障害者政策委員会(第36回)議事録

平成29年7月21日(金)
13:00~17:00
中央合同庁舎8号館 1階 講堂

【議事に使用されている資料については「議事次第」のページにまとめて掲載していますのでご参照ください。】

○石川委員長 それでは、定刻になりましたので、これより、第36回の「障害者政策委員会」を開会いたします。
 委員各位におかれましては、御多用のところ、御出席をいただきまして、ありがとうございます。
 本日の会議は、17時までを予定しております。
 なお、会議冒頭、委員の皆様の御迷惑にならない範囲で、取材が入り、撮影が行われますので、御了承、御承知おきくださいますよう、お願いいたします。
 事務局に異動がございましたので、冒頭、御挨拶をいただければと存じます。よろしくお願いします。

○小野田政策統括官 共生社会政策担当の政策統括官を拝命いたしました、小野田と申します。よろしくお願いいたします。

○寺本参事官 障害者施策担当の参事官を新たに拝命しました、寺本と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

○石川委員長 次に、事務局より、委員の出欠状況について、御報告をいただきます。

○寺本参事官 本日は、門川委員、北岡委員、辻委員、野澤委員、平川則男委員、松爲委員が所用により欠席との連絡をいただいております。
 また、柘植委員、平川淳一委員が遅れて到着されるとの連絡をいただいております。

○石川委員長 それでは、本日の議事に入ります。
 まず最初に、毎回、恐縮ですが、発言ルールの確認をさせていただきます。
 委員長が発言を求めます。発言を希望される方は、挙手をお願いします。委員長指名を受けて、発言をお願いいたします。
 できるだけ最初に結論を述べていただき、次いで、理由、補足説明をしていただくのが、わかりやすいと思います。
 また、御発言の際は、まずお名前を名乗っていただき、その上で、できるだけゆっくり、わかりやすくお話しくださいますよう、お願いします。
 マイクに近づいて、お話しください。発言後は、マイクをオフにしてください。
 それでは、本日の議題及び資料について、事務局より、説明をお願いいたします。

○寺本参事官 本日は、前回に引き続きまして、第4次障害者基本計画案の各論について、御審議をいただきます。
 最初に「1.安全・安心な生活環境の整備」「2.情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実」「3.防災、防犯等の推進」、以上の3つの分野について、それぞれ御審議いただきたいと考えております。
 関係資料として、資料1-1、資料1-2及び資料2を用意いたしております。
 途中、各テーマの間に、計2回、それぞれ15分程度の休憩時間を設けます。
 また、委員の皆様には、関係法令等をまとめたファイルを、机上に用意をしております。
 これ以降の写真撮影は、御遠慮いただきますよう、お願いをいたします。報道関係のカメラも、ここで退室をお願いいたします。

○石川委員長 ありがとうございます。
 ただいま事務局から説明がありましたように、本日は、3つの分野について、審議を行います。
 まず「1.安心・安全な生活環境の整備」について、審議を行います。
 冒頭、事務局と国土交通省から、それぞれ御説明をいただきます。よろしくお願いします。

○寺本参事官 まず事務局からでございますが、本日の審議においても、前回と同様、冒頭に、事務局から各施策分野の基本的な考え方を御説明し、その後、関係省庁から主な施策や成果目標の概要等、御説明をいただくことといたします。
 安全・安心な生活環境の整備の分野についての基本的な考え方につきまして、資料1-1の1ページ目の四角囲みのところに示しておりますが、ポイントを申し上げますと、障害者が地域で、安全に安心して暮らせる生活環境を実現するため、アクセシビリティの向上を推進していくこと。
 そのため、障害者が安全に安心して生活できる住環境の整備、障害者が移動しやすい環境の整備、アクセシビリティに配慮した施設等の普及促進、障害者に配慮したまちづくりの総合的な推進等の取組を通じ、障害者の生活環境における社会的障壁を除去することなどを、基本的な考え方として、掲げております。  事務局からの冒頭の説明は、以上でございます。
 次に、国土交通省より、主な施策等につきまして、御説明をお願いいたしたいと存じます。

○国土交通省(総合政策局安心生活政策課:長井課長) 国土交通省安心生活政策課長の長井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 限られた時間ではございますけれども、第4次の本文案、資料1-1、資料1-2の成果目標、それから、資料2で、お手元に配付させていただいております、国交省関連のその他の施策について、本日、御説明を申し上げたいと思います。
 資料1-1に基づきまして、第4次の計画に盛り込ませていただいている、国土交通省関連施策について、御説明を申し上げます。
 資料1-1の1ページでございますけれども、1つ目として、(1)住宅の確保でございます。
 これにつきましては、1つ目の○のところ、公営住宅のバリアフリー対応について、1つ目として、盛り込ませていただいております。
 2つ目でございますけれども、新たにセーフティーネット制度を、今年度、秋を目途に、創設をいたすこととしております。これによって、障害者向け等の住宅の登録制度などを、開始することとしておりますので、そういった施策を、2つ目の○で盛り込ませていただいております。
 2ページになりますけれども、(2)移動しやすい環境の整備等というところでございます。こちらは、主に公共交通のバリアフリー化について、4点ほど盛り込ませていただいてございます。
 まず1点目でございますけれども、旅客施設、車両のバリアフリー整備の一層の促進ということと、人的な対応の充実ということで、公共交通機関のバリアフリー化の促進とさせていただいております。
 あわせまして、2点目の○ですが、案内表示、情報提供の推進の充実も、盛り込ませていただきました。  3点目ですが、教育訓練の実施の促進も図ってまいります。
 4点目でございますが、個別輸送の中でも、特に福祉タクシー車両、これを私どもとしては、力を入れて、普及促進を図ってまいることを、盛り込ませていただいてございます。
 (3)といたしまして、アクセシビリティに配慮した施設、製品等の普及促進でございます。こちらは、主に建物等の社会インフラのバリアフリー化を盛り込ませていただいております。
 主なものとしては、1点目でございますが、建築物のバリアフリー化ということで、条例による追加的な義務づけ等の促進を図ってまいりたい等々を、盛り込ませていただいてございます。
 (4)でございますが、障害者に配慮したまちづくりの総合的な推進でございます。
 これにつきまして、1点目といたしまして、バリアフリー法、関連施策につきまして、必要な見直しを行うということを、1つ目の○で盛り込んでおります。
 その他、歩道の整備ですとか、道路のバリアフリー化等についても、盛り込ませていただいております。
 3ページ目でございますけれども、上から4つ目の○のところですが、情報通信技術を活用した歩行者移動支援の普及促進についても、施策として、盛り込ませていただきました。
 最後のところ、5つ目の○ですが、ユニバーサルデザイン2020行動計画が、2月に閣僚会議で決定されておりますけれども、こういった中に盛り込まれている様々な施策がございますので、こういったものも、しっかりと取り組ませていただくことを、盛り込ませていただいてございます。
 以上が、資料1-1の国交省関連でございます。
 資料1-2には、関連の成果目標について、盛り込ませていただいてございます。
 住宅の確保につきましては、新しいものといたしましては、例えば1つ目の住環境整備につきまして、障害者等向けの住宅の登録戸数、これにつきまして、32年度を目途として、17.5万戸を登録数として確保するといったことを盛り込んでございます。
 2ページから3ページにかけまして、旅客施設、車両、建築物、都市公園、特定道路等につきまして、国土交通省の関連の施設につきましての整備目標について、それぞれ記載をさせていただいておりまして、これをしっかりと取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 時間の関係もありますので、詳細は、省略させていただきたいと思います。
 続きまして、資料2でございます。
 先ほど資料1-1の最後に、行動計画の施策の実施を紹介させていただきましたが、その詳細が、こちらのポンチ絵になります。2ページ、3ページでございます。
 一部重複いたしますが、2ページのところになりますけれども、まちづくりの分野でございます。
 これにつきましては、東京オリンピック・パラリンピックが、2020年に開催されるということでございますので、そういった競技会場周辺のバリアフリー化を重点的に進めるということで、アクセス道路、トイレ等のバリアフリー化を進めるというのが、1つ目の箱にございます。
 2点目といたしまして、国際的な玄関となります成田空港、羽田空港等のバリアフリー化の推進を盛り込んでおります。
 3点目でございますが、主要の鉄道駅、ターミナル、これは競技会場の最寄り駅、大きなターミナル駅をイメージしておりますが、こういったところのバリアフリー化をしっかり進めていくことを盛り込んでおります。
 4点目として、空港アクセスのバスですとか、都心を走るタクシーなどのバリアフリー化も進めることを盛り込んでございます。
 3ページでございますが、全国各地でも、こういったバリアフリー水準の底上げを進めてまいりたいと思ってございます。
 1つ目として、先ほどと重複しますが、バリアフリー法を含む関係施策の検討、交通のバリアフリー基準、ガイドラインの改正、都市部を中心とした面的なバリアフリー化、トイレの利用環境改善、観光地のバリアフリー化等々について、まちづくりの施策として、しっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
 心のバリアフリーの分野ですが、国土交通省としても、交通関係、観光関係で、いろいろな接遇の関係で、いろいろな御指摘もいただいておりますので、そういったことについて、ガイドライン等の作成ですとか、それを踏まえた研修の充実等を、しっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
 なお、4ページ以降になりますけれども、その中のバリアフリー法等の見直しについてでございます。
 こちらにつきましては、5ページになりますけれども、2月の行動計画を踏まえまして、その直後から、省内の国土交通副大臣をトップとするバリアフリーワーキンググループ、外部有識者の皆様方に御参加いただいた有識者検討会、この2本で、今後のバリアフリー法を初めとする施策のあり方の方向性について、検討を進めてまいりました。それを6月27日に取りまとめ、発表をさせていただいております。
 その概要だけ、かいつまんで御説明しますが、7ページでございます。大きな考え方として、3つの柱を立てております。
 1点目が高齢者、障害者等の社会参画の拡大でございます。共生社会ですとか、一億総活躍社会の実現に向けまして、これまで以上のいろいろな活動に、障害者の方等が御参画いただけるように、法制度等を見直してまいりたいと思っております。
 2点目ですが、まちづくりに向けた地域連携の強化でございます。個々の施設がバリアフリー化されても、連携がうまくいかない場合には、全体としてのバリアフリー化が実現できないということでございますので、地域の関係者と連携したバリアフリー化の促進を設計してまいりたいと考えております。
 3点目でございますが、ハード・ソフト一体の取組の促進です。これまでややもすれば、バリアフリー法は、施設整備中心ということでしたが、それだけでは十分ではないのではないかという問題意識に基づきまして、これからソフト面の対策をしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 こういった考え方に基づきまして、施策の方向性は、様々なものを盛り込んでおりますけれども、例えば2~3つ御紹介しますと、7ページの①の基本的考え方のところですが、障害の社会モデルの理念等の反映、観光地のバリアフリー化、バリアフリー情報の見える化等に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 個別施設の話でございますが、公共交通事業者につきまして、ハード・ソフトの取組が対外的にわかるように、計画を作成してもらったり、その情報を公開してもらうことを、検討してまいりたいと考えております。
 8ページでございます。③ですが、面的なバリアフリー化につきましては、今、基本構想という制度がございますが、なかなか作成が進んでいないという問題意識を持っておりますので、そのための都道府県の関与ですとか、一定期間ごとの見直しを、制度として考えてまいりたいと思っております。
 心のバリアフリーですが、職員研修の充実を初めとして、様々な取組を進めてまいりたいと思っております。
 いずれに対しましても、これから施策の具体化を1日も早くできるように、しっかりと国土交通省として、取り組んでまいりたいと考えております。
 最後になりますけれども、9ページになりますが、6月5日に発生いたしました、奄美空港における事案につきまして、私どもの対応について、少し御紹介させていただきたいと思います。
 皆様、御承知のことかと思いますが、6月5日に奄美空港で、航空便を利用されようとした車椅子利用者の方と、航空会社の間で、トラブルが発生をしてございます。この点につきましては、当事者たる航空会社が、車椅子利用者の方におわびをしたと聞いております。また、車椅子利用者の利用に必要な設備を、既に導入したと聞いておりますけれども、私どもとしては、障害者差別解消法の趣旨を踏まえて、利用者目線でよく検証してもらうことが、当該航空会社には必要だろうと考えておりますが、それだけでは、不十分だと考えております。
 そういったことから、今回の事案を受けて、国土交通省として、3ポツにあります取組を進めてまいりたいと考えてございます。
 まず1つ目ですが、関係事業者に対して、差別解消法の趣旨を徹底してまいりたいと考えております。当該航空会社に対しましては、既に検証、指導をしております。他の航空会社に対しても、趣旨を周知徹底してまいりたいと考えております。
 航空会社以外の事業者に対しましては、合理的配慮の最大限の提供、事前的改善措置の検討等につきまして、文書にて、要請を行うこととしております。
 心のバリアフリーの取組も、強化してまいりたいと考えておりまして、先ほどの接遇ガイドライン、この中でも、今回の事案を踏まえた対応を考えたいと思っておりますし、既存のバリアフリー教室等の取組につきましても、事業者向けの取組を強化してまいりたいと思っております。また、今回の法律等の見直し検討の中でも、心のバリアフリーにつながるような施策についても、検討してまいりたいと考えております。
 国土交通省としては、今回の事案を踏まえまして、差別解消法の趣旨がより徹底されるように、しっかり取り組んでまいりますので、皆様方の御指導をこれからもお願いしたいと思います。
 少し長くなりましたが、説明は以上でございます。

○石川委員長 長井課長、ありがとうございました。
 それでは、ただいまの国土交通省として、次の5年間に取り組もうとされている政策及び成果目標の説明がございましたが、これについて、御意見、御質問のある委員は、挙手をお願いいたします。
 岩上委員、お願いします。

○岩上委員 岩上でございます。御説明ありがとうございました。
 私は、毎度、申し上げていますけれども、精神障害の方の支援を長くやっているのですが、住居確保について、大変期待しているところがありますので、その点について、お話をさせていただきたいと思います。
 1年以上入院をされている精神障害者の方が18万5,000人いらっしゃいまして、国の厚労省の考え方としては、32年度末までに、3万人から5万人の方のために、地域の整備をしていこうという話になっているわけです。
 そうしますと、必ずどこに住むのかということが、非常に重要なことになってきまして、今回、御説明いただいた中で、住居確保が挙がっていますけれども、その辺も想定していただいているのかというのが、ちょっと質問したい点です。
 加えまして、居住支援協議会というのが全国で、あるいは地方の自治体で開かれておりますけれども、居住支援協議会というのは、かなり幅広く、生活困窮の方とか、DVを受けられた方、高齢者の方ということで、非常に重要な取組だと理解しているのですけれども、特に障害者支援において、居住支援協議会が有効に活用されている事例があるのかどうかということです。
 岡山では、非常に熱心に取り組んでいることを伺っているのですけれども、その点を踏まえますと、今回の数値目標で、居住支援協議会の数を増やせばいいということではないと考えますので、その辺を具体的に、ここは障害者の支援を考えていくところになりますので、住居確保において、居住支援協議会を活用して、具体的にこれだけの住居は確保するのだと、そういったことを目標数値に連動させていただけるといいかというのが、意見でございます。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 先ほど挙手をされた方の中で、住宅に関わる御質問、御意見をお持ちの方がいらっしゃるかどうかを確認したいのですが、阿部委員、河井委員、久保委員、石野委員、安藤委員、佐藤委員、竹下委員、玉木委員の中で、住宅について、御意見、御質問のある方、挙手をお願いします。
 佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。
 住宅の確保のところなのですが、民間の共同住宅のバリアフリー整備も、ぜひ盛り込んでいただきたいと思っています。民間の共同住宅は、ほとんどバリアフリー整備が進んでいない。エントランスの段差がなくなったりというのはあるのですけれども、室内はお風呂のところに段差があったり、ドアが狭くて、結果的には室内では車椅子で生活できないものがほとんどです。
 これは、バリアフリー法で共同住宅は、基準適合義務がなくて、努力義務にとどまっているということが原因だと思います。大阪府では、条例で、20戸以上の共同住宅については、バリアフリー整備を義務づけていて、成果を上げています。
 今回の計画の中で、条例の話もありましたけれども、国として条例に頼らずに、整備指針をちゃんと盛り込むことが必要だと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 玉木委員、お願いします。

