障害者政策委員会(第24回)議事録

○石川委員長 これより第24回「障害者政策委員会」を開催いたします。
 委員におかれましては、御多用のところを御出席いただきましてありがとうございます。
 本日の会議は16時15分までを予定しております。
 最初に、事務局から委員の出欠状況について御報告いただきます。

○加藤参事官 本日は、川﨑委員、高橋委員、野澤委員が欠席との連絡をいただいております。田中委員、平川委員からは少し遅れるという御連絡をいただいております。そのほかに、辻井委員と伊藤委員が少し遅れておられるようでございます。
 以上です。

○武川統括官 それでは、委員の異動がございましたので、私から御説明いたします。
 本日付で全国市長会所属の三鷹市長の清原慶子委員が御退任になり、新たに大阪府和泉市長の辻宏康委員が御就任いただきました。
 それでは、辻委員から一言御挨拶をお願いいたします。

○辻委員 皆様、こんにちは。全国市長会のほうから御推薦をお受けいたしまして、このたび本委員会の委員に就任させていただきました和泉市長の辻でございます。
 和泉市は、皆様方余り御存じではないかもしれませんが、大阪府の南のほうにございまして、大阪市内から大体車で30分ぐらい、また関空から北に向かって30分ぐらいで、立地的には非常に便利なところにございまして、人口が18万7,000人でございます。
 私自身はことしで市長就任2期7年目となっております。
 和泉市では福祉部門に非常に力を入れておりまして、今年2月の日本経済新聞社の子育てをしやすい街のランキングで全国で18位、大阪府内では1位という評価をいただきました。障害者福祉にもかなり以前から力を入れていまして、近隣市では非常に充実したサービスを行っているという評価をいただいておりますが、ことしは障害者基幹相談支援センターをさらに充実をさせまして、また、6月からは、民間の方でございますが、発達支援センターも新たに開設をいただきました。
 今、人口減少社会と言われておりまして、確かに人口をふやしていくという施策も重要ではございますが、私ども和泉市におきましては、ただ数の問題だけではなくて、一人一人が幸せを感じられる、また自分らしく生活できる、そういう街を目指して、しっかりと取り組んでまいりたいと考えています。この委員会を通じまして、皆様方とともに、そのような社会の実現に向けて尽力してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。どうもありがとうございます。

○武川統括官 ありがとうございました。

○加藤参事官 会議冒頭、委員の皆様の御迷惑にならない範囲で取材が入りまして、写真撮影が行われますので、御承知おきください。
 以上です。

○石川委員長 それでは、本日の議題に入ります。
 毎回の確認事項ですけれども、各委員から発言を求める際はまず挙手をいただいて、委員長からの指名を受けてから御発言をお願いいたします。
 できれば最初に結論を述べていただき、その上で理由あるいは説明を述べていただくというのがわかりやすいかと思います。また、御発言の際は、まずお名前を名乗っていただきまして、可能な限りゆっくり、わかりやすく御発言いただくようお願いいたします。できるだけマイクに近寄ってお話しください。発言後はマイクのスイッチをオフにしていただきたいと思います。
 なお、本日、障害者基本計画の実施状況につきまして意見交換をいたしますけれども、委員より御発言をいただく際は、可能な限りお話しいただく障害者基本計画の該当箇所をお示しいただきたいと思います。どの項目に関連しての御意見なのかということを共有した上で、意見交換をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 本日は、大日方委員と松森委員から、最初に障害のある女性の課題について御意見を伺います。その後、第3次障害者基本計画の実施状況について御議論をいただきたいと考えております。
 それでは、会議の資料と流れにつきまして、事務局より御説明をいただきたいと思います。

○加藤参事官 事務局です。本日の会議資料と流れについて御説明いたします。
 まず、会議資料でございます。
 資料1 大日方委員提出資料
 資料2-1 松森委員提出資料1
 資料2-2 松森委員提出資料2
 資料3-1 第3次障害者基本計画の実施状況の監視について(案)
 資料3-2 障害者基本計画(第3次)の実施状況(案)平成25年度
 この資料は第22回の政策委員会での複数の委員からの御指摘を踏まえまして、全省庁に御協力いただき、データの追加、記述の修正等を行ったり、わかりやすい説明になるように更新するとともに、分野別施策の基本的方向ごとに、その終わりのところに主な施策や法律などの概要を説明したポンチ絵を加えたものとなっております。
 資料3-3 議論の整理(案)
 これは、前回第23回の障害者政策委員会で提出しました議論の整理(たたき台)につきまして修文・整理等を行うとともに、第21回と第22回の政策委員会における議論を反映したものとしております。
 資料4 文部科学省提出資料:第21回障害者政策委員会に出された御質問に対する回答(障害者基本計画3)
 資料5 文部科学省・厚生労働省提出資料:スポーツ大会の予選会に関する取組について(障害者基本計画3-(4)-1)
 資料6 国土交通省提出資料:第21回障害者政策委員会における委員からの国土交通省に係る質問への回答(障害者基本計画5)
 資料7 内閣府防災提出資料:意見に対する回答(障害者基本計画7)
 資料8 消防庁提出資料:第22回障害者政策委員会における質問への回答(障害者基本計画7)
 資料9 厚生労働省提出資料:第22回障害者政策委員会「9.行政サービス等における配慮」:委員からの質問事項について
 資料10 障害者政策委員会ワーキング・セッションII議論の整理(たたき台)に対する意見
 資料11 厚生労働省提出資料:第21回障害者政策委員会「2.保健・医療」:委員からの質問事項について(障害者基本計画2)
 参考資料1 障害者政策委員会ワーキング・セッションについて
 参考資料2 障害者政策委員会における第3次障害者基本計画の実施状況の監視に係る今後のスケジュールについて(案)
 参考資料3 障害者政策委員会における第3次障害者基本計画の実施状況の監視について(案)(第20回障害者政策委員会資料)【抜粋】となっております。
 また、委員の皆様には机上に常備いたします資料として、障害者基本法、障害者基本計画、障害者基本計画の概要、障害者基本計画の実施状況、障害者の権利に関する条約をファイルとして御用意しております。
 次に、具体的な進行についてですが、時間を前半と後半に分けまして、前半ではまず大日方委員、松森委員のお二人から、これまでの議論を踏まえて、各分野にわたる横断的視点から、障害のある女性の課題について御意見をいただきます。続けて、第3次障害者基本計画の実施状況につきまして、再度、全分野にわたる意見交換を行う予定でございます。
 なお、これ以降の写真撮影は御遠慮いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。

○石川委員長 それでは、第3次障害者基本計画の実施の監視を進めてまいりたいと思います。
 最初に、横断的視点ということで、大日方委員と松森委員から10分間ずつ御意見をいただき、その後、やはり10分間ほど時間をとりまして、意見交換をしたいと思います。
 それでは、最初に大日方委員、よろしくお願いいたします。

○大日方委員 皆様、こんにちは。大日方です。よろしくお願いいたします。
 お手元の資料にあるものを基本としつつ、きょうは少し私自身の経験も踏まえながらお話をしていきたいと思います。このような機会をいただきまして、ありがとうございます。
 まず、私自身が障害のある女性というカテゴリーで呼ばれたときに、それぞれの経験は実に多様であるであろうということを感じています。一人の経験というのは、男性もそうですけれども、それぞれバックグラウンドが違いますので、それぞれ違うことも多いでしょう。その上で、今日は、一障害当事者として女性としての視点を持ちながら考えてみたいと思っています。
 私自身は、ここにも書きましたように、障害があることということと女性であるということ、この2つのアイデンティティーについては、自分の中でとても大切にしているもので、かつ、どちらかというとポジティブに捉えていると思います。それは、パラリンピックの選手としての経験というところもありますし、女性であるということで、得か損かという言い方は少しそぐわないかもしれませんが、女性であってよかったなと思っていることもたくさんあるのは事実です。
 一方で、では、女性であり障害があることによって差別といいますか、これはちょっとおかしいなという事例が幾つかあったことも、個人的な体験の中では事実です。
 例えば、ここで皆様に、あえて資料には書きませんでしたけれども、申し上げてしまうと、医療機関、特に婦人科の診察というのは私にとって結構重たいことです。特に車椅子を使いながら、内診台に上がるときにどうすれば上がれるだろうかとか、そもそも医療機関に車椅子で行かれるだろうかというところをまず考えなくてはいけなくて、なかなかそういった情報が手に入りにくくて難しいということ。
 実は私、不妊治療も経験してきました。そういった中で、お医者さんの「本当にあなたは子供を産みたいの。障害があって、しかも働いているのに」というような言葉を聞いて、逆に驚いたという経験もしております。女性ですし、障害があって、結婚もして、子供が欲しいと思うのは、私にとっては普通なことだと思っていたのですけれども、そんなふうに思う人もいるんだと、逆にそちらのほうに驚かされることもありました。
 また、一企業の社員として働いておりますと、よその会社様を訪問することも多いのですが、男性用トイレにしか車椅子用のトイレがないのですと言って案内されたことがあって、男性社員の方とそこで一緒になるのは非常に恥ずかしいなという思いを持ったこともありまして、男性トイレの中だけに車椅子でアクセスできるトイレがあるというのは、ちょっと好ましくないなと感じたことがあります。
 その上で、障害がある女性として働いてきた経験を振り返ってみると、私はちょうど男女共同参画社会の実現に向けたさまざまな取り組みの中で、非常にいいタイミングで自分自身は就職等をすることができたのだと思っています。
 就職したのが1996年ですが、97年に男女雇用機会均等法が改正されたということもあって、ちょうど私が就職活動をするときには、総合職なのか、一般職なのかという2つの採用方法があり、女性同士ではこれからの女性は総合職がいいよねみたいな、そんな話をしていた記憶もあります。
 そうしたことを考えますと、就労に関する性別統計というものをしっかりとっていくことというのは、政策上の課題整理であるとか、提言をしていくためにも、私にとっては極めて自然なことであり、そして性別統計をとることによって見えてくることもあるだろうと感じています。
 内閣府の男女共同参画局によると、日本はほかの先進国に比べれば、女性の社会参画が低い水準にあると言われています。障害のある女性にも恐らく同様の課題といったものがあると考えることのほうが自然で、むしろ障害のある女性は関係ない、障害者という視点においては性差はないだろうと考えることのほうが不自然だろうと思っています。
 障害者雇用促進法に基づく障害者雇用状況調査について、これは毎年行われているものに性別回答がない。そのことを知ったときがむしろ私は衝撃的でした。5年に1度行われている障害者雇用実態調査では男女別をとっているとは聞いていますが、例えば労働力調査とか、失業率を見るときに、当然、男女別の数字が上がってくる、そういうことを考えますと、やはり障害者雇用状況調査の中にも男女の性別回答ができて、クロス集計ができることというのがまず重要だろうと考えております。
 そして、2つ目としては、全ての女性が輝くための社会の実現に向けた取り組みということを、非常に重要な政策として日本政府全体が位置づけているという状況があります。女性の活躍というのは日本社会のあり方を変える重要な取り組みであると言っているわけで、これはもちろん障害のある女性も当然女性の一人ですので、全ての女性の中に入ると考えます。そういう社会実現に向けた努力というのは、国を挙げて、そして社会的な責任を持っているそれぞれの企業や地方自治体、全てが取り組んでいく、そうした努力をすることが必要だろうと考えています。
 特に、例えば女性を管理職に登用するという視点において、ポジティブ・アクションの取り組みが推進されていますけれども、障害者政策委員会においてもこうした視点による取り組みが必要だろうと考えています。
 パラリンピック等の障害者スポーツの国際大会で、海外の選手とお話をする機会も多いわけですけれども、障害者権利条約第6条というものをわざわざ規定しているということは重みのあることだなと思っておりまして、社会的にも、国際社会からも、関心が高くて当然だろうと感じています。
 国連の女性差別撤廃委員会との話し合いの中でも、この問題は議題になるのではないかと思っております。条約批准国である日本はあらゆる調査をジェンダーの視点からも集計、公表していくことが求められていると考えています。
 あと1分20秒ありますので、少しだけ参考のところについてのお話をしたいと思います。
 私自身がスポーツ基本計画という重要なスポーツ基本法に基づく基本計画を策定する有識者会の中に入れていただいたときに勉強したことは、やはり統計は非常に重要であるということです。障害者スポーツという視点においては、何となくスポーツ実施率が障害者のほうが低いのではないかというような漠然とした見解を皆さんは持っていて、私も持っていました。それを裏づけることができる調査を行って、初めてこんなに障害がある人とない人のスポーツ実施率が違うのだということがわかった。ではそのためにどのような施策をとったらいいでしょうということで一気に動いた、そんな経験を持ち合わせています。やはりそうした視点においても、統計の重要性ということはあると思います。
 そして、2つ目の視点としては、スポーツの分野においては、女性アスリートの活躍というのはそれなりに進んでいると思いますし、社会的な関心も高いと思います。そうした中でありながら、かつ女性とスポーツについては、女性に特化してサポートすることとか、調査・研究が必要だということで、今行われています。恐らく障害のある女性アスリートについても同様の調査・研究というものが今後行われていくであろうという期待もしておりますし、準備も一部進んでいると聞いています。
 こういうトップアスリートの活躍が障害者に対するいわゆるステレオタイプの社会の思い込みを打破する一つの大きな力になっていると、私自身は信じておりまして、とりわけ障害のある女性アスリートが活躍することというのは、社会に対して、関心を高め、理解を促進する意味でも大きな力があるだろう。そんなふうに信じている次第です。
 私の発言は以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 大日方委員、ありがとうございました。
 続きまして、松森委員、お願いいたします。

