障害者政策委員会(第51回)議事録
令和2年5月25日(月)
14:00~16:00
TKP新橋カンファレンスセンター ホール14A
(Web会議にて開催)
【議事に使用されている資料については「議事次第」のページにまとめて掲載していますのでご参照ください。】
○石川委員長 これより第51回障害者政策委員会を開会いたします。
委員におかれましては、御多用のところ、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日の委員会は16時までを予定しております。
本日は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、本委員会としては初めてとなりますが、ウェブ会議の形で開催しております。テスト、インストール等で各委員に御負担をおかけしましたが、大半の方が無事に御出席いただいていると理解しております。
なお、取材及び一般傍聴者は、感染防止の観点から本日はお断りし、その代わりに動画中継を視聴いただく形としておりますので、御承知おきください。
まず冒頭、事務局より専門委員の交代について報告をお願いいたします。
○衣笠参事官 事務局です。
本日付けで新たに障害者政策委員会の専門委員として着任された方を御紹介いたします。
日本商工会議所産業政策第二部主席調査役の大内博専門委員の御後任として、同所産業政策第二部担当部長の杉崎友則専門委員に御就任いただいております。
○石川委員長 それでは、杉崎専門委員、一言御挨拶をお願いいたします。
○杉崎専門委員 ただ今御紹介をいただきました、日本商工会議所の杉崎と申します。よろしくお願いいたします。
○石川委員長 ありがとうございます。
それでは、事務局より本日の委員の出欠状況について報告をいただきます。
○衣笠参事官 本日は、加藤委員、黒岩委員が所用により欠席との連絡を受けております。また、安藤委員、柘植委員が遅れて参加されると伺っております。このほか、北岡委員は定刻どおり御出席予定でしたが、今、ログインができていないということで、別途調整中の状況です。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。
議事に入る前に、本日は初めてのウェブ会議ですので、参加に当たっての留意点について、事務局より説明をお願いいたします。
○衣笠参事官 事務局です。ウェブ会議の留意点について確認させていただきます。
まず、基本的に会議中はカメラをオンの状態にしていただくようにお願いいたします。次に、現在はマイクをミュートにしていただいていると思いますが、御発言のとき以外はミュートの状態のままとしていただくようお願いいたします。また、御発言の意思表示は挙手ボタンでお知らせください。その上で、委員長の指名を受けた後にミュートを解除し、マイクに向かって御発言をお願いいたします。
発言が終わりましたら、マイクを再びミュートの状態に戻し、挙手ボタンを降ろしていただくようお願いいたします。挙手ボタンが表示されていない、挙手ボタンがスクリーンリーダーで認識できないなどの場合には、カメラの前で実際に挙手をお願いいたします。
会議中に通信回線や音声通話が途切れるなどの問題が生じた場合や、緊急の御連絡がある場合には、あらかじめ委員の皆様に御連絡した事務局の連絡先までお電話いただければと思います。
以上です。
○石川委員長 よろしくお願いいたします。
それでは、本日の議事に入りたいと思います。まず、各委員から御発言いただくときは、挙手ボタンにより挙手の意思を表示してください。委員長の指名を受けてから御発言をお願いいたします。また、できれば最初に結論を述べ、その後にその理由または説明をお願いできればと思います。御発言の際には、まずお名前を名乗っていただき、その上で、ゆっくり分かりやすく御発言をいただくようお願いいたします。
特に今回はウェブ会議での議論となりますので、いつもにも増して御配慮をお願いいたします。また、できるだけマイクを近づけてお話しください。発言が終わりましたら、ミュートボタンを押し、挙手ボタンを降ろしてください。
それでは、本日の議題及び資料について、事務局より説明をお願いいたします。
○衣笠参事官 事務局です。
本日は、ウェブ会議の実施に伴う障害者政策委員会の運営規則の改正案について、御審議いただきたいと考えております。関係資料として、資料1-1、1-2を用意しております。
次に、前回の委員会において、委員の皆様からいただいた御意見を踏まえまして、石川委員長に御相談の上で障害者差別解消法の施行3年後見直しに関する意見の再修正案を作成いたしました。これについて御審議いただきたいと考えております。関係資料として、資料2-1、2-2を用意しております。
また、この障害者差別解消法の見直しの議題の途中になるかと思いますけれども、15時をめどに15分程度の休憩を設けたいと思います。
このほか、「その他」としておりますが、国連障害者権利委員会の状況等について、外務省から説明いただく時間を設けたいと考えております。この議題についての関係資料はございません。
以上です。
○石川委員長 それでは、当委員会の運営規則の改正案について、事務局より説明をお願いいたします。
○衣笠参事官 事務局です。それでは、障害者政策委員会の運営規則の改正案について御説明させていただきます。まずは資料1-1を御覧いただければと思います。
「障害者政策委員会運営規則の改正について(概要)」とありますが、まずは「1 改正の目的」です。新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、第51回障害者政策委員会におきましては、構成員の皆様がウェブ会議システムを利用して会議に参加するという形での開催としました。
ウェブ会議システムを利用した会議参加は、現在の障害者政策委員会令第5条に定める「出席」に含まれると解しておりますが、今後も一部または全ての構成員について、同様の対応が必要となることも想定されることを踏まえますと、これを運営規則において明確化しておくことが望ましいと考えられますので、今回、運営規則の改正を行いたいと考えております。
「2 改正の内容」ですけれども、会議の出席には、委員会の開催場所への参集のほか、委員長が必要と認めるときは、情報通信機器を利用して同時に意見交換をすることができる方法による会議への出席を含める旨の規定を追加する改正をしたいということです。具体的には、資料1-2を御覧いただけますでしょうか。
こちらは運営規則の改正案です。赤字で改正するところが分かるようにしておりますが、「会議の招集等」という第1条に第4項を新たに加えることとしております。こちらで先ほど申し上げた「会議の出席には、会議の開催場所への参集のほか、委員長が必要と認めるときは、情報通信機器を利用して同時に意見の交換をすることができる方法による会議への出席を含めるものとする」と追加する改正をしたいということです。
説明は以上になります。
○石川委員長 ありがとうございました。
以上の改正案につきまして、委員から御意見、御質問等があれば挙手ボタンを押してください。あるいは物理的に挙手をしてくださっても結構です。いかがでしょうか。
竹下委員、お願いします。
○竹下委員 竹下です。結論としては改正に賛成です。その上で一点だけ質問です。
運営規則を見ていて気付いたのですが、代理人による出席が可能という規定があるかと思います。従来は代理出席は不可と言われてきたと思うのですけれども、この点についてどういう流れというか背景から、代理人の出席を可能としたのかについて御説明をお願いします。
○石川委員長 事務局から説明をお願いします。
○衣笠参事官 代理出席の規定につきましては、当初よりこういった規定がございます。ただ、皆様の個々人の御見識等に鑑みて委員に就任いただいている趣旨から、基本的には代理出席は認めないという運用がされているということであり、規定自体は元々あったということです。
○石川委員長 私の理解では、委員長が必要と認める場合という条件の下で代理出席が可能ということだったかと思うのですが、その理解で正しいでしょうか。
○衣笠参事官 規定上は、委員長が認める場合とまでは定められていないのですが、委員会の運用として、委員会の中で御議論いただいた上での取扱いであると理解しています。
○石川委員長 竹下委員、いかがでしょうか。
○竹下委員 率直に申しまして2つだけ、今後のために発言させていただきたいと思います。代理出席は今までは基本的には認めない、ないしは避けるということで運用されてきましたし、私もそう理解しておりました。
今後については、どういう場合に代理出席が可能となるのかについて、混乱を避けるために明確にしておくべきだと思います。例えば先ほど石川委員長の御発言があったように、委員長が認める場合という一つの基準にするのか。あるいは、この規則の中に書き込まないまでも運用の確認として、ある程度の何らかの事情を列記したうえで、代理出席は委員長が承認する場合に認めるなど何らかの基準を設けておく方が、今後のためにはよいのではないかということを、これは参考意見、あるいは今後のための発言としてだけにしておきます。今回の規則改正にそこを含めろというところまでは提案しません。
以上です。
○石川委員長 竹下委員、ありがとうございます。
私見を述べさせていただくならば、オンラインでの御本人の出席と代理出席のどちらの方が本来の趣旨に沿っているかと言えば前者だと考えます。今回追加する規定では、「委員長が必要と認めるとき」と入れていますので、代理出席についても、もし何らかの規則化をする方がよいということであれば、今後改正も検討することになると思いますが、委員会の中での合意として、オンラインでの出席に準じて委員長が必要と認めるときに限ってという趣旨で運用を進めていくということも可能かと思います。事務局はいかがでしょうか。
