障害者政策委員会(第20回)議事録

○石川委員長 第20回の「障害者政策委員会」を開催させていただきます。
 委員におかれましては、御多用のところを御出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日の会議は16時までを予定しております。
 最初に、事務局から委員の出欠状況について御報告をいただきます。

○加藤参事官 事務局でございます。
 本日は、大河内委員、大原委員、門川委員、清原委員、高橋委員、辻井委員から御欠席との連絡を受けております。野澤委員が少しおくれておられるようでございます。
 なお、会議冒頭、委員の皆様の御迷惑にならない範囲での取材が入りまして写真撮影が行われますので、御承知おきください。
 以上でございます。

○石川委員長 それでは、議事に入りたいと思います。
 毎回のお願いですけれども、まず、各委員からの発言を委員長が求めます。挙手をしていただいて、指名を受けて御発言いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 また、できるだけ結論を最初に述べ、その後、理由ないし説明を追加していただくのがわかりやすいかと思います。名前を名乗っていただいてから御発言ください。可能な限り、ゆっくり、わかりやすくお願いいたします。
 マイクのオンとオフにつきましても御配慮いただきたいと思います。
 本日は、前回御案内いたしましたように、第3次障害者基本計画の実施状況の監視に関する今後の進め方について御議論をいただきたいと考えております。
 それでは、会議の資料と流れにつきまして、事務局より御説明いただきます。

○加藤参事官 事務局でございます。
 本日の会議資料と流れについて御説明いたします。
 まず、会議資料でございますが、右肩に資料と書いてありますが「障害者政策委員会における第3次障害者基本計画の実施状況の監視について(案)」。
 2つ目でございますが、参考資料としまして「障害者権利条約第1回政府報告の留意点及び骨子」の2点でございます。
 なお、委員の皆様には机上に常備いたします資料として、障害者基本法、障害者基本計画、障害者基本計画の概要、障害者基本計画の実施状況、障害者の権利に関する条約を御用意しております。また、これらの資料とは別に、田中委員から提出されました資料、知的障害のある人の合理的配慮検討協議会報告書を配付しております。  次に、具体的な進行についてですが、まず、外務省より、前回議論していただきました障害者権利条約第1回政府報告の留意点及び骨子について報告があります。その後、残りの時間を2つに分けまして、間に10分の休憩を挟んで進めてまいります。前半では障害者政策委員会における第3次障害者基本計画の実施状況の監視に関する今後の進め方につきまして、事務局が作成しました資料について御説明申し上げます。その後、15時までを目途に委員の皆様から御意見をいただき、10分間の休憩を挟みまして、さらに今後の議論の進め方に関する意見交換を予定しております。
 以上でございます。
 なお、これ以降の写真撮影は御遠慮いただきますよう、お願いいたします。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、障害者権利条約第1回政府報告の留意点及び骨子について、外務省から報告をお願いいたします。

○中野人権人道課課長補佐 外務省人権人道課の中野と申します。
 お手元に配付しております骨子について簡単に御説明申し上げます。前回の委員会で配付させていただきました政府作成の障害者権利条約第1回政府報告の留意点及び骨子案につきまして、委員の皆様に御意見を諮らせていただきましたところ、伊藤委員から、難病法の記載を含めてほしいという御意見を頂戴したと理解しております。この点、関係省庁と協議をいたしまして、障害者権利条約25条の健康の部分に含めるのが適当なのではないかということで調整をさせていただきました。
 お手元に配付しております資料には、第25条のところに難病法と加筆してございます。この点、御了承をいただけますと幸いです。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 伊藤委員、よろしいでしょうか。
 それでは、次に移りたいと思います。
 障害者政策委員会における第3次障害者基本計画の実施状況の監視について、今後の議論の進め方に関する意見交換を行いたいと思います。
 まず、資料について事務局から御説明をいただきます。

