障害者政策委員会(第19回)議事録

○石川委員長 それでは、定刻となりましたので第19回「障害者政策委員会」を開催いたします。
 委員におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日は、16時30分までを予定しております。
 まず事務局から最初に、委員の出席状況について御報告をいただきます。

○加藤参事官 事務局の加藤でございます。
 本日は、石野委員、大原委員、大日方委員、高橋委員、竹下委員、柘植委員、平川委員から御欠席との連絡をいただいております。また、清原委員、花井委員につきましては、代理の方が御出席となっております。今のところ、田中委員のほうから1時間ほどおくれる。あと、野澤委員、伊藤委員、辻井委員が若干おくれるということでございます。
 なお、会議冒頭、委員の皆様の御迷惑にならない範囲で取材が入りまして写真撮影が行われますので、御承知おきください。
 以上でございます。

○石川委員長 それでは、本日の議事に入りたいと思います。
 毎回のお願いです。発言についてのルールの確認ですが、まず委員長が委員に御意見のある方は挙手をお願いしますというふうに挙手を求めます。挙手をしていただき、委員長からの指名を受けて御発言ください。
 また、イエローカードについては、随時というか必要なときに出していただければそこでとめたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 できるならば最初に結論を述べていただき、その後、その理由や説明を述べていただくとわかりやすいかと思います。
 まず、お名前を名乗り、ゆっくりわかりやすく御発言いただきたく、お願いいたします。マイクは、発言が終わりましたらオフにしてください。
 本日は、主として3つの議題が用意されております。
 1つ目は、本委員会で皆様に御議論いただきました障害者差別解消法基本方針の閣議決定について報告がございます。
 2つ目は、第3次障害者基本計画の実施状況について御報告があります。
 3つ目は、障害者権利条約の第1回の政府報告についてでございます。
 それでは、会議の資料と流れについて事務局より御説明をいただきます。

○加藤参事官 本日の会議資料と流れにつきまして御説明いたします。
 まず、会議資料でございますが、資料1「障害者差別解消法に基づく基本方針(原案)に関する意見募集の結果について」。
 資料2「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」。
 資料3「障害者基本計画(第3次)の実施状況(案)」。
 資料4「障害者権利条約第1回政府報告の留意点及び骨子(案)」。
 それ以外に参考資料としまして「障害者権利条約パンフレット」。
 参考資料2としまして「障害を理由とする差別の解消に向けた地域フォーラム等について」。
 参考資料3としまして「障害者基本計画・わかりやすい版」を用意しております。
 それ以外に、委員の皆様方には机上に配付してございますが、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の全文と、そのQ&A集、障害者政策委員会の差別禁止部会の意見、障害者基本計画の冊子と第3次障害者基本計画の特徴という色刷りのものを御用意しております。
 次に、具体的な進行についてでございますが、前半では障害者差別解消法に基づく基本方針を閣議決定、第3次障害者基本計画の平成25年度実施状況。障害権利条約の政府報告について御説明申し上げます。その後、15時10分ごろをめどに15分の休憩を挟みまして、後半では第3次障害者基本計画の実施状況と障害者権利条約の政府報告につきまして今後の議論の進め方も含めた意見交換を予定しております。
 以上でございます。
 なお、これ以降の写真撮影は御遠慮いただきますようお願い申し上げます。

○石川委員長 それでは、まず最初に障害者差別解消法の基本方針の閣議決定につきまして、事務局から御説明いただきます。

○加藤参事官 それでは、お手元の資料1「障害者差別解消法に基づく基本方針(原案)に関する意見募集の結果について」、資料2「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」に基づきまして御説明申し上げます。
 資料1をごらんいただきたいのでございますけれども、11月10日の第18回「障害者政策委員会」の後に最終的な調整を行った案につきまして、そこにありますように、平成26年11月26日から12月25日まで30日間、いわゆるパブリック・コメントでございますが、国民の皆様から広く意見を募集したところでございます。延べ1,097件の御意見をいただいたところでございます。
 その内訳等につきましては次のページでございますけれども、件数としましては今申し上げた1,097件でございまして、そのうち意見の内訳ということで事務局で分類したところ、下のような表でございまして、総計で1,730件、御意見をいただいたところでございます。
 その主な意見の概要というのが以下2~4ページまで掲載してございます。そのうち例えば2ページの「3 主な意見の概要」のところに、基本方針全体に関する意見というものが幾つか寄せられてございまして、その中の最後のところに、基本方針(原案)には環境依存文字が使われているので章番号を理解できるよう代替すべきということでございまして、当初の案ではI~Vまでローマ数字を使ったところでございますけれども、それよりは第1、第2、第3というような表記ぶりに統一して変えてございます。
 Iでございますが、そこも最初の法制定の背景のところで、日本におけるこれまでの取り組みとして、少なくとも平成16年の基本法改正で差別禁止法の理念を明示したことに触れたほうがよいという御意見もいただいたところでございます。
 あと(2)の基本方針と対応要領・対応指針との関係といったところでは、地方公共団体における対応要領の策定は努力義務となっているが、積極的に策定することが望ましいといった御意見等々ございまして、最終的には事務局のほうの判断で幾つか修正をさせていただいたところがございます。
 あと、それ以外に、既に法律の枠組みの中でもう決着のついている課題でありますとか、また、障害者政策委員会の御議論の過程の中で結論の出なかったようなものも御意見いただいておりますが、そういったことにつきましては取り入れることができなかったという状況でございます。
 資料2が最終的に閣議決定をしたものでございまして、先ほど申し上げました、例えば1ページの真ん中あたりになりますけれども、我が国において平成16年の障害者基本法の改正において、障害者に対する差別の禁止が基本的理念として明示されというところを追加いたしました。
 2ページ目でございますけれども、「(2)基本方針と対応要領・対応指針との関係」というところで、5行目でございますが「対応要領の作成は努力義務とされているが、積極的に取り組むことが望まれる」というところを修正してございます。
 少し飛びますけれども、5ページでございますが、一番下のところでございます。エのところの最後3行目でございますが、「また、障害の状態等が変化することもあるため、特に、障害者との関係性が長期にわたる場合等には、提供する合理的配慮について、適宜、見直しを行うことが重要である」という御意見がございまして、ここもつけ加えたところでございます。
 あと細かいところで、先ほど申し上げました番号でありますとか、若干の文言の修正を行ったところでございます。
 以上が基本方針に関する閣議決定関係の御説明でございます。
 ついで、石川委員長をはじめ政策委員会の委員の皆様にも基本方針の案に関する基調講演等をお願いしておりました「障害を理由とする差別の解消に向けた地域フォーラム」についてもあわせて開催実績を御報告申し上げます。
 参考資料2というのがあるかと思いますけれども、昨年来、差別解消法の説明でありますとか啓発ということを含めまして全国都道府県あるいは政令市で10カ所あるいは8カ所、地域フォーラムということで開催してまいりました。26年度の実績はそこに書いてあるとおりでありますが、27年1月14日の浦安市から始めまして、最後、3月6日の東京都港区での会議を行っております。その際に、石川委員長、野澤委員、柘植委員ほかの委員に御協力いただいたところでございます。
 特に3月6日につきましては、フォーラムに合わせまして、障害者差別解消支援地域協議会の体制整備事業報告会というものと、基本方針が閣議決定した後でございましたので、基本方針につきましても地方公共団体の方々、大勢お集まりでございましたので、説明会をあわせて開催させていただいたところでございます。平成27年度にも一応全国10カ所で開催を予定しておるところでございます。
 事務局からは以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 当初の予定からは時間がかかりましたけれども、本委員会としましても基本方針の策定にかかわり、丁寧な議論ができたと思います。その結果、基本方針がよりよいものになったと感じております。また、パブリック・コメントを経て、さらなる改良もしていただいていることについてもよかったと思っておりますが、今の報告について、もし委員の中で御質問、御意見がありましたら。
 それでは、特にないようでしたら、次にいきたいと思います。
 次は、障害者基本計画の実施状況について事務局から御説明をいただきたいと思います。

○加藤参事官 事務局でございます。
 お手元の資料3「障害者基本計画(第3次)の実施状況(案)」により御説明申し上げますが、その前に、障害者基本計画(第3次)につきまして、障害者制度改革担当室の尾上政策企画調査官から簡単に御説明させていただいて、その後から、私のほうから実施状況について御説明したいと思います。お願いします。

○尾上政策企画調査官 内閣府の尾上です。
 机上配付資料の障害者基本計画の本体と、あと第3次障害者基本計画の特徴というのが机上資料に入っているかと思います。そちらを使って御説明をさせていただきたいと思います。この第2期の障害者政策委員会のもとでは、この基本計画のことを扱うのが初めてですので、少し時間をいただきます。
 この障害者基本計画なのですけれども、特徴の一番上に書いてありますとおり、障害者基本法第11条に基づき政府が策定する障害者施策に関する基本計画ということになっています。
 経緯なのですけれども、これまで昭和57度からの長期計画があった後、平成5年から障害者基本法に基づく10年ごとの計画が第1次、第2次とございました。平成5年度からと平成15年度からという形で来たわけですが、今回、平成25年度からの5年間の計画ということで第3次障害者基本計画がつくられ、実施に移っているわけでございます。
 その特徴なのですけれども、まず1つが基本原則等の見直しということで、平成23年に改正されました障害者基本法の基本原則、それを踏まえまして地域社会における共生と差別の禁止、国際的協調、こういったことを基本原則として盛り込んだということになります。
 2つ目に計画期間の見直しなのですが、これまでは10年単位だったのですが、制度や経済社会情勢の変化が激しいということを踏まえまして、今回、25年度から29年度までの5カ年間ということで期間を設定して計画をつくったということになります。
 施策分野の新設ということなのですが、特徴のポンチ絵の裏側のところを見ていただきますと、右のほうに3、分野別施策の基本的方向というのがあります。各論みたいなものですが、この中の7番から9番、すなわち「7 安全・安心」「8 差別の解消及び権利擁護の推進」「9 行政サービス等における配慮」。こういったものが第3次基本計画における新設項目ということで設定されました。さらに、既存分野においても施策の見直し、重点化を図ったということで、1枚目に戻りますけれども、障害児・者のニーズに応じた福祉サービスの充実でありますとか、精神障害者の地域移行の推進、新たな就学先の仕組みの構築、障害者雇用の促進及び就労支援の充実、優先調達の推進等による福祉的就労の底上げ、そして、障害者権利条約の早期締結に向けた手続の推進といったことが既存分野の施策における見直しということで盛り込まれました。
 さらに、この後、実施状況ということに関連しまして、⑤の成果目標の設定ということでございます。計画の実効性を確保するため、合計45の事項について成果目標を設定したということで、本体の基本計画の39ページからが別表ということで成果目標の数値が載っております。基本計画の本体の39ページから載っていますので、詳しくは読み上げませんけれども、ごらんください。
 そして、最後、計画の推進体制の強化ということで、障害者基本法に基づく障害者政策委員会が開催されているわけですが、その障害者政策委員会による実施状況の評価や監視ということが障害者基本法の第32条に規定されています。障害者政策委員会で基本計画の実施状況の評価や監視をしていく、そのことによってPDCAサイクルというか、よりよいものにしていくということなのですが、そのことを通じて、きょうの議題にも入っています障害者権利条約のモニタリングの役割も障害者政策委員会が担うということになっています。そういう意味で、非常に重要な第3次障害者基本計画とその実施状況に関する政策委員会の役割ということを御説明させていただきました。
 以上です。