○松森委員 松森と申します。きょうは貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございます。
 私も普段ユニバーサルデザインのアドバイザーとして仕事をしているときには、聞こえないことは強みですと言っています。障害があること、女性であることは、どちらかというと、ポジティブにとらえて活動しています。この委員になって初めて障害女性という言葉を意識し始めました。
 きょうは、お手元にある資料をもとにして話をしたいと思います。
 もう一つ、資料2-2、A3の大きい資料のほうは、この調査をしたDPI女性障害者ネットワークが最近まとめたもので、私の意見とも重なる部分があり、参考資料として配付しました。
 これまで私は障害のある女性として、委員会やワーキング・セッションで、次のとおり6つの意見を述べてきました。
 1つ目は、推進体制について。障害者政策委員28名の中で障害女性は2名のため、障害女性の専門家を参考人として呼ぶこと、及び委員構成は障害のある委員のうち30%は女性となるよう補充の必要があること。
 2つ目、相談支援体制について。性的被害やDVなど、女性の相談窓口に障害のある女性も連絡、相談できる体制が必要だということ。
 3つ目、障害者虐待防止法について。権利条約16条に対応できるように、ジェンダーの視点からの調査分析が必要であり、女性に重点を置いた政策立案、及び障害のある女性への支援を記述する改正が必要であること。
 4つ目、避難所について。基本法26条(防災及び防犯)には、「性別」と記載があるが、基本計画の「安心、安全」の中には記載されていません。障害女性の視点からも記述する必要があります。
 5つ目、男女別統計の必要性について。障害者雇用状況調査等、全ての調査においてジェンダーの視点から見た集計と公表が必要であること。これに関しては、基本計画にもその記述かあり、さらに国連女性差別撤廃委員会からは日本のマイノリティー女性に関するデータが不十分であると勧告を受けています。
 6つ目、女性が安心し、産み、育てることができる環境について。権利条約23条、25条に該当する条文が基本計画にはないため、基本法14条に対応した具体計画、例えば医療機関や福祉施設での同性介助を標準化するなどが必要です。また、障害があってもなくても、安心して産み、育てる支援や環境整備も必要です。
 以上、障害女性の立場から6つの意見を述べました。
 本日追加したいこととして1つ。障害者権利条約第6条には「障害のある女子」という独立した項目がありますが、基本計画の中にはこれに対応する項目がありません。障害女性についての独立した条文を設けることで、障害のある女性が受けている複合差別の課題を明らかにし、解決につなげていくことができると思います。
 次に、強調したいこととして、先ほど述べた6番目の女性が安心し、産み、育てることができる環境について、私自身の経験も踏まえて話したいと思います。
 私自身は、17歳のときに全ての聴力を失いました。入学を希望していた専門学校2つからは、障害を理由に受け入れを拒否されるなどの経験もしました。現在は、障害のある女性であり、母親という立場でもあります。
 結婚、妊娠、出産、子育てをする中で感じてきたのは、障害のある女性、母親に対する差別、偏見の大きさや、そういう中で合理的配慮の提供も得られていないこと。また、私自身だけではなくて、子供や家族にも不利益がもたらされているということです。例えば緊急時に救急車を呼ぶことができないとか、母親である私が聞こえないという理由で、子供の習い事を断られるなど、母親として情けない思いを何度もしました。
 子育てをしていく上では、周囲の母親や学校、地域との協力が不可欠です。そのために、私は手話が当たり前にある環境をつくっていこうと、毎週、母親たちに手話を教える時間をつくってきました。子供の学校行事、授業参観、PTA、部活動、あらゆる場面で手話通訳をみずから手配し、自分の障害について理解してもらうために、年度ごとに先生や保護者に繰り返し説明する必要があります。
 それでも一部の保護者の中には、「障害のある母親にはできない」という思い込みもあり、それらを払拭するために、PTA活動や保護者会などに積極的に参加し、できることは何でもやってきました。周りとの良好な関係を築くために、障害のない母親の何倍も努力をしなければなりませんでした。全ては子供が安心して学校生活を送れるようにするためです。
 しかし、聴覚障害のある友達の中には、子供を産んでも、コミュニケーションが困難だから、周囲との関係を築けず孤立してしまう母親や、聞こえないために出産を諦める話も多く聞きます。私自身も妊娠中には、「子供も聞こえなかったらどうするの?」という質問が多くありました。日本では1996年まで、不良な子孫の出生防止を目的に、本人の同意抜きで障害者に不妊手術を施すことを認めていました。現在もなお、障害のある女性は産めない、育てられない、コミュニケーションができない、そんなふうに思われて、中絶を強制される話が後を絶ちません。
 子供を産み、育てたいと望む人に必要なのは、本人や生まれる子供の障害のあるなしにかかわらず、同じように祝福されて、同じように育てることができる支援や環境整備です。そうやって育った子供たちがこれからの社会をつくっていくと思います。皆様も、御自身のお母様や家族を思えば、少しは共感してもらえるのではないでしょうか。
 このように、大切な視点がこれまでの国内法には抜け落ちているということを認識して、法律、計画、政策ともに、障害のある女性の複合差別への取り組みを課題として明記して、具体的に取り組まなければならないと思います。
 大日方委員からは、全ての女性が輝くための社会の実現に向けた取り組みは、障害のある女性も対象だというお話がありましたが、障害女性も平等に参画し、活躍できるように、政策委員からも推進していかなくてはならないと思います。
 以上、未着手の課題、かつ今後取り組むべきこととして発言しましたが、改めてできていること、できていないこと、今後取り組む課題について政府報告に盛り込むことを提案したいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、各委員から御意見等がございましたら、発言していただきたいと思います。御意見のある方は挙手をお願いいたします。
 それでは、阿部委員、お願いします。

○阿部委員 日身連の阿部です。
 ただいま大日方委員、それから松森委員から、性別、女子における課題についてお話しいただきました。とても説得力のあるお話だと思いました。
 雇用関係につきまして、以前、担当の課長さんからは、やはりそれが本当に必要なのであれば、これまでの資料としては性別は特に必要ではなかったし、地域についても必要ではなかった目的を持った調査であっても、お二人の話を聞き、さらに障害者基本法の第10条に、障害者の自立及び社会参加の支援などのための施策は、障害者の性別、年齢、障害の状態及び生活の実態に応じて云々というような記載があることからも含めますと、お二人の意見は説得力のあるものだと思いますので、これをもとに、現行の調査では必要なかったものでも、これからのPDCAサイクルをきちんと回しながら課題を解決するために、大事な資料だと捉えていくことが必要だと思いますので、ただいまのお二人の意見、そのようなことからとても説得力のあるものだということを確認させていただきました。ぜひ、お二人の意見のように取り計らっていただければと思います。
 以上です。

○石川委員長 阿部委員、ありがとうございました。
 それでは、花井委員、お願いします。

○花井委員 大日方さんと松森さんのヒアリングの内容は大変感動と衝撃を持って聞かせていただきました。御自分たちの体験を話され、その中から出されてきた要望として全面的に賛成したいと思います。
 統計が男女別にとられるということはむしろ当然のことであり、今までそれが認識されてこなかったということが、やはり障害者施策のおくれていた点ではないかと思います。そういう意味で、障害者政策委員会の総意としてお二人の要望をぜひとも法改正に、あるいは何らかの施策に反映できるよう、強く要望したいと思います。
 以上です。

○石川委員長 花井委員、ありがとうございました。前回も障害統計について本委員会として取り上げまして、大変生産的な議論ができたと思いますし、その方向性で本委員会としてできることは何かについて検討させていただきたいと思います。
 では、竹下委員、お願いします。

○竹下委員 竹下です。
 ほとんど阿部委員と同じなのですけれども、とりわけ雇用における男女別の統計について特に限定しましょう、厚労省はその目的から必要性は今のところはないという回答をしているわけですが、私はそれが非常に理解できないのです。なぜならば、今の発言にもありましたように、障害女性の就労が男性に比べてどれだけ進んでいるのか、いないのか、あるいは労働条件において男女差がそこに生じているのか、いないのか、私は生じていると思っているわけですけれども、それらを明らかにするためには、簡単に考えても、その目的性は十分理解できるはずなのに、それすら厚労省が統計をとる段階で、そう難しくもないのに男女別をとることを避けようとしていることが理解できないと思います。
 ぜひ、きょうのお二人の発言を受けて、国は容易にできる統計によって女性差別の実態を把握できるわけですから、実行していただきたいということを強くお願いしたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 せっかくの機会ですので、障対課のほうからコメントいただけますか。

○厚生労働省 どうもありがとうございました。今日は御説明をいただきまして、統計の重要性ということは十分理解をさせていただきましたけれども、今まで説明が言葉足らずだったのかもしれませんので、もう一回事実だけ説明させていただきます。
 障害者の雇用を把握しているものとしては、障害者雇用状況報告、6・1報告というものと、5年ごとにやっている障害者雇用実態調査という2つがございます。御指摘のように、障害者雇用状況報告、6・1報告のほうでは男女別の報告は現在とっていないという状況になっています。
 それは、御説明いたしましたように、いわゆる手帳を持っている障害者を企業に2%の雇用義務というのを課していて、企業がその雇用義務を果たしているかどうかを把握するため、要するに雇用義務を果たしているかどうかの報告義務として、調査ではなくて報告として報告義務を課して、義務を果たさない場合や虚偽の場合は罰則があったりと、そういうようなものでございまして、いわゆる調査というものとは違います。そういったものですので、雇用義務に対応したものをとっているということで、今までは入っていなかったということです。
 一方、雇用実態調査の方はまさに実態調査ですので、それはサンプル調査になるわけですけれども、男女の別であるとか、勤務時間であるとか、賃金であるとか、そういったものを網羅的に把握をし、男女の雇用の実態を把握しているものでございます。
 実は、雇用報告のほうは雇用義務に応じたものなので、いわゆる50人以上の企業に対して課されていて、その対象となる方も、手帳を持った障害のある方を企業が何人雇っているかということだけを把握していますので、賃金とかは把握をしていないものになっています。
 一方、実態調査のほうは5人以上の企業ということで、また手帳の有無にかかわらず、雇用時間であるとか、実態であるとか、あるいは障害種別ごとにいろいろな実態調査を行っているもので、その実態調査のほうが実は幅広くいろいろなことを調査できていると我々は考えています。
 今の雇用報告というのは、やはり雇用義務のものに引っ張られているものですから、その中で、賃金の状況とかそういったものはとらないようなことになっているので、そこでとることは絶対だめというわけではないと思いますけれども、とったとしても必ずしも十分なものがそこの中で出てくるのかなと。むしろ実態調査の中の項目をさらに工夫していくことのほうが私はいいのではないかと思いますけれども、ここで御議論をいただきましたので、よく検討させていただきたいと思っております。

