障害者政策委員会(第49回)議事録

令和2年1月27日(月)
13:30~16:00
中央合同庁舎8号館 1階 講堂

【議事に使用されている資料については「議事次第」のページにまとめて掲載していますのでご参照ください。】

○石川委員長 定刻になりましたので、これより第49回の障害者政策委員会を開会いたします。
 委員におかれましては、御多用のところ、御出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日の委員会は、16時までを予定しております。
 なお、委員会の冒頭、委員の御迷惑にならない範囲で取材、撮影等が入りますことを御了承ください。
 まずは事務局に異動がございましたので、一言御挨拶をお願いいたします。

○田中審議官 失礼いたします。この度1月17日付けで、内閣府共生社会政策担当審議官に着任いたしました田中俊恵と申します。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

○石川委員長 ありがとうございました。
 次に、事務局より、委員の出欠状況について報告をお願いいたします。

○衣笠参事官 本日は、大日方委員、黒岩委員、野澤委員、長谷川委員が所用により欠席との連絡を受けております。
 また、石野委員が遅れて到着されると伺っております。

○石川委員長 それでは、本日の議事に入ります。
 まず、各委員から御発言いただくときのルールですけれども、挙手をしていただき、委員長指名を受けて御発言ください。できれば最初に結論を述べていただき、その上で説明を敷衍していただくのが、情報保障的によろしいかと思います。よろしくお願いいたします。
 また、御発言の際は、ゆっくり、分かりやすくお話しいただければと思います。マイクの利用につきましても、御配慮をお願いいたします。
 それでは、最初に事務局よりお願いいたします。

○衣笠参事官 事務局です。
 本日は、障害者差別解消法の見直しの検討について、前回までの政策委員会で、委員の皆様方からいただいた御意見を踏まえまして、障害者差別解消法の施行3年後見直しに関する意見の案を作成いたしました。これについて御審議をいただきたいと考えております。
 関係資料といたしましては、資料1を用意しております。
 また、本日、御欠席の長谷川委員から資料を御提出いただいておりますので、資料2として配付しております。
 このほか、委員の皆様の机上には、関係法令等をまとめたファイルを配付しております。  途中、14時45分を目途に、15分間の休憩を設けたいと思います。
 それでは、これ以降の写真撮影は御遠慮いただきますようお願いします。報道関係のカメラもここで御退出いただきます。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、最初に事務局でまとめていただきました取りまとめ案を御説明いただきたいと思います。