○加藤参事官 それでは、事務局でございます。
 お手元の資料「障害者政策委員会における第3次障害者基本計画の実施状況の監視について(案)」に基づいて御説明申し上げます。
 1ページ目でございますが、「1.基本的な考え方」の(1)障害者権利条約に基づく政府報告の提出等をにらみ、第3次障害者基本計画の実施状況の監視を行う。監視は、分野別施策の基本的方向等に沿って行い、「議論の整理」としてまとめる。なお、平成27年度は、第3次基本計画の実施期間の中間年に当たるため、その時点において収集可能なデータに基づいて監視を行うものであり、第3次基本計画の最終的な監視ではない。
 (2)としまして、権利条約に基づく政府報告の作成に当たっては、第3次基本計画の実施状況の監視を通じて、当委員会から意見を聴取し、反映する。
 (3)監視を行うに当たってはというところで、ここは前回の政策委員会の中で御議論、御意見のあったところを十分反映させたところでありまして、①としまして重複障害、発達障害、新たに法律で位置づけられた「難病」という分野にも十分留意し、また、女性・子供・高齢化といった横断的な視点にも立って行う。
 ②としまして、可能な限り、地域における障害者を取り巻く状況の差異という視点も踏まえて行う。
 (4)としまして、特に、議論を深めるべきテーマについては、別途、ワーキング・セッションを開催して議論し、その成果を「議論の整理(たたき台)」として取りまとめ、委員会での議論の基礎とする。
 2ページ目「2.ワーキング・セッションの開催について」でございます。
 (1)政策委員会の委員は、いずれのセッションにも自由に参加できる。原則として、政策委員会の委員の皆様にはいずれのセッションにも参加していただくということでございます。
 (2)各ワーキング・セッションには、政策委員会の委員から3名前後のコーディネーターを選び、議論に御参加いただく有識者、精神障害・知的障害のある御本人などの参考人(3名以内)の候補を推薦していただくとともに、当日の司会進行について一任する。
 (3)各ワーキング・セッションは、その成果を「議論の整理(たたき台)」として作成、委員会へ報告し、委員会において議論の上、取りまとめにつなげる。
 (4)ワーキング・セッションの時間は、各回2時間とし、開催回数は、各ワーキング・セッションにつき1~2回とする。
 下に書いてありますのは、2回を前提にした場合でございますけれども、第1回目には、最初、関係省庁の説明15分程度、参考人からのヒアリング、その後、質疑応答、意見交換。2回目があるとすれば、2回目のところは意見交換を重ね、「議論の整理(たたき台)」を作成ということでございます。
 そして、その下にテーマ及びコーディネーターと書いてありますが、ここは前回、この委員会の中で出た御意見、その後、当日御欠席であった委員からも意見を提出いただいたところを大体網羅的にまとめたものでございます。
 テーマ及びコーディネーターということで、ワーキング・セッションⅠとしまして、成年後見制度も含めた意思決定支援など、ここは障害者基本計画の重点分野の1と8に当たるところでございまして、ここはコーディネーターとして事務局の案では田中委員、玉木委員、野澤委員。
 ワーキング・セッションIIでございますが、精神障害者の地域移行の支援などということで、ここは重点政策分野の2のところに該当しますが、コーディネーターとしまして上野委員、川﨑委員、平川委員。
 ワーキング・セッションIIIでは、インクルーシブ教育システムと雇用の分野ということで、ここは重点分野の3と4に当たるところでございまして、コーディネーターとして佐藤委員、柘植委員、辻井委員。
 ワーキング・セッションⅣとしまして、情報アクセシビリティということで、ここは基本計画の6のところでございますが、コーディネーターとして石野委員、門川委員、竹下委員を予定しております。
 このところにつきましては事務局の案でございまして、名前の挙がっておられる方々には事前に御相談をするとかしておりませんので、ここも含めて御議論いただければと思っております。
 3ページ目でございますが、「3.スケジュールについて」ということでございまして、4月17日、本日でございますが、第20回政策委員会で今後の議論の進め方案について御議論いただいて、委員会終了後のワーキング・セッションのコーディネーターにおかれましては、①4月24日の金曜日、来週の金曜日でございますが、有識者、精神障害・知的障害のある御本人などの参考人(3名以内)の候補を推薦していただき、それを受けて、事務局におきまして石川委員長とも御相談の上、調整させていただく。
 ②としまして、当日の議事の運び方について検討・決定いただき、当日の議事進行を行っていただくということを考えております。
 ワーキング・セッションの日程セットでありますとか関係省庁提出資料の取りまとめにつきましては、事務局が行うということでございます。
 そして、それ以降のスケジュールでございますが、左側半分に5月29日金曜日としまして、第21回政策委員会。このときには、ロン・マッカラムさん、前国連障害者権利委員会の委員長にお越しいただいて基調講演をしていただくということでございまして、その後、基本計画の分野別施策につきまして逐次御議論いただくということで、5月20日は「1.生活支援」「2.保健・医療」「3.教育、文化芸術活動・スポーツ等」、ここの該当するところでワーキング・セッションで扱うテーマを除きまして御議論いただくのかなと。そして、御議論終了後、事務局におきまして「議論の整理案」を作成する。
 同時並行的に右側でございますが、ワーキング・セッションを進めていきたいということでございまして、5月中下旬に予定しておりますが、ワーキング・セッションⅠ、II、III、Ⅳと進めていきたいと思っております。
 1回で終了するワーキング・セッションの場合は、その終了後、事務局におきまして、各ワーキング・セッションの「議論の整理(たたき台)」というのを作成していきますし、その都度、コーディネーターによる確認をしていただくということでございます。
 その後でございますが、4ページ、左側は政策委員会の動きでございまして、6月中旬に第22回の政策委員会を予定しておりまして、残りの分野、5、7、8、9、10、「Ⅳ 推進体制」を御議論いただいて、終了後、事務局において議論の整理案を作成するということでございます。
 「8.差別の解消及び権利擁護の推進」のところでもワーキング・セッションで扱うテーマを除くということでございます。ここも同時並行的に6月の上旬からでございますが、右側になりますが、ワーキング・セッション、もし2回目をやるとすれば、ここのところでワーキング・セッションⅠ~Ⅳまでそれぞれ2回目をやる。そして、セッションが終わった時点で、終了後、事務局において各ワーキング・セッションの「議論の整理(たたき台)」というのを作成して、コーディネーターによる確認を受ける。
 そして、7月の上旬、23回の政策委員会で各ワーキング・セッションから議論の概要の報告「議論の整理(たたき台)」の提示をしていただく。それらをもとにして意見交換ということをしていただいて、終了後、事務局におきまして議論の整理、たたき台に修文、追加等を行い、議論の整理案というのにまとめていくということでございます。
 そして、8月上旬ごろに第24回政策委員会ということで、改めて、ここは基本計画の10分野プラス「Ⅳ 推進体制」を含めてですけれども、全分野にわたる再度の議論をしていただいて「議論の整理(全体版)」というのを取りまとめていただく。
 8月の下旬、9月の下旬ごろに25回、26回の政策委員会を開催しまして、外務省から政府報告案の提示、まとめていただいた「議論の整理(全体版)」にのっとりまして議論をしていただく。それらを8月下旬と9月下旬、25回、26回でしていただきまして、9月の下旬には政府報告案の取りまとめを行う。そんな流れで考えているところでございます。
 事務局からは以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、1つずつ委員会として議論していきたいと思いますが、まず最初に、「1.基本的な考え方」につきまして、各委員から御意見や御質問等をいただきたいと思います。意見、御質問のある委員は挙手をお願いいたします。
 それでは、竹下委員、お願いします。

○竹下委員 竹下です。
 2点について、要望と質問とが混じった形でお願いします。
 1点目は、この基本的考え方に沿って進めること自身に大きな批判や意見があるわけではありませんが、抜けているのではないかということが気になります。外務省から参考資料として出ております報告書のための留意事項があるわけですけれども、それの13条のところで司法を取り上げているわけですが、権利条約13条の内容に沿って司法の手続における機会の保障、その中で例えば民事訴訟法、刑事訴訟法も関係法律として挙げているわけであります。現に、司法の場における手続の機会を詳細に定める部分は民事訴訟法規則であったり、刑事訴訟法規則という最高裁の司法行政によって行われている部分で大半が進められております。
 しかし、この部分についてのヒアリングの機会が全くないとすれば、結局、監視機関において外務省が報告する際に、そうした司法手続における国民の司法手続の保障がどうなっているかわからないままの報告になってしまうということになりかねません。監視がされたことにならないと思っています。三権分立の点からの配慮が必要かとは思いますが、何らかの形で司法行政における裁判を受ける機会の保障あるいは手続的配慮がどうなっているかについてのヒアリングの機会が与えられるべきだろうと思っています。
 2点目は、地方公共団体であります。障害者基本計画のIIIの「6.情報アクセシビリティ」の(3)のところに地方公共団体のことが触れられているわけでありますが、現に地方公共団体において最も地域生活に身近なところで障害者に対する情報保障がどのように今進展してきたかについての報告がないままでは、この点についての基本計画に基づく監視が行われたことにはならないのではないかということを懸念しております。この2点について要望と質問を兼ねて発言させていただきます。  以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 松森委員からも手が挙がっておりましたので、松森委員にも御発言いただいて、その後、先ほどの竹下委員の質問に答えていただきます。
 では、松森委員、お願いします。

