障害者政策委員会(第43回)議事録

平成31年4月22日(月)
14:00~16:00
中央合同庁舎8号館 1階 講堂

【議事に使用されている資料については「議事次第」のページにまとめて掲載していますのでご参照ください。】

○石川委員長 それでは、定刻を過ぎましたので、これより第43回障害者政策委員会を開会いたします。
 委員におかれましては、御多用のところ、御出席いただきましてありがとうございます。
 本日の会議は、16時までを予定しております。
 なお、冒頭、取材が入り、撮影が行われますので、御承知おきいただきたいと思います。
 次に、事務局より委員の出欠状況について御報告をお願いいたします。

○寺本参事官 本日は、大塚委員、大日方委員、辻委員が所用により欠席との連絡をいただいております。
 それから、阿部委員、安部井委員、野澤委員が遅れて到着されると伺っております。

○石川委員長 ありがとうございました。
 本日の議題に入る前に、1点御報告させていただきます。
 国連障害者権利委員会の第21会期会議の4週間と、来る第22会期会議のための会期前ワーキンググループの1週間、合わせまして5週間のジュネーブ国連欧州本部の障害者権利委員会委員としての職務を終えて、先週帰国いたしました。長期不在によりまして、障害者政策委員会の運営に御負担・御迷惑をおかけしたのではないかと思いますけれども、御理解をいただきまして、ありがとうございます。
 また、障害者権利委員会の委員互選による選挙で副委員長に選出されました。任期は2年間です。障害者政策委員会での委員長としての経験が役に立っておりまして、改めてお礼を申し上げたいと思います。
 以上、議題に入る前の御報告でした。
 それでは、本日の議事に入ります。
 各委員からの御発言の場合につきましては、まず、挙手をしていただき、委員長の指名を受けてから御発言をお願いしておりますが、本日の会議もこのルールで運営いたします。
 また、御発言の際には、まず、お名前を名乗ってください。ゆっくり分かりやすく御発言ください。よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の議題及び資料につきまして、事務局より説明をお願いいたします。

○寺本参事官 事務局より説明します。
 障害者差別解消法の見直しの検討の一環としまして、地方公共団体における障害者差別解消法の施行状況について調査いたしましたので、御審議をお願いしたいと思います。
 冒頭、内閣府が地方公共団体に向けて実施しました調査の結果について事務局より御説明し、その後、審議に移りたいと考えております。
 ただし、分量がやや多いため、お手元の資料1の中の地方公共団体における対応要領の状況、地域協議会の状況、相談・紛争解決の状況の関係部分について御審議をいただくこととしまして、残る部分につきましては、次回に御審議をいただければと考えております。ただ、密接に関連する場合もございますので、質疑の御回答の中で必要な場合は、説明をさせていただければと思っております。
 審議の途中、15時頃を目途に10分程度の休憩を設けたいと思います。
 それでは、これ以降、報道関係のカメラ、写真撮影については御遠慮いただきますようよろしくお願いします。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、今、事務局から御説明がございましたように、地方公共団体向けに実施した障害者差別の解消に関する地方公共団体への調査結果について、その全体を一挙にということでなくて、概ね半分程度について説明をしていただくということでお願いいたします。