○衣笠参事官 事務局です。
 それでは、資料1「障害者差別解消法の施行3年後見直しに関する意見(案)」を御覧いただければと思います。こちらは見直しに関する意見の案ということで、これまでの御議論を踏まえ、過去、個別の論点の検討でお示ししました資料などもベースに作成しております。
 全て読み上げますと、時間の関係上なかなか難しいものですから、要点について御説明申し上げます。
 まず、1ページの「1.はじめに」というところです。
 最初の方は、施行3年を経過したということ、国の取組といったことについての御紹介をさせていただいた上で、真ん中の方から「一方」というところですけれども、地方公共団体での地域の実情に応じた取組がなされているという記述、その次に、オリンピックを契機として「心のバリアフリー」等の取組が、官民を挙げて進められているということ、本委員会におきましては、こうした諸状況を勘案しつつ、昨年の2月から地方公共団体や営利、非営利の事業者団体からのヒアリング等を含め見直しの検討を行ったという経過を記載しています。
 そして、本意見でありますけれども、その検討の結果を取りまとめたものであり、今後、政府において、これを踏まえた具体的な措置を講じることが期待されるとしております。
 その次に、なお書きでありますけれども、本年には、我が国における障害者権利条約の実施状況について、国連障害者権利委員会による初めての審査が行われる予定である。この見直しに当たりましては、この審査を見据えて、条約との整合性等の観点からも検討を行ったところであるが、今後、同委員会から示される勧告の内容によっては、これを踏まえた追加的な議論を行うとしております。
 続きまして「2.3年後見直しに当たっての基本的な考え方」ということです。
 これまでの御議論や御意見等を踏まえまして、今回、改めて整理しております。
 まず、社会の変化等に伴いまして、取組の内容を充実させることが求められるということ、また、施行状況から判明してきた制度・運用の不十分な点については、対応策を講じることが必要だということを記載しています。
 そして、こうした考え方を基本としながらも、特に次の3点に配慮して見直しを行ったということで、3つ整理をしています。
 (1)が、「条約の理念の尊重及び整合性の確保」です。
 障害者差別解消法は、障害者権利条約の締結に向けた法整備の一環として制定されたものでありますが、条約の批准以降、国連障害者権利委員会から一般的意見が示されるなど、新たな動きも生じている。このため、そうした動向も踏まえつつ、条約の理念の尊重、一層の整合性の確保を図る観点から、見直しを行うことが重要であるとしております。
 (2)が、「地域における取組等の実情を踏まえた見直し」です。
 地方公共団体における施行状況からは、取組が不十分な地域でありますとか、逆に、条例を制定するなど積極的に取り組んでいる地方公共団体があることが判明している。こうした施行状況等の実情を踏まえて、制度や運用を見直すことが必要であるとしております。
 (3)ですが、「関係者間の相互理解の促進」です。
 障害者差別解消法は、行政機関等及び事業者に対しまして、差別解消に向けた具体的な取組を求めるということとともに、こうした措置を通じて全ての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指すというものです。
 こうした法律の目的からは、国民一人一人がそれぞれの立場において、自発的に障害者差別の解消に取り組むことを期待するというものでありますし、この方向性は引き続き維持されるべきであり、見直しに当たっても、関係者間の相互の理解を重視すべきであるということを記載しております。
 続きまして、「3.個別の論点と見直しの方向性」です。
 こちらは、これまでの議論の中で整理された、見直しに関する特に議論が必要な論点ごとに取りまとめた現状・課題、見直しの方向性をそれぞれ記載しているというものです。こちらは、過去お示しした資料をベースにしながら、委員会での御議論を反映して記載をしたものになっております。
 まず、「(1)差別の定義・概念について」です。
 「【現状・課題】」の部分ですけれども、1つ目の○は、現行制度であるとか、その考え方について記載をしております。
 2つ目の○の「しかしながら」というところですが、例えば間接差別などが一般に知られていないことから、差別の定義・概念をより明確化して、社会的な認知を広げていくべきという意見があるということを記載しております。
 次の○では、差別の概念というものが規範的なものであり、時代により変わり得るものであることから、必ずしも法律でなくとも、基本方針等において、具体的な例示も含めてどのようなものが差別に当たるのかを示すことができれば、行為規範としての差別の概念の明確化、具体的な紛争解決に資するのではないかという意見もあるという記載をしています。
 次の○ですけれども、こちらはDPI女性障害者ネットワークの方からもヒアリングを行いましたが、障害のある女性の関係での記述ということで、障害のある女性は、障害のある男性や障害のない女性に比べてより複合的な困難を抱えていることから、不当な差別的取扱いや合理的配慮の提供に関して一層の配慮が必要であるといったこと、ハラスメントについての意見があるということを記載しております。
 続きまして、「【見直しの方向性】」のところです。
 「1差別の定義・概念の明確化」です。こちらは、障害者差別解消法における差別の定義・概念について、より明確に示すことは、行為規範としての差別の概念の明確化等に資すると考えられる。一方で、法の施行以降、一定程度の事例の蓄積は図られているが、その内容は多岐にわたることが判明してきている。また、差別的取扱いや合理的配慮の内容は、技術の進展等に応じて、その内容が変化していくものでもある。
 さらには、差別の類型としての間接差別等については、具体的にどのような事例が該当するのかは、相談事例等の積み重ねの中で見いだされていく。
加えて、法律において差別の定義を設けることについては、これによってかえって差別が狭く捉えられてしまうことも懸念されるため、慎重な検討が必要と記載しております。
 「さらには」のところは、これまでの資料でお示しをしたところですけれども、他の部分につきましては、御意見等を踏まえて記載をしたということです。
 次に、4ページの○ですけれども、「これらを踏まえると」ということですが、差別の定義・概念については、弾力的な対応が困難な法律で定義等を設けるのではなく、柔軟に見直すことのできる基本方針や対応指針等における記載を充実することにより対応することが適当であるとしております。
 そして、「例えば」ということで、例を記載しております。こちらは個別の論点の議論でもお示しした記述になります。
 次の○ですけれども、「あわせて」ということで、国、地方公共団体においては、差別の定義・概念の明確化に資するとともに、国民の理解が深まるように、更に具体的な相談事例の蓄積等を進めるべきということを記載しております。
 次の○ですけれども、障害のある女性への差別につきましては、具体的な相談事例の蓄積等により、更に実態把握に努めるべき。あわせて、障害者基本法、障害者基本計画に基づき、障害のある女性等の複合的困難に配慮したきめ細かい支援が各種施策において充実されることが期待されるとしております。
 こちらは、法律に規定すべきという御意見もありましたが、一方で、委員長その他の方からも、明記すべきということではなくて、そこは慎重に考えるべきという御意見もあり、最終的にはこういった記述で御提案をしております。
 続きまして「(2)事業者による合理的配慮の提供について」ということです。
 「【現状・課題】」ですけれども、こちらは最初に現行制度について記載した上で、次の5ページです。「地方公共団体においては」というところですけれども、条例により事業者による合理的配慮の提供を義務化しているところもあり、独自の取組も進展している。
 義務化につきましては、注書きで下に書いていますけれども、平成30年4月1日時点で17団体、それ以降にも東京都等におきまして条例が制定されているという注記をしております。
 戻りまして、「さらに」ということで、2020年東京パラリンピック競技大会を契機として、各種取組等が官民で進められているという記述もしています。
 次の○ですけれども、条約の関係で、障害者権利条約におきましては、合理的配慮の否定を含む障害に基づくあらゆる差別が禁止され、公的主体と私的主体との区別なく、合理的配慮を提供することが求められている。このため、事業者の合理的配慮の提供を義務化する方が、条約との関係ではより整合的であるという意見があると記載しております。
 その次の○ですけれども、「一方で」というところからですが、こちらは事業者側の方からの御意見ということですけれども、事業者において自主的な取組が広がる中で一律に義務化をすると、かえってその取組を萎縮させるのではないかという意見、それから、合理的配慮というものは個別具体的に判断されるため、その判断が難しく、特に中小の事業者には訴訟等のリスクを懸念する声があるということ、また、その事業者において合理的配慮の理解が十分にされていないことから、引き続き努力義務として、事業者の理解の促進等を進めていくべきという意見があると記載しています。
 その次の○ですけれども、「仮に」ということで、仮に一律に義務化をする場合ということですけれども、合理的配慮の定義や範囲、過重な負担と認められる事項などを明確化すること、十分な周知徹底の期間を設けて段階的に導入していくこと等が必要であるという意見もあるとの記載です。
 続きまして、「【見直しの方向性】」のところですけれども、まず「1事業者による合理的配慮の適切な提供の確保」です。
 最初の○ですけれども、事業者による合理的配慮の提供につきましては、これを義務付ける地方公共団体による条例の制定等の取組や、東京パラリンピック競技大会を契機とした官民の取組等が広がっていることを踏まえると、一定の定着が図られていると考えられる。
 一方で、その義務化に関しては、事業者側から、むしろ取組を萎縮させるおそれがある等の懸念や、更なる方策が必要との意見も示されていることを記載しています。
 「このため」ということですけれども、事業者による合理的配慮の提供については、障害者権利条約との一層の整合性の確保等を図る観点から、後述の建設的対話の促進や事例の共有、相談体制の充実等を図りつつ、更に関係各方面の意見や、当該提供が適切に行われるための社会的な素地等の状況を踏まえ、その義務化を検討すべきと記載しております。
 こちらの「関係各方面」というのは、関係する省庁ですとか、法制局、また、関係団体、政党の方々の御意見ということも想定されますし、「社会的な素地」というのは、事業者側の委員からの御意見もありましたが、周知が足りないといったこともありますので、周知ですとか、あとは義務化についての理解、その他様々な事項といったものが考えられるということです。
 「また」ということで、義務化する場合には、現行と同様の主務大臣による実効性確保の枠組みを維持しつつ、一定の周知期間を設けることを検討すべきとしています。これは、要は罰則等々のペナルティということではなくて、現行と同様の主務大臣による報告ですとか、指導などの仕組みによって実効性を確保するということを維持しつつ、周知期間を設けるという意味です。
 次の「1建設的対話の促進、事例の共有等」ということですが、事業者による合理的配慮は、建設的対話による相互理解を通じて実施されるべきということで、このため、建設的対話や障害者等が社会的障壁を解消するための方法等を伝えるコミュニケーション力を身に付けることの重要性を、基本方針等でより明確化すべきとしております。これは、これまでの資料でお示しをしている記述と同じです。
 続きまして、次のページですけれども、「あわせて」というところで、事業者や障害者を含む国民全体への理解を促進するため周知啓発を強化すべきであるということで、周知啓発についても記載しています。
 続いて、「(3)相談・紛争解決の体制整備について」というところです。
 こちらも「【現状・課題】」のところにつきましては、現行制度ですとか、地方公共団体の実態を1つ目の○、2つ目の○、3つ目の○で記載しています。
 その次の○で「各行政機関の相談体制については」というところで、そもそもの適切な相談機関へのアクセスが分かりにくいといった意見、障害者差別に関する専門性が十分でなく、障害者等及び事業者双方の立場を理解した上で建設的対話による解決を促すための相談対応が適切になされていないおそれがあること等により、事案解決や事例の蓄積につながっていないのではないかという意見があると記載しています。
 その次の○が「このほか」ということで、差別的取扱い等に関する相談対応、各事業者での対応等を機に、例えば、事業者の内部規則を改定するなど、事前的改善措置を行うことにより、そもそもの対立構造を解消し、実質的な救済と将来の紛争防止に資するのではないかという意見があったことを記載しています。
 その次の○は、障害者権利委員会の一般的意見ということで、そちらにおきましては「将来志向非金銭的救済」というものが掲げられておりまして、事業者の内部規則の改定等が、当該救済として行われている例があるという記載をしております。
 続いて、「【見直しの方向性】」ですけれども、まず「(1)地域における相談・紛争解決体制の見直し」という部分です。
 こちらの最初の○のところですけれども、障害者差別の解消のためには、双方の建設的対話による相互理解を通じた解決が肝要であり、また、相談体制につながっていない事案の掘り起こしや事例収集にも資することから、紛争に至る前段階での相談体制を充実させることが重要である。この場合、適切に相談窓口にアクセスでき、かつ相談をすることにより事案の改善・解決が図られることが求められるとしております。
 これまで、個別の論点のところでお示ししたものでは、既存の機関を活用することを基本に検討を進めるといったことを最初に述べていたのですけれども、そういったことを打ち出すということではなく、こうした前段階での相談体制を充実させることが重要であるという考え方を、最初に書かせていただいております。
 また、「この場合」というところのアクセス、事案の改善・解決が図られることが求められるというのは、これまでの御意見を踏まえて記載しております。
 次に「その際には」ということで、限られた資源を効果的に活用する必要があることも踏まえて、既存の機関等の機能の充実、効果的な連携など、地域の実情に応じてそれらの機関等の活用を図り、建設的な対話による相談事案の解決につなげていくよう、以下の方策を実施すべきということで記載させていただいております。
 続きまして、「(ア)国・地方公共団体の役割分担の明確化」です。
 各行政機関における取組を効果的に行うためには、それぞれの役割分担を明確化することが有効であるということで、このため、地方公共団体の取組状況も踏まえつつ、それぞれの基本的な役割を示すべきであるとしております。
 以下の記述につきましては、個別の論点の際にお示しした資料の記載のとおりということです。
 続きまして、「(イ)相談体制の明確化」です。
 国や地方公共団体は、相談窓口を分かりやすく示すなど、適切な相談機関へのアクセス向上のための情報提供を積極的に行うべきと記載しています。こちらは、こういった御意見があったということを踏まえて記載しています。
 「その際には」ということで、相談窓口の特性に応じて、障害者等からの相談に加え、事業者からの相談についても対象とすることを明確化すべきであるとしています。
 次の「(ウ)都道府県による広域的・専門的な支援の充実」として、広域支援相談員等につきまして、地域の実情に応じた配置を促すことを検討すべきということで、これまでお示ししたような資料の記載をさせていただいています。
 「(エ)相談対応を担う人材の育成」です。
 こちらの人材育成の関係では、御意見が色々あったことも踏まえて記載をしております。合理的配慮の提供に係る助言、調整等を含めた関係機関等における適切な相談対応や、事案の効果的な解決が図られるように、広域支援相談員その他の相談対応を担う者に対する研修等を実施することにより、人材の育成を図るべきとしております。
 続きまして、「(オ)国・地方公共団体の関係機関の効果的な連携」というところです。
 これも、これまでお示ししたような記載をしており、国と地方公共団体の効果的な連携による差別の解消に向けた取組を進めるべきということ、次の○ですけれども、相談対応による解決が困難となった場合、地方公共団体と人権侵犯事件の調査救済を実施している法務省の人権擁護機関等の機関や、権限を有する主務大臣との その次の○ですけれども、こうしたことを踏まえ、都道府県の地域協議会と市町村の地域協議会の間や、市町村の地域協議会と他の市町村の地域協議会の間において、必要に応じて情報共有や助言その他の支援・連携を行うことについて検討すべきとしております。連携について整理することなどを検討すべきとしております。
 続きまして、次の10ページの「2相談対応等を契機とした事前的改善措置の促進」です。
 こちらもこれまでお示しした資料の記載になっており、相談対応や各事業者での対応等を契機に、事業者の内部規則やマニュアルの改正といった、不特定多数の障害者を対象とした事前的改善措置を図ることは、相談・紛争の事案を事前に防止することに有効であると考えられる。
 「このため」ということで、相談対応等を契機とした事業者の内部規則見直し等の環境整備について、その重要性の明確化を図るとともに、そうした取組を促すべきとしています。
 従前の資料では、ソフト面の環境整備という言い方で書いていたのですが、「ソフト面」という言葉についてどうなのかという御意見もありましたので、そこは削っているところです。
 続きまして、「(4)障害者差別解消支援地域協議会について」ということで、「【現状・課題】」のところですけれども、1つ目の○は、現行の制度、次の2つ目の○は、設置率や運用の実績から、設置促進ですとか運営の活性化が課題ということを記載しております。
 3つ目の○、こちらは、実態として、一部の都道府県では、都道府県の地域協議会に市町村の地域協議会の構成員も参加するといった連携や、都道府県の地域協議会の実施状況等を市町村の地域協議会に共有・発信するなどの取組が行われていることを記載しております。
 次の11ページ、一番上の○ですけれども、これまでの意見ということで、事業者の合理的配慮の在り方に関連して、地域協議会で事例を共有していく必要があるのではないかといった意見があると記載しております。
 「【見直しの方向性】」の1ですけれども、都道府県による市町村の地域協議会設置等の支援ということで、都道府県による支援が重要であるとし、「そのため」のところですが、都道府県の地域協議会の庶務を担う都道府県が、市町村に対しまして、他の市町村の取組に関する情報提供を行うことや、必要に応じて圏域単位など、複数の市町村による地域協議会の共同設置・運営の支援を促すべきとしております。
 次の「1複数の地域協議会の間での情報共有等の促進」という部分です。
 1つ目の○ですけれども、差別解消を更に推進するためには、地域の関係機関による相談事案の共有や連携等が一層重要になるということなども書いています。
 その次の○ですけれども、こうしたことを踏まえ、都道府県の地域協議会と市町村の地域協議会の間や、市町村の地域協議会と他の市町村の地域協議会の間において、必要に応じて情報共有や助言その他の支援・連携を行うことについて検討すべきとしております。
 次の○ですけれども、「国においても」ということで、こうした取組について支援をすべきということの記載もしています。
 最後、次のページの「4.おわりに」ということですけれども、政府においては、本意見を基に、制度や運用上どのような対応が必要となるのか、具体的な検討を進めるべきということ、「また」以下では、政府においては、普及・啓発活動に積極的に取り組むことにより、国民各層の障害に関する理解を促進していくべきという記載をしています。
 その次のページからは、これまでの開催実績ということ、委員名簿を添付しています。
 事務局からの説明は以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、ここから前半後半で途中に休憩時間を設けますけれども、基本的には、本日の委員会はこの件ずっと一本ですので、連続的にお話をしていきたいと思います。
それでは、御意見・御質問等のある委員は挙手をお願いいたします。
河井委員、お願いします

○河井委員 ありがとうございます。河井です。
 私の方からは、(1)の差別の定義・概念について、2点ほど意見がございます。
 1点目は、障害者差別解消法の対象に家族等を含めるという旨の記載ができないかということでございます。理由につきましては、例えば学校において教室移動のために付き添いを求められるとか、入院の際に付き添いを求められるとか、個室の利用を要請されて差額ベッド代を請求されるとか、そこは本来であれば、障害者でなければ求められないようなことを家族が求められるといった差別があることが想定されますので、この法の対象として、家族等を含めることをどこかに記載できないかということを提案したいと思います。
  もう一点は、この文章の中にも、間接差別とか、複合差別とか、色々出てくるのですが、いま一度、直接差別以外の間接差別、複合差別、交差差別、そういった差別についての周知を、対応指針であるとか基本方針の中で、もう少し丁寧に述べる必要があるのではないかということです。
 理由は、やはり私自身も含め、当事者自身も直接差別以外のことについて理解が進んでいないということもありますので、なおさら一般の国民にとっては分かりづらい内容ですので、この辺の説明をもう少し丁寧にするべきというのが提案の理由です。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 何人かの委員の御意見・御質問を受けて事務局から答えていただくという形にしたいと思います。
 では、辻委員、お願いします。

