障害者政策委員会(第25回)議事録

○石川委員長 これより第25回「障害者政策委員会」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、御多用のところを御出席いただきましてありがとうございます。
 本日の会議は16時15分までを予定しております。
 それでは、事務局から委員の出欠状況について御報告をいただきます。

○加藤参事官 事務局です。本日は、高橋委員、平川委員、松森委員、山崎委員が欠席との連絡をいただいております。辻委員は代理出席となっております。また、野澤委員から少し遅れるとの連絡をいただいております。
 以上です。

○武川統括官 統括官の武川でございます。
 続きまして、内閣府の異動について御報告いたします。
 障害者政策担当参事官につきましては、今、御発言のあった加藤誠実参事官が厚生労働省へ異動となります。後任の参事官として、厚生労働省から坂本大輔参事官が着任いたしております。
 新任の参事官から一言御挨拶させていただきます。

○坂本参事官 ただいま御紹介にあずかりました坂本でございます。
 前職は厚生労働省の年金局というところでございまして、今回、この障害者分野を担当させていただくこととなりました。
 浅学非才ではございますが、皆様の御指導を受けながら精いっぱい頑張っていきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

○武川統括官 ありがとうございました。
 前任の加藤参事官は、本日の会議も御担当いただけるということで、会議の最後に御挨拶させていただきます。

○加藤参事官 なお、会議冒頭、委員の皆様の御迷惑にならない範囲で取材が入りまして、写真撮影が行われますので、御承知おきください。
 以上でございます。

○石川委員長 それでは、本日の議事に入ります。
 毎回のお願いでございますが、この委員会のルールに従って御発言をいただきたいと思います。議長が発言を求めます。挙手をしていただき、指名後に発言してください。まずお名前を名乗っていただき、わかりやすく、可能な限りゆっくりと御発言いただきたいと思います。最初に結論を述べ、その上で理由や説明を述べていただくのがわかりやすいかと思います。できるだけマイクに近寄ってお話しください。発言後はマイクのスイッチをオフにしてください。
 また、発言に際しましては、第3次障害者基本計画の実施状況のいずれの項目に関連する御発言であるかを明示していただければ幸いです。
 本日は、参考人といたしまして、東京都医学総合研究所の西田淳志様をお招きして、精神障害者の地域移行の支援について御意見を伺います。続いて、本委員会の柘植委員からインクルーシブ教育システムの現状について御意見を伺いたいと考えております。
 その後、議論の整理案、第3次障害者基本計画の実施状況案の修正版について、事務局から説明をいただいた上で、委員からの御意見をいただきたいと考えております。
 それでは、会議の資料と流れにつきまして、事務局より御説明をお願いいたします。

○加藤参事官 本日の会議資料と流れについて御説明いたします。
 まず、会議資料でございます。
 資料1 西田参考人提出資料「欧州諸国との比較からみる我が国の精神科強制入院制度の課題」
 資料2 柘植委員提出資料「インクルーシブ教育システム」
 資料3-1 第3次障害者基本計画の実施状況の監視について(案)
 資料3-2 障害者基本計画(第3次)の実施状況(案)平成25年度
 これは第22回障害者政策委員会での複数の委員からの御指摘を踏まえまして、各省庁においてデータの追記を行い、わかりやすい説明になるように記述を更新し、前回第24回障害者政策委員会に提出したものにつきまして、さらに御意見、御指摘をいただいた点を踏まえて更新したものとなっております。
 資料3-3 議論の整理(案)
 これは、前回第24回障害者政策委員会に提出しました議論の整理(案)について、御意見、御指摘をいただいた点を反映するとともに、障害者に関する統計と障害のある女性につきましては、横断的なテーマということで、別途項目を起こして整理し、それぞれ別添1、2という形にしたものになっております。
 なお、文意を明確化するために、若干の文言の補足・修正等もあわせて行っております。
 資料3-4 資料3-3の議論の整理(案)の見え消し版
 資料4 資料4 厚生労働省提出資料:障害者基本計画6-(3)-1について(通訳介助員の養成と派遣について)
 資料5 厚生労働省提出資料:第22回障害者政策委員会「9.行政サービス等における配慮」委員からの質問事項(宿題分)について
 資料6 厚生労働省提出資料:第24回障害者政策委員会における議論を踏まえた厚生労働省提出資料
 参考資料1 障害者政策委員会ワーキング・セッションについて
 参考資料2 障害者政策委員会における第3次障害者基本計画の実施状況の監視に係る今後のスケジュールについて(案)
 参考資料3 障害者政策委員会における第3次障害者基本計画の実施状況の監視について(案)(第20回障害者政策委員会 資料)【抜粋】
 また、委員の皆様には机上に常備いたします資料として、障害者基本法、障害者基本計画、障害者基本計画の概要、障害者基本計画の実施状況、障害者の権利に関する条約を御用意しております。
 次に、具体的な進行についてですが、時間を前半と後半に分けまして、前半ではまず西田参考人、柘植委員のお二人から、それぞれ精神障害者の地域移行の支援、インクルーシブ教育システムについて御意見をいただきます。後半では、議論の整理案、第3次障害者基本計画の実施状況案の修正版につきまして、事務局から御説明の上、御確認いただく予定であります。
 なお、これ以降の写真撮影は御遠慮いただきますようお願いいたします。
 事務局からは以上です。

○石川委員長 それでは、前半の内容に入ってまいります。まず、西田参考人から意見を述べていただき、その後、質疑応答を行います。西田参考人には10分ほどのお時間で大変恐縮ですけれども、御意見をいただき、その後、質疑応答には20分ほどの時間を予定しております。続きまして、柘植委員からの意見とそれに対する質疑応答も、それぞれ10分及び20分ということで、全体を合わせて前半は1時間ぐらいを予定しております。
 それでは、まず西田様、本日はお忙しい中、当委員会に御出席いただきましてありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○西田参考人 石川先生、ありがとうございます。東京都医学総合研究所の西田と申します。本日は貴重な機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
 私のほうからは、10分ほどいただきまして、我が国の精神科強制入院制度、特に医療保護入院という日本独特の強制入院制度が持つ課題や問題について、国際比較を通して、そのポイントを整理させていただきます。
 特に、昨今増加している認知症による精神科強制入院について、権利擁護の問題、それから現状の認知症の政策そのものの課題についても考察をさせていただきたいと思います。そのため、基本計画の実施状況に関する話題、枠組みというところに一部とどまらず、権利条約の履行状況を検討する際にぜひ含めていただきたい論点についても述べさせていただきますことを御了解いただけると幸いでございます。
 まず、お手元の資料をごらんいただきまして、上のほうから説明をさせていただきます。我が国の精神科強制入院の頻度や割合が国際的に見てどのような状況かを確認したいと思います。
 精神科強制入院の国際比較研究は、主にこれまでEU圏において行われてきました。その背景には、EU加盟国間で人が頻繁に移動するわけですけれども、人の移動またはその自由を制限する制度である精神科強制入院制度が国によってどのように異なっているのか、その実態をEU当局が正確に把握している必要があったからであります。
 2002年に欧州評議会がまとめた報告書によると、加盟国間において精神科強制入院制度の諸条件、またその頻度や割合が大きく異なることが明らかになっています。精神科入院全体に占める強制入院の割合を見ますと、ポルトガルでは3.2%、デンマークでは4.6%、ベルギーでは5.8%と、低率であります。一方、フィンランドとスウェーデンでは高い割合が示されていますが、その他ほとんどの加盟国では10%台、20%未満となっています。
 一方、我が国の強制入院の割合は、平成11年から増加傾向を続けており、平成24年時点では45%となっておりまして、国際的に見て強制入院割合がとても高いという特徴があります。
 こうした日本の状況に対して、自由権規約や拷問等禁止条約の国際条約の委員会から繰り返し制度の改善を求める勧告が出されています。この点については、既に弁護士の池原先生からも当政策委員会のワーキング・セッションのヒアリングの機会にお話があったことと存じます。
 精神科強制入院が発動される前提条件として、国際的に共有されている基本的考え方の一つは、強制入院はその他あらゆる手段を使い尽くした上での最終手段とすべきというものです。
 この最終手段性の観点に立ちますと、我が国では地域で問題を解決するためのサービスの整備は一向に進まず、最終手段であるべき強制入院が早い段階で登場し、さらにその手続要件が厳格性を欠いている可能性があるということであります。これは私の個人的見解にとどまらず、自由権規約委員会等の見解、すなわち日本政府への国際条約の委員会からの勧告内容とも一致するものです。いずれにしても、最終手段たる強制入院の割合を下げる制度設計が我が国では今後不可欠であります。
 EU加盟国間の比較研究で、強制入院割合を下げ得る唯一の制度要因として、医療や家族から独立した代理人の関与が強制入院手続上、義務づけられているかどうかです。このポイントが見出されています。
 我が国の強制入院の大半を占める医療保護入院制度は、家族の同意と指定医1名の判断で強制入院が発動される仕組みになっていて、当事者の権利擁護を家族や医療から独立した立場で行う代理人の関与が義務づけられていません。これが極めて重大な我が国の強制入院制度の抱える問題であり、課題であります。
 今後、我が国でも代理人制度または代弁者制度として検討されていくことになろうかと思いますが、その代弁者となり得る人材の前提は、医療から独立していることであります。さらに言えば、代弁者が医療との利益相反のない立場、所属であることが不可欠です。
 各国の同種アルボケーターの多くが法律機関に所属することを踏まえれば、我が国で今後検討される代弁者も基本的には医療ではなく法律機関に所属を置くものとすべきであろうと考えます。
 次に、認知症による医療保護入院に関する問題についてお話をさせていただきます。近年、先進諸国では認知症政策を社会保障の最優先課題と位置づけ、国家戦略を打ち出しております。そうした各国の国家戦略の目標はほぼ共通しておりまして、認知症の人の思いを尊重して、住みなれた地域での生活の継続を目指すというものであります。裏を返せば、こうした国々では、かつて認知症の人の思いを無視し、住みなれない施設や病院での収容を前提としてきた過去があって、その反省に立って国家戦略を打ち上げ、推進しているという状況であります。
 近年、欧州や日本でも認知症国家戦略に関する国際政策会議が開催されておりまして、私もそうした場に関与してまいりました。国家戦略を打ち出している国々においては、認知症の人を精神科病院に強制入院させるという事態は極めて限定的で、まれであることが明らかになっています。認知症の人が強制入院となる場合は、自傷他害要件を厳密に満たす場合に限るわけでありまして、仮に入院した場合であっても、3カ月以内に退院することが一般的です。
 各国では、国家戦略の最重要課題として、地域生活の継続が困難となる認知症の行動心理症状を生活の場に出向いて解決する訪問チーム、モバイルチームとも呼ばれますが、こういったものを普及し、その拡充を重点的に進めています。これは、強制入院の最終手段性から考えても適切な政策でありますし、また認知症の特性であるリロケーションダメージ、すなわち住みなれた生活環境から引きはがされるときに起きてしまうダメージのことを言いますけれども、こうしたダメージを回避するためのサービスモデルとしても適切です。2013年までに、欧州の中で認知症国家戦略を打ち出した8つの国では、いずれもこの行動心理症状に対する訪問チーム、モバイルチームの普及政策がとられています。
 一方、我が国におきましては、認知症の医療保護入院が増加しており、その平均在院日数も700日から900日と著しく長い状況です。認知症の人の入院を回避する国家戦略を打ち出している各国の状況と照らし合わせますと、極めて特殊、異常な状況と指摘しても過言ではないと思います。
 この背景には、医療保護入院という日本独特の強制入院によって、認知症の人の社会的入院、社会的強制入院が発生している状況があります。認知症の介護で疲れ果てた御家族の悲鳴に基づいた意向と精神科医の判断で強制入院が発動され、一連の手続の中で認知症の人の権利擁護が実質的に担保される仕組みになっていないことが問題です。さきに述べました医療や家族から独立した立場の代理人、代弁者の関与を義務づける制度を含め、認知症の人の権利擁護の仕組みを早急に構築することが求められます。
 また、我が国の認知症国家戦略は、認知症の人の思いを尊重すると、当事者視点を掲げてはおりますが、一方で認知症の人を病院や施設の間で循環させるモデルを推奨しています。いわゆる循環型のモデルというものらしいですけれども、こうしたモデルは、認知症の基本特性、先ほども申し上げましたリロケーションダメージを引き起こす極めてサービス中心的な考えに基づく政策であり、認知症政策の国際動向とも逆行するものであります。認知症の人の思いを尊重した地域生活を実現するためには、こうした政策方針を早急に転換する必要があると思います。
 最後に、認知症政策が今後の精神医療改革に与える深刻な影響について考察し、終わりたいと思います。
 統合失調症などの長期入院者の高齢化と死亡に伴い、今後、精神科病床が空床化していくはずです。さきに述べた医療保護入院制度等の問題も絡み、今後認知症の人が社会的強制入院が一層増加していくことが予想されます。もしこのような方向性を政策的に容認するのであれば、少なくとも近い将来、数十年にわたって我が国の精神医療改革、すなわち精神科医療の地域移行は困難となります。
 私はこれまでの政策議論が精神科に入院している方々の地域移行に終始し、精神科医療そのものの地域移行、すなわち精神科病床の削減と訪問チームへの転換という、諸外国で既に完了しつつある政策に日本政府が真剣に取り組んでこなかったことが問題であると考えています。認知症政策のかじ取りを誤って、認知症の人の社会的強制入院を容認し、精神科医療の地域移行の可能性を絶つ、そのような絶望的な状況をつくってはならないと思います。
 日本と同じく、民間病院が精神科病院の大半を占めるベルギーにおきましても、近年、精神科医療改革が進み、精神科医療の地域移行に成功しつつあります。1990年代の病床の転換政策の失敗を乗り越えて、2005年から2011年の6年間で、ベルギーでは精神科病床の30%を削減し、多くの地域訪問チームを開発してきました。日本と並んで精神科医療の地域移行がおくれてきた唯一の類似国、ベルギーさえも、改革を前進させています。こうした他国の情勢を学びつつ、我が国の精神科医療改革が当事者や国民の視点に立ったものとして展開されていくことを願っております。
 私のほうからは以上でございます。

