障害者政策委員会(第34回)議事録

平成29年5月29日(月)
13:30~15:30
中央合同庁舎8号館 1階 講堂

【議事に使用されている資料については「議事次第」のページにまとめて掲載していますのでご参照ください。】

○石川委員長 それでは、定刻になりましたので、これより第34回障害者政策委員会を開会いたします。
 委員各位におかれましては御多用のところを御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 本日の会議は15時30分までの予定です。
 なお、会議冒頭、当委員会の委員の御迷惑にならない範囲で取材が入り、撮影が行われますので、よろしくお願いいたします。
 まず、事務局から委員の出欠状況について御報告をいただきます。

○坂本参事官 事務局でございます。本日もよろしくお願い申し上げます。
 委員の出欠状況でございますけれども、本日は阿部委員、高橋委員、竹下委員、玉木委員、辻委員、松爲委員が所用により御欠席との御連絡を受けております。
 また、大日方委員、北岡委員、辻井委員、野澤委員が遅れて到着という御連絡を受けております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、早速ですが本日の議事に入ります。
 まず、当委員会における発言規則について確認させていただきます。
 まず、委員長が意見を求めます。意見のある方は挙手をお願いいたします。委員長指名を受けて御発言ください。できれば最初に結論を端的に述べていただき、その理由を説明していただくとわかりやすいと思います。また、御発言の際はまずお名前を名乗っていただき、わかりやすくゆっくりと御発言ください。マイクに近づいて聞き取りやすく発言をお願いいたします。また、発言が終わりましたらマイクは必ずオフにしてください。
 以上です。
 それでは、本日の議題及び資料について事務局より説明をお願いいたします。

○坂本参事官 事務局でございます。
 本日は、まず議題1といたしまして、事務局のほうから各地方公共団体における本年4月1日現在の地域協議会の設置状況等について御報告を申し上げます。関係資料といたしましては資料1-1及び1-2を御用意しております。
 また、議題2といたしまして、事務局より先般取りまとめました障害者差別解消支援地域協議会の設置・運営等に関するガイドラインについて御報告を申し上げます。関係資料といたしましては資料2-1及び2-2を御用意いたしております。
 その次に、議題3といたしまして、文部科学省より障害者の生涯を通じた多様な学習活動の充実について御報告申し上げます。関係資料といたしましては資料3-1及び3-2を御用意いたしてございます。
 その後、議題4といたしまして、過去2回にわたりまして御議論をいただきました第4次障害者基本計画の骨格案につきまして、いただいた御意見を踏まえた修正案を作成いたしましたので、改めて御議論をいただきたいと考えてございます。関係資料といたしましては資料4-1及び4-2を御用意いたしております。
 その後、15分程度の休憩を予定しております。
 休憩の後、議題5といたしまして、今後の審議の進め方について御説明を申し上げます。関係資料といたしましては資料5を用意いたしております。
 最後に、議題6といたしまして、第4次障害者基本計画の総論部分につきまして事務局で本文の案を作成いたしましたので、御議論いただきたいと考えております。関係資料といたしましては資料6-1、6-2を御用意いたしております。この本文の総論部分でございますが、本日のこの政策委員会で確定させてしまうという趣旨ではございませんで、次回以降の政策委員会におきましても、各論部分の議論の中でもし総論部分に関係する御議論があるような場合には適宜柔軟に修正する等の対応をしていきたいと考えてございます。
 また、委員の皆様のお席に関係法令等をまとめたファイルを御用意してございますので、適宜御参照いただければと思います。
 なお、これ以降の写真撮影は御遠慮いただきますようよろしくお願い申し上げます。報道関係のカメラもここで御退室をよろしくお願いいたします。
 以上です。

○石川委員長 それでは、議題に入ります。
 まず、議題1と2をあわせて議題といたします。事務局より地域協議会の設置状況及び地域協議会の設置・運営等に関するガイドラインについて報告をお願いいたします。

○坂本参事官 事務局でございます。
 以下、議題1、地域協議会の設置状況等、議題2、ガイドラインにつきまして、事務局のほうから一括して御報告を申し上げます。
 まずは議題1について御説明申し上げます。
 資料1-1の3ページ目を御覧いただきたいと思います。
 内閣府におきましては、本年4月1日時点におきます地域協議会の設置状況、対応要領の策定状況、障害者差別解消に関する条例の制定状況につきまして、それぞれ都道府県及び市町村にアンケート調査を実施いたしました。
 まず、地域協議会の設置割合でございます。3ページの上の段でございますが、②を御覧いただきたいと思います。そこを御覧いただきますと、都道府県、指定都市、中核市等、その他市町村というそれぞれの区分いずれも昨年10月の時点から10%ないし20%上昇しておるということでございまして、都道府県、指定都市は全て、中核市等は3分の2強、その他市町村は4割弱、全体では41.4%で4割強になってございます。また、今年度中に設置予定の自治体、これは右のほうの③でございますが、それを含めますと、今年度末時点、右から2番目の②+③でございますが、都道府県と指定都市は100%、中核市は78%で8割弱、その他市町村は50.9%で5割強で、全体としては54%という状況になるということでございます。
 次に、下の段の対応要領でございます。これも左のほうの策定済みの真ん中、4月1日時点のところですけれども、小規模な自治体を中心に伸びが見られておりまして、都道府県は約95、指定都市は100%、中核市等は9割強、92.7%、その他市町村は61.6%、全体としては64.3%になってございます。また、今年度中に策定予定の自治体③を含めますと、今年度末時点になりますと、都道府県、指定都市100%、中核市等が98.8%、その他市町村が75.2%、全体では77.2%という状況になるところでございます。
 以上が地域協議会と対応要領でございますけれども、次に一番後ろの4ページ目を御覧いただきたいと思います。
 ここでは都道府県と指定都市において既に制定されております障害者差別解消に関する条例をお示ししてございます。一番左が都道府県なり指定都市の名前で、右のほうが条例の名前、タイトルでございます。数でいいますと24の道府県、5割強になりますが、それから4つの指定都市で条例が制定されておる状況になってございます。さらに条例制定に向けて具体的に検討を進めている自治体も幾つかあると伺っております。このような状況でございます。
 なお、次の資料1-2では地域協議会の設置状況等についてさらに詳細なデータを掲載してございますけれども、時間の関係上、説明につきましては割愛させていただきます。適宜御覧いただければ幸いでございます。
 次に、議題2といたしまして地域協議会の設置・運営等に関するガイドラインにつきまして御説明いたしたいと思います。
 資料2-1を御覧いただきたいと思います。
 このガイドラインは、地域協議会の円滑な設置や効果的な運用を推進するために、自治体担当者向けのマニュアルとして取りまとめたものでございます。このガイドランを検討するに当たりましては、野澤委員を座長、柘植委員ほか9名を構成員とする有識者検討会を立ち上げまして、先進的な取組を行っております地方公共団体、具体的に申し上げますとヒアリング順で、三重県、北九州市、平塚市、八王子市、明石市、総社市、山口県、大阪府、こういった8つの自治体からヒアリングを行いながら精力的に審議していただいて、その議論の成果を随所に反映しておるところでございます。
 これまでも自治体の担当者向けの地域協議会設置の手引きは作成しておったわけでございますけれども、あくまでも地域協議会の設置の促進に主眼を置いておったということでございまして、どちらかといいますと質より量に重きを置いた内容でございました。障害者差別解消法の施行から1年以上経過したわけですけれども、量の観点に加えまして質の観点もますます重要になりつつあることから、このガイドラインでは設置した後の効果的な運用に関する記述も大幅に加筆することといたしました。
 具体的に申し上げますと、ページを追っていいますと、例えば資料2-1の7ページには積極的な姿勢による相談対応といったようなこと、真ん中からちょっと下ですけれども、相談者から取り下げられた相談事案の事実調査の継続であるとか、本人から明確な相談がない段階でも相手方への事実確認といった記述を盛り込んでございます。それとか15ページあたりを御覧いただきたいのですけれども、一番下のところでございます。地域の障害者団体などと協働した事務局の運営といった内容を盛り込んでおります。23ページに少しとんでいただきたいのですけれども、設置後にどういうふうに運営すればいいかということで、円滑に議論をスタートするための議題設定ということで、例えば開催1回目はこう、開催2回目はこう、3回目はこうといったような感じで、こういうふうな形でお示ししてございます。あるいは26ページから27ページにかけてですけれども、充実した審議を行うための事例収集ということで、間口の広い相談体制の構築とかアンケートの工夫などを通じた事例の掘り起こしといった記述を盛り込んでいるところでございます。
 また、資料2-2、色刷りになっている2枚ほどの資料でございますけれども、これにつきましてはガイドラインの要点をコンパクトにまとめたものとして作成いたしております。このような資料も活用しながら、このガイドランの幅広い周知に努めるとともに、地方公共団体の主体的な対話を促し、地域協議会の円滑な設置や効果的な運用を一層推進してまいりたいと考えております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、検討会で座長を務められました野澤委員からも御発言をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○野澤委員 野澤です。検討会の座長をさせていただきました。
 今、事務局からも御説明があったように、この検討会は11人という非常に少人数の体制で、しかも数も決して多くなかったのですけれども、ここにいらっしゃる柘植委員初め、皆さん質問とか批判というよりも非常に建設的な提案をたくさんしていただいた。構成員にも知的障害、発達障害、身体障害を持った当事者の方がいらっしゃって、非常に貴重な意見を出していただいたと思います。
 このガイドランを見ていただくとわかるように、分量的には決して多いものではないのですが、自治体が自主的につくっていかなければいけないということで、何とかまず読んでもらわなければいけない。そもそも地域協議会はなぜ必要なのですかとか、どうやってつくるのですかという導入部のところに重点を置いたのが特徴かと思います。設置状況を見てもわかるように、かなり改善されてきているということは言えるのではないかと思います。今後はこのガイドラインも有効に使って、さらに多くのまだ未設置のところに働きかけて設置を促していくことが大事かと思います。
 もう一つ私が思っているのは、地域協議会を設置することと、つくった協議会がうまく機能して有効に維持・発展していくのはちょっと別な努力が必要なのかなという感じがしています。自治体に行ってみますといろいろな声も聞きます。自立支援協議会の権利擁護部会とか虐待防止センターとか、今度は成年後見の利用促進に関しても協議会を設置するようになっていまして、障害者の権利擁護関係で自治体に近接した、あるいは類似した協議会が幾つもできる、中には条例がもう半数の道府県でできているのを見ても、こういうものをどうやって整合させてお互いにうまく機能させていくのかが1つのこれからの課題になっていくのかなと思います。スタートラインにようやくついて、1歩踏み出そうとしているみたいな感じがするのですけれども、これから皆さんの力を結集してさらに盛り上げていけたらと思っております。御協力をよろしくお願いします。