○衣笠参事官 今、委員長が御指摘のとおり、基本的な考え方としては委員長が必要と認めるときという運用をさせていただくのが、最も今までの運用実態に即していると考えます。その明確化ということで規則改正まで必要かということですが、今までも実施してきている運用でもありますので、基本的にはこのままでいいのではないかと考えています。そこは委員の皆様からどれだけの御異論があるかということになります。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。
それでは、事務局から説明のあった改正案につきまして、賛成をいただけますでしょうか。(挙手ボタンで賛成を確認。)
よろしいでしょうか。御異論なく、全会一致で改正ということで進めていきたいと思います。ありがとうございました。
次に、障害者差別解消法の見直しの検討についての議事に進みたいと思います。なお、今後、本委員会が取りまとめる意見を踏まえて、政府において法改正の検討が進められていくことなどを見据えて、障害者差別解消法の見直しについては、本日で意見の取りまとめを完了できればと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、事務局から、前回の審議を踏まえた再修正案の概要について説明をお願いいたします。
○衣笠参事官 事務局です。
前回の政策委員会での多くの御意見を踏まえまして、今回、再修正案ということでお出ししております。関連資料は2つございますが、資料2-2を見ていただければと思います。資料2-2は、前回お示しした案との違いが分かるものとして見え消しで記載しているものです。
それでは、1ページを御覧ください。「1.はじめに」ですが、こちらは表現上の修正をしておりますほか、最後のパラグラフの「なお」以下の部分です。「なお」以下は国連障害者権利委員会の審査との関係での記述ですけれども、国連審査の関係は本日外務省からも状況の御説明をいただく予定としておりますが、審査が今年の夏に予定していたところ、新型コロナウイルスの影響で延期になり、スケジュールが現在流動的な状況にあります。このため、なお書きですけれども「本年には」と本年に審査が行われる前提での記述となっておりますが、こちらを「今後」とし、今後予定されているという修正をしております。
また「勧告の内容」によっては追加的な議論を行うという記述につきまして、勧告が出されるタイミングというものもよく分からない面がありますので、それも考慮すべき要素として「勧告の内容等」と修正しております。
続きまして、3ページを御覧ください。(1)の四角囲みです。前回の議論の中で、「【見直しの方向性】」は四角囲みか何かで方向性を示した方が分かりやすいという御意見や、なるべく表現は端的にすることが肝要であるという御意見がありました。このため、各論点の記述について、冒頭に四角囲みで「【見直しの方向性】」を記述するとともに、その内容につきましては、6ページの真ん中から下ですけれども、以前は「【見直しの方向性】」としていた部分ですが、これを今回「【見直しの考え方】」としまして、この部分を簡潔にしたものを四角囲みの内容として前の方に記載しているということです。
また今回、資料2-2は見え消しの資料ですが、3ページの四角囲みの中の見え消しは、後ろの「【見直しの考え方】」との比較ということでの見え消しであり、この四角囲みの中の見え消しは前回の資料との比較ではないことは御注意をいただければと思います。
まず、大きな修正として、論点ごとにこういった四角囲みをする修正をしております。
続きまして、4ページの一番下のタイトルですけれども、以前は「【現状・課題】」と記述をしていましたが、ここの項目名をまず「【現状】」とした上で、5ページで、新しく「【委員から示された意見】」という見出しを起こしまして、各委員の御意見を紹介する記述をしております。
前回、何々という意見があるという記述ぶりをしていた部分がありましたが、こちらだと客観的な書きぶりで事務局が主体で意見書を書いているように見えるといった趣旨の御発言もありましたので、そういった記述の仕方はやめております。また、「【委員から示された意見】」というタイトルにさせていただいております。
続きまして、6ページを御覧ください。こちらは先ほど申し上げたとおり「【見直しの方向性】」を「【見直しの考え方】」と修正しております。こちらは四角囲みの部分をつくるのに伴いまして、少しタイトルを変えているのですけれども、こちらの部分は、前回までもありましたいわば結論の部分でありまして、先ほど申し上げた四角囲みの部分の記述の詳細を述べている部分となります。今回、表現上の修正をしている部分もありますけれども、本日はこの「【見直しの考え方】」の部分を中心に、内容に関わる主な部分について御説明をしたいと考えております。
続きまして、7ページを御覧ください。差別の定義・概念に関する修正部分ですけれども、上から3つ目の○です。こちらの「その一環として」という部分以下のところですけれども、車いすを理由とした不当な入店拒否といったものを実質的な障害を理由とする不当な差別的の例示としておりましたが、前回、この例示は適切でないのではということ、そして、入社試験の際に、自立通勤可能なものといった条件づけをすることを例示にすべきではないかという御意見もありました。
しかし、入社試験というものは、障害者雇用促進法の規定の対象になるものであり、障害者差別解消法に基づく基本方針の例示としては適当ではないのではないかということや、今後の幅広い議論を確保するという観点から、本日の取りまとめの段階では、例示まではなくてもよいのではないかと考え、削除しております。
また、同じパラグラフですけれども、前回の御意見を踏まえ、障害者の家族に対する差別を解消すべきものとしていたわけですが、障害者の家族だけではなく、その他の関係者、これは支援者ということも含めてほしいという御意見があったことを踏まえまして、「その他の関係者」という文言を追加しています。また、そのときの御意見も踏まえて「解消すべきものである」という言い方に修正しております。
続きまして、同じページの一番下の○の部分ですけれども、前回、女性や障害児などへの複合差別について実態を把握し、適切な措置を取らなければならない旨の記載を法律に設けるべきといった御意見や、相談する上で、性や年齢を把握すべきといった御意見がありました。今回、特に女性や障害児についてのみ特別な規定を設けるというのは、個別事案ごとの対応を求める障害者差別解消法のつくりの上では難しいということなどから、法律ではなく基本方針等で性・年齢別に事例を蓄積するという旨や、相談事例を踏まえて適切な措置を講じるべき旨を記載するといったことを検討すべきとしております。
次のページの部分ですけれども、同じパラグラフの続き「あわせて」以下の部分であります。前回、障害者基本法及び障害者基本計画の見直しにおいても、女性や障害児の関係で、更なる検討が必要といった記述をすべきという御意見がありましたけれども、障害者基本法の見直しをする前提での記述とするというのは、なかなか今の段階では難しいということで、「障害者基本法や障害者基本計画を見直す場合には、・・・更なる検討が必要である」といった記述としています。
続いて、「事業者による合理的配慮の提供について」の論点ですけれども、11ページの一番下の○の部分の最後の行から次のページにかけてです。事業者による合理的配慮の提供について、この11ページの部分は「更に関係各方面の意見や、当該提供が適切に行われるための社会的な素地等の状況を踏まえ、その義務化を検討すべき」という文言でしたけれども、この義務化の方向を明確化すべく「更に関係各方面の意見」や「社会的な素地等の状況を踏まえ」というのを削除すべきという御意見がありました。それから、その後の周知期間の関係の記述ですが、義務化をする場合の周知期間について、生活に密接しているものは周知期間を設けず義務化すべきという御意見もいただいておりました。
一方で、事業者側の委員からは、幅広いステークホルダーの意見を聞いて慎重に検討すべきであるといった御意見や、仮に義務化する場合も十分な周知期間を設けるべきといった御意見もありました。
これらの御意見を踏まえまして、今回は「社会的な素地等の状況を踏まえ」という記述は削除しておりますけれども「関係各方面の意見等を踏まえ」といった記述は残すという修正をしております。
また、周知期間につきましては、先ほど申し上げたとおり、なかなか皆様方の見解の一致をみないということのほかに、義務化をする場合のさらなる議論といったものでもありますので、報告書の取りまとめとしての記述は削除しております。
続きまして、同じ12ページの2つ目の○以下ですけれども、前回、事業者は建設的対話を避けてはならないこと、その際、意思決定及び疎通に困難のある人に一層の配慮をすることというのを基本方針等で明確化すべきといった御意見をいただいています。ただ、そうした記述ですと、事業者側に一方的に強いるような印象もありますので、12ページの②の部分の最初の○と併せまして、②の2つ目の○ですけれども「建設的対話を適切に行うべきであること」や「障害特性によって意思決定や意思疎通が困難である場合に障害者やその家族に配慮することも重要であることを、基本方針等で明確化すべき」といった修正をしております。
それから、その下の②の4つ目の○は、前回の御意見を受けて「より効果的な方法とすることも含めて周知啓発を強化すべき」という表現にしております。
続いて「相談・紛争解決の体制整備について」です。17ページを御覧ください。