○石川委員長 ありがとうございました。どうしてそうなっているのかという説明としては、よく理解できたかと思います。それを踏まえてさらに委員より、さはさりながらといったような、あるいはそうであればといったような御意見等はございます。
 遠藤委員、お願いします。

○遠藤委員 ただいまの委員から、それから厚生労働省さんからのお答えを聞いていて、これは委員全員としていま一度確認しておきたいと思っているのでございますけれども、障害者雇用促進法におきましては、障害者の雇用を進めるという方向性のもとに政策が展開しているのであって、その中に男女差をどうするのか、あるいは男女差がどこまであったら、それを政策として是正しなければならないのかということについては一切触れていないということでございます。
 したがって、今、厚生労働省さんがお話ししたように、現状の政策の延長線上にこの調査を位置づけるのだとすれば、やはり限界があるのだというお答えだったと理解しています。それは行政の立場としては、やはり致し方ないお答えだと思っております。
 ですから、むしろ私どもがそれの延長線上にない形の政策を、御同意できるような形で提言できるのであるとすれば、それは厚生労働省さんとしてもさらに積極的な意味合いを持って受けることができると思っています。
 先ほど、阿部委員のほうからPDCAサイクルというふうにお話がありましたが、安易な形で男女差に数値は置けないのは、多分皆さんも御理解いただけていると思います。現状は11年連続過去最高ということで障害者の雇用が進んでいる現状があるわけでございますから、この障害者雇用を促進するスピードを加速させる中にあって、2016年4月、2018年4月という施行日を迎えていくというのが、ある意味方向性としてはおおよそ御理解いただけているのではないかと考えているところでございます。これが1点目です。
 それから、2点目は大日方委員と松森委員にお尋ねさせてください。いずれも、心の底からお話しいただけるということで、大変響くお話だったと理解しております。そういった中で、もしかすると私の理解不足なのかもしれませんが、男女共同参画における政策において、あるいはきょうは言及がされませんでしたけれども、3-3の中に議論の整理というのがございまして、その最後の推進体制のところにもそのような記述があるのですが、女性の活躍推進法案、この2つについて、ややもすると、障害を持っている女性の方々を対象にしていないのではないだろうかという御発言、あるいは記述が見られるわけでございますけれども、その辺、お立場をいま一度お聞かせ願えますでしょうか。

○石川委員長 ありがとうございました。ということで、遠藤委員から質問がございましたので、大日方委員と松森委員にお答えいただけたらと思います。
 まず、大日方委員、いかがでしょうか。

○大日方委員 大変難しい、謎かけのような質問だと率直に思っているのですが、まず私自身は、別に男女共同参画の中に障害のある女性も当然入っているという基本的な認識をしております。あるからこそ、私の中では、女性である、そして障害がある、どちらかというと、男性か女性かと聞かれれば、私は女性だと答える。障害があるかないかということについて、手帳を持っているので障害はもちろんあるのですけれども、どちらのアイデンティティーを優先するかと考えた場合に、女性であるか、障害者であるかというのは、多分女性のほうが意識として強いと思ってきているのです。
 今お話ししたかったのは、障害のある人の雇用率の促進というのは重要な視点なのです。でも、女性の立場からすると、加速させる議論を、男女差をとることによって、それが加速する率が必ずしも下がるとは思っていません。現状、例えば女性がこれぐらい、男性がこれぐらいという男女別の統計をとって、もし差があるのであれば、障害のある女性を雇用するための何か加速装置になる個別の提案も考えられるかもしれないなと、私としては思っているので、まずとってみましょうよという意味では重要かなという認識をしています。
 先ほど、厚生労働省の方の御説明もありましたけれども、報告というものが雇用義務を果たしているかどうかということの視点であって、いわゆる罰則を適用するかどうかということだというお話は非常によくわかったので、遠藤さんがおっしゃったとおり、恐らく何か違う視点、政策的な意味での提案が必要なのだろうと思いました。それは多分遠藤先生はお持ちかなと思っておりますので、ぜひ、この場で建設的に対話として前向きに提言していただくと、こういった課題は進むのではないかなと、そんなふうに感じました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、松森委員、お願いします。

○松森委員 松森です。
 例えば、前回参考人として来てくださった勝又さんのデータによると、収入の格差で見ると、単身世帯において男性全体の年収を100とすると、女性全体は66、障害男性は44、障害女性は22、実際の年収は平均92万円というデータもありました。そういうことから考えていくと、やはり男女差というのはきちんと統計をとって公表する必要があると思いますし、調査の結果、男女差がないということがわかれば、それはそれで日本はすばらしいということがわかると思っています。
 また、2010年12月に閣議決定された第3次男女共同参画計画の中には、2020年30%目標というものがありまして、これに合わせて、障害のある委員のうち30%は女性となるよう補充の必要があると思っています。
 そうした考えも踏まえて、きょうこの場で大日方さんもおっしゃっていたように、建設的な議論ができればと思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。本件は今後も引き続き議論していきたいと思います。きょうは時間の関係で、この件につきましてはここまでとさせていただきます。ちょっと時間が不十分で申しわけありません。
 それでは、次に移りたいと思います。この間、第21回、第22回、障害者政策委員会及び、それと並行しまして4つのワーキング・セッションI~IVを2回ずつ開催いたしました。また、第23回の障害者政策委員会において第3次障害者基本計画の全分野について御議論いただきました。本日は再度、第3次障害者基本計画の全分野について御議論をいただきたいと思います。
 お手元の資料3-1、3-2、3-3をごらんいただきたいと思います。資料3-1は、監視の位置づけやこれまでの経緯などについて記載した1枚ものの資料でございます。資料3-2は、基本計画の実施状況(案)のアップデート版、更新版となっております。資料3-3は、議論の整理(案)、これもアップデート版、更新版となっております。
 本日は、これらを見ながら御議論をいただきたいと思います。議論の順番ですけれども、前回は余り議論の時間がとれなかったワーキング・セッションのIIIとIVから議論をしていきたいと思います。「3.教育、文化芸術活動・スポーツ等」を最初にまず扱います。次に、「4.雇用・就業、経済的自立の支援」「5.生活環境」「6.情報アクセシビリティ」の順に議論をして、その後に「7.安全・安心」「8.差別の解消及び権利擁護の推進」「9.行政サービス等における配慮」「IV 推進体制」の大きく4つをまとめて議論をしてまいります。その後、初めに戻って、「1.生活支援」「2.保健・医療」の順に議論を進めていきたいと考えております。途中で休憩を入れます。
 それでは、最初に「3.教育、文化芸術活動・スポーツ等」について、意見交換を行いたいと思います。意見をお持ちの方は御発言をお願いいたします。挙手をお願いいたします。
 加野委員、お願いします。

○加野委員 加野です。
 資料3-3の議論の整理(案)の7ページをご覧ください。3の(1)の②ですけれども、これはワーキング・セッションでの私の発言部分だと思うのですが、「発達障害の児童生徒は特別支援教育支援員の支援対象であるのに、知的障害のある子は対象ではないのは」とありますけれども、文科省のほうで制度として、知的障害のある子を支援対象としていないということはないと理解しておりますので、そうではなくて、発達障害の児童生徒の学習支援は特別支援教育支援員の支援対象と積極的に説明されているのに、知的障害のある子の学習支援を特別支援教育支援員の支援対象とするのに消極的なのはというふうに御修正いただければと思います。
 その趣旨は、下の四角の中に文科省のほうのお考えは書いてあるのですけれども、平成24年7月に公表された中教審初等中等教育分科会の報告で、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確に答える指導を提供できる場ということで、そういうお考えでもって、知的障害のある子は特別支援教育支援員の支援を受けるのではなく、特別支援学級とか特別支援学校で個別の支援を受けるのが適切な場合が多いとお考えとは理解しているのですけれども、私はこの点の考え方が少し、平成24年7月ですので、権利条約批准前の報告で考え方として少し古いのではないかと考えているのです。というのは、自立と社会参加のために特別支援教育で個人の能力をアップするというのは、それはもちろん大切なことですけれども、個人が将来的に障害のある人が地域で生活するために必要なのは、もちろんその障害のある人の能力が上がっているということも必要でしょうけれども、やはりそれだけではなかなか地域社会で生活していくというのは難しくて、周囲の支援であるとか、合理的配慮が必要な場合が多いと思いますので、そのためには周囲の理解が必要で、そういう将来的にインクルーシブに地域で生活できるために、障害のある人が理解を得られるようにインクルーシブ教育ということが重要ではないかと、権利条約の基本的な考え方にもあると思います。
 そういう意味で、今までのいろいろな議論を私は聞いておりまして、やはりまだ日本の場合、インクルーシブというところの視点が不十分という部分があるのではないかと思っています。バスに乗って遠くの支援学校に障害のある子だけを集めて、個別の支援をするというのではなくて、できるだけ地域の学校に通いながら、取り出して個別の学習をしたりとか、支援員をつけてということがもっとできないものか。権利条約の批准国としてインクルーシブ教育というのをもう一度考え直してみるということが必要なのではないかと考えています。
 その関連で1つ、資料3-2の障害者基本計画(第3次)の実施状況の中の41ページに、これは新たにつけていただいた資料だと思うのですが、特別支援学校のところが右側に減少傾向とありまして、特別支援学級、通常の学級は増加傾向とありますけれども、特別支援学校は減少傾向とあるのですが、人数的にはずっとふえていて、平成16年比で1.3倍と書いてあり、この減少傾向というのはどういった根拠でこの減少傾向という記載がなされているのでしょうか。
 以上、意見と1点質問です。

○石川委員長 ありがとうございました。御意見は大変重要な御指摘だと思いますし、まさに社会モデルとしての障害という視点からすると、おっしゃるとおりかと思いますので、2点目の御質問と合わせて、文科省の特別支援教育課のほうからお答えいただければと思います。

○文部科学省 文科省特別支援教育課長の井上でございます。貴重な御意見、ありがとうございました。
 今、石川委員長からも御指摘いただきましたように、非常に重要な視点ということがございましたけれども、インクルーシブ教育システムを我が国でどう構築していくのかというのは本当に今まさに途上ではあると思います。
 基本的な考え方はこの資料に書かせていただいたとおりですけれども、多様な学びの場というものを整備しつつ、常に障害のある子供と障害のない子供がともに学ぶというところを追求していく。ベクトルとしては常にそこを向きながら多様な学びの場を整備をして、その時点、その時点での子供の一番いい教育環境というのを整備していくということであろうかと思います。そのための考え方というのを整理をするとともに、教育関係者を初め、国民の方々にも理解をしていただくようにさまざまな取り組みをしていかなければならないと考えてございます。
 御質問がありました41ページの資料でございますけれども、非常にわかりにくい部分になってしまって申しわけございません。41ページの右上にあります減少傾向という矢印でございますけれども、実はこれは矢印の上に書いてございます1,019万人、義務教育段階の児童生徒数が毎年約10万人ずつ減少していっているというところをあらわさせていただいたもので、特別支援学校はその横の矢印にありますとおり増加傾向ということで、その増加が続いているというものでございまして、若干この枠の中に矢印が入ってしまっておりまして、わかりにくくて申しわけございません。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。わかりにくかったようです。
 それでは、門川委員、お願いします。

○門川委員 門川です。ありがとうございます。教育の分野について、3-②、障害種別の教育の場、学びの場等々について、特に教育支援ということが書かれていますけれども、この中に聴覚障害者、視覚障害者、知的障害者、発達等々の障害種別については明記がありますけれども、盲ろうについて、盲ろうの子供等に関することが記載されていません。障害者権利条約の第24条の教育について、ここのみですけれども、盲ろう者、デフ・ブラインド、この文言が入っています。これは先輩の障害者リーダーがこの条約をつくる過程で頑張った結果、このような文言がここだけですが、入ることになったわけです。これと整合性をとっていただくことが重要だと思いますので、非常に重要な教育の分野について、盲ろうという言葉を記載していただければと思います。
 盲ろうの教育については、私の時代からするとかなりよくなってきていますが、ほかの障害者と比べると、いろいろ手法とか違うことがありまして、盲ろうに特化した教育というもの、今はその方法論とかが開発されたりしていますから、独自の分野ですので、盲ろうの教育ということで、ぜひ入れていただきたいと思っています。よろしくお願いします。

