの情報が周知されていないといった問題点も指摘されております。
また、福祉避難所と一般の避難所との関係なんですが、先ほども出ていたもののほかには、必要ならば障害別の避難所なども検討した方がよいのではないかという御意見もありました。
以上が<2>についての御意見です。
<3>では、従来のサービスの維持、確保についてということで、従来受けていた福祉医療サービスシステム自体が大震災で大きな打撃を受けた場合、いかにこれらのサービスを継続的に確保するのかが重要だが、この点に関して被災事業者への物的または人的支援、従来のシステム回復までに緊急的に必要な対策といった視点から御意見を伺いたいということで、多くの意見が上がっております。
これについて、例えば災害後の支援活動で大きな力を発揮したのは、ボランティアを含むNPOであった。ただ、被災地の行政の機能低下のためにNPOの活用が不十分な状況も見えた。被災地の主体的機能が困難であることを想定して、障害者関係団体と国等が緊急時の対応策を策定する必要があるという御意見があります。
また、障害者のみでなく、社会的弱者に関係した事業者への支援という視点、地域生活に必要なサービスをアウトリーチの手法で提供するセンターの設置、被災地以外の関係者団体の協力による就労系事業所の仕事や販路の確保などの必要性が指摘されております。
被災地での医療支援が重要であるという御意見で、具体的には、例えば医療機関のスタッフは最優先の課題である。非常用電源等のライフラインは、日常から確保すべきである。在宅患者を支援する事業所が被災した場合のバックアップ体制が必要である。保険証がなくても医療が受けられる、福祉サービスや医療の自己負担等免除の通知が出されたわけですけれども、当初は周知されていなかった。こういう措置は通知が改めて出されるまでもなく、臨機応変的に対応できるような事前の仕組みが必要であるといった御意見があります。
肝炎についてですが、肝炎の治療中に被災した場合の医療継続についての対応とか、被災地における新規の医療費助成申請への対応、肝臓専門のお医者さんなど肝炎治療の体制確保が必要であるという御意見が上がっております。
また、厚労省の通知に関しての御指摘もあります。例えば福祉事業の対応職員への人件費と滞在費を被災地の受け入れ事業所が負担するとした事務連絡は問題であるとか、災害復旧の国庫補助の対象から訪問系サービス事業所が外されているのは問題であるとか、そういう御指摘が上がっております。
次に<4>で新たなニーズについてということで、従来はサービスを受けていなかったけれども云々という点につきましては、避難等により環境が変わりニーズが変化するため、必要な支援の量を増やす必要性が生じる。このような場合には、速やかに支援量を増やせるような仕組みが必要である。
また、サービスの増大分については、国庫負担割合を増やして、被災自治体の負担を軽減するようなことが必要であるといった御意見があります。
震災をきっかけに顕在化したニーズに対する支給決定等、サービス提供ができるような事業所を始めとする社会資源の整備が必要である。このことは地域の雇用創出にもつながっていくのではないかといった御意見がありました。
また、このような場合においては、現在の在宅サービスは極めて細分化されておりまして、非常に使いづらいといった状況があるという御指摘があります。サービスの再建と資格要件を簡略化、一般化する必要があるという御意見がありました。
最後の<5>ですが、行政と障害者関連団体との連携についてということで、これも先ほどから議論されているところですが、日常的、継続的な行政と障害者関連団体との連携が必要である。緊急時になって初めてということであれば、なかなか連携はできないだろうという御意見です。
ただ、安否確認とかニーズの把握、プライバシーの保護については、何点か御意見が上がっております。例えばNGOのメンバーがPSWとか看護師、保健師などであれば、守秘義務がある職種なので受け入れ側も抵抗感がないのではないかという御意見がありました。それとか、プライバシー情報は当事者の了解を得て、市民、民生委員、電力会社、消防、水道局などに知らせておくことが望ましいという御意見があります。
先ほどの避難ガイドラインが示すのは、こういう枠組みで一応つくってあるものがあります。問題はNGOなどに知らせていいかどうかということまでは、なかなか確認をとっていないというところであると思います。
また、行政が持つ個人情報を本人の了解をとった上で、必要ならばNGOにつなぐのが望ましいという御意見があります。行政として当面の動きの中で、個別支援までつなげられないという現状がある中では、こういうやり方もいいという感じがします。
次に活動実績がある障害者団体には、行政が持つ個人情報を開示して、協力を求めるべきという御意見があります。これはプライバシーということよりも、障害者団体自身が保護する責任みたいなものも請け負う形で、任されるみたいな御意見だという感じがします。
大体以上が6についての御意見でした。以上です。
○ 藤井議長代理 <1>~<5>まで大変微細に報告をいただきました。
残り時間10分ちょっとありますが、今日ここまで、最初のコーナーでは現状を議論し、その後は被害の本質、実態を議論し、ここでは政策課題のようなことがテーマになっていますが、このコーナーに関してはいかがでしょうか。
松井委員、関口委員という順番で行きます。
松井委員、どうぞ。
