障害者政策委員会(第55回)議事録

令和3年6月28日(月)
13:30~16:00
中央合同庁舎8号館1階講堂
(Web会議にて開催)

【議事に使用されている資料については「議事次第」のページにまとめて掲載していますのでご参照ください。】

○石川委員長 それでは、定刻になりましたので、これより第55回「障害者政策委員会」を開会いたします。
 委員各位におかれましては、御多用のところを御出席いただきましてありがとうございます。
 本日の委員会は16時までを予定しております。
 また、本日は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、ウェブ会議により開催しております。
 なお、取材及び一般傍聴者は、感染防止の観点から本日はお断りし、その代わりに動画中継を視聴していただく形としておりますので、御承知おきください。
 冒頭、事務局より専門委員の交代について報告をお願いいたします。

○衣笠参事官 事務局です。
 5月28日付で新たに障害者政策委員会の専門委員として着任された方を御紹介いたします。
 全国特別支援学校長会前副会長の川口専門委員の御後任として、同会会長の市川裕二専門委員に就任いただいております。

○石川委員長 それでは、市川専門委員より一言御挨拶をお願いいたします。

○市川専門委員 全国特別支援学校長会の市川でございます。所属は、今は都立あきる野学園の校長をしております。どうぞよろしくお願いいたします。

○石川委員長 また、同様に、今回初めての出席となる田口委員におかれましても、一言御挨拶をいただきたく思います。

○田口委員 こんにちは。
 日本パラリンピアンズ協会の田口です。
 ダイバーシティ・アンド・インクルージョンとか共生社会とかいろいろな言葉がありますけれども、多分その時代時代によっていろいろなものが変わってきたり加えていけたりすると思いますので、皆様と一緒に考えていけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○石川委員長 よろしくお願いします。
 次に、事務局より委員の出欠状況につきまして、報告をお願いします。

○衣笠参事官 事務局です。
 本日は、阿部委員、熊谷委員、黒岩委員、辻委員、野澤委員、平川委員が所用により御欠席との連絡を受けております。

○石川委員長 それでは、本日の議事に入ります。
 毎回のお願いとなりますが、御発言いただくときは、チャットメッセージにより意思表示をお願いいたします。委員長の指名を受けてから御発言をお願いいたします。
 また、御発言の際には、最初にお名前を名乗ってください。可能であれば、まず結論を述べ、その後に理由または説明をしていただくと情報保障の観点から意思疎通が速やかに行くと考えておりますので、御協力のほどお願いいたします。
 あわせて、ウェブ会議であることを踏まえまして、いつも以上にゆっくり分かりやすく御発言いただくよう、御協力をお願いいたします。また、できるだけマイクを近づけてお話しください。
 それでは、本日の議題及び資料につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
 初めに、ウェブ会議の留意点について、簡単に確認いたします。

○衣笠参事官 事務局です。
 本日は、議題1として、障害者差別解消法の改正法について、事務局から御報告をいたします。関係資料としましては、資料1-1、1-2、1-3、1-4を用意しております。
 次に、議題2として、障害者差別解消法に基づく基本方針の改定に向けた審議の進め方等について御審議をいただきたいと思います。関係資料としましては、資料2-1、2-2、2-3を用意しております。
 また、議題3として、国連障害者権利委員会からの事前質問事項への回答案について外務省から説明の上、御質問等をいただきたいと思います。関係資料として、資料3を用意しております。
 なお、審議の途中、14時25分頃をめどに15分程度の休憩を設けたいと思います。
 事務局からは以上です。

○石川委員長 それでは、障害者差別解消法の改正法について、事務局から報告をお願いいたします。
 まず、三上統括官から御挨拶をいただき、その上で、衣笠参事官から説明をお願いしたいと思います。

○三上統括官 内閣府の政策統括官の三上でございます。
 委員の皆様方には、御多忙の中、本日の障害者政策委員会に御出席いただきまして、ありがとうございます。
 障害者差別解消法の改正法成立の御報告に当たりまして、一言申し上げます。
 障害者差別解消法につきましては、この障害者政策委員会において、施行3年後の見直しに関する意見書を昨年6月に取りまとめていただいたところでございます。これを踏まえて、内閣府において本年3月に事業者に対して合理的配慮の提供を義務付けることなどを内容とする改正法案を国会に提出した旨、前回の政策委員会に御報告申し上げたところでございます。
 この改正法案につきまして、さきの通常国会において審議がなされまして、4月に衆議院、5月に参議院において、いずれも全会一致で可決、成立したところでございます。改正法の成立に当たり、改めて石川委員長を始め、委員の皆様のこれまでの御審議、御協力に厚く御礼申し上げます。
 今後は、この改正法の施行に向けて取組を進める局面となってまいります。まずは、政府全体の方針となる基本方針の改定を行う必要がございます。改正法の円滑な施行に向けた根幹となる事項であり、政策委員会におきまして、御審議いただきたいと考えております。委員の皆様には、それぞれの御知見や御経験を基に精力的な御審議をいただきまして、この出来上がった改正法という仏に魂を入れていくことの御協力をどうぞよろしくお願いしたいと考えております。
 改正法の中身につきまして、担当参事官から御報告を申し上げます。ありがとうございます。

○衣笠参事官 続きまして、資料の内容について御説明をしたいと思います。
 資料1-1の改正法の概要を御覧ください。この法律のこれまでの大まかな経緯につきましては、先ほど統括官から御説明したとおりとなります。
 この改正法の内容につきましては、前回、3月22日の委員会でも御説明をしておりますけれども、資料1-1の概要の2番で書いています、事業者による合理的配慮の提供の義務化が中心になります。また、これに併せまして、相談体制の充実や事例の収集・共有の強化などを図るべく、1番の国及び地方公共団体の連携協力の責務を追加することのほか、3番の障害を理由とする差別を解消するための支援措置の強化としまして、(1)の基本方針に定める事項として障害を理由とする差別を解消するための支援措置の実施に関する基本的な事項を追加すること、(2)の国、地方公共団体が相談に対応する人材を育成し、またはこれを確保する責務を明確化すること、(3)の地方公共団体は、事例等の情報の収集、整理及び提供に努めるものとすることといった法制上の措置を講じることが内容となっております。
 施行期日につきましては、下の米印に書いておりますけれども、公布の日であります令和3年6月4日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日となります。
 この改正法につきましては、衆議院、参議院ともに全会一致で可決、成立しておりますが、法案審議では、施行期日についての質疑や、ワンストップの相談窓口を設けるべきではないかといった質疑が行われまして、多くの附帯決議が付されております。
 衆議院、参議院両方の内閣委員会で附帯決議が付されていますが、内容的にはほぼ同じものとなります。ただし、参議院内閣委員会の附帯決議は、衆議院内閣委員会の附帯決議に更に内容を追加したものとなっていますので、資料1-4の参議院の内閣委員会の附帯決議を御覧いただければと思います。
 分量がかなり多いため、本日の後の議題であります基本方針の見直しに関連するものを要約して御紹介をさせていただきます。
 まず、1番では、施行は公布の日から3年を待たず可能な限り早期に行うこととされています。また、基本方針などの改定につきましては、2番では、関係者に周知徹底をすること、4番では、条約の精神にのっとり、基本方針に差別の定義に係る基本的な考え方を明記することを検討すること、5番では、複合的な差別の解消について、基本方針等に明記することを検討すること、6番では、基本方針等に具体的な事例を盛り込むことを検討すること、7番では、基本方針等の改定に当たっては、障害者等関係者の意見を聴取すること、飛びまして、15番では、基本方針等の改定に当たりましては、分かりやすい情報提供となるように配慮することといった附帯決議が付されております。
 そのほか、内容的に関連するものとしては、9番や10番ですけれども、相談体制や相談窓口について、14番や16番では合理的配慮の提供に関する内容について附帯決議がされております。
 事務局からの説明は以上となります。よろしくお願いいたします。

○石川委員長 統括官、参事官、御挨拶と御説明ありがとうございました。
 それでは、御質問等がありましたら、チャットメッセージにて発言の意思を表示していただくようお願いします。なお、改正法の施行に向けたスケジュールについては、次の議題で取り上げますので、これに関わる質問は後ほどお願いできればと思います。
 佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。
 一つ、附帯決議の障害の表記について意見を述べさせていただきます。
 まず、障害の表記に関してはくれぐれも慎重にしていただきたいと思っています。3月の政策委員会では、石へんの「碍」の字を常用漢字にすることは見合わせたという報告であって、うかんむりの「害」か石へんの「碍」かどちらがいいかといった議論ではなかったと理解しております。
 私たちDPIでは、障害は機能障害を持つ人の社会的な不利は、社会のバリア、障壁によって生じるものであって、その点を象徴する表記としてうかんむりの「害」を変える必要はないと考えています。石へんの「碍」の字では、本来石へんの「碍」も仏教用語に由来するしょうげの語源に関する問題もあるため、いい意味を持つものではないので、あえて石へんの「碍」にする意味はないと思います。
 また、平仮名の「がい」にすることは、障害の社会参加の制限や制約の原因が個人の属性としての機能障害にあるとする個人モデルに基づくものになります。求められているのは、表記の変更ではなくて、医学モデルから障害を個人の外部に存在する種々の社会的障壁によって構築されるものとして捉える社会モデルへの転換だと考えます。社会によってもたらされる障害という考え方の転換が肝心で、障害の表記変更は不要と私たちは考えております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 次に、石橋委員、お願いします。