○石川委員長 ありがとうございます。これにつきましては、文科省の御見解をお聞きしたいと思いますが、井上課長、いかがでしょうか。

○文部科学省 御趣旨は、教育の部分で盲ろうについて特別な要素があるのでそれをという理解をいたしました。もちろん障害の範囲については、他の分野と同じく、何かを教育の分野で除いているとか、違った形になっているというものではございません。
 盲ろうについて、今の状況については、盲に関する教育、ろうに関する教育という形で、それぞれ教育の記述が行われているわけですけれども、この部分について全体とのかかわりの中、先ほど御指摘いただいたような経緯というものをもう少し勉強させていただきたいと思っております。

○石川委員長 それでは、御検討のほど、よろしくお願いいたします。
 竹下委員、お願いします。

○竹下委員 竹下です。ありがとうございます。論点の初っぱなのところの①に対する答えだろうと思うのですけれども、文科省の回答のところで、「障害者権利条約に定めるインクルーシブ教育システムについては」という書き出しの文章があるわけですけれども、これは少し奇異な文章だと思うのです。確かに、冒頭のずっと書いてある部分、教育の理念まではそのとおりで、「教育理念の下で」まではまさに権利条約の内容をそのまま反映していると思うのですが、その後が違うと思うのです。「障害のある者とない者とが可能な限り共に教育を受けられるよう配慮するものと承知している」と書いてある。これはちょっと奇異なのです。なぜならば、権利条約の24条を読んだら、全くどこにも「可能な限り」ということは書いてないです。それに対して、障害者基本法16条は確かに「可能な限り」なのです。それはそれでいいのです。私はそこできょう論議したいのではなくて、この書き方は、あくまでも権利条約がそう言っているというなら、やはりそれは詭弁だと思います。そうではなくて、権利条約でインクルーシブ教育をこういうふうにうたっている、それに対して我が国の現状はこうだということを明確にするのは、この監視の役割だと思うし、その上でまさに論点の①で統合教育がどこまで進んだかが、言葉で言うなら、「前へ進んでいるということが言えるといい」という、まさにそのとおりで、この権利条約を批准する中で、我が国におけるインクルーシブ教育の一つの形とし、あえて言いますが、統合教育、地域での小中学校の教育がどこまで前進したかということを数字で示すことが、この論点整理の目的だろうと思うのです。
 今、井上課長がおっしゃったように、今、養護学校とは言いませんけれども、養護学校がどんどんふえているのですけれども、それに対して地域での統合教育の数字はどう変化してきているのか、これは伸びているのだよということを言っていただけると、この部分は十分かみ合うのではないかと思っております。
 以上です。

○石川委員長 竹下委員、ありがとうございました。権利委員会の前委員長のロン・マッカラムさんに来ていただいてお話を伺って、よい政府報告というのは誠実な報告であるというお話がございました。したがって、権利条約がこのように書いてあるということと、基本法にこう書いてあるということの間に、何らかのずれといいますか、何らかの書き方の違いがあるとしたら、それはそれとして受け入れつつ、我々は前に進む必要があると考えておりまして、その点、竹下委員の御指摘はごもっともかと思いますが、井上課長、御所見はいかがでしょうか。

○文部科学省 言葉で誤解、あるいは事実と違った形になっているという御指摘だと思いますけれども、その部分につきまして文言をもう一度しっかり見直したいと思います。

○石川委員長 関連で、インクルーシブ教育が前に進んでいるということをできれば、進んでいると信じたいと思いますし、そのことを根拠づけるデータとして数量的なデータ及び質的なデータがあることが望ましいと、前回、前々回のワーキング・セッションの際に私も発言させていただいたのですが、そのような政府報告に向けて、あるいは基本計画の監視のための資料として、そのような十分なデータはございますか。その点ももう一度お願いいたします。

○文部科学省 今、石川委員長が御指摘いただいた部分につきまして、資料3-2の29ページの進捗状況の欄に、平成25年と平成26年度の数値を記載させていただいておりますけれども、今ある数字がどのように実態をあらわしていくのかというところは非常に行政としても悩ましいところでございます。平成25年の数字と26年の数字、この間に制度改正があったわけですけれども、大きな文脈で見てみますと、数字の大きな変化は見られないですねという形になってございますけれども、その部分についてやはり多角的にいろいろ見ていかないといけないのかなと考えてございます。
 ここに記してありますのは、前提として、今数字を持ち合わせて、調査を行っている学校教育施行令22条の3、つまり特別支援学校に入学をできる障害の程度をあらわした条文ですけれども、そこにカウントされた子供たちの様子を記してあるわけですけれども、これ以外に、22条の3程度にまでは達しない障害のある子供も多数いるという状況がございます。そういった部分もどういう形で今の日本の現状として紹介をしていければいいのか等々、今後も検討をして、日本の現状ができるだけ正確にあらわせるようにしていきたいと思ってございます。

○石川委員長 どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、玉木委員、お願いします。

○玉木委員 ありがとうございます。2点ほどあって、1点目は資料3-2の29ページ、3-(1)-1の進捗状況をずっと読ませていただいたのですけれども、教育支援委員会は何人を支援していたという数字的なことはいいのですけれども、具体的に就学適正化委員会が教育支援委員会に変わって、教育支援委員会がどういう機能を持って、どういう役割を持って、そこにはどういうアクセスができるかという、そういう解説などをきちんと挙げていってもらわないと、数だけ何件対応しましたということだけでは、評価がなかなかできないということが1点です。
 2点目は、資料3の論点整理の中で、7ページの2つ目の論点、「インクルーシブ教育の進捗状況はどうか」ということで、②について、「個別の教育支援計画を立てるにあたっては、作成の段階から活用を推進することが求められる」ということと、次に③の「通所支援利用計画やサービス利用計画は、障害児相談支援と個別の教育支援計画と関係を密に持ちながら計画を立てていくことが求められる」と、これは論点として読ませてもらったのですけれども、一方で、3-(2)、31ページに、進捗状況の○の2つ目で、特別支援学校学習指導要領等において、障害のある幼児・児童・生徒について、個別の教育支援計画を作成することなどより、障害の状況等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的に組織的に行う旨を規定すると書いてある。
 参考に、読みませんけれども、ここに書いてあるのですけれども、私がこのワーキング・セッションの1回目に質問させていただいた個別の教育支援計画を立てる際に、例えば学校の特別支援教育支援委員、校内委員会であったり、いわゆる地域における特別支援教育地域連携協議会を活用しながら、学校のみならず、地域の福祉サービスであったり、医療サービスなどと連携を持ちつつ、子供の育ちというのを今後考えていきましょうということで、特別支援教育地域連携協議会というのが設置されているはずで、それの設置状況とか、それの機能がどこまで果たせているのか、そういう分析を出してほしいという旨の質問をしたのですけれども、そういう記述が今回一切触れられていないので、せっかくいいことをやろうとしているのに、そこの評価をきちんとしないのはもったいないと思うので、そこら辺をきちんとお聞かせいただきたいと思っています。

○石川委員長 今、玉木委員から御質問、御指摘のあった最後の地域連携協議会の現状の実績であるとか、どう機能しているかについての調査はなさっているかどうかについて、井上課長、お願いいたします。

○文部科学省 ありがとうございます。今、大きなところで個別の教育支援計画の重要性のところからお話をいただいて、そして最後、地域連携協議会のところまで、非常に重要な部分を御指摘いただいたと思っております。
 今後ますます合理的配慮というのを学校で実施していくに当たっては、個別の指導計画ももちろんですけれども、保護者の方々あるいは関係の方々も一緒に協議をしながら、個別の教育支援計画というものを充実させていく、そして合理的配慮もその中に記載をしていくということがますます重要になってこようかと考えております。
 今、進捗状況のところでは、現学習指導要領について記述をしているところですけれども、今まさに中央教育審議会のほうで次期の学習指導要領が、予定どおりいきますと2020年から小学校のほうで適用をしていくような、次の段階の学習指導要領の議論が行われておりますけれども、その中でもこの教育支援計画の位置づけというのをしっかり審議会で議論していただき、さらに充実した形にできないかということを考えていきたいと考えてございます。
 後半の地域連携協議会の部分につきましては、状況を整理の上、今回のフォローアップのところでどのような対応ができるのかということを検討させていただければと考えております。

○石川委員長 ありがとうございます。時間がなくなってまいりましたので、最後の地域連携協議会につきましては、第3次基本計画の実施の報告の中に入れられることがあれば、ぜひ入れていただきたいですし、もしまだそこまでの準備がないということであれば、政策委員会としての取りまとめの中に、玉木委員の御指摘を論点として入れていくということを検討させていただきたいと思います。
 井上課長。

○文部科学省 今、事務局のほうからメモが入りましたけれども、特別支援の連携協議会の設置率については調査を今のところしていないという状況なので、その上でどういう形で対応をするのかということは検討をさせていただければと思います。

○石川委員長 設置率の調査はなくても、何らかの質的な調査ですとか、何らかの情報は提供していただけるのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まだ、御発言はあろうかと思いますけれども、会議の予定の時間を延長するわけにもいかず、次へ移らせていただきたいと思います。最後にもし時間が奇跡的にあれば、またということにさせていただきます。可能性は低いと。とどめを刺すようで申しわけないです。
 次に、「4.雇用・就業・経済的自立の支援」について意見交換を行いたいと思います。この点につきまして、御意見のある方、御質問のある方は挙手をお願いいたします。
 では、遠藤委員、お願いします。

○遠藤委員 ありがとうございます。経団連の遠藤でございます。
 私は、特例子会社ということでお尋ねさせていただければと思います。資料3-2におきましては、46ページで特例子会社の現状について、2年間にわたってどの程度変化があるのかというところが記されているかと思います。
 そういった中で、資料3-3の11ページに、【論点】特例子会社はどうあるべきかということで、①、②、③ということで、ワーキング・セッションでの意見が整理されております。特例子会社につきましては、なかなか一般職場で実現できないような職場環境づくりについて使命感を持って取り組んでいると私は認識しているわけでございますが、そういった中で②の御意見、あるいは③の御意見というのが、どういった特例子会社の実態を踏まえて御発言されているのか。ややもすると、特例子会社自体が現状法違反の状態にあるのかと受け取られかねないような記述ぶりになっているということについて大変危惧を持っておりますので、お尋ねをさせていただきたく思います。

○石川委員長 ありがとうございました。どなたか、委員の中でこの特例子会社について御意見を。
 では、佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。③のところは私が発言いたしました。
 このことに関しては、私が個別に相談を受けた方がこういったことがあったと相談を寄せられましたので、それに基づいて発言をさせていただきました。
 以上です。

○石川委員長 遠藤委員、お願いします。

○遠藤委員 ありがとうございました。③についてでございますけれども、障害者の方が就労される場合に、大事なポイントの一つはどういったお仕事につくのかということ、もう一つは勤務場所をどこにするのかということです。
 特例子会社の場合には、専用求人ということで応募する形で、どこの場所、いわゆる特例子会社で働くという前提のもとに雇い入れが行われるわけでございますから、一たん特例子会社に行くとというのが、労働契約の中で働く場所が特定されているので、そこで働くという実態からすれば、何らこれについて法違反を問うということはないと思っております。
 ましてや、賃金が違うと。グループ会社に働いている人が、A社、B社、C社、D社になる中で、賃金に差があることをもって、私はB社の賃金が欲しい、C社の賃金が欲しいなんていうことはあるわけがないので、この③の部分については全く理解できない記述かと思っております。
 それから、②の部分につきましては、現状、繰り返しになりますけれども、特例子会社さんというのは合理的配慮を先取りするような形で取り組みがされているわけでございます。例えば、重度の方々が一般職場で働けないような場合にあっても、特例子会社の中では働けるといった状態もあるわけでございます。そういった中にあって、「差別禁止原則に抵触しない特例子会社の在り方が、今後、一層求められる」、裏を返せば、現状抵触しているのではないだろうかといった記述という形に読めなくもないわけでございますので、②、③の部分につきましては修正をお願いしたいと思っております。
 以上であります。