○ 松井委員 ありがとうございます。
これはかなり個人的なことになるかもわかりませんけれども、実は、私は東京の55階建のマンションに住んでいるんです。この前の地震のときには一昼夜にわたって停電になったわけです。そこに約700世帯住んでいますけれども、その中にはかなり高齢の方で障害がある方とか、外国人であるとか、さまざまな人たちが住んでいるわけですが、停電でエレベーターが全然動かない。
今、中央区、江東区辺りに高層マンションがどんどん増えていますけれども、仮に東京で大震災が起こって、いざとなったら、そこは全く救援の手が届かない。問題は同じフロアで15世帯ぐらいいますけれども、いわゆる表札をはっているのはごく一部で、ほとんどだれが住んでいるかわからない。そういう中で、ある意味ではコミュニティがないところで、だれが要援護者なのか。大震災を考えると、当然これからの対応を考えていないと、全くだれも助けることができない。
例えば私のところの一番近い避難所は、浜離宮なんです。浜離宮に行こうと思えば、隅田川を渡ればすぐなんだけれども、渡らないとそれこそ3kmぐらい避難しなければいけない。結局、孤立無援になっている人たちを55階までどうのぼって、どう連れだすのか。そういう計画は全くないんです。避難訓練などもないわけで、だから、全く用意できていないところでいきなり大震災になって、手も打てないで、見捨てるしかないということではないかと思っているんです。
そういうことも含めて、今からきちんと検討をしないと、いざとなったら間に合わないのではないかということを日ごろ考えています。
○ 藤井議長代理 時間がないんだけれども、松井さんに一言だけお聞きします。どうすればいいと思いますか。
○ 松井委員 プライバシー等で全く確認ができないんですけれども、少なくとも近隣、隣近所、隣の人ぐらいにはこういう人が隣に住んでいるので、いざというときに対応してもらいたいとか、行政が入っていくのはとてもできないので、同じフロアにいる人の中であらかじめ協力をちゃんと確保して、やってもらう仕組みをつくるしかないんだと思います。
○ 藤井議長代理 関口さん、どうぞ。
○ 関口委員 全国「精神病」者集団の関口です。
全国「精神病」者集団の窓口には、震災以後、特に被災県以外からの相談というか、不安を訴える電話が激増しております。被災県以外でこういう状態なんですから、被災したところではいかなることかと私は思うんですけれども、ライフラインがまずずたずたになります。電話が通じない、鉄道もだめ、ガス、電気もだめになります。まず初動の段階でもって精神科医がチームをつくって回ったわけですけれども、これはこれでよかったと思います。
問題はその次のちょっと経った後の段階です。ちょっと経った後の段階で、避難時にいらっしゃるのは、言わば津波で全部流されてしまったような人は避難所にいるしかないわけですけれども、そうではなくて、陸地にいた方、在宅の精神障害者がいらっしゃるわけです。そうすると、特に避難所に行く必要はない。ただ、物資は来ない。
その上、JR東日本の統計ですと、36線区、つまり36の路線がぶっつぶれているわけです。そうすると、普段鉄道を使って診察を受けに行くという何気ない行為が全くできなくなるんです。つまり都市から都市、あるいは避難所からでいいんですけれども、公共交通機関をまず優先的に整備しない限り、診察をするクリニックなり病院なりがあるところに移動できないわけです。これがすごく大きいです。
これは実際に石巻市の保健師さんなども心配していましたけれども、こういうところには、お金がかかってもタクシー券を出すしかないのではないかということをおっしゃっていました。事実そういうものがない限り、行きようがないわけです。タクシーでなら何とか行けるけれども、それ以外にバスみたいなものを仕立ててくれるとか、そういう代替手段がない限り、これは線路が復旧するまで待てといっても、いまだに復旧していませんから、無理なわけです。そういうインフラでもってやられてしまったり、いつもの診療行為を受けに行くことができなくなっているのをどうするのかということを第2弾として考えておくべきだと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 精神障害、てんかん、あるいは人工透析等を含めて、通院保障が生命に関わって、今回、遮断というのをどうするかという問題です。
勝又さん、中西さんの順番でいきます。
勝又委員、どうぞ。
○ 勝又委員 勝又です。
私は質問なんですが、久松さんの御意見の中に今回幾つか出てくるんですが、障害者支援についてそれぞれを支える支援団体との連携が必要である。社会福祉協議会が全国組織を持っているが、今回の震災で障害関係について、その機構が生かされているとは言い難い。日ごろから障害者団体と地域社会、社会福祉協議会との連携について、役割分担や文書で確認しておくべきであるという御意見があって、これについて伺いたいんですが、機能していないとお考えになる根拠はどういうことでしょうか。
○ 藤井議長代理 久松委員、その点でのお答えをいただけますか。
○ 久松委員 ろうあ連盟の久松です。
根拠はと聞かれましても、関係していないので、ないということです。
岩手県、宮城県、福島県の聴覚障害者の範囲で申し上げますと、岩手県の場合は情報提供施設というものがあります。視覚障害者と聴覚障害者を対象にした情報提供施設です。あと、宮城県の場合は視覚障害者情報提供施設があります。福島県も視覚障害者情報提供施設です。宮城県と福島県は聴覚障害者情報提供施設がありません。