○石橋委員 全日本ろうあ連盟の石橋です。発言の機会をいただきましてありがとうございます。
 参議院の附帯決議についてなのですが、意見と申しますか確認をさせていただきたいと思います。
 考え方として、障害に対する差別をなくす、そして、合理的配慮を提供する義務というところでしっかりと打ち出されてはいます。この中で例えば10番目ですが、聞こえない人または聞こえにくい人に対しての相談窓口として電話等ではなく、ファクス、メール、SNS等の利用などと明記いただいたことには感謝申し上げます。しかしながら、聞こえない人たちの中にはろう教育の中で手話言語を禁じられ、口話教育のみを受けた者たちがおり、その中には日本語表記だけではなかなか難しい人たちがいるという実情があります。その場合、やはり手話言語というものが大切な情報のツールとなってきます。
 もう一つ、15番目ですが、個々の障害の特性によってルビや点字、音声等を用いて、全ての人が分かりやすい情報提供となるよう配慮することと書いてありますが、こちらについても同じで、日本語だけという感覚があります。情報提供の中に手話言語を含むと考えてください。視覚言語で理解することもできるようにしていただき、誰一人取り残さない社会、SDGsの考え方を基にして、音声言語、つまり日本語だけではなく手話言語も情報提供の中には併記していただくようにお願いしたいと思います。

○石川委員長 ありがとうございました。
 次に、竹下委員、お願いします。

○竹下委員 日視連の竹下です。
 附帯決議の衆議院と参議院のどちらもほぼ共通している3番ですけれども、障害者基本法及び虐待防止法の改正についても検討することとあるわけですが、この複合的差別を含めた今後の法改正の必要性について、内閣府で現時点で何か考えていることがあれば教えていただきたいということが質問です。
 私としては、これまでの政策委員会の中でも障害者基本法の改正について、多数の委員から強い声が出ていたことを踏まえて、この附帯決議を受けた上で、更に障害者基本法及び虐待防止法の改正についても御検討いただきたいという要望も含めて申し上げておきます。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 次に、玉木委員、お願いします。

○玉木委員 こんにちは。
 今も発言があったように、差別解消法の改正は、障害者基本法とか虐待防止法とかの改正もセットで論議していく必要があると思います。そこら辺は内閣府としてどうお考えかということをお聞かせいただきたいなと思います。
 附帯決議の参議院の最後の障害の議論のことになるのですけれども、ちゃんと読むと、「障害当事者の意向や世論の動向を把握すること」で止まっているので、「把握する」だけで僕はいいかなと思います。
 その上で、障害の概念を変えたところで、ぶっちゃけて言いますと、差別解消法ができているのに、明確に障害者が置かれている状況が変わったかというと、変わっていないわけですから、やはり障害の文字の論議をするよりは、できれば、障害の字を残していって、みんなが暮らしやすい状況をどうやったら作れるかという論議にシフトしていただければいいかなと思っています。
 ちなみに、僕が出ている番組は障害のある人のことを取り上げていますけれども、「害」の表記を使っているということは付け加えさせていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 玉木委員、ありがとうございました。
 この後、佐保委員以下複数の委員が挙手を求めていらっしゃるのですけれども、今日の議題2及び3も重要でして、また、附帯決議に関わる本格的な議論はこの後、基本方針の策定の中でしていけると思います。もし、本日、この後の議題の議論が見込んでいたほどの時間を必要としない場合には、また戻って御発言をいただきたいと思います。大変恐縮ですけれども、ここで議題1については一旦止めさせていただいて、次の議題に移るということでもよろしいでしょうか。議題1の報告、説明に関わる質問、疑問等がある委員に関しましては、佐保委員以下で御意見ではなくて質問という意味でいらっしゃいますか。
 ありがとうございました。
 そうしましたら、後ほど機会があればというふうにさせていただきます。申し訳ありません。
 次の議題ですけれども、障害者差別解消法に基づく基本方針の改定に向けた審議の進め方につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○衣笠参事官 事務局です。
 それでは、資料2-1を御覧いただければと思います。今後、改正法を踏まえて、内閣府の障害者政策委員会におきまして、基本方針の改定に向けた議論をいただきたいと考えております。この資料は今後の議論も含めたスケジュールのイメージを表したものになります。
 左の欄に障害者政策委員会での議論について記載をしております。右の欄には、内閣府や関係府省・地方公共団体の動きを記載しております。左の欄ですけれども、本委員会におきましては、本日、今後の進め方についての御議論、御確認をいただいた上で、内容に関する議論につきましては9月の秋頃から開始しまして、1年程度の議論を経て来年の夏頃をめどに議論を取りまとめていただければと考えております。
 その間、今年度、右の欄でありますけれども、「相談体制等の在り方に関する調査研究(令和3年度予算事業)」という記載がありますけれども、この調査研究の中で検討会を設けまして、地方公共団体、障害者団体、事業者団体など関係者の御意見を伺いつつ、相談体制、事例の収集・共有の在り方などについて基本方針に盛り込む基礎とするための基本的考え方、モデルを取りまとめるといった調査研究を実施していきたいと考えております。
 ここでの成果につきましては、適宜のタイミングで本委員会に御報告をしまして、基本方針の改定に向けた議論につなげていくことを念頭に置いております。
 本委員会で来年度の夏頃に議論の取りまとめをいただいた後には、政府としてこれを基に改定案を作成し、パブリックコメントを経て閣議決定を行い、基本方針を改定するという手続を経ていくことになります。その後、この基本方針の改定を踏まえて各省において、半年程度かけて対応指針の改定をし、周知を行っていただくことになると考えております。その後は、事業者において職員への周知等の体制整備などの準備を進めていただくことを想定しています。
 また、右に記載していますが、地方公共団体におきましても、相談体制などの体制整備を進めていただくことが必要になります。また、これらの一連の動きと並行して、国民一般への周知啓発も進めていきたいと考えております。
 こうした準備を進めた上で、公布の日から3年以内の政令で定める日に施行することとなりますが、具体的な施行日につきましては、今後の基本方針や対応指針の改定を始め、施行に向けた準備の進捗状況も踏まえつつ定めていくことになります。
 資料2-2を御覧ください。「障害者差別解消法に基づく基本方針の改定に向けた審議の進め方(案)」として、本委員会での議論の進め方について先ほどのイメージよりも細かく記載しているものです。
 一番上の○ですが、「以下のような議論を経て、令和4年夏頃を目途に議論を取りまとめることを想定」ということで、今後の進め方としましては、本日、審議の進め方について議論をいただいた上で、2つ目のポツですけれども、関係団体へのヒアリングとして、障害者団体、事業者団体などからヒアリングを行うこととしてはどうかと考えております。その後、論点別の検討を行った上で、基本方針の改定案の審議をいただくことでどうかと考えます。また、次の○で書いておりますけれども、おおむね1か月~2か月に1回程度の頻度で議論することとしています。
 なお、下の米印で書いていますけれども、本年秋頃からは、こうした基本方針の議論と併せまして、令和5年度を始期とする次期障害者基本計画の策定に向けた議論も進めることを考えております。
 先ほど、竹下委員から御質問もありましたが、今後の障害者基本計画の策定に向けた議論の進め方につきましては、改めて今年の秋以降に御議論いただければと考えていますので、よろしくお願いいたします。
 それから、関係団体へのヒアリングでありますけれども、障害者差別解消法は幅広い分野を対象としており、様々な障害者団体、事業者団体などの御意見を伺う必要があると思います。基本方針の見直しにつきましては、こうした団体に本委員会の会合に出席をいただいた上で、ヒアリングをした上で議論を進めていくことが適当と考えます。そのヒアリングの対象団体、ヒアリングの方法などにつきましては、今後、事務局におきまして、関係省庁の協力を得ながら石川委員長に御相談をして検討していきたいと考えております。
 続きまして、資料2-3を御覧ください。平成25年に障害者差別解消法が制定された後、その法律の施行に向けた検討などを進めるために、障害者差別解消関係府省連絡会議が申合せによって設けられておりました。今回、障害者差別解消法の一部改正法が成立したことから、その施行に向けて、法制定時と同様に、この連絡会議で情報共有や協議などを行いながら作業を進めていくこととしております。
 また、本委員会でまとめていただいた施行3年後見直しに関する意見書におきましては、担当課長連絡会議などを開催して、定期的に相談事例の共有や分析、公表などを行うとともに、省庁間の連携を深めるべきとされておりますけれども、こうした提言に沿った取組もこの会議を通じて行うことができればと考えております。
 この資料2-3の1番が先ほど申し上げた趣旨で、円滑な運営のため緊密な連携の確保を図る旨を記載させていただいています。
 構成員につきましては、別紙のとおり、議長は内閣府の政策調整担当の政策統括官、議長代理は政策調整担当の大臣官房審議官とし、構成員として各省の課長級の者に入っていただくこととしています。また、オブザーバーも参画いただくことになっております。
 なお、この連絡会議は先日6月14日に開催して、改正法の内容や今後の取組等について関係府省間での情報共有を図ったところですので、併せて御報告いたします。
 事務局からの説明は以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、審議に入ります。時間は20分程度を予定しております。御意見のある委員はチャットメッセージにて意思を表示していただきたいと思います。
 佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。
 3つあります。まず1つ目は施行期日なのですけれども、こちらは附帯決議でもあるように、スケジュールの前倒しが必要だと思っています。今の表では3年間かかるようなイメージになっていますけれども、ぜひとも1年半とか早い期間で施行できるようにしていただきたいと思います。
 2点目は政策委員会全体のスケジュールなのですけれども、今は1~2か月に1回という御説明がありましたが、国連の対日審査が恐らく来年以降あると思うのですけれども、それに向けて以前、一度政策委員会としても意見をまとめた方がいいのではないかという話があったかと思います。その議論もしなければいけませんし、先ほど御説明のあった次期障害者基本計画の策定も始まりますので、ぜひともこの政策委員会のスケジュールを早く、月に1~2回ぐらいのペースで進めていただきたいと思います。
 最後は、国の相談体制です。資料2-1を見ますと、国における相談体制が書かれていなくて、地方公共団体はあるのですけれども、附帯決議でもワンストップ相談窓口の設置を求めることが書かれていますので、ぜひこれを踏まえてワンストップ相談窓口も実現に向けて進めていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 続きまして、玉木委員、お願いします。

