障害者政策委員会(第56回)議事録

令和3年9月13日(月)
13:30~17:00
中央合同庁舎8号館1階講堂
(Web会議にて開催)

【議事に使用されている資料については「議事次第」のページにまとめて掲載していますのでご参照ください。】

○石川委員長 それでは、定刻になりましたので、これより第56回障害者政策委員会を開会いたします。
 委員各位におかれましては、御多用のところを御出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日の委員会は、17時までを予定しております。いつもより長時間の会となりますが、途中で十分な休憩時間を確保しておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 また、本日は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、ウェブ会議により開催しております。
 なお、取材及び一般傍聴者は、感染防止の観点から本日はお断りして、その代わりに動画中継を視聴していただく形とさせていただいておりますので、御了承ください。
 それでは、事務局に異動がございましたので、一言、挨拶をいただければと思います。

○笹川統括官 政策統括官に新たに着任いたしました笹川でございます。
 皆様、お世話になります。よろしくお願いいたします。

○立石参事官 お世話になっております。
 参事官に新たに着任をいたしました立石と申します。
 皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

○石川委員長 笹川統括官、立石参事官、よろしくお願いいたします。
 次に、事務局より委員の出欠状況について、報告をお願いいたします。

○立石参事官 本日は、門川委員、黒岩委員、辻委員、長谷川委員、野澤委員、内布専門委員が所用により欠席とお伺いをいたしております。
 また、田口委員、眞保専門委員、中野専門委員が遅れて御参加ということになってございます。よろしくお願いいたします。

○石川委員長 それでは、本日の議事に入ります。
 毎回のお願いとなりますが、御発言いただくときは、チャットメッセージによりまして、発言の意思表示をしていただき、委員長の指名を受けてから御発言をお願いいたします。
 また、御発言の際には、できれば最初に結論を述べていただき、その後に理由や説明をしていただくと分かりやすいと考えております。
 あわせて、ウェブ会議であることを踏まえて、いつも以上にゆっくり分かりやすく御発言いただくよう、お願いいたします。
 また、できるだけマイクを近づけてお話しください。
 それでは、本日の議題及び資料につきまして、事務局より説明をお願いいたします。

○立石参事官 事務局でございます。
 本日は、障害者差別解消法に基づく基本方針の改定について、19の障害者団体からのヒアリング及び意見交換を行います。
 関係資料といたしましては、今回のヒアリング項目を資料1に、また、ヒアリング団体から事前に御提出をいただきました資料1のヒアリング項目への御回答を資料2及び資料3にまとめております。
 資料2及び資料3を参照される際は、資料1のヒアリング項目も併せて御参照ください。
 ヒアリング及び意見交換は、前半と後半の2回に分けて実施をいたします。
 前半は15時までといたしまして、資料2に記載されている特定非営利活動法人筋痛性脳脊髄炎の会から公益社団法人日本てんかん協会までの計10団体へのヒアリング及び質疑応答を行います。
 その後、30分間の休憩、ヒアリング団体入替えの時間を挟み、後半については、資料3に記載されている特定非営利活動法人全国言友会連絡協議会から一般社団法人日本難病・疾病団体協議会までの計9団体へのヒアリング及び意見交換を行いたいと思います。
 本日の会議の流れ及び資料につきましては、以上でございます。

○石川委員長 それでは、議事に入ります。
 基本方針の改定に係るヒアリングの前半では、10団体へのヒアリングを実施したいと思います。
 事務局より、御出席いただいた皆様の御紹介をお願いしたいと思います。

○立石参事官 事務局でございます。
 ヒアリング前半におきましては、特定非営利活動法人筋痛性脳脊髄炎の会、篠原三恵子様。
 全国「精神病」者集団、桐原尚之様。
 一般社団法人全国肢体不自由児者父母の会連合会、石橋吉章様。
 社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会、長井浩康様。
 公益社団法人全国脊髄損傷者連合会、安藤信哉様。
 一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会、田中正博様。
 特定非営利活動法人DPI日本会議、崔栄繁様。
 日本弱視者ネットワーク、白井夕子様。
 社会福祉法人日本身体障害者団体連合会、荻津和良様。
 公益社団法人日本てんかん協会、田所裕二様の皆様に御出席をいただいております。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、まず各団体から事前提出資料を基に御意見のポイントを3分から5分の範囲で御発言いただき、その後の質疑応答を15時まで行う形にしたいと思います。
 なお、特定非営利活動法人筋痛性脳脊髄炎の会の篠原様におかれましては、発表者の御負担の軽減という観点から、御発言の後にすぐに質疑応答を行いたいと思います。
 委員の皆様におかれましては、篠原様への発表内容に関しての御質問等は、発表の直後にお願いしたいと思っております。
 その後の全国「精神病」者集団から9番目のヒアリングまでは、最後にまとめて質疑応答とさせていただきたいと思います。
 それでは、筋痛性脳脊髄炎の会の篠原様、よろしくお願いいたします。

○(特非)筋痛性脳脊髄炎の会 篠原理事長 NPO法人筋痛性脳脊髄炎の会の理事長の篠原でございます。
 本日は、発言の機会をいただき、ありがとうございます。
 また、いろいろと御配慮いただいたことにも感謝いたします。
 今日は、三つの点に絞ってお話しさせていただきます。
 質問項目1の(1)について、障害者差別禁止法では、対象の障害者を障害者基本法第2条第1号に規定する障害者、すなわち、身体障害、知的障害、精神障害、その他の心身の機能の障害がある者とし、難病に起因する障害を含むとしています。
 しかし、実際には、障害者総合支援法の障害の範囲における難病の対象規定により、多くの難治性疾患が除外され、日常生活または社会生活に相当な制限を受けているのにかかわらず、合理的配慮を受けられません。
 障害者差別解消法の基本方針では、障害を理由とする不当な差別的取扱いをしないとしており、政府や国会による法制度の見直しを含め、福祉サービスの対象を病名ではなく、生活の困難さに応じて支援する仕組みに変え、難治性疾患によって困窮する全ての人に必要な合理的配慮が提供されるよう、抜本的改革を行っていただきたいと思います。
 質問項目2の①について、日本は障害者権利条約を批准しましたが、国内人権機関を設置しておらず、人権を侵害された被害者が人権救済の申立てをすることができません。私が患っている筋痛性脳脊髄炎という病気は、一部の医師が世界的な理解とは異なる情報を流すことによって、患者が合理的配慮を受けられることを著しく困難にしています。
 憲法で表現の自由が認められているという理由で、これを阻止することができず、情報の間違いを証明することは患者には不可能です。裁判で訴える方法もありますが、毎日の生活の基盤を失っている患者にはハードルが高すぎます。
 全ての障害者差別をなくし、障害者差別解消法に実効性を持たせるために、日本も障害者権利条約の選択議定書を批准すべきだと考えます。
 最後に、新型コロナのパンデミックにより、多くの障害者が生まれています。筋痛性脳脊髄炎は、世界中で集団発生を繰り返しており、集団発生は歴史的にウイルス疾患の流行後に起きています。
 これまでの科学的エビデンスを基にすると、新型コロナの全感染者の約1割が筋痛性脳脊髄炎を発症すると推計され、日本でも10万人以上の新たな患者が生まれる可能性があります。
 コロナの後遺症は、筋痛性脳脊髄炎だけではなく、全感染者の3割とも、4割とも言われ、その実態は分かっていません。
 アメリカでは、バイデン大統領が、今年7月に新型コロナから回復したと思われた多くのアメリカ人が長引く難題に直面しており、こうした健康状態が時には障害のレベルに達し得るとし、後遺症に苦しむ人々が差別から守られるよう、アメリカの各省庁が連携すると語りました。
 日本においても、新たな障害者が差別から守られ、合理的配慮が受けられるよう、対策を協議すべきだと考えます。
 以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 篠原様、ありがとうございました。
 それでは、ただいまの篠原様の御発言に対して、委員からの質問を受けたいと思います。質問のある委員は、挙手ボタンは使わずに、チャットで意思表示をしてください。
 それでは、私から1点質問させていただきたいと思います。
 これは篠原様にというか、あるいは厚生労働省にというか、内閣府にという形なのですが、指定難病となっていない場合に差別解消法の対象とはならないと解釈すべきなのか、それとも、差別解消法はもう少し幅広に障害を捉えてよいと、どちらの解釈が妥当なのか、これは重要ではないかと思うのですけれども、厚労省からでも、内閣府からでも結構ですが、お考えをお聞かせできればと思います。厚労省はいかがでしょうか。

○厚生労働省(社会・援護局障害保健福祉部企画課:本間係員) 本間と申します。
 指定難病について、差別解消法の対象であるかは、私からは回答を差し控えさせていただければと思います。

○石川委員長 承知しました。
 内閣府は、今日、御準備はございますか。

○立石参事官 内閣府でございます。
 障害者差別解消法の対象となる障害者の範囲でございますけれども、法律の規定におきましては、身体障害、知的障害、精神障害、これには発達障害を含みます、その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により、継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にある者が対象となってございます。
 そういったことでございますので、合理的配慮の対象につきましては、今の定義に当てはまる方々について、対象となるとお考えいただければと思います。

○石川委員長 そうしますと、差別解消法の対象範囲というのは、今の定義と整合性があればよくて、障害者総合支援法が提供する支援サービス等の対象となるか、ならないかということとは、独立に考え得ると理解してよいと解することができると思いますが、それでよろしいですね。そのことを基本方針の中で現状は不明確だとすると、明確化していくことも必要だと思います。
 篠原様、何か御意見はございますか。

○(特非)筋痛性脳脊髄炎の会 篠原理事長 差別解消法の対象については、お答えいただいたとおりだと思うのですけれども、実際問題としては、障害者総合支援法の対象疾患になっていないと、現実には福祉サービスを受けられず、結局、合理的配慮を受けられないというのが現実になっております。ですから、そこのところの矛盾は、ぜひ解消していただきたいと思っております。

○石川委員長 篠原様、ありがとうございます。
 必要な支援が受けられないのは、総合支援法の問題としてあるという御指摘だと思います。合理的配慮につきましては、差別解消法が行政及び今回からは事業者も義務ということで、提供を義務付けている者のことですので、その点については、どのようにして合理的配慮を求めていくかという意思表明の問題など、貴重な御指摘をたくさんいただいておりますので、それは基本方針の中でさらに考えていきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、次に全国「精神病」者集団の桐原様より、ポイントについてお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○全国「精神病」者集団 桐原運営委員 全国「精神病」者集団の桐原です。
 本日は、貴重な機会をありがとうございます。
 基本方針に関する意見の回答の中身に従って、話をしていきたいと思います。
 まず不当な差別的取扱いの部分についてです。
 行政機関及び事業者が「障害者お断り」といった不当な差別的取扱いを行った場合で、障害者が解消法のスキームに基づいて相談した結果、それが撤回されたとしても、そのことだけをもって事案解決と捉えて、相談が打ち切られることがないようにすること。
 行政機関は、事業者等が正当な理由に該当すると判断した場合に、根拠を交えて理由を説明することとし、さらに障害者が証拠資料等の提出を要求した場合には、積極的に応じていくこと。
 不当な差別的取扱いにおける障害を理由とした権利利益の侵害の中に、直接的に障害を明示しなくとも、実質的に障害者と他の者の間に障害に基づく財・サービスや各種機会の提供の不当な差異や制限などがある場合、これを含むということ。
全て基本方針の中に書き込んでほしいと思います。
 次に合理的配慮についてです。
 障害者等から意思の表明があった合理的配慮が、合理的配慮に該当しないとする判断を国及び地方公共団体の所轄によって行われているというような事例があります。そのため、意思の表明の中に障害に関わる社会的障壁が示されてさえいれば、これは基本的に応じるべきであるとすること。
 現行の基本方針においては、例えば車椅子利用者のために段差に携帯スロープを渡すなどが合理的配慮として例示されているわけなのですが、ここに例示された合理的配慮と類似点がないものについては、合理的配慮ではない可能性が自治体等によって疑われているといったこともあります。
 精神障害及び知的障害のように、見えない障害が求める非物質的な合理的配慮の一部は、合理的配慮とみなされずに、結果として障害に基づく差別が見逃されてしまっているきらいがあります。そのため、分かりにくい合理的配慮は、当該障害との関係を慎重に考慮して対応できるようにということを、基本方針の中に明文で書き込んでほしいと思います。
 また、行政機関及び事業者等が過重な負担であることを説明する際には、障害者が過重な負担の根拠となる資料等の開示を求めた場合に応じる必要があるといったことを明記することをお願いしたいと思います。
 次に建設的対話の進め方についてです。
 建設的対話は、往々にして平行線になる場合があります。また、建設的対話によって確認された合理的配慮が、その後に実行されないといった事例もあります。なので、基本方針の中には、建設的対話の展開過程と留意事項を書き込むこと、建設的対話の展開過程には、その後のモニタリングやフォローイングといったものを入れ込む必要があると思います。
 その他の話なのですけれども、相談窓口についてです。
 相談窓口については、たらい回しや長期化、相談員の接遇態度の問題などの課題が散見されます。これについては、速やかに相談できるようなワンストップ相談窓口を設置するとともに、地方公共団体と国の連携を強化するような形のものを書き込む必要があると思います。
 また、相談の長期化を防止するために、必要に応じて当初から相談の計画を策定して対応するなどのことも明文化しておいた方がよりいいと思います。
 相談員による不適切な接遇については、これを是正するため、何らかの留意事項を明文化していくことも必要であると思います。
 次になのですけれども、精神障害の当事者の参画についてです。
 障害者差別解消支援地域協議会については、基本方針の中でも、障害者及びその家族の参画について配慮するとともに、性別・年齢、障害種別を考慮して組織することが望ましいと書かれています。
 また、今回、見直しになったので、対応要領も見直しになる可能性はあると思うのですが、これも障害者、その他関係者、構成員を含む会議の開催や障害者団体等からのヒアリングなど、必要な措置を講じると書かれています。
 対応指針も同じように、障害者団体や事業者団体等からのヒアリングをして、意見を反映させるために必要な措置を講じることとされています。
 ところが、これだけのことが書かれていても、精神障害領域では、精神障害というカテゴリーは家族会が代表して、会議やヒアリングで意見を述べて、そのことをもって精神障害当事者の声は聞かれないといった事態が生じています。私たちは精神障害当事者団体の参画によって、精神障害当事者の声を聞いてほしいと思っています。
 そのため、あくまで家族と本人は別という点を踏まえて、基本方針にも障害種別に関わる一文や家族会組織と当事者組織の違いに留意した会議の開催やヒアリング等の実施を行う。そういったことの積極的な書きぶりを書き込んでほしいと思っています。
 最後なのですけれども、研修については、できるだけいろんな研修を内閣府の中で収集して、それを紹介できるようにすることを基本方針の中で書いてほしいことです。
 海外の動向に関わる事例収集については、国内の機関と障害者差別解消法について、各国とどのように連携しているかといったことを調べることを基本方針の中で担保して、調査を進めてほしいと思います。
 何よりも障害者権利条約の36条や39条に基づく委員会からの提案及び一般的な性格を有する勧告が行われたときには、障害者を代表する団体の参画の下で、当該提案及び勧告に基づく現状の問題点の把握を行い、法制度の見直しをはじめとする必要な措置を講じていく考えであることを基本方針の中に書き込んでいただきたいと思っています。
 以上になります。御清聴ありがとうございます。