○石川委員長 この基本計画の実施状況についてのモニタリングと、次の権利条約のナショナルレポートに関してのスケジュールですとか進め方について、また、そのモニタリングについての話というのは連動しておりますので、中身の話は休憩後にしたいと思いますけれども、何か基本的なところで第3次障害者基本計画について何か御不明な点等あれば、特に第2期からこの委員会の委員に御就任いただいた委員を中心にもしございましたら、今、質問という形でお受けしようかと思いますけれども、何かございますでしょうか。
 では、松森委員、お願いします。

○松森委員 松森でございます。
 第3次計画から権利条約の政府報告についてという流れの中で、障害のある女性という立場から気になっていることを1つ。
 まず、雇用とか所得についてのデータは性別のデータがあるのでしょうか。私が把握している範囲では、政府統計にはほぼ存在しておらず、雇用促進法に基づく雇用状況の報告のフォーマットには性別の項目自体がないことが指摘されています。これを権利条約の政府報告案にまとめるときには、当然、権利条約第6条、障害のある女性について報告することになると思うのですが、基礎データがない状態でどういうふうにするのか疑問に思っていました。そのあたりを教えていただければと思います。

○石川委員長 ありがとうございます。
 これはこの後のナショナルレポートにおいての議論と深くかかわっていく話なので、ここは丁寧に議論する必要があると思いますけれども、今、差し当たり尾上さんのほうからお答えいただけることがあればお願いします。後ほどまたきちんと統計データについては議論したいと思います。

○尾上政策企画調査官 尾上です。
 委員御指摘のとおり、これは第1期の障害者政策委員会のときからも、その統計データをより充実させてほしいという指摘がありました。この第3次の障害者基本計画の実施状況、この後、具体的に議論していくわけですけれども、そういった中でさらに今後の政府報告の作成に当たっての議論の中で、ぜひ今の御意見、みんなで考えていければと思いました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 ほかに御質問がございました。
 加藤参事官、お願いします。

○加藤参事官 この第3次障害者基本計画をつくる際に政策委員会の中で議論がございまして、それを踏まえまして、38ページのところに、障害者の性別、年齢、障害種別等の観点に留意し、情報データの充実を図るとともに、適切な情報、データの収集、評価のあり方等を検討するということで、この計画の中にもそういった課題を盛り込んでいるところでございます。

○石川委員長 その実施状況については、今後これからそれを報告していただき、評価、モニタリングをさせていただくという理解でよろしいということですね。ほかに御質問はございますか。
 それでは、次に進みたいと思います。
 次は実施状況について御説明をお願いします。