○玉木委員 ありがとうございます。
 僕もスケジュール感のことをお話ししたいと思います。附帯決議には3年を待たずしてという記載がありますが、具体的には資料2-1のスケジュール感を見ていると、3年を待って施行しようとしているような気がして仕方がないのです。やはり特に基本方針の中身については、今回は一から作るのではなくてあくまでも改正なので、そんなに時間をかけなくてもいいのではないかと思っています。その上で、今年中に基本方針の改正ができたらいいのかなと思っていますので、次に委員会をやるときにきっちりとこれぐらいの時間を取っていただくといいかなと思っています。
 その上で、スケジュール感、資料2-1の令和5年度の下の方に「事業者における体制整備」というものが出てきていて、ここら辺がすごく引っかかっていまして、以前からこの政策委員会でも合理的配慮義務にした方がいいという意見を言わせていただいていますが、その上でいろいろな団体の方は、取りあえず国がちゃんとやってくれとおっしゃっていたのですけれども、やはり僕としては、国だけではなくて、いろいろな障害者団体や事業者団体がそれぞれできる合理的配慮の普及啓発活動を今から同時並行で始めていくことで、3年を待たずにしてこの法律が改正できるのではないかと思っています。この委員会でもそれらの団体が何かできるだろうかということをきちんと論議していきたいと思っています。その上で、併せて国連の権利委員会に出す対応についても政策委員会できちんと論議する時間も作っていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 玉木委員、ありがとうございました。
 ちょっと音声が聞き取りにくくて、ついていけない部分があります。ここをもっと短くすべきだというお話は分かったのですけれども、もう一度ポイントを短くお話しいただくことは可能ですか。

○玉木委員 (音声不良)

○石川委員長 チャットで今の御発言を書いていただいても結構ですし、どちらかの方法でお願いできればと思います。

○玉木委員 チャットは結構厳しいので、言葉で言わせてください。

○石川委員長 分かりました。
 森委員、お願いします。

○森委員 ありがとうございます。日本難病・疾病団体協議会の森です。
 まず一つ、関係団体のヒアリングとあるのですけれども、こちらにつきましては、難病の障害の特性については、いろいろな疾病の分野別に大きく違いがありますので、ぜひ複数の分野別の団体にヒアリングをお願いしたい。小児の難病の団体も別の問題を抱えておりますので、こちらも別にヒアリングをお願いしたいと思います。
 もう一点は、施行期間は早くしていただきたいです。なかなか難病についても理解されておらず、就労の点などでも合理的配慮といった点で言い出せないという状況が続いておりますので、既に働いておられる方はいらっしゃいますけれども、多くの困難を抱えて働いておられます。ぜひその点をお願いしたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 事務局から連絡がありまして、私の声こそよく聞こえないらしいですけれども、大丈夫でしょうか。

○事務局 事務局です。
 今は大丈夫です。先ほどはあまり聞こえなかったのですけれども、今は大丈夫です。

○石川委員長 もし、聞こえないときはまたお知らせいただければと思います。
 佐保委員、お願いします。

○佐保委員 御指名ありがとうございます。なるべく簡潔に話をしたいと思います。
 2点あります。佐藤委員を始め、他の委員からもお話がありましたが、施行に向けたスケジュールについてです。基本方針を新たに策定するのではなく、該当箇所を改定するのみですので、改定に向けた議論は1年程度を半年程度にし、施行まで全体で1年半程度に日程を短縮して施行できるように、審議の進め方を検討し直していただきたいと思っております。
 2点目も、佐藤委員の方から話がありましたが、相談体制の在り方です。国会における附帯決議を踏まえて相談窓口へのアクセスを改善するとともに、ワンストップ相談窓口については、国においては内閣府に設置していただきたいと考えております。
 私からは以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 竹下委員、お願いします。

○竹下委員 竹下です。
 2点について質問させていただきます。1つは、資料2-2で行きますと米印の「なお」以下で、障害者基本計画の5年度始期の改定に向けた作業のことが秋以降となっているのだけれども、このことをやろうと思えば、基本方針の議論と重なって本当にやっていけるスケジュールになっているのだろうかということが気になります。
 すなわち、来年の夏をめどに基本方針をまとめることになっている。そうすれば、その時期に合わせて基本計画の改定の議論をやっていくというのは時間的に十分取れるのだろうか。だからといって、基本計画の見直し作業をそれ以後にしたのでは、令和5年度にスタートが切れなくなると思いますので、そういう意味からもこの基本方針の議論を少し前倒しして、詰めてやる必要があるのではないか。そうしないと、基本計画の議論を開始する時期との関係から言えば、うまく調整できないのではないかという思いが1点目の質問ないしは意見です。
 もう一点は、これとほぼ密接に関係するのですが、論点別の検討という項目がその2~3行前に入っているわけですが、これは極めて重要だと思うのです。この論点別の検討をすることを踏まえた場合に、月1ないしは2か月に1回程度では議論が短時間では到底まとまりそうには思えないので、この点からも進め方をもう少し工夫することが必要ではないかと思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 政策委員会における基本方針の検討のスケジュールにつきましての皆さんの御意見は、かなり共通しているかと思います。以下の御発言の中でも重なる部分は割愛していただいて、それ以外の意見がある委員は発言をお願いしたいと思います。
 石橋委員、お願いします。

○石橋委員 全日本ろうあ連盟の石橋です。
 スケジュールについて意見が3つあります。まず、周知啓発活動、また、パブリックコメントの計画なのですが、先ほど附帯決議の部分について申し上げた意見と同じですが、日本語だけではなくて、手話言語でもしっかりと周知し、意見を集める。皆さんが知る機会を作る。そういったところに手話言語でのアクセスをぜひとも加えていただきたいというのが1点です。
 2点目、相談体制についてですが、ワンストップという話がありましたが、我々は役所に行っても手話言語ができなければそこでストップしてしまいます。そういったことがないように、手話通訳者を私たちが付けるのではなくて、相談体制側に手話通訳がついている状態が望ましいと思います。このような体制を作っていただきたいと思います。
 最後に、障害のある女性について話がありましたが、障害別の女性たちそれぞれにヒアリングするという視点がとても大事ではないかと思っています。

○石川委員長 ありがとうございました。
 中野専門委員、お願いします。

○中野専門委員 中野です。
 資料2-1に関してですけれども、令和3年度から周知啓発活動をするように書いてありますが、基本方針等の検討と並行して事業者向けの周知啓発活動を早急に開始すべきだと思います。
 というのは、これまで対応要領や対応指針を作成した経験のない民間事業者は、国や地方公共団体よりも準備に時間がかかると思います。特に、職員が遵守すべき服務規程の見直し等も必要になるわけですから、法の趣旨について事前に、できれば業界別に説明会や相談会が必要ではないかと思います。
 例えば、大学であれば、私立大学の学長もしくは副学長に対する説明が必要だと思いますし、鉄道やバス等の交通事業者別、それから、商業施設についても店舗・業態別に説明会や対応要領等を作成するための相談窓口の設置が必要不可欠だと思います。ぜひ御検討をよろしくお願いします。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 久保委員、お願いします。

○久保委員 ありがとうございます。
 合理的配慮の全面的義務も踏まえた準備を着実に進めていただきたいという思いがあります。少しでも早く着手をしていただきまして、同時並行で進めていただきたいと思っております。
 また、合理的配慮の提供につきましては、知的障害や発達障害のように、外見的に困りごと、障壁が分かりにくい障害への配慮が広がっていないことを私たちはとても心配しております。基本方針の改定に際しましては、外見的に障害の分かりにくい障害を持った人たちに着目した合理的配慮の在り方についても具体的に対応していただきたいと思っております。
 ワンストップ相談窓口設置をしていただくこと、相談体制の充実をしていただきたいと思っています。また、女性の障害の複合差別ですけれども、障害のある女性の複合差別におきましては、参議院の附帯決議の5番にも書いていただいておりますので、ぜひ実施をしていただきたいと思っております。また、ヒアリングに女性の障害者ネットワークがありますので、そこもヒアリングに入れていただいて、御意見をお聞かせいただきたいと思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 片岡委員、お願いします。

○片岡委員 先ほどから皆さんおっしゃっていますように、施行期日については可能な限り早期に行うことを重ねてお願いしたいと思います。また、政策委員会のスケジュールも先ほどからあるようにお願いしたいと思います。
 国の相談体制のことで、国における体制整備が書かれていない点と、成立に向けてできるだけ早く進めていただきたいと思っております。よろしくお願いします。