○玉木委員 ありがとうございます。
 ハード面もそうなのですけれども、まず民間の賃貸住宅の不動産業者とか、家主さん、大家さんに対する理解啓発の活動なども盛り込んでいただかないと、いくらバリアフリー化とか、よく出てくるのは空き家対策で、それでやったらどうかということが出てくるのだけれども、結局、貸したいとか、そこを斡旋するという機能が動かないと意味がないということと、もう一つ、保証人というのが一番ハードルが高いと思っていて、現在も高齢者住宅財団などがやっている保証人制度みたいなものがあるけれども、あれも結局、大家さんが登録物件として手を挙げない限りには、保証人制度としては、活用できないという問題があります。
 住宅はあって、借りたいという意思があるけれども、保証人が見つからないから貸せないとか、最近でいうと、生活保護世帯は貸せないという露骨な状態も出てきている中で、保証人制度をきっちりと見直していくとあわせて、ここで言うべきかどうなのかはわかりませんが、公営住宅についても、県営住宅とか、市営住宅で、いまだに保証人を求めるという条文はある以上、本来、公営住宅は、住宅困窮者を受け入れるための公的な住宅であるはずなのに、障害があるゆえに、保証人が見つからないから、抽選が当たったけれども、あきらめざるを得ないというケースも、多数出てきている中で、そこら辺の保証人制度とかの見直しも含めて、考えていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 安藤委員、お願いします。

○安藤委員 安藤です。
 資料の1-(1)-4です。グループホームの整備を促進するとともに、重度障害者にも対応した体制の充実を図るとありますが、私は大変賛成なのですが、しかしながら、いまだに多くの入所施設が人里離れた山奥にあります。

○石川委員長 安藤委員、申しわけありません。今、国土交通省の説明範囲に関しての御意見、御質問をいただきたいのですけれども、今の話はグループホームですね。
 後ほど、もう一度、お願いできますか。

○安藤委員 なるほど、わかりました。

○石川委員長 久保委員、お願いします。

○久保委員 育成会の久保でございます。発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 住宅の部分ですけれども、安心・安全な生活環境の整備ということで、先ほど他の委員からも意見があったのですけれども、公営住宅の一定数を障害者グループホームに割り当てることを義務化、または、さらに強く推進をしていただいたらどうかと思っています。
 公営住宅は、今も優先的に入られるようにという施策はあるのですけれども、公営住宅を新設、または、改修する際に、1階部分をスプリンクラーとか、防火壁などの措置をして、障害のある人たちの対応のグループホームも、設置可能な仕様としていただいた上で、一定数を義務的にというか、さらに強く推進することで、障害者のグループホームに割り当てることを考えていかないと、グループホームはなかなか進まないと思っています。
 もう一つは、少しそれに関連はするのですけれども、空き家を利用する場合も、消防法とか、そういうものがとてもハードルが高くなっていて、空き家を利用してのグループホームというのは進みませんので、愛知県などは、一定のハードルというか、条件を設けていますけれども、少しそこを緩和するような施策も行っておりますので、そのことを全国的に展開していただけたらいいと思っています。
 もう一つ、他の委員がおっしゃいましたように、賃貸住宅の家賃補償とか、生活支援への助成の部分です。これは、無理解とか、偏見に基づくものは、差別解消法で何とか啓発していけると思うのですけれども、家賃補償とか、トラブル発生時のサポートとか、賠償への不安が理由で、契約を断ることも多々あると私の耳にも届いています。
 そこの部分を、今、千葉県の船橋市は、家賃補助とか、生活支援をトータルに提供する支援サービスが、民間主導で立ち上がっていまして、助成対象を補償業協会みたいなところの補償を受けないと、評価されないものに限定するという条件をつけて、助成の経費が高くならないようにしながら、現実に、民間の賃貸の家賃補助を設定するというのは、困難だと思いますけれども、そういう民間の支援をしているところの部分に、後方支援として助成をしていただくことも、1つの方法ではないかと思っています。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 他所管に関わる施策についての御意見も含まれていたと思いますが、長井課長、住宅に関して、一連の御意見、質問がございましたけれども、御答弁いただければと思います。

○国土交通省(長井課長) 具体的に様々な御指摘をいただきまして、ありがとうございました。
 数値目標の御指摘等をいただいております。基本的にセーフティーネット法を新しく整備をしたときに、法律を見直して、新しい制度をつくる目標ということで、今回の数値目標を設定させているところでございます。本当にきめ細やかに整備目標を設定するのは、容易ではないわけでございますけれども、いただいた御意見を持ち帰りたいと思っております。
 佐藤委員からは、大阪の事例なども御紹介いただきました。民間の共同住宅のバリアフリー化を、法律の中で義務づけを御要望いただいております。この点につきましては、私ども、法律、関連施策の見直し、施策の具体化の検討を、現在、進めているところでございまして、この中で、どういったことができるのかということについて、しっかりと検討をさせていただきたいと考えてございます。
 あと、その他、いろいろいただいておりますが、専門的なお話をいただいております。持ち帰って、担当部局と相談をさせていただきたいと思っております。

○石川委員長 ありがとうございました。
 次に、竹下委員、お願いします。

○竹下委員 竹下です。
 2番目の移動の部分で1つと、まちづくりの総合化のところなのですけれども、まず1点目の移動のところで、最近、ホームから線路への転落事故が多発していることは、報道等で、皆さんも御存じのとおりなわけですけれども、その対策として、ここではホームドア等と書いてありますけれども、ホームドア、あるいはそれに準じた設備が100%の対策であることは間違いないのですが、これは、費用の面や構造上の問題から、簡単には進まない。ましてやその設置が10万人以上とか、1万人以上とかという基準を設けると、地方の鉄道駅は、ずっと危険な状態が放置されてしまいます。
 しかし、最近、様々な安全対策が提案されているわけでして、例えばより安全に視覚障害者がホームを移動できるためには、どうすればいいかという提案もされております。ここは時間がないので、提案内容までは言いませんが、そうしたハード面において、ホームドアが究極の課題であるにしても、それに至るまでに、より安全確保のできる対策が講じられることは、提案もされているので、そういうこともきちっと目標の中に盛り込まれるような文言にしていただきたい。これが移動のところの1点目です。
 まちづくりのところで、非常に怖いのは、国土交通省がどういう文書でしたか、私はわかりませんが、道路と歩道の段差は、2センチを基準にしているはずなのです。これより高いと、車椅子のバリアになりますし、それ以上低くすると、視覚障害者が歩道と車道の区別がつかなくなるということがあるわけです。ところが、最近、京都府向日市で、この段差を解消してしまうという向日市自身の方針を立てたことがあって、我々は、慌てて動いたことがあります。
 そういうことが起こるというのは、結局のところ、安全対策として、まちづくりが本来、基準化されているものが、地方において、徹底されていないことの裏返しだと思いますので、そういうことが起こらないことについての1項がほしいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 石野委員、お願いいたします。

○石野委員 全日本ろうあ連盟の石野です。
 ここの議論には関係ないかもしれませんが、1つ報告があります。デフリンピックが、今トルコで開催されています。デフリンピックは毎年ではなく、4年間に1回のろう者だけのスポーツです。一昨日、現地報道によると、開会式で聞こえる人も、聞こえない人も合わせて2万人ぐらいが集まっているということです。情報アクセスの面から、非常に進んでいると聞いております。
 国土交通省から説明があり、バリアフリー法では、今まで施設整備を中心にやってきたが、これからは、心のバリアフリーを検討したいと報告がありました。基本的な考え方を読みますと、情報アクセシビリティに対して、配慮の工夫がもっと必要ではないかと思います。書き加えてほしいと思います。
 2つ目ですが、移動しやすい地域整備で、駅等で、文字情報、電光掲示板等がだんだんと設置されておりますが、全ての施設に100%を目標としなければならないと思っております。ぜひとも数値目標を入れるといいと思います。
 最後に、バリアフリーを進めるにあたり、情報アクセシビリティの面でもっと研修の積み重ねが必要と思います。船舶やフェリーを使うとき、または、旅行に行くときにも、部屋のテレビには字幕があると思いますが、実際には字幕がついていないことがあり、船舶担当者を呼んで聞いても字幕の意味もわからなくて、話が進まないということがあると聞きますので、情報アクセシビリティについての検討が必要だと思います。

○石川委員長 ありがとうございます。
 河井委員、お願いします。

○河井委員 ありがとうございます。河井です。
 私からは、資料1-2の目標値についての質問と意見です。
 こちらの目標値で、ほとんどの項目が平成32年度の目標値となっているのですが、私の記憶だと、たしか障害者基本計画は、平成30年度をスタートとする5年間の計画なので、ここに書かれる目標値は、5年後の数値なのかと勝手に思っておりましたが、なぜ32年度なのかということを伺いたいのと、その中の1点で、3ページの上から2行目の航空機のバリアフリー化率は、平成27年度で96.3%にもかかわらず、平成32年度の目標値がなぜ約90%と下がっているのか。ここは質問です。
 意見としては、その下の不特定多数が利用する施設等のバリアフリー化の進捗状況については、目標値は低過ぎませんか。平成27年度は56%で、5年たって4%しか上がらないのは、余りにも目標値が低過ぎませんかという意見です。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 阿部委員、お願いします。

○阿部委員 日身連の阿部です。
 3点、質問のお願いがあります。
 まず確認なのですけれども、障害者基本計画の中では、福祉タクシーとありまして、ユニバーサルデザイン2020行動計画では、UDタクシーとあるものについて、同じものなのかどうかということと、よく私たちは、介護タクシーと聞かれたりするので、それは違うものだというのは、十分承知いたしていますけれども、いろいろな方が、いろいろな思いで、自分のイメージでそれを捉えてしまうようなところがありますので、わかりやすく周知する必要があると思います。それが1点です。
 先ほども航空機のことで、バニラ・エアのこともありましたけれども、もう一つ、飛行機に乗りますと、緊急時に安心して退避するところも大事なことで、いつも説明がありますけれども、安心して障害のある私たちも退避できる乗務員への訓練をしっかり取り組んでもらいたい。もう行っているのだとは思いますけれども、そのようなところをしっかり取り組んでもらいたいと思います。
 それから、安心して移動というところで、こことは違うのかどうかわかりませんけれども、福祉有償運送システムについて、確認でございます。おおむねタクシーの半額の料金で、ユニバーサルデザインの輸送車両で取り組んでいる福祉有償運送システムは、私たちの移動のところで、取り上げるものなのか、また、別のところで取り上げるものなのかの確認でございます。
 以上、3点です。お願いします。

○石川委員長 ありがとうございました。
 私からも3点ほど質問、ないし意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず1点目は、成果目標の中で、ノンステップバスについての成果目標が上げられておりまして、ただし、除外認定車両を除くとなっているのですけれども、私の理解では、この除外認定車両の中に、空港シャトルバスが入っていたのではないかと思うのです。
 一方で、2020オリパラ、観光立国等々を考えると、成田から都心まで、あるいは羽田から都心までのバリアフリー化を最優先の課題の1つとして、取り組んでいくということと、空港バスのバリアフリー化を進めていくというお話もされていたと思うのですが、除外車両バスの中で、空港シャトルバスは、除外から外して、通常のバスと同じ適合基準の中に入れるという御方針なのかどうかというのが、1点、お聞きしたいことです。
 2点目なのですけれども、先ほどある航空会社において、歩けない人は乗せられないという話があって、そのことで、メディアでも様々な報道がありましたし、ネットでも議論がありましたけれども、よく航空会社は、社内規程という言葉を使われます。社内規程と約款とは違うはずで、約款という言葉を使われることは、ほとんどなく、社内規程と言われるのですが、社内規程というのは、契約約款ではない。契約約款でもない社内規程により、契約を搭乗直前に一方的に取り消すというのはあり得ないことと考えます。しかもどのような社内規程を、それぞれの会社が持っているかは、可視化されていないということがあります。
 そうすると、国土交通省、所管監督官庁からしましても、差別解消法等の法的環境に照らしてみて、適切な社内規程を持っているのかどうかということは、報告、提出してもらわないと、わからないという状況になってしまうと思うのですけれども、このあたりにつきまして、一航空会社だけではなくて、恐らく社内規程に問題を抱えている会社は、少なからずあろうかと思われます。多くの障害者の旅行経験からすると、そういう感じを持っているのですけれども、これについて、全体的な精査をされる御予定がないか、ないとしてもぜひ御検討をいただきたいと思います。
 加えまして、航空会社の場合は、安全性ということが非常に重要で、そのために、機長に責任と強い権限が与えられていると思います。そのことに関係してか、機長の判断で、事前に障害があることを連絡しなかった搭乗客の搭乗を断るという事例がしばしば起きております。これも、安全性確保について、責任を負い、権限を持つからといって、正当されるようなことなのかどうかということの整理が必要ではないかと考えております。これについても、御所見をお聞きできればと思っております。
 3点目なのですけれども、移動円滑化法は、御説明にあったように、旅客施設と車両のバリアフリー化を中心として、それを進めていくという法律です。ただし、現在、見直しの作業をなさっていらっしゃいます。情報案内は、現行の法律では、努力義務となっておりますけれども、できるだけそれも入れていくという工夫をされてきたと承知しておりますけれども、旅客施設や車両というハードウエアの上に乗せた情報案内に、おさまらないような事柄については、したがって、現行の法律では、射程に入らないと思います。
 具体的には、インターネットでのチケット購入に障壁がないかどうかとか、あるいはスマートフォンで、タクシーを配車するアプリケーションを、タクシー事業者の団体が提供していても、それがアクセシビリティに対応していないと、例えば視覚障害者は使えないといった問題については、移動円滑化法の現行のガイドライン等では、射程の外にあるかと思うのですが、今後の見直しの中で、こういったことも含めて、情報アクセスという観点から、あるいはコミュニケーション障壁に対する対処という観点から、もう一本、ガイドラインをつくっていくというお考えがないのかどうか。この3点について、お聞きしたいと思います。
 一応私までで、とりあえず移動とまちづくりについての御質問が一区切りということですが、飯塚委員、お願いします。

○飯塚委員 1ページの1の4つ目の○なのですが、今回、新規ということで、精神障害者が地域の一員として、安心して自分らしい暮らしをすることができるようにということを扱っていただいて、感謝しております。
 高齢者介護に関連して、80-50問題(はちまるごうまるもんだい)という、今、注目されている問題があります。高齢者の介護の際に、引きこもって、50歳代になってしまった精神障害者がたくさん孤立して生きていることを発見したという問題に関して、今回スポットライトを当ててくださったのかと思うのですが、家族も治療には一生懸命つなげて、何とか治療は受けているのですが、社会参加ができないままの方が大勢おります。

○石川委員長 飯塚委員、すみません。厚生労働省の御意見だと思いますので、後でもう一度、お願いいたします。

○飯塚委員 わかりました。後にします。

○石川委員長 佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。
 今、発言してもいいことというのは(2)だけでしょうか。それとも(3)(4)も含めてでしょうか。

○石川委員長 国土交通省所管に関することであれば、(2)(3)(4)全部御発言いただいて構いません。

○佐藤委員 ありがとうございます。
 いくつかあります。まず地方でのバリアフリー整備についても、ぜひ検討を記述していただきたいと思います。権利条約の9条では、都市及び農村の双方においてと書いてあるのですけれども、日本のバリアフリー法は、例えば駅の1日の乗降客3,000人以上の駅が対象というように、大規模なところを対象にしたもので、結果的に地方の利用客の少ない交通機関が対象外となっております。これは条約に反した組立てになっていると思いますので、地方での整備が必要だと思います。
 次は、ユニバーサルデザインタクシーなのですけれども、今回の記述の中では、スペシャル・トランスポート・サービスだけの記述です。国交省は、平成24年3月に、UDタクシーの認可制度を始めましたけれども、現在認可されているのはまだ1車種だけです。恐らく今年は、もう一社、新しい車両が発売される予定です。
 UDタクシーというのは、車椅子でも乗れる普通のタクシーなのですけれども、ロンドンタクシーは、ほぼ全部スロープがついていますので、普及は100%です。ニューヨークに行くと、大体25%ぐらいがUDタクシー、東京は5万台タクシーが走っていて、UDタクシーは、わずか50台、0.1%と非常に少ないのです。これは東京だけではなくて、日本全国そうです。ですので、これから今年度、新たに車両の開発がありますので、これもぜひ数値目標を入れていただきたいと思います。
 続きまして、バリアフリー法は、建物のところでも、ちょっと穴が多いと思います。例えば現行でいうと、建物に関しては、2,000平米以上が基準適合義務、改善する義務があるものなのですけれども、それ未満のものは、義務ではありません。ですので、例えば小規模の店舗というのは、新たにお店がたくさんできますけれども、せっかくできたのに、段差があって入れないとか、あるいは室内に固定椅子があって入れないものが続々とできてしまっています。ですので、2,000平米以下の建物にも、該当するような見直しが必要だと思います。
 次は、監視の仕組みです。これもぜひつくっていただきたいと思います。日本は、監視の仕組みがないために、せっかくつくってしまっても、私たちがよく言うなんちゃってバリアフリーがありまして、例えば車椅子用席の目の前に手すりがあって、その手すりがあるために、フィールドが見えないということがよくあるのです。これは、利用する人が評価する仕組みをちゃんとつくれば、すぐ改善されて、良いものに変わるわけです。ですから、監視の仕組みもつくっていただきたいと思います。
 あとは、シェルターなど、DVで避難する場所が、障害のある人は入れないということをよく聞きます。ですので、行き場がないわけです。そうやって避難する場所にも、ちゃんとバリアフリーにして、入れるようにしていただきたいと思います。
 最後ですけれども、職員研修なのですが、条約の一般的意見では、パラグラフ19で、アクセシビリティに関わる訓練を全ての関係者に提供することを義務づけている。全ての関係者というのは、建築許可を発行する当局、技術会議所、デザイナー建築家、都市設計者、サービス提供者、障害のある人及びその団体なども含めなければならないと、設計する者だけではなくて、製造する者に対しても、訓練を行うべきだと書いております。今回の計画の中で、今、鉄道事業者が自主的に研修するものは書かれているのですけれども、条約の理念も含んで、職員研修についても、もっと踏み込んで書くべきだと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 長井課長、お願いいたします。

