障害者政策委員会(第65回)議事録
令和4年5月24日(火)
13:00~17:00
中央合同庁舎8号館 1階講堂
(Web会議にて開催)
【議事に使用されている資料については「議事次第」のページにまとめて掲載していますのでご参照ください。】
○石川委員長 それでは、定刻になりましたので、これより第65回「障害者政策委員会」を開会いたします。
委員各位におかれましては、御多用のところ、御出席いただきましてありがとうございます。
本日の委員会は、17時まで時間を確保しております。
本日は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、ウェブ会議によって開催しております。
また、取材及び一般傍聴については、同様の理由でお断りをし、ウェブでの視聴をお願いしておりますので、よろしくお願いいたします。
初めに、事務局より委員の出欠状況について報告をお願いいたします。
○立石参事官 事務局でございます。
本日は、久保委員、野澤委員及び市川専門委員が所用により御欠席との連絡を受けているほか、北川委員が15時頃から御出席をされるとの連絡を受けております。また、佐保委員が14時半頃、平川委員が16時頃に所用により途中退出されると伺っております。また、黒岩委員の代理として、神奈川県福祉子ども未来局福祉部障害福祉課長の鳥井健二様に御出席をいただいております。鳥井様は、14時半頃、所用により途中退出されると伺っております。
以上でございます。
○石川委員長 それでは、本日の議事に入ります。
御発言いただく際の意思表示ですけれども、挙手機能を使用していただき、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。また、御発言の際には、最初にお名前を名乗っていただき、分かりやすく、ゆっくり御発言いただきますようお願いいたします。また、発言時間にも御留意くださいますようお願いいたします。
それでは、本日の議題及び資料について、事務局より説明をお願いいたします。
○立石参事官 事務局でございます。
本日は、「障害者基本計画(第5次)について」を議題としております。
まず、基本計画(第5次)の総論部分について、13時25分頃まで御審議いただきたいと思います。関係資料として、資料1から資料3を御用意しております。
その後、障害者基本計画(第5次)の各論について、本日は「差別の解消、権利擁護の推進及び虐待の防止」「安全・安心な生活環境の整備」「情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実」の3つの分野を御審議いただきたいと思っております。関係資料として資料4から資料6を用意しております。
また、総論・各論を通じた御参考の資料といたしまして、資料7を用意してございます。
各論につきましては、最初に「差別の解消、権利擁護の推進及び虐待の防止」の分野につきまして14時15分頃まで御審議いただき、その後15分程度休憩を入れさせていただき、「安全・安心な生活環境の整備」の分野について、15時半頃まで御審議いただきたいと考えております。
その後、再度10分程度休憩を挟み、「情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実」の分野につきまして、16時40分頃まで御審議をいただければと思っております。
以上でございます。
○石川委員長 ありがとうございました。
それでは、議事に入ります。
障害者基本計画(第5次)の総論案について、事務局から説明をお願いします。
○立石参事官 事務局でございます。
資料1から資料3までを御参照いただければと思います。
最初に資料1、骨格案でございます。前回の御議論を踏まえて修正をさせていただいておりますので、主な修正部分を御説明させていただければと思います。
まず資料1につきまして、3ページをお開きください。「4.各分野に共通する横断的視点」の「(5)障害のある女性、子供及び高齢者に配慮した取組の推進」の部分につきまして、前回の御議論、女性、子供、高齢者につきまして小項目を立てるべきという御意見を踏まえまして、小項目をそれぞれ立てるという修正をさせていただいております。
続きまして、4ページ「III 各分野における障害者施策の基本的な方向」でございます。こちらの各論部分の項目の並び方につきましては、前回の御議論におきまして、なるべく権利条約の条文の順番に沿って項目の順番を入れ替えてはどうかという御意見・御議論がございました。その御意見にございました順番にて並び替えを行ってございます。お時間の関係がございますので全て読上げはいたしませんが、御確認いただければと思ってございます。
骨格案につきましては以上でございまして、続いて資料2、資料3を御覧いただき、総論の本文について御説明をさせていただければと思います。こちらにつきましても、主な修正部分の御説明をさせていただければと存じます。
まず資料2の5ページ目、資料3につきましては4次計画との新旧対照になっておりますので、そちらも御覧いただければと思いますが、資料3の9ページ目でございます。
ここでは「4.条約との関係」「(3)障害者基本計画(第5次)との関係」の冒頭の部分でございます。「障害者施策を、条約との整合性を一層高めつつ強力に進めていくために」という文言を冒頭部分に記載してございます。
さらに5行目のところ、「条約の各条項の対応関係を明示するとともに、条約の各条項の順序におおむね沿った構成としている」と修正をしてございます。こちらは先ほどの骨格案の御議論において、条約の順番に沿って項目の順番を入れ替えるという御議論を踏まえて、そのような修正を入れているものでございます。
続きまして、資料2の9ページ、資料3の17ページを御覧いただければと思います。こちらは「3.社会情勢の変化」の中の「(2)新型コロナウイルス感染症拡大とその対応」の関係の修正でございます。
前回の御議論におきまして、コロナの話だけではなくて、5か年の基本計画ということを踏まえ、今後の起こり得る非常時のことも踏まえて中長期的な視点を入れるべきという御指摘があったことを踏まえ、最後の段落のところ、「このような感染症拡大時を始め、地震・台風等の災害発生時といった非常時には、障害者を含め脆弱な立場にある人々がより深刻な影響を受けることから、本基本計画に掲げる各種施策についても、非常時に障害者が受ける影響やニーズの違いに留意しながら取組を進めることが求められる」という記載に修正をしてございます。
資料2の10ページ、資料3の20ページを御覧ください。
「4.各分野に共通する横断的視点」の中の「(2)社会のあらゆる場面におけるアクセシビリティの向上」の部分でございます。
「①社会のあらゆる場面におけるアクセシビリティ向上の視点の採用」の部分の2段落目の途中の部分でございます。環境の整備の中身を充実する形で「バリアフリー法に基づく公共施設等のバリアフリー化や障害者による円滑な情報の取得・利用・発信のための情報アクセシビリティの向上、意思表示・コミュニケーションを支援するためのサービス・介助者等の人的支援等による環境整備」という書き方に修正をしてございます。
さらに資料2の11ページの一番下、「さらに、審議会等の開催時を含め」の部分でございます。情報を公開する際や、命令、計画等に関するパブリックコメントを行う際には、障害特性に配慮した適切な情報保障を実施するなど、障害者がその必要とする情報を十分に取得できるようアクセシビリティの向上が求められることに留意するとしております。
第4次計画におきましては、「障害者施策に関する情報を公開する際や」といった限定がついてございましたので、そういった限定を取り払った形での修正とすべきという御意見を踏まえ、このような形としているものでございます。
続きまして、資料2の13ページ、資料3の24ページをお開きいただければと思います。
こちらは「(5)障害のある女性、子供及び高齢者に配慮した取組の推進」の中におきまして、先ほど骨格案の部分でも御説明をさせていただきましたが、女性、子供、高齢者についてそれぞれ項目立てをすべきという御意見を踏まえ、項目立てをしてございます。
また、さらに子供につきましては、御意見を踏まえ、最後の部分でございますが、「子供と家族に対する妊娠期からの切れ目のない継続支援を早期から行うことが必要であり、この場合、成人の障害者とは異なる支援を行う必要性があることに留意することとする」という記載をしてございます。
また、障害のある高齢者につきましては、「条約との整合性に留意して実施していく必要がある」という記載に修正を行ってございます。
続きまして、資料2の14ページ、資料3の25ページを御覧いただければと思います。
「(6)PDCAサイクル等を通じた実効性のある取組の推進」の部分につきまして、「障害者政策委員会が政府全体の見地から本基本計画の実施状況を監視するのみならず、各府省において取り組む個々の施策に対しても、国の審議会」に加えまして「等及び懇談会等行政運営上の会合への障害者委員の参画」という追記をしてございます。
また、同じく(6)の中の「①企画(Plan)」の3段落目のところでございます。資料2の14ページの①の一番下の部分、資料3につきましては26ページの部分でございます。
基本計画の成果目標に係る記載のところで、年度ごとの目標を立てるべきではないかとの御意見を踏まえ、「本基本計画に掲げる施策を計画的に推進していく観点からは、施策の特性等に応じ、各府省において、施策の実施に当たり成果目標の達成に向けた年度ごとの目標設定等に取り組むことが望ましい」と追記をしております。
続きまして、資料2の16ページ、資料3の29ページをお開きください。
「5.施策の円滑な推進」の中の「(2)理解促進・広報啓発に係る取組等の推進」の①の冒頭の部分の記載でございます。この書きぶりにつきまして、「障害者への偏見や差別意識を社会から払拭し、一人一人の命の重さは障害の有無によって少しも変わることはない、という当たり前の価値観を社会全体で共有し、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるという理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会が実現するよう、国民の理解促進に努める」という記載ぶりにしております。
この書きぶりにつきましては、4次計画におきましても「命の重さは障害の有無によって少しも変わることはない」という記載をしてございましたが、そこにつきまして基本法の目的規定にも沿って、充実した書きぶりとしてございます。
また、その後の記載につきまして「心のバリアフリー」の記載がありましたが、前回の御意見・御議論におきまして、心のバリアフリーにつきましては、総論部分でその言葉を多用することはいかがかという御意見を踏まえまして、記載を圧縮いたしまして「2020年東京オリンピック・パラリンピック後も『心のバリアフリー』への理解を深めるための取組を継続して進める」という書き方にしているものでございます。
総論部分の説明は、以上でございます。
○石川委員長 ありがとうございました。
それでは、審議に入りたいと思います。
総論部分については既に議論してきておりますところ、本日は若干時間が短いかもしれませんが、予定としましては15分程度の審議時間を見込んでおります。修正等の御意見がある委員は挙手ボタンを押してください。
では、最初に片岡委員、次に竹下委員、お願いいたします。
○片岡委員 全国地域生活支援ネットワークの片岡です。
総論本文案について1点だけ発言させてください。第62回障害者政策委員会において発言があったものということで資料7に掲載されていますが、2ページ目です。「基本原則について」というところに書かれてあります「基本原則で『(地域社会における共生等)』の中にポツで構わないが、やはり地域生活への移行を推進するということを入れていただきたい。そのための基盤整備が必要である」という内容につきまして、現在、社会保障審議会障害者部会などにおきましても、地域移行に関してはかなり重要視されて議論が進められていると認識をしております。
そういったことを鑑みまして、資料2の総論本文案の6ページから7ページにかけての「(地域社会における共生等)」のポツに「地域生活への移行を促進するための基盤整備」という文言を追記してはどうかという意見を持っておりますが、いかがでしょうか。御検討のほどよろしくお願いいたします。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
ほかの委員も皆さん同様のお考えかと思います。事務局のほうで御検討いただきたいと思います。
では、竹下委員、お願いします。
○竹下委員 日視連の竹下です。
修正というよりも、情報アクセシビリティのところのどこかで書き込む必要があるのではないかと思うことがあります。
それは、5月19日の衆議院本会議で、略称が障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーションの施策に関する法律、正式名称が長いので言いませんが、この法律が成立し、公布の日から施行となっているわけですが、それの9条だったと思いますけれども、障害者基本計画にこの法律に基づいた施策の状況を反映することという指摘がされているかと思うのです。