○辻委員 私の方は、7ページの(3)の2つ目の○に「障害者差別に関する相談をワンストップで受ける窓口」という表現があるのですけれども、この下の脚注を見ますと、地方公共団体の約半数がワンストップの窓口を設けられているということで、私どもの対応としましては、相談でありますとか紛争解決につきましては、非常に専門性がありますが、教育でありますとか、バリアフリーでしたら道路とか、建物の担当になりますし、また、子育て支援とか、障害者福祉とかそういうところで振り分けはできるのですけれども、ワンストップで全てを相談できるという体制はとれないと思うのですよ。それが半数ということですから、ほとんどの地方公共団体が、市でありましたら対応しているということなのです。この辺の実態はいかがなものなのでしょうか。

○石川委員長 ありがとうございました。
 もうお一方。佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。
 今、4つ目の論点まで全て言った方がいいでしょうか。それとも前半、2つの論点だけを言った方がいいでしょうか。

○石川委員長 1、2でいきますか。

○佐藤委員 ありがとうございます。
 まず1つ目、差別の定義・概念について意見が3つあります。
 1つ目は、法に差別の定義をぜひ入れていただきたいと考えています。何が差別かという定義は、法律の本質に関わることで非常に重要です。昨年の秋に国連の障害者権利委員会から日本政府に出された事前質問事項では、障害者差別解消法が直接差別、間接差別、複合差別及び交差差別であれ、障害のある女子に関するものを含め、生活のあらゆる分野において、障害に基づくあらゆる差別を禁止しているかどうかを本委員会に対してお知らせ願いたいとあります。
  こうした質問に答えられるようにするためにも、法の定義を視野に入れて、見直しが必要だと考えます。
 2点目は、複合差別です。障害を持つ女性の複合差別ですが、今回の見直しの方向性の中では、基本方針や対応要領、対応指針というところが出てきておりません。法律の定義自体の見直しに加えて、基本方針や対応要領、対応指針でも、複合差別について対応を考えるべきではないかと考えます。
 3点目です。関連差別、障害に関連する差別もぜひ盛り込んでいただきたいと思います。今回の方向性の中で、間接差別については盛り込まれる方向で書かれており、私は歓迎しております。同時に、障害に関連する差別、例えば盲導犬とか車椅子を理由にした入店拒否というのは、ずっと後を絶たずにあるわけです。このような実態を踏まえて、関連差別も不当な差別的取扱いの中に明記するということが必要だと考えます。
 次は、2つ目の事業者による合理的配慮の提供です。これに関しましては、ぜひとも事業者の合理的配慮の提供を義務化していただきたいと思います。その方向について示されているということは、私は歓迎しております。
 建設的対話は非常に重要です。各地では、当初は拒否といったことがあっても、それは誤解とか偏見に基づくもので、話し合いによって解決しているという事例が多数ありました。現行では、障害者が差別を受けたと感じたとき、事業者に建設的対話を求めても、事業者が応じなければ建設的対話はできずに終わってしまっております。建設的対話を促進するためにも、事業者の合理的配慮の提供を義務化すべきと考えます。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 私、最初にどこからどこまでと申し上げなかったので、相談に関する御質問もありましたが、まず、3委員から御意見・御質問のあった点について、事務局からの発言をいただきたいと思います。

○衣笠参事官 事務局です。
 最初に、河井委員から御意見のありました、家族を法律の対象にすべきではないかということですけれども、そこはかなり法律の根幹に関わる部分もありますので、慎重に、法律上規定することは考えていく必要があります。このため、ここの場で、できるとかできないというのはなかなか申し上げにくいわけですけれども、法律上の規定というよりも、基本方針や対応指針といった中で家族に対するものについてどこまで書けるかということは、検討する余地はあると考えております。
 あとは、複合差別ですとか他の差別の類型について周知すべく、基本方針などで言及できないかということですように、こちらの取りまとめの案でも書いておりますように、例えば間接差別につきましては、具体的にどのような事例が該当するのかは、事例の積み重ねの中で見いだされていくということも書いてございますし、実は他の類型の差別についてもそこは同じだと考えております。
 複合差別は、障害のある女性への差別というところでも、具体的な相談事例の蓄積等により更に実態把握に努めるべきと書いておりますけれども、そういった類型を設けることについては、事例の積み重ねが必要ということで、今の段階で、そこまで何が該当すると書けるようなものではないと考えています。
 ただ、間接差別の例示で書いているように、何らかの記述をすることについて検討することは、あり得ると考えております。
 辻委員から、半数の地方公共団体がワンストップ窓口を設けているということで、専門性ということもあって、そのあたりはどうなっているのかということの御質問です。地方公共団体がどういった人員を配置しているのかということですが、御指摘の記載は調査を基に記載しております。その中で全てを把握しているわけではありませんが、専門性の確保というのは課題となっており、専門の人材がいないとか、逆に、事例の積み重ねがなくてノウハウもなかなか蓄積されないといったような御意見も挙がっております。ワンストップ窓口が設けられていたとしても、そこは課題であるという状況です。
 佐藤委員から、差別の定義を法律に入れるべきではないかという御意見ですが、そういった点も含めて、考え方を3ページ、4ページの「1差別の定義・概念の明確化」というところで書かせていただいております。一定の事例の蓄積は図られていますが、その内容が多岐にわたることが判明してきており、さらに差別の内容といったものは、社会情勢の変化等に応じて変化していく。さらには、具体的にどのような事例が該当するのかは、相談事例の積み重ねの中で見出されていく、「加えて」ということで、法律において差別の定義を設けることについては、これにより、かえって差別が狭く捉えられてしまうことも懸念されるということで、慎重な検討が必要という記載をしています。
 加野委員からだったと思いますけれども、差別の概念については時代によって変わり得るものであるということで、3ページの「また」のところの記載がそれに該当する部分ですが、必ずしも法律でなくても、どのようなものが差別に当たるのかを例示も含めて示すことができれば、明確化するのではないかといった御意見もいただいている中で、今回は法律で定義等を設けるのではなくて、基本方針等での記載の充実という方向性を記載しているということです。
 複合差別について、基本方針等でも対応を考えるべきということですけれども、こちらは先ほどもちょっと申し上げたところで、何が書けるかということですが、まだ具体的な相談事例の蓄積等を図らないと、何が該当するのかなどが判然としない面もあり、今回の案のような記載をさせていただいています。基本方針でどういう記述があるのかというのは、今後検討することになると考えております。
 関連差別という意味合いが色々あって、障害者の家族に対する差別を関連差別という言い方をするときもありますけれども、盲導犬、車椅子の関係などを盛り込むということも、今後検討できる課題と考えています。
 事務局からは以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 河井委員、辻委員、佐藤委員、いかがでしょうか。
 佐藤委員、どうぞ。

○佐藤委員 すみません。一点、私、大事なことを言うのを忘れていまして、2番目の事業者による合理的配慮の提供のところなのですけれども、義務化するのと同時に、周知期間なしでやっていただきたいと思っていまして、言い忘れておりました。
 第47回の政策委員会でも多数の委員から、周知期間はなくていいのではないか。法律は2013年に成立してもう7年も経っているわけですから、十分周知されていると考えております。そういう意見も多数出ておりましたので、周知期間を設けずにやっていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 特に論点整理の1と2につきまして、御意見ございますでしょうか。
 加藤委員、お願いします。

○加藤委員 ありがとうございます。加藤です。
 今のことに関連して、4ページの上から3行目、5行目あたりですか。要するに「間接差別等」というところですが、この表記、2つ目のパラグラフの2行の中身が非常に分かりにくいと思うのですね。先ほど来議論が出されていますように、直接差別、間接差別、関連差別、複合差別等々、そういう色々な概念がある中で、あえてここで間接差別等と間接差別だけを取り上げて、その具体的な事例を集めて云々という話ですけれども、それは間接差別だけの問題ではなくて、等と括らないで、それらのことを文言として全部出したらいいのではないかと思うのですね。
 そうしないと、具体的な事例というのは間接差別だけの話かみたいな話で、短絡的に理解される可能性があるのではないかというのがちょっと心配です。
 もう一つは、間接差別ということだけを取り上げた場合に、先ほど来出ていますように、間接差別というと、私のレベルですと家族という問題がすぐつながるのですが、もう一つ、兄弟ですね。それも家族と言ってしまえばそれまでですけれども、やはり兄弟、家族という周辺の関係者が、色々な意味で当事者本人に類するような差別、偏見を受けるということは、広く色々な形で周知されていると思うので、それを間接差別、複合差別、直接差別云々という正に間接的な表現でなくて、親兄弟の間接差別というような、もう少しその辺を具体的に表記した方が、読む人にとって分かりやすいのではないかと思います。
 特に、やはり子供ということに関して考えた場合には、特に家族の問題というのは非常に大きな問題になりますので、ぜひその辺のことをしっかり表現していただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 平川則男委員、お願いします。

○平川(則)委員 ありがとうございます。
 差別の概念・定義について、一つ発言させていただきます。
 今回の差別の概念について「規範的なものである」という書き方がされておりまして、少し分かりづらいなと思いました。
 障害者差別解消法は、障害を理由とする差別の解消というのが明確に記載されております。ですから、障害を理由とする差別とは何かということは一定程度明確にし、法的にもそれが位置付けられていく必要があると思います。行為規範としての差別の概念の明確化となっていますので、その行為規範とは一体何かというのは、ちょっと分かりづらいなと思いました。これについては質問ということにさせていただきたいと思います。
 行為規範がどのようなものかによって、やはり法律で規制すべき、明確にすべきものがあるのではないかという気もいたします。
 もう一つは、相談事例の蓄積を進めることで、差別の概念について明確にしていくのだという趣旨の記載が、4ページにあると思います。
 以前も発言させていただきましたけれども、労働法関係で言いますと、例えば会社の経営が苦しくなって、職員、従業員を解雇しなければならないという事例のとき、解雇の4要件というのが労働契約法で明確になりました。実はこれは最近のことでして、それまでは裁判の判例を積み重ねて、その判例に基づいて運用がされていて、結果としてそれが法律になったというものであります。
 事例の蓄積が、今後の法案化につながっていくのかどうかということについて、まだここでは明確になっていないのかなと思っているところであります。
 さらにもっと言えば、差別として定着したものも既にあるのではないかと思います。例えばハートビル法(高齢者,身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法)のように、バリアフリーを絶対にやらなければならないということで明確になっているものもあります。すでに存在している法律にしっかりと対応していき、障害差別の概念というものを明確にしていくということがあると思いますが、反対に、法案に明記をしていくことの一つの方向性につながっていくのではないかと思います。差別の取扱い、合理的配慮の内容は、技術の進展、社会情勢の変化に応じて変化をしていくから法案化できないのだと記載してありますけれども、既に定着化しているものについては明確化し、法案に向けての検討をしていくというのも、考え方としてあるのではないかと思っているところです。
 事業者による合理的配慮の提供の確保について、民間事業者への合理的配慮の義務化を検討すべきというのは、当然賛成ですけれども、それとともに、実は地方公営企業であるとか独立行政法人も、義務化になっておりませんので、そこはもう明日からでも義務化すべきだと思っていますので、ここに書くかどうかは別にしても、意見として言わせていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 門川委員、お願いします。