○石川委員長 桐原様、ありがとうございました。
 続きまして、全国肢体不自由児者父母の会連合会の石橋様、お願いいたします。

○(一社)全国肢体不自由児者父母の会連合会 石橋副会長 一般社団法人全国肢体不自由児者父母の会連合会の石橋でございます。
 本日の意見は、基本方針に関するヒアリング項目1の(1)不当な差別的取扱いのうち、正当な理由の判断の視点を行政の不作為と思われる制度は、持続的生活が可能な社会になっているのか、親亡き後、障害のある子を誰に託すのか、託せる社会になっているのかについて、意見を述べさせていただきたいと思います。
 障害福祉サービスに関わる介護給費は、国庫負担基準として定めているが、重度訪問介護等の利用内容や時間数は、市区町村独自で決めることができ、利用者の立場に立っておりません。その要因は、利用の決定権を自治体に任せ、制度自体が社会的障壁になっているため、重い障害のある方が障害福祉サービスを利用して生活できる状況にありません。
 例を紹介します。独身、グループホーム利用の方、1日24時間、1か月30日の生活、平日で世話人、ヘルパーの利用は、朝7時に起床して、朝食を含め準備で3時間、日中活動7時間は事業所で対応、午後4時、帰宅後の就寝まで6時間、就寝から翌朝までの8時間を足しますと、1日のサービス利用時間は17時間、1か月換算は510時間必要となります。
 しかし、標準的な国庫負担基準は、区分6で5万800単位、1日に換算すると、9時間で1か月は207時間となります。24時間介護を必要とする方に適用されず、市区町村では100時間から300時間台までと、利用時間に大きな開きがあります。同じ障害でありながら、住んでいる地域で異なるのは、正当な評価の上、策定されているとは言えません。グループホーム居住者の利用時間は、極端に下げられています。
 また、車椅子利用者の移動支援の見直しを障害者自立支援法の施行以来、15年以上にわたり訴えてきましたが、障害者総合支援法改正、3年後の見直し検討、機会があったにもかかわらず、いまだ議論さえされていません。教育、就労に関わる行動を地域生活支援事業で補うことは、移動支援の目的とかけ離れています。目的が明確な事例について、所管する省庁で議論すべきです。
 公共交通機関が利用できない地域、雨の日、晴れている日ばかりではありません。1日お一人で車椅子での移動はできますか。まさに合理的配慮に欠けています。本来、障害福祉サービス等報酬改定で議論すべきものと考えましたが、当会では、毎年の予算要望のほか、機会のある都度、繰り返し訴えてきても、改正の兆しはなく、今回の差別解消議論の中であえて行政の不作為、社会的障壁の解消がなされていない現状、合理的配慮を欠いていることを意見として申し上げました。
 以上です。ありがとうございます。

○石川委員長 石橋様、ありがとうございました。
 次に社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会の長井様、お願いいたします。

○(社福)全国重症心身障害児(者)を守る会 長井法人理事 全国重症心身障害児(者)を守る会の長井でございます。
 本日は、ヒアリングの機会をいただき、ありがとうございます。
 私たちは、重症心身児者の親の会でございます。
 資料の14ページ、15ページのお話をさせていただきたいと思います。ヒアリング項目の2の②についてでございます。国及び地方公共団体による障害を理由とする差別を解消するための支援措置の実施に関する基本的な事項のうち、啓発活動に関して、意見を述べさせていただきます。
 好事例だけではなく、障害者本人や介助者が不快な思いをする事例も紹介していただき、基本指針にありますパンフレットの作成に役立てていただきたいと思っております。
 事例1を申し上げます。重症心身障害児者を重心と略す場合がございます。これは重症児者と略していただくように統一していただきたいと思っております。
 事例2を申し上げます。「障害を持っている人」という文言を使用される方がございます。社会が障害を作り出しているという障害の社会モデルの観点からも、「障害のある人」という言葉に統一してほしいと思っております。
 事例3を申し上げます。車椅子利用者を数える場合に、1台、2台と台数で数えることはやめていただきまして、1人、2人と人数で数えていただきたいと思っております。
 事例4を申し上げます。障害を奇異な目で見るのはやめてほしいということでございます。パラリンピックでも15%の方が障害であることを何回もアナウンスされております。
 例えば外出しているときに、たんの吸引などの医療的ケアを行う場合がございます。障害者本人にとっては、日常の普通の行為であることを知ってほしいと思っております。最近の新型車両では、車椅子スペースが設けられております。そこでたんの吸引を行う場合がありますが、医療機器を使用するスペースであることも、表示していただきたいと思っております。
 また、現在、コロナ禍ではありますけれども、車内においてマスクを使用できない障害者がいることを周知してほしいと思っております。
 事例5でございます。障害者は、医療用の電源を必要としていることを周知していただきたいと思います。これは命に関わることであり、特に災害時の避難所では、優先的に電源を使用させていただきたいということを、表示していただきたいと思っております。
 15ページにその他として書かせていただきました。手帳を持っていますと、タクシーなどの割引について、適用を受けられますが、運転手さんの負担になるからという理由で乗車を拒否される。乗車を拒否されることはなくても、一言、不快な言葉を言われる場合があります。割り引かれる料金分は、公共交通機関として事業者に負担いただきますよう、行政指導を徹底していただきたいと思っております。
 以上でございます。

○石川委員長 長井様、ありがとうございました。
 次に公益社団法人全国脊髄損傷者連合会の安藤様、お願いいたします。

○(公社)全国脊髄損傷者連合会 安藤事務局長 ありがとうございます。連合会の安藤です。
 まず一つ目です。基本方針の第2の2の(2)において、行政機関等や事業者が正当な理由があると判断した場合に障害者に説明することについて、「理解を得るよう努めることが望ましい」とあるのを、例えば「理解を得るように努めなければならない」や、「理解を得ることが望ましい」など、もう少し踏み込んだ表現としていただきたいと考えています。
 次は合理的配慮の件で、基本方針の第2の3の(2)において、こちらも同じように、「理解を得るよう努めることが望ましい」というものを、例えば「理解を得るように努めなければならない」とか、「理解を得ることが望ましい」など、もう少し踏み込んだ表現にしていただきたいと考えています。
 次はcです。基本方針の第5の3の(3)においてですが、障害者も含め、広く周知・啓発を行うことについて言及がありますが、第5の3に独立した項目を設け、ピアサポートなどを通じた障害者のエンパワメント、例えば合理的配慮の提供に当たっての「意思の表明」や「建設的対話」などについて、言及していただきたいと考えています。
 dです。今回の法改正による改正後の法第14条、「人材の育成及び確保のための措置その他の必要な体制の整備」の具体的な内容として、障害者政策委員会での議論で多くの委員の皆様から問題提起がありましたワンストップ相談窓口を、国と地方公共団体において整備すべき旨を、改正後の第6条第2項第4号に基づいて基本方針に盛り込んでいただきたいと考えています。
 次にeです。地域住民等に対する啓発活動について言及がありますが、特に内閣府、関係省庁、地方公共団体などが実施するものについては、啓発活動の数値化によって活動量を定量的に把握することを明記していただきたいと考えています。
 その他です。fのところですが、基本方針の第2の3の(1)のエや第5の1において、基礎的環境整備について言及がありますが、障害者差別解消法第5条において、行政機関などと事業者の努力義務に位置付けられていますが、例えばバリアフリー法の最低基準を上回るバリアフリー化についても、積極的に取り組むべきことを基本方針で打ち出していただきたいです。
 また、障害者や障害者団体が基礎的環境整備を要請し、行政機関や事業者がこれを拒否する場合には、行政機関や事業者が建設的対話を通じてその理由を説明すべきことを基本方針に盛り込むべきと考えています。
 障害者差別解消法における差別の定義として、直接差別、間接差別、関連差別、複合差別、交差的差別、合理的配慮の不提供などを基本方針に明記すべきであると考えます。また、障害者差別解消法、障害者基本法、障害者雇用促進法の次の改正においても、これらの定義を法律に盛り込むべきと考えます。
 国連障害者権利委員会の一般的意見第6号の第18段落を踏まえ、障害者差別解消法の次の改正において、嫌がらせ、いわゆるハラスメントを法律上の差別に位置付けていただきたいと考えています。
 あとは、時間的な関係で割愛させていただきますが、最後にkです。統合教育からインクルーシブ教育に踏み込む上で、教育機関による合理的配慮の提供は不可欠だと考えています。例えば重度な障害のある児童が保護者の同伴なく遠足に参加したり、クラスメートと同じ時間に同じプールで水泳の授業を受けたりするには、安全確保を含めた合理的配慮が欠かせないと考えています。
 したがって、インクルーシブ教育を実現する上で、合理的配慮の重要性について、基本方針の第5の3の(3)のイに盛り込むべきと考えます。
 以上です。

○石川委員長 安藤様、ありがとうございました。
 続きまして、一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会の田中様、お願いいたします。

○(一社)全国手をつなぐ育成会連合会 田中専務理事 全国手をつなぐ育成会連合会の田中です。
 本日は、改定に当たり、全国手をつなぐ育成会連合会の基本的な考え方を述べたいと思います。
 今回は知的・発達障害当事者の権利擁護が図られるよう、関わりを日頃より続けております。その視点で意見を述べさせていただきます。
 障害者差別の解消に向けて、基本的な考え方を整理する上では、知的・発達障害に関しては、自らを主張し、円滑なコミュニケーションによって課題を解決する事に困難さがあることへの理解が重要です。
 不当な差別的取扱いや合理的配慮の不提供について、本人だけでは不利益を感じる事は困難です。また、不利益について自ら申し立て、建設的対話によって相互理解に向けて働きかける事も困難です。
 何らかの配慮や具体的な支援をするためには、困難さに直面している本人の特性を踏まえたアセスメントが重要です。アセスメントは、本人の特性が表に出やすい場合もありますが、感覚過敏など、多くの場合は表面には表れにくい状態もあります。当事者との関係性を保ちながら、理解、解決、対処のために表面に出にくい感情や能力を推しはかることが多くの場面で求められます。
 このことが知的・発達障害の方の差別的対応に対する基本的な考え方になりますので、整理させていただきました。
 その上で、不当な差別の取扱いについてですが、障害者虐待の視点で捉えるべき事例があると考えております。特に障害者に対する著しい暴言、または著しく拒絶的な対応、不当な差別的言動、その他の障害者に著しい心理的外傷を与える言動については、心理的虐待との関連で取り扱うことが重要ではないかと思っておりますし、差別的な対応とするよりは、問題解決に向かいやすいのではないかと思っております。
 次に合理的配慮の過重な負担と建設的な対話についてですが、合理的配慮の一例としては、当会としても分かりやすい情報提供の対応に心がけています。分かりやすく伝えるにはどうすればよいのかといった配慮をする上で、文字を大きくしたり、平仮名にしたり、難しい漢字のままルビを振るなどの対応では、分かりやすい情報にはなりません。
 写真、絵、ピクトグラムなどで、発達障害の方たちに分かりやすい情報を工夫すること、特に今回、オリンピック・パラリンピックでピクトグラムが着目を浴びたことは重要だと思っております。そのようなカードを用意して、ゆっくり丁寧に分かりやすく話したりすることが重要ですし、同席する者が理解しやすくする環境を用意することも求められております。
 合理的配慮が義務化されることで、コミュニケーションへのアクセスが柔軟に進んでいくことを期待しておりますので、文字を活用したコミュニケーションの促進に役立つという視点で、このことが建設的対話の第一歩になると思っております。特に発達障害の方たちには、意思決定の支援の考え方に沿った対応をし、本人の主体性を尊重した関わりを心がける配慮が求められております。
 意思決定支援とは、自らの意思を決定することに困難を抱える方が、日常や社会生活に関しての意思反映をすることになりますので、可能な限り、自らの意思決定をできるように支援することが重要になります。本人の意思の確認がコミュニケーションを図ろうとする行為だけではなく、思いに沿った生活環境を整える上で重要です。
 一つ目として、本人の判断能力の確認、アセスメントをしていただく。
 二つ目として、意思決定が必要な場面での関わり。
 三つ目として、人的・物理的環境の調整が重要になると思っております。
 また、2の①の相談に関してですが、課題解決に向けて、断ることのないワンストップの窓口をまずは市町村に置いて、設置していただきたいと思っております。
 合理的配慮が義務化されると、実際の場面で要求が多くなりがちになることも予測されますが、受ける事業者側も過重な負担だということが予想されますので、建設的対話に持ち込むには調整役が必要だと思っております。広域的な対応を含めたワンストップの構築をお願いしたいと思っております。
 2の②の啓発活動ですが、合理的配慮を求められた対応の見通しを立てやすくするためには、事例の収集が重ねて必要になると思いますので、このことについて、特に良い循環をつくり出していくことに期待をしております。
 最後になりますが、基本方針の改定版の際には、当事者にも内容が理解され、当事者の皆様が自分のこととして使用できるような情報提供の下で、主体的に差別解消に向けて取り組めるような配慮をお願いします。
 以上になります。

○石川委員長 田中様、ありがとうございました。
 続きまして、特定非営利活動法人DPI日本会議の崔様、お願いいたします。

○(特非)DPI日本会議 崔議長補佐 皆さん、こんにちは。DPI日本会議の崔です。
 今日は、貴重な機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
 DPIの意見として、皆様に御提出したペーパーを基に、私たちの考えを述べたいと思います。
 まず(1)の不当な差別的取扱いの基本的考え方については、これまでもずっとDPIでは言ってきましたけれども、障害を直接の理由としなくても、関連する事由を理由に不当な差別的取扱いを行う関連差別と呼ばれるものや、中立的で一般的な規則などを一方的に当てはめることで、結果的にある障害者、属性を持つ障害者に不利益を与える間接差別と呼ばれている概念を挿入すべきだと考えております。
 ここで書かせていただいている事例は、私たちDPIが何年かかけて実際に収集してきたものです。今日は、時間の関係で一つ一つは申し上げませんけれども、ぜひお読みいただきたいと思っております。
 二つ目として、先ほどからも出ておりますけれども、障害者等に対して侮蔑などを行い、尊厳を傷つけるハラスメント行為についても、不当な差別的取扱いの基本的考え方で、差別的取扱いの一類型として書き込むべきであると思っています。これも先ほども出ましたが、障害者権利委員会の一般的意見6も参考とすべきだと思います。
 ③として、対象の拡大になりますけれども、障害当事者だけではなくて、障害者の家族や関係者への障害を理由とした差別をきちんと禁止すべきである旨を記載すべきだと思っています。また、過去に障害があったとされる履歴がある人とか、将来、障害を持つと思われる方、あるいは障害があると推測される方に対しての障害を理由とする不当な差別的取扱いもきちんと禁止すべきだと考えております。
 下に事例を挙げております。後でお時間のあるときに目を通していただければと思います。
 四つ目として、差別行為の正当化事由の話ですけれども、先ほどからもいろんな団体から意見が出ておりますが、事例を見ても、これはできません、あれはできませんということで、なぜできないかと理由、あるいはこれは差別ではないという理由、こういった差別的取扱いが正しいものであるといったような理由をきちんと説明しない場合が多いのです。ここには証明すべきであると書いていますけれども、少なくとも誠実な説明を行う。
 先ほど意見が出ておりましたけれども、理解を求めるものが望ましいという書きぶりでは、建設的対話なりを進めていくような記述にはなっていないと思うのです。まずはここら辺のことをきちんと書き込んでいただきたい。
 2番目の1の2です。不当な合理的な配慮の提供についてですけれども、まず過重な負担の基本的考え方について、不当な差別的取扱いの正当な理由と同様に、これはできないといったことを行政機関や事業者の方々が証明すべき、あるいは少なくとも誠実にその理由を説明すべきであると記載すべきだと思います。合理的配慮を求める側が過重な負担があるのかないのかというのは、情報は得られないからです。
 ここに事例を挙げておりますけれども、こういった事例もたくさんございます。
 1の(2)です。対話を行うためということなのですけれども、これは先ほどから申し上げているとおり、双方が理解を深めながらという姿勢はもちろん重要です。申し立てる側も理解をしていく。申し立てられた側もお互いに理解をしていく姿勢は、もちろん重要なのですけれども、先ほどの事例にも書いておりますが、両者の力関係によって対話にならない。立場的に弱い側に対して、一方的な通知や通告になってしまうことが多いのです。なので、こうしたことから、建設的対話をきちんと進めていくためには、丁寧な説明を求めたい。
 今まで事業者とか、行政機関の方に対して、いろいろなお願いをしていると申し上げてきましたけれども、誤解を避けるためにも申し上げたいことがあるのですが、私たちDPIの加盟団体、構成団体の多くは、自分たちの事業をやっているものです。なので、これは自分たちも含めてきちんと建設的対話、あるいは合理的配慮の提供を進めていくために申し上げていることを御理解いただければと思います。
 2の1です。相談についてです。事案のたらい回しを防ぐために障害者差別解消法の主幹省庁である担当になる行政機関や自治体などが、障害者差別解消法に特化したワンストップの相談窓口を内閣府に設置すべきであると思っています。
 事例を何個か挙げておりますが、二つ目の事例です。車椅子を利用されている障害者があるクリニックに施術を受けたいといって電話で申し込んだところ、車椅子では施術は受けられないと断られてしまうのです。杖を突けば何とか移動できることも伝えているのですけれども、全員断っていると言われてしまいました。いろんな人権関係ということで、いろんなところに相談したところ、法務局に回されたが、止まってしまったということです。結局、これは私たちDPIに相談が来て、いろんなやり取りを含めた上で解決できた事例にもなったわけですけれども、担当の部署がきちっと責任を持つ形で相談窓口を設ける。行政機関や自治体の方々に相談できるようなワンストップの相談窓口を内閣府に設置すべきだと思っております。
 2の②についてです。