○石川委員長 ありがとうございました。
 若干名の方、もし御質問がございましたら受けたいと思いますが、ございますでしょうか。
 では、石野委員、お願いします。

○石野委員 石野です。
 質問させていただきたいのですが、去年までまだ立ち上がっていない自治体に対して内閣府からアドバイザーを派遣したという報告を伺っておりますが、今年も引き続き行うということになるのか、伺いたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 事務局、お願いします。

○杉田企画官 事務局の杉田でございます。
 アドバイザー派遣事業につきましては今年度も粛々とやる予定になっておりまして、設置が進んでいない自治体を中心に今年度もアドバイザーを派遣して、自治体の地域協議会設置の後押しをまいりたいと思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、議題3に移りたいと思います。
 文部科学省生涯学習推進課障害者学習支援推進室の橋田室長より「障害者の生涯を通じた多様な学習活動の充実について」の御報告をいただきます。

○橋田室長 文部科学省で障害者学習支援推進室長を務めております橋田でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、お手元の資料3-1を御覧いただければと思います。
 本日はこの場をお借りいたしまして、文部科学省として新たに取り組んでおります障害者の生涯を通じた多様な学習活動の充実に向けた取組について、紹介させていただければと思います。
 まず、1つ目の柱の部分でございますけれども、文部科学省では障害のある方々が生涯にわたって自らの可能性を追求できる環境を整えていく、また、地域の一員として豊かな人生を送ることができるようにすることが重要であるという認識のもと、省内の推進体制を整えているところでございます。1つには、関係局課が連携いたしまして特別支援総合プロジェクトチームを設置するとともに、平成29年4月から生涯学習政策局に障害者学習支援推進室を設置したところでございます。今後、教育・スポーツ・文化全体の施策全体にわたりまして、障害者の生涯を通じた多様な学習活動を支援するという観点から、例えば、福祉・保健・医療・労働等の関係部局と連携した進学・就職を含む切れ目ない支援体制の整備、障害者スポーツや障害者の文化芸術の振興などの施策を横断的かつ総合的に推進していくこととしております。
 続いて、2つ目の柱についてでございますけれども、去る4月7日付で「特別支援教育の生涯学習化に向けて」と題する文部科学大臣メッセージを出しております。このメッセージについては松野大臣の強い御意向のもとで出しているところでございます。その主なポイントといたしましては、障害のある方々が夢や希望を持って活躍できるような社会を目指していくことが必要であるということがございます。大臣御自身が保護者の方々といろいろ話をする中で、特別支援学校卒業後の学びや交流の場がなくなることに不安を持っている方が多い状況でございます。今後は障害のある方々が生涯を通じてさまざまな機会に親しむことができるように、教育・スポーツ・福祉・労働等の施策を連携させながら支援していくことが重要である、これを「特別支援教育の生涯学習化」と表現すると整理しております。この中では、各地方公共団体においても、関係部局の連携のもと、国とともに取り組んでいただきたい旨を盛り込んでいるところでございます。
 資料3-1の裏側を御覧いただければと思います。
 こちらのほうは大臣メッセージと同日付で、「障害者の生涯を通じた多様な学習活動の充実について」ということで、各都道府県等に対して通知を発出しております。そこでの依頼事項についてでございますけれども、1つ目には、こういった取組を総合的に支援するという観点で、都道府県、市町村においても関係機関との連携あるいは取組の推進を行う部署を明確にしていただくなど、体制の整備・充実を依頼しております。
 2つ目といたしましては、障害者の生涯学習支援活動に係る大臣表彰のための適切な候補の推薦を依頼しております。
 3つ目といたしましては、障害者スポーツ振興を総合的に推進するという観点での体制整備を依頼しております。
 4つ目でございますけれども、これはスポーツ庁の事業でございまして、全国の特別支援学校において、スポーツ・文化・教育の祭典を開催する「Specialプロジェクト2020」というモデル事業を推進しております。それとあわせて、都道府県の関係部署、団体等が連携した体制の構築を依頼しているところでございます。
 5つ目といたしましては、障害者の個性と能力の発揮等につながる文化芸術の充実を依頼しております。
 6つ目といたしましては、特別支援教育におけるスポーツ・文化芸術活動の取組の充実。あわせて障害のある子供たちが円滑に次のステージに進めるような取組の充実を依頼しているところでございます。
 7つ目といたしましては、学習指導要領が先般改訂されましたけれども、その中でも、小学校等における障害者に対する理解を推進する取組の充実を依頼しているところでございます。
 8つ目といたしましては、大学等における障害のある学生の就学支援ということで、こちらは文部科学省の検討会の検討結果を取りまとめております。それを踏まえた内容の周知、取組の充実を依頼しているところでございます。
 最後に、4番目の柱の部分でございますけれども、こちらの資料に例示しております平成29年度の予算事業を推進するとともに、先ほどの大臣表彰ですとか、平成29年度事業の障害者支援の観点からの総点検を実施しているところでございます。あわせて関係方面への周知、機運の醸成ということで、関係会議等での説明、依頼ということで取組を進めております。さらに既存の施策の充実に加えまして、学校卒業後も教育、文化、スポーツに親しむための支援策について、現場のニーズも十分踏まえながら、平成30年度概算要求なども視野に検討を進めていきたいと考えております。
 通知等の詳細につきましては、資料3-2を後ほど御確認いただければと思います。
 文部科学省といたしましては、障害者の方々の生涯を通じた多様な学習活動の充実ということで今後しっかり取り組んでいきたいと思っております。委員の皆様におかれましても、ぜひとも御支援、御協力をお願いいたします。
 私からは以上でございます。

