障害者政策委員会(第57回)議事録

令和3年9月27日(月)
13:30~17:00
中央合同庁舎8号館1階講堂
(Web会議にて開催)

【議事に使用されている資料については「議事次第」のページにまとめて掲載していますのでご参照ください。】

○石川委員長 それでは、定刻になりましたので、これより第57回障害者政策委員会を開会いたします。
 委員各位におかれましては、御多用のところを御出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日の委員会は、17時まで時間を確保しております。
 また、本日は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、ウェブ会議により開催しております。
 なお、取材及び一般傍聴者は、感染防止の観点から本日はお断りし、その代わりに動画中継を視聴していただく形としておりますので御了承いただきたいと思います。
 次に、事務局より委員の出欠状況について、報告をお願いいたします。

○立石参事官 本日は、黒岩委員、辻委員、野澤委員、森委員、市川専門委員、内布専門委員、眞保専門委員が所用により欠席との連絡を受けております。
 北川委員、田口委員が遅れて参加されると伺っております。

○石川委員長 それでは、本日の議事に入ります。
 毎回のお願いとなりますが、御発言いただくときは、チャットメッセージにて意思表示をあらかじめお願いします。委員長の指名を受けてから御発言をお願いいたします。
 また、御発言の際には、お名前を名乗っていただき、端的に質問や結論を述べていただいて、その上で理由、または説明を加えていただくと分かりやすいと思います。
 あわせて、ウェブ会議であることを踏まえまして、いつも以上にゆっくり分かりやすく御発言いただくよう、お願い申し上げます。また、マイクを近づけてお話しください。
 それでは、本日の議題及び資料につきまして、事務局より説明をお願いいたします。

○立石参事官 事務局でございます。
 本日は一つ目の議題として、障害者差別解消法に基づく基本方針の改定について、10の障害者団体からのヒアリング及び意見交換を行います。
 関係資料としては、今回のヒアリング項目資料を資料1、また、ヒアリング団体から事前に御提出いただいた資料1のヒアリング項目への御回答を資料2にまとめております。資料2を参照される際は、資料1のヒアリング項目も併せて御参照ください。
 また、二つ目の議題として、第4次障害者基本計画の実施状況について御審議をいただきます。関係省庁から令和2年度の障害者施策の実施状況について御説明をしました後、委員の皆様から御質問・御意見をいただきたいと考えております。関係資料といたしまして、資料3-1、資料3-2、資料4、資料5、資料6を用意しております。
 なお、一つ目の議題が終了する頃、15時頃をめどに、20分程度の休憩を設けたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○石川委員長 それでは、議題に入ります。
 まず議題1ですが、10団体へのヒアリングを実施いたします。
 事務局より、御出席いただいた皆様の御紹介をお願いいたします。

○立石参事官 事務局でございます。
 ヒアリングでは、一般社団法人日本ALS協会、岸川忠彦様。
 一般社団法人日本筋ジストロフィー協会、貝谷嘉洋様。
 ピープルファーストジャパン、中村清司様。
 社会福祉法人全国盲ろう者協会、門川紳一郎様。
 一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会、新谷友良様。
 一般財団法人全日本ろうあ連盟、吉野幸代様。
 DPI女性障害者ネットワーク、藤原久美子様。
 社会福祉法人日本視覚障害者団体連合、田中伸明様。
 日本障害フォーラム、久松三二様。
 一般社団法人日本発達障害ネットワーク、大塚晃様に御出席をいただいております。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、各団体から、前もって御提出いただいた資料を基にして、御意見のポイントを3~5分の範囲で述べていただきたいと思います。最後にまとめて質疑応答時間を確保したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず最初に、一般社団法人日本ALS協会の岸川様、お願いいたします。

○(一社)日本ALS協会 岸川常務理事 ALS協会の岸川と申します。妻が患者になります。
 では、基本方針に関する意見を述べさせていただきます。
 まず、1の(1)について、バリアフリー法の「エレベーター」の「かごの奥行」についてです。「義務基準」、「誘導基準」とも135センチ以上になっています。これを「義務基準」160センチメートル以上とする旨、同法改正を勧告していただきたいと思います。
 事例としては、重度のALS患者が特別特定建築物である市役所の2階にリクライニング車椅子で訪問した際、エレベーターかごの奥行が135センチであったため乗り込めず、目的の窓口までたどり着くことができなかったということがありました。
 次に、1の(2)の2について、司法救済の相談と裁判規範性のある規定を入れてください。事例、以前、東京都の飲食店で入店拒否をされました。そこで、東京都障害者権利擁護センターに再発防止のため、差別解消法の説明と「ベビーカー等の入店お断り」という張り紙があったので、表記を変更するように申し立てをしました。
 東京都障害者権利擁護センターは、申し立てのとおり、差別解消法の説明と張り紙の表記を変えるように求めました。しかし、1年半経過しても従業員の方は差別解消法の存在を知らず、車椅子の入店拒否を繰り返し、張り紙の表記も変更していませんでした。東京都が利用者の合理的配慮が条例で義務付けられていたにもかかわらずです。差別解消法が改正されて、合理的配慮が義務化されても、このような問題は繰り返すことになります。悪質な例については、司法救済の選択肢が開かれていなければ、泣き寝入りになってしまいます。
 相談体制のところに、紛争解決に至らない場合は司法救済につながるような支援を明記するとともに、差別解消法に裁判規範性のある規定を設けることを求めてほしい。  そんな店に行かなければいいという話をする人がいますが、そういうことではなくて、差別は自分一人の問題ではないから、見逃せばほかにも差別される人が出てきてしまいます。飲食店が差別した事実は消えませんし、改めてもらうことでしか修復されません。忘れることは何の解決にもなりません。そういう問題を個人の問題だったことにして飲み込むのは、場合によって差別の助長に加担することにもつながると思います。
 差別解消法に司法救済がないということは、紛争解決できなかったら差別されても諦めるしかないというケースを生み出すことにつながってしまうと思います。そういうことは認めないという立場を取ってほしいです。
 以上です。

○石川委員長 岸川様、ありがとうございました。
 それでは、次に一般社団法人日本筋ジストロフィー協会の貝谷様、お願いいたします。

○(一社)日本筋ジストロフィー協会 貝谷理事 貝谷と申します。
 まず、1の(1)についてですけれども、(1)のイのところにプライバシーについての記載がありますけれども、プライバシー保護について、基本方針でしっかりうたうべきだと考えます。それに関連して、プライバシーに関わる情報が多く含まれる障害者手帳の在り方の抜本的な見直しについて、検討項目として基本方針に入れていただきたいと思います。
 プライバシーについては、例えば鉄道を利用する際のホームでの車椅子使用者の乗った車両番号の場内放送については、犯罪行為の引き金になったということで、昨今、報道などで問題視されています。例えば鉄道を利用するときに、席の予約や料金の割引を受ける際に、障害者手帳を頻繁に提示しなければならないこともプライバシー保護の観点から不適切だと考えます。これらのことはプライバシーが十分に保護されていないので、不当な差別的取扱いの可能性もあると考えています。
 障害者手帳の頻繁な提示については頻度を少なくするだけでなく、記載内容、方式を変えることが望ましいと考えます。
 まず、頻度については、例えばICカード、電子決済により地域の交通機関については、年一度提示すればよい程度で今実現しつつある例もございます。ただ、障害者手帳は複数のサービスで利用されるので、記載内容・方式についてプライバシー保護においては重要であると考えます。障害名や身体の状況についての記載は、個人情報保護法の要配慮個人情報の病歴に当たり、特別に配慮すべきものであります。また、住所も入っているので、昨今のストーカー被害を考えても、頻繁に他人に提示するのは不適切であると考えております。よって、これらの情報を電子化し、提示する記載情報は写真と名前、等級が分かるものにするよう、障害者手帳の情報の整理をするべきだと考えています。
 次、(2)の1について、3(1)のアに述べられている内容ですが、合理的配慮は、できるだけ合理的(コストレス、シームレス)ということであるべき、また、障害者にとって負担が少なく平等なもの、ユニバーサルデザインにするように努めなければならないことを基本的に入れてほしいと思います。特に複数の人々が頻繁に使うものに対しては、合理的な中でも、さらに合理的なものにすべきといった記述があると考えています。
 次、根拠となる事例です。例えば車椅子使用者が鉄道に乗るときに、毎回駅員に声をかけて、案内のための職員を待ち、ホームから車両への渡り板をつけるよりも、割引は電子的に、ホームと車両の高さはほぼ同じにして、車椅子のまま乗れるようにすれば、長期的コストは必ず合理的であるといえます。
 また、ただ渡り板が必要というだけで、他の人が電子的に開札し、すいすい行くところを、知らない職員に声をかけ、案内の職員が大声で「車椅子の人が通ります。道を空けてください」と言っている横を移動し、渡り板をしゃがんで敷いてもらい、そして「ありがとう」と会釈をする。また、電車を3本、4本、逃さなければならない。この一連のことを鉄道に乗るためにしなければならないのは大きな負担で、個人的には不当な差別だと考えているという意見をもらっています。
 ちなみに欧米では頻繁にしゃがんで渡り板を設置することは、労働者の方が腰痛の原因となることと、しゃがむということに対する文化的背景のために過剰な負担となり、合理的配慮としては成立しません。日本の場合はこれを合理的配慮の最も典型的な例として表示されておりますが、この個人の方の意見では、一連の電車に乗るときにしなければならないことは、差別になっているのではないかと感じているようです。
 合理的配慮で最も優れているのは、本人も含めて誰もそのような配慮が行われているか感じないシームレスなものになり、例えば高低2か所のボタンを設置したエレベーターの設置は、車椅子使用者への合理的配慮になるけれども、誰もそのことを意識する必要がない。これはユニバーサルデザインといえると思います。
 また、例えば現在の一部の地域の交通機関で行われている電子決済のプリペイドカードによる障害者割引制度は、本人も周囲の人も障害について意識しないという点で優れていると考えています。
 2、1について「Nothing about us without us」の精神が重要だと考えます。例えば大規模な事業については、立案の段階から建設の許可まで、様々な障害種別の当事者が関われるように、就学相談においては、特別支援教育、普通学校教育の、それぞれを受けた障害者とその家族、その双方から相談を受けられる仕組みにする。
 2、2について、啓発活動のテーマが「こころのバリアフリー」であることに疑問を感じている。合理的配慮については、一般市民が手伝わなくても事業者が障害者に提供すれば、差別がない状況を担保できるというのが、この法律の趣旨と考えております。

○石川委員長 貝谷様、申し訳ございません。時間が大分過ぎてしまいましたので、そろそろ結論をお願いできればと思います。

○(一社)日本筋ジストロフィー協会 貝谷理事 分かりました。
 では、3についてということで、合理的配慮について、ICT技術の利用促進をうたうべきだと考えています。既に述べられている情報アクセシビリティ向上の促進だけではなく、積極的にICT技術を利用、高度化を促進するべきであることを検討してほしい。デジタル庁創設の動き、マイナンバーカード普及の動き、感染症対策の非接触技術の広がりという背景を踏まえた上でやる。
 以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、ピープルファーストジャパンの中村様、よろしくお願いいたします。

○ピープルファーストジャパン 中村全国事務局長 ピープルファーストジャパンの中村です。よろしくお願いします。
 1、(1)について、旧優生保護法による強制不妊手術は人権侵害であり、国は被害者に謝罪することを基本方針に書き込んでほしい。そうでないと、差別解消法が有名無実になる。根拠となる事例、仙台、東京、札幌、大阪など、各地の裁判で優生保護法そのものが違憲であることは、判決でも既に認められている。
 1、(2)、1について、公官庁、民間を問わず、障害者が就労している現場で仕事の進め方が分からず困っているときに、面倒くさがらずに教え、できるまで教えてくれる人がほしい。根拠となる事例、就職先のスーパーの商品陳列の作業で、やり方が分からず、パートさんに質問したら「2週間も実習に来ていたのだから分かるでしょ」と叱られ、翌朝からは「おはようございます」と挨拶しても無視された。ストレスを重ね、結局退職せざるを得なかった。同様の事例はたくさんある。市役所で働いていた職員に成年後見人がついたことで解雇された事件でも、別室に隔離状態でろくに仕事を与えなかった。自閉症の特徴を知ろうとせず、面倒くさいと、手がかかる人と思われ、皆が関わろうとしなかった。
 2、1について、相談窓口は必要だが心理的なハードルが高い。困りごとの渦中にある当事者は自分の気持ちをうまく伝えられないし、分かってくれるとは思っていないので、自分からは相談に行かず1人で我慢している。障害のある当事者で経験を積んだ人を窓口の相談員として配置してほしい。
 3について、1、入所施設はなくして、誰もが地域で暮らしていけるように支援すべきだ。入所施設に入れられた人は、皆自分の意思を聞かれていない。周りが勝手に決めている。入所施設が虐待の温床になっていて、千葉県の県立施設袖ヶ浦福祉センターは廃止することが決まっている。
 2、やまゆり園事件がなぜ起きたのかは、いまだ明らかになっていない。やまゆり園における入所者への虐待や放置の積み重ねが犯行の引き金になっていると判決では指摘されており、再発防止のために、国はうやむやで終わらせてはいけない。
 3、2009年の障害者制度改革推進会議では、知的障害のある当事者が委員になったが、その後、外されてしまった。知的障害のある当事者を障害者政策委員会の委員に入れるべきだ。
 以上です。

○石川委員長 中村様、ありがとうございました。
 それでは、続きまして、社会福祉法人全国盲ろう者協会の門川様、お願いいたします。

○(社福)全国盲ろう者協会 門川理事 全国盲ろう者協会の理事の門川です。
 今回は、主に意思疎通困難者、例えば盲聾者を含めた意思疎通困難者の観点から、主に2つ発言したいと思います。一つは、合理的配慮と差別の取扱いについて、もう一つは、その他についてです。
 一つ目、合理的配慮、差別の取扱いについてですが、意思疎通困難者については、やはり社会的に認識が遅れているという感があります。意思疎通困難者といっても、程度には重度から軽度まで幅が広いです。差別的取扱いを受けないように、十分に法的な措置を講じていただきたいということが大前提になります、
 例えば「基本方針」の2のところ、不当な差別的取扱いというところの12がありますが、ここに特別の措置という文言が出てきています。この意志疎通困難者に対する配慮を特別措置と考えるのではなく、その考え方について、意思疎通支援というのが当たり前の考えであるという認識に立っていただきたい。当然の認識、当然、意思疎通の支援をするというのが、社会的には当たり前という認識に立って、基本方針を改正していただきたいということです。そのことを基礎として、基本方針を見直していただきたいです。
 また、合理的配慮についてですが、設問1-2においては、例えば次のような内容の考え方を追記していただきたい。つまり、なお障害の多様性や障害に起因するコミュニケーションの困難者に十分に配慮して、障害者の分かりやすさに合わせて、それから、ゆっくりしたペース、この会議もそうですが、ゆっくり進めていただくということ、そのようにコミュニケーションの進行がしやすくなるように配慮していただきたいということです。
 次に、三つ目のその他の部分についてですが、ここに基本方針に合理的配慮の事例を具体的かつ分かりやすく例示していただきたいです。特にコミュニケーションに関連する事例、盲聾者に関する事例もそうですけれども、丁寧かつ具体的に紹介することで、対応要領、対応指針に合理的配慮の具体例が示しやすくなるのではないかと思います。
 さらに盲聾者に関わる合理的配慮の具体事例が余りにも少なすぎる。我々の努力も足りないと思うのですけれども、国としても盲聾者に関する合理的配慮の事例を集めて、盲者に関わる合理的配慮の環境整備について、分かりやすく解説をしたパンフレットを作成していただきたい。
 以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 門川様、ありがとうございました。
 続きまして、一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会の新谷様、お願いいたします。
 それでは、新谷様の御準備がまだのようですので、先に次の団体に移らせていただきたいと思います。
 それでは、一般財団法人全日本ろうあ連盟の吉野様、お願いいたします。