今、社会福祉協議会はほとんどの市町村につくられていまして、障害者団体と何らかの関わりをつくっています。社会教養講座ですとか文化講座等、いろいろ関係をつくっています。また、ボランティア団体の育成もやっています。手話講習会もやっています。しかし、今回の災害では、聴覚障害者全体を支援する体制をつくれてはおりません。社会資源を持ちながら、活かし切れていないということを私たちは非常に残念に思っております。
今、情報提供施設というのは、身体障害者福祉法に定まった障害者施設ですが、その機能が宮城県、福島県にはありません。この施設をつくる必要があると言いながら、現状ではまだつくられておりません。聴覚障害者団体が中心となって、支援団体も一緒になって支援体制をつくり、全員を中心に実態調査をしているというのが実情です。人的に足りない、物的にも足りない、費用も足りないという大変苦しい状態の中で何とか支援を続けているというのが実情です。救援中央本部が、現地の地域本部が支援活動をするための資金を提供しています。
○ 藤井議長代理 半分答えて、半分答えになっていないと思うんですけれども、勝又委員どうでしょうか。
○ 勝又委員 例えば今回社会福祉協議会が機能していないというのは、今のお話で理解するに、社会福祉協議会は津々浦々にあるけれども、そこに聴覚障害者、視覚障害者のセンターみたいなものが設置されていない場合もある。社会福祉協議会が津々浦々にありながらも、こういう災害のときそれらが十分に機能して、例えば聴覚障害者や視覚障害者のセンターがないところでは、そのかわりになって何かをやるとか、そういう機能をはたすべきとお考えなのでしょうか。
○ 藤井議長代理 久松さん、どうぞ。
○ 久松委員 久松です。
多分社会福祉協議会の機能といっても、障害者支援だけではなく、高齢者など対象者の幅広さがありまして、障害者の範囲だけに特化しにくいところが大きいのではないかと思います。
今、社会福祉協議会の運営体制そのものが障害者以外のさまざまな分野でも幅広く支援をしていますけれども、ほとんどの場合、ボランティア支援の受付、窓口をしているということで、障害者支援のためだけに振り分けをすることができるのかどうか、そういう状況ではないというのが非常に残念で、ボランティアの活用を障害者支援と結び付けられることができてないと考えています。
○ 藤井議長代理 今後、恐らく社協に加えて、民生委員、児童委員と今度の震災との関係とか、どの市町村にもある社会資源がどんな障害分野、高齢者の関係で役割を担ったのかという検証はしていく必要があると思います。今日はこれ以上時間がないので、問題提起としてこれも受け止めておくことにしましょう。
中西委員、どうぞ。
○ 中西委員 今日の議論の中でジェンダーに触れた部分はすごく少なくて、先ほどマッピングのお話などが出たんですけれども、そのときにも多分私のイメージとしては、全般的な障害者という考えで話しておられると思いました。アメリカの災害のときでもOne Size Fits Allということで、1つの物が全員に当てはめられるような形で被災者救援が行われるのが一番よくないとされていて、ジェンダーなり障害の種別なりは本当はニーズによって考慮されなければいけないんですけれども、それがない。
それはなぜかというと、日ごろの統計の中で女性障害に対しての部分が欠落しているからです。先ほど勝又さんとお話したところ、場合によっては、統計の中でとっている部分があるんだけれども、発表の中ではかなり欠落されているということでした。今後の調査が救済策の基本になると思うし、そのときの段階で必ず性別を配慮した調査になるようにしていかなければいけないということは、今後の計画の中で入れていただきたいと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 基本法でも問題になった女性障害者の問題は、こういうときに一層顕在化したということもあります。
堂本さん、関連ですか。どうぞ。
○ 堂本委員 障害に限らず、今回の災害においては女性の視点も欠落していると認識しています。女性たちはそれを問題にして、先日、与謝野男女共同参画担当大臣のところへ伺いました。今回の東日本大震災復興構想会議の15人のメンバーの中で、女性は内館さんお一人です。しかも、内館さんはお相撲のことは詳しい方です。特に高齢女性あるいは障害女性、それ以外に妊娠している女の人とか、そういった女性の視点が必要なのは、何も女の人に対して必要なのではなくて、まずハコモノありきなのではなくて、私たちが書いた要望書は、災害の後に障害者も高齢者も子どもも病人も、そういった災害弱者が安心・安全に住める地域社会を構築し、それに合わせた形で、町の設計がなされるべきだろうということです。ところが、今は逆なんです。障害者、女性、高齢者、子どもの視点は、復興7原則には全く入っていません。そのことについての抗議を、私の仲間が2~3日前に大臣のところに届けました。
その前には大臣と面談がありました。そのときに、推進会議でも同じような問題が起きているという発言があります、と申し上げました。この前の会議で、森さんがおっしゃったように障害者の代表が復興会議に入っていないのではないかということを申し上げて、私たちのところにも障害者から入っていますということで、そういったことをこれからもっと大事にしてほしいということを言ってきました。