その関係で、第5次基本計画においては、5月19日に成立した障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法の9条に基づく対応ないしはそれを反映したものであることを総論で指摘しておくことが必要なのではないでしょうか。
以上です。
○石川委員長 最初に15分と見積もりましたが、訂正しまして、もう少し時間をかけたいと思います。
次に米山委員、お願いします。
○米山委員 米山です。よろしくお願いします。
総論の部分で、初めに資料1で障害者基本計画の条項に沿ってというお話がありました。子供に関わる部分で、資料1の5ページ、「8.教育の振興」のところに基本法第16、17条関係ということがございます。17条については、療育という言葉でまとめられていて、各地域で療育を受けられるようにするということになっていますが、もともと本文の総論にもありましたように、いわゆる医学モデルから社会モデルに変わってきたということで、その変化に合わせて申しますと、以前一度御指摘させていただいて、大塚委員からも御指摘・御意見があったかと思うのですが、療育という言葉自身は、本来恐らく医学モデル的な発想である言葉で、社会モデル的に障害児施策についてもほとんどが発達支援という言葉に変わってきています。今、療育という言葉を使うことがほとんどなくなっていますので、それについて計画の中で、今回の資料2の13ページの障害のある女性、子供の部分の②障害のある子供のところでよろしいかと思うのですが、これは障害者基本法の問題になるので、ちょっと的が外れるかもしれませんが、療育という言葉から発達支援という言葉に変えていくといいますか、そういう言葉を使用することを検討するというのを入れていただければと思います。
以上です。
○石川委員長 その方向で事務局のほうに検討していただきたいと思います。
続きまして、佐保委員、お願いします。
○佐保委員 ありがとうございます。連合の佐保です。
私から3点、簡潔に申し上げたいと思います。
本文案、資料2の12ページに「障害者の家族や介助者など関係者への支援も重要である」と、「介助者」が追記されたことに感謝申し上げます。
その上で、これまでヤングケアラーに関して記載すべきと申し上げてきましたので、「ヤングケアラーを含む介助者」と具体的に記載していただければと思います。
次に、13ページの「(5)障害のある女性、子供及び高齢者に配慮した取組の推進」に「①障害のある女性」と追記されたものの、前回と変わらず間接差別に関する記載が見当たりません。障害を理由とはしていないものの、結果として異なる扱いをされてしまう間接差別について、就労や教育などの場における具体例とともに記載していただければと思います。
最後に、同じく13ページからの「(6)PDCAサイクル等を通じた実効性のある取組の推進」について、「①企画(Plan)」に年度ごとの目標設定等に取り組むこと、「③評価(Check)」には当事者参画と評価・監視が追記されたものの、第5次計画を策定する全体を通しての目標が伝わってきません。
第62回の委員会でも申し上げましたが、改正障害者差別解消法の成立により、合理的配慮の提供を社会に根づかせていくことを明確に打ち出す必要があるのではないかと考えます。
私からは以上です。
○石川委員長 佐保委員、ありがとうございます。
間接差別という概念をこの基本計画に導入することに関しましては、差別解消法の改正に伴う基本方針の検討の議論とも深く連動してくることでもありますので、この点については慎重に考えさせていただき、何らかの書きぶりは改善していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、玉木委員、お願いします。
○玉木委員 玉木です。ありがとうございます。
私のほうは、資料2の13ページの子供の表記のことについて修正をお願いしたいと思います。13ページの「②障害のある子供」という部分を見てしゃべっていますので、ほかの部分も変えてもらったほうがいいかなと思います。
そこには、例えば「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」ということで閣議決定が出されている子供については平仮名なのですね。私たちも一般に子供を使うときは平仮名で書いているつもりなのですけれども、内閣府で書かれている文章だけ全て子供が漢字になっているので、特に②の子供の表記でいくと若干違和感があるかなと思っています。そこは平仮名表記で書かれたほうがいいかなと思いました。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
続きまして、曽根専門委員、お願いします。
○曽根専門委員 日本社会事業大学の曽根です。
2ページの(本基本計画を通じて実現を目指すべき社会)の3つ目の黒ポツのところなのですけれども、「障害者施策が国民の安全や社会経済の進歩につながる社会」とあるのですけれども、「安全」を「安全・安心」というように対概念として記載したほうがいいのではないかと思いました。本文でも安全・安心と対になって出てきますので、恐らく何か経緯があって安全だけになったのかと思うのですが、そこの修正をしたほうがいいのではないかという意見です。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。
続きまして、眞保専門委員、お願いします。
○眞保専門委員 ありがとうございます。法政大学の眞保です。
私も13ページの文言のところなのですけれども、(5)の「①障害のある女性」のところなのですが、2行目、「複合的差別など更に複合的に」と複合的が2つ重なっておりますので、例えば後のほうを「重複した困難」ですとか、細かいことですが、そんな形で変えたほうがよろしいかなと思いました。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
大塚委員、お願いします。
○大塚委員 どうもありがとうございます。日本発達障害ネットワークの大塚です。
私は1点、13ページの障害のある高齢者の箇所であります。文言の内容が少ないということで、「障害のある高齢者に係る施策についても、条約との整合性に留意して実施していく必要がある」ということなのですけれども、実際には、例えば権利条約の28条は、「相当な生活水準及び社会的な保障」というところで、第2項の(b)に「障害者(特に、障害のある女子及び高齢者)が社会的な保障及び貧困削減に関する計画を利用する機会を有すること」となっております。
私は、障害のある高齢者についても豊かな生活を送っていただきたいという考え方から、文言の追加といたしましては、高齢になると健康のことであるとか、あるいは働き続けることが困難になって、所得のことも含めて様々な生活上の困難があるわけですので、高齢になっても所得の保障あるいはその前提としての働き続けられる環境整備、それから、考え方としては、サクセシブル・エイジング、豊かな質の高い高齢期を障害者にもきちんと保障しようという理念的なことを書いたほうがいいと思います。
また、いろいろ議論はあると思うのですけれども、介護保険との関係になってしまうので共生型サービスをどう書くか分からないのですけれども、ただ、共生型サービスというのは一つの可能性で、例えば障害のある方が共生型サービスを利用することによって、まさに共生社会を実現していくのだというように捉えれば共生型サービスも意味があることなので、具体的なサービスを使っていこうということを書いてもいいのではないかと思います。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
続きまして、岩上委員、お願いします。
○岩上委員 全国地域で暮らそうネットワークの岩上でございます。
2点ほどございます。一つは基本原則について、もう一つがPDCAサイクルについてです。
基本原則については、先ほど片岡委員がお話しいただいて、石川委員長も皆さん同じお考えではないですかということでしたので、私もこれを発言したものですから、地域生活への移行と基盤整備というのはセットなので、ぜひ基本原則にお書きいただきたいと思います。
もう1点、PDCAサイクルについては、今回14ページに、本基本計画については、各府省において年度ごとの目標設定等に取り組むことが望ましいとお書きいただいて、これは前回石川委員長からも推していただいたことで大変ありがたいと思っています。これを書いていただくのに随分時間がかかりましたので、大変感謝をしています。一方、客観的に見たときに、計画を立てるに当たって年度ごとに立てるのが望ましいと書くこと自体が、本当に「望ましい」で大丈夫ですか。「基本的には年度ごとに目標設定に取り組むこと」で終わりにしませんと、都道府県や市町から見ると、各省庁はそんなことでいいのかと思われてしまわないかということは思います。ただ、「望ましい」は最低限でございますので、今回書き加えていただいたことに感謝を申し上げたいと思います。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
石橋委員、お願いします。
○石橋委員 全日本ろうあ連盟の石橋でございます。発言の機会をいただき、ありがとうございます。
竹下委員のほうから御発言がありましたが、ちょっと重複する面がございます。以前、5月19日になりますが、衆議院本会議におきまして、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が全会一致で可決・成立いたしました。その附帯決議におきまして明確に述べられたことは、今回の第5次計画との関連・連動という面でより強くなったと思います。
そして、資料に戻りまして、資料2の11ページになります。「②アクセシビリティ向上に資する新技術の利活用の推進」という文言があります。実際にデジタル格差、デジタルになかなかなじみにくいという障害者の方々もまだおられるわけです。そういう中で、デジタル格差のない支援施策というものが文言として見られないのですね。デジタルという新しい言葉が独り歩きしてしまっているような状況の中で、デジタルに不慣れな人たちを具体的にどう支援するかということも入れるべきではないかと思っています。
それから、13ページ、障害のある子どもに対しての記述なのですが、実際に今、厚生労働省と文科省を中心に、難聴児に関する支援モデル実施事業というのが始まっております。基本的に大切なことは、やはりコミュニケーションという視点です。あらゆるコミュニケーション手段から選択できる環境整備という考え方があるわけで、それとの連動、また子どもや家族に対する切れ目のない継続した支援という書き方がありますが、切れ目のない支援というのは具体的にいかなるものか。その辺りは具体的な文言として書き加える必要があるのではないかと思っています。
以上です。ありがとうございました。
○石川委員長 ありがとうございました。
それでは、事務局から御発言をいただきたいと思います。
○立石参事官 事務局でございます。
御意見をいただき、ありがとうございます。このうちの幾つかについてでございますけれども、まず基本原則のところに地域への移行という文言を入れるべきという御意見をいただきました。今、お示ししている案が、基本法の第3条にのっとって書いているということになりますので、第3条に書かれている4点というものが、現在この総論の部分に書かせていただいています。事実関係としてはそういうことになっております。そういうことを踏まえて御議論をいただければと思っております。
新しく成立いたしました情報コミュニケーション法につきましては、御指摘とこの法律を踏まえまして、また新たに記載の追記を検討させていただければと思っております。
子供の記載でございますけれども、今回、「こども」と「子供」が混じった書きぶりとなってございます。「こども」につきましては、下の注記の13で注意書きを書かせていただいておりますけれども、こういった趣旨で使われているものでございます。公用文といたしましては「子供」ということになってございますけれども、そういったことを踏まえてどういう表記がいいかということを検討させていただければと思っております。
今、事務局から申し上げさせていただくのは以上でございます。
○石川委員長 ありがとうございました。いただいた御意見は、できるだけ反映すべく調整していきたいと思います。
続きまして、障害者基本計画(第5次)の各論の審議に入りたいと思います。本日検討いたしますのは、「1.差別の解消、権利擁護の推進及び虐待の防止」「2.安全・安心な生活環境の整備」「3.情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実」の3分野です。分野ごとに事務局から基本的な考え方を説明していただき、続いてそれぞれについて主たる関係省庁から説明の上、審議という形をとりたいと考えております。
まず、「1.差別の解消、権利擁護の推進及び虐待の防止」の分野について審議したいと思います。それでは、この分野の基本的な考え方について、事務局から説明をお願いします。
○立石参事官 事務局でございます。