○石川委員長 西田先生、ありがとうございました。
 それでは、質疑応答に移りたいと思います。御質問あるいは御意見のある委員は、挙手をお願いいたします。  川﨑委員、お願いします。

○川﨑委員 精神障害者の家族会の川﨑です。西田先生、ありがとうございました。
 実は、私ども家族会は、先ほど先生から御指摘がありましたように、医療保護入院で家族等の同意ということが今回の精神保健福祉法の改正で残ったことに大変大きな課題だと感じているところであります。
 これを解決する方法として、先生が代弁者制度によって欧州諸国でもかなり問題が解決しているという御報告でございますので、この代弁者を医療から独立した代理人としてアドボケイトカウンセラーとかソーシャルワーカー、弁護士等と書いていただいておりますけれども、諸外国においてもこういう人が代理人となっているのでしょうか。そのことをお聞きしたいと思いました。よろしくお願いします。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、西田先生、よろしくお願いいたします。

○西田参考人 御質問ありがとうございます。
 先ほど言いました各国における代理人といいますのは、英語ではインディペンデント・カウンセラー、またはリーガル・リプレゼンティティブという表現をされますので、法的な代理人という意味が含まれています。この法的な代理人は、必ずしも弁護士のみを指すのではなくて、国によっては高度かつ濃密な専門的な研修を受けて、法的な機関に属するソーシャルワーカー、またはカウンセラーを含みます。
 いずれにしましても、医療から独立しているというのは当然の前提ですので、御指摘の昨今言われておりますような、病院に所属する職員がそれに当たるということは、こういったモデルには該当しないということであります。  私がきょう御紹介したのは、日本が医療保護入院という強制入院を非常に高率に発動していて、その頻度を抑える必要があるということで、その抑止効果のある代弁者制度ということを前提にしたときには、このような法的な意味合いを持つ代理人ということが条件として重要であろうと思います。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、上野委員、お願いいたします。

○上野委員 精神科の医師をしている上野です。西田先生、ありがとうございました。
 私のほうからは、認知症の入院に関してと、あと最後のほうに書かれていたベルギーの政策に関して質問させていただきます。
 認知症に関して新たな社会的な強制入院がふえている、私もその現場で働いて、全く同感です。しかし、残念ながら、今認知症の医療の現場では、認知症の方の精神科入院ニーズはかなり高いのです。その入院のニーズを減らすために、先生は何が最も重要とお考えでしょうか。これが1点目です。
 次に、ベルギーの政策に関してです。日本では病床転換型居住系施設というのが認められるようになりました。これは、ベルギーの1990年の改革に基づいた政策であると理解しています。そして1990年の政策は実は失敗に終わったものであって、現在、成果を上げているベルギーの政策というのは、その後2010年に始まったものと聞いているのですが、もしよろしかったら先生のほうから御説明をしていただければと。その2点です。よろしくお願いします。

○石川委員長 ありがとうございました。上野先生、1点目ですけれども、精神科入院ニーズが高くなっているとおっしゃったのですが、ニーズの主語、主体はどなたでしょうか。

○上野委員 認知症の人を周りでケアしている方々が、認知症の方が精神症状を生じたために、精神科入院をさせてほしいという希望が多くなっている現状がある。

○石川委員長 家族のニーズということですか。

○上野委員 そうです。家族その他ケアラー、周りでケアをされている方々のニーズです。

○石川委員長 では、西田先生、よろしくお願いします。

○西田参考人 御質問ありがとうございます。
 認知症の入院を減らすためには何が重要かということですけれども、先ほども述べたことと重なりますが、一つは政策的なところで、空床化している精神科の病床を削減して、地域で問題解決に当たる訪問チームというものを普及させていく政策をとるべきで、それが本来あるべき政策だと思います。精神科医療の地域移行によって、認知症の行動心理症状を地域でタイムリーに解決していく仕組みをつくるということです。
 もう一点加えるとすれば、認知症の社会的入院の実態を容認している現状を改める必要があると思います。地域で御本人や御家族をしっかり支える在宅サービスなどが不十分であることによって、家族が介護疲れに陥り、さらにほかにあいている適切な介護施設もなく、結果として権利擁護不十分な医療保護入院によって精神科に入院していくという、まさに社会的入院、社会的強制入院が全国各地で生じています。これをやむを得ないと容認するのではなく、認知症の人と家族を地域でしっかりと支え、権利擁護を確実にする。そういうあるべき方向に転換していくことの議論、政策が不可欠だと思います。私の個人的な認識かもしれませんけれども、おかしな容認論が一部あるように思いますけれども、人権的観点からもそうした見解を容認してはいけないと思います。
 2点目のベルギーの精神医療改革についての御質問ですけれども、きょうは時間の関係で、資料としてつけておりますけれども、ベルギーというのは、御存じの方も多いかもしれませんけれども、唯一と言っていいような日本と似た精神科医療の歴史を背負っていまして、民間病院主体で、脱施設化がおくれた国であります。
 1990年代に病棟転換という政策を行いまして、これは当たり前ですけれども、精神科医療の地域移行というのは全く進まなかったわけであります。要するに、地域で当事者や家族を支えるサービスが本格的に開発、普及されたわけではなかったということです。
 こうした1990年代の病棟転換政策の失敗を踏まえて、それから10年ぐらいさまざまな水面下での調整と準備を経たようですが、2010年にベルギーではプシ107条という精神医療改革法ができました。この法律の目的を読みますと、可能な限り患者の生活環境で治療し、患者が治療に積極的にかかわって、症状の軽減ではなく、患者の価値を実現するというリカバリー志向の治療を基本理念としたいと書いてあります。
 プシ107条という精神医療改革法ができた背景には、それまでの政策方針に対する多くの当事者からの抗議文とか反対の意見が政府や委員会の当局に寄せられていたことがあるそうで、そういった意見をきちんと受けとめる雰囲気といいますか、準備もある程度進んでいた。そういったことがプシ107条の精神医療改革に結実してきた背景であるということです。
 うまくいっている点についてはさまざまありますけれども、そこにも書きましたが、病床をまずなくすといいますか、削る。そして、浮いた余剰人員を地域に移行する。まさに、先ほど申し上げた患者さんの地域移行ではなくて、働く人、医療サービスの地域移行を政策として具体化する。当たり前のことですけれども、これをこの107条の改革法で具体的に進めているということです。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、伊藤委員、お願いします。

○伊藤委員 伊藤です。ありがとうございました。本当に長い間、私どもどうしたらいいかということで悩みつつ発言してきたことが、きょうは西田先生のまとめで、こういうようにまとめていただけたというのは本当にありがたいことだと思います。大変感激しております。
 幾つかお尋ねしたいと思いますが、認知症というのは一つの脳疾患のさまざまなタイプを指していると思うのですが、生活面、あるいは介護面の困難さだけを焦点に合わせると、結局強制入院みたいなことになると思うのですけれども、今、原因究明と治療の開発で幾らか光が見えてきているわけですが、それが強制入院のようなものを繰り返すことによって、希望が打ち砕かれるのではないかと思っていたことも、明確にその方向性が先生の御意見の中には出ていて、大変感激しております。
 ただ、お尋ねしたいのは、認知症という非常に不明確な概念でさまざまな疾患を一くくりにしているというところにも問題があるのではないか。その原因といいますか、その大もとがこの新オレンジプランだと私は思っていたのですが、それをはっきりと言っていただいたということと、循環型の仕組みというものがそれを生んでいるということ、あるいは現状の精神医療の改革ということに触れていただいたことは大変ありがたいのですが、これを今後どう具体化するかということでは、私たちも先生がおっしゃるように、地域でどう支えていくかということで、さまざまな地域でそういう取り組みをしてきているわけですけれども、新オレンジプランがむしろ邪魔になっていて、うまく進まないというところもあったのではないかと思っております。今後、どう進めていけばいいのか、ちょっとまだわかりませんけれども、認知症という概念で一くくりにするという以外に何かいい方法はないのかということだと思います。
 それから、もう一点つけ加えれば、私たちは介護力の低い精神科医療に最も手厚く高度な介護を必要とする、いわば括弧つきですけれども、認知症という患者を収容するということは虐待そのものではないかと思っていたわけですが、それについても虐待というところまで言っていいのかどうかということはあるにしても、そういう見方もあるということをお伝えしておきたいと思います。
 先般、社会保障審議会の障害者部会でも、関係団体をお招きしてヒアリングを行ったことがあるのですが、その中ではこういういわゆる括弧づきですが、認知症を精神科の入院の対象とする、そこの医療の対象とするということについてどう思うかということをお尋ねしたところ、唯一それは反対であると言ったのは精神科のソーシャルワーカーの方々の団体のみでして、あとは皆さん、このまま精神科医療で行うことが適当であるというお答えをいただいて、大変ショックを受けたのですけれども、そういう専門の方々の分野、あるいは団体にも、先生が今おっしゃっているようなこういう考え方というのは浸透していると思われるのでしょうか。それとも、まだまだ端緒についたばかりということなのかをお伺いしたいと思います。
 また、この委員会にこのようなお話をされる先生をお招きいただいたことに、この委員会に大変感謝申し上げたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 質問は2点と考えてよろしいでしょうか。認知症という大きな概念一くくりでよいのかという御質問と、それから精神医療に認知症を委ねることそのものが問題なのではないかという御指摘と、西田先生からモバイルチームが重要だという御指摘もあったので、このあたりの関係について西田先生からお話をいただければと思います。

○西田参考人 御質問ありがとうございます。
 認知症というくくりでどこで生活すべきかということを考えるということは、非常におかしいことでありまして、認知症の方は基本的に住みなれたところで暮らしていくことを多くの人は望んでいる。そういったときに、それをかなえるためにどういうことが必要かというと、認知症の人の在宅生活が最も危機に脅かされるときというのは、行動心理症状が出たときである。行動心理症状というのもいきなりばっと出るのではなくて、恐らくいろいろな環境の影響を受けて徐々に出てきているので、そういう徐々に起きている変化を地域で早く気づいて、地域で、起きている現場に来て、一緒に問題を解決してくれるような訪問サービス、訪問医療サービス、モバイルサービスというものを普及させていくということが各国の国家戦略でも非常に重点とされています。
 逆に言うと、早い段階といいますか、せっかく地域で解決できる時間があるのに、そういったところにきちんと手が届かずに、結果として、家族ももう疲れ果てた状況で精神科病院に行くということになってしまいますので、要するにタイミングを逸している今の制度であるわけですが、こういったことを、認知症そのものだから精神科病院に入るとか、そういうことではもちろんありませんし、行動心理症状であっても、多くはタイミングをきちんとつかめば地域で解決をほとんどできるということですね。ほかの国の状況を見ましても。行動心理症状があれば全部精神科病院に入院するという考えもおかしいわけで、ほかの国のように、行動心理症状の中でも極めて重篤で、自傷他害要件に絡んでくるようなもののみを精神科の医療で引き受けるということが本来ではないかと思います。
 御指摘の点は非常に重要で、認知症、また行動心理症状という言葉を大まかに使わずに、行動心理症状も限定的な条件で精神科の病院と条件づけする、それが普通といいますか、国際的に一般的だと思います。
 2点目の精神科医療で認知症を引き受けるべきかということですけれども、精神科医療そのものというふうに考えてしまうと、考え方が混乱しますが、精神科医療にも在宅で解決に当たる医療と、入院で解決に当たる医療というのがあります。ここで考え方を分けなければいけないのは、在宅の精神科医療というのが今非常に不足していますので、それらを認知症の必要なサービスとして位置づけることは適切だと思います。
 ただ一方で、入院医療というものを早い段階から認知症に不可欠なものだと結びつけるのは、国際的に見てそういう話は余り聞かないということです。要するに、精神科医療という言い方の中で、在宅の訪問医療をふやすことは大賛成であるけれども、強制入院を使った入院医療というものを使い過ぎている、社会的に使っているということについては大きな問題だと認識します。

○石川委員長 ありがとうございました。
 そうしますと、民間病院中心のベルギーでもそうであったように、社会環境を政策的にそこに介入することによって、懸命な経営というのは、新しい社会環境に適用することに収益や雇用を確保していけるという意味で、ベルギーの民間中心の精神医療が全体として大きな長期入院の病床を抱えた形での経営のあり方からモバイル医療に、社会環境の変化によって転換してきたと理解してよろしいでしょうか。

○西田参考人 ありがとうございます。そのとおりだと思います。
 90年代の病床転換政策の失敗というのは、考えたら当たり前ですけれども、医療の地域移行を何一つ政策的に誘導していなかったわけですが、プシ107の改革においては、病床を削減し、そしてモバイルチームに転換するということをセットできちんと進めた、医療の地域移行をしたということでありまして、先生の御指摘のとおりであります。

○石川委員長 ありがとうございました。後で相談させていただきますけれども、西田先生の御意見、それからこの後お聞きする柘植先生の意見と、それに対する各委員からの御意見も、当委員会の基本計画に基づくモニタリングの取りまとめの中に反映していくことについて御相談したいと考えておりますので、所管されている各省からもコメントをぜひいただきたいと思います。
 本件につきまして、厚生労働省からコメントというか、御発言があればいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○厚生労働省 厚生労働省精神保健医療統括推進官を務めております江浪と申します。
 ただいま、精神科医療そのものの地域化ということが非常に大事な視点であるという御指摘をいただきました。厚生労働省におきましては、昨年7月に、地域移行に関する検討会の報告をまとめておりますが、そういった中におきましては、医療機関の構造改革を進めていくということもその大きな柱の一つにしているところでございます。入院医療のほうを地域移行を進めていくと。同時に、そこでこれまで入院医療に費やしてきたマンパワーに関しましては、地域生活を支える医療なり、そちらのほうに転換していくという方向性もその中で示されているところでございます。具体的にこれからどのようにそういった施策が進めていけるのか、そういうところにつきましてしっかり検討していきたいと考えております。
 以上でございます。