○石川委員長 崔様、すみません、時間が大分超過しておりますので、結論を急いでいただきたいと思います。

○(特非)DPI日本会議 崔議長補佐 すみません。
 それでは、最後に環境整備ができていないということを理由にサービスの利用等が拒否されることが往々にしてあると、その事前の環境整備を推進するために、何とかここの基本方針で、今回、計画づくりに努めるとか、強調できないかと考えております。
 私からは以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 崔様、ありがとうございました。最後は急がせてすみませんでした。
 次に日本弱視者ネットワークの白井様、よろしくお願いいたします。

○日本弱視者ネットワーク 白井代表 日本弱視者ネットワークの白井です。
 私は弱視ですので、これからお話しするのに画面に近づいてしまって、顔がきっちり映らないかもしれないですけれども、御容赦願います。
 1の(1)について、申し上げます。
 行政機関が不当な差別的取扱いを行っていると考えられる場合、障害者が訴訟を起こすことはかなりハードルが高いため、内閣府等、第三者的な国の機関が差別解消支援協議会として斡旋するような仕組みをつくってほしいです。
 また、行政機関等及び事業者は、正当な理由があると判断した場合には、障害者にその理由を説明するものとし、理解を得るよう努めることが望ましいとありますが、理解が得られるよう建設的な対話の場を提供しなければならないと改定してほしいです。
 事例としては、弱視生徒が高校段階で授業に不可欠な拡大教科書を入手する場合、就学奨励費制度が適用される特別支援学校高等部では無償となり、高等学校では通常の検定教科書の数十倍に及ぶ費用負担が発生します。つまり法の下の不平等が生じているということです。また、個々の弱視生徒や保護者が3年間のうちに裁判を起こすのは、事実上不可能です。
 このように憲法違反や差別解消法違反が疑われるような問題の解決を怠っているような状態に対し、国の別の機関が国レベルの支援協議会としてしっかり解決できるような仕組みを作っていただきたいです。
 1の(2)の①について、情報保障手段として、拡大文字、点字、音声、電子データなどに変換して提供することは、過重な負担ではなく、合理的配慮の一つであるということを例示でもよいので、明記してほしいです。今後、民間の資格試験においても、合理的配慮は求められてくると思いますので、争点にならないよう、あらかじめ例示として示していただきたいと思います。
 1の(2)の②について、民間事業者と障害者個人の間では、何が合理的配慮で、何が過重な負担かという判断がそれぞれの主観に基づいた場合、対話が建設的にならないことが考えられます。過重な負担になる程度を具体的に数多く示し、妥当な合理的配慮が進むようにしてほしいです。また、建設的対話の前提として、正しい障害理解が進むようにしてほしいです。
 そこで、当ネットワークでは、「私の見え方紹介カード」を作成し、自分の見え方を周囲の人に理解してもらうためのツールを作成しました。これに順次、それぞれの障害で一般論としてまとめられることがあるのであれば、障害理解を促進するようなリーフレットを作成することも一案だと思います。
 2の②について、都道府県と市区町村には必ず障害者差別解消支援地域協議会を設置していただきたいと思います。啓発活動については、例えばACジャパンのような機関と連携し、メディアで伝えていくとか、SNSを活用するなど、今の時代に合った周知方法を進めていただければと思います。また、障害種別ごとに基本的な配慮事例をリーフレットにまとめ、配布していただければ有り難いです。
 兵庫県明石市では、レストラン等に対し、点字メニューや筆談ボードの購入費の補助を行っています。これは大変すばらしい事例だと思います。このような取組が他の自治体でも広がるよう、周知していただければと思います。
 最後に3についてです。社会全体を見渡すと、バリアフリーやユニバーサルデザインが必要な場面は、ほとんどの場合、合理的配慮を必要とする障害者が多数見込まれます。長期的なコストの削減・効率化という視点だけでなく、誰もが暮らしやすい社会を実現する上で環境整備が必要不可欠であるという主旨を、もう少し前面に出していただきたいと思います。
 例えば本の出版についてです。視覚障害者の中には、通常の活字本をそのままでは読むことができない人が少なからずいますので、仮に最初から障害者へのデータ販売を想定し、データを準備していただいていれば、お互いに難なく販売、購入へとつなげられます。これも個別の合理的配慮というよりは、多くの障害者のニーズを考慮した環境整備の成せる業だと思います。
 以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 白井様、ありがとうございました。
 続きまして、社会福祉法人日本身体障害者団体連合会の荻津様、お願いいたします。

○(社福)日本身体障害者団体連合会 荻津理事 日本身体障害者団体連合会の荻津と申します。よろしくお願いいたします。  今回のヒアリングに当たって、日身連では、全国の加盟団体に意見聴取し、それぞれの地域からの声を参考に意見書をまとめました。内容は提出してあるとおりですが、時間の関係もありますので、特に意見したいことについて、発言いたします。
 まず設問1の(1)の不当な差別的取扱いについてですが、基本方針の正当な理由の判断の視点で、行政機関及び事業者は、正当な理由があると判断した場合には、障害者にその理由を説明するものとし、理解を得るよう努めることが望ましいとありますが、差別はあってはならないことですので、ぜひ理解を得なければならないと文言を修正いただきたいと思います。
 設問1の(2)①の合理的配慮についても、努めることが望ましいと規定されていますが、事業者への合理的配慮の義務化にも伴い、望ましいを削除し、努めることと修正いただきたいと思います。
 ②の建設的対話に係ることでは、物理的や技術的制約、人的・体制上の制約を踏まえた実現可能性や、費用・負担の程度なども考え、事業者の方と一緒に代替え案を含めて検討するなどの対話の在り方が大変大事なことだと考えます。そこで、事例などを示し、再確認できるようにしていただきたいと思います。
 また、好事例の一つとして、私は茨城県民ですが、県内の五つの市では、合理的配慮に要する費用を補助する制度が住民からの要望で生まれました。こうした制度の活用は、合理的配慮を実現していく上で、障害当事者と事業者双方にとって大変有効だと思います。
 次に設問2の①の相談体制についてですが、相談解決への調整については、障害当事者、事業者双方によるところでの相談解決の難しさがあったりします。そこで、身近な地域で公平性を担保できる第三者的機関としての調整機関といった相談体制の枠組みをつくることが必要と考えます。ぜひ検討をいただければと思います。
 設問2の②の啓発活動や障害者差別解消支援地域協議会の課題等についてですが、障害者差別解消法は、平成25年に制定されました。法律の重要性・必要性は言うまでもありませんが、いまだに一般の認知度はまだまだ低い状況です。障害者自身の解釈も時に個人差があることが課題の一つであると考えます。日身連では、研修にも取り組んでいますが、障害者団体が率先して法律の理念、内容を再確認し、啓発活動を進めることが必要だと感じています。
 さらに地域協議会の担う役割の重要性から、特に市町村の地域協議会については、各種団体等の機関だけではなく、直接障害者と接する現に事業を営んでいる方などを構成メンバーに入れるといった仕組みを検討いただきたいと思います。
 設問3のその他ですが、地方公共団体における対応要領の作成は、今は努力義務となっていますが、ぜひ義務付けていただきたいと思います。市町村レベルでの条例制定の促進も重要なことです。さらには条例によって効果があるものは、国においても取り入れていただきたいと思います。
 また、議論のあるところだと思いますが、不当な差別的取扱いの対象範囲に家族、親族まで拡大することを検討いただきたいと思います。
 最後に、障害者差別解消法の改正が本年4月に成立しましたが、施行日が公布日から3年を超えない日とされました。改正法は、私どもも高い評価をし、大変期待しています。ぜひ3年を待たずに一日も早く施行されるよう、御尽力いただきたいと思います。
 以上のことをお伝えし、発言を終了いたします。ありがとうございました。

○石川委員長 荻津様、ありがとうございました。
 前半最後になりますけれども、公益社団法人日本てんかん協会の田所様、お願いいたします。

○(公社)日本てんかん協会 田所理事 日本てんかん協会の田所と申します。
 本日は、発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 既に多くの団体さんが具体的にいろいろな御要望をされていますので、私どもとしては、てんかんという病気とも、障害とも広く捉えられるものを対象としている活動の中から、特にてんかんを一くくりに取り扱えないのではないかというような経験上の部分から、少し話をさせていただきます。
 意見書の最後のところに書いてあるのですけれども、てんかんというのは、慢性疾患であることは間違いはないのですが、国の制度上は、精神保健福祉の制度とか、精神科の公費負担制度を利用できるようにしてもらっている関係から、精神の障害の枠組みが多いのですけれども、実際には知的障害や発達障害、また、身体障害の皆さんの中に合併をすることも多々あります。また、治らないという難治のカテゴリーもありますので、難病指定という部分にも関わりがあります。
 その一方で、てんかん全体から見たときには、圧倒的な数が適切な医療を受けることで、社会の中で大きな支援を受けることなく生活が可能だという病気でもあります。そんなような多様性を持ったてんかんを持った皆さんを、一くくりにてんかんがあるからといって、こういったような合理的配慮をすべきであるとか、支援サービスが必要だということを語ること自体が難しい状況にあるのではないかということは、日常の活動の中から感じています。
 私どもの会では、週3回ですけれども、全国からの相談を受ける中で、年間で1,200件ぐらいの相談を受けるのですが、多くの無知や誤解からの偏見に苦しんでいるという声を聞きます。それぞれを個別に見ていったときには、確かに皆さんがおっしゃるように、事業者とか、行政の理解からサービスを適切に受けられないこともありますけれども、一部には当事者の方々の感情的なものであったり、権利意識だけで相互の理解を求めるような活動ができていないという部分も少なからずあることは感じています。
 そういった部分から考えたときに、仕方のないことですけれども、ある程度のカテゴライズがあって、例えばてんかんというものの基本情報などを伝えてもらうようにして、それぞれの現場で患者さんや障害のある人たちの個別のニーズ、個別の生きづらさ、サービスの利用の必要性の部分をきちっとつなげられるような仕組みが必要なのではないかと思っています。
 その中には、皆さんが話されているような相談窓口は大変重要でありますし、ただ、これは行政が責任を持って設置するのはするのでしょうけれども、もっと実際に活動されている民間の活動などを利用しながら適切なアドバイスができるような、これは当事者にもそうですし、事業者や行政にも情報提供ができるような仕組みをつくってほしいと思います。
 さらにはそういったコミュニケーションがきちっと取れるような社会資源のリスト的なものを、参考になるものを国が責任を持って公開をして、そういったものが全国から活用できるようにしていく仕組みづくりが大切ではないかと思っています。
 多くの方々からお叱りを受けるかもしれませんけれども、私たちの活動の中では、一方的に事業所や行政に対して、こういったところが欠けているということを伝えるのではなくて、この人の場合は、こういったことに配慮してもらえると、安心してサービスが利用できますということを仲介して伝えることによって、トラブルの解消ができているのは実感していますので、そういった当事者間のコミュニケーションをどのように作っていくかというようなものが、現場や運用で使えるようなマニュアルといいますか、仕組み的なものが作られていくと、より生きやすくなってくるのではないかと思っています。
 以上です。

○石川委員長 田所様、ありがとうございました。
 以上で、前半に予定しておりましたヒアリングは終わりました。
 引き続きまして、質疑応答とさせていただきます。2番目に御報告いただいた全国「精神病」者集団から日本てんかん協会までの9団体からの意見陳述に対しまして、質問等がある委員は、チャットで発言の意思表示をお願いいたします。最初に片岡委員、お願いいたします。

○片岡委員 ありがとうございます。片岡と申します。
 1点だけ、環境の整備のところで日本身体障害者団体連合会さんから、実現可能性の程度ということで、物理的・技術的制約、人的・体制上の制約、費用・負担の程度等も考えて、事業者、行政機関とともに代替案を検討する建設的対話が必要だ、大事だということであったり、あるいはDPI日本会議さんから、資料の中に環境整備を推進するため、計画づくりなどを何か基本方針で強調することはできないかというようなことに関しまして、私も実際に公共施設にしろ、民間施設にしろ、ある程度ハード面のバリアフリー化には、特に費用がかかると考えておりました。
 この点が一つの壁になるのではないかとも感じております。国とか、行政から救済措置とするのか、実際にどうやって環境面の整備を図っていくのかということを考えておりましたときに、令和元年に石川委員長が権利条約関係の議論をされているときかと思うのですけれども、そのときにお示しになられている資料に、「将来志向非金銭的救済」という考え方があることに出会いまして、そのことを初めて知りました。
 こういったことを踏まえて、これは団体ヒアリングの先にある現実的なテーブルでの議論だと思われますけれども、もう少し両団体に現段階で御意見がありましたら、お考えをお聞きしたいと思って、挙手をさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

○石川委員長 日身連の荻津さん、お願いできますか。

○(社福)日本身体障害者団体連合会 荻津理事 日本身体障害者団体連合会です。
 今、建設的対話に係ること等の質問がありましたけれども、先ほども述べましたように、好事例の一つとして述べましたが、合理的配慮などを補助する制度が住民の要望で茨城では生まれました。全国で一番早かったのは、私の前に意見された団体の方もおっしゃっていましたけれども、明石市が全国で一番早いです。明石市は条例で定めましたけれども、茨城の場合は実施要綱で定めております。合理的配慮支援補助金交付要綱と市町村によって名目が若干違いますが、こうしたことで、補助金によって事業者に負担をかけないで全国に広まることは、私たち障害者が望んでいることだと思いまして、意見をさせていただきました。
 以上です。