○寺本参事官 それでは、説明をいたします。
 お手元の資料を1枚おめくりいただきますと、目次がございます。この地方公共団体に向けた調査ですが、前回の障害者政策委員会におきましても、一部集計ができたものについて主なものを御紹介させていただきましたが、本日は全体について順次御説明をさせていただきます。
 目次を御覧いただきますと、本調査は、対応要領の状況、地域協議会の設置状況、条例の状況、相談・紛争解決の状況、その他で構成しております。
 もう一枚めくっていただきまして、まず「Ⅰ.対応要領」は、前回も資料として提示いたしました。地方公共団体の職員が、障害者差別の解消に関して適切に対応するための職員向けの要領、いわゆるマニュアル的なものですけれども、72%の地方公共団体が策定済みです。
 都道府県と政令市については、全て策定が済んで100%となっておりますけれども、中核市以下の地方公共団体については、グラフでお示ししているとおりでございます。
 一般市、町村において、まだ策定が進んでいないところがございます。それから、未定という地方公共団体も、一般市や町村において一定程度あるところでございます。
 1枚おめくりいただきますと、前回の障害者政策委員会でも、野澤委員はじめ御質問いただきましたけれども、対応要領を策定しない主な理由について挙げているものです。
 3ページを御覧いただきますと、
 1都道府県が策定した対応要領を準用するため。
 2対応要領を策定しなくても、対応が可能であるため。
 3内部の研修等を通じて、職員が適切に対応できるようにしているため。
 4人口規模が小さく、日頃から障害者に日常的に配慮を行っているため。
 5「対応要領があるから配慮する」ということではなく、「対応要領がなくても適切に配慮する」こととしているため。
 6相談・検討事案がなく、人材も不足しているため。
 7国等の対応要領では、職員等による差別取扱いに対しての仕組みの一つとして、懲戒の規定が含まれている。国等の対応要領では、こういった規定が含まれております。本市町村では、人事担当部局の理解が進んでおらず、対応要領の策定は未定の状況にある。人事担当部局宛ての通知等についても配慮してほしい。
といった御意見であります。
 以上が対応要領の状況、策定しない理由についてです。
 4ページのところですが、「II.地域協議会」の状況を説明いたします。
 こちらも前回の障害者政策委員会でもお示しいたしました。グラフを御覧いただきますと、都道府県、政令市において、地域協議会は100%設置されております。
 中核市等、一般市、町村において、共同設置、予定も含めますと、中核市等において8割強といった状況でございます。一般市、町村につきましては、もう少し比率が減ってまいります。
 4ページで、黄色で「設置予定」と回答している地方公共団体の設置予定時期についての回答を整理したものが、5ページでございます。設置予定と回答している地方公共団体の半分程度が、この平成31年3月まで、平成30年度中には策定するという回答でございました。
 6ページは、地域協議会を設置しない理由についての主な回答を整理したものです。
 1自立支援協議会など、他のネットワークを活用することとしているため。これは障害者総合支援法に基づく協議会のことでございます。
 2障害者差別に限らず、あらゆる差別に対応する「人権施策推進会議」において対応することとしているため。
 3都道府県の地域協議会に参加しているため。
 4地域協議会の設置に先立ち、啓発活動や事例集の作成等に取り組むこととしているため。
 5単独で設置するとスケールメリットがないため。広域的な設置に向けた動きがあれば参加をしたい。
 6事案の内容により関係機関がそれぞれ異なってくるため、設置に至っていない。
 7障害者差別に係る事案がないため。
 8関係機関との協議が進んでいないため。
 9協議会方式では迅速な対応が難しいため。
 こういった理由が挙がっております。様々ありますけれども、小規模な地方公共団体などにおいて、体制の問題などもあるものと思われます。
 次の7ページの設置形態ですけれども、グラフを御覧いただきますと、水色のグラフが障害者差別解消法の地域協議会の位置付けのみの設置という形態。それに対して黄色のグラフは、中核市等、一般市、町村で少し高くなっておりますけれども、障害者総合支援法の協議会を兼ねるといった位置付けになっております。
 次に8ページですが、開催実績について調べたものです。
 グラフを御覧いただきますと、緑色のところが1回、黄色のところが2~3回、赤のところが4~5回、水色のところが0回となっております。
 一般市、町村において開催実績のない地方公共団体が3割程度あるという状況ですが、こちらはいわゆる親会議の位置付けのものを対象にしたものになりますので、下部会議を設置している場合には、その開催実績も調べております。
 まず、下部会議の有無ですけれども、下部会議があると答えている地方公共団体が、9ページのグラフの水色の部分であります。おおむね30%程度の地方公共団体が下部会議を設置しているという状況です。
 1枚おめくりいただきまして、10ページに下部会議の開催実績を示したグラフがございます。水色のグラフが0回、緑が1回、黄色が2~3回で、それ以上の赤や紫が4回以上ということですが、全体で見ますと赤と紫で示されている4回以上の開催実績が大体5割を占めているという状況でございます。
 続いて11ページ、構成員の属性についてです。これは前回の障害者政策委員会でもお示しした資料です。
 地域協議会の構成員ですけれども、その属性として、全体の9割の地域協議会において、エのところですけれども、障害当事者や障害者団体、家族会等の方々に参画いただいております。  クの事業者を御覧いただきますと、地域協議会全体の64%で事業者に参画をいただいているといった状況になっております。
 これに関連しまして、13ページを御覧ください。こちらは、前回の障害者政策委員会で石野委員から御質問いただきましたが、障害当事者である構成員の方が、どういった障害種別でおられるかというものです。多い順番に申し上げますと、エの肢体不自由が5割、次にイの聴覚・言語障害が19%、アの視覚障害が18%、カの精神障害が10%、クの内部障害が10%といった状況になっております。
 続きまして、14ページですが、地域協議会の構成員のうち障害当事者がどの程度を占めているかの割合をお示ししたものです。
 グラフを御覧いただきますと、緑色が1割未満、黄色が1割から2割というところで、このあたりで大半を占めておりますが、障害当事者である構成員が存在していないという地方公共団体が、水色のところですけれども、一般市や町村では、3割、4割といった状況が見てとれます。
 15ページは、女性の構成員の割合ですけれども、グラフを御覧いただきますと、黄色のところが1割から2割、赤のところが2割から3割といったところで、このあたりの女性の委員の比率になっている地域協議会が一定割合占めている。それから、オの3割以上が紫色のグラフですけれども、相当数を占めているところです。
 その関連で16ページですけれども、障害当事者である女性の構成員がどの程度地域協議会に参画されているのかを示したものです。
 水色のところが0%ということで、障害当事者である女性の構成員が在籍していない地域協議会ですけれども、全体の74%となっております。地方公共団体の規模別で見ると、このような状況となっておりまして、都道府県や政令市よりも、中核市等、一般市、町村において、障害当事者である女性の構成員がいらっしゃらない地域協議会が多いという状況です。
 0%から1割といった比率のところが緑色になっておりまして、都道府県において約3割、政令市において約2割の地域協議会が、障害当事者である女性が0~10%の比率で参加されているという状況になっております。
 17ページ、地域協議会が所掌する事務ですけれども、これは実績ではなく、条例あるいは規定上、地域協議会の所掌事務を位置付けているかどうかという状況です。次の18ページでは、実際に実施した事務の実績を示しており、前回の障害者政策委員会でもお示ししたものとなります。アの「紛争の防止・解決を図る事案の共有」を実施した実績は全体の8%、オの「構成機関等による紛争解決の後押し」を実施した実績は全体の3%となっておりますオについて実施した政令市は全政令市のうち20%と高い割合となっておりますが、小規模の地方公共団体においては、実績が乏しくなっております。
 下から2番目のキの「個別の相談事案に対する対応」を実施した割合は7%となっております。
 それに対しまして、イ「相談事例の共有」、キ「差別解消の取組の周知・発信、研修・啓発」といった取組は、相当数の地域協議会において実施の実績があるという状況になっております。
 続きまして、19ページは、地域協議会を公開しているか、非公開の扱いかというものですが、水色のところが原則公開、黄色が非公開というものです。公開と回答している地域協議会が全体の47%、非公開が42%となっております。
 20ページ以降、地域協議会の設置・運営に当たり工夫した点についての回答をかなり網羅的に記載しておりますが、主要なものについて抜粋して御紹介させていただきます。
 (1)地域協議会の位置付け・連携体制としましては、先ほどの調査の回答にもありましたけれども、
 1自立支援協議会など既存の会議やネットワークを活用して運営をしているといったもの。 4障害当事者の思いを吸い上げやすい相談支援事業所や市町村の連絡会を下部会議として位置付けているというもの。 7紛争解決を行う専門機関を地域協議会とは別に設けているといったもの。
 右のページを御覧いただきますと、「(2)構成員」の項目のうち、構成員の位置付けとして、例えば5構成機関の誰が出席しても差し支えない取扱いとしている、あるいは7議題により構成員を変更しているということで、出席者を臨機応変に対応しているという回答もございました。
 21ページの中ほどから下の「事業者の参画」という項目では、例えば⑫商工会議所とは別枠で、不動産業界からも参画を得ている。13では、地域特有の公共交通機関(船舶)を構成員としている。14では、観光協会、信用金庫関係団体、特別支援学校進路専任など、地域の特性に応じた構成員を任命している。15では、商店街、食品衛生団体、小売店、ホテル等、より実効性のある情報共有に資することとしているといった回答があります。
 次の22ページは、地域協議会の運営に当たりまして工夫している点などですが、「(3)運営・事務局」の2を御覧いただきますと、域内の障害者団体及びボランティア団体等で組織される障害福祉団体連絡協議会と行政が、地域協議会の事務局を協働で担うこととして、円滑な連絡調整、意見集約の実施、事務局機能の向上を図っているといった回答がございました。
 「(4)審議方法」では、例えば1構成員の人数が多いため、活発な意見交換ができるよう、グループに分かれて討議を行っている、2事例の検証は、少人数の合議体により審議することとしているといった回答がございました。
 24ページですが、「3.設置・運営等に当たって明らかになった課題」ということで、これも数多く回答をもらっております。主なものを御紹介しますと、「(1)位置付け・連携体制」の3では、障害福祉サービス等の現場の声や課題を、関係する会議体を通して地域協議会の議論に反映できるよう、意見や要望を吸い上げる仕組みが必要なのではないかという内容ですが、1枚お戻りいただいたところの(3)の2に、先ほど、地域協議会の事務局を福祉団体などと協働で担って機能の向上を図っているという回答がございましたけれども、こういった対応が一つの方法ではないかと考えられます。
 24ページの下、「(2)構成員」に関しては、7当事者以外の構成員からの発言が少ない、8事業者の立場にある構成員の確保が難しいといった意見があります。
 25ページを御覧いただきますと、「(3)の運営・事務局」のところですけれども、5地域協議会の事務局の負担が重い、6地域協議会を継続的かつ安定して運営するため、財源の手当てが必要ではないかといった意見や、「(4)事例の不足」の2具体的な差別事例の報告がないということで判断に苦慮している。さらに3地域協議会の議題の設定に苦慮しているといった指摘もございました。
 以上のとおり、地域協議会の運営状況及び課題認識について、地方公共団体からの回答が寄せられております。
 続きまして、この地域協議会と密接に関連する部分として、33ページ、相談・紛争解決に関する項目がございます。
 この資料についても、前回の障害者政策委員会でお示しいたしました。まず、相談対応を行う体制として、ワンストップ相談窓口を設置または指定しているといった回答が44%。障害者差別に関する相談員を配置しているといった回答が15%。統一的な解釈・判断を行う部局をしているが19%。このような回答となっております。
 34ページ、ワンストップ相談窓口を設置している場合の設置先ですが、グラフの水色、障害者施策主管部局や福祉事務所等が多くなっております。
 その他、地方公共団体の出先機関、さらに黄色のところ、民間事業者、民間団体等といった回答も一部ございます。
 35ページ、まず、相談窓口において相談件数をカウントしているかどうかですが、カウントしている地方公共団体が全体の54%、カウントしていない地方公共団体もかなり多く46%でした。
 次に、36ページのカウントの対象となる相談としまして、どういった対応者が対応したものをカウントしているかというものですが、相談員が対応した相談、障害者施策主管部局の職員が対応した相談あるいは出先機関の職員が対応した相談、それ以外の部局の職員が対応した相談、それぞれ御覧のような比率になっておりますけれども、イの障害者施策主管部局の職員が対応した相談が、85%と多くなっております。
 ただ、地方公共団体によって、応対した者の属性に応じてどこまでカウントしているかというのは異なっているということと、さらに37ページのところを御覧いただきますと、相談内容別に相談内容を区分して集計しているか、区分していない状況で受け付けて集計しているかということで回答が分かれております。
 相談内容を区分していない一番下のカ、ピンク色のところですけれども、こちらが46%、それ以外が相談内容を区分しているということになりますけれども、不当な差別的な取扱い、合理的配慮に関しての相談、環境整備に関しての相談、こういった回答をそれぞれ区分して計上しているといった回答が、グラフのような比率になってございます。
 こういった状況で、各地方公共団体において相談件数のカウントの仕方は様々でございますので、単純に相談件数を全国で合計という形はなかなか難しいところでありまして、この件数の状況について、分類してお示ししておりますのが、38ページ、39ページでございます。
 38ページが平成28年度の実績、39ページが平成29年度の実績で、39ページを御覧いただきますと、相談件数が9件以下といった地方公共団体が全体の74%、4分の3を占めているという状況です。
 グラフを御覧いただきますと、9件以下という水色のグラフが多くを占めている地方公共団体としては、中核市等、一般市、町村という状況になっています。
 都道府県、政令市においては、10~29件、30~49件、それから、ピンク色のところでは50~99件ということで、2桁台の件数を計上しているところが多くなっております。
 ちなみに、水色の9件以下という回答をいただいている中で、特に一般市や町村におきましては、0件と回答をいただいているところも相当数に上っているという状況です。
 以上が相談対応についての状況で、40ページ以降は、相談対応に関しての運用上の工夫などについて回答をいただいております。
 こちらも主なものを御紹介させていただきますと、3の(1)の7では、相談実施体制について、相談員のほか、当事者やその家族、ピアカウンセラーも相談を受け付けているといった体制をとっているところや、
 41ページの5相談対応に当たって、最初から差別を受けていると訴えて相談窓口に来る人は少なく、何らかの問題を抱えていて、詳しく話を聞いているうちに差別を疑われることが判明するケースも多い。上手に話を引き出すことを大切にしているといった回答などがございます。
 また、12相談者が既存の制度等を十分活用できていない状況にある場合には、関係機関と連携して全体的な支援をするよう心がけているといった回答。
 続いて、運用上の課題という中で挙がっているものとしまして、43ページのところ、例えば
 1障害者差別に関しての専門的知見を有する職員が不足している。4人権に関する法的な知識・判断や、紛争解決のスキルが要求される事案については、市町村の障害福祉担当部局での対応には限界があるのではないかというもの。7事業者への指導権限がなく、相談を受けても障害者差別解消法の啓発を行うところに留まっている。
 この権限がないという回答ですけれども、地方公共団体の中でも町村のレベルということになりますと、具体的な事業の監督権限を定めている個別の法律においても事業者への指導権限というものがなく、障害者差別解消法においても具体的な権限が位置付けられていないということで、指導権限がないという状況があり得ます。また、国の出先機関などが直接権限を行使することになっていて、地方公共団体に権限がおりていないような場合もございます。
 例えば、それに関連してですけれども、43ページの下から2番目、13ですけれども、障害者差別解消法において、事業者に対しては主務大臣が行政措置を直接行うものもありますが、そういったものについて、都道府県で受けた相談を必要に応じて関係省庁につないで対応を依頼しているけれども、各省庁の意識が低く苦慮をしているといった課題認識が示されているものもございます。
 44ページをお開きいただいて、例えば(2)の9ですけれども、相談対応は行うものの、行政による介入、事実確認等を望まない方も多く、現段階では話を伺う場としての側面が強いといった回答もございます。
 (3)の周知啓発・理解促進のところでは、やはり障害者差別に関する相談件数が少なく、一般的な相談案件の中から該当する事案を吸い上げていく必要があるのではないかといった回答がございます。
 45ページのところでは、同様ですけれども、3に人口が少なく、住民が互いに顔見知りのため相談しづらいとの指摘があるといった回答もございます。
 説明の時間が大分経過しておりますので、一旦ここで説明を終了させていただきまして、残りは追って御説明させていただきます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、本日は報告いただいた地方公共団体への調査を通して議論を進めていきたいと考えています。
 調査報告に対する御意見や御質問をきっかけとしながら、そこから次第に議論が波及していくということがあってもよろしいと思いますので、そのような共通理解で進めていきたいと思います。
 それでは、御質問・御意見のある委員は挙手をお願いします。
 では、佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。
 たくさん調べていただいてありがとうございました。データが出ましたので、よく理解することができました。幾つか感想と課題を発言させていただきたいと思います。
 まず、1-11のところで、障害当事者である女性の構成員の割合、16ページですけれども、初めてこのデータが出てきたので、このデータが出たことは非常に良かったと思うのですけれども、障害のある女性の委員が非常に少ない。74%が入っていないというところは大きな課題だなと思います。
 続いて、相談件数をカウントしていない地方公共団体が非常に多くて、これは驚きました。46%の地方公共団体でカウントしていないということです。これでは運用実態がわからなくなってしまうのではないかと思います。一体どういう差別があって、それに対してどのように対応してどうなったかということが分からないので、このカウントが非常に少ないのは残念だと思います。
 38ページと39ページのところなのですけれども、こちらの相談件数も、全体で言うと平成28年度は9件以下が72%、29年度でも74%と非常に低いと思います。
 一方で、100件以上あるところ、平成28年で言うと都道府県と政令市で合わせて8あって、0のところもあるというお話でしたけれども、9件以下のところと100件以上のところは物すごく差があると思うのです。ここは何か大きな原因があるのではないかと思いました。
 私は以前、熊本県が条例をつくられて、担当の方が報告されたのを聞かせていただいたことがあるのですけれども、たしか毎年130件ぐらいの相談件数があったと思うのです。そこは広域専門相談員を4名ぐらい配置して、非常に熱心にされていまして、そういう中で事例がどんどん増えていったというのがあるのかなと思いました。
 この数の違いというのは取組の差があるのではないかと思います。ですので、相談件数の多い地方公共団体に対して、どういった取組をされているのかということをぜひ聞いていただきたいと思います。
 あとは、48ページの権限の種別なのですけれども、色々あって、あっせんとか調停があるのですけれども、あっせんは89%が条例の中にある。このあっせんの結果、どのようになっているか。相談された事案が解決しているのかどうかということも、ぜひ調べていただきたいと思いました。
 少しまとめますと、調べていただきたいのは、あっせんとか調停とか、こういった中でどういう結果になったか。紛争解決にどのようにつながっていったかということを聞いていただきたいと思います。
 あと、相談件数が多かったり、色々なことをされている地方公共団体があると思います。特に20ページで出てきた差別解消対応方針検討会議、紛争解決を行う専門機関を設けているというところがありましたので、ここは一体どういった取組をされているかということも、ぜひ知りたいと思いました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 ほかに3人発言を求めていらっしゃるので、玉木委員、お願いします。