○(一財)全日本ろうあ連盟 吉野理事 一般財団法人全日本ろうあ連盟の理事をしております吉野と申します。よろしくお願いいたします。
 まず1の(1)についてです。差別でないという正当な理由を判断するところ、障害者及び障害者の家族が、これは差別であると訴えますが、行政や事業者側は差別ではない、正当な理由があるのだと判断しておられる。それが障害者としては納得がいかないまま終わってしまいます。そういうずれが生じる例があるのです。その場合は、第三者の立場、または障害当事者団体が介入するべきではないかと考えます。といいますのは、資料の17ページに記載がありますように、盲ろう者の家族が抗議をしたけれども、対応した警察官は「いやいや、それは差別ではない」と「正当な理由があったのだ」というようなことを話され、非常に納得がいかないまま終わってしまった。そして、その後、私どもの方に相談が寄せられたという事例がございます。ですので、やはり仲介する第三者。それと併せて障害当事者団体も加える必要があると考えます。
 続きまして(2)の1について、「合理的配慮」、「過重な負担」、「環境の整備」については基準をきちんと設けていただきたいと考えます。特に過重な負担の具体例を挙げる必要があるのではないかと考えています。と申しますのは、現在、コロナ禍で、全国各地の知事の記者会見に手話通訳が付くようになってまいりました。当事者が要望しなくても手話通訳がきちんと付いたという都道府県もありますが、一方で、幾ら要望しても通訳が付くことなく、字幕だけの対応という自治体もありました。そういった地域によってのばらつきがありますので、きちんとした基準を示すことによって、各自治体がそれに従いやすくなる、対応がしやすくなるのではないかと考えます。
 また、過重な負担の部分ですが、研修を受講するなどのために手話通訳を付けたいのですが、自治体に依頼をしましても、どうしても長期間では予算が取れない、非常に過重な負担があるということで、事前に資料を渡すので、それを読むことで代えてほしいと断られた例がございます。
 (2)の2につきまして、建設的な対話を行うためには障害特性を把握し、かつ、その問題になっている事柄についての知識を十分に有する者が、仲裁者として介在することが必要ではないでしょうか。この理由は18ページに記載しているように、実際にそういう方が仲介したおかげで会話がうまく進んだという事例がございましたので、やはり建設的な対話を行う際は、この障害特性を理解し、知識を十分に持った方が、そこに居合わせる、仲裁者として介在する必要があると考えます。
 続きまして、2の1につきまして、相談体制として、自治体の福祉課の職員さんが担当してくださるところが結構あるのですが、この職員さんは非常に多忙で、自分の業務があるほかに相談に来られた方の対応をする、しかも手話をしなければならない、知識も十分持っていない、そして対応がしきれないという例があります。そうすると、差別を受けた当事者は、相談を持っていてもまた同じようなことの繰り返しだろう、もう相談に行くのはやめようと諦めてしまうのです。ですので、やはり障害の特性をきちんと熟知し、それぞれ対応できる方を窓口に配置するべきではないでしょうか。そのためには、きちんと徹底した研修を行うべきであると考えます。
 続きまして、2の2につきましてですが、一般市民への啓発活動がまだまだ足りていないと思われます。ですので、合理的配慮を求めますと、あの障害者はわがままだと誤解をされてしまう例が非常にたくさんあります。障害者側がどこまでが合理的配慮なのか、これを障害当事者側もきちんと線引きを分かりやすく示していただきたいですし、地域住民に対する啓発活動も、特に民生委員は地域に住む障害者に対していろいろなサポートを行ってくださっていると思うのですが、これはあくまでも音声によるコミュニケーションができる障害者に対してのサポートに限られていて、コミュニケーションがなかなか取れない障害者に関して、つまり聞こえない方は、そのまま放置されてしまうというケースが見受けられます。
 このようなことを踏まえまして、SDGsの理念であります誰一人取り残さないという体制を整えることが重要であると考えます。また、都道府県や市町村に、現在、障害者差別解消支援地域協議会が設置されていますけれども、そこに聞こえない、聞こえにくい当事者が委員として参画するところは非常にまれです。ほとんどは身体の障害ということでひとくくりにして、その代表者一名だけが参画しておられますので、そうではなく、個々の障害当事者が委員として参画すべきではないかと考えます。
 続きまして、3番1、19ページ、20ページに記載がありますとおりです。
 以上で私からの報告を終わります。ありがとうございました。

○石川委員長 吉野様、ありがとうございました。また、時間面での御配慮もありがとうございました。
 続きまして一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会の新谷様、お願いいたします。

○(一社)全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 新谷理事長 今、紹介いただきました全難中の新谷です。本日は、差別解消基本方針改定に当たって、団体意見の説明の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 基本方針改定に当たって、全難聴の意見は、お手元の資料にあるような内容ですけれども、特に行政機関及び事業者に関わる共通事項として、不当な差別的取扱いの記述に、例えば本質的に関係する事情、それから、合理的配慮における必要とされる範囲で、本来の業務に付随するものに限られるというような表現があります。これの妥当性について意見を述べておりますので、よろしく御検討いただきたいと思います。
 また、国及び地方自治体に関わる事項として、私どもの資料の14ページで障害者差別解消支援地域協議会の委員の人選についても意見を出させていただいております。
 それから、既に障害者差別解消法の改正において議論された事項ですが、差別については、障害者権利条約と同様の定義規定を解釈の指針として、基本方針に記述すべきではないかという意見を出させていただいております。
 以上に加えて、ページ14に記載しておりますけれども、情報保障と環境整備について、特に以下のとおり補足説明をさせていただきます。
 私たち中途失聴難聴者は、一人一人のコミュニケーションの手段が共通ではありません。音声を何とか聞き取れる人もいますが、聞き取りが困難で口形を読み取る読話や、それから、手話を必要とする人もいます。一対一の場では筆談等によるコミュニケーションが可能ですが、複数人の集まり、会議では、誰もが理解できる共通のコミュニケーション手段が求められます。そのため、各人の発言を要約してスクリーンなどに投影して、つまり、会議を進行させる要約筆記が広く普及してまいりました。本日もこの会議の画面として、要約筆記メッセージが上がっているかと思います。
 1対1のコミュニケーションにおいては、ノートテイクという形での要約筆記利用が障害者手帳を持っている聞こえない人に対する支援として、障害者総合支援法の中で制度化されています。また、手帳を持っていない中途失聴難聴者に対しても、障害者差別解消法における合理的配慮として、要約筆記の個人利用が現在広がりつつあります。これに対して、複数の人の集まり、会議での要約筆記利用、団体としての利用は個人利用を原則とする障害者総合支援法の中では制度化されておらずに、自治体において格別の規定を設けて、利用の道を広げているのが現状です。
 基本方針3、イが「合理的配慮を必要とする障害者が多数見込まれる場合、障害者との関係性が長期にわたる場合等には、その都度の合理的配慮の提供ではなく、環境の整備を考慮に入れることにより、中長期的コストの削減、効率化につながる点は重要である。」としています。中長期的なコスト削減、効率化というところはちょっと留保しますけれども、この規定は要約筆記の団体利用、コミュニケーションの場の情報保障として、極めて重要な規定と考えます。制度的な規定のない複数人の集まり、会議への情報保障として、要約筆記の団体利用を環境整備として、ぜひ基本方針に例示いただくようお願いいたします。
 私たちの団体からは以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 新谷様、ありがとうございました。
 続きまして、DPI女性障害者ネットワークの藤原様、お願いします。

○DPI女性障害者ネットワーク 藤原代表 DPI女性障害者ネットワークの代表の藤原久美子です。今日は発言の機会をありがとうございます。
 私たちは女性であり、障害者であることで、困難が幾重にも重なって起きる複合差別を解消しようと取り組んでいます。その実態を可視化するために、2011年に私たちが行った調査では、性のない存在とされながらも性被害に遭いやすいこととか、出産や育児を否定されがちであるということ、その一方で、家事とか、育児といった女性のケア役割を期待されているということが明らかになりました。
 そこで、基本方針には、「特に障害のある女性や障害のある子供に対しては、障害に加えて、性別や年齢による社会的障壁が複合した不当な差別的取扱いが存在することに留意する必要がある。」という一文を加えることを提案します。男性障害者とか、障害のない女性とは、また明らかに違った扱いがされて、ゆえに被害に遭ったりとか、サービスを受けられないというような不利益が起こっているからです。
 性別や年齢による社会的障壁ということについて具体的に述べます。今日のヒアリング回答の1の事例を見てください。事例1で、これは最近ニュース報道等でも取り上げられているので御存じの方もいらっしゃると思いますが、駅アナウンスで降車駅が全乗客に知らされたことで、つきまといとか、痴漢といった性被害に遭ったという事例です。そして、このように狙われていても、周囲の乗客は障害者に声をかけている人に悪い人はいないだろうという思い込みもあって、まさか被害に遭っているとは気がつかないということもあります。
 そして、事例2の産婦人科での車椅子であることから断られたという事例ですけれども、これは一見、環境整備だけの問題と受け取られるかと思います。しかし、それ以前に、障害者は妊娠とか、出産などしないだろうという、医療機器とか、医療機関で、障害者の利用を想定されていないこともたくさんあります。そうした中では、産婦人科医に行っているということを相談するのも困難です。
 次に、事例3ですけれども、バス乗務員から「そんなこと言うから嫌われるねん」とか「もっと大人しく可愛らしくしとったら、みんな気を良うやってくれるねん」と怒鳴られたというようなことですけれども、ここには障害者への蔑視とともに、女性は文句を言わず、かわいがられる存在であることを求められるということを如実に表していると思います。例えば男性ならしっかりしている、でも、女性だと生意気と、同じことを言っても、そのように取られることがあるのです。例えば、今ネットでも障害女性が正当な合理的配慮を求めたのですけれども、誹謗中傷の標的にされているということがあって、本当に差別が蔓延していて深刻です。
 次に、事例4ですけれども、女性は養ってもらえばいいからと就労支援に結びつかず、自立の機会を失うことになるなど、社会的な慣習であるとか、偏見が根深くあります。そして、一見差別とは分かりにくいこととか、表面に出てこないという問題があるので、これらを解消するためには、そこに焦点を当てた文言を入れること、そして、差別解消支援地域協議会への参画の確保、また、複合差別を研修の必修科目とすることも求められます。
 また、DV相談の窓口、現場では、障害者虐待防止法なのか、DV防止法なのか、どちらで対応すべきかということを悩んで混乱して、結局、被害者は救済されないというようなことも起こっていますので、複合差別ゆえに分野が多岐にわたるということがあるため、ワンストップの窓口を創設して、縦割りを越えた連携をすることを求めます。
 最後に、非常に見えにくい複合差別については事例の集積、そして、今後、対応指針とか、対応要領を策定するに当たっても、回答の2に挙げさせていただいているような合理的配慮の具体的な事例を書き込むことを求めたいと思います。
 私からは以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 藤原様、ありがとうございました。
 続きまして、社会福祉法人日本視覚障害者団体連合の田中様、お願いいたします。

○(社福)日本視覚障害者団体連合 田中評議員 日本視覚障害者団体連合の田中でございます。本日はよろしくお願い申し上げます。
 それでは、団体意見を申し上げたいと思います。
 まず、「不当な差別的取扱い」関係でございます。この点につきましては、基本方針の中に「間接差別」、それから、「ハラスメント」の定義規定を置いていただきたいと考えております。報告事例を見ますと、公務員採用試験におきまして、活字が書けることが条件とされていた。あるいは盲導犬を理由に入店を拒否されたという事例が挙がっております。公務員採用試験につきましては自立通勤可能な者であるとか、介助者なしで業務遂行ができる者という条件が付されている例もございます。このような例が間接差別であるとか、ハラスメントであるということを検討する可能性を開くためにも、ぜひ基本方針におきましては、定義規定を置いていただきたいと考えております。
 次に、「正当な理由」関係でございますが、こちらは昨今、安全性ということを理由に正当な理由に該当するという判断が行われる例が報告されております。例えば自分の使っているパソコンにスクリーンリーダーソフトをインストールしたいといった申し出をした場合に、会社側からは、システム全体の安全性に懸念があるので認められないと、安全性については視覚障害者の方で確認するようにというコメントをされたという事例が挙がっております。このような安全性という抽象的な概念が理由になりますと、障害者当事者としましては、対応することからの逃げ道として安全性という概念が使われているように感じることがあります。
 したがいまして、正当な理由の判断として、安全性という面を根拠とする場合には、さらに一歩踏み込んで具体的な事情というものを示していただきたい。そして、この具体的な事情を確認する責務は行政機関と事業者の側にあること、これを基本方針に書き込んでいただきたいと考えております。
 次に、合理的配慮関係でございます。事業者の合理的配慮提供義務が法的義務化されたことに伴いまして、適切な合理的配慮の提供を行わない事業者に対しましては、既に差別解消法の定めている12条、主務官庁の指導権限の一環としまして、例えば補助金の支給を減額するであるとか、あるいは逆に合理的配慮の提供を促進するために、一定の財政援助の措置を講じるという工夫があってもよいかと考えております。これは普及啓発にもつながるものではないかと思います。
 それから、合理的配慮の提供関係で、最近、事業者の側から、まずは障害者の側でできる努力を尽くしてほしいと、どうしてもできない場合には合理的配慮を提供するという説明が行われたという事例報告が挙がっております。ただ、これは誤解に基づくものでございます。もちろん建設的対話によりまして、障害者側と行政機関等、あるいは事業者側で役割分担について合意に達しているのであれば構わないわけですが、まず、最初に障害者側が努力を尽くすという理解は誤った理解に基づく説明であります。合理的配慮の提供義務が発生するのは、決して障害者が努力を尽くした後ではないということを誤解を生まない意味でも基本方針に書き込んでいただきたいと考えております。
 次に、「過重な負担」関係です。現在の基本方針を見ますと、過重な負担の考慮要素としては、事業者の事業に与える影響の程度、その他、事業者側の考慮要素が列記されております。しかし、合理的配慮の提供の質から考えると、障害者の生命身体に関わるような事情もございます。例えば視覚障害者で申し上げますと、鉄道駅からの転落防止措置というものでございます。このように障害者の生命身体の利益に関わるような合理的配慮の提供につきましては、やはりおのずと事業者側の負担の水準も上がってこようかと思います。
 したがいまして、現状のように過重な負担の考慮要素として、守られるべき障害者の権利利益が全く考えられていなくてもよいのだろうかという疑問を持っているところでございます。この点は、基本方針の改定に向けて一度御検討いただきたいと思います。
 次に、建設的対話について必要な事項の関係でございます。これにつきましては障害者と事業者、あるいは行政機関等との間の受け渡し、仲介者を担う人材を確保していただきたい点がございます。障害者側のニーズを正確に理解し、あるいは相談に乗り、かつ事業者側にも適切な提案を行う人材が建設的対話の促進には必要であると考えております。
 次に、相談体制関係でございますが、これは確実に相談につなぐことができるワンストップ窓口の設置を基本方針の中で書き込んでいただきたいと考えております。
 やはり適切な相談場所にたどり着くまでに、様々な部署に電話をかけなければいけないという相談が挙がってきているところですので、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。
 次に、事例の共有関係でございますが、差別相談を受け持つ相談窓口では、やはり地域間格差というものがまだ大きいと考えられます。どの相談窓口に行っても適切な相談が受けられるように、事例の共有を自治体間を超えて整備していただきたいと考えております。
 最後、その他の部分でありますが、まず、デジタル化が昨今進んでくることになりますが、デジタル化が進むということは無人化も進むということが予想されます。視覚障害者にとりましては必ず相談できる身近な存在が必要でございますので、デジタル化に際しましては、必ず相談できるチャンネルを準備していただきたいという希望を持っております。
 また、自治体の基本計画を見ますと、意思疎通支援に関する記載が少ないという意見も挙がっております。意思疎通支援はコミュニケーションの基本でございます。これが不足すると差別や排除の温床にもなりかねません。この点につきましては、基本方針を含めて促進の方向を打ち出していただきたいと考えております。
 以上でございます。