○松森委員 松森でございます。
 私からは2つ。
 まず、1つ目は、発言のタイミングを逃す前に言っておきたいのですけれども、今後の政策委員会及びワーキング・セッションが短期間で開催されていくに当たって、進め方について1つ御提案があります。
 会議の資料が事前に送られてきますけれども、できるだけ早めにお送りしていただきたいのです。委員会に参加する以上、しっかりと資料を読み込んで準備したいからです。今回のように前日に配付されても仕事の都合上読めない場合とかもありますし、また、私のように障害のある委員にとっては、読み込むということ自体に時間がかかる場合もあります。ですから、事務局としても、御準備はとても大変だと思うのですけれども、今後はできるだけ早めにお願いしたいという提案です。
 2つ目、質問になります。資料の基本的な考え方の(3)監視を行うに当たって、重複障害、発達障害、新たに法律で位置づけられた難病という分野にも十分留意し、また、女性・子供・高齢化といった横断的な視点に立って行うと書いてあります。障害のある女性という立場から質問ですけれども、障害女性のように差別の分野にかかわる横断的な課題はどのように取り上げるのでしょうか。障害女性の課題についての参考人ヒアリングはどういう形で持つのでしょうか。全体の場で、もしくは4つのワーキング・セッション全てで障害女性の意見を聞く必要があると思います。現在、この委員の中には、障害のある女性は2人です。そうすると、4つのワーキンググループのうち、障害女性当事者がいないグループが2つできてしまう可能性もあると思うのです。ですから、そこに参考人として障害女性を入れるなど対応する必要があるのではないかと思いました。
 以上です。

○石川委員長 松森委員、ありがとうございました。
 あと石野委員までで1回切らせてください。
 石野委員、どうぞ。

○石野委員 石野でございます。
 情報アクセシビリティについては、先ほど竹下様からも発言がありましたので、省きます。前回の会議を欠席いたしましたが、初歩的な質問になり申しわけございません。第1回目は非常に重要だと認識をしています。1回目と2回目の報告との期間はどのぐらいかお伺いします。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、幾つか御質問あるいは御意見が出ましたので、竹下委員からの御質問、この国内監視の枠組みにかかわる大変深い問題だと思いますが、即答可能でしょうか。
 中島審議官、お願いします。

○中島審議官 ありがとうございます。
 運営の仕方についてですが、最終的にきょう進め方をお決めいただくわけでございまして、パート2のいわゆるワーキング・セッションにおける論点をとりあえずは4つのセッションにさせていただいたわけですが、ここでも御意見をいただいた上で最終的にどういう形の落ちつき方にさせていくのかということは、また改めて御議論いただければと思っておりますけれども、竹下委員のほうからお話のありました司法手続等についてきちっと話を聞いて進めるべきだという点については、本政策委員会でその司法手続関係、関連の方の参考人をお呼びしてお話を聞くというやり方もあるかもしれませんし、場合によっては、新たにセッションを1つ設けてやるというやり方もあるかもしれません。ただ、結構タイトなスケジュールでありますので、ワーキング・セッション4つで2回、1カ月の間に流していくというところで、竹下先生の強い御意向があれば5つということもあり得ますが、私などが思うのは、6月中旬の第22回の政策委員会のときに竹下先生のほうから御推薦いただいた参考人の方に来ていただいて、プレゼンをしていただいて、それも踏まえて御議論いただくというやり方もあるかなと思っています。
 松森委員の女性の視点というのは確かにおっしゃるとおりだと思っていまして、ただ、これもワーキング・セッションのテーマとして女性ということで、また5つ目なり6つ目を置くのかという御議論とともに、7月上旬、8月上旬、特に8月上旬なわけですけれども、7月上旬は加藤参事官から御説明させていただいたように、ワーキング・セッションでの議論の成果を踏まえて、このワーキング・セッションのテーマについて政策委員会、親委員で議論していただく。そして、8月上旬には改めてワーキング・セッションでの議論で7月上旬にしていただいた議論と、言葉が悪いのですけれども、5月、6月に片づけさせていただいていた議論も合わせて議論をいただくということなので、そういうところで改めて女性にという観点から参考人も来ていただいて御意見も聞きながら、そういう目で全ての議論の整理といったものを点検していくというやり方もあるのかなと思っておりまして、適宜、竹下委員、松森委員の御意見については、政策委員会のしかるべき段階でオブザーバーを呼んで、そういう点に留意して特に議論をする時間を設けるというやり方なのか、いやいや、そんな甘いことではだめだと、やはりセッションを置いて、5つ、6つぐらいは置いて、この5月、6月に集中的にやっていくということのほうがいいのかということも御議論いただければと思っています。
 ただ、事務方としては、5月、6月、親委員会は4時間コースでやることになりますが、それと別にワーキング・セッションを2時間コースのものを4回やっていくということになっていくので、かなりタイトなのかなと思っておりまして、ワーキング・セッションというのは4つぐらいがぎりぎりなのかなと思って、とりあえず整理をさせていただきましたが、いやいやそれでは甘いと、5つ、6つぐらいはやるべきだということであれば、改めて会場の手配等もございますので考えさせていただきますが、そこら辺も含めて御議論いただければと思います。

○石川委員長 ありがとうございました。
 繰り返しになるかもしれませんけれども、基本計画というのは行政府が取り組む施策についての計画ということで、その監視と権利条約の国内実施の監視というのは、完全に一致するわけではなくて、後者は国家機関全体が取り組む実施にかかわることで、政府報告もまたそれを報告するということが求められていると思いますが、外務省のほうとして、司法府や立法府の国内実施についても情報を集約して報告書をおまとめになるというようなお考えでいらっしゃるのか。政策委員会としてどこまでの役割を担うべきなのかということも含めて、外務省の御意見ももし伺えればと思うのです。

○中野人権人道課課長補佐 外務省の中野でございます。
 今、御指摘いただきました点は、立法府、司法府、地方自治体についての現状についてどのように報告書に反映させていくかという御指摘だったと思いますけれども、今のところ我々で考えておりますのは、立法府の状況については、各法律の主管官庁を通じて、また、司法府の状況については、ほかの条約体でも同じように対応しておりますが、法務省を通じて、それから地方自治体については内閣府の御協力をいただきながら情報を収集するということで検討しております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 もう一点、先ほど石野委員からありました第2回報告についてなのですけれども、まだ第1回報告の準備を始めようとしているときではありますけれども、第1回報告の後の第2回報告というのは、本来はたしか4年後のはずですけれども、そうなりますでしょうか。

○中野人権人道課課長補佐 外務省の中野でございます。
 第2回以降の報告については、条約の35条に、4年ごとに報告を提出する旨記載されております。他方、最近の傾向では、未審査の報告書が山積しており、例えば第2回、第3回の合同報告書、第4回、第5回の合同報告書という形で提出を求められることが多くなっております。ですので、現時点で考えられるのは、4年から8年の間のいずれかの間に、第2回あるいは第2回、第3回の報告書の提出を求められるのではないかと思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 竹下委員、先ほどの御質問に対して中島審議官及び中野課長補佐からございましたけれども。