17ページの一番下の○ですけれども「(イ)相談体制の明確化等」の部分です。前回、国に新たにワンストップ相談窓口を設けるべきであるといった御意見がありました。この点につきましては、改めて事務局で検討しましたが、実効性のある取組ができるのか、必要な職員・予算の確保、その他様々な課題もあるということで、新たな相談窓口を設けることはなかなか難しいと考えております。ただし、相談のたらい回しの防止等に資するようにということで、こちらの(イ)のところですけれども「相談窓口や事案の取扱いの流れを分かりやすく示す」といった取組をすべきという修正をしております。
また、次の18ページの2つ目の○ですけれども、「事例の蓄積等を通じた円滑な相談対応を実施できるよう、国においては、担当課長連絡会議等を開催し、定期的に相談事例の共有や分析・公表等を行うとともに、省庁間の連携を深めるべきである」という修正をしております。担当課長会議については、前回も御意見をいただいていたことも踏まえて、こちらに盛り込んでいます。
順番が逆になってしまいますけれども、同じページの一番上の○の「その際には」というところですが、こちらの部分で、メールだけではなく、電話リレーサービスなども読めるような表現としてほしいといった御意見もありましたので、「ICTを活用した相談」という表現としております。
最後に、24ページですけれども、こちらは本日も議論いただくということですので、24ページの最後に第51回ということも開催経緯に追加していること、また、25ページの委員名簿につきましては、本日、杉崎専門委員が就任されていますので、名簿の修正もさせていただく予定としております。
事務局からは以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。再修正案について概要説明をいただきました。
それでは、審議に入ります。審議の時間は、途中15時頃に一度休憩を挟んで、15時40分までを目途としたいと思います。また、委員の御意見の中で、事務局の回答が必要なものについては、休憩後にまとめて事務局から発言することとしたいと思います。
それでは、御意見等のある委員は挙手ボタンを押すか、手を挙げてください。
石野委員、お願いします。
○石野委員 全日本ろうあ連盟の石野です。1つお願いしたいことがあります。事務局の説明が早いので、もう少しゆっくりと説明をお願いいたします。
障害者基本法の改正の見直しをどう入れるのか、私の個人的な考えなのですが、障害者基本法の見直しの考え方は多分委員皆さん同じだと思います。最後の部分で、政策委員会の総合意思として、改正すべきであるということを入れ込んでいただきたいと思います。それが一点です。
それから2つ目、資料2-2の18ページの、先ほどの説明にありました意思疎通支援の話ですけれども、ICTのことです。文字を書くことが得意な人もいますが、そうではない方もいらっしゃいます。盲ろうの方もいらっしゃるかもしれません。そういう方のことを考えますと、簡単に事務的に解決ができるわけではないと思います。
一つの事例をお話しします。新型コロナウイルスの感染が拡大していました中で、ろうあ者で感染者がいたことが分かりました。東京のあるろうあ者です。感染を疑って保健所に連絡しようと思っても電話自体がなかなか通じなかったり、電話がつながっても保健所は電話では対応できなかったという問題がありました。それだけではありません。感染の疑いがあるときに手話通訳者の派遣を依頼しても、行政ではできないと簡単に断られてしまった。そのために困ったという事例があります。そういう実態をきちんと把握してほしいと思います。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
御質問や御意見に対する応答につきましては、休憩時間の後にまとめてさせていただきたいと思いますので、次に門川委員、お願いします。
○門川委員 門川です。皆さんこんにちは。
私からは、事業者の合理的配慮の義務化について発言させていただきたいと思います。
合理的配慮については、この際義務化すべきと考えます。障害者権利条約において、合理的配慮の不提供は障害に基づく差別における形態の一つと定義されています。合理的配慮とは、障害者権利条約によれば、「障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享受し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整」であると書かれています。障害者差別解消法が施行されて、早くも4年以上が経過しています。この間、事業者に対しては、合理的配慮の提供は、あくまでも努力義務でした。
障害者差別解消法の定義によりますと、この事業者というのは、「商業その他の事業を行う者」とあります。事業者は障害者の生活に密接につながるものなのです。
ここから事例を2つほど紹介します。
1つは実際に経験したことです。エアコンを新しく購入したのですが、エアコンに付いてきたリモコンがタッチパネル方式だったのです。使えないのです。エアコンをよく調べてみると、このエアコンはスマートフォンからも操作できることが分かりました。スマートフォンのアプリもダウンロードしてみました。しかし、残念ながら、アプリは音声読み上げ機能には対応していませんでした。これは点字も使えないということなのです。
せっかくだから使ってみたいと思い、メーカーのホームページから直接問合せメールをしました。視覚障害者や盲ろう者にも使えるよう、音声や点字にも対応していただきたいと伝えました。先方からの回答の内容は「貴重な御意見、ありがとうございます。担当部署にお伝えします。」と、それきりでした。しばらくして、もう一度問合せをしたのですけれども、返ってきた返事は同じでした。これは法律でいうところの社会的障壁だなと感じました。メーカーが点字ユーザーの存在を認識して、ユーザーに対応したアプリケーションの開発に取り組んでいれば、ユニバーサルデザインを目指して開発目標を立てていくことがあり得るのではないかと思うのです。
2つ目の事例なのですけれども、これも実際にあったことです。私が英語検定を志したのですが、1次試験には合格し2次試験は断念しました。なぜなら、2次試験はヒアリングとスピーキングだったからです。
○石川委員長 門川委員、発言の途中で申し訳ございません。具体的な事例の御発言は大変参考になるのですけれども、多くの委員が発言を求めていらっしゃり、かつ時間が限られていますので、先ほどの事例一つで結論をお願いできないでしょうか。よろしくお願いいたします。
○門川委員 そこで、(英語検定の)事務局とやりとりをして、こちらからも色々提案をし、先方からも前向きな御返答をいただきました。これは正に建設的対話だったと思いました。しかし、見直しが必要ということで十分な時間が取れないと、回答がいただけないまま、そのままになっています。合理的配慮を義務化することによって、実効性のある対応をしていただきたい。建設的対話よりも、その前に合理的配慮の義務があると思うのです。繰り返しになるのですけれども、施行後4年が経過していますから、ここら辺で合理的配慮を義務化することをお願いします、
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
それでは、大河内委員、お願いします。
○大河内委員 大河内です。
門川委員とかなり重なる部分があって、事業者の合理的配慮の義務付けについての部分、資料でいうと資料2-1の7ページになるでしょうか。仰るとおり、周知期間の記述がなくなって、義務付けを強く推進したいと思っている立場としては、これは非常に進歩なのかなと思って読ませていただきました。
やはりこういう新型コロナウイルスの問題があって、合理的配慮の不提供による不利益はすごく起きてきていますし、また、今、「新しい生活様式」という新しい尺度も提案されている中で、やはり触らなければ何もできないような、門川委員のような盲ろう者もそうですし、私のような視覚障害者もそうですけれども、やはり様々な差別的取扱いは出てくるのだろうと思っているのです。こういうときだからこそ、行政の窓口だけではなく、やはり民間事業者も含めて義務化というのを強く打ち出しておくべきなのだろうなと思った次第です。
検討することは非常に大事なのですけれども、もう検討している段階ではないのだろうなということを、今、門川委員の意見も聞きながら改めて思っています。その点も含めて、もう少し具体的な書きぶりに修正ができると有り難いなと思って、発言をさせていただいた次第です。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。
それでは、杉崎専門委員、お願いします。
○杉崎専門委員 ありがとうございます。日本商工会議所の杉崎です。
事業者による合理的配慮の提供につきましては、合理的配慮自体の認知が十分に進んでいるとは言えず、加えて、多様かつ個別性が非常に高いことから、周知啓発の強化が不可欠であると考えております。
また、資料2-2の8ページ目には、「【見直しの方向性】」として、合理的配慮の義務化を検討すべきであると記載されておりますが、10ページ目下段に記載のとおり、中小企業から懸念する声があることから、引き続き努力義務としていただき、周知啓発の強化ですとか、企業への相談、支援の強化等により、実効性を高めていくことが現実的な方策であると考えております。あくまで企業の実態を踏まえていただいた上での検討が必要であると思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○石川委員長 この点につきましては、後ほど私から意見を述べたいと思います。
野澤委員、お願いします。
○野澤委員 野澤です。
やはりこの点がすごく争点になっているなというのは改めて感じます。見え消し版(資料2-2)の11~12ページのところです。