○石川委員長 橋田室長、御報告をありがとうございました。
 以上の御報告に対しまして、御質問、意見等がございましたら挙手をお願いいたします。
 伊藤委員、お願いします。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 質問なのですけれども、資料3-1の裏面のほうで「②文部科学大臣表彰のための適切な候補の推薦」とありますけれども、これはこの事業にとって必要なのでしょうか。このことにとられるさまざまな時間や労力もあると思うのですが。
 それから、5月29日付もそうなのですけれども、「障害児」という言葉がいっぱい出てきます。今の障害の概念の中にはもちろん難病も入りますし、発達障害とか高次脳機能障害とかいろいろあるのですが、そういうものも全部含めて「障害者」「障害児」と言っているのでしょうか。それとも保健衛生サイドでは、あるいは難病のような把握困難なものについてはこの場では特に対象としては考えていないというのでしょうか。そこをお伺いしたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 御質問は2点ありましたけれども、よろしくお願いします。

○橋田室長 まず1点目でございますけれども、障害者の生涯学習支援活動の表彰制度は、今回新たに設けたところでございます。この趣旨といたしましては、1つには、こういった現場レベルで生涯学習活動に長年取り組んできて、成果を上げている団体あるいは個人を表彰していくことで、こういった取組を励まし応援していくということでございます。また、もう一つには、表彰制度を通じて現場レベルでの優れた取組を収集いたしまして、私どもとしても、これをまた全国に周知させていただいて、全国レベルでのさまざまな取組の充実に努めていきたいということで、この表彰制度を設けさせていただいております。
 もう一点でございますけれども、ここで障害者という概念が出てまいりますけれども、我々としてはこちらを広い概念として捉えておりますので、発達障害の方々等を含めまして、広く障害者の支援に取り組んでいきたいと考えております。

○石川委員長 ありがとうございました。
 次に、加藤委員、お願いします。

○加藤委員 ありがとうございます。
 子供の教育の世界において、今、伊藤委員の発言にもありましたけれども、「障害」という2文字でくくるだけではなくて、リスク児といいますか、グラデーションの中で子供たちは生きていて、日々の学びの中で、暮らしの中でさまざまな困り感を持って暮らしているわけです。そういうときに例えば地域の中には、先ほど野澤委員からの発言もありましたように、いろいろなそういう場といいますか、障害あるいは気になる子供たち、困難さを抱えている子供たちのことについて議論する場はいろいろな土俵が今、曲がりなりにもできてきているのです。それらが非連続だというのは問題は問題ですけれども、ただそういうものがたくさんある中に、概して教育サイドの人間が参加していないのです。こうやって改めて新たな場ができるのもいいのですけれど、もっとそういうものに積極的に日常的に地域の中で参加実践していくといいますか、そして結果としてつながりを持つとか、共通の課題を持つとか、共通の活動の場を持つとか、そういうことをもっと日常的に積極的にやるべきだと思うのです。そういうことに対する参画が教育界ではまだまだ貧弱だと思っています。そういう意味ではそういうこともあわせてというよりも、そのことをまずやることが先ではないかと思います。よろしくお願いします。

○石川委員長 御意見として承りたいと思います。
 それでは、辻井委員、お願いします。

○辻井委員 辻井です。
 大変すばらしいことでぜひ推進していただきたいと思う一方で、先般、発達障害の関係団体のネットワークの会議があったところで、特別支援の学校の先生の代表が発達障害は私たちの種別の対象ではありませんという何かよくわからない御意見をおっしゃったりという形で、特別支援学校を中心としたこういう障害者の支援というような枠組みから、実際の特別支援教育の中では今、多くの子供たちを通常の学校でインクルーシブな場において教育を受けてという形になっているものですから、このあたりの仕組みでぜひ推進していただきたい一方で、混ぜると特別支援学校に通っていた子はというような話にどうしてもなりかねないというのが現状の仕組みになっています。特に特別支援教育課を主体としていろいろなものを流していくとそうした形にしかならないですので、現状ですとやはりこの委員会でもずっと皆さんが取り組んでいるようにインクルーシブな形で社会が動いていくということの中で、なおかつ支援の必要な子がこうしたより手厚い支援を受けられるような形を生涯を通じてという話ですので、全般を見てぜひ多くの通常学校で学ぶ子供たちの支援まできちんと視野に置いた施策をやっていただきたいと思います。意見だけです。

○石川委員長 ありがとうございました。
 加藤委員と辻井委員の御意見は同じ内容を反対側から記述されているのかなと思いました。
 橋田室長、お2人の御意見がございましたのでよろしくお願いいたします。
 それでは、次の議題4に入りたいと思います。
 過去2回の政策委員会で障害者基本計画の第4次の骨格案について議論をいたしましたが、その際にいただいた御意見を踏まえて事務局で修正案を作成していますので、まず事務局より修正点を中心といたしまして説明をお願いいたします。

