障害者政策委員会(第50回)議事録

令和2年2月21日(金)
13:30~16:30
中央合同庁舎8号館 1階 講堂

【議事に使用されている資料については「議事次第」のページにまとめて掲載していますのでご参照ください。】

○石川委員長 それでは、定刻になりましたので、これより第50回障害者政策委員会を開会いたします。
 委員各位におかれましては、御多用のところ、御出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日の委員会は16時30分までを予定しております。
 なお、委員会の冒頭、委員の皆様の御迷惑にならない範囲で取材が入り、撮影が行われますことを御了承ください。
 まず、事務局より委員の交代について報告をお願いいたします。

○衣笠参事官 本日付で新たに障害者政策委員会の委員として着任された方を御紹介します。日本労働組合総連合会(連合)の平川則男委員の御後任として同会総合政策推進局長の佐保昌一委員に御就任いただいております。

○石川委員長 それでは、佐保委員より一言御挨拶をお願いいたします。

○佐保委員 着席したままで申し訳ございません。
 本日より前任者平川の後任としてこちらに出席するようになりました連合総合政策推進局長の佐保といいます。どうぞよろしくお願いします。

○石川委員長 佐保委員、よろしくお願いいたします。
 次に、事務局より委員の出欠状況について御報告をお願いいたします。

○衣笠参事官 本日は、阿部委員、大日方委員、加藤委員、黒岩委員、野澤委員、平川委員、松爲委員、山崎委員が所用により欠席との連絡を受けております。また、柘植委員が遅れて到着されると伺っております。

○石川委員長 それでは、これから議事に入りますが、その前に委員長より一言発言させていただきます。
 当初、本日の委員会をもちまして、障害者差別解消法の見直しの議論の取りまとめまで完了させる予定としておりましたが、この間に複数の委員より大変貴重な御意見を賜りました。そのこともありまして、更にもう一回委員会を開催し、今日中に確定するということはしないで、更に議論を進めて、よりよい取りまとめにしたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、本日も通常と同じですけれども、発言のルールについて確認させていただきます。まず、委員長が挙手を求めます。意見、質問のある委員は挙手をお願いいたします。委員長指名に基づいて御発言ください。発言の際は、まず結論を述べていただき、その理由、説明をその後に述べていただくと、情報保障等の点で分かりやすいと考えておりますので、御協力をお願いいたします。また、発言の際は、できるだけゆっくり分かりやすく、マイクを効果的に活用して御発言ください。発言後はマイクのスイッチを切ってください。
 それでは、事務局より、資料、本日の進め方等について説明をお願いいたします。

○衣笠参事官 事務局です。
 本日は、障害者差別解消法の見直しの検討について前回の委員会で委員の皆様からいただいた御意見を踏まえまして、修正案を作成いたしましたので、これについて御審議いただきたいと考えております。関係資料としては、資料1-1、1-2を用意しております。
 前半の議題の終了後、14時50分前後をめどに15分程度の休憩を設けたいと思います。その後、国連障害者権利委員会の審査に向けた対応について石川委員長から御提案いただきまして、意見交換をお願いしたいと思います。関係資料としましては、資料2を用意しております。
 最後に、岩上委員、大河内委員、大塚委員、北岡委員、久保委員、佐藤委員、玉木委員、野澤委員の8名の委員と関川専門委員から、それぞれ資料を御提出いただいておりますので、お手元に資料3、4として配付しております。
 また、委員の皆様の机上には関係法令などをまとめたファイルを配付しております。
 それでは、これ以降の写真撮影は御遠慮いただきますようお願いします。報道関係のカメラもここで御退出いただきます。

(報道関係者退室)

○石川委員長 それでは、議題1に入りたいと思います。「障害者差別解消法の見直しの検討」の議論です。
 まず、事務局より、これまでの議論を踏まえた修正案の概要について説明をお願いいたします。

○衣笠参事官 事務局です。
 それでは、資料1-2「障害者差別解消法の施行3年後見直しに関する意見(案)(見え消し版)」を御覧いただければと思います。
 2ページから御説明させていただきます。見え消しで赤が追加した部分、青が削除した部分ということで色分けしております。「(1)条約の理念の尊重及び整合性の確保」ですが、「実施において考慮を要する」としており、表現上の修正をしております。
 3ページの「(1)差別の定義・概念について」の「【現状・課題】」のところです。
 最初の○は、趣旨の明確化のために修正しております。
 次の○は、元々「間接差別など」と表現していた部分がありましたが、「など」で括らず、複合差別や関連差別といったものも明確にすべきではないかといった御意見や、こういった類型につきまして、法律上明確化すべきといった複数の御意見もございましたので、修正しております。「しかしながら、例えば、間接差別や複合差別、関連差別といった差別の類型が一般に知られていないこと等から、法律の見直しも含め、差別の定義・概念をより明確化し、社会的な認知を広げていくべきという意見がある」という記載にしております。
 次の○も、前回の委員会での委員の御発言を踏まえまして、修正、追加をしております。前半ですが、「一方で、障害者権利条約との整合性の観点からあらゆる差別が禁止されるとの前提の下で」は、前回の御発言があったことを踏まえての修正です。後半の「また」以下は追加です。「また、個別具体的な事例が多いことから、法律において書ききれないものについては、基本方針や対応指針等を充実させ、事例の蓄積を進めることで、国民各層が理解しやすい形を整備すべきという意見がある」と追加しています。
 次の○の「このほか」というところです。障害のある子供について意見があり、また、家族に対する差別も法律に位置付けて取組を進めるべきといった意見がありましたので、「障害児も複合的な困難があることを踏まえ一層の配慮が必要であるという意見」を追加し「障害者に対するハラスメントや障害者の家族に対する差別についても障害者差別解消法上の差別として位置付けるべきではないかという意見がある」という記載としています。
 続きまして「【見直しの方向性】」の「1差別の定義・概念の明確化」のところです。先ほど御説明したような多くの意見があったこと、また、趣旨を明確化していくことなどから、大幅に修正しております。
 1つ目の○です。「差別の定義・概念を明確化することは、障害者差別についての社会的な認識を広げ、差別の解消に資するものである。このような観点からは、法律で差別の定義・概念の明確化を図ることが、最も差別の解消に資すると考えられるため、障害者差別解消法で差別の定義を設けること等が望ましいと考えられる」としております。
 2つ目の○も追加の部分です。「法律で差別の定義を設ける場合には、あらゆる差別を禁止している障害者権利条約との関係で、かえって条約よりも差別を狭く定義してしまうことや、法律の定義に該当しないものは差別に当たらないと捉えられてしまうことも懸念される。また差別の概念や類型化には様々な考え方があるため、解釈の違いによる混乱も予想される」としております。例えば関連差別といった言葉の使い方について、車椅子などの障害に関連するものを理由とした差別や、障害者に関連のある人々に対する差別など、色々な使い方があるということも含めてこういった記載をしております。
 「このほか」として、先ほど御紹介した意見を踏まえた記述も追加しています。
 3つ目の○です。「さらには、差別の概念は、社会情勢等に応じて変化し得るものであるが、こうした変化に伴い迅速に法律の見直しを行うことには難しい面があることや、いわゆる間接差別、複合差別、関連差別といった差別の類型については、これまで一定程度の差別的取扱いの事案が蓄積されているものの、それぞれの類型にどのような事例が該当するのか現段階では明確でないため、これらを法律に規定することの困難さや、個別の事案がこれらの類型に該当するのかどうかの判断について、現場に混乱が生じないよう慎重な検討が必要となる等の課題もあると考えられる」としております。
 4つ目の○です。「このため」ということで、今まで申し上げたようなことを踏まえて「これらを総合的に考慮しつつ、差別の定義・概念の明確化を図る観点から、どのような対応が可能かについて検討を行うべきである」としております。
 「なお」以下ですが、これは従前の記述に追加しております。「基本方針等において」というところですが、もう少し明確化しないと何が実質的な差別なのかという議論を招くのではないかという御意見や、家族に対する差別についても対応すべきといった御意見があったことも踏まえて修正しています。「なお、その一環として、例えば、基本方針等において、車いすを理由とした不当な入店拒否など」という例示を追加し、「障害者の家族に対する障害を理由とする差別的取扱いについても、障害者本人に対するものと同様に認められるべきでない旨を示すこと等についても検討すべきである」としております。
 4つ目の○の「あわせて」というところにつきましては、表現上、修正しております。
 5つ目の○の「障害のある女性や」というところです。先ほども御説明しましたが、障害児の関係での御意見もあり、女性と同様に障害児についても取り組むという修正をしております。
 続きまして、6ページの「(2)事業者による合理的配慮の提供について」です。
 4つ目の○の「障害者権利条約においては」につきましては、表現の明確化といった観点から修正しております。
 5つ目の○の「この義務化に当たっては」というところですが、仮に義務化する場合、周知期間を設けるかということについて色々と御意見がございましたので、「この義務化に当たっては、障害者差別解消法の制定から十分な期間が経過しているため、周知期間は不要ではないかという意見や、特に社会的な必要性が高い分野については、早期に義務化すべきという意見がある」という記載を追加しております。
 7ページの○の「一方で」というところですが、「萎縮」という表現は書くべきではないのではないかといった御意見があり、修正しております。「一方で、義務化することについては、合理的配慮は個別具体的に判断されるものであるため、どこまでが合理的配慮に当たるのかの判断が難しく」と変えています。
 その次の○は、表現の適正化ということで修正しております。
 次の「【見直しの方向性】」の「1事業者による合理的配慮の適切な提供の確保」のところです。
 1つ目の○です。前回、義務化すべきという意見が多くあったことを記載すべきではないかという御意見もありまして、「また、本委員会においては、事業者の意識を更に高める効果も期待されることから、事業者の合理的配慮の提供を義務化すべきという多くの意見が示されている」としております。「一方で」につきましては、先ほどと同じように「萎縮」という言葉は避けた方がいいのではないかということなので、修正したということです。
 2つ目の○の「このため」以下は、趣旨を分かりやすくするため、後にあった表現を前に持ってくるといった修正をしております。
 次のページに続きますが、「また、義務化する場合には、現行と同様の主務大臣による実効性確保の枠組みを維持しつつ、周知期間を設けることについて検討すべきである」と修正しております。こちらは、先ほど御説明した、周知期間自体が不要ではないかといった御意見を踏まえまして、周知期間を設けること自体も検討対象であるという修正をしております。  「2建設的対話の促進、事例の共有等」です。元々ありましたコミュニケーション力を身につけることの重要性を明確化すべきということにつきましては、個人の力だけを重視するのは違うのではないかといった御意見もありましたので、修正し、「障害者やその家族が社会的障壁を解消するための方法等を相手に分かりやすく伝えることや、そのために障害者やその家族を支援することも重要であることを、基本方針等で明確化すべきである」としております。
 9ページの上から3つ目の○の「このほか」は、表現を明確化する修正をしております。
 10ページの「【見直しの方向性】」の「1地域における相談・紛争解決体制の見直し」の(イ)は「相談体制の明確化等」と修正しております。前回の委員会で、国においても省庁の担当課長会議などを通じて事例の蓄積などを図るべきといった御意見や、障害者が相談窓口にアクセスしやすくするために、通訳者を介した相談やメールでの相談も対応可能にすべきであるといった御意見があったことを踏まえて、修正しました。「国や地方公共団体は、相談窓口を分かりやすく示すことや事例の蓄積等を通じた円滑な相談対応の実施など、適切な相談機関へのアクセス向上のための情報提供等の取組を積極的に行うべきである。その際には、意思疎通支援の下での相談やメールでの相談を可能とすること等について配慮するとともに、相談窓口の特性に応じて、障害者等からの相談に加え、事業者からの相談についても対象とすることを明確化すべきである」としております。  11ページの「(オ)国・地方公共団体の関係機関の効果的な連携」です。
 最初の○につきましては、表現の適正化で少し修正しております。
 2つ目の○の「相談対応による解決が困難となった場合において」です。地方公共団体と法務省の人権擁護機関や主務大臣との連携について、何をどのように連携して紛争解決に持っていくのか、もう少し明確に示すべきといった御意見がありましたので、修正し、「一層の連携を図るため、各機関の役割を踏まえた事案対応の流れや日頃からの関係構築のための方策について整理することなどを検討すべきである」といった記述としております。
 「2相談対応等を契機とした事前的改善措置(環境整備)の促進」につきましては、下の文章中のものと同じように「環境整備」と書くべきという御意見がありましたので、修正をしております。
 最後に、13ページの「4.おわりに」は、趣旨をより分かりやすく明確にしていくということで、その結果、障害者差別の解消が大きく前進することを期待したいという表現を追加しております。
 後ろの名簿につきましては、本日より佐保委員が就任されていますので、修正しております。
 事務局からは以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 ちょうど1週間前に各委員に送付されました資料、修正案を御説明いただきました。それを受けまして、複数の委員から書面にて御意見を既にいただいております。書面で提出されてはおりますけれども、本日、各委員が御出席されておりますので、この後の審議の中で提出された資料についての御説明も直接、改めてしていただいた方がよろしいかと思います。それも含めて御発言いただきたいと思います。どうぞ。