○石川委員長 確認ですが、きょうは老健局は来ていらっしゃいますか。新オレンジプランについては。

○厚生労働省 老健局認知症室の愛甲と申します。
 新オレンジプランにつきましては、ことしの1月に関係省庁と共同で策定いたしまして、基本的な理念は認知症の方にやさしい地域づくりということを目指しております。もちろん循環型の仕組みの構築をプランに掲げておりますが、それは認知症になっても、その方の状態に応じたサービスを、施設であり、在宅であり、そういったところでちゃんと対応できるような体制をつくっていくということが新オレンジプランにおける循環型の仕組みの考え方ということになっております。

○石川委員長 ありがとうございます。
 まだまだ議論したいところではございますけれども、時間の関係もありますので、ここまでとさせていただきたいと思います。西田先生、きょうはありがとうございました。
 続きまして、柘植委員からインクルーシブ教育の現状につきまして、政策科学の立場から御意見をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○柘植委員 筑波大学の柘植でございます。
 タイトルを「インクルーシブ教育システム」といたしましたが、先ほど石川委員長からありましたように、政策科学的な視点から意見が述べられないかということをいただいておりましたので、その視点からまとめてみました。  昨年8月から私は委員をしておりますけれども、この1年間、さまざまな議論がなされているのですけれども、特に教育の話題についてはたくさんの委員の方が関心を持たれて、また幅広く多くの発言があって、かかわっている私としてはうれしいなと思っているところです。
 今からのプレゼンですけれども、まず基本計画の実施状況の監視について、改めてその意義や意図を確認して、より適切にわかりやすくまとめていくための方策というのは何なんだろうという話をしたい。それを踏まえて、2つ目としてインクルーシブ教育システムの分野について、その進捗の監視を行うための総論的、各論的視点を述べてみたい。1番、2番のそれとあわせて、進捗の状況について幾つか私見を述べたいと思います。
 1枚目がレジュメで、裏に資料を4つつけてございます。時間があれば、後ろの資料についても説明したいと思います。
 まず1枚目の1番です。Policy science、policy study、policy analysisというテーマの論文とか著書が、アメリカとかイギリスでここ10年間ぐらいかなりふえてきております。日本においても政策科学部とか何とか大学院とか、非常にふえてきております。相次いで設置されております。また、関連の学術学会も幾つか、この間設立されておりまして、この分野は非常に関心を持たれているというのがわかります。
 1.ですけれども、「政策科学とは」ということで、いろいろな方のものをまとめると、およそこんな感じかなと、3行、4行で書いてみました。政策形成過程を解明し政策課題についての合理的判断の作成に必要な資料を提供する科学であると。あるいは、体系的な知識・知見や構造化された合理性を政策決定の改善に貢献させることにかかわる科学であると。政策の費用対効果であるとか、政策評価も射程になるのだろうということでございます。
 3回ぐらい前のこの委員会において、国立社会保障人口問題研究所の勝又委員が、障害者権利条約の第31条、統計及び統計資料の収集のところで詳しくお話をいただきました。なるほどと思いました。
 そもそもこの権利条約は、教育とか雇用など、いろいろなテーマがあるのですが、そういうテーマについてではなく、推進するための統計と資料の収集という条文が一つの条として起きている、ここを非常に大事にしたいと私も感じているところです。
 教育のところをお話ししますと、教育政策についても、先ほどイギリスやアメリカだという話をしましたけれども、相次いで論文をまとめた著書のようなものが出ております。例えば、下に小さな字で書いてありますけれども、「エビデンスに基づく教育政策」というもの、ずばりそういう名前で相次いで出てきて、先ほど「政策科学とは」というところで述べたようなことが学術的にも進められていて、政策担当者のほうに提供されているという状況だということを最初にお話ししたいと思います。
 続いて2つ目でございます。「インクルーシブ教育システムに関する進捗状況の監視について」ということで、総論と各論と分けておりますが、どちらかに入り切らないものは曖昧に入っていますので、説明したいと思います。
 この1年間の議論、特にここ何回かの監視の議論を聞いていて感じるのは、インクルーシブ教育システム、あるいは特別支援教育、その終点は何なんだろうということです。ここ二、三回、障害者雇用のほうで特例子会社についての話がありました。私も手を挙げたのですけれども、時間がなくて発言できなかったのですが、障害者雇用において特例子会社は終点かと言われたらどうなのでしょう。イエスなのか、ノーなのか、あるいは幾つかある終点のうちの一つとしてなのかということです。
 話を戻しますと、インクルーシブ教育システムというものが最近できてきて、特別支援教育については2001年から転換が始まって、それらの終点というのは何だろうということを明確にする必要があるだろうと思います。あるいは、その終点が100年後なのか、10年後なのかわかりませんけれども、遠い先だということであれば、その終点に向けて、例えば5年後はどこまで目指す、10年後はどこまで目指すという議論があると、進捗状況を監視する立場としては監視しやすいなと思います。
 教育については、権利条約は第24条にあります。Inclusive education systemというのが24条の冒頭に出てくるわけでございますけれども、例えば2の(b)、日本語で言うと、「自己の生活をする社会生活において」という文言があります。英語ですと、「in the communities in which they live」です。あるいは、2の(e)、日本語で言いますと、「完全な包容という目標に合致する」、英語で言いますと、「consistent with the goal of full inclusion」という言葉があるわけです。
 中教審が何年か前に報告でまとめて、概要に、「基本的な方向性としては、障害のある子供と障害のない子供ができるだけ同じ場でともに学ぶことを目指すべきである」という文言を、これは非常にはっきりと明確なもので、これも終点を議論していくときの一つの材料なのかなと思いました。
 その一方で、今私が話をしたことと非常に重要なセットとして考えなければいけないのは、個々の子供の十分な学び、確かな学びの確保をしなければいけない、それを監視することも必要だろうということです。そのときに道具は何かと言われれば、個別の指導計画と個別の教育支援計画。個別の教育支援計画は学齢期に言う呼び名であって、生涯にわたっての言い方は個別の支援計画、個別支援計画。その一部分のものを個別の教育支援計画と言っているわけです。
 それから、物差しと書きましたけれども、進捗状況の把握のための評価ツールというものがわかりづらいのかなと。そういうものが開発されて、経年変化を追跡的に見ていけるといいのだろうなと思います。
 また、費用対効果の視点も踏まえる必要があるのかなと。
 あるいは、サービスを受ける側の満足度みたいなものも、進捗状況を把握するときに必要なきかなと。
 それから、先ほどの精神医療のところでも話題になりましたけれども、ほかの国との比較の話が何度かございましたが、我が国の特別支援教育の進捗状況を監視していくときに、ほかの国との比較をしながら見ていくということも重要だろうと。ただ、文化とか、制度とか、かなり違っていますので、字面だけ、数字だけの比較は難しいのでしょうけれども、だからできないではなくて、とは言いながら、何か国際的な比較ができるような仕組みが必要なんだろうと思います。
 5月に、Inclusive Educationの国際的なカンファレンスが台湾であって、行ってきたのですけれども、やはり各国の事例を紹介して総括的に議論するというレベルで、何がしかの数字的なもので詳細に見ていくという議論はありませんでした。ただ、OECDが、毎年ではないのですが、ある程度のフレームで、参加しない国もあるのですけれども、各国の状況を整理して公表しているというものはあることはあります。
 各論です。今回、いろいろな委員の発言等も聞いていたことから、少しまとめてみました。
 進捗状況を議論していくときに、あるいはデータを出していくときに、それは幼稚園、小学校、中学校、高等学校の話からのデータなのか、特別支援学校からのデータなのかわかりづらいことが時々ありました。あるいは、それが一緒になっていて、切り分けられていないということです。ですから、これは小中学校、高等学校と特別支援学校に分けて記述するとわかりやすいのだろうと思いました。
 それから、さらに小中学校の中を見たときに、通常学級で学ぶ場合と、通常学級に籍を置いて通級で学ぶ場合と、あるいは特別支援学級という通常学級ではない籍にいて学ぶ場合とあるわけであって、これもインクルーシブ教育システムの進捗を見るときの視点としてとても重要なので、分けられるものがあれば分けて記述するということが重要なのだろうと。
 あるいは、3つ目、特別支援学校に通っていても、あるいは特別支援学級に通っていても、彼らが小中学校、あるいは小中学校の通常学級の障害のない生徒さんと交流するということがあるわけで、障害者基本法でも「すること」と明記されているわけで、その実態についても、インクルーシブ教育システムの進捗状況の監視には非常に重要なポイントですので、多く紙面を割いて、交流及び共同学習の実施状況についてもまとめる必要があると思います。
 それから、これもここ3回、4回ぐらい、委員の方からの発言で、この委員会で監視をするわけですけれども、個別的な事例をどこまで扱うのか、扱わないのかという議論がありました。先ほど1で話をした、小さな字で書いてある何人かで訳した本の中に、エビデンスに基づく教育政策を行うために、大規模な一般母集団の大量な調査研究であるとか、実験研究であるとか、文献研究とか、いろいろな手法が紹介されているのですけれども、たった一人の障害のある方の語り、心理学の用語でナラティブと言うのですけれども、ナラティブという方法論の有効性も論じられているわけです。ですから、客観的なデータをどう集めてくるかということと、質的なデータと言ってよろしいのでしょうか、そういったものをどういうふうに使い分けて監視の作業を進めていくのかという問題もあるのかなと思いました。
 裏を見ていただきますと、参考1は、今から3年ぐらい前に、日本特殊教育学会という4,000名ほどの規模の学会が50周年の記念大会をしまして、企画のシンポジウムで特別支援教育の課題について整理をしてプレゼンをしなさいというオーダーがありましたので、整理をしたものがそこに挙げてあります。
 参考2ですけれども、これは御存じの方はいらっしゃると思いますけれども、ダウン症児を持った父親の方が今から6年ぐらい前に訳した本ですけれども、アメリカで出された『インクルージョン』という本で、とてもおもしろい本です。
 当時は、インクルージョンを理念的に提唱する本が多いのだけれども、実際に障害のある方が普通学級にいた場合に一体どういう援助ができるのか、限界は何なのかということを具体的に示した本がないじゃないか、こういう本が見つかったから訳したよということで、読んでみましたけれども、このような作業がこれから進むといいのかな、監視もしやすくなるのかなと思いました。
 参考3、これは4回ぐらい前の委員会のときに、辻井委員だったと思いますけれども、そもそも日本で障害者の理解啓発は進んでいるのかという発言をされたことを皆さん御記憶にあると思いますけれども、そのときに内閣府の関係者が、そう言えば体験作文を何十年も前からやっているのだけれども、それを分析することは可能でしょうかという話がありまして、25年前と最新のものを私は研究室の何人かで分析してみました。そうしましたら、3行書いておきとましたけれども、そのような結果が得られたということです。
 ですから、エビデンスを必要に応じてつくっていくという作業、これは誰がつくるのか、研究者なのか、学術学会なのかわかりませんけれども、こういう作業もしながら監視をしていくということが必要なのかなと思いました。
 最後、参考4でございます。1985年、2001年、2015年と、30年ぐらいでの義務教育段階で対象の変化を書いております。1985年は通級制度がございませんでしたので、そんな感じです。2001年が1.3%、2015年が3.3%で、2%ほどふえている。これはすごい勢いです。どこがふえているかというと、特別支援学校もふえているのですけれども、特学が2倍、通級は3倍から4倍ぐらいの割合でふえているということです。
 このデータはいろいろなところで目にするわけですが、左側の6.5%とか6.3%は発達障害の可能性のお子さんです。通常学級には発達障害だけではなく、ちょっと目の不自由なお子さんだとか、ちょっと体の不自由なお子さんなどもいらっしゃると思うわけで、それらのお子さんの状況はどうなっているのかなと。これは二、三回前のこの会で佐藤委員が発言されたと思いますけれども、そこはどうなのかな、そこをする必要かあるのではないかと。
 あるいは、22条の3該当の就学先ということで、2015年の公表だと8,651人がいたのだけれども、そのうちの2,300人ぐらい、つまり3分の1から4分の1ぐらいが小学校へ行っている。それは通常学級なのか、通級を利用しているのか、特別支援学級なのかなど、その辺のところもわかると、インクルーシブ教育システムがどのように進捗しているのかということをここで議論するときのデータになるのかなと思いました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、各委員からの質問あるいは御意見を受けたいと思います。挙手をお願いいたします。
 大濱委員、お願いします。

○大濱委員 大濱です。わかりやすいお話をありがとうございました。
 お伺いしたいのですが、インクルーシブ教育システムの監視について、御説明の中で「物差し」という言葉が使われていました。確かに物差しがあれば非常に監視しやすいと思いますが、それにふさわしい物差しが現在あるのか、実際に開発されている評価ツールが具体的にあれば、それを教えていただきたいというのが1点目です。
 2点目は、各論の中で「量的データと質的データの記述を」とありますが、諸外国では、量的データとか質的データを必要に応じて使われていて、両者を併記した資料があるのでしょうか、そのあたりも教えていただければと思っています。
 以上、2点です。