○坂本参事官 事務局でございます。
 前回の政策委員会で第4次障害者基本計画の骨格案について御議論いただきまして、さまざまな御指摘をいただいたところでございます。これらを踏まえまして事務局で改めて修正案を作成いたしましたので、再度御審議をいただければと考えてございます。以下、前回いただいた御意見に対する考え方や具体的な修文内容について御説明していきたいと思いますので、資料4-2、見え消しになっているほうでございますけれども、そちらを御覧いただきたいと思います。
 まず、1ページ目でございますけれども、「はじめに」の真ん中辺の「実現を目指すべき社会」というところでございますが、ここで「共生社会」という言葉が抜けているではないかという御指摘がありましたので、一番上のところに「一人ひとりの命の重さは」云々と書いてありまして、「国民全体で共有できる共生社会の実現を目指す」という形でそれを入れてございます。
 次に、3ページになりますけれども、「各分野に共通する横断的視点」で「(1)障害者権利条約の理念の尊重及び整合性の確保」の2番目の「Nothing About Us Without Us」と始まるところです。意思決定過程における障害者の参画について前回の障害者政策委員会でユニバーサルデザイン行動計画2020に関する説明があったわけですけれども、そこにおける表現ぶりに合わせてほしいという御意見がございましたので、「障害者施策の検討及び評価に当たっては、障害者が意思決定過程に参画することとし、障害者の視点を施策に反映させることが求められる」といったような表現で行動計画に合わせることにいたしたものでございます。
 それから、その下の「(2)社会のあらゆる場面におけるアクセシビリティの向上」というところでございます。このあたりは2点ほど御意見がございまして、アクセシビリティ向上の視点を取り入れるという表現を、もともとアクセシビリティ向上の視点を標準化するという表現が入っていたのでそれに戻してほしいということ、それから「社会のあらゆる場面でアクセシビリティ向上の視点を取り入れることを通じ、強力にアクセシビリティ向上に向けた取組を推進していく」と、もともとの案はこういう文章になっておったわけですが、これだとどうも同義反復のように受け取られる恐れがあるといったような御意見があったわけでございます。これを踏まえまして、標準化という点でございますけれども、これにつきましては実は現行の第3次計画にも3か所ほど用いられているわけなのですけれども、それを含めまして法令的にはいわゆるJISとかISOのような規格、こういったような文脈で用いられておるところでございまして、「視点の標準化」といった形で用いている例はないこともございます。障害者基本計画は閣議決定される文書であり言葉の用法につきましては慎重に検討すべきということで、原案を維持することにいたしたいところでございます。原案というのは「社会的障壁の除去に向けた各種の取組をより強力に推進していくため、社会のあらゆる場面でアクセシビリティ向上の視点を取り入れていく」という表現でございます。
 また、ここの直後にICTの利活用に関する記述がございますが、この部分におきましてICTがアクセシビリティと親和性が高いといった点にも言及しながら、「社会的障壁の除去の観点から、アクセシビリティに配慮した」といった観点を新たに明示する修正をいたしてございます。
 次に、4ページでございます。下のほうの(5)でございますが、前回のこの場で一番御意見をいただいたところでございます。「複合的困難に配慮したきめ細かい支援」というところでございます。前回ですと「性別、年齢による複合的困難」としておったわけですが、これだと「女性」という言葉への言及がなくなって後退感があるということでもあるので、「女性」という表現は残してほしいということでございまして、この項目におきましては結局内容的には障害のある女性、子供、高齢者といったものを記載しておるところでございまして、これを全て併記する形にいたしまして、「障害のある女性、子供及び高齢者の複合的困難」云々と修正することといたしてございます。
 次に、5ページでございます。(6)のPDCAサイクルの「①企画(Plan)」でございますけれども、「障害者の性別、年齢、障害種別等の観点に留意しつつ」という表現を書き加えております。これは去年の6月に提出されました政府報告の第3パラグラフに課題認識ということでこういったような表現が盛り込まれておりますので、それを踏まえてこちらにも書き加えたということでございます。
 6ページでございますけれども、「(2)理解促進・広報啓発に係る取組等の推進」の「①重点的に理解促進等を図る事項」でございます。ここのところで障害のある者とない者が自然な態度で接するという部分についてもうちょっとこなれた表現があれば修正してもらえないかという御意見もいただきましたので、今回の案では「障害のある者と障害のない者が、お互いに障害の有無にとらわれることなく社会で共に暮らしていくことが日常となるように」といったような表現としたところでございます。
 その下、「一層の国民の理解が必要な障害や、外見からは分かりにくい障害」については重症心身障害や重複障害も例示に加えてほしいという御意見がございましたので、これにつきましてはそのとおりに修正させていただいております。
 8ページ目でございます。各論のほうでございますが、項目立ての一番下の「9.教育の振興」のところでございます。生涯学習に関する小項目を追加してほしいという御意見もございましたので、「(4)生涯を通じた多様な学習活動の充実」といった項目を新たに付け加えてございます。
 その他でございますけれども、後見人制度のあり方、措置入院の見直し、医療保護入院の見直し、欠格条項の見直しといったようなことについても何らかの形で総論部分に記載してもらえないかという御意見もあったところでございます。このあたりは考え方にもよると思うのですけれども、例えば後見人制度、欠格条項、条約でいいますと12条あたりが主になるかなと思いますし、措置入院とか医療保護入院になりますと14条とか19条になると思います。このあたりはもちろん総論的な色彩もあるわけですけれども、恐らく9条のアクセシビリティ以降30条に至るまでは各論的な色彩も強いのかなというところもあって、そういう中で今、申し上げたような分野につきましてはいずれもどちらかといえば各論のほうに関する内容なのかなという考えから、総論の部分ではなくて、今後議論していただく各論の部分に必要な記載を盛り込む形にしてはどうかと考えてございます。例えば現行の第3次計画も各施策分野の前のところに基本的考え方といったような形で記載が設けられてあるわけですけれども、その基本的考え方の記載をもう少し厚目に書いていく、そこで方向性を記載していくといったような方法が考えられると思います。具体的な反映方法につきましては今後関係省庁ともいろいろ御相談しながら検討していきたいと考えておるところでございます。
 また、全体を通じまして、わかりやすさ、平仄の統一といった観点から表現ぶりの加筆修正等を形式的に行った箇所もございます。
 そういうことでこの骨格案についての説明は以上となります。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの修正点等につきまして委員からの御意見あるいは御質問をいただきたいと思います。一応15分ほどの時間を確保しておりますので、挙手をお願いいたします。
 佐藤委員、まずお願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます、佐藤です。
 前回の発言を受けて修正していただき、本当にありがとうございます。
 2点ございます。
 まず、資料4-2の3ページ目、「3.各分野に共通する横断的視点」のところなのですけれども、3つ目の「審議会等で障害者の委員を選任する」というところなのですけれども、さらに踏み込んで「障害の種別、性別等にも配慮して選任を行う」というようにぜひ書き加えていただきたいと思います。
 2点目は、これはどこに入れたらいいかがわからないのですけれども、障害者政策委員会の役割を強化する検討もぜひどこかに入れ込んでいただきたいと思います。条約では33条で国内における実施及び監視というところで日本政府は国内監視機関として障害者政策委員会を指定しております。ですので、可能な限り権利条約の求める監視の仕組みに近づける必要があります。障害者政策委員会の基本計画の監視などの所轄事務のあり方について権利条約の監視機関として強化する検討をどこかに盛り込んでいただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 この点につきまして事務局より御回答お願いいたします。

○坂本参事官 事務局です。
 1点目でございます。3の(1)の3番目の審議会の委員の選任のところであると思いますけれども、障害者基本計画ということもございますので、障害種別というのは確かに書き加えることはそうだろうなということはございます。性別のほうでございますけれども、審議会ということにつきますと、性別は国の省庁の審議会においてきちんと女性の比率を何%以上と入っておりますので、一般論としてそこは国の審議会ということを考えていく上では必ず考慮しなければいけないところにはなってきます。ただ、障害の種別は3ページ目の3番目には盛り込んでいいのかなと考えております。
 もう一つは障害者政策委員会の機能の強化というところかと思いますけれども、もし入れるとすると、1つ考えられるとすれば5ページ目のPDCAの「④見直し」の2番目に「本基本計画の実施状況の評価・監視の結果を踏まえ、必要に応じ勧告を行う」とございます。ある意味そういった文脈が1つ考えらえるとは思いますけれども、入れ方につきましては今後総論の本文とかを議論する中でどのように位置づけられるかを考えていきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 「障害の種別」という言葉でもいいかもしれないのですが、「障害の多様性」のほうが個人的にはいいなと思うのですが、佐藤委員、いかがですか。

○佐藤委員 いいと思います。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、次に大日方委員、お願いします。

○大日方委員 前回の議論を踏まえて非常によくまとめていただいていると思います。ありがとうございます。
 1点表現について御提案です。6ページなのですが、「重点的に理解促進等を図る事項」の1つ目の「自然な態度で接する」というところを深めていただきましたけれども、ここに「お互いに障害の有無にとらわれることなく社会で共に暮らしていく」とありますが、「とらわれることなく、互いに支え合いながら」とか「助け合いながら」、お互いが支え合うもので、一方が一方的に支えるものではないという意味で少し言葉を足してみたらどうかなという御提案をさせていただきたいと思います。
 以上になります。

○石川委員長 ありがとうございます。
 そういう方向で本文を書き込んでいくということで、どなたも異論はないかと思います。それでよろしくお願いいたします。
 では、大河内委員、お願いします。

○大河内委員 大河内です。
 これもどこに入れればいいかちょっと迷ってはいますけれども、試験における配慮という項目をどこかに入れていただきたいなと思っています。現在、「7.行政等における配慮の充実」に「(4)国家資格に関する配慮」という項目が入っているのですけれども、これをもう少し膨らませて、恐らく行政の配慮とか就業、教育にもかかわってくると思うのですけれども、やはり試験についてのアクセシビリティは取り組まれているところではきちんと取り組まれていますけれども、状況に応じて随分異なった対応がなされていると理解しております。社会とかかわる一番最初の入り口が試験ということが日本の社会では多いので、試験についての配慮もどこかに書き入れていただけるといいのかなと思って御提案させていただきました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 事務局、いかがでしょう。

○坂本参事官 恐らくどちらかといえば各論的な部分があるとは思いますけれども、先ほど各論の中での基本的考え方を少し膨らませて書いたらどうかといったようなことも含めて、今後各論の議論をしていく中でどういう書き込み方があるのか議論されるかと思いますけれども、今、いただいたような観点につきましても何らかうまく位置づけられないかというところで、もちろん該当のところに来たときに議論していくといったようなことで、何らか盛り込んでいくような形でできればいいなと思っています。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。  それでは、平川則男委員、お願いいたします。