○衣笠参事官 すみません。本日、複数の委員から出されております御意見ですが、それを踏まえて今回の修正案を提示しているわけではありません。

○石川委員長 重ねて申し上げますと、修正案は1週間前の時点のもので、その後の各委員からの書面での資料については、事務局で検討はしているけれども、まだ反映していない状態なので、改めてここで御発言いただきたいということです。
 それでは、御意見、御質問のある委員は挙手をお願いいたします。玉木委員、お願いします。

○玉木委員 玉木です。ありがとうございます。
 今日は丁寧にゆっくりと話をしたいと思います。今回、資料3「障害者差別解消法の施行3年後見直しに関する意見(案)(見え消し版)修正意見反映版に対する意見」で意見を出させていただいておりますが、さっきの事務局発言も聞いていると、やはり主語が「事務局」ではないかというふうに少し思いました。どういうことかというと、意見があるとか、客観的な書き方でこの意見書を書かれると、政策委員会の意見として出されているとちょっと意味合いが変わってくるという気がしています。
 もう一つは、10月以降の政策委員会で論議を進めていく中で私はすごく違和感がありました。当然、決め事をするわけですから、ゴールというのは、一定、整理をしていかなければいけないと思っていますが、例えば、以前、北岡委員が言われたことについては、法律にどう取り込むのかというような話も出てきたときに、そこまで考えた上で意見を言わなければいけないのだろうか、もしそういうことが求められているとしたら、私は、委員としては、いたらいけないなというふうに感じてしまったのも事実です。
 今回の論議は、もう一回確認ですけれども、政策委員会の委員の意見として記述していくという前提で今日は論議していただきたいというのが、長いけれども、前置きです。

○石川委員長 玉木委員、ここは非常に重要なことなので、前置きというよりも大原則に関わることなので、ここのところで一回切って、すぐにまたお渡しいたします。仰るとおりだと思います。つまり、当委員会としての意見を取りまとめるということですので、委員会全体としての合意ということでない、個々の委員の意見については、こういう意見が委員会の中で示されたとか、そのような言い方をして、委員会が主語となるような書きぶりが望ましいと思いますが、事務局、いかがでしょうか。それは可能でしょうか。

○衣笠参事官 仰るような修正は可能だと思います。

○石川委員長 ということで、委員会が主語で、委員会全体としてということではないけれども、こういう意見が委員から示されたというようなことを縷々述べていった上で、結論というか、方向性について委員会としての合意はこうだという書き方でいかがでしょうか。

○玉木委員 はい、お願いします。

○石川委員長 では、次、どうぞ。

○玉木委員 せっかくですから、資料3を見ながらお話をしたいと思います。6ページの一番下の「車いすを理由とした不当な入店拒否」は、これも私たちとしてはごく当たり前の話なので、当たり前の話を書くよりは、ちょっと分かりづらい「入社試験の受験の条件に自力通勤可能な者といった条件付け」という変化球というか、考えてもらうような事例などを盛り込んでいくことがいいのかなということと、先ほど事務局から提案のあった障害者の家族ということも入れていただいているのですが、家族のみならず支援者もいろんな差別を受けているということもありますので、「家族など関係者」と書き換えていただいたら、より広くなるということで、障害者本人に対するものと同様に、差別解消の対象であると分かりやすくはっきりと書いていただいた方がいいのではないかという気がしています。
 それから、7ページ目の中段にいくと、国及び地方公共団体が、障害のある女性や障害児等が障害及び性別、年齢による複合的な差別を受けていることを認識し、その実態を把握し、差別解消にむけた適切な措置をとらなければならない旨の記載を法に設け、基本方針においても研修の充実等を明記するなどの検討を重ねることが必要である。同時に、相談において性別や年齢を把握することを始め、という文を入れたい。この委員会でも出ていた女性障害者への差別だけが浮き彫りになっていたのですが、やはり今、特に私も関心があるのは、LGBTQとか性的マイノリティで障害のある人もいっぱいいらっしゃいます。そういう方も全部包括した形で複合的な差別をきっちりと委員会として見ていくのだという意思の表れがここに出てくるのではないかという気がしています。
 9ページの中段の部分は、これも今、報告があったように、周知期間をと言っていたのですが、私が前々回から言わせてもらったのは、地方公共団体や国が合理的配慮を法的義務にしているのに、そこの評価が回ってこないのに、今回の論議の中では、あたかも民間事業者だけをやり玉に上げているようなイメージがこの文章からも出てしまっているのです。そうではなくて、国や地方公共団体が合理的配慮を義務にしたことでどういう効果があって、それがうまくいっていないのならいっていないと、そういうこともやはり国としてまだまだ周知徹底できていないということも踏まえた上で、全体として義務化していくというニュアンスを具体的に書いていく必要があるのではないかということです。
 それと、9ページの下の「2建設的対話の促進、事例の共有等」の中で、多分、この見直しではここが肝だと思っています。ここには「事業者は建設的対話を避けてはならないこと、その際意思決定及び疎通に困難のある人に一層の配慮をすること等」ということで、前回、石川委員長が仰ってくださった合理的配慮の意味合いをきちんと理解していけば、実は建設的対話を継続していくことが合理的配慮の義務というふうに私は捉えていきたいので、それはきっちりと明確にしていっていただきたいということです。
 12ページ目の「(イ)ワンストップ相談窓口と担当課長連絡会議」の中で、項目をちょっといじっています。「ワンストップ相談窓口と担当課長連絡会議」と書いていますが、これは前にも論議で出てきたと思いますけれども、主務大臣の勧告があると言いながら、実はたらい回ししているケースがいっぱいあって、解決しないままになっているケースがあるという話はここにも出ていたと思います。
 そういった意味では、差別解消に向けて主務大臣の勧告とか国が動かなければいけないというときは、ワンストップで相談窓口をまずは持っていただきたいということと、その上で、各省庁の差別解消の担当課長がいらっしゃるはずなので、その方たちの連絡会議をきっちりと持ってもらった上で、国として差別解消を進めていくということを書いていただいた方が私としてはすっきりするということです。
 これで終わりますけれども、ただ、一つ、やはりこの政策委員会の素敵なところは、私みたいないいかげんな人間がいいかげんな言い方で喋る機会をもらえているということはすごく有り難いと長年思っています。その上で、聞いてもらった以上は積極的に、必要だと思ったこととか、大事だと思ったことについては政策委員会の意見としてきっちりと受け止めていただきたい。その上で、法律にしていくのは、例えば議員さんなり役所の方が具体的にやっていく話なので、そこの切り分けをぜひきっちりとやっていただきたいということで終わります。