○石川委員長 田中様、ありがとうございました。
 それでは、日本障害フォーラムの久松様、お願いいたします。

○日本障害フォーラム 久松幹事会議長 久松です。発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 1(1)基本方針についてでございますが、差別という言葉については、一般的に国民の皆様方が理解を深めている状況ではないということを実感しております。私も日頃から差別について、いろいろと見聞することが多いのですが、何をもって差別という解釈をするか、これは非常に分からないという国民が多いということを実感しております。
 その理由として、差別解消法に定められている差別という文言の定義が明確ではないということが一つの原因になっているのではないでしょうか。それを考えたときに、差別の類型といいますか、これを明確化すべきではないかと考えております。イギリスやオーストラリアのような諸外国におきましては、差別の類型化というものについて、法的な整備をされているという実態がございます。さらに分かりやすく国民の皆さんに理解・周知が得られるような記載が必要ではないかと実感しているところです。
 直接差別、間接差別という考え方、あるいは嫌がらせ(ハラスメント)、あるいは複合的な差別、交差差別といったものも非常に重要です。この言葉についても、非常に難しい文言で、なかなか国民にはなじまない部分がありますので保留したという経緯があると思いますが、むしろ、この言葉を明確に出すことで、さらに分かりやすい差別の理解がされるのではないかと思っております。
 現在厚労省の「医療関係者向けガイドライン」の中には、例えば「わずらわしそうな態度や、患者を傷つけるような言葉をかけること」や、「大人の患者に対して、幼児の言葉で接すること」は、差別の恐れがあると明記しております。ハラスメントに関わる事例として、分かりやすいものですので、こうしたものも参考にする必要があると思います。
 もう一つ、いろいろ差別の話が枚挙にいとまがないほど出ておりまして、実感したことは、どうしてその差別を受けたのか、差別をしたのかといっても、やはり差別を受けた側、された側は、正当な理由があるかどうかなどの事実や資料について把握が十分できないのです。そういった実態にありますから、差別をする側が、それぞれの事情や、それぞれの経過を踏まえて立証責任を負うべきです。差別を受ける立場が立証するのは、非常に難しい部分があると思いますので、まずはそこも念頭に置いて考えていただく必要があるのではないかと思っています。
 (2)の1なのですが、自治体の条例等の規定や、事業者の定款、約款、規則、規定等がございますが、正当な理由や過重な負担を判断する根拠として、これらの規定や規則に抵触することが挙げられる場合があります。例えば措置入院で不在にしている間に、公共料金の遅延というような対応を規定通りそのまま適用されたという例もあります。これは一般の状況ではない中での遅滞ですので、そういうことも配慮する必要があるのではないでしょうか。
 それから、相談支援機能についてですが、これも現在、差別のみならず、いろいろな困りごとの相談というものも各地域で起こっております。行政にもたくさん相談窓口がありますけれども、これは非常にいいことだと思います。ところが、障害者にとって、相談に行くのは簡単なことではないということをまず押さえていただきたい。直接差別だけではなく、やはり間接差別におきましても、あるいは関連差別においても、複合差別においても様々な複雑な要素が絡まった差別というものが発生しています。その場合一つの相談機能だけではなかなか対応が難しいということになりがちですので、やはりどこでも自由に相談できる体制や機能というものを考えたときに、一本化、統合化したワンストップの相談窓口も構築する必要があるのではないかと思っています。障害者差別解消法の相談窓口に行けば、複合差別などの複雑の事例でも対応できる、そういった体制や機能を盛り込むということも新たな検討として必要ではないでしょうか。
 差別について対応するときに、様々な差別問題の啓発も取り組む必要があります。障害とは何か、差別とは何かというものの研修は非常に重要です。国民啓発のためにも重要になります。そのためには、障害のある人も専門家ですので、障害を持っている当事者が企画し、研修の中で自らの経験を語り、そして、普及していく。そういった具体例を説明することで、国民の理解がさらに広がるのではないか。そういう場をぜひとも作っていただきたい。障害当事者や、当事者団体も含めて、組織的、機能的な相談体制というものを構築していただきたいと思っております。
 その他になりますが、先ほど全難聴の新谷さんからもお話がありましたが、法の対象範囲が「障害者手帳の所持者に限られない」としていることについては評価できます。ところが、なかなかそこは簡単に解釈できるわけでありませんので、もう少し分かりやすくするために、慢性疾患の方や、介護保険の要支援、要介護の方も含むなど、そのような分かりやすい言葉も例示として加えていただくと、より理解が進むのではないかと思っています。
 また、事業者の範囲ですけれども、一般的には、企業ですとか、民間団体というものがある程度想定されますが、日常生活に身近な組織として、自治会、マンションの管理組合、あるいは同窓会ですとか、サークル・クラブ等、それから、老人クラブ、また障害者等団体なども挙げられますので、そういったものも具体的に盛り込んで例示していただくと、一般の国民の皆様には、身近な問題として理解、啓発できるのではないかと思っております。ですから、差別の類型も含めて、やはりそのように例示をしていただくことが、国民にとって、差別について学ぶ機会になるのではないでしょうか。そのように説明をすることで、より理解が広まる、推進できる、差別をなくす社会の道が開けるのではないかと期待されると思います。
 日本障害フォーラムとしての発言は、以上とさせていただきます。ありがとうございました。

○石川委員長 久松様、ありがとうございました。
 それでは、最後になりましたけれども、一般社団法人日本発達障害ネットワークの大塚様、お願いいたします。

○(一社)日本発達障害ネットワーク 大塚副理事長 日本発達障害ネットワークの大塚と申します。発言の機会を与えていただいてありがとうございます。幾つか短く申します。
 1の(1)なのですけれども、現行の不当な差別的取扱いというものが、障害のない人との比較において、障害者の差別的な取扱いとなっておりますけれども、障害者がほかの障害者と同じように取り扱われない不当な扱いというのも、例えば作業者における工賃の差異であるとか、様々な形でそういう状況もあります。これについては、法律そのものが障害のない者との比較と書いてありますので、なかなか難しいかもしれませんけれども、障害のある方同士の様々な異なりというものについても、もし言及できるのであれば、同じように取り扱うべきだということを入れてほしいと考えております。法律改正マターかもしれません。
 2番目は、合理的配慮というところでございます。現行の合理的配慮が障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合となっております。これはこれで非常に大切な視点、つまり、意思表明の本人による申し立ての重要性、申立権と言っていいかもしれません。それをきちんと保障するということで重要なフレーズではありますけれども、本人が申し立てない限り、合理的配慮に向かった活動が発動しないという弊害の可能性もあるということであります。
 そういう意味で、この本人主体の申し立てを重要視しつつ、発動するためには、この意思の表明のところに(支援を受けた意思表明も含む)と、例えば家族や、介助者という言葉がよくないので支援者等、そういう方による支援を受けた意思表明というものもあるのだと、本人の立場、主体の立場を維持しつつ、他者からの協力ということもきちんと位置づけるべきだと思っております。
 その際、どの範囲ということが課題になるかもしれません。障害者の家族、介助者、この介助者というのはそもそもそれぞれの障害の法律に介助という言葉は、身体障害者福祉法における介助犬ぐらいです。あとはみんな支援という言葉になっています。また、知的障害や精神障害の意思表明ということに関わるという観点からいくと、なかなか介助という言葉は適切ではないと思っています。むしろ支援者だと思っています。その範囲をどこにするかということ、もちろん本人を一番よく知っている本人に身近な人たちが、このような支援をしつつ、本人に意思を表明してもらうということもありますけれども、ここではもっと広く、市民一般ということも考える可能性があるかもしれません。
 そもそも障害者差別解消法の目的が地域共生社会をつくっていくという広い考え方の中にあります。まさに市民の方にも参加していただきながら、今後は障害分野だけではなくて、市民との協力の中で、本人たちの権利を守っていくという観点から言えば、もう少し広く市民、あるいは国民といってもいいかもしれません。ただ、それによって本人を知っているということがなかなか難しいという困難もあるかもしれませんけれども、どちらを取るかということを議論すべきかと思っております。
 3番目に、この間のヒアリングの日本自閉症協会にもありましたように、意思の表明が困難な障害者が家族、介助者等を伴っていない場合ということがございました。ある意味での危機的な状況ということを想定しております。さらに明らかに社会的障壁を除去しようとしていることが明白であるという場合については、現行の基本方針の中には、当該障害者に対して適切と思われる配慮を提案するために、建設的対話を働きかけるなど様々な自主的な取組と書いてありますけれども、この場合については行政機関、あるいは事業者等は、保護法の趣旨に鑑みれば、合理的配慮を提供すべきであると明らかなわけですから、建設的対話ということではなくて、合理的配慮を提供してくださいということをきちんと書くべきだと思っております。
 でも、このような本人を支援する方がいない、支援を受けた意思表明が困難な場合については、やはり職権的な支援というか、関わりが必要だと思っています。行政機関が行うべきなのかもしれませんけれども、行政機関というのは利益相反にもなりますので、なかなか本人の意思をサポーティブに表明していただくということは困難だとは思いますけれども、現行の中においては協議会であるとか、先ほどのお話にもあったような障害者団体など、関わる人たちが積極的に、家族がいない、介助者がいない、あるいは本人が困難に陥っている、そういう不利益をきちんと是正すべき仕組みというものをこれから少しずつ作っていく必要がある。一番混乱に陥ってしまう人たちだと思っていますので、このような方たちについての支援の仕組みを考えるべきだと思っています。
 最後に建設的対話という言葉、これもすばらしい、これから熟していく言葉だとは思っていますけれども、なかなか具体的な場面における建設的対話は、意味の理解からも含めて困難が伴う、私は建設的対話は(支援を受けた建設的対話も含む)とすべきだと思っています。関わる人たちがそれぞれの考えから、本人を建設的対話の場面においてもサポートしていくという体制をつくるべきだと思っています。
 以上です。

○石川委員長 大塚様、ありがとうございました。
 以上で、10団体からのヒアリングが終了いたしました。
 引き続きまして、質疑応答としたいと思います。それでは、質問のある委員はチャットメッセージで意思表示をお願いいたします。
 竹下委員、お願いします。

○竹下委員 ありがとうございます。竹下から2団体に質問させていただきます。
 まず1点目は、ALS協会の方への質問です。障害者差別解消法に裁判規範性を持たすべきだということについては全く同感ですが、ただ、紛争解決について、常に司法に持ち込むという発想はどうなのかなという思いからの質問です。この紛争解決は、常に司法、すなわち裁判所に常に委ねるのではなくて、例えば紛争解決委員会のような準司法的機関といいましょうか、そういう機関における紛争解決というものは想定されていないのでしょうかというのが、1点目の質問です。
 次、ろうあ連盟に対する質問です。ろうあ連盟から合理的配慮についての基準を示すべきではないかという提案がありました。何となく分かるのですけれども、合理的配慮の基準というのは、具体的にはどういうイメージを持っておられるかについて、少し敷衍していただければと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、今日は少し時間も確保してございますので、後で変えるかもしれませんけれども、現時点では、質問に対して御指名のあった団体から回答していただくという形でやってみようと思います。何か困難がありましたら、また変えるかもしれませんけれども、これでやってみたいと思います。
 それでは、まず、ALS協会の岸川さん、お願いします。

○(一社)日本ALS協会 岸川常務理事 ALS協会の岸川です。御意見ありがとうございました。
 ここに書いている意見については、協会の方で意見を募集したところ、こういう意見が来ております。当然、直接の当事者ということで少し厳しく書いているのかなということもあります。私としては先ほどおっしゃられたように、これに準ずるというのですか、それこそ先ほどおっしゃったような建設的な対話を目指して、どこかで調整するというようなところもあって、当然しかるべきだと考えております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 ろうあ連盟、お願いいたします。

○(一財)全日本ろうあ連盟 吉野理事 全日本ろうあ連盟の理事の吉野と申します。竹下様からの御質問に対して、お答えしたいと思います。
 合理的配慮の基準が何なのかという御質問だと思います。私たちは手話言語でのコミュニケーションが必要です。そのために手話言語での合理的配慮を申し出ることになります。例えば町内会、自治会の会合等に手話通訳をつけてほしいと希望した場合、自治会の予算、過重な負担という理由に、手話通訳でなく、UDトークを使うことで合理的配慮を提供している例がありました。しかし多くのろう者の場合はUDトークでなく、手話言語通訳を求めている。つまり私たちのコミュニケーションの手段は手話言語なのです。基本的に合理的配慮は手話言語を要望するわけです。以上の回答でよろしいですか。

○竹下委員 竹下です。ありがとうございました。

○石川委員長 石橋委員も発言を求めていらっしゃいまして、関連であれば、今お願いしようと思いますけれども、別件でしょうか、関連でしょうか。

○石橋委員 別です。

○石川委員長 そうしましたら、こちらで確認した順番でやらせていただきます。
 続きまして、曽根専門委員、お願いします。

○曽根専門委員 曽根です。
 ピープルファーストジャパン様と日本発達障害ネットワーク様に同じ質問をさせていただきます。
 1点目が、ピープルファーストジャパン様については、政策委員会に知的障害当事者の参加を認めるというようなことが書かれていたと思うのですけれども、例えば今後、対応要領を自治体が策定する際に、自治体の会議の構成員に、多くは知的障害の家族会が参画することで、知的障害者の団体が入っているという例が多いと思います。ただ、ここにはやはり家族会とは別に知的障害の当事者の人の参画を進めるというようなことを国の基本方針の中に入れて、自治体にもそういったことを策定してもらうということが必要ではないかと考えるのですが、それについてどうお考えかというのが1点目です。
 もう一つなのですけれども、これは知的障害の方の参政権を支える上で、選挙公報が、これは候補者が原稿を作ったものを選挙管理委員会が選挙公報として配らなくてはいけないということが、どうしてもは分かりにくい文章になっているという現実があると思います。ですので、各自治体の選挙管理委員会が知的障害の方にとって分かりやすい選挙公報の原稿を候補者に求めて、選挙公報の分かりやすい版をつくって配付するというようなことを進める必要があるのではないかと思うのですが、これについての御意見をお聞かせ願いたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 それでは、中村様、お願いします。

○ピープルファーストジャパン 中村全国事務局長 当事者の意見を聞いてなかったから、親の意見として進められていたから、親はやはり施設に入れろというのが全面的にあるので、当事者はやはり自分で望んで施設に行くわけではないので、当事者がどのような地域で生活したいといったら、違うかなと思うのですけれども。
 (中村全国事務局長の同席者から「それは国のレベルだけではなくて、自治体とか地方でもそうなのではないのと、曽根さんが質問しているのだけれども、それはどう思われる。」との補足説明を受けて) ちゃんと当事者の意見が入っているのかなと思うのだけれども、そういう目で見てほしいです。
 (中村全国事務局長の同席者から「2つ目、選挙のときに選挙公報と新聞に出てくるやつがあるでしょう。あれがやはり難しいから、あれの分かりやすい版を選挙管理委員会に作ってもらったらどうかというお話があったけれども、どう思いますか。」との補足説明を受けて)やはりそれも、当事者の意見を聞いて進めてほしいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 大塚様、お願いします。