「1.差別の解消、権利擁護の推進及び虐待の防止」の部分の基本的考え方についてでございます。こちらの書きぶりにつきましては、資料5の4次計画との対照も御覧いただければと思いますが、書きぶりについて、現時点では4次計画からの変更はございません。
読上げをいたします。
社会のあらゆる場面において障害を理由とする差別の解消を進めるため、地方公共団体、障害者団体等の様々な主体の取組との連携を図りつつ、障害者差別解消法の一層の浸透に向けた各種の広報・啓発活動を展開するとともに、事業者や国民一般の幅広い理解の下、環境の整備に係る取組を含め、障害者差別の解消に向けた取組を幅広く実施することにより、障害者差別解消法等の実効性ある施行を図る。
また、障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(平成23年 法律第79号。以下「障害者虐待防止法」という。)の適正な運用を通じて障害者虐待を防止するとともに、障害者の権利侵害の防止や被害の救済を図るため、相談・紛争解決体制の充実等に取り組むことにより、障害者の権利擁護のための取組を着実に推進する。
以上でございます。
○石川委員長 ありがとうございました。
それでは、この分野の主たる役割を担っていただいております内閣府と厚生労働省から、順に施策と設定目標について御説明をいただきたいと思います。
まず、内閣府障害者施策担当、お願いします。
○立石参事官 障害者施策担当でございます。
最初に、内閣府の関係の部分について御説明をさせていただきます。資料4の2ページ、資料5の4ページをお開きいただければと思います。「(2)障害を理由とする差別の解消の推進」の部分でございます。
差別解消法の改正を踏まえまして、施策の書きぶりについて修正を行わせていただいております。
後段部分でございます。「事業者による合理的配慮の提供を義務付けること等を内容とする障害者差別解消法改正法の円滑な施行に向け、事業者が適切に対応できるよう必要な取組を行う」とさせていただいております。
続きまして、資料4の3ページ、資料5の5ページの1つ目の○を御覧いただければと存じます。ここも同じく差別解消法の周知啓発等の部分でございます。こちらにつきましても記載の充実をさせていただいております。
後段部分、「合理的配慮の事例等を収集・整理してデータベース化し、ホームページ等を通じて公表するなどの取組を行う」とさせていただいております。
差別解消法関係の関連する成果目標につきまして、資料6を御覧いただければと存じます。2ページでございます。「障害を理由とする差別の解消の推進」の項目のところで2つ立ててございます。
1つ目は「障害者差別解消に向け行政機関職員が遵守すべき服務規律の整備状況」ということで、差別解消法に基づく対応要領を策定している地方公共団体の割合とさせていただいております。ここの市町村は、政令指定都市、中核市を除く市町村でございますけれども、そこについて2027年度100%という目標を立てております。
2つ目、「地域で取組を効果的かつ円滑に行うためのネットワークの形成状況」といたしまして、地域の差別解消支援地域協議会を設置している地方公共団体の割合という目標を立てさせていただいております。中核市等につきましては100%、その他の市町村につきましては80%以上という目標を立てさせていただいております。
内閣府からは以上でございます。
○石川委員長 ありがとうございます。
続きまして、厚生労働省、お願いします。
○厚生労働省(社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課地域生活支援推進室栗原室長補佐) 厚生労働省障害福祉課のほうから御説明させていただきます。
資料4の「(1)権利擁護の推進、虐待防止」のところになります。基本的にこの項目につきましては、内容については第4次計画と同じになっています。ただ、別の場所から移動したこともありまして、赤字の部分につきましては移動という趣旨になります。
1つ目の○ですけれども、虐待防止法は平成24年10月に施行されまして、それに基づいて各種取組を進めています。積極的な広報・啓発活動とか法の適切な運用、未然防止、相談等の実施ですとか、自治体の取組、各種普及啓発の取組とか対応の取組に対する補助事業、そうしたものについて厚生労働省のほうで補助等を行っているところです。
あわせまして、ここには書いていませんが、令和4年4月からは、障害福祉サービスの事業所に対して、虐待防止委員会の設置とか責任者の設置、研修の実施などの義務づけ、そうした取組についても進めているところになります。
続きまして2つ目の○ですが、意思決定支援の関係につきましては、平成29年3月に、障害福祉サービスの利用等に当たっての意思決定支援ガイドラインというものを厚生労働省として策定しております。それに基づいて普及・推進しているということになります。
3つ目の○ですが、当事者等により実施される障害者の権利擁護のための取組の支援ということで、具体的なことにつきましては、ピアサポートの取組とかピアカウンセリング、そうした取組を進めているところです。
一つ飛ばしまして最後の5つ目の○ですが、成年後見制度の関係になります。次のページになりますけれども、成年後見制度につきましては、制度の利用を促進するために必要な費用、制度の利用に当たって必要となる報酬とか申立て費用の助成について市町村が取組をしていまして、こうしたものの助成の取組をしています。
あわせまして、成年後見制度を担う人材、具体的には法人後見ですとか、そういった方々の人材育成のための研修を実施しています。
赤字部分につきましては、別の意思決定支援のところに入っていたものについて、同様の内容になりますが、ここに記載しています。
あと、都道府県労働局における使用者虐待のほうの規定をこちらに移動しています。
欠格条項の関係は、法律が施行した関係で削除になっているということになります。
続きまして資料6の成果目標の関係になりますが、「権利擁護の推進、虐待の防止」ということで、1つ目ですけれども、「成年後見制度の適切な利用のための支援の実施状況」というところで、新しい目標としまして成年後見制度利用支援事業、これは先ほどの成年後見制度を利用するに当たっての報酬とか申立て費用の助成、そうした取組を行っている自治体数、市町村数になりますが、ここについて新たな指標として設定しております。
もう一つは、法人後見の担い手の育成につきまして、都道府県の研修を進めていきたいと考えていまして、そこについて指標として設定しております。
これら2つにつきましては、成年後見制度利用促進基本計画というのが令和4年3月に第2期基本計画が策定されまして、そこの中でKPIとしてこうした目標について設定されたことを踏まえて、ここにも新しく追加したところになります。
その他、ピアサポート、ピアカウンセリングにつきましては、従来どおりの設定ということにしております。
説明は以上になります。
○石川委員長 ありがとうございました。
それでは、委員からの発言を求めたいと思います。挙手ボタンで意思表示をお願いいたします。
石橋委員は引き続き御発言の意思表示でしょうか。それとも、先ほど挙げたままという理解のほうが正しいでしょうか。
○石橋委員 発言したいと思っています。
○石川委員長 では、石橋委員。
○石橋委員 全日本ろうあ連盟の石橋です。
資料4につきましてお話ししたいのですが、よろしいでしょうか。
○石川委員長 どうぞ。
○石橋委員 ありがとうございます。
10ページ、「(2)情報提供の充実等」のところの5つ目の○、第三種郵便について。
○石川委員長 石橋委員、今、検討しようとしていますのは各論の1の部分なのですけれども、まずはその範囲内での御意見をお聞きしたいと思います。
○石橋委員 分かりました。今はありません。
○石川委員長 ありがとうございました。
では、佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。
「(2)障害を理由とする差別の解消の推進」のところなのですけれども、相談体制なのですが、ぜひ自治体の相談窓口の数値目標も記載していただきたいと思います。
それともう一つ、総括して総合窓口を設置することも必要だと思うのですけれども、昨年の内閣府の調査研究の報告書が出ましたけれども、内閣府が司令塔としての役割を担うということを書かれておりましたので、そういったことも踏まえてワンストップ相談窓口の記載も検討していただきたいと思います。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
続きまして、大塚委員、お願いします。
○大塚委員 ありがとうございます。日本発達障害ネットワークの大塚です。
資料4の1ページの「権利擁護の推進、虐待の防止」というところであります。具体的には虐待防止法のことが来ていますので、「虐待防止、権利擁護の推進」にしたほうがいいのではないか。あるいは、具体的には虐待防止法のことは一番後ろに持っていく。
それから、権利擁護の推進に比べて虐待の防止の内容が非常に薄いので、ここについてはつけ加えていく必要があると思っています。
それで、虐待の防止のことの一つの提案ですけれども、例えば今日は神奈川県さんが来ていますけれども、神奈川県さんの公立施設における強度行動障害の方に対する対応が不適切で、身体拘束など、虐待と考えられるものが非常に根深いものとしてあるということですので、やはり強度行動障害と虐待との関係、ハイリスクであるということはきちんと書くとともに、強度行動障害に対する支援方法の確立あるいは研修を通した徹底というものをきちんとやっていくということをきちんと書いたほうがいいと思います。
それから、先ほど厚生労働省のほうから申したように、具体的には虐待防止の従業者への研修の義務化であるとか、あるいは虐待防止委員会、神奈川県においても虐待防止委員会はあったのですけれども、形骸化していて、施設内の虐待防止は全く機能していなかったという実態がありますので、これもきちんと書くとともに、責任者の設置、こういう人がきちんと役割を果たすような体制であるとか、そういうことをしていくべきだということを書いたほうがいいと思います。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。
続きまして、阿部委員、お願いします。
○阿部委員 日本身体障害者団体連合会の阿部です。
まずは、先ほど議論がありました総論本文案のところに障害のある女性ということで記載いただいております。ここでも差別について触れているところなのですけれども、今、検討している各論部分については女性の記載がないのはなぜなのかと思いながら、これまでもいろいろな方々からお聞きしていますけれども、虐待被害に遭われるのも女性の方が多いなどということがありますので、各論部分についてもデータなどを踏まえて、女性に関する差別とか虐待ということについて書くべきではないかと思って、今、お話を申し上げました。よろしくお願いします。
○石川委員長 ありがとうございます。
続きまして、玉木委員、お願いします。
○玉木委員 ありがとうございます。
私は、まず虐待防止についてなのですけれども、先ほど大塚委員が言いましたことにプラスして、私の地元でも、例えば事業者とか養護者からの虐待の通報が増えているので、割と虐待に対する周知はできたのかなと思っているのですね。一方で、学校とか病院というのは通報の義務がなされていないことでいくと、やはりもう少し広い形で通報の義務化ということをやっていく必要があるのかな。回答としては、法改正に関わることなのでと言われるかもしれませんが、そこを一応検討していただきたいと思います。
もう一つは、差別解消のことについてですけれども、毎回、ワンストップ相談窓口の話が出ていると思うのですけれども、虐待の関係と同じように、例えば差別解消の窓口が障害福祉課と教育委員会と分かれている状況があって、我が町でも去年のデータが上がってくると、教育委員会の差別案件がゼロという形で上がってくるのですけれども、我々が聞いているとゼロではないということもあって、やはり透明化を担保するためにもワンストップ相談窓口が必要で、それを集約するためにも国のワンストップ相談窓口も必要ではないかということを書かれたほうがいいのではないかと思います。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。
米山委員、お願いします。
○米山委員 米山です。
資料4の障害者虐待防止のところなのですけれども、先ほどの総論のほうの資料2の13ページの障害のある子供に対しての基本計画のところで出ましたけれども、虐待に関して申しますと、ちょうど2000年に児童虐待防止法ができていて、児童福祉法の中で18歳までは、障害のある子供の虐待もそこに含まれるということになっていて、児童虐待防止法になっていますが、施設内で起きた場合に児童虐待防止は児童福祉法に含まれ、通所系のものは障害者虐待防止法の範疇に入っているのですね。ちょっとずつ法律が変わっています。学校とか保育園で起きたときについても、間接かな。ちょっと微妙な形になっています。