○石川委員長 ありがとうございました。
 今、玉木委員から代表して御説明いただいたのですが、その関連で補足したいとか、あるいは書面での意見提出には参加していないけれども、玉木委員が指摘された事柄に関連して御発言、御意見を述べたいという委員がいらっしゃいましたら。辻委員、お願いします。

○辻委員 辻でございます。
 1点だけ。先ほど玉木委員から、複合差別については女性だけが特出しになっているけれども、それだけではなくてLGBTもあるというような、そんな発言がございました。自治体で今、非常に大きな問題になっております外国人労働者について、医療などは十分カバーできているのですが、教育は義務教育の制度がありませんので、それをどうしていくのかというのがあります。差別につきましても、外国人であって複合差別ということもあるのではないかと思いますが、外国人に対しての障害者差別をどうしていくのかというのがどこにも触れられていないように思います。その辺はいかがなのでしょうか。

○石川委員長 御指摘ありがとうございます。
 複合差別ということについて言えば、御指摘のとおり、女性であったり、あるいは子供であったり、外国人として、移民として日本に住んでいらっしゃる、あるいは外国にルーツのある人たち、難民、その他たくさんいらっしゃいます。この障害者差別解消法という法の範囲、スコープの中でどういうふうに取り組めるかについては事務局から後ほど発言いただきたいと思います。
 ほかに、御意見、御質問、補足意見は。では久保委員、お願いします。

○久保委員 ありがとうございます。久保です。
 家族に対する差別を前回、私、意見を言わせていただきまして、盛り込んでいただきまして、ありがとうございました。具体的な例としてですが、私の知り合いでも障害のあるお子さんがいるということで、借家を出てくれと言われて、2回も引っ越ししたという人もおられます。その人の話を聞くと「私だけではないよ」ということも聞いておりますので、何となしというのではなくて、具体的に実際そういう例が結構あると認識していただきたいと思います。
 もう一つ、障害児のことがあまり入っていなかったので、随所に障害児という言葉を入れていただいてありがとうございます。ただ、障害児という言葉を入れていただいたところ以外でも、障害児に関わるところはあると思いますので、「障害者等」というふうに書いていただいて、そこには全て障害児のことも含まれるという認識で読み込んでいく形にしていただけたら有り難いと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、北岡委員、お願いします。

○北岡委員 私は、先ほど玉木委員が説明された8人のうちの一人なのですけれども、今、辻委員が仰ったように、複合差別については、障害者権利条約において「障害のある女性」と限定的な表記になっているために、その辺の部分に集中していたと思いますし、私もそれを申し上げてきました。前回のこの会議で事務局から、女性だけではないのではないかという御指摘もあり、そのとおりだと思っています。障害のある高齢者や障害のある外国籍市民のように、障害プラス何とかという組合せで不利が重なるケースはあると考えます。
 そんなことで、本来であれば法改正で複合的な差別について何らかの対応を打ち出すべきだと考えているのですが、この辺り、先ほど玉木委員が読み上げました7ページの障害のある女性や障害児への差別というところに「障害児等」と入れることで、それらを読み込んでいくことができないだろうかと考えました。
 それから、一つ、質問です。ワンストップ相談窓口のところも、12ページに書きましたが、実は委員の中からも、ワンストップ相談窓口という具体的な表現も使い、この委員会の場で御発言があったかと思いますけれども、今回のこのまとめにはそれが読み取れるような内容のものが見当たりません。事務局の方でこういうふうに御判断され、こういうふうには載せられないとか、これはこうだみたいなことの何か御判断の基準があれば、御紹介いただくと、また意見などもそれに沿って言いやすいのかなと思いました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、大塚委員、お願いします。

○大塚委員 玉木委員の仰った、意見書の9ページに出されている「また、事業者は建設的対話を避けてはならないこと、その際意思決定及び疎通に困難のある人に一層の配慮をする」ということで、ここは、私、どう言っていいか分からないのですが、非常に複雑な構造があるような気がしています。
 つまり、本人の合理的配慮は何かということを建設的対話によって決めていく。本人の合理的配慮は何かということが決まっていないのに、それを探すために建設的対話において合理的配慮をしなければならないというのは非常に困難性が高い。私のイメージだと二重の困難性がある。この構造を理解してやっていただかないと、建設的対話といっても簡単に自明なものとして成り立たない状況がある。ここをもう少し、意思決定あるいは疎通に困難のある人については、特別な構造があるということと、それに対するきちんとした、これからの建設的対話は何かということの検証によって実績を積んでいくということによって明らかにしてほしいと思っています。

○石川委員長 ありがとうございます。
 御指摘のとおりだと思います。その点がはっきり分かるような表現を取りまとめの中で入れていきたいと思います。
 では、河井委員、お願いします。

○河井委員 ありがとうございます。河井です。
 皆さんの意見でほぼ集約されたかと思いましたが、前回の委員会の中で石川委員長が、政策委員会としての方向性はちゃんと明確に示すべきだと仰っていたので、修正案が出たときにそういう形で出てくるものだと思っておりましたら、この修正案が出てきて、結局、両論併記と間違うような表現になっています。見直しの方向性については、四角囲みか何かで一つ方向性をきちんと示した上で、その後に、委員からこういう意見がありましたというような形の表記をされた方が分かりやすいのではないかと思いました。
 もう一つ、個々の表現が非常に分かりづらい書きぶりになっています。例えば、5ページの家族も対象にすべきというところですが、障害者の家族に対する障害を理由とする差別的取扱いについても、障害者本人に対するものと同様に認められるべきでない旨を示すこと等についても検討すべきであると、3回ぐらい読み返してしまうような書きぶりです。これに対して玉木委員を始め皆さんが連名で出された、差別解消の対象であるというふうに、誰のための政策なのかといったときに障害当事者が読んで分かるという表現をされるべきであろうと思いますので、なるべくこういった表現は端的にしていただくことが肝要と思います。
 あと、建設的対話についても書かれておりますが、障害当事者の家族として対話にいくまでの距離、壁というのをやはり感じますので、その辺をきちんと担保できるような法律の立て付けといいますか、仕組みになることが肝要であると考えます。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 当委員会での発言ルールとしては、最初に結論を述べて、後から理由、説明を述べるのが分かりやすいと毎度発言しております。だとすれば、報告書も同じではないかと、河井委員の御指摘はごもっともだと思います。そのような書き方ができるかどうかについても事務局で御検討を前向きにしていただけると幸いです。
 それでは、門川委員、お願いします。

○門川委員 門川です。どうもありがとうございます。
 最初に、事務局と委員の皆さんに要望といいますか、お願いと言えばいいのでしょうか、この会議資料についてですけれども、直前に配付されるのではなく、もう少し時間に余裕を持って配付いただきたいと思っています。御存知のとおり、私自身、盲ろうという障害がありまして、点字で資料を確認するのですけれども、電子メールで届いた資料を読むのにはかなり時間がかかります。もしかしたら私だけかもしれませんけれども、すごく時間がかかりますので、もっと時間的に余裕を持って資料を配付していただけると大変嬉しく思います。それも一つの合理的配慮ということと理解しておりますので、今後ぜひ御理解いただきたいと思います。
 本題ですけれども、簡単に3つほど発言したいと思います。
 まず、修正案に対して、1番目、差別の定義・概念ですが、障害者差別解消法の法律の第2条に定義がありますけれども、そこにこの法律の根幹である差別の定義がないというのはやはりどうかと思いますので、皆さんが御発言されていますように、差別の定義を盛り込むべきかなと思っています。差別とは何なのか、それを受けた上で、この法律を読んでいくのだと思いますので、障害者差別解消法ですから、法律の根幹となる差別の定義、直接差別、間接差別、関連差別、これらが具体的にどういうことかということについては、具体例を示しておくと、なお分かりやすいかと思います。
 2番目、前回の委員会でも発言したと記憶しておりますが、事業者による合理的配慮の提供についてです。合理的配慮は、施行後3年間は事業者に対しては努力義務ということで、この3年が経過しておりますので、今後は、これを義務化することによって本当に事業者が合理的配慮をすることに取り組んでいっていただくことができるのではないか。前回はこの部分について「萎縮」という言葉がありましたが、私は「萎縮」というよりも逆で、合理的配慮を義務化することによって、差別はよくない、障害があってもみんなと同じように扱うべきだと皆さんが考えていただくきっかけになるのではないかと思っています。
 周知期間を設けることについては、この3年間が周知期間だったと考えますので、今後は、この期間を設ける必要はないと思います。もし仮に周知期間を設けるとしたら、何年後までといった期限をはっきり決めないと、もし法律を今後また見直しをするといったときに、同じことの繰り返しになってしまうと思います。そして、ここに出てくる合理的配慮、これもさっきの差別の定義と同様に、法律の第2条の定義のところで合理的配慮についても盛り込むべきではないかと思っています。
 次に、3番目です。相談・紛争解決の体制整備についてですが、その中の「1地域における相談・紛争解決体制の見直し」の「(イ)相談体制の明確化等」においては「意思疎通支援の下での相談やメールでの相談」と、2つを入れていただいております。例えば、もう少し幅を広げて、聴覚障害がある方などには電話リレーサービス等もありますので、「メールでの」としてしまわないで、「メール等」というふうにしていただいた方がよいかと思います。
 そして、同じこの中の「(ウ)都道府県による広域的・専門的な支援の充実」のところに地域の実情に応じて専門相談員の「配置を促す」とありますが、ここに「障害当事者」という文言も盛り込んだ考え方があるべきではないかと思います。つまり、地域の実情に応じて障害当事者を含む専門相談員の配置を促すことを検討すべき。  同じくその次の「(エ)相談対応を担う人材の育成」ですが、ここにも障害当事者と障害当事者を含む相談員、その下の「相談対応を担う者に対する研修」にも障害を持つ当事者、障害のある人も含めていただく方がいいと思いますし、むしろそうすべきだと思っています。
 例えば私のことで恐縮ですけれども、盲ろう者のことは盲ろう者にしか分からないといったことがあるので、障害当事者も相談員に入れる、相談員に含まれる障害者の割合もできたら明記する、そういうふうにしていただきたいと思います。
 長くなりましたが、以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、竹下委員、お願いいたします。