○石川委員長 御指摘ありがとうございました。②についての御意見をお持ちで、遠藤委員のお考えに対して何らかの御意見をお持ちの方。大濱委員、先にお願いします。

○大濱委員 大濱です。ありがとうございます。
 実は、先日、オムロンの特例子会社とソニーの特例子会社を見てきました。実際、精神障害の人、身体障害がある人、それぞれの特性に合った働き方をしていて、この2カ所は非常にいい形だなと私は感じていました。
 それで、大分県にあるオムロンの特例子会社は車椅子の方が社長を務めていて、年収は1,500万円から2,000万円ぐらいだという話がありました。それに対して、私はその方に、本社との人事交流は求めないのかとお聞きしました。優秀な人材が必ず特例子会社にもいるわけですから、本社との人事交流をぜひ求めてくださいという話をしたら、ああそういう考え方もありますねと、その方はおっしゃいました。このように、特例子会社に勤めている方々が余り本社との人事交流を求めていなくて、特例子会社の中で完結していることについて問題意識を持っていない方が結構いるようです。その方は、優秀な人材も多いので、これからは本社にそういうことも提案してみますと言っていましたので、これから少し変わってくるのかなと思っています。ですので、私は②については書き過ぎかなと思っていまして、むしろ①くらいの書き方で十分かなと思っています。
 以上です。

○石川委員長 玉木委員、お願いします。

○玉木委員 このワーキング・セッションに私は出ていないので、ちょっと控え目に発言をさせてもらわないといけないと思うのですけれども、私はメディアの仕事をやっていまして、昨年、特例子会社の特集でちょっとしゃべらせてもらったのですけれども、特例子会社も論点①にあるような特例子会社のいろいろな工夫、こうやれば働けるという環境整備も含めて工夫をして、それをグループ会社に広めていくという意味で、非常に重要な役割を担っていると私も思っています。
 ただし、その時にある特例子会社さんの社長さんが出てこられて、その社長さんの思いというと、私は障害者だけの会社にしていたいと言い切っていたのです。それは特例子会社である意味合いを踏み込み過ぎているというか、それでやると、これまでの福祉工場であったり、現在の就労A型施設と余り区別がつかないようになる。だから、そういうことではないという意味合いをきっちりと理解していただかないと、特例子会社をつくってそこで障害者雇用をすれば、障害者雇用が進んでいるのだというような見方をされないような論点というか、議論を今後もきっちりとやっていただきたいと思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。この点について、他の委員、御意見はございますか。よろしいでしょうか。
 花井委員、お願いします。

○花井委員 連合の花井です。特例子会社につきまして、私どもも何度も視察に行ったり、意見交換をしてきております。特例子会社がさまざまな課題を抱えていることは十分承知しておりますが、ただ現時点において非常に熱心に取り組まれている姿も随分見てまいりましたし、課題は課題としてありつつも、今の段階で余り否定的なことだけを前面に出すというのはどうかなと。そういう意味で、私も遠藤さんの心配については同意したいと思います。
 その上でもう一つこの雇用に関して、論点が法定雇用率の達成に向けてどのように取り組むべきかということと、特例子会社はどうあるべきかという2つ挙げられているのですが、確かに障害者雇用促進法、あるいはその改正によって、相当障害者の雇用が前進してきているということは承知しております。その上で、今後の課題として、障害者雇用が定着する方策ということも同時に検討していく必要があるのではないかと思います。
 と言いますのは、今どのぐらいふえたかという数のところを非常に気にしていて、そのことは経過的に重要だと思いつつも、同時に障害者がずっと定着して働き続けるための条件は何なのかということを今後模索する上で、そういう論点も必要ではないかということで、今すぐということではないですけれども、将来に向かってそういう論点、あるいは課題ということについても、ぜひ必要ではないかということを意見として述べさせていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 花井委員、ありがとうございます。確認ですが、障害者の雇用における定着率に関するデータというのは整備されているという理解でよろしいのでしょうか。

○花井委員 いいえ、多分ないとと思います。

○石川委員長 そうすると、定着率については、定着率が低いのではないかと十分に推測できるような状況ということでしょうか。

○花井委員 定着、その瞬間どのぐらいかという数は調査でとれているのですが、そこで働いている障害者が何年継続して勤務しているのかという、いわゆる労働力調査とかでとられるような勤続年数とか、そういう数字は見たことがないので、その実態を見る上でも今後必要ではないかという意味です。

○石川委員長 ありがとうございました。障対課のほうで、5年ごとの実態調査のほうでそういった調査はされていますでしょうか。

○厚生労働省 厚生労働省の障害者雇用対策課でございます。
 5年ごとの実態調査では、勤務期間ということでとっております。実は、その勤務期間は5年前よりはちょっと減ってきているということがございます。特に精神障害の方の雇用が進捗してくる中で、精神の方が継続して働くということになかなか困難を持っている。したがって、定着ということがなかなか難しい方が多く働いてこられるようになってきているという状況があります。
 私どもも、まさに定着支援というのが今後の障害者雇用の課題であると考えておりまして、定着をするために障害者就業・生活支援センターというものを持っておりますので、こういったものの機能強化ということを図り、就労支援と生活支援が地域の中で連携してできるような形で、障害者の方の職業生活を安定したものにしていきたいと考えております。

○石川委員長 ありがとうございました。
 竹下委員。

○竹下委員 法定雇用がどう進むかの論点の⑥と⑦に絡む発言が1点と、あと自営業の関係です。
 この論点⑥と⑦の部分については、これは非常に大事な問題ですが、既に解決されていく部分があることも指摘しておきたいと思います。国家公務員については、人事院の適用範囲に関する通知によって、中途障害者に対して一定の有休で訓練が受けられるように保障されております。例えば、視覚障害で言いますと、点字訓練であるとか、歩行訓練であるとか、パソコンの訓練であるとか、そうしたものが中途障害者、中途失明者に対して現に訓練等をして、職場復帰に向けた訓練として、時間的な意味でも、有休的な部分でも確保されているので、そのことを踏まえて、民間企業での広がりをどう作っていくのかという形で、この⑥、⑦が整理されるべきではないかと思っております。
 それからもう一点は、この論点には入っていないわけですが、障害者権利条約の27条の1項のfであるとか、第3次基本計画の雇用の部分の4の中の(3)-3及び(5)-1に、自営業を含むとして支援がうたわれているわけですが、この部分については全く触れられていないわけであります。一部、在宅就労支援団体に対する助成はありますけれども、これは自営ではございません。自営や起業というものが第3次基本計画でうたわれているにもかかわらず、それの進捗状況が一切触れられていないというのは、少し監視内容としては不十分ではないかと思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。ほかにもいろいろと未完成というか、空欄になっている部分は多々あるかと思いますので、それについては埋めるべき点は埋めていく必要があると考えております。
 それでは、次の「5.生活環境」に移りたいと思います。意見をお持ちの方は挙手をお願いいたします。
 それでは、ここで10分間休憩を入れたいと思います。

(休憩)

○石川委員長 「6.情報アクセシビリティ」について御意見をいただきたいと思います。御意見のある方、御質問のある方は挙手をお願いいたします。
 では、門川委員、お願いします。

○門川委員 門川です。この情報アクセシビリティのワーキング・セッションにかかわらせていただいていましたが、整理する意味で2つ質問です。
 1点目は、盲ろう者に関してです。平成26年11月18日に速報値と記載されていますけれども、通訳介助員の養成と派遣について、まず養成については59カ所という数字が挙がっていますが、この59カ所というのは都道府県・中核市・政令市、全部含めて59カ所ということでしょうか。そうしますと、その内訳はどのようになるのでしょうか。
 質問でもう一つ。この派遣事業は専門性の高い支援者の派遣ということで、要するに盲ろう者について言うと、通訳介助員の派遣ということだと理解しますが、このような書き方をしているので、つまり専門性の高い支援員という書き方をしているので、これが何を指しているのかよくわからないのですが、これについて教えていただかないと、これも52カ所とありますが、どのように内訳が考えられるのか教えていただきたいと思います。
 それから、ついでにもう一つです。手話に関してですが、手話通訳士、手話通訳者とある一方で、手話奉仕員という言葉が出てきます。この手話奉仕員というのは、我々からすると古い考え方ではないかと思うのですが、いまだに手話奉仕員という言葉があるのはどういうことを意味しているのか教えていただきたいと思います。ここは手話通訳者としてまとめるのは無理なのでしょうか。
 以上です。

○石川委員長 御質問いただきました。自立支援振興室長でよろしいでしょうか。

○厚生労働省 御質問ありがとうございます。厚生労働省の自立支援振興室長でございます。
 まず、盲ろう者の方に対します意思疎通の支援で、養成の関係、59カ所の内訳でございますけれども、都道府県と政令市、中核市を含めた数となっておりまして、内訳は調べまして、きょうお時間が間に合うようでありましたら、終了までにまた改めて御報告をさせていただきたいと思っております。
 あわせまして、通訳介助員の派遣事業の52カ所につきましても、確認いたしまして、また御報告させていただきたいと思っております。
 あと、手話奉仕員の用語の関係でございますけれども、これは予算事業で古い時代からの名称をそのまま引き継いでおりまして、確かに時代にそぐわないという御意見もございます。そこは御意見を踏まえまして、また内部で検討していきたいと考えております。
 以上です。

○石川委員長 道躰室長、ありがとうございました。
 それでは、石野委員。

○石野委員 石野です。
 国会中継等におきまして、手話や字幕を付与するかどうかという問題についてですが、当然のことながら国会中継においても手話通訳あるいは字幕を付与するという考え方は基本だと思いますが、実は納得できない部分があります。総務省の回答を拝見しますと、下から3行目でしょうか、国会中継は、字幕、手話に関しては、生放送ですので正確性、公平性が必要であるというようなことを言及されております。今のところは対応が難しいと聞いていますという書きぶりになっています。これは総務省のコメントとなっておりますが、「聞いております」というような言葉は実は納得し切れないのです。まるで責任がないということをおっしゃっているようですので、こういう発言は問題ではないかと認識しております。
 4年前に東日本大震災が発生した際には24時間、手話通訳をつけ対応してきたという実績もあります。にもかかわらず、このような公平性がないからという書きぶりで、現時点では難しいと言い切る。これは矛盾があるのではないかと思っております。総務省の姿勢を問いたくなるという気持ちですが、いかがでしょうか。

○石川委員長 ありがとうございました。それでは、総務省、お願いいたします。

○総務省 総務省地上放送課、石原でございます。今御指摘賜りました回答のほうですね。聞いておりますというしまい方に関しましては、これは放送事業者、要するに放送番組発出者、例えば国会中継でございますので典型的にはNHKということになりますけれども、そちらのほうの番組編成の自主性と申しましょうか、そこにいささか忖度させていただいた表現ということで、今回は「聞いております」としております。要するに、役所のほうで主体的に番組編成のほうにさせていただくという表現よりかは、そういった事情がございまして、その辺の部分で番組編集への配慮が必要でございまして、そういう表現とさせていただいたという事情でございます。

○石川委員長 そういうお答えでございますが、石野委員、よろしいでしょうか。

○石野委員 今の御回答ですが、民間事業者にという考え方のようですが、総務省としては聴覚障害者に対して全く考えておられないということですか。

○総務省 そういうことではございませんで、今やろうとしている字幕もしくは手話、正確性を持って情報の伝達、速報性というところも当然大切な視点としていることは承知してございます。
 一方で、番組編成に当たって、手法という部分ではいろいろ折り合いをつけなければならない部分がございますので、その辺の検討も並行して進めていく予定で、優先順位をつけているとか、問題意識がないということではございません。