○石川委員長 続きまして、DPIの崔様、お願いできますでしょうか。

○(特非)DPI日本会議 崔議長補佐 御質問ありがとうございます。
 私も石川委員長の話を聞いておりましたけれども、今、基本方針の中でできることを考えれば、中期的な計画を立てるように努めるとか、そういったことで、例えばそういった場合にはこれこれみたいなこととか、先ほど日身連さんがおっしゃったような地域での取組です。それも大して負担にはなっていないようなのです。なので、そういった自治体の取組も紹介しつつ、中期的な計画といったもので、いろんな資源を利用できるようにしていくみたいなことです。事業所だけでは絶対に無理なので、そういうことは難しいことが多いので、いろんな資源を使いながら計画を立てるとか、そういったことぐらいは書き込めるのではないかと思っております。
 長くなるので、以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 曽根専門委員、お願いします。

○曽根専門委員 曽根です。
 全国手をつなぐ育成会連合会様に2点御質問があります。
 資料の9ページには、全国「精神病」者集団様から、精神障害当事者のいわゆる会議への構成員を家族だけではなくて、当事者の構成員を入れていくための積極的な書きぶりを加える必要があるということがあるのですけれども、知的障害の方も同様の状況に置かれていると考えていて、全国手をつなぐ育成会連合会様として同様の御要望がないのかどうかを1点お尋ねしたいです。
 2点目は、知的障害の方の参政権に関する部分です。例えば知的障害の方が投票所に行って、投票開示を受ける場合の合理的配慮が不足しているとか、あるいは選挙公報がそもそも知的障害の人には理解できない形で交付されているとか、そういった問題があると思うのですけれども、そのようなことを基本方針の中に書き込むような御希望がないかどうか、この2点を御質問させてください。

○石川委員長 田中様、お願いします。

○(一社)全国手をつなぐ育成会連合会 田中専務理事 全国手をつなぐ育成会連合会の田中です。
 当事者の様々な分野への参画について、特に政府機関の委員の対応については、会としても大きな課題だと思っておりますので、対応策について具体的に検討してまいりたいと思いますし。皆様にもそのような段取りを御検討いただきたいということで、最後の発表の本人向けの情報提供をきちんと整えていくという意図には、そのような背景があります。
 また、参政権に関してですけれども、選挙委員会で様々な工夫をして先行している、特に東京の狛江市では、育成会と協調して環境整備に努めていただいた事例がありますので、会としてはそういった対応を求めて、様々な周知を図っているところですけれども、改めて検討の俎上に乗せていただくのであれば、お願いしたいと思っております。  以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 曽根専門委員、よろしいですか。もう一点ありますか。

○曽根専門委員 結構です。終わりです。

○石川委員長 そうしましたら、ろうあ連盟の石橋委員、お願いします。

○石橋委員 全日本ろうあ連盟の石橋です。
 ヒアリングの皆様、御説明をいろいろありがとうございました。
 私からの質問が一つあります。社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会の14ページ、コロナの蔓延の中で、当事者がマスクができない状況があるということで、マスクができない場合、どのようなマークをつけるのか、そんなことが分かるような表示があれば、教えてください。
 私どもろうあ者の場合は、コミュニケーションを取りたいので、顔の表情で雰囲気をつかむことになります。コロナの状況の中では、病院以外の場でもほとんどマスクをするという状態になっていて、相手の顔を見ても分からない、マスクを取ってほしいと思うときがあります。
 最初からマスクはできないと書いていますけれども、この場合はどのように意思表示をされているのでしょうか。カードか何かを使うのでしょうか。その辺りのことを教えてください。よろしくお願いします。

○石川委員長 長井様、よろしくお願いします。

○(社福)全国重症心身障害児(者)を守る会 長井法人理事 全国重症心身障害児(者)を守る会の長井でございます。
 私たちが申し上げたことは、不快な思いをする事例を紹介するパンフレットの作成をするときに、それに役立ててほしいということで、事例を紹介させていただいたわけでございます。その場面、その場面でマスクができる、できないということではなくて、障害のある方の中には、マスクをできない人がおります。例えば重症心身障害児者であれば、呼吸器をつけている方もいらっしゃいます。そうしますと、マスクはできませんので、そういう方もいらっしゃるということを知っていただきたい。
 障害の差別の解消のためには、障害の理解が必要だと思っておりますので、理解をしていただくためのパンフレットの作成をお願いしたいことを申し上げました。よろしくお願いいたします。

○石川委員長 続きまして、米山委員、お願いします。

○米山委員 全国児童発達支援協議会の代表として参加しています米山です。よろしくお願いします。
 ヒアリングで御発表された皆さん、本当にありがとうございました。私どもCDSは、障害のある子供に関係しているので、先ほど御発言のあった本人の意思表明権といいますか、精神障害の方々のときにもありましたし、あと、知的障害でも、そちらの田中さんからありましたけれども、子供は意思がまだまだ決定できないので、意思形成とか、子供としての意思表明も大事にしてほしいことは言っています。それを御本人、当事者から聞くことが必要だと思います。
 私の質問の内容なのですが、ちょっと変わりまして、18ページ、全国脊髄損傷者連合会の御発表にありましたけれども、いわゆる差別解消法の定義の中では、先ほどありましたが、いろんな障害の障壁、生活に対して制限を受ける状態ということでありましたけれども、差別の定義として、ちょうど障害者虐待防止法とか、児童虐待防止法の2条の項目に虐待の定義、身体、心理、性的、あるいはネグレクトとか、障害者は経済虐待がありますけれども、ちょうどそれと同じように、差別の定義は18ページにありますように、直接、間接、関連、複合、交差、それと合理的配慮とあって、これはすごく具体的になっていて、今後、事業者に向けては、具体的にこういう例が出るといいと思っていますが、この辺のところのいろいろな具体例というのは、連合会の皆様では、幾つか経験をされていらっしゃるのか。もし幾つか具体例があれば、お示しいただきたいと思いました。

○石川委員長 ありがとうございます。
 安藤様、時間が押しておりまして、できれば簡潔なお答えということでお願いいたします。

○(公社)全国脊髄損傷者連合会 安藤事務局長 ありがとうございます。全国脊髄損傷者連合会の安藤です。
 申し訳ありません。具体的にというと、今、持ち合わせてはいないのですが、先ほどDPIの崔様がおっしゃっていたような経験は私もあります。例えば4DXなどには私も断られて、映画を見せてもらえなかったことは、確かにああいう経験はしたことがありますけれども、直接差別とか、間接差別などの関連する差別という形で分類分けしてはいません。

○石川委員長 ありがとうございました。
 続きまして、大塚委員、お願いします。

○大塚委員 日本発達障害ネットワークの大塚です。
 質問は、全国手をつなぐ育成会連合会にお願いいたします。二つあります。
 一つは、合理的配慮の件において、コミュニケーションに困難を抱える人について、今のままではなくて、もう少し基本方針の中にアセスメントという言葉は適切かどうか分かりませんけれども、本人の状況などをよく考慮して、合理的配慮に取り組んでくださいということを入れた方がいいと思いますけれども、御意見はいかがですか。
 もう一つ、意思の表明です。重い知的障害の方などについてですけれども、今の状況の中において、本人を補佐して行う意思表明ということがありましたけれども、補佐ということは何を表しているのか分かりません。基本方針の改定の中には、補佐という言葉がもう少し明確になる、あるいは意思決定支援ということであれば、本人を支援して、最終的には本人が決めるような仕組みづくりみたいなことがありますので、意思の表明についても同じだと思っています。
 それとともに、家族の考え方として、あくまでも本人の意思表明、決定になるかもしれませんけれども、いわゆるソーシャルワークでいう代弁という、アドボケートということを入れるかどうか、言葉が誤解されやすいのですけれども、家族にとっては本人自身が表明できないということであれば、言葉はともかく代弁するということが必要だと思います。
 建設的対話というのは、言葉はきれいなのですけれども、具体的な内容が全く書かれていません。重い知的障害の方に建設的対話を働きかけることは何を意味しているかも含めて、具体的なことを入れておくべきか。ここも代弁ということが関係しているかもしれません。御意見を伺いたいと思います。

○石川委員長 田中様、お願いいたします。

○(一社)全国手をつなぐ育成会連合会 田中専務理事 アセスメントについては、ぜひ入れるべきだと思っておりますので、判断能力の確認、特性の理解、様々なアセスメントがあると思いますので、それはぜひ取り組んでいただければと思います。
 また、意思を支援する、もしくは補佐して行うという表現に関しては、基本的には意思決定支援、言葉としては長いので、代替えの言葉として短くして表現したと御理解をいただければと思っております。  その意味において、代弁という言葉を使うと、家族関係、特に親子の場合には、主体が親になりがちな今までの経緯がありますので、そこは慎重に取り扱うべきだと思いますが、時には代弁という言葉で強く擁護する必要性がある場合もありますので、そこについては、言葉の使い方を慎重に進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○石川委員長 ありがとうございました。大塚委員と田中様の御議論は大変重要なポイントだと思います。
 続きまして、三浦委員長代理、時間がないので、簡潔にお願いします。

○三浦委員長代理 7ページ、全国「精神病」者集団にお尋ねです。建設的対話の展開過程と留意事項と表現されています。建設的対話を概念と実践目標と思っていたので、実践方法として展開過程という言葉を使っておられるのだと思います。構成要素としてその他必要なもの、お考えのところがあれば、教えてください。  先ほど委員の方が退席というテロップが流れたので、その場合には石川委員長に教えていただければと思います。  もう一点は、DPIの21ページの1の(1)の①と②に賛成です。関連差別、間接差別、ハラスメント行為の差別的取扱いの一類型として書き込むべきであるという御意見に対して、崔さん、諸外国では基本概念として差別解消法に取り込まれているのかどうか、一般的な情報をお持ちのところを教えていただければと思います。  以上です。

○石川委員長 繰り返しになりますが、桐原様、短くお願いできますでしょうか。

○全国「精神病」者集団 桐原運営委員 全国「精神病」者集団の桐原です。
 建設的対話が実践目標であり、実践方法ではないということについては、そのようには理解してこなかったので、勉強不足なので、うまく答えられるかどうかは自信がないのですが、社会的障壁の除去のための手段や方法の一つとして、建設的対話があるという理解なので、その建設的対話について、一定の中身について明示的に書くことは、方法や手段、目標にかかわらず、一つのメルクマールとして運用を円滑にするものにはなるのではないかと思っています。

○石川委員長 ありがとうございました。
 佐保委員、お願いします。

○佐保委員 ありがとうございます。
 幾つかの団体の方からも、自治体の職員の研修ということが出ていまして、大事なことだと思っています。
 簡潔にDPI日本会議の崔さんにお伺いをします。23ページの一番下の②ですが、相互理解を深めるため、行政機関、事業者、障害者団体との研修を三者共同で行うと大きな効果が期待できる。私もそう思っているのですが、そういったところで先進的にやっている自治体を御存じなのかということです。もし御存じでなければ、後日で構いませんので、教えていただきたいということです。
 以上です。

○石川委員長 崔様、お願いします。

○(特非)DPI日本会議 崔議長補佐 石川委員長、三浦さんからの御質問があったような気もするのですが、よろしいでしょうか。

○石川委員長 後ほどゆっくりとお話をさせていただく機会があると思いますので、先を急ぎたく思います。

○(特非)DPI日本会議 崔議長補佐 御質問ありがとうございます。
 一緒に研修することは、正式な形としてはまだ聞いたことがないので、いろいろ調べてみたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 北川委員、お願いします。

○北川委員 ありがとうございます。知的障害福祉協会の北川です。
 不当な差別的取扱い、合理的配慮のところで、日本弱視者ネットワークの方から、高等学校の拡大教科書がなかったということをおっしゃられたと思うのですけれども、子供に関して教育的なところでもっと解決しなくてはいけない問題があると感じているのであれば、手をつなぐ育成会連合会と全国肢体不自由児者父母の会連合会にお聞きしたいのですけれども、簡潔でいいです。

○石川委員長 弱視者ネットワークの白井様、お願いします。

○日本弱視者ネットワーク 白井代表 何をお聞きになりたかったのかが分からなかったのです。

○北川委員 弱視者のところで拡大教科書がないということがあるように、ほかの教育のところで解決しなくてはいけない問題があるのかどうかということで、手をつなぐ育成会連合会と全国肢体不自由児者父母の会連合会にお聞きしたかったということです。

○石川委員長 すみません、着地のことを考えていたので、失礼しました。
 田中様、お願いします。

○(一社)全国手をつなぐ育成会連合会 田中専務理事 検討すべきことはたくさんあると思うのですけれども、簡潔に整理するには課題が多いので、またゆっくり整理していきたいと思いますが、基本的には情報提供に関して工夫していただきたいという趣旨は、どの分野にも共通しておりますので、教育に限ったことではないことも付け加えながら、教育にも求めてまいりたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 もう一団体、お願いします。

○(一社)全国肢体不自由児者父母の会連合会 石橋副会長 全肢連の石橋です。
 全国的な調査はしておりませんけれども、私の息子を例に挙げますと、教科書の拡大とか、答案用紙の拡大というのは、高等教育のときにはしていただけました。それぞれの教育委員会の対応によると思います。必要なのだということをきちんと伝えることが大切なのではないでしょうか。

○北川委員 ありがとうございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 後半でも関係ある団体からのヒアリングがございますので、そのときにまた改めてと思います。
 最後に岩上委員、お願いします。

○岩上委員 全国地域で暮らそうネットワークの岩上です。
 全国「精神病」者集団の桐原さんにお聞きしたいのですが、先ほど来、出ておりますけれども、地域協議会に精神障害当事者の構成員ということで、ほかにも構成員としてという話がありますが、こういったことが起きているのは、書きぶりを強調するのは私も賛成なのですけれども、実際、精神障害当事者への理解が進んでいないと認識しているのか、その辺の見解を教えていただければと思います。

○全国「精神病」者集団 桐原運営委員 ありがとうございます。
 まず精神障害の当事者団体がどういう活動をしているかということは、まだまだ十分知られていないことが背景事情として大きいと思っています。一方で、区分上、精神障害のジャンルから一団体みたいな形の選び方をしている行政の運用にも問題があると思っています。精神障害とくくって家族会が認知されているから家族会としてしまうと、当事者の入る余地はなくなります。なので、ここは区分自体を家族も当事者とそれぞれ違うのだと、入れるとしたら両方入れるべきなのだといったことを、運用の中でしっかりルール化しておくことによって、解決できる問題ではないかと思っています。

○岩上委員 ありがとうございました。

○石川委員長 ありがとうございました。
 予定しておりました時間から少し超過いたしましたけれども、ほぼ予定どおり、前半のヒアリングをこれで終わりたいと思います。
 ヒアリングに御協力、御参加いただきました各団体の皆様にお礼を申し上げたいと思います。本日はありがとうございました。引き続き当委員会宛てに御意見等をいただければ幸いでございます。
 それでは、ここで休憩を挟みまして、後半は3時30分より再開とさせていただきます。
 それでは、休憩といたします。
 休憩中は、マイクをオフ、カメラをオフにさせていただきたいと思います。

(休憩)

○石川委員長 それでは、ヒアリングを再開いたします。
 カメラをオンにしていただきたいと思います。  基本方針の改定に係るヒアリング後半では、9団体へのヒアリングを実施したいと思います。  事務局より、御出席いただいた皆様の御紹介をお願いしたいと思います。