○(一社)日本発達障害ネットワーク 大塚副理事長 曽根さん、もう一度簡単によろしいですか。

○曽根専門委員 一つは、国だけではなくて、自治体の会議においても知的障害当事者の構成委員としての参画を進めるべきではないかということについて、今後、対応要領等に記載するというようなことが必要かどうか。
 もう一つ、選挙公報については、どうしても候補者が原稿をつくったものを選挙管理委員会がまとめて出さなくてはいけないので、知的障害当事者にとって分かりにくいものしか出ていないと思うのですけれども、選挙管理委員会が候補者から分かりやすい原稿をもらって、分かりやすい選挙公報をつくるということも合理的配慮として進めるべきではないかと思うのですが、それについて。

○(一社)日本発達障害ネットワーク 大塚副理事長 両方とも、全く知的障害の方たちの当事者の方たちが委員会に入るとかということも含めて、もっともっと進めていくべきだと。ただ、ほかの障害とのいろいろな関係の中ですので、それぞれの障害というものがどのような意見を持っているかということをきちんと反映させる仕組みですよね、それが一つの委員会だということだと思います。
 もう一つ、選挙に関しても、知的障害の方の特性を理解した選挙の方法というものを当事者も含めて選挙管理委員会の方たちなどが打ち合わせながら、ベストの選挙のやり方を考えていく。こういう仕組みをつくっていくべきだと考えています。
 以上です。

○曽根専門委員 ありがとうございました。

○石川委員長 ありがとうございました。  続きまして、阿部委員お願いします。

○阿部委員 日本身体障害者団体連合会の阿部でございます。
 私は、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会の新谷さんのお話に関連してです。私たち障害当事者団体も、先ほど日本障害フォーラムの久松さんのお話にもありますように、事業者ということにもなるのだと思います。そう思っているところですけれども、そのようなことから、私たちの団体でいろいろな集まりを企画したときには、要約筆記がとても大事だと考えています。また、私の地域での団体でもそのように行っています。
 ただ、この場合の費用の負担というのも結構大変なものですという言い方がいいのかどうか分かりませんけれども、新谷さんのお話の中で、この要約筆記について合理的配慮、当たり前の環境の整備とする場合の費用の負担というのはどう考えたらいいのかなとありましたので、新谷さんのお考えをお聞きしたいと思いました。今現在、私たち日本身体障害者団体連合会は団体で負担している現状があります。その辺のところで、これは行政との関わりというのもあるのか、地域間の格差というお話もあったように思いましたので、その辺のところを確認したいと思います。
 新谷さん、よろしくお願いいたします。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それでは、新谷様、お願いできますでしょうか。

○(一社)全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 新谷理事長 全難中の新谷です。
 阿部さんのお住まいは仙台なので、仙台の障害者総合支援法の意思疎通支援の中で、その利用団体として当事者団体とか、障害者団体を認めている場合には、その団体が利用申請できると思います。それで公費負担になっていると思います。だけれども、多くの自治体においては、障害手帳を持っている個人だけを利用者に限定しているのが多いです。東京都も複雑ですけれども、それがほとんどで、団体としての利用は、昔は認めていたのだけれども、総合支援法が出来上がってしまってから、団体の利用を認めないとなったので、非常に混乱しているわけです。
 それで、理解が及ばないのは、団体が集まってコミュニケーション、会議をやる集まりでいろいろ話し合うというときに、そういうところに求められる情報保障というのは、そこに集まった人全員に対して情報保障を提供していくのだというところが、総合支援法の要するに個人に対する支援の考え方と、やはりギャップがあるわけです。団体に対して、どのように支援していくのか、集まりに対してどのように支援していくのかというのは、仕組みづくりとしてもまだまだ議論が深まっていないと思っているのです。
 私たちの団体にとっては、それは非常に切実なので、いろいろなところで声を出しているのですけれども、現状は私たちの団体が全国規模の集まり、役員会、それから、専門部の活動を持つと、全部団体負担です。現在、懐具合を言ってはいけないのですけれども、全部の負担が年間で1000万円を超えています。これを私たち当事者団体が負担するというのが共生社会のコミュニケーションを保障する在り方としていいのかという観点から考えると、私はやはりそうではないと、やはり共生社会全体のコミュニケーションのためのコストだと思いますので、ここはやはり公費をいかにそこに平等に不公平がないように提供してくかという仕組みを考えないといけない。
 そこのところで現在の福祉立法である障害者総合支援法という立法でいくのか、それとも、私たち地方団体が運動しているコミュニケーション情報保障法みたいな新たな法律をつくってそこで面倒見ていくのかというのは、非常に立法的な課題はあると思うのですけれども、課題としては、私たちは都道府県、区市町村の実施要綱の中で、とにかくその範囲のものは認めてほしいというのは切実な要求です。最終的には、やはり私たちの共生社会に対するイメージの持ち方、コスト負担、全体でどのように社会が負担するのかという議論だと思います。抽象的な答えになりますけれども、切実な問題なので、もっともっと活動、PRを努めていきたいと思います。ありがとうございます。

○阿部委員 ありがとうございます。
 仙台はそのように、確かに団体の負担はない状況ですけれども、日本身体障害者団体連合会ということで考えますと、その経費の負担も結構多いものになっているというのは、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会と同じような悩みというか、大変さがあります。私たちは身体障害者団体連合会、多様な身体障害の方々が関わっていますので、要約筆記を団体としては今行っていて、費用が大変だということは共通しているということと、その辺のところ、大事なことだと思います。今後とも、皆さんとともに検討できればありがたいなと思っています。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 石橋委員、お願いします。

○石橋委員 全日本ろうあ連盟の石橋です。
 質問は、一般社団法人日本筋ジストロフィー協会さんです。御意見の中に障害者手帳に電車の割引等が規定されているというようなことがありましたが、ちょっとお聞きしたいのは、実際、障害者手帳が電子化された場合に、我々としても便利な面が幾つかあると思っているのです。例えば最近JRの窓口が無人化されつつあります。改札口も無人化されてきています。券売機などで障害者割引で券を買う時に問題が起きている。高速道路は、ETC化で無人なので、そこで一々交渉するのに時間がかかっている。この電子化という面では、自動判定で、それが割引になるというのは非常に便利だなと思っているのです。
 御質問したいのは、それによって全国的にシステムが変わっていく、そうすると、国全体が電子化してほしいということなのか、今、総務省が進めているマイナンバーがありますよね。その中に障害者に関する情報も入れ込み、このマイナンバーカードを普及していきたいというようなお考えなのか、そのどちらの趣旨であったのかを確認したいのです。

○(一社)日本筋ジストロフィー協会 貝谷理事 ありがとうございます。よろしいですか。

○石川委員長 委員長の石川です。お願いしたいのですけれども、差別解消法の基本方針の改正に関わるヒアリング質疑応答という観点を御拝察いただいた上での御回答に留めていただけると幸いです。よろしくお願いします。

○(一社)日本筋ジストロフィー協会 貝谷理事 ICT化する流れで今、社会全体が動いているところで、そういったものの技術を障害者の分野に適用することは非常に大切なことかなということで、これは今申されましたマイナンバーカードとの紐付け、あるいはそれ自体に、ということについては、プライバシーのこととも、また、その制度そのものとも関係があるので別だとは思うのですけれども、少なくとも障害者手帳単体でもICT化していく。ICチップを付けていく。あるいは先ほど申しましたプライバシー保護の面で、障害名が簡単に見えてしまう、そういったものは他の人には見えないようにするとか、そういったものをICで管理するということです。
 そういったものもあると思いますけれども、マイナンバーカードの方とはまた別で議論するべきことで、デジタル化によって多くのメリットを受けられ、ほかの人たちと同じようにサービスが受けられるというところで、非常に優れているということで提案した次第です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 続きまして、三浦委員長代理、米山委員、最後に私からも質問させていただきたいと考えています。繰り返しになりますが、差別解消法の基本方針の改正に関わる質問ということでお願いしたいと思います。
 では、三浦委員長代理、お願いします。

○三浦委員長代理 全国身体障害者施設協議会の三浦と申します。
 社会福祉法人日本視覚障害者団体連合の田中さんに質問させてください。資料は26ページの下段です。過重な負担の判断に関する考慮要素、障害者の重大な権利利益を侵害する場合などは考えてほしいという御意見が上がっていて、そこに共感をしたのですけれども、御提案の侵害される障害者の権利利益の性質、特に考慮されるべき主なものの田中さんがお考えになっているところを聞かせていただければと思いました。
 以上です。

○石川委員長 それでは、田中様、お願いいたします。

○(社福)日本視覚障害者団体連合 田中評議員 御質問ありがとうございます。日本視覚障害者団体連合の田中でございます。
 障害者側の権利利益でございますが、一つ考えられるのは、例えばコミュニケーションに関わるものでございます。これは憲法の立場から考えましても、これは知る権利であるとか、情報取得という非常に憲法上も重要な人権に関わるものでございますので、コミュニケーションに関わる配慮というものは行政機関等、あるいは事業者側の負担がある程度上がってきてもやむを得ないかなと考えております。
 また、発言の中でお話ししましたように、視覚障害者としましては、鉄道駅からの転落というものは生命身体に関わりますので、こういった安全確保に対する配慮については、やはり一定の負担水準を上げていただきたいと考えております。
 以上でございます。

○三浦委員長代理 ありがとうございます。

○石川委員長 それでは、米山委員、お願いします。

○米山委員 米山です。
 今日御発表いただいた団体様から、もし御意見を伺えればという点でございます。いろいろな御発表をいただいた中で、生活活動だとか、就労において、差別、あるいは合理的配慮の必要性をいただいたのですけれども、やはり人生を楽しむという意味での文化的な活動というのは、障害者基本法の25条、あるいは平成30年度の法律などで文化的な活動を配慮する、あるいは活動できるようにということがありますし、ICFのものでも当然参加、活動ということであります。
 そういった中で、今回、何例かの差別に当たるのではないかという事例をいただいたわけですけれども、そういう文化的な活動、あるいはスポーツも含めて、そういった中でのやはり差別を感じるところ、そういったものの事例があれば、挙手をいただいて意見をいただくのか、これはまた別の機会に文化的活動の御意見を伺うというのは、前回の委員会でもありましたけれども、もし、特別こういう事例がありましたというものがあれば、団体さんから具体的に1例でも2例でもお伺いしたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 文化活動に関わっての不当な差別的取扱いとか、合理的配慮の不提供の事例について、ここで共有したいという団体がございましたら、チャットメッセージをお願いします。後ほど文書でも、もし今すぐに思い当たらなければ、それでは、このテーマにつきましては今後も引き続き取り上げていきたいと思います。
 吉野様、お願いします。

○(一財)全日本ろうあ連盟 吉野理事 全日本ろうあ連盟の理事の吉野です。
 米山さんからの御質問に対してお答えしたいと思います。2つの事例を説明します。
 まず、1つ目なのですが、先頃、東京オリンピック・パラリンピックがありました。この開閉会式に関してなのですが、皆さん御覧になって御承知かと思うのですけれども、オリンピックの開会式の際に、手話通訳が付かなかったという問題です。これはみんなでNHKに対して、字幕はあるけれども、手話通訳がないとろう者としては見ていて楽しめない、非常にがっかりしたと、これに対してはかなりの抗議をさせていただきました。閉会式の際にはようやく手話通訳が付与されたのですが、NHK総合ではなく、Eテレの方につけるという形だったのです。本当に第一歩と思うのですが、やはりこれはそういう形ではなく、NHKとしてきちんと文化的なものには手話通訳と字幕の両方を付与するという配慮が必要だと思っているのが1点目の事例です。
 2点目なのですが、私どもは映画を見に行きたくなりますよね。ですが、邦画の場合は字幕がないのです。あっても2日間だけ限定、あるいは3日間だけ限定で字幕付き、それも全国的ではなく、どこかの場所だけで限定で開催するみたいな形で、見たいなと思っても日程が合わない。例えば朝1回だけとか、夜の1回だけみたいな形なので、文化的なアクセスができない、映画を見ることができない、そういう不満が寄せられています。やはり聞こえる方と同じようにろう者であっても映画をいつでも楽しめるような環境整備をしなければならないと思っています。
 今いろいろな開発が進んでいて、バリアフリー眼鏡というもので、眼鏡をかければそこに字幕が出るとか、いろいろなものが工夫されてはいますけれども、それだけではなく、国全体として、どこに行っても、いつでも映画が聞こえる人と同等に、同じ条件で楽しめるようにしてほしいというような事例です。
 以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 DPI女性ネットワークの藤原様、お願いします。

○DPI女性障害者ネットワーク 藤原代表 DPI女性障害者ネットワークの藤原です。
 先ほどパラリンピックの話にもありましたように、やはり女性はもともとスポーツとかをやっている方も少ないというのが、これは障害者に限らずですけれども、そういう傾向にあって、やはりその中で、以前の政策委員であった大日方さんが言われていたと思うのですが、やはりそういう中で更衣室であるとか、女性としての配慮という部分がなかなかされないというようなことを書いていらしたのをちょっと思い出しました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 最後になりますが、私からも若干、日視連の田中さんに質問なのですけれども、合理的配慮の提供を進める上で、公的な財政補助なども有効な方法ではないかと発言されたかと思うのですけれども、差別解消法と、それから、人的サポートなどの提供も含めての環境整備法というのは、障害者の人権を守って促進していく上では車の両輪だと思いますけれども、合理的配慮の提供を民間事業者に義務付けたと同時に、合理的配慮の提供に対して公的助成を行うというのは、法律の趣旨やつくりとして、私としては違和感を覚えます。差別解消法は差別解消法として、環境整備法は環境整備法として進めていくという観点で、この2つの異なる性質というか、特性というものは切り分けることは難しいことも多々ありますけれども、分けていかないといけないのではないかと思っております。
 なので、合理的配慮を環境整備へグレードアップしていくというか、定常化していくというか、一般化していくような局面での助成であれば、それは理屈として通るかなと思うのですが、合理的配慮の提供に対して助成をする仕組みというか、そういうものはちょっと難しいように思うのですけれども、団体としてのお立場はとりあえず横に置いて、法律家としてのお立場での御意見を伺えないでしょうかという質問です。

○(社福)日本視覚障害者団体連合 田中評議員 日本視覚障害者団体連合の田中でございます。御質問ありがとうございます。
 私も確たる意見を持っているところではございませんけれども、環境の整備というのは大事なことだと思います。私が言うまでもなく、不特定多数の障害の方が障壁なく日常生活を送れるようなことを目指しているところかと思います。
 合理的配慮というのは、特定の個人に対する配慮でもございまして、この配慮に対して一定程度の助成を行うということは、環境の整備に向けてのテストケースというようなことにもなりますし、事業者全体の普及啓発にもつながるという意味では価値があるのではないかと考えるところです。
 ただ、環境整備法との関係等を十分に検討したわけではございませんので、不十分なところもあろうかと思いますが、とりあえずこのようなお答えをさせていただけたらと思います。ありがとうございます。