○石川委員長 ありがとうございます。
 米山委員、お願いします。

○米山委員 ありがとうございます。
 先ほども出ましたけれども、関係団体へのヒアリングについてですが、先ほど委員の方からも子供ということも出ました。やはり障害団体という中で成人のヒアリングが多いのですけれども、子供特有の問題あるいは課題がございますので、ぜひそこに焦点を当てた形で、相談支援についても子供は児童福祉法も含めて違うことがございますので、いわゆる障害のある子供の権利も踏まえていうと、差別解消法には子供の問題が割合少ないことがありますので、そういうことも踏まえると、子供への支援の事業所あるいは教育の分野に配慮されていることもたくさんありますけれども、子供について関係する団体へのヒアリングをぜひ入れていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 長谷川委員、お願いします。

○長谷川委員 ありがとうございます。
 皆様から御意見が出ている施行に向けたスケジュールについてですが、産業界としては、ポイントだけ申し上げますと、資料2-1に書いていただいたプロセスは、全てデュープロセスであり、事業者団体が十分な体制整備や準備をする時間や関連企業への周知の時間を設けていただくということが重要だということでございます。
 資料2-2にあります関係団体へのヒアリングにおける事業者団体のヒアリングにつきましても、業種または事業規模によって、合理的配慮の提供において直面する課題は非常に多岐にわたりますので、なるべく多様な業種、規模の団体にヒアリングをしていただければと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 お待たせしました。杉崎委員、お願いします。

○杉崎委員 ありがとうございます。
 基本方針の策定に当たり、改正法の丁寧な周知、事業者における理解の促進を図っていく必要性について申し上げます。今回の法改正では事業者による合理的配慮の提供が義務化されました。しかしながら、内閣府が2017年に実施した世論調査を見ましても、この法律の認知度が低いのが現状でございます。また、宿泊業ですとか飲食サービス業においてはこのコロナ禍で事業の存続、雇用の維持に各企業ともに精いっぱいの状況というのが実態でございます。
 一方で、今回の改正法の成立や、パラリンピックの開催を契機といたしまして、共生社会のより一層の進展が期待されているという状況もございます。したがいまして、基本方針の策定に当たりまして、まずは事業者、特に中小企業における改正法の理解が進むように丁寧な周知をお願いしたいと思います。
 また、施行時期ですとか基本方針の策定スケジュールにつきましては、現下のコロナ禍も含めた事業者の実態を踏まえまして検討、決定していく必要があると思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 玉木委員、お願いします。

○玉木委員 ありがとうございます。
 聞こえますか。

○石川委員長 明瞭になりました。

○玉木委員 ありがとうございます。
 資料2-1のスケジュールの中で気になっていることが、令和5年度の中頃に「事業者における体制整備」とあるのですけれども、これは最終的な体制整備であって、例えば、今回の法律が変わったというのは、別に合理的配慮の中身が変わったわけではなくて、粛々と対応をやり続けることが合理的配慮だと政策委員会でもずっと言い続けてきたので、それぞれの団体ができることは何かということをまずは考えていってもいいのかなと思うのです。事業者団体の方は嫌がるかもしれないけれども、玉木とかも協力しながら合理的配慮の周知をやっていく準備が今からでもできると思うので、そういう広め方もやっていくことで3年を待たずしてこの制度改正ができていくのではないかと少し思ったところです。
 取りあえず以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 もう一度お話をお聞きしてよかったです。
 三浦委員長代理、お願いします。

○三浦委員長代理 よろしくお願いします。身障協の三浦です。
 質問が1点と要望が1点です。まず、質問は資料2-1の相談体制等の在り方に関する調査研究が実施されることは非常にうれしいことなのですけれども、これは報告が政策委員会になされて、それを織り込んだ形で基本方針に向けてまとめていくのかということの確認といいましょうか、質問が一点。
 それから、資料2-2の審議の進め方が今日承認をされましたら、ぜひ論点別の検討のところで、論点の確認と承認も行っていただきたいということと、できれば資料2-1と同様に政策委員会の方で、基本方針の取りまとめに向けてのスケジュールをフロー図というかスケジュール表としていただきますと、その他やらなければいけない大事な基本計画の策定に向けた議論と並行して行うべきことが私たち委員も整理されるのではないかと思いますので、ぜひ政策委員会としてのスケジュール表も作っていただきたいということが要望です。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、多数の委員から意見が出ましたけれども、事務局の方から御発言をいただきたいと思います。

○衣笠参事官 事務局です。
 政策委員会の取りまとめの時期を前倒しすることも含めて、全体のスケジュールを早くすべきではないかというご意見でありますけれども、附帯決議でもそういった御趣旨の内容も入っております。それも踏まえて我々も検討しているわけですが、今後、基本方針につきましては、昨年6月に取りまとめていただいた本委員会の意見書も踏まえまして、合理的配慮の考え方も含めて差別の定義、概念や相談体制、事例の収集、共有の在り方、地域協議会の在り方など多岐にわたる議論が必要になると考えています。
 また、基本方針の改定につきましては、このイメージ図にも書いておりますが、基本方針を踏まえて対応指針も策定されていくということで、まさに基本方針の改定は今後の実施の土台になるものです。このため、事務局としてはしっかりと審議時間を確保していきたいと考えています。
 それから、ヒアリングの対象団体について、こういった団体も対象としてほしいとの御意見もありました。そうしたご意見も踏まえつつ、我々も石川委員長と相談していきたいと考えておりますが、障害者差別解消法は障害者や、国、地方公共団体、事業者といった幅広い関係者が対象となっていますので、多くの団体から御意見を聞いたり、もしくは意見の調整をしていくといった丁寧な対応が必要になってまいります。事務局としましては、十分な議論、必要な調整を経た上で、改正法の施行を早くできるようにということで、お手元にお示ししたようなスケジュールでお願いできればと考えています。
 あと、議論の頻度につきましては、1~2か月に1度と書いてありますけれども、秋からは2か月ではなくて1か月に1回は開催したいと考えています。ヒアリングなどはそういった間隔ではなくて、もう少し早い頻度でできる可能性はあると思いますので、その点は検討していきたいと思います。
 ただし、議論自体を1か月に2回といったペースで行うことについては、次期障害者基本計画の策定も同時に議論を進めていくことが想定されており、また、関係者、事業を所管する省庁など政府内での調整をした上で案を示していくには相応の時間が必要となるため、これ以上早く、1か月に2回ということで案をどんどん示していくのは難しいと考えております。
 スケジュールに関しては以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 中野専門委員から提案のあった件なのですけれども、同時に杉崎委員からはそもそも差別解消法の民間事業者への啓発が不十分で、よく知らない事業者が多数あるというお話もありましたので、それも踏まえますと、現時点で差別解消法及びその改正について事業者に周知啓発を開始することは、施行までの期間を短縮するという意味もありますし、現に合理的配慮の提供がされていない問題への対処ということもありますので、極めて有効な方法というかアプローチかと思いますが、これについてはいかがでしょうか。

○衣笠参事官 事務局です。
 御指摘のように、事業者に対して早めの段階から周知啓発を進めることも大事かと思っていますので、可能なものは取り組んでいきたいと考えています。
 一方で、最終的には各省庁で対応指針の見直しも必要になり、そうしたことも含めて事業者に周知啓発を図っていくことも大事であると思われます。早めに取り組むことで周知啓発が進むという面もありますが、対応指針の見直しを踏まえた上で取り組むことも大事であり、その点はご留意いただければということで申し上げておきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 本日の時間的な問題もありますので、まだ発言されたい委員はいらっしゃるかと思いますが、本日の議論を踏まえまして、事務局において団体ヒアリングも含めて、また政策委員会での議論の進め方や事業者への周知啓発に関しては、当委員会の中で出ました提案等も踏まえまして、基本方針の議論に向けた準備を進めていただくようお願いいたします。
 それでは、ここで10分休憩の時間を取りたいと思います。休憩中はカメラオフにしていただいて問題はございません。再開は2時50分ということでお願いします。

(休憩)

○石川委員長 再開いたします。
 次の議題は「国連障害者権利委員会からの事前質問事項への回答案について」外務省から説明をお願いいたします。

○外務省(総合外交政策局人権人道課:富山課長) 外務省の人権人道課長の富山と申します。よろしくお願いいたします。
 お手元の資料3でございますけれども、障害者権利委員会から来ました政府報告に対する質問事項への回答の案を御提示申し上げております。本日御議論、御意見頂戴いたすものでございますけれども、中身に入ります前に経緯などについて改めて御説明を申し上げたいと思います。
 この質問事項が障害者権利委員会から来ましたのが2019年10月でございます。その際は政策委員会の場でも、リスト・オブ・イシューズと呼ばれますが、質問票が到着したことについて御説明申し上げたところでございます。
 その後、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、障害者権利委員会の活動、ジュネーブでの委員会活動そのものも変則的なものになりました。そして、外務省が取りまとめを進めておりました質問票への回答のスケジュールも後ろ倒しになってきたところでございます。
 まず、政府報告をそもそも提出いたしましたのは2016年6月でありまして、それを踏まえて質問票が2019年に到着したものでございますけれども、もともと日本に対する審査が予定されておったのが2020年の夏でございました。日本に対する初めての対面での審査は新型コロナのために延期となったわけであります。昨年の春、夏の会期におきましては、国別の審査そのものが障害者権利委員会で行われなかった状況でございます。そして、今年に入りまして、3月に試験的という形でエストニアの1か国のみ審査を実施いたしました。これはオンラインで行われたものであります。
 年2回ある会期のうちの今年の8月の会期ですが、これは2か国をオンラインで行うという話があると聞いております。具体的には、フランスとジブチの2か国だと聞いております。
 日本に対する審査の日程はまだ決まっておりません。近く、国連側から正式な通報があるだろうという連絡はいただいておりますが、まだその連絡が来ていない状況であります。したがいまして、最短で来年3月の会期における審査が想定されるところであります。今回の質問事項への回答案への意見交換を踏まえまして、回答案を確定いたしまして、その上で速やかに英訳し、国連側に提出したいと思っております。
 お配りした回答案それぞれの項目について私から一つ一つ申し上げませんけれども、形式といたしましては、今、お手元に書いてある日本語のテキストでありますが、ここは項目ごとに質問を書いてその下に回答案を書いてございます。質問項目は34ございますけれども、それに対する関係省庁で相談した上での案が今、お手元にあるものでございます。
 実際の英語で提出する際には、この回答部分のみを記載することになってございます。また、この場では誠に恐縮でございますけれども、添付資料については本日の意見交換会での御提示は省略申し上げておるところでございます。具体的には法律の条文ですとか統計資料などを添付していくことを考えておるところでございます。
 冒頭、私からの御説明は以上でございます。