○門川委員 門川です。
 事業者による合理的配慮の提供について、国の行政機関や地方公共団体等には、合理的配慮が法的義務としているのに対して、事業者には努力義務を課すとしていますね。これについて。私としては、見直しの方では、事業者に対しても法的に義務を課すという条文に改めるようにお願いをしたいと思います。
 事業者において自主的な取組が広がる中で一律に義務化すると、かえってその取組を萎縮させるのではないかという意見があるようですが、果たしてそうでしょうか。努力義務として3年が経過していることからも、将来の義務化を見据えて取組を広げていると捉えるべきであると思うのです。
 義務化することによって、合理的配慮の提供への意識が更に高まると考えるべきではないでしょうか。もし今後の努力義務のままにしておくと、努力義務に甘えてしまって、事業者への合理的配慮の取組への意識や意欲が高まらないと思うのです。
 また、地方公共団体の中には、条例で事業者による合理的配慮の提供を義務化しているところもあります。
 さらに、障害者権利条約において、公的・私的を問わずに合理的配慮の提供を禁止しているということからも、障害者差別解消法においても今後は事業者への合理的配慮の提供を義務化する方向で進めていただきたいなと思っております。
 よろしくお願いします。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 そうしましたら、玉木委員お願いします。

○玉木委員 玉木です。ありがとうございます。
 最初に謝っておかないといけないのですけれども、今日気付いたことがあって、全体を読んでいく中ですっきりしなかったのです。何でしなかったかというと、3年施行されて、いわゆる今、合理的配慮も努力義務の論議だけをしているのだけれども、一方で、地方公共団体が法的義務の部分でしっかりとやってこられたかどうかという評価は、ここには全然見えてこなくて、先ほど佐藤委員が言ったように、合理的配慮の周知の期間を設けると言いながら、実は、この3年でも公共機関や国がやっている合理的配慮の姿を見せていく機会がいっぱいあったはずで、それができていないから、合理的配慮の周知、理解ができていないと私は思っています。だから、あえて今回の意見書で周知期間を設けるとか、周知・啓発を強化する。何か入れるのはむちゃくちゃ格好悪いことで、何回も言っているように、対話的協議を進めていくことが合理的配慮を義務として考えるのであれば、当然、それは義務で書くべきであるし、もう一回言いますけれども、今の法的義務なる合理的配慮が、どういう形で本当に実行されているのか。
 そこが実行されているのが見えないから、民間事業者もしぼんでしまっているのではないかと今日気付きました。すみません。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、竹下委員、お願いします。

○竹下委員 竹下です。
 角字では4ページのところらしいのですけれども、これは表現がちょっと間違っていると思うので、そこから確認したいのですけれども、文章の書き出しが「これらを踏まえると、差別の定義・概念については、弾力的な対応が困難な法律で定義等を設けるのではなく」とある。これは正しいでしょうか。少なくとも法律で定義することが弾力性を欠くというのは、誤解を招くと思うのです。
 例えば障害者権利条約の第2条は、あれによって何か弾力性を失うことになっているのでしょうか。そうではないと思うのですよ。法律でどういう書きぶり、ないしは記載の仕方をするかということはあるかと思うのですけれども、法律に定義を記載することが直ちに弾力性を欠くというのは、私は気をつけてほしい、間違いだと思うのです。
 その上で申し上げたいのですけれども、この案のところでもこういう表現をしていますね。その後で「形式的には云々」とあって、その後で今度は「実質的には」。果たしてこれが本当に内容を明確にしたことになるのでしょうか。何が形式的で何が実質的かということこそが、多分議論を招いてしまうと思うのですよ。
 いみじくも、先ほど佐藤委員の発言に対する事務局からの答弁を聞いていて、この基本方針に書き込む内容について、これから検討をする。または、それはなかなか困難云々と出てくる。そのことが、言わば先送りした形で、結局は基本方針の議論に入ったときに、それは障害者差別解消法の第7条、第8条の第1項には含まれないのだということになりかねないということを考えると、法律の上で一定の差別を禁止すべき範囲を分かりやすくしておかないと、あるいは網羅すべきことだと思うのですけれども、差別が禁止されるのだ、障害者権利条約第2条で表現するように、結果として差別を招来する場合は禁止されるべき内容なのだというところまで言い切っているわけですから、そうであれば、一般的な概念で仰っているように、権利条約との整合性ということで考えるなら、余計基本方針で範囲が狭まるということは絶対にあってはならないということを踏まえた議論は、ここでしていただきたい。
 その上で、法律の定義として可能な表現を考えていただきたいと思っています。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 三浦委員長代理、お願いします。

○三浦委員長代理 先ほど事務局の方でお答えになったところで、事例の積み重ねにより、という表現がありましたけれども、間接差別であるとか複合差別、関連差別ということに関して、私たちがどのように概念形成をしてきたかを考えると、やはり障害者権利条約を学ぶ中から、間接差別というのはこういうものであるということを知って、初めて、同じ取扱いをしても障害者の方の不利益になることであれば差別なのだなということのイメージが形成されてきたのですけれども、最初に、一定の定義付けがどこかにないと、差別の見方であり、新しい視点であるので、それを持たなければ事例は積み重ねられないのではないかと思いまして、一点提案をいたします。

○石川委員長 ありがとうございます。
 大河内委員、お願いします。

○大河内委員 大河内です。
 6ページの2の建設的対話のところで、建設的な対話や障害者の社会的障壁を解消するための方向等を伝えるためのコミュニケーション力を身に付けるという表現があって、これは個人的な感じ方の問題かもしれませんけれども、それぞれ建設的な対話をしたり、相互理解を深めることは重要ではありますけれども、個人が努力していく必要性も感じていますが、一方で、個人の力だけを重視してしまうこともちょっと違うのかなと思っていて、少し書きぶりを変えていただくといいのかなと思いました。
 対話の機会の拡大だったりとか、情報提供の充実だったりとか、そういう言い回しの方が、障害者差別解消法とかバリアフリーをめぐる議論には良いのかな、この表現はちょっと似つかわしくないのかなと感じました。
 以上です

○石川委員長 ありがとうございます。大変重要な御指摘を各委員からいただきましたので、まず、事務局の方から一括して答弁いただきたいと思います。

○衣笠参事官 順番に申し上げます。
 まず、佐藤委員から、合理的配慮の義務化について、周知期間はなくて良いのではないかということですが、一方で事業者側の団体からは、まだ周知が十分でないということもあり、仮に義務化する場合には、十分な周知期間を設けて段階的に導入していくことが必要であるという意見も出されている中で、こうした一定の周知期間を設けることも検討すべきという表現をしています。
 一定の期間というのは一体どのぐらいなのかは、議論もあるところですが、そこは一定のものが必要ではないかという提案をしています。
 加藤委員から「間接差別等」というところですけれども、こちらについて他の差別類型も明示しておくべきではないかといった意見のように受け取りました。先ほど申し上げましたけれども、例えば関連差別といったものが何を指すのかとか、まだそもそものイメージ自体が整理しにくい面もあるかと思いますので、こういった「間接差別等」としておりますけれども、どこまで表現できるかは、委員長とも御相談をしたいと思います。
 平川委員からの行為規範としての差別の概念の明確化についてです。これはこういった意見があるということで記載しているのですけれども、事務局としての理解としては、まさに何らか従うべき規範、基準といいますか、考え方といったことで、ちょっと答えになっているかどうか分からないのですけれども、単純に理解をしているということです。
 次に、事例の蓄積というものが法案につながるのかが明確でないという指摘について、現段階では法律上、今までの事例の蓄積を踏まえると、まだ何か定義を設けられるような段階にはないという認識で、事務局としてはこういった文章を記載しております。将来的にどうなるかは、将来事例の蓄積がどのぐらいあるかということによって変わってくるということです。
 あとは、差別として明確になっているものも一部あるのではないか。それを書くということもあるのではないかということですが、事例としてそういったものを法律に記載するというイメージの理解でよろしいですか。法律上、何か例として書いていく、もう明確になっているものがあるのではないかということですけれども、そちらにつきましても、社会情勢の中で変化していく可能性もある中で、法律上そういったものを書くということについてどうなのか、慎重に検討していくべきと考えております。
 玉木委員からは、今までの国、地方の合理的配慮についての取組がちゃんと実行されているのか、見せられてこなかったということが、周知が足りないことの要因でもある、または評価として見えないということですけれども、そこは御指摘のとおり、合理的配慮の実態というのを全部網羅して捉えるというのは、難しい面があるのは事実です。そういった意味では、なかなか書き切れていないということはありますけれども、世論調査みたいなものでの周知の度合いや、皆様方になかなか浸透していないのではないかという意見もある中で、周知が足りないということはそうなのだろうということで、周知をもっとすべきであるということも書いているということです。
 竹下委員から「弾力的な対応が困難」ということの使い方といいますか、そこの記述が間違っているのではないかということですけれども、ここは読み込みができないという意味で「弾力的な対応が困難」と書いたのではなくて、要は、定義を書いたとして、社会情勢の変化に応じて定義・規定自体、若しくは概念といったものについて、法律の規定を見直すこと自体がそう簡単にできるものではなく、「弾力的な対応が困難」ということで記載しています。
 ひいては仰るように、読み込みができないものを読み込むというところにもつながってくる面はありますけれども、一義的にはすぐに直せませんということをイメージして書いているものです。
 次に「例えば」以下のところの表現ぶりも、そもそも「形式的」、「実質的」というところが議論になってくるのではないか。これ自体もどうなのかということですけれども、「例えば」以下の表現ぶりにつきましては、既存の男女雇用機会均等法でこういった表現ぶりがあるということで、それを参考に記載させていたただいたということです。
 ただ、仰るとおり「実質的」と言っただけでは、それがまた議論になるのではないか、該当するのかという話があるという意見も、そうかもしれないということでありまして、そこを今後どうするのかは、まさに基本方針の中で議論していくものと考えております。
 三浦委員長代理から、イメージが先行して定義のようなものがない、イメージが形成できないので事例の収集もできないといった意見と思いますが、そこは卵が先かみたいな話にもなってきますけれども、我々としては、これは後の議論の対象ですけれども、相談体制というものをもうちょっと強化して事例を集める中で、だんだんと全体のイメージが形成するのではないかという考え方で記載しております。
 大河内委員の「コミュニケーション力を身に付けることの重要性」といったところについて、どうも個人に責任を転嫁するといいますか、責任を重く置いているのではないかという御意見ですが、実は「ユニバーサルデザイン2020行動計画」の中でも類似の表現がございまして、それを持ってきたということです。我々としては、そういった表現もあるのでこういった記載をさせていただいているということです。
 事務局からは、以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 私からも意見を述べさせていただきたいと思います。各委員から大変有益な意見をいただいたことについて、まず、お礼を申し上げます。
 色々あるのですけれども、門川委員が仰った「萎縮」という表現です。かえって萎縮するという言い方は色々なところで使われるのですけれども、実際、何かに対して積極的に賛成ではないと言うための常套句というか、慣用句として使われていて、率直に言ってその言葉そのものにはそれほど内容はない。余り賛成でないのだということだけを伝えたいということです。
 萎縮という表現にこだわりがあって使われているのではなかろう。というのも、かえって萎縮するというのは、率直に言って意味不明なのですね。意味不明ではないですかと言いたいわけではなくて、積極的に賛成ではないのですということだけが伝われば良いという意味で使われていると理解いたしますので、ここは削って、もうちょっと説得力のある、積極的賛成でない理由を書く方が、意見を出していただいた委員に対しても、委員会として誠実な対応になるのかなと思います。萎縮はやめましょうというのが一つです。
 竹下委員が仰った2点は共に非常に積極的なお話で、形式的には云々、しかし実質的には云々というのは、確かに他の法律から引っ張ってきたものです。私もこれでいいかなと思ったのですけれども、竹下委員の御指摘はそのとおりですね。
 つまり、一方で直接差別、間接差別という概念を用意しようとしている中で、形式的には差別ではないが、実質的には差別かもしれないというのは非常に論理性を欠いてしまうと思いますので、これも避けたい。使わないようにしたいと私としては思います。
 同じく竹下委員と三浦委員長代理も仰ったことですけれども、何を差別と考えるのかという基本的な考え方を示すことと、具体的に何がその考え方に基づく差別に当たるのかという具体的な範囲については切り離して考える必要があって、後者については基本方針の中で、そのときの事例の蓄積あるいは気づいていなかった間接差別に気付くということは事例を通して出てくるわけなので、それはそのようにした方が良いと考えますけれども、基本的な考え方を法律が持たないとすると、法として不思議なものになってしまうので、もしそれが難しいのだとすれば、もう少し正しい理由を述べる必要がある。
 例えば障害者基本法をオーバーライドできないのだとか、しかるべき法理論的根拠が示されれば納得もできるかと思うのですが、この説明だとちょっと厳しいのではないかと思いました。
 大河内委員が仰ったコミュニケーション力についての言及も、私、気になってはいたのですけれども先ほどの取りまとめの中にも、言いそびれてしまっていたのですが、ここも直した方がいいですね。
 あと、その人が持っている交渉力というか、説得力というのは、社会的な経験とか、支援とか、そういったもの全部込みで高まっていくもので、その人個人に帰するコミュニケーション力と言い切ってしまうのは、例えばコミュニケーション力に関わる障害ということもあるわけだし、知的障害や発達障害の人たちの人権をどうやって保護していくのかということもあるので、障害者政策委員会の取りまとめの中の文章としては、ちょっと適当ではないのではないかと私も思います。
 私としても少し補足的に申し上げました。
 曽根専門委員、どうぞ。