御報告です。
○ 藤井議長代理 関係しての報告でした。
時間がきているんですが、どうしてもという方はいらっしゃいますか。久松さん、どうぞ。門川さんに次いきます。
○ 久松委員 全日本ろうあ連盟の久松です。
災害救助法の問題を提起したいと思います。災害救助法というのは、公務員等の派遣をする場合、派遣費、滞在費等かかる経費については、90%は国が負担をする。残りの10%は被災県が負担するとなっています。実際には市町村に振り分けることになるかもしれませんが、国の負担が90%、残りの10%が被災県の負担という割り当てですが、今までの災害は今回のように広範囲ではなく1つの県ということでしたが、今回の場合は3県以上にまたがっています。被災の状況も大変ひどいので、派遣する場合も非常に費用がかかります。自分の県の被災地が10%の負担ということになりますと、被災した県の財政が非常に厳しいことになるのはわかっていることですし、今後日本各地で災害が発生することが予想されますから、国が100%負担するという仕組みに変えないといけないと思います。被災県も安心して、被災を受けていない県の支援を受けられるように、受けやすいようにする状況をつくれるのではないかと思います。
実際にこの問題があって、宮城県また福島県に働きかけをして、市町村にほかの県の手話通訳の専任通訳者を派遣して、それを受けてほしいと説明をしたときに、財政上の問題、10%の負担があるのでということで受けられないという話を何度も聞きました。被災したところが負担することのないように、そういう仕組みの見直しをすべきだと考えています。是非検討していただきたいと思います。
○ 藤井議長代理 わかりました。
門川委員、どうぞ。
○ 門川委員 門川です。
今回、意見提出ができていません。申し訳ありません。
今回の東日本大震災は、東日本で起こっただれもが予想しなかった想定外の大震災、災害でした。これは東日本だけではなくて、日本全体の問題として幾つもの問題が顕在化されたと思います。この震災から学ぶ教訓はたくさんあると思うので、今後のために考えておかなければならないことを議論しているのだと思います。
震災が発生すると、安否の確認から始めますが、安否の確認の時点でもいろいろと問題が起こっていました。震災が起きると停電が起きたり、通信網が遮断されたり、情報通信ができなくなってしまい、安否の確認もなかなかできなくて皆さん心配したかと思います。
また、障害者といっても、家族などと暮らしている障害者ばかりでなく、単身生活者もたくさんいます。
個人的なことになりますが、阪神・淡路大震災からの経験からして、1人で生活をしていたのですが、地震がきたことは直感的にわかったのですが、1人でいたので、どうしたらいいのかということが全くわからない。揺れが収まるまでこたつにもぐってじっとしていたということを思い出します。
何を言いたいかといいますと、行政に対してお願いしたいことは、安否の確認方法をこれから考えていただきたい。電波などが遮断されてしまうと、ファックスも携帯電話もパソコンも何もかも使えなくなります。それでは、どうしたらいいのかという課題が残るかと思います。
それから、震災が起こると、やはり助けてもらえるのは支援者や家族などの人です。人的支援になります。ですので、身近にいる方との日ごろからのよい関係を築いておかないといけないと思います。
それと、私の団体、盲ろう者協会の立場からですけれども、今回は安否の確認から始まって、どのような支援を必要としているかなどを聞き取ったりしてきました。また、ホームページ上でもこれまでの活動報告などを掲載しています。盲ろう者協会の安否活動の中から感じたことは、支援活動に力を発揮したのは、各県にある盲ろう当事者の団体でした。幸いにも今47都道府県中45県ぐらいには盲ろう者の当事者団体がありますので、そういったところが中心となって、安否の確認に力を発揮してくれました。ですから、今後地震などの災害が発生したときに、こういったところに支援体制を整えていただけるように、財政的なことも含めて日ごろから準備してもらえるような行政としての支援、そういったことをしていただくようにお願いしたいと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 それでは、時間が大分オーバーしていますので、これでこのコーナーを終わりにします。
少し時間があれですが、まだあと2つ論点が残っています。報告事項ありますので、15分を若干切りますけれども、16時25分まで休憩をして、第4コーナーに入ります。それでは、休会します。
(休憩)
○ 藤井議長代理 よろしいですか。それでは、最後の第4コーナーに入ってまいりますが、引き続き、災害と障害者について、次の論点を深めます。
第7つ目の論点として、復旧、復興のプロセスの中で、特に大事なこと。
もう一つは、その他、救援の在り方、制度、仕組みなど、大枠についてということで、全体的にその他ということで、最後の8つ目の論点がございます。
これを深めていきますけれども、東室長の事前意見の報告の前に、久松さんから発言の修正というよりは、むしろ誤訳があったので、そこをもう一回お話したいということなので、久松さんからお話してください。
○ 久松委員 ろうあ連盟の久松です。発言の機会をありがとうございます。