○石川委員長 ありがとうございます。
 竹下委員が挙手されていますので、竹下委員、お願いします。

○竹下委員 今の委員長の質問に対し、田中君のバックアップみたいな形になって恐縮ですが、委員長の指摘することは二重の面で注意すべきだと思っております。
 すなわち、環境整備という表現でいいと思うのですけれども、公的援助や公的資金によって一定の環境を向上させるということを基盤にしながら、合理的配慮がその上に一歩進んで個別性の配慮をそこに積み重ねていくという形の面で現れると同時に、もう一つは、過重な負担という判断の場面で、公的支援を受けていることがある、あるいは公的支援を受けることが可能な場合における過重な負担の判断の一つのファクターとして、公的支援を受けているか否かは十分に考慮されるべきだと思っています。
 その典型例は、障害者雇用促進法のガイドラインにおいて示されているわけでありますが、障害者の雇用の場面で、例えば職場介助者とか、そういうものを考えたときに、現に公的支援としての雇用納付金制度に基づく支援が受けられる場合の介助者の配置を一つ想定すれば非常に分かりやすいわけですが、この場合には、その事業主がそれを利用して職場介助者を配置するという形での合理的配慮を実現するかどうかという場面で現れてくると思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 このテーマは実はなかなか複雑なところがありまして、私もこれ以上、この点について今日は深入りするつもりはありません。問題提起ということで少し申し上げたのですけれども、過重性を理由として合理的配慮の提供が免責されるような局面で公的支援が一定程度機能するということは、そうだと思っていまして、そういう使い方であれば、法律のつくりとなじむかもしれません。
 また、雇用促進法における合理的配慮の提供と雇用主に求められている義務全体との間の関係については、もうちょっと議論が必要かなと思っておりまして、今日のところは深入りしすぎてしまうので避けたいと思います。
 もう1点、最後に藤原様の御意見に対しての質問というか意見なのですけれども、合理的配慮の提供をめぐって、提供が拒まれたりとか、あるいは提供はされても非社交的な接客というか、嫌々ながらの提供であったりとか、態度の悪い対応であったりということが行われるとしたら、そこには性差が有意に関係している気がするのです。ただ、きちんとしたデータがあるわけではないので何とも言えないのですけれども、そういうことがあっても驚かないという感じを持っていて、こういったような問題についても、何らかの対応というか、警鐘を鳴らす必要はあるのではないかと考えておりますが、藤原さんにもう一言、御発言をいただければと思います。

○DPI女性障害者ネットワーク 藤原代表 藤原です。ありがとうございます。
 特にこういうことは、言われた当事者であっても、これは女性だから言われたのかと、なかなか気付きにくいことでもあります。そういう意味で、やはり焦点を当てていただきたいということ。
 そして、先ほどどなたかハラスメントということも言われたかと思います。やはりそういったこともかなりあるのです。例えば私は視覚障害で、駅アナウンスというわけではないですけれども、次の降りる駅に申し送りを駅員さんがするのですが、年齢が何十代とか、服装がこういう服装でと、もう全部頭の先から足の先まで情報を伝えられるというのが、それで何か被害に遭ったというわけではないけれども、やはりこれはすごく気分の悪いもので、実際それをやめてほしいと言ったら、では、もう誘導は頼めません、これははっきり差別だと分かりやすいのですけれども、なかなかやめていただけないというところで、これは何差別なのだろうと思うことがあるのです。やはりそういう分かりにくい、でも、嫌な思いをするということとか、すごく曖昧なところもあると思うので、ぜひそこに焦点を当てたものが必要だと思っています。ありがとうございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 予定していた時間を大幅に超過してしまいました。私の議事進行の至らぬところということで御容赦ください。
 本来は休憩時間を20分確保していたのですが、トイレ等もございますので、5分休憩で進めさせていただいてよろしいでしょうか。
 異議なしでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、3時35分に再開ということでお願いいたします。

(休憩)

○石川委員長 それでは、再開したいと思います。
 第4次障害者基本計画の実施状況について、事務局から説明をお願いいたします。

○立石参事官 事務局でございます。
 まず、全体的な事項につきまして御説明をいたします。
 今回は第4次障害者基本計画の実施状況を議題といたしまして、令和2年度の実施状況のフォローアップを予定しております。令和2年度の計画全体の実施状況に係る資料として資料3-1、計画の成果目標の進捗に係る資料として資料3-2を用意しております。
 令和5年度を始期とする次期基本計画につきましては、今後、今年度より策定に係る議論を開始していただく必要があるということから、その議論に資するものとなるよう、今回、フォローアップは2回に分けて実施することと考えておりまして、それぞれ主な関係省庁から実施状況の概要について御説明いただく形とさせていただきたいと考えております。1回目となる今回は、文部科学省、厚生労働省、国土交通省の3省から各省が作成されました資料4から6までの資料を用いて概要説明をしていただきます。
 事務局からは以上でございます。

○石川委員長 それでは、文部科学省から主な施策の取組状況について説明をお願いいたします。

○文部科学省(初等中等教育局特別支援教育課:小林企画官) 文部科学省特別支援教育課の小林と申します。よろしくお願いいたします。
 私からは資料4に基づきまして、文部科学省の障害者施策の実施状況の概要について御説明をさせていただきます。
 まず、教育の振興についてです。初等中等教育段階におきましてですが、令和3年1月、「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議報告」を取りまとめまして、障害のある子供の学びの場の整備連携強化、特別支援教育を担う教師の専門性の向上、ICT利活用による特別支援教育の質の向上、関係機関の連携強化による切れ目ない支援の充実につきまして、新しい時代の特別支援教育に関する方向性を提示したところでございます。
 また、新しい特別支援学校の学習指導要領において、聴覚障害者である子供や知的障害者である子供の学びの連続性の重視、障害の特性に応じた指導上の配慮の充実、キャリア教育の充実などの自立と社会参加に向けた教育の充実を図ることとしまして、この趣旨の徹底が図られるように各種会議で周知をしたところでございます。
 また、障害のある児童生徒の就学相談や学びの場の検討の充実に資するように、本年6月に、教育支援資料を障害のある子供の教育支援の手引きとして改定して、周知徹底を図っているところでございます。
 また、令和2年3月、初めて通級による指導を担当する教師のためのガイドを作成、公表しまして、通級指導の推進を図っているところでございます。
 また、令和2年11月、交流及び共同学習オンラインフォーラムを開催し、各自治体における取組の参考となる優れた実践事例を動画で紹介しているところでございます。
 また、障害のある子供への就学前から学齢期、社会参加までの切れ目ない支援体制を充実するために、その整備費や医療的ケアを行う看護師、外部専門家の配置に係る経費の補助をしているところでございます。
 また、特別支援教育支援員につきまして、地方財政措置を行っているところでございます。
 また、教員養成課程で、令和元年度から特別な支援を必要とする幼児、児童、生徒に対する理解の科目が必修となったのに加えまして、現職教員を対象とする免許法認定講習等を活用して、特別支援に関わる教員の資質向上を図っているところでございます。
 次に、高等教育でございます。障害学生支援に係る先進的な取組や多くの知見を持つ大学がプラットフォームを形成して、他大学がそれを活用する「障害のある学生の修学・就職支援促進事業」について2件の取組を選定し、連携のネットワークの構築を推進しているところでございます。
 次に、2ページ目でございます。日本学生支援機構において、全国の大学における障害学生の状況や支援状況について、把握・分析するための実態調査、また、適切な対応を行うために参考にできる事例集の作成や理解啓発を目的としたセミナー等を行っているところでございます。
 また、学生支援を担当する教職員が集まる会議において、障害者差別解消法の趣旨や障害者基本計画等について説明を行っているところでございます。
 また、文部科学副大臣の下に発足した障害者活躍推進チームにおいて、令和2年7月に学生に対する「心のバリアフリー」の取組の促進を盛り込んだプランを取りまとめ、それに基づく取組を実施しているところでございます。
 次に、生涯を通じた多様な学習活動についてでございます。「学校卒業後における障害者の学びの支援に関する実践研究事業」について、令和2年度から障害者の生涯学習支援体制モデルを構築したところでございます。
 また、障害者の生涯学習の担い手の育成、障害者の学びの拡大を目指すために、「共に学び、生きる共生社会コンファレンス」を全国7ブロックで開催いたしました。
 また、障害者の生涯を通じた多様な学習を支える活動を行う個人等について、文部科学大臣表彰を実施しているところでございます。
 また、令和2年7月、読書バリアフリー法第7条に基づきまして、政府の基本計画を作成したところでございます。
 次に、文化芸術活動、スポーツの推進・振興についてでございます。
 まず、文化芸術活動につきましては、平成30年6月、「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」の成立、施行を受けまして、平成31年3月に同法に基づく国の基本的な計画を作成したところでございます。この計画に基づき、障害者による文化芸術活動の推進に関する施策を推進しているところでございます。
 また、障害者の優れた文化芸術活動の国内外での講演、展示、映画作品のバリアフリー字幕や音声ガイド製作への支援を実施しているところでございます。
 最後に、スポーツ分野でございます。まず、「障害者スポーツ推進プロジェクト」としまして、各地域における課題に対して障害者スポーツの振興体制の強化、また、身近な場所でスポーツを実施できる環境整備を図る取組、また、障害者スポーツ団体の体制の強化を図り、他団体や民間企業と連携した活動の充実につなげる取組、また、障害者スポーツ用具について、金銭的負担を大きく負うことなくスポーツを始められる仕組みを構築する取組を実施しているところです。
 また、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、「オリンピック・パラリンピックムーブメント全国展開事業」として、パラリンピアンとの交流、パラスポーツ体験事業を重点的に実施するなどの取組を図っているところでございます。
 また、「Specialプロジェクト2020」としまして、全国の特別支援学校でのスポーツ、文化、教育の祭典の実施に向けた先進事例を蓄積するためのモデル事業等の支援を実施しているところでございます。
 続きまして、第20回全国障害者スポーツ大会は、令和2年10月に鹿児島で開催予定でございましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により令和5年度に延期したところでございます。
 最後でございますが、パラリンピック競技の競技力向上のための取組を実施しているところでございます。
 文部科学省からの御説明は以上でございます。

○石川委員長 小林様、ありがとうございました。
 続きまして、厚生労働省から主な施策の取組状況について説明をお願いいたします。

○厚生労働省(社会・援護局障害保健福祉部企画課:矢田貝課長) 厚生労働省障害保健福祉部企画課長の矢田貝でございます。
 私からは資料5-1、5-2に基づきまして御説明させていただきます。
 まず、資料5-1、令和2年度の障害者施策実施状況などについてでございます。
 まず、項目として、令和3年度、障害福祉サービス等の報酬改定を令和3年度から実施ということで改定を行ってございます。
 主な改定内容といたしましては、1障害者の重度化・高齢化を踏まえた地域移行・地域生活支援、質の高い相談支援を提供するための報酬体系の見直し、2効果的な就労支援や障害児者のニーズを踏まえたきめ細やかな対応、3医療的ケア児への支援など、障害児支援の推進などを内容とした改定を行ったものでございます。
 次に、保健・医療の項目といたしまして、まず、精神保健・医療の適切な提供等でございます。
 1といたしまして、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築ということで、こちらは厚生労働省で検討会を開催いたしまして、この地域での精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向け、今後、具体的な取組についても議論していくということにしているところでございます。
 2といたしまして、普及啓発、精神障害者に対する地域住民の理解を深めるための普及啓発の事業実施しているところでございます。
 2ページにまいりまして、精神保健福祉士の養成の在り方に関する検討でございます。こちらは精神保健福祉士養成課程における教育内容等を見直しまして、令和3年4月以降、順次導入していく予定でございます。
 次に、公認心理師についてでございますが、令和2年12月に第3回の公認心理師の試験を実施してございます。現在、登録者数は4万2435人となっているところでございます。
 次に、難病に関する施策の推進についてでございますが、基本的な方針を踏まえまして、難病対策を総合的に推進しているところでございます。現時点で対象は361疾病ということでございます。
 次の項目は、雇用・就業、経済的自立の支援という項目でございますが、障害者雇用につきましては、就職準備段階から職場定着支援まで一貫した支援を実施しているところでございまして、また、法定雇用率につきまして、令和3年3月1日に0.1%の引き上げを実施してございます。
 3ページ、雇用と福祉の連携でございます。まず、重度障害者等に対する通勤や職場等における支援といたしまして、こちらは助成金の拡充などの支援を図っているところでございます。また、障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会を令和2年11月に立ち上げまして、本年6月8日に報告書を取りまとめ、公表しているところでございます。
 項目の最後、障害特性に応じた就労支援及び多様な就労機会の確保についてでございます。
 まず、農福連携の取組ということでございますが、障害者就労のモデル事業の創設などの事業を実施してございます。
 また、障害者優先調達推進法の推進でございますが、同法に基づきまして、物品購入等の推進を行っているところでございます。
 次に、資料5-2に基づきまして、障害保健福祉分野における新型コロナウイルス感染症への対応について、御説明をさせていただきます。
 新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する状況にあっても、障害児者やその家族の日常生活を支えるため、施設事業者が感染拡大防止対策を徹底しつつ、障害福祉サービスの提供を継続できるよう、支援を行っているものでございます。
 主な取組といたしましては、まず(1)として、施設・事業所における感染防止の徹底等ということで、日頃からの感染症対策の強化、感染症が発生した場合の継続の支援、さらには1ページ目の一番下の障害者支援施設内で療養する場合の対応の周知などの予算措置、あるいは内容の周知などを行っているところでございます。
 2ページ目でございますが、障害福祉サービス等の事業者の人員基準等の臨時的取扱いということで、例えば一時的に人員基準を満たさなくなった場合に、報酬の減額を行わないなどの措置を行ってございます。
 (3)といたしまして、障害特性に応じた合理的配慮の提供ということで、新型コロナウイルス感染症の対応を行う都道府県に対して、視聴覚障害者などの障害特性に配慮した情報の提供や、コミュニケーション支援に係る配慮の依頼などを行っているところでございます。
 また(4)といたしまして、精神科医療機関における対応といたしまして、平時からの感染防護体制の確保のほか、精神科医療機関における感染防護策に対する事例集の作成、周知などを行ってございます。
 最後に3ページ目の3でございますが、項目の(5)、新型コロウイルスナ感染症に対応した心のケア支援ということで、感染症に係るメンタルヘルスに関する調査の実施というものを行ってございます。
 また(6)その他といたしまして、施設等への重点的な検査の実施ということで、医療施設、高齢者施設、障害者支援施設でのクラスターが発生している状況を踏まえて、検査の実施というものを徹底して行っているなどの取組を行っているところでございます。
 簡単ではございますが、厚生労働省における令和2年度の取組についての御説明は以上でございます。