前の書きぶりからすると、よく読むと前進しているようにすごく読み取れるのですけれども、障害者権利条約との一層の整合性の確保を図る観点から、更に関係方面等の意見等を踏まえ、その義務化を検討すべき、その「関係方面の意見等を踏まえ」という辺りが、少し分かりにくくて、これはどういう意味なのかというのは、なかなか説明しにくいのかもしれませんけれども、もし可能であれば後で説明していただきたいと思います。今も事業者側からはやはり慎重な配慮を求める慎重な意見が出る。ずっとこのままだと議論の折り合いがつかないような感じがしているのです。
私は前にも言ったかもしれませんけれども、法の制定から7年、施行から4年、更にまたこの周知期間を置く。このままだとずっと同じ状況が続いていく気がして、ここはやはり一歩踏み込む場面ではないかなと思っております。企業もよく見ますと、やはりよく分かっていないところが多いのも事実だと思います。関心がないところが多いのも事実だと思います。ただ一方で、非常に先駆的な合理的配慮を取り入れている企業だって結構あるのですよ。むしろ公的機関よりもはるかに民間ならではの色々な工夫をして、ビジネスにもいいものを取り込みながら、合理的配慮を進めているようなところもいっぱいあるわけです。
要するに、障害者バーサス企業ではなくて、企業の業界内の問題なのではないかなと私は思っております。その業界内に焦点を当てて見たときに、先駆的なことをやっているところがあるにもかかわらず、無関心でなかなかできないと言っているレベルの低いところにいつまでも合わせていたら、やはり進んでいかないように思うのです。これはやはりもっともっと業界内で色々な意見を戦わせていただくべきではないのかなと思っております。
先ほどの「更に関係各方面の意見等を踏まえ」というのであれば、よい取組をしている企業から、合理的配慮について前向きな意見を業界内にもっともっと広めていっていただきたいし、そういう意見を多くの関心のない企業も聞いていただきたいなと思いました。ずっとこの両論併記で行く限りはなかなか前に進まないので、ここはやはり障害者政策委員会としては、基本的には周知期間は置かない、義務化を検討すると、シンプルな方向を打ち出すべきだと私は思います。こういう慎重な意見もあるということはもちろん触れてもいいですけれども、やはり基本的な方針としては、その2つをシンプルに押し出してほしいなと思います。
もう一点だけ言わせてください。(資料2-2)18ページの地方公共団体の広域支援相談員について、地域の実情に応じた配置を促すことを検討するということには大賛成です。相談を受け止める人がいなければ、相談もしないし、やはり掘り起こしにつながらないので、生身の人を置いて、システムとか機関じゃなくて、やはり人を見て相談に行くわけで、こういうものを促していくというのは大賛成です。
ただ、地方からすると、多分これを見て、財政措置はしてくれるのですかという疑問というか、要望というのは来ると思うのです。最終的に決めるのは国会なのでしょうけれども、政策委員会として、ここが非常に肝なところなので、むしろ国からの財政措置も、私は個人的には付けたということも担保した上で、地方公共団体に一歩力強くこれを進めていくことを打ち出してほしいなと思います。
以上であります。
○石川委員長 ありがとうございました。
休憩前、最後になりますが、竹下委員、お願いいたします。
○竹下委員 ありがとうございます。竹下です。
4か所の書きぶりに少し修正をお願いしたいというのが結論ですが、その前提として、私は意見書を出しました。それは相談体制に関するものです。内容は繰り返しません。少なくとも相談体制において、十分な紛争解決を担えるだけの権限ないしは機能を持った地方公共団体における機関の設置というものは必要であり、それをスムーズにさせるためのマニュアルの作成が重要ではないかというのが総論的な指摘であります。
その上で、細かいのですけれども、4点だけ修正をできたらお願いしたいと思っている部分があります。
まず、資料2-1の3ページの3つ目の○の5行目と、6ページの3つ目の○の6行目、場所は一緒ですけれども「不当な差別的な取扱いをすることも」とあるのを、この部分は「障害者でない者と比較して差別的取扱いとなる場合にも」とするべきではないかと思っております。すなわち障害者権利条約第2条を見れば分かるわけですけれども、主観的な意図や不当な差別を行おうとする意図が問題ではなくて、結果的に、あるいは効果として差別を生み出すものは全て差別であるというのが障害者権利条約の考え方だからです。
それから、2点目の修正は、11ページの(イ)の1つ目の○と、同じ内容ですけれども、14ページの最後の行の部分で「分かりやすく示すなど」とあるのですけれども、ここの部分を「分かりやすく示すためにマニュアル作成など」として、マニュアルの作成を明確に指示すべきではないかと思っております。
3点目は、同じく11ページの(エ)と15ページの(エ)、これも内容は同じことですが「人材の育成」というところですけれども「専門性を有する者を含む人材の育成」とすべきではないか。すなわち相談をちゃんとできるという意味での人材の育成だけではなく、時には法律や障害者雇用について専門知識を有する者という意味からも、そうした専門性を有する者の人材育成を意識すべきではないかと思っております。
最後に、14ページ(ア)の2つ目の○の3行目ですけれども「市町村への情報提供」の部分にも、やはりそういう意味では専門性という言葉を入れていただきたいということで、14ページの(ア)の2つ目の○の3行目のところに「市町村への情報提供や専門性を有する委員の派遣ないし技術的助言等の支援」というように、書きぶりを追加すべきではないかというお願いです。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
それでは、ここで1回休憩を挟みます。
玉木委員、佐藤委員、佐保委員、三浦委員長代理、長谷川委員が挙手されていますので、5人の方は休憩後とさせていただくということでよろしいでしょうか。それでは、3時20分再開としたいと思います。
(休憩)
○石川委員長 それでは、再開したいと思います。皆様、よろしいでしょうか。
それでは、玉木委員、御発言をお願いいたします。
○玉木委員 玉木です。よろしくお願いいたします。
1点目は進め方についてのお話、2点目は資料3の要旨や意図を少しお話しさせていただきたいなと思います。
先ほどの会議を聞かせていただいて、各委員の方、時間を気にして、内容というよりは書きぶりの論議に移ってしまっているような気がしています。
今回、こういうウェブ会議で、しかも通常は3時間から4時間やっている会議を2時間でやるということでいくと、結構大事な論議なので、やはり今日委員長一任という形では、なかなか僕は承知できないということを前提として、今から発言をさせていただきます。
資料3については、前回7名の委員さんで出させていただいたものを、今回は15名の方と協議させていただいた上で、こうやって意見書を出させていただきました。一つは前回の意見を踏まえた上で、今回、石川委員長を始め、事務局の方にかなりの部分を書き込んでいたことは、すごく感謝したいなと思います。
ところが、やはり僕が何度も言っていたように、合理的配慮の書きぶりです。いつの間にか、合理的配慮の義務化というよりは、建設的対話をどう進めていくかということで、何かちょっと話がすり替わっているような気がして、合理的配慮は理にかなった工夫の積み重ね、すなわち建設的対話から逃げないことが合理的配慮であって、それを義務化したからといって何か変わるのかというと、僕は何も変わらないと思います。
前回の委員会でも言わせてもらったように、やはり今、国と地方公共団体は法的義務になっているけれども、それが縛りになって本当に合理的配慮が全面展開できているかというとできていないわけです。そういうことも国に合理的配慮を法的義務化したことによる評価をちゃんと出してもらって、官民ともで、一緒に合理的配慮を広めていきましょうという段階に切り替えるいいチャンスだと思います。
もう一個確認なのですけれども、ここは障害者政策委員会であって、障害者差別解消法改正委員会ではないということを、やはり今日聞いていて、改めて思いました。
それは当然ずっと論議があるように、障害者差別解消法の施行3年後の見直しと言いながら、もう5年目に入ろうとしているわけですけれども、差別の規定を障害者差別解消法で書くのか、障害者基本法で書くのかとか、その他にも色々な障害者に関係する法律があるから、そこと障害者差別解消法の整合性はどうなのだということを考えていくことで、障害者の差別をなくしていくための推進機能だと思って、僕はこの政策委員会に関わってきました。ということからしても、やはり障害者基本法の改正や、他の法律の改正もセットで考えていかないと、障害者差別解消法のみの見直しの話をしていたら、やはりうまいこといかないということ。
これで最後です、もう一つは、我々政策委員会で政府に意見を出すので、最終的には、それを受け止めて法律にしていくのは政府の仕事なので、やはり僕らの役割としては、今の段階で言えることをいっぱい盛り込んで出していくというのが、やはり大事かなと思います。
そういうことで、終わります。
○石川委員長 ありがとうございました。
それでは、佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。
2点、意見を言わせていただきます。
1点目は、今日で取りまとめることはせずに、ぜひ丁寧に議論を進めていただきたいということです。今年の8月に国連障害者権利委員会の第23回期が予定されておりましたが、これが延期になりました。これに伴って日本の建設的対話も延期になり、時間的な余裕ができておりますので、政策委員会として、この後パラレルレポートの作成もあると思いますが、その時間的余裕ができたと思いますので、急ぐ必要はないのではないかと考えております。