災害救助法の90%負担、残りの10%は被災地での負担という説明の際、被災地の負担が10%あるので、できるだけ自分の市で担う、回すという考え方が出てきており、他県からの支援を受けにくいという状況があり、自分のところでやるときには非常に無理が生じていますので、できるだけ自分のところで他県からの介助者、通訳者、相談員等の支援を受けられるように説得して受けていただいている経緯はあります。その壁となっているのが被災地自己負担10%でありますので、災害救助法を積極的には利用しづらいということを申し上げました。
○ 藤井議長代理 先ほどの「できない」を「できにくい」というふうに正確に修正したいということであります。
それでは、東室長から事前提出意見の概要を説明してください。
○ 東室長 7番目の復旧、復興のプロセスの中で、特に大事なことがあれば指摘していただきたいということにつきましては、まず重視すべき考え方とか理念ということについて何点か御意見があります。
一番基本となるのは、インクルーシブなコミュニティを新たにつくるという視点でございます。そのためには、復興計画策定に障害者当事者が参画することが必要だろうという御意見があります。
同じような意見ですけれども、新たなまちづくりは地域住民が前面となって、行政、民間、関係団体の共同作業によって取り組むべきだということがあります。
また、ジェンダーといった視点なども関係するんでしょうけれども、建物など見える復興だけではなくて、障害者の尊厳を守るといった見えない支援も大切にすべきだ。
こういう御意見が重要な考え方、理念として上がっております。
また、復旧に当たって具体的な取組みとしての御提案も何点かあります。相談支援の充実やインクルーシブ教育の推進等によって、地域のきずなをつくっていく、再生していくという御指摘や、この際、精神病院の入院中心から新しい精神医療の在り方に転換する絶好の機会とすべきであるという御意見、東日本大震災復興構想会議と障がい者制度改革推進会議の連携といった御意見もあります。
更には、被災障害者に適切な住まいと生活を維持するための収入源を確保するといったことが非常に重要であるという御意見がありました。
最後に8番目、その他の部分ですが、さまざまな意見があります。全部を紹介する時間的余裕はないんですが、復旧のための緊急立法による制度と予算の確保が上げられております。第二次補正ということも議論されているところです。これに向けてはもっと具体的な提案を出していくべきではないかという感じがします。
また、忘れ去れていると言ったら過言ですけれども、県外避難者の状況については把握が非常に困難だと思われます。ですので、そういった視点が重要だということとか、県外避難の場合は障害者単独というよりも、むしろ支援者ともども移転しないとなかなか難しいという現実もありますので、一緒に避難する支援者に対する支援も重要ではないかという御指摘があります。
更には知的障害の関係も含めてですけれども、やはり緊急時の情報保障というもの、人的な支援も含めてそういうことが重要なんだということとか、緊急時においては、少なくともリアルタイムで字幕を表示できるような体制を整備すべきだという御意見があります。
ほかにもありますけれども、以上にしておきたいと思います。ありがとうございました。
○ 藤井議長代理 今、論点8も入っていましたか。
○ 東室長 8も入れてあります。
○ 藤井議長代理 それでは、7、8と併せて、ここは一緒に議論します。主には7にウェートを置きます。
いろんな方が発言をしたいと思うんですが、残り時間が二十数分なので、今まで発言していない方を優先しようと思っていますので、よろしくお願いします。
土本委員から手が挙がっています。それから、長瀬委員という順番でいきます。
○ 土本委員 土本です。
その他に入ると思うんですけれども、ピープルファーストジャパンとしてはカンパ活動を仲間たちに呼びかけている最中です。
ピープルファーストジャパンとして、今回の大震災に対して何ができるのかについては、今週ある福岡の全国委員会で話し合う予定をしていますし、ピープルファースト北海道としても、カンパ活動に参加しています。
それと、先ほど言っていたように、震災だけではなくて、常に知的障害を含めて障害のことを学校とか地域で話し合って、例えば避難訓練を地域でやると思うんですけれども、そのときにも障害の人たちがいるということを含めて、参加できて、どこで避難をして、どこに行けばいいんだということの地図とかわかりやすいものをつくっていけばいいのではないかと思います。DVDもそうだけれども、手話通訳も入って、わかりやすいものをつくっていけばいいと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 ありがとうございました。
長瀬委員、尾上委員の順番でいきます。
長瀬委員、どうぞ。
○ 長瀬委員 ありがとうございます。東京大学の長瀬です。
2つ申し上げたいと思います。
1つは、またこうした推進会議で、今回の震災と障害者というテーマで議論する場が設けられるということですので、そうした際には、被災の中心になっている地域の障害の方を是非お招きして、その方たちから生の声という形で、私どもに声を上げていただきたいと思います。それはNothing About Us Without Us、私たち抜きで私たちのことを考えないでくださいということとも一致すると思います。