○石川委員長 矢田貝課長、ありがとうございました。
 続きまして、国土交通省から主な施策の取組状況について御報告をお願いいたします。

○国土交通省(総合政策局バリアフリー政策課:真鍋課長) 国土交通省バリアフリー政策課長の真鍋でございます。よろしくお願いいたします。
 資料に即して、簡単に国交省の取組について御報告いたします。6点ほどございます。
 まず1点目でございますけれども、令和2年に行った改正バリアフリー法の全面施行の対応を行っております。法律改正の概要でございますが、1点目といたしまして、公共交通事業者さんが行うソフト対策の取組強化ということで、例えば車両に乗るときのスロープ板の操作、こういったソフト対策を基準化いたしまして、これについて適切に実施するよう、義務の創設をいたしたところでございます。また、宿泊施設や飲食店、こういったものにつきまして、障害をお持ちの方々への情報提供をしっかり行っている店舗さんなどは認定をしていくという制度を設けております。こういった取組を進めていくことによって、障害者の方々が情報を適切に得ながら、宿泊施設や飲食店に行っていただくというような取組を進めているところでございます。
 2点目でございますけれども、国民に対しての広報・啓発の取組促進ということで、優先席ですとか、車椅子使用者用駐車区画、こういったものについての適正利用を進めていくための枠組み、国や地方公共団体、国民、それから、施設の管理者、こういった方々の責務として、そういった施設の適正利用を推進していくことを位置付けております。
 また、文科省さんとも連携をいたしまして、市町村によります心のバリアフリーの取組の推進をしていくと、具体的には学校教育と連携をして、自治体が心のバリアフリーの教室ですとか、そういった取組、ソフト対策を進めていく、こういった枠組みを法律の中に設けたところでございます。
 3点目として、バリアフリーの基準に適合しないといけない施設の拡充を行っております。公立小中学校、それから、バスの旅客施設、こういったものにつきましても、バリアフリー基準を適用するというような改正を行いました。
 資料の2ページ目になりますけれども、2点目でございます。バリアフリー法に基づきまして、基本方針の改正を行っております。こちらの改正につきましては、学識経験者、高齢者、障害当事者の方々、事業者、関係者の方々の御意見をいただきながら昨年度改正を行いまして、今年度、令和3年度から5年間の期間を設定して、バリアフリーの取組の新しい整備目標を策定してございます。
 新しい整備目標の見直しの視点といたしましては、各施設について、特に地方へのバリアフリー化を一層促進していくこと。視覚障害の方、知的・精神・発達障害の方、こういった方々のバリアフリー対策について見える化していくこと。市町村さんが取り組む面的なバリアフリーの取組をしっかりと進めていくこと。そして、心のバリアフリーを進めていくこと。この4点を柱とした新しいバリアフリーの整備目標を定めてございます。
 資料の3ページから具体的な目標について記載してございますけれども、ポイントだけ簡単に御紹介させていただきますと、例えば鉄道駅などの旅客施設については、従来のバリアフリー化の対象が1日3,000人以上の利用のある施設としていたところを2,000人以上ということで、対象を広げてございます。
 また、バリアフリー化を目指すべき具体的な項目として、段差解消等の従来の項目に加えて案内設備、これは文字や音声によって運行情報提供を行う、あるいは図形によるお示しをしていくと、こういったものもバリアフリーの目標として追加してございます。
 また、鉄道駅につきましては、ホームドア、ホーム柵、こういったものについての整備を加速化していくということで、5年間で全体で3,000番線、10万人以上の利用の多い駅について800番線という具体的な目標を今回定めております。
 また、バスにつきましてもノンステップバスの導入促進を進めていくとともに、鉄道アクセスのない空港に行くリムジンバスについても、一定程度の割合でリフト付バスが運行をしていくような目標設定をさせていただいたところでございます。
 4ページにまいりますけれどもその他、道路、公園、駐車場、建築物、こういったものにつきましても新しい整備目標、さらなるバリアフリー化の推進のための整備目標のかさ上げといいますか、目標値を上げていくというようなことを行っております。
 市町村さんが行う面的なバリアフリーの取組ということで、法律に基づいて市町村が基本構想等を作成することになってございます。こちらの作成自治体数につきましても、5年間で現行の1.5倍にしていくと、450自治体で基本構想を作成していただくよう、国交省としても取り組んでいく。こういった目標を定めて、今後、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
 資料の5ページにまいりまして、3点目でございますけれども、私どもの方で法律に基づいて、移動等円滑化評価会議というものを開催させていただいております。年2回開催をして、当事者の方々の御意見を伺いながら、施策への反映を行っているところでございます。
 4番目でございますけれども、新幹線のバリアフリー対策を行っております。こちらも当事者からの御意見等を踏まえまして、これまで東海道新幹線であっても1席ないし2席でありました車椅子スペースにつきまして、新幹線の全体の座席数に応じた車椅子スペースの提供を行うように基準の改正を行ったということでございます。
 5番目でございますけれども、トイレの環境整備に関する調査及びガイドライン等の改正ということで、いわゆるバリアフリートイレにつきまして、その在り方の調査検討を行っております。具体的には一つの大きな弁房に様々な機能が集約されているようなトイレが非常に多くなっておりますけれども、様々な障害の方に応じて機能を分散させていくということで、真に必要な方が、きちんとトイレがなくて困ってしまうというようなことのないようなガイドラインをまとめ、各施設、建物とか、鉄道の公共施設とか、そういったガイドラインへの反映を行ったところでございます。
 最後でございますけれども、公共交通事業者が行う接遇ガイドラインの改正等を行っております。具体的には、公共交通事業者さんが障害をお持ちの方を接遇する際の対応方針につきまして、平成30年につくっておりますけれども、その後、令和元年に認知症編ということで追加をしてございます。さらに新型コロナウイルスの感染状況を踏まえまして、感染対策を踏まえた障害の方に対する接遇方法ということで、ガイドラインの改正を行って、本年の7月に周知を行ったというようなところでございます。
 簡単ではございますが、国交省からは以上でございます。

○石川委員長 真鍋課長、ありがとうございました。
 それでは、ここから審議に入りたいと思います。本日は3省の取組につきまして御報告をいただきましたので、この3省の取組に絞って質疑応答をしたいと思います。御質問・御意見のある委員は、チャットメッセージで意思表示をお願いいたします。
 佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。文科省と国交省にお尋ねいたします。
 まず、文科省なのですけれども、学校のバリアフリーです。昨年、バリアフリー法が改正されて、公立小中学校のバリアフリーが義務化されました。年末に5年間の整備目標をつくっていただいて、これは内容がとてもよくて、本当に感謝しております。この中で、エレベーターは要配慮児童生徒等が在籍する全ての学校に整備するとなっているのですけれども、実際の現場では、キャタピラー式の階段昇降機、これは非常に危険で時間もかかって、自由に自分1人では上下階に移動できないものなのですけれども、これで済ませようという事例が各地であると聞いております。そこで、ぜひお願いしたいことが2点あるのです。
 一つは、文科省から各教育委員会に対して、改めてエレベーター整備が基本であるということを周知していただきたい。キャタピラー式は不適切であるということを明確に周知していただきたい。
 2点目は、文科省の中にこういった事例があったときの相談窓口。本人や保護者からの相談窓口をぜひつくっていただきたいと思います。
 続きまして、国交省です。
 まず一つは、東京オリパラが終わりまして、東京オリパラのレガシーというのはこれから大切になっていくと思うのですけれども、東京オリパラですばらしく日本がよくなったのは、当事者の参画、基本設計の段階からの当事者参画、そして、世界のバリアフリー整備基準を踏まえたTokyo2020アクセシビリティ・ガイドラインという2つがすばらしかったと思っています。この2つをちゃんとこれから引き継いでいくように、バリアフリー法の義務基準にぜひ盛り込んでいただきたいと思います。
 2025年に大阪万博が予定されておりまして、施設整備のユニバーサルデザインガイドラインというものが、この間発表されたのですけれども、中身を見ると、まず、当事者参画がされていない、検討段階では全く障害者団体が入っていない。さらに内容も非常に不十分なもので、昔の日本に戻ってしまったような内容で、とてもがっかりしております。こういうことも起きていますので、ぜひ義務基準にする必要があると思っております。
 もう一つ、国交省にお願いしたいのですけれども。小規模店舗のバリアフリーガイドラインを昨年策定して、この4月からスタートしているのですけれども、実際に義務ではありませんので、どのぐらいの店舗がこのガイドラインを守って整備をしているのかという実態調査をぜひ行っていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 佐藤委員、ありがとうございます。
 竹下委員、玉木委員、柘植委員、岩上委員、岡田委員、北川委員、米山委員、田口委員、中野専門委員が現時点で挙がっておりますので、まず質問、あるいは意見を述べていただいて、各省はちょっと御負担ではありますけれども、最後にまとめて御答弁いただくという形を採りたいと思いますが、よろしいでしょうか。御協力に感謝いたします。
 それでは、竹下委員、お願いします。

○竹下委員 日視連の竹下です。ありがとうございます。文科省に2つの質問です。
 1点目は、1の教育の振興の中の(1)の1で、障害のある子供の学びの場の整備、連携強化とあります。この部分についての質問です。特にこの連携強化の部分になるかと思うのですが、障害児の通学における支援、あるいは環境整備というものは、どこまで進展したのか、何らかの動きがあったのであれば教えていただきたい。通学時における補助者等の何らかの動きあったのか、取組があれば教えていただきたいと思います。
 もう1点は、特別支援教育の一つだとは思うのですけれども、特別支援学校ではなくて、地域の学校で学んでいる障害児に対して、専門的な支援というものがどういう形で進展したかについて教えていただければと思います。
 私からは以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 引き続き、玉木委員、お願いします。

○玉木委員 玉木です。ありがとうございます。3点あります。1点目は全体的な話です。2点目は文科省に質問、3点目は厚労省に対する質問です。
 1点目の全体的な話でいくと、多分、今日は資料3-1の実施状況からの抽出で各省庁が回答されているのだと思いますが、簡単に言いますと、僕が求めている抽出内容と各省庁が出されている抽出内容には、かなり大きなずれがあるかなと感じています。しっかりとここは検討した方がいいと思うので、10月に予定していた政策委員会がなくなったことについては、非常に残念だと思っています。その上で、もう少し実施状況について論議ができる時間を余分に取っていただけたらありがたいなと思っています。
 その上で2点目、文科省に質問ですけれども、教育の振興の中には、それぞれやられている取組は分かるのですけれども、例えばインクルーシブ教育の推進をするために、こういうことができていますとか、具体的なお話を少し聞かせていただけたらありがたいなと思います。
 それから、厚生労働省に対してですけれども、ここで抜けているのは、近年、メディアでは露骨に障害者施設とか、精神科病院での虐待事案が刑事裁判に行くような事案が増えているにも関わらず、報告の中で虐待防止の観点からの視点が一切なかったということと、やはり地域移行を進めていくための取組についても触れられていなかったので、そこについても少しお聞かせいただきたいなと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 すみません、1点目、ちょっと私は聞き漏らしたかもしれませんけれど、各省の報告と玉木委員が求めていた、期待していた報告との間のギャップをもう少し端的に教えていただけますか。

○玉木委員 例えば文科省に先ほど質問させてもらったのですけれども、やはりインクルーシブ教育を進めていく上では、もうちょっとインクルーシブ教育を進めていくための取組などを丁寧に報告していただきたいと思っていたのです。例えばですけれども、この報告の中で、それぞれインクルーシブに向かっているのでしょうけれども、特別支援教育という子供がやはり目立ってきていることがあるので、特別支援教育ではなくて、全ての子供たちを教育していく上で、障害のある子たちにとっても、どういうことをやっているのかという、子供全体から見た障害のある子たちの取組などが聞けたらいいかなと思っているわけです。

○石川委員長 ありがとうございました。理解しました。
 では、柘植委員、お願いします。

○柘植委員 筑波大学の柘植です。玉木委員が最初に発言されたことと、今、繰り返し発言されたことと少し関係あるのかもしれないです。
 文部科学省の資料3-2の29ページを今開いているのですけれども、教育の振興で、目標分野がインクルーシブ教育システムの推進なのです。それで、個別の指導計画には個別の教育支援計画、これは幼稚園、小学校、中学校、高校でどのように作成されて、どのように活用されているかというかという、これを3つの項目で書き込むのです。
 昨年、1年ぐらい前でしたか、どうして2019年度は調査を実施しないのですかと聞いたら、隔年実施だというのです。隔年実施ではなくて、毎年すべきでしょうと、教員に負担がかかるという理由だったのですけれども、サンプリング等、いろいろ工夫すれば、いろいろな方法で教員に負担をかけずにできるのです。地域もうまくばらけたり、いろいろして、今回、送っていただいたものを見たら、何と2020年度も調査未実施と書いてあるのです。つまり2年続けて実施していないのです。  質問は、なぜ2020年度も実施しなかったのかということをお聞きしたい。
 もう一つの質問は、今年度はまだ半分ありますけれども、今年度は実施するのですか、実施しないのですかということをお聞きしたいです。
 意見に戻ります。今、玉木委員もおっしゃいましたけれども、実は、この教育振興の中で、3-1も3-2も冒頭にインクルーシブ教育システムの推進というものがあって、これを目指しているのです。ところが、この基本的な情報がないものですから、どこまで達しているか把握できない状態です。
 今、3-2の29ページ、3つの話、個別指導計画等の話をしましたけれども、その下に通級の話題、次の30ページで、特別支援教育推進に向けた体制の整備、これは数年前に53%で来年度100%を目指すのですよね。この進捗状況もとても心配で不安なのですけれども、データがない。これも昨年度未実施で、今年度するかどうかよく分からないということで、そういう状態なものですから、それを受けて資料の3-1を書くのですけれども、やはり冒頭でインクルーシブ教育システムの構築、推進なのです。先ほど竹下委員の発言とも関係するのでしょうけれども、具体的な実施状況が右側に書かれていないのです。学習指導要領の説明とかはあるのですけれども、非常に残念だなと思います。
 2つ目の質問になります。資料4なのですけれども、資料3-2、資料3-1でデータがないものですから、うまく書けないのは分かるのですが、資料4に至ってはインクルーシブだとかインクルーシブ教育という文言すら出てこないのです。ですから、インクルーシブな教育に向かうとか、インクルーシブな社会を目指すということに対して、どのようにお考えなのかなというのをお聞きしたいです。
 質問はその2点です。以上です。

○石川委員長 柘植委員、ありがとうございました。
 続きまして、岩上委員、お願いします。

○岩上委員 全国地域で暮らそうネットワークの岩上でございます。
 結論から申し上げますと、厚生労働省にお願いをしたいと思うのですが、今、障害者総合支援法の3年後の見直しをされていると思いますので、その中で、ぜひ社会的な支援の脆弱さに焦点を当てて、地域移行支援をどうしていくのかということを議論していただきたいと思っています。
 先ほど来、御説明がございましたが、資料3-2の16ページを見ますと、地域移行支援の実情が書かれておりますが、なかなか目標に達するような方向で進んでいないのではないかと思うわけです。厚生労働省の科学研究で平成30年度に調査を行ったところ、地域移行支援を行う事業所の方が、人員配置と業務量と報酬上の兼ね合いでためらっているということが分かっているのです。それに基づいていろいろ報酬上の評価を今回お考えいただいて推進していただいていることも承知しております。
 また、先ほど御説明がありました精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に関わる検討会報告書では、精神科病院の長期在院者の支援は、地域体制整備が重要であって、精神科病院との連携を前提に市町村の取組として制度上位置付ける必要があるということでまとめております。したがいまして、今までのような医療機関責任論とか、医療機関が責められていると感じることは払拭して、社会的支援をどのように行っていくかということを進める必要があるということが今回の報告からも見えてきているのではないかと思いまして、初めに話しました議論をきちんと進めていただきたいと、これは要望でございます。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 続きまして、岡田委員お願いします。

○岡田委員 ありがとうございます。全国精神保健福祉会連合会の岡田です。
 2点、厚生労働省と国土交通省に意見と質問をさせていただきます。
 厚生労働省の方には、精神科医療機関におけるコロナ対応についてということです。日本精神科病院協会から精神科病院が転院を要請しても転院できずに死亡された方が200名を超えているという報告がございました。このことは精神科医療を利用する立場の者からは大変大きな不安につながっております。資料5の2の2枚目のところに対応策の御報告がありましたが、この対応で本当に改善されたのかどうかという不安が残っております。さらに検討が必要ではないかというお考えがおありかどうか伺いたいこと。
 また、精神科医療機関における感染症対策から見えた課題として、大変に劣悪な環境の精神科医療機関があるということが7月31日のNHKがドキュメント番組で提示をされました。これは大変私どもにとって衝撃的な内容でした。コロナ対応以前の病気の治療の場である入院環境の改善について、ぜひとも積極的な対応策を考えていただき、取り組んでいただきたい。これは要望になります。よろしくお願いいたします。
 2点目、国土交通省のバリアフリー施策の推進についてなのですけれども、6月に真の共生社会実現に向けた新たなバリアフリーの取組として大臣指示が出されました。その4点目に、公共交通機関における精神障害者割引の導入の促進ということがございましたが、このことについて、その後、何か取り込まれているか、あるいは今後の予定も含めてでいいのですが、進捗状況等を教えていただきたいと思います。
 以上です。よろしくお願いいたします。