○竹下委員 竹下です。
 どうもありがとうございました。今の中島審議官と外務省のお話を聞いて、両方ともごもっともだと率直に思います。その上での私のほうの意見としましては、確かに司法の中にあっても民事手続を中心とした司法の分野につきましては、法務省を通じて対応できるのか、それとも直接最高裁の事務総局からそういう司法行政の部分のヒアリングが必要なのかについて私は断定できませんが、一定の配慮をしながら、そこはぜひお願いしたいということになりますし、この政策委員会におきましては、私は個人的には1つのセッションを設けてほしいと思うわけですが、中島審議官の言うとおり、この時期にはなかなか困難だと思うことからすれば、最低、司法の関係者からのヒアリングが全体のところで一度機会が与えられることによって、一定の問題点が整理できる、あるいは進展状況を把握できるのではないかと思っております。  以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 思い起こせば、基本計画について意見をまとめている際に、国立国会図書館からグッドプラクティスという位置づけでヒアリングをさせていただいたという経緯があります。国立の図書館というのは多くの国で情報アクセシビリティ、読書バリアフリーの分野で大きな貢献をしているわけですけれども、日本の場合はアメリカなどと同じように、立法府に国立の図書館を設置しているという関係もあって、基本計画の中で国会図書館としての取り組みについて政策委員会として意見を述べるということはできなかったわけですけれども、グッドプラクティスという形でお考え、計画等をお聞きしたということがあるので、何がしか工夫の余地はあるのではないかとも思いますので、このあたりにつきましては、また事務局と御相談させていただくという、預からせていただくということで竹下委員、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 この基本的な考え方について、ほかに何か御意見、御質問はございますでしょうか。
 では、阿部委員、お願いします。

○阿部委員 日身連の阿部です。
 確認なのですけれども、まず、今回の報告はその時点において収集可能なデータに基づいて監視するということは、今の状況からいってしかたがないことだと思います。ただし、その次の2次、3次ということがありますので、そのことを考えながら監視を行うに当たっては女性、子供、高齢化ということに着目していくべきだと思います。従来の持っていた統計、31条に統計が大事だということが記されておりますので、課題として残るものについては、統計のこれまでのとり方を変え、やはりこれから先のことで課題となることが残ることであれば、それもしっかり報告書に記す必要があります。そして、なるべく早い時期から、新たな視点からの統計をとる調査項目等について、年齢とか地域とかというのも御検討いただくようにお願いしたいと思います。
 要望です。

○石川委員長 ありがとうございました。要望ということで受けとめさせていただきたいと思います。
 それでは、花井委員、お願いします。

○花井委員 1つ、質問と要望なのですが、質問は、2ページの一番上の(2)のところです。ワーキング・セッションには、政策委員会の委員から3名出て。

○石川委員長 花井委員、済みません。今、1なので、次にワーキング・セッションについてやりますので。

○花井委員 では、1の関係で要望を述べさせていただきたいと思います。
 今、統計のとり方について意見が出されておりましたが、私も以前、男女別にとれないものだろうかということを述べたことがあります。女性の障害といったときに、例えば雇用者数を見たときに男女別が見当たらないということがあります。ぜひともそういうことを御検討いただきたいと思います。
 要望です。

○石川委員長 ありがとうございました。統計は権利条約の31条でも取り上げられておりまして、規定されておりまして、大変重要かと思います。ワーキング・セッションという形でこれについてというのはなかなか難しいかと思いますが、親委員会のほうで障害統計の現状、今後のあり方について有識者からお話を伺うみたいな工夫というのはあり得るでしょうかということについて、審議官、お願いします。

○中島審議官 まず、1つは、統計については既存のデータを可能な限り御提示をするということですが、恐らく、もっときめ細かく見ていかなければいけないということがありますので、まさに、この政策委員会でやっていただく業務の柱の一つは、今後こういうような形で実態把握をしていくべきだと、現状はこうなっているけれども、今後はこういうことで政府としてやってもらわなくてはいけないということを意見としてまとめていただいて、それを政府として努力していくということが大きな役割ですので、大いに御意見をいただければと思います。そのために議論を整理していく、または有識者から意見を聞く必要があるということであれば、セッションというのが無理であれば、この政策委員会の場で御推薦いただいて、御意見をいただいて、ある程度議論を整理していただいて、さらにここで委員の皆さんに御意見をいただいてまとめていくというやり方も効率的なやり方かなと思ってございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、まだ御意見、御質問あるかと思いますが、済みません、時間の関係で、次の2つ目にいかせていただきます。
 「ワーキング・セッションの開催について」について議論していきたいと思います。これに関しまして委員から御意見、御質問を受けたいと思います。挙手をお願いいたします。
 それでは、先ほど花井委員、とめさせていただきましたので、まず花井委員からお願いします。

○花井委員 2ページの一番上のところですが、(1)のところです。政策委員会の委員は、いずれのセッションにも自由に参加できる。この自由に参加できるという意味がよくわからないので教えていただきたいと思います。といいますのは、ワークセッションに各3名ずつが参加して、その3名が有識者を3名推薦するという理解でいいのかどうなのかも確認いただきたいのですが、そうすると、このワークセッションに名前が挙がっていないほかの委員の方たちが例えば自由に参加できるといった場合、その自由という意味合いが、セッションⅠのところが開かれていたら、そこに自由に入っていいという意味なのか、登録することなのか、あるいはあらかじめ参加の意思表示をするのか。それから、自由に参加したための意見の反映の保障とか、どのように考えればいいのかを教えていただきたいと思います。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、これにつきまして事務局からお願いいたします。

○中島審議官 基本的にはここをワーキング・セッションにさせていただいたのは、4つの中でどのセッションに参加を希望されますかということで、はっきりメンバーを決めてやっていくというやり方もあるかとは思うのですが、そうなると全部に入りたいというパターンもあり得るし、いやいや、我々、この障害特性からいくと特にここだけはというところもあると思いますので、そこの御判断を基本的に委員の皆様方の御都合及び御意向を踏まえてお決めいただければということでございます。
 基本的には、こういうテーマが重要だと御指摘いただいた委員の方中心に議事進行もしていただき、そして、そこでお招きする有識者、またはこの会議で特に御意見の強かった知的精神の当事者の方も御推薦いただいて、委員長とも調整させていただいて、少なくともコーディネーター3名、そして意見陳述という形でお招きする方3名以内という形にして、そして、その都度出席の打診はさせていただきますので、当然情報保障もさせていただきますし、こういう形で設営もさせていただいて、そして、そこでいただいた御意見というものは議論の取りまとめのたたき台の中に反映をさせていただくという形でやらせていただくということで、自由にフレキシブルな形で委員の御都合、御意向を踏まえて参加できる形態、しかし、コアの部分というものは、コーディネーター3名、そして、そのコーディネーターによる御推薦の意見陳述の方という形で展開していければという形で考えているというところでございます。