○曽根専門委員 曽根です。
 今、委員長が仰った萎縮のことは、私も非常に気になっていまして、むしろ企業にとっては、努力義務になっていることがかえって萎縮を招いているのではないかと思います。例えば奄美の空港で車椅子ユーザーの搭乗拒否があったときも、結局不当な差別的取扱いという観点から報道されましたけれども、実は合理的配慮の不提供ということが裏にあるということですね。この2つを分けて考えるということは、やはりできないのだと思います。
 そう考えますと、そこで合理的配慮を提供するかどうかという判断の余地があることによって、やらないときにたたかれてしまう。やってたたかれたということはないのですね。ですので、やはりきちんと義務化をした方が、事業者にとっても安心ができるのではないかと思います。
 事業者にとっては、下限品質管理ということだと思うのですけれども、下限に努力義務という穴が開いてしまうと、やはり合理的配慮の取組というのも、いつまでたっても溜まらないということになりますので、きちんとそこに蓋をした上で取組を蓄積していくということが必要で、事業者にとっても、合理的配慮が義務化すると大変なことになってしまうイメージよりも、むしろそれを一緒に進めていくことが企業にとってもいいのだというポジティブなイメージを打ち出していくべきではないかと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 大変良い意見、ありがとうございます。
 では、大内専門委員、お願いします。

○大内専門委員 ありがとうございます。
 まず、冒頭のところにあります、基本的な考え方のなかで、共生社会の実現のために、共に建設的な対話の下に築き上げていくという姿勢を打ち出している点に関しまして、記載のとおりであると考えます。ぜひこういう考え方の下で、今回の案もまとめていただければと思います。
 そして、「3.個別の論点と見直しの方向性」の(1)、(2)に関してでございます。まず「(1)差別の定義・概念」に関しまして、4ページ目の中段ぐらいに書いてあるところですが、定義・概念について、もちろん法律で定められるものは、当然定めていくべきだと思いますが、非常に個別具体的な事例も多く、それだけでは拾い切れないというか、対応できないことも当然あろうかと思います。これはどの法律でも当てはまると思いますが、基本方針、対応指針等による記載を充実させること、また、事例の蓄積を更に進めていくことで、国民各層が理解しやすい形になると思います。
 国民各層の中には、当然事業者も含まれます。特に中小事業者の場合には、ほぼ個人に近いというか、大企業の場合には専属の担当者がいらっしゃるかもしれませんが、小さい企業の場合には、こういう法律、制度がありますよと言われても、丁寧に、事例を具体的に伝えていかないと、なかなか分からないようなところもございます。定義・概念を定める際には、理解しやすい形で、基本指針、対応指針等を整備していくという方向で進めていただければと思います。
 もう一点ですが、「(2)事業者による合理的配慮の提供」の部分でございます。こちらに関しましては、今回の取りまとめの案の中で、以前、私どもから申し上げたのですが、中小事業者にお話を聞くと、合理的配慮の提供は、個別具体的に判断されるために非常に判断が難しく、過重な負担や、仮に紛争になった場合の訴訟リスク等、悪いケースを考えていくと非常に不安に思う事業者がございます。
 むしろ、真面目にこういったものを守ろうという意識を持った事業者ほど、罰則あるいは法律による強制という方向に持っていくことで、どこまでやればいいのだろうと不安を抱いてしまうところがございます。
 また、冒頭に記載がありましたが、建設的な対話の中で組み込んでいくということでございますし、その中で、正に制度をきちっと機能させていくということでございます。 合理的配慮の提供等については、前向きに、ビジネスチャンスと捉えて、色々な方に利用していただけるようなお店とするために、お店の施設をバリアフリー対応に整備している事業者もおります。そういった良い事例が広がっていくことで、事業者が自ら主体的に取り組んでいく流れを作っていく。こうしたことが、この法律の目指すべきところと考えます。
 ですので、6ページの真ん中に書いてありますとおり、合理的配慮の提供につきましては、「建設的対話の促進」、「事例の共有」、「相談体制の充実」、こういう様々な支援策を設けた上で、社会的な合理的配慮措置の浸透状況等を踏まえ、義務化を検討すべきと考えます。そういった自主的な取組を進めていく余地が、まだまだあるのではないかと思っております。
 また、合理的配慮措置を義務化する場合にも、自主的・自発的な行動を促すような措置を色々とりつつ、一定の周知期間を設けて、こういった取組が自然に進んでいくような方向の中で進めていただければという感想を持ちました。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、加野委員、お願いします。

○加野委員 加野です。
 意見書全体の書き方に関する部分なのですけれども、どの項目も「【現状・課題】」というところに、現状と課題だけでなく、この問題に関する様々な意見、見解が記されていて、その上で「【見直しの方向性】」というところに意見がまとめられたような形になっていると思うのですけれども、例えば合理的配慮の提供について、課題のところに両論併記されていますけれども、結果その見直しの方向性としては、義務化の賛否というか、その両論を合わせたような形で、言うなれば一歩後退したような形になっていると思うのですね。
 ただ、この委員会で様々な御意見が出たのですけれども、数として義務化の意見を述べられた委員の数の方が多かったのではないか。もちろんこの委員会の性質上、多数決ということではないと思うのですけれども、「【見直しの方向性】」のところに、もう少しはっきりと義務化という意見が結構あったということをお書きいただいた上で、そうでないという意見もあったというか、方向性を一つにまとめようとするから無理があって、委員会としての意見としてはこのようだったというところを率直に書くというのも一つの方策ではないかと。
 もちろん、今日とか次回の委員会の議論も踏まえて一定の方向性にまとまればそれに越したことはないと思うのですけれども、仮にそうでなかった場合に、相当強い御意見が双方あった場合に、方向性のところに書くというのも一つの考え方ではないかと思いました。
 あわせて、差別の定義に関しても、先ほど私が前々回の委員会のときに申し上げた意見のことを引用されてお話をされましたけれども、私があのときに申し上げた意見は、まずは障害者権利条約との整合性から、やはりあらゆる差別が禁止されるというところは、権利条約と同じ考え方だということは一つ申し上げていたので、それが前提となった上で、具体的にどういう行為が差別に当たるかというところは、やはり法律に書きづらい部分は基本方針で書くべきではないか。先ほど委員長が仰ったようなことと同じような考え方ですけれども、そういう前提で申し上げていますので、そのことも併せて、定義の部分についても、仮にその見解がまとまらなかったとき、「【見直しの方向性】」として両論併記というのもあり得るかなと、あくまで私の個人的な考えですけれども、申し上げました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 そうしましたら、柘植委員、お願いします。