また、復興構想会議から復興構想7原則というものが出されておりますけれども、2番目の地域、コミュニティ主体の復興を基本とするという点とも重なるところだと思います。
もう一点は、中西委員が76ページで出されていらっしゃる点で、読み上げますと「思いもかけない金額を送ってくれた途上国の障害者団体の存在に、あらためてODAとは持てるものから持たない者への援助ではなく、互いに持っている物を分かち合う活動であることに気づかされた。今回の震災でODAをさらにカットすることは、愚行ではないかと考える次第である」という点です。非常に強く共感して、この御意見を拝見いたしました。
復興のための一次補正の予算4兆をひねり出すために、ODAから500億カット、削減したわけですけれども、それは非常に残念だと思います。今回の状況の中では必要かもしれないという気持ちもありますけれども、それでも途上国に支援する予算から500億円削らなければならないというのは、非常に残念だと思います。最盛期から比べると、日本の途上国支援の予算は既に半分以下に落ちてて、その中でほぼ1割に当たる500億円を今回削ったわけで、そのことに対して、多分途上国の方たちは理解をしてくださるとは思います。
ただ、今回、被災の厳しいところを見て、当初水がない、電気がない、食べ物がない、一部まだそういうところが続いていると思います。でも、それを見たときに、震災や災害がなくても、普段の暮らしの中から十分な食料がない、安全に飲める水がない、電気もない、そういう環境の中にいる人たちが世界の中にはたくさんいます。例えば栄養失調状態の子どもが2億人ぐらいはいるということを考えますと、日本として途上国支援を続ける必要があるということを別の観点から非常に痛感したので、そうした点も長期的な視点の中では忘れてはならないということを申し上げたいと思います。
ありがとうございます。
○ 藤井議長代理 尾上委員、新谷委員ということで、時間はほぼこの辺で終わりかと思います。
尾上委員、どうぞ。
○ 尾上委員 ありがとうございます。
復興計画に関してなんですが、阪神・淡路のときはちょうど3か月経ち、半年経ち、だんだんライフラインが戻ってくる中で、むしろ障害者や高齢者が取り残されたという感覚が正直ありました。やはり今後復興計画をつくるときに、むしろこの推進会議が目指している方向、インクルーシブな社会を先取りするような復興計画であってほしいと思います。旧来の姿に戻す復旧でとどまることなく、むしろインクルーシブ社会を先取りしたような地域のコミュニティづくり、それは今なお大変な状況の中で安否確認から実態把握、そして、今後ニーズ把握ということに移っていくんでしょうが、その中で出てきたニーズをちゃんと解決していけるような、地域生活の資源といいますか、そういったものがちゃんとつくられていくべきだと思います。
具体的に自立生活センターやホームヘルプであったり、あるいはユニバーサルデザインに基づくバリアフリー住宅であったり、グループホーム、住まいなど、地域で暮らせるためのサービス、地域生活を基本にした形で資源がつくられていくことを是非中心に据えてほしいということです。
そのために、今、例えば在宅訪問ヘルプの制度というのは比較で非常に細かく分かれているんですけれども、今回被災されたところでは、その町に障害者のホームヘルプ事業所が1か所しかない、あるいは1か所もない地域もございます。そういうところが、ただでさえ人手不足な状況の中で、ちゃんと立ち上げていけるような形、柔軟な対応も必要だと思ったりします。
そういったことも含めて、復旧でとどまることなく、インクルーシブな社会にしていくためにも、先ほど堂本さんが言われておられた点と重なりますが、復興構想会議の中に障害関係の分野のワーキンググループなり何なり、そういう検討をする部署をつくっていただいて、この推進会議のメンバーが入っていくとか、地元の当事者の方も入られるということを是非お願いをしたい。少なくとも、今日こういう形で推進会議で議論をしてきたわけですから、復興構想会議の皆さんと意見交換なり連携をする場をつくっていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○ 藤井議長代理 復旧から復興、新生へという1つの新しい方向をつくるんだということです。それから、復興構想会議などとの連携、懇談ということも出ています。
新谷さん、どうぞ。
○ 新谷委員 新谷です。
7項目ではなくて、8項目の話に入って済みません。73ページに詳細な提案をさせていただいておりますけれども、緊急時のリアルタイム字幕の問題について、もう一度お願いしたいと思います。
私どもの団体とかいろんな団体が、政府、総務省などいろんなところに緊急字幕の問題について、ファックスとか手紙を出しましたけれども、返事をいただいたのはNHKだけです。それも4月17日になって、私たちが要望してから1か月経ってやってNHKから回答がつて、その内容は精一杯努力したけれども、あそこまでですという回答で終わっています。