○石川委員長 富山課長、ありがとうございました。
 それでは、発言を求める委員はチャットボックスで意志表示をお願いいたします。
 まず、大河内専門委員、お願いします。

○大河内専門委員 大河内です。ありがとうございます。
 回答案を拝見いたしました。多岐にわたっていて、非常に重要なこともたくさん含まれておりました。
 この回答案に、ぜひ政策委員会の議論をたくさん反映させていただきたいと思いました。私が把握している分野においてもいろいろ重要なところがありましたので、ここの委員の皆様方の見地も含めて丁寧に回答していただければと思っています。
 それと同時に、政策委員会が国内のモニタリング機関でもありますので、ここの回答案に我々の意見を反映させることとともに、可能であれば政策委員会としての独自の意見を権利委員会に出してみてもいいのではないかと思いました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 河井委員、お願いします。

○河井委員 河井です。ありがとうございます。
 私の方からは、統計データについての質問を1点させていただきます。
 資料にページ振りがなかったのですけれども、3ページ目でしょうか、質問項目4のところに虐待ですとか差別などについての件数の報告が記載されておりますけれども、これらのデータについては、例えば、性別であるとか障害別、障害程度別といった詳細なデータがあるのかどうなのかということ。
 あわせて、統計データについては、質問項目31が統計についてということで項目立てされているのですけれども、その中で、社会生活基本調査や国民生活基礎調査について設問項目について検討中という記載がありますけれども、これらについても性別であるとか障害種別についての項目を追加することを検討されていることを踏まえての回答なのかどうなのかということを質問させていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 恐らく質問が多岐にわたるということと、多数の方が発言される予定であるということと、時間が4時までであることを勘案してどうしようかと迷っているところです。つまり、個々にお答えいただきたい質問、御意見が多々あるということで、一つ一つやっていきたいということもありますが、最初に全員の御意見、御質問を今の河井委員のようにできるだけ簡潔にしていただいて、何とか時間を確保して、最後に各所管省庁からお答えいただくという形を取りたいと思いますので、皆様、御協力をお願いしたいと思います。
 竹下委員、お願いします。

○竹下委員 竹下です。
 全ての回答内容についてここで質問することは不可能だと思うので、結論としては、今日の論議のみでこの政府からの回答に対するこの委員会としてのやり取りが終わるのではなくて、先ほど大河内専門委員も発言されたように、政策委員会として回答内容に対する疑問点等を十分に議論された上で、最終的な政府レポートになるための取りまとめの仕方をお願いしたいと思っているのです。
 例えば、最初のAの部分で個人通報制度のことについて、この報告書によれば、政府として真剣に検討中であるという書き出しがあるのですが、具体的にはどういう検討がされているのか、これでは全く分からないと思うのです。
 それから、最後の33条関係の権利条約の実施に関する監視の部分について見ても、具体的にこれまで国連の権利委員会から指摘されたことに、これで答えになっているのかということをこの回答を見て疑問を持つわけです。それらのことがこの場で外務省とやり取りができる機会をいただければと思っております。
 以上です。

○石川委員長 竹下委員から最も本質的な御提案をいただいたので、今日は基本的に政府としてのリスト・オブ・イシューズに対する回答を取りまとめたので、政策委員会に報告したうえで、提出する。政策委員会は別途IMM、独立した監視の枠組みとして意見を後でまとめて提出するという形を取るのか、ここでもう少し政策委員会からの意見のフィードバックによって質問への回答の質を高めていくことをするのか、あるいはできるのかということについて、事務局及び外務省のお考えをお聞きした上で、この後の時間をどのように使うかを決めていきたいと思います。
 外務省と事務局のどちらが先か分かりませんが、御意見をいただきたいと思います。

○外務省(総合外交政策局人権人道課:富山課長) 外務省でございます。御指摘ありがとうございます。
 委員会の方々の御意見は最大限尊重したいと思います。その方法については、また関係省庁と相談して考えたいと私どもは思っている次第であります。

○石川委員長 事務局の方はいかがでしょうか。

○衣笠参事官 内閣府ですけれども、今回の回答につきましては、先ほど石川委員長からお話があったように政府としての回答という位置づけのものと考えております。政策委員会が監視機関として何らかの見解をまとめるかどうかにつきましては、政策委員会自体が今後いろいろな議題を控えているということもありますので、対日審査のスケジュールがある程度見えてきた段階で、どういった対応があり得るかを御相談していく、そのような進め方にさせていただければと思います。

○石川委員長 石川です。
 確認ですけれども、後者の方、つまり政府としての報告の質を高めておくことは建設的対話に向けて日本政府にとって重要かと思います。それに対して政策委員会として協力することは労を惜しまないというのが各委員のお考えかと拝察します。同時に、本来の所掌事項が立て込んでいて、非常にタイトであるという悩ましい状況にあるのでどうしたものかということで、重ねて事務局の御判断をいただきたいと思います。外務省としては、報告書の質を高める方向で協力は歓迎というお話かと解釈いたしましたけれども、事務局はいかがでしょうか。
 気になったのは、質問に対して直接的な回答になっていないところが散見されて、条約体と各締約国との間で行うべきは建設的対話なので、事前質問事項とそれに対する回答も同様ですので、対話になっていないところを直しておいた方がいいのではないかというのが私も感じるところではあります。

○衣笠参事官 事務局です。政策委員会として回答案についての意見交換の場を設けることについては、基本的には本日の会合をもって終わらせていただければと思います。ただし、外務省からは、本日の委員会に限らずお気づきの点について別途御連絡いただければ、それも踏まえて検討していくと伺っていますので、そういった様々なチャネルを使いながら進めさせていただければと考えますが、いかがでしょうか。

○石川委員長 承知しました。
 各委員、よろしいでしょうか。こういう形で、個々についてお気づきの点を提案するというのは外務省の方でチャネルを設けていただく、あるいは事務局を通して転送していただくという形を取るとして、委員会としてまとまった意見をフィードバックするということは、この委員会の所掌事項からするとちょっと違う可能性があるので、それはしない。ただ、全般的な点でお気づきの点は今日のうちにお伝えしておく方がよいと思うので、そういったことを中心にこの後、御発言をいただけるとありがたいです。もちろん、個別の案件であっても重要と思われる点について御意見をいただくことを拒むものではありません。そういうことで進めてよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 米山委員、お願いします。

○米山委員 米山です。小児科医でもありますし、障害児の方の代表でもあります。
 先ほどの今後の在り方のものを受けて幾つかの点で、回答で建設的に加えた方がいいのではないかということを3点ほど申します。
 1つは教育という分野の中では、いろいろ特別支援教育等の記載がなされています。そのときの障害のある児童、第7条の部分が、実は障害者権利条約の批准をする前に子供は子供の権利条約に日本は批准しています。子供の権利条約の方でいうと、23条に障害のある子供ということで書いてあるということと、子供の権利も随分書き込まれていてよろしいのですけれども、その中で子供のリハビリテーションでいうと、ずっと飛びますけれども、26条のところにリハビリテーションというものがありますけれども、これは子供の権利条約の23条にあって、それを踏まえた上で平成23年の日本の障害者基本法の改正で、第17条に療育という言葉でリハビリテーションと同じような形で療育という形での子供の発達支援、あるいは家族支援ということが言われています。子供に関しては、子供の権利条約を踏まえた書き込みをされた方がいいのではないかと思いました。
 最後になりますけれども、戻って11条の災害、危険な状態の緊急対策というところで、避難所のことに関しては、今日は市川専門委員もいらっしゃいますけれども、今は特別支援学校とか子供の避難所、熊本などの地域がうまい具合にネットワークを組んだりしているところもありますので、そういったところも踏まえた書き込みをされたらいいのではないかと思います。
 あと、これはもし協力ということであればですが、私自身は障害児の虐待についての調査研究をずっと続けています。そういったことで、子供の特性での虐待だとかいろいろな情報がありますので、必要でしたら御協力したいと思います。
 以上になります。