○竹下委員 竹下です。
 1点だけに絞ります。門川委員と同じ「(3)相談・紛争解決の体制整備について」の部分ですが、この中で、地方公共団体、主務大臣、法務省の人権擁護機関の名前が出てきて、連携というのは言葉としては出てくるのだけれども、この部分について2つお願いします。
 1つは、法務省の人権擁護機関に紛争解決機能を担わせること自体に異論はありませんが、現在の人権擁護機関にそれを担わせることは大きな無理があると思います。少なくとも人権擁護機関は基本的には一人の人権擁護委員が一つの事案に対応するというのが現在の運用だと思います。それに対して、こうした差別事案などの紛争解決を図るときに、極力、建設的対話も含めてそうなのですが、円滑に進めるためには複数での対応が必要になると思います。特に今、門川委員が言ったように、例えば障害当事者の委員、それから、事業者による合理的配慮の提供が問題になった場合ですと、事業者の立場に立って一定の配慮ができる人、言わば当事者性、乃至はそうした各当事者の事情を十分に配慮、考慮できる人を含めた、複数での受け止めができてこそ、当事者の対立ではない建設的対話による次の峰を目指した解決策が見いだせると思います。
 そういう意味で、この記載を見ていても、新しい機関はつくる必要はないかもしれませんが、法務省の人権擁護機関は何度も出てくるのだけれども、人権擁護機関が紛争解決を担うということに現実性があるのだろうか、もしそこを担わせるならば、現在の人権擁護機関のありよう乃至は仕組みを大きく変えて、それを担当する委員の配置も、委員というのは当事者性を持った人も含めてという意味ですが、配置までをも提案していかなければ、ここのいい解決に結びつかないのではないか。
 それから、地方公共団体や国の主務大臣との連携というけれども、相談や問題の理解をするときなどに連携というものの必要性は非常に感じるわけですが、紛争解決において連携というのは何なのだろうと、簡単に言えば、地方公共団体の担当者と国の主務官庁と仮に人権擁護機関の3者が連絡し合って、どういう解決に結びつくのか、イメージがどうしても見えてこないわけです。そうではなくて、こうした人たちの連携というのはどの場面で何をするための連携なのかということが、ここでもっと明確にされるべきで、紛争解決そのもののための建設的対話を積み重ねるためのシステムというものは、それとは全く形の違うものだろうと思うので、そうした建設的対話による紛争解決を進めるためのシステムというものとは、はっきりと違うことを前提にして、ここの部分の提案をすべきではないかと思っています。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、石野委員、お願いします。

○石野委員 全日本ろうあ連盟の石野です。発言の機会をいただき、ありがとうございます。
 聞こえない子ども、聞こえない人々の合理的配慮に関して色々考えがあります。例えば、今、新型コロナウイルスが流行しております。非常に問題となっていますが、聴覚障害にとっても非常に関心度が高い話題です。と申しますのは、3月初め頃「耳の日まつり」という大きなイベントが全国各地で展開されます。中止するか、延期するかということで、各地域が迷い、また協議しているという報告がきています。
 今朝も、12時前でしょうか、テレビで、厚生労働大臣の記者会見が生中継で放映されましたが、残念ながら、手話通訳は付いていませんでした。このときに手話通訳が付いて情報で得られれば、大会の延期・中止などの判断ができるわけです。合理的配慮とは一体どういうことなのかということが今回の問題としてクローズアップされたように思います。それは意見書の中で、情報アクセスという視点が非常に重要であるということが、全く載っていません。情報という視点もありません。情報アクセスはきこえない人々の合理的配慮に大きくつながります。それをどう盛り込むか、事務局として御検討いただきたいと思っています。

○石川委員長 ありがとうございました。
 ほかにも挙手されていらっしゃったと思いますが、十分捕捉できなかったので、もう一度手を挙げていただくことは可能ですか。では、長谷川委員、お願いします。

○長谷川委員 発言の機会をありがとうございます。日本経済団体連合会(経団連)の長谷川です。事業者団体の代表ということで意見を言わせていただきます。
 まず第1は、差別の定義・概念については、結論から申し上げると、障害者基本法の定義を超えて障害者差別解消法で定義や概念を定めるということは色々難しいのではないかと考えております。
 現在、障害者基本法第4条第1項で「何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない」とされており、ここでポイントなのは、差別という言葉を定義することではなく、差別を含めて障害を理由として権利利益を侵害する行為を禁止するということであって、差別の内容を細分化してそれに当てはまるのか否かに注力するのではなくて、その他の権利侵害も含めて障害を理由とする侵害行為を禁止することの方が重要だと考えます。
 従いまして、現在、事務局から出していただいている見直し提案の4ページにあるとおり、差別の概念や類型化には様々な考え方があり、解釈の違いによる混乱も予想されることから、現場の理解を進めるためには、差別の概念を定義する、類型化することではなくて、基本方針などで具体的にどのような事例が差別に該当するかということを示していく、つまり、具体的な事例の中で差別に該当するものを挙げて概念を明確化していくべきであると考えます。
 第2といたしまして、事業者の合理的配慮の提供についてです。これも結論から申し上げますと、これまでも述べてきた意見ですが、義務化については、その妥当性をより幅広いステークホルダーの意見を聞いて慎重に検討すべきと考えます。
 その理由ですが、以前に御説明いたしました経団連のアンケート調査でも、会員企業の担当者も、合理的配慮の提供の具体的な内容、何をするのかということについてまだ十分に理解しているとは言えずに、義務化については「分からない」といった回答が一番多かったということが指摘されます。
 こういった状況を踏まえますと、政府や自治体が企業に対し合理的配慮の提供に関する普及啓発活動をこれまで以上に積極的に行って、周知の徹底を図ることがまず重要であると思います。
 そして、義務化の場合は、特に中小企業への影響が大きいと思われますので、中小企業や地方を含む事業者、業界団体など、幅広い事業者の意見を聞いて、慎重にその妥当性を検討すべきと考えております。
 ここで、一つ御参考ですが、現在、労働政策審議会では、障害者雇用促進法に基づく合理的配慮について経団連も参加して議論しております。障害者雇用促進法では、既に事業者の合理的配慮の提供は義務化されておりますが、どこまでが福祉の範囲でやるべきか、どこまでが雇用者の義務かという、事業者と福祉の役割の範囲について、合理的配慮についてもまだ議論を重ねている段階と聞いております。
 従いまして、合理的配慮の範囲については障害者雇用促進法に関してでも、まだ明確になっていないということであって、慎重に検討すべき課題だと考えます。
 こうした観点から、建設的な対話の促進や事例の共有、相談体制の充実を図りつつ、幅広い意見や適切な提供が行われるための社会的な素地の状況を踏まえ、義務化を検討するという現在の見直しの方向性に賛成いたします。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、大内委員、お願いします。

○大内委員 日本商工会議所の大内でございます。
 本日の事務局でまとめられた提案、意見に関し、全般として、前回までの内容が反映されたものと思いますので、こちらの内容に基本的には賛成です。
 今、長谷川委員から御指摘があったところと大分かぶるのですが、私からも3点ほどお話をさせていただきます。
 まず1点目が、差別の定義・概念の明確化です。こちらにつきましては、もとより差別解消に向けて、差別の定義・概念を明確化することそのものに関しては異論の余地はございません。ただ、この報告書の中で記載のあるとおり、差別の概念や類型化には様々な考え方があり、また、時代によっても変わり得るものであり、法律で全てのケースを想定して厳格に規定するということは現実的にも難しいと考えます。なおかつ、無理に法律に当てはめることで、そこに記載がないものが排除されるという新たな問題が発生するおそれもあろうかと思います。やはりここは法律によるのではなく、基本方針や対応指針、ガイドライン等を充実させて、事例の蓄積を進めることで、一般国民も分かりやすい形で、差別の定義・概念の明確化を進めていただければと思います。
 2点目は、事業者による合理的配慮の提供に関してです。こちらに関しましても、見直しの方向性ということで、この会議の中で出た色々な御意見が紹介されております。結論といたしましては、報告の中にあるとおり、引き続き幅広い方々の意見を聞きながら検討していっていただければと思います。
 中小企業を主に抱える事業主団体の立場といたしますと、合理的配慮に関しましては、この考え方、こういった取組がまだまだ社会全体には浸透していないところもございます。合理的配慮をいきなり法律で義務化すると、今まで自主的な取組ということでやってきて、その背景にある考え方も含めて、皆様が理解の上取り組んでいたものが、まず法律ありきということになってしまうことを一部懸念しておりまして、理解を進めるためには、まずは自主的な努力を推し進めていくという取組が必要かと思います。
 そして、特に中小事業者は、私どもが実際に関係者にヒアリングした感じでも、業種にもよりますが、知らないという方もまだまだいらっしゃいますので、まずは周知徹底と、あと、実際にそういう合理的配慮に対応したいといったときの、専門家等の無料相談窓口であるとか、あるいは助成金等による支援、先ほど障害者雇用促進法の話も出ましたが、障害者雇用促進法の枠組みの中では、そういった取組をする事業者、率先して雇用環境を整える事業者に対して助成の仕組みなどもかなりございます。そういった意味で、障害者差別解消法における合理的配慮においても、幅広い助成の仕組み、支援の仕組みといったものを設けていただくことで事業者への取組が広がっていくのではないかと思っております。
 3点目について、建設的対話の部分でございます。建設的対話の下で進めていくことは、非常に重要な部分と思っております。事務局提案に記載のあるとおり、障害者側と事業者側双方の建設的対話による相互理解を通じて、合理的配慮、そういったものを育てていただければと思っております。あくまで双方の対話ということが基本だと思いますので、双方が納得して建設的対話に入れるような環境整備を併せてお願いしたいと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、佐保委員、お願いします。