○石川委員長 花井委員、どうぞ。

○花井委員 確認ですが、そうしますと、決してここに名前が挙がっている方がだめということではなくて、3名の方をコアメンバーとして、その12名以外の方は、例えば第Ⅰ、第IIが何月何日にありますというときには、そこは希望して参加することができると捉えてよろしいでしょうか。

○中島審議官 あくまでコーディネーターですので、コアメンバーではないので、失礼なのですけれども、お世話係と御理解いただければいいので、この3名の方とそれ以外の方に何か発言の重みに差が出ることはなくて、このセッションを設営したりアドバイスしていただく方としてであって、コアと非コアという形で参加者を区別するニュアンスではないという理解をしていただければありがたいです。

○石川委員長 よろしいでしょうか。自由に参加ということですが、参加しないという選択はありますか。少なくともワーキンググループ1つ以上にはぜひ皆さん参加していただきたいと思いますが、それは当たり前。
 花井委員、どうぞ。

○花井委員 そうしますと、ほかの委員は必ず1つないし2つ参加してくださいというのか、あるいはそれを求めないで、自分が非常に関心のあるところに、自由に参加してくださいという位置づけなのか、そこを明確にしていただきたい。

○中島審議官 加藤参事官のほうから説明させていただいたのですが、このワーキング・セッションで取り上げさせていただく、特に議論を深掘しなければいけないテーマについては改めてこの親委員会でも二度にわたって御議論いただくことにしているわけです。7月上旬にワーキング・セッションでの成果をここで御提示して、そこで御意見もいただき、そして8月上旬、全てをもう一遍やっていただくということですので、そこは委員の御意向で、ワーキング・セッションには出ないのだけれども、この7月なり8月の段階で、この親委員会できちっと意見を言うというスタンスにお立ちの場合は、ワーキング・セッションはお任せしますというスタンスもおありかと思いますし、いやいやと、全て重要だと思うので、私はワーキング・セッションの段階からきちっと意見を言うという御判断もあるかなと思っています。
 いずれにせよ、親委員会で、このワーキング・セッションを設けたテーマについてもしっかり御意見を言っていただく機会というのは2回保障されているという理解で我々はおります。

○石川委員長 よろしいですね。
 それでは、大濱委員、お願いします。

○大濱委員 大濱です。ありがとうございます。
 ワーキング・セッションのテーマのうち地域移行に関しては、確かに精神障害者の社会的入院7万人の退院促進など従来の目標が絵空事になっていて、全く遅々として進んでいないのは事実でして、精神障害者の地域移行は当然だと思います。ですが、それ以外にも、重度重複の心身障害の子供たちや、重度の全身性障害者についても、地域移行に大きな問題があります。地域に事業所がなくて生活できないとか、地域間格差が非常に大きいとか、かなり重要な問題を含んでいると思います。ですから、このワーキング・セッションでは、精神障害者だけに限らず、重度重複の心身障害など、地域移行に係る問題をもう少し広く扱っていただくことと、ヒアリングでもその分野の参考人を呼んでいただくことをお願いしたいと思います。

○石川委員長 要望として承りたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、田中委員、お願いします。

○田中委員 育成会連合会の田中です。
 きょうは所用がありまして、この発言をもって退席させていただくことを御容赦いただきたいということでよろしくお願いします。
 コーディネーターの役割として、意思決定支援を含めた成年後見と差別の解消及び権利擁護の推進という枠をいただいたことをお引き受けする前提で発言させていただきたいと思います。
 意思決定支援は、諸外国の権利条約の報告書などを見ても、成年後見をかなり否定する形で進んでいますけれども、これについて成年後見制度は障害分野だけではなくて、高齢者のほうにも強く影響を与えている枠組みになっていますので、その流れも含めて、そして、意思決定支援そのものに関して、厚生労働省からの推進事業の補助金を得て当会のほうで2年にわたり諸外国の研究などを進めていますけれども、我が国においての対応は、まだタワーの建設などで言うと、途中の状態でまだ全容すら見えていないような状況もありますので、この時期にワーキング・セッションを用意するということで、議論が多分白熱するとは思いますけれども、それを前提に引き受けるということで状況説明も含めてさせていただければということで意見表明させていただきました。
 以上です。

○石川委員長 資料も御提供いただきまして、ありがとうございます。次回以降の議論の中で議論を深めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 河井委員、お願いします。

○河井委員 ありがとうございます。全肢連の河井です。
 質問です。セッションには、政策委員会の委員はいずれも自由に参加できるということですが、その際に、代理出席が可能なのかどうかということと、あと日程は今4つ提案されているのですけれども、それは全部別々の日程で調整されるのかどうかということ。
 この理由は、先ほど大濱委員もおっしゃいましたけれども、重度重複、しかも医療的なものがある人間は、いろんな面でさまざま困難を抱えているのですが、対象となる人数が少ないがゆえに、統計データの中になかなか出てこないような課題点もたくさんありますので、そういったところを例えば各省庁の報告の中で質問させていただくとか、そういった意見を述べるとかといった機会をいただきたいと考えておりますので、そのような質問をさせていただきました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。日程ですね。同日開催なのかどうなのかということと、あと代理出席の方につきまして、事務局よりお願いいたします。

○加藤参事官 代理出席につきましては、各委員それぞれ有識者ということで、委員に就任していただいていますので、そこはまことに申しわけありませんけれども、特に団体からの枠、例えば知事会であるとか市長会とかという枠でない限りは原則御本人に御出席いただきたいと思います。ただし、当然、公開でやってまいりますし、情報提供も、あるいは資料も十分事前にお送りする手配はしたいと思っています。
 日程につきましても、このワーキング・セッション、例えば午前と午後と2つやるのか、あるいは午後2つ、あるいは4日間に分けてやるのか、そこもまた御相談かと思っております。

○石川委員長 ありがとうございました。
 ダブルトラックで同時並行的に開催することだけはないという理解でよろしいですね。

○加藤参事官 基本的にダブルトラックですと、どちらかにしか委員が御出席にならないということになりますので、それは今のところ考えていなくて、4つをばらばらに、そして御都合の合うところに出ていただく。ありていに申し上げれば、全部に出ていただいても差し支えないということで考えております。

○石川委員長 それは痛しかゆしというか。事務局は、さはさりながら全員出席が必要ですし、多分、三浦委員長代理と私はそのつもりですが、可能な範囲で、かつ効率的にということでお願いできればと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。
 大日方委員、お願いします。