○玉木委員 ありがとうございます。玉木です。
 すごく丁寧なデータが出てきて色々な意味で良かったと思っております。まず、確認なのですけれども、43ページの13で、主務大臣が行政指導的なことをやっているという説明もあったのですが、今回の場合は都道府県とか市町村のデータなので、主務大臣が対応した件数とか、どういう省庁が動いたかというのは、今後出てくると理解してよろしいかという質問が一つです。
 全体的に見ても、一つは先ほども佐藤委員が言われた女性障害者の構成員の数の問題であったり、相談件数が0ということは、残念ながらこの法律の周知徹底が出来ていないということでいくと、せっかく法律をつくったのに結局機能していないのかなと思います。
 ただ、もう細かくは言いませんけれども、先ほど御説明いただいたように、差別の相談ではないけれども、相談を聞く中で、それは差別でないのかという形で案件が出てくるということが、実は一番大きいのかなと思っていまして、そういった意味では、福祉関係だけでなくて、教育とか、医療とか、そういった色々な他分野からの相談を聞く中で、差別でないかなとアプローチできるような人材を育てていくということは、まずは大事なのかなと。
 そうしないと、障害者差別解消法ができています。当事者の人、言ってきてくださいねと言ったところで、0というところは0なのですね。そういうことをきちんと考えていく必要があるのかなということ。
 もう一つは、地域協議会にしても、結局、都道府県だけの地域協議会をつくっていたら、当事者はそこになかなかアプローチできないので、そういった意味では、身近なところできっちりとエリアに応じた差別の状態を把握して、解決に導いていけるような解決の仕組みとか、そういうことをきっちりと、法律なのだから、ある程度の指標というか、例えば先ほども、相談のデータをとっているか否かという中では、40%ぐらいのところがデータをとっていないとか、とっていても各地方公共団体にお任せの状態で、本当はこれが国のデータですときっちりと説明できないのではないか。
 ある程度国が、こういう形でデータをとってください、こういう形で解決をやってくださいという具体的なシステムを提示してこそ、国の法律として成立するのではないかと思っているので、今後は、もう一回法律を見直したときに、地方公共団体にお任せでなくて、ある程度の部分は国がイニシアチブをとって、きっちりと標準化していくということが必要なのかなということを、今の説明を聞いていて思いました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、森委員、お願いします。