○石川委員長 ありがとうございました。これは総務省にお聞きする話ではないのですけれども、国会の審議の内容を国民に提供するということは、衆議院、参議院ともにストリーミングでなさっていらっしゃると思いますが、立法府としての責任として、このストリーミングに字幕をつけるということが、権利条約的にはそういう話というのは、第一の責任主体がどこかという議論を考慮すれば、おのずと答えか出るのではないかと思うのですけれども、基本計画の監視の中でそれについて議論してもしようがないというか、それを超えてしまうという部分があるので、権利条約のモニタリングというものをやっていく場合に、こういう問題が起きたときに、実は総務省であるとか、あるいはNHKに対して、こういう議論をせざるを得ないという、ある意味での限界だという感じもしているのです。本来は立法府としてストリーミング中継の中で字幕をつけていただくべきことで、それは権利条約の実施報告の中で、やっているやっていないということは問われるのではないかと思うのですが、これについては総務省にコメントを求めるつもりはございません。私の個人的な意見として、そういうふうに考えております。
 石野委員、いかがでしょうか。

○石野委員 では、次の機会がありましたら、放送事業者にもお聞きしたいと思います。

○石川委員長 それでは、松森委員、お願いします。

○松森委員 松森でございます。
 今の国会中継について、これは情報アクセシビリティのワーキング・セッションで私も発言しましたが、国会中継というのは1953年からテレビ放送されているのです。にもかかわらず対応されていないというのは、やはり大きな課題として認識していただきたいと思います。
 もう一つ、資料3-2、82ページについて、こちらには字幕放送の字幕などがあります。それに加えて手話放送の実績も掲載したほうがよいと思います。NHK総合で0.2%、NHK教育で2.5%、民放は0.1%と少ない数字ではありますが、課題が明確になるので出していただきたいと思います。
 もう一つ、資料3-3、14ページの②になります。ここには「難聴者の情報アクセシビリティの施策にも対応してほしい」と書かれておりますが、難聴者と限定するのではなくて、「高齢難聴者、ろう重複障害を持つ方を含めた、幅広く聴覚に障害を持つ人への施策」と、言葉を変えたほうがよいのかなと思いました。
 以上です。

○石川委員長 全て御意見ということで受けてよろしいですか。御質問はございますか。大丈夫ですか。
 それでは、1点、私からも意見及び質問をさせてください。資料3-2の76ページの行政情報のバリアフリー化についてですけれども、これについては資料3の論点の中に記載がないので、これを入れる必要があると考えております。
 その上で、各省の対応についてですけれども、大きく分けると3つのことに気がつきました。1つは、内閣府や経済産業省、文科省等は、JIS X 8341-3に準拠であるとか、アクセシビリティ方針を定めるとか、研修をやるといったようなことが書かれていて評価できると思いました。
 一方、警察庁とか金融庁とか法務省の書きぶりは、支援ツールを提供していますとなっていて、イージー・ウエブ・ブラウジングのようなツールだと思いますけれども、これはユーザーが支援技術、機器を自分が持っていなくても、例えば高齢になって見えづらくなって、このウエブサイトが提供している支援ツールを使うと読み上げはできる、あるいは色を変更できるといったようなツールのことだと思いますが、そのツールを用意しているということと、個々の行政情報をアクセシブルにしているということは関係がないといいますか、それは保障するものではないので、この行政情報のバリアフリー化の施策として、必ずしもそれは必要ない。あるいは、ないよりはあったほうがいいかもしれないけれども、本来的なこの施策で求めているということは、行政情報そのものをアクセシブルにするということなので、その点に合致していないと指摘させていただきたいと思います。
 3点目ですけれども、これは総務省の御報告は、「みんなの公共サイト運用モデル」というのをつくって、地方公共団体で実質準拠率云々かんぬんという記載はあるのですけれども、自己への言及がございませんので、総務省はどうしているのかということを教えていただきたいというのが3点目です。
 以上です。ということで、とりわけ総務省にお聞きしたいのですけれども、いかがでしょうか。
 あと、全くやってないかのように何もないのが、大物で言えば、厚生労働省とかここのあたりですけれども、ほかにもたくさんありますけれども、どうですか。厚生労働省としてはどのようなスタンスなのでしょうか。
 では、まず総務省のほうからお願いいたします。

○総務省 総務省の情報通信政策局のオカザキと申します。今の御質問は、総務省のホームページの準拠というところだったと思います。総務省のホームページはJISの3のAAに準拠していると、たしか公表していたと思っております。今ので答えになっておりますでしょうか。

○石川委員長 そのことも書いておいていただきたい。資料3-2にはその言及がないように思いますという指摘でした。

○総務省 承知いたしました。

○石川委員長 ここの行政情報のバリアフリー化は全ての中央省庁にかかわってくることでありますが、全く言及がないというところは、やっていませんという形になるのでしょうかというのを、厚生労働省に代表してお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか。

○厚生労働省 自立支援振興室長でございます。
 1点目は、模範演技をやらなければいけないという御趣旨だと思いますけれども、またそういう厚生労働省関係の情報を外にわかりやすくお示しするということにつきましては、部署で言いますと官房の機能になりますものですから、しっかりとそこは伝えまして、合理的配慮の関係もございますので、またよく議論をしてみたいと思っております。
 以上です。

○石川委員長 実施計画まであと3年間ございますので、少なくとも3年間の間にぜひ内閣府であるとか、文部科学省であるとか、こちらのような書きぶりの実績となるように、ぜひお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 ほかに情報アクセシビリティに関して御意見はございますでしょうか。大河内委員、お願いします。

○大河内委員 大河内です。
 意思疎通支援の論点の2番目のところで少し気づいたことですけれども、通訳、コミュニケーション支援の充実というのは、そのとおりですけれども、現状として近年社会参加、あるいは就労の拡大を大きく推進するために、ICTスキルの機能アップというのが言われています。ITサポートセンターなどが運営されていて、そこで障害を持った人たちのITスキルの向上が図られていることは承知しているのですけれども、多分それではもう今は追いつけないほど、特に感覚障害を持つ人たちを巡るICT技術というのが進んでいるので、ICTの支援、指導が可能になる人材の育成みたいなことを、ちょっとふわっとした言い方で申しわけないのですけれども、その意思疎通支援の中に組み込んでいただく必要があるのかなと思いました。
 例えば視覚障害者で言うと、これまですごく使いにくいとされていたアップル社のiPhoneという機械が物すごく今視覚障害者にとってアクセシブルなものになっていて、さまざまな技術とか試みがなされている一方で、それについていけていない人もたくさんいる状況です。そういうことを踏まえると、ICTスキルの充実と支援する人材育成というのが必要なのかなと思って、意見として述べさせていただきました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 松森委員、どうぞ。

○松森委員 もう一点、電話リレーサービスへの取り組みについて言及されていないと思いますので、ぜひその取り組みを書いたほうがよいと思います。電話リレーサービスというのは、聞こえない人が健常者と同じように電話を利用できるサービスのことです。アメリカでは当たり前のように普及しておりまして、日本でも多くの人が利用しています。そうした細かいデータというのは日本財団が調査をしていると思いますので、ぜひ載せてほしいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、「7.安全・安心」に移りたいと思います。御意見のある方は挙手をお願いします。
 では、阿部委員、お願いします。

○阿部委員 日身連の阿部です。
 私はこの検討のときに休んでいたみたいなのですけれども、東日本大震災からの復興、87ページの7-(2)-3に、「住み慣れた生活環境から離れて避難生活を行っている障害者に対する心のケア、見守り活動、相談活動などの取組の充実を図る」の中の具体的な進捗状況の中で、厚生労働省の事業だと思いますけれども、被災対応のよりそいホットラインというのは、電話相談ですけれども、すごく大きな役割を果たしてきたということも、これは大事なことなのかなと思いまして、ちょうど被災地でもある私たちの立場から、その事業の大きさについても言及させていただきたいと思いました。
 心のケアとか相談活動、電話相談が充実した取り組みを、震災を機会に行われたということはとても大きいことかなと思って、その旨について発言させていただきました。

○石川委員長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。
 花井委員、お願いします。

○花井委員 花井です。安全・安心のところで、前々回のときだったと思うのですが、避難行動要支援者名簿の作成についてどのぐらい進んでいるのかという質問をしたところ、消防庁のほうからきょう資料8の中で23.9%と示されているのですが、それが資料3-2及び3-3にそのことについての記載がないと思うのですが、重要だと考えておりますので、ぜひとも追加の記載をお願いしたいと思います。

○石川委員長 御指摘ありがとうございました。7について、ほかにございますか。
 ないようでしたら、「8.差別の解消及び権利擁護の推進」について、御意見をお持ちの方は挙手をお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 そうしましたら、次の「9.行政サービス等における配慮」につきまして、御意見、御質問がございましたら挙手をお願いします。
 竹下委員、お願いします。

○竹下委員 竹下です。
 結論としては、司法の分野で裁判における合理的配慮について、一切監視もできなければ、これに触れられないというのは、やはり権利条約33条から見たら非常に不自然だということであります。
 権利条約の13条は、司法における合理的配慮の問題を明確に規定し、33条はその監視をうたっております。さらには、障害者基本法の29条には、民事訴訟法も含めました司法における合理的配慮を明確にうたっているわけであります。
 にもかかわらず、先ほどの国会の部分も含めて、それは三権分立だから監視の対象にならないんだとするならば、私はそれ以上の議論は今日はあえてしませんが、2つだけ申し上げておきます。
 1つは、今日私は条文を持っていないので暗唱はできませんが、憲法を読んでもらったらわかるのです。裁判は条約や法の支配を受けるのです。であれば、少なくとも障害者基本法の29条の支配は受けますし、あるいは条約に基づかない裁判はあり得ないわけです。国会における合理的配慮も同じであります。少なくとも、先ほど石野委員の指摘に対するこの部分の回答は、我が国における民主主義のいわば限界として、まさに国際的に恥じることになると私は思うわけです。
 仮にこの報告を外務省が行うときには、明確に、国会及び裁判所については監視がされない状態で報告するということを明記するべきだろうと思います。
 以上です。

○石川委員長 基本計画に基づく監視イコール権利条約の監視でないというのは、当委員会のほぼ共通した意見、考え方であると私は理解しておりますが、よろしいでしょうか。その上で、きょうは基本計画に基づく監視に特化して、その範囲内、そういうのを私が逸脱したではないかと言われてしまうのですけれども、その点はおわびいたしますが、一応論点として竹下委員の御指摘は、きょう議事録にも載りますし、権利条約のモニタリングというのは、これは分けて、本委員会の所掌範囲なのかどうかという議論も当然あって、範囲でないならば、それはないということだし、範囲だということであれば、ここでやらなければいけない。二択だと思いますので、そこは曖昧なままにして政府報告を出して、権利委員会から突っ込まれてしどろもどろになるよりは、はっきりさせたほうがいいと思いますので、それは課題、宿題として、ここで共有させていただくということでよろしいでしょうか。

○竹下委員 はい。

○石川委員長 それでは、総務省のほうから9について補足説明がございますので、それを忘れておりましたので、ここで総務省のほうからお願いしたいと思います。

○総務省 総務省公務員部の松田と申します。よろしくお願いいたします。
 前回の会議におきまして、佐藤委員から、自治体での採用試験について御発言いただいたと承知してございます。その上で、資料3-3、9の(2)②ということで、このような記載がなされているものと承知してございます。この点につきまして、若干ながら補足させていただきたいと思っております。
 地方自治体での採用試験の実施に当たりまして、どのような受験資格を設けるかということにつきましては、募集の主体である各地方団体が募集しようとする具体的な職務内容当を踏まえて定めているものでございますが、改正障害者雇用促進法が来年4月から施行されることでございます。その中の36条の2から5まで、いわゆる合理的配慮に関する規定につきましては、地方公務員にもそのまま適用となるわけでございます。
 それを踏まえまして、総務省といたしましては、改正法が公布された平成25年6月の際、さらには合理的配慮の指針が告示された本年3月、文書によって各地方団体に通知をいたしまして、これら改正法の趣旨、合理的配慮に関する指針の趣旨、こういったようなことを踏まえた適切な対応を要請してきたところでございます。
 さらには、厚生労働省のほうから各都道府県労働局長に対して通知をされました改正法の留意事項ですとか、Q&A、事例集、こういったようなものにつきましても、地方団体における対応の参考としていただくということで、情報提供をしているところでございます。
 現在、各地方団体におきまして、こういった改正法の趣旨、合理的配慮の指針といったようなことを踏まえた対応を検討しているという状況でございます。
 総務省といたしましても、今後とも障害のある方の雇用の促進、合理的配慮、適切な配慮ということで、情報提供を支援してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