○石川委員長 それでは、2点質問がございましたので、お願いいたします。

○柘植委員 ありがとうございます。
 物差しのことですけれども、特殊教育の時代から特別支援教育に転換するときに、2001年から助走が始まったのですけれども、今も続いておりますが、10項目ぐらいの視点で全国の学校の状況がどう推移しているのかという物差しはあります。例えば特別支援学校で特別支援教育コーディネーターが指名されていますかとか、個別の指導計画は作成されていますかというものです。あるいは、地域連携協議会がどのくらいつくられているか。それは3回ぐらい前に質問もあったと思います。ただし、その中身についての質的な状況、それで十分達成されているのかとか、個別の指導計画の精度はそれでいいのかとか、その辺の議論はないのです。
 2つ目です。量的データと質的データ、海外でそういう例があるのかということですけれども、同じような、ここで今しているような会議でそれがどう扱われているかという情報は私は持っておりません。ただし、1つ目の話題のところでお話ししましたように、エビデンスに基づいた教育政策を行うということで、その手法についていろいろ議論されているのですけれども、大量の質問紙調査とか、実験計画法とか、さまざまな方法でエビデンスがつくられているのですけれども、ナラティブという個別的にインタビューをして、それをまとめていくというものも、エビデンスに基づく教育政策の一つの重要な材料として位置づけられているということでございます。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、玉木委員、お願いします。

○玉木委員 ありがとうございます。
 今、言われたナラティブという部分は非常に興味があって、私も47年生きてきて、普通学校は困難と言われながら普通学校に入って、そのまま普通学校に行きながら、高等学校だけは養護学校に行きなさいと言われて、養護学校に行ったという、一通り経験をした。その経験の中で、今振り返ってみると、感じること、思うこと、今さらなのですけれども、あのときああやったらどうなのかということを振り返ることが結構多くて、そのことについての整理というか、逆に今障害のある大人の人、生まれつき障害のある人たちに、きっちりと人生を振り返ってみて、教育的にこういうことをやったらどうだったという振り返りができるような質問だったり、振り返り票だったり、そういうのを提示していただけると、多分我々の仲間などでも集めていくことができるかなと、今の意見を聞いていて思ったことが1つ。
 それからもう一つ、これは別に学校教育だけのことではなくて、例えば18になって、あえて言いますけれども、地域の特別支援学校なりを卒業する人、もしくは児童養護施設を退所する人が、せっかくそれまで地域で特別支援学校だったり、特別支援学級だったり、みんなと学んできた人たちが、結果的に18歳以降、入所施設というところに生活環境を移してしまっている方々も少なくはないと思います。その方々がどうしてそのまま地域で住み続けることができなくて、入所施設に行かざるを得なかったのだろうか、そういう評価というか、教育段階におけるその人の自立心なり、私はこう生きたい、ああ生きたいと発信できるような仕組みが今の教育の仕組みの中にきちんと根づいているのかどうか、そこら辺の評価というか、御意見を少し伺いたいと思っています。ありがとうございました。

○石川委員長 ありがとうございました。
 柘植先生、いかがでしょうか。

○柘植委員 ありがとうございます。今の2つの意見もとても重要だと思います。
 まず1つ目、当事者の振り返りということです。これについては、総論のところで個別の指導計画と個別の支援計画の役割がますます重要になっていくという話をしたのですけれども、まさにそれは、いつの時代にどの学校でどういう教育を受けたらどういう成果があったのかということがまとめられている縦断的な資料なのです。ですから、そこを分析するということはそんなに難しいことではないかもしれない。ただ、個人情報とかいろいろな問題がありますが。
 実は、日本では少ないのですけれども、最近始まりましたが、アメリカなどほかの国の学術論文を見ておりますと、諸外国ではIEPと言うのですけれども、そのIEPそのものを研究対象にするような研究が出始めているのです。そうすると、今、委員がおっしゃったように、一人一人の振り返りというものを大量データで見ていくという分析が可能なのかなと思います。
 2つ目、学校を出てから入所施設に入ってということで、そのつなぎをうまいぐあいにするような教育、そのこともインクルーシブ教育システムの成果、うまくいったかどうかということの指標に使うべきではないかということで、おっしゃるとおりです。
 実は、個別の教育支援計画の説明を先ほどしたときに、障害がわかってから、生涯にわたって個別の支援計画というものをつくるということになっていて、学齢期の間は個別の教育支援計画ということですけれども、これがやはり何パーセントつくっていますかというデータはあるのですけれども、どこまで質的に高いものができているのかとか、本当に有効に機能しているのか、その辺までのデータが多分ないと思うのです。だから、その辺がわかってくると、打つ手がわかってきて、学校まではスムーズに移行していくのだけれども、社会に出ていただくときにとても大きなギャップがあるので、このような埋め合わせをすべきではないかという議論をすることができる、そこにつながっていくわけであるので、なるほどそうだと思います。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、大日方委員、お願いします。

○大日方委員 今、大濱委員と玉木委員のほうから、私が御質問したかったことについては大分伺うことができました。非常にわかりやすい御提言をありがとうございます。
 柘植先生に一つお伺いしたいのは、最後の参考4のところで御指摘いただいた、この数字以外に通常学級に在席する障害のある子供が加わるという部分、あるいは通常学級に在席している子供の障害種別に着目した調査が必要ということで、逆に言うと、なかなかここが現状ではわからないという、研究者から見ても十分な調査がされていないという認識でよいのか。
 もし、そうであるとすれば、ぜひここの部分も着目していくことによって、インクルーシブ教育のあり方、あるべき姿が見えるだろうと思うのですが、そのあたりのところを教えていただければと思います。

○柘植委員 今の御発言も非常に重要なものだと思います。ですから、インクルーシブ教育システム、特別支援教育、終点をどう捉えるかということです。そこに大きく影響してくると思います。
 2003年公表で6.3%、それから10年ぶりの調査でも6.5%ということで、発達障害の可能性のあるお子さん、ADHDとかLDとか、知的障害のない自閉症については、大体こんな感じかなとわかってきた。でも、ちょっと目の不自由なお子さんとか、ちょっと体が不自由なお子さんなどがいらっしゃるだろうし、一番最後の行、22条の3該当の子供で2,300人ほどが小学校へ行っているということからすると、その辺の状況のデータは持っておくと、進捗状況のより客観的な把握ができるのかなと思います。
 その上で、今から20年近く前、アメリカのカリフォルニア大学に1年ほど滞在していたのですけれども、いろいろな学校に調査に出かけたのですけれども、その都度その都度、小学校とか高等学校の校長先生に、この学校は障害がある方は何人いますかと言うと、1つ目、わからないと言われたのです。2つ目、3つ目も。何でわからないのだろうと。4つ目か5つ目ぐらいに行ったときに、IEPを持っている子供のことかと言われて、それでもいいですよと聞いたら、校長先生がうちの学校にはIEPを持っている子供が大体7%ぐらいいて、こうでこうでと。
 つまり、障害があるかないかということも重要なのですけれども、それ以上に、そのお子さんが学校で学んだり、生活したりするときに、何に一体困難を持っているのか、学校はどういう支援をしているのか、そこに教育としては注目すべきことなのかなということで、最近になってそのときの意図がよくわかってきたのですけれども、もしかしたら個別の指導計画や個別の支援計画が、特別支援学校、特別支援学級、通級による指導、あるいは通常学級で学んでいるちょっと目の不自由な子供とか、発達障害のお子さんに今どういうふうにつくられていて、どんなにうまくなっていて、どこがまずい状況でという、そういった調査がまず先にあるというのも考えられるのかなと。むしろ、そちらのほうが教育という分野から考えたときにはよいのかなと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 ほかにも御質問等があるかと思いますけれども、時間の関係もありますので、柘植委員の問題提起、御発言に対しましては、文部科学省のほうから何かございましたらお願いしたいと思います。

○文部科学省 文部科学省特別支援教育課長、井上でございます。
 すばらしい問題提起のお話をいただきまして、ありがとうございました。まさに御指摘いただいたように、これからこの日本のインクルーシブ教育、あるいは特別支援教育の状況をどういうふうに外に向かって伝えていくのかというのは大変重要な観点だと思います。そして、私、この会議に参加をさせていただいていて、そのことがますます重要になってきているなということを実感しているところでございます。
 今まで、どうしてもそれぞれの制度、それぞれの施策を充実させていくというところに重点を置いて、施策、行政が行われてきておりますけれども、先ほどの数字の例で申しましても、特別支援学校の児童生徒数、あるいは特別支援学級といったような、制度をあらわす数字というのは私ども持っているのですけれども、先ほど来お話にありましたように、学校教育法施行令22条の3というのが特別支援学校に入ることができる程度の障害のレベルをあらわした条文ですけれども、それに該当する生徒ではなくて、該当せずに、かつ通常のクラスで学んでいる子供たち、この部分の子供たちの動向、動きというのをしっかり把握していかなければ、インクルーシブという話はできないというお話だったと思うのですけれども、発達障害についてはこの会議でも御紹介させていただいたように、可能性があるということで6.5%調査というのをやっておりますけれども、しかし教育の現場では障害の診断がある、あるいは手帳を持っていらっしゃるということに着目するのではなくて、どのように困難があるか、困り感があるかということで教育を行っていくということがございましたので、今までその数字というのはございませんでした。
 そういった面も含めて、どのように我が国の教育をあらわしていくのかというところを、本当に先生方のお知恵もかりながら、学術の世界、アカデミズムの世界からも、あるいはこの委員会からも先ほど来アイデアをいただきましたけれども、これは非常に重要な核心の部分だと思いますので、今後とも検討をしてまいりたいと考えております。ありがとうございました。

○石川委員長 どうもありがとうございました。
 医療及び教育につきましては、この後、後半ではまた御意見、御質問をいただく機会がございますので、ここで前半は終了させていただきたいと思います。
 2時40分スタートとさせていただきます。ありがとうございます。
(休  憩)

○石川委員長 最初に、きょうこれからの議論に先立ちまして、一言申し上げたいと思います。
 権利条約の第1回政府報告の取りまとめの締め切りが迫っているというか、過ぎているというか、そのような状況でございますので、本日の委員会の議論をもちまして、第3次障害者基本計画の中間評価を終えなければならないと考えております。その点を踏まえた上で、優先度の高い事柄を中心に御発言をいただきたいとお願いいたします。
 また、きょうの議論を踏まえた上での文言の修正等につきましては、後ほど御相談させていただきたいと考えておりますけれども、個別の事項も重要でございますけれども、本委員会としての取りまとめに当たっての全体にかかわる形式というか、そういったことについても御意見をお持ちの委員は御発言いただきたいと思います。そのための特別な時間をとっておりませんので、随時、例えばどこかのこれからの話の中で述べていただければと思っております。
 もう一点、第3次障害者基本計画の実施状況に関するこれまでの議論の中で、司法府及び立法府、さらには地方議会に関する事柄について、政策委員会における監視との関係においていろいろな議論がございました。これにつきまして事務局で整理をしていただくようにお願いをしておりましたので、その結果について事務局から御報告をいただきたいと思います。

○加藤参事官 事務局です。
 司法府あるいは立法府が障害者政策委員会における監視の対象となるのか、地方議会はどうかということでございますが、障害者政策委員会は障害者基本法第32条によりまして、障害者基本計画の実施状況を監視することとされております。また、障害者基本計画は障害者基本法の第11条によりまして、障害者のための施策に関する政府の基本的な計画とされておりまして、司法府及び立法府、地方議会につきましては、基本計画の対象とされていないことから、障害者政策委員会におきます監視の対象ではないことになります。したがいまして、司法府及び立法府、地方議会に関する意見につきましては、これからおまとめいただきます議論の整理案には盛り込まないこととしております。
 なお、司法府につきましては、今後障害者権利条約の政府報告案を審議する中で、裁判所法等を所管する法務省に出席いただき、議論に参加いただくことにしてはどうかと考えております。
 また、立法府及び地方議会につきましては、今後障害者権利条約の政府報告案の審議が終わった後に、今般の障害者政策委員会におきます監視の議論の過程で御発言のあった御意見を改めて整理をし、障害者政策委員会においてそれらについてさらに御議論いただくということも考えられるのではないかと考えております。
 以上であります。

○石川委員長 ありがとうございました。
 最後の点について若干確認させていただきたいのですが、本委員会で議論することが可能ということですが、例えば立法府等の取り組みについては、監視ということではなくて、聞かせていただく、ヒアリングさせていただくとか、あるいは逆に政策委員会の意見をヒアリングしていただくようなことは想定の範囲内、議論の範囲内と考えてよろしいでしょうか。

○加藤参事官 ヒアリングというよりも、障害者政策委員会で御議論いただいた先生方の御意見といったものを我々事務局のほうから立法府のほうにお伝えするということは、検討してもいいのかなと。どういった手段がいいのかということについては、少し検討が必要かと思います。

○石川委員長 ありがとうございました。
 そういうことで、各委員、御了承いただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 竹下委員。

○竹下委員 質問です。竹下です。
 今の加藤参事官の説明は、障害者基本法の規定そのものの説明として十分理解できるものであります。ただ、私の勘違いでなければ、国会での審議の中で岸田外務大臣の答弁の中だったと思うのですけれども、権利条約の33条の監視の役割、機能は、当委員会が担うという答弁をしていたのではないのでしょうか。そこは違いますでしょうか。

○石川委員長 この点につきましては、外務省はきょうは来ていらっしゃいますか。

○外務省 外務省人権人道課の尾崎と申します。
 先ほど委員から御指摘のあった点につきまして、我が国が権利条約33条2項に基づき、我が国法律上及び行政上の制度に従い監視するための枠組みとして、障害者政策委員会を設置し、同委員会における障害者基本計画の実施状況の監視を通じて、条約の国内実施の監視を行うこととしているという点は御指摘のとおりでございます。

○石川委員長 竹下委員の質問に追加ですけれども、国連の障害者の権利条約に対してどこがフォーカルポイントであり、どこが調整機能を担い、どこが監視機能を担うのかという報告はされていると理解してよろしいでしょうか。

○外務省 どこがフォーカルポイントになるかということについても、答弁に際して大臣から報告させていただいておりますとおり、内閣府障害者施策担当と外務省人権人道課がフォーカルポイントとなっております。また、調整役につきましても、内閣府の障害施策担当部が調整の担当となっておりますが、その点につきましては国連の政府報告のほうには、ほかの国の例を見ますと、報告されている事例がございます。