私が言いたいのは、ここで子供の虐待については、やはり児童虐待防止法と併せた形での検討をするということで、ちょうど障害のある子供、13ページのほうに、子供と家族に対する妊娠から切れ目のない継続支援を早期から行うことが必要であるという文言があったのですけれども、ちょうどそれと同じように、児童虐待については児童虐待防止法も含めて、子供とその家族への支援が必要であるというものを入れていただきたいと思います。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。
続きまして、三浦委員、お願いします。
○三浦委員長代理 御指名ありがとうございます。全国身体障害者施設協議会の三浦と申します。
資料4の(1)の○の3つ目、1-(1)-3関連で御質問をさせていただきます。これは重要な取組の支援だと思うのですけれども、これを資料6の別表で見ますと、ピアサポートの実施状況、ピアカウンセリングの実施状況、両方とも目標値は前年度比増という表現でございます。
前年度比ということであれば、ここは2026年と比較して増えていればいいということなのかなと読み取れるのですけれども、全国的にとても必要な事業で支援しますよということを計画に書いた以上は、パーセントでもいいですので、何%増であるとか、目標は数値で示していただければと思いまして、御質問もかねて要望いたします。よろしくお願いします。
○石川委員長 ありがとうございました。
続きまして、中野専門委員、お願いします。
○中野専門委員 ありがとうございます。中野です。
資料4の「(2)障害を理由とする差別の解消の推進」についてですが、先ほど玉木委員がおっしゃられたように、教育機関における差別事例についてはなかなか適切に収集するのが難しいのではないかと思いますので、その方法も含めて適切な集め方等について検討が必要だということがどこかに記載されているとありがたいなと思いました。
もう1点、資料6の1ページ目のピアサポートとピアカウンセリングについてですが、これは記載が分けられていますが、明確に定義を分けて把握する必要があるのか。それともピアサポートの中にピアカウンセリングが含まれると考えたほうがいいのか。その点についてお教えいただければと思います。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
次に、私のほうからも意見を述べさせていただきたいと思います。
1-(1)-2で成年後見に関わる部分なのですが、先日、対日審査の政策委員会意見でも取りまとめましたように、権利条約との整合性を取りまとめましたように、権利条約との整合性を確保する方向での政策の方向づけというのが、恐らく権利委員会からの総括所見でもはっきり示されるものと思います。そこで、法的行為能力の行使の支援の枠組みの構築に向けた検討を、法務省と厚労省でご相談いただき、次の第5次の基本計画の中で方向性を示していただきたいと考えております。成年後見制度の内と外の支援の両方が大事であるという観点で、後見制度を肥大化させるのではなくて、法的行為能力の行使を極力制限しないで財産等を守り、法的行為能力及び意思決定を支援していくことを進めていくということを、今回の基本計画の中では示していく必要があるのではないかと思います。
2点目は小さい話なのですけれども、1-(2)-9ですが、金融機関の職員に対する周知ということで、自著に関わる部分なのですけれども、銀行、保険会社等の金融機関と書いたほうが分かりやすいかなと思います。金融機関といえば保険会社であるとか証券会社なども含んではいるものの、一般的には銀行というイメージが強いかなと思うので、そのように書いていただいたほうが分かりやすいかなと思います。
3点目なのですが、差別解消法の実施について、今、民間の事業者に対しても合理的配慮の提供を求めるということで施行の準備をしているわけですが、医療機関、病院等における患者への合理的配慮の提供については、国立病院におきましてもほとんど周知されていないという現状がある。今回の基本計画の中では、ぜひ厚生労働省にこの点についての是正をコミットしていただきたいと思いまして、そのことも何らかの形の書きぶりで反映させていただきたいと思う次第です。
私の意見は以上です。
続きまして、安藤委員、お願いします。
○安藤委員 ありがとうございます。全国脊髄損傷者連合会の安藤です。
皆さんのお話を伺ってきて、私は各論でなくてほとんど総論で感想に近いのですけれども、皆さんの御意見を反映していただいて、短い間にここまで取りまとめていただいて本当に感謝しています。
お話を伺っていて思ったことなのですが、女性という言葉が入ってくるときにちょっと気になるのは、LGBTQとかLGBTSと言われている方たち、性的マイノリティの人たちの話が少し取り残されているのかな。女性の問題は確かにありますけれども、これももう少し今の時代に掘り下げて、女性だけでなくて、もっと性的マイノリティの方たちもいて、そういう方たちは障害者の中にもたくさんいらっしゃると思うので、何かしらの御配慮があってもいいのかな、欲しいなという気持ちがありました。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。
どういった書き方が基本計画で可能かどうか、考えさせていただきたいと思います。
続きまして、曽根専門委員、お願いします。
○曽根専門委員 曽根です。
虐待防止の関係で発言させていただきます。
まず1点は、米山委員から障害児に関する虐待の防止については児童虐待防止法、施設は児童福祉法というお話がありました。そうなりますと、基本的考え方の中で、虐待防止については障害者虐待防止法の適正な運用を通じてという表記があるのですけれども、障害者虐待防止等という部分を作っていただきまして、子供の分野、高齢障害者は高齢者虐待防止法になりますので、そこを読み込めるような表現にしていただくのはいかがかと思いました。差別解消法等の等は障害者基本法を指すという解釈だということもお聞きしていますので、そのようにもうちょっと幅広な法律が対応しているという書きぶりがよろしいのではないかと思ったというのが1点です。
2点目は、玉木委員がおっしゃった学校における通報義務のことなのですけれども、私も学校の虐待の通報義務は必要だとかねてから思っているのですけれども、こちらについては障害児だけ通報義務にするというよりも、例えば高校の部活で、部活の指導者から暴力を受けて、子供がそれに対して何も言えなくて被害が拡大してしまったという報道もありますので、障害児だけを通報義務の対象にするのではなく、学校を利用する子供たちがすべからく通報義務の対象になるような考え方の中で、障害児にも通報義務を課すという法律の構成で考えていただくというのがいいのではないかと思いました。
最後なのですけれども、資料4の2ページの上から2つ目の○のところに、使用者による障害者虐待の記述があるのですけれども、例えば障害者虐待防止法に基づく国の統計ですと、先ほど男女だけでないのではないかという御意見もあったのですけれども、一応虐待を受けた障害者の性別についてもデータとして示されています。ただ、使用者による障害者虐待については、性別による被虐待の人の統計が示されておりませんで、今後、女性に対する差別とか虐待についても入念に検討していくためには、使用者による障害者虐待も性別による被虐待者の統計が必要ではないかと思いますので、ここに書くのが適切か分からないのですけれども、その辺も少し含意していただけるとありがたいと思いました。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。
最後に、岩上委員、お願いします。
○岩上委員 チイクラネットの岩上です。
2点ございまして、1点は虐待防止の件で、今、厚生労働省の精神障害保健課のほうで、精神科、医療機関における虐待防止についても議論をして、間もなく取りまとめが行われるところでございますので、その取りまとめの方向性について、この基本計画に書ける文言が出てくると思うので、間に合うようであれば、精神科医療機関におけるということも書き加えていただけたらいいかなと思います。
もう1点は、総論に戻って大変恐縮でございますが、先ほどの基本原則のところで、内閣府のほうからは基本法の第3条においてということを御理解いただきたいということでしたが、第3条も地域で暮らすということを基盤としているわけで、ここの原則に地域移行について書けないとは私は思えないので、少し柔軟な対応を重ねてお願いしたいと思います。
以上でございます。
○石川委員長 ありがとうございます。
そうしましたら、ここで内閣府、厚生労働省から、幾つか御意見や御質問等がございましたので、まず内閣府のほうから御発言いただきたいと思います。
○立石参事官 内閣府でございます。
内閣府に対しては、障害者差別解消法の関係で、相談窓口の整備の関係について書き込めないかという御指摘をいただいたところでございます。こちらに関しましては、並行して基本方針の御議論もいただいているところでございます。その中で、相談体制などにつきましても今後御議論いただくことになっているかと思いますので、まずはそちらで御議論いただきまして、それを踏まえてということになるかと思ってございます。
以上でございます。
○厚生労働省(社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課地域生活支援推進室栗原室長補佐)
厚生労働省です。
ピアサポートとピアカウンセリングの関係ですけれども、具体的な数値についてどのような形で対応できるか、検討させていただきたいと思っています。
具体的に言うと、ピアサポートのほうにつきましては、実際に一定数増えているという状況があります。精神障害者向けのピアサポートの関係になっていまして、実際には都道府県、指定都市、特別区、保健所設置市のほうで補助することによって、ピアサポートの取組を進めている自治体数が52団体という趣旨になります。
もう一つのピアカウンセリングのほうですけれども、これは市町村で実施している障害者相談支援事業というのがありまして、地方交付税を基に実施していますが、そこにおいてピアカウンセリングもやるという仕組みになっていまして、ピアカウンセリングとピアサポートは言葉として似ていますけれども、ピアサポートはちょっと広いような意味があると思うのですが、実施している市町村数が634という趣旨になります。
こちらにつきましては、基本的に横ばい状態になっていまして、そうしたことも踏まえてどのような数値目標が適切かということについて、現実的なところを踏まえて検討させていただきたいと思います。
あと、実際にピアサポートの取組は、ここに書いているもの以外にも、研修を実施したり、障害福祉サービスの相談支援の関係で報酬を加算したり、様々取り組んでいるところです。補足まで、お伝えさせていただきます。
あと幾つか、精神の関係ですとか、もう少し丁寧に書く必要があるのではないかですとか、そうした御意見を踏まえまして検討をさせていただきたいと思っています。
以上になります。
○石川委員長 ほかにも様々御意見がありましたので、それにつきましてはまた次の改訂作業の中に極力反映させていきたいと思います。
それでは、ここで一旦休憩といたしたいと思います。再開は2時30分ということでお願いいたします。画面オフ、マイクオフにしてくださって結構です。
(休憩)
○石川委員長 ここでは各論の「2.安全・安心な生活環境の整備」についての審議に入りたいと思います。
それでは、基本的な考え方について事務局から読み上げていただきたいと思います。
○立石参事官 事務局でございます。
安全・安心な生活環境の整備の基本的な考え方でございます。資料4の4ページ、資料5の7ページを御覧ください。ここの基本的考え方につきましては、資料5の7ページで御覧いただけますように、4次計の記載と変更ございません。
それでは、読み上げます。
障害者がそれぞれの地域で安全に安心して暮らしていくことができる生活環境の実現を図るため、障害者が安全に安心して生活できる住環境の整備、障害者が移動しやすい環境の整備、アクセシビリティに配慮した施設等の普及促進、障害者に配慮したまちづくりの総合的な推進等を通じ、障害者の生活環境における社会的障壁の除去を進め、アクセシビリティの向上を推進する。
以上でございます。
○石川委員長 ありがとうございます。
それでは、関係省庁としまして、まず国交省から御説明をいただきます。
○国土交通省(総合政策局バリアフリー政策課真鍋課長) 国土交通省バリアフリー政策課長の真鍋でございます。よろしくお願いいたします。
資料は4ページからになります。安全・安心な生活環境の整備ということで、住宅の確保、移動環境の整備、アクセシビリティに配慮した施設の推進、まちづくりの4つの柱で施策を推進してまいります。
まず1点目、住宅の確保でございますけれども、大きな変更はございません。
1つ目の○で書いてございますのは、既存の施設も含めた公営住宅のバリアフリー化改修の推進等を進めていく。あるいは、自治体と連携しながら、障害者に対します優先入居の実施等を進めていくというのが1点目でございます。
2点目に書いてございます民間賃貸住宅の空き室等を活用いたしまして、住宅確保要配慮者の方々の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度を平成29年度に創設いたしましたけれども、こういった制度を活用しながら安全・安心な住宅を確保していくといった取組を記載してございます。