○国土交通省(長井課長) 冒頭、たくさん御要望をいただきましたので、これにつきまして、私どもとしては、書き込み過ぎない程度に書いた結果、やや理解していただけていない表現もたくさんあると、反省をしていますので、表現ぶりにつきましては、しっかり考えたいと思いますし、また、盛り込んでいない施策についても、盛り込めるかどうか、盛り込まないとしても、どう取り組むのかといった点については、しっかり考えさせていただきたいと思っております。できるだけ皆様方から、具体的なお困りの事情なども、別途、お伺いできれば、より議論が進むと思っています。よろしくお願いします。
 御質問を何点かいただいております。
 まず数値目標についていただいておりますが、例えば現在、バリアフリー法に基づいて、施設整備を進めているものにつきましては、目標年次が平成24年の時点で、32年としていることから、このようにさせていただいておりまして、今回、法律含み、改正含みの検討をこれからしていきますので、どうしてもそれ以降の目標につきましては、新しい制度が見えてきてから検討せざるを得ないと思っておりまして、そういったもろもろの事情がありまして、今回の基本計画の目標年次と今回、御提示させていただいた数値目標の目標年次にずれがあるということでございますので、その点、諸般の事情がありますので、御理解いただければと思っております。そういったことで、実は航空機などは、既に目標値を達成していますので、逆転が起きているということでございます。
 タクシーの要望につきまして、これは福祉タクシーという用語を使っていますが、ユニバーサルデザインタクシーを含めた概念として、今回、用いておりますので、一般のタクシーのバリアフリー化も進めるという趣旨で、書かせていただいてございます。
 石川委員長から、3点ほど御質問をいただいております。まず1つ目ですけれども、バスの整備目標で、おっしゃるとおり、空港のシャトルなどに使っていますような、いわゆる観光バスタイプの階段を上がっていくタイプのバスというのは、現在、目標値に入れてございません。これは今回も入れてはいないという整理にしてございます。
 ただ、私どもとしては、目標値には入れてございませんけれども、こういった貸切バスタイプのバスを、どうやってバリアフリー化していくかということの問題意識を持っておりますので、行動計画の中でも、どうやったらバリアフリー化ができるかを考えるということを盛り込ませていただいております。今、具体的にどういうふうに進めるかについては、関係部局で検討を進めてございますので、しっかりと進めてまいりたいと思っております。
 企業の内規の問題でございますけれども、障害者の方を含めて、利用を促進するということが重要だと思っています。そういった点から、仮に内規がそれを妨げているということであれば、法律、差別解消の趣旨からすると、問題なしとはしないこともあるのだろうと思っております。
 そういったこともございますので、今回の航空業界に限らず、全関係する事業者に対しまして、先ほど御説明しましたが、文書を発出しようと思っておりまして、その中で、内規の点検も含めて、自らの取組について、しっかりと見直してもらうことを要請することとしております。
 私どもで、全て精査となりますと、時間もコストも膨大でございます。事業者数は、何万以上ありますので、まずはしっかりと自らのこととして、事業者自身の目で見直しをしてもらいたいということで、文書で要請をしたいと思っております。
 機長の判断、そもそも社内の内規の関係という点につきましては、まさに職員の教育の問題が1つあると思います。そういった点でも、今回の文書の通知の中でも、社員の教育の徹底を盛り込んでございます。そういった人によって判断が異なるということがないように、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
 そういう意味で、石川委員長から、内規を含めて、いろんな情報を可視化していくという御指摘がありましたが、大事だと思っております。その点も、しっかりと事業者に検討をさせようということで、通知文の中に盛り込ませていただいているところでございます。
 もう一点、情報アクセスについての御質問をいただいております。これにつきましては、確かにバリアフリー法の範囲外で、まだまだ取組が足りない点、もちろんバリアフリー法の中でも取組が足りない点があると思っておりますので、今、法律、その他関連施策の見直しを具体的に行っていますので、交通バリアフリーについては、基準の見直しも進めておりますので、こういったところも含めて、私どもにおいて何ができるのか、しっかりと考えさえていただきたいと思っております。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございます。
 安藤委員が手を挙げていらっしゃいます。どうぞ。

○安藤委員 資料1-1の2ページ目の1-(3)-3です。「また、身近な自然空間である河川の魅力を誰もが享受できるような水辺整備をまちづくりと一体となって進める」という文章なのですけれども、いきなり河川が入ってくるのは、唐突ではないかと思っています。なぜ河川だけが入っているのか、私は山も行ってみたいし、海も行ってみたいのですが、河川の整備だけというのはどうでしょうか。
 以上です。

○石川委員長 わかりました。この件については、内閣府の事務局から、説明していただきたいと思います。

○杉田企画官 事務局でございます。
 いただきました意見につきまして、3次計画にあわせて書いている部分がありますので、表現ぶりにつきましては、考えさせていただきたいと思います。

○石川委員長 ありがとうございました。
 他に御質問、御意見はございますでしょうか。大日方委員、お願いします。

○大日方委員 ありがとうございます。大日方です。
 先ほどバニラ・エアの話がありましたけれども、その答弁を受けまして、この問題点の整理をしてみたいと思っています。
 今回の問題が起きたときに、航空会社側の対応というのは、問題はあったにせよ、改善策を実施したというところで評価できると思うのですけれども、1つ、心のバリアフリーという意味において、非常に重要だと思ったのは、こういった問題が起きたことを、むしろ外に出した障害当事者に対する批判といったものが、かなりソーシャルネットワークなどのSNS等では、いわゆる火がついてしまったというような、まさに理解を正しくされていないことによるバッシングだったのかは、一部見ております。
 こういった問題は、残念ながら今後も必ず起きることを前提に考えますと、そういった問題が起きること、明らかにすること、あるいはそれを障害当事者に対して避難が集中するということではなく、積極的にこういった問題を一緒に解決するのだという、むしろ社会をよりよくするための1つの提案だった、あるいは解決策だった、一緒にやってきたのだということを評価するような、そういう風潮をつくっていくことも必要であります。
 そういう意味では、公共交通事業者向けの心のバリアフリーも、もちろん大切なのですけれども、そういったものに対する正しい理解を社会全体に啓発していく、そういったことも、この問題を考えるときには必要ではないかと考えております。ぜひそういった部分を入れていただけると、より良いものになるのではないかと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 私も本件についてはいろいろとコメントを求められて、1点、今日、出てこなかったこととしてお話したのは、差別解消法は、建設的対話を進めることによって、良い方法を一緒に考えるということが望ましいとしており、しかし、現場では、他にいろいろな工夫があり得たし、例えばボーディング・ブリッジを持っている他社の航空機のチケットを手配するといった提案もできたはずで、それができないような会社の組織上の硬直性みたいなものが、もしかしてあったのかもしれないし、現場の職員だけの責任とは考えにくい、あるいはわかりませんけれども、別の会社が業務委託を受けて、仕事をしていたのであるとすると、会社間の契約で縛られていて、そのような建設的対話の余地がないということもあり得たかもしれない。あくまで仮説ですけれども、そういったようなことも、全部関わってくるような話だと思っております。
 他に、もし御質問、御意見があれば、どうぞ。安部井委員、お願いします。

○安部井委員 今の大日方委員と石川委員長のお話を受けてなのですけれども、飛行機で座位のとれない者が旅行で移動するときに、航空会社にトランスの情報(機内移動の困難さや機内への座位保持具の持込み等)がうまく伝わっていなくて、結局は、本当に安全な状態で搭乗できないようなことになってしまって、私たち介助者、親が様々な工夫をして安全確保に努めながら搭乗しているという状況が散見されております。
 ある航空会社はいいのだけれども、こちらの航空会社はだめと、口コミで広がっているような状況ですので、どの航空会社でも、トランスに際してでも、それが機内においても、安全に移動ができるようにしていただけるよう、お願いいたします。ありがとうございました。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、厚労省からの御説明をいただきます。
 すみません、私が理解していませんでした。厚労省に関しては、質疑をすることになっているそうなので、先ほど御発言を止めさせていただいた委員もいらっしゃいますので、厚労省所管部分については、御質問、御意見をここでいただきたいと思います。安心・安全な生活に関わる施策と成果目標についてということです。
 飯塚委員、お願いします。

○飯塚委員 先ほどは失礼いたしました。
 今回の資料1-1の1ページ、1の4番目に新規ということで「精神障害者が地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、『精神障害にも対応した地域包括ケアシステム』の構築を進める」ということが挙げられていて、期待しているところですが、多分高齢者介護の家庭なりに入りましたときに、80代の高齢家族のところに、50代の精神障害者がひっそりと引きこもった状態で生きていたという事例が、地元でもたくさん見られるところから、検討されたのかと思います。治療には何とかつなげても、その後、家族が地域資源、社会参加を勧めても、なかなか思うようにいかなかった、もう諦めて、家で抱え続けた結果が、こういうことになったと思うのですが、今後、精神の場合では、医療と福祉が連携した多職種による訪問型治療体制というものが有効だと考えられておりますので、そのようなことを想定して、ここに上げられたのかどうかをお聞きしたいと思います。長期間抱え続けている家族の立場からは、そのような医療と福祉の連携した一貫した支援の仕組みを構築していただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 安藤委員、お願いします。

○安藤委員 先ほどは失礼しました。改めまして、安藤です。
 資料1の1-(1)-4です。同じところなのですが、前段ですが「障害者の地域における居住の場の一つとして」云々とありますが、私も重度障害者なので、全くその通りだと思っているのですが、ただ、いまだに入所施設が人里離れた山奥に立地しているというのは、違和感を覚えている次第です。
 私は、東京の町田市に住んでいて、相模原市が隣町なのですが、昨年7月に、ちょうど1年前に起きたやまゆり園の事件もそうなのですが、その後、やまゆり園に行ってみたのですが、すごく人里離れた場所にあって、こんなところにあるのだということを思った次第です。やはり共生社会の理念からすれば、地域社会に溶け込むことができる立地と規模で、生活の場を整備していくことが大事だと思っています。
 なので、この文章に関しては、大変賛成なのですが、防犯とか、防災の後半部分のところで、やまゆり園の話などがあるのですが、その辺ともう少し整合性を考えていただきたいと思った次第です。
 以上です。

○石川委員長 御意見ありがとうございます。
 加藤委員、お願いします。

○加藤委員 ありがとうございます。加藤です。
 2点あります。
 1点目は、先ほど来、障害のある方たちが、地域の中で主体的な暮らしを安全・安心なうちにというところでの議論がされているわけですけれども、バリアフリーという言葉が再三出てきます。これに関しては、もちろんハード・ソフト両面あるわけですけれども、私的には、バリアフリーの一番の困難さというのは、心のバリアフリーをどうするのかというのが、一番大きな根の深いテーマだと思うわけです。
 そういうときに、やはり国交省で頑張っていただくというのは、もちろん大事なことですけれども、この問題というのは、もっと多岐にわたる各省庁との横の連携の中で、地道な繰り返しの中での努力が必要だと思うのです。ですから、そういう意味で、ぜひそういう方向で、バリアフリーの問題は、特に心のバリアフリーの問題については、ぜひ考えていただきたいと思います。
 2点目ですけれども、今日の資料1-1の5ページの2の(4)のアクセシビリティの話で、情報をいかにそういうハンデのある方たちに伝達するかという、伝達という言葉が再三出てくるのですけれども、アクセシビリティというのは、私の誤解かもしれないのですが、一方的に伝えるというだけでは、意味がないのではないかと思うのです。受信、発信という、ここで使われている伝達というのは、何となくどう彼らに伝えるかという意味合いで、使われているような気がしてしようがないのです。
 私は少し狭い理解かもしれないですけれども、受け取った情報をいかにレスポンスとして発信するかという、そこまで含めてアクセシビリティという問題は考えるべきであろうと思います。そういう意味で、その辺について、どういうふうに思いになっているかも、ちょっと聞いてみたいと思いました。ありがとうございました。

○石川委員長 三浦委員、お願いします。

○三浦委員長代理 身障協の三浦でございます。
 意見を出させていただきます。1-(1)-4のグループホームの部分でございますけれども、この部分が現在の第3次基本計画より、かなり進んだ書きぶりになりましたことに、まず感謝を申し上げます。
 質問です。「重度障害者にも対応した体制の充実を図る」この体制の中には、人的体制、設備などのハード面の体制、両方とも含まれているかどうかをお尋ねしたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 河井委員、お願いします。

○河井委員 河井です。
 三浦委員と全く同じ質問をさせていただこうと思いました。
 以上です。

○石川委員長 他に御質問、御意見はございますでしょうか。伊藤委員、お願いします。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 厚労省なのか、国土交通省なのかを迷っていて、整理がつかなかったのですけれども、この事項にも関係があるので、多分どちらも同じだと思うのですが、難病の中では、失明に至る疾患というのは、結構たくさんありまして、本来であれば、病院に入院して、治療を受けていることと並行して、歩行訓練なり、日常生活の動作なりについての訓練を受けることが、その後の生活やら、身の安全を守る上で大事だと思うのです。
 歩行訓練士というのは、県によっては1人もいない県があったり、いても県に1人か2人でどうにもならないと思うのですが、最近は、余り活躍を聞かないということもあったのですが、結局、国家資格でないために、例えば医療機関では、採用しても報酬が上がらないとか、福祉の世界でも、資格のない分野というのは、忘れ去られているということもあるのですが、そういうことについて、厚労省も身の安全を守るとか、生活の充実のために、何らかの対応をすることをお考えいただけないかということで、ちょっとお願いをしてみたいと思います。

○石川委員長 歩行訓練士の養成ですか。

○伊藤委員 養成と資格です。報酬がなければならないのです。

○石川委員長 ありがとうございます。
 御意見をいただきまして、今、質問に答えられる担当者はいらっしゃいますか。お願いします。

○厚生労働省(社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課地域生活支援推進室:冨原室長補佐) 厚生労働省障害保健福祉部でございます。
 いくつか御質問をいただいたのですが、順不同になってしまうかもしれませんが、お答えいたします。
 安藤委員からの御意見ですが、現在、平成30年度の報酬改定の議論の中で、グループホームについては検討をさせていただきたいと思います。
 飯塚委員から御質問のありました、地域包括ケアシステムに関してですが、大変申しわけございませんが、直接の担当が本日、所用で出席しておりませんので、御意見については、担当に伝えさせていただきたいと思います。
 三浦委員、河井委員から御質問のありました、重度障害者の対応について、人員、設備等が含まれているのかについてですが、現在、平成30年度の障害の報酬改定の議論を行っている中で、検討しているところでございますので、こちらで対応したいと考えております。
 伊藤委員から御質問のありました、失明された方の歩行訓練に関してです。障害福祉サービスにおきましては、自立訓練という制度の中の機能訓練という形で行うことになっておりますが、こちらにつきましては、全国の一律のサービスで行っておりますが、なかなか事業所が増えない等の課題があるという御指摘をいただいているところでございます。こちらにつきましても、現在、報酬改定の議論の中で、何か方策がないか、検討しておりますので、そちらで対応させていただければと思っております。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、このパートは、ここまでとさせていただきます。
 御意見、御質問、御協力をありがとうございました。
 10分休憩させていただいて、2時35分再開とさせていただきます。