○平川(則)委員 ありがとうございます。
 この間の議論の中で人権や尊厳ということについてかなりよく書き込まれておりますので、内容的には充実しているかと思います。
 その中で4ページの(3)のところ、やはり障害者がライフステージの中でさまざまな支援を受けるということは大変重要でありますが、そういう中で、例えば家族であるとか仲間、友人もあり得るかと思いますけれども、障害児者を支える人の支援という観点も重要だと思います。入れるとすれば(3)あたり、そこに障害児者を支える家族もしくは障害者を支える方に配慮した支援ということも盛り込んでいただきたいと思います。介護の分野では介護と仕事の両立支援がかなり大きな問題となっておりまして、いわゆるケアラー支援が重要だと言われておりますので、障害者自身の人権や尊厳、意思が最優先という前提のもとで、それを支える家族や仲間などの両立支援が必要であると思い、そういう趣旨を盛り込むべきだと考えます。
 もう一つ、8ページ、「8.雇用・就業、経済的自立の支援」の「(5)福祉的就労の底上げ」のところです。これは重要なことですが、簡潔過ぎて少し意味を読み取りにくいと思います。賃金、工賃の底上げという意味であれば言葉を補強したほうがよいと思いますし、福祉的就労から一般就労への接続を積極的に推進することも視野に入れるのであれば、もう一つその項目を立ててもいいかと思います。この辺も補強してはどうかという意見でございます。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 最後にまとめて事務局から答えていただくことにして、後2人、伊藤委員、続いて飯塚委員、そこまでにさせていただきます。
 では、まず伊藤委員、お願いします。

○伊藤委員 どこに入れるのがよいのか、わからないのですが、総論の部分なのかなと思うのですが、または障害者の雇用とか自立支援とか経済的自立とかいう具体的なところでもないような気もするのですが、難病であるとか障害の種類、あるいはその人の障害の程度にもよるのでしょうけれども、自立しようということだけでは自立し切れない人も多いと思います。それから雇用という課題だけでもない。しかし、病気や障害を持ちながらでも生きていかなければならないという大きな問題もあるわけです。しかも親が高齢になっていくとかいう問題と同時に、本人も高齢になっていくという問題もあることから、もう一つ対策を進めて障害年金の問題あるいはベーシックインカムのような考え方で障害や病気を持った人の生活を支える仕組みや、単に雇用とか就労支援というだけではないところ、あるいは経済自立だけの問題ではないところにも踏み込めないでしょうか。言葉での言及だけに終わるのかもしれませんけれども、せめて今の時代そういう課題があるという認識を入れておくことが大事なことなのではないかと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、飯塚委員、お願いします。

○飯塚委員 先ほど支えている家族への支援ということをおっしゃっていただいて大変うれしく思いました。私も今、伊藤委員がおっしゃったように、経済的自立の支援の「経済的自立」の後に「(所得補償制度)」を入れていただければ、本当に自立に向けて一生懸命障害を抱えながらも外に出ていこうとしている、次のステップに進もうとしている人への厚い支援になると思いますので、その言葉を入れていただきたいと思います。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、一括して事務局からコメントをいただきたいと思います。

○坂本参事官 まず、平川委員のほうでございますけれども、4ページ目の(3)、当事者の支援ももちろんそうなのだけれども、それを支える家族の支援といった観点も必要ではないかというところでございます。確かにそれは重要な視点だと思います。今後、本文化していく中で、恐らく当事者本位になっていくためにはそれを支える家族への支援もないと当事者本位にならないだろうなというようなこともあるでしょうから、何らか記述を盛り込むのであればこのあたりなのかなということは、今、私自身もそんなようなことではないかと感じておるところでございます。入れ方につきましてはまた工夫をさせていただきたいと思います。
 それから、福祉的就労の底上げでありますとか経済的自立といったような御意見が伊藤委員あるいは飯塚委員からあったわけでございます。このあたりは全体の「8.雇用・就業、経済的自立の支援」のところを議論する中で、先ほど申し上げましたように各論としての福祉的就労の底上げにつきましてはもう少し内容的に盛り込むべきだということでありましたら、そのときに実際にこれを本文化していく中でそういった内容にしてくということで議論を進めていただければと思っておりますし、伊藤委員とか飯塚委員のおっしゃったことが8の分野別施策の、こういう各論の基本的な考え方の中でおっしゃったようなことを盛り込んでいく形で何とか工夫できないかなと考えておるところでございますので、8になった場合にそういった各論の中の基本的考え方の議論をしていただければよろしいのではないかと考えております。

○石川委員長 ありがとうございました。
 私からも1点ありまして、Evidence-Based Policyのところで障害者の実態を把握するための統計データ等の整備に言及されているのですけれども、同時に社会環境の実態把握のためのデータや指標も整備しておかないと、どこに特に重点を置いた政策を打っていったらいいのかわからないと思いますので、Evidence-Based Policyを進めていく上で社会環境整備にかかわる指標についても本文の中で触れることができたらよいのではないかと思いました。
 以上の意見がございまして、ここまでの意見を参考にしていただいて、本文につきまして今後つくり込んでいく作業を事務局と委員会等で進めていきたいと思います。
 以上、骨格案についての修正の御報告と、またそれに対する修正の御意見がございましたが、それらを踏まえまして本文のこれからの作業に進んでいくということで皆様よろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)

○石川委員長 ありがとうございました。
 では、骨格案につきましては以上とさせていただきます。
 この後、一旦休憩をいたしまして、14時40分再開ということでお願いいたします。

(休  憩)

○石川委員長 第4次障害者基本計画の本文の審議に入っていくことになりますけれども、審議の進め方についてまず最初に事務局から説明をお願いいたします。

○坂本参事官 事務局でございます。
 骨格のほうの議論が終了いたしましたので、今後は本文の議論を進めていくことになるわけでございますが、ここで本文の議論に先立ちまして今後の審議の進め方やスケジュール感につきまして御説明をいたしたいと思います。
 資料5を御覧いただきたいと思います。
 皆様御案内のように現行の第3次計画は今年度29年度末をもって計画期間を満了いたしますために、来年3月末までに第4次計画を閣議決定の形で策定する必要がございます。パブリックコメントあるいは関係者への事前説明といろいろ事務的な手続に要する時間を加味しますと、本年11月にはこの政策委員会での議論を終えて、政策委員会としての意見を最終的に取りまとめていただく必要があると考えておるわけでございます。そういう前提で来月6月から11月まで少し頻度は多くなってくるわけでございますけれども、原則として月1回ペースで政策委員会を開催して、施策分野は全部で11あるわけですけれども、毎回2つ~3つの施策分野について御審議をいただきたいと考えております。審議時間の目安といたしましては、1施策分野当たり1時間程度を目安に考えておりまして、政策委員会1回当たりの時間は約3時間~4時間、3テーマ掛ける1時間プラス休憩2回くらいですかねというようなことを想定してございます。次回でございますと、また後ほど申し上げますけれども、6月23日午後の開催を予定しております。委員長とも相談した上で、次回の各論の分野は教育の振興、文化芸術活動・スポーツ等の振興、国際協力の推進の3つの施策分野についてそれぞれ御審議をいただきたいと考えております。次々回以降に御審議いただく施策分野につきましては、今後委員長とも相談の上、また改めて御案内させていただこうと考えております。
 また、各施策分野の審議の進め方のイメージについて、今、ここで口頭ではございますが簡単に御説明したいと思っております。冒頭、関係省庁から主な施策や課題、成果指標などについて概要を説明した上で、まずは施策について御審議いただきまして、その後、関連する成果指標について御審議いただく時間を設けてはどうかと考えております。要はある程度議論の進め方をフォーマット化しておいたほうがいいのかなということでございまして、そのあたりのことにつきましてはまた次回簡単な資料等でお示ししたいと思っております。
 なお、次回6月23日は情報アクセシビリティの世界的な大家であるジェームス・サーストン氏を招聘いたしまして、会議の冒頭御講演をいただくこととともに質疑応答の時間を設ける予定になっております。こうした世界最先端の知見も踏まえながら議論を深めていただければと考えてございます。
 過去に石川委員長からもお話をいただいておる点でございますが、この政策委員会の強みの一つは多様な障害種別の先生方が一堂に会して議論を積み重ねることができるという点にあると考えてございます。今後の議論でもぜひ他の障害種別の先生方の御発言等からも新たな着想を得ていただきまして、これまでにない観点からも議論を昇華させていただければと考えておるわけでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございます。
 ただいま事務局から御提案のあった今後の審議の進め方について御意見ないしは質問がおありの委員は挙手をお願いいたします。
 特にございませんでしょうか。
 そういうことであれば、この進め方でやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 では、三浦委員どうぞ。