○立石参事官 事務局でございます。
 ヒアリング後半におきましては、特定非営利活動法人全国言友会連絡協議会、岡部健一様。
 一般社団法人全国心臓病の子どもを守る会、神永芳子様。
 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会、木全義治様。
 特定非営利活動法人難病のこども支援全国ネットワーク、福島慎吾様。
 特定非営利活動法人日本高次脳機能障害友の会、濱田小夜子様。
 特定非営利活動法人日本失語症協議会、園田尚美様。
 一般社団法人日本自閉症協会、辻川圭乃様。
 公益財団法人日本ダウン症協会、清野弘子様。
 一般社団法人日本難病・疾病団体協議会、吉川祐一様の皆様に御出席をいただいております。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、前半と同様、まず各団体から、事前提出資料を基にして5分程度でポイントを御発言いただきたいと思います。最後にまとめて質疑応答を行います。
 ヒアリング後半の部の終了は、16時50分を目途としております。
 まず特定非営利活動法人全国言友会連絡協議会の岡部様、お願いいたします。

○(特非)全国言友会連絡協議会 岡部理事 分かりました。
 1の(1)です。正当な理由があると判断した場合はとありますが、これは理解を得るように努めることは望ましいと書いていますが、ちょっと弱いので、理解を得なければならない、あるいは理解を得るよう努めると直してほしいと思います。努力義務から実効性の強いものにしてほしいと思います。
 1の(2)の①です。これも過重な負担についてということですが、ここの文言も理解を得るよう努めることが望ましいとありますが、先ほどと同じように、理解を得なければならない、もしくは理解を得るよう努めるということで、理由は前と一緒です。
 大事なことは(2)の②です。業務内容に対して、障害者にどのような合理的配慮が過重な負担にならないかという検討ですが、それを書面に残した記録ということをしてもらいたいと思います。
 しかも、そのヒアリングの実施場所です。皆さんも御存じのとおり、吃音者というのは、場面で非常に症状が重くなります。そういう場面で聞いてもらわないと、実際によく分からない。ヒアリングの実施場所においては、障害者が普段利用している場所で行ってみてはどうかということを提案します。そのヒアリングの場所は、本人が話しやすい雰囲気ということがとても大事なので、配慮をお願いしたいと思います。
 根拠となる事例については、職場の上司とか、職場長がよく理解していますが、配属先の職員が全く分かっていないということで、非常につらい目に遭うことがあります。だから、配属先の職員さんに特に吃音とはどういうものかということを知ってほしいということであります。これが元で自殺をした人までいます。職場長はオーケーしたのに、現場の人の理解が全くなくて、練習してこいとか、そういう言い方をされた人がいます。
 次に2の①です。これが各相談窓口です。自治体によって差がありますので、これを統一してほしいと思います。しかも、吃音の人たちは、いろいろ要求することが下手ですので、今の状況ではハードルが高いです。このハードルを下げてほしいと思います。
 2の②です。これは一番大事なところですけれども、事例の収集・共有という文章がありますが、これは公開してもらったらどうかと思います。特に地域で吃音はこういうもので、こういうことに困っているということを共有してもらいたい。その際に障害のある人も、ない人も同じところで語り合うことがとても大事です。
 ちなみに、吃音という言葉、どもりを知っている大学生、しかも、教育学部ですが、知っている人はたった3割になってしまいました。今はしゃべらなくてもいいSNSとか、携帯などがありますので、どもりを知らない人が非常に増えてきました。その理解が乏しい一つです。障害のない人こそ情報を共有してもらいたい。
 もう終わりですが、啓発活動です。内閣府でされている障害者週間関連事業は、私なども毎年、そこでしゃべらせてもらっていますが、ほかにも啓発物の作成・配布等に力を入れてほしいと思います。
 ちなみに、来月の10月22日ですが、国際吃音啓発の日です。我々の団体は、いろいろな啓発グッズを配っております。それをもっと広めてほしいと思います。
 最後です。障害者差別解消支援地域協議会を組織することができると書いていますが、大事な役割ですので、組織しなければならないと変えてください。
 さらに私たちのことを私たち抜きで決めないでくださいという言葉がありますが、そういう言葉を協議会の中で、ぜひ当事者も入れて、そこで協議をしてほしいと思います。そういう取組をすることで、活性化するのではないか。ほかの障害者の方も同じだと思いますので、ぜひ当事者抜きでは決めないでくださいということを最後に言っておきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 岡部様、ありがとうございました。
 続きまして、一般社団法人全国心臓病の子どもを守る会の神永様、お願いいたします。

○(一社)全国心臓病の子どもを守る会 神永会長 全国心臓病の子どもを守る会会長の神永と申します。
 本日のヒアリングでは、先天性心臓病を持つ子供や患者、そして、家族の立場から、項目1の(2)合理的配慮の提供について、意見を述べたいと思います。
 まず障害児者本人だけではなく、障害児の親に対する合理的配慮の必要性を加えていただきたいことです。
 心臓病児は、急性期を過ぎても、体調管理のため、継続した通院や入院が必要です。重症な心疾患を持つ子供は、保育園、幼稚園への入園を申請しても、断られるケースが多いのが実情です。また、就学後には、学校から親の付き添いを求められたり、自宅での待機が必要とされたり、特に在宅酸素療法などの医療的な支援が必要な病児の場合には、それが顕著です。そのため、親が働くことを断念せざるを得ない状況になっています。
 今後、障害があっても安心して通える保育園、幼稚園や、親の付き添いなしでも通える学校にしていくこと、また、障害児を育てる親も社会とのつながりをもち、働き続けられるようにするための環境整備が必要です。
 さらに心臓病児が大人になっても、親がその生活を支えているケースも大変多く見られます。そうした場合にも同様の支援が受けられるようにすることも、これからの課題になります。  次に医療の進歩に合わせた配慮、シームレスな配慮を加えていただきたいことです。
 先天性の心臓病は、幼少期に最終的な手術まで行くことが多いのですが、手術を終えたとしても、生涯にわたり何らかの障害を抱えて生きていかなければなりません。先天性心臓病は、ほとんど根治することはありません。内部障害に共通の特徴として、受けた医療により障害の状態やそれによる社会的な障壁も変わってきます。
 年齢が進むにしたがって、幼少期から青年期、成人期へと状態は変わりますが、必ずしも成長により病状が改善するわけではなく、遺残症や後遺症のため、病気が悪化することもあります。それらの変化に対応した合理的な配慮が求められます。
 付け加えて、合理的な配慮の基本的な考え方のウ、意思の表明に関して、外見では障害が分かりづらい内部障害者ヘの配慮を加えていただきたいということです。
 心臓病患者のような内部障害者は、外見のみでは障害者と判断できない場合があることから、困っている本人の意思表明や社会的障壁を除去する必要性に周囲が気づきにくいことがあります。
 そこで、行政機関や事業者があらかじめ内部障害の特性について認識した上で、社会的障壁の除去をするためにどのような配慮をしてほしいのか、本人やその家族から聞き取ることが望ましいと考えます。第三者から見ると、障害を理由とする差別に相当すると思われるような事例でも、当事者がそう考えていないこともあります。当事者への事例周知を進めるとともに、相談窓口の周知も強めていただきたいと思います。
 事例として、当会が2018年に行ったアンケートでは、就労している心臓病者で、同僚の方に病気を伝えた人は、障害者雇用で35%、一般雇用では23%とかなり低い割合です。就労するに当たり、人事担当者には心臓病のことを伝えていても、職場の同僚には障害を理解されていないことが実態です。
 一方、仕事を辞めた理由では、6割が「体力的に働けなくなった」と回答、働く上で配慮してほしいことの一番(5割)は「体調に合わせた仕事」という回答です。必要な配慮があれば、離職しなくて済みます。内部障害を持つ患者は、離職後には生活の維持すら困難な状況も見られます。
 また、学校等においても、外見では分からない障害のために、授業や行事を欠席したり、体育を見学したりすることで、差別につながることもあります。就学時、進級時、就職時など、周囲と新たな関係を築く局面において、行政機関や事業者が周囲に外見では分からない内部障害がいることを理解される取組もしっかり行っていただきたいと考えます。
 以上です。

○石川委員長 神永様、ありがとうございました。
 続きまして、公益社団法人全国精神保健福祉会連合会の木全様、お願いいたします。

○(公社)全国精神保健福祉会連合会 木全副理事長 基本方針に関する意見は提出したとおりでありますが、この場では、合理的配慮の著しい欠如が差別を意味する精神障害者への社会的障壁の除去についてを中心に述べさせていただきます。
 かつて飛行機の搭乗を統合失調症という理由だけで拒否されたこともありました。アパートの不動産業者への入居募集のチラシに精神疾患者は拒否するという文面が入っておりました。両方とも地元の知的や身体の団体と一緒に抗議活動の結果、解決してきました。
 しかし、住居の確保というのは、家主等の差別意識によって、精神障害の人にとっては難題であります。航空機会社は、私たちは排除する必要がないと思っているのですが、お客が統合失調症の人と同乗するなら、搭乗をやめると言いますのでということを言っているわけです。また、不動産屋は、私たちはこんなチラシを入れたくないが、家主が言うので仕方がないと言います。家主に言うと、私はよいが、他の住民が精神障害者は困ると言う、これはまさに社会的障壁ではないでしょうか。
 また、ある精神障害者のヘルパーに来ていただいているわけですが、このヘルパーさんは、当事者が仕事をやっている間、ゆっくり休んでいるところを見て、その場は言わないのですが、後でほかの人にあの子は自分が楽をしたいからヘルパーを利用している、こういうふうに言っていたというわけです。身体的な状況は、健康そうに見えてもやりたくてもできないことが精神障害なのだということを、ヘルパーの方でも理解できていない。
 精神障害の作業所を地域の民生委員の方と一緒に見学する会があったわけです。事前に精神障害とはこういうものだというレクチャーをしてからの見学であるにもかかわらず、後から反省会というか、思いを皆さんに言っていただいたときに、あの人たちはもう少し積極的に動けないのか、どこも悪いところは見えないという言葉が出てきたわけです。
 人は分からないことには恐怖心を持ちます。当たり前です。学校教育の間から、既に小中学校のときに、世の中には誰でも可能性のある精神疾患という病がある、変わった行動は多少あるけれども、近所でみんなと一緒に暮らすことについて問題があるわけではないということを分からせる教育広報活動がどうしても必要ではないかと思うわけです。
 日本において、精神障害者が差別なく生活するには、日本の文化、慣習と心の問題が大きいと思います。日本は島国でありますから、多民族国家ではないわけです。異なったものに対する、異なった人に対する排除する気持ちは、日本人は特に大きい。これは日本に置かれた状況にあるから、我々は積極的に手を打っていかないと、この差別はなくならないと思います。これは一朝一夕に解決は難しい。そのために教育啓発は非常に大切な活動だと思うわけです。
 しかし、もう一つ、歴史的に見て、行政施策によって精神障害に対する不当な差別がつくり出されたことも非常に大きいと思います。障害者が行動することに対して、健常者が不利であるということを少なくするために、JR等の公共料金には割引があります。ところが、同じような障害者手帳を持っていても、現在、精神障害は対象外となっているわけです。もちろんだんだん改善されてきましたが、一部オーケーになっているものもありますが、圧倒的になっていません。JRはもちろんなっていないし、大手私鉄9社と言われているそのうちの西鉄の一つがやっているだけで、あとは全くやっていないです。
 病気になった場合、健常者に比べて困難な部分を助けるために、一定の等級を持っている障害者の医療費は無料であります。しかしながら、精神はほとんど除外されております。全国的にはまともに身体・知的と同じような条件でやっているところは4県だけです。今、我々が運動を一生懸命進めていますが、困難です。
 病院へ入院ということになりますと、病院には最低限の基準が法で決められています。しかしながら、精神科病棟は、そのほかの病院の病棟において、一般病棟に比べまして、医者は3分の1でいい、看護師は3分の2でいい、要するに精神は特別に劣悪な条件で入院させておいてもいいということが現在の状況です。
 最近、新聞で報道された神出病院というのがありました。これは病院の中で患者を虐待したということです。医療・福祉の世界では全くあってはならぬことが病院の中で起きているのです。過去にも多くの事件がありました。精神病院は特別だという差別意識を国民に与えております。
 このように行政施策が精神に対して知的や身体をより差別していることを正すことは、今、最も必要なことではないかと思います。人の心は変わるのに時間がかかりますけれども、施策によってつくり出された差別は、施策を正せば、即刻解決します。行政施策上の精神に対する差別を正しても、今、国民は大分理解が進みましたから、文句を言う国民はいないと思うのです。問題は行政がやる気になっていない。これを正す中で一般的な差別解消意識も高まると考えております。
 以上です。

○石川委員長 木全様、ありがとうございました。
 続きまして、特定非営利活動法人難病のこども支援全国ネットワークの福島様、お願いいたします。

○(特非)難病のこども支援全国ネットワーク 福島専務理事 難病のこども支援全国ネットワークの福島でございます。
 本日は、このような機会をいただきまして、ありがとうございます。
 お手元の資料に従って、お話をさせていただきます。
 一つ目の不当な差別的取扱いについての事例でございますけれども、校外学習であるとか、修学旅行など、そういったものも含む学校現場においては、安全の確保、あるいは多くの子供たちの管理をしなければいけないことを理由にして、参加の制限、あるいは機会の提供を拒否されることもいまだに多く聞こえてまいります。そのためには、差別の定義、概念の明確化を図ることによって、より実効性のあるものにするべきだと思います。
 また、反対解釈の乱用、つまりここに書いていないからやらないというような恣意的な解釈を防ぐための基本方針、あるいはガイドラインの策定・運用も並行して行うべきだと思います。
 二つ目の合理的配慮の提供です。こちらの事例としては、例えば学校現場において介助者、あるいは看護師がいない、そういった制度がないとか、人が見つからないことを理由にして、親の付き添いが求められるケースが大変多くございまして、私どももそういった相談を多数受けております。その要因として、例えば教育委員会、学校、保育所などの行政機関に属する人たちの合理的配慮の提供に対する意識が低いのではないかと感じることも多々ございます。
 意見としては、先ほどの不当な差別的取扱いの部分と重なる部分は省略しますけれども、それに加えて、行政機関における合理的配慮は、民間事業主におけるそれと比べてより高い次元のものが保証されるべきだと思います。民間の模範になるような強いメッセージをぜひ示していただきたいと思っております。
 続いて、合理的配慮の建設的対話についてでございますけれども、皆様も、今までお話しいただいているように、多くの困難事例においては、均衡を逸した、または過度な負担を理由にして、必要な合理的配慮の提供が拒まれてしまう。そこで話が終わってしまうことがほとんどであります。そういった情報や法令の知識の非対称性に対する配慮が必要なのではないかと思っております。
 合理的配慮の提供においては、当然のことですけれども、当事者及びその家族の完全参加と同意を条件とするべきでありますし、また、合理的配慮は当事者の個別のニードを基に規定されるものでありまして、前例がないことなどを理由にして、一律に上限、あるいは制限などを設けるべきではなく、均衡を逸した、または過重な負担を理由に合理的配慮の提供を拒む場合には、当事者または家族の求めに応じて、書面によってその理由と根拠等を開示するべきだと考えております。
 続きまして、相談体制です。こちらについては、相談窓口を明確化することとともに、ワンストップ化することが大事だと思います。また、第三者機関による調整、助言、指導、場合によっては不服申立て等の救済制度も確保するべきだと思います。
 啓発活動、協議会についてですけれども、地域協議会を活性化することが啓発の肝だと思いますので、協議会を活性化するための情報やノウハウの提供をぜひ行っていただきたいと思います。
 最後にその他ということでございますけれども、現場で日々困難と向き合っている当事者とその家族にとって、実効性を確保する、実効性を実感できる基本方針の改定を強く望みたいと思います。よろしくお願いいたします。