○加藤参事官 事務局でございます。
 資料3と基本計画、机上に配付させていただいているものを適宜ごらんになりながら説明を聞いていただければと思います。資料3の表紙にございますように「障害者基本計画(第3次)の実施状況(案)」と書いているところでございまして、平成25年度の進捗状況を各省庁から出していただいたものをまとめたものでございます。
 その表紙にありますように、「III 分野別施策の基本的方向」というところに1~10まで書いてございまして、その次に「IV 推進体制」ということを書いてございます。それは基本計画のちょうど9ページから分野別施策の基本的方向ということで、ここから1~10まで、それから、IVというようにずっと計画のまさに中身が書いてあるものでございます。
 1ページめくっていただきまして、3ページからが実施状況の本体になります。ここからは基本計画の9ページの分野別施策の基本的方向、そこに1とございまして、生活支援。この生活支援のところにつきましては、(1)~(7)までそれぞれ小見出しがついております。
 基本計画のほうに「(1)相談支援体制の構築」とありまして、以下、丸がずらっと並んでおりまして、これが一つ一つの言ってみれば施策になっているわけで、その丸のところに1-(1)-1というのがございます。逐次番号を振ってございます。その番号ごとにこちらの実施状況のところも縦にずらっと並べておるところでございます。ちなみに、最初の生活支援の次の「(1)相談支援体制の構築」というところ、一番最初の施策は1-(1)-1でございますが、障害者がみずからの決定に基づき、身近な地域で相談支援を受けることのできる体制を構築するため、さまざまな障害種別に対応し、総合的な相談支援を提供する体制の整備を図るということでございまして、この施策を厚生労働省が担当しまして、右側にございますような具体的なことを進めておるということでございます。
 ○がございまして、地域における相談支援体制の強化を図るための中心となる総合的な相談支援センター(基幹相談支援センター)の設置を推進ということで、平成24年4月に110カ所だったものを平成25年4月に214カ所にしたということでございます。  その次に、1-(1)-2というところでございまして、障害者個々の心身の状況、サービス利用の意向、家族の状況等を踏まえたサービス等利用計画案の作成の促進等、当事者の支援の必要性に応じた適切な支給決定の実施に向けた取り組みを進めるという施策につきまして、やはり厚生労働省のほうで障害者福祉サービス等の議論に係る支給決定プロセスの見直し、サービス等の利用計画作成の対象者を大幅に拡大するとともに、サービス等利用計画を策定するため、指定特定・指定障害児相談支援事業所の設置を推進。平成24年4月に2,851カ所あったものを平成25年4月に4,561カ所にふやしたということでございます。
 そういったことをずるずるとまとめたもので、府省庁ごとにそれぞれ取り組んでおりますので、幾つかのところを御紹介したいと思っております。飛びますけれども、9ページのほうに飛んでいただければと思います。これは「(3)障害児支援の充実」というところで一番上にございますが、1-(3)-5というところに、障害児について情報提供や相談支援等により、その家庭や家族を支援するとともに、在宅で生活する重症心身障害児(者)について、短期入所や居宅介護、児童発達支援等、在宅支援の充実を図るという計画のところでございますが、それにつきまして厚生労働省のほうが担当して、右側でございますが、最初の○が児童福祉法の一部改正(平成24年4月)により、障害児相談支援事業を法定化し、相談支援を推進。障害児相談支援事業所数の推移ということで、24年度が702事業所から、平成25年度に1,467事業所ということになっています。
 次の○が児童福祉法の一部改正(平成24年4月)になりまして、従来、国庫補助事業で実施してきた重症心身障害児(者)通園事業を、児童発達支援として法定化・義務的経費化し、在宅の重症心身障害児の支援を推進ということでございます。
 重症心身障害児に対する支援の提供を行う事業所数ということで、平成24年度と平成25年度を比べてございますが、児童発達支援では132事業所から169事業所にふえております。医療型児童発達支援では52事業所から51事業所、放課後等デイサービスでは237事業所から322事業所。
 3つ目の○でございますが、重症心身障害児・者の地域生活モデル事業において、重症心身障害児者及びその家族が地域で安心・安全に生活できるようにするため、総合的な地域支援体制の整備を推進ということでございます。
 具体的な施策としては、平成25年度重症心身障害児者の地域生活モデル事業の実施箇所数は5カ所ということでございます。ここの事業所数につきましては、各年度3月の月間の報酬請求事業所数ということでございます。
 少し飛びますけれども、ちょうど資料の14ページになります。これは生活支援のところにつきまして、基本計画の一番最後にちょうど基本計画本体の39ページからの障害者基本計画関連成果目標と書いてございました別表のところを1の生活支援の部分だけを切り出したものでございます。
 それぞれ縦に施策が書いてございまして、現状というのは、第3次の基本計画をつくった時点での直近のデータ。目標というのは、第3次基本計画の目標値になっておりまして、一番右側のところは平成25年度の実績といいますか、進捗状況ということになります。例えば一番上の福祉施設入所者の地域生活の移行者数ということでは、計画を立てた時点では2.9万人だったのでございます。目標数は3.6万人ということで、平成25年度現在は、まだ3月の下旬集計中ということでございます。
 一番下のところ、相談支援事業の利用者数というところで、計画相談支援、現状というところでは2.6万人、それが目標では計画相談支援、平成26年度18.9万人、25年度の実績での達成率では6.4万人ということでございます。
 地域移行支援では0.05万人だったものが目標では0.9万人、それが25年度では0.05万人ということでございます。
 地域定着支援では、現状0.1万人、目標が1.3万人でございまして、平成25年度は0.2万人という状況でございます。
 15ページの次の基本的方向の「2.保健・医療」でございます。ここも(1)~(6)まで項目がありまして、(1)の保健・医療の充実等というところに2-(1)-1ということで、障害者が身近な地域で必要な医療やリハビリテーションを受けられるよう、地域医療体制等の充実を図る、その際、特に高齢化等による障害の重度化・重複化の予防及びその対応に留意するという計画につきまして、厚生労働省の施策を進めておるところでございまして、25年度の進捗状況としまして右側に○が3つありますが、最初の○が精神障害者に対する保健・医療・福祉に携わる全ての関係者が目指すべき方向性として、良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針を策定。当該指針において、地域で必要な保健医療サービス及び福祉サービスを提供できる体制を確保することとしている。
 2つ目の○でございますが、在宅精神障害者の生活を、医療を含む多職種チームによる訪問等で支える精神障害者アウトリーチ推進事業を実施。平成25年度の実績が24道府県ということでございます。
 3つ目の○でございますが、おおむね60歳以上の高齢入院患者を対象に、病院内の医師や看護師等の多職種チームと地域の障害福祉サービス事業者が連携して退院支援を行う精神障害者地域移行・地域定着支援事業(高齢入院患者支援事業)を実施ということでありまして、平成25年度は15県・指定都市ということでございます。
 少し飛びますけれども、27ページに先程のように別表2ということで保健・医療の部分につきまして基本計画での目標値と達成状況を一覧にしてございます。一番上には、統合失調症の入院患者数ということで、現状のところで18.5万人、これは平成20年度の数字でございますが、目標としましては、平成26年度で15万人ということで、平成25年度では、平成23年度の患者調査の数字でございますが、17.2万人という状況でございます。
 メンタルヘルスケアに取り組んでいる事業所の割合、平成23年度では43.6%でございまして、目標値としては平成32年に100%ということで、平成25年度では60.7%という状況でございます。
 入院中の精神障害者のうち、1年未満入院者の平均退院率でございますが、平成20年度で71.2%、目標が平成26年度で76%、平成25年度のところでは平成24年の精神・障害保健課調べでございますが、71.3%という状況でございます。
 最後のところで、障害者支援施設及び障害児入所施設での定期的な歯科検診実施率の増加ということにつきまして、現状のところでは平成23年度で66.9%、目標は平成34年度に90%ということで、平成25年度のところでは、平成23年度の最新値ということでございますが、参考で66.9%ということでございます。
 次のページ、28ページ、ここは基本的方向で「3.教育、文化芸術活動・スポーツ等」の「(1)インクルーシブ教育システムの構築」というところでございます。ここの最初のところ、3-(1)-1でございます。計画の中身としましては、障害の有無によって分け隔てられることなく、国民が相互に人格と個性を尊重し合う共生社会の実現に向け、本人・保護者に対する十分な情報提供のもと、本人・保護者の意見を最大限尊重し、本人・保護者と市町村教育委員会、学校等が教育的ニーズと必要な支援について合意形成を行うことを原則として、市町村教育委員会が就学先を決定する仕組みを構築する。また、以上の仕組みのもと、障害のある児童生徒の発達の程度、適応の状況等に応じて、柔軟に「学びの場」を変更できることについて、関係者への周知を促すということでございます。
 この施策につきまして文部科学省が担当しておりまして、平成25年度の進捗状況としまして、○を2つ書いてございます。最初の○は、障害のある児童生徒等の就学手続について、特別支援学校への就学を原則とする従前の仕組みを改め、市町村の教育委員会が、障害の状態、教育上必要な支援の内容、地域における教育の体制の整備の状況、その他の事情を勘案して、総合的な観点から就学先を決定する仕組みとするなどの学校教育法施行令の改正を行った。
 2つ目の○としまして、また、改正の趣旨や保護者の意向を最大限尊重することなどの留意点等について通知を発出するとともに、詳細な解説資料である「教育支援資料」を全都道府県・市町村教育委員会に配布するとともに、文部科学省ホームページにも掲載し、その周知を図ったということでございます。
 そして、ここのところも少し飛びますけれども、35ページのところに「3.教育、文化芸術活動・スポーツ等」ということで別表をまとめてございます。
 ここも4つございまして、特別支援教育に関する個別の教育支援計画作成率。現状で平成24年度の数字でございますけれども76.2%、目標が平成29年度で80%以上ということで、平成25年度は78.7%。
 2つ目の特別支援教育に関する教員研修の受講率でございますが、現状72.1%、目標が80%以上、25年度は73.1%。特別支援教育に関する校内委員会の設置率、現状が85.6%、目標90%以上、平成25年度が86.5%。特別支援教育コーディネーターの指名率でございますが、現状86.8%、目標90%以上、平成25年度87.1%というところでございます。
 そして、次、36ページでございますが、ここからは基本的方向ということで「4.雇用・就業、経済的自立の支援」というところでございます。
 最初にありますのが「(1)障害者雇用の促進」ということで、最初の施策は4-(1)-1でございまして、障害者雇用促進法に基づく障害者雇用率制度を中心に、引き続き、障害者雇用の促進を図る。平成25年度の障害者雇用促進法の改正により、精神障害者の雇用が義務化(平成30年4月施行)されたことも踏まえ、精神障害者の雇用の促進のための取り組みを充実させるということでございまして、厚生労働省が担当しておりまして、平成25年度の推進状況でございますが、最初の○が民間企業等における実雇用率、平成25年6月1日現在でございますが、民間企業が入ってございまして、一般の民間企業、法定雇用率は2.0%でございますが、状況は1.76%、特殊法人等では法定雇用率2.2%につきまして2.27%。国及び地方公共団体では、国の機関が2.3%のところ、2.44%。都道府県の機関では2.3%のところ、2.52%。市町村の機関では2.3%のところを2.34%。都道府県等の教育委員会、2.3%のところを2.01%でございます。
 次の○が、ハローワークによる障害者の就職件数でございます。就職件数としまして、7万7,883件ということでございまして、うち、精神障害者の方につきまして2万9,404件ということでございます。
 次の○が民間企業等における雇用障害者数でございます。25年6月1日現在ということで、50人以上の規模の企業で雇用される障害者数40万9,000人、50人以上の規模の企業で雇用される精神障害者数が2万8,000人ということでございます。
 最後の○は、ハローワークにおける精神障害者の新規雇用者数の増加に対応するため、「精神障害者トータルサポーター」の配置により、総合的かつ継続的な支援を実施ということでございます。
 次のページに飛びまして、37ページでございますが、同じく施策として4-(1)-4で、一般企業等への就職につなげることを目的として、各府省において知的障害者等を非常勤職員として雇用し、1~3年の業務を経験するチャレンジ雇用を実施するということでございまして、ここはずらっと各省庁それぞれ並んでございますが、一番最初に内閣府ということで、内閣府においては、平成20~24年度までにチャレンジ雇用として計17名を雇用し、平成25年度からは前年度からの継続雇用も含め計8名を雇用(沖縄総合事務局の2名を含む)ということでございます。
 少し飛びまして46ページでございますが、この部分も別表ということで、「4.雇用・就業等」というところでまとめてございます。最初に公共職業安定所における就職件数ということでございまして、現状は27万件、目標は37万件でございまして、平成25年度が7.8万件ということになっております。障害者職業能力開発機構の就業者における就職率が書いてございまして、現状60.0%、目標65.0%、平成25年度が69.1%ということでございます。というようにずらっとそれぞれの施策ごとに数字を報告しているところでございます。
 47ページの基本的方向というところでは「5.生活環境」に当たるところでございます。ここにつきましては、49ページの「(2)公共交通機関のバリアフリー化の推進等」というところをごらんいただければと思いますが、ここは施策計画では駅等の旅客施設における段差解消、ホームドア等の転落防止設備の導入、障害者の利用に配慮した車両の整備の促進等とあわせて、人的な対応の充実を図ることで公共交通機関のバリアフリー化を推進するという計画になっておりまして、ここの部分は国土交通省が担当しておりまして、平成25年の進捗状況ということで右側に書いてございます。
 最初の○「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」や、バリアフリー化の目標、施設設置管理者が講ずべき措置、基本構想の指針等を示した「移動等円滑化の促進に関する基本方針(最終改正平成23年国家公安委員会、総務省、国土交通省告示第1号)」に基づいて、公共施設等のバリアフリー環境の整備を推進ということでございます。
 2つ目の○でございますが、ここから具体的な状況でございまして、公共交通機関におけるバリアフリー化の状況ということで、1日当たり平均利用者数が3,000人以上の旅客施設のうち段差の解消のされている旅客施設ということで、鉄軌道駅、バスターミナル、旅客船ターミナル、航空旅客ターミナルが挙げられておりまして、それぞれ24年度末が81.8%から83.3%、82.7%から82.0%、87.5%で変わらない。航空旅客ターミナルにつきましては84.8%ということで変わらないということでございます。
 転落防止のための整備を設置している駅ということで3,356駅から3,400駅。うち、ホームドアを設置している駅は564から583。あと車両につきましては、鉄軌道車両、バス車両、ノンステップバス、リフト付きバス、福祉タクシー、旅客船、航空機、それぞれ下に書いてあるような数字ということでございます。
 次のページにも同様に国交省の施策が書いてございまして「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に基づき基本構想の策定促進を行っているほか、各種補助、税制、融資等、各種支援制度を有効に活用することで公共交通機関のバリアフリー化を推進。
 その次の○、平成25年6月「公共交通機関の移動等円滑化整備ガイドライン」の改定。バリアフリーの連続性確保に関する記載の充実、エレベーターに関する記載の充実、車両整備のあり方の具体的な記載を追加ということでございます。
 最後の○が、バリアフリーについての国民の理解を深めるとともに、ボランティアに関する意識を醸成することで心のバリアフリー社会の実現を図るため、高齢者、身体障害者の介助体験、疑似体験ができるバリアフリー教室を開催ということでございます。  バリアフリー教室の開催実績としまして、24年度末218回、25年度末が236回ということでございます。
 次、51ページに飛んでいただきまして「(3)公共的施設等のバリアフリー化の推進」というところでございます。ここも5-(3)-1になりますけれども、バリアフリー法に基づき、不特定多数の者や、主として高齢者、障害者が利用する一定の建築物の新築時等における建築物移動等円滑化基準への現行の適合義務に加え、地方公共団体による同法に基づく条例において義務づけの対象となる建築物の追加、規模の引き下げ等、地域の実情を踏まえた取り組みを促すことによりバリアフリー化を促進するという計画になっておりまして、国土交通省が担当しております。25年度の推進状況ということで、最初の○でございますが、不特定かつ多数の者が利用し、または主として高齢者、障害者が利用する建築物、映画館、百貨店、老人福祉センター等で、2,000㎡(公衆便所は50㎡)以上のものを新築、増築、改築、用途変更する際にバリアフリー対応を義務化しているということでございまして、一定の建築物のバリアフリー化率、24年度の52%から25年度54%ということでございます。
 次の○は、地方公共団体におけるバリアフリー法に基づく条例付加状況を調査し取りまとめた結果を国土交通省のホームページにて公表ということでございまして、19地方公共団体にて条例付加を実施ということでございます。
 52ページのほうでございますけれども、同じく公共的施設等のバリアフリー化の推進でございますが、5-(3)のところではこういった具体的な計画にはなかった分野でもそれぞれの省庁で取り組んでいる施策につきましてまとめておりまして、53ページのところでは、一番上に環境省が取り組んでいるバリアフリー化ということで、25年度の推進状況でございますが、国立・国定公園等において主要な利用施設であるビジターセンター、園路、公衆トイレ等のバリアフリー化を着実に実施、さまざまな利用を想定した、人にやさしい施設の整備を推進したということでございます。
 この部分も中期目標のところが56ページにございます。別表として「5.生活環境」のところでございます。ここは最初にグループホーム・ケアホームの月間の利用者数ということで、現状、24年度で8.2万人、目標、26年度で9.8万人、平成25年度では8万8,897人ということでございます。
 その次が一定旅客施設のバリアフリー化率ということでございまして、現状は、注意書きがついてございますけれども、その注意書きにあります段差解消、視覚障害者誘導ブロックの整備、障害者対応型便所の設置ということで①~③とあります。  ①の段差解消につきましては、現状は81%、目標100%、25年度で83.3%。
 視覚障害者誘導用ブロックの整備は、現状93%、目標100%、25年度で93.1%。
 トイレにつきましては、現状78%、目標100%で、25年度で80.1%といったようにここは主にバリアフリーの目標と現状について記載しているところでございます。