○三浦委員長代理 ありがとうございます。三浦です。
 7月21日までは日程が決まっているのですけれども、できますならば8月9月10月くらいまで日程を先に予定していただいたほうが、皆さんも他のことが日程を組みやすいのではないかと思うのですけれども、要望でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 そういう方向で日程の確定をできるだけ前倒ししていただきたいと思います。
 さて、それでは今後の審議の進め方について御賛成いただきましたので、次に移りたいと思います。
 これまでに御了承いただきました骨格案に基づきつつ、本文の総論部分について事務局で原案、たたき台をつくっていただきましたので、それについて御報告をいただきます。

○坂本参事官 事務局でございます。
 先ほども御説明させていただきましたとおり、次回以降の政策委員会では各論部分の本文について審議を進めていただくことになるわけでございますが、それに先立ちまして先ほど議論を終えました骨格案を踏まえまして事務局で総論の部分の本文の案を作成いたしましたので、御議論いただければと考えております。もっとも先ほど申し上げたことではございますが、本日総論部分を全て固めてしまうという趣旨では全くございませんで、次回以降の各論部分の審議の中でまた総論部分に関する御意見をいただくようなこともあろうかと思いますので、そういった場合には必要に応じて柔軟に反映をしていきたいと考えておるわけでございます。
 分量の関係あるいは時間の都合といったこともございますので、ポイントとなる部分に絞って御説明をしたいと考えております。具体的には冒頭の「はじめに」、あるいは障害者権利条約について記載しておりますⅠの4の「(1)障害者権利条約の概要」及びその次の「(2)障害者権利条約の基本的な考え方」の各項目については骨格のほうが箇条書き程度の記載であることもあって、改めてポイントを御説明したいと思います。資料6-1と6-2がございますが、6-2が対照表になってございまして、左側が本文案になっておりまして、右側が骨格案になっているという感じですので、対比をしながら御覧いただければと思っております。
 まず、「はじめに」のほうでございます。1ページ~3ページ目にかけてでございますが、冒頭「我が国におけるこれまでの主な取組」というタイトルで、障害者基本計画の根拠法であります障害者基本法のこれまでの歩みを紹介することといたしております。現行の第3次計画では昭和57年の障害者対策に関する新長期計画というところから記載が始まっておるわけでございますけれども、第4次計画では昭和45年に制定された心身障害者対策基本法にまでさかのぼった上で現行の障害者基本法に至るまでの改正の変遷について触れるとともに、現行の第3次計画の特徴についても記載することにいたしたわけであります。その後の障害者政策委員会における検討及び本計画の策定の項目につきましては、現時点におきましては記載が困難でございますので、今後の状況も踏まえて検討していくという感じで考えてございます。
 最後の「本計画を通じて実現を目指すべき社会」の項目では、骨子で掲げたような「社会の姿を常に念頭に置くとともに、その実現に向けた観点から不断に取組を進めていくことが重要である」といった旨を明記しているわけでございます。
 なお、この項目と第4次基本計画案の末尾にある「おわりに」という項目につきましては、今後の各論部分の議論の状況も踏まえまして随時追加できるものがあれば加筆していきたいと考えてございます。
 次に、「障害者権利条約の概要」ということで4ページから6ページにかけてでございます。障害者権利条約の概要といたしまして、まず「①障害者権利条約の経緯」という項目でございますけれども、平成13年のアドホック委員会の設置から平成20年の条約発効に至るまでの経緯を紹介してございます。
 次に、「②障害者権利条約の主な内容」といった項目で、一般原則、一般的義務、障害者の権利実現のための措置、条約のための仕組みといったことの主な内容について紹介いたしております。
 「③障害者権利条約に係る我が国のこれまでの取組」でございますけれども、この項目では平成19年の我が国の条約の署名から批准に向けたその後の国内法制の整備、国会での承認、批准、我が国での発効、最初の政府報告の提出に至るまでの国内の流れについて記載いたしております。
 それから、条約の基本的な考え方ということで7ページ~8ページにかけてになってくるわけでございますが、「①『障害』のとらえ方」の項目で従来の医学モデルから社会モデルへの転換について記載しておるということでございます。
 次に、「②平等・無差別及び合理的配慮」の項目でございますけれども、条約の第1条の目的、合理的配慮の概念、第5条であらゆる差別の禁止であるとか合理的配慮の提供が確保されるための適当な措置について記述してございます。それから、第4条で意思決定過程において障害者と緊密に協議し、障害者を積極的に関与させることについても記載しておるところでございます。
 最後に、「③実施に関する仕組み」という項目では条約の実施を監視するための枠組みの概要でありますとか、我が国では実施を監視するための枠組みの機能をこの政策委員会が果たしているといった旨を記載するとともに、障害者権利委員会の構成や締約国が提出する政府報告等について紹介しておるわけでございます。
 あとは骨格の部分でも割と書き込んでおるところもあるわけでございますけれども、例えば先ほどの骨格のところで出てきた議論で、ちょっとかいつまんで申し上げますと、「各分野に共通する横断的視点」で条約の理念の尊重、整合性の確保といったあたりでございますけれども、12ページの真ん中あたりの審議会のところでございます。先ほど骨格ではちょっと抜けていたところもあるわけですけれども、本文案の中で「障害種別等にも配慮して」という言い方は入れさせていただいております。ここは石川委員長から「障害の多様性」のほうがいいのではないかというコメントもあったわけでございますが、そのあたりはどういった表現が一番良いのかということについてまた工夫したいと思っております。
 14ページの「(3)当事者本位の総合的かつ分野横断的な支援」のあたりは先ほどの骨格の議論の中で平川則男委員から、当事者本位もそうなのだけれども、それを支える家族の支援といったような記載も必要ではないかという指摘もありましたので、こういったところに何らか盛り込めないかと思います。
 それから、15ページの(6)のPDCAサイクルでございますけれども、石川委員長から先ほどデータというところで、社会環境整備といったような観点からのデータの収集であるとか分析も必要であるといった御指摘もありましたので、そういったあたりを本文案でどのように反映させていくかというところになってこようかと思います。
 あるいは17ページでございますけれども、政策委員会の機能の強化という話が佐藤委員からありました。このあたりに書くか、あるいは先ほど権利条約の33条で政策委員会が条約の実施の監視の機能を担っているという記述を盛り込んでいるところがありましたけれども、そういったところがいいのかといったことにつきましても、本文の中のどこに入れていくのがいいのかについて検討が必要になってこようかと思ってございます。
 それから、19ページあたりでございますけれども、理解促進・広報啓発のところです。「①重点的に理解促進等を図る事項」の一番最初ですけれども、先ほど大日方委員から「とらわれることなく、互いに支え合いながら」という言葉を入れたらどうかというのがありますので、こういったところにそういった言葉を入れていくことになるのだろうと思っております。
 先ほど骨格の議論もありましたので、それを本文の中に落とし込むとこんな感じかなというところでコメントさせていただきました。そういうことでございますので、時間の関係もありますので説明はこのあたりにさせていただいて、忌憚のない御意見をいただければと思っております。
 事務局からは以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 本日の骨格案についての意見も御考慮いただいた上での本文案についての説明をいただきました。骨格案についていただいた意見は既に事務局のほうでも受けとめていただいておりますので、それ以外で特に本文においてお気づきの点、御意見や御質問等がございましたら挙手をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 門川委員、お願いします。