○石川委員長 される事例があるということですね。この点につきましては、きょうのところは基本計画の実施に関する事柄ですので、差し当たりここまでにしたいと思いますけれども、基本法的には、竹下委員も御指摘のとおり、また事務局からも御説明があったとおりでありますけれども、同時に権利条約が求めている監視機能はそれを超えているので、その間にギャップがある中で、政府としてはどちらの意味で政策委員会が監視機能を担うのだと外務大臣が御答弁されたのかということにつきましては、政府の御方針としてどうなのかということをもう一度改めて外務省のほうで御確認いただければ幸いであります。
 権利条約に基づく監視ということになると、基本計画を通じた監視の範囲では対応できないことになりますので、その点、改めて御確認いただくということで、外務省、お願いできますか。

○竹下委員 竹下です。外務省の御説明は、私は正直言って、日本語としての意味を十分理解できていません。その上でお聞きします。
 確認としては、障害者権利条約の13条に関する監視はどこが担うのかについてだけ、きょう答弁いただかなくても結構ですから、それについての御説明をどこかでお願いしておきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 それでは、外務省、よろしくお願いします。

○外務省 その点につきまして、確認の上、また御報告させていただきます。

○石川委員長 ありがとうございます。
 阿部委員、どうぞ。

○阿部委員 日身連の阿部です。
 確認ですけれども、確かに政府報告の作成に当たっては、障害者基本計画の実施状況の監視を通じてということで今行っています。ただ、このときの確認は、65歳以上まで見ますと介護保険の対象となりますし、第2号被保険者、40歳から64歳までの特定疾病の方々もまた介護保険ということになって、この基本計画の中での議論ではなかったと思います。でも、この辺については、後から高齢の障害の方々について、障害者基本計画にはないけれども、別途後から政府報告に取り組む内容について、障害者政策委員会でも議論があると考えてよろしいのでしょうか。それは確認だけです。お願いします。

○石川委員長 これは事務局、お願いいたします。

○加藤参事官 委員の御質問は少し違っておりまして、私どもの対象となる障害者というのは別に年齢で制限をしておりませんので、65歳を超えていても障害者基本計画の対象にはなるわけでありますので、そこはあえて年齢で分けて物事を考えなくてもよろしいと思います。

○阿部委員 そうであれば、介護保険を利用している方々についても、この中でもう既に議論していたということになるのですね。わかりました。

○石川委員長 今の件に関連があるかと思うのですが、障害者差別解消法の対象となる障害者というのは、障害者基本法に基づく定義によるわけですね。一方、サービス法としては、例えば障害者総合支援法とそれ以外の例えば介護保険におけるサービスと、サービス法における区分を超えて、実は基本法の定義というのがあり、また差別解消法があり、あるいは認知症の問題もそこにかかわってくるかと思うのですが、基本計画に基づく実施ということになると、それよりは狭い範囲になってしまうと思うので、単に行政と立法と司法という三権の間のボーダーの問題ということだけではなくて、つまり基本計画の実施に関する監視ということだけでは落としてしまうことがもっとたくさんあるように思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。事務局のほうでお願いできれば。

○加藤参事官 基本的に障害者基本法に基づいているこの政策委員会の中での監視というのは、まさに施策の監視であって、それを総合的に束ねているのはこの基本計画であるという認識のもとで進めておりますので、理屈だけで申し上げれば、抜ける部分があるということはないと思いますけれども、基本計画をつくる時点において全てが網羅されていたかどうか、その後の施策であるといったこともあるのかと思いますので、そこはまたこの御議論の中で御発言いただければと思います。

○石川委員長 ありがとうございました。そのようなことも含めまして、今後また議論していきたいと思いますので、きょうのところはここまでにしたいと思います。
 それでは、本日は前回までの意見を踏まえまして、修正していただいた議論の整理案、第3次障害者基本計画の実施状況案について、修正箇所を確認していただいて、取りまとめに進みたいと思っております。
 また、先ほども少し述べました西田参考人及び柘植委員の御意見と、それに対する各委員からの意見も含めまして、取りまとめに反映させていく方向で考えたいと考えておりますが、これにつきましても最後に委員の意見を確認させていただきたいと思っております。
 議論の順番ですけれども、時間を3つに分けまして、まず「1.生活支援」「2.保健・医療」「3.教育、文化芸術活動・スポーツ等」の3分野、2つ目としまして「4.雇用・就業、経済的自立の支援」「5.生活環境」「6.情報アクセシビリティ」の3分野、最後に「7.安全・安心」「8.差別の解消及び権利擁護の推進」「9.行政サービス等における配慮」の3分野とⅣの「推進体制」、それから「障害者に関する統計」「障害のある女性」、この順番で3つに分けて進めていきたいと考えております。
 まず、1、2、3の3つの分野につきまして、事務局から修正箇所の説明をお願いします。

○加藤参事官 その前に、資料3-1と3-2も若干修正がございましたので、そこの点だけ御説明させていただきます。
 資料3-1でございますが、一番最後の下のパラグラフに赤字で入れてございますが、本日の部分でございますが、「議論を行うとともに、特に、ワーキング・セッションで議論した『精神障害者の地域移行の支援』、『インクルーシブ教育システム』については、重ねて、政策委員会全体で議論を深めたところである」という一文を加えました。
 そして、その次のページですが、回数は計5回と計13回の審議を経てということで修正をしてございます。
 それから、資料3-2、横表の膨大なものでございますが、前回も修正箇所を指摘があったところでございますけれども、例えば4ページとか5ページで、右側の平成25年度の推進状況のところで、黄色く色をつけたところに赤い字で修正とか訂正とか追加を記載してございます。以下同様に記載を加えてございます。
 そして、議論の整理につきまして、説明の関係上、見え消し版がよろしいかと思いますので、資料3-4を見ていただきたいと思います。
 1ページめくっていただきまして、見開きのところに目次ということで、従来どおりⅢの1から9までと、Ⅳ、その下に別添1ということで「障害者に関する統計」が20ページ、別添2としまして「障害のある女性」が22ページに書かれてございます。
 そして、委員長御指摘のありました、まず「1.生活支援」のところでは、特に修正、追加等はございません。
 「2.保健・医療」でございます。4ページになりますけれども、この部分につきまして、特に(1)の精神障害者の地域移行の支援の【論点】精神保健福祉法等の制度と運用を改善すべきではないかといったところに、3と④という意見を加えてございます。
 前回の政策委員会におきまして、ワーキング・セッションⅡの精神障害者、医療ケアを必要とする重度障害者等の地域移行の支援などのコーディネーター名で提出いただきました資料につきまして、大濱委員から特に御発言があった点につきまして、新たに34として追加の記述をいたしました。コーディネーターの御意見をそのまま両論併記する形となっております。
 3でございますが、「近年、医療保護入院が増加している。本人の意思が反映されない傾向が強くなっているとの見方がある一方で、認知症による入院の増加という要因等も踏まえれば、医療保護入院の増加だけをもって本人意思の軽視、権利侵害の拡大と判断することはできないとの見方もある。」
 4でございますが、「精神医療審査会の審査結果について、『他の入院形態への移行が適当』又は『入院継続不要』とされた件数は26万件のうち9件、改善処遇請求308件に対して『入院又は処遇は不適当』とされたのは5.8%である。精神医療審査会が監視機能を十分に果たしていないとの見方がある一方で、精神保健指定医の適正な判断を認めているにすぎないとの見方もある。」というふうに、2文を追加してございます。
 そして、その下のほうの10でございますが、ここは平川委員からの御指摘でございましたが、「精神保健福祉法の附則において『代弁者制度の検討』ということが書き込まれており、現在、検討されている。」と修正しております。
 そして、細かい点でございますけれども、5ページの下のほうの5、「民間住宅の入居に関しては」というふうに「住宅」をつけ加えております。
 少し飛びまして、7ページでございますが、ここは「3.教育、文化芸術活動・スポーツ等」のところでございます。(1)のインクルーシブ教育システム、ワーキング・セッションⅢで御議論になったところでございまして、【論点】本人及び保護者の意思は尊重されているかというところでございます。ここも、1のところでございますが、御意見があったことにつきまして、「そのようなデータを示すことが必要」と追記をしてございます。
 2のところでは、正確性を期すということでございまして、加野委員の御意見を踏まえた形で、「発達障害の児童生徒の学習支援について、特別支援教育支援員の対象であると積極的に説明されているのに、知的障害のある子の学習支援については、特別支援教育支援員の対象とすることに消極的なのは、合理的配慮を含む必要な支援を受けながら同じ場で共に学ぶことを追求するという点に反するのではないか」といったところを追記してございます。
 その下、文部科学省の意見でございますけれども、ここのところも、たしか前回のこの委員会におきます竹下委員の御指摘だったかと思いますが、正確を期すようにということでございまして、「障害者権利条約に定めるインクルーシブ教育システムについては、障害者基本法にあるとおり、障害のある者が、その能力等を最大限に発達させ、自由な社会に効果的に参加できることを可能とするとの教育理念の下で、障害のある者とない者とが可能な限り共に教育を受けられるよう配慮することを意味すると理解している」と記載を変えてございます。
 それから、次の8ページですが、【論点】としてインクルーシブ教育の進捗状況はどうかというところでございます。ここにつきまして、4に、玉木委員、石川委員長の御意見を踏まえて追加をしてございます。4「特別支援連携協議会については、設置状況等の状況を把握し、機能がどこまで果たせているのか分析する必要がある」と加えてございます。
 そして、そこの下のほうの文部科学省のコメントでございますけれども、そこも先ほどの竹下委員の御指摘を踏まえまして、「障害者権利条約に定めるインクルーシブ教育システムについては、障害者基本法にあるとおり」と加えてございます。そして、その2行飛んだところでございますが、「可能な限り共に教育を受けられるよう配慮することを意味すると理解している」と修正をしております。
 第1部のところは以上のような状況でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。各委員から御意見をいただく前に、全体にかかわることで、私のほうから取りまとめに際して確認というか、議論しておきたいと思うのですけれども、【論点】という形でまとめていただいておりまして、私たちが今やっている作業は基本計画に照らして、あくまで中間的な段階ではありますけれども、それが順調に進捗しているのか、あるいは必ずしもそうではないのか、場合によっては逆行しているのかといったようなことについての委員会としての意見をまとめることであると思いますので、そういう書きぶりにすることはまず必要だと考えますけれども、今のところは【論点】となっていて、その中には、私が今申し上げたような意見もあれば、事実認識、こうであるという認識について書かれているものもあって、それらが混在しておりまして、また事実認識そのものが異なる、対立的な事実認識を含んだものもあったり、特に、例えば2の医療のあたりにそれが目立つように思うのですけれども、この点についてはいかがでしょうかということを、まず最初に整理した上で議論していくほうが生産的かなと思いまして発言いたしました。事務局の御意見、それから各委員の御意見も伺いたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 では、中島審議官、お願いします。

○中島審議官 担当の審議官でございます。
 議論の整理の取りまとめに当たって、いわゆる基本的な考え方を改めて御確認の御質問と思ってございます。
 基本計画を監視するということは、確かにおっしゃるとおり一番丁寧にするとすると、資料3-2でお配りをしているこの基本計画のところの各項目ごとに、単純に言えば、丸なのか、三角なのか、ペケなのかというところをつけていくという作業になるのかなと思われるわけですけれども、その作業というのは、事務局として考えさせていただくに当たっては、この基本計画は5年でございますから、4年目ぐらいに新たな基本計画というものをつくっていかなければならないときに、この第3次の基本計画についての通信簿というものを詳細につけていただくという形になるのかなと思っているわけです。
 あくまで今回していただいているのは中間年における評価ということでございまして、その意味では、ある意味、そのような作業、丸、三角、ペケをつけていく、そしてそれがいわゆる監視結果だというやり方もあると思うわけですけれども、今回延べ三十数時間にわたってワーキング・セッションも入れて御議論いただく中で、委員の御意見というのはもっと大所高所からの御意見というのがかなり多かったような気がするわけでございます。その意味では、この基本計画を各省庁が今後推進していくに当たって、一体、障害者政策委員会としては何に特に関心をお持ちで、どういうところに今後の改善方策のポイントがあるのかというところについて浮かび上がらせることが重要なのかなと思ったところでございます。
 したがって、そういう観点から網羅的にはなっておりませんけれども、それぞれのチャプターごとに、例えば生活支援、今、加藤参事官のほうから御説明いただいたところ、成年後見制度が権利条約に抵触するのではないか、家裁の負担がそもそも運用上重くなっているのではないか、医療的ケアの部分も、どのような場合でも地域移行し、生活していくことが可能であると考えるべきではないか等々のいわゆるこの政策委員会での議論をいただいた前半というか、前半3分の1というか、そこあたりに出てきた意見というものを集約して論点を設定させていただいて、このような形で整理をさせていただいたということでございます。
 事務方から見ますと、それぞれの論点ごとに、その政策の方向性をよりスピードを上げて進めていけという御意見もある一方で、精神医療のところ等については、評価というものが割れている部分もあろうと。それから、インクルーシブのところについては、そもそも現状評価のところというものの、きょう柘植先生の御指摘もあるように、何をメルクマールに考えていけばいいのかというところもあるという段階があるものだと思っているわけでございます。
 したがいまして、今回はこういう大きな論点ごとに整理をしていただいて、いわゆる骨太の形でまとめていただいて、後半の各省庁の施策を推進していく際に、ここで特に力点を置いて書いていただいたところを念頭に、各省庁において進めていただければという形で整理したということでございます。
 改めてきちっとした形でこの5年間を集約するときに、どのような形でこの政策委員会として取りまとめていただくのかということについては、その時点で、最初の段階でコンセンサスをいただいて、それに沿って御議論いただけるように事務局としても汗をかきたいと思っているところでございます。