去年の6月29日の閣議決定の8、情報アクセスコミュニケーションの○の2番目で、放送事業者における現在の対応状況、取組みの拡充に関わる課題等を踏まえ、平成22年度内に災害に関する緊急時情報等の提供について、放送事業者に対する働き等の措置を検討するとなっています。だから、これは政府として何らかの措置を検討して、放送事業者に投げかけるということを閣議で決定したんだと思うんですけれども、ああいう緊急事態の中で、私どもは政府にも要望を出しているが、全く返事をいただいていない。この働きかけをどういうふうにされたのかということもNHKさんから聞いているだけで、政府とか総務省から回答をいただいていないんですけれども、この閣議決定を踏まえて、過去のことは別にしまして、早急に73ページに提案しています総務省、政府が主体となった政策として、緊急時のリアルタイム字幕を現実な問題として検討いただきたいと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 北野委員から手が挙がっていますので、どうぞ。
○ 北野委員 私の方は全体的なことで少し思うんですけれども、改革推進会議として、今回の大震災について、今後明確に政策提言をきっちりしていく必要があると思っています。その際、事務局でまとめていただいた39ページの障害者にとっての被災の被害の類型化というのは、非常に的確な分析をされていると今回思っています。
といいますのは、どうしても、今はマスメディアであるとか一般政策の方からは、1番の生命とか身体とか財産の直接被害と、2番の従来から福祉医療サービスを受けて生活してこられた方々がサービスを利用できなくなったこと、この2つだけを強調して、これがあるからもっと地震や津波、放射能に強い山奥に立派な建物を建てて、そこで何とかその人たちを支援したらという方向で物事が進む可能性が非常に高いと思うんです。私はそれは非常に危険であると思います。そうならないために、明確に3番、4番、5番のところをきっちり表現されたことが私は大事であると思います。
特に3番の公的なサービスを受けずに家族や地域社会の支えで生きてきた障害者が、こうした支えを失うことによって生活が困難になってくる。これはまさに地域の支援、社会資源の格差というものが明確に出てきた。私たちが障害者基本法の中で勝ち取ろうとしてきたものといいますか、権利条約の中で勝ち取ろうとしてきたものというのは、明確に、どこで、だれと暮らすのかということについて障害者御本人が選択する権利があり、自治体は必要な支援をする義務がある。ここが私たちが求めてきた最も大切な部分ですから、ここが明確になるように、今後それとの関係できっちりと政策提言をしていく必要があると思います。
その際、気になったのは55ページです。尾上委員がおっしゃっているように、55ページのところを見てもらったら、震災に係る福祉施設等の復旧の国庫補助の協議で、いわゆる国庫補助の対象から訪問系のサービスがそもそも除かれているということは、何を目指しているのか。地域で当たり前に暮らすということが明確に目指されているとは思えないというのが、1点目です。
2つ目は、阪神・淡路大震災のところで神戸市さんの例で出ましたけれども、やはり南相馬市のようなモデルを普遍化していくといいますか、つまり行政と地域住民と障害当事者の間でちゃんと連携をとって、今どういう問題があり、どういう支援が要るかということについて、きっちり議論する仕組みを普遍化するということをまずしてもらう。
3つ目は、福島原発の件の20km範囲の中にいらっしゃった方々、特に社会資源として精神病院であるとか施設であるとか、在宅で暮らしていた方々が一体どういう状況になったのかということの追跡調査を徹底的にやっていただきたい。彼らが自分たちが望む地域で、望む生活がちゃんと保障されたのかどうか、それを裏切られたり、つぶされてしまっているのではないかということ、これは追跡調査をやっていただきたいと思います。
以上です。
○ 藤井議長代理 だれが調査をするんですか。
○ 北野委員 我々が提起して、推進会議と内閣府が共同しながらやるべき1つの作業ではないかと思います。
○ 藤井議長代理 小川代表からも最後に一言お願いします。
○ 小川議長 今回の第32回の推進会議は、我々障害者自身が本当に大災害を受けて、いかに今後生きていくかという状態の課題も皆さんから提案されておりますので、私はこの大災害を教訓とした障害者を守る、今後も安心して暮らせる体制をこの推進会議の中でもまとめて、国に要望したいと思います。皆さんの御賛同をちょうだいできれば、そういう機会をつくっていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○ 藤井議長代理 何らかの形でということだと思いますが、そういったことも含めて、このコーナーについて、東室長からコメントをいただきましょうか。
○ 東室長 今日もどうもありがとうございました。
ここに参加されている委員のほかにも、データなどいろんな形で協力していただきました関係者の皆様方に、改めてお礼を申し上げたいと思います。
今日の会議でどれだけ実態が解明されたかといえば、まだわからない部分がいっぱいあると思います。しかしながら、今の状況の中で1回は議論しておくべきだということで、今日の会議をもたせていただきました。今日の中でもある程度は出てきたわけで、この認識をもっと広く多くの皆さん方とともに共有しなければいけないと思っております。
政府の中でもいろいろな政策がありますけれども、そこにも反映していく努力が求められていると思います。
それと、今後、一定の落ち着きを見せた辺りには、再度このことを議論していく場を設けたいと思います。障害者基本法の改正そのものについては、第二次意見という形で全体的にはまとめることができましたけれども、今後基本法に基づく基本計画の改正等が予定されているところでもありますし、そのことへの反映も含めて議論を継続していければと思っております。