○石川委員長 ありがとうございました。
 続きまして、北川委員、お願いします。

○北川委員 知的障害福祉協会の北川です。
 玉木委員、柘植委員、竹下委員とも被るので簡単に質問したいと思います。
 平成25年辺りに、文科省がインクルーシブのモデル事業を推進していました。今回はインクルーシブについて何も書かれていないので、文科省はインクルーシブ教育についてどのようにお考えか聞きたいです。
 もう1点、やはり障害のある子の支援を考えたときに、福祉との連携は欠かせないと思うのですけれども、文科省と厚労省で、家庭と福祉と教育の連携というトライアングルプロジェクトというのもあったと思うのですけれども、この辺はどのようになっているか教えてください。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 続きまして、米山委員、お願いします。

○米山委員 米山です。
 厚労省と文科省にお伺いしたいと思います。資料4の中段ぐらいにある障害のある児童生徒等への就学相談及び学びの場の検討の充実ということで、この6月に障害のある子供の教育支援の手引きということを出しているということでした。ここに関連するのですけれども、先ほど玉木委員からもありましたけれども、いわゆる障害者虐待防止、今、学校での体罰とか、暴言とか、いわゆる心理的虐待に当たるだろうニュース報道もありましたけれども、いわゆる障害者虐待防止法だと、学校に関して言えば、いわゆる間接的防止措置という分類に入るのだろうと思いますが、それが多分昨年度、総合支援法で学校だとか、保育所等における、そういう調査等を行われていたと思うのです。
 お聞きしたいのは、この手引きの中で障害児、あるいは障害者である子供の虐待防止に関しては、体罰を含めてどのようなことを書き込まれているか、あるいは書き込まれていなければ、先ほど北川委員からトライアングルプロジェクトということで福祉の連携ということで、厚労省の福祉の方の、例えば放課後等デイサービス等でも虐待防止のことは書き込んであると思いますが、その辺、学校の障害児ということにあえて焦点を絞れば、その辺り、虐待防止、呼名にしても差別的なということにも関わるものですから、その辺をどのように記載、あるいは捉えて、あるいは今後の予定などがありましたら教えていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 では、田口委員、お願いします。

○田口委員 ありがとうございます。日本パラリンピアンズ協会の田口です。
 まず、文部科学省の方にお願いしたいと思います。資料にも御記載いただいているとおり、スポーツの部分でかなりいろいろな御尽力いただいているのですけれども、例えばこちらにも記載いただいているとおり、2019年にナショナルトレーニングセンター・イーストをパラリンピアンというか、ナショナルチーム向けにつくっていただきました。これ自体はとても、パラアスリートにとってはかなり後押しになった施設ではあるのですけれども、実際に、できる1年前に私たちパラリンピアンズ協会で周りの環境調査をしたところ、駅からナショナルトレーニングセンターまでのアクセスがバリアフリーが全く考えられていなかったのです。点字ブロックがないとか、あとは信号に音声つきの案内がないとか、そういうのをかなり見つけて、私たちもいろいろなところに依頼しに行きました。
 その際にやはり国、区、都とか、かなりパワーを使っていろいろなところにお願いに行ったのです。これからナショナルトレーニングセンターだけでなくて、スポーツ施設のいろいろなところ、バリアフリーを進めていっていただけると思うのですけれども、ぜひ施設だけでなくて、周りの駅とか、公共交通機関からのアクセスも含めて、総合的に省庁をまたいで検討いただきたいと思います。
 また、パラリンピアンズ協会で、夏の大会のたび、基本的には4年に1度、パラリンピックに出る選手向けに競技環境アンケートというのを行っております。今回も2020大会前に行ったところ、スポーツ施設を使うに当たって断られた、もしくは条件付きでの使用を認めてもらったという選手が5人に1人いるのです。これは実はリオ大会の前に行ったときも同じように5人に1人の割合で断られた、もしくは条件付きでの使用を認められたというのがあります。パラリンピックは基本的にはスポーツを得意としている障害者なのですけれども、そういう人たちでもそのように断られたり、条件を付けられたりということは、一般的に障害のある人たちが日本の中ではもっと断られたり、いろいろな状況に遭っていると思いますので、そういうところも含めて、ぜひ御指導というか、進めていただきたいなと思います。
 あと、国土交通省の方にお聞きしたいと思います。先ほどいただいた資料の中に、移動等円滑化促進に関する基本方針の目標のところで、2019年度末に鉄道の駅の障害者トイレ89%の設置率というのがありました。これはどういう比率を作られているのかなと思いました。1日に例えば100万人規模の利用者がいるところに1個のトイレ、100人しか使用しない駅に1個の車椅子用トイレ、これは全然等しくはないですよね。ですので、どういうカウントの仕方を考えているのかというのを教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○石川委員長 続いて、中野専門委員、お願いします。

○中専門野委員 中野です。
 まず、3省庁に共通する話として、1番目に、心のバリアフリーをやさしい気持ちで接することと捉えるだけの取組になっていないかどうかという点についてお教えください。障害の社会モデルや人権モデルの考え方がどれだけ取り入れられているかということです。
 それから、3省庁共通で移動支援についてです。各省庁がそれぞればらばらの取組をやっておられますが、先ほど竹下委員からもお話があったように、通学や通勤という観点での安全性を考えたときに、3省庁が協力した支援が必要ではないかと思います。少なくとも、通学、通勤での移動に不安がある人が同行援護や行動援護などの移動サービスを利用できるようにできないのでしょうか。
 各論に行きます。文科省に関してです。高等学校や私立学校における合理的配慮の提供が不十分だと思いますがいかがでしょうか。
 同じく文科省に対してですが、障害者活躍推進チームの取組には期待したいと思いますが、とても大切なのが、障害のある子供たちのロールモデルとなるべき障害のある教員、特に通常の学級を担当している障害のある教員への支援体制というのはどのようになっていますでしょうか。
 厚生労働省に対してです。国家資格を受ける際の試験や受験資格のアクセシビリティはどの程度進んでいるでしょうか。先ほど公認心理師の話がありましたが、少なくとも視覚障害者の資格取得には困難があるように聞いておりますが、いかがでしょうか。
 最後、国土交通省です。バリアフリー基準適合義務の拡大はすばらしいと思いますが、公立の小中学校だけではなく、今回の改正を踏まえて私立学校や高等教育諸学校にも展開すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 石橋委員、お願いします。

○石橋委員 全日本ろうあ連盟の石橋です。発言の機会をいただきありがとうございます。2点ございます。
 まず1点目、これは文科省と厚労省と共通になるかと思います。聴覚障害児支援中核機能モデルプロジェクト事業についてですが、これは実際、厚労省が令和2年度に実施されたと思うのですが記載がありませんね。文科省の方で令和2年度の実施状況を見ますと、シームレスな支援というところでの説明はあったかと思うのですが、実際は令和2年度は全国の厚労省の8か所と文科省の場合は2か所で進んでいると思うのですが、その評価はどうなのかというのをお聞きしたいということです。
 この支援体制の構築については、全国どこに行っても同じように支援が受けられなければならない。このネットワーク協議の中で、我々聞こえない当事者が参加しにくい地域もあるということなのです。厚労省、文科省の考え方では、当事者参画が必要という考え方をはっきり打ち出しておられるのは分かっておりますが、結局は参画できないという状況をどうお考えになるのか、これが1点目の質問です。
 そして2点目、文科省に対しての質問ですが、初等中等教育の中で新たな時代の在り方についてというところです。有識者会議の報告の中で2特別支援教育の担当教員の専門性の向上というような説明がありました。実際、具体的に専門性の向上というのは一体何なのか。教員免許を持っていればそれでいいという意味なのか、この特別支援教育の中といってもすごく幅広いです。障害種別もいろいろございます。個々にそれぞれの対応方法がありますので、それを習得しなければならないと思うのですが、専門性の向上というのは、一体具体的には何なのかが見えてこない。この辺りをきちんと御説明いただきたいなと思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 では、佐保委員、お願いします。

○佐保委員 ありがとうございます。連合の佐保です。
 私からは1点だけ、国土交通省にお伺いしたいのですけれども、バリアフリー施策の推進ということで、ハード・ソフト両面でのバリアフリー化の一層の推進というのが大変重要だと思っております。ハード面でのバリアフリーの推進が進むと、その一方で、つくったものはいずれ老朽化していきます。設備の老朽化対策について、今後どう考えてらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
 私からは以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 私からも1点お願いいたします。政策の特にモニタリングへの当事者参加についてです。3省にお伺いしたいのですけれども、PDCAサイクルのチェック機能に当事者参加が実現している領域と、そうでない領域について、それぞれ確認させてください。例えば国土交通省でいいますと、新バリアフリー法の改正で評価会議というのが設置されました。この点は評価したいと思いますが、こういったようなものが各省について設置されている、いない、その分野について確認させていただきたいと思います。
 以上です。
 最後に、三浦委員長代理、お願いします。

○三浦委員長代理 モニタリングのやり方で1点確認させてください。
 今日は基本計画の実施状況、資料3-1に沿う形ではなくて、各省庁それぞれに概要版を用意していただいたのですけれども、これまでが計画のそれぞれの項目に沿って確認しながらモニタリングをしていくという丁寧なやり方だったので、今期はそれを行える時間はもうないのだろうかと、これからの計画といいましょうか、スケジュールをお伺いしたいと思います。
 あと1点は、厚労省の方からコロナ対策に関しての大変分かりやすい資料を提供いただき、ありがとうございました。サービスの現場では、コロナウイルスのワクチンの接種が障害分野で相当に遅れました。障害福祉サービス利用者の方々が、特に施設に関しては高齢者支援施設等の「等」に障害者支援施設は含まれるという通知になっていたのですけれども、実態としては、それは違うと、一般高齢者の後の障害者支援施設の接種だというところで運用されていて、各地でかなり混乱が起こったという実態がありました。そのことについて、今後も2回目を何とかやっと終え始めて、3回目という段階になってきていますけれども、どのようなお考えで進められるか、お伺いしたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 三浦委員長代理の最初の質問は事務局から答えていただくこととしまして、まず、文部科学省の小林企画官の方から、文科省への質問がかなりたくさんございましたけれども、御回答いただければと思います。お願いします。

○文部科学省(初等中等教育局特別支援教育課:小林企画官) 文部科学省の小林です。たくさんの御質問をいただき、ありがとうございます。順に追ってまいります。  まず、学校のバリアフリーに関して、エレベーターが基本であることや、文科省における相談窓口の設置に関しては、所管の施設部というところで、まさにバリアフリー法改正を踏まえて検討中だと思いますので、内部でもまたちょっと相談をして、改めて正式に御回答させていただきたいと思います。
 2点目の竹下委員からの通学時の介助者への補助がどこまで進展しているのかに関しましてですけれども、現状の制度を申し上げますと、就学奨励費制度がございますが、こちらは交通費のみの対象となっておりまして、特別支援学校ですと、本人と付き添い者の交通費、また、特別支援学級等ですと、本人のみの交通費の支給となっております。
 続きまして、インクルーシブ教育の現状について御質問がございました。インクルーシブ教育システムの理念の実現に向けて、文部科学省において取り組んでおりますけれども、具体的には平成25年の学校教育法施行令の改正により、障害のある子供の就学先については本人や保護者の意見をできる限り尊重しながら、市区町村、教育委員会において、総合的な観点から決定する仕組みとしたというのが根底にあり、それに加えて、2点目としましては、通常の地域の学校に通う障害のある児童・生徒をサポートするための特別支援教育支援員を順次増やして配置を促進しております。
 また、「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」も成立いたしましたけれども、文科省においては、医療的ケアに対応する看護師を配置するための財政的支援を毎年充実させておりまして、例えば令和3年度ですと、2,400人分の看護師配置を補助しておりますけれども、さらなる充実に向けて来年度の予算要求では3,000人分の看護師配置の補助を目指して取り組んでおるところです。加えて、通常の地域の学校においても、障害のある児童生徒が一定程度いるということを念頭に置いて、特別支援教育に関する教職員の資質向上についても、さらに取り組んでいるという状況でございます。引き続きインクルーシブ教育システムの理念の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
 続きまして、柘植先生から御質問いただきました別表の関連成果目標の個別の指導計画や教育支援計画の調査のタイミングでございます。状況としましては、2019年度は隔年で実施のため未実施という予定でございましたが、2020年度、調査を行う方向ではあったのですけれども、コロナの状況ですとか、働き方改革など様々な状況を踏まえて、省全体としての調査の見直しがございまして、現在、令和4年度に実施をする方向で準備をしております。書き方が分かりづらい形になっておりまして、申し訳ございませんでした。
 続きまして、中野専門委員から御質問をいただきました心のバリアフリーの3省での連携した推進についてでございます。文科省においても新しい学習指導要領において、障害者理解ですとか、共生社会の理解に関する記述を充実させたところでございまして、心のバリアフリーノートの中で、社会モデルについて説明したりですとか、あとは国土交通省様とも連携して、昨年度の改正バリアフリー法において、市区町村において心のバリアフリーを推進する事業を推進していくような法改正を行っておりますけれども、引き続きしっかりと共生社会の実現に向けた取組を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
 また、高校や私立学校における合理的配慮が不足しているというような御指摘もございました。こちらについても今回の障害者差別解消法の改正を踏まえまして、また、今回の団体の皆様からのヒアリングを踏まえまして、必要な方策というのを省内で検討してまいりたいと思います。
 障害のある教師の活躍については、文科省においても推進プランを取りまとめて、現在、自治体への調査ですとか、フォローアップを実施しているところでございますが、詳細については担当部署に確認をいたしまして、別途状況を御報告させていただきます。
 続いて、聴覚障害のある乳幼児に対する教育相談充実事業の件に関して御質問がございました。この事業については、本年度、公立の特別支援学校においての乳幼児の教育相談を行う事業というのを4か所で実施しております。厚生労働省との連携により得られた最新の知見に基づく教育相談を実践するような形で実施しておりまして、これによって得られた乳幼児教育相談に係るモデルといったものを、国において、今後全国の自治体に普及していきたいと考えております。
 最後でございますけれども、教員の専門性の向上に関して、具体的な方策について御質問がございました。こちらについては、報告書の中でも、まず全ての教師においても発達障害等の特性を踏まえた授業づくりを行う必要があるということで、しっかりと特別支援学校の人事交流などをしながら知見を得ていく必要がある。さらには特別支援学級や通級による指導担当教師においても、特別支援学校の免許の取得は推奨しておりますけれども、まずは教職課程の一部単位の修得だけでもしっかりと進んでいくように方策を考えてまいります。  また、特別支援学校の教師に関しても、まだ100%の教師が特別支援学校教諭免許状を持っているというわけではないので、今後取り組もうとしておりますのは、教職課程を新たに見直して、自立活動ですとか、発達障害などについてもしっかりと学ぶように位置付けたりですとか、あるいは特別支援学校教諭免許状のコアカリキュラムを今後策定して、特別支援教育に関わる教師たちがしっかりと専門性を身につけていくように、文科省としても取り組んでまいりたいと考えております。
 文部科学省からは以上でございます。
 スポーツに関しての御質問がございました。こちらはスポーツ庁さんからお願いします。