○石川委員長 ありがとうございました。おおむね理解いたしましたけれども、例えば精神医療の地域移行のところで言いますと、36810とか、これはつまり読んだときにどういう趣旨の記述なのかもよくわかりにくい感じがしておりまして、例えば10の代弁者制度について今検討されていますと書いてあるのですが、これは一体何を意味しているのかというのがわからないように思われるとか、それから、過去の精神病院はああだったけれども、今はこうであるという記述とか、つまりどのような政策的なメッセージなのかすら読み取ることが難しいものも含まれているように思うのですが、その点はいかがでしょうか。ちょっと取りまとめするときに悩んでしまうなというのが正直なところです。

○中島審議官 確かに、最終的に取りまとめをさせていただくときに、文言の書きぶりについてはまた委員長とも御相談をして、より論点がクローズアップできるような工夫はしなければいけないと思っておりますけれども、精神医療のあり方を巡ってはこの場でも、さらにはワーキング・セッションでも、現在の精神医療のあり方というものをどう考えるのかについては、必ずしも意見の一致を見ていないところがあるように思うわけでございまして、今の時点においてはそれを忠実に、両方の御意見を両論併記させていただいて、こういう状況にあるということで取りまとめさせていただくことになるのかなと思っております。
 新しい障害基本計画をつくっていく、さらには、いつかはわかりませんが、精神医療のあり方を法制度等を変えていくという時においては、一定のコンセンサスを得て進めていくということが必要になると思いますけれども、今の中間時点における評価については、精神医療についてはこういう見方もあれば、ああいう見方もあるということを、これだけ議論を重ねていただいても両論併記にせざるを得なかったというのが事務局の率直なところでございます。

○石川委員長 委員から、もしこの点につきまして御意見があれば伺います。  伊藤委員。

○伊藤委員 難病連の伊藤です。
 両論併記というのはいいのですけれども、例えばきょういろいろお話を伺って、さまざまな物の見方を学習したばかりですが、例えば保健・医療の3で、「本人の意思が反映されない傾向が強くなっているとの見方がある一方で」ということで、そうではないということを書かれていますが、これは逆で、そういう一方であるとしても、「認知症による入院の増加という要因等も踏まえれば、医療保護入院の増加だけをもって本人の意思の軽視、権利侵害の拡大と判断することはできないとの見方もある」ではなくて、「判断することもできるという見方もある」と書くほうが、よりこの議論の内容にふさわしいのではないか。ちょうど正反対に受けとめられるような書きぶりというのはいかがなものかということについて、一言だけ意見を申し上げておきます。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。委員の間で意見が大きく分かれているというよりは、多数意見と少数意見というものもございますし、このあたりは、本当はきょうの段階で議論を収束できるとよかったのですけれども、御欠席の委員もいらっしゃいますので、取りまとめの際にそのあたりも御意見をもう一度お伺いするなどしまして、できるだけ調整できるものは調整して、あるいは、ここに載せなくてもいいものは削除するということも含めて検討させていただくということで、できるだけきれいなというか、わかりやすい、一貫性のある形にしていくという方向で努力を事務局とともにさせていただくということでよろしいでしょうか。
 上野委員、お願いします。

○上野委員 精神科医の上野です。
 本日、西田先生にわざわざ来ていただいて、とても有効な議論ができたと思うのです。特に、加えていただいた3であるとか、10の代弁者制度に関して、医療保護入院が日本で高い割合であるというのは問題であるとか、認知症の新たな社会的強制入院がふえているという御指摘、そして代弁者制度に関しても、医療、特に病院から独立した代弁者の存在が、現在国際的な水準から外れている我が国の医療保護入院、強制入院の割合が高いというのを修正する、それが唯一の方法であるとか、そういった議論がなされましたので、ぜひその議論をこの中に反映していただきたいと希望します。

○石川委員長 きょう西田先生に来ていただいて、大変説得的な御意見をいただいたわけですけれども、これについて皆様の賛成をいただけるのであれば、ぜひ反映したいと考えておりますけれども、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)

○石川委員長 了解です。そういう方向でぜひ事務局とも御相談したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、1、2、3につきまして、個々の修正点につきまして確認をお願いしたいのですけれども、御意見がある委員は挙手をお願いいたします。
 では、門川委員、お願いします。

○門川委員 門川です。
 1点のみ確認したいことがございます。「3.教育、文化芸術活動・スポーツ等」の(2)文化・スポーツの3ですが、「見ることも聞くことも両方できない者の文化的活動等」と書かれていますけれども、「見ることも聞くことも両方できない」という表現についてです。この政府報告書は英文で制作されると思います。作成されるときに、見ることも聞くことも両方できないという表現は、できるだけもう一般的に使われるようになっている日本語で言う盲ろう者、英語で言うとデフ・ブラインドですね、これは権利条約の24条に文言が既にありますので、日本語、英語ともにありますので、これに忠実に従って作成していただけるようお願いしたいと思います。この1点のみお願いします。
 以上です。

○石川委員長 御指摘ありがとうございます。書きぶりの中で修正する方向で検討していただくということでよろしいでしょうか。大丈夫でしょうか。

○事務局 はい。

○石川委員長 では、ほかに御意見はございますでしょうか。
 大日方委員、お願いします。

○大日方委員 意見というか、確認ですが、先ほどの保健・医療の話の西田先生の御提案もありましたが、きょう同様に柘植委員のほうからも論点の整理ということで、我々委員のほうからもさまざまなデータを、進捗するときの論点というところでこういうものがもっと必要だという御提案も賛同していただいたと思います。これらもここに入るという理解でよろしいでしょうか。

○石川委員長 そのように提案させていただきたいと考えております。せっかくの機会なので、ここで教育のところで各委員に賛成していただければと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 辻井委員。

○辻井委員 今の御発言に重ねてですが、ワーキング・セッションのときにも出てきたと思うのですが、やはり個別の教育支援計画に関して、きょうも柘植委員の補足の御意見の中にいろいろ出てきたのですが、【論点】の最初の本人及び保護者の意思を尊重されているかの1のところ、「そのようなデータを示すことが必要」ということはそうなのですが、もう一歩突っ込んで、個別の支援計画のことに関連して、その部分に関して一定の成果としてそういう支援計画がつくられているのがふえているということの一方で、やはり質的な検討が必要だということは突っ込んで書いておいたほうがいいのかなということは、きょうの議論を踏まえてということでは感じましたので、御提案です。

○石川委員長 ありがとうございました。多分異論はないと思いますので、そのような方向で加えていく、あるいは拡充していくというふうにさせていただきたいと思います。
 三浦委員、お願いします。

○三浦委員 資料3-4の本文のほうでは2ページ目になりますけれども、(2)医療的ケアを必要とするというところには、「医療的」と「的」が入りました。ただ、資料3-1の同じ記載の部分では、下から10行目の「精神障害者・医療ケア」というところで「的」が抜けておりますので、訂正をお願いいたします。
 もう一度資料3-4の2ページ目に戻りますと、(2)の1の「地域によって水準に差異が生じないよう」というところの2行目、「医療的ケア保障(介護保障)をして欲しい」という表記がございます。できれば、括弧を外されて「・」でつないでいただいたほうが、介護も医療的ケアも両方必要という状況でありますので、できればこの括弧を外していただきたいという意見です。

○石川委員長 ありがとうございました。承ります。事務局、大丈夫ですね。

○事務局 はい。

○石川委員長 それでは、1から3につきましてはそこまでとさせていただきまして、次に4、5、6に移りたいと思います。事務局から修正箇所についての御説明をお願いいたします。

○加藤参事官 4、5、6の部分でございます。
 まず10ページに「4.雇用・就業、経済的自立の支援」、(1)雇用の【論点】法定雇用率の達成に向けてどのように取り組むべきかのところでございますが、小さい箇所でございますが、4に「支援がなされ」と、「ており」を削っております。
 6に少し修正を加えてございます。ここは竹下委員の御指摘を踏まえまして修正しております。全体を読みます。「中途障害に対する支援は手薄になりがち。一定の時間を中途障害者に与えて復帰の努力をさせるなど、企業側も復帰についての理解を持ってほしい。国家公務員における中途障害者に対する職場復帰に向けた取組を踏まえ、企業にもどう広がりをもたせるかが課題」、この文を加えてございます。
 そして、その一番下のところあります9は、統計のところに全部まとめて記載をしているので、ここは削除しております。
 11ページでございますが、【論点】の特例子会社はどうあるべきかというところでございます。ここは前回の委員会における議論の遠藤委員、大濱委員、花井委員の御意見を踏まえた形で、23を削除しておりまして、厚生労働省の囲みのところも削除してございます。したがって、1だけが残っているという状況でございます。  次、12ページの「5.生活環境」のところでございますが、ここも記載の修正でございますが、1「民間住宅の」と、「住宅」というのを加えてございます。
 それから、「6.情報アクセシビリティ」のところでございますが、少し飛びまして、14ページでございます。【論点】意思疎通支援を充実すべきではないかというところで、「意志」の「志」を「思」に修正してございます。  そして、1「重度重複障害など個別性の高いコミュニケーションを用いる方々も常に視野に入れて検討してほしい」というところに赤字をつけ加えさせていただいております。
 2「身体障害者手帳を持たない難聴者の情報アクセシビリティの施策にも対応してほしい」と、ここを追記してございます。
 3も、「サービスを利用できる人の範囲、利用目的が限定されているなど、複数の都道府県、市区町村から人が参加するような集まりでの意思疎通支援について十分に検討されていない自治体も一部ある」というふうに追記をおります。
 6でございますが、「盲ろう者向け通訳・介助員を派遣する事業の地域差をなくしてほしい。また、就労の場から教育の場、日常生活など、幅広い分野において支援が必要とされるため、各省庁の横断的な対応が求められる」と追記をしてございます。
 そして、新しく5としまして、「障害者が情報通信技術を活用できるよう、活用能力の充実を図るとともに、それに支援する人材の育成が重要」という5を加えてございます。
 それから、飛びまして15ページでございますが、新たに【論点】を1つ起こしてございます。【論点】としまして、行政情報のバリアフリー化は進んでいるのかということで、1「ウエブアクセシビリティ支援ツールを提供することは、個々の行政情報をアクセシブルにすることを保障するものではない。行政情報のバリアフリー化の施策として求められているのは、行政情報そのものをアクセシブルにすることである」
 2「中央省庁や各地方公共団体がどのようなウエブアクセシビリティ方針を立て、どのような試験を行い、何を目指しているのかも取りまとめてほしい」という、この2つのところを加えてございます。
 以上のところが6まででございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、4から6までの範囲につきまして、修正箇所について各委員から御確認をいただきたいと思います。御意見等がございましたら挙手をお願いします。
 では、佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。
 4の雇用のところですけれども、そこの特例子会社のところで、前回遠藤委員から御指摘いただいて削除になっておりますが、遠藤委員と話し合いをしまして、こういう形でもう形でもう一回盛り込んでいただきたいという提案の文章をつくりましたので、今読み上げます。
 「中途障害等の場合に、本人の同意が得られないにもかかわらず、特例子会社に配属されるといった実態があるのであれば、インクルーシブの視点から少し問題があるのではないか」
 これをぜひ入れていただきたいと思います。以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。確認ですけれども、中途障害というのは、あるA社で勤務中に中途障害になり、A社が含まれるグループ企業の特例子会社であるB社への異動というか、移籍が本人の同意なしに行われた場合については少し問題がある、そういうお話でしょうか。

○佐藤委員 はい、そうです。

○石川委員長 少しというか、これは違法ではないかと思うのですが、どうなのでしょうか。
 遠藤委員、お願いします。

○遠藤委員 経団連の遠藤です。発言の機会をいただき、ありがとうございます。
 この点につきましては、1つは10ページの6の部分で、中途障害の方々について記述がありましたので、一般職場で働いていた方が中途で障害を負われた場合があり得るだろうと考えました。
 次に、ただ今、佐藤委員からお話しいただきましたように、「等」の中にはそれ以外の場合もあるのではないだろうか。具体例として、佐藤委員からお伺いしておりますのは、障害を持って一般職場で働いていたが、障害が重くなったのか、あるいは仕事の遂行が思うようにいかなくなったのかは存じ上げませんが、特例子会社に異動してはどうかというお話がありました。ただし、本人が拒否したということで、配属されることはなかったということです。そういう意味で、「中途障害等」ということです。
 「配属」という形にさせていただいたのは、移籍の問題であれば、委員長がおっしゃいましたように個別の事前同意がなければ到底かなう話ではありませんので、ぎりぎり書く必要もなく、現行の労働法規の中で十分対応できる話であります。転籍ではなくて、この場合は出向という形になるのかもしれませんが、そういう意味合いも含めて記述ぶりを確認させていただいたという次第です。

○石川委員長 移籍ではなくて出向が中心であるという御趣旨ですね。「出向」と書いていただいたほうがわかりやすいような気がするのですが、いかがでしょうか。「異動」という言葉は私は曖昧に感じるのですけれども。

○遠藤委員 特段意味合いは変わりませんので、私自身はその修正に同意します。

○石川委員長 厚生労働省障対課のほうは、これについて何か御意見はございますか。

○厚生労働省 御説明をいただきましたので、そういう趣旨であれば、その実例自体は把握をしておりませんが、例えば中途障害で鬱になられた方が知的障害の対応をしているような特例子会社に出向させられるというようなことは、それが知的障害者の雇用管理に適しているようなところなのにも関わらず、たまたま鬱になって中途障害で復帰するということで、そこに出向させるということになり、個別の適した雇用管理をすべきという観点からも、問題があると思いますので、そのようなことに気をつけていくということは必要であると考えております。