○柘植委員 柘植です。
 3点あります。簡単に話をします。
 1つ目ですけれども、事業者の義務化という議論で、先ほど加野委員も仰いましたけれども、この委員会では義務化ということにたくさんの方の賛同があったものですから、まずそのことを前面に出して書かれるといいのかなと思いました。
 一定期間を設けるか、設けないかは悩ましいところですね。でも、これは5年、10年かけてというものでもないと思いますので、明記するなら1~2年をもってというものを明記してもいいかもしれないですね。
 事業者の議論をするときにいつも分かりづらいなと思うのですけれども、私、2回か3回発言しているのですけれども、学校教育に関わっているものですから、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、私立が結構あるのですね。大学は私学が非常に多い。あるいは地方公共団体から見ると、幾つかの地方公共団体には幼稚園はもう公立がないのですね。全部私学なのですね。そういった状況で、どこで学ぼうと同じように、障害者差別を受けないで必要な合理的配慮を受けるということを考えると、鉄道会社とか、タクシー会社だとか、レストランだとか、他は分かりませんけれども、学校関係、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学は、他のものを置いてでも早く義務化しなければいけない。つまり、分野ごとでの議論もあってもいいのかなと思いました。
 2点目です。これは質問です。アメリカだとか、韓国だとか、障害者権利条約を批准した国がたくさんあるのですけれども、そもそも他の国というのは公的機関と民間事業者で切り分けて、公的機関は義務なのだけれども、民間事業者は後でというつくりになっている国が多いのでしょうか。どうなのでしょうか。
 3つ目は意見です。7ページの一番上ですね。周知啓発は、私は非常に大事だと思います。女性の障害者の話題が出てきて、今回このように提案されて、いいなと思いました。もし障害者を一括りでなくて、女性だとか何とかと分けての記述をするのだったら、「子供」という文言も入れた方がいいと思いますね。相変わらず障害のある子供が、学校で障害のない子供からいじめに遭っているのですね。昨日も大きく出ていました。
 いじめと障害者差別はイコールでないのですけれども、そのいじめの内容を一つ一つ精査していくと、これはちょっと厳しいなとか、これは障害者差別ではないなと議論していけるのですね。
 ですから「国民」と書くと大人という感じがするのですけれども、子供のうちから、幾つかの子供新聞とか、子供向けの障害についての本とかも出始めていますね。ぜひここで子供についての、学校、小さな頃からの周知啓発みたいなものも盛り込んでいただけるといいのかなと思いました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
では、久保委員、お願いします。

○久保委員 ありがとうございます。久保でございます。
 全体的に、家族から見るととても分かりにくいなという感じがするのです。もう少し具体的に書いていただかないと分かりにくいなという感じがします。
 それと、今、お話がありましたけれども、差別というのは本人だけでなくて、私たち家族はすごく差別を受けています。心ない言葉も言われますし、兄弟は特に、あの子と遊んではだめだとか、あそこの家には遊びに行ってはだめだということも、必ずどの家族も1回や2回はあるというぐらいの差別を受けていますので、ぜひどこかに、子供とか家族というのを書いていただきたいと思います。
 それと、ワンストップの相談ですね。

○石川委員長 すみません。相談はこの後でもう一回。

○久保委員 そうですか。
 では、コミュニケーションの部分です。先ほど委員長から言っていただきましたけれども、知的障害は自分のことを自分の言葉でちゃんと伝えられないというのが知的障害の特徴ですので、コミュニケーション力とか、障害があるから色々な経験が少ないというのもありますので、そこを言われると、知的障害はとてもではないですけれども、差別を自らの力でよけるということはできないなと思っています。
 それから、事業者のこともそうですけれども、周知されていないから、まだ法律に書くのは難しいという答弁だったように私は聞き取れたのですけれども、もしそうであったとしたら、法律にきちんと書いて周知を進めましょうということをやっていかないと難しいのだろうと思っています。
 特に障害のある女性の差別とか子供の差別というのは、今まであまりみんなが気付いていなかった部分があると思いますので、法律にきちんと書いて進める、法律が誘導していくという形が必要ではないかと思っています。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、大塚委員、お願いします。

○大塚委員 日本発達障害ネットワークの大塚です。
 3ページの差別の定義・概念ということなのですけれども、障害者差別解消法ができたときの経緯を私は知らないので、非常に恥ずかしいことになるのかもしれないですけれども、少なくとも障害者差別解消法は、総則第1条、第2条において、定義は第2条なのですけれども、1が障害者で、2が社会的障壁、3が行政機関等となっていまして、ここで障害に基づく差別であるとか合理的配慮というのを規定しなかった。それは理由があったのだと思うのです。どういういきさつか分からないので、ちょっと恥ずかしいのですけれども、ここできちんと書いて、特に先ほどから出ている障害に基づく差別と合理的配慮の関係だとか、裏腹の関係であるとか、障害者の合理的配慮の不提供も含めて差別だ。理由はあったのでしょうけれども、ここをきちんと書いておいた方が丁寧かなと思います。
 次の段階においては丁寧な方がいいので、そのように具体的に書けるところは書く。正に権利条約においては、この2つのところは定義のところであるわけですので、ここで書けることは書いた方がいい。そういう段階に来ているのではないかと考えています。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 休憩に入る前あるいは休憩後でもよろしいのですが、事務局の方からまとめて、「(1)差別の定義・概念」と「(2)事業者による合理的配慮の提供について」に関する様々な御意見が出ましたけれども、どうしましょうか。

○衣笠参事官 事務局です。
 何度も申し上げていて、繰り返しになってしまうので申し訳ありませんが、法律で書くということ自体につきましては、ここに縷々書いているように、ある程度明確にならないと法律上書くというのは難しい。それは法制局とやりとりをする中でも必ず出てくる問題ですので、大きな一つの課題であるということです。
 あとは、逆に法律に書いてしまうと、むしろそこで反対解釈というものも生まれる可能性もあるとか、こちらに書いているような弾力的な対応が難しいといった面があるということは事実であるということで、このような慎重な検討が必要といった書きぶりにしていります。
 従いまして、どこまで何らかの記載ができるかということは、やはり基本方針などにおきまして検討させていただきたいというのが、事務局としての考え方ということになります。
 以上です。

○石川委員長 それでは、これは後半にも関わる話なので、もう一点だけ所見を述べさせていただきます。
 加野委員から良い提案をいただいたのですけれども、委員会としては極力コンセンサスをもって取りまとめたい。つまり、多数意見はこうで、少数意見はこうでしたという形は最終手段と考えています。また、もう少し言えば、何をまとめたのか分からないまとめは避けたい。もし読んでいてどうとでもとれるというところがあれば、それは直しておきたいと思います。
 もう一つ申しますと、社会の中の様々な立場の方が委員を任命されて、ここでそれぞれの視点、立場、経験を通した御意見をいただくのは歓迎いたします。ですけれども、同時にこの障害者政策委員会は、障害者権利条約の国内監視機関という役割を担っていて、この法改正というのは、先ほどの取りまとめの中にもありましたように、条約の国内実施に関わる部分で、日本の審査を見据えて、あるいは必要があれば、勧告なども踏まえた追加提案みたいなことも考えなければいけないということも書いてありますように、障害者権利条約の国内実施という観点からの法の見直しという方向性で、意見をまとめる責任を負っているのがこの障害者政策委員会ですので、それぞれの立場から御意見を出していただくのは非常に歓迎なのですけれども、最終的な合意形成に当たっては、政策委員会の委員としてのお立場で、個々の事業者であるとか団体であるということを背負っての意見ということは、横に置いていただきたい。
 別途ロビーイングしていただくことはやっていただいてよろしいのですけれども、この委員会での議論の取りまとめに当たっては、あくまでもこの委員会が担っている責務に基づいて、その任命された委員として、合意形成に向かって御意見を出していただきたいということでお願いしたいと思います。
 それでは、ここから15分休憩に入りたいと思います。3時20分に再開いたします。

(休憩)

○石川委員長 それでは、再開いたします。
 先ほどの「(1)差別の定義・概念について」と「(2)事業者による合理的配慮の提供について」につきまして、内布専門委員からも発言を求めていらしたので、(1)、(2)に関する最後の発言として、内布専門委員、お願いします。

○内布専門委員 内布です。
 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。私、精神障害者当事者でもあり、ぴあサポート専門員研修機構の代表理事でもありますが、前半の話の中で、ちょっと感想に近いのですけれども、意見を述べさせていただきます。
 事業者への合理的配慮は努力義務化、義務化するのかというところで、私、今まで、確かに差別を受けたと思うことが何度もあります。障害当事者が受けている差別は様々なものがあると思うのですけれども、義務化することによって、その時点で日本における障害者差別が変わっていくのであれば、事業者には御負担になると不安に思われることもあるかもしれませんが、やはり障害者が差別を受け続けるということをずっと感じ続けなければならないと思っております。なので、やはり義務化していただいて、障害当事者が差別を受けにくくなる、受けなくてもいい、そのためにはやはり義務化していただきたいと思います。ちょっとまとまりがなくてすみません。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 阿部委員も御発言ということで。

○阿部委員 日本身体障害者団体連合会の阿部です。
 2つあります。
 1点目は確認です。これからの進み方というのがどうなのかなということで確認させていただきます。今日は、障害者差別解消法の施行3年後の見直しに関する意見ということで、先ほど来、やはりこの障害者政策委員会の委員の皆さんの意見のポイントはどこにあるかというのをしっかり明確に書くべきだというのは、本当に大事なことだと思いました。
 さらに、この意見が法改正にどのように反映していくかというのはすごく大事なことであって、私たちがどこまで関わるのかなということを知りたいと思います。これは皆さんも、今、うなずいていただいています。その辺のところをお話していただくということ。
 もう一点は、6ページの下から2つ目の○です。先ほどコミュニケーション力を身につけることというのは、個人に責任、負担ということで、コミュニケーションに関する障害もあるわけだからという御意見もありましたけれども、そのとおりだと思います。ただし、ここのところでは、それぞれの人が自分にとって困っていること、不便なことを伝えていいのだよということと、やはり伝えることは大事ですね。ですから、この問題点というのを指摘されましたけれども、どうここに反映していくか。少なくともこの文章がみんななくなったら意味がなくなってしまうのではないかということで、やはり障害がある私たちが、それぞれの障害によって不便なこと、困ったことは異なると思いますけれども、それを当たり前に伝えることによって、社会的障壁、それぞれの人の不便なこと、困ったことが解消するということがしっかり伝わるような文章にしていただきたいと思います。
 問題点という指摘はありましたけれども、どうするかということが、私、今までの議論で理解しにくかったので、それについてしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 そういえば、コミュニケーション力のところは、むしろアドボカシーではないですか。だけれども、さらにもう少しかみ砕いた方がいいかと思います。
 それでは、後半の「(3)相談・紛争解決の体制整備について」と「(4)障害者差別解消支援地域協議会について」に関しまして、御意見等をいただきたいと思います。御意見等がおありの委員は挙手をお願いいたします。
 竹下委員、お願いします。