○大日方委員 大日方です。
 テーマの設定について、ここで申し上げてもいいでしょうか。提案しても大丈夫ですか。

○石川委員長 はい。ワーキング・セッションのあり方というか、進め方についてということなので、お願いします。

○大日方委員 ワーキング・セッション、今、御提案いただいているものですと、ワーキング・セッションIIIにインクルーシブ教育システム、雇用などということで、このIIIに雇用及び教育に関する2つのテーマを入れてありますけれども、こちらは少し分量が多いかなと懸念をしています。インクルーシブの教育のこと、そして、雇用のこと、いずれも重要なことですので、セッションを分けるということは、事務方の負担を考えますと少し心苦しいのですが、やはりここ2回の中でまとめていくことを考えますと、2つを分けるのはいかがかなと思い、御提案したいと思います。お願いします。

○石川委員長 既に4つのワーキング・セッションがありまして、先ほど来、5つ、6つというのは困難であるというお話もありましたが、一応念のため事務局からお願いします。

○中島審議官 ワーキング・セッション、午前、午後とかという形でセットして、長丁場になって申しわけない部分がありますが、例えばIIIのところのワーキング・セッションのボリュームが多いということであれば、1回の開催時間を2時間ということで予定するのではなくて、2時間半か3時間という形であらかじめセットしていただいて、それをダブルで延べ6時間という形で2つのテーマをやっていくということは、やり方としては効率的だと思っております。別途雇用だけを切ってセッションを5つに増やすというのはなかなか厳しいのかなというのが先ほどから申し上げている事務局としての感想でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 大日方委員、どうぞ。

○大日方委員 そもそもそれであればお聞きしたいのですが、教育システムと雇用を一緒にした意味を教えていただけますか。恐らく、その2つを一緒にしたほうがいいという事務局からの御提案だと思いますので、そこの御説明をお願いします。

○中島審議官 私の記憶では、教育についてやるべきだという御意見は複数出ていたと思います。それから、雇用については、お一人からだったと思うわけです。最初は、雇用については事務局として内々考えていたのは、セッションとして特段取り上げることはないのかなと思っていたわけですが、やはり御意見いただいて、そして、雇用が進んでいる部分は大いにあるわけですけれども、課題もあるだろうということで、セッション4つを前提にしておいて、どことコンビネーションにするのかというときに、教育及び雇用という形でやったので、論理的に必然性があるセットではございません。

○石川委員長 若干補足させていただきますと、まず、教育と雇用というのはキャリア支援という形で連続的な支援が必要であるという、教育は教育、雇用は雇用というわけでは必ずしもない。所管している役所は違っていても、障害当事者の立場に立てば、これらは連続的なものとしてあって、それが切れ目なくきちんとつながっているということが大事なので、そういう観点からの監視も必要かなと思いますので、この枠組みはそういう趣旨も事務局のほうで御配慮いただいたのではないかと思います。
 もう一点は、どういうテーマについて重点的に審議したらよいかということに関して、委員の御意見を伺ったわけですけれども、それは各委員が特にこれまで関心を持って取り組んでこられている分野が中心になる。そこは言いかえれば、親委員会だけでも十分対応できるような分野でもある、それだけ委員に専門家がそろっているということでもあります。一方、本来的には重要だけれども、余り委員からこれをやるべきだと出なかった分野というのは、むしろそういう分野こそ補強が必要といいますか、外部の有識者であるとか、ヒアリングを通してそれを強化していかないと、当委員会としてモニタリングの責任も果たせないということもあって、雇用はそのような分野としてあるのではないかということで、ワーキング・セッションIIIでしたか、教育と雇用という一本のワーキング・セッションの中に教育と雇用と入れて進めていくという原案になっているかと思います。

○大日向委員 ありがとうございました。

○石川委員長 柘植委員、お願いします。

○柘植委員 筑波大学の柘植でございます。前回は大学の業務で欠席をいたしました。失礼いたしました。
 ワーキング・セッションの進め方について確認をしたいと思います。私は、今まさに話題になりました雇用のところのコーディネーターと名前が入っているのですが、1ページ前の基本的な考え方の(3)の②のところ、可能な限り、地域における障害者を取り巻く状況の差異という視点も踏まえて行うという、監視についての留意事項なのですが、教育、雇用だけでなくほかのセッションもそうかと思いますが、地域によって進捗状況は非常に差があるということなのです。できる限りそれを網羅して、それも踏まえて監視を行うようにというセッションへの依頼なのですけれども、これは例えば関係省庁の説明が最初15分ぐらいあるとか、あるいはその後、参考人からのヒアリング等、このメンバーもそうなのですが、少し意図的にその辺の視点も踏まえての議論をしていかないと、ここまでできている、できていないという、よく見たらそうでもないというものもある。そこを大事に議論していけたらいいなと思います。
 以上です。

○石川委員長 御意見ありがとうございます。おっしゃるとおりかと思いますので、次回以降、進め方の中で工夫していきたいと思います。ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。大濱委員。大濱委員で最後としまして、前半の休憩に入りたいと思います。

○大濱委員 最後の発言ですので改めて申し上げます。本音を言えば第Ⅴセッションを設けていただきたいという気持ちがあります。たとえば重症心身障害児・者の問題など、日本はかなり独特な方向を歩んでいて、今でも親が抱え込んでいるのが現状です。これに対して、海外などを見ると、重症心身障害児・者を切り捨てていくような風潮があります。同様に、海外では重度のALSの人たちも生きていけないような風潮がありますが、逆に日本ではALSでもきちんと生きていけるような支援をしようというようなスタンスがります。このように、重度の障害があっても地域で生きていける体制づくりという課題は、非常に重要だと思っています。したがって、地域移行に関して非常に遅れている精神障害者のほかに、できればもう1つ、重症心身障害児・者やALS患者などの重度障害者のセッションをつくって、日本の現状とこれからの方向性について議論していただければと考えています。難しければ諦めます

○石川委員長 お願いします。

○中島審議官 休憩時間に委員長と相談をさせていただきます。御指摘ごもっともで、障害福祉というのは地域移行というものを基本にやっていかなければならないわけで、大濱委員のおっしゃるように重身の方をはじめとするということです。
 休憩のときに加藤参事官、委員長とも相談をして、ワーキング・セッションのIIのところで精神障害者の地域移行というのは、我々としては精神障害者に特化して書いたつもりはなくて、精神障害者等にしようかと思ったのですが、1つは精神医療のあり方自体の話もあるし、特に精神障害者については地域移行というものが大きく遅れているという指摘があるというところもありますので、休憩のときに相談をさせていただいて、諦めていただくのかどうかということも含めて休憩のときにします。
 少なくとも地域移行が進まないというところの大きな理由としてはいろいろあって、当然住まい等々もあるわけですけれども、いわゆる医療ケアが必要な方というところが特に地域移行を進めていく際のネックになるということでありますので、そういう観点からも、ワーキング・セッションのIIの持ち方というのを工夫できるのかどうかということを、休憩時に委員長の御意見も伺ってお返事させてください。