○森委員 ありがとうございます。
 膨大な調査、どうもありがとうございました。全体も含めてですけれども、私どもの暮らす一番身近な市町村で、やはり対応が薄いなと感じました。特に私ども難病につきましては、その他の心身の機能障害に含まれていますけれども、難病と明示されていないために、地方公共団体をはじめ色々な場面で、窓口まで相談に行っても、対象であることが手帳はお持ちですかと聞かれまして、ないと答えると、そのまま相談は受けていただけないということがたくさんあります。
 やはりそのような社会での居づらさ、また、暮らしにくさというものにも直結してしまいますし、今の身体障害者手帳の基準では、私ども難病の困難さ、障害というものは評価されませんので、手帳の取得率も低く、支援に結びつかないので非常に難しいなと思っています。
 特に合理的配慮についても、外見上困難さも分からないものですので、本人がはっきりと相手方に一つ一つを説明しないと何も進まないということで、ごく一部の人しか、合理的配慮に行き着くところまでの対応ができないのではないかと思っております。
 障害者基本法でも、障害者差別解消法でも難病も対象であるということを明示していただいて、周知する。そこからまず、社会の理解が進んでいくことを願っています。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、石野委員、お願いします。

○石野委員 石野です。
 6ページの5の部分ですが、広域的な設置に向けての取組があれば参加したいといった御意見が載っています。もう一つ、4ページ、設置の状況、体制について全国的に見ますと50%ぐらいだと想定していましたが実態は36%になっています。思ったよりも少なかったというのは非常に残念な感想ですが、今後も都道府県、市町村、全て100%に設置するためには時間がかかりそうな気がしています。
 将来の課題として、小規模地域においては、障害者の数も多い少ないはあると思いますが、少ない地域においては、協議会を設けるということも非常に厳しいと思います。
 例えば一つの例ですが、全国手話言語条例が非常に広がっています。270を超える地方公共団体が制定しています。その中で、例えば福岡県でいい例があります。田川地域は小さな8つの町が集合体として、条例を制定しました。そのような実績を考えますと、今後、小さな地方公共団体においても、広域的な設置を可能性として考えられるのではないかと思います。
 制度的にできるのか、または弾力的な運用ができるのか、そのあたりをお伺いしたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、平川則男委員、お願いします。

○平川(則)委員 ありがとうございます。主に2点発言したいと思います。
 1つ目は、41ページであります。情報共有のところでありますけれども、色々な場面でさまざまな困難を抱える方々が多いという状況の中で、例えば生活困窮者自立支援制度であるとか、全く違いますけれども職場のハラスメントの問題などを含めて、障害者差別と関連があるのではないかという事例があるのではないかと思います。
 地方公共団体の中でしっかりと情報共有されていればいいのですけれども、それが縦割りで終わってしまっているということも想定されますので、その辺はしっかりとした情報共有ということが極めて重要なのかなと、感想として言わせていただきたいと思います。
 もう一点、46ページ以降の紛争解決のための独自の権限のところであります。数は少ないですけれども、独自の権限ありというところが47ほどあるということでありまして、私も独自の権限があるというところで言うと、例えば北九州市の条例を見てみますと、助言、勧告、あっせん、公表ということが、条例上明確にされておりまして、それを行使するということが明確にされているということであります。
 51ページには、その権限の行使について、地方公共団体における悩みというのも少し書いてあるわけでありますけれども、この辺、国における障害者政策委員会における今後の障害者差別解消法の課題を考えるときに、地方公共団体におけます独自の権限の保持、有無ということを踏まえて、国としてどう対応できるのかということについて、一つの検討材料となるのかなと考えているところであります。
 それから、質問でありますけれども、3ページの1-2の⑦で、要領の策定の関係で、この通知が福祉部局宛てにしか来ていないことによって、地方公共団体全体のものになっていないのではないかということになっています。内閣府からの関係でありますので、普通は組織横断的な通知の出し方をしていると思いますけれども、このような通知だったのかどうなのか。もしも、福祉部局宛てだけの通知であるならば、改善すべきではないかと思いました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 では、松爲委員、お願いします。

○松爲委員 松爲でございます。
 全体の意見を伺っていますと、非常に事例がないということと、大都市、地方都市の地域間格差が大きい。それを考えていったときに、私の専門は障害者の雇用問題ですけれども、障害者雇用促進法においては、同じように差別解消、合理的配慮の中で、実は官庁が半年単位ごとに全国の事業所からの事例を出しているのです。配慮そのものに関しては、法律上はお話し合いで調整しなさいということなので、文章上では書けません。でも、それを補完していくのがたくさんの事例なのです。
 その事例は、たしか厚生労働省障害者雇用対策課では、半年単位ごとで全国の事業所から集めている。こういった事例の不足とか、あるいは地域間格差というのは、考えてみたら現場のノウハウ的な事例をどう積み重ねていって、それを全国でどう共有していくかというシステムがむしろ大事だと私は思っています。
 そういう点では、こういった障害者差別解消法という雇用以外の分野における全般的な障害者差別に関しましても、同じような格好で全国的なデータベースをもとに、特に現場の市町村の事例のないところ、経験のないところに関しては、この事例をベースにして、それを基準として判断していくといった体制、システムが必要だと思っております。
 以上です。