それと、今日はオンラインでやっていますし時間も2時間で非常に短いので、ぜひとも今日で終わらせることなく、丁寧に進めていただきたいとお願いしたいです。
2点目は、ワンストップ相談窓口なのですけれども、これがなぜ必要かということを、3つ述べさせていただきたいと思います。
まず1つ目は、既に各省庁に設置されている相談窓口を有効に機能させるために、ワンストップ相談窓口が必要だという意見です。現在の仕組みは、相談したい障害者からすると、どこに電話したらいいのかというのが分からない。どこの省庁が担当なのかというのが分からないということです。
それと、省庁や担当者によっては、障害者差別に関しては内閣府だと機械的に分けてしまうところもあって、たらい回しになっているということがあります。これを防ぐためにワンストップ相談窓口が必要だと思います。
以前、この政策委員会でも事例を出させていただきましたけれども、2017年に神奈川であった飲食店で入店拒否に遭った事例は、最初、農林水産省かなと思って電話をしたら、厚生労働省へと言われまして、厚生労働省に掛けると障害者差別に関しては内閣府だと言われまして、いやいや、そうではなくて対応指針にこの電話番号があったので掛けたのですよと言ったら、違う部局だと言われて、そこからまた2つくらい回されて、結局、その後2か月返事がなくて、解決しなかったということがあります。
一方で、これはエステの全国チェーン店で、車いすを理由に利用を拒否された事例があったのですけれども、そのお店の店長に相談しても、本社で決めていることだからということで、建設的対話に応じてもらえませんでした。それで相談があって、最初は厚生労働省かということで電話したのですけれども、色々な省庁に問い合わせた結果、全国チェーン店ということで、経済産業省が担当だということでお電話をしたら、経済産業省の担当の方がチェーン店の本部に働きかけていただいて、その結果、建設的対話をしていただいて解決して、利用できるようになったという事例もあります。ですので、適切に窓口につながれば解決するということもできているので、ぜひともワンストップ窓口が必要だと思います。
2点目は、障害者差別の事例というのは、地域の住民と事業者との間で対立関係になることがありますので、身近な相談窓口がよいとは限らないということです。顔の見える範囲で相談事案が明らかになることによって、かえって対立関係が強まる場合があります。ですので、必ずしも身近な相談窓口が第一義的に対応すべきとは言えないこともあるということです。
最後の3点目、市町村・都道府県で障害者差別に関する相談体制は、現状では不十分だと考えています。昨年のこの政策委員会で内閣府が調査をしてくださって、データが出ましたけれども、障害者差別解消法の相談について件数をカウントしない地方公共団体が46%でした。更に件数が不明という地方公共団体が10%ありまして、地方公共団体で適切な対応がされていないという現状です。
さらに、広域支援相談員を配置している都道府県は25の都道府県にとどまっている。以上のような理由から、ぜひともワンストップ相談窓口の創設が不可欠だと考えています。私のイメージは、ワンストップ相談窓口でまず主訴、どういったことかということを聞き取って、その事例を整理していただいた上で、関係する省庁や都道府県・市町村に適切につないでいただくということができればよいと思います。
以上です。ありがとうございました。
○石川委員長 それでは、佐保委員、お願いします。
○佐保委員 ありがとうございます。日本労働組合総連合会の佐保です。
先ほど事務局の方からは、資料2-2の見え消し版を使っての説明でしたが、私からは資料2-1のページを使ってお話をしたいと思います。
資料2-1の18ページの「4.おわりに」に、「障害者差別の解消が大きく前進することを期待したい」との記載があります。この政策委員会でまとめる「障害者差別解消法の施行3年後見直しに関する意見」が障害者差別の解消を大きく前進させることにつながる内容となっているかという観点で、全体を通して読んだ上で、4点について申し上げたいと思います。
まず1点目として、資料2-1の3ページの「(1)差別の定義・概念について」は、前回申し上げたように、一定程度明確になっている差別もあると考えられるため、「【見直しの方向性】」の1つ目の○にある「障害者差別について社会的な認識を広げ、差別の解消に資するという観点からは、法律で差別の定義を設けること等が望ましい」を「障害者差別について社会的な認識を広げ、差別の解消に資するという観点からは、法律で差別の定義を設ける」と修正し、障害者差別解消法に差別の定義を設けるべきです。
次に、2点目として、同じく3ページの最後にある「あわせて、障害者基本法や障害者基本計画を見直す場合には」との記載について「今後何年までに障害者基本法や障害者基本計画を見直す」と具体的な日程とともに、障害者基本法の見直しを図る旨を記載すべきです。
3点目として、障害者が差別を受けることなく安心して生活を送るために、社会における合理的配慮を進める観点から、7ページの「【見直しの方向性】」の「①事業者による合理的配慮の適切な提供の確保」については、事業者による合理的配慮の提供を義務化することを明確に打ち出すべきです。
また、実施に当たっては、周知期間を設けることなく、すぐに取り組むべきです。
加えて、15人の委員の皆さんから出されている資料3、3ページの最後にあるワンストップ相談窓口の設置について、障害者や支援者の皆さんが困ったときに、いつでも安心して相談できるよう、相談体制を強化する観点から、本文に何らかの記載を加えていただきたい。
最後に、4点目として、障害者差別解消法の今後の見直しについて、現行の附則第7条の規定と同様に、今回の見直し後3年を経過した場合において、検討・見直しの規定を法律に明記すべきです。
全体を通して曖昧な表現が目立つと感じています。障害者差別の解消に向けて、大きく前進させるために、明確な表現に改めるべきです。
以上、4点について表現の修正をお願いするとともに、先ほど佐藤委員からもお話がありました初のウェブ会議ということもありますので、修正後に再度議論の場を設定していただくよう、お願いしたいと思います。
私からは以上です。ありがとうございました。
○石川委員長 それでは、三浦委員長代理、お願いします。
○三浦委員長代理 3点ほど、短く提案をさせてください。
まず、資料2-1の3ページです。(1)の○の5つ目の下から3行目の辺りから「障害のある女性や障害児等の」という表現があるのですけれども、ここで表現の修正を提案いたします。「障害のある女性や障害のある子供達等」という表現でいかがでしょうか。「障害児」と対比するのは「障害女性」という表現ではないかと思いますが、頭が「障害のある女性」となっており、条約も障害のある子供というような表現でございますので、「障害のある子供達等」ということで「等」ももちろん入れて、提案をしたいと思います。この部分は5ページ目の2番目と3番目の○と、6ページ目の○の5番目、それから7ページの1行目にも、この「障害のある女性や障害児」という表現がされておりますので、併せて修正を提案いたします。
それから、同じ3ページ目の「①差別の定義・概念の明確化」の○の2つ目のところで「差別の定義を設けると、かえって条約よりも狭く定義される等の懸念があるとともに」という部分に関する意見ですが、これまで政策委員会の中で障害者権利条約第2条の「障害に基づく差別」の定義をそのまま記載し定義としてはどうかという御意見が、確か柘植委員から具体的にあったと思います。その時になかなか多くの賛意が得られたと思いますが、委員から示された意見の中に具体的には入っていないように読み取れたので、どこかに入れるべきではないかと思いました。
もう一点ですけれども、9ページ目に、これも委員からの意見ですが、1つ目の○のところの下から2行目に、「義務化の検討に当たっては、幅広いステークホルダーの意見を聴いて」というところがございます。ステークホルダー、利害関係者であるとか、影響を受ける人々、これには注釈が必要ではないかなと思いましたので、3点意見を申し述べます。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。
それでは、長谷川委員、お願いします。
○長谷川委員 ありがとうございます。私からは2点、発言させていただきます。
まず、国や地方公共団体による普及啓発活動の実施と相談・紛争解決の体制整備に関してですけれども、これまでこの障害者政策委員会で聞いてきた中では、大阪府の取組に学ぶべき点が多いと思います。その理由は3点ございます。
1点目としては、条例により地方公共団体としての事業者への啓発をする責任があるということを明確にした上で啓発キャンペーンや分かりやすいガイドラインを策定しているということ。
2点目として、広域支援相談員が市町村の相談機関における相談事案の解決を支援しており、体制が非常に整備されているということ。
3点目としては、専門性の高い人々によって、広域支援相談員による解決が難しい場合でも地域協議会が紛争の解決をあっせんするという機能を持っているという点です。この「大阪モデル」は今後、国や地方公共団体が必要な取組を行っていく上で必要な取組がよく整理されていると思います。
また、広域支援相談員についてですが、この相談員の能力開発の上では、竹下委員から御提案がある相談対応マニュアルの整備なども有効だと思います。