○田中企画官 それでは、引き続き説明させていただきます。分野別の「6.情報アクセシビリティ」についてでございます。58ページからとなります。
 ここにつきましては、計画の中で「(1)情報通信における情報アクセシビリティの向上」「(2)情報提供の充実等」「(3)意思疎通支援の充実」「(4)行政情報のバリアフリー化」と整理されております。その中から例を御説明申し上げますと、58ページ、上から3つ目となりますが、「(1)情報通信における情報アクセシビリティの向上」としまして、6-(1)-2、研究開発やニーズ、情報技術の発展等を踏まえつつ、情報アクセシビリティの確保及び向上を促すよう、適切な標準化(日本工業規格等)を進めるとともに、必要に応じて国際規格提案を行う。また、各府省における情報通信機器等(ウェブコンテンツ(掲載情報)に関するサービスやシステムを含む)の調達は、情報アクセシビリティの観点に配慮し、国際規格、日本工業規格への準拠・配慮に関する関係法令に基づいて実施すると記載がございます。
 経済産業省において担当しておりますが、実施状況としまして、平成24年度に制定されたウェブアクセシビリティに関する国際規格に沿って、日本工業規格の制定に向けた検討を開始。また、平成25年6月に高齢者や障害者等に配慮した情報通信機器のソフトウェアを設計するための手引を標準化とございます。
 もう一つの例を御紹介しますと、61ページ、上から2つ目でございます。「(2)情報提供の充実等」。6-(2)-5、計画では現在の日本銀行券が、障害者等全ての人にとってより使いやすいものとなるよう、五千円券の改良、携帯電話に搭載可能な券種識別アプリの開発・提供等を実施し、券種の識別性向上を図る。また、将来の日本銀行券改刷が、視覚障害者にとり券種の識別性の大幅な向上につながるものとなるよう、関係者からの意見聴取、海外の取組状況の調査等、様々な観点から検討を実施するとございます。財務省における推進状況としまして、財務省は国立印刷局、日本銀行とともに、平成25年4月26日に「日本銀行券の券種の識別性向上に向けた取組み」を公表。平成25年12月2日には、財務省より改良五千円券の発行開始日(平成26年5月12日)を公表。また、国立印刷局がiPhone用券種識別アプリの配信を開始(平成25年12月3日)するとともに、識別専用機器について実用化に向けて民間企業への情報提供を行った。参考としまして、アプリのダウンロード数は、平成25年度末時点で9,638件に達したとございます。  こちらにつきましては68ページにございますが、目標値の表がございます。情報アクセシビリティにおいては3つの項目が表記されておりまして、まず、聴覚障害者情報提供施設については、計画策定が現状では36都道府県、目標として全都道府県、平成25年度の状況としては38都道府県。
 2つ目、対象の放送番組の放送時間に占める字幕放送時間の割合。計画時現状、NHK総合83.5%、在京キー5局平均93.3%、目標、NHK総合100%、在京キー5局平均100%、直近、平成25年度の状況、NHK総合84.8%、在京キー5局平均95.5%。
 3つ目、対象の放送番組の放送時間に占める解説放送時間の割合。策定時、NHK総合9.4%、在京キー5局平均4.3%、NHK教育12.4%。目標、NHK総合及び在京キー5局等10%、NHK教育15%。平成25年度、NHK総合9.8%、在京キー5局平均5.4%、NHK教育13.6%となっております。
 次に、分野7として「安全・安心」とございます。69ページでございます。
 こちらにつきましては、その下の項目として「(1)防災対策の推進」「(2)東日本大震災からの復興」「(3)防犯対策の推進」「(4)消費者トラブルの防止及び被害からの救済」と整理されております。
 例を御紹介いたしますと、69ページの一番上でございます。「(1)防災対策の推進」。計画では7-(1)-1、障害者や福祉関係者等の参加及び防災関係部局と福祉関係部局の連携のもとでの地域防災計画等の作成、防災訓練の実施等の取組を促進し、災害に強い地域づくりを推進する。
 実施状況として、地域防災計画のもととなる防災基本計画において、障害者等について「地方防災会議の委員への任命など、防災に関する政策・方針決定過程や防災の現場への参画を拡大し、多様な視点を取り入れた防災体制を確立する必要がある」旨を定め、消防庁と連名で各都道府県に対し同旨について通知し、地域の防災力向上を推進するとともに、総合防災訓練大綱に基づき、障害者や福祉関係者の参加を得ながら、防災訓練を実施し、訓練で得られた課題等への改善策の検討を通じて、避難支援等の体制の整備に努めているとしております。
 もう一つ例を御紹介しますと、72ページ、上から2つ目でございます。「(2)東日本大震災からの復興」。計画中、7-(2)-1。それぞれの地域の復興施策の企画・立案及び実施における、障害者やその家族等の参画を促進し、地域全体のまちづくりを推進する。
 実施状況、復興庁では、被災自治体や各地で復興に取り組んでいる方々の参考となるよう、まちづくり、仕事づくり、健康づくりなどの復興の各分野に関し、障害者等を支援している事例を収集し、これらの事例を取りまとめ、公表した。
 次に分野「8.差別の解消及び権利擁護の推進」、75ページからとなります。こちらにおきましては「(1)障害を理由とする差別の解消の推進」「(2)権利擁護の推進」の項目に整理されております。
 例を申し上げますと、75ページ、一番上になります。「(1)障害を理由とする差別の解消の推進」。計画中、8-(1)-1、平成28年4月の障害者差別解消法の円滑な施行に向け、同法に規定される基本方針、対応要領及び対応指針を計画的に策定するとともに、法の趣旨・目的等に関する効果的な広報・啓発活動、相談・紛争解決体制の整備、障害者差別解消支援地域協議会の組織の促進等に取り組む。また、同法の施行後において、同法に規定される基本方針に基づき、同法の適切な運用及び障害を理由とする差別の解消の推進に取り組む。
 実施状況でございます。平成25年11月から、障害者政策委員会において、障害者差別解消法に基づく基本方針の検討を進めてきた。その中で、障害者政策委員会委員をはじめ、障害者団体等の関係者からヒアリングを実施した。
 2つ目、平成25年6月の障害者差別解消法の成立を踏まえ、地方公共団体との連携の下、平成25年12月から平成26年3月にかけて、障害を理由とする差別の解消に向けた地域フォーラムを全国10カ所の都市で開催した。また、同法成立後、周知啓発のため、障害者差別解消法リーフレット及び同リーフレットわかりやすい版を作成し、全国(都道府県及び指定都市)に配布するとともに、前記のフォーラムにおいても資料として配布するなど活用を図った。
 3つ目、平成26年1月から地方公共団体の区域における障害者差別解消支援地域協議会の迅速な設置及び円滑な運営に資するため、有識者等と意見交換を行う「障害者差別解消支援地域協議会の在り方検討会」を開催し、同協議会の設置・運営暫定指針を取りまとめた。
 次に「9.行政サービス等における配慮」、78ページからになります。
 こちらにおきましては、計画中「(1)行政機関等における配慮及び障害者理解の促進等」「(2)選挙等における配慮等」「(3)司法手続等にかける配慮等」「(4)国家資格に関する配慮等」と整理されております。
 例を申し上げます。78ページの一番上です。「(1)行政機関等における配慮及び障害者理解の促進等」。計画中、9-(1)-1。各行政機関等における事務・事業の実施に当たっては、障害者差別解消法(平成28年4月施行)に基づき、障害者が必要とする社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮を行うとしております。
 実施状況ですが、基本方針を策定後、対応要領及び対応指針を作成する等取組を進める予定としております。
 分野の最後になります。「10.国際協力」とございます。86ページになります。
 計画中では「(1)国際的な取組への参加」「(2)政府開発援助を通じた国際協力の推進等」「(3)国際的な情報発信等」「(4)障害者等の国際交流の推進」と整理されております。
 例を紹介いたします。86ページから92ページに全般的にわたるものとして御紹介させていただきます。
 「(1)国際的な取組への参加」、(2)、(3)、(4)、全体にわたりまして施策を主に記載させております。特に外務省中心の施策でございますが、平成25年の状況としまして、障害者権利条約の締結につき国会承認が得られた点及び国際協力の具体例としては、ミャンマー聾者の社会促進プロジェクト等、障害者が中心となって意思決定や事業の実施を担う取組を推進していること等を紹介しております。
 これまでが分野別の施策の実施状況となります。
 一番最後になります。IVと計画では整理されております。「推進体制」、93ページになります。
 こちらでは1~5までとして「1.連携・協力の確保」「2.広報・啓発活動の推進」、その中で「(1)広報・啓発活動の推進」「(2)障害及び障害者理解の促進」「(3)ボランティア活動等の推進」「3.推進状況の管理及び評価」「4.法制的整備」「5.調査研究及び情報提供」と整理されております。
 例示として「1.連携・協力の確保」とございますが、推進状況としまして、1つ目、政府は障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、関係行政機関の長に協議するとともに、障害者政策委員会の意見を聞いて、障害者基本計画(第3次)の案を作成し、平成25年9月27日に閣議決定を行った等と、これまでの計画、障害者差別解消法等の政府の取組、実績について記載をしているところでございます。
 計画の実施状況につきましては以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 意見交換につきましては休憩後にまとめて行いたいと思います。
 それでは、続きまして、外務省より、権利条約のナショナルレポートにつきまして御説明をいただきたいと思います。