○石川委員長 柘植委員、どうぞ。

○柘植委員 実は先ほど手を挙げなかったのですけれども、37ページのところに相談内容というのがありまして、今、まさに事例とおっしゃったのですけれども、この法律は不当な差別的取扱いをやめよう、必要な合理的配慮を提供していこうということが肝のところなので、それがどのように動いているかということの進捗を把握していくことは、非常に重要なのです。
 今回はアが52%で494件あった、イの合理的配慮は51%で485件あった、これら全部を見る必要はないかもしれませんけれども、どういう求めがあったのか、内容は何だったのか、どういう方法だったのかとか、あるいはこの相談に対してどういう対応をしてどういう結果になったのかみたいな事例というのでしょうか。全部を見る必要はありませんので、およそこのようだったというものが、何かわかるような形で提案していただけるといいのかなと思いました。
 関連して、これは今日の話題でないかもしれないのですけれども、54ページ、効果測定方法です。住民向けの意識調査を48%がしている。障害当事者向けの実態調査は66%がやっている。これは非常に重要なデータだと思いますので、これも全部を見る必要はないかもしれませんけれども、およそこんな3つの論点があったのだとか、何か事例を示していただけるといいのかなと思いました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、三浦委員、お願いします。

○三浦委員長代理 ありがとうございます。
 質問が1点と感想が1点でございます。
 29ページの「1-2.事業者による『合理的配慮』の位置付け」のところで、アの一律に義務と答えられている18%の方々、好事例だと思うのですけれども、これは県の条例を持っているかどうかでクロスがかけられるかということを1点質問したいと思います。
 もう一点は、24ページに戻りまして、たくさんの大変ストレートなフリーアンサーがありまして、非常に勉強になったのですけれども、その中で少し衝撃を受けましたのが、3の(2)の「3地域協議会の構成員の指名又は名称の公表について、特に『個人』としての公表に抵抗を感じる構成員が多かった」というくだり、これは差別の深い構造なのかもしれませんけれども、公表で生じる不利益があるのかということをお尋ねしたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 この後、一旦休憩に入りますが、休憩前に一点、まだ私はまとまっていないのですけれども、いつも考えをまとめてから発言してくださいと述べているところ恐縮なのですが、一言、皆さんに御意見をいただきたいと思うことがあります。
今回、非常に詳しい調査をしていただいて、その調査に対して質問あるいは御意見をいただくという形をとっております。これは前回の障害者政策委員会での各委員からの声がありまして、事務局で対応してくださったという流れなのですけれども、一つ思いますのは、私たちが今、やろうとしているのは、障害者差別解消法の運用にかかわる課題を整理して、運用上の課題を運用において是正していく工夫を提案しようとしているのか。
 あるいはそうでなくて、法そのものが、小さく産んで大きく育てるという思いでつくられた法律なので、必ずしも最初から完璧なものをつくろうということを考えてつくられた法律でないので、弱い点が多々ある。また、障害者権利条約が求めている実施という観点から見て、障害者権利条約との整合性という観点から見たときの法としての弱点について検討するということであるとか、あるいは運用上の課題を解決するために、運用で解決するということではなく、そもそも法によって運用上の課題を解決していくとすればどのような改正が望ましいのか、あるいは救済とか相談のあり方について、障害者権利条約が求めているようなより本質的、本格的な救済を実現するための法的な仕組みというのはあるのか、ないのかといったことを障害者差別解消法の見直しのための議論としてするというのが、この障害者政策委員会の役割なのではないかと思うところなのです。
 今の議論を積み上げていきながら、だんだんとそのようにボトムアップでいくというアプローチと、障害者権利条約との間の乖離を言わば法理論的に確認した上で、こういう見直しが必要という議論と、両方必要なのではないかと考えていまして、そのようにしていくにはどうしたらいいのかと思いながら、前半の議論を聞いておりました。
 要するに、特に法律の御専門の委員の方に、これから私は意見を求める可能性があるということを予告したかったのでこのように申し上げたということで、よろしくお願いします。  休憩は10分で、15時15分再開ということでよろしくお願いします。

(休憩)

○石川委員長 それでは、再開いたします。
 先ほど複数の委員から御質問が出ておりましたので、それに対して寺本参事官から御回答いただき、さらに先ほどまだ若干報告事項が残っているというお話でしたので、あわせて御発言いただきたいと思います。

○寺本参事官 事務局です。
 先ほど委員の皆様からいただきました御質問について回答させていただきます。御質問ありがとうございます。  まず、玉木委員からの御質問の件で、43ページのところで、事業者に対して主務大臣が行政措置を行うこととの関連で、国の機関への実態調査についてお尋ねですが、今回実施しておりますのは地方公共団体向けの調査ですので、国の機関に対して同様の調査はないのですけれども、国の機関において受け付けた相談の主な事例などの報告を部分的にいただきながら、合理的配慮の事例集としてその成果を取りまとめていますので、今、全国に周知をしております内閣府が作成している配慮の事例などは、国の機関で受け付けたものも含まれています。  また、御意見として御指摘いただいた、相談件数をとっていない地方公共団体がかなりあるという状況、これに関して、今、都道府県においては、基本的に相談体制というのをほぼ整備して、広域的な相談員も配置しておりますので、市町村に御在住の方が都道府県の広域相談員に相談を寄せておられることもある。県の中でも件数の多い地方公共団体は100件を超す相談を受け付けている。そんな状況も背景としてあるのではないかとの推測がされます。
 石野委員から、複数の地方公共団体が共同で地域協議の設置が可能かどうかについて、これは可能でして、実際に障害者差別解消支援地域協議会の設置・運営等に関するガイドラインにも明記しております。
 それとあわせて、4ページの設置状況も御覧いただきますと、緑色のものは共同で設置をしている比率でございます。中核市等や一般市、町村において、相当程度の共同の設置が行われているところです。
 平川委員から、対応要領の策定に関して、国が自治体のどのような部局に通知をしているのかという御指摘でございます。調査結果における、人事部局への通知を考慮すべきとの意見との関連と思います。実際、私どもが対応要領の策定を周知していますのは、主に障害者差別解消法の窓口たる各地方公共団体の福祉部局宛てですが、対応要領は職員の対応を定めておりますので、よくよく人事部局とも連携の上策定をいただくようお願いをしているところです。
 ただ、地方公共団体の人事部局宛てに直接国からそういった周知は、恐らくしていないかと思われます。
 松爲委員と柘植委員から、もう少し事例について紹介をという御指摘でございます。今日の御説明の中で、今、具体的な事例を御説明できる形での資料を準備できていないことに関しては申しわけございませんが、大阪府で、色々な事例の分析や検証などを行って公表しているという取組もございますので、次回の障害者政策委員会で大阪府をお招きしまして、そのあたりの御紹介もしていただこうかと思っております。
 それから、事務局で色々収集しております事例についても、なるべく御紹介できるようにこれから準備をしていきたいと思っております。
 三浦委員からの御指摘で、合理的配慮の取扱いについて、法律を上回る形で義務化をしている地方公共団体がある。それについての根拠が条例であるかどうかという御質問ですけれども、条例に基づいて義務化をしているかどうかという形で地方公共団体に調査しておりますので、全て条例が根拠になっております。
 質問のお答えは以上でございます。
 引き続きまして、先ほどまだ説明に至っていなかった部分について、簡単に御説明させていただきたいと思います。
 紛争解決の体制に関して、46ページ、紛争解決のための独自の権限の有無がどうなっているかということを地方公共団体に調査しております。
 これに関して、独自の権限ありと答えているのが47団体ございます。ほとんどが都道府県、政令市、中核市等であります。グラフの水色のところになります。
 この権限の根拠は全て条例です。
 権限の種別ということで、48ページのところに、条例上設けられた権限が記載されております。イの助言、エの勧告、オのあっせんといった権限を条例で定めているところが多くなっております。
 先ほど佐藤委員から、この資料に関して言及をいただきましたけれども、48ページの資料自体は条例で定めている権限でございまして、実績があったものではございません。
 この権限の行使に関してどれだけ実績があったかということも調べましたが、権限の行使の実績はほとんど上がってきておりません。事実上相談員が相談を受けて、例えば相手方の事業者や関係者に調整を行うということですとか、相談員の判断・裁量において様々な対応を行うことに関しては多くなされているところですけれども、このような都道府県知事等がいわゆる条例に基づく権限ということで実際に行使された例はほとんどない。
 一部、助言をした実績は数件あるということが上がってきておりますけれども、基本的にはあっせんや勧告といった権限の行使まで至っているものは、前例としてはございません。  それと49ページのところ、権限の行使主体を調べておりますのがこの表ですけれども、行使の主体は多くが首長となっております。一部、協議会を権限の行使の主体として定めているところや、それ以外の合議制の機関を置いて定めているところもございます。
 50ページ、紛争解決に当たっての運用上の工夫、次の51ページは、運用上の課題を挙げたものです。
 例えば、紛争解決体制の③では、合議制の機関の委員には、当市町村外に在住の者を選定している。先ほど同じ地方公共団体の中では相談しづらいといった意見もあるという話もありましたけれども、そのようなことも考慮しつつ、実際に紛争解決に当たる委員に関しては、地方公共団体外の人を選任する工夫をしている地方公共団体もあるというものです。
 運用上の課題、51ページに行きますと、例えば(1)の②のところで、予算不足や人員不足が原因となっている事案など、権限の行使だけでは解決が難しい紛争への対応が悩ましいといった御指摘ですとか、例えば(2)の④で紛争解決に向けて取り組んだものの、最終的には解決に至らなかった場合の対応について、検討しておく必要があるのではないかといった指摘も上がってきております。
 残りの説明は以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、先ほどからの議論をさらに続けたいと思います。御意見のある委員は挙手をお願いします。
 野澤委員、お願いします。