○竹下委員 竹下です。
 まず1点目は質問です。9ページのほぼ終わり際です。(3)の1の最後のくだりですけれども、「また、相談対応による解決が困難となった場合において」というくだりなのですけれども、この日本語だとイメージがよく分からない。これを何遍読んでも、地方公共団体と法務省の人権擁護機関及び主務大臣が連携するために整理すると書いてあるのですけれども、日本語としてそれで読み方が正しいなら、どういうイメージというか、何を言おうとしているのか、少し御説明していただきたいというのが質問です。
 2点目は、私は、障害者差別の解消という本質は、ここにも書かれているように金銭解決ではなくて、正に将来志向非金銭的救済がすばらしい目標だと思うのです。それだけに、裁判に頼ってはだめだと思っているのです。従って、ここにあるように紛争解決という点から言えば、言葉が不適切かもしれないけれども、いかに裁判にまで発展せずに解決できるかということを目指していただきたい。
 ところが、この見直しのところを読んでいても、今の質問のところにも関係してくるのですけれども、最後、相談の段階で、不幸にして建設的対話等で解決できなかった。そのときにも司法に頼るのではなくて、紛争解決を行うための道筋、私は新しい機関をつくるまでは要求しません。そうでなくて、現在ある何らかの行政機関や法務省の権利擁護委員会でもいいのですけれども、どういう手順で、どういう手法を使って解決を図ろうとするのか。
 例えば条例でよく見られるように、あっせんという方式を選ぶのか。そういうことも含めてどこかに書き込んでいかないと、この部分が大きな前進を遂げられないのではないかと思っているので、ぜひ書き込んでいただきたいと思います。
 最後に、意見ではないのですけれども、ちょっとお願いなのですが、今までの点字に比べて今日は点字の出来が余りに悪くて、私は、誤読は余り文句を言わないのですけれども、行まで全部崩れていて非常に読みにくかったので、次回少し整理していただければ有り難いです。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 では、佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。
 2点あります。
 まず、「(3)相談・紛争解決の体制整備について」なのですけれども、ぜひ中央省庁にワンストップ窓口を設けていただきたいということと、省庁横断的に担当の課長会議等を設けていただいて、相談事例の対応の結果を報告して、年次報告といったものをまとめて、事例を蓄積して差別の解消に努めていただきたいと思います。
 現在は、相談窓口が各省庁にあるのですけれども、一体自分が受けた差別はどの省庁の管轄なのかというのが分かりにくい。ですので、担当窓口にたどり着けない、あるいは事例でも報告しましたが、たらい回しに遭うとか、省庁によっては対応にものすごく差があるということがあります。
 現在、中央省庁での事例の積み重ねというのがあまりできていないのではないかと感じております。今回の見直しの中でも、条例の中での事例は出てきたのですけれども、中央省庁からの事例というのはなかなか出てこなかった。この辺を振り返って、ぜひとも事例の蓄積を進めていくためにも、省庁横断的な担当の課長会議というのを設けていただきたいと思います。
 2点目は、4つの論点には関わらないのですけれども、先ほど河井委員からも意見が出ていましたけれども、法の対象範囲です。これは障害者権利条約との整合性という意味で非常に重要だと考えています。以前、石川委員長からも、メモとして出ておりましたけれども、障害者権利条約では過去の障害、例えば精神障害で病院に通院していたといったこととか、あるいは未来の障害、HIVに感染してまだ発症していない方とか、推測による障害あるいは家族といったものが、条約では法の対象範囲に入っているわけです。
 特に家族は、障害者と一緒にいて、例えば入店拒否を受けたら一緒に入れないわけですし、乗車拒否もいまだにたくさんありますけれども、それも利用できなくなっている。あるいは家を借りようと思っても、拒否されて家が借りられないということがあるわけです。そういう意味で、法の対象範囲の見直しということも、ぜひどこかに記述していただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
門川委員、お願いします。

○門川委員 門川です。
 相談・紛争解決のところについてです。見直しの方向性のところ、相談体制の明確化において、相談窓口に障害者がアクセスしやすくするために、ここに相談の手段、例えば通訳者を介するだとか、電子メールを利用するだとか、そういった電話以外の方法だとか、電話相談だけでなくて、電子メールだとか、通訳者を介するとか、そういったことを明記していただいて、相談対応が可能となるようにする。
 例えば盲ろう者を含めた、どんな障害がある人も窓口にアクセスが容易にできるようにしていただくためにも、相談手段についても明記していただいた方がいいかなと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 三浦委員長代理、お願いします。

○三浦委員長代理 10ページなのですけれども、「2相談対応等を契機とした事前的改善措置の促進」の部分で、○の本文中には「事前的改善措置(環境整備)」と示されております。よかったらタイトルの方も「(環境整備)」を付けていただいた方が分かりやすいかなと思いまして、提案します。
 一人のニーズに向かい合う合理的配慮と、みんなのニーズに対応する環境整備のような対比の仕方で覚えていくと、それぞれの事業所であるとか、分かりやすく整理できるのではないかと思います。事前的改善措置は説明するのがちょっと大変そうなので「(環境整備)」を付けていただきたいという提案です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 他に御意見はございますか。
 大内専門委員、お願いします。

○大内専門委員 相談体制のところで、今の御指摘と同じく10ページのところです。「相談対応等を契機とした事前的改善措置の促進」のところに書いてあります部分です。
 最後のところに、「幅広い事業者等における取組が期待される、相談対応等を契機とした事業者の内部規則見直し等の環境整備について、その重要性の明確化を図るとともに、そうした取組を促すべきである」ということが書いてあります。
 正こういった機会がなかなかなくて、今までそういった視点で見ていなかった事業者にとって、例えば専門家のアドバイスを受けられるとか、こういう行政の窓口に行けば色々な助成制度について教えてもらえるとか、そういう仕組みがあれば、更に取組が促進できると思います。
 この報告書の中に書くことが適切かどうか分からないのですが、取組を促すことと、例えば行政による支援とか、専門家派遣とか、そういった形での支援措置、ぜひそういったことも盛り込んでいただけると、こういった仕組みがより有効に機能するのではないかと思いました。

○石川委員長。ありがとうございます
 それでは、事務局の方からお願いいたします。

○衣笠参事官 事務局です。
 まず、竹下委員から御質問がありました9ページの「(オ)国・地方公共団体の関係機関の効果的な連携」の「また」以下のところですけれども、何を想定して書いているのか分からないという御意見です。こちらは、現時点で地方公共団体での相談事案が、うまく人権擁護機関につながるような流れが明確化されていないというのは事実なので、そこを何らか示していくことによって、こうした連携をすることがより円滑にできるようにならないかということです。
 どのようにということについては、まさにこれから整理をしたいことですので、現在、具体的にこれ以上申し上げるのはなかなか難しい状況です。ただし、何らか法律に権限みたいなものを設けて、それによってここにつないでいくことまで想定しているということではなくて、相談を受けつけていた相談機関の方が、話し合いというフェーズはもう超えているということであれば、ここにつなぐのだろうということで、それは事実上のあっせんなのかもしれないですが、そういったことでつないでいくということです。あらかじめ示されたような手順といいますか、大まかな枠組みの中でそこにつないでいくことを想定しています。
 点字につきましては、次からまた改善をさせていただければと思います。申し訳ございませんでした。
 佐藤委員からの中央省庁でのワンストップ窓口の設置若しくは事例を担当課長会議のようなもので共有していくといった取組ができないかという御意見ですが、ワンストップの窓口をつくるとことができるとは、今のところ申し上げることはできませんが、事例の共有も含めて、関係省庁と連携するやり方にどのようなものがあるか、そういったものは検討したいと思います。
 法の対象範囲を見直すということ、過去の障害などを明記できないかということが、我々としては、障害を理由とする差別的取扱いというものは既に禁止されていると認識していまして、事務局としては過去の障害も「障害を理由とする」の中で読めると考えているところです。
 家族については、先ほど御意見がありましたけれども、そこは法の根幹にも関わってくるものなので、ここで何らか、はっきりとできるようなことを書くことには、我々は慎重なスタンスであるということです。
 門川委員からの相談窓口へのアクセスにつきまして、電話以外のやり方もという御意見です。そこは一律に義務付けることは難しいですが、そういった配慮といったものが書けるかどうかは、検討させていただきたいと思います。
 三浦委員長代理からのタイトルに入れてほしいという御意見は、そのように修正させていただきたいと思います。
 大内委員の仰るような支援措置ということで言いますと、相談体制といったものもその一つと考えておりまして、そういったものを組み合わせながらやっていくということで、相談というものを義務化とセットでという趣旨は幾つか書いているつもりであり、事業者の内部規則のところも、事務局としてはそういった趣旨も含めているという認識です。
 事務局からは以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
竹下委員、どうぞ。

○竹下委員 竹下です。
 皆さん、今、事務局から説明いただいた内容で理解できましたか。私は理解できなかった。なぜかというと、現在でも、例えば条例を制定しているところは、紛争解決のためのシステムをつくって、色々な方式というか、やり方で解決を図っているわけですよ。ここで言わば見直しの方向性ということをわざわざ言っているのに、今の事務局の説明では、方向が全然見えないということになってしまうだけなのですね。
 言っているのは、言わば地方公共団体と法務省の人権擁護機関と主務大臣が連携しろということで、何をどう連携して解決に持っていこうとするのかが示されなかったら、見直しの方向ということにならないのではないかと思うのですよ。
 新しい紛争解決機関をつくらないのであればあるほど、私も8年間ほど法務省の人権擁護委員をやっていましたけれども、人権擁護委員会でどういう解決の仕方を提案していくのか。それが具体的に地方公共団体の条例をつくっているところとの連携が必要となるなら、それはそれでまた次の段階として提示していけばいいと思うのですけれども、これを見ている限りでは、紛争解決の流れといいますか、紛争解決の手続そのものが全く見えてこないような内容では、見直しの方向とは言えないのではないかと思うので、そこはもう少し分かりやすいものにしていただくことをお願いしたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 この点につきましては次回までの宿題とさせていただいて、もう少し踏み込んだ提案ができるかどうか、事務局で検討していただき、私も考えさせていただくということで、竹下委員からも具体的な提案をいただけると非常に有り難いというところで、多分、今日のところはそんな感じかなと思うのですけれども、竹下委員、よろしいですか。

○竹下委員 結構です。

○石川委員長 関川専門委員、どうぞ。

○関川専門委員 大阪府立大学の関川でございます。
 施行3年後の見直しに関する意見として、第15条の啓発活動についての言及がないというのはいかがなものかと考えております。紛争が起きてから、それを調整して解決するのはもちろんですが、その基となるベースの改善を考えますと、啓発活動というのはとても重要だと思います。それについては、様々なところで個別に情報の共有という形で書かれていますけれども、改めて項目を起こして、現状と課題について言及していただけないでしょうか。
 内閣府を中心として、様々な形で情報発信はありますが、果たして啓発の効果は上がっているのでしょうか。特に差別解消を妨げている諸要因の解消につながるような啓発活動が必要であり、それが事前改善につながっていくような取組が十分でないように思っています。ぜひとも3年後の見直しに関する意見、次回で結構ですから、言及できるのであれば言及していただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 では、北岡委員、お願いします。