○山中人権人道課長 外務省人権人道課長の山中と申します。
 我が国は、皆様御承知のとおり、昨年1月20日に障害者権利条約を批准して、同年2月19日に同条約は我が国について発効しております。この条約の35条におきましては、各締約国がこの条約に基づく義務を履行するためにとった措置、及びこれらの措置によりもたらされた進歩に関する包括的な報告を発効後2年以内に障害者権利委員会に提出することを規定しております。その後は4年ごとの提出が規定されているということで、具体的には2016年2月19日までに第1回政府報告を提出することとされておりまして、その後は2020年、2024年と続いていくことを想定しております。
 人権諸条約におけます締約国による報告制度とは、各締約国が政府報告を定期的に提出して、これを各条約体、すなわち障害者権利条約の場合は、障害者権利委員会ということになりますが、ここが検討するというものです。この検討のことを通常、審査と呼んでおりますが、我が国が政府報告を提出した後は、この権利委員会から質問票が出されまして、これに書面で回答をした後に審査の日時が確定します。その日時で、ジュネーブで対面の審査が行われるということになります。この審査は、条約の第36条に基づいておりまして、障害者権利委員会が当該報告について適当と認める提案及び一般的な性格を有する勧告を行うこととなっております。  審査の時期につきましては、現在、各国の審査待ち報告が積み上がっている状況でございまして、報告書提出から3年前後となることが多い見込みです。
政府報告の今後の作業予定とスケジュール案について御説明いたします。本日、資料4として御提出させていただきました骨子案、これは事前に配付させていただいておりますので詳細の説明は省かせていただきますが、この骨子案について政策委員会の御意見を聴取した後、これを踏まえてまずは骨子を確定する。骨子の確定の後、速やかに関係各省庁の協力を得て、本文全体を作成いたしまして、各省協議を経て、6月または7月ごろに1次案を確定させたいと思っております。1次案の作成後、これを障害者政策委員会に提示し、これに関する政策委員会の御意見を8月から9月にかけて聴取したいと思っております。御意見を踏まえた改訂案を政策委員会に提示の上、その後、各省協議の上、パブリック・コメントにかけまして、年末ごろまでという目標ですが、その後、英訳作業及び英文の各省協議の上、最終的に英語を確定し提出したいと考えております。
 また、この政府報告の作成に当たりましては、障害者権利委員会のガイドラインを参照しまして、条文上の権利についての具体的な法律上、事実上の条項、権利の実現に向けてとられた実質的な措置及び結果として達成された進展に関する情報、法規範が障害者の置かれた事実上の状況に与える影響、女子及び児童の権利に関する条約違反に対する救済措置、同救済措置の実際の利用可能性、実施及び効果に関する分析、条約上の権利を共有するに当たっての法律、慣行、伝統、その他の方法によって課される障害に基づく区別排除または制限についての説明、権利救済措置についての憲法、法律、司法、その他の文書についての十分な引用について記載することを関係各省庁に呼びかけております。骨子案の書きぶりが法令に関連づけて記載とされているのはその趣旨でございます。  報告の分量につきましては制限があり、英文で60ページまでということでございますので、コンパクトなものを作成したいと考えております。また、データ、図表については、積極的に提出していただくことを依頼しております。データにつきましては、過去4年以上にわたる年ベースでの比較が可能な性、年齢、障害種別、都市、地方人口、その他関連するカテゴリーによって分類された条約上の各権利の実現に関する統計データを示すという指針がございますので、この指針に沿った形での提出をお願いしているところです。
 政府報告の前例につきましては、これはほかの人権条約についてですが、外務省ホームページの人権外交のページに例が記載されております。また国連のホームページには他国の政府報告の例、これは障害者権利条約も含め、掲載されておりますので、必要に応じて参照していただくこととしております。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 以上、御報告いただきました基本計画の実施状況について、各分野ごとの幾つかの事例、推進体制、また外務省より御報告いただきました権利条約の政府報告の取りまとめについてのお考え等を踏まえまして、休憩後に意見交換したいと思います。今、時間が3時15分なので、3時30分再開とさせていただきます。よろしくお願いします。

(休  憩)

○石川委員長 再開したいと思います。
 後半では、第3次障害者基本計画の実施状況と、障害者権利条約の政府報告につきまして、今後の議論の進め方、本委員会としての監視、モニタリングの進め方につきまして意見交換を持ちたいと思います。
 障害者権利条約に基づく政府報告に当たりましては、先ほど山中課長からも説明がありましたように、本委員会としまして国内モニタリングの実施の責任を負っております。その立場としまして、今後、どのようにしてモニタリングを進めていくべきかについて、皆様のお考えをお伺いしたいと思います。挙手を求めたいと思います。
 では、加野委員、お願いします。

○加野委員 加野です。
 障害者基本計画第3次の実施状況の監視、今後の議論の方法なのですけれども、これだけ大部で10個の分野に分かれての実施状況の御報告をいただきましたけれども、この委員会でこの10の項目を個別に議論していくには余りにも時間も足りませんし、なかなか有効な議論をするのが難しいかと思いますので、分野1個ごとに1つの委員会というのは難しいかもしれませんので、複数の項目を1つの小委員会というような形で、小委員会なり分科会というようなものを設けて、個別に必要なヒアリング等も実施しながら検討させていただければいいのかなと思っております。

○石川委員長 加野委員、ありがとうございました。
 何人かからの委員の御意見を伺った上でまた議論したいと思いますので、阿部委員、お願いします。

○阿部委員 日身連の阿部です。
 先ほど統計のデータについては、女性のことも踏まえていろいろしっかり根拠を持ったデータをとっていくというお話を伺いました。加えて、地域の格差ということもありますので、そのようなこともしっかりと踏まえていただきたいと思います。過去4年以上にわたるデータということで、これまでのデータではないものであっても、これから先を考えてということでしっかりとっていただきたいと思います。
 2点目です。まず、全体を見ますと、児童とか女性が大事です。それから、例えば65歳以上になると介護保険優先になるということなども含めると、高齢障害の問題については一体どういうふうにここの中に入ってくるのかが心配になります。障害のある私たちも高齢になっていくわけでありますので、その辺のところをしっかりと押さえていただきたいと思います。
 もう一点ですけれども、この権利条約等では、必ずしも障害福祉サービスを受けていない人についても整理されています。障害福祉サービスを受けている人はもちろんですけれども、受けていない人が元気に暮らしていくというのは、費用対効果というのはおかしい言い方かもしれませんけれども、私たちも介護を受けたいわけではないので、元気な仕組み、社会環境をつくっていくというのがすごく大事なことだと思います。
 そういう意味で、サービスを受けなくても済むようにするためには社会環境が大事とは言いながらも、やはり障害がありますと介護を受ける状況に陥りやすい環境にあるものですから、障害があっても暮らしやすい社会環境を整備することをしっかり踏まえていただきたいと思います。私たちも含めて元気に生活できるような仕組みということが盛られることはすごく大事なことだと思いますので、このような視点を含めてしっかりとデータをとっていただきたいと思いました。これは2年後の報告が終わったら、その次には4年ごとに報告するということであれば、将来も見越した大事な取り組みであると思います。
 以上です。ありがとうございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 ほかに。
 上野委員、お願いします。

○上野委員 上野です。精神科医をしております。
 障害者基本計画の実施状況に関して、小委員会をつくって検討するというアイデアには賛成です。前回、障害者基本計画を策定したときに、この分野別施策の基本方向に出されているこの分野を幾つか集めて多分小委員会はつくられたと思うのですけれども、そうしますと、私が専門にしている精神科医療、福祉政策に関して、残念ながら十分な深い議論ができなかったという印象があるのです。
 私自身としましては、現在、実施状況を先ほど報告で聞かせていただいて、精神科医療福祉分野に関しましては、特に、より私たちの深いモニタリングが必要なのではないかと考えます。なので、特別にというと何ですけれども、精神科医療福祉分野に関して、それだけの小委員会を設けることができないかということを提案させていただきます。

○石川委員長 御提案ありがとうございました。
 では、松森委員、お願いします。

○松森委員 松森でございます。
 第3次計画の実施状況について、とても細かくて充実している内容が書かれてあるのですけれども、でも、実際は一部でのみ実施されているものもあって、全ての状況において適切に対応できているとは限らず、課題も多くあると思いました。先ほど上野先生もおっしゃっていましたけれども、専門分野を集めた小委員会という案に対して、私は賛成しています。
 2つ目、統計データについて、一番最初に申し上げましたけれども、障害のある女性についてのデータというのは、今ははっきりしたものがないと思います。ですから、政府報告書に間に合うように基礎データを把握して集計分析をする必要があると改めて思います。
 もう一つ、障害者権利条約批准後、初めての政府報告書の作成について、私たち障害者政策委員会としてどういうかかわり方をしていくのか。その役割の一つとして、モニタリングの役割というのがありますけれども、これをどのように進めていくのか具体的に確認をしたい。先ほど6月から7月まで1次案の作成があって、8月から9月まで意見の聴取というのが提示されました。どのくらいの頻度でどのように開催し、どんなふうに進めていくのか、細かいスケジュール、全体のイメージ像を全員で把握して、イメージを共有したいと思います。
 以上です。