○佐保委員 ありがとうございます。私から2点申し述べたいと思います。
 1点目は、差別の定義・概念の明確化です。既に定着した差別の概念はあると考えられます。障害者差別解消法の中で差別の定義・概念を明確化すべきだと考えております。詳細は基本方針やガイドラインによって整備する必要はあると思いますが、障害者差別解消法の中で差別の定義・概念は一定程度明確にすべきと考えております。また、間接差別等の事例の蓄積が、今後法案化するためのものであることを明確にすべきではないかと考えております。
 もう一点は、事業者による合理的配慮の適切な提供の確保についてです。合理的配慮の提供義務化には賛成です。その上で、地方公営企業や一部の独立行政法人は対象となっていませんので、そちらの方も義務化すべきと考えております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。
 まず、私も玉木委員と一緒に意見を出させていただきました。門川委員には資料が直前になってしまって本当に申し訳ございませんでした。
 意見を幾つか言わせていただきます。資料3に沿って言います。まず、6ページに「車いす等を理由とした不当な入店拒否」とあります。障害者雇用促進法での差別禁止指針では、車椅子の利用を理由とするものは直接差別というふうに既に規定されていますので、ここは事実と違うのではないかと思いました。ここの書きぶりは実質的に障害を理由とする差別というようなことですので、間接差別だと理解しています。それであれば、入社試験に自力通勤可能な者という制限があって、2年前に中央省庁の障害者雇用の問題が起きたときに、この点、財務省を始め規定があったのですが、ほとんど見直しをしてくださいました。そういう実績もありますので、この事例を入れていただけたらと思います。
 次は、7ページの家族や関係者というところもぜひ対象にしていただきたいというところです。基本的なスタンスは、障害者権利条約の理念を国内法にちゃんと落とし込んでいくというのがこれからのポイントだと思います。この取りまとめに関してもそういう方向性が必要だと思います。
 条約では法の対象範囲として、一般的意見6号で過去の障害、未来、推測、家族とか関係者というものもちゃんと含まれるものだと言っております。過去の障害というのは精神障害がよくあると思いますし、未来でしたら、HIVで感染はしているけれども、まだ発症していない人とか、家族に障害者がいたら、その家族も同じように差別をたくさん受けて、先ほど久保委員も言われましたが、引っ越しをしなければいけないような状況に追い込まれているということがあるわけですから、ぜひともこの対象を広げていただきたいと思っています。
 資料3の12ページの「ワンストップ相談窓口と担当課長連絡会議」ですが、ここはぜひともお願いしたいと思います。重ねてお願いしたいと思っています。自分が差別を受けたと思ったときにどこに連絡したらいいのか、中央省庁では所轄が違いまして、微妙なラインがあって、例えば飲食店で入店拒否されたときにどこに電話したらいいのかというのがかなり分かりにくいですね。農林水産省、厚生労働省、幾つかありますから分かりにくい。そういう事例もありましたし、事例を蓄積する意味でも、ぜひ担当課長連絡会議というものを設けていただきたい。今回の検討の中で、差別の事例というのは、ほとんどが条例のある自治体での事例が挙げられていましたが、国の事例もちゃんと蓄積して、見直しに向けて議論できるようにするためには、窓口をワンストップで受け止めるようにして、そこで出てきた事例を各省庁が持ち寄って分析して、また公表していく、こういう取組が必ず必要になってくると思います。
 あと、差別の定義についていろんな意見が出ていましたが、もちろん障害者差別解消法で定義はぜひつくっていただきたいと思います。
 私は、以前、お店に入店したときに、飲食店でしたが、「お昼で混んでいるから車椅子では入らないで出ていってくれ」と言われたことがありました。店員さんに「2時以降ならお店が空くから、入ってもいいから、2時以降に来てくれ」と言われました。そのときに「今から2時までは駄目なのですか」と言ったら、それは駄目だと。「それは差別ではないですか」と言ったら「私は、2時以降は入っていいと言っているから、差別ではない」と言われまして、全く話がかみ合わなかったことがあります。
 なぜそんな問題が起きるかというと、何が差別かという世の中に共通の物差しをつくっていないから、そういう話し合いが全くかみ合わない。かみ合わないことによって、また違う障害者の人が行ったら同じような差別が繰り返されてしまう、そういう状況になっていると思います。
 差別の定義は非常に大切で、それは障害者差別解消法だけではなくて、お話があったように、障害者基本法でもぜひそこの見直しもしていただいて、両方をバージョンアップしていっていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、加野委員、お願いします。

○加野委員 相談・紛争解決体制について1点申し上げます。
 特に紛争解決体制についてですが、相談対応で解決が困難となった場合というときの紛争解決というのは、やはりその機関に紛争解決の権限がしっかりあるということが必要なのではないかと思います。「【現状・課題】」のところには、地方公共団体によっては、勧告、あっせん等の権限を条例で規定しているところがあるという記載がございますので、この点は「【見直しの方向性】」にも、あっせんといった権限を地方公共団体の相談・紛争解決に対応する機関が持つことについて推進していくような方向性を入れることができればいいのではないかと思いました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 ほかによろしいでしょうか。関川委員、いかがですか。

○関川委員 大阪府立大学の関川でございます。
 障害者差別解消法施行3年後の見直しに関する意見案に対して3点の修正を提案させていただきたいと思います。資料4「第50回障害者政策委員会提案意見」として意見の内容を用意してまいりました。
 まず、1点目ですが、事業者による合理的配慮の提供についてでございます。7ページは「事業者や障害者を含む国民全体への理解を促進するため、周知啓発を強化すべき」で終わっておりますが、事業者による差別解消の取組に対して、これまで以上に、より実効ある具体的な周知啓発の方法が意見書でも盛り込まれるべきではないかと考えております。
 例えば、既に国土交通省が「交通事業者向け接遇ガイドライン」を作成したほか、「交通事業者向け接遇研修モデルプログラム」を鉄軌道編、バス編、タクシー編、旅客船編、航空編と、公共交通機関別に研修教材及び副教材を作成しております。同様に、各省庁におきましても、関係する業界、分野、事業別に研修教材や啓発物を作成し、事業者団体に繰り返し周知する方法などを検討すると書き込むことができないだろうか、これが1点目でございます。
 2点目は、相談・紛争解決の体制整備についてでございます。竹下委員、佐藤委員の御意見にもございましたが、特に「(オ)国・地方公共団体の関係機関の効果的な連携」、10ページの部分でございます。「地方公共団体と(中略)障害者差別解消法に基づく権限を有する主務大臣との一層の連携を図る」とありますが、この具体的な連携方法を踏み込んで明示いただけないかと考えております。
 例えば、現在の主務大臣の対応指針は、全ての事業を網羅しているものではなく、指導権限を有する主務大臣が不明の事例も想定されるところでございます。こうした場合には、例えば内閣府において当該事業を所管する省庁を明示し、関係部署につなぐなど、適切な連携確保の方法を書き加えていただきたいところでございます。
 3点目は、障害者差別解消支援地域協議会についての部分です。12ページに、地域協議会設置の促進方法として、都道府県による市町村の地域協議会設置等の支援や複数の協議会の間での情報共有を掲げておりますが、一方、いまだ地域協議会を設置していない市町村、自治体においては、事例がない、多忙である、会議が多過ぎるなどの理由で地域協議会を設置しようとしないところがございます。こうした自治体に対しては、都道府県によるソフトの支援ではもはや限界があると考えております。こうした市町村の現状を踏まえますと、市町村における地域協議会の設置促進を図るためには、市町村における地域協議会の設置を義務化することを検討するべきではないかと思います。御検討をよろしくお願いいたします。

○石川委員長 ありがとうございました。
 各委員から多岐にわたる御意見、御提案をいただきました。時間が押しておりますが、重要な議論ですので、進めていきたいと思います。岡田委員、お願いします。

○岡田委員 ありがとうございます。岡田です。
 今までの御意見とかなり重複する部分があると思いますが、重ねて意見を述べさせていただきたいと思います。
 これまで提案していただいた意見案については、ここで議論されたことが読み取れるような内容になかなかなっていないような、中途半端な感覚を持っていたのですが、先ほど来の玉木委員の「委員会」を主語として表現することや、河井委員から、方向性を示してから、それに対しての考え方をという、順番を変えてはどうかという意見があって、そういうことで整理されれば、委員会としての意見が、大分、分かりやすく読み取れるものになるだろうと実感しましたので、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。
 具体的な中身とすれば、家族や関係者等ということで含めていただけたことは大変有り難く思います。精神障害者の家族も退去や引っ越しをせざるを得ないような状況に追い込まれることが多々ございますので、このことについて取り入れていただけたことは大変有り難く思います。
 それから、5ページの「障害のある女性や障害児への差別に関して」ということですが、私は、精神障害のある方の女性の実例を示して、女性の立場で障害を持つことでとても大きな差別やひどい扱いを受けやすいのだということをお話ししてきました。今回、8名の方の御提案の7ページを読ませていただいて、そればかりではなくて、もっと様々な立場の状況の中で、より複雑な複合的な差別を受けやすいということを明記していただけたことは大変に良かったと思っておりますし、ぜひやはりこのことを読み取れるような文章にしていただけないか、検討していただくことがこの委員会の意見というふうに私も認識しております。
 7ページの「1事業者による合理的配慮の適切な提供の確保」のところで、この委員会の中で義務化すべきという意見が多く示されたことが明記されたことは、事実に即した表現で大変良かったと感じております。ありがとうございます。
 ただし、その中で、周知期間を設けるとしても、たしか前回の委員会だったと思いますが、教育機関や、あるいは命に直結するような医療機関などにおいては、周知期間にかかわらず早急に合理的配慮についてきちんと検討されるべきではないかということで、そのことに関しては、8人の方からの御提案の9ページにあります「周知期間を設ける場合でも」という一文、「生活に密接しているものは周知期間を設けず義務化を検討すべき」という意見に賛成いたします。
 それから、皆さんから多く出されています建設的対話の促進の部分では、やはり精神障害者の場合はそのテーブルに乗ることも難しい方がたくさんいらっしゃいますので、8名の方の提案にありますように「その際意思決定及び疎通に困難のある人に一層の配慮をすること」というふうに明記していただくことを求めたいと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、休憩の後にまた発言の機会を差し上げたいと思いますので、ここで休憩に入らせていただきます。3時15分から再開いたします。