それから、皆様から御議論になっている事業者による合理的配慮の義務化、見え消し版(資料2-2)の11~12ページに関してですけれども、今後、その義務化を検討していくという点については何度も申し上げておりますが、幅広いステークホルダーの意見を聴取いただきたいと思います。具体的に、特に直接お客様との接点の多い業種の企業や団体、お客様相談センターの担当者ネットワーク、例えば消費者関連専門家会議(ACAP)、それから、地方、中小企業などの事業者側の当事者の意見を特に幅広く丁寧に聴取をいただきたいと思います。それが現場の対応力の向上にもつながると思います。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。
それでは、北岡委員、お願いします。
○北岡委員 ありがとうございます。北岡です。
私は障害者基本法について少し触れたいと思います。今回、障害女性などの複合的差別について、基本方針等で記載されていることで、障害者基本法を見直す場合には、更なる検討が必要ということが加えられたということで、この点についてはよいことだというように考えていますが、障害者基本法を見直す場合にはという記述ではなく、今後の課題として障害者基本法の見直しの必要性を意見書の中に書いていただけたらと考えています。前回の政策委員会の議論で、障害者基本法の改正の必要性が明らかになったのではないのかというように考えています。
一つは、複合差別の記載に関して、委員長や事務局からも、障害者差別解消法ではなくて障害者基本法での対応とのお話もあり、差別の定義に関する議論では、委員から障害者基本法での差別の定義が変わっていないのに、その定義を超えて障害者差別解消法で定義を定めることは難しいのではないのかという指摘をいただいたことなどから、そのように考えます。
今回は障害者差別解消法の見直しについてなので、障害者基本法の改正のことを書くのは難しいといったことになるのではないかと思いますが、私は障害者基本法の具体的内容を書いてほしいと申し上げているのではなく、障害者差別解消法見直しの議論から明らかになってきた障害者基本法の改正の必要性について、書いてよいのではないかと考えています。
また、障害者基本法の改正だけの記述が目立つということであれば、差別の定義や紛争解決の仕組みなど、更に突っ込んだ議論が今後も必要な部分も含めて、法律でいう附則や附帯決議のように、更に検討が必要な事項ということを最後に記す中で、障害者基本法の改正の必要性を盛り込んでいただけないかと考えています。この点については、委員の総意として、このことを書くことができないかと考えています。
また、先ほどから何人かの委員の方が仰っていましたが、今回は2時間のウェブの会議ということですので、ぜひもう一度、継続したこの議論の場を設定していただけないかということを石川委員長や事務局の方にお願いをします。
また、ワンストップ相談窓口や合理的配慮の提供の義務化については、先ほど発言がありました佐藤委員や野澤委員の御意見に賛同します。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
当初の予定では4時までの会議を予定しておりますが、この後、事務局から御発言をいただき、更に議論していく必要があると考えております。
ただ、各委員の御都合もあるところですので、少し時間を超過してもよろしいでしょうか。最大20分の延長を提案させていただきたいのですが、都合が悪いという委員がいらっしゃれば挙手ボタンを押していただけますでしょうか。(挙手ボタンの状況を確認。)それでは、20分超過をお認めいただいたと理解して進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。
今日は、外務省に出席いただいています。障害者差別解消法の見直しに関する議論は一回保留にして、先に外務省から報告いただいた方がよいですか。
○衣笠参事官 事務局です。外務省に確認しましたが、時間としては延長してもそのまま対応できるということです。
○石川委員長 それでは、この流れで進みたいと思います。委員から多くの御意見がありましたので、事務局から発言をお願いいたします。
○衣笠参事官 事務局です。
まずは、障害者基本法の見直しにつきまして、冒頭に石野委員からお話もあり、今、北岡委員からもお話がありましたが、やはり事務局としましては、法律を見直す場合は、その基礎となる社会的な事実といったもの、これは立法事実と言いますけれども、そういったものが必要だと考えていまして、具体的な事例や実情を踏まえながら、課題を一つ一つ整理して対応を検討していくことが求められるのではないかと考えます。
こうした観点から、現時点で障害者基本法の見直しというものをする必要があるという前提での方向性を打ち出すことは難しいというのが事務局の考えです。今後、第5次障害者基本計画の策定に向けた議論もある中で、色々な課題が分かってくる面があるのではないかと考えております。
それから、冒頭に石野委員から新型コロナウイルスの関係で手話通訳者の派遣を断られたので実態把握をしてほしいといった御要望もありましたけれども、それは新型コロナウイルス対策の関係省庁に、そういった御意見があったということをしっかりとお伝えしたいと思います。
事業者による合理的配慮の義務化の関係では、大変多数の御意見がございましたけれども、これまでもそういった御意見をいただいてきたと理解でしております。そういった義務化に関係する御意見を踏まえて、本日の案文の御提案をさせていただいております。
また、竹下委員から修正の御提案がありました。そちらにつきましては、国と地方公共団体の役割分担をどうするのか、また都道府県・市町村の役割をどのように置くのかということともかなり関係している面もありますけれども、石川委員長と御相談をして検討したいと考えております。
それから、ワンストップ相談窓口の関係ですけれども、そちらにつきましては、前回もそういった御要望があり、今回も意見書の中でいただいていますけれども、やはり国の方で新たにワンストップ相談窓口を設置して、現場の実情を踏まえて障害者の方と事業者との間での調整などを円滑に行うことができるのかということ、必要な人員や予算を確保できるのかというのは、やはりどうしても懸念がございます。
さらに、今回の取りまとめの中では、国と地方公共団体の役割分担を整理することになっており、その中で都道府県に広域支援相談員等の配置を促すといった体制強化を図る方向性も示されています。こうしたことも踏まえた場合に、国の役割にどういったことを求めるのかということは、ワンストップ相談窓口を設置すべきかどうかの検討に当たっては必要になってくると考えます。
このほか、国では既存の相談窓口ということで、全国の共通番号で法務省が実施している「みんなの人権110番」という、障害者差別も含めて色々な人権問題に対応する窓口もありますし、同じく全国共通番号のダイヤルがある、どこに相談してよいか分からないという相談を受け付けている総務省の「行政苦情110番」もありますので、こういったものを活用するということも可能性としてはあると考えています。
あとは、その他色々御意見いただいたものにつきましても、文言に関しましては調整をさせていただき、既にいただいている意見につきましては反映をさせていただいているということです。
事務局からは以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。
安藤委員から挙手ボタンが押されていますので、御発言をお願いしたいと思います。
○安藤委員 ありがとうございます。安藤です。
時間もないので1つお願いします。
資料3の2ページなのですが、4年前から始まったこの障害者差別解消法が、合理的配慮について、事業者は元々努力義務だったのです。この期間は私としては周知期間だと思っていたのです。それでまた努力義務ではなくて義務化になったときに、もう一回周知期間を設けるというのはナンセンスだなと思っています。ですので、今回は周知期間を設けずに義務化を検討していただきたいと思っています。
○石川委員長 ありがとうございました。
多数の御意見が出ましたので、私からも若干の発言をさせていただきたいと思います。
まず、合理的配慮の提供の義務化に関しましては、現在の書きぶりで、「義務化を検討する」となっております。「義務化を検討する」という表現は、「義務化」を検討「する」という意味だと解すべきであると理解しており、そのようにして調整してきたつもりです。長谷川委員からも前向きな御発言があったのですけれども、あくまで合理的配慮、質の高いといいますか、理にかなった合理的配慮の提供を進めていくためにこそ、事業者から丁寧な意見聴取が必要だと考えております。そのような意味でこういう表現ぶりになっていると理解しておりますし、また、各委員にも御理解いただきたいと考えています。
この書きぶりで委員会としての考え方の趣旨は伝わるはずであると考えておりますけれども、皆様いかがでしょうかというのが一点です。
それから、国の役割についてもう少し踏み込んだことが書けないか、例えばワンストップ相談窓口であるとか、情報収集・共有であるとか、地方公共団体のところで竹下委員が仰る趣旨も踏まえて書きぶりを工夫できないかについては、調整したいと考えております。
それと、障害者基本法の見直しが必要だということを障害者差別解消法の見直しの取りまとめの中に書けるかどうかということについては、少し無理があると考えています。
ある法律の見直しの検討の中で別の法律の見直しの必要性について言及しようとするならば、十分な検討といいますか、議論の積み重ねや理解の共有が必要であり、それはこの政策委員会として、第4次障害者基本計画の実施状況の監視と、第5次障害者基本計画の策定プロセスの中で、障害者基本法の課題の全体像が明らかになってくることを通して、この障害者基本法の見直しのための合意形成をしていく必要があると考えております。ですので、この段階で、障害者差別解消法の見直しの取りまとめの中に書き入れていくことは、かなり難しいと考えています。