○石川委員長 御意見ありがとうございました。
 川﨑委員、お願いします。

○川﨑委員 川﨑です。
 先ほど上野委員から発言がありましたように、私は精神障害者の家族なのですが。
 今回の例えば15ページの平成25年度の推進状況を見ましても、かなり精神に関する状況というのが悪いなと思っております。例えば今回地域移行ということが言われておりますけれども、この前は退院促進と言われておりまして、これもなかなか進まなかった、そういう地域基盤づくりができていないとかいろいろ問題がありますけれども、やはり今回、差別解消法ができたり、権利条約のもとに精神障害者も本当に他の人と同じようなサービスを受けたり権利を持って生きていけるような社会をぜひとも私どもつくりたいと思っておりますので、精神医療・保健福祉に関するワーキンググループみたいなものを立ち上げていただき、外国並みの精神科医療が我が国においても実現できることを切に望むものであります。
 以上です。

○石川委員長 御意見ありがとうございました。
 ほかに。
 花井委員、お願いします。

○花井委員代理 花井の代理で森原と申します。よろしくお願いいたします。
 障害者基本計画の実施状況についてということで、数点意見と質問を述べさせていただきます。
 28ページのインクルーシブ教育システムの構築のところなのですけれども、3-(1)-1、就学手続についての意見です。保護者の意向を最大限尊重しとありますけれども、本人の意向を尊重するという観点も重要ではないかと考えます。
 次に、今度は質問なのです。66ページで、先ほど女性のデータということで何人かの方から御意見が出たかと思いますけれども、行政情報のバリアフリー化、災害発生時のところで、6-(4)-2の避難行動の要支援者名簿の作成はどのくらい進んでいるか、わかる範囲で教えていただきたいと思います。
 また、7-(1)-1、地方防災会議の委員への任命に障害者の参画を拡大しているとありますけれども、そこに女性の障害者の参画も重要と考えますが、これはどの程度進んでいるのかも教えていただきたいと思います。
 最後に質問なのです。82ページの司法手続について、9-(3)-2、法務省の取り組みのところで、心理・福祉関係者を立会人とする試行を実施というところがございます。この詳細についても教えていただきたいということが1点。
 また、障害者の意見を代弁もしくは意思伝達の支援をするためには、本人と立会人との日常的な信頼関係が不可欠であると考えます。立会人はどういう要件を想定しているのかも教えていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 花井委員の代理のモリハラさん、ありがとうございました。
 今いただきました御質問、かなり詳しい内容でありまして、どれも重要な御質問だと思います。と同時に、きょうのところはモニタリングの進め方にかかわる方法論であるとか、あるいはモニタリングの際に重点的に行うべき分野あるいは分野の項目等について御意見をいただけると、次回から本格的にモニタリングを進めていくことができるのではないかと思っておりますので、いただいた御質問につきましては、きょう受けとめさせていただいて、次回以降、実質的なモニタリングのプロセスの中でお答えしていくということでもよろしいでしょうか。

○花井委員代理 はい。お願いします。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、ほかに、御質問、御意見ございますか。
 玉木委員、では、お願いします。

○玉木委員 ありがとうございます。玉木です。
 第3次障害者基本計画の実施状況とかを見ていても、乱暴な言い方をしますと、字面というか、言葉としては耳ざわりのいい書き方であったり、あとは例えばバリアフリーの達成率とかパーセンテージが割と高い数字も出てきている中で、計画を実行しようという気持ちは伝わってきます。しかしけれども、進め方としては、何人かの委員さんもいわれているような小委員会であったり、分かれて論議をするということが先決かなということと、もう一つは、やはりモニタリングをやっていく中で、例えば地方自治の担当者であったり、実際のユーザー(教育を受ける立場であったり、何か使う立場の人)が、実際ここで評価されてようなことを生活上感じ取っているかどうかという声を聞いていくということも、多分数字だけではあらわせないものが生まれてくると思うので、できれば小委員会の中できっちりといろんなヒアリングを設定できるような機会を十分に持っていただかないと、政策委員としてもそれがどうなのかという評価。なかなか書面だけでは判断できかねないかなと思っている。そういうヒアリングの機会を細かく設定していただければありがたいなと思っています。
 以上です。

○石川委員長 どうもありがとうございました。ほかに御意見おありでしょうか。
 伊藤委員、先にお願いします。

○伊藤委員 日本難病疾病団体協議会の伊藤です。
 ようやく難病のこともいろいろなところでこの中に取り入れられるようになりましたけれども、小委員会での議論ということになると、難病のことだけの議論というのはあり得ないと思っているのですが、あちこちの場面で議論していただくに当たって、小委員会でということになると、難病関係のことを理解してくれている人がいないと、そこの議論の中には入らないということになりますので、そういう点について若干配慮していただけるか、あらかじめ大枠のところで難病だけを外すのではなくて、難病も入れて議論してくださいということをきちんとどこかで言っておきたいなと思うのです。そのことについて今後の検討の方向では御配慮をお願いしたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 大切な御指摘、ありがとうございます。
 それでは、佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 DPI日本会議の佐藤です。
 2点お願いいたします。
 まず、1つ、政府報告の作成に当たってなのですけれども、去年の9月にスイスのジュネーブに権利委員会傍聴に行ったのですけれども、そこで2つ意見があるのですが、まずはニュージーランドが報告したときに、できていることとできていない課題ということを結構正直に言われていたのです。それがこの障害者計画をつくる上で考えたときに、例えばバリアフリー法の整備というのは非常に進んでいるのですけれども、駅とかバス停とかは3,000人以上の駅が対象ですので、それ以外のところは全部数字が出てこないですね。そうなると、都市部は非常に整備が進んでいるのですけれども、全国地方に行ったら取り残されて、非常に地域間格差が激しい。こういうできていないところがなかなかまとめに出てこないのではないかという不安がありますので、できていることとできていないこともできるだけ正直に報告できるような形にしていただきたいというのが1つ。
 もう一つは、今、審査の順番を待っている国が四十数か国たしかあると思うのですけれども、本来は4年置きに報告を出して審査をするという流れなのですが、2回目の審査になっている国が今順番待ちでそこまで行かなくて、2回目と3回目の報告、8年間をまとめて一つにするという通知が出ているそうです。ですので、これからどういうふうになるかわかりませんけれども、そういう流れでいくと、日本も恐らく1回目を出した後、2回目と3回目の報告をまとめて1つとなる可能性はあると思うのです。そうすると、1回目の報告を出してから次の報告、審査までが10年ぐらい間を置くということが起こり得ますので、そうすると、1回目の報告が非常に大事になっていきますので、ぜひ丁寧に報告をまとめていただきたい。
 以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 ありがとうございました。
 まだほかにも御意見あると思いますが、一旦ここで委員長の立場から少し議論を整理させていただきたいと思います。
 まず、政府報告というものの締め切りが迫っているので、これをまず軸として考え方を整理してみる必要があろうかと思います。政府報告の各担当、実施の担当の締め切りが7月ですか。

○山中人権人道課長 各省協議を経て、6月または7月ごろに1次案を確定したいと思っています。

○石川委員長 というお話でございました。権利条約の国内実施の中で、翻って当委員会の役割は何かと申しますと、先ほどから御説明がありましたように、基本計画の実施の監視を通じて権利条約の実施の国内監視を行うということになっておりまして、一番何もやっていないところはどこなのだというと、6月の締め切り段階で当委員会の国内監視実績はゼロということになりかねず、それはそうあってはならないと思います。ということは、それまでに障害者施策の実施のモニタリングを一定程度ぜひ行いたい、あるいは行わなければならないはずだと考えます。
 ただ、悩ましいところは、基本計画の実施を通じて権利条約の実施をモニタリングするということになっておりますので、それは基本計画のモニタリングでないといけないというか、基本計画のモニタリングを行うことによって権利条約の国内モニタリングを行うというのが本委員会の役割だということからしますと、基本計画のモニタリングを4、5、6とやらないと、実績が第1回報告では少なくともなしということになってしまうので、それはどうしても避けるべきであると思います。そのことから帰結するいわば進め方というのは、おのずと狭い範囲になってくるかと思います。つまり、先ほど来、各委員から御意見がありましたように、4月、5月、6月はハードワークにならざるを得ないということ。また、分野が多岐にわたっておりますので、当委員会だけではなく、小委員会方式なり、あるいはワーキンググループ方式なり、そういったものも検討しつつ、玉木委員から、ほかの委員からもあったかと思いますが、例えば精神の当事者であるとか、知的障害の当事者等、当事者からのヒアリングも行いつつモニタリングを進めていくということが権利条約の国内実施についての要求であると思いますので、したがって、大きな方向性としてはそういう進め方をしていくということ以外に選択の余地はないと考える次第です。
 それにつきまして、事務局あるいは外務省あるいは各委員からの御意見等ございましたら伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
 では、中島審議官、お願いします。

○中島審議官 審議官の中島でございます。
 基本的に今、石川委員長のほうからの御発言のとおり、事務局としてはそういう場を設けさせていただくことで、今後の御議論を受けてですが、委員長とも相談させていただきますが、きょう、ぜひとも御意見いただきたいのは、精神医療については、特にいろいろ議論を深める必要があるのではないかという意見をいただいたわけですけれども、今後、モニタリングをやっていくときに、特に、ここはいろいろ課題等もあって、しっかりした意見をしておかなければいけない分野なのではないかというような分野が精神医療のほかにございましたら、ぜひとも御意見をいただければ今後何に特に力点を置いてモニタリングをしてやっていくのかという進め方及び体制のあり方についても変わってくると思いますので、そういう御意見も本日いただければ大変ありがたいなと思ってございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、その方向性でこの後、議論を進めていきたいと思いますが、精神分野につきましては既に何人かの方から、これは重点的なモニタリングを行っていくべき分野である、課題であると、そういう御指摘がありまして、これについては大方の賛同を得られるものと思いますが、それに加えまして、分野なのか、あるいは切り口なのかわかりませんけれども、軽視してよい分野があるという意味ではなく、外部の専門家であるとかヒアリングであるとかを含めて、本委員会だけで対応するということでは間に合わないという意味で重点を置くべき分野としてほかにどういう分野が考えられるだろうかと。それも絞り込みがたいものがあると思いますけれども、委員各位の御意見をぜひお聞きしたいと思いますが、いかがでしょう。
 では、田中委員、先にお願いします。