○野澤委員 ざっと聞いていて、色々な課題があるなということが読み取れるなと思って聞いていました。一つは、地域協議会を設置していないところがまだまだあるということですね。もう一つが、地域協議会が機能していない。もう一つが、相談がそもそも少ない。十分な解決ができていない。色々な課題があると思うのです。
 それぞれが連動しているというか、お互いに関係していると思うのです。そもそも相談がないから設置する必要性を感じていないのだと思いますし、設置していないから相談が上がってこないし、十分な解決が期待できないから相談も来ないしということで、お互いに影響し合っているのだと思うのです。
 私は思うのですけれども、相談というのはそんなに簡単に上がってこないのです。千葉県が条例をつくったときも、最初に事例を集めましたけれども、ほとんどゼロだったのです。では、ないのかといったらそんなことは絶対になくて、あるのにみんな一々そういうことを差別だと思っていないからだし、もう忘れているからだし、一々ずっと差別だと思っていたら、忙しいし、ふだんの日常生活に支障があるからですね。
 そこで色々な工夫をしながら掘り起こしというものをやらないと、潜在化している事例というのはなかなか上がってこないというのが一つあると思います。
 もう一つは、先ほど玉木委員が少し言っていましたけれども、色々なところで端緒をつかんでいる人たちがいるはずなのです。相談支援専門員もそうだし、当事者団体もそうだし、家族会もそうだし、そこがこの協議会にもっとコミットすれば、その端緒がきちんとレールに乗って事例として上がってくるはずだと思うのですね。これが一つです。
 もう一つは合理的配慮の問題です。差別的取扱いと合理的配慮は少しアプローチの仕方が違うなと思っていて、差別的取扱いは、忘れていたり、あえて思い出さないようにしているけれども、された側は自覚としてあるのですね。それをどうやって呼び起こすのかという問題ですけれども、合理的配慮は必ずしもそういう自覚がない。つまり、これからクリエートしていくという性格があると思うのです。それをこういう協議会あるいは相談に乗せてくるには、やはり少し違うアプローチの仕方を考えていかないといけないのかなと思っています。
 この合理的配慮は、すごく魅力的な考え方だと思っていて、つまり、障害のある方というのは働きにくい、社会に参加しにくいというのを非常にわかりやすく凝縮して見せてくれている方たちで、その周辺には、障害がないけれども、同じような生きにくさや働きにくさを抱えている人たちがいっぱいいるはずなのです。ですので、障害のある方に合理的配慮をすることによって、その周辺の人たちにも色々ないい影響が広がってくる。
 つまり、優しい社会にする、あるいは生きやすい社会にする上で、イノベーションを起こせるものだと思っています。これをどうやって社会全体で共有できるのかというところが大きな目標としてあるはずだし、もっともっとそれが共有できれば、この制度が格段に意味を持ってきて、大きな社会的な変化をもたらすことができると思っているのです。
 もう一つ、最後なのですけれども、相談しても十分な解決ができていないというか、それが期待できていない。やはりここが決定的・致命的だと思っていて、そのためには何が必要なのか、みたいなことをそれぞれ考えていかなければいけないと思うのです。
 先ほど委員長が言ったことはとても重要なのですけれども、法的な見直しと運用上の改善でできることを、今、明確に区分けしようとしても、我々はなかなかできないと思うのですね。  ですので、相談が少ないとすれば、掘り起こしをどうやっていくのか、端緒を持っている人たちをどうやってかかわらせていくのか、まず、色々なやり方、可能性を出していく。あるいは合理的配慮をもっと社会全体で共有するためにはどんなことができそうなのかとか、この資料の中で見ると、実際にやられている事例もあると思うのです。そういうものを洗い出していく。
 あとは、解決への実効性を高めるためには、やはりワンストップの相談をつけているのがいいのでないかと私は思いますし、あるいは権限というものをもう少し付与したほうがいいかもしれないし、あるいは中央省庁がきちんと理解を示して、権限を行使できるようなことが必要なのかもしれないし、色々な可能性や課題がそれぞれの項目であるはずなのです。それを洗い出しながら、運用上でやれるとすればどういうことがあり得るのか。中には運用だけでは難しい、法の見直しが必要だと思われるものも出てくると思うのです。
 あるいは条例によって補完する、あるいは上乗せしているところもありますし、そういう可能性があるのはどうなのかとか、もっと課題を整理してできそうなことを提示しながら、まず、そういう大きなたたき台をつくる。それをもって議論するというのが一番近いのかなと思うのです。
 このたたき台は、事務局にやってもらってつくってもらうのがいいのか、それとも我々の中でプロジェクトチームみたいなものを事務局と一緒につくって、とりあえずたたき台をつくるところまでやるのがいいのか、そのあたりは私にはわかりませんけれども、まず、そういうことが必要でないのかなと思って、今、聞いて考えておりました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 私、日本社会のいいところとして、柔らかい法とか弱い法でもすごく丁寧に運用したり、合意形成して、その方向で真面目に努力するというところがすぐれていると思っています。
 ですので、今、野澤委員がおっしゃった方法論というのは、まさに日本社会の特性にマッチした方法であるわけなのですけれども、国際社会から見たときにどう見えるかというと、やはり見た目、外見なのですね。でも、この法律は弱過ぎるだろうと見えてしまうというのは損ではないですか。
 障害者権利条約を批准した締約国の中には、法律だけ立派で実施が全然進んでいない国も山ほどある。その反対の例というのは極めて例外的なのですけれども、日本では一定程度そういうことがあり得る。分野によってのばらつきは出てきますけれども、そういうことがある。
 しかしながら、法の見直しというときに、やはり障害者権利条約から見て、それよりも上乗せ、横出しでなくて、下に沈んでいたり、狭かったり、低かったりする部分については横に広げ、縦に上げていかないといけないのではないかと考えているのです。
 ですので、そこで法の専門家の御意見をお聞きしたいということで、加野委員、いかがでしょうか。