○石川委員長 ありがとうございました。
 曽根専門委員、お願いします。

○曽根専門委員 私は法律の前に等しく認められる権利、第12条の回答の内容について意見を申し上げさせていただきます。回答案の11ページの中段に後見類型においても本人が法律行為をすることは何ら制限されておらず、本人が行った法律行為が本人にとって不利益である場合等において、事後的に本人または成年後見人がその法律行為を取り消し得るにすぎないと書かれておりまして、ここから始まって、日本の成年後見制度は障害者権利条約に適合的だという回答ぶりになっていると思います。
 ただ、条約の趣旨から考えますと、後見人には包括的な代理権が認められていますし、本人が行った法律行為を後見人が事後的に取り消すことができるわけで、「何ら制限されておらず」というのは、回答としてこれでいいのだろうかという疑問があります。
 むしろ、障害者権利委員会は代理権といったものを廃止して、本人の権利が他のものとの平等を基礎とした制度に見直すべきだということを各国に意見として伝えていると思います。一方、一例として挙げますと、遷延性意識障害のような方の場合、本当に不利益を受ける人がいないのだろうかという疑問が私にはあります。
 ですので、むしろそういった視点から本当に代理権を全部廃止してしまって大丈夫なのかということを、障害者権利委員会と対話をしていただく契機にしていただくというスタンスで、この部分を構成していただくのがいいのではないかと思いました。
 以上です。

○石川委員長 とても重要な指摘をありがとうございます。
 つまり正面から向き合って対話をすることが大事だと私も思います。
 曽根専門委員、どうぞ。

○曽根専門委員 委員長のおっしゃるとおりです。

○石川委員長 ありがとうございます。
 石橋委員、お願いします。

○石橋委員 全日本ろうあ連盟の石橋です。
 今回の政府の回答を読ませていただいたのですが、これでいいのかと思うところ、本当にそうなのかと感じることが多くありました。特に24条の部分ですが、教育に関する部分は、手話言語に関する記載が一つもありません。誰一人取り残さないという日本政府が目指すSDGsの考え方を踏まえた上で、これが回答として合うのかどうか大変疑問です。
 21条についても、国連の障害者権利条約の中に手話は言語であるとはっきりと明記されているにもかかわらず、この回答では、障害者基本法の中で手話言語と認められていますが、これはコミュニケーションとしてあくまでも情報取得、情報アクセスという部分にとどまります。言語としての認知をするという意味で私たちはずっと求めてきているのですが、回答としてはこれが合致していません。全般的に手話言語に関する記載が全くもって少なく、日本政府がしっかり考えた回答となっているのか大変不安に思っています。

○石川委員長 ありがとうございました。
 久保委員、お願いします。

○久保委員 ありがとうございます。
 まず1ページ目の療育手帳の交付に関するところでございますけれども、療育手帳だけ法定化されていないことが現実としてあります。他の手帳の書きぶりと明らかにという異なる形になっておりますので、療育手帳が法定化されていないということは、ここでは明記されるべきではないか、分かるように書いていただきたいと思っています。
 また、2つの手帳は判定方法の記述もあるわけですけれども、法定化されていないということが基になりますが、判定方法も記述できていないというのが理由になるのだと思います。今現在、判定方法というのは知能指数による言わば医学モデルでやられていることがありますので、その辺のところも言及されるべき、明記されるべきだと思っております。
 それから、10ページですけれども、国連からの問いでは、事実上の後見制度の廃止と代替の意思決定を支援つき意思決定に変えることにしています。しかし、政府の回答は現行の成年後見制度に関する説明に終始しているように思います。実態の回答になっていないと思っています。少なくとも事実上の成年後見制度を廃止すること、または支援つき意思決定に変えることに関する政府の意見をちゃんと回答という形、実態に即した形で明記すべきだと思っています。
 19ページですけれども、旧優生保護法に関する回答でございます。個別事案において、旧優生保護法の被害者に係る損害賠償請求権が消滅しているか否かというのは、裁判所の判断という回答になっています。育成会としましては、事案の重大性と知的障害の特性を踏まえて、損害賠償請求権の消滅がないような運用を求めているところでございますので、そのためにどのような工夫が考えられるかということを回答すべきだと思っております。
 最後に32ページですけれども、障害の年金でございます。所得保障を目的としているわけですけれども、そういう記述をするのであれば、併せて障害基礎年金の金額が生活保護を下回っていることも実態としてありますので、その辺が分かるように書いていただきたいと思っています。
 他にもいろいろありますけれども、あとは文章で出させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○石川委員長 ありがとうございます。
 時間の関係で、以下お一人2分程度をめどに御発言をまとめていただけると大変助かります。
 森委員、お願いします。

○森委員 ありがとうございます。森です。
 いろいろあるのですが、ここでは1点だけにします。
 2ページの(d)の全ての障害者に特化したというところで、最後に「このように当事者の参加は確保されている」と結んであります。例えば、その上にあります障害者雇用施策の施策決定の場であるという分科会等ですけれども、全く難病の委員が入っておりません。年に1度だけヒアリングはあるのですけれども、これは何年も前から委員としてしっかりと入れていただき、意見を述べたいとお願いしているのですけれども、全くその兆しがありません。
 そういった点では、ヒアリングを年に1回だけ行った程度で参加の確保がされているとは思いませんので、いろいろな委員会や審議会等に難病も入っていないところもあるかと思いますし、他の障害はどうなのだろうと思いますので、こういったところはぜひこうなるように確認していただき、早急に委員として構成員の中に入れていただきたいというお願いがあります。よろしくお願いします。

○石川委員長 ありがとうございました。
 岡田委員、お願いします。

○岡田委員 ありがとうございます。全国精神保健福祉会連合会の岡田です。
 回答文の作成に御尽力いただいたことにまずは感謝を申し上げます。
 私からは、1点、意見も含めて質問させていただきます。8枚目に当たります生命に対する権利第10条の(b)において、回答文としては、「強制入院又は身体拘束の最中に又はその後に発生した死亡事案の件数については把握していない」という回答についてですが、現状、そのような事案が全くないのであればこの回答でいいとは思うのですけれども、実際にはそのような事案が起こっていると認識しておりますので、そのことを把握していないという回答だけでいいのかという思いがございます。
 それに続く回答文とすれば、法律に強制入院や身体拘束が濫用されることのないように定められているということが詳しく書かれているのですが、法律には定められていても、医療機関における適切な実施の確保が何らかの理由や原因によって不十分な現状にあるために、死亡事案の発生につながってしまっているのではないかと考えられます。実際に家族会の中では、強制入院や身体拘束について多くの体験が語られています。本当に残念なことだと思いますけれども、その語られる実体験からは法律に基づいて適切な実施が徹底されていない現実があるという実感を持っています。
 また、質問にもそのような出来事を防ぐために取られた措置についての回答が求められていますが、人間の命と尊厳に関わる死亡事案の件数についての把握の必要性を重視して、医療機関における適切な実施の確保のためにどのように取り組むのか、取り組もうとするのかを書き込んでいただくことはできないのでしょうかという質問になります。
 これ以外の回答内容にも共通するのですけれども、法律にこのように定められているという説明が多くありますけれども、説明だけで終始してはいけないのではないか。その法律がそれぞれの現場でどのように運用されて、障害者の権利がちゃんと守られているのかが重要だと思っておりますので、全体を通して責任を果たすという意思がきちんと伝わる回答とすることが大切なのではないかと考えております。よろしくお願いいたします。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 続きまして、安部井委員、お願いします。

○安部井委員 ありがとうございます。
 簡単に、第19条についてお話ししたいと思います。入所施設から地域への移行が前提の書きぶりとなっているように見受けられますが、日本には医療、福祉、教育が一体となった重症心身障害施設があります。命を守っていただき、施設の中でスタッフの助けを受けながら、自立した生活を送っている人たちがいます。施設を必要としている人たちがいることを忘れないでいただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 北川委員、お願いします。

○北川委員 知的障害福祉協会の北川です。
 私からはまず障害のある児童に関する意見になりますが、障害のない子の場合は国連の子供の権利委員会の勧告により、代替養育が必要になった際には、家庭養育、里親を一般化していこうという流れが今、日本では作られています。しかし、障害児の場合はまだそういった状況になってはいないのと、意見表明権に関しても、一般の子供に関しては子どもの権利擁護に関するワーキングチームなどが立ち上がり、検討していこうという流れですけれども、そのワーキングのメンバーにも障害児関係者が入っていないという実態があると思います。
 それから、インクルーシブ教育に関しては、地域の通常学級を選択することが大変難しい現状がまだ日本にはあると思います。
 最後に、28条の相当な生活水準及び社会的な保障というところですが、ここは日本知的障害福祉協会でも話し合われているところです。入所している方々の環境は個室ではなく2人部屋や4人部屋の方々まだまだ非常に多い。生活の実態として生活の暮らしの質が保障されていないという状況がまだ日本にはあるので、この回答の書きぶりをどのようにするかということをまた考えていかなければいけないと思います。
 以上です。

○石川委員長 続きまして、岩上委員、お願いします。

○岩上委員 岩上です。
 精神障害に関するものが非常に多いのですが、今回でしかなかなか議論ができないということはとても残念に思います。精神障害に関することについては、不断の見直しを行う意識があることを全てにおいて書いていただきたい。これでいいとは誰も思っていないということです。先ほど来、出ていますけれども、対話になっていないというところが一番の問題かなと思っています。
 3月にまとめられた精神障害にも対応した包括ケアの検討会の報告書の中でも、これとは別にこれまで課題とされていた入院に関わる制度の在り方、患者の意思決定支援や患者の意思に基づいた退院後支援の在り方等の事項については、別途検討が行われるべきであるという報告書でまとめているわけなのです。つまり、課題として認識しているのです。つまり、今、法律上はきちんとやっています。しかし、私自身は、精神保健福祉法は制度疲労を起こしていると思っていますので、基本的には現状では対応していると回答するのであれば、繰り返しになりますが、不断の見直しを行う意識があることを主張すべきだと思っています。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 三浦委員長代理、お願いします。