○大濱委員 なぜあえてここでそれを申し上げたかというと、日本というよりも特に海外において、尊厳死の問題が絡んでいるからです。医療的ケアが必要な人たちの地域生活が難しくなるような風潮が海外で強まっているのは非常に危険だと思っています。やはり重度の障害があっても地域で生活できるということは大事な切り口であり、これを落としてはいけないと私たちは思っています。そういう意味合いで申し上げています。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、ここで一旦休憩させていただきます。再開は3時15分ということでお願いいたします。

(休  憩)

○石川委員長 さきほどの大濱委員からのご提案について事務局のほうからお願いいたします。

○加藤参事官 ワーキング・セッションIIのところでございますが、精神障害者の地域移行の支援などというところを精神障害者・医療ケアを必要とする重度障害者等の地域移行の支援などと改めさせていただきまして、その下に書いてありました「2.保健・医療」というところも「1.生活支援」「2.保健・医療」「5.生活環境」というところの該当する施策も踏まえて御議論いただきたいと考えております。
 そして、コーディネーターにつきましても、上野委員、川﨑委員、平川委員に加えまして、大濱委員もコーディネーターになっていただければと思っております。石川委員長とも御相談して、事務局の案でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 これにつきましてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、大濱委員もよろしくお願いいたします。
 それから、続きまして、先ほど前半のほうで1と2について御議論いただいたわけですけれども、まだこれにつきまして言い残していること、聞き残していることがございましたら挙手をいただきたいと思います。
 伊藤委員、お願いします。

○伊藤委員 日本難病・疾病団体協議会の伊藤です。
 実はお知らせいただいた事前の議案書のほうについてタブレットで開けなかったものですから、済みません、十分に検討しないままきょう来てしまいました。
 その中で、資料につきましても難病という分野にも十分留意という項目を入れていただきましたし、参考資料にあります第1回政府報告の留意点の骨子につきましても、第25条に「難病法等の」というように入れていただきまして、大変ありがとうございました。
 ただ、比べていきますと、第19条のところに、同じように各法律が書かれているわけですけれども、ここのところにだけ難病が入っていないのもいかがかと、入れていただけないかというお願いです。というのは、難病法の理念は、難病があっても地域社会で尊厳を持って生活していくことができる共生社会を目指すというのが難病法の目的であり、基本理念なものですから、地域社会でどう生きていくかということも非常に重要な項目ですので、今さらながら、おくれてこういう質問をするのも、お願いするのも大変申しわけありませんけれども、第19条にも入れていただけることを御検討いただけないかということをお願いさせていただきます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 先ほどワーキング・セッションのところで大濱委員などから御提案があって修正をしたところですけれども、これについてはいかがでしょうか。
 外務省のほうからお願いします。

○中野人権人道課課長補佐 恐れ入ります。外務省の中野でございます。
 今、御指摘いただきました点については、関係省庁と再度協議をしたいと思いますので、しばらくお時間をいただければと思います。よろしくお願いします。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 DPI日本会議の佐藤です。ありがとうございます。
 ワーキング・セッションIIIのところ、コーディネーターの名前を入れていただいてありがとうございます。先ほど大日方委員からも意見がありましたけれども、教育と雇用という、少し範囲が広いですので、参考人も3名以内ということなのですが、少しこの分野はそれぞれ大きい課題ですので、参考人を少しふやしていただきたいということと、中島審議官から御提案があったように、時間も少し長めにしていただけたらと思っています。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 これについては、事務局と調整というか、相談させていただくという形で受けとめさせていただきたいと思いますが、佐藤委員、よろしいでしょうか。

○佐藤委員 はい。結構です。

○石川委員長 ほかにございますでしょうか。
 竹下委員、どうぞ。

○竹下委員 竹下です。
 先ほどの伊藤委員の要望のところ、少し気になるので重ねての質問になるのですが、その19条のところで難病ということを入れることに反対するようなことになって何となく申しわけないのだけれども、それを入れるとバランスはどうなのでしょうか。結局のところ、障害の種別ごとで困難な人たちの部分も、これもこれもという形になってくるということを考えれば、やはり全体についての生活及び地域社会への包容ということで考えることによって、難病がそこから落ちているとは思わないので、それを特別ここに項目を入れるということになるとバランス上何となくアンバランスになるのかという懸念があるのですけれども、いかがでしょうか。

○石川委員長 これについては、伊藤委員、お願いします。

○伊藤委員 伊藤です。
 実は、第25条のところには、文章が憲法第25条、障害者基本法、障害者基本政策、障害者総合支援法、母子保健法、精神保健福祉法、障害者差別解消法、難病法等のということが入ってきます。難病を除くところまでは19条も全部同じく並んでおりますので、生活面の地域社会をつくっていくのだということを目指している難病から言えば、むしろ19条にもないということのほうがバランスは崩れるのではないかと。健康のところだけというのは何かバランスが悪いのではないかということでお願いをさせていただきました。

○石川委員長 ありがとうございました。
 伊藤委員の今の御意見はごもっともかと思いますので、またこれについては事務局、外務省中心に各省と御調整いただければと思います。よろしくお願いいたします。  ほかに1及び2で取りこぼしていることがあれば。
 上野委員、お願いします。

○上野委員 精神科医師の上野です。
 権利条約の第1回政府報告の留意点及び骨子に関してなのですけれども、第14条の身体の安全、自由及び安全に関して精神障害がある方に関しては、精神保健福祉法とか、医療観察法において身体の自由が制限される場合がありえます。なので、第14条関連に精神保健福祉法と医療観察法というのを入れていただけないでしょうか。お願いします。

○石川委員長 御意見ありがとうございました。
 ここも外務省のほう、お答えいただけますか。

○中野人権人道課課長補佐 外務省の中野でございます。
 骨子については、いただいた御意見について、関係省庁と調整を図りたいと思います。よろしくお願いします。

○石川委員長 どうぞよろしくお願いいたします。
 ほかにはございますか。
 竹下委員、どうぞ。

○竹下委員 竹下です。
 伊藤さんのおっしゃっていることが理解できたので、私の発言は撤回させていただきます。

○石川委員長 ありがとうございます。
 ほかにございますか。
 それでは、次に進みたいと思います。
 「3.スケジュールについて」、この部分に関しまして御質問、御意見等ございましたら、挙手をお願いしたいと思います。
 松森委員、お願いします。

○松森委員 松森でございます。
 1つ質問があります。ワーキング・セッションは公開される形で行うのでしょうか。傍聴者がたくさんいて公開する形で行うのかどうか、確認させてください。

○石川委員長 事務局、お願いします。

○加藤参事官 公開の予定でございます。

○石川委員長 公開ということでいたします。
 それでは、ほかに。

○加藤参事官 それから、情報保障も当然のことながら通常の会議でございますのでいたします。

○石川委員長 ということでございます。
 ほかにございますでしょうか。
 では、伊藤委員、お願いします。

○伊藤委員 日本難病・疾病団体協議会の伊藤です。
 こんな質問をしていいのかどうかと思ったのですけれども、先ほどの質問と同じように自由に参加というのは、勝手に参加するので、遠くから来る人でも交通費を払わないよということなのか、ちゃんとそれは通常の会議のようにきちんと保障されるのかというのはお聞きしたいと思います。遠いものですから、自費参加と言われるととても困るのでお願いします。