○加野委員 加野です。
 今回、障害者差別解消法の3年後の見直しが議論になっておりますのは、法律にも条文の根拠が第7条に書いてあるわけですけれども、それは先ほど石川委員長がおっしゃったように、障害者差別解消法ができたときに、まだ十分ではないとその当時から考えられていた論点が幾つかあって、それを実際に障害者差別解消法の運用を見ながら検討していこうということで、見直しの条文が入ったと私は理解しております。
 その中で、私がそのときの積み残しの論点を、今、全部挙げられるかというと少し自信がないのですけれども、大きな2つとして私が理解しておりますのが、合理的配慮は事業者に対して努力義務という形で制定されましたけれども、そのままでいいのかどうかということと、不当な差別的取扱いの不当な差別というものが具体的にどういうものかということをもう少し条文に詳しく書き込むかどうかというところが、大きな2つの論点ではないかと私は理解しております。
 特に合理的配慮の点は、見直しの条文の中にもはっきりと明記されているところです。それについて事業者が努力義務とされたのは、事業者側にも合理的配慮という新しい言葉の理解というものが、なかなか進まないといった色々な配慮があったかと考えておりますけれども、例えば今、具体的に条例の制定状況の中で、既に法的義務を課している条例がかなりふえてきているとか、そういった実際の運用というものも見た上で、そこは是か非かといった法的にどのようにするかというところを、あくまで運用というのを議論の資料として、どうあるべきかというところを議論する必要があるのではないかと思います。
 また、差別の定義についても同様で、実際色々な事例があるので、その定義がなかなか難しいといったこともあったと思うのですけれども、今回そういうことでさらに事例から見ていって、どのような相談が上がっているかとか、そういうところを検証するということももちろん必要だと思うのですけれども、実際にこうあるべきといったものを法的にどう規定するか。
 また、法律の中で書けないときに、基本方針で書くといった議論もあったかと思うのですけれども、基本方針でもまだ具体的にそこまでは書けていないといった状況で、法律、基本方針を含めて、そういった点についてどのように書いていくのかというところを、あるべき形から議論していくことも必要ではないかと考えております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 竹下委員、いかがですか。

○竹下委員 竹下です。
 2、3発言したいのですけれども、まず、この調査は今後に非常に役立つと思うのですけれども、もう少し交差分析とかが必要なのかなと思います。そのことは、今、野澤委員や加野委員がおっしゃったことに全部つながると思うのですけれども、条例を制定している都道府県、これを見ていると27都道府県のようですけれども、条例を制定している都道府県において差別というものをどう捉えているか、あるいは合理的配慮としてどういうことが取り上げられているかを整理することが必要です。さらには、概念として、条例を制定している都道府県とそうでないところで違いが出てきているのではないかということが見えてこないかなというのも気になります。
 それから、先ほど野澤委員がおっしゃった相談の関係でもそうなのですけれども、条例のあるところとないところとで、その相談の体制であったり、相談件数であったり、それが条例のあるところとないところでどれだけ差が出てきているのか。そういうところも分析が必要なのではないかと思いました。
 2点目ですけれども、まさに差別の概念であるにせよ、合理的配慮の提供としての概念にせよ、その部分について、条例があるところとないところを含めて、事例の中で大きな差が出てきているとすれば、それはそのまま地域差として放っておいていいのかが問題です。それとも、法律によって一定の解釈基準を示すべきなのか、それ以外の方法によって基準化を図るべきかは、わかりませんけれども、少なくとも基準を示す必要性の可否が、やはり事例から見えてくるのかなと思うのです。これが2点目に大事だと思っています。
 最後に、今回まさに当たり前といえば当たり前なのですが、もともとこの法律を制定したときに、第14条に「紛争の防止又は解決」という言葉があるのに、第17条の地域協議会にはそれが入っていない。そのことについてかつて発言したときに、当時の事務局からは、それは条例とか他の制度に任されるのだと説明されていた。
 それがまさに今度はそのまま条例制定に表れているわけですけれども、紛争解決ということが法律によって制定されないまま、現在の状態になってきている3年の段階で、これを言わば法律の不備と見るのか、それとも本当に条例に任すことで今後もいくのかというのは、今後十分に議論すべきではないかと思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 ほかの委員の御発言を求めます。
 長谷川委員、お願いします。

○長谷川委員 ありがとうございます。経団連の長谷川です。
 今の議論をこれまで聞いておりまして、御参考にと思ったのですが、今、日本は国連の人権理事会で採択されたビジネスと人権原則、この人権原則にはもちろん日本も賛同しておりまして、賛同した国には国別行動計画(ナショナルアクションプラン)の制定が求められておりまして、日本政府はずっと制定すると言い続けてきてずっとやってこなかったのですが、去年から急に動きが始まりまして、今年の年末にかけて、国別行動計画を制定するということで、今、諮問会議のようなものを立ち上げつつあるところなのですが、国連のビジネスと人権に関する指導原則では、企業に国の内外を問わず人権を尊重する経営を行うという責任が求められておりまして、この中にはもちろん障害者の人権にかかわるものもあるということなのですが、この人権を尊重する経営を行う具体的な方針として、人権デューデリジェンスというメカニズムがございまして、企業は、まず、人権を尊重する経営を行うための方針を策定して、サプライチェーンも含む全体の人権リスクの評価をして、マイナスのリスクがあると思われるところについては対応方針をつくって対処して、その効果を測定するというPDCAサイクルをずっと回していくということが求められているということなのですが、経団連としても、これを実際、日本企業にも奨励していく立場にあるのですが、やはり課題となるのが、大企業はいいのですけれどもというところで、特に地方の中小企業にどうやって普及促進させていくのかというところです。
 まず、そこで問題になっているのが、そもそも国連の原則が周知されていない、誰も知らないというところがございまして、基本的に日本で国際的に認知されている人権に関する周知というものをもっとしなければいけないのではないかという必要性を強く感じております。
 また、何人かの委員から御意見が出た好事例の共有も非常に重要でございまして、もちろんグローバルな企業の好事例もございますし、非常に小さな中小企業が非常にすばらしくやっている事例もございます。こういったものを共有していって、企業が取り組みやすい環境を整備していくことが、まず第一に重要ではないかと思っております。
 今、少し議論になっておりました、法律を変えるのか、運用を変えるのかということに関しまして、この国別行動計画でも同じく議論になっておりまして、フランスなどでは、人権デューデリジェンスの結果の情報開示を法律で義務化しております。同じことを日本でもやれという御意見もありますけれども、義務化してしまうと企業としてチェックボックス的なアプローチになって、これとこれだけ情報開示すればいいのであろうみたいになってしまうという懸念もございまして、そういう意味では、目的に即して法律を変えるのがいいのか、運用を変えるのがいいのかというのは、検討するべきものではないかと考えます。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 ほかに御意見のある委員はいらっしゃいますか。
 では、柘植委員、どうぞ。