○北岡委員 ありがとうございます。
 前半の部分と後半の部分の両方にまたがるので、いつ発言しようかと思っていたのですけれども、例えば今回の障害者差別解消法の中で見直すのが厳しいということがあるのだなというのは、今日の全体の話を聞いていて思いました。
 特に障害があり、女性であるという複合的な課題を持っていらっしゃる方についても、今回の障害者差別差別解消法の中で見直していくのは、色々と難しい側面があるのだなということも感じましたが、例えば障害者基本法の見直しなどの中で、併せて検討されるのかということも、今の御説明を聞きながら私なりに理解しましたが、例えばこの法律の見直しの附帯事項的なところで、今後、障害者基本法の見直しなども含めて検討する必要があるということの意見を書き足していくことが可能かどうかということを、一つ御検討いただければと思います。
 2つ目が、先ほど柘植委員の方からお話しされた、項目ごとに考えていくというのは、私も必要なのではないかと思いました。例えば、公共性の高い鉄道とか、公共交通機関などは、やはり国立ではありませんので、なるべく早い時期に義務化にして進めていく必要があるだろうと思いますし、映画館などの娯楽施設、文化施設においても、やはりなるべく早い時期に合理的配慮の義務化を求めていくということで、項目ごとに検討してもいいのではないかと思いました。
 以上2点です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、まだ少し時間が残っていますし、次回の委員会で取りまとめまでいこうとしているので、残っている時間も有効に活用したいのですけれども、多くの委員から提起された論点で、まだ障害者差別解消法の法改正として取り上げるには難しいのではないかという論点が幾つかありまして、これをどのようにするかということで、ちょうど北岡委員から、障害者基本法の改正とか、障害者差別解消法の改正だけではカバーしきれない、しかし、重要な論点についても、この委員会で話し合って、多くの委員から出た意見については、何らかの形にした方が良いという御提案もありましたけれども、この点について、事務局、いかがでしょうか。

○衣笠参事官 事務局です。
 あくまでこれまでの議論の積み重ねということの中でつくられていて、しかも、障害者 差別解消法ということなので、我々としてはそこに留めるということを想定しています。
 障害者基本法の関係につきましては、まずは障害者差別解消法の議論を進めた上で、今後、更に国連の審査で勧告が出されることも見込まれますので、障害者基本計画なり、障害者基本法なりというのは、今後また考えていくものと思います。この段階でいきなり障害者基本法に言及するのは、事務局としては慎重な方がいいと考えております。
 以上です。

○石川委員長 北岡委員、発言されますか。

○北岡委員 分かりましたが、複合的差別についてここで書けないとしたときに、例えば障害者基本法との関係はないのですか。女子の複合的な差別を書くべきだという意見も結構あったかと思うのですが、それがここで書けないということと、障害者基本法にそのことが取り上げられていないということとの関係はないということで理解していいですか。

○衣笠参事官 障害のある女性に関して、ここで書けないということではなくて、実際書いていて、あとは基本方針の中でどこまで書けるのかというのは、これからまた検討しなければいけないのかなと思います。この委員会の場で、こう書きますとはとても言えないと思うのですけれども、そこは今後の検討の中に入ってくる話と思っています。

○石川委員長 石川です。
 複合的差別を差別解消法に書き込んでほしいという御意見は多くいただいているのですが、私もどうやったらそれが実現できるかと考えてみたのですけれども、不当な差別的取扱いを禁止すること、合理的配慮の不提供を禁止すること、この2点に加えて、複合的差別の禁止を規定として入れるべしという御意見なのでしょうか。

○竹下委員 前回、DPIの女性のことに取り組んでいらっしゃる藤原さんが、この委員会で色々と事例をお話しになりましたけれども、そういうことに対してしっかりと差別を禁止するということが盛り込めないのかと私は思っていることで、その際、この委員会の中での議論ではないですが、障害者基本法にそのことが書いていないので、ここで取り上げることが難しいという御意見も聞いたものですから、ちょっと確認しているわけです。
 そこは関係ないというお話で、障害者基本法にそういうものが書いていなくても、この障害者差別解消法の中で議論をして、ある程度合意が得られれば書くことの可能性があるということで理解していいですか。

○石川委員長 まず、私の理解では、複合的差別もまた、不当な差別的取扱い若しくは合理的配慮の不提供である。障害者であることによって差別を受けるし、女性であることによっても差別を受けるし、さらにそれが掛け算のようになって、女性障害者だからということでより多くというか、より深刻な差別を受けることも経験する。
 それに対しての対応として、障害者差別解消法は不当な差別的取扱いを禁止しているし、合理的配慮の不提供も禁止しているし、民間事業者についてもそれを義務化したいということで、今、合意形成しようとしているのですが、それだけでは足りない部分があるのか。
 足りない点があるとして、それは何なのかについての具体的な案は、私には分からないということと、各委員からもヒアリングからも聞いた記憶がないように思うのです。あるべきものは既にあるから新たには見つからないということなのではないのかと思うのですけれども。いかがでしょうか。 竹下委員、どうぞ。

○竹下委員 竹下です。
 今、一生懸命に表現を探そうと思って見つけられていないのですけれども、実は京都府の条例に、障害女性のことを取り上げようということで、1項目入ったのです。その表現が見つけられなくて。
 あった。ちょっと読んで。
(代読)"全て障害者は、障害のある女性が障害及び性別による複合的な原因により特に困難な状況に置かれる場合等、その性別、年齢等による複合的な原因により特に困難な状況に置かれる場合においては、その状況に応じた適切な配慮がなされること。"

○竹下委員 すみません。私、暗記できないもので代読させました。京都府条例ではこういう表現で盛り込んでいただいたので、これを一つの参考にしていただけるならばと思って紹介しました。
 以上です。

○石川委員長 松爲委員、これに関連してですか。

○松爲委員 法の位置付けをどう考えるかというのは、先ほどの座長の話を聞いていてもちょっと疑問点があるので、それに関してちょっと言いたいと思います。

○石川委員長 どうぞ。

○松爲委員 東京通信大学の松爲でございます。
 実は法の関係で、先ほど障害者差別解消法が、例えば障害者基本法とどう関わるかという問題に合わせて雇用という場面を考えていきますと、障害者雇用促進法において、既にいわゆる労働分野における全ての差別、合理的配慮に関しての条文は仕上がっていますね。例えば今、障害者差別解消法の中で合理的配慮を義務化するといったときには、障害者雇用促進法の中においては義務化になっていないのですね。あくまで話し合いと書くことに決めております。それは、現場の企業からすると、例えば企業規模とか助成金とか、色々な条件がありまして、法律上つくるのは難しいという話だったのですね。
 ですから、今、例えばこちらの障害者差別解消法で合理的配慮も義務化します。しかも、障害者差別解消法を法的に改正していきますといったときに、障害者雇用促進法との間の法的な整合性をどういう格好でとっていくのか。また、障害者差別解消法の方が上位の法だから、障害者雇用促進法を変えろという話になってくるのか。そこの全体の見通しをちょっとお伺いしたいところですね。

○石川委員長 事務局から回答いただけますか。

○衣笠参事官 事務局です。
 今の障害者雇用促進法に関して言いますと、規定ぶりは違った規定になっているのですけれども、我々としては、むしろ雇用分野は合理的配慮を義務化しているといった理解をしています。

○松爲委員 義務化は、あくまで差別でなくて、合理的配慮に関しては、公的な機関はともかくとして、民間事業者はまだそこまでいっていなかったのではないですか。合理的配慮の提供の義務化は入っていますか。

○石川委員長 入っています。

○松爲委員 義務化になっていましたか。
 そうすると、義務化をやっていても、先ほどの話でいくと、色々な難しい条件がありますから、話し合いで決めていきなさいと書いていますね。逆に言うと、義務化されたにしてみても、実際に義務化を施行していく場合には、例えば今回の障害者差別解消法でも話し合いで決めていくといった法律の流れということになるのでしょうか。
 義務化といったときに、具体的に義務化を施行で動かすときにどういう形でやっていくのか、ちょっとイメージが分からないのですね。そこが分かれば、ちょっと教えていただけるといいと思います。

○石川委員長 事務局の方からお願いします。

○衣笠参事官 今回の報告書でも出していますけれども、実効性の確保の観点で言いますと、差別的取扱いの禁止も、民間事業者も含めて禁止になっていて義務なのですね。そこは主務大臣による報告や勧告、そういったことで実効性を確保するという立て付けになっています。今回の合理的配慮につきましても民間について義務化するのであれば、差別的取扱いと同じような実効性確保を想定するということで書いています。

○石川委員長 建設的対話を通して、両者で、こういう方法でないといけないというように最初から決め打ちするというのでなくて、お互いにそれぞれの状況やニーズについて説明して、良い方法を両者で合意するというやり方で進めていく。義務化になってもそのやり方は変わらないということです。
 竹下委員のお話にあった京都府の条例の規定は、第一款だけなのですけれども、理念を掲げている感じで、これで何をどうしろという具体性のある作為義務とか、不作為義務を規定しているとは読めないように思うのですけれども、どうでしょう。
竹下委員。

○竹下委員 竹下です。
 2つ申し上げれば、確かにこの規定によって、具体性を持って何らかの行為を禁止するとか、あるいは具体的な行為を求めるということにならないのかもしれませんが、他方で、言わば合理的配慮を考えるときの一つの規範というか、あるいは一つの指標となるものを提示しているというのが、この条文の位置付けではないかと理解しています。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。そのように言うことは可能かなとも思いました。
 事務局、いかがでしょう。

○衣笠参事官 入念的にどこまで法律上規定していくのかという話と、女性だけ書くのか、例えば子供の話とか、そういったものもありますし、他にも入念的に書くということであれば色々なものが必要になる可能性もあるということで、我々としては、どちらかというと、示していくといった趣旨のものは基本方針の世界で記載していくことではないかと考えています。
 合理的配慮に関しては、障害者の性別とか年齢、障害の状態に応じてやっていくのだということは、今の障害者差別解消法でも書いてありますし、基本方針の中で、女性である障害者について言及しているということもありますので、我々としては、どちらかというと基本方針の中で更に何か書けるかということではないかと考えています。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 ほぼ時間になりましたが、次回の委員会でもう一回議論できるので、どこまでが今後取りまとめに当たっての課題か、論点かというところは共有できたかと思います。残りの時間で更にといっても無理かなと思いますので、あとは次回まで時間をいただいて、私も含めて事務局と検討させていただきたいと思います。
 それでは、最後に事務局から事務的なことについてお願いいたします。

○衣笠参事官 事務局です。
 次回の委員会は、2月21日金曜日午後の開催を予定しております。当日は、障害者差別解消法の見直しに関する障害者政策委員会の意見について、本日の御議論を踏まえた修正案について改めて御議論いただきたいと考えております。詳細につきましては、確定次第改めて御案内をいたします。

○石川委員長 それでは、これをもちまして、第49回の障害者政策委員会を終了いたします。