5ページに参りまして、移動環境の整備でございます。こちらは少し取組が進みましたので考え方を整理いたしまして、1つ目の○でハード面の取組、2つ目の○でソフト面の取組に再構成をしてございます。
1点目のほうは、駅等の旅客施設における段差解消、ホームドアの整備、こういったものに加えまして、様々な障害特性のある方々に配慮した案内施設の整備、こういった移動円滑化基準に適合した旅客施設あるいは車両等を整備していくというハード面の取組を進めていくのが1点目でございます。
2点目でございますが、これは令和2年のバリアフリー法改正等で事業者が行う役務の提供が義務基準になりましたけれども、そういったことを踏まえながら接遇ガイドラインを策定いたしましたので、その普及啓発、教育訓練を進めるということで、「心のバリアフリー」をはじめとしたソフト面のバリアフリー化を推進するというのを2点目で整理させていただいております。
あと、施策の進捗に応じて少し修正をさせていただいております。
3番目がアクセシビリティに配慮した施設の普及促進ということでございまして、国交省関係では、バリアフリー法に基づきまして、一定の建築物の新築時におけるバリアフリー基準への適合義務に加えまして、バリアフリー法に基づいて自治体が条例を策定し、その義務づけの対象となる建築物を追加することができる、あるいは対象施設の規模を引き下げる、小さな施設でも義務をかけられる、こういった地域の実情を踏まえた取組ができるようにしております。こういったことでバリアフリー化を推進する、促進するという取組。
さらに、そうした既存建築物、規模の小さなものも含めまして、バリアフリー化改修に対する支援は、拡充等も行っておるのは御案内のとおりでございますが、そういったものについても新たに追記をして推進することとしております。
6ページに参りまして、その他官庁施設、都市公園、河川空間、こういったものについてもバリアフリー化に取り組んでいくということを書いてございます。
(4)がまちづくりでございます。こちらは令和3年度から令和7年度までの新しいバリアフリー整備目標を策定いたしました。これに基づきまして、地方部を含めたバリアフリー化の推進をしていく。それから、様々な特性のある方々に対応したバリアフリー対策が見える化していくような目標値をつくっております。それから「心のバリアフリー」の推進、こういったハード、ソフト両面でのバリアフリー化を推進していくということを記載してございます。
少し飛ばしまして7ページでございます。中ほどの5つ目の○で書いてございます。警察庁さんとも連携しながらという施策でございますが、障害のある方を含めた全ての人に安心して道路を使っていただけるよう、警察と道路管理者で連携いたしまして、最高速度30キロの区域規制、物理的デバイス、ハンプとかそういったものを設けるわけですが、こういったものを適切に組み合わせながら「ゾーン30プラス」ということで、安全な人優先の通行空間を整備していくという取組を記載させていただいております。
その下でございますけれども、車椅子使用者用駐車施設、このほかにもバリアフリートイレとかもございますが、こういった高齢者障害者等用施設の在り方について順次、当事者の皆様に御意見をいただきながら検討を整理してございますので、こういった経過を踏まえながら、そういった施設の適正利用の推進のキャンペーンあるいは優良施設の整備事例などを周知することによって、高齢者障害者等用施設等の適正利用を推進していくということを記載させていただいています。
7ページの一番下でございますが、ICTを使って歩行していただく際の移動支援をしていくということで、道路をはじめとしていろいろな施設のバリアフリー情報をオープンデータで整備していく。8ページのほうに続きが書いてございますが、こういった環境を整備しつつ、民間の事業者の方がアプリを使って移動者の支援、移動支援サービスを提供できるような環境づくりをしていくということを記載させていただいているところでございます。
目標のほうですが、資料6の3ページからでございます。
主なものを御紹介させていただきますと、住宅の確保に関しては、公的賃貸住宅団地における地域拠点施設の併設率の目標を挙げているということがございます。
同じページの下のほうから、移動の環境の目標値を書いてございます。こちらは先ほど御案内いたしましたバリアフリー整備目標を、令和3年度からスタートしておりますが、当事者の皆様からも御意見をいただきながら策定させていただいております。
これを踏まえまして、新しい目標を幾つか追加してございます。
4ページで、先ほど申し上げました様々な特性に配慮した案内施設の整備を新しい目標として追加。
それから、ホームドア、可動柵の番線数。これは日本全体の数と利用者の多い1日10万人以上の駅、それぞれに3,000番線、800番線という目標を立ててございます。
5ページに参りまして、鉄軌道アクセスがない一定の利用のある航空旅客ターミナルへのアクセスバス路線でバリアフリー化された車両が運行されている系統の割合というものを新しく設定してございます。
6ページに参りまして、各都道府県におけますタクシー全車両数に対するユニバーサルデザインタクシーの割合を4分の1以上にするという目標を立ててございます。
簡単ではございますが、国土交通省からは以上でございます。
○石川委員長 ありがとうございました。
続きまして、警察庁、お願いいたします。
○警察庁(警察庁長官官房企画課松本課長補佐) 警察庁企画課の松本でございます。
私からは、警察における障害者基本計画に基づく施策につきまして御説明をさせていただきます。
警察では、ハード・ソフト両面から障害者施策を進めております。
まず、ハード面のほうから御説明させていただきたいのですが、資料6の7ページを御覧ください。
7ページにございますように、私どもはバリアフリー対応型信号機の整備を進めておるところでございます。道路の整備については国土交通省さんが所管しておるのですけれども、信号機については私ども警察庁が所管しております。
現在、生活関連経路でも信号機を100%バリアフリー化するという目標を掲げて整備を進めておるところでございます。このバリアフリー型信号機と申しますのは、ボタンを押していただくと歩行者用の青信号の時間が長くなるなど、障害者の方の移動に差し支えが出ないように配慮された信号機のことでございます。これを100%を目指して整備していくということ。あわせて、信号機の青、赤がより見やすくなるLED化などを進めておるところでございます。
また、下のほうにございますけれども、視覚障害者の移動の安全を確保するために、音響信号機とエスコートゾーンの設置を進めておるところでございます。音響信号機については、現時点では100%に達していないので、これからしっかりと整備を進めてまいります。
次に、ソフト面の取組でございますけれども、こちらはどちらかというと、この後議論いただく3の意思疎通支援のほうに該当する話かもしれないのですが、この機会に御説明させていただければと思います。
警察におきましては、現場の警察官がより障害者の方としっかりコミュニケーションがとれるようにということで、教育・研修の充実を図っております。特に障害者の方が犯罪などのトラブルに巻き込まれた際に、最初に状況をお聞きして助けるのは警察官の役割でございますので、そこでコミュニケーションに不利がないように、また、別の一方当事者のほうからばかり状況を聴取することがないようにするために、しっかりと研修をやっていく必要があると認識しております。
具体的には、現場の警察官に対する手話講習の実施を進めております。手話の基本も学ぶのですけれども、それ以外にも聴覚障害者の方とのコミュニケーションの際にどういう工夫をすればしっかりとコミュニケーションが成立するのかということを教えておるところでございます。
また、それ以外の障害類型につきましても、映像教材を作成して、それを現場の警察官に視聴させることで研修を進めております。例えば視覚障害者の方をどのようにして誘導すればよいのか、また、知的障害者の方に対してコミュニケーション支援ボードを用いてコミュニケーションをとる、こういった手法について分かりやすく映像で解説したものでございます。
今後とも私どもは、ソフト面・ハード面、両面から障害者施策をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○石川委員長 ありがとうございました。
それでは、審議に入りたいと思います。御意見のある委員は、挙手ボタンにて意思表示をお願いいたします。
最初に竹下委員、お願いします。
○竹下委員 ありがとうございます。日視連の竹下です。
まず、国土交通省の関係から意見を述べさせていただきます。
この間、国交省が非常に努力をしていただいて、ホームドアの設置あるいは職員への研修を含めまして、ハード・ソフト面で大きな前進があったことは非常に感謝しております。
ただ、気になる点を2点お願いしたいのですが、1点は、今まではホームドア等の設置についてはパーセンテージで表示してきたものを今度は番線に切り替えている。これは大賛成なのですが、例えばこの目標値を見て分かるように、全体で2,100を3,000にする、あるいは10万人以上のところの300を800にするというのは、これだけだと全体でどれだけ前進したのかが見えてこないわけ。したがって、たしか番線は全国で9,500だったと思うのですけれども、そのように全体9,500のうちの3,000とか、あるいは10万以上だったら、私は数字を覚えていないのですけれども、何番線に対して800とか、そういう形の表示をしていただくことが必要ではないかと思っております。
2番目には、ソフト面とハード面でバリアフリー化あるいは安全対策をやっていくことは非常にありがたいのですけれども、実は一番難儀なのは、無人駅が増えていることへの対応がここに含められていないことであります。すなわち、無人駅においてはソフト面での対応もほぼ現実的にあり得ないとまでは言いませんが、その場にはおられないわけですから、無人駅における利便性あるいは安全対策というものについてどう考えていくのかという記載ないしは目標値も併せて検討していくことが必要ではないかと思っております。
警察庁の関係は1点だけです。信号機の問題ですが、今の説明があったバリアフリー信号、高度化PICSという名前だったかと思うのですけれども、これ自身はいろいろ工夫されていることは感謝したいのですけれども、スマホを利用するために視覚障害者が場面によっては危険にさらされることがあり得るわけです。騒音の多いところでスマホの音声にどれだけ集中しながら対応、移動できるかとか、あるいはスマホを持たないあるいは使えない視覚障害者への対応を含めて安全対策がとられてこそバリアフリー信号と言えるわけで、高度化PICSの機能として、そういう面に十分に配慮したものにしていただくことが必要かと思っております。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
続きまして、佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。
私からは4点お願いいたします。
まず1つ目が「(1)住宅の確保」です。記載していただいているのは、公共住宅とかグループホームが中心なのですけれども、民間の住宅のバリアフリーにも踏み込んで記載を検討していただきたいと思います。民間の賃貸住宅のバリアフリー化はほとんど進んでいなくて、10年前からほぼ数が増えていないと思います。住宅は公営住宅だけでなくて、民間の共同住宅も含めてバリアフリー化の推進が必要だと思いますので、その御検討をお願いします。
2点目は、アクセシビリティに配慮した製品の普及です。障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が成立しましたし、ぜひこの機会にアクセシビリティを要件とした公共調達の仕組みを検討するといったことを記載していただきたいと思います。推進法の附帯決議にもそういった検討が必要だということが1番目に書かれておりますので、ぜひお願いします。
3点目が、小規模店舗のバリアフリーの推進です。こちらもほとんど進展していないのですね。ハートビル法ができた1994年から小規模店舗の店舗内のバリアフリー基準はありませんでしたから、ほとんど改善されていない。ここもそろそろ取組が必要だと思います。
最後は、国立公園なのですけれども、園路とか公衆トイレのバリアフリー化ということは記載していただいているのですけれども、公園全体をトータルで楽しむことができない状況です。日本の国立公園は所有者がいろいろいるということで、難しいということは伺っているのですけれども、障害者も公園をトータルで楽しめるような整備が必要だという記載を御検討いただきたいと思います。
以上です。
○石川委員長 続きまして、河井委員、お願いします。
○河井委員 全肢連の河井です。ありがとうございます。
私のほうからは2点ございます。
1点目、住宅の確保の4つ目の○でグループホームについての記載がありますが、4次計画と全く同じ文章で、そこにも「重度障害者にも対応した体制の充実を図る」とありますが、この間ほとんど設置が進んでいないという認識を持っておりますので、ここはもう一段強く踏み込んだ表現にしたほうがよいと考えます。