○石川委員長 補足、ありがとうございました。
 それでは、先ほど手が挙がっておりました松森委員、お願いいたします。

○松森委員 松森です。
 資料9、厚生労働省からの回答になります。私が質問した欠格条項についての回答があります。直近1年間の回答のみではなくて、推移や課題を明らかにできるよう、毎年の取りまとめが必要になります。
 また、医師、薬剤師だけではなく、欠格条項見直しで法律が変わった資格・免許の国家試験受験者と免許交付を受けた人について対象とすることが、政策の検証の上で不可欠だと思います。さかのぼって調べるのは大変だとしても、毎年各担当部局が集計して報告するような取り決めにすればよいことだと思いますので、まずはことしから実施するよう提案します。
 もう一つ質問として、医師に関して該当者2名とあります。この障害別の内訳はわかりますか。わかれば教えてください。

○石川委員長 ありがとうございました。厚生労働省のほうで、きょうの段階でお答え可能でしょうか。

○厚生労働省 厚生労働省の自立支援振興室長でございます。正確にこの件についてお答えする担当者が来ておりませんので、お時間の中で間に合えば御報告いたしますし、もしそれができなければ、またしかるべき御回答をさせていただければと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。ほかに御意見はございますでしょうか。
 ないようでしたら、次の「IV 推進体制」につきまして、これは前回も議論いたしましたけれども、さらに御意見、御質問等がございましたらお受けしたいと思いますが、何かございますでしょうか。
 では、松森委員、お願いします。

○松森委員 松森です。
 推進体制について、私も繰り返し述べているのですけれども、政策委員28名の中で障害女性は2人だけということ、権利条約第34条には、委員会の構成について男女は衡平に代表されることについて書かれております。このことが一言も書かれておりませんので、ぜひ入れてほしいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。この点についても、推進体制のあり方についての政策委員会としての考え方として、女性の当事者委員の問題に加えて、以前から議論がございます精神の委員であるとか、知的の委員であるとか、多様性、ジェンダーバランスについての言及は必要かと思いますが、ほかの委員の皆さん、御異論等はございますか。
 ありがとうございました。推進体制はこれでよろしいですか。
 では、最初に戻りまして、「1.生活支援」につきまして、御意見あるいは御質問をいただきたいと思います。
 三浦委員、お願いします。

○三浦委員 ありがとうございます。資料3-2になりますけれども、4ページ目と5ページ目に関係いたしまして、4ページ目の基本的方向の1-(1)-10の部分で、進捗状況としてお答えになっている厚労省の文章ですが、「ピアカウンセリングを位置づけた相談支援事業に位置づけ」となっておりまして、前のほうの「位置づけた」というのは重なりがあって要らないのではないかと思いましたので質問いたします。
 2番目、同じく4ページの1-(2)-1でございますけれども、これも進捗状況が報告されましたときに、居宅介護等553万時間という時間での表現の仕方は、一般的に非常にわかりにくいのではないかと。何人に対してというものがこの時間と並列して書かれていれば想定はできるのですが、それが5ページの重度訪問介護の数字の記載も同じでございますので、質問させていただきたいと思います。何人に対してこの時間のサービスを提供しているということがあらわせるものかどうかをお尋ねしたいと思います。
 それからもう一点、5ページ目の1-(2)-7の「障害の重度化・重複化、高齢化に対応する地域における居住の支援やサービス提供体制の在り方、専門的ケア方法の確立」という部分に関しての進捗状況の記載がなく、「及び」以降、「強度行動障害のある」に関しましては進捗状況が記載されています。前段の部分が極めて重要であることがワーキング・セッションのIIの部分でも、重度障害者の方々、それから精神の方々の地域移行に関しても、ここ前段は非常に重要だったので、進捗状況の記載をお願いしたいと思います。
 以上3点です。

○石川委員長 ありがとうございます。1点目は御指摘のとおりかと思いますので、2点目と3点目について、2点目は延べ人数も欲しいという御意見と理解してよろしいでしょうか。重度訪問介護及び居宅介護等で、実績を時間単位のみならず人数でも示してほしいという御意見。それから、3点目について厚生労働省からお答えいただきたいと思います。

○厚生労働省 厚生労働省の自立支援振興室長でございます。
 2点目の居宅介護等のサービスの提供時間のみで表現されているということにつきまして、わかりにくいということでございますけれども、実人員についても把握できているのではないかと思いますので、これは確認の上、きちんとそれが把握できておりましたら盛り込むように検討したいと思います。
 もう一点の5ページの1-(2)-7の前段の部分、専門的ケア方法の確立についての言及がないということでございますけれども、これはさまざま対応している部分もあるのではないかと思われますので、ここも確認の上、記述できることがありましたら、きちんと盛り込んでいきたいと思っております。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、河井委員、お願いします。

○河井委員 河井です。
 私は、資料3-2の8ページ、9ページにかけてですが、(5)人材の育成・確保というところで、1-(5)-1と1-(5)-2ということで2つあります。下のほうは、国立リハビリテーションセンターの養成に関しての記述なので、これでよろしいかと思いますが、1-(5)-1は全般的な社会福祉士であるとか、理学療法士、またホームヘルパー等の研修についての記載になりますので、ここの推進状況についてはもう少し違う書きぶり、厚労省でいろいろな人材育成政策をとっておられると思いますので、その辺を記載していただくほうがよろしいかと思います。
 以上です。

○石川委員長 これは御意見を受けていただけるという感じでよろしいでしょうか。厚生労働省、大丈夫でしょうか。

○厚生労働省 厚生労働省の自立支援振興室長でございます。御指摘の点につきましては、確かに記載が国立リハビリテーションセンターのみの養成人員に限っての記載になっておりますので、厚生労働省の人材確保対策の中で施策を打っている部分があると思われますので、記述できるものがないかどうか、確認をいたしまして、盛り込むことができる内容がございましたら、盛り込んでいきたいと思っております。
 以上でございます。

○石川委員長 よろしくお願いいたします。
 それでは、門川委員、お願いします。

○門川委員 門川です。
 盲ろう者に関しての発言ばかりで恐縮なのですが、盲ろう者についてはいまだに認知度が低いなと、きょうも東京に出てくるのに私自身一人で移動しているのですが、駅員さんとのやりとりも、目が見えず、耳も聞こえないので、手に書いてくださいと言っても、紙に書いて渡されるのです。ちゃんと白杖も持っているわけですが、紙に書いて渡されても読むことができません。また、別の駅員さんに、コーヒーが買いたいと話をするのですが、手に書くという方法がぴんとこないようで、マジックで書かれそうになり、「そうじゃなくて、手に指で書いてください」と言うと、今度は指の腹に書こうとするのです。このように、盲ろうについては認知度が低いなと思っていまして、教育のところでも発言させていただいたのですが、盲ろうという文言はぜひ入れていただきたい。盲ろう者というのは盲でもない、ろうでもない、盲ろうという一つの独立した独自の障害種別ということなのです。
 それで、本題ですが、1-(6)、福祉用具の研究開発と障害者自立支援機器等の開発についても、さまざまな助成制度が実際にはあるのでしょうけれども、我々盲ろう者に特化して開発されているものというのはどれぐらいあるのか、大変興味のあるところです。もし開発されているものがあるなら、品目とか、どういうものが実際にあるのか知りたいと思っています。
 ちなみに、体温計もありませんし、体重が気になっても体重計もありませんし、そういったものもないのです。視覚障害者向けのものは音声で使えるものがたくさん出ていますが、我々は聞くこともできませんから、聞くこともできない、見ることもできない、そういう人が使えるものの開発、そういったものに特化した開発制度があるのか、そういうものをぜひお聞きしたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。盲ろう者が必要としている支援機器の開発に、国としてどのような施策で取り組んでいるのかという御質問かと思いますが、厚生労働省あるいは他省でもございましたらお願いします。

○厚生労働省 厚生労働省の自立支援振興室長でございます。
 厚生労働省におきましては、福祉機器について基礎的な技術は開発されているけれども、それを実用化がなかなかできないということで、その実用化に係る経費の助成をやっております。
 そういった中で、盲ろう者の方にお使いいただけるような福祉機器について、実用化に至っているものはどうもなさそうでございます。ただ、今、体温計のお話もございましたけれども、盲ろう者の方がどういった福祉用具といいますか、機器を必要とされているのかというニーズを機器開発されている方にきちんとつなげていくということがこれまで十分できていなかったということがございましたので、昨年度からニーズを機器の開発事業者につなげていく事業に取り組み始めたところでございます。これからもやっていきますので、そういった中で御要望がきちんと機器開発される皆さんにつながっていくように取り組んでいきたいと考えております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。シーズ、ニーズマッチング事業を展開されているということですね。
 辻井委員、お願いします。

○辻井委員 9ページの1-(5)-2の部分ですが、先ほど1-(5)-1のところがリハビリテーションセンター学院だけではなくという、非常にもっともな意見が出たのですが、1-(5)-2についても、基本的には前段のところは障害にかかわる専門的な研究を行って、その研究成果をもとにして養成や研修がなされるという形の文面になっているわけですので、国の研究所の中でどういう有効な研究というのがきちんと成果を出し、それらの成果がどのように養成や研修や生かされているのかということの御報告をいただいたほうが、本当に一部の国立の学院でかなり少数の人数の方の養成をなさいましたということではなくということのほうがいいのではないかなと思います。
 国立障害者リハビリテーションセンター以外にも、国立の専門機関が障害にかかわる専門的な研究を行って成果を出しているわけで、例えば精神・神経研究所等でも自閉症などに関連する診断技術というものを開発しているでしょうし、文部科学省のほうの管轄になるのかもしれませんが、国立特別支援教育総合研究所のほうでも学習障害関連のところでMIMというような読み書きに関連するようなものを開発し、それが実際に研修され生かされているということが実際に行われていますので、書いてある中身を、一研究所の中の一学院の人数を書くのではなく、どういう成果が上がり、それがどう普及啓発に役立っているのかという形にぜひ直していただければありがたいと思います。

○石川委員長 御意見、ありがとうございました。御指摘のとおりかと思いますので、そのような改良をお願いできればと思います。
 時間がだんだん押してまいりまして、一たん戻ったのですが、あとお一人ぐらいの感じで次へ行っておいたほうがいいというのが私の判断ですけれども、私こそ言いたいんだという方はいらっしゃいますか。
 では、伊藤委員、お願いします。

○伊藤委員 貴重な発言の機会をありがとうございます。どこで発言していいかわからなくていろいろ探していたのですが、実は虐待ということなのか、医療・保健分野のことなのかわかりませんが、先般この問題を少し、患者さんのお話を聞いたところ、自分の力で体位交換できなくて声を出せないという重度の神経筋難病の患者さんが言っていたのですが、ナースコールをしてすぐに来てほしいと、特に痰が詰まっている場合はすぐ来てほしいわけですけれども、5分、10分後に来るどころか、ひどいときには時間単位で来てくれないと。これは虐待というよりも拷問だと言っておりましたので、何かそういうようなこともどこか、ここで入れるわけにいかないのでしょうけれども、そういうような重度の体位交換もできない、声も出せないような患者さんたちのナースコールといいますか、そういうような介助を求める、あるいは何らかの措置を求める行為に対して、それ以降のアクションができないために、長時間苦しい状態で放っておかれるという現状もあるということだけでも、きょうはぜひお話をしておきたかったと思います。ありがとうございました。

○石川委員長 大変重大な問題だと思います。御指摘ありがとうございました。
 最後にまた時間があればということにさせていただいて、「2.保健・医療」に移らせていただきます。2につきまして、御意見、御質問がおありの方は挙手をお願いいたします。
 平川委員、お願いします。