私からは、特に重要な点につきましては、この3点。他の様々いただいた御提案については、表現に関するところは各委員の意見をできるだけ入れられるところは入れさせていただきたいと考えておりますが、いかがでしょう。
あと一回、更に政策委員会を開催してこの議論を続けるべしという意見も複数の委員からいただいておりますけれども、委員会としての議論はおおむね尽くしてきたように思っております。あとは、それをどこまで調整できるかという問題で、できるだけの調整はやってきたつもりで、更に調整をさせていただきたいと思っておりますけれども、今言ったような3点については、大体ここが着地点かなと思っております。
いかがでしょう。挙手ボタンをお願いします。
石野委員、お願いします。
○石野委員 石野です。
やはり障害者基本法の見直しは、委員の意見として共通しているのではないかと思います。政策委員会の総意として、何らかの形で最後のところにつけるでも構いませんので、入れられないかと思います。委員長にお任せするのではなく、先ほど北岡委員の話にあったように、附帯決議みたいな形にしてはどうかと思います。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
障害者差別解消法の見直しの取りまとめとは別に、多くの委員から今日示された意見があるというのは、議事録に示すことができます。ですので、そういう別の形であれば検討の余地があると思いますが、見直しの取りまとめの中に入れ込むというのは非常に難しいと考えています。
北岡委員、いかがでしょう。
○北岡委員 ありがとうございます。
この報告書で関連する法規のことについて言及することは、なかなか異例なことなのでしょうか。報告書の中でそのことを触れるということは、やはり難しいでしょうか。法律そのものに書き込むようにという話ではないのですが。
○石川委員長 まず、事務局のお考えを出していただいて、私の考えを次に述べさせていただきたいと思います。
衣笠参事官、お願いします。
○衣笠参事官 事務局です。
法律そのものではないということではありますけれども、先ほど石川委員長が仰ったように、ここで障害者基本法の見直しについて全体像を色々議論してきたということではないので、その段階で障害者基本法の見直しが必要であると書き込むのは、難しいのではないかというのが事務局の感触です。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
障害者差別解消法が目的としているのは障害者差別の解消であり、それについて、障害者差別解消法の見直しだけではそれが実現できないのだと示し、かつ障害者基本法の見直しがなければ前に進まない点があるのだというような論証まで委員会の議論が熟しているかというと、そうではないと考えています。
というのも、障害者基本法は理念法としての位置づけになっていますが、更にその上位に障害者権利条約があって、理念法の規定が曖昧だから障害者差別解消法の実施において困難があるとは言えないのではないか。なおかつ障害者基本法は、障害者施策全般についての理念や考え方、方向性を示す法律なので、それが帯びている課題や全体像は、障害者差別解消法の視点から見ただけでは、部分的にしか浮かび上がってこないという面があります。
そのようなことも考えますと、今、ここで障害者差別解消法の見直しの取りまとめの中に入れるというよりは、これからの障害者政策委員会が所掌している責務の中で議論して、課題の全体像を明らかにしていく作業、この政策委員会でそれをやっていかないと、障害者基本法の見直しの問題意識の共有、合意形成は図っていけないのではないか。障害者基本法の一体どこに課題があるのかということを十分に示すことなしに、ただ単に報告書に書けばそれで見直しが始まるというものではないだろうと考えております。
課題の全体像を明らかにしていく作業は、当委員会としては第4次障害者基本計画の実施状況の監視と、第5次障害者基本計画の策定作業を通して進めていくという方向性を少なくとも委員の間では認識を共有して、課題を共有するということで、御理解いただけないかと思いますが、いかがでしょう。
佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。
先ほど事務局から御回答いただいたワンストップ相談窓口のところなのですが、具体的に間に入って調整できるのかというお話がありましたけれども、それを求めているわけではなくて、今既に相談窓口は各省庁にあり、それにちゃんとつながるものをつくっていただきたい。ですから、調整するかどうかというのは、それぞれ各省庁がやるわけですから、最初のインテークをして、それを必要な窓口にちゃんとつなげていくということをやっていただきたいということです。
ですから、そんなに大変なことなのかなというのが、実際に多くの地方公共団体では、ワンストップ相談窓口を設けてやっているわけですから、それを国ができないというのが、そんなに大変なことなのかというのが、ちょっと不思議な感じがします。
あと、障害者基本法のところですけれども、今回のこの意見書をまとめる中でも、例えば障害者基本法がこういう定義だから、そこまでは障害者差別解消法では踏み込めないのではないかといった意見もあって、全体としてやはり障害者基本法の改正が必要だという部分も議論の中で出てきているわけなので、ぜひもう少し何か書いていただけないかなと思いました。
以上です。
○石川委員長 玉木委員、お願いします。
○玉木委員 ありがとうございます。
やはり佐藤委員と一緒で、この議論の中で障害者基本法の中では書いていないという話が出てきたから、それだったら一括して見ていく必要があるよねと思うわけなので、そういうことを方向性として、先ほども言ったように、意見書を見るのが政府ですから、例えば別項目で、その他の意見という形で上げてもらうことが、そんなに難しいのかなと思っているので、ぜひ再考していただければと思います。
○石川委員長 ありがとうございます。
それでは、事務局、国のワンストップ相談窓口であるとか、都道府県の相談・調整機能であるとか、この辺りについて、更に「【委員から示された意見】」という形で、つまり「【見直しの方向性】」は、障害者差別解消法に関わることなのでそこには書き込めないですけれども、例えば複合差別についてなど、差別の定義に関わる部分での委員からの意見の中に、障害者基本法の見直しの検討が必要であるという意見を、「【委員から示された意見】」の中に入れることは可能かどうかについて、事務局としての御意見を伺いたいと思います。
○衣笠参事官 事務局です。
委員から示された御意見の中で、障害者基本法の見直しの関係の記述もございます。ただ、本日も多々御意見がありましたので、そういったところの意見を更に追加して書いていくのは可能です。
それから、ワンストップ相談窓口につきましては、先ほど石川委員長から、何かワンストップ相談窓口の関係での記述できないかということですので、相談のたらい回しを防止するといった観点から、ワンストップ相談窓口も含めて、その他、先ほど私も申し上げましたが、既存の相談窓口もありますし、他の論点として国・地方の役割分担などもありますので、そういったことも含めて、どういった対応が可能かというのを検討すべきといった記述は可能であると考えます。
以上です。
○石川委員長 門川委員、挙手ボタンを押されましたか。
○門川委員 門川です。3つお願いします。
1点目は、今日はウェブ会議ということで、私は聞き取れていただけたかどうか非常に不安で、通訳者を介して聞いていただく方が多くの人に伝わるかなと思いました。今日はウェブ会議で終わらせずに、もう一回議論をさせていただきたい。
2つ目、合理的配慮の義務化について、多くの委員から義務化すべきという声があるのに、これを取り上げていただけないのはどうしてか。
3つ目、障害者基本法の改正について、障害者基本法を確認しますと、附則に3年を経過したら改正もあり得ると書かれている。これを意見書に盛り込むのが難しいのであればお尋ねしますが、障害者差別解消法の施行3年後の見直しが終わったときは、障害者基本法の改正について議論していただけるのかどうか、確認したい。お願いします。
○石川委員長 ありがとうございます。
委員長提案ですけれども、まず、先ほど事務局からもワンストップ相談窓口等も含めて御検討いただけるというお話がありましたので、それをぜひお願いしたいというのが一点です。
それと、もう一点は、今の書きぶりの中で、障害のある女性や障害のある子供たちの複合的困難に配慮したきめ細かな支援を進めていくために、障害者基本法の見直しを含め更なる検討が必要である、というような書きぶりに修正することは可能かどうか、ぜひ検討していただきたいと思います。つまり、今は「障害者基本法や障害者基本計画を見直す場合には」となっていますけれども、この書きぶりを、目的と、その目的のためにどのようなことが必要なのかについての多くの委員からの意見を反映させる形で、委員の意見を修正できないかということを御検討いただきたいという2点ですけれども、事務局はいかがでしょうか。
少し時間を要すると思いますので、先に外務省から報告いただくということも、時間の関係であり得るかと思いますけれども、事務局、いかがでしょう。
○衣笠参事官 外務省、南課長、お願いいたします。
○石川委員長 南課長、お待たせしました。外務省から国連障害者権利委員会の対日審査に関わる御報告等をお願いいたします。
○外務省 外務省総合外交政策局人権人道課長の南でございます。対日審査の日程につきまして、一言御報告を申し上げます。