(休  憩)

○石川委員長 それでは、皆さん、おそろいのようですので、再開したいと思います。
 ここから先は「2.情報アクセシビリティに関しての向上及び意思疎通支援の充実」につきまして、審議を行います。
 事務局、総務省、厚生労働省から、それぞれ御説明をいただきます。
 まず事務局から、お願いいたします。

○寺本参事官 それでは、資料1-1の2の基本的考え方のところですが、ポイントを申し上げますと、障害者が必要な情報に円滑にアクセスできるよう、情報アクセシビリティの向上を推進していくということ。そのための施策としまして、障害者に配慮した情報通信機器やサービスの企画、開発、提供の促進、あるいは障害者が利用しやすい放送・出版の普及等の取組、また、障害者が円滑に意思表示やコミュニケーションを行うことができるよう、意思疎通支援を充実すること、そのための意思疎通支援を担う人材の育成・確保、サービスの円滑な利用の促進、支援機器の開発・提供等の取組を進めていくことなどを、基本的な考え方として、ここに掲げてございます。
 引き続きまして、総務省及び厚生労働省から、各施策目標等について、御説明をお願いいたします。

○総務省(情報流通行政局情報流通振興課情報活用支援室:本橋課長補佐) 総務省情報活用支援室の本橋といいます。よろしくお願いします。
 総務省から、取組を御案内させていただきます。
 最初に、お手元の資料1-1の4ページでございます。「2.情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実」の中の(1)情報通信における情報アクセシビリティの向上の中の最初の○でございますが「障害者に配慮した情報通信機器及びサービス等の企画、開発及び提供を促進する」ということで、総務省では、助成事業を行ってございます。
 こちらの目標でございますが、目標につきましては、資料1-2の5ページ目、最初に「デジタル・ディバイド解消に向けた技術等研究開発支援」と書いてありますけれども、こちらは、助成金の名前なのですが、こちらの事業終了後、3年以上経過した案件の事業化率を、指標として設定してございます。現状、おおむね4割ぐらい、事業化という形で進んでおりまして、今期におきましても、前年度同率の水準が維持できるように、採択事業者に対する助言等を行っていきたいと考えております。
 次は、資料1-1に戻りますが、(2)情報提供の充実等の中の3つ目の○です。4ページの一番最後の○になりますが「身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律に基づく助成」を行っておりまして「障害によって利用が困難なテレビや電話等の通信・放送サービスへのアクセスの改善を図る」ということで、こちらも助成事業でございます。
 こちらの目標につきましては、先ほどの資料1-2ですが、6ページ目になります。一番上の欄ですが「『身体障害者向け通信・放送役務の提供・開発等の推進』助成終了後2年経過時の事業継続率」というものを、指標として設定しておりまして、現状値としては、大体9割が継続して、事業を行っているということになってございます。こちらについても、前年度同率で、同じ割合で提供できるように、採択事業者に対する指導等を行っていく考えでございます。
 3つ目、私からもう一つありまして、資料1-1の5ページ目です。(4)行政情報のアクセシビリティの向上ということで、一番最初の○です。こちらについては「地方公共団体等の公的機関におけるウェブアクセシビリティの向上等に向けた取組を促進する」ということで、こちらについては、調査研究を行っておりまして、地方公共団体のホームページのウェブアクセシビリティ、例えば音声読み上げとか、そういったものの導入状況について、調査をするという事業でございます。
 目標についてなのですが、これは資料1-2の6ページ目になります。一番下の欄にありますが「公的機関のウェブサイトの情報バリアフリーに関するJIS規格への準拠率」ということで、数字が入っていないのですけれども、現状、調査ができておりませんので、総務省としては、今年度、各地方公共団体の取組状況について、調査をさせていただく予定です。こういった数字を見ながら、計画内の目標値を設定していきたいと考えてございます。

○総務省(情報流通行政局地上放送課:三田課長) 総務省地上放送課の三田と申します。よろしくお願いいたします。
 お手元の資料1-1の4ページ、(2)情報提供の充実等の1つ目の○でございます。字幕放送、解説放送、手話放送につきまして、総務省では、放送事業者への制作費助成を行うとともに、視聴覚障害者向け放送普及行政の指針を策定して、この指針に基づいて取組を行っているところでございます。
 実績につきましては、資料1-2の5ページ、2.の後半にNHK総合や在京キー5局等の平成27年度の実績を記載してございます。28年度分については、集計中でございます。
 目標につきましては、先ほど申し上げました指針について、見直しを行っているところでございまして、平成30年度以降の目標を、今年度中に策定できるよう、取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。

○総務省(情報流通行政局情報流通振興課:金坂課長補佐) 総務省情報流通振興課の金坂と申します。
 私からは、5ページの上から3行目、(2)の4ポツ目になります電子出版について、御説明させていただきます。こちらは、アクセシビリティに配慮された電子出版につきましては、これまでも音声読み上げに関して、ガイドラインを作成し、それに従った施策支援ツールのプロトタイプ開発等を行ってまいりましたが、こうしたことを踏まえまして、今後も、実際の普及に向けた課題等に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○厚生労働省(社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室:田仲室長) 厚生労働省の障害保健福祉部自立支援振興室の田仲と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私からの御説明ですが、資料1-1、計画本文案の4ページ目でございます。厚生労働省の関係といたしましては「2.情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実」の(1)でございますが、(1)情報通信における情報アクセシビリティの向上の○の1つ目でございます。障害者の情報通信機器及びサービス等の利用における情報アクセシビリティの確保及び向上・普及を図るため、障害者に配慮した情報通信機器、それから、サービス等の企画、開発及びこれらの提供を促進するという目標を掲げております。これらのサービスにつきましては、私どもの助成事業を活用しまして、機器の企画、開発、提供の促進を進めることといたしております。
 同じく1つ飛んでいただいて、3つ目の○ですが、国立研究機関等におきましても、障害者の利用に配慮いたしました情報通信機器・システムの研究開発を進めていくこととしております。
 4つ目の○につきましては、障害者の利用する側の利便性に関しましてでございますが、相談等を実施する障害ITサポートセンター、これらも補助事業の助成事業を活用いたしまして、サポートセンターの設置の促進、障害者の情報通信技術の利用、活用、こういったことの機会の拡大を図ってまいりたいと考えております。
 5つ目の○は、聴覚に障害のある人が電話を1人でかけられるよう、支援する電話リレーサービス、今年度から新たに事業化しているものでございますけれども、聴覚障害者等が健常者に電話する際に、間にオペレーター、通訳が介入して、通訳する方式で電話をかけるという仕組みの体制を、構築してまいりたいと考えております。
 (2)情報提供の充実等でございます。○の2つ目でございますが、聴覚障害者に対しましては、字幕(手話)つき映像ライブラリー等の制作及び貸し出し、手話通訳者、要約筆記者の派遣、相談等を行います聴覚障害者情報提供施設につきまして、情報通信技術の発展等に伴う変化にも配慮いたしまして、それに踏まえまして、それらの整備を進めていくこととしております。
 次のページを御覧いただきたいと思います。(3)意思疎通支援の充実でございます。障害のために、意思疎通を図ることに支障がある障害者に対しましては、手話通訳者、要約筆記者、盲ろう者向け通訳・介助員等の派遣、設置による支援を行ってきておりますが、こうしたことをさらに進めていくとともに、こうした方々の人材の育成・確保を図りまして、さらにコミュニケーション支援を充実させていきたいと考えております。
 2つ目の○は、情報コミュニケーションに関する支援機器を必要とする障害者に対しましては、助成事業でございますけれども、日常生活用具の給付、または、貸与を行いますとともに、これら機器の開発の促進にも進めてまいりたいと考えております。
 3点目でございますが、意思疎通に困難を抱える人が、自分の意思や要求を的確に伝えて、正しく理解してもらえるよう支援するために、絵記号等の普及、理解の促進などについても、さらに積極的に進めてまいりたいと考えております。
 資料1-2の目標設定でございます。成果目標でございますが、こちらにつきましては、5ページ目「2.情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実」のところで、目標分野の1つ目としまして、アクセシビリティの向上のところですが、把握すべき状況の2つ目に、意思疎通支援に資する機器の実用化に向けた状況ということで、把握すべき状況を掲げてございます。
 指標として用いさせていただいていますのは、障害者自立支援機器等開発促進事業、この開発助成を経まして、製品化された機器の累計数を掲げてございますが、助成から製品化まで、数年間の日時を要するものもございますので、直近の状況といたしましては、27件という数字になっておりますが、30年の目標といたしましては、大きな数字でございますが、84件、助成事業の助成状況等を勘案いたしまして、こういった件数を掲げさせていただいておるところでございます。
 同じくその下の情報提供の充実の目標分野のところでございますが、次のページを御覧いただきまして、上から2行目、地域における障害者向けの情報提供を行う拠点の整備でございます。ここにつきましては、指標といたしまして、聴覚障害者情報提供施設を設置している都道府県数を掲げてございます。28年度の数字としまして、45都道府県に設置されておりますが、あと2県になりますけれども、30年を目途に、47都道府県、全県に設置を図ろうということで、目標値を掲げております。
 その下の意思疎通支援の充実の部分につきましては、先ほど申し上げました機器の開発助成の製品化の設定と同様でございますので、再掲として、掲げさせていただいております。
 私からの説明は、以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、委員から、御質問、御意見を受けたいと思います。
 挙手をお願いいたします。
 最初に、飯塚委員、お願いします。

○飯塚委員 5ページの(4)行政情報のアクセシビリティの向上というところで、最後の4つ目の○なのですが「各府省において、特に障害者や障害者施策に関する情報提供及び緊急時における情報提供」ということが書かれていますが、ここの「知的障害者等」となっている後に「・精神障害者」とはっきり入れていただきたいと思います。
 通常の冷静な場ですと、判断はできるのですが、周りの環境、異常な音などが発生したときにパニックに陥りやすい、そういう精神障害者の特性をよく理解した上で、何か起きたときには、丁寧な対応をしていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 阿部委員、お願いします。

○阿部委員 日身連の阿部です。
 私は、5ページの(3)意思疎通支援の充実の2つ目の○について、お話させていただきたいと思います。ICTの様々な充実によって、例えばALSの方のコミュニケーションということも、実現できるようになってまいりました。そして、機器の開発ということで、ここに書いてありますけれども、もちろんこれも大事です。しかし、それをサポートする人材も大事なのではないかと思いますので、人材の育成についても、その実態を教えていただくとともに、その内容をここに言及すべきだと思っています。
 以上です。
 私、仙台なのですけれども、仙台でもこの事業にとても取り組んでおりまして、学生の方々が、支援員としていろいろ研修を受けて、取り組んでいる実態がありますので、少し申し述べさせていただきました。よろしくお願いします。

○石川委員長 ありがとうございました。
 辻井委員、お願いします。

○辻井委員 辻井です。
 今回の指標なのですが、機器が開発されてくるということが、情報のアクセシビリティの向上に2件、再掲という形で、意思疎通支援の充実というところで、機器の開発が入っているのですが、機器が開発されることで、情報アクセシビリティが向上したということの指標に、イコールではないのではないかと思います。
 実際に、それが情報アクセシビリティに、障害を持った人たちがそれを活用して、アクセシビリティが上がったのかどうかが問題であって、ここで開発されているものがどう活用されたのかがわからないような指標を上げても、情報アクセシビリティが向上したかどうかとか、意思疎通支援が充実したかどうかはわからないわけですので、指標に関して、こういうものがどの程度利用されているかとか、このことによって、どのぐらい情報アクセシビリティが向上し、意思疎通支援が充実したと、当事者側の人たちが感じて、利用者が感じているのかどうかということを、きっちり把握いただけることが重要ではないかと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 三浦委員、お願いします。

○三浦委員長代理 厚労省で御説明をいただいた部分に関係して、資料1-1の2の(2)の○の5つ目のところに、心身障害者用低料第三種郵便の記載がございますけれども、今、第四種も含めて、検討されているということで、もしそうでありましたら、教えていただきたいと思います。
 現状で、検討の実態の中で、広告があると対象とならないという内容があるようですけれども、これを使って、丁寧に活動の報告をなさっているところ、それから、啓発活動されているところに関しましては、紙代、印刷代などがかかるので、一定の量で広告を認めてほしいという御意見がありまして、そこを教えていただければと思います。
 2番目でございますけれども、その下の(3)の1つ目の○のところですが、それから、2つ目の○とも関係するのですけれども、「意思疎通支援」について、視覚、聴覚の方々を初めとして、重度身体障害、ALSの方や重度脳性麻痺、筋ジスの方々と、まばたきなどでコミュニケーションをなさる方々の意思疎通支援も、極めて重要だと思われます。絵記号だけではなく、例えば口文字のコミュニケーションであるとか、そういう部分の支援ということを書き込んでいただきたいという意見です。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 平川淳一委員、お願いします。

○平川(淳)委員 ありがとうございます。
 私は、精神科のほうですが、アクセシビリティの向上というのは、大変大賛成なのですけれども、精神の場合、向上し過ぎて、逆に困った問題も出てくることがあるので、申し上げておきたいと思います。
 例えば統合失調症等で、病気がはっきりしていない方で、制度を非常に拒む方がいらっしゃいます。皆さんがいいということで、逆にすごくその制度の利用から離れていくという方もいらっしゃるのが、1つ心配なことです。
 自立支援という考え方でいくもので、障害者の自立ということでいくと、既に自立しているのだから、こんな制度は要らないという考え方も出てきて、敷居を下げることの逆効果ということも、考慮していただきたいというのが1つ。
 自立支援の場合は、所得による上限管理がありまして、今、それを医療機関の窓口でやっているのですけれども、これも各民間の医療機関が窓口をやることでのアクセシビリティを悪くしているという面もあると思うので、その点も改善をしていただきたいと思います。
 もう一つ、アルコール依存症、これが精神障害に今のところ当たりますが、テレビ等で、この時期になりますと、ビールのコマーシャルをさんざんやることで、非常に病気を再発される方が増えます。これもアクセシビリティをよくし過ぎることで、弊害が出る懸念があるので、アクセシビリティの向上とともに、内容の検討をぜひお願いしたいと思います。

○石川委員長 御意見として頂戴いたしました。
 安藤委員、お願いします。

○安藤委員 安藤です。
 5ページ目の2-(2)-4です。電子出版に関することなのですが「視覚障害や学習障害等により」と書いてあるのですが、私も重度障害者で、上肢に障害があって、本を読むことが困難なのです。なので、ぜひ「上肢障害」も列挙していただければと思っています。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 伊藤委員、お願いします。

○伊藤委員 今日は、発言しようとしていたことの大部分は、三浦委員と阿部委員がお話してくださっていいのですけれども、今までもそういうITなどを用いた重度の障害、あるいはALS等の難病患者への支援、そういうものも列記してほしいとお願いしていたと思うのですが、依然として、例えば5ページでも、手話通訳者、要約筆記者、盲ろう者向け通訳、介助員、点訳奉仕員という形で、何か一昔前の状況だけ書かれているような気がして、私は強目に発言いたしますが、これでは進まないです。状況が変わっているし、いろいろな病気も出てきているし、いろいろな障害もある。コミュニケーションの手段は、大変大事だと思います。
 そこで、これは大事だということは、既に言っていただいたので、それを抜きにしましても、あちこちに開発ということがいっぱい書いてあるのです。開発とか、普及を図る。これを各省では、図るというのは、どの程度図ると言っているのか、あるいは開発というのは、研究まで含めた開発なのか、そこをどこの省が責任を持って、人材は厚労省にしても、こういうコミュニケーションの研究開発というのは、どこがやるということを想定して、ここで言っておられるのか、経産省なのか。
 もっと率直に言えば、一番懸念しているのは、そういう新しいものの開発というのは、産業に結びつきますので、どうしても経済的なリターンがあるものを中心に、研究開発されていく。そうすると、ごく少数の難病患者や重度の障害のためというのは、結局、後回しになってしまうのではないかという気がしまして、そこのあたりは、どのようにコントロールされていくのかは、もしどこかでお答えできるところがあったら、承っておきたいと思います。