○平川委員 平川です。
 資料3-3の4ページでございます。この中の⑧、代弁者制度の検討ということが記載されておりますが、これは実現されていないという形で書いてありますが、今、附帯事項として検討中の課題でございまして、「実現されていない」という表現はちょっと実態と合わないので、これは「検討されている」という表現に変えていただければと思います。それだけです。

○石川委員長 これは事実関係にかかわることですので、平川委員御指摘のとおりとすれば、そのように変更させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。事務局のほうで確認をお願いいたします。
 ほかに。では、上野委員、お願いします。

○上野委員 精神科医の上野です。
 資料3-2の18ページになります。一番上、「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」を策定とあるのですけれども、確保するための指針自体は27ページにあるのですが、私はずっとある点に関して疑問に思っております。27ページの精神病床の機能分化に関する事項ですが、「機能分化は段階的に行い、人材・財源を効率的に配分するとともに、地域移行を更に進める。その結果として、精神病床は減少する」とあります。この点に関して、私の感覚では、機能分化を進行させたとしても、その結果精神病床は減少することにはならないのではないかと強く思っているのですが、この点に関してはいかがでしょうか。

○石川委員長 御指摘ありがとうございました。厚生労働省のほうからこの部分について、結果としてということはオートマティックにと読めますけれども、その因果パスが見えないというのが上野委員の御指摘かと思いますけれども、よろしくお願いします。

○厚生労働省 厚生労働省精神保健医療統括推進官を務めております江浪と申します。
 御指摘の点でございますけれども、この文章の要点に関しましては、地域移行をさらに進めるというところに重点が置かれているのかなと考えております。
 現在、精神病床に関しましては、長期入院を1年以上の入院ということで定義をさせていただいておりますけれども、1年以上の長期入院の方に関しましてはまだ20万人ほどいらっしゃるという中で、その方々の地域移行を進めていく中で、必要な精神病床数に関しましては減少していくのではないかと考えているところでございます。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。上野委員、よろしいですか。

○上野委員 そうしたらもう一つ。機能分化に関しては、例えば「特殊な病棟をつくると、新たに多くの診療報酬がいただける」ということかと私は理解しています。現実には、病院の規模が大きくないと、なかなか特殊な病棟をつくることはできません。機能分化のためには、特殊な病棟を作るためには病院の規模が大きいことが必要になります。そうすると、機能分化によって診療報酬をそういった特殊な病棟に対して高く設定するということが、病院の規模を小さくする、病床を少なくするということに関して逆インセンティブとして作用しているのではないかと考えられたりもするのですが、その点はいかがでしょうか。

○石川委員長 これにつきましても、病院のダウンサイジングということについてだと思いますが、厚生労働省、お願いいたします。

○厚生労働省 精神保健医療統括推進官を務めております江浪でございます。
 今、上野委員が御指摘の点、機能分化というものを病棟という単位で進めていった場合に、実際には病床が減らないのではないかという御指摘に関しましては、これは関係団体のほうからもいただくことがございます。
 この機能分化というものをどういうふうに適切に進めていき、また診療報酬上、どういうふうに評価していただくことができるのか、その点に関しましては中央社会保険医療協議会、そういったところでの議論も必要でございますけれども、しっかりと検討していきたいと考えております。
 以上でございます。

○石川委員長 重要な課題でございますので、政策委員会としても引き続き検討させていただきたいと思います。ありがとうございました。
 大濱委員、お願いします。

○大濱委員 大濱です。
 本日、資料10を提出したので、それもご覧ください。資料3-3の4ページ目の「保健・医療」の関連ですが、データが少ないので、厚生労働省から新たにデータをご提供いただき、それに基づいて資料10を作成しました。
 資料10の7ページ目をご覧ください。ここに棒グラフ、折れ線グラフがありますが、これは精神病床の入院形態別の在院患者の数字です。人数でも構成比でも年々医療保護入院が増えていることがわかりますが、これに対するコーディネーターの意見を1ページ目に記載しています。
 また、資料3-3の4ページに厚生労働省が、精神医療審査会において審査を行う仕組みが設けられていると書かれていますが、これについても資料10にデータを記載しています。
 資料10の3ページ目をご覧ください。ここで言えるのは、定期の報告等に対する精神医療審査会の審査結果は、約26万件のうち、他の入院形態への移行が適当や、入院継続不要という結論が出されたのが合計9件に過ぎません。そのほかに、退院等の請求2,270件のうち、入院又は処遇は不適当と認められたのが5.1%です。処遇改善の請求308件では、同じく5.8%です。
 これを少ないと見るか、多いと見るかについては意見が分かれると思いますので、資料10ではコーディネーターの意見を両論併記しています。ただ、個人的にはちょっと少ないなと感じますし、本当に精神医療審査会はきちんと機能しているのかという疑問もあります。
 同時に、任意入院が、本人の意思に基づく入院であるにもかかわらず、どうも長期入院になっている傾向があるのではないかという数値を、資料10の3ページ目にお示ししています。例えば在院1年以上の19万7,000人のうち55.5%が任意入院ですが、5年以上の10万9,000人のうち58.8%と、逆に割合として多いという結果があります。
 これらの数字を材料に議論していただければということで、コーディネーター間の意見の相違も含めて記載しています。
 大体大きなところはその3点です。以上です。

○石川委員長 どうもありがとうございました。コーディネーターの間でもかなり意見が分かれているということで、このまとめの部分はさらに検討を要すると考えております。この点につきましてはまた最後に少し、次回の政策委員会についての事務局からの御案内の中にも、少しそれにかかわる部分が含まれるかと思います。
 ほかに2につきましてございますか。辻井委員、お願いします。

○辻井委員 20ページの2-(4)2ですが、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等のというような人材の問題ですが、ここもリハビリテーション学院のかなり少数の人数のところが書いてあるのですが、全般的にはむしろ各療法士の職能団体、それから各学会と絡めて、必要なことを講演等をしながら、国としてこうした質の向上を図っておられると思いますので、一部の小さな学院の話ではなく、全体状況のところを示していただけるといいのではないかと思います。

○石川委員長 ありがとうございました。まだ若干時間がございます。
 では、まず佐藤委員からお願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。2点あります。
 1つ目は、前回発言させていただいた議会の杖の禁止規定、これは各議会の標準規則で書いている結果、愛知県とか鹿児島でこういう問題が起きたということで、これはどこかにぜひ入れていただきたいということが一つです。
 もう一つは、先ほど教育のところで、竹下委員と石川委員長が発言されたことと重なるので恐縮ですけれども、今回のまとめですと、インクルーシブ教育がどのぐらい進んでいるのかというのが弱い、わかりにくいと思いました。マッカラムさんも言われていたのですけれども、普通の学校にどのぐらい障害を持った子が行けているのかというのが客観的にわかるようにということを5月に言われていましたので、そういう客観的にわかるようなデータがあれば記述していただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。2点目については、そのように文科省のほうに御努力いただければと思います。
 1点目についてですが、これはどこに入れるべきというのが佐藤委員の御意見ですか。

○佐藤委員 7かなと思っていたのですけれども、どこかよくわからないのですが、9の行政サービスですか。でも、議会ですから別になるのですか。

○石川委員長 基本計画の実施状況に対する監視として、個別の案件に、地方議会における案件について触れることが可能かどうかについて、ちょっとこれは内閣府の御意見を伺いたいのですが、いかがでしょうか。

○加藤参事官 第3次障害者基本計画の中にそのような項目はないので、そういう御意見があったということはどこかに残しておくという形になろうと思います。

○石川委員長 もう少し工夫の余地がありますでしょうか。即答は難しいと思いますので、ちょっと検討させていただく。何かよいアイデアがあれば。
 竹下委員。

○竹下委員 竹下ですけれども、佐藤委員の指摘の部分というのは、今、差別の解消の権利擁護のところがありますね。その部分に直結する問題ではないのでしょうか。まさに、議会における傍聴とか、そういう問題というのは、バリアフリー化がされていないことから生じる差別的処遇ということではないのでしょうか。

○石川委員長 そうなのですけれども、地方議会のことにかかわるので、これも第3次計画マターには難しいかなと思うのですが。
 では、審議官、お願いします。

○中島審議官 担当の審議官の中島でございます。
 今の御指摘の件は事務局で預からせていただいて、まず障害者基本計画の監視という点で、この監視の議論の中で果たしてその射程距離はどこまで及ぶのか、国会または司法というものでどこまで及び得るのかということを改めて整理させていただくということが一つ。
 もう一つは、そもそもの障害者政策委員会のミッションとして、誰に対してどういうことを求めることができるのか、または意見表明できるのかというところもあり得ると思うわけです。いわゆる障害者政策委員会の権限として与えられた幅というのはどうなのかということもありますので、その2点を改めて整理させていただいて、また委員長と御相談させていただければと思います。

○石川委員長 ということでお願いいたします。
 それでは、時間がいよいよないので。では、大濱委員。

○大濱委員 資料3-3の8ページ、【論点】環境の整備は進んでいるのかの中にぜひ加えていただきたいのが、先ほど加野委員からも話がありましたが、自分が住んでいる近くの学校に通えるという環境整備は進んでいるかという点です。
 というのは、資料3-2の41ページでは、普通学級に通っている障害児は、通級による指導を受けている子供だけでも8万4,000人という数字が記載されています。しかし、私の知っている限りでは、ほとんどが普通学級を選択するとき、学校の送迎は親御さんやご家族にお願いしますとか、教室の中も必ずご家族がついてくださいねとか、そういう条件を課されます。それによって初めて普通学級に通える、地域の学校に通えるというのが現状です。ですから、やはりそのあたりの環境もきちんと整備していくことは、今後の非常に重要な課題ですので、ぜひこの項目に加えていただきたい。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。差別解消法で言えば、特別な条件を付していることに当たるのではないかという疑いがあるということでもあろうかと思います。ありがとうございます。
 では、伊藤委員、お願いします。

○伊藤委員 ありがとうございます。これは、大濱さんの先ほどの報告に対する質問と意見ですが、よろしいでしょうか。
 意見1と2がありますが、私は2の意見は賛成できないのですが、1の意見、2の意見共通ですが、いつも言っているように、認知の障害、複数の認知障害というだけではなくて、これらは嚥下、そしゃくから排せつ、コミュニケーション、移動等、あらゆる障害が同時に多発し、進行する全身性、難治性の脳疾患だと捉えていただければ、当然ここでおっしゃるようにオレンジプランの中に持ち込むということは検討する必要があると思います。
 ただ、意見2の言うように、精神科医療の介入は必要ではあるけれども、意見1の言うように、精神科医療が中心となるべきでないという見解に賛成したいと思いますので、その方向でぜひまた今後も進めていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。ほかにも手を挙げていただいている方がいらっしゃるのですけれども、申しわけございません、時間がございませんので、ここまでとさせていただきたいと思います。
 本日予定しておりました議題は以上となります。
 次回の日程について、事務局からお願いいたします。

○加藤参事官 では、次回以降の日程についてお伝えいたします。
 お手元の参考資料2をご覧ください。今後の障害者政策委員会の予定を記載しております。次回第25回障害者政策委員会につきましては、8月31日月曜日13時15分開始、場所は4号館4階408会議室、この部屋になります。
 次回は、石川委員長と御相談させていただきまして、ワーキング・セッションで議論のありました精神障害者の地域移行の支援、インクルーシブ教育システムにつきましては、重ねて有識者の御意見を伺い、障害者政策委員会全体で議論を深めるべきと思われることから、まず精神の関係では東京都精神医学総合研究所の西田淳志様と、教育に関しましては障害者政策委員会の柘植雅義委員からヒアリングを行いたいと考えております。
 また、その上で、本日出た御意見などを踏まえまして、事務局におきまして資料3-3の「議論の整理(案)」に修文、追加等を行ったものを作成し、資料3-1「第3次障害者基本計画の実施状況の監視について(案)」、資料3-2「障害者基本計画(第3次)の実施状況(案)平成25年度」とあわせて取りまとめに向けた御議論をいただきたいと考えております。
 以上でございます。

○石川委員長 以上をもちまして、第24回障害者政策委員会を終了いたします。