○石川委員長 ありがとうございました。では、この件はこれでよろしいでしょうか。
 では、竹下委員、お願いします。

○竹下委員 竹下です。2カ所のこれでいいのかという確認です。
 点字で38ページ、墨字で13ページの5の表現です。「緊急時の情報は正確さが重要であるが」の後ですが、こういう発言だった思うのですけれども、少々不正確でもタイミングのほうが急がれることがあるというのは、不正確でいいというのは誰も思わないので、緊急時に不正確だったら死を招くわけですから、これは多分「少々不十分でもタイミングのほうが急がれることがある」というのが適切な表現ではないかと思います。これが1点目です。  それから、墨字の14ページで、点字の43ページになると思いますけれども、3「現場で様々な素材へのアクセスが可能となるよう学校等が処理作業をするために必要となる、データを入手するための枠組が必要」、これは私の理解力が足りないのかもしれませんが、これは例えば3Dプリンターなどのデータを指すのだとすれば、そのことを明確に一言入れたほうがわかるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 以上です。

○石川委員長 例示を入れたほうがよいという御意見でしょうか。

○竹下委員 そのほうがより明確に認識できるのではないかと思います。

○石川委員長 これは、御発言いただいた委員は、大河内委員ですか、それとも竹下委員。では、大河内委員から。

○大河内委員 大河内です。多分これは近藤参考人とのやりとりの中で出てきた話ではないかと記憶しております。
 以上です。

○石川委員長 わかりました。それでは、これはその文言を調整するときに忘れないようにしておきます。ありがとうございます。
 伊藤委員、お願いします。

○伊藤委員 伊藤です。
 1つは10ページの雇用のところですけれども、5に発達障害や難病のことを入れていただいたのですが、ぜひこれが消えることのないようにひとつお願いしたい。今、相談も非常にふえています。
 もう一つは14ページ、意思疎通についてですが、1に重度重複障害など個別性の高いコミュニケーションについて書かれているわけですが、それ以外に実は難病、特に神経系の難病などでは全く意思をあらわすために全身のどこも動かすことができない方への非常に高度なコミュニケーション機器の開発というのが今進められていて、もっとこれから進められると思うのですが、そういう重度重複障害などの個別性の高いコミュニケーションだけではなくて、非常に重篤な患者さんの、個別性が高いというよりもむしろ高度なコミュニケーション機器の開発も必要だとか、何かそういうような、非常に重症な難病患者についてのコミュニケーションもこの中に入れていただきたい。そういう発言を今までしてきたと思いますので、ぜひそのことについても一つどこかに入れてくださいというお願いです。
 以上です。

○石川委員長 承りたいと思います。
 では、私のほうからも1点、情報アクセシビリティに関しまして、あるいは教育ともかかわってくる話ですけれども、著作権法の37条に関する点につきまして、文化庁の著作権課のほうにお聞きしたいのですけれども、政令で指定された機関が、視覚による読書に困難のある人々を対象にして、著作物を複製することは著作権者の許諾なしに認められるというのが37条の規定でありますけれども、その政令の中で、大学の場合は大学図書館がそのような機関として指定されております。
 ただし、現状の各大学における障害学生支援というのは、障害学生支援室といったようなところを中心に行っておりまして、そこが例えば視覚障害等、あるいはディスレクシアの学生に対して著作物を電子データ化するという作業をやっておりますけれども、これがそもそも著作権法の37条に基づく複製に当たるかどうかについて、各大学とも半信半疑というところがございまして、したがって共同利用、相互貸借みたいなこともできずにいるという状況がございます。
 それにつきまして、文化庁著作権課としての御見解、つまり大学図書館と書いてあって、障害学生支援室とは書いてないけれども、それも含むのか、あるいは列挙型の規定になっているので、書いていないものは含んでいないということなのかについて、この場で御見解をいただけるとありがたいと思いまして、お願いしたいと思います。

○文化庁 文化庁著作権課、課長補佐の秋山でございます。御質問ありがとうございます。
 お問い合わせのありました著作権法37条3項の適用に関する部分ですけれども、同項の権利制限規定の適用のある主体に関しては政令で定めるということになってございます。先ほど御説明があったとおりでございます。
 この政令でございますけれども、著作権法施行例第2条第1項第1号ロにおきまして、37条3項の規定の適用が受けられる主体として、大学等の図書館及びこれに類する施設と定められてございます。ここに言う「これに類する施設」といいますのは、大学図書館のように図書等の資料を備え置いて、学生に資料の貸し出し等の情報提供を行う機能を担う施設が想定されているものと解されるところでございまして、必ずしも名称が大学図書館となっていなくても、当然その他のものが含まれるということが念頭に置かれているものと理解してございます。
 したがいまして、私どもとしましては、個々の事例への法令の適用関係について、個別に判断を申し上げる立場ではございませんけれども、御質問のありましたような、障害学生支援室といった名称を冠する組織につきましても、通常、上記の大学図書館のような趣旨に合致するものも多いと考えられますので、そうしたものにつきましては、基本的に「これに類する施設」に該当すると解釈することもできるのではないかと考えてございます。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。大変明快な御回答をいただきまして、感謝いたします。
 石野委員からも手が挙がっていたということですので、失礼しました。石野委員、お願いします。

○石野委員 全日本ろうあ連盟の石野です。
 13ページ、総務省の回答に対して、以前から意見を申し上げておりますが、今回も繰り返し申し上げます。生放送で、かつ、正確性、公平性を求められるということに対して対応が難しいという見解になっています。改善されると思っていましたが、全く変わっておりません。是非検討していただきたいと思っています。
 国会中継の担当のNHK放送事業者は繰り返して、手話通訳について回答していますが、字幕も対象になると思います。できないわけはないと思います。民放でもきちっとした形で対応できるのに、どうしてNHKがしないのか、わかりません。財政の理由からなのか、難色を示しているということについて納得しかねます。
 2つ目は、14ページです。修正がかかっている部分ですが、5のところ、文章を読みますとIT関係のことです。これは非常に大事な視点だと思います。意思疎通支援事業の中に手話通訳派遣、要約筆記派遣、また手話通訳設置等がありますが、特に手話通訳の設置事業については、県、市町村に、手話通訳が設置されているところもあります。手話通訳の設置について参考資料のところに、厚生労働省からの回答があり、設置につきましては656人と書いてあります。これは大体4分の1以下であり、非常に低い率です。この面をどう評価していくかということも考えていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。この点につきましても、事務局と相談いたしまして、取りまとめの中に反映させていきたいと考えておりますけれども、総務省、何か御意見はございますか。

○総務省 総務省地上放送課、課長補佐の石原でございます。
 今の国会中継の字幕、手話につきましては、現状、ここに書いてございますとおりでございますが、引き続きそういった部分、情報のアクセシビリティの重要性という観点については欠けることはございませんので、「要請」ということになってございますが、引き続き取り組めるように「要請」してまいりたいという答弁に現状はなってしまうことを御理解をお願い申し上げます。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。今御答弁いただいたことも踏まえまして、書きぶりを検討させていただきたいと思います。
 4、5、6につきましては以上でよろしいでしょうか。
 それでは、最後に7、8、9及びIVの推進体制、それから統計データ、障害のある女性につきまして、修正点を事務局のほうから御説明いたします。

○加藤参事官 16ページの「7.安全・安心」のところでございます。③のところにPTSD(心的外傷後ストレス障害)ということを書き加えてございます。
 それから、少し飛びまして18ページになります。「9.行政サービス等における配慮」ところでございまして、一番下にあります総務省の意見を改めてございます。読み上げます。
 地方公共団体の採用試験の実施にあたり、どのような受験資格を設けるかについては、募集の主体である各地方公共団体において、募集しようとする具体的な職務内容等を踏まえて定めるべきものである。
 一方、平成28年4月に施行される改正障害者雇用促進法第38条の2に規定される合理的配慮については、地方公共団体に対しても適用があるため、各地方公共団体に対して、改正法の趣旨、合理的配慮に関する指針の趣旨を踏まえた適切な対応を要請しており、今後とも、必要な情報提供等を行う考えである。
というのを加えております。
 そして、次の19ページ、「Ⅳ 推進体制」のところでございますが、1から4までを削除しておりますが、これは後の統計のほうに全て移しているということでございまして、51に改めて、「広報啓発活動について」と追記をしてございます。
 そして、20ページ、ここは別添1ということで、「障害者に関する統計」ということで全体をここに束ねて記載しております。1、障害者に関する統計の課題として、日本の人口全体を対象として障害について尋ねた調査がない。日本でも、国勢調査に障害の設問を入れるべき。
 2政策監視・評価に使える水準の統計が、国のみならず地方自治体でも不足している。使える統計がなければ、それを作る必要がある。
 3男女別統計をきめ細かくとることが徹底されていない。批准国は障害者権利条約第6条の複合差別の解消に取り組むのが義務であり、複合差別の実態がわからない状況を解消するためメリットがあると思う。
 4障害者政策について、現状把握と課題解決に向けた施策にあたっては、就労収入や就労率、就労支援制度の利用等について、男女の差があるかどうか、まず現状を把握することが必要。
 5男女比に差があることをもって直ちに違法ではないという状況下で、人数比をとることが、どういう意味を持っているのか、行政側がどう受けとめていくのかについて、より積極的、あるいは納得できるような理屈が求められる。必要だ、望ましいというだけでは、予算に限りがある中、政策の優先順位として物事が進んでいかないように思う。
 6障害者雇用状況報告の延長線上に男女別調査を位置づけることに限界があるならば、その延長線上にない形で政策提言できれば、積極的な意味合いがある。
 そして、厚生労働省の意見ということでまとめてありますが、男女別データや都道府県別によるデータで精緻なデータをとることによってどういうメリットがあるのか、また条約上の義務のようなものがあるかなど具体的に示していただくことが大事。その辺を整理して議論していただくことが先決だと考える。
 障害者雇用状況報告は、従業員50人以上の企業に対し、雇用義務を満たしているか否かの報告を義務付け、報告をしない場合や虚偽の報告をした場合は罰則を適用するものであり、いわゆる調査ではないため、男女別の報告を求めていない。一方、障害者雇用実態調査は、従業員5人以上の事業主に対して実施するサンプル調査であり、男女別の勤務時間、賃金などを含めた障害者の雇用実態を網羅的に把握している。男女別の雇用実態を把握するという観点からは、障害者雇用実態調査の項目を工夫する方が適切ではないかということでございます。
 そして、22ページでございますが、別添2ということで、「障害のある女性」ということで、ここにまとめております。
 1男女雇用機会均等法の改正は、好影響があった。一方で、いまだに、車いすでアクセスできるトイレが男性用トイレの中だけにしかないなどの課題も残されている。
 2日本は他の先進諸国と比較して、女性の社会参画が低い水準にあり、世論調査からも固定的性別役割分担意識が依然として残っているという課題もある。
 3国や地方自治体の政策を決定するさまざまな審議会や有識者会議の委員構成については、ポジティブアクションの取組が推進されている。障害者政策委員会においても、こうした視点・取組が必要。
 4医療機関における必要な情報が手に入りにくいなどの課題が残されている。福祉施設での同性介助を標準化するなど、障害があってもなくても安心して産み、育てることができる支援や環境整備が必要である。
 5性的被害や配偶者からの暴力などの女性の相談窓口に、障害のある女性の連絡、相談できる体制が必要である。  6障害者虐待防止法について、障害のある女性という視点からも検討してほしい。
 7障害者権利条約第6条「障害のある女子」に対応するため、障害女性の視点からの記述を充実させるとともに、女性に重点を置いた政策立案を推進する必要がある。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 この修正点につきまして、委員からの御意見をいただきたいと思います。挙手をお願いいたします。
 河井委員、お願いします。

○河井委員 河井です。
 私のほうからは、資料17ページ、「8.差別の解消及び権利擁護の推進」の3の部分ですが、こちらの文章はちょっと意味が通りにくい文章になっていると思いました。「障害者虐待防止法については、障害者が被害者になるという視点だけでなく」と否定して、「ご家族にもその視点を持っていただくような調査、進ちょくのチェックをしてほしい」という、この表現がわかりづらいので、ここで言わんとしているのは、家族も障害者自身の権利であるとか意思を尊重する視点を持つべきだということを多分言いたかったのだろうと思うのですが、この文章ではそれが伝わりにくい。
 あと、視点を持っていただくような調査は何の調査を誰に対してするのか、その進捗のチェックはどういうふうにするのかということが具体的に見えませんので、ここの表現は変える必要があると思いました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。これは、今、河井委員御指摘の方向で修正を図っていただきたいと考えております。よろしいですね。
 それでは、大日方委員、お願いします。

○大日方委員 ありがとうございます。
 質問の前に、きょう御提出いただいている資料6については、何か厚生労働省さんのほうから御説明といったようなものがあれば、先にお願いできればありがたいです。

○石川委員長 詳細にわたるので、時間的にこれについてきょう御報告いただくのは可能ですか。簡潔にポイントだけということであれば可能かなとも思いますが。

○厚生労働省 厚生労働省の障害者雇用対策課長の宮本でございます。
 今日資料6として提出させていただきましたのは、5年に一度のサンプル調査で、障害者雇用実態調査をやっておりまして、その中で産業別、業種別の雇用者数やその割合及び平均賃金などを女性、男性別にとっているデータがございますので、提出をさせていただきました。
 中身については、またごらんいただければと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。大日方委員、よろしいでしょうか。