○石川委員長 福島様、ありがとうございました。
 続きまして、特定非営利活動法人日本高次脳機能障害友の会の濱田様、お願いいたします。

○(特非)日本高次脳機能障害友の会 濱田副理事長 濱田です。よろしくお願いいたします。
 1部と2部の皆さんの御意見をお聞きしていて、同じような要望がかみ合っています。特に高次脳機能障害は、精神障害の枠に入っておりますが、身体や知的障害、発達障害とか、精神障害の方とも症状がほとんど似ているところが多いので、皆さんの意見と同意見だと感じております。
 この場では、高次脳機能障害の特性のところと、一番の問題点だけをお話しさせていただきたいと思います。
 合理的配慮の提供の2番目のところで、障害者と事業者または行政機関との双方の建設的対話を行うためという項目の中に、本人だけで対話をするのではなく、必ずその人をよく知る家族、あるいは支援者になると思いますが、そういう人を交えての話合いを持ってもらわないと、うまく解決策は見つからないと思いますので、そこをお願いしたいと思います。
 相談の窓口ですが、相談も私は障害者差別解消支援地域協議会の県と政令指定都市の委員にもなっておりまして、その差別解消の委員会に参加して思うのは、高次脳機能障害者が差別されたという意見はほとんどありません。というのは、本人も差別を受けたとは思ってもないし、何が差別なのかが分かっていない、判断ができない状態なのです。そういう状態なので、まず周りの人にこの人は何だか変だと思われるのではなく、障害を理解してもらうことが一番の支援だと思っていますので、啓発を主に望みたいと思います。
 啓発ですが、私は広島なのですけれども、啓発の一環として、行政とタイアップして、共同の研修会をいつも実施しております。高次脳機能障害というのは、病院の先生でさえ見抜くことができません。社会に出て初めて分かる障害なので、家族や日々生活を共にしている人が一番よく分かっているのです。そういう人たちとともに行政の人との研修会とか、ケアマネジャーさんとか、福祉施設の人たちの研修会に家族会の団体である法人が協力して、専門職も交えながら研修会を実施しております。そういうことを全国に広めていただけたら有り難いと思っています。
 それと、私が障害者差別解消支援地域協議会の委員になっておりますが、ほかの地域の団体の方に聞くと、高次脳機能障害の家族会の人が一人も入っていない委員会が多いのです。それでは高次脳機能障害の困り事が全く地域に理解してもらえない、行政にも理解してもらえないと思いますので、まずはそこを入れていただきたいということを国の方針からでもやっていただきたいと思います。
 最後になりますが、基本の中の障害者は誰になるかというところがあります。障害者基本法の第2条第1号に規定する障害者は、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)となっております。ここのところに発達障害、高次脳機能障害という文言をぜひ入れてほしいです。これがないと、障害者基本プランを立てるところでも、そういう高次脳機能障害という文言が一つないことで、地域への啓発がとても遅れていると思いますので、これはよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 濱田様、ありがとうございました。
 続きまして、特定非営利活動法人日本失語症協議会の園田様、お願いいたします。

○(特非)日本失語症協議会 園田理事長 日本失語症協議会です。本日はありがとうございます。
 提出した解答用紙に従って、発言させていただきます。
 第一に、行政、事業者が講ずべき項目として、失語症者の基本的人権の保障をお願いしたいと思います。
 失語症者の身体障害者等級が障害の重さに比例していないこと、稼得能力の低い失語症者の障害年金が適切でないこと、回復期病院退院後の失語症の機能訓練施設がないこと、障害者総合支援法による機能訓練期間が障害全てに一律であり、長期間のリハビリが必要な失語症状に対して効果が反映されていないこと、失語症者の基本的人権の意思疎通に関わる支援がないことなどがございます。
 2、合理的配慮の提供といたしまして、失語症者に対する合理的配慮は、多種類のコミュニケーション環境の整備です。自治体職員等の失語症の症状の研修を望みます。
 関係のある全ての人が失語症の特性を理解し、種々のコミュニケーションの方法を技術面で会得するなどして、失語症者のニーズを把握していただきたいと思います。
 行政等との建設的な考え方です。行政として多くの障害を一律に見ることなく、それぞれの障害の特性をよく学び、理解し、それぞれの障害者団体との話合いを重ね、障害別に合理的配慮に対する施策を深慮し、実施に移ることが必要です。
 日本全体にそれぞれの障害を持つ方々の人数の把握、生活環境の把握それぞれに何が必要で、何が不要か、障害一つ一つに必要な合理的配慮等を考察し、効果的な施策を実施することが必要です。
 2の①、障害を理由とする差別に関する相談体制が必要です。
 そもそも失語症に特化した専門の相談機関がないため、地域で暮らす失語症者には多くの不利益が存在しています。一般の高次脳機能障害支援センターの相談窓口では、失語症の理解がないため、相談しても良い回答が得られず、相談すること自体に失語症者に抵抗があります。
 また、公立の相談体制が設置できないときには、民間専門事業所への相談体制の委託などが必要だと思われます。
 2の②、障害を理由とする差別に関する啓発活動等です。
 世の中の全ての人々が大勢の人と違う少数の人々の差別をなくすべく努力すること、多数の論理を排除することが必要です。
 日本の教育、保育園、幼稚園、義務教育期間の中で、自分と違う人間、あるいは物への差別を解消するような教育をすること、差別を助長するような言動、行為等の植えつけをなくすことが大事です。
 特別支援学級などを区別することを廃止し、幼い頃から同じ空間、同じ場所を共有し、教育すること、さらにそのような教育を実行できる人材を育成することなどが必要です。
 その他、まとめとして、現在の身体障害者手帳の認定サービスの在り方にも、個々の障害に対し適切ではないと思います。失語症が身体障害等級認定3級、4級しか認められていないこと、失語症の症状の重さと認定の基準に大きな乖離があること、さらに身体障害者手帳サービスの中には、失語症に対する有効かつ具体的、効果的な支援がないことは、大きな差別であると確信します。
 失語症者は、コミュニケーションの障害でありますから、この情報社会の中で最も就労に困難な障害であり、稼得能力において著しく困難な状況に直面しているにもかかわらず、障害者年金の等級において、単独2級以下の制度しかないことは大きな差別です。
 失語症の回復には、失語症には根治はないのですが、長期間の訓練が必要とされています。現在の回復期病院でのリハビリテーションは180日のみ、これは障害特性を無視した大きな差別です。さらに回復期病院退院後の地域でのリハビリを実施する事業所のないことは、失語症者の社会参加等を阻んでいる。それぞれの障害に適したリハビリ期間及びリハビリ施設がないことは、失語症に対する差別にほかならないと思います。
 以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 園田様、ありがとうございました。
 続きまして、一般社団法人日本自閉症協会の辻川様、お願いいたします。

○(一社)日本自閉症協会 辻川副会長 日本自閉症協会副会長の辻川圭乃です。よろしくお願いいたします。
 自閉症スペクトラムは、連続体という意味のスペクトラムということからも分かりますとおり、症状などが曖昧な境界を持ちながら連続している障害です。ですから、障害特性の出方も、強弱も、実に様々です。どのような障害でもそうですが、知らなければ非常に理解し難い、分かりにくいという特徴が顕著な障害でもあります。そのため、不当な差別的取扱いについても、障害特性を知らない人から見れば、それが差別的取扱いであると気づかずに行っていることが多くあります。
 お手元の資料に挙げましたマスクの例もそうです。自閉症のある子に感覚過敏があって、マスクの着用ができないと伝えたところ、宿泊を断られたという例ですが、自閉症の障害を理由として宿泊拒否をしたわけではありませんが、自閉症の特性である感覚過敏によってマスクができないことを理由としての拒絶であって、障害に関連する差別的取扱いです。不当な差別的取扱いには、差別の定義を明確化していただき、直接差別だけではなく、関連差別や間接差別についても含まれることを明記していただきたいと思います。
 また、どのような合理的配慮が必要なのかについても、人によって多種多様です。しかし、自閉症の人の特徴として、コミュニケーションの障害があります。そのため、自分でどのような合理的配慮が必要かを適切に述べることが困難です。従前の基本方針では、意思の表明が困難な場合は、家族や介助者等が代わりに述べるとされておりますが、いつも家族や介助者等がそばにいるとは限りません。権利条約は、合理的配慮の提供につき意思の表明を要件とはしておりません。
 お手元の資料にも示しましたとおり、自閉症スペクトラムの人たちにとって、命に係わることもあります。ぜひ合理的配慮を必要なことが明白な場合は、意思の表明がなくても、合理的配慮を提供すべきであると基本方針に明記していただくことを強く希望いたします。
 さらにどのような合理的配慮が必要なのかについて、ほかの団体の皆様も仰っていることですが、障害特性をよく理解した専門的知見のある人の協力を得ることを明記してください。
 今回、発達障害者支援センター等の協力を得て、無事ワクチン接種ができた例をお手元の資料に記しておりますが、合理的配慮として視覚的支援をすることで、皆、パニックになることなくワクチンを打つことができました。後でぜひお手元の資料にございますホームページにアクセスして、合理的配慮の好事例として、支援ツール等を御覧になっていただけたらと思います。
 そのほか、自閉症の場合、相談すること自体が苦手であるという障害特性があり、被害が発覚しにくく、発覚したときには取り返しのつかないほど重篤な事態になることも少なくありません。障害をよく理解した者と協力、連携していただきたいと思います。
 また、同様のことは紛争解決にも言えますので、ワンストップの紛争解決まで可能な独立した機関の仕組みを入れていただきたいと思います。
 本日は、当協会の意見を聞いていただきまして、ありがとうございます。今後とも自閉症スペクトラムの人々を含む当事者の意見を聞いていただき、施策に生かしていただきますよう、お願いいたします。
 以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 辻川様、ありがとうございました。
 続きまして、公益財団法人日本ダウン症協会の清野様、お願いいたします。

○(公財)日本ダウン症協会 清野理事 日本ダウン症協会の清野と申します。よろしくお願いいたします。
 意見書に出させていただいた順番でお伝えしたいと思います。
 1の(1)のところなのですけれども、意見のところです。不当な差別的取扱いについて、具体的な事例を示し、障害理解と差別解消について、普及啓発をより強く進めていただきたい。典型的に不当な差別的取扱いに該当する事例とし、医療機関、学校等、障害のある人が頼るべき行政機関、事業者における障害のある人の存在、価値を否定するような言動も聞かれます。障害のある人の家族に対する不当な差別についても、これが許されないことを明記していただきたいということです。
 事例なのですが、ダウン症のある子の目の前で母親に対して、出生前検査を受けなかったのかという発言が医師やスクールカウンセラーからなされた事例が多数報告されています。近年、出生前検査の広がりから、ダウン症がある子が生まれてくることについての否定的な言論がさらに広まることが懸念されています。
 この検査(NIPT)が始まった時に、ダウン症協会として、報道機関に向けたコメントがあるので、読ませていただきます。
「当協会は、一貫して出生前検診を一人ひとりがどう理解し、選択するかについて、賛成や反対の意見を表明するものではないとの立場をとっておりますが、この検査や検査に関するカウンセリングの在り方、それに関する情報提供の在り方が、現在生きているダウン症のある人達、これから生まれてくるダウン症のある子達とその家族に対し、差別を助長したり、これからの人たちを傷つけたりすることを懸念し、そのようなことのないよう、検査やカウンセリング、情報提供に当たって配慮していただくことを切望しております。現に最近の報道を見聞きし、不安を感じたり、動揺しているダウン症のある人たちがいます。ダウン症のある人の中には、報道を理解できる人が多数います。もしダウン症という言葉を前面に出した報道の姿勢の根底に、ダウン症のある人には報道の内容の意味が把握できないであろうという考え方がわずかでもあるとすれば、それ自体が重大な人権軽視による誤認であると考えます。ダウン症のある人の中に、ダウン症があっても、社会の一員として豊かな人生を生きていることを発信し、差別や偏見の解消のために声を上げている人もいます。」
当協会から、以前より出生前検査の報道に当たって、ダウン症のある人たちにも社会的影響力の大きいマスメディアの使命とし、上記のようにダウン症のある人たちの声を取り上げ、差別や偏見のない社会の実現に有意義な報道をしていただきますようにというお願いを書面で提出しました。そのこともありまして、ここでは出生前のことをあえて取り上げさせていただきました。
支援学級への入学を希望したダウン症がある児童と保護者に対して、支援学級の先生が、「地域の学校と言いますが、卒業後のつながりはありません。強いて言えば、お店にこの子たちを連れて行って、顔を覚えておいてもらうとよいでしょう。この子たちは地域の不審者なので」という発言したことを聞きました。こういうことは絶対にあってはいけないことだと思っているので、価値観を否定するような言動はないようにと、ぜひ書き込んでいただけたらと思っております。
 相談体制のところなのですが、相談のたらい回しがなくなるようにしていただきたい。例えば療育機関の相談窓口を探したところ、障害福祉課に行くようにと言われ、また、障害福祉課に行くと、保健師さんに聞いてくださいと言われ、とにかくたらい回しにされてしまった。という相談が寄せられています。ダウン症は生まれる前、または生まれてすぐに分かる障害です。先のことを思い、早めにいろいろ相談したいと思う親御さんが多くいます。今、乳幼児期を支援する仕組みは、大きく体制も整ってきていますが、福祉に関わることと子育支援の仕組みが入り交じっていて、抱っこして動かなければいけない母親にとって、ワンストップの相談窓口はとても大切になると思いますので、ぜひたらい回しがなくなるような仕組みを整えていただきたいと思います。
 あとは、提出させていただきました意見書を見ていただければと思います。
 以上です。