例えば「グループホームの整備を促進するとともに、特に重度障害者にも対応できるグループホームについては一層の体制の充実を図る」といった表現にするのはいかがでしょうか。
あわせて設置目標も、重度障害者のグループホームを何年度には何パーセント増といった数値目標を入れることが、実効性を持たせるために必要ではないかと思います。
2点目です。その下の○も、4次計画と同じ表現で今さらなのですが、ここの文章が読みづらいので、最初の頭の部分を「障害福祉サービス等を利用しながら、障害者が安心して生活できるよう、非常災害時における」と続けてはいかがでしょうかという修文の提案です。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
続きまして、石橋委員、お願いします。
○石橋委員 全日本ろうあ連盟の石橋でございます。
安全・安心な生活環境の整備につきましては、2点意見を申し上げたいと思います。
まず今回、駅等における交通機関のバリアフリー化に関する内容が記述されております。バリアフリーに関係するだけではなく、ソフトバリアフリーも念頭に入れていただきたい。例えば駅等において、最近、無人駅、誰もいない駅も増えております。ICTの推進により、実際に人の設置がない中での券売機の対応がありますが、そこで切符を買うときに戸惑うということが1点出てくる。
また、ほかに関係することといえば、例えば金融機関のATMがございます。これについてもトラブルが発生したときに電話では呼出しができない。何かが起こったときに、緊急の呼出し対応・支援が受けられないということがあります。例えば土日祝日の場合は人を呼べないということも出てくる。そういう意味で、アクセシビリティ環境の整備というのを全体的に考えていただきたい。
もう一つ、これは利用者という立場からなのですけれども、例えば食品に関するアクセシビリティについてここに記述がありますが、それだけでなく、製品、例えば物を買って、その後その物について、お客様問合せ、サポートセンターという窓口が当然ありますけれども、それは電話のみの連絡先となっているのです。つまり、フリーダイヤルのみの問合せ先で、結局聞こえない場合には電話のアクセスができないという不便が非常にあります。そうならないように、誰でもお客様サービスを十分に受けられる体制整備が本当のアクセシビリティ環境に当たるのではないか。障害者情報アクセシビリティコミュニケーション施策推進法が成立しました。その関係で、そういったアクセシビリティについてもきちんと盛り込んでいただきたい。
以上です。
○石川委員長 続きまして、大河内専門委員、お願いします。
○大河内専門委員 大河内です。
2点、国交省のことについて申し上げます。
これは移動のしやすさの環境整備のところだと思うのですけれども、踏切の安全対策、特に歩行者視点における踏切の安全対策について記載していただいたほうがいいと思っています。報道等でも御承知だと思いますけれども、高齢者の踏切事故は何件も発生していますし、車椅子利用者の踏切事故も多数発生していると承知しています。それから、視覚障害の人たちが踏切道からはみ出してしまって、適切な方向に渡れないという問題も非常に起きていて、このことは命に直結するような問題でもありますので、道路の整備とともに踏切道の安全対策について触れていただいたほうがいいと思いました。
もう1点、音声式信号が普及していることは非常にありがたくて、これは警察庁の方へのお願いですけれども、音声信号の時間制限の問題がずっとあって、例えば夜、本当に必要なときに音声信号が作動しないということがよく言われています。今、仕組みとしては、必要なときだけ信号を鳴らすようなこともシステムとしてできるようになってきていますので、音声信号を設置した後の適切な運用方法についても触れていただけるといいのかなと思いました。
以上です。
○石川委員長 続きまして、阿部委員、お願いします。
○阿部委員 日本身体障害者団体連合会の阿部です。
まず国土交通省なのですけれども、移動しやすい環境の整備とかアクセシビリティに配慮した施設などに関して、当事者の参画の下に検討して、当事者の参画の下に評価して次につなげるというスタイルが確立されてきているのだと思います。これはオリパラを控えた頃からの国交省のとても大事な取組だと思いました。さらにこれが各省庁に進んでいっているのも現状かと思いますけれども、やはり国交省がこれまで大事にしておりました障害があるからこその困ったこと、不便なことを解消することによった改善、改良そしてその評価ということを大事にした姿勢ということを、この中の文章に入れていただきたいと考えます。そのような記述を踏まえて、地方部での取組ももっと円滑にいくのかなと思いまして、その辺のところで工夫を重ねていただけるようにお願いしたいと思います。当事者参画の重要性というのを評価していただいたのは、国交省も大きな一つだと思いますので、意見を申し上げました。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。
それでは、玉木委員、お願いします。
○玉木委員 ありがとうございます。
私は、住宅の確保のところについて提案が2点と、質問が1点あります。
住宅の確保という中で、ここに書いていただいているように、入り口というのがバリアフリーになっていることによって借りやすくなっていくというのは分かるのですけれども、一方で、併せて住まい方支援という考え方も必要ではないかと思っています。
その理由としては、最近、公営住宅において民間賃貸住宅のように家賃滞納で訴訟になって退去されるケースがあって、その退去支援に入っていくと、実はいわゆるごみ屋敷であったり、いわゆる障害等のある方であったり、それがアプローチできていないから、民事のように訴訟をして退去命令が出たときに出ていっている。それがなぜ滞納状況になるかということを調べていって、滞納を解消していける住まい方支援を記述してはどうかという提案です。
2つ目、住宅セーフティネット制度というのはあるのですけれども、わざわざ登録している住宅が少ないと思うので、そこの広報・啓発活動をもっと推進していただきたいと思います。
質問なのですけれども、資料6の3ページの公的賃貸住宅団地における地域拠点施設併設率というのが挙がっているのですけれども、これは恐らくURのことかと思っているのですけれども、具体的に何をやっているかということをお聞かせいただきたいと思います。
以上です。
○石川委員長 続きまして、中野専門委員、お願いします。
○中野専門委員 慶應大学の中野です。
4つございます。
まず第1番目は資料4の5ページ、移動しやすい環境の整備等の御説明の際に、ハード面とソフト面で整理をされたという御報告をいただきました。しかしながら、「心のバリアフリー」をソフト面と位置付けて説明されたのは、必ずしも適切ではないのではないかと思います。
といいますのは、障害の社会モデルの観点から考えると、ハードの設計段階で障害のある人たちのことを考慮できていないことがバリアを生み出してしまう、そういう考え方をハードの設計者に理解していただくような取組が必要だと思うからです。ぜひハードとソフトというように分けるだけでなく、ハードをつくる際に「心のバリアフリー」のポイントである障害の社会モデルの考え方が重要なのだということも普及・啓発していただきたいと思います。
2番目は踏切に関してです。先ほど大河内専門委員から御指摘がありましたが、2021年、2022年と踏切で視覚障害のある人の死亡事故が起こっております。現在、国土交通省で議論されていると認識しておりますけれども、踏切の整備に関してはぜひ早急にお願いしたいと思います。
3番目、道路に関してです。今回、道路のガイドラインが改正され、これまでよりもとても整備されたことは認識しておりますが、今後ハイブリッド車や電気自動車が増えていくことが考えられる中で、道路における安全確保のために点字ブロックの敷設方法や色に関するガイドラインの見直しが必要不可欠なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
最後に、通学における移動支援についてです。これは教育に関するテーマの際に議論すべき内容かもしれませんが、全ての障害児の通学を保障するための移動支援制度が急務の課題だと思います。現在、同行援護等の移動支援サービスが通学に使えないことで困っているケースが非常に多くございます。特別支援学校等ではスクールバスが運用されていますが、運用されていない地域もありますし、スクールバスのバス停までの移動が保障されていないという問題もありますので、ぜひ総合的な観点から御検討いただきたいと思います。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
では、門川委員、お願いします。
○門川委員 門川です。発言の機会をありがとうございます。
2つあります。
1点目は、トイレのバリアフリー化について2つほど意見があります。
バリアフリートイレと言ったり、障害者用トイレと言ったり、多目的トイレと言ったり、誰でもトイレと言ったり、いろいろな言い方があるので、統一していただいたらどうかと思います。
もう一つは、よく「流す」ボタンが分からなくて、これが「流す」ボタンだと見当をつけて押すと緊急呼出ボタンで、大騒ぎになることが何度もありました。そんなことが発生しないように、バリアフリーに加えてユニバーサルデザインも組み合わせて、ボタンの配置が分かりやすいように統一していただきたいと思います。
2点目、信号機についてです。音響式信号機とかエスコートゾーンとかが出てきますが、そろそろ音の出る信号機については、音響式信号機、振動式信号機、LED信号機なども含めて、バリアフリー信号機として見直していただきたいと思います。
その理由は、音が出る信号機だと、住宅街などでは夜うるさいという苦情が出たりする。そういうときに、音ではなくて、振動とかだったら音は静かになると思います。また、音が聞こえない、聞こえにくい、信号が見えない、見えにくいという人も結構たくさんいるので、振動することによって信号が変わったことが分かるようになればバリアがなくなると思います。
以上について、数値目標は2025年までに100%を目指すとなっていますので、今後、5次計画の中で、バリアフリー型信号機、振動式とLEDも含めた総合的なバリアフリー型信号機も設置していただきたいと警察庁にお願いします。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。
では、三浦委員、お願いします。
○三浦委員長代理 御指名ありがとうございます。
資料の4ページの「(1)住宅の確保」の2-(1)-4の部分で、先ほどの河井委員の御発言に賛同し、また、追加を提案させてください。
「特に重度障害者にも対応した一層の」という提案でしたけれども、その後に「整備」を入れていただきたいのです。と申しますのが、グループホームの制度創設の平成18年当時、重度身体障害者等を対象としていない制度でしたので、最低基準が7.43平米のままという制度でございます。約4.5畳という電動車椅子とベッドが入らないぐらいの最低基準で入所施設の最低基準にも満たない基準でありますので、ここのところが改善されないと、本当に重度の障害者の方、車椅子を御利用の方などが対象とならないような状態のままでございますので、文言といたしましては、「重度障害者にも対応した一層の整備と体制の充実を図る」と提案させてください。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。
では、岩上委員、お願いします。
○岩上委員 4ページの住宅の確保になるのですが、これの目標案ですから資料6の3ページになります。この中で2つありまして、一つは精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築推進事業を実施する事業数を目標数値に挙げることが、安心して暮らせる支援体制の整備、なおかつ、上位項目の住宅の確保につながるのかということが分かりづらいということが一つ。
もう一つ、居住支援協議会を設立する市区町村による人口カバー率は、私は以前から申し上げているのですが、居住支援協議会はもう少し幅広く、高齢者であるとか子供世帯等を議論する協議会と思っていますので、この数がカバーできたからといって障害者の住宅確保につながるのかということで、目標数値としていかがなものかと思っています。むしろ居住支援法人の数を増やすとか、障害者に対応した居住支援法人等の事業者数を増やす。こちらはそういうことが明確であれば事業者数でいいかと思うのですが、指標と目標との連動性をもう一度検討していただきたいと思います。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
委員からの質問あるいは意見は以上かと思います。本当に多岐にわたる多くの意見がございましたので、この中で、国土交通省並びに警察庁のほうからこの場で御発言、回答いただけるもの、特にこの点については真意を伝えたいということがございましたらお願いしたいと思います。
まず、国土交通省、お願いします。
○国土交通省(総合政策局バリアフリー政策課真鍋課長) 国土交通省の真鍋でございます。