○門川委員 門川です。
 本文の総論の作成をありがとうございました。私のほうから質問と意見をさせていただきたいと思います。
 まず、質問ですが、ページで申し上げますと6ページになります。障害者権利条約の批准までの経緯の説明が書かれていますけれど、そこに障がい者制度改革推進会議についての記載がないのがどうしてなのかということ、この改革推進会議においていろいろな重要な議論がなされ、たくさんの障害当事者が参加して議論がなされたということがこの国の歴史においても非常に画期的なことであったと思います。このことについて総論の部分に盛り込んでおくのが非常に意義のあることではないのかと思っています。ですが、書かれていないのでどうしてなのかと、これは質問です。
 次に、意見ですが、12ページ「障害者権利条約の理念の尊重及び整合性の確保」のところについてです。障害のある人に対して障害の特性に応じた適切な情報保障等を確保する、これは審議会等においての情報の保障について書かれています。非常に重要なことと思います。ですが、情報の保障だけでよいのかと思います。例えば障害当事者の中にはもっと重度な障害者も参加することもあろうかと思います。ですので、情報保障に加えて「情報保障その他の合理的配慮等を行う」としてはどうなのかと思い、提案をさせていただきたいと思います。
 それともう一点、意見ですが、19ページになるかと思います。理解促進・広報啓発に係るところですが、ここに視覚障害者用の誘導ブロックだとか障害者補助犬だとかありますが、理解促進・広報活動ということでは例えば手話であるとか点字といったものも盛り込まれていて当然ではないかと思います。これも提案させていただきたいと思います。もちろんほかにもいろいろとあろうかと思いますが、手話通訳であるとか盲ろう者向けの通訳介助であるとか、そういうことも国民の皆さんに周知していただきたいと思いますので、ぜひ盛り込んでいただきたいところではありますが、わかりづらい部分もたくさんあると思いますので、せめて手話、点字等が入っていいのではないかと思います。
 ついでですのでもう少し発言させていただきたいのですが、骨格の議論のところでもちょっと出ていましたが、障害の特性に対応したという14ページに出てきました「盲ろう・重症心身障害者」の書きぶりの気になることなのですが、「・」が使われていると思いますが、「盲ろう・重症心身障害者」となると盲ろうと重症心身障害が同じように読み取られてしまうのではないか。盲ろう者の間では盲ろうという独自の1つの障害として認めていただきたいという考え方があります。ですので、盲ろうは1つの独立した障害種別として位置づけて書き込んでいただきたいと思います。「・」ではなくて「、」ではないのかなと考えます。これも提案です。
 以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 ありがとうございました。
 4点ございましたので、事務局のほうでお願いいたします。

○坂本参事官 まず、御提案のほうから先に申し上げますと、3点ほど提案いただいたかと思いますけれども、そのあたりにつきましては反映させることはできるかと思っておりますので、そこについてはそのようにお答えしたいと思います。
 それから、最初の6ページ目の経緯のところに改革推進会議の記述が入っていないではないかというところでございますけれども、このあたりはどういうふうに入れるかということで、現行の3次計画にはそういう記載はないわけでございますけれども、このあたりはどこまで盛り込んでいくかは経緯のところであるわけでございますけれども、私どもは経緯を公式に説明する上ですとここに盛り込んであるようなことくらいを入れてきているところもありましてこのような記載になってきているわけでございますが、今、いただいた御指摘につきましては、どのようにできるのかを委員長とも相談しながら検討させていただきたいと思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 確認ですが、4点目の御意見は「盲ろう・重症心身障害その他の重複障害」という記述になっていて、つまりは重複障害の代表的な障害として盲ろうと重症心身障害が位置づけられているけれども、これを門川委員は重複障害としてまとめるのではなくて「読点」で区切って記述したほうがよいという意見と理解してよろしいですか。

○門川委員 そうです。

○石川委員長 ありがとうございました。
 その他の重複障害という言い方が適当がどうか事務局で御検討いただけるといいと思いました。
 他に御意見、御質問がございましたらお願いします。
 では、北岡委員、お願いします。

○北岡委員 全国地域生活支援ネットワークの北岡でございます。
 ページでいいますと20ページの「理解促進等に当たり配慮する事項」というところで真ん中あたりですが、「また、地域社会における障害者への理解を促進するため、福祉施設、教育機関等と地域住民等との日常的交流の一層」というところに、またこれは各論でも議論させていただきたいと思うのですが、障害のある人たちの文化芸術活動が単なる受け手の存在ではなくて、発信し創造する担い手として昨今評価されつつありますので、文化芸術活動もこの中に何か文言として入れることをお願いしたいと思うのと、14ページの同じく「分野横断的な支援」の中に「教育、福祉、医療、雇用等」とありますが、ここにも同様のことの、「文化芸術等の分野の有機的な連携」というようなことが入らないものか、この2点を御提案したいと思います。

○石川委員長 ありがとうございます。
 これは可能と思いますが、事務局はいかがでしょうか。

○坂本参事官 こちらとしてこの場では感覚的には可能ではないかなと思っておりますが、検討させていただいた上でできるだけ前向きにできるようにしたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 続きまして、伊藤委員、お願いします。

○伊藤委員 国際的には医療や介護を受けるにしても在宅が基本になっていて、施設の医療あるいは施設でのケアはそう問題にならないので余り触れられていないと思うのですけれども、日本の現状は、医療といえば病院入院、あるいは福祉といえば施設、高齢者といえば収容というような形でずっと収容型の医療とか福祉を中心に施策が発展してきたと思うのです。しかし、現実的には今はどんどん施設から出る、病院から出るという時代になってきているにも関わらず、ここでは何も触れられていないのではないかと感じます。在宅での医療や福祉のケアの充実あるいはリハビリの充実は、ヨーロッパと同じように今後すごく重要になると思うのです。そういうことを各論でもいいですし、どこかに入らないだろうかというお願いです。

○石川委員長 ありがとうございました。
 事務局、いかがでしょうか。

○坂本参事官 今、直ちにの感覚でどうなのかと申しますと、伊藤委員も言われたように、一応御覧いただいている対照表でいいますと、18ページのあたりに少しではありますけれども4の「(1)連携・協力の確保」に「また」と始まるところがありますけれども、「本計画は政府の障害者施策の基本的方向を定めるものであるが、障害者の地域移行を促進し、障害者が必要なときに必要な場所で、地域の実情に即した適切な支援を受けられるようにするなど」というような記述は盛り込んでございます。このあたりを確認しまして、各論のほうの基本的考え方といったような部分についても記述を盛り込んでいくといった形で、おっしゃったようなことを体現していくのはどうかと今の段階では考えておるところでございます。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 権利条約との整合性を持った基本計画ということがまずありますので、今、伊藤委員が御指摘になったような点を可能な限り、中に入れていただけるとよろしいかと思います。
 それでは、石野委員、お願いします。

○石野委員 ありがとうございます、石野です。
 12ページ、6-2の対比表の件ですが、右側の骨格案の中に「言語(手話を含む。)」という記述がありますが、左側、本文のほうには「言語(手話を含む。)」が書かれていません。多分打ち漏れか何かだと思います。確認をお願いします。
 2つ目は21ページになります。三権分立のところですが、前から議論が継続していると思いますが、法律の対象が行政府のみということになっています。立法府は努力義務ということになっていますが、問題は司法府についてどうなのか、努力義務なのか消極的なのか、この辺が文脈からはつかみ取れないのです。そこは条約の理念を踏まえますとやはり強力に働きかけるという文になると思うのですが、いかがでしょうか。  以上です。

○石川委員長 2点であったかと思いますけれども、事務局、お願いいたします。

○坂本参事官 まず1点目のところなのですけれども、手話の点につきましては10ページを御覧いただきたいのですが、「地域社会における共生等」と真ん中の欄にありますけれども、その下のほうに・が4つほどありますが、3つ目に「言語(手話を含む。以下同じ。)」と書いてありまして、ここから先は「言語」と書いてあると必ず手話を含むと、この文章上はそういうふうに読むことになっておりますので、技術的な書き方でそういうふうになっているところであります。
 21ページのほうですけれども、おっしゃったのは「おわりに」の下のほうにある・が3つほどありますが、2番目の「三権分立に留意しつつ」に書いてあるところですね。そこを「行政府は立法府及び司法府に対して必要な協力が得られるようにもっと働きかける」とか、そういう表現にすべきではないかという御趣旨でしょうか。