○石川委員長 清野様、ありがとうございました。
 最後になりますが、一般社団法人日本難病・疾病団体協議会の吉川様、お願いいたします。

○(一社)日本難病・疾病団体協議会 吉川代表理事 こんにちは。日本難病・疾病団体協議会代表理事の吉川と申します。よろしくお願いいたします。  私どもは、難病、そして、長期慢性疾患、小児慢性特定疾病、こういった患者、家族を主な構成員とする全国組織です。
 難病といいますと、外見からは分からない内部疾患を抱えた方がたくさんいらっしゃいます。症状も疾患によって多種多様という特徴がございます。
 もう一点、難病も障害者に含まれるということです。こちらは法の第2条にもありますとおり、障害者の定義のその他の心身の機能の障害がある者のところで規定をされているということを、前置きとして述べさせていただきます。
 ヒアリング項目に沿って意見を述べてまいります。まず1の(2)のところです。合理的配慮の考え方についてのところですが、合理的配慮はとてもいい言葉だと思います。ただ、とても便利というか、都合のよい言葉でもあると感じております。個々のケースで何が合理的かというところが難しいだろうというところなのです。
 具体的事例を積み重ねてガイドラインを作るといったところがルール化、見える化としては大事なのだと思いますが、私がここで述べたいのは、法の第1条にもある基本理念がベースにあっての制度なのだというところを確認したいと考えています。
 例えば困っている人が目の前にいたら、重そうに荷物を持っている人がいたら持ってあげるとか、そういったところなのです。ルールも大事なのですが、人間性というところを育むような法制度であってほしいと願っております。
 次に参ります。1の(2)の②のところです。建設的対話に必要なことですが、こちらにつきましても、先ほどと同様です。基本的な理念を大事にして、双方が思いやるところから対話が始まると考えております。
 その対策としては、インクルーシブ教育という言葉があるかと思いますが、その考え方を取り入れた事業者の研修など、こういったところを整備することが大事だと考えております。
 根拠となる事例のところなのですが、建設的対話がうまくいかなかった事例ということで、私どもは加盟団体に向けてアンケートを取りました。その結果から見えてきたところを御紹介いたします。
 まず事業者の取組として研修・啓発が明記されているのですが、業種ごとに偏りがあるところが分かりました。介護福祉関係事業所などでは積極的に取り組まれているという傾向がありますが、例えばある企業によっては、合理的配慮に関する規定もないような実態が見えております。
 続きまして、2の②についてです。啓発活動についての課題について、意見を述べます。
 先ほど申しましたように、難病患者は外見からは分からない内部疾患を抱えた方がたくさんいらっしゃいます。なので、啓発が非常に難しいと常々感じております。現状の基本方針の第2の1の対象範囲のところには、その他の心身の機能の障害(難病に起因する障害を含む)と難病という文言が記載されております。これは非常に有り難いと思っています。
 また、内閣府で作成されているリーフレットの『「合理的配慮」を知っていますか?』にも難病という文言が記載されております。
 これらのように全ての目に触れるものに難病という文言をぜひ明記してほしいということを要望いたします。ここが不十分なために、啓発が進んでいない現状があります。
 さらに踏み込んで、いろいろな難病の特性がありますので、例えば難病での慢性的な痛みとか、倦怠感、ある人は食事や運動の制限などの外見からはわからない症状や制限を人知れず抱えて頑張っている、そういうような者もいるところを具体例としてリーフレットなどに書いていただけると、啓発に役立つと考えております。
 その他のところで、難病という文言を必ず明記してほしい。これは基本方針ではないのですが、できましたら、大本となる法の第2条の障害者の定義に難病という文言を明記してほしいところは切にお願い申し上げます。
 あと、障害者手帳を持っている方は、難病患者の中では3割程度と言われております。今、手帳ありきという運用が否めないところがありますので、そういった手帳の有無によって支援が差別されないような対策を要望します。
 最後になります。情報の収集、整理、提供のところなのですが、統計データを見ますと、難病のところの区分がないために、その他大勢に含まれていて、実態が分からないといったデータをよく目にします。なので、難病という区分をしっかり設けて、統計データを作成し、公表していただくことも啓発につながると考えております。
 以上です。

○石川委員長 吉川様、ありがとうございました。
 以上、後半ヒアリングの9団体からのお話を全て伺いました。
 残りの時間は、委員からの質問を受けまして、各団体からお答えをいただきたいと思います。
 それでは、質問のある委員は、チャットメッセージにて意思表示をお願いいたします。曽根専門委員、お願いします。

○曽根専門委員 曽根です。
 日本自閉症協会様と日本ダウン症協会様に質問させていただきます。
 前半の意見発表の中で、全国「精神病」者集団様から、これは差別解消支援地域協議会ということにはなっているのですけれども、例えば行政機関が開くような公的会議に家族団体だけではなくて、当事者を構成員として含めることを基本方針に書くべきだという御提案がありました。
 自閉症協会様も、ダウン症協会様も、広く知的障害を伴うところでは、全国手をつなぐ育成会連合会様と同じ状態を持った方たちが支援対象になると思うのですけれども、このようなことを基本方針に含めることについてのお考えをお聞かせいただけたらと思います。これが1点です。
 あともう一点、これも全国手をつなぐ育成会連合会に御質問させていただいたのですけれども、いわゆる参政権の関係で、投票所における合理的配慮と、今の規制ですと、候補者が作った原稿しか選挙公報に載せられないということから、分かりやすいものが作れない現状があります。ただ、こういったものを作ることを各自治体の選挙管理委員会などの合理的配慮の責務みたいな形で、基本方針に含めることについてのお考えをお聞かせいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

○石川委員長 まず自閉症協会からお願いいたします。

○(一社)日本自閉症協会 辻川副会長 自閉症協会の辻川です。
 今の点につきましては、当事者の参加につきましても、選挙活動についても、全面的に賛成したいと思います。
 以上です。

○石川委員長 続きまして、ダウン症協会、お願いいたします。

○(公財)日本ダウン症協会 清野理事 ダウン症協会の清野です。
 本人が参加できるのであれば、参加をしていきたいとは思いますが、本当に有意義に参加するとなれば、しっかりとした支援体制ができていないと難しいと思っています。
 選挙についてですが、当協会がこのアンケートを行った中で、「選挙の際、投票会場での対応が、近年、非常によくなったと感じる。」と好事例として上がってきました。ダウン症の方たちは、意外と選挙が好きだったりするので、周りからの情報を聞きながら自分で選ぶことは、多くの方がされているので、投票に関しては、参加していけたらいいのではないかと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 続きまして、玉木委員、お願いします。

○玉木委員 玉木です。
 今日は声が聞こえていますでしょうか。

○石川委員長 非常にクリアに聞こえています。

○玉木委員 ありがとうございます。
 皆さん方、御丁寧な意見発表をありがとうございました。
 特に日本自閉症協会にお伺いしたいのですけれども、23ページでも言われていた合理的配慮の提供の必要性が明白であって、自主的な取組に努めるのではなく、積極的に合理的配慮を提供すべきであることは、全くもって私も同じなのですけれども、一方で、過重な負担がない限りというところで、言い方を悪くすると、切り抜けようとする人たちも出てくるはずなのですけれども、できないのではなくて、どうやったらできるのかということを評価されていくことだと私は理解しているのですが、ここでいう積極的に合理的配慮を提供すべきであることをもう少しお聞かせいただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 玉木委員、ありがとうございます。
 お願いできますでしょうか。

○(一社)日本自閉症協会 辻川副会長 まさしくそのとおりだと思います。合理的配慮の場合は、いろんな提供の形がありますので、どれがいいかということになると思います。
 過重な負担につきましても、全く0か、100かということではなくて、どの程度ならできるかということになると思います。それらを知るために、まず、自閉症の方の場合ですと、例えばコミュニケーションボードなどを使って、何とかコミュニケーションを取ろうとしていただきたいと思います。
 その上で最終的に合理的配慮の提供ができないこともあるかもしれませんが、まずは声をかけることから、それ自体は過重な負担ではないはずですので、それをすることを義務付けていただきたいと思います。
 以上です。

○玉木委員 ありがとうございました。

○石川委員長 ありがとうございます。
 玉木委員、ほかの方にも質問はありますか。

○玉木委員 質問は以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 了解です。
 米山委員、お願いいたします。

○米山委員 米山です。
 ヒアリングで御発言いただいた皆様、どうもありがとうございます。大変勉強になりました。
 一つ、全国心臓病の子どもを守る会の方に御質問なのですが、先ほど高次脳機能でも説明があり、難病でも少しありました。いわゆる障害の対象範囲のところでは、内部障害というのは身体障害に含まれるということで、心臓病も入っていて、手帳を持っている方も、軽いから持っていない方もいらっしゃると思うのですけれども、身体障害の中に視覚、聴覚、平衡機能、ここに吃音が入っていて、入っている地域もあるかと思います。あと、肢体不自由、内部障害とあって、内部障害の中に様々あります。
 そこの部分の範囲をもう少し細かく範囲を記載していくといいますか、範囲のところに書き込んでいけばいいのかと、今、実際には高次脳機能障害、あと、先ほどの難病に起因する障害のような文章、女性と子供ということも書いてありますけれども、そこに書き込んだらいいのかということです。
 私もちょっと疑問で、私自身がそういう診断書を書く身でもあったり、小児科医でもあるので、教育の分野では幼弱という言葉でのいろんな配慮事項が、大学の共通テストなどでも幼弱という名前で入れていただいたり、国家試験などの場合は内部障害、あるいは難病等のような文言で配慮、希望申請が名前で上がっていますので、その辺のところが今の対象の範囲を明確、もう少し詳細に記載するという御意見でよろしいのか、守る会の心臓病の内部障害の代表みたいな形で御意見をいただけたらと思います。

○石川委員長 神永様、お願いします。

○(一社)全国心臓病の子どもを守る会 神永会長 先ほどの発言の中で十分に話し切れなかった部分の補足が、今の先生からの質問の答えになるのではないのかと思います。心臓病の障害というのは、内部障害の中で分かりづらいこともあるのですが、実は重複の障害の方も多くいらっしゃるのです。心臓病児の1割から2割、ある一定程度の方たちに発達障害をお持ちの方たちがいます。また、心臓病とともにダウン症であるとか、遺伝性疾患等をお持ちの方や、大人になっては、二次障害として精神障害を持つ方もいます。うちの娘もそうなのですが、そのように重複した障害があります。
 今、先生のお話のように、障害の範囲をきめ細かく分けることに切りがなかったり、あるいは重複していたりということもありますので、細かく分けるような考え方よりも、むしろその人のニーズに合わせたとか、何をしてほしいのか、どういうことが非常に困難なのかということをきめ細かく見ていただいて、その人の障害に合わせた支援が図られることが一番望ましいのではないのかと思います。
 障害がある、なしという判断だと考えますと、どこかで線引きをしてしまって、支援を受けられる、受けられないという形になりますので、その人が何らかの困難を抱えていることがあったら、それは全て障害という見方をした中で、どういう支援が必要なのかという形で、合理的な配慮をしていただく方向に考えを進めていただけたらと思います。
 また、障害という表現の中には、平仮名を使って表現されたり、病弱という表現が非常に否定的なイメージを描かれたりということもありますので、範囲を細かく限定するときの表示の仕方には一定の配慮が必要なのかと思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 阿部委員、お願いします。

○阿部委員 阿部と申します。いろいろとお話をありがとうございました。
 教育の場において、付き添いということで御家族の負担が多いことについて、3団体の方からお話をいただきました。全国心臓病の子どもを守る会、難病のこども支援全国ネットワーク、日本ダウン症協会、ほかの団体もあったらすみません、聞き逃していたら申し訳ありません。その付き添いの点で困ることは、地域性はあるものなのか、好事例はあるものであれば、そして、うまくいっている地域があるのであれば、それを例示していろいろ改善していただくことは大事なことだと思いました。合理的配慮というよりも、改善なのかと思ったもので、その辺のところで、3団体の神永様、福島様、清野様によろしくお願いいたします。

○石川委員長 3団体にということですので、まず神永様からでお願いします。

○(一社)全国心臓病の子どもを守る会 神永会長 付き添いの問題は、心臓病児のお母さんたちは、皆さん、本当に苦労されています。心臓病というだけで、一般の方もそうだと思うのですけれども、特に学校では突然死とか、事故につながることを心配されるために、過度な付き添いを求められることが非常に多くございます。
 そういう中で、今、地域的な違いがあるのかというお話がありましたが、地域的な違いも多少はあるかとは思いますが、実は学校ごとによって大きな違いがあります。ですから、その子が通う学校の教職員の方々へどのように理解を進めていくかというような、そういうところを進めていくことによって、酸素補充療法をしている酸素ボンベを持っているようなお子さんでも、親の付き添いがなく通われたというような事例もあります。いかに理解をしていただくかが非常に大事なことなのではないのか。そのためには、学校との相談が大事だと考えております。
 もう一つだけ、医療的ケアは、心臓病児が全員医療的ケア児と思われがちなのですけれども、心臓病の方は、酸素をしていなくても、服薬であるとか、貧血を起こしやすいであるとか、不整脈の問題などがありますので日常的に医療が必要です。医療的ケア児イコール心臓病児ではないということも含めて、御理解をいただけたらと思います。
 長くなりました。

○石川委員長 福島様、お願いします。

○(特非)難病のこども支援全国ネットワーク 福島専務理事 御質問をありがとうございます。難病のこども支援全国ネットワークの福島です。
 先ほどもお話をさせていただきましたように、学校の現場では安全が確保できないとか、ほかの子供たちもいるから目が行き届かないとか、あるいは介助者がいない、看護師がいない、介助員がいないという理由で親の付き添いが求められるケースが本当に多いのですけれども、地域によっても違いますし、就学先によっても違いますし、校長先生によっても非常に違っていて、大変苦労する場面なのです。
 親の付き添いの問題については、もちろん親の負担もあるのですけれども、それにプラスして子供の自立にぜひ目を向けていただきたいと思っていて、小さいうちはまだしも、大きくなって、一生の思い出の修学旅行に親が付き添うとか、そういったことは本当に極力なくしたいと、親としても思うし、多分子どもとしてもそう思うと思いますので、そういった辺りを必要な合理的配慮を提供することによって、担保していただきたいと思います。
 学校は、行政機関が多いわけですけれども、先ほども申し上げましたとおり、合理的配慮に対する理解が非常に薄いといいますか、行き届いていないことを実感いたしますので、その辺に御配慮をいただければと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 清野様、お願いいたします。

○(公財)日本ダウン症協会 清野理事 今、お二方が話されたように、地域というよりも学校単位の問題だと思っています。言いたくないような事例ですが上がってきたのでここで伝えさせていただきます。「トイレの介助が必要な生徒に対し、それは支援員の仕事ではない。なので、そのことに関しては、一切できない」と言われてしまいました。お母さんは働いていらっしゃるのですけれども、お子さんは失敗をしてしまい背中に上がるほどの大量のうんちだったのですが、仕事中で学校に駆けつけるのは難しい状況であることを伝えましたが、来てくださいと言われ、30分後ぐらいに駆けつけたのですが、その間、おむつが汚れたままの状態で、補助の先生と一緒に立ったまま、母親の到着を待っていたということがありました。
 これが本当にあったとしたら、絶対に許せないところがあるので、誰がおむつ替えをしなければいけないのかとか、その学校で、この子供を受け入れた以上、そこの学校で責任を持っていろいろ対応していただければと思います。何らかの合理的配慮があればと思います。とてもつらい例だったのですが、このような事例も上げられていますので伝えさせていただきました。先生方の理解が一番進まなければいけないことです。
 一部の先生方は、どうしても差別的に見てしまうところがあるように感じます。以前でしたら、普通学級に進学するに当たって付き添いが入学時の条件にされてしまい、お母さんは付き添いをしてくださいと言われることが多かったのですが、最近、支援級であっても付き添いが必要ですと言われることが起きていますので、その辺は違うのではないかと思っています。

○阿部委員 ありがとうございました。

○石川委員長 ありがとうございます。
 この点については、私も1点、私見を述べさせていただきたいと思います。
 親の付き添いに関して、家族への合理的配慮の不提供云々という考え方もあり得ると思いますが、差別解消法のつくりとしては、付き添いを就学の条件としているのだとすれば、健常者には付さない条件を付すという、本人に対する不当な差別的取扱いに十分該当すると考えています。
 また、必要な支援を提供することは、本人に対しての合理的配慮の提供に当たる、あるいは環境整備に当たりと考えています。私見ではございますけれども、コメントをさせていただきました。
 石橋委員、お願いします。

○石橋委員 全日本ろうあ連盟の石橋でございます。
 皆様方もいろいろ御発言をありがとうございました。
 一つ気になることがございまして、日本失語症協議会の方の発言に対して、質問を申し上げます。基本的な人権の保障という話があったと思いますが、我々としても非常に共感しております。失語症を持つ方々の社会参加のためには、当然、意思疎通支援者が非常に重要な役割を持つ、それで初めて社会参加ができるということです。
 我々もそうです。きこえない人ときこえにくい人については、手話通訳、要約筆記という支援者があって初めて社会参加ができる環境が整うわけです。今の御報告を拝見しますと、支援者が非常に乏しいという現状がある、あるいは増やす必要があるという認識を持っておられる。意思疎通支援者は派遣という形なのか。また養成は、それぞれ各都道府県で義務にはなっていると思います。100%実施しているのかどうかということも伺いたいということです。
100%実施しているのに、実際になかなか集まらないために支援者が乏しいという状況にあるのか、その辺りの実情をお伺いさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上です。