○石川委員長 ありがとうございました。
 久保委員、お願いします。

○久保委員 育成会の久保です。ありがとうございます。
 情報アクセシビリティの向上と意思疎通支援という部分は、知的障害、発達障害にとっては、とても悩ましい課題なのです。そういうのは見たところ、障害のいわば他の意思疎通支援に課題のある障害のある方に比べて、非常に見えづらいのです。ですから、知的障害者の社会参加を阻むバリアになっているということが、社会的に余り認識されていないのではないかということを思っています。
 意思疎通支援をする上で、情報アクセシビリティは重要になってくるわけですから、関連があってのことですので、意思疎通支援のくだりのところに「知的・発達障害」を明確に位置づけていただきたいと思っています。
 それと、知的・発達障害の情報提供のあり方が、特にわかりやすい情報の効果的なあり方で、見えるし、聞こえているのだけれども、理解ができないというところが、知的障害、発達障害の人の特徴ですので、見えなければ音声で、聞こえなければ文字でとか、そういう問題でもなく、とてもわかっていただきにくいという部分がありますので、その辺のところをわかりやすい、効果的なあり方をしていったらいいのかを、国としても、研究をしていただいて、後押ししていただきたいと思っています。
 そして、情報アクセシビリティを知的・発達障害への合理的配慮の大きな柱と位置づけていただいて、好事例とか、積極的な取組を紹介することも含めて、地方自治体などに対しては、わかりやすい情報の提供を、障害者差別解消法で課された義務として、取り扱っていただけるように、周知徹底をしていただきたいと思っています。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 私の手元では、大河内委員、大日方委員、佐藤委員、玉木委員、竹下委員、石野委員が発言を求めていらっしゃいまして、最後までいっていいですか。途中で1回止めますか。答弁する側の御都合はいかがでしょうか。どちらでも同じでしょうか。最後までいってもよろしいでしょうか。
 いきましょう。大河内委員、お願いします。

○大河内委員 大河内です。
 2点ございます。1点目は、阿部委員がおっしゃられたことに近いのですけれども、まさにICTを、特に意思疎通に利用するような障害を持つ人たちにとっては、単にICT機器を届けるだけでは、利用につながらないというところがありますので「専門的なICTの支援者、サポーターの充実を図る」ということを、明確に書いていただきたいと思います。
 情報アクセシビリティの向上のところに「ITサポートセンターの設置の促進」ということが書かれているのですけれども、多分ITサポートセンターというのは、情報入手だったりとか、利便性に期する利用についての相談というところが、充実させているのですけれども、継続的なサポートだったりとか、導入支援とか、専門的な特に意思疎通のICT利用に関する知識とか、フィッティングみたいなものについては、充実されていないと認識しておりますので、その辺の充実が図られることを、どこかに書き込んでいただきたいというのが1つです。
 もう一つは、ユーザーの研究開発への参画というところも、どこかに書き入れるといいと思います。ニーズの把握等々については書かれていますし、研究開発の推進ということも書かれてはいるのですけれども、ユーザーが参画することによって、もちろん機器として良くなるということも同時にありますけれども、例えばユーザー自身の雇用だったりとか、社会参加にもつながる可能性がありますし、さらにモニタリングの充実というところで、ユーザーと開発者との距離を縮めながら、いい機器をつくっていくというサイクルも生まれてきますので、研究開発への当事者の参画ということも、どこかに書き込んでいただけるといいと思いました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 大日方委員、お願いします。

○大日方委員 ありがとうございます。大日方です。
 私は、情報通信における情報アクセシビリティの向上のところで、1つ足していただきたい視点がございます。現在、10年ぐらいの間に、情報の発信者が増えているように思えます。インターネット等で、誰もが情報を発信できる、そういう状況になってきますと、むしろそういった方々がウェブアクセシビリティとは何なのか、どういうふうにすれば、わかりやすいホームページがつくることができるのかということについての情報を、非常に求めている時代だと思います。
 ここの中で、(4)行政情報のアクセシビリティの向上のところでは、地方公共団体等の公的機関のウェブアクセシビリティというものについて、促進していただくというのがありますが、民間の事業者、あるいは発信する側、多くの人たちにウェブアクセシビリティとは何なのか、どういうものなのかということを伝えること、これについても、取組をしていただきたいと思います。具体的に(1)の1つ目の○のところ、ここにもう少し足すのか、あるいは項目を1つ増やすのかというところだと思います。
 加えまして、一体どのようなものがわかりやすいものなのかというところで、ユーザー自身が評価するという仕組みも大切だと思いますので、先ほど大河内委員からもお話がございましたけれども、ユーザー自身がこういったものの評価をすることも、ぜひ取り組んでいただければと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 佐藤です。
 3点あります。
 まず日本には、情報アクセシビリティを体系的に整備する法律がありません。ですので「法関係について検討する」と、ぜひ記載していただきたいと思います。これは権利条約の9条や一般的意見第2号を読んでいても、アクセシビリティというのは、ハードだけではなくて、情報アクセシビリティもたくさん書いているのです。しかし、日本では、該当する法律がありませんので、整備がなかなか進まない要因になっていると思いますので、ぜひ法制化を検討していただきたいと思います。
 2点目なのですけれども、今回「電話リレーサービスの実施体制を構築する」と入れていただきました。これは非常にいいと思っているのですが、さらに踏み込んで、具体的な取組をぜひ記載していただきたいと思います。電話リレーサービスは、先進国では、ほとんどの国で事業者が実施しておりますし、アジアでも、韓国とタイで既に実施しています。国際的なバリアフリー整備の基準であるICPアクセシビリティ・ガイドでも、電話リレーサービスを提供するように書かれているのですが、日本の東京2020オリパラに向けて、東京2020アクセシビリティ・ガイドラインを策定しましたが、ここには残念ながら記載できずに終わりました。この分野は、日本では非常に遅れております。ぜひ確実に実施するように、取組を記載していただきたいと思います。
 最後なのですが、これはここで言ったほうがいいかわからないのですが、アクセシビリティに配慮した公共調達のことも、ぜひ計画に盛り込んでいただきたいと思います。前回、ジェームス・サーストン氏が講演で話されていたように、アクセシビリティの公共調達の基準をつくることは、機材、ウェブ、いろいろなものの整備に効果的だというお話がありました。日本では公共調達の基準はありませんので、普及がなかなか広がらないという背景があると思います。一般的意見第2号のパラグラフ32でも、公共調達に関する自国の法律も検討しなければならない。締約国は、公共調達の手続に、アクセシビリティ要件を盛り込むことを確保しなければならないとありますので、ぜひこれも盛り込んでいただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 玉木委員、お願いします。

○玉木委員 ありがとうございます。玉木です。
 私は、情報アクセシビリティの向上をどうするか、意思疎通支援に関連して、包括的にお話をさせていただきたいと思います。
 先ほど辻井委員もおっしゃったように、機器開発などをどんどん進めていくというのは、わからないこともないのですけれども、そのことによって、逆に生きづらさ、使いづらさなどを、私などは、ひしひしと感じております。
 例えばインクルーシブの視点に立って考えたときに、携帯電話というのは、だれもが使っています。私などは、スマートフォンが使えないので、ガラケーをいまだに使っています。そうすると、半期に1回ぐらいは、スマホに変えませんかキャンペーンのはがきが送りつけられてきます。故障すると、以前まではショップに持っていったら、対応してくれていたのですけれども、最近は、ショップで対応してくれなくて、要は電話対応で、機器のやりとりをしてというすごく手間がかかる状況があります。しかも、電話も、ダイヤルすると、まず音声案内が流れて、該当するところの番号を押せから始まります。
 私は、できれば対面というか、特に言語障害があって、電話の聞き取りは、お互いしんどいところもあるので、対面サービスで、初めてスムーズにいくということが多々あるのですけれども、結果的に電話の音声案内も、人としゃべれずに終わるということがいっぱいある中で、本当に今の通常生活に行われている情報機器が進むにつれて、実はついていけていない人たちがいる中で、もう一回、ただ単に情報機器が開発するだけではなくて、今ある割とアナログに近いような情報アクセスする仕組みなども、きっちりと評価して、活用していただくような仕組みも考えていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 竹下委員、お願いします。

○竹下委員 ありがとうございます。竹下です。
 数が多いのですけれども、整理します。
 1番目は、解説放送なのですけれども、これについて、目標値のところが重要だと思うのです。御覧いただいたらわかるように、解説放送は、現状は、非常に低い状態です。今年度中に目標を決めるということですけれども、差別解消法や権利条約の批准を踏まえて、より内容の発展を期待したいと思っておりますので、その目標設定は、適切なものにお願いしたいと思っています。
 2番目は、(2)の電子書籍のところですけれども、気になるのは、電子書籍そのものは、この内容でいいのですが、そんなに爆発的に広がっているという感じはない中で、今でも紙媒体の情報、あるいは書籍に対するアクセスがきちっと保障されていない。このことを解決するためには、先ほど佐藤委員が言ったような法律の制定が必要なのか、あるいは権利条約の批准を踏まえた改善を意識した立法が必要なのか、そこも踏まえた対応をお願いしたいと思っております。
 次の(3)の1ですけれども、ここに点訳は入っているのですが、代読・代筆が入っておりません。視覚障害者の立場からは、大きな問題が欠落していると思っております。少なくとも代読・代筆というのは、まさに機器を要せずに、すぐに周辺の人間によって、対応できるものですし、制度的に解決すること自身も、重要な視点から言うならば、代読・代筆を担ってくれる専門家の養成も意識した記載が必要だと思っております。
 次は、(4)のところですけれども、災害時の伝達なのですが、この部分の記載そのもののクレームというよりも、記載内容からいうと、意識されていないと思うのは、例えばテレビ等で緊急時の放送等がされても、文字の表示があっても、音声がなければ、全く視覚障害者に伝わらないということが、常にここの場所でも申し上げていると思うのですけれども、意識された記載内容になっていないと思うので、ここをきっちりしていただきたいと思っております。
 同じく(4)の中ですけれども、選挙のところですが、選挙公報を1つとってみても、非常に不完全なものが配布されている自治体がたくさんあります。法律の改正まで必要なのかどうかわからないのですけれども、一部の自治体では保障されていて、他の地方では選挙公報が保障されないというのは、極めて選挙という性質からも、あってはならないことだと思いますので、ここを日本全体で一律に解決されるような方策を、この中に記載していただきたいと思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 最後に、石野委員、お願いします。

○石野委員 全日本ろうあ連盟の石野です。
 私は聞こえません、また話せませんので、手話を通して、相手の話を聞く、伝えるというコミュニケーション方法を大切にしております。
 政策委員になって5年目になりますが、今のように情報アクセシビリティについて、全体的に議論を深めてくださることは、誠に喜ばしいことです。最初のころは、情報アクセシビリティについての議論も少なかったのですが、現在は増えてまいりました。
 先ほども佐藤委員の話にあったように、情報アクセスのための法整備が必要だと思っております。それと同時に、手話言語法も整備しなければならないと考えております。
 質問が2つあります。3つ目は意見となります。
 まず2つの質問ですが、多分、総務省に関することだと思います。5ページの数値目標に関しまして、障害者に配慮した放送の指針、支援の進捗状況です。対象の放送番組かどうかを知りたいのですが、例えば国会中継の放送は対象外なのか、対象内なのかどうか。実際に国会中継のテレビには字幕も全くついておりません。対象外になると思いますが、国会中継以外にも対象外のものがあれば、教えていただきたいと思います。そうなりますと、数値目標が変わってくると思います。私の考えとしましては、対象外も含め、100%努力していただきたいと思っております。
 2点目の質問です。電話リレーサービスのことです。今年、厚生労働省の事業として全国4カ所の聴覚障害者情報提供施設で電話リレーサービス事業を開始しました。本来は、総務省がやるべき事業だと思っています。総務省としては、電話リレーサービスについて、今後、どのような方向でお考えなのかお聞きしたいと思います。それが2つ目です。
 3つ目は意見です。行政情報のアクセシビリティの向上というところです。これには、緊急通報が載っておりません。110番は警察、119番は消防ですが、3つ目に118番、これは海上保安庁関係です。
 実際に、最近のことですが、聞こえない人が船舶に乗っておりまして、海難事故があり、電話ができなくて、電話リレーサービスを通して救助を求めたということがありました。緊急通報には海上保安庁の118番も加えていただきたいと思います。

○石川委員長 ありがとうございました。
 最後に私からも、何点か、意見ないし質問をさせていただきたいと思います。
 先ほど佐藤委員もおっしゃっていたように、情報アクセシビリティという分野は、日本の障害者施策の中では、弱点、ウィークポイントと言える部分であると思っております。では、どうするのかということで、現実的な提案を少しさせていただきたいのですけれども、あるいはこの政策委員会として、述べられる意見ということで、述べさせていただきたいと思います。
 まず5ページの2-(2)-4というところがあるのですけれども、三浦委員長代理に、美しい声で読んでいただいてよろしいですか。

○三浦委員長代理 「電子出版は、視覚障害や学習障害等により紙の出版物の読書に困難を抱える障害者の出版物の利用の拡大に資すると期待されることから、関係者の理解を得ながら、アクセシビリティに配慮された電子出版の普及に向けた取組を進めるとともに、教育における活用を図る」。

○石川委員長 そういうふうに書かれているのですけれども、ここで私が気になるのは「関係者の理解を得ながら」という表現なのです。ここが、なぜ関係者の理解を得ないとできないような、そんなに優先度の低い話なのかということで、わからなくはないのですけれども、しかし、こう書いてはいけないのではないかと思うのです。この点について、御意見というか、御判断をいただきたいというか、削除すべきと考えますけれども、いかがかということです。
 サーストン氏の講演の中で、アメリカでは、既に放送のアクセシビリティがさらに前に進んで、インターネットテレビのアクセシビリティを進めていくために、21世紀CCVA、コミュニケーション映像アクセシビリティ法という法律をつくったと言っているのですけれども、インターネットテレビにおける字幕付与であるとか、そもそもパソコンやモバイルデバイスを使って、例えば視覚障害者で、チャンネル操作等ができない状況は、情報障壁として大きいと思うのですけれども、インターネットテレビのアクセシビリティに関する指針、あるいはそれも包括したようなガイドラインを、第4次の基本計画の中で策定して、促進を目指すことはできないだろうかというのが、2点目です。
 ウェブアクセシビリティについても、各国は、非常に重視して政策をやっておりまして、日本でも、公共サイトについては、みんなの公共サイト運用指針を策定して、実施の成果を高めようと御努力されておられるわけですけれども、先ほど大日向委員もおっしゃったように、民間のウェブサイト、お店であったり、つまり事業者として、お客さんと接しているインターフェース、あるいは店頭なわけです。そこに障壁があるというのは、ウェブアクセシビリティ問題なわけでして、それに対して、何も施策がないというのは、非常に問題であると考えていまして、ウェブアクセシビリティの民間事業者に対して、ガイドラインを発信できないだろうか。
 もしできるとしたら、あるいはやるとしたら、どこが所管なのか。これもなかなか難しい問題で、根拠法がないと、所管がどこかもよくわからないという問題があろうかと思うので、これにつきましても、差し当たり総務省から、御自分のところが所管なのか、所管でないのかぐらいの話をお聞きできればと思います。
 情報だけではなくて、物理的な障壁や意思疎通の障壁も含めて、障壁問題、広い意味でのアクセシビリティ、つまり佐藤委員がおっしゃった権利条約9条でいうところのアクセシビリティに関して、政策を前に進めていくためには、権利委員会が求めているようなアクセシビリティ法制は必要なのですけれども、差し当たりこの委員会として、申し上げられることとして、それぞれの所管において、アクセシビリティに関する環境整備指針を策定するということは、できることではないかと思っております。
 例えば金融庁であれば、銀行等のアクセシビリティガイドラインについて、策定することが可能ではないか。実際、様々な働きかけをされていて、アンケート調査もされているし、それなりの実績も出ていますので、それをガイドラインにすることについては、恐らく可能ではないかと思いますし、あるいは環境省であれば今、国立公園満喫プロジェクト有識者会議をなさっていますけれども、ビジターセンターにおけるアクセシビリティみたいなことも、議論の中に入れて、ビジターセンターの技術指針の中に、アクセシビリティに関わる項目を入れていただくとか、文化庁であれば、美術館や博物館のアクセシビリティ、スポーツ庁であれば、スポーツ施設のアクセシビリティに関する環境整備指針をつくる気になれば、できるのではないかと思うのですけれども、その辺につきましては、今日、すぐということではないのですが、次回、差別解消のテーマとして、各論としてありますので、その際に、それぞれの所管として、検討の余地があるか、ないかみたいな話を、1つでも、2でも結構ですので、していただけるところがあると、大変ありがたいと思っております。
 以上でよろしいでしょうか。他に何かございますか。
 阿部委員、どうぞ。

