(発言)「地域における障害者の生活を支える医療」の実現に向けた理念と制度基盤の構築が、与えられた課題だ。障害者が地域で暮らし、社会参加ができるようにするためには適切な医療の提供が不可欠だ。医療は福祉サービス及び保健サービスとの有機的な連携を確保しなければならないが、どのようにすればできるかが問題だ。精神障害、重度の心身障害、難病の方と検討しているが、いずれも医療モデルで進められてきた領域だ。障害者は法の対象ではなく、権利の主体であるという考え方を基本として検討しており、医療モデルから社会モデル、生活モデルへということになる。四六時中、医療を必要とする方がおり、これに対して医療の基盤を整えるには地域医療を充実させることが一番で、これは日本の医療制度を抜本から改革することになる。障害があろうがなかろうが、すべての人にとって地域医療が充実することが重要で、それが障害者や難病の方の医療につながる。また、医療に人権的な視点が組み込まれることも重要だ。利用料については、無料であるべきだという意見と、応能負担の中で負担にならない形を考えるべきだという意見があった。
難病はまだ概念が決まっておらず、総合福祉法の大きな課題の一つは難病問題だ。難病の方たちはサービスが受けにくい状況にある。精神障害については精神保健福祉法と医療観察法を大きく変えないと地域移行にはならないが、総合福祉法では制度が後退せずに前進するようにして欲しい。