○スポーツ庁(健康スポーツ課障害者スポーツ振興室:福井室長補佐) スポーツ庁の健康スポーツ課障害者スポーツ振興室で室長補佐をしております福井と申します。
 田口委員から御意見をいただきました2点につきましてです。
 まず、施設利用に当たって駅とか、アクセスの改善の必要があるので、複数の省庁さんをまたいで対応してほしいということですが、こちらについてはしっかりと連携して対応していきたいと思っております。
 もう1点、施設利用につきまして断られている件があるだとか、条件付きでと言われていることがあるということでございますけれども、施設については、しっかりと利用促進を図っていくということが必要だと思っていますので、それについてはこれからもしっかりと進めていきたいと思っておりますし、来年度の予算要求におきましても、ソフト面において配慮すべき事項をまとめるガイドブックみたいなものを作っていければという形で予算要求をしているところでございます。こういったものを進めながら、施設利用を図っていきたいと考えております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、厚生労働省の矢田貝課長、お願いします。

○厚生労働省(社会・援護局障害保健福祉部企画課:矢田貝課長) 企画課長の矢田貝でございます。
 まず、私から全体のお答えをさせていただきまして、本日、担当課も参っておりますので、補足的なことがあれば、担当課の方からも御回答さしあげたいと思っております。
 まず、玉木委員の方から障害者虐待と地域移行の実施状況についての御質問がございました。いずれの課題も非常に重要な課題であると考えてございます。資料3-1、3-2には、それぞれの進捗状況などの資料もまとめてございますが、むしろ御質問はそれをさらにどう進めていくかということかと思います。岩上委員からも地域移行支援を進めていくに当たって、それを支えるサービスの報酬であったり、脆弱性であったりということもしっかりと議論をしてほしいという御意見がございました。
 現在、厚労省社会保障審議会の障害者部会の方で3年後の見直しというので検討しているところでございますが、そのうちの大きな柱の一つが、地域における障害者支援ということでございまして、これまでも制度面、あるいは報酬面で地域移行支援、地域定着支援をいかに進めるかということで議論、検討をしてまいっておりますけれども、本日の議論も踏まえまして、引き続き更にどういう取組ができるのかという議論を進めたいと考えてございます。
 2点目で、岡田委員から精神科病院でのコロナ対応について十分なのかという御質問もございました。これについては、我々は別にこれでよかったということでなく、しっかりと何ができて、これから何が必要なのかということは当然考えて、今後の対応を備えていく必要があると考えてございます。
 同じく、順番は変わりますが、三浦委員からもワクチンの接種について、もし3回目があれば、反省をして早くというような御意見を承ったと思っております。こちらについてもこれまでのコロナ対応で足らざるところについて、きちんとどのように改善していくかということを踏まえまして取り組んでいきたいと考えてございます。
 中野委員から心のバリアフリー、社会モデルということをきちんと伝えているのかというような御意見等がございましたけれども、こちらにつきましても当然そうした考え方をきちんと周知していくことは重要であると思いますので、内閣府さん等とも連携しながらやっていかなければならないと考えてございます。
 石橋委員から、先ほど文科省さんからも回答ございました聴覚障害児の関係でございますけれども、大変恐縮ですが、本日は詳細な資料を持ち合わせておりませんので、こちらは持ち帰って整理いたしまして、また御回答をさしあげたいと考えてございます。
 最後、石川先生からPDCAに関する当事者参加について、しっかりできているのかというような御質問だったかと理解してございますが、我々は先ほど申し上げました障害者部会のほか、例えば精神障害者であれば、この地域包括ケアをどう進めていくかであったり、障害児支援をどうやって見直していくか、様々な検討会、もしくは研究会を実施していて、その中で施策の足らざるところを検討して、今後どうしていくかということを議論していくわけでございますが、そうした場合においては、やはりなるべく当事者参加、それは委員としてという場合もありますし、ヒアリングという形でということもございますけれども、様々なツールで当事者の参加を得ながら検討していくと、そうしたことも踏まえて今回の実施状況についても報告をしているという関係かなと理解してございます。
 ちょっと漏らしたところもあると思いますので、担当課の方から補足の御説明をさせていただきます。

○厚生労働省(社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課:米岡課長補佐) 厚生労働省障害保健福祉部障害福祉課の米岡と申します。
 今、矢田貝の方から御説明を申し上げました点で、幾つか補足させていただきます。
 中野委員から御指摘をいただいておりました通勤時の支援についてでございます。直近で新たな取組を開始している部分もございますので御紹介をさせていただきます。
 昨年、令和2年度後半からですけれども、雇用施策と福祉施策が連携をして通勤や職場等における支援に取り組む企業や自治体を支援するといったような事業を新たにスタートしたところでございます。
 福祉施策側としましては、雇用施策との連携による重度障害者就労支援特別事業という形で重度訪問介護や同行援護、行動援護を利用されているような方については、通勤支援もこの事業の中で行うということをスタートしたものでございます。こちらの事業は、市町村が手を挙げていただいて実施をしていただく事業ということもございますので、この事業が広がるように、私どもとしても普及啓発に努めているところでございます。
 もう一つ、石橋委員から御指摘をいただきました聴覚障害に関する部分につきまして、その一部ですけれども、聴覚障害児支援中核機能モデル事業というものを予算事業で実施しております。こちらの実施状況ですけれども、先ほど委員がおっしゃいましたとおり、令和2年度では8か所の自治体に取り組んでいただいているところでございます。現状、我々の取組としましては、この8か所での実施状況というものを事業報告にまとめまして、ホームページに今後掲載したいと考えております。そうした形でほかの自治体でも取り組んでいただく参考としていただいて、取組を広げていきたいと考えているところでございます。
 私からは以上でございます。

○厚生労働省(社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課:平岡課長補佐) 続きまして、精神・障害保健課の平岡と申します。
 岡田委員から精神科医療機関におきまして、コロナの感染者の方、転院ができずに200名を超える方が亡くなったという件に関しまして、やはり利用する当事者として不安だという声がございました。
 我々は精神科医療機関におけるコロナ対策につきましては、事前にそういった感染が起きた場合に対応する形で、連携先の医療機関の確保といったものをお願いするとともに、とかくコロナワクチンの接種に関してなのですが、精神疾患の治療のために入院している方につきましては、重い精神疾患に当たるとして優先接種の対象にしている旨を都道府県を通じて各精神医療機関の方に周知徹底するとともに、精神科医療機関の方々は意思確認が難しいといったケースもあるかと思います。こういった場合につきましては、家族やかかりつけ医の方等々の日頃から寄り添っている方の協力を得て、本人の意思確認を行っていただいた上で、意思確認ができた場合については、家族の方々等が代筆を行っていただく形でも可能であるといった形で、各精神科医療機関の方に周知を進めております。
 精神科医療機関に入院される方々が何とか安心して利用できるように、感染症対策の方も引き続き徹底をしていきたいと思っております。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、国土交通省真鍋課長、お願いします。

○国土交通省(総合政策局バリアフリー政策課:真鍋課長) 国土交通省の真鍋でございます。
 まず、佐藤委員から、当事者参画を進めていくこと、それから、Tokyo2020アクセシビリティガイドライン、こういった2点を義務化していくという御指摘いただきまして、ありがとうございます。2つともとても重要な取組であり、ガイドラインであると思っておりまして、義務化を検討していきたいと思うのですけれども、どうしてもすぐにはなかなか難しいというところもございます。
 一方で、足元で様々なプロジェクトが進んでおりますので、施設管理者の方々、事業者の方々に当事者参画の意義というか、メリットというか、そういったところをどんどん感じていただけるような実例をどんどん進めていって、義務化への動きにもつなげていきたいなと考えているところでございます。
 そうした中で、万博の対応が不十分ではないかという御指摘をいただきました。漏れ伝え聞いておりましたので、早速、担当省庁の方にもお話をさせていただきつつ、担当組織の方にもお話をさせていただきながら、連携して対応していきたいと、国交省でのいろいろな経験とか、知見などを共有しながら、関係省庁間で意識を高めていきたいなと思っております。
 もう1点、小規模店舗の調査ということで、こちらはどういった調査のやり方ができるかどうかも含めて担当部門と相談してまいります。
 岡田委員から御指摘をいただきました精神障害者割引の導入促進の件でございます。こちらは御指摘いただいたとおり、大臣からの指示事項でもありまして、しっかりと進めていきたいと考えております。足元、いろいろやってはおるのですけれども、事業者向けにいろいろな通知とか、要請とかを行っておりますし、特に当事者の方々の御要望の恐らく強いというか大きい鉄道分野などにつきましても、事業者さんと直接いろいろと意見交換などを進めさせていただいているところでございます。すぐに今いついつから入るとか、そういうことをまだ申し上げられる段階ではないのですけれども、引き続き粘り強く協議を進めていきたいと考えております。
 田口委員から御指摘いただきましたスポーツ施設周辺のバリアフリー化、文科省さんの方からもお答えがあったかもしれませんけれども、こちらも面的なバリアフリーをしっかり進めていく必要があると思っていますので、アクセスのある駅を中心に主要施設、スポーツ施設も含めて、こういった面的なバリアフリーが進むように取り組んで、関係省庁とも連携し、また、自治体とも連携して取り組んでいきたいなと思います。
 御質問の件で、鉄道駅の障害者用トイレの普及・導入率をどのように調べているのかということですが、実はこちらは駅に1つ障害者対応用トイレがあると一応達成しているというカウントをしています。母数は昨年度までの整備目標の基準でありました1日3,000人以上の利用のある旅客施設という母数の中での障害者対応トイレが整備されているかどうか、バリアフリートイレがあるかどうかということでございます。今回の整備目標で対象母数を広げておりますので、また数字は変わってまいります。
 一方で、御報告の中でも申し上げさせていただきましたけれども、トイレの在り方についても新しくガイドラインを見直したりですとか、既存のガイドラインの中でも、当然ですが大きな駅でバリアフリートイレが1個あればいいだろうとは思っておりませんで、ガイドラインの中でも複数設置するように記載してございます。こういった部分についても当事者の方々の御意見いただきながら、必要に応じて見直しをしていきたいと考えております。
 中野先生から御指摘いただきました心のバリアフリーの取組でございます。障害の社会モデルをしっかり理解してもらわないといけないということを認識しておりまして、また、交通事業者向けの接遇ガイドラインであったり、あるいは研修の中でそういったことをしっかりと理解していただきながら障害者に対応していただく必要があるのだろうと思っております。
 また、文科省さんの方からもお話がございましたけれども、今回、法律改正の中で市町村が中心となって、そういった理解を深めていくための取組の枠組みも設けさせていただいております。こういった取組の中で、しっかりと正しい理解が進むように努めてまいりたいと思っております。
 バリアフリー基準の適応に公立小中学校から私立等にも広げていくべきではないかというところで、今回、法律改正の中では、まずは公立小中学校とさせていただいておりまして、引き続き御指摘の点も含めて検討していく必要があるだろうと思っております。
 佐保委員から御指摘いただきました、主に民間の事業者さんをイメージしての御質問だと思うのですけれども、老朽化が進むバリアフリー設備、エレベーター等だと思うのですけれども、これをどうしていくのかということでございます。全く新しいものを導入する場合には、導入に対して支援制度を現在設けてございます。これから老朽化してメンテナンスをしながらというところについては、非常に大きな問題になってくるだろうと思っておりまして、こういったバリアフリー設備、これは障害者の方だけではなくて、いろいろな方が利用されますので、そういった利用者と負担の在り方みたいなものも含めて、ちょっと考えていきたいということでございます。
 最後、石川委員長から御指摘いただきましたPDCAサイクルの話は、委員長から御指摘いただきましたとおり、評価会議の枠組みを設けてございますが、各地方のブロックごとにも地域分科会ということで地元の当事者の方々、事業者の方々、行政も入って、そのブロックの中でのバリアフリーの取組状況についての評価、あるいは進捗の確認といったものをやっていただいております。また、私どもの方では障害の特性ごとに意見交換なども行わせていただいておりまして、引き続きしっかりと当事者の方々の御意見も聞きながら、取組を進めていきたいと思っております。
 簡単でございますが、以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 5時になりましたが、5分間超過させていただきたいと思います。御了承ください。
 先ほど米山委員から文部科学省に対して、障害のある児童生徒への虐待防止のための対策・施策についての質問がありまして、ちょっと私も失念しておりまして、小林企画官、お答えいただけますでしょうか。
 また、インクルーシブ教育を進めていく上で、PDCAサイクルへの当事者参加の不在ということが一つ、やはり決定的なネックになっているのではないかと思っておるのですけれども、これの点についても御意見をいただければと思います。

○文部科学省(初等中等教育局特別支援教育課:小林企画官) 文部科学省の小林です。御質問の回答が漏れており、申し訳ございませんでした。
 虐待防止に関しては、新しくつくった手引きに書いてあるのかどうかという御質問がありまして、これに関しては、あくまで就学先決定ですとか、学びの場の見直しに関する手引きですので、虐待防止については触れておりません。先週、姫路でも事案がございましたけれども、学校において児童生徒を虐待するような事案がございまして、これに関しては文部科学省としても断じて許されないことだと考えておりまして、しっかりと懲戒処分などは教育委員会の方でも行うと承知しておりますけれども、文部科学省においても学校における虐待が、決して起きないように教員への研修や、特別支援教育に関する専門性の向上の取組を通じて、しっかりと対応していきたいと考えております。
 また、当事者参加のPDCAサイクルの確立につきましては、例えば教育分野においては、全国聾学校長会、全国盲学校長会、全国特別支援教育連盟ですとか、特別支援教育に関わる先生方と定期的に現場の状況を伺ったりして課題を把握するようにしておりますが、引き続きしっかりと御意見を伺って、行政において課題などに対応して、特別支援教育の充実に努めるように対応してまいりたいと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、最後に内閣府より、当政策委員会によるモニタリングの進め方について、基本的な考え方や、今後のスケジュール等について御説明をいただきたいと思います。

○立石参事官 内閣府でございます。第4次障害者基本計画の実施状況の御議論の在り方について、玉木議員、それから、三浦委員長代理から御指摘をいただきました。
 例年、計画の毎年の実施状況の確認につきましては、今回のようなやり方で主要な3省庁様から御発表いただきまして、それに関する質疑という形を行っていたところでございます。ただ、今回につきましては冒頭に御説明をさせていただきましたとおり、次の5次計画の策定という作業がございますので、今回につきましては1回の御議論ではなくて、もう1回、お時間を設定させていただいて、今回の3省庁以外の省庁様からも御説明、それから、委員の皆様からの御質疑をいただきたいと考えているというところでございます。よろしくお願いいたします。

○石川委員長 補足といいますか、私からも要望ということなのですが、本日は昨年度のフォローアップという意味合いで資料を準備していただいていると思います。一昨年度、さらにその前の年度もフォローアップを行っておりまして、継続的に行っている政策については、最新情報があれば、そこにこの第4次の基本計画の実施状況の領域における推移というか、経過というか、達成の状況というのは分かるかと思いますが、単年度で行った事業であるとか、会議であるとか、いろいろなプロジェクトですとか、そういったものもあったと思いますので、全部マージするのは大変であろうとも思いますので、各年度の政策委員会に御提出いただいた資料も併せて参考資料として御準備をいただくという形でお願いできればと思うのですけれども、事務局、いかがでしょうか。

○立石参事官 ありがとうございます。今、委員長から御指摘がございましたので、次の2回目のフォローアップの際には、過去のフォローアップで取りまとめた資料につきましても、参考資料という形で御提出をさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○石川委員長 三浦委員長代理、いかがでしょうか。それで回答になっておりますでしょうか。

○三浦委員長代理 了解いたしました。よろしくお願いします。

○石川委員長 そういたしましたら、本日の政策委員会の議論は全て終了いたしました。  次回の委員会の日程等につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。

○立石参事官 次回の政策委員会の詳細につきましては、改めて石川委員長に御相談の上で確定次第、御案内申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。

○石川委員長 以上をもちまして、第57回障害者政策委員会を終了いたします。本日はありがとうございました。