○石野委員 そうです。

○坂本参事官 三権分立に留意することについては、そこはそうならざるを得ないところではありますけれども、どこまで書き込めるかにつきましては、御指摘もありましたのでこちらのほうでどういう表現が適当かということにつきましてちょっと検討させていただきたいと思っております。

○石川委員長 ありがとうございました。
 言語については3か所この資料に出てきておりまして、一番最後が12ページだと思うのですが、ここでも「手話を含む。」ともう一度「手話を含む。」と書かれているので、石野委員はそのような御質問をされたかと思うのです。ですので、もし初出以下全部を言語とだけ書くのであれば、12ページも「言語」だけになっていると整合性がとれるかなと、ちょっと細かい話なのですけれども、そのように思いました。
 他に、飯塚委員、お願いします。

○飯塚委員 すみません、2点ほどお願いいたします。
 12ページですが、上の枠の真ん中辺に「障害種別等」とありますが、そのところに「・性別」というのをやはり入れていただきたい。私は家族会活動をしておりますが、そこに集まるのは圧倒的に母親でして、何か産む性である女性が障害児を抱えた場合に責任を大きく負わされるというような現状があります。これは障害を持った女性であることと、障害を持つということの複合的障害者への配慮だと思いますが、そのあたりをしっかりと書いていただきたいと思います。
 それと14ページですが、「(3)当事者本位の総合的かつ分野横断的な支援」というところです。この中に「障害者の自立と社会参加の支援」と書かれているのですが、障害特性等に配慮したきめ細かい支援ということからも、なかなか自立に向かえない引きこもりとかそういう方に対する配慮が行き届くような表現を入れていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 2点いただきました。1点目は先ほど骨格案のところでも他の委員から修正の希望が出された件ですが、事務局のほうからの御回答では、審議会においては全て性別に配慮することになっているので、これはもう大前提だから特に障害者基本計画において言わなくてもそれはわきまえているという趣旨で、障害特性、障害の多様性への配慮だけを強調したいというお話だったかと思います。しかし、この点については複数の委員からの御意見も出ておりますので、いま一度御検討いただくということでよろしいでしょうか。
 2点目についてですが、何らか書きぶりを工夫できないかという御意見でしたので、これにつきまして事務局のほうからお願いいたします。

○坂本参事官 14ページの(3)とか(4)のあたりの話でございまして、今、いただいた御趣旨も踏まえまして何らかの表現を工夫できないか検討させていただければと思います。

○石川委員長 他にございますでしょうか。
 それでは、久保委員、お願いします。

○久保委員 ありがとうございます、育成会の久保でございます。
 14ページの(3)あたりに入れていただいたらいいのかなと思っているのですけれども、障害のある人たちがいろいろな手続をするときにとても合理的配慮が必要になってくるというので、合理的配慮の部分で賄えるのかもわかりませんけれども、障害のある人があらゆる手続の場面で過度な負担にならないような支援をするとか、そういうことも入れていただけたらありがたいかなと思っています。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 この点についても御検討をいただければと思います。  時間の関係で、あとは御意見をお聞きして検討する形にさせていただきたいと思います。
 加藤委員、お願いします。

○加藤委員 ありがとうございます。
 先ほど来、委員長を含め「言語(手話を含む。)」という表現について議論があったのですが、私自身理解不足でちょっと混乱しているのですが、これは言語なのですか。言語ではなくて、言葉という概念ではないのですか。言葉と言語は違うと思うのです。言語という概念を表現する手段として言葉があったり、手話があったり、いろいろな媒体、ツールがあると理解するのです。その辺を確認しておいていただけたら、日本語として少しその辺が問題になるのではないかと思うのですけれども、サイコロジストの辻井先生、どうですか。

○石川委員長 権利条約の中でも言語についての定義が第2条にありまして、そこでも、手話も言語であると規定しておりまして、つまり独立の言語である、日本語という音声言語とは別に手話という独立した言語があると考える立場に立ってこの記述はなされている、1つの言語の表現方法が違うということではないという趣旨と御理解いただければと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、伊藤委員、お願いします。

○伊藤委員 最後になると思いますが、2点あります。
 まず1つは13ページの中ごろですけれども、「また、社会のあらゆる場面でICTが浸透しつつある」という認識はいいのですけれども、その後から「新たな社会的障壁となる可能性がある」と2か所書かれていますが、ここで想定されているICTの活用がどういう社会的障壁を生むのかということが書かれていないのでわかりにくい。既にマスコミ等でも紹介されているので御存じの方も多いと思うのですが、難病は特にそうなのですが、意識はあるけれども伝えることができないという病気や機能の具体的な障害に対しては、脳への直接の電極の埋め込むとか、あるいは外側からの経皮的電気刺激の伝達といいますか、そういうような方法によって、グーグルなどでは1分間に100語~300語伝えることができるという装置が開発されています。今後早ければ5年後にはそれは実用化されていると思うのです。そうすると5年後を目指す計画であれば、ここでは「積極的な導入を推進する」とありますけれども、できたものの積極的な導入だけではなく、むしろ開発にも参加していって奨励していくのかというようなこともどこかで触れてほしいと思います。ICTに関しては以上です。
 次はどこに入れたらいいのかわかりませんが、前の会議にも遺伝子のことで発言しています。案をつくるときにはどこかで入れる、検討するというお話でしたけれども、見当たらないのです。ゲノム編集がものすごい勢いで発達したことによってさまざまな遺伝子治療が可能になっています。しかし、それは新たな差別とか産み分けを生む可能性もあるわけですから、そのことが障害やさまざまなものに対する新たな差別観を今までと違った観点でそういうものをつくり出していく可能性もなきにしもあらずなのです。せめてそういうことがあるという危険性についてくらいは言及されたらいいのではないかと思うのです。

○石川委員長 ありがとうございました。
 重要な御指摘かと思いますので、この点については事務局、今の暫定的な感覚で結構なのですけれども。

○坂本参事官 確かに技術開発が新たな差別を生むかもしれないということは確かにそうでして、ICTのところでも「新たな社会的障壁となる可能性がある一方」と盛り込まれているのは、例えばタッチパネルみたいなものができましたということになると、視覚障害者の方は見えないので、要するに見える方にとっては非常に便利になってくるのだけれども、見えない人にとってはというところで、そこでまたICTが導入されたことによって格差が広がってしまうではないかというような可能性もあるよ、ただそこは技術をうまく使えばアクセシビリティの向上に非常に寄与するのだというところでこういう記述をしていることになっておるわけであります。そういった意味では技術といってもいろいろあるわけでして、おっしゃったような遺伝子の関係のことであるとかあるわけでございます。そこまでいろいろ書き込むかどうかは別として、そのような視点は確かに重要な御指摘かと思います。ただ、どのように入れるのかということになってくると少し難しい面もあって検討が必要になってくるかと思いますけれども、何らかの工夫ができないかというところにつきましては考えさせていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 予定していた時間になりました。大体御意見も承ったと理解いたします。
 以上をもちまして議題6を終了させていただきます。ありがとうございました。
 本日予定しておりました議題は全て終了いたしました。
 最後に、事務局より事務的な連絡事項があればお願いいたします。

○坂本参事官 事務局でございます。
 先ほど今後の進め方のところでも申し上げたことですが、もう一度申し上げますと、次回の政策委員会は6月23日金曜日午後の開催を予定いたしております。冒頭、情報アクセシビリティの世界的大家でありますジェームス・サーストン氏を招聘して御講演をいただく予定となっておりまして、その後、基本計画の各論部分の審議、各論部分の教育とか文化とか、あと国際協力といったところの審議に入っていきたいと思っておりますけれども、詳細につきましては確定次第、改めて御案内いたしたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 以上をもちまして第34回障害者政策委員会を終了いたします。ありがとうございました。