たくさんの御意見をいただきまして、ありがとうございました。もう皆様、事情をよく御存じのとおりなのですけれども、例えば無人駅の問題とか踏切の話につきましては、今、国交省のほうで皆さんも御参画いただきながら検討をさせていただいておりますので、その対応を踏まえて政府として取り組んでいくという状況でございます。
それから、これも佐藤委員よく御存じのとおり、小規模店舗につきましては、一律に全国で義務化というのはなかなか難しいのですけれども、条例で各地域の実情に応じて対応できるようにしていることと、その中で基準とか推奨基準のほうも見直しをさせていただきつつ、今、支援制度も充実をしているところでございますので、引き続き御意見をいただきながら取組を進めていきたいと思っております。
グループホームについては国交省所管ではございませんので担当の省にお願いしたいと思いますけれども、当事者参画の御指摘をいただきました。大変重要な取組だと思っておりまして、どのように表現できるか考えたいと思いますが、施設整備と基準とか、そういったものを作成するときも、全て当事者参画が前提で取り組むべきだと私どもは思っておりますので、その辺りはこれだけが当事者参画ということではないと思っておりまして、どのようにうまく表現ができるのかを含めて考えたいと思います。
御質問の中で、公営住宅で福祉施設等の併設について説明してほしいということでございましたので、補足させていただきます。公営住宅の整備に併せて、子育て支援施設とか福祉施設等の併設を進める取組をやっております。平成14年度以降は100戸以上の公営住宅を建設する場合、建て替える場合には福祉施設等の併設を原則化しているということで、今、取組を進めさせていただいております。
トイレにつきましては、国交省としては、障害者の方に対応した機能を持っているトイレをバリアフリートイレと総称するようなことを昨年まとめております。ただ、全国一気には広がりませんので、引き続き、考え方の整理を普及していきたいと思っております。いろいろなトイレの中の設備についてもガイドライン等を定めておるのですけれども、実際には様々な施設管理者さんがいらっしゃるので、切替わりがなかなか進んでいなくて、混乱を生じさせているようなことがありましたら大変申し訳ございませんが、引き続きそういった改修・普及に取り組んでいきたいと思っております。
「心のバリアフリー」の考え方は、中野先生からよく御指導いただいて十分分かっておるのですけれども、ほかの委員からも御指摘がありましたけれども、ここでは事業者による適切な対応をしっかりやっていくという意味において、「心のバリアフリー」の考え方をしっかり理解して対応していくといったところに比重を置いて記載させていただきましたが、ハードをつくるときの設計とか、そういったところでも「心のバリアフリー」の考え方が大前提にあるというのは十分承知しておりますので、そういったことも踏まえて施策の整理をさせていただきたいと思っております。
全部にお答えできておりませんが、ひとまず私のほうからは以上でございます。
○石川委員長 ありがとうございます。
警察庁もお願いいたします。
○警察庁(警察庁長官官房企画課松本課長補佐)
警察庁でございます。
御意見ありがとうございました。
まず、竹下委員から、バリアフリー型信号機の機能について御指摘がございました。スマホ利用のために視覚障害者がかえって危険にさらされることがあってはいけませんので、現在の科学技術の進展もございますので、そうした中からどのようなソリューションがふさわしいのかということを考えてまいりたいと思います。
また、大河内専門委員から、音響式信号機の時間制限の問題意識についてお話を頂戴しました。それと門川委員から、振動型の信号機を音響と併せて、あるいは音響の代わりに進めていってはどうかというお話を頂戴しました。現在の問題をしっかり調査させていただいて、検討してまいりたいと考えております。どうもありがとうございます。
○石川委員長 ありがとうございます。
私からも1点、国土交通省にお考えをお聞きしたいのですけれども、中野専門委員が指摘されたこととも関係があるのですけれども、国土交通省は他省に先駆けてバリアフリー化を進めてこられて、それによって独自の概念なり言葉なりを政策の中に投入してこられた側面があると思うのですけれども、「心のバリアフリー」もその一つかなと思うのですが、もう一つ、ハード面・ソフト面という言い方も使われていて、障害者基本計画の中で、できればある言葉がある分野ではこういう意味で、別の分野ではまた違う意味でとはしないほうが望ましいと思っています。
例えば情報分野で言うソフトと国交省が言われるソフト面というのは明らかに違っていて、ソフト面というのは人々のマインドとか意識向上、あるいは共感力とか理解、そういったことを意味されているのかなと思うのですけれども、この言葉は基本計画の中でも維持する必要がございますでしょうか。私としては、聞くたびにソフト面という言葉に違和感を覚えたりしているのですけれども、真鍋課長、可能であれば御意見をいただきたいと思います。
○国土交通省 非常に目からうろこの御指摘、ありがとうございます。
国土交通省は、ずっとハードを取り組んでまいりました。物をつくればいいだろうということでハード対策を中心にやってきたのですが、そのハード対策をする前提も含めて、あるいは事業者の接遇とかそういった部分もしっかりとやっていかないといけないだろうということで、私どもはハード以外のものをソフトと呼んで、ハード・ソフト両面からやっていきます、ハードだけではないです、それ以外の部分もしっかりと頭に入れて、それを車の両輪でやっていくのですという考え方で、今までハード・ソフトと使っていた次第です。
御指摘の点ももっともだと思いますし、中野先生の御指摘もございましたので、ここの部分の表現は、今、この場でいい表現ぶりが出るかどうかも自信がないのですけれども、考え方としてはそういうことであるということを御理解いただいた上で、よりよい表現ぶりができるかどうか、考えさせていただければと思います。お答えになっていなくて申し訳ございません。
○石川委員長 お答えになっております。ありがとうございます。
それは理解しておりますが、さはさりながら、やはり全体としての用語の統一も図りたいということとか、あまりにもローカルな表現だとちょっとということを思ったものですから、あえて問題提起させていただきました。
代表して国土交通省と警察庁から、施策、設定目標についてお話をいただきましたけれども、他省から何か御発言等があればと思います。挙手ボタンは挙がっていないようですけれども、よろしいでしょうか。ここまでのところでも結構です。
大丈夫でしょうか。そうしましたら、ここで休憩に入りたいと思います。再開は3時35分とさせていただきます。
(休憩)
○石川委員長 それでは、再開したいと思います。
今日最後のパートになります。情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実、各論の3つ目ですけれども、これについて審議を行いたいと思います。
最初に、基本的な考え方につきまして事務局から読上げをお願いいたします。
○立石参事官 事務局でございます。
「3.情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実」についてでございます。資料4は9ページ、資料5は14ページを御覧いただければと思います。
基本的考え方につきましては、4次計画の際の記載ぶりと現在お示ししている案は変更ございません。
それでは、読み上げさせていただきます。
障害者が必要な情報に円滑にアクセスすることができるよう、障害者に配慮した情報通信機器・サービス等の企画、開発及び提供の促進や、障害者が利用しやすい放送・出版の普及等の様々な取組を通じて情報アクセシビリティの向上を推進する。あわせて、障害者が円滑に意思表示やコミュニケーションを行うことができるよう、意思疎通支援を担う人材の育成・確保やサービスの円滑な利用の促進、支援機器の開発・提供等の取組を通じて意思疎通支援の充実を図る。
以上でございます。
○石川委員長 ありがとうございます。
それでは、この3つ目の項目、各論に関わる施策を担当している省庁としまして、最初に総務省のほうから施策と目標設定等について説明をお願いします。
○総務省(情報流通行政局情報流通振興課情報活用支援室田中課長補佐) 総務省でございます。
それでは、総務省より通信・放送分野における情報アクセシビリティの施策について御紹介申し上げます。
事務局より御紹介がありました資料4の「(1)情報通信における情報アクセシビリティの向上」に関しまして、1つ目の○につきましては、従来からの第4次計画と同様、総務省としては引き続き障害者の情報通信機器及びサービス等の利用における情報アクセシビリティの確保及び向上・普及を図るため、障害者に配慮した通信機器及びサービス等の開発促進を行っていくということでございます。
こちらにつきましては、関連する成果目標といたしまして、指標としては開発助成を行った事業者に対するフォローアップを3年後にいたしまして、事業化率として直近の数字で58.3%という数字が示されておりまして、前年度比同水準またはそれ以上の事業化を成果目標として施策の推進を進めてまいりたいと考えております。
関連資料につきましては、2つ目の○、3つ目の○、4つ目の○は他省庁さんの施策でございますので、5つ目の○について御説明させていただきます。電話リレーの関連でございます。
こちらにつきましては、従来の計画においては「聴覚障害者が電話を一人でかけられるよう支援する電話リレーサービスの実施体制を構築する」という記載でございました。本件につきましては、御案内のとおり、聴覚障害者等の電話利用の円滑化に関する法律が令和2年に施行されまして、令和3年度の7月から実際にサービス提供が開始されているという状況でございます。
このような状況を踏まえまして、第5次計画の案といたしましては、「公共インフラとしての電話リレーサービスが、国民に広く認知及び理解され、その利活用が推進されるよう関係機関と連携して取組を推進するとともに、利用者ニーズや今後の技術の進展等を踏まえたサービス提供内容の充実を図る」という計画を立てさせていただいております。
こちらについての成果目標といたしましては、現状、電話リレーサービスにつきましては、日本財団電話リレーサービスが提供機関として提供しているところでございまして、提供機関とも連携してサービス内容の充実、具体的には委員からも御指摘がありました0570番号を実現するべく、総務省としても取組を進めてまいります。
結果として、電話リレーサービスの利用者増というところを目標とさせていただいているところでございます。
通信分野については以上となりまして、引き続いて放送分野について御説明申し上げます。よろしくお願いします。
○総務省(情報流通行政局地上放送課鎌田室長) 総務省地上放送課の鎌田と申します。
続きまして、総務省から放送関係の御説明をさせていただきます。該当部分につきましては、資料4で申し上げますと10ページ、資料5で言うと15ページで、「(2)情報提供の充実等」の1つ目の○です。
内容としましては、いわゆる字幕放送、解説放送、手話放送の普及を図っているところです。こちらにつきましては、関係団体や関係事業者との間で検討を重ねて、「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」という行政指針を策定しておりまして、こちらに基づきまして、放送事業者が字幕放送、解説放送、手話放送の取組の向上に向けて取り組んでいるところです。
総務省としましては、番組の制作費や設備整備費への助成金を付与して、この事業者の取組を促しているところでございます。
第5次計画に当たっての記載案につきましては、細かい字句修正等はありますが、大枠としては変わっておりません。
成果目標につきましては、資料6の8ページ目から9ページ目です。現状の数値として、字幕放送、解説放送、手話放送の現状の数字が掲げられています。目標値につきましては、行政指針に基づく目標値を記載させていただいています。こちらの行政指針につきましては、5年に一度見直しをするという形で進めているところで、最新の行政指針につきましては4年から5年ぐらい前に作成されたものでございますので、別途見直しに向けた検討を今後進めていくことを予定しているところです。
放送関係については以上でございます。
総務省としては以上でございます。
○石川委員長 ありがとうございました。
続きまして、厚生労働省、お願いします。
○厚生労働省(社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室大城室長補佐) 厚生労働省障害保健福祉部の大城と申します。
厚生労働省が取り組んでおります、情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実に関連する主な施策について御説明いたします。
資料4の9ページからになります。(1)の最初の○に関連しますが、厚生労働省におきましては、障害者のニーズを反映した実用的な支援機器の開発、製品化を促進するため、障害者自立支援機器等開発促進事業を実施しております。
この事業の開発機関については、公募を行いまして、有識者の審査を経て採択しています。