以上です。
○ 藤井議長代理 今ありましたように、今日は中間的といいますか、震災が起こって2か月と10日ちょっと、これはずっと継続的に議論していく。皆さん言われていましたように、震災というのは最も問題が凝縮的、先鋭的に表れやすい。1つは震災対策の方向にそのエネルギーを持っていく。もう一点は、先鋭した問題を日常の障害問題の解決にどうつなげていくのかということをこの中からきちんと学びとる。
私は個人的には復興策のベースに是非とも署名を終えた権利条約を据えてほしいんです。この中にはインクルーシブもあれば、合理的な配慮もあれば、是非そんなことを強く願っております。
小川さんのお話もあったし、今の室長のお話もありましたので、中間的ではありますけれども、このコーナーはこれで一旦おしまいにします。
そのほかとして、去る2月27日に松井委員と大谷委員に福井で行われたフォーラムに参加してもらって、前回ちょっと中途半端な報告になってしまったものですから、もう一度、松井委員と大谷委員から簡単に福井フォーラムの状況を報告していただきます。
松井委員からお願いします。
○ 松井委員 松井です。ありがとうございます。
前回準備していなかったために、福井の関係者の方々には失礼いたしました。
2月27日に福井県の自治会館でこのフォーラムがあったわけですけれども、約150名の方々が出席されました。
このフォーラムの意義としては、現地で10団体の方が一緒になって計画されたわけですけれども、これまでそういう団体の連携が余りとれていなかったのが、このフォーラムをきっかけにして、非常に連携がとれるようになった。特に基本法の改正に向けて必要な意見を地元の国会議員を通して出すべき働きかけをされている、そういうきっかけになったということです。
それから、このフォーラムについては、地元紙でかなり大きく取り上げられて、そういう意味では、地元の人たちにも推進会議がなぜ行われているのか、あるいはこれから何を目指そうとしているのかということについて理解を深めるきっかけになってのではないかと思います。
このフォーラムでは私は基調講演をし、大谷委員にはシンポジストとして、これまでの日弁連等の活動を踏まえながら、非常にわかりやすく、今、私たちが何を目指そうとしているのかということについて話をしていただけたと思います。
私からは以上です。
○ 藤井議長代理 大谷委員からお願いします。
○ 大谷委員 一言申し上げます。
大体教育とか雇用とか個別課題的になるんですけれども、それがああいうフォーラムですと、課題を超えて共通の全体枠として共有できる。各運動団体も今まで教育のことしかやっていなかった、もしくは作業所等でしかやってこなかったということが、全体の中で位置づいたということがすごくよかったと思いました。
感想です。
○ 藤井議長代理 それでは、以上でもって今日準備した議題が終わりましたので、マイクを小川議長にお返しいたします。
○ 小川議長 本日は長時間の討議、お疲れ様でございました。
ここで東室長より今後の予定を含め報告すべき事項があれば、御説明をお願いいたします。東室長、どうぞ。
○ 東室長 ありがとうございます。東です。
本日は本当にお疲れ様でした。
次回、第33回の推進会議は6月27日月曜日を予定しております。正式に決まり次第、改めてお知らせいたしますが、御予定ください。
内容は総合福祉部会において、現在、合同作業チームの報告について終盤を迎えているということで、この日は合同作業チームの報告をいただくことになろうかと思います。3つの課題は当然御存じですけれども、推進会議としても今後どうしていくのか、そこの基点となる報告ですので、よろしくお願いしたいと思っております。
なお、7月以降で220会議室が確保できている日程をお知らせします。鉛筆を取り出してください。ペーパーを用意すればよかったんですが、済みません。
まず取れている日程でいいますと、7月は4日月曜日と11日月曜日ですが、去年8月は忙しいときでもしなかったんです。今年は7月はお休みしようという方向で考えています。そのかわり、8月は8日月曜日と22日月曜日が取れておるんですが、今のところ8日に開催したいと思って検討中です。
9月は26日月曜日と30日金曜日が取れておりますけれども、今のところ26日月曜日の開催の方向で検討しております。いいでしょうか。
10月ですが、10月は24日月曜日と31日月曜日が取れておりますが、今のところ24日開催の方向で検討中ということです。
11月は7日月曜日と21日月曜日と28日月曜日が取れておりますが、今のところ21日月曜日の開催の方向で検討中です。
最後に12月ですが、12月は5日月曜日と12日月曜日が取れておりますが、12月は開催をしない方向で考えておりますが、わかりません。手帳には入れておいてください。
以上はあくまで予定ですので、変更の可能性があります。その点は御了解ください。
以上です。ありがとうございました。
○ 小川議長 ありがとうございました。
これをもちまして、本日の会議を終了いたします。
この後、この場所で記者会見を行います。
本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございました。御苦労様でございました。