○阿部委員 意思疎通支援のときに、喉頭摘出の方々の努力と意思疎通のための支援というのも、すごく大事なのかと思いまして、喉頭摘出の団体はこの会議にいらっしゃらないので、発言させていただきました。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、少し時間がございますので、総務省、あるいは最後の私の提案に関しましては、事務局からお返事いただければと思いますので、まず総務省から、お願いいたします。

○総務省(三田課長) それでは、私の担当分について御説明をさせていただきたいと思います。
 竹下委員から解説放送の御指摘をいただきました。先ほど申し上げましたように、総務省では、今年度に、解説放送、字幕放送、手話放送について、平成30年度以降の目標をどのように立てていくかという検討を行うことにしておりますので、いただいた御意見を踏まえて、関係者の方々と議論していきたいと思っております。
 石野委員から、字幕放送の対象はどこまでなのかというお話があったと思います。対象外となっているものの例を申し上げますと、例えば複数人が同時に会話を行うような生放送番組、外国語の番組、大部分が器楽演奏の音楽番組などが対象外となっております。
 国会中継につきまして御指摘をいただきましたけれども、進めるべきだとは思うのですが、一方で、論点もいくつかございます。生放送で国会中継を行っている場合、字幕が少し遅れて表示されますので、例えば与党議員の御発言の字幕が、野党議員の御発言の画面上に表示されるとか、最後に御発言された議員の字幕が表示されないなど、いろいろな論点がございます。そのような論点を含めまして、しっかりと議論をしていく必要があると思っております。
 私からは、以上でございます。

○総務省(本橋課長補佐) まず最初に、たしか伊藤委員だったと思うのですけれども、研究開発について、その開発の促進というのは、どこまでやったらというお話があったと思うのですけれども、ここは我々の総務省で、助成金をやっていて、確かに機器開発をやっているのですが、総務省の運用についてどうかという観点で申し上げます。
 我々の助成金では、当然開発は国費を使ってやる部分ですので、やるのですけれども、そこで終わってしまうと、表現が悪いですが、やりっ放しみたいな話になってしまうので、我々は採択をして、開発をした機器に関して、例えば機器展示会みたいなものがありますので、そういったところで出品を実際にしてもらって、周知広報を図るとか、あとは、実際に開発段階のところが、今のことは、できた後の話ですけれども、開発途中に、今年度から試行的にやろうと思っているのですが、例えば理学療法士とか、実際に障害のある方々をサポートされている方々の意見を取り入れながら、機器開発をやっていきたいと思っております。やっている最中とやった後という感じで、外部の意見を含めながら、機器開発を進めていくということでございます。
 実際に数値がどこまでというお話も、数値を目標にするのはいかがなものかというお話もあったのですけれども、100個開発できたからいいかとか、200個開発できたらいいのかという問題では、確かに御指摘のとおりないと思っていて、結局つくったものが皆さんに使われないと意味がありませんから、できるだけ使われる技術とか、使われるサービスが出てくるように、あらかじめ皆さんの意見を踏まえて、研究開発を進めていきたいと考えてございます。
 石野委員からお話のあった、電話リレーに対するスタンスなのですけれども、私のいる部署では、研究開発を目的とした助成金で、従来から電話リレーサービスに対する支援というのは、やってございます。これは、助成金の実施要領で条件が決まっておりまして、今、最初の5年間は支援するという形でやっている状況です。今後、どのように電話リレーサービスを普及させていくのかというのは、ろうあ連盟の皆様を含めて、いろいろな方から御意見をいただいているところでございます。今年度から、ろうあ連盟様でも、検討会を開催すると伺っておりますので、そこに、我々も参加させていただいて、オブザーバー参加になりますが、そういう場を通じて、皆様の御意見を踏まえながら、今後、どのようにしていくのかというのを検討していきたいと考えてございます。
 最後に、石川委員長からのウェブアクセシビリティの話もございましたけれども、総務省では、国・地方公共団体が解説するホームページのウェブアクセシビリティの向上ということで、ガイドラインのお話も、石川委員長から御紹介いただきましたけれども、ああいったものを出し、そして、各サイトがガイドラインに準じて、適当に動くかどうかというmiCheckerというツールも開発して、そういったものを自治体に提供しているところでございます。  その範囲を例えば小売店とか、流通業みたいな、他の業種に移していくというのはあると思うのですけれども、所管の観点からいうと、各業界でやられる取組については、各所管の役所で御指導いただくことと思います。
 ただ、御指導をいただく際に、総務省がつくったガイドラインとか、miCheckerというツールで、そういったものは、参考にしていただくことはできると思いますので、我々としては、別にどこかの業界には出さないということは、そういうことは一切申し上げず、国費でやってきたものですから、そこは前広に提供させていただいて、少しでも小売店とか、いろいろな業界の方がホームページを持って、ビジネスされていると思うのですけれども、ウェブを介したビジネスというのが、もうちょっと使いやすくなるようなツールにしていただければと考えてございます。

○総務省(金坂課長補佐) 私から、電子出版の関係を御説明させていただきます。
 まず初めに、安藤委員からありました「視覚障害や学習障害等により」というここの部分ですけれども、確かに2つに限られるものではございませんので、御指摘のとおり、やらせていただきたいと思います。
 石川委員長からありました「関係者の理解を得ながら」というところでございますけれども、御承知のとおり、こういった電子出版となりますと、紙に加えて、著作権者のほうで、そういった普通の健常者の読者の方に向けて、そういったことが障害のある方だけにいくのかといったところが、不安になるみたいな話があるということも含めて、こういった書き方をしていると思うのですが、関係者の理解を得るということは、ある意味当然でございますので、削除するということになっても問題ございません。
 以上です。
 あと、総務省については、担当が出席していない部局がございますので、それについては、別途説明させていただきます。

○総務省(大臣官房企画課:籏野課長補佐) 総務省でございます。
 先ほど質問いただいた件で、2件ですけれども、三浦委員から話がございました郵便の件です。第三種郵便の件で、第四種も検討しているという話があるなどがございましたけれども、申しわけございませんが、今日、担当官がおりませんので、担当官に伝えさせていただきまして、次回、お返しさせていただきたいと考えております。
 もう一つ、竹下委員からだと思いますが、選挙公報の件で、御意見がございましたけれども、こちらにつきましては、7番の2のところで、次回以降になると思いますが、行政等における配慮の充実のところで、選挙等における配慮がございますので、そちらで議論させていただくということで、事務局などと相談させていただいておりましたので、担当官に御意見を伝えさせていただきますが、また、そちらでお返しさせていただければと思っているところでございます。
 以上です。

○厚生労働省(田仲室長) 厚生労働省でございます。
 何点か御質問をいただいたと思いますが、まず開発機器に関するサポート人材の育成等の関係で、御質問をいただいたと思います。私ども助成事業の中に、地域支援事業がございまして、その事業というのは、各自治体の実情に応じた柔軟に対応していただくような、いろいろなメニュー事業の中に含めて、実施している事業がございますが、そういった助成事業の中で、名称はパソコンボランティアの養成事業になってございますけれども、こうした新たな情報機器等の取扱いに関するサポート人材等も含めた事業を、この助成事業をもとに、行われているところでございますので、そうした人材の育成につきましても、引き続き、取り組んでまいりたいと考えております。
 国立障害者リハビリテーションセンターでは、情報機器だけに限らず、福祉機器全般の関係になると思いますけれども、福祉機器専門職員の研修なども実施しておりますので、こういった専門職員を、各地方自治体で御活用いただきながら、こうしたボランティアの育成等につなげていくという取組も含めて、取り組んでいきたいと思っております。
 開発に関して、当事者の参画という御意見もいただいたところでございますが、新規開発の中では、当事者の方々にモニタリングをしていただくということを必須として、機器開発等に取り組んでいるところでございますので、そうした中で、ユーザーの意見が開発に反映されるような仕組みとなっておりますので、こういった取組を進めてまいりたいと考えております。
 意思疎通に困難を抱える方というところの表現等について、御意見をいただいたところでございますが、こうした表現については、どういった表現ができるか、改めて考えさせていただきたいと思っております。
 代筆・代読者など、専門家の養成について触れてほしいという御意見もあったと思います。文面上は「点訳奉仕員等」に含んでいるということでございますが、表現等につきましては、ただいまの御指摘いただきました御意見を踏まえて、考えさせていただきたいと思います。
 私からは以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 内閣府からもお願いできますでしょうか。

○寺本参事官 それでは、先ほど石川委員長からも御指摘をいただきました、意思疎通支援、あるいは一連の情報アクセシビリティの向上に関しての取組を進めるための環境整備につきまして、各省においても、それぞれ取組を実施いただいていることだと思います。
 そういう意味では、環境整備に関しての指針の作成等、既に一定程度行われているものと思っておりますけれども、これから4次計画の総論の部分で、以前、議論いただいた際におきまして、アクセシビリティの向上の環境整備について、非常に横断的に取り組んでいくということを、総論の部分でも盛り込まさせていただいているところでございます。
 この取組をさらに進めていくという観点から、それぞれの施策において、どのような取組があるのかということに関しては、次回の委員会においても、それぞれの省庁の立場の中で、取組状況などが報告いただけるということを、事務局でも必要な対応の準備をさせていただければと思っております。

○石川委員長 ありがとうございます。
 差別解消法の対応要領と対応指針を、各省、とても御努力されて、いいものをつくっていただきまして、その効果は着々と出ていると思いますので、次のステップとして、環境整備は、努力義務ではございますけれども、段階的に進めていくという観点から、差別解消法という枠組みの中では、努力義務となっているということであって、決してそれが施策としての優先度が低いという意味では全くないことで、むしろこれが基盤にあって、ようやく質の高い合理的配慮が適用できるという趣旨ですので、かつそれぞれの所管におかれましては、環境整備指針に相当するような取組をされているところは、少なからずありますし、指針とは言わないまでも、そのような働きかけや要請を、御監督されている業界に対してなさっていて、成果を上げていらっしゃるところも、少なからずありますので、1回、環境整備指針のような形で整理して、そうすると、それぞれの取組のアウトカムみたいなことも、はっきりと見えてくると思いますので、ぜひ前向きに御検討いただければ、ありがたく思います。
 それと、あと一点、インターネットテレビにつきましても、インターネットテレビのアクセシビリティを進めていくような施策について、総務省として御検討いただくことはできないかというお話をさせていただいたのですが、繰り返し申しますと、例えばパソコンで視聴する、あるいはモバイルデバイス、スマホなどで視聴するという場合、ボタンを押して、チャンネルを選んだりとかという、そのボタンが論理的に見えないといいますか、そうすると、先ほど開発された支援機器等でも、どんなによくできた支援機器であっても、情報がなければどうにもならないので、支援機器とユニバーサルデザインの共同作業によって、アクセシビリティが実現するものですから、インターネットテレビ側でのアクセシビリティの対応というのを進めていただく必要があると考えていまして、それについて、これは総務省の御所管の範囲内だと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○総務省(籏野課長補佐) 総務省でございます。
 総務省でどういった関わりができるか、まだはっきり答えられないものですから、持ち帰って、省内で確認させていただきたいと思います。申しわけございません。

○石川委員長 他に委員から御質問、御意見はございますか。
 伊藤委員、お願いします。

○伊藤委員 先ほどでき上がったものに対して、障害を持っている方で利用される方が、試してみてみたいな、いわば被験者みたいな感じといいますか、そういう意見を述べる立場みたいなことをおっしゃっていましたけれども、医療や福祉に関する研究については、アメリカでは、当事者が参加していない研究や論文は、もう認められないというところまできていて、日本で医療や福祉を研究する機構のAMEDも、その方向をきちんと方針に打ち出すということで動いているのですが、そのことに関する正式な資料というのは、担当している省庁から、この委員会に持ってきていただくということはできないものか。
 まだはっきりはしていないということもあるのでしょうし、私の記憶が少し曖昧だということもあるのですけれども、今、むしろそういう機運にあることは間違いありませんので、様々な研究開発に今後、当事者がどう参加していくかということについては、当事者側も対応なり、参加するなり、研究ですから、ただ、でき上がったものを試すなどということではなくて、そういうものが問われるとすれば、どう対応したらいいのかということもあると思いますし、法律ではなくて、取扱いの中でやっているわけですけれども、いずれ法律に日本でもなっていくのかもしれませんし、まとまった資料もできているはずだと思いますので、それを御提供いただけないかというのはいかがでしょうか。

○石川委員長 伊藤委員がおっしゃったのは、どういう資料ですか。

○伊藤委員 医療や福祉の研究をたくさんやっています。AMEDというのは、経産と厚労と文科が予算を使って、配分していくところですけれども、そこで応募する研究というのは、当事者が参加しているか、参加していないかというのは、非常に大きなポイントになるということで、そういう方向でやっていく。つまり共同研究の中に、当事者を入れるという方向だということなのですが、それが具体的に文書になっているものがあれば、いただきたいということなのです。

○石川委員長 経済産業省、厚生労働省等で、障害者、高齢者等の支援に資するような研究開発に対して、研究助成、研究補助をされておられますけれども、自立支援振興室から御答弁いただけますか。
 研究ベースのものであれば、共同研究というのは、研究者としての立場を持っているということが条件になっていて、そうではない場合は、研究協力者という立場です。

○伊藤委員 研究協力者でも、研究分担者でも、どちらでもいいのだと思います。

○石川委員長 障害のあるなしをデータとして、申請時にとっているものはないかと思いますけれども、一応確認をさせていただきたいと思います。
 自立支援振興室、お願いします。

○厚生労働省(田仲室長) 私どもで、今、実施している研究開発の事業については、先ほど申し上げましたとおり、当事者の方に参画といいますか、モニタリングという形で入っていただいて、やっているということでございますが、御質問の内容というのは、厚生科学研究とか、大きな研究の中で、そういう条件を付しているかというお話でしょうか。

○伊藤委員 それも個別の各省のものではなくて、大きくまとめた日本の研究を取りまとめる機構であるAMEDが、そういう方向に動いているので、きちんとしたものがありますかということです。

○厚生労働省(田仲室長) 申しわけございません。私のほうでは、ちょっと把握できておりません。

○石川委員長 伊藤委員、後ほど事務局で確認しまして、御回答するということでよろしいでしょうか。
 私の理解では、研究する際に障害のあるなしを研究者が示して、研究申請するということはしていないので、そういうデータはなかろうと思っているのですけれども、ただし、伊藤委員がおっしゃりたい問題意識は共感できて、被験者という立場や、研究協力者という立場で、研究に協力したけれども、結果として、あの研究は何だったのだろうという、そういう経験をしている障害者は、すごくたくさんいて、研究の目的の中に、例えば障害者の就労であったり、学習であったり、あるいはQOLのための研究であるとして、採択された研究がシナリオとしてのものに過ぎなかったのではないかと、後から振り返って、感じてしまうような経験というのは、多分に皆さんはされているのではないか。つまり本気度は、なかなか審査しがたいところがありまして、頑張ったけれども、だめでしたとかいうこともあり得るし、いろいろなことがあって、判断しづらいという面はあるのですけれども、今後、研究助成に当たって、伊藤委員がおっしゃる意味での当事者参加というのは、研究に主体的に参加するということを、より重視するような形での研究公募を行う。それがより応用的なものであればあるほど、そういう観点が重要だと思いますので、また御検討いただければと思いますけれども、伊藤委員、それでよろしいですか。

○伊藤委員 はい。難病関係では、ほとんど患者団体の代表とか、患者団体の中から、委員、研究者として入っていくというのは、大分進んできているのですけれども、福祉もそうなってほしいのです。

○石川委員長 委員というのは、研究プロジェクトのチームとは別にというか、そのプロジェクトに対して、アドバイザリー的な、あるいはモニタリング的な役割を果たす委員会ということですね。