開発の対象となる事業については複数のテーマを設定して公募しており、コミュニケーション支援をする機器についても開発の対象にしているところです。
同じページの一番下の○に関連しますが、ICTサポートセンターの設置になります。厚生労働省は、都道府県などに、障害者に対してICT機器の紹介や貸出、あるいは利用相談などを行うICTサポートセンターの設置を進めてきたところです。
続きまして、10ページになります。(2)の2つ目の○に関連しますが、聴覚障害者に対して字幕や手話付き映像ライブラリーなどの制作、貸出、情報機器の貸出、相談などを行う聴覚障害者情報提供施設の設置を進めてきたところです。
続きまして、11ページになります。(3)に関連した内容になります。
まず、地域生活支援事業における意思疎通支援事業などの実施になります。聴覚、言語障害、音声障害、視覚などの障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者の方々に、手話通訳者や要約筆記者の派遣、あるいは手話通訳者の設置、代筆、代読などによる支援を行い、障害者とその他の者の意思疎通を支援する事業を市町村の必須事業として実施してきたところです。
また、地域生活支援事業の必須事業として、市町村において日常生活用具給付等事業を実施し、その中で情報やコミュニケーションに関する支援を必要とする障害者の方に対して、日常生活用具の給付または貸与を行っております。
さらに、地域生活支援事業においては、理解促進研修あるいは啓発を行う事業を市町村の必須事業に位置付けています。
続きまして、成果目標に移らせていただきます。8ページになります。「情報通信における情報アクセシビリティの向上」の上から2番目に「意思疎通支援に資する機器の実用化に向けた状況」と記載されていますが、こちらには、先ほど御紹介した開発促進事業に関連する記述があります。開発促進事業の助成を受けて製品化された機器数を指標として記載しておりますので、これを直近の情報に更新しました。
以上のような事業を通じまして、障害者の情報アクセシビリティの向上や意思疎通支援の充実に取り組んでいきたいと考えております。
○石川委員長 ありがとうございました。
それでは、以上の御説明を受けまして、委員から御意見・御質問をいただきたいと思います。では、挙手ボタンをお願いいたします。
最初に阿部委員、お願いします。
○阿部委員 ありがとうございます。日本身体障害者団体連合会の阿部です。
厚生労働省から説明いただきましたけれども、それにしてもこのコロナ禍の中でICTの活用の重要性というのはすごく大事だと私たちも認識しています。また、厚生労働省でITサポートに関する強化事業が4月から始まったということもお聞きしています。
そうしますと、9ページの4つ目の○なのですけれども、障害者ITサポートセンターの設置ということをここでうたわれています。先ほど都道府県の事業というお話でしたけれども、まだ全国的に全ての都道府県に設置されていないようにもお聞きしています。それを目標値などとして整理することはできないものかと思って、意見と質問ということでお話いたしました。全ての都道府県、政令市等にITサポートセンターが設置されて、様々な障害のある方がITを活用できることが望ましいと思って、9ページの4番目の障害者ITサポートセンターの設置に関して意見いたしました。よろしくお願いします。
○石川委員長 ありがとうございました。
続きまして、門川委員、お願いします。
○門川委員 門川です。ありがとうございます。
私から2点ほど発言させていただきます。
意思疎通支援の分野、11ページ、書き出しのところ。単なる記載漏れだと思うのですけれども、障害種別の中に盲聾者も加えていただきたいです。後に盲聾者向け通訳・介助派遣と出てくるので、お願いします。
それから、公共インフラとしての電話リレーサービスについてですが、去年の7月に始まりましたが、サービスを運用する法律においては、対象者に視覚と聴覚に両方障害のある盲聾者が入っていないですが、電話リレーサービスを利用することによって恩恵を受けるのは盲聾者だと思っていますし、盲聾者が恩恵を受けるべきだと思っているのです。
私自身は登録しています。何回か電話リレーサービスを使ってみましたが、非常に使いにくい。それはソフト面からとハード面からの両方の面から非常に使いにくい。ソフト面というのは、オペレーターの問題です。これについて5次計画においては、盲聾者も含めて多くの利用者が便利に利用できるように改善していくというようにしていただきたい。総務省に対する要望になると思いますが、ぜひよろしくお願いします。
○石川委員長 ありがとうございました。
続きまして、佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。
電話リレーサービスのところなのですけれども、10ページ目の上から2行目のところに、金融機関が顧客に対して電話にて提供されているサービスと書いてあるのですが、ここの中にはクレジットカードで本人確認するときも含まれているのかということを教えてほしいです。
もし含まれているのであれば、それが分かるような書き方にしていただきたいですし、入っていない場合であれば入れるようにしていただきたいと思います。クレジットカード会社によっては、電話リレーサービスの本人確認を認めていない会社があると聞いていますので、それをお願いいたします。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
では、片岡委員、お願いします。
○片岡委員 ありがとうございます。全国地域生活支援ネットワークの片岡です。
資料4の10ページ、2つ目の○になるでしょうか。「聴覚障害者に対して、字幕(手話)付き映像ライブラリー等の制作及び貸出し、手話通訳者や要約筆記者の養成・派遣、相談等を行う聴覚障害者情報提供施設について」云々という文言がありますけれども、文化芸術分野のバリアフリーもこの辺りに関与しているかと思います。ぜひバリアフリー映画やバリアフリー演劇の推進ということの文言追記、目標数値化についても御検討いただきたいと思います。
以上です。
○石川委員長 それでは、石橋委員、お願いします。
○石橋委員 全日本ろうあ連盟の石橋でございます。発言の機会をいただきありがとうございます。
私の意見は4点ほどございます。
1点目、電話リレーサービスについて。門川委員の御発言にもありましたが、電話リレーサービスといいますのは使いづらい面もあります。まだ登録ができない方がたくさんいます。誰一人取り残されることのない社会、電話リレーサービスについて皆さんが使え、利便性を図れるよう検討をお願いしたい。
2点目ですが、資料4の10ページになります。3-(2)-1、情報提供推進等々について文言があります。放送に関するアクセシビリティに関する指針、資料6の9ページの表を拝見いたしまして、目標数値が掲げられておりますが、特に手話放送に関して1週間に15分間。次、目標として22年度は同じような目標数値の15分。実際にNHKにおいては42分、少し向上し、また、在京キー5局ですが、平均20分という数字が上がってきている。それなのに目標数を見ると非常にがっかりするという感覚があります。
字幕放送も、解説放送も100%の表記になっておりますけれども、手話放送だけが15分という短時間の目標になっている。この理由を伺いたい。さらに、このように非常に消極的な表記の理由をお示しいただきたい。これが2点目です。
3点目ですが、3-(2)-5、第三種郵便についてです。これは実情についてお伝えしたいと思います。第三種郵便は一つのルール化がされておりまして、1回につき500部以上発行、そのうち80%が販売というルールになっていることはそうなのですが、全国各地におきまして同じようなルールで一本化されています。人口規模の多い地域、人口規模の少ない地域、地域格差があり、そういったところも同じようなルールに基づいていますが、人口規模が多いところは比較的クリアできる、使える制度です。ところが、人口規模が少ない場合にはなかなか使いづらい、利用しづらいというかなりの制限がありまして、地域格差が発生している。これは何とか改善できないかと思っております。
4点目です。最後になります。行政の情報アクセシビリティ向上について、資料6を拝見しますと目標が非常に曖昧模糊として具体的な数値などが何も示されていないという状況になっています。ですから、具体的な数値目標を明確に出すということをぜひお願いしたい。
繰り返しになりますが、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法法については既に立ち上がりました。その附帯決議の考え方も示されておりますので、きちんとそれに沿った中身を提示していただきたいと思っているところです。
よろしくお願いいたします。以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
続きまして、竹下委員、お願いします。
○竹下委員 ありがとうございます。日視連の竹下です。
まず、基本的な考え方のところの文章なのですが、表現で検討すべきではないかと思っている部分があります。それは基本的な考え方の1文目の終わりの部分です。「様々な取組を通じて情報アクセシビリティの向上を推進する」となっているのですけれども、これは弱過ぎる表現だと思うのです。すなわち、先ほど石橋さんも言いましたけれども、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が成立したことを踏まえた場合に、単なる推進では駄目なのではないかと思うのですね。
その点から言うなら、例えばここは「情報アクセシビリティを実現する」という表現になるべきではないかと思うのです。この表現がここにあるために、具体的な場面が全部同じような表現にとどまってしまうわけです。例えば3-(4)-2になりますけれども、行政の情報提供のウェブサイトのアクセシビリティのところでも表現が同じになってしまう。そうでなくて、行政による情報保障を考えた場合に、ここはもっと強い形で、ほぼ100%アクセシビリティが実現しなければならないと思うのです。
さらに言えば、最後の3-(4)-5で、選挙の情報提供のところも同じことが言えるわけです。これも単に「情報提供の充実に努める」というのではなくて、情報提供をまさに保障しなければならないわけですから「情報提供を実施する」ぐらいの表現にしないとバランスが悪いのではないかと思っております。
それから目標値の関係で、放送における解説放送なのですけれども、目標値を見てみると唖然とします。8ページの現状値を見ていますと、NHKの総合と民間5局は現状が16%台なのに目標が15%になっている。NHK教育は現状が19%台なのに目標が20%になっている。こんなばかな目標があるのでしょうか。この点はどう考えても目標の設定が低過ぎるというか、前進が見られないと言わざるを得ないと思います。
5年前にもこの点を発言したときには、総務省のお答えは、この目標値は別途目標値に関して検討するところで議論することになるのでということで、簡単に言えば逃げられてしまった。結局そのことによって、この項に戻ってくると何も前進していないということがこの数字で分かるわけです。だから、そういう形でなく、この基本計画の中で目標値をもっと高くしていただきたいと思います。
最後に、厚生労働省の関係で意思疎通の(3)のところですけれども、代筆、代読というサービスが指摘されている。極めて重要なサービスなのですけれども、現状は全国の実施自治体は0.4%で、本当に数えるほどの自治体でしか実現していないことを踏まえると、さらにこの部分についての十分な前進が考えられるべきで、社保審の障害者部会でも議論されていることは踏まえておりますけれども、ここでの指摘は5年内の実現を目指すわけですから、それにふさわしい表現が必要ではないかと思っております。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
続きまして、三浦委員、お願いします。
○三浦委員長代理 ありがとうございます。
休憩前のところに戻って大変恐縮なのですけれども、「2,安全・安心な生活環境の整備」の5ページ目、委員長がソフト面に関しての表現の指摘をなさいました。ここを「人的サポート等」と言い換えたらどうかと提案いたします。情報アクセシビリティのところでも門川委員が「ここで言うソフト面とはオペレーターの問題です」とおっしゃいましたので、ソフト面を人的サポート等と言い換えると包括できるのではないかと思いまして、提案いたします。
以上です。
○石川委員長 建設的な提案、ありがとうございます。
続いて中野専門委員、お願いします。
○中野専門委員 中野でございます。よろしくお願いします。
4つございます。
まず1番目は、情報通信における情報アクセシビリティの向上についてです。この中に、アプリやソフトのアクセシビリティを推進するための取組というのを入れる必要があるのではないかと思います。
2番目です。情報提供の充実等についてです。教育分野における教科書以外の図書のアクセシビリティの推進を盛り込んでいただきたいと思います。御存じのように、学習者用のデジタル教科書は設計段階からアクセシビリティ機能を考慮してつくられていますが、学習参考書や補助教材等は必ずしもアクセシブルになっていません。また、CBT