○三浦委員長代理 ありがとうございます。
 石川委員長のおっしゃった回答の質を高めるという意味において、幾つか気になる言葉遣いがありますので、提案いたします。
 まず、第6条の障害のある女子に関して、これは聞かれていることは一般的な男女平等政策と障害のある女性の特別なニーズに対して特別の立法措置や政策なのですけれども、回答の方がほぼ一般的な政策が多いかなと。それが日本の現状なのかもしれません。ただ、その中に(b)の上から5行目に「女児を含め子供の頃から能力開発」とあるのですけれども、これは差別的に聞こえるので「男女ともに」の方がよろしいのではないかと思いました。
 あと、その次のページの○で自立支援と総合支援法の施策が書いてあるのですが、これも一般的で、今、障害のある女性の方々の産前産後や子育てを含んで支援をするホームヘルプ、使えるホームヘルプなどもあるので、むしろそういう事例を入れた方が権利委員会ではイメージが湧きやすいのではないかと思いましたので提案いたします。
 続きまして、生命に関する権利の第10条の(b)は身体拘束の説明に終わっているかと思いますので、質問の意図に対して答えていただきたいと思いました。
 11条に関しましては、ここに社会的弱者という言葉を使っているのですけれども、これも日本でも意識ある方は使わない言葉ですし、社会が作った弱者ではないかと思いますので、既に法律の中に災害時要配慮者、避難誘導要支援者として明記されていますので、そういう言葉で表現していただければと思いました。
 12条に関しては、曽根専門委員が言われたことに共感いたしました。ただ、その後の方では、特に成年後見制度の利用の促進というところは、利用促進法に関しては見直すべき重要な法律ではないかと思いまして、ここにわざわざこれを非常に活用していますというような、促進というところをあえて書くのかという疑問があります。あと、ここに使われているノーマライゼーションも、条約の議論のときから、特別委員会のときから差別的な言葉ではないかということで、正常なものに近づけるという概念は消えて、多様性、ダイバーシティになりましたので、そこも配慮していただきたいです。回答する側が差別的な言葉を使うと日本政府の報告書としては恥ずかしいと思いますので、しっかり検討していただければと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 玉木委員、お願いします。

○玉木委員 ありがとうございます。
 皆さんがおっしゃっているように、対話になっていないというのはすごく感じました。特に19条と24条については、インクルーシブな環境において障害のある人が生きていける環境をどう作っていくかということを聞かれているのに、日本政府はいまだに今の枠組みを守るような立ち位置での回答になっているのかなと。
 今もいろいろ聞かせていただいて思ったのが、やはり地域の中でどんなに重度な障害があっても医療サービス、福祉サービス、教育サービス、その他様々なサービスが障害のない者と同様に提供される環境でこの国はやっていけるのかどうなのかということが問われているわけであって、外務省の方は大変だなと思いますが、この委員会でこの内容を論議をもうしないということであれば、政策委員会の論議の中で政府レポートとは違った書きぶりがいっぱい出てくることをどう考えるかということを皆さんで検討していただきたいと思いました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 佐保委員、お願いします。

○佐保委員 ありがとうございます。
 簡潔に2点。1点目は、すでに説明があったら申し訳ないのですが、今後障害者団体と意見交換をする予定があるのかどうか。意見交換をするのであれば、その結果を踏まえこの回答案を変更する予定があるかどうかについて教えていただきたいと思います。
 もう一点は、他の委員からもお話がありましたが、独立した機関である障害者政策委員会として、国連に対し見解を提出することについては私も同感であります。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 中野専門委員、お願いします。

○中野専門委員 中野です。
 全体についてですが、現在の制度や活動等の報告だけではなくて、どこまで達成できており、今後取り組むべき課題としてどんなことがあるのかを可能な限り明記すべきだと思います。その上で、2点のみ指摘させていただきます。
 1番目は第7条に記載してある早期介入についてです。視覚発達や言語発達の臨界期等を考えると、早期介入はとても重要です。現在、国において「難聴児の早期発見・早期療育推進のための基本方針作成に関する検討会」が開催されていますので、早期介入事例として入れてもいいのではないかと思います。
 一方、難聴児と同様に視覚障害児についても、早期発見・早期療育推進の取組が必要不可欠ですが、できていない状況にあります。そのため、視覚障害児に対する早期介入に関しては、今後の大きな課題であることも明記していただきたいと思います。
 2番目は、第8条の意識の向上についてです。現在、国では、意識の向上のために心のバリアフリーというキーワードで、障害の社会モデルの理解啓発活動を各省庁で展開されています。しかし、障害の社会モデルの理解が進んでいないという調査結果が出てきております。今後の課題として記載していただきたいと思います。実施すべきなのは、障害の社会モデル、人権モデルの意識を向上させるものでなければならないと思います。必ずこういった観点で評価を行いながら実施していく必要があるということを、今後の課題に明記していただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 門川委員、お願いします。

○門川委員 全国盲ろう者協会の門川です。
 意見を含めて1点質問させていただきたいと思います。今回の事前質問に対する回答に盛り込んでいただけるのであれば、特に条約の20条、21条、つまり移動とか情報の保障に関する部分についてです。ここに我が国では視覚と聴覚の重複障害者である盲ろう者のための通訳介助派遣事業は、地域生活支援の事業ではあるけれども、我が国として実施されている事業ですので、政府の回答の質を高める意味でも、通訳介助派遣事業について記載していただくといいのではないかと思います。この事業は、世界のどこを見ても見受けられない我が国唯一のユニークな事業だと思うので、ぜひ入れていただいて、政府回答案の質を高めていただくのはいかがでしょうか。よろしくお願いします。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 柘植委員、お願いします。

○柘植委員 お願いします。
 数日前に資料3も含めて内閣府の方から送っていただいて、特に資料3を最初から最後までじっくり2~3回読んだのですけれども、そうしたらやはり先ほど石川委員長がおっしゃったように問いと答えが合っていない、あるいは合っているような合っていないような微妙なものが幾つかありまして、ええと思いまして、そうしたら様々な委員の方々が同じような発言をされているので、私の認識は間違っていなかったなと思いました。
 時間の問題もあると思いますので、24条の教育の(a)のところだけ見てみたいと思います。読んでみます。「ろう児童及び盲ろう児童並びに知的又は精神障害のある児童を含め、障害のある全ての者のために、分離された学校における教育から障害者を包容する(インクルーシブ)教育に向け移行するため、立法及び政策上の措置並びに人的、技術的及び財政的リソース配分」を問われているのです。
 ところが、その下の回答を読むと、現在、日本では障害のある子供の教育をどんなふうにやっていますかと問われた回答がずっと並んでいるのです。これ以外にも幾つかかなりずれているものもあるのですけれども、この24条はかなりずれているので、もったいないと思います。
 既にインクルーシブ教育としてこれをやっているというものがあれば、それは明確に書くべきだし、今はやっていないけれども、これからこんな方向でやるのだというものがあれば、それを惜しみなく書いていただくといいのではないかと思いました。
 2つだけ具体的に、恐らくこの問いを受けて、既にやっていればいいのですけれども、やっていなければ、そもそも幼稚園、小学校、中学校、高等学校の中で盲ろうの方だとか目の不自由な方とか知的障害とか精神障害の子供たちがどんなふうに在籍していて、どういう支援を受けていて、うまく学べていて、どんな苦戦をしているのかという実態を把握するデータがないのです。だから、そこをまずやらなければいけない。それに向かってこんなふうに準備している、財政的にこんな投入をしようとしているみたいなことを書くべきなのだと思います。  それから、分離した学校での専門性ということで、特別支援学校の免許については何か所か出てくるのですけれども、今、移行しようとしているインクルーシブ教育の状況での教員の皆さんの専門性に関する免許のことが何も書いていないのです。だから、それをどんなふうに書き込むのかということもとても期待したいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 では、竹下委員、お願いします。

○竹下委員 竹下です。
 1点に絞ります。先ほどもちょっと触れましたけれども、最後の33条の関係です。問われているのは、まさに33条2項に言われている国内機構の地位及び役割に関する原則に立った委員会が設置されているかと質問されているわけです。すなわち、パリ原則に立った独立委員会が設立されているかと問われているのに、ここではそのことには何も答えていないので残念です。少なくとも、現在の政策委員会が果たしている役割を書いていただけることが大事だし、特に33条以上のこと、例えば、基本計画の策定、改定に大きな役割を果たしているのは33条が求めている以上のものをやっていると思うので、それは大きく評価したらいいと思うのだけれども、逆にパリ原則に立っていないという現実を認めないと、これまで政府や外務省が回答してきた内容とも矛盾している、あるいはずれていると思うのです。障害者権利条約を批准するときに、個人通報制度を、議定書をどうするかということにどう答えたかということと、この内容とはずれているわけです。だから、そういうことを起こさない形で、現状の日本の政策委員会がどういう役割を果たしているかだけではなくて、パリ原則から見ればどこが不足しているかということについても指摘しておいていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 竹下委員、ありがとうございます。同感です。
 内布専門委員、お願いします。