(休憩)

○石川委員長 それでは、再開いたします。
 これまでの御意見を踏まえて、たくさんの御意見が出ましたので、それを酌み取っていただいて、事務局から次回までに修正案を出していただくということになりますが、現時点で事務局として御発言していただけることについてお話しいただきたいと思います。
 玉木委員、どうぞ。

○玉木委員 玉木です。ありがとうございます。
 皆さん方の意見を聞かせていただいて、特に長谷川委員が言っていらっしゃったことは私が言っていたこととほぼ一緒で、違うのは義務化するかしないかということです。結局、私が今日言わせていただいた、本来、国や地方公共団体は合理的配慮が義務になっているのに、しかも障害者雇用促進法も民間事業者は義務になっているのに、それをいまだに国の会議で話し合っているということは、何かをやることが義務ではなく、建設的対話をやり続けることが義務だということが、この会議でずっと言ってきたことなので、そこをもう一回押さえていただきたい。
 それから、差別の定義についても、文章にも出ているように、結局、我々はいつも、そういうつもりではなかったということで全部ごまかされてきたのです。そういうつもりではなかったというのを明確にするために、差別をきっちりと明確化してくださいというお話です。この委員会で色々言われてきた中で、障害者差別解消法だけで解決することはできなくて、長谷川委員も言われたように、障害者基本法も見直すことを前提に障害者差別解消法を改正していく必要があるのかなということを聞いていて思ったので、言わせていただきました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 最後に柘植委員、では大河内委員も。

○柘植委員 ありがとうございます。筑波大学の柘植です。
 定義は今回やはり明記した方がいいと思います。素朴な疑問ですけれども、皆さんは御存知だということで、前回も前々回も私、発言しなかったのですが、あえて今日言いたいのは、障害者権利条約です。第1条が目的で、第2条が定義です。意思疎通の定義、言語の定義、合理的配慮の定義、ユニバーサルデザインの定義と並んで、障害に基づく差別の定義が明記されています。どれだけ複雑でややこしい定義かというと、決してそうではない。
 読み上げます。「障害に基づくあらゆる区別、排除又は制限であって、政治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のあらゆる分野において、他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を認識し、享有し、又は行使することを害し、又は妨げる目的又は効果を有するものをいう。障害に基づく差別には、あらゆる形態の差別(合理的配慮の否定を含む。)を含む」、これだけのことなのです。これを批准していて、これをそのまま使うのか、少し修正するのかということで、とりあえず明記して船出して、まずかったら改定するという作業をさらにまたその後の3年後か5年後にするということをした方がいいのかなと思います。
 私は、大学で学生たちに教える機会が多いです。障害のプロになろうという学生ばかりです。大学院の学生や、将来、中央省庁に入りたい、大学の教授になりたい、海外へ出かけて行って勉強したい、そこでよく話題になるのは「差別は定義されていないのですね」「うん、されていない」「どこに書いてあるのですか」「障害者権利条約には書いてある」、私も説明が難しくて、彼らも、やはり定義がないものだから、それぞれの感覚で差別の議論をしている。その様子を見ると心が痛むわけです。一般市民の方はもっと分からない。だから、ここで何らかの定義を、できる範囲で無理のない定義でいいと思いますので、された方がいいのではないかと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、大河内委員。

○大河内委員 大河内です。
 私も名前を連ねさせていただきました。門川委員が仰るとおりで、直前の資料だったことは大変申し訳なかったと思っております。
 事業者の合理的配慮の義務化について、様々な御意見が出ていますけれども、長谷川委員や大内専門委員が仰ることも理解しますが、このお話を聞きながら、やはり一言申し上げておこうと思って発言させていただきました。
 特に、今回見直しがあって、例えば公共交通機関、文化・芸術の分野、医療・教育の分野、そういう生活密着分野において、ユーザーがなかなか合理的配慮が進まないと感じるのはこういうところに原因があるのだろうと思うわけです。
 例えば、今、問題になっている列車、新幹線の座席指定の問題などもそうですし、映画館や劇場における座席の問題もそうです。それは物理的な問題としてありますし、同時に予約システム、劇場の情報アクセス、先ほど石野委員も仰っていた情報アクセスの問題、それから、今、一番問題になっているのは、国が推奨しているキャッシュレスという大きな動きの中に、障害のある人たちだけではないですけれども、特に障害のある人たちがなかなか参画できていないということ、この感覚で義務化という方向に踏み出しながら議論していかないと、結局、建設的対話にも至らないのだろうと思っています。キャッシュレスについて様々な決済方法があって、様々な操作性もある中で、多様な身体状況を持つ人たちがアクセスできない状態がかなり放置されているということも踏まえて、義務化の話というのは真剣に議論に取り組んでいかなければいけないですし、具体的に何か明記していくようにしていかなければいけないだろうと思っております。
 以上です。

○石川委員長 曽根専門委員、どうぞ。

○曽根専門委員 私、差別の定義を書くということについて賛成です。私は障害者虐待防止法が専門なのですけれども、障害者虐待防止法では虐待の行為類型というのが定められています。ただし、法の第3条で「何人も、障害者に対し、虐待をしてはならない」という包括的な虐待の禁止規定が置かれていて、これだけで本当はいいではないかということかもしれないのですが、身体的虐待、心理的虐待、性的虐待等という類型があることで、そこがより明確になっていくという効果があります。今回の差別の類型化の定義というのは、主に不当な差別的取扱いに関することが多いのではないかと思います。そうしますと、一体どういうものが含まれているのかをはっきりさせていくことは、そういった不当な差別的取扱いをしないという点において重要だと思うのが一点です。
 もう一つは、これは刑法ではないので、罪刑法定主義みたいに堅く考えなくてよい。障害者虐待防止法もそうなのですが、では身体的虐待とは何が当たるのかということは、法律にはそんなにはっきりと書いていないわけです。いつも議論になるのは、これは本当に虐待に当たるのかどうかということなのですが、それに当たる可能性があるのだったら気をつけて改善していきましょうというのがこの法の趣旨ですので、定義が曖昧だと取扱いが難しいというのは、刑法のように罰則を与えるような法律はそうかもしれませんが、とにかく差別を解消しようという法律ですので、そこはみんながこういったところに気を付けようというふうにやっていけるといいのではないかと思います。
 もう一個、合理的配慮の義務化です。私、東京都内の大学に勤めていますが、東京都は既に条例で事業者による合理的配慮が義務化されています。大学の中で障害のある学生に対する配慮を議論するときに、条例で義務化されているからこれはやっていこうという前向きな議論になっていくということを実際に経験していますので、どうしてもその前ではこれがあったら大変なことになってしまうのではないかと警戒するような気持ちが起きるというのは分かるのですが、実際になってしまうと、むしろそこをベースにして前向きにやっていこうとなるのではないかというのが私の職場での経験ですので、お話しさせていただきました。ありがとうございました。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、事務局、お願いします。

○衣笠参事官 大変多くの御意見をいただきました。それぞれ個別にお答えすることはなかなか難しいので、今日の御意見を踏まえて、また検討させていただきたいと思いますが、事務局として幾つかポイントだけ申し上げます。
 法律に明記していくことにつきましては、立法事実、つまり背景となる事実、根拠がはっきりしているということですが、その上で法律に書いていくことがどうしても求められることをまず申し上げた上で、それも含めて検討させていただきたいということです。
 それから、複合差別の部分で法律に規定を設けるということについて、先ほどLGBTや外国人の話も含めてという御意見がありましたが、例えば性被害に遭いやすいといったことも、委員会のヒアリングの中でもありました。そういった状況に置かれているといった背景も含めて改善していこうといったものについて、障害者差別解消法でそれをやるのかというと、障害者差別解消法というのは個別の事案について不当な差別的取扱いを禁止する、合理的配慮を求める、そういった法律でありまして、社会全体を変えていくことであれば、どちらかというと、それは障害者基本計画の世界で個別に施策を書いて、それを組み合わせて進めていく、その方が馴染むのではないかということです。そういった切り分けみたいなところがありますので、そこも含めて事務局としては考えていきたいと思っております。
 それから、ワンストップの話です。こちらは今回提示している相談体制全体の話とも関係しますが、全国から一義的に国が相談を受け付けると膨大な件数になります。若しくは、受け付けた事案について地域の色々な店や事業所などの関係者と国が調整することは、現実には難しい面があると考えております。今回の見直しの中では、まずは一義的に市町村で受付をするといった発想でやっておりますので、そうしたことの考え方の整理の中で、いただいたご意見について検討したいと思います。課長会議を設けるといったことは現実的であると思いますし、そうした会議を通じて事例を蓄積することは現実的であると思っていますが、ワンストップにつきましては、なかなか難しい面があることは申し上げておきたいと思います。  後は、今日の御議論を踏まえて、検討させていただければと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 次回の政策委員会におきまして、本日の各委員からの御意見を事務局の方でまた検討していただいて、本日の案に更に磨きをかけて提出していただきたいと思います。
 次回、もう一回、最終的に修正案を委員会として確認いたしまして、さらに修正が必要な場合には次回の会議の中で御意見をいただいて、それで決定できれば決定、なおも何らかの修正、検討が必要であるということであれば、さらに考えるということにさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。どうぞ。

○佐藤委員 佐藤です。
 今のワンストップのところだけ、一言言わせていただきたいのですが、実際に今、中央省庁、それぞれの省庁で窓口があって、ちゃんと対応しているわけですから、それをどこかがワンストップでまず受けて、それから各省庁に振っていけばいいだけのことだと思います。既に窓口は各省庁あるわけですから、対応できないことではないのではないかと思いました。ありがとうございます。