○伊藤委員 委員というのは言い間違いで、研究者か、研究協力者という形で、中に入っていくということです。

○石川委員長 ありがとうございます。
 他に御意見、御質問はございますか。辻井委員、お願いします。

○辻井委員 先ほども申し上げたのですが、総務省の事業として、助成金を出して、機器をつくらせて、自分たちはそこまでだということはわからなくはないのですが、情報のアクセシビリティが向上しているかどうかという検討になってくるので、それがどの程度利用されているのかというところまで、そもそも事業の中に盛り込んでいただいて、きちっとチェックしていくということをしていかないと、障害者政策という観点からいうと、やったことにはならないのではないかと思うということです。
 全体に成果目標のところが、例えば意思疎通のところであれば、手話通訳者なり、人材育成をしていくということですので、どれだけ育成がなされていったのかなどということとか、電子出版等においても、どれだけ活用が図られていったのかということが、その数値目標の中で、もう少しわかるような形態のものというのが、既にここの4ページ、5ページに書かれている各項目に関して、いくつか重要な指標が出せるだろうと思いますので、もう少し検討していただけると、この部分の成果目標のところは、ちょっとひどいのではないかと思いました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 成果目標について、量的な成果目標と質的な成果目標と、両方考えていかないと、どうしても矮小化、結果に対して、評価のための指標というのがサブセットになってしまうという面があると思いますので、御検討いただきたいと思います。
 最後に、加藤委員、お願いします。

○加藤委員 ありがとうございます。加藤です。
 先ほど来、いろいろな形で話題になっている5ページの一番上の電子出版はという文章、ここを先ほど音読していただいた部分ですが、ここにある「視覚障害者や学習障害等」という言葉があります。これが2つ並んだ意味がどういう意味か、どこまで深読みしていいのかわからないのですが、いわゆる一般的な視覚障害の方の困難さという問題と、学習障害の方たち、あるいはASDとか、発達障害とか、知的障害の方たちの一般的に持っている視覚情報の取り込みのまずさといいますか、それは、ある意味では、ビジュアルアキュリティーとビジュアルアビリティーという2つの側面がある中で、それぞれ違うわけです。
 ところが、一般的には、研究にしろ、こういうところの話題にしろ、アキュリティーの面でのハンデの話というのは、たくさんされるのですけれども、私は、圧倒的に視覚情報関係の困難さを抱えた方たちというのは、ビジュアルアビリティーの問題だと思うのです。
 そういうことに関する、例えば研究などは、どこまでやるかというと、ほとんどないのではないかと思うのです。ですから、その辺のことを、先ほど来、出ている研究開発というときに、要するに視力の問題ではなくて、持っている視力を上手に適切に使って、必要な視覚情報を取り込むというそこの部分の研究開発というのは、決定的に不足しているのではないかと認識するのですけれども、ぜひそういう意味でも、そういう視点での研究開発を積極的に促進していただかないと、結果として、ここで我々の話題になっているようなことが、現実問題になっていかないのではないかと思います。意見、提案です。ありがとうございました。

○石川委員長 御意見をありがとうございました。
 ここで言う学習障害というのは、主としてディスレクシア、読字障害の人たちのことを念頭に置いて書かれていると思います。
 それでは、時間がまいりましたので、ここで15分休憩、4時10分再開とさせていただきます。ありがとうございました。

(休憩)

○石川委員長 それでは、再開いたします。
 今日、最後のパートになります。「3.防災、防犯等の推進」について、審議を行います。
 まず事務局と内閣府防災担当から、それぞれ御説明をいただきます。よろしくお願いいたします。

○寺本参事官 「3.防災、防犯等の推進」の基本的考え方ですが、障害者が地域社会で、安全に安心して生活できるよう、災害に強い地域づくりを推進すること。災害発生時に、障害特性に配慮した適切な情報保障や避難支援、避難所や応急仮設住宅の確保、福祉・医療サービスの継続ができるよう、防災、復興の取組を推進すること。障害者を犯罪や消費者被害から守るために、防犯や消費者トラブル防止の取組を推進することなど、基本的な考え方として、掲げています。
 基本的な考え方は以上でございます。

○石川委員長 防災をお願いします。

○内閣府(政策統括官(防災担当)付総括担当:岡田参事官補佐) 内閣府防災担当でございます。
 順次、かいつまんで御説明をさせていただきます。
 まず(1)防災対策の推進につきまして、地域防災計画の作成、あるいは防災訓練の実施等の取組を促進して、災害に強い地域づくりを推進する。
 1つ目のポツでありますけれども、具体的には、地域防災計画を策定いたします地方防災会議への委員の任命など、防災に関する政策方針決定過程や防災の現場への参画を拡大し、多様な視点を取り入れることにつきまして、各自治体に働きかけをしております。また、総合防災訓練大綱におきまして、地方公共団体が行う訓練としまして、障害者や福祉関係者の参画を得ながら、防災訓練を実施しまして、訓練で得られた課題等への改善策の検討を通じて、避難支援等の体制の整備に努めていくよう、各自治体に働きかけをしております。

○内閣府(政策統括官(防災担当)付被災者行政担当:中村主査付) 続きまして、2は飛ばさせていただいて、3になります。「災害発生時、又は災害が発生するおそれがある場合に、障害者に対して適切に情報を伝達できるよう、民間事業者等の協力を得つつ、障害特性に配慮した情報伝達の体制の整備を促進する」というところと、続きまして、4のところ「災害発生時、又は災害が発生するおそれがある場合に、避難行動要支援者名簿等を活用した障害者に対する適切な避難支援や、その後の安否確認を行うことができるよう、地方公共団体における必要な体制整備を支援する」の2つに関しましては、我々で発出しております、避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針、平成25年8月に出させていただいた取組指針で、順次、適切に周知徹底を行わさせていただいておりまして、対応とさせていただいております。
 この結果、消防庁の調査になりますが、平成28年度末までに、各市町村のほうで、避難行動要支援者名簿の整備状況として、99.1%の自治体で、整備が完了予定という報告をいただいております。

○内閣府(政策統括官(防災担当)付被災者行政担当:石田参事官補佐) 次の「避難所、応急仮設住宅のバリアフリー化を推進するとともに、避難所において障害者が必要な物資を含め、障害特性に応じた支援を得ることができるよう、市町村における必要な体制の整備を支援する」というところでございますけれども、避難所につきまして、私から説明させていただきたいと思います。
 避難所につきましては、内閣府は、平成25年8月に、避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針を定めておりまして、その取組指針を踏まえまして、ガイドライン等を定めているところでございます。このような取組指針やガイドライン等によりまして、市町村等の取組に当たっての参考となるように、助言をしているところでございます。
 なお、国から助言をさせていただいているところではございますが、強制力までは持っていないところでございます。いずれにしましても、避難所をどのように充実していくかにつきましては、具体的には地域の実情を踏まえまして、市町村において判断されるものではございますけれども、内閣府としましても、市町村には取組指針等を踏まえまして、平時から取組を進めるよう、様々な研修等の機会を通じまして、促しているところでございます。
 避難所につきましては、以上でございます。

○内閣府(政策統括官(防災担当)付被災者行政担当:堀田主査) 避難所に続きまして、段階が進みますと、今度は、恒久的な住宅にいくまでの間に、応急仮設住宅というフェーズがございます。内閣府といたしましては、応急仮設住宅の建設に当たって、高齢者、あるいは障害者の方が合流をされることになる場合には、バリアフリーに配慮した建物を建設するように、市町村、都道府県とも調整を行っており、平成28年で申しますと、熊本地震の際にも、バリアフリーに配慮した住宅の建設がなされておるところでございます。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 以上、御説明いただきまして、防災、防犯に関して、各省所管にかなりまたがっております。ですので、防災、防犯に関して、様々な観点から御意見をいただければと思いますので、御質問、御意見のある委員は、挙手をお願いいたします。
 竹下委員、お願いします。

○竹下委員 竹下です。
 2点、お願いします。
 1つは、防災の部分ですけれども、避難所のバリアフリー化というのは意識されているのですけれども、視覚障害者の場合、御存じのとおり、大きな避難所では動きがとれないという場合が多いわけです。バリアフリーの問題というよりは、視覚障害者の特性に配慮した避難所の設備をどうするか、あるいは視覚障害者に対応した避難所を準備するのかというどちらかが必要になるわけですけれども、この部分についての何らかの記載ができないかということが1点であります。
 もう一点は、防犯になるのか、それとも消費者被害になるのかわかりませんが、視覚障害者の場合に、よく声があるのは、だまされる場合も含めてなのですけれども、接近してきた方の身分が確認できないという問題があります。特に今年の大会で声が出たのは、警察官の身分を確認できないことが非常に不安だという声があります。その点で、公務員、ないしは警察官の身分を、視覚障害者に確認できる方法を、何らかの方法で工夫できないかということがお願いです。
 以上です。

○石川委員長 なるほど。ありがとうございました。
 大日方委員、お願いします。

○大日方委員 ありがとうございます。
 私からも2点、意見を申し上げたいと思います。
 女性からの意見になります。まず防災対策の推進のところなのですが、先ほど竹下委員から、視覚障害の方が、避難所で暮らすかというところに課題があるとおっしゃっておりましたけれども、女性というところについても、もう少し細やかなそういう意味では記載をしていただければと思います。
 少し個人的な状況になってしまいますけれども、例えば私、義足を使って生活をしておりますので、義足の着脱という状況のときに、下着が見える状況になりますので、例えばそういう細かい配慮といったもの、女性ならではの避難所での生活というところ、障害のある女性の視点で、少し書き込んでいただけるとよろしいのではないかと思います。
 恐らく視覚障害の方についても、問題があったと思います。他の障害特性に応じた、あるいは性別に応じたというところ、少し細やかに書いていただければ、こういった問題、包括的に解決できる部分もあろうと思います。
 2点目、これは防犯対策の推進というところになろうかと思いますが、こちらも障害のある女性に対する性暴力という問題に対して、どういうふうに通報する、あるいは守られるのかといったところについても、ここで書き込めないかと思っておりますので、御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。
 以上です。

○石川委員長 重要な御指摘をいただきました。複合的困難ということを、今回は、基本計画の中では強調しておりますので、各論の中でも意識して、書き込んでいけるといいと思います。
 次に、佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。
 2点あります。
 まず1つ目は、避難所と仮設住宅のバリアフリー整備についてです。仮設住宅は、原則バリアフリー化としていただきたいと思います。熊本の地震では、バリアフリーの仮設住宅をつくるということを、前々から国会でも話されて、実際につくられたのですけれども、行ってみたら、中に段差があって、ドアが狭くて、車椅子で使えない、そういう仮設住宅で、その後、再度つくり直したという経過があります。熊本の地震に限らず、阪神・淡路大震災から、東日本大震災を含めて、ずっと言われ続けたことで、全く改善されていない。同じことを毎回繰り返している、そういう課題なのです。
 何が問題なのかというと、仮設住宅は、そもそも段差をなくして、間口は手動車椅子程度では入れる、こういうことを標準化すれば、それで解決できるわけです。ですから、全部の仮設住宅を広くつくる必要はなくて、まず段差等を解消して、ドアの幅を広げる、そういうユニバーサルデザインを標準化する。いくつかのものは、より広く、大きい車椅子とか、介助が必要な人もちゃんと住めるようにする、そういう複数のユニットを標準化することが必要だと思います。ですから、原則、仮設住宅は、全てのものを段差解消するユニバーサルデザイン化、バリアフリー化というものを、標準の指標としていただきたいと思います。
 2つ目がみなし仮設です。今回もかなり多く活用されましたけれども、みなし仮設、これは民間とか、公営住宅で、空いている部屋を活用して、みなしの仮設住宅ということで、入っていくわけですけれども、ここがバリアフリーになっていないために、みなし仮設がなかなか使えない。使えるものは、すぐ埋まってしまって入れない、そういう状況があるわけです。ですから、平時からみなし仮設に関しても、ちゃんとバリアフリーの整備計画をつくって、進めていくということをしていただきたいと思います。
 3つ目が避難所なのですけれども、避難所もバリアフリーに必ずしていただきたいのですが、現在のバリアフリー法では、一般の学校はバリアフリー整備の基準適合義務がないのです。特別支援学校しか入っていません。災害が起きたときに、避難所となるのは、ほとんど学校です。ここが義務ではないということで、一部使えないということが出てきています。一般の学校も、バリアフリー整備を進めていく計画を盛り込んでいただきたいと思います。
 2点目は、避難所運営のあり方です。障害者を含めた避難所運営のあり方を検討していただきたい。これは熊本でも、現地の障害者の人にたくさん聞いたのですけれども、避難所に行ったが、そこで生活できないために、結果的に他に行かざるを得なかったという報告をたくさん聞きました。
 それはなぜかというと、障害特性に配慮していない運営がなされていたためなのです。例えば食べ物をもらうときに並びます。でも、並べない障害の人もいるわけです。そうすると、家族が代表してとりに行くけれども、運営している人は、並んだ人にしかあげられません。だから、並ばない人はだめですということを実際にされていたわけです。これは、マニュアルがちゃんとできていない、障害の特性に配慮したマニュアルをちゃんとつくる。
 さらに言うと、例えば車椅子で避難所に行っても、他の人がたくさん入ってきて、通路がなくなって、結局トイレに行けなくなる、あるいは全く移動ができなくなる、だから、そこで生活ができずに出ざるを得なかったということです。これも運営マニュアルとして、通路はちゃんと確保する、最初に線を引いて、通路を確保するという配慮をすれば、そこで生活ができるようになる。そういう障害特性を配慮した運営ができるように、避難所運営マニュアルの作成ということも、ぜひ検討するようにしていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 玉木委員、お願いします。

○玉木委員 玉木です。
 手短にいきたいと思います。私も、1995年の阪神・淡路大震災で被災経験をしていまして、そのときからずっと言われているのが、先ほどから佐藤委員も言っていた避難所であったり、仮設住宅の問題なのですが、二十数年、同じことを言い続けています。でも、これをいいかげんに、今回で結論を出して、大きく変えるという方向性を出していただかないと、だめだと思っています。
 そういう意味で、先ほどの説明の中で、避難行動要支援者名簿が九十数パーセントできたと言われていますが、できただけで、それが活用される保障はどこにもない。私たちもできたと言われているけれども、自分が入っているかどうかは、誰にも知らされていないわけです。この名簿を使って、どういった避難行動をやるのかということを、地域住民だったり、当事者にどうやって伝えていくかという視点を持っていただきたいです。
 避難所の問題については、私なりにずっと言っていますが、避難所にいつまでいなければいけないのかということで、限界があるわけで、先ほど大日方委員が言われた女性障害者で、いろんなケアが必要な人が、本当に広い体育館とか、教室で、プライバシーが守られるような環境が1週間続くのか、10日続くのか、1カ月続くのかで、意味合いが変わってきます。それは障害とか、特性に応じた管理で、スピード感を持って、早いこと生活の場面を切りかえていくような、避難行動のあり方を構築していくことが大事で、避難所を整備すれば、オーケーということではなくて、避難の仕組みをつくり上げていくという視点を持っていただきたいと思っております。
 3点目としては、最後の福祉医療サービスの提供することができるようにということで書いてあるのですが、従前、医療行為が必要な人が被災されたときの医療ケアは、キープするというのは、当然のことであって、ただ、私が一番心配しているのは、数年前に災害要援護者支援の検討委員会が、内閣府か何かで設立されて、発災時は、助け出すのにトリアージがあるというような、少し怖い話をされていたのです。
 私は何が言いたいのかというと、けがをして、傷ついている人が目の前にいたら、あなたは後回しとは絶対にならないように、そこはきっちりと国の方針として、どんな人の命でもちゃんと守って、命をつなぐのだということが、文章上、明記されないと、ブラックボックスの中で、下手をしたら、この人は足が悪いし、体が不自由だから、後にしてもらうみたいな、そういう意識が働いてしまうことが一番怖いことなので、まず命を守るということを、ぜひどこかで明確に出していただけたらありがたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 石野委員、お願いします。

○石野委員 石野です。
 1点目として、災害が起こった後、最も頼りにする活動は相談です。ケアが必要になります。例えば熊本地震の場合には、残念ながら社会的な資源が乏しかったため、ろうあ連盟から、相談員を派遣しました。1年近く相談活動しました。熊本だけではなくて、東日本大震災のときでも同じく、相談支援制度の充実が必要だということも、明記すべきだと思います。
 2点目として、福祉避難所についてです。私の滋賀の職場では、災害が起きた後、すぐ福祉避難所に指定されるように契約をしております。そのように福祉避難所として、各市行政と契約するという考え方を全国に広める必要があると思います。数値目標を入れることを検討していただきたいと思います。
 3点目は疑問に思いますのは、防災対策の推進の中に、手話のできる警察官を配置すると書いてあります。今まで交番を利用することが何回かありますが、私は手話のできる警察官を一度も見たことがありません。今後、東京オリンピック・パラリンピックに向けて交番の役割が大きくなると思います。まだ手話のできる警察官は一部ではないかと思います。その一方で本当に手話のできる警察官が配置されるのかと疑問に思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 阿部委員、お願いします。