5月15日に国連事務局から、ニューヨーク及びジュネーブの加盟国の全代表宛てにメールで書簡が送られまして、新型コロナウイルスの状況を踏まえて、障害者権利条約を含む人権関係条約の審査について、8月までのものについては延期をするという通報がございました。
この通報を踏まえまして、国連の事務局に対して、現状について非公式な形ではございますけれども、質問をいたしました。障害者権利条約の対日審査の日程については、現時点では見通しはまだ定まっていないということで、見通しが定まったところで、詳細については改めて公式な形で連絡をするという回答がございました。
また、事前質問事項(LOI、リスト・オブ・イシューズ)の回答期限についても、私どもの方からこの政策委員会や障害者団体との意見交換を行った上で提出をしたいということで、期限の延長はあり得るのだろうかというお話をしました。これに対しても、事務局からは、9月28日まで延ばすこととしたいと、新型コロナウイルス対策における措置についても回答に記述することが可能であるという回答がございました。
以上が現状でございます。事前質問事項、LOIへの回答につきましては、また改めてしかるべきタイミングで委員の皆様、それから、当事者団体の皆様とも意見交換をする機会を持ちたいと考えておりますので、その際にはどうぞよろしくお願いいたします。
私からの報告は以上でございます。
○石川委員長 南課長、ありがとうございました。
障害者権利委員会でも、人権高等弁務官事務所(OHCHR)と執行部で遠隔会議をもちまして、この点を確認しております。対日審査の日程はいつなのかということについては、全く現状で確たることは決まっていない状態ですけれども、半年ないし1年先になってしまう可能性が高いかと思っております。
これについて、時間がないので、今日は外務省から報告があったということで、各委員からの質問等につきましては、申し訳ございませんが、時間がないので、今日はこれだけにしたいと思います。
南課長、ありがとうございました。
それでは、先ほど来進めております調整内容に戻りたいと思いますけれども、事務局から回答いただきたいと思います。
○衣笠参事官 事務局です。
先ほどの障害者基本法のお話です。もう一度、委員長の提案を整理して申し上げたいと思います。溶け込みの方ですけれども、資料2-1の7ページの上の「あわせて」というところです。先ほどの委員長の御提案を改めて申し上げますと、あわせて、障害のある女性や障害児等の複合的困難に配慮したきめ細かい・・・・・・。
○石川委員長 三浦委員長代理からの御提案で「障害のある子供たち」です。
○衣笠参事官 「障害のある女性や障害のある子供などの複合的困難に配慮したきめ細かい支援が行われるために、障害者基本法や障害者基本計画の見直しも含めて更なる検討が必要である」というように、「見直しも含めて」と修正してはどうかという御提案でした。そういった修正で御了解をいただければ、事務局としてもそのようにさせていただければと思います。
それから、ワンストップ相談窓口のところについて、もう一度具体的な修正案を申し上げたいと思います。
こちらにつきましては、相談体制について記述を入れるということで、溶け込みの方で申し上げますと、15ページの「(イ)相談体制の明確化等」に追加させていただいて、(イ)の最後の○のに「省庁間の連携を深めるべきである」とありますけれども、その次に「あわせて、相談のたらい回しを防止する等の観点から、国における新たなワンストップ相談窓口の設置や、既存の相談窓口の効果的な活用、国・地方公共団体の役割分担の整理などを含め、どのような対応が可能かについて検討すべきである」といった記述を入れさせていただくことでどうかと、先ほど石川委員長と御相談させていただきました。
以上です。
○石川委員長 2つ目の修正をもう少しゆっくり読み上げていただけますでしょうか。
○衣笠参事官 事務局です。もう一度ゆっくり読み上げます。
「あわせて、相談のたらい回しを防止する等の観点から、国における新たなワンストップ相談窓口の設置や、既存の相談窓口の効果的な活用、国・地方公共団体の役割分担の整理などを含め、どのような対応が可能かについて検討すべきである」ということです。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。
もう一点ですけれども、「事例の蓄積等を通じた円滑な相談・対応を実施できるよう、国においては、内閣府が各省庁と協力・連携して全国の相談事例を収集・整理するほか」というのを「担当課長連絡会議等を開催し」の前に入れていただくということはいかがでしょうか。
○衣笠参事官 事務局です。それで結構です。「内閣府が各省庁と協力・連携して全国の相談事例を収集・整理するほか」という文言を入れるということで結構です。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。
委員から多くの意見が出され、本日、幾つか委員の意見に沿った方向での表現の進展があったかと思いますが、残っている課題や御提案につきましては、事務局と相談して、できるだけの反映をしたいと考えておりますが、更に議論が必要との意見も複数の委員からございましたけれども、できるだけの調整はした感を持っております。本日の会議をもちまして、あとは委員長一任としていただくということでお願いできないかと思いますが、いかがでしょうか。
○衣笠参事官 事務局です。佐藤委員と玉木委員が挙手されています。
○石川委員長 佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 色々調整いただいて、ありがとうございます。
先ほど外務省からお話があったリスト・オブ・イシューズも9月の後半まで延期になったということですので、今日はオンラインで本当に短い時間でたくさん意見も出て大変で、幾つか調整していただいて、手直ししていただけるということなのですけれども、その確認も含めて、次回、1時間でも、短くても結構ですので、もう一度場を持っていただけないかというお願いです。
以上です。
○石川委員長 佐藤委員、ありがとうございます。
オンラインでもよいということですね。
○佐藤委員 オンラインでも構いません。
○石川委員長 玉木委員、お願いします。
○玉木委員 ありがとうございます。
僕も次回最後すっきりと終わりたいと思いますので、1時間でいいので、最後に全文を見せていただいて確認できたらいいかと思いますので、よろしくお願いします。
○石川委員長 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょう。1時間でもという、すっきり終わりたいという御発言がございましたけれども。
○衣笠参事官 事務局ですけれども、一応今のところ6月までは日程調整をさせていただいている状態です。7月以降は全くそういった調整をしておりませんので、何とも申し上げできませんけれども、そのような状況にはあります。
○石川委員長 本日いただいた意見の主要なものにつきましては、できるだけの調整は本日やらせていただいたつもりなのですけれども、すっきりしないでしょうか。
佐藤委員、玉木委員、あるいは他の委員はいかがでしょう。ここがすっきりしないのだというところを教えていただけると。
○佐藤委員 佐藤です。ありがとうございます。
本当に重ね重ねで申し訳ないのですけれども、たくさん反映していただけるのではないかと思います。本当に短くてもいいので、最後、一通りどういうところがどうなったかというのをみんなで確認して終われるようにしていただければと思います。お願いします。
○石川委員長 玉木委員、どうぞ。
○玉木委員 今日は、資料があっちに行ったりこっちに行ったりして、実はついていけていない部分もあるので、先ほど衣笠参事官が言われた障害者基本法の見直しのところも、やはり何かの下に潜らせているようなイメージがあって、さらっと書いているようなイメージが、そこら辺がもう少し調整できないかなと感じているところです。 以上です。
○石川委員長 他に御意見のある委員はいらっしゃいますか。
佐保委員、どうぞ。
○佐保委員 ありがとうございます。
私も今回ウェブでの会議は初めてでしたし、皆さんが手を挙げているのかどうかとか、色々なことが分からないまま参加していました。石川委員長や事務局の皆さんには御尽力いただき、文言修正等もいただき大変ありがとうございます。先ほど佐藤委員が仰っていたように、少し全体を理解して終わるためにもできればあと一回議論して、皆さんで相互理解してからまとめるのがいいのかなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○石川委員長 ありがとうございました。
そうしましたら、6月に短時間になるかと思いますけれども、本日の御意見を反映し、これで委員会として確定とする案を委員にお示しして、最終確認をしていただく。できるだけのことは行ったつもりですので、あと一回、すっきりするということに特化した会議とすることで御理解いただけるのであれば、そのように進めたいと思いますが、いかがでしょうか。
皆さん御快諾いただいたということで、次回もう一回だけ、最終案を確認すると、間違いなく今日の調整を反映していることを確認して、さわやかな気持ちでこの障害者差別解消法の見直しの作業を終えるとしたいと思います。
それでは、以上をもちまして、今日の第51回障害者政策委員会を終わりたいと思います。
事務局から、次回の日程等について、御連絡をお願いいたします。
○衣笠参事官 事務局です。
先ほど委員長からもお話がありましたが、委員長と御相談の上、本日いただいた御意見を反映したものを次回お示しして、最終確認をいただくことにしたいと思います。
次回の日程につきましては、また別途御連絡を差し上げたいと思います。
以上です。
○石川委員長 それでは、以上をもちまして、第51回障害者政策委員会を終了いたします。