○石川委員長 ありがとうございます。
 事務局、ワンストップについてよろしいですか。
 では、御意見を踏まえて、再度更に検討させていただくということで。
 それでは、今日の2つ目の議題に移りたいと思います。私の方から資料を用意いたしましたので、それに沿って御提案させていただきます。
 国連障害者権利委員会(権利委員会)による初回審査がこの夏に予定されています。これは、それに向けての政策委員会としての対応、取組についての提案です。
 まず、これまでの経過について、新しい委員もいらっしゃいますので、お話をさせていただきます。
 平成28年に日本が権利委員会に提出しました第1回政府報告がございまして、その作成に当たっては、障害者政策委員会は「第3次障害者基本計画」の実施状況の監視を行って、意見を「議論の整理」として取りまとめました。この「議論の整理」は、第1回政府報告の附属文書として国連に提出されました。
 その中で、政策委員会として特に重点的な課題であると判断した8つの課題につきまして、政府報告の本文に、要点のみになりますけれども、政府報告というのは分量が決められているために、多くの分量を政策委員会として確保することはできないということがありまして、簡略化された形で8つの課題について政策委員会の意見を中に含めることができました。
 日本の初回審査プロセスについては、昨年9月の権利委員会のワーキング・グループで事前質問事項が採択されまして、それが日本に通知され、現在、それに対する返答、リプライをまとめる作業を外務省中心に行っておられると承知しております。これを6月8日までに権利委員会に提出することが求められております。6月8日が締切ということになりますと、それよりも早い段階で日本語版が確定し、翻訳作業が入ります。そういうことがまず状況としてあります。
 また、権利委員会に対しましては、政府からの事前質問事項に対する回答に加えて、障害者団体等の市民社会の各グループ、あるいは独立した監視の枠組み、日本で言えば政策委員会がそれに当たるとされておりますが、こういったところからのパラレルレポートを提出することができますし、また、求められています。
 今後の政策委員会としての対応ですが、その方針についてお諮りしたいというわけです。まず1点目が政策委員会における対応方針です。本年夏の権利委員会による審査に向けて、政策委員会としても独立した監視の枠組みとしての報告を政府報告とは切り離して提出してはどうかと考えております。本来、独立した監視の枠組みとしての役割が期待されておりますので、そういう意味でもそうですし、政府報告の締切にそもそも間に合わないといいますか、政府のタイムスケジュールに政策委員会は対応できないということもあります。2つの理由で切り離して別途提出してはどうか、これが1点目です。
 2点目、政策委員会による報告の作成方針ですが、審査側の準備期間、つまり権利委員会側の準備期間を考えますと、どんなに遅くとも審査が8月の後半になりますので、7月の半ばぐらい、1か月前までには先方に提出することが望ましいというよりも、ほぼ必須といっていいかと思います。
 今後の政策委員会において取りまとめる報告の内容としましては、障害者権利条約の実施状況全体について、改めて議論し直して取りまとめることが理想的ではありますが、権利委員会の審査までに政策委員会として投入できる時間といいますか、会議の回数等々、準備期間というのは限界がありまして、包括的な報告をこれから一から作っていくということは非現実的であると思います。
 そこで、代替的な手段としまして、第1回政府報告の本文に記載した政策委員会の意見をベースとして、そういったテーマに今回は限定した上で、第1回政府報告以後の国内の障害者施策の実施状況の進捗状況についての報告をいただいて、政策委員会としての独立した監視の枠組みとしての監視プロセスを行って、内容を修正あるいは更新していくということで、最終的にはそれを英訳して提出するというのが現実的な案ではないかと考えています。
 そのためには、本日、若干の時間がございますので、一案としましては、本日の会議のこの後の時間で第1回政府報告を含めた政策委員会の意見というものをもう一度見ていただいた上で、今日のところはざっくりとした意見交換、その後の方向性について各委員がどのように見ておられるか意見を出していただく。次回、次々回、4月及び5月の政策委員会でさらに審議を行って、おそらく6月まで議論していたのでは間に合わないので、6月の政策委員会ではどういう報告を行うかを確定していたいというふうに、スケジュール的にはそのようなやり方で今回の初回審査に対する国内の監視枠組みの責任として報告書を提出した方がよいのではないかと考えておりますというのが私の提案です。
 これについて賛否あるいは御質問等あると思いますので、御意見、御質問等受けたいと思います。まず、今の説明は駆け足でお話ししましたし、新しい委員の方もいらっしゃいますので、不明な点について何か御質問があればお受けして、その後で方法も含めて、賛成、反対等、御意見をお伺いしたいと思います。今の説明でよく分からないという点がございましたら、御質問を受けたいと思いますが、いかがでしょうか。竹下委員、どうぞ。

○竹下委員 竹下です。今の説明そのものが分からなかったというよりも、手順について理解したいので、質問させていただきます。
 国が、昨年9月25日に発せられた委員会からの質問に対する回答を6月8日に提出されるとしましたら、6月8日までに提出する回答の内容についての、言わばレクチャーといいますか、回答の方針のようなものを外務省乃至は関係省庁から障害者政策委員会に説明があるのかどうか、あるのであれば、それを踏まえて、今、委員長が仰った我々の議論をするということになるのかどうか、その流れを教えていただきたいのが一点です。
 もう一点は、委員長は今、国からの報告を受けて委員会としてのレポートを出すと説明いただいたと思います。それはそれでいいのですけれども、これは私が無理解なのかもしれませんが、前回は政府レポートの、言わば添付文書という形だったと仰ったと思います。しかし、今回は、あくまでも政策委員会のパラレルレポートとして提出するという提案だと聞いていいのでしょうか。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 まず、1点目ですが、国の進捗状況の報告と事前質問事項に対する政府回答というのはほぼ同じ、ほぼ重なるので、どちらの言い方でもよいかなと考えています。今日、南課長が御出席ですが、御発言、可能でしょうか。

○外務省 石川委員長からお配りいただいた資料にもありますとおり、4月17日の委員会での御審議の機会に、事前質問事項に対する政府の回答案について御報告させていただく機会はあろうかと思います。ここに併せて政府報告提出以降の進捗状況や新たな課題について御議論ということが書かれていますので、正に今、石川委員長からお話しされたものと符合するのかなと思っております。

○石川委員長 ありがとうございます。
 御質問の2点目ですけれども、従って、政府は、先ほども申しましたように、日本はちゃんと締切を守る国なので、6月8日までに提出されるに違いないと思います。
 しかし、政策委員会での議論というのは、今日も少しはできるかと思いますけれども、4月、5月と議論するので、どちらにしても間に合わないということも消極的な理由としてはあります。より積極的な理由としては、本来、独立した監視枠組みとしての報告というのは政府報告の中に入れるべきものではない、別途出してこそ独立性がある、権利委員会の委員はそのような印象を抱きます。中に入っていると、むしろ独立性ということについて疑問視されるリスクもあるので、独立していた方がよいと思います。竹下委員、よろしいでしょうか。
 他にはいかがでしょうか。
 もしよろしければ、この方向で政策委員会としてのパラレルレポートを権利委員会に対して出すべく作業を行うということで、それは4月、5月あるいは6月、時間的に見るとそこまでということになりますけれども、御賛成いただけますでしょうか。

(異議なし)

○石川委員長 これまた繰り返し申し上げていることなのですが、出すからには独立した監視の枠組みとしてのレポートでないと意味がない。というのは、障害者権利条約に沿った、障害者権利条約という物差しに基づいた政策評価でないと意味がない。この点についてはぜひ御理解、御協力いただきたいのです。これについては前回もう少し詳しく述べましたので、このくらいの説明に留めたいと思います。
 一つの物差しで個々の施策を評価していったときに、もちろん委員によって違いが出てくる可能性はあるけれども、方向性について違いが出る、質的な違いというのはあまり出にくいはずだと思っています。事務局、いかがでしょうか。

○衣笠参事官 スケジュールの話だけですが、もし6月にまとめられたということになりますと、その後、英訳し、念のため各省庁にその英訳のチェックを依頼するなどもありまして、審査の直前に権利委員会に提出されるような形になってしまうことが予想されることは御承知おきいただければと思います。

○石川委員長 ありがとうございます。
 8月の第1週ならばぎりぎり何とかなるというのが経験的にはあります。
 それでは、時間がまだございますので、説明させていただきたいと思います。
 初回報告の際に政策委員会がどのようなことを報告の本文の中で述べているのかということをもう一度振り返ってみたいと思います。私の資料の後半に別紙で付けてあります。

○衣笠参事官 では、読み上げさせていただきます。別紙「障害者の権利に関する条約 第1回日本政府報告(日本語仮訳)(抜粋)」です。
第6条 障害のある女子
41.なお、本条に関しては、政策委員会より、次のような指摘がなされている。(より詳しくは、付属文書を参照のこと)
 障害者権利条約第6条「障害のある女子」に対応するため、障害女性の視点からの記述及び統計を充実させるとともに、例えば、福祉施設での同性介助を標準化するなど、女性に重点を置いた政策立案を推進する必要がある。また、国や地方公共団体の政策を決定する様々な審議会や有識者会議の委員構成については、ポジティブ・アクション※の取組が推進されており、政策委員会においても、こうした視点・取組が必要である。
※男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供すること

○石川委員長 読みながら御発言は可能でしょうか。当時の政策委員会としては精いっぱいまとめたのですが、振り返ってみて、皆さんがどのような印象を受けられるか、今日の議論、複合差別の話もありましたけれども、どういう印象を受けられるかというところを含めて、これからまとめていく方向性を考えていきたいと思っています。御意見のある委員は挙手をお願いします。玉木委員、お願いします。