○石川委員長 聞きたい方は多かったかもしれないですね。事務局のほうからお願いします。

○加藤参事官 委員の方につきましては、当然ちゃんと手続を踏まえて手当ていたします。

○石川委員長 ありがとうございました。
 ほかにはいかがでしょうか。
 それでは、一応確認させていただきたいのですが、コーディネーターとしてお名前、事務局のほうで事前に相談なく出しましたとおっしゃっていたのですけれども、皆様お引き受けいただけると理解してよろしいでしょうか。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 また、先ほどありましたようにヒアリング、参考人という形で来ていただく方の御推薦等についても御協力をいただきたいと思います。多分多くの方を推薦してくださると思いますので、参考人の人数に関しましては、先ほど佐藤委員からの御要望もありますので、その点についても考慮しつつも、しかし、制約もございますので、調整につきましては事務局と委員長に御一任いただければありがたく思います。その点につきましてもよろしくお願いいたします。
 本日はこのあたりで終了でいいでしょうか。
 佐藤委員、どうぞ。

○佐藤委員 DPI日本会議の佐藤です。
 私、日程がすごく気になっていまして、9月まできょう予定をある程度示していただいたのですけれども、具体的な日程を調整できるようでしたら早目に調整していただけると、できるだけ全部出られるようにと思っていますので、早めに調整をお願いしたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。  幾つかこちらのほうで事務局と相談して委員からの御要望、御意見に対してどこまで調整できるかという宿題がございました。その宿題につきましては、網羅的に今言う自信がないので、いただいたもの全てにつきまして検討させていただきますということで御了承、御了解いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

○佐藤委員 結構です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 柘植委員、どうぞ。

○柘植委員 確認がございます。3ページの各ワーキング・セッションのコーディネートにおかれてはというところの①ですが、きょうが4月17日で、1週間後の24日までにそこにあるものの候補の推薦をいただくとあるのですけれども、これは3人、もしくはセッションIIは4人になると先ほど伺ったのですけれども、相談してということなのですか。それともダイレクトに個別にということなのでしょうか。あるいは一緒にということになるといつやるのだろう。きょう会議が早く終わればということなのか、その辺、具体的な手続で申しわけありません。

○石川委員長 恐らく個別にということかと思いますが、事務局のほうからお願いいたします。

○加藤参事官 可能であればコーディネーターの方々で打ち合わせをしていただければと思いますけれども、それが難しいといいますか、個別にいただければ私どものほうでまた各コーディネーターと御相談をした上で、最終的に委員長と御相談をしてと思っております。

○石川委員長 ほかに確認しておきたいことはございますか。
 玉木委員、どうぞ。

○玉木委員 できればコーディネーターの方々とやりとりをしたいので、例えばメールアドレスとかコーディネーターになられた方が情報共有できるような情報伝達のあり方などをつくっていただけるとありがたいなと思います。

○石川委員長 御提案ありがとうございます。きょう恐らく早く終わると思いますので、集まっていただいて、相談していただいてもいいですし、またそれぞれのメールアドレスなり電話番号の交換なりしていただくとか、あときょう欠席の方、辻井委員が欠席ですか。若干ご欠席の方もいらっしゃるので、事務局のほう、その点につきましても御配慮いただきたいと思います。
 伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員 難病の伊藤です。
 たびたび済みませんが、私たち、全部に出るわけには多分いかないので、それぞれの分野でそれぞれのワーキング・セッションに1人ぐらいずつ、全部に推薦をするなどということは可能なのでしょうか。採用、不採用はまた別として推薦することは可能なのかだけ伺いたいと思います。

○石川委員長 事務局からありましたのは、それぞれのセッションについてコーディネーターをお願いした方々に、そのセッションに関しての参考人を推薦していただくということでございますので、それで御了解いただけますでしょうか。

○伊藤委員 というのは、それぞれのセッションのコーディネーターの方に、私たちはこういう人を参考人にというのは可能なのでしょうかということなのです。

○石川委員長 各委員がコーディネーターにこういう人を推薦してくれというような、そういうお話ですか。

○伊藤委員 そうです。

○石川委員長 個人的な関係、つき合いの中でいろいろございますでしょうけれども、事務局のスキームとしては、それは想定しておりませんし、コーディネーターの主体性というか、それぞれの御判断を尊重したいと思います。やはり頼まれると断りにくいではないですか。伊藤さんから頼まれたら断れないとか、竹下さんから言われるともっと断れないとかそういうことがあるかと思いますので、そのあたりは信頼してお任せ。伊藤委員のお考え、難病についてしっかりとやってほしいということだけメッセージとして伝わればと思うのですが、いかがでしょうか。

○伊藤委員 ありがとうございます。

○石川委員長 ほかにはございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、本日予定しておりました議題は以上となります。
 次回の日程について、事務局からお願いいたします。

○加藤参事官 事務局でございます。
 第21回「障害者政策委員会」につきましては、5月29日金曜日を予定しております。
 国連障害者権利委員会の前委員長を務められましたロン・マッカラム様をお招きして講演いただくことを考えております。その後、第3次障害者基本計画の「1.生活支援」「2.保健・医療」「3.教育、文化芸術活動・スポーツ等」の分野における実施状況につきまして御議論いただく予定でございます。そのうちワーキング・セッションで扱うテーマにつきましては、ワーキング・セッションで議論されることとなります。
 ワーキング・セッションにつきましても併行して開催されることになりますので、委員の皆様や開催日程の調整をさせていただきます。その結果がまとまり次第、日程、会場などをお知らせいたします。
 また、本日の御議論でございましたワーキング・セッションのコーディネーターにおかれましては、①に書きましたが、4月24日金曜日、来週の金曜日でございますが、できれば有識者、精神障害、知的障害など御本人の参考人3名以内と考えておりますけれども、候補を推薦いただきたくお願いします。それを頂戴した上で事務局と石川委員長と御相談をして調整をさせていただきます。
 ワーキング・セッションの当日の議事の運び方につきましても、検討決定いただきたく、当日の議事進行も行っていただくということでお願いいたします。ワーキング・セッションの日程セットは事務局で行いますが、関係省庁に提出する資料につきまして何か御要望等ございましたら、事前にいただければ事務局のほうで調整していきたいと思っています。  以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、これをもちまして第20回「障害者政策委員会」を終了いたします。
 ありがとうございました。

○加藤参事官 この会議室と別に控室を1つ余分にとってございますので、もしコーディネーターの方々で打ち合わせをされるということであれば、その部屋も使っていただけると思います。