○大日方委員 はい。ありがとうございます。その上で発言を引き続きさせていただいてよろしいでしょうか。
 今、資料6のようなものをいただきましたことを非常に前向きにとらえております。これを拝見しましたところ、性別に加えてさらに年齢等の集計も、クロス集計ができるように、あるいは障害別、3障害に分けたクロス集計ができると、さらに障害者に関する統計という意味では、分析あるいはこうした議論もしやすくなると感じました。  今回いただいたようなものを毎回少なくとも出していくということに加えて、やはり勝又参考人からも御指摘がありましたが、業務統計である、公的な統計である雇用状況報告についても、男女別というところについて統計を毎年とっていくということが必要だろうと考えております。
 特に、20ページの「障害者に関する統計」のところをずっと読んでいきますと、1から4で、こういう話もあるのだけれども、一方で行政側がどう受けとめていくかについての積極的な納得いくような理屈が求められると。必要だ、望ましいということだけでは物事は進んでいかない。これは経済効率的な話も含めてだとは思うのですが、平成26年3月に閣議決定されている公的統計の整備に関する基本的な計画というところで、やはり男女別にとっていくことが望ましいということもありますので、こことの整合性について再度事務局も含めてこの書きぶりをぜひ御検討いただきたい。これで本当にいいのか、全体の国の方針に反するところがないのかというところについては、ぜひ御確認をいただきたいと思っております。
 それから、22ページ、「障害のある女性」のところにつきまして、ちょっと気になる書きぶりがありました。4の「医療機関における必要な情報が手に入りにくいなどの課題が残されている」の次です。「福祉施設での同性介助を標準化するなど、障害があってもなくても安心して産み、育てることができる支援や環境整備」の「など、」以降がちょっと続きづらいかなと。福祉施設での同性介助の標準化ということと、その次の文を分けたほうがわかりやすいだろうと。福祉施設で多分産んで育てる障害者は余り多くないと考えています。
 それから、7ですが、障害女性の視点からの記述を充実させるということですが、恐らくこの前の統計ということに関しても申し上げたと思いますが、記述を含めて統計というところも一つ入れていただけるとありがたいと思いました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。論点の5についてですけれども、これについて遠藤委員にもう一度お伺いできますか。これはあったほうがいいですか。なくてもいいですか。

○遠藤委員 経団連の遠藤です。繰り返しこの議論をしてきたので、私自身としてはもう決着していると思っておりました。障害者雇用促進法に基づいて毎年報告される障害者雇用状況報告では難しいので、それ以外の対応をしていくというのが現状のとるべき選択肢ではないかということです。男女統計の話と障害者雇用促進法で求められる報告というものを同一視して考えるというのは、現状では難しいのではないかと考えています。

○石川委員長 ありがとうございます。そのことをよりポジティブな表現で言う書きぶりに変えることはやぶさかでなしというのが遠藤委員の御趣旨と考えてよろしいですか。

○遠藤委員 変える部分について、また文面等を見させていただくという条件つきにはなります。

○石川委員長 それでは、そのような方向で調整させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。あくまで雇用促進法上でとっているデータの話と分けて考えてほしいと。分けた上で積極的にそれを求めていくことについてはやぶさかではないということで。

○遠藤委員 そもそも、サンプル調査では検討に値しないということではないと思うので、サンプル調査を工夫して活用していく。あるいは、サンプルのとり方等について、先ほどのように年齢階層別にとっていく。条件をつけていくほうが現実的だと思います。説明するまでもなく、法律上規定があるものを法律の規定を変えることなく報告の内容を変えていくことを求めること自体が非現実的だと思っております。

○石川委員長 ありがとうございます。学問的にきちんと操作されたサンプリング調査であれば、十分な精度が得られるということは間違いございませんので、全数調査でなければならないということではないと私も思います。書きぶりについてはまた御相談させていただくということでよろしいでしょうか。
 それに関連してですが、厚生労働省からの回答の2についてはよく理解できるのですけれども、1についてはあったほうがいいでしょうか。宮本課長のお考えをもう一度伺いたいのですが、特に権利条約によって義務づけているのかどうか示していただきたい云々という書きぶりになっているのですけれども、これはそれぞれが所管しているところとして、それぞれが受けとめていただいて、認識していただいているはずのことでもあるので、これはかえって厚生労働省のお立場としてもよろしくない書き方になっているようにも思うのですが、いかがでしょうか。

○厚生労働省 厚生労働省の障害者雇用対策課長の宮本でございます。
 これはワーキングセッションのときに最初に議論した発言がそのまま残っておりまして、そのときはどういうことなのかという、余り状況がわからない中での議論でしたので、ここの部分は削除していただいて結構だと思います。

○石川委員長 1は削除でよろしいですか。では1は削除でいきたいと思います。
 ほかに御意見は。竹下委員。

○竹下委員 8で、墨字の17ページ、点字の49ページ、5のところですけれども、合理的配慮の不提供云々で、最後のところ、「何らかの指針を集積していかないと」とあるのですけれども、指針を集積するというのは、これは事例を集積するのではないでしょうか。何か指針を集積しても仕方がないと思うので。ですから、これは多分、事例を集積してということではないのかなと、私の理解では正しくはそうだと思うのですけれども、ここを直したらいいのではないか。具体的には、障害者雇用促進法においては、差別解消法の関係ではQ&Aを作成したり、事例集をどんどんつくっていくことを進めておられるわけですので、そういうことではないかと思っております。
 それから、「IV 推進体制」の表現ですけれども、最後に「今後、どう外へ向けて広げていくのかが課題である」と、この「外へ向けて」というのは何となくニュアンス的には理解できると思うのですけれども、こういう表現でいいのでしょうか。どれが内側で、どれが外側かというのは少しおかしいのではないか。障害者団体の仲間うちにとどまらないという趣旨でしょうから、今にわかには的確な表現が見つかりませんが、少し考えていただいたほうがいいのではないかと思います。
 以上です。

○石川委員長 御指摘ありがとうございました。これも事務局と相談して、適切な表現に変えていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 では、花井委員、お願いします。

○花井委員 私が発言しようとした中身は、見え消しが入っている20ページのところを削除してはどうですかと言おうと思っていたものです。それを確認いただければと思います。

○厚生労働省 厚生労働省雇用対策課長の宮本でございます。この4行については、この委員会の中でも十分議論をしていただきましたし、また、条約上のどういう位置づけであるかということも理解をいたしましたので、この4行は削除でいいかと思っております。

○石川委員長 それでは、佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。2点あります。
 まず、18ページ、9の(2)、国家資格に関する配慮の2のところで、「公務員試験の共通的な指針を策定すべき」というところですけれども、受験を阻む資格を設けない、それがまずあって、それともう一つ、試験や選考において合理的配慮を提供する、この2つのことが必要だと思います。ですので、その2つをぜひ明確に視点として入れていただきたいということと、2は公務員試験に限定された書きぶりですけれども、これを公務員試験に限らず、国家試験にも言えることですので、ぜひそこも御配慮いただきたいと思います。
 2つ目は、今のところか20ページの統計のところに入れたほうがいいのかわからないのですが、7月10日に勝又参考人が言われたことですけれども、既存の法制度で障壁になっているものはどのぐらいあるのかなど、現状を把握するための調査がされるべきだという御意見をいただきました。私もぜひこれはやっていただきたいと思いますので、そういう視点をどこかに入れていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。委員御指摘の方向で検討させていただきます。
 阿部委員、お願いします。

○阿部委員 日身連の阿部です。
 厚生労働省から示していただきました障害者雇用実態調査についてですけれども、またこのときに地域の温度差等についてもということもありまして、大日方委員がクロス集計とかとれるようにということがありました。十分なサンプル数、根拠のある票数がなければ、それはできないことだと思いますので、その辺のところで、現在でも十分な票数なのか、これからも課題があるのかについて、コメントをお願いしたいと思います。

○石川委員長 厚生労働省、お願いいたします。

○厚生労働省 障害者雇用対策課長の宮本でございます。
 これも、先ほど必要性は理解したわけですけれども、今度はさらにこういうことを知りたいとか、もっとこういうクロス集計をして欲しいということになりますと、そのときはサンプル数が少ないとなってしまうこともありえますので、何が知りたいかということに応じて、統計上の知見を踏まえながら、サンプル数については考えていかなければならないと思います。またどういうデータが必要で、今後、さらにどういうデータが必要であるとか、そういうことはよくお話をお聞かせいただいて、またこの統計を設計するときによく検討してまいりたいと考えております。

○石川委員長 ありがとうございます。

○阿部委員 5年後ということは、また5年後はあるわけだから、そのときまでこういう委員会で議論しておく必要があるということですね。

○厚生労働省 そういう議論をいただければありがたいと思います。

○石川委員長 一応委員会としては、5年に1回ではデータとして古過ぎるという意見ではないかと思うのですが、違いますか。
 大日方委員。

○大日方委員 大日方です。
 女性の立場からしますと、5年間で女性の立場というのは相当変わってきていると認識していますので、恐らくどんどん改善される部分、あるいは変化していくところというのが、変化が早い分野ですので、5年に一度はちょっと少ないかなというのは確かに委員長がおっしゃるとおりの視点を盛り込んでいただきたいと思います。

○石川委員長 例えば、簡易なものは毎年行い、より包括的なというか、より詳細なものは5年とか、いろいろな工夫はあるかと思います。また御検討いただければと思いますので、よろしくお願いします。
 三浦委員、お願いします。

○三浦委員 私もほぼ大日方委員と同じ発言内容です。権利条約の中には、一般原則の中に男女の平等がうたってあることと、それから第6条で障害のある女子と、条文が立っているということを鑑みて、優先的な政策として提案していくような内容で、現状を把握するためにとにかくデータが欲しいんだというこれまでの意見でありましたので、現状把握をできる限り行うという視点をとっていただきたいと思います。意見です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 障害のある女性というところに入らないのかもしれないのですけれども、政策委員会のあり方に関しまして、前回、障害の多様性ということも、ジェンダーバランスとともに御配慮いただきたいということも、今回の中間的なモニタリングとして書いておきたいということであったかと思いますが、これが入っていないように思いますけれども、入れていただければと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。それも含めて、また文言を調整させていただきたいと思います。
 ほかにございますでしょうか。ないようでしたら、7、8、9及び推進体制、それから統計、障害のある女性につきましては以上とさせていただきたいと思います。
 本日予定しておりました議題は以上となります。事務局のほうから、次回の日程等について、御説明をお願いいたします。

○加藤参事官 事務局です。
 次回の日程についてお伝えします。お手元の参考資料2をごらんください。今後の障害者政策委員会の予定が記載されております。次回第26回障害者政策委員会については、9月24日木曜日の13時30分開始、場所は4号館4階408会議室を予定しております。
 次回は、障害者権利条約第1回政府報告案について御議論いただく予定でございます。
 以上です。

○石川委員長 大事なことを忘れていました。
 きょうをもちまして、基本計画の実施についての当委員会としての中間評価を終えたいと思います。それで、取りまとめに関しましては、僣越ではございますけれども、委員長に御一任いただくということで御了承いただけますでしょうか。  ありがとうございます。では、責任を持ちまして、事務局とともに取りまとめの作業をしたいと思います。  最後に、本日をもちまして障害者施策担当参事官を離れられます加藤さんのほうから御挨拶をいただきたいと思います。

○加藤参事官 障害者施策担当参事官を2年2カ月務めさせていただきました加藤でございます。
 私の挨拶として、3つお礼を申し上げて挨拶にかえさせていただこうと思います。1つは、何といっても、障害者政策委員会、石川委員長を初め、委員の皆様方にお礼を申し上げなければならないと思っております。
 私は25年7月2日に着任しまして、7月22日に第6回の障害者政策委員会が開催されました。したがって、きょうがちょうど20回目の障害者政策委員会ということでございまして、20回、先生方におつき合いいただいて、この間、御指導、御鞭撻をいただいたことを本当に改めて感謝申し上げます。ありがとうございます。
 2つ目のお礼は、先生方から見てちょうど私の後ろにおります関係省庁の皆さんでありまして、20回、この障害者政策委員会におつき合いいただいたことと、本日もたくさんの資料が出ておりまして、特に資料3-2は各省庁が今まで非常に苦労しながらデータをぎりぎりまで出してくれておりまして、そういったことで非常に工夫をした資料が今回できたのではないかということで、20回おつき合いいただいたということで、各省庁の皆さんにも本当にお礼を申し上げたいと思います。
 3つ目は、2年前、25年に着任して以来、共生社会の中で残っているのは武川統括官と私ぐらいでして、あとはみんな担当もかわってしまったのですけれども、そういう意味では現在いる十数名以上の職員が汗をかきながら作業をしていたということでございまして、特に内閣府というところは権限がありそうでないような役所でありまして、ちょうど障害者政策委員会の皆さんと、私の後ろに控えている各省庁に挟まれて、十数名は非常に苦労しながら作業をやってきたということであります。
 まさに障害者政策委員会20回、もう一つアルコール健康障害対策基本法に基づいた関係者会議という審議会も、実はこの間7回、きょうの午前中までにワーキンググループを12回開催しておりますので、約40回ぐらいの会議をこの2年間で開催したということでありまして、その間誰も倒れる人がなく、田中企画官も割にきゃしゃなのだけれども、結構したたかにやっていただいたということで、本当に職員の皆さんに感謝をして、この3つの感謝の言葉を述べまして挨拶にしたいと思っています。
 来年の4月から、障害者差別解消法が施行されるわけでありますので、その際に合理的配慮、あるいは建設的対話の一つの見本になるのがこの障害者政策委員会だろうと思っておりますので、ますます先生方には活発な御議論をいただくともに、関係省庁もまた御協力いただいて、発展させていただければと思っておりますということを申し上げて挨拶にいたします。
 本当に2年間、どうもありがとうございました。(拍手)

○石川委員長 政策委員会を代表しまして、私からも加藤誠実参事官にお礼を申し上げたいと思います。
 2年余りにわたりまして、この政策委員会を支えていただきまして、本当にありがとうございました。さまざまな無理を聞いていただきまして、とりわけ権利委員会の前委員長のマッカラムさんをぜひお呼びしたいというかなり無理なお願いも、武川統括官を初めとしまして、加藤参事官にも御尽力をいただきましてありがとうございました。
 本当にこの2年間、ありがとうございました。また、今後とも引き続きよろしくおつき合いいただきたいと思います。
 簡単ではございますけれども、委員会を代表しまして一言お礼を申し上げます。ありがとうございました。
 以上をもちまして、第25回政策委員会を終了させていただきます。ありがとうございました。