○玉木委員 玉木です。自由な意見ということで、ちょっと気になったところを2点ほど言います。
 まず、4ページ目の19条の131に書いてあることについては、基本的には地域で自立生活を送っていくためのサービスベースで書いているのですが、いろんな論議を聞いていく中では、例えば障害者の入所支援施設があるから施設を活用してとか、そういうこともいまだに聞くので、ちょっと踏み込んでいくと、入所施設を閉所していくとか、そういう評価なども一定程度出していく必要があるのではないか。
 もう一点は、5ページ目の24条の教育の167について、結構スピード感がゆっくりな書きぶりなので、まだインクルーシブ教育を推進していくための目標を立てようという書きぶりなのだけれども、やはり方向性としてはインクルーシブ教育にかじを切るのだと、かじを切るためにはどういった施策を打っていく必要があるのか、もう一歩踏み込んだ論議ができたらいいかなと思いました。
 以上です。

○石川委員長 御指摘ありがとうございます。
 他に御意見ございますか。三浦委員長代理、どうぞ。

○三浦委員長代理 三浦です。進め方で質問させてください。
 今回、日本政府報告に関して事前質問事項は相当たくさん来ておりました。昨年の委員会で確認したところでございますけれども、これに関して全てこの政策委員会で議論していくのかということと、今日いただいているこの別紙の資料では、なお書きで政策委員会が指摘させていただいたことを政府報告に入れ込む形での報告だったのですが、今までの説明で、独立性の担保、委員会としてレポートを出すということに当たって、もちろん分量的にもかなりのものが来ると思うので、2回の委員会でまとめ切れるのだろうかという素直な不安を感じました。
 その範囲が、全ての項目が障害のある人々の生活に関わることなので、全ての項目というのは当然のことだと思いますが、進め方の具体化といいましょうか、例えば、議論の整理をするときは分科会というか、ワーキング・グループを設けてやったこともあり、時間を相当かけておりますので、それを2回の本委員会で取りまとめられるかということに関して若干の心配があり、質問させていただきます。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それについては、先ほど私、一応申しましたのは、従って、包括的、網羅的な検討は非現実的なので、初回報告で政策委員会が本文の中に入れた政策委員会の意見に関わる条文、これに絞り、かつ先ほど言い忘れましたけれども、せっかく障害者差別解消法の見直しの検討をしてきたので、第5条を含めて、それらに今回は絞って重点項目というふうにして、もちろん他にもどれもこれも重点項目ですが、項目を絞ってレポートを出すというのが、もちろん理想的ではないけれども、現実的なやり方としてはこれしかないのではないかと考えております。

○三浦委員長代理 分かりました。

○石川委員長 ほか、いかがでしょうか。大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 日本発達障害ネットワークの大塚と申します。
 第1回の日本政府報告を見せていただいて、もちろんこの委員会の意見も付随しているということです。日本政府が出しているもの、例えば第19条の自立した生活及び地域社会への包含、36ページにあります。今、初めてざっと見せていただいたのですが、一般的には自立した生活及び地域社会への包含ということで、地域での生活をどのように確保するか、例えば障害者総合支援法の中に障害福祉計画をつくりなさい、それについては地域移行数を目標値にするとか、あるいは現在の入所定員を何人削減するかということが書かれていて、ずっと障害者自立支援法以降やってきた実績がありますけれども、少なくとも第9条には厚生労働省がやっていること自体は書いていないということなのですね。だから、水準が全然異なって、どれを基に議論すればいいかということがこれ一つとってもなかなかまとめづらいという印象を受けております。
 もちろん、障害者権利条約の条文に則ってということであれば、障害者権利条約の考え方として、例えば入所施設の状況というのは本人の地域生活を困難にしているとか、あるいは社会資源の創設そのものをつくっていないということ、地域社会に参加できることを困難にしている故に差別的だと書かれている資料をこの政策委員会でもらいました。それが今の障害者権利条約の考え方で、その辺のかなりギャップがあるところをどのようにまとめていくかということに対して方法論をつくっていく必要がある。一つ一つのこれが項目になったとき、様々な困難性がある。それをクリアしていかなければならないと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 障害者権利条約が求めていることについて細かく見ていくと、色々な考え方がそれぞれの条文についてあります。最初に申しましたが、そうなのだけれども、今回、障害者権利条約33条に規定されている国内監視機関というのは、障害者権利条約の物差しで見て監視することが求められているということなのです。
 ただ、個々の委員は障害者権利条約の考え方と微妙にあるいは一定程度違う意見を個別の規定に対してお持ちであるということは承知しておりますが、それを言い出したら、まとまらなくなってしまうので、障害者権利条約の物差しから見たときにどういうことが言えるのかということでレポートをまとめることが当委員会の役割、IMMとしての役割ということです。障害者基本計画の策定について議論していくときは、国内の状況というものをもっと繊細に見ながらやっていくことはできると思うし、その方がよいと思いますけれども、障害者権利条約の国内実施の一翼を担っている立場としては障害者権利条約という物差しに基づく評価が期待されているし、それを行うことが当委員会の責任だと考えているというのが私の考えです。  ほか、いかがでしょうか。竹下委員、どうぞ。

○竹下委員 竹下です。
 この8項目が全て重要であるということは、それでいいのですが、今度、委員長提案でこれをやるときに、この8項目の第二次提言というのではなくて、もう少し視点を変えた方がいいのかなという思いがあります。すなわち、ここに挙げられている8つの中から時間的な意味も含めて絞り込むという面があってもいいと思うし、先ほど委員長も触れた、2条、5条の関係で少し触れるべきではないかというのと、あえて政策委員会としてパラレルレポートを出すからには、今の政策委員会の在り方について我々のコンセンサスがとれるならば、障害者権利条約第33条第2項が締約国に求めている独立性の強い監視機関としての機能についての提言の意見があってもいいのかなと思っています。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 若干の追加といいますか、議論できる期間が限られているので、1つ増やすと、2つ、3つ、4つという話もあるのですけれども、仰るように、国内監視機関としての自己理解といいますか、リフレクシブな、反省的な視点を提出するというのはあってよいのではないかと思います。他の国内実施についての課題を言う前に自分はどうなのだということです。そういう自己反省的な視点はあってもよいと思います。
 河井委員、どうぞ。

○河井委員 少し議論からずれるかもしれませんが、パラレルレポートというか、政策委員会としての意見を述べるに当たって、委員長から、第1回政府報告のところの「なお」というところで追記した部分を検証するという御提案をいただいて、それが分かりやすいと私も思いました。
 レポートとして何を書くのかといったときに、例えば障害者権利条約第6条の障害のある女子で「障害女性の視点からの記述及び統計を充実させるとともに」という、いろんな部分で統計データの不足があのときにすごく議論になったと記憶しておりますが、前回、検討したときに、それを踏まえて、政府としてどういった統計データを新しく取るようになったのか、それがどのように政策に反映されたのか、それが障害者権利条約に対して有効に働いているのかどうなのかということをまとめるというのは意味がないのでしょうかという意見です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それについては事前質問事項で日本政府が聞かれている話なので、日本政府としてのそれに対する応答があるはずです。それを4月の政策委員会でお聞きできるわけですが、それがまだ形になりそうでないのだとしたら、政策委員会としては、政府はそう言っているけれども、まだ全然できていませんという報告になりますね。そういう感じのイメージで捉えていただく。つまり、事前質問事項に対する政府の応答というのは、政府としては精いっぱい頑張っていることを強調することに当然なりますし、しかし政策委員会としてはできていないところはこういうところなのですということを報告する。役割分担というと語弊があるかもしれませんが、そういう役割分担です。
 例えば、インクルーシブ教育についても同じようなことが言えます。そうはいっても、インクルーシブ教育を前に進めていくための方向性がまだはっきりと出ていないみたいな話をするのだとしたら、障害者団体もしていますけれども、独立した監視の枠組みの立場でこういう点は頑張っているのだけれども、こういう点は不十分だという、つまりポジティブ・アスペクトもできたら入れつつ、例えばアクセシビリティについていうと、こういう点は評価しているが、こういう点は非常に不十分だと考えているというような書きぶりだと一番いいと思います。
 つまり、問題点のみを指摘するというのは、障害者団体としてやっていることなので、IMMとしては、頑張ってここは評価してもいいのではないかという点についても書いて、ポジティブ・アスペクトとなり得る点があれば、そういった点についても触れつつ、しかし具体的にこういう問題点がある、そういう書き方でまとまるといいと思います。
 他に御意見、御質問いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 もしよろしければ、次回は、障害者差別解消法の見直しの今日の議論を踏まえた上でのさらなる修正案を事務局から提出していただいて、政策委員会としての意見の取りまとめを次回で終えたい。それがどうしても難しいという場合にはまた検討させていただく。例えば、更に修正を行い、後は一任していただくというようなやり方等々あろうかと思います。
 次回の議論の全体の一致度次第かなと、一致していないと一任も何もないという感じがあります。まあまあ一致しているということであれば一任、完全に一致していればその場で採択、こういう感じかなと思います。よろしくお願いいたします。
 もう一つは、事前質問事項に対しての政府応答を御報告していただいて、それについての意見を各委員から出していただくことを4月に行って、できれば5月の政策委員会の段階では、粗々とした原案を事務局でたたき台で出していただいて、それを磨いて、遅くとも6月には確定、後は突貫作業で英訳する、こういう感じと思います。
 そうしましたら、本日の議題は以上とさせていただきたいと思います。
 では、事務局から次回の委員会についての事務的なお知らせ等をお願いいたします。

○衣笠参事官 事務局です。
 次回の政策委員会の日程につきましては、4月17日(金)午後の開催を予定しております。当日は、障害者差別解消法の見直しについての議論と、国連障害者権利委員会の審査に向けて議論いただく予定です。詳細につきましては、石川委員長に御相談の上で、確定次第、御案内いたします。
 また、昨年12月12日の障害者政策委員会におきまして依頼させていただきました「障害者統計の充実に係る調査研究事業」につきましては、各団体の方々に御協力いただきまして、無事に紙面による調査を終えることができました。この場を借りてまずはお礼申し上げます。ありがとうございました。

○石川委員長 それでは、以上をもちまして、第50回障害者政策委員会を終了いたします。