○(特非)日本失語症協議会 園田理事長 日本失語症協議会です。御質問をありがとうございます。
 現在、失語症の意思疎通支援者は、2018年から養成事業が始まりました。現在、46都道府県で養成事業が開始されております。
 また、派遣事業に関しましては、昨年までは全国47都道府県のうちの3県でモデル事業的に派遣事業が行われています。ただし、これは日常生活支援事業という範囲内でございますので、先ほども申し上げた基本的人権に関わる件、例えば裁判の原告でも、被告でもいいのですが、その方に対する意思疎通支援はできないことになっております。
 現在、自立生活支援事業は、日常の病院の付き添い、役所への付き添い、あるいはそういう自分の趣味を楽しむところの付き添いなどに限定されております。
 私どもが必要なのは、失語症の人が人権を守れるときの意思疎通支援者、意思疎通支援員といいますか、公的に認められた方が例えば裁判の証言に立ったときに、その証言を通訳と言っては語弊があるのですが、一般的に通訳ができる人、また、警察への尋問のときに付き添う人、そして、例えば被選挙権の行使のときに、現在、ALSの方が参議院議員でいらっしゃいますけれども、あのように支援をなさる公的な方がいないということは、失語症のある方が自分で意思決定をするとき、後見人の場合もそうなのですが、正しく伝えられない現実があります。
 したがって、もちろん一般の生活の意思疎通支援者も必要なのですが、私どもはその一段、基本的人権に関わることで、意思疎通支援をしっかりとしてくださる方の養成、派遣を願っている現状でございます。
 先ほどの普通の意思疎通支援者でも100%ということではございません。派遣はまだ三つの県でしかやっておりませんというお答えでよろしいでしょうか。

○石川委員長 ありがとうございました。
 大塚委員、お願いいたします。

○大塚委員 日本発達障害支援ネットワークの大塚と申します。
 発表者の皆様、どうもありがとうございました。
 私からは、日本自閉症協会について、1問、質問をさせていただきます。22ページに意見の表明について、意思の表明が困難な障害者については、意思の表明がない場合であっても、社会的障壁の除去を必要としていれば、合理的配慮の提供は当然すべきだというお話しでした。
 今の障害者差別解消法の枠組みは発動です。合理的配慮の発動は、障害者自身の意思の表明になっております。これはこれで大切なことで、いろいろな歴史的な背景もあったり、主体としての意思表明の大切さだと思っています。
 ただ、これが強調されるばかりに、先ほど私が申したように、支援者や家族は、意思の表明が困難だと、補助であるとか、あるいは先ほどの検査を働きかけるなど、自主的な取組のような努力目標になってしまっていると思っています。
 私自身は、強い障害者モデルではなくて、意思表明に様々な困難を抱えている人がいるわけですから、家族、あるいは支援者、もしかしたら、国民、市民、そういう方が意思表明を本人のために行っても発動するようなことになってもいいのではないかと考えていますけれども、自閉症協会の方はどうお考えでしょうか。
 以上です。

○石川委員長 自閉症協会、お願いします。

○(一社)日本自閉症協会 辻川副会長 ありがとうございます。
 確かにおっしゃることはよく分かりますが、意思の表明自体は発動要件というより、気付きのためのものであると考えております。なので、気付けば合理的配慮の提供をすべきだと思っています。
 もちろん周りの理解が進むことによって、周りの人がそれに気付かせてくれるということは重要ではありますけれども、根本としては、本人自身が意思の表明をしなければならないということではないと考えております。これは私見になります。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 北川委員、お願いします。

○北川委員 北川です。ありがとうございます。
 私も子供に関わっているので、先ほどのお三方の意見で、現場ではまだまだ解決されていないと思って、石川委員長の言葉に勇気をもらったというか、そういうことです。
 ダウン症協会の清野さんにお聞きしたいのですけれども、NIPTの検査のことをおっしゃっていました。これまでは妊婦さんに対する情報提供があまりないということもあったと思うのですけれども、今回、国が出した報告書の中では、福祉サービスのこととか、当事者とか、家族の声とか、子育てをしている方の声をちゃんとお伝えするとか、そういうことが大事なのではないかということが書かれていたと思います。
 生まれてくる子供と家族をどう支えていくかという問題は、この政策委員会の役割でもありますけれども、当事者の声をしっかりお伝えする機会を持つことに関しては、いかがお考えかということを教えてください。

○(公財)日本ダウン症協会 清野理事 ダウン症協会では、先ほども述べましたように、産む、産まないに関しては、反対も賛成もしているわけではなく、ご自分で決めてくださいということはずっと伝えています。
 ただ、相談の電話が月に何件かかかってきます。ダウン症だと言われました、お母さんになる人は産みたいと思っている。でも、御主人が反対しているとか、妊婦の親御さんが反対している、どうしたらいいのだろうと、要するにお母さんになる人自身がすごく悩まれて、相談が来ることがあります。また、反対に御主人は産んでもらいたいと思っていても、母親がどうしても受け入れられなくて大変だ。という方もいます。先(将来)への不安がすごく大きいからだと思うのです。
 今、北川さんがおっしゃったように、相談体制がしっかりしていて、ダウン症イコール排除ということではなくて、ダウン症のある方達はしっかり生きているし、協会でも、本人の思いを発表する場、機会を設けたりと、本人が生き生きとしているところを、会報だったり、ホームページなどで伝えています。
 相談に当たり、生まれてくる子供も、育てている段階ではいろいろあります。そして高齢になったときにも、いろいろな問題も起きてきたりするので、一概にハッピーなことだけは伝えられないので、その辺は気を付けています。私(相談員)は親なのですが、だからといって、私見は入れてはいけなくて、淡々と聞く形の相談になってしまうので、取りあえず聞かれたことは的確に答えるという形で、今、対応をさせていただきます。
 相談員が、一生懸命聞いてもらおうと思って話しても、お電話くださったご本人たちは、多分いっぱいいっぱいなので、話した中の何か一つ残ってくれるとよいとの思いで、お話をさせていただいています。育てていきたい、となってほしいと個人的には思うので、どうしてもそういう話をしてしまいがちだけれども、誘導するような答え方はしてはいけないということを肝に銘じながら、相談を受けさせていただいていますし、事務所相談員は7名いるのですが、その人たちと共有して、誘導するような答え方はしない、そこには踏み込まないことを確認して、相談を受けているところです。
 毎回、「こういう答えをしたのだけれども、本当にこのように答えてしまってよかったのだろうか」という相談員同士のミーティングを、何回もさせてもらいながら、きちんと対応できるようにしております。
 北川先生、こんな答えで申し訳ないです。

○北川委員 ありがとうございました。

○石川委員長 清野様、ありがとうございました。
 中野専門委員、お願いします。

○中野専門委員 中野でございます。
 難病に関して、確認と質問があります。
 まず確認なのですが、難病には指定難病とそれ以外があると思いますが、今回の御意見は、指定難病だけではなく、難病全体に対する御意見と考えてよいかどうかという確認をさせてください。
 質問ですが、最終ページに手帳の有無によって支援の有無を判別されることのないよう、難病の特性も考慮した個々の事案に沿った具体的な施策の拡充を望みますという御意見がありますが、具体的にはどのような方法がよいとお考えなのかということをお聞かせください。
 以上です。

○石川委員長 中野専門委員、質問の宛先を明確化していただけますか。

○中野専門委員 難病のこども支援全国ネットワーク及び日本難病・疾病団体協議会です。

○石川委員長 両団体、お願いいたします。

○(特非)難病のこども支援全国ネットワーク 福島専務理事 難病のこども支援全国ネットワークの福島です。
 私どもは、例えば指定難病であるとか、小児慢性特定疾病だけを対象としている団体ではありませんので、指定難病だけを対象としてほしいということではなくて、先天性であれ、中途発症の疾病であれ、生活を送る上で何らかの生きづらさ、あるいは暮らしにくさを抱えている疾病のある方という形で理解をしております。
 以上です。

○(一社)日本難病・疾病団体協議会 吉川代表理事 日本難病・疾病団体協議会の吉川と申します。
 一つ目の質問ですが、指定難病だけなのかというところでは先ほどのこども支援全国ネットの福島さんと同様で、指定難病以外の難病、長期慢性疾病、あと、小児の慢性疾病も対象としております。手帳の有無にかかわらずというのは、もう一点、指定難病の重症者には、医療費受給者証のような証明書が配られるのですが、そういった受給者証の有無にもかかわらずという点も含めて、全ての困っている方を支援の対象としていただきたいということで、医療モデルで実際の症状のうち測定できる症状だけで診断されてしまうと、どうしても支援対象から漏れてしまう方がいるのですが、社会モデルでどのように日常生活、社会生活で困っているのか、困難さがあるのか、例えば人には分からないけれど起きている時間、ずっと体中が痛くてしようがないとかいう症状を抱えていても、痛みを測る術がないので、認定がされないのです。そういった医療モデルではなく、社会モデルによって認定をする仕組みづくりが大事だと考えています。
 手帳以外というところはまさにそうで、手帳につきましても、先ほどやり取りがありましたとおり、内部疾患の臓器によって認定基準がありますが、そこに書かれていない臓器で具合の悪い方は、対象外になってしまうのです。なので、そういったところを社会生活という観点、社会モデルでの診断、運用を願っております。
 以上です。

○中野専門委員 ありがとうございました。日常生活、社会生活全般の困難さということで理解いたしました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 以上をもちまして、後半のヒアリングの質疑応答は終わりたいと思います。
 佐藤委員と片岡委員が発言を求めていらっしゃいます。
 事務局、時間的にはいかがでしょうか。予定の17時になっていますけれども、どうでしょうか。

○立石参事官 事務局でございます。
 先生方、お忙しいと思いますが、よろしければ、5分、10分程度、延長していただければ幸いでございます。

○石川委員長 ありがとうございます。
 そうしましたら、情報保障もよろしくお願いいたします。
 佐藤委員、手短にお願いできればと思います。

○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。
 時間がない中、本当にすみません。2点、発言させてください。
 前回の政策委員会で国連の対日審査に向けて、障害者政策委員会としてぜひ意見を出してほしいということをお願いしたのですけれども、その方向性がどうなったかということを教えていただきたいのが一つ目です。
 二つ目は、今、国連は脱施設のガイドラインを策定しています。ヨーロッパとか、ラテンアメリカとか、5月にはアジア・オセアニア地区でコンサルテーション、障害者団体とのヒアリングがありまして、私たちDPIも参加したのですけれども、これが9月に出るということです。
 今、社会保障審議会障害者部会では、障害者総合支援法の見直しの議論が進んでいますけれども、国連の脱施設ガイドライン策定の動きを踏まえて、条約に沿った総合支援法の見直しをお願いしたいと思います。次回以降で結構ですので、社保審障害者部会でどのような議論がされているかということをぜひ御報告いただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 片岡委員の発言を先にお聞きしたいと思います。

○片岡委員 お時間をありがとうございます。
 私から基本方針の見直しに関する芸術文化活動についてです。芸術文化活動について、現在、当事者の方などのお話を伺っておりますと、障害のある人の現状として、鑑賞の際に車椅子対応の座席やスペースがない場合があり、座席が選択できないという現状があります。
 また、友人や恋人と並んで鑑賞するようなことができない場合があったり、あるいは劇場や演芸場では、車椅子を利用する人を含む障害者が発表者になる場合が想定されますけれども、楽屋や舞台裏に障害者用トイレとか、シャワールーム等、そういった環境も含めて設置されていない現状があります。
 こういうことを考えていきますと、基本方針の第2、もしくは第5辺りに、障害者の権利に関する条約第30条に準ずるような形で、芸術文化に関する記述も盛り込んでみてはどうかという考えがあります。そのために、まず障害がある人の芸術文化活動に取り組んでいる団体からヒアリングを検討してみてはどうかという考えを持っておりますので、ぜひ御検討をいただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 御意見として承ります。
 岩上委員、お願いします。

○岩上委員 岩上でございます。
 私は、佐藤委員の御発言に近いのですけれども、ぜひ国連の対日審査に向けて、障害者政策委員会として議論をさせていただきたいと思っております。特に施設や病院からの地域生活への移行は、社会の脆弱性、つまり地域生活基盤が整っていないことに問題があると思っておりますので、総合支援法の3年後見直しにおいても、豊かな社会を目指す上で、ぜひその点を議論していただき、先ほど佐藤委員も申しておりましたけれども、対日審査に関わる案件として、政策委員会にも御報告いただきたいことを希望しております。よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございます。
 大河内専門委員、お願いします。

○大河内専門委員 大河内です。
 時間がないところ、簡単に話します。事業者向けのヒアリングの中で、文化芸術関連の団体とか、放送に関連する事業者が少ないと思っていて、その辺も少し追加で検討いただければと思って、発言をさせていただきました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 久保委員、お願いします。

○久保委員 ありがとうございます。
 最後ですけれども、今、御意見がありました佐藤委員、岩上委員の御意見は、大変重要であると私も思っておりますので、その方向で取り上げていただいて、進めていただきたいと思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 対日審査に対する政策委員会としての取組というのは、独立した監視の枠組みとしての役割をとにかく担っているわけですので、これは政府の実施の在り方に直接関わってくることでもあり、政策委員会の責任、あるいは所掌していることでもありますので、重要であると私も考えております。
 対日審査が来年の春になるのか、夏になるのか、依然としてまだはっきりしておりませんけれども、基本方針の改定作業や次の基本計画のための現行の基本計画の実施状況の監視やら、次の基本計画の準備作業やら、物によっては間を縫って、物によっては一緒に準備をしていく必要があると考えております。
 この点につきましては、事務局と相談いたしまして、どのようなやり方が現実的に可能か、実質的に効果的かということも相談して、また御回答をさせていただきたいと思います。  事務局として、何らかの補足すべき点がございましたら、お願いします。

○立石参事官 ありがとうございます。
 今、委員長がおっしゃられましたとおりに、委員長とも御相談しながら、今後の方針について、御報告してまいりたいとも思っております。

○石川委員長 それでは、時間が超過いたしましたけれども、本日の政策委員会は以上で終了とさせていただきます。
 最後に事務局から次回の政策委員会等につきまして、事務連絡をお願いいたします。

○立石参事官 次回の政策委員会は、9月27日を予定しております。
 本日と同じく基本方針の改定に係る障害者団体へのヒアリングを行いたいと考えております。詳細につきましては、委員長に御相談の上で確定いたしましたら、御案内をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○石川委員長 前後してしまいましたけれども、先ほど大河内専門委員からも御提案がありましたし、また、片岡委員からも関連する御意見がございましたが、ヒアリングをする事業者につきまして、もう少し異なる業種についてもできればと私も考えておりましたところですので、これにつきましても、事務局と相談させていただいて、やり方をどうするかという、かなりの数に上っておりますし、日程調整ができる、できないということもあって、場合によっては事務局でのヒアリング、委員長あるいは委員長代理も参加しながら、という方式も組み合わせつつ、できるだけもっと広げてヒアリングをできればと考えております。また、これにつきましても、後日、御報告をしたいと思います。
 それでは、以上をもちまして、第56回の障害者政策委員会を終了いたします。ありがとうございました。