○内布専門委員 内布です。
 10条の生命に対する権利(d)のところで精神障害というところがあって、15条の(a)も精神科医療において隔離や身体拘束というところであるのですけれども、読んでみると肯定しているように取れるところがすごく残念です。私はそんなに海外のことには詳しくないのですけれども、隔離・拘束はほぼなくなるようなところにあるように思うのですけれども、必要性を訴えているように感じました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 大塚委員、お願いします。

○大塚委員 日本発達障害支援ネットワークの大塚です。ありがとうございます。
 政府の意見とそれに対してこの委員会がどのようにコミットするかということを役割として明らかにすることが必要かと思っています。今の政府の状況というのは、制度、政策というところから書かれているので、一般的には政府はここまでかなと。更に私たちはこれにコミットして幾つかの意見を言って、その中に入れていただく。あるいは、更にもっと強力に意見を言って、それを生かした文章にする。更に言うと、共同で作るということがあると思うのです。
 時間のことがあるので、どこを目指しているかということだと思うのです。もし、共同で作ることが困難であれば、委員会としての一つのまとめをきちんと出す。そうすると、今度は政府が出したものとどういう整理をしなければいけないかということが重要になりますけれども、そこをちゃんと決めていく必要があると思っています。特に今のままでは、建設的対話という観点からいくと、非常に困難なものになっていますので、そこをよく考えていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 佐藤です。ありがとうございます。
 私からは1点なのですけれども、ぜひ政策委員会として独自に意見を権利委員会に出すようにしていただきたいと思います。政策委員会は、国内モニタリング機関ですので、今日、1回言える場を作っていただきましたけれども、今日だけでは十分とは言えないと思います。
 日本の人権条約でモニタリング機関がちゃんと独自に意見を出すことは今までなかったと思いますので、それが実現できれば非常に意義のある取組だと思います。ぜひとも後日、また改めて討議して、政策委員会として独自に権利委員会に意見を出すようにしていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 この点については事務局とよく検討したいと思います。
 市川専門委員、お願いします。

○市川専門委員 全国特別支援学校長会の市川でございます。
 柘植委員からお話がありました教育の第24条のことですが、分離された学校というところが我々全国の特別支援学校になるわけですが、これがインクルーシブ教育の教育システムに向け移行ということであれば、今般の平成29年度に告示された特別支援学校学習指導要領の改訂のポイントは、小中学校との学習指導要領の内容の連続性が大きなポイントになっています。その方向で学習指導要領は改訂されておりますし、また、この前行われました文部科学省の特別支援教育の今度の在り方検討委員会の有識者会議の報告等でも、連続性ということが非常に今後重要になってくるということが示されておりますので、そういうところを記載なさった方がよいのかと思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 米山委員、お願いします。

○米山委員 追加で、先ほど33条のお話がありましたけれども、そこに、今、平成30年に障害児の基本計画が全国一斉にできました。自立支援協議会等でそれのモニタリングも始まっていますので、子供ということでいうと障害児基本計画の策定が始まっていますので書き込めたらいいのではないかと思いました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 時間は限られておりますけれども、せっかくの機会ですので、また出席もいただいているので、各省から御答弁をいただきたいと思います。外務省は、各省それぞれの担当している所管からの報告書のパーツをまとめて整えられている立場かと思いますので、各省に直接御答弁いただく方がよろしいかと思います。
 まず、文部科学省はいかがでしょうか。教育のところについて特に意見が多く出たような印象を持ちましたけれども。

○文部科学省(初等中等教育局特別支援教育課:小林企画官) 文部科学省特別支援教育課でございます。様々な御指摘をいただきましてありがとうございます。
 特に柘植委員がおっしゃった記述の追記に関しては内部でも検討していきたいと思っております。
 あと、手話に関しての記述のご指摘については、教育現場では、聴覚障害のある子供の多様なコミュニケーションツールの一つである手話を含め様々な教育、指導を行っておりますが、多様な教育手段全てをこちらに記載することはしておりませんが、それらを排除するものではございません。
 以上でございます。

○石川委員長 それでは、厚生労働省はいかがでしょうか。

○厚生労働省(社会・援護局障害保健福祉部企画課:平田課長補佐) 御意見をいただきましてありがとうございました。厚生労働省障害保健福祉部でございます。
 種々御意見をいただいたかと思うのですけれども、療育手帳の記載に関することや、難聴児の検討、障害児の早期介入に関することであるとか、最後に米山委員からも障害児計画の自立支援協議会でのモニタリングについてなど、こちらの作成した回答では漏れていた点を御指摘いただきましてありがとうございます。持ち帰らせていただいて、検討の上、可能な範囲で記載させていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 精神保健福祉の担当者はいらっしゃいますか。

○厚生労働省(社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課:片桐係長) 精神・障害保健課でございます。
 先ほど、身体拘束また強制入院等の後に発生した死亡事案の件数や身体拘束についての御意見をいただいているところでございます。こちらの回答としましては、入院中に亡くなった方の死因については、記載されているとおり現在のところ不明であって、統計的に把握していないところではございます。また、身体拘束等と死亡が直接結びつかないケースもあると考えられるため、実態把握をどのような形でできるのかを含め、精神科医療の関係者の話をお伺いした上で、今後検討する必要があると考えております。
 また、特に身体拘束につきましては、こちらの回答案の方にも記載されておりますが、精神保健福祉法上、指定医の診察によって患者の医療と保護のために必要性が認められた場合に限り必要最小限の範囲で行うこととされておりまして、身体的拘束が漫然と行われることのないよう、医師は頻繁に診察を行う等の厳格な基準を定めているところでございます。
 また、仮に身体的拘束等が行われる場合であっても適切に実施されることが重要でございまして、現在、厚生労働科学研究においても、身体拘束の最小化の手法について調査研究を行っているところでございます。
 身体拘束については、法令の規定に基づいて必要最小限に実施されることが基本であると考えておりますので、引き続き調査研究から得られた知見の提供等により、患者の人権に配慮した適切な医療が提供できるよう、こちらとしては努めてまいりたいと考えております。
 以上です。

○石川委員長 岩上委員からの指摘はいかがでしょうか。

○厚生労働省(社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課:片桐係長) こちらの精神保健福祉法上の不断の見直しをというものについては、課の方に持ち帰りまして、また今後回答させていただきたいと思います。

○石川委員長 承知しました。よろしくお願いします。
 障害者雇用促進の担当はいらっしゃいますか。難病等に関わる当事者参加について指摘がございました。

○厚生労働省(職業安定局障害者雇用対策課:中村係長) 厚生労働省職業安定局障害者雇用対策課でございます。
 森委員から障害者雇用分科会についての御指摘をいただきました。労働政策審議会障害者雇用分科会については、労働政策を審議するという都合上もございまして、労働者、使用者、公益、障害者とそれぞれを代表する方から構成されているところでございます。そうした都合上もございまして、全ての団体の方を委員として御参画いただくのはなかなか難しい状況ではございますが、当然障害当事者の方々の御意見を反映させることは大変重要であると考えておりますので、こうした御意見をしっかりと分科会の中でも伺いながら、適宜ヒアリングの機会等なども活用しつつ、政策に関する必要な議論を進めさせていただきたいと思っているところでございます。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございます。
 33条関係について、内閣府はいかがでしょうか。

○衣笠参事官 内閣府です。
 第33条につきましては、我々としましては、本委員会は、運営上、独立に御議論をいただいている、公正中立に御議論いただいていると考えているところです。そういったニュアンスが出るかどうかという話がありますので、そこは御意見を踏まえて検討していきたいと考えております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 今日、法務省からは担当者が出席されていないということなので、12条関係については事務局の方から政策委員会での議論がこうであったということをお伝えいただけますでしょうか。よろしくお願いします。

○衣笠参事官 事務局ですけれども、法務省は成年後見制度の担当が今日は来ていないということです。

○石川委員長 成年後見制度の担当は民事局ですか。

○衣笠参事官 事務局です。
 今日は、担当の民事局は出席しておりません。

○石川委員長 正確に言うと、法務省民事局からの出席がないということなので、事務局の方から問い合わせていただくなど、事務局の方で調整をお願いします。
 時間がなくなってまいりました。あと、1点だけ私の方から、先ほどの、とにかく報告の質を高めていく。真っすぐ向き合って対話することが非常に重要だという話に加えまして、英訳なのですけれども、障害者権利条約及び障害者権利委員会の言葉、言語に寄せて翻訳をしていくことが重要かと思います。
 一例を挙げますと、「心のバリアフリー」は政府報告ではたしか Understanding of persons with disabilities to extend your mind、心を広げていく、拡張するというような、禅仏教をイメージされるかもしれないような表現になっていますが、障害者権利委員会では意識向上awareness raisingとか、スティグマや偏見と闘うための施策 Combat stigma and prejudiceという言い方をよくしています。それと extend your mindは随分違っているわけです。だけれども、言わんとしていることの8割方は意識の向上だと思いますので、そういうふうに英訳の際も気を遣っていただけるとよろしいかと思います。他にもいろいろあるのですが、時間の関係で省略したいと思います。
 時間が来てしまいましたので、本日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。今日の政策委員会の意見を参考にしていただいて、正確な回答を更に精査していただけると幸いかと思います。
 事務局、お願いします。

○衣笠参事官 事務局です。
 次回の政策委員会は、9月頃に開催することを予定しております。具体的な日程などにつきましては、改めて事務局から連絡したいと思います。
 以上です。

○石川委員長 それでは、これをもちまして第55回「障害者政策委員会」を閉会いたします。
 退室の際は画面の電話マークをクリックして御退室ください。本日は、御出席ありがとうございました。