○柘植委員 筑波大学の柘植です。
 先ほど加野委員がおっしゃった見直しのところの論点として、合理的配慮の提供で努力義務のことをおっしゃったのですけれども、多分2年ぐらい前のこの会議だったと思うのですけれども、例えば神戸市だとか松江市は、公立の幼稚園が結構充実しているのです。
 一方で、この辺だと横浜市は、公立の幼稚園は1個もないのです。公的機関、公立の学校とかは義務で、私立は努力義務ということで、もし、今の時点で障害のある子どもへの教育が公立、私立で差がないのだということであれば、もう努力義務にしておく必要はないので、教育分野だけでも義務にしてしまえばいい。
 逆に、やはり私立は十分な合理的配慮を提供していないのだということであれば、努力義務だからなのかなと。義務にしてしまえばいいのではないか。
 話を戻しますと、先ほど事例と言いましたけれども、やはり進捗状況がどのようなものかということをきちんと把握しないと、法律まで変えるべきなのか、運用でいくべきなのかという議論が曖昧なので、そういうデータを集めるといいのかなと思います。
 また、それは障害者権利条約の第31条でしたか。統計についての有名な条文がありますので、それを踏まえてでも、せっかく見直しをするという検討に入っていますので、データを丁寧に集めていきたいなと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 ほかに御意見はありますか。関川専門委員。

○関川専門委員 今日は、地方公共団体の差別解消の取組について、詳細なデータの提供をありがとうございました。現在どういう状況にあるのかということについて、おおよそのイメージがつきました。
 ただ、障害者差別解消法でいきますと、差別解消の主体は地方公共団体だけでなくて、国がいかにリーダーシップをとっていくのか。特に第11条、第12条では、主務大臣の役割というものを明記してあります。本来的には、国がリーダーシップをとって、行政関与のもとで、当該事業者に対し、報告を求め、又は助言し、指導若しくは勧告をすることができると明確に規定されています。
 地方公共団体でも同様に、条例等をつくって、こうした権限を付与しているところもありますが、第14条では、基本的には地方の裁量にお任せしており、条例をつくるのも結構ですし、つくらないという選択もありますというスタンスになっています。
 制度の見直しにおいては、これでいいのかというところが一番の問題なのではないでしょうか。都道府県レベルでも、あるいは政令市、中核市レベルでも対応可能な体制をつくれるにもかかわらず、随分大きな格差が出ているということをどう評価するかというところが、検討課題になるように思っています。
 事務局にお願いなのですが、特に主務大臣とのかかわりで、調査をしたり、報告を求めたり、あるいは指導、勧告した事例を丁寧に集めていただきたい。ひょっとしたら、ここの部分が機能していないのではないか。これは運用で対応できるのであれば速やかに対応していただきたいし、法改正が必要ということであれば、法改正の検討をしていただきたい。
 あと、第14条の内容についてです。ここでは、国と地方公共団体という並びになっていますが、同じ地方自治体でも広域自治体である都道府県と市町村と同じ体制をつくらなければならないわけではないので、むしろその両者の関係をどう考えたらいいのかということを、制度の枠組みの中で明確にしていただきたいと思っています。
 大阪府が条例をつくったときにも、大阪府が大阪府下の市町村に対して、条例でどういう協力を求めるのかということを踏み込んで書けませんでした。都道府県と市町村は本来対等な関係ですから、市町村に対し報告するように求める、『こうしろ、ああしろ』と指導できるようには、書けないわけです。そのため、非常に漠然とした表現になってしまい、協力をお願いするという内容になってしまいました。可能であれば、都道府県と市町村との関係について、障害者差別解消法の見直しの中でも検討いただきたいというところでございます。
 あと、石川委員長がおっしゃった条約との関係で課題はないのかということでございますが、障害者権利条約の第5条で…。

○石川委員長 少し時間的な制約もあるので、今の点について1点、私から補足的な説明を差し上げてもよろしいでしょうか。障害者権利委員会として一般的意見というものを出しており、第5条については、一般的意見第6号というものを昨年の春に採択して公表しています。もちろんこれは障害者権利委員会の考え方、意見ですので、締約国によっては、「我が国はそれとは違う理解をしている」ということで、それぞれの解釈を出していらっしゃる場合もありますけれども、障害者権利条約のモニタリング機関としての障害者権利委員会の法解釈はそれなりに尊重されるべきものと考えていまして、そこには相当細部にわたって詳しい議論がございますので、そちらを参照していただきたいと思います。
 以上です。
 それでは、佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。
 先ほど石川委員長が御発言されたことなのですけれども、私はぜひとも法そのものの課題、条約が求めているものとの乖離について議論してほしいと思います。障害者権利条約を日本が批准して、それを国内法に落としていく。国際的な基準を国内法にちゃんと導入していくということが、ぜひとも必要だと思います。事例のお話もありましたけれども、これから事例の中で、そういう法律の不備というものが出てくるのではないかと思います。
 もう一つなのですけれども、障害者差別解消法の議論をこれから進めていくのですが、差別と同時に虐待の問題も非常に大きくて、事例を集めると同じように虐待も出ていきます。ですので、虐待防止法もこの委員会で議論が必要だと思いますし、障害者差別解消法、虐待防止法と密接な関係のある障害者基本法の改正の議論も、ぜひここでやっていただきたいと思います。
 障害者基本法は2011年に改正しましたので、これは条約を批准する前です。ですので、今、条約と基本法との関係を明記できておりません。そういう意味でも必要ですので、ぜひ3法あわせて改正の議論をしていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 時間がなくなりましたので、先ほど私が発言しようと思っていたことは次回発言したいと思いますが、それにかかわることで、先ほど申しました第5条の障害者権利委員会による一般的意見6号、第22パラグラフというのがあるのですけれども、そこに救済についての障害者権利委員会の意見があります。ただし、これもそんなに詳しく明確に書いてあるわけでは ないのですけれども、より本来的な救済というのを各国政府に求めています。
 本来的でない救済というのは何かというと、損害賠償のような救済です。例えば雇用もそうですし、民間事業者による入店拒否のようなもの。これに対して締約強制はできないというのが通常の考え方というか、法の世界では常識になっていると理解しているのですけれども、それは本質的な解決にはならないわけなのです。
 特に懲罰的な罰則ということでない限りは、経済的なペナルティーを払ってでも差別を続けることは可能です。例えば、それに対して締約強制ということを可能にするような差別禁止法、差別解消法あるいはそれを核とした施策を各締約国はとるように求めているように読めるのですけれども、それが具体的に実装可能なのかどうかというのは私にはわからないので、一応問題提起として。
 つまり、義務か努力義務かという話は言うまでもないのですが、救済についても、もう少し障害者差別解消法の中で踏み込めないものなのかということも、少なくとも論点としては挙げるべきではないかと考えているところです。
 以上です。
 時間となりましたので、事務局から次回の日程等について連絡をいただきたいと思います。

○寺本参事官 次回の開催ですが、近日中に改めて御案内を申し上げます。
 次回は、施行状況調査について、既に御議論に入っていただいた部分もありますが、条例の制定状況や条例での制定内容、その他全般的な課題の部分の説明をさせていただき、御議論をいただければと思っております。
 それから、先ほど若干触れました具体的な事例の検証などについて、大阪府をお招きしまして、差別の解消に関しての相談事例の取組についてヒアリングを行いたいと思っております。  詳細については、また改めて御案内を申し上げます。
 以上です。

○石川委員長 以上をもちまして、第43回障害者政策委員会を終了いたします。本日はどうもありがとうございました。