○阿部委員 阿部です。
 一昨年、2015年3月に、国連防災世界会議が開催されまして、そのときの確認ということですけれども、そのとき、初めて障害者とその団体組織が関係者になった、ステークホルダーになったということは、日本政府の努力によって実現できたことで、すごくありがたいことだと思います。仙台防災枠組みで発信していることは、私たちに関係があることとしては、障害がある人の参加は、ユニバーサルデザインに配慮し、多様なニーズを持つ人たちに応えることのできる防災、減災計画とその実施のために重要ということです。
 それを受けて、6ページの(1)の一番最初の○で、また、先ほど内閣府防災の方がおっしゃってくださいましたけれども、地域防災計画などの作成の委員に、障害者がなるということは、すごく大事なことだと言っていただけましたので、これを数値目標にすることはできないのかと強く思いました。
 2番目は、玉木委員が既にお話されたことですけれども、避難行動要支援者名簿は作成されたけれども、この活用をどうするのかというのは大きい問題です。どこの地域でも活用に関しては、地域住民の方々の理解が大事だと思いますけれども、そういうお話をすると、地域の方々は障害の特性の理解はとても難しいとおっしゃいます。多様な障害の理解をさらに進めていく必要があると思います。
 そして、このときに、災害時の合理的配慮ということで、障害がある私たち自身が、どのようなことを災害時に不便なことや困難なことを、自ら地域に発信する力を持つ必要があり、その配慮が当たり前に行われるという社会を築くことが大切だと思います。
 3番目、これで終わりですけれども、6ページの6番目の○のところに「災害発生後にも継続して福祉・医療サービスを提供できる」という言葉の中に、多くの方々が東日本大震災で亡くなられましたけれども、その中でも、災害関連死ということで、病院機能を活用できなくて亡くなった方々、福祉施設の中で、低体温症等で亡くなった方々も多くいらっしゃいます。ただし、これに関しては、申請が今も行われているときだから、細部に関しては、データを公表することができるかどうかわかりません。しかし、福祉施設、病院の建物設備を災害に耐えられるように充実することは、すごく大事だと思いましたので、ここに書いてあることは、すごく大事だと思うことを確認するとともに、災害関連死、障害があって、予備体力の弱い人が亡くなった、高齢で障害のある人が亡くなったという現状があることも踏まえまして、その辺のところをしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 以上、3点でお話させていただきました。

○石川委員長 ありがとうございました。
 大変重要なテーマで、皆様の思いも深いので、お一人の発言時間が長くなっておりますが、時間がなくなってきておりますので、お一人3分ぐらいでお願いできると助かりますということで、伊藤委員、お願いいたします。

○伊藤委員 3分になるかどうかわからないのですけれども、今、阿部委員がおっしゃったことと少しかぶるのですが、1つは、いろいろな災害の中で、患者だけではなくて、地域の方々の行動を見ますと、医療機関に避難する人が結構多かったのです。医療機関としては、そういうものに備えた日常の体制にないということで、来られても困るみたいなことを言っていましたけれども、そのことも1つ想定した、何らかの支援のようなものを考える必要があります。これは一部、先ほど阿部委員がおっしゃったことで、災害発生後の継続した支援にも重なると思いますが、その1つです。
 もう一点、一般の方もそうですけれども、特に難病の場合は、特殊な薬を飲んでいるとか、使っているという人が多いのですが、予備の薬を最近出してくれなくなったのです。厚生労働省からの通達だと、3.11後ということで、薬を余らさないということで、きっちりとしかくれないところは、最後、薬がなくなる日が近づいてくると、はらはらするのですけれども、不測の事態とか、災害に備えて、日常飲んでいる薬を予備として処方してもらえるということをきちんとしないと、薬がなくて、せっかく助かったのに、大変なことになるということもあり得ますので、ぜひこのことも認めていただきたい。前にもいろいろ発言していると思いますが、お願いしたいと思います。
 第3点なのですが、医療機関とか、施設は、夜間になると、極端に人手が少ないわけです。それらも入院している人は、施設に泊まっている人も、何かがあったら、あきらめなければいけないということがささやかれているぐらいなので、夜間や人での少なくなる休日に、災害はないということは、全くないわけですから、それに備えての何らかのシステム開発が必要ではないかと思います。ここに連携と書いてあるけれども、連携するといっても、連携する相手も夜間だったり、日曜日だったりしたら、いないわけですから、何かそこも本気に考えないと、昼間にだけ災害があるわけではないということを、ぜひお願いしたいと思います。防災とか、いろいろな言い方があると思うのですけれども、とにかく災害に備えて、そういうことの検討をぜひお願いしたいと思います。3分は過ぎました。

○石川委員長 いや、完璧でした。ありがとうございました。
 次は、河井委員、お願いします。

○河井委員 河井です。
 避難所について、いろいろ記載と御意見がありましたけれども、重度の障害者とか、知的障害の方とか、避難所に行かない選択をする方が多いと聞いています。そういった自宅が倒壊せずに、雨風をしのげる人は、ほとんどの人は、自宅で避難生活を続行するのですけれども、そういった人たちに対する支援物資であるとか、情報の提供等をきちんと確保することを、地域の防災計画の中に、具体的な文言で記すようなガイドラインというのですか、そういったものを示していただく必要があると思っています。
 地域の防災計画では、そういった人たちにも配慮するという一文で終わってしまったりすると、具体的なものに踏み込んでいきませんので、そういったものに、もう少しこちらのほうから、踏み込んだ記載をしていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 久保委員、お願いします。

○久保委員 久保です。ありがとうございます。
 先ほど大日方委員がおっしゃいましたけれども、女性の障害者に対する視点が随分欠けていると思っていますので、知的障害があっても、女性の方は特別な、女性ならではの課題がありますので、そこをきちんと書き入れていただきたいと思っています。
 今回の福岡県の水害で、避難所に入ることができずに、実費でホテルに避難をしたという話も聞いています。福祉避難所の指定を早急に全市町村に求めるということをしていただきたいということと、避難所生活が困難な知的障害、発達障害、自閉症の方も含めてですけれども、結構たくさんおられます。
 特に今回の水害のように、局地的な大災害という場合には、周囲のホテルとか、旅館を直ちに福祉避難所に位置づけていただくような、そんな運用を徹底していただきたいと思っております。今回のように、ホテルへ避難された方がありましたので、やむを得ない事情があった場合には、後日でいいので、ホテルへ避難した人の費用負担を、災害救助法から補助していただくとか、そういう仕組みを検討していただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 最後に、三浦委員、お願いします。

○三浦委員長代理 三浦です。
 熊本では、様々なところに、避難せざるを得なかった状況、そして、それが長期化しています。今も仮設住宅のバリアフリーの住宅の戸数、段差のないバリアフリーの戸数は、最初にできたのは6軒だけではないかと思います。それも激しい障害者運動でもって、やっとやり直してもらったというレベルでございますので、何千の中に、10戸足らずという数ですから、障害者の方がどこに暮らしているのかというと、今も私どもの施設でも、2人は車椅子ユーザーの方がお暮らしですし、まだまだこれが2年、3年と続くと予想します。
 東北の皆様も、7年経ってもという状況は、ずっと続いておりますので、できればこの中で、先ほど来、皆様に御発言いただいております、応急仮設住宅の仕様の問題、適切な仕様というのが必要だと思います。仕様に関して、最低基準をきちんとつくるということを、ぜひやっていただきたいと思っておりまして、基本的考え方のときに、申し上げればよかったのですけれども「避難所や応急仮設住宅の確保」という文言がありますので、「仮設住宅の確保と適切な仕様」ということを提案させてください。
 視点の中に、皆さんの意見の中にある福祉避難所という部分は、ぜひ独立して、1つ計画の中に入れていただきたいということと、平成28年4月の内閣府の福祉避難所ガイドラインは、新しいものになったのですけれども、同時期に発災して感じたことがありますが、今、いろいろな仕組みを変えようと、県内でもやっていますけれども、どうしても例示が実態と合わない部分があって、実現困難ですという部分があることも含めまして、途中、本文の中に、(1)の7のあたりに出てきます、広域的なネットワークの形成、これは非常に重要です。そして、もっと具体的に、災害福祉ネットワークを近所隣でまずつくって、訓練をし備蓄もある避難所となるという、個別具体的かつ実用性のあるような計画であってほしいと思います。これらのことを計画に織り込んでいくために、被災したところからの意見を丁寧に吸い上げていただきたいと思います。
 熊本の場合は、熊本障害フォーラムというところが、合理的配慮がなされなかった例と、避難や避難所において、その例示をまとめ上げておりますので、そちらを参考にいただければと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、多くの意見、要望等をいただきましたけれども、竹下委員からは、警察官のアイデンティティーというか、確認方法について、何か配慮がないのか、なかなか難しそうな御意見もありましたけれども、まず防災からお答えいただければと思います。

○内閣府(石田参事官補佐) 避難所担当をしております、石田と申します。
 いろいろと御指導、御指摘をいただきまして、ありがとうございます。
 いろいろな話をいただきましたので、全てのことについて答えることはできない部分がございますが、現状をお話させていただきたいと思っております。
 私ども内閣府では、先ほど説明をさせていただきましたとおり、取組指針や取組指針に基づきまして、ガイドライン等を作成させていただいたところでございます。その他に、昨年度、全国の自治体等にアンケートさせていただいて、現状や被災された方のニーズを踏まえた上で、その対策となる有効な事例とかも含めて、ガイドラインを補足する意味で、事例等報告書を作成したところでございます。
 先ほど車椅子のお話で、避難所内の通路が通りにくいというお話もありました。そういうことにつきまして言えば、私どもは、災害が起きる前から、事前に避難所の空間配置図を作っていただきたいということは申し上げているところでございます。例えばあらかじめ通路であれば、車椅子が通れるように、例えば130センチ以上空けるような形にするとか、そういうことも事例として、載せさせていただいています。また、女性への配慮の話などにつきましても、女性しか入れないところを設けることのほか、視覚や聴覚などに障害がある人に、如何に避難所のスペースの中で、情報が伝達しやすくなるかなどの工夫を考えて、空間配置図を事前に準備をしておいた方がいいと伝えております。平時からの準備なくして、被災された後の受け入れは、なかなか難しいものでございますので、そういうことについては、事例等報告書に載せることにより、自治体の職員の皆様などにお示しし、私から市町村の職員の皆様などに説明しているところでございます。
 それと、先ほど協定などに基づいた福祉避難所の話も、随分出てまいりましたけれども、現在、指定している福祉避難所だけではなくて、協定などを締結して、福祉避難所として確保されているところもあります。平成28年10月1日現在で、内閣府でアンケートをしましたところ、福祉避難所を確保している市町村は、全国で約9割に上っていることから、確保が進んでいる状況であると思っているところでございます。
 引き続き、福祉避難所の指定促進に努めるとともに、支援を必要としている要配慮者の方々に伝わってないような状況もありましたので、点字や拡大文字にするなどの広報的な工夫も含めて、講演や研修などの機会を通じて伝えているところがございます。
 避難所は、一時的に滞在する場所でありまして、市町村には、良好な生活環境の確保に努めることが求められてるという努力義務が課されているところがあります。そのため、避難所をどうするかについては自治事務ではありますが、努力義務については、国から取組指針等を示しているところでございますが、最終的に、具体的に避難所の体制づくりをどうするかについては、地域の実情を踏まえて、市町村において、判断されるべきものであります。いずれにしても、内閣府としては、市町村に取組指針等を踏まえまして、平時からの取組を進めるよう、研修等の機会を通じて、促しているというところでございます。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 仮設住宅も、もしかしたら公共調達要件みたいなことで、バリアフリー化を進めていけるものかもしれないという印象を受けました。
 他に防災担当で、何かございますか。よろしいですか。お願いします。

○内閣府(中村主査付) 避難行動要支援者名簿の担当をしております、中村と申します。
 特に多くの意見をいただきまして、玉木委員であるとか、阿部委員のほうからは、御意見を特にいただきまして、ありがとうございます。
 先ほども申し上げましたとおり、玉木委員からも御指摘がありましたとおり、99.1%の自治体で平成28年度末までに作成予定となっておりますが。おっしゃるとおり、制度の周知が課題であるということは、我々も認識しておりまして、今年度4月に、我々のほうで、リーフレットを作成させていただきまして、周知をしていただくよう、各自治体に文書を発出させていただくとともに、リーフレットを内閣府の防災のホームページでも掲載させていただいております。今後もリーフレットであるとか、取組指針を活用していただきまして、周知徹底できるように、今後とも努力してまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○石川委員長 ありがとうございました。
 防災はよろしいですか。お願いします。

○内閣府(堀田主査) 応急仮設住宅につきまして、私、防災担当の堀田と申します。
 応急仮設住宅につきましては、確かに御指摘の点、ごもっともでございまして、なるべくユニバーサルデザインに配慮したような形で、建設していただくということは、非常に重要なことであろうと存じます。
 ただ、一方で、応急仮設住宅につきましては、できるだけ迅速に提供するということも、重要なことでございまして、そうしたこともあり各都道府県において、いろいろと御配慮いただいているところでございます。
 私どもも、様々な機会を通じてこうした点の周知を進めていきたいと思いますが、それぞれの地域の実情というものがございますので、基準づくりということになると、なかなか難しい面はありますが、この点について、配慮を促すような形で、都道府県との情報共有を進めていきたいと考えております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 お願いします。

○内閣府(岡田参事官補佐) 貴重な御意見をありがとうございました。
 阿部委員から、地域防災計画の障害者の関係の数値目標というお話がございました。内閣府では、東日本大震災の教訓を踏まえまして、平成24年に災害対策基本法の改正をしまして、障害者に限らず、多様な人材を防災会議のメンバーに入れてくださいと制度改正を行ったところであります。数値目標というお話なのですけれども、自治体の数が多かったりしまして、網羅的に把握することが難しい面がございます。
 現状を申し上げますと、各自治体で、福祉の関係部局の方、役所の方は、大体入っておりまして、中には障害者の関係の団体の方が入っているところもございます。障害者の個人の方、あるいは団体の方、福祉の関係者とか、カウントする課題もございまして、難しいと思いますけれども、いずれにしましても、大事なことは、防災の施策の方針決定とか、あるいは現場の動きに障害者、あるいは災害時の弱者への配慮をしっかり組み込んでいくことであるとか、そういったことが大事だと思います。防災会議への障害者に参画いただくということとあわせて、そういったことをしっかりと働きかけてまいりたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 最後に、防犯、あるいは性暴力等、DV等に対しての障害のある女性への配慮、バリアフリー化等々、あるいは竹下委員から、投げかけられた件もございますので、警察庁もお願いできますでしょうか。

○警察庁(生活安全局地域課:石川課長補佐) 警察庁の石川でございます。
 先ほど石野委員からございました、手話のできる警察官の配置の件でございますけれども、現在、御指摘のとおり、まだ少なくて、全国で94人程度という配置になっております。
 このように数が限られておりますので、少しでも多くの手話のできる警察官を配置するため、都道府県警察におきましては、警察官の手話技能の習得に向けて、部外の専門家の方や部内で手話のできる人間による講習会等を実施しているところでございます。
 手話のできる警察官がいない交番におきましては、筆談や警察版のコミュニケーション支援ボードを全交番に配備しておりますので、そちらを使って各種相談や届出に対応しているところでございます。今後も引き続き、少しでも手話のできる警察官の数が多くなるように、施策に取り組んでまいりたいと考えております。
 先ほど竹下委員から、警察官の身分確認方法を考えていただきたいというお話がございましたけれども、申しわけございません。こちらは、本日、担当の部門が来ておりませんので、持ち帰りという形にさせていただきたいと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 以上、本日、3つの各論につきまして、御意見をいただきました。
 事務局並びに各省におかれましては、本日の議論を踏まえまして、さらにそれぞれの所管分野について、内容の修正、改善、調整等をお願いできればと思います。
 それでは、本日、予定しておりました議題は、全て終了いたしました。
 最後に、事務局より、事務的な連絡事項がございましたら、お願いいたします。

○寺本参事官 次回の政策委員会ですが、8月7日月曜日13時から17時までの開催を予定しております。
 本日に引き続きまして、第4次障害者基本計画について、御審議をいただく予定です。
 分野につきましては、「差別の解消、権利擁護の推進及び虐待の防止」、「行政等における配慮の充実」、さらに「雇用・就業・経済自立の支援」、この3分野を予定しております。
 以上です。

○石川委員長 それでは、以上をもちまして、第36回「障害者政策委員会」を閉会いたします。ありがとうございました。