○田中委員 全国手をつなぐ育成会連合会の田中です。
 この第2回の委員会のメンバーの中に当事者が知的分野と精神と、難病の方もそうですけれども、少ないということで話題になっておりましたので、ぜひ知的の分野からの当事者の声も拾っていただければということで、欠けている部分を補っていただければと思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 ぜひそういう方向で進めさせていただきたいと思います。このテーマにつきましては、基本方針の策定に専念しておりましたので、ずっと保留しておりまして、委員長預かりとさせていただいていたという経緯もございますので、ヒアリングという形で、まず精神及び知的障害の当事者にぜひ参画していただけるような場を設定していただきたいと皆様の御賛成が得られれば、私のほうとしましても事務局もとても前向きに考えてくださっておられますので、その方向で行きたいと思っております。

○田中委員 よろしくお願いします。

○石川委員長 大河内委員、お願いします。

○大河内委員 東京大学の大河内です。
 先ほどから障害の話、それから、高齢との重複の話なども出ておりましたけれども、とかく一分野の一ニーズの話に集約しがちで考えるほうが楽なのでそうなっているところはありますけれども、やはり複合的なニーズですね。重複障害、例えば精神、発達、知的みたいな障害と、身体、感覚みたいな障害というのは別々ではなくていろいろと重複しておりますので、ここには盲聾という重複の障害を持たれた委員もいらっしゃいますけれども、盲聾に限らず、各分野での委員会での議論というのは非常に重要だと思うのですが、その中に重複したニーズがあるということも少しずつ私たちは意識して議論を進めるべきなのだろうなと思っておりまして、そのことだけ一言つけ加えさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、伊藤委員、お願いします。

○伊藤委員 難病団体の伊藤です。
 私ども、先ほど言いましたように全ての議論に参加するわけにはいきませんので、2~3つのことだけぜひ皆さんの念頭に入れておいて御議論いただければということを述べたいと思うのです。
 1つは、実施状況の中で、難病に関しては2-(5)-1~5まで難病のことも出ています。それ以外にもありますけれども、この中で非常に大事なのは、この3月に改定されました支援区分の難病患者の認定マニュアルというのができたのですけれども、これが難病についてと福祉施策との関係について新しい切り口、新しい視点で本当によく書かれているのです。このページのところ、特に2-(5)-5ですけれども、ここにも支援区分の難病の認定マニュアルも参考にというように入れておいていただければ、それを見てさえいただければさまざまな分野で難病のことも理解していただけるかと思いますので、ぜひそれをつけ加えていただきたい。  基本方針については、この第2のところで、法の範囲の中に発達障害まで書いてあるのですけれども、難病についても書いてほしいというのと、政府報告もこのままではなくて、第19条にも、ここも発達障害の法律まで書いてあるので、ぜひ難病法も書いておいていただけると。そういう要点を3点ほど押さえていただけたら、我々は全部に参加することはできなくてもかなり前向きに捉えていくことができるのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、玉木委員、お願いします。

○玉木委員 今回、差別解消法の法制の中では、合理的配慮とか等々の話がきちっと記述されているのです。大きな話になりますけれども、そもそもソーシャルインクルージョンという認識が共有化されているのかどうなのかというのが一つ大きなポイントになってくるかと思っています。
 その中でも、例えば働くという切り口とか、学ぶという切り口とか、暮らすという切り口においてのソーシャルインクルージョンという状況がどこまで進んできているのかという見方というのも私は大事かと思って、例えば学ぶという切り口においても、教育においては実は今回も基本計画の中には、その人の状況に合わせて細かく見ていくのだということが書かれていますけれども、実際は就学相談というのが秋口から始まって、その就学相談も我々の耳に入ってくる相談については結論ありきの就学相談がいまだに根強くあるようにうかがえる中で、もう一回、インクルーシブ教育のあり方についての評価というのをきっちりこの際やっていくべきかなと思っておりました。
 どうぞよろしくお願いします。

○石川委員長 ありがとうございます。
 切り口として、働く、学ぶ、暮らすというのは、そういう切り口で評価していくとよいのではないかという御意見。また、インクルーシブ教育について特に玉木委員として御関心があるということがわかりました。ありがとうございました。
 三浦委員長代理、どうぞ。

○三浦委員長代理 1点発言させてください。身障協の三浦と申します。
 先ほど阿部委員のほうから高齢障害者のことの御意見がありましたけれども、ここも大きな日本の課題ではないかと思います。というのが、障害者施策は介護保険制度に並べるようにというような動きが多い中で、介護保険制度の中での要介護高齢者が高齢障害者であり、権利条約のモニタリングの対象であるということがなかなか世の中一般に伝わっていないように思います。この部分を取り上げていただければと思います。

○石川委員長 ありがとうございました。
 ほかに。辻井委員、お願いします。

○辻井委員 中京大学、日本発達障害ネットワークの辻井です。
 発達障害に限定してということではなく思うのですが、子供という切り口ですね。教育ということに限定せずに、障害児の福祉サービス、教育というようなことを含めた形で、大人とは少し異なる枠組みになっていきますので、子供というような切り口に関しては、ある程度小委員会等できっちり議論をしていくということが必要ではないかということは皆さんの議論を聞いていて思いました。

○石川委員長 ありがとうございました。
 子供という切り口は重要だと思いますので、そうすると、多分女性という切り口も絶対必要だという話にもなろうかと思いますが、切り口系でもいろんな切り口が入っているのをどう分けたらいいのだろうという感じもありますので、もう少しいろんな御意見をいただいた上で、最終的にはまた事務局と相談させていただきたいと思いますけれども、ほかにはございますか。
 佐藤委員、では、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。DPI日本会議の佐藤です。
 特に重要だと思うテーマ、先ほどの精神医療のほかに4点あると思います。
 まず、条約でいうと6条のところなのですが、障害のある女性。ここは今も何人かの委員がおっしゃいましたけれども、権利委員会の中でも審査の中で必ず委員の方が各国にこのことは質問されていましたので非常に重要だと思います。
 2点目は、12条のところになるのですけれども、成年後見を含めて支援つき意思決定のこととか、そういったこともかなり質問に出ていましたので、ここも大事だと思います。
 3つ目が地域移行です。これは精神医療も含めてさまざまな障害の人の地域移行、ここのところです。
 4点目は、24条ですけれども、教育です。ここも日本の教育のシステムのあり方について、かなり細かく丁寧に見る必要があるかなと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 ほかに御意見はございますでしょうか。
 阿部委員、お願いします。

○阿部委員 日身連の阿部です。
 確認ですけれども、モニタリングはとても大事なことだと思います。障害者基本法に基づいて各地域で障害者計画をつくって、モニタリングを行うことになっていますので、その地域のモニタリングの結果について障害者権利委員会への報告にうまく活用できるようになるのか、技術的に難しいものかどうかも含めて、先ほど佐藤委員のお話では10年間という長いスパンのこともあるわけですから、そのような地域のモニタリングが連動するように、地方分権ということがあるので、項目をそろえるということまでできるのかどうかわかりませんけれども、その辺の活用についても検討をいただければと思って発言させていただきました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、野澤委員、お願いします。

○野澤委員 野澤です。
 77ページの8-(2)-2のところなのですが、先ほど佐藤さんからも御指摘があったのですけれども、意思決定支援と、その意思決定支援を踏まえた自己決定を尊重する観点から云々と書いてあって、その25年度の進捗状況を見ると成年後見のことだけ載っているのですけれども、意思決定支援と成年後見というのは、例えば今の日本の成年後見では基本的にはまずいのではないかというのが前提ですね。それを意思決定支援に置きかえていかなければいけないのではないかみたいな議論が起きている中で、並列的にこれを両方進めていくというのはどうも矛盾があるような気がします。
 今、厚生労働省の検討会でも、ワーキングチームでも3年後の総合支援法の見直しのところで意思決定支援というのは一つの論点になっているのですけれども、どちらかというと法務省の両方にまたがるものなので、意思決定支援については議論できますけれども、では、成年後見をどうするのかというところはなかなか踏み込めていないのです。ここは重点的にやっていかないと、各国の国連の権利条約のモニタリングを見ても、ここは鋭角的にこれではだめだと切り込まれている部分なので、ちゃんとやっていかないと結構大変なことになってしまうかなと思いますし、考えてみると、特に意思決定支援が必要な人たちのいろんなサービスについては、いかようにでも評価が変わってくるだろうと思うのです。グループホームの進捗状況がどのくらいかとかいろいろありますけれども、本当に本人たちが望んでいるのはグループホームではないのではないかというのが意思決定の中で出てきたときに、全部ひっくり返ってしまう可能性がある。
 本来から言えば、ここはちゃんとやらなければその後の計画の立てようがないという気がしますので、ここはぜひ各省庁を横断してテーマ設定をするという点でこの場で進めていただければと思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 各委員から大変重要な御指摘をいただきました。それを私流に少し解釈させていただくと、来年度は第3次基本計画の中間年なので、基本計画のPDCAサイクルを回すべきときです。それ以上遅くなってしまうと回せないという感じがいたします。
 それと同時に、それより前に政府報告の締め切りというのがございまして、そうすると、その政府報告で成果を示すということは対外的にも必要だし、重要だと考えます。その成果の中には当然当委員会を中心としたモニタリングも含まれるわけなので、そうすると、権利条約において特に重視、重点的に求められていること、もっと言えば、権利委員会が特に強い関心を払っている分野について、やはりモニタリングを先行して実施して、基本計画全体のモニタリングというのはもう少し時間があると思いますので、それはそういうふうにしてやっていくというやり方がよいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。委員の御意見を伺いたいと思います。
 大濱委員、お願いします。

○大濱委員 脊損連合会の大濱です。
 先ほどからの議論の中で切り口という話が出ていましたけれども、やはり佐藤委員が提案されたように、切り口のあり方としては、権利条約の条項に対照させた形で設定すべきだと思います。例えば先ほど野澤委員から提起された意思決定支援は権利条約第12条第3項に該当すると思っています。これに加えて、例えば第19条の地域生活とか、第27条の雇用とか、この中の幾つかの重要なところとの比較で基本計画がどうだというモニタリングの形がよろしいと考えるのですが、いかがでしょうか。

○石川委員長 ありがとうございます。
 ほかに御意見ございますでしょうか。
 遠藤委員、お願いします。

○遠藤委員 基本計画について、先ほどの委員長の御説明について改めてお尋ねをしたい本計画の中で、進捗状況を適宜求めてPDCAサイクルで回すことは考え方の前提として理解しております。
 そういった中で、来年度が中間年に当たるという御指摘があったかと思うのですが、その場合の実績は何年度の実績を見ていくということをイメージされているのでしょうか。

○石川委員長 25年度と26年度ということになろうかと思います。
 遠藤委員、どうぞ。

○遠藤委員 26年度については、現在、上半期のところが出てきていて、それをどういうふうに評価するのかという進捗状況になっています。来年度を中間年と位置づけて、26年度調査の実態を見るというのは日程的には厳しいのではないかと思っているのですが、いかがでしょうか。

○石川委員長 石川です。
 御指摘はごもっともなのですが、これは第3次基本計画を5年計画にした際に、そういう選択をしたということなのです。そうすると、この委員会として、あるいは政府として、次の第4次計画をつくる準備をするのは最終年だとしますと、それ以前にPDCAサイクルが回っていないと第4次計画というのはつくりがたいというものでもあろうかと思いますので、非常に日程的にタイトな中でやることになるので、中間年とは言いましたけれども、実際に基本計画に関して、第3次基本計画に関して、25年度、26年度の施策の実績を踏まえてPDCAのCを行うということになりますと、来年度の早くて後半ぐらいに可能になるのかなと思っていますが、これについては内閣府、事務局のほうのお考えもあれば教えていただきたいのです。

○加藤参事官 先ほどお示ししています実施状況の案につきましても、基本的に1年遅れということになっていく、要するに実績データというのは1年遅れた後にしか出てまいりませんので、第4次の基本計画の御議論に入る前にも、第3次基本計画の最終的な評価を待っていたのでは多分議論は入れないのだろうと思いますので、その時点でとれるデータの中で御審議いただくということになろうかと思います。

○石川委員長 ありがとうございます。
 そうしますと、第3次基本計画のPDCAサイクルのスケジュールについて、また改めて議論するとしまして、ただ、権利条約の政府報告については締め切りが迫っているという、これに対してどう対応するかという問題はやはり未解決として残ってしまうので、現状、利用できるデータが25年度のものだとしますと、それに加えてヒアリング等を行って、現場からの声をお聞きして、権利条約の政府報告に対するモニタリングとすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 遠藤委員。

○遠藤委員 私が関心を持っておりますのは、各種スケジュールがある中でどう回していくのかということです。その中で大切にしなければいけない点として、要するにモニタリングはするのだけれども、そのモニタリングの結果を拙速に求めるということは避けていただきたいことです。現時点でどこまでの部分が評価として認めることができて、どこまでの部分についてはもう少しデータをもらわなければいけないのか、そういう項目もあると思います。
 政府報告の提出後にスイスのほうから質問票が来て、それに対する対応を行っていのであれば、第1次の報告の中にないものについても引き続き当委員会でモニタリングをして準備していくことを継続的に行っていくことも確認しながら進めていくべきである等々考えています。限られた時間の中で拙速な結論を求めることなく、現時点の正当な評価という部分で絶えず確認をとりながらやっていただきたいということをお願いの最後にさせていただきたいと思います。

○石川委員長 御指摘ごもっともだと思いますし、拙速な不十分な根拠に基づいて断定的な結論を出したいという気持ちは一切ありませんので、これまで言えること、あるいはまだこれからモニタリングをしなければいけないこと等についてバランスのよいというか、公平な内容を報告書の中に入れていただくべく、当委員会としても建設的な議論を進めていきたいと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。
 あとお一人、松森委員、どうぞ。

○松森委員 松森です。
 発言のタイミングを逃してしまったのですけれども、何を優先的に、何を重点的に話し合うかということについて、これまで日本では見落とされがちだった障害のある女性ということについて大切にしてほしいと思います。
 佐藤委員からもお話があったと思うのですけれども、何が問題かというと、これまで統計データの中に性別の基礎データがないことです。今、時間も迫っている中、早急に間に合うように基礎データを把握して、集計分析をしていく必要があると思っていますし、これは今後モニタリングとしてもとても重要な項目だと思っています。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 ほかに御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、おおむね委員から御意見を伺ったと思いますので、これらの意見を踏まえまして、事務局から改めて今後これからのことを委員会におけるモニタリングに関しましてお願いできればと思います。

○中島審議官 ありがとうございます。
 いずれにせよ、今後の進め方については事務局としては委員長とも御相談をして、どんな進め方をするかの案を取りまとめさせていただいて、また御相談することになるかなと思っています。
 きょういただいた御意見を事務局なりに整理しますと、いわゆる障害者基本計画の監視ということだけれども、それについてはまだ5年間計画の中途段階でございますから、今しっかり集められるデータというのは松森委員おっしゃるようにしっかり評価していかなければならないけれども、ある程度データの集められる限界というのもそれぞれ各省庁定期的に調査をしているわけでございますから、そういうものを最大限使いつつも一定の限界ということはあるだろうということでございます。
 そういう中で、拙速に断定的な評価というのが少なくとも5年間計画でございますからできないということを前提にしつつも、やはり今の時点において施策というのがどこまで進んで、どういう課題が残っているのかということは一通り議論した上で国連に対する報告書も提出していくということは当然のことかなと思っています。
 議論の進め方については、今後、また委員長とも相談して案をつくらせていただきますが、きょうの御意見を私なりに整理しますと、1つは制度横断的に常に念頭に置かなければならない要素というものと、制度ごとに見たときに特にここはというところの御意見なのかなと思っていまして、制度横断的にしっかり見ていかなければならないという視点としては、女性という視点がございますでしょうし、障害をお持ちの方の高齢化に伴う視点というのも重要だろうと。それとともに、難病をお持ちの皆さん方についても、制度横断的に常に難病の方々のことを考えていかなければならない。さらには重複障害という点も横断的に考えていかなければならないということでありまして、今後、特に議論していくときには、その女性の問題、高齢障害者の問題、難病の問題、重複障害と、こういうものは制度横断的に特に留意してやっていかなければならない視点かなということでございます。
 きょういただいた御意見の中であえて整理すると、やはり精神障害を中心としつつ、その精神障害をお持ちの方に対する地域移行を初めとする上で広い意味での地域移行というものをどう進めていくのかというところも大きな政策分野としては課題であろうということが出ましたし、成年後見を含む意思決定支援というものをどのように今後考えていくのかということも大変重要な分野ではないかという御意見をいただいたと思います。
 それとともに、雇用の分野、さらにはインクルーシブ教育という観点も重要ではないかという御意見もいただいたかなと思っています。それとともに、阿部委員のほうからは、マクロなデータだけではなくて、特に地域ごと、自治体ごとの進捗状況、地域格差というキーワードをおっしゃられましたけれども、そういう視点も踏まえて今後モニタリングをしていかないといけないという御意見もいただいたと思っています。
 今申し上げたような、いわゆる制度横断的に持っておかなければならない視点というのは何かということをきちっと定めた上で、特にワーキングなりを設けて深掘しなければいけないテーマとしては幾つか出されたわけでございますけれども、夏ぐらいに第1次案をまとめないといけないというタイムスケジュールでございますから、可能な限り集中的には御議論いただかなければいけないと思っていますけれども、ワーキング等の持ち方については改めて委員長のほうとも御相談をさせていただいて、次回に案を示させていただいて皆様から御意見をいただいて、そして、その上でスタートしようという形になれればいいかなと事務局としては考えておるところでございます。

○石川委員長 中島審議官、ありがとうございました。
 私も同じ考えを持っております。この後、事務局と相談して、次回に今後の進め方等をお諮りしつつ、時間的猶予はありませんので、集中的に進めていく必要があると考えております。
 また、きょう、何人かの委員が御欠席でもありますので、きょういただいたお声だけで重点的な項目を絞り込むということについては、私としては躊躇がありますので、きょう御欠席の委員に対しましても同じことをメール等で伺った上で、それも踏まえてどのようにワーキングなり小委員会なりの深掘が可能か、そういったことも含めて調整をさせていただきたいと考えております。
 それでは、本日予定しておりましたのは以上でございます。
 最後に、事務局から事務連絡をお願いしたいと思います。

○加藤参事官 事務局でございます。
 第20回、次の政策委員会につきましては、ただいま委員の皆様へ開催日程の調整をさせていただいているところでございます。結果がまとまり次第、日程あるいは会場などをお知らせいたします。その結果を踏まえまして、次々回、第21回につきましても日程調整を始めさせていただこうと思っております。
 最後に、事務的なことで1点お願いがございます。
 委員の皆様の机の上に、委員と介助者の方の中に、会議終了後事務局へ御提出くださいという一番上に記載しましたクリアファイルを置いているところがあろうかと思います。これは旅費と謝金の適正な支出のために必要なものでございますので、ぜひ御確認をいただいて御記入をいただければと思います。御記載の上、お帰りいただきますようお願い申し上げます。
 以上でございます。

○石川委員長 それでは、以上をもちまして第19回の「障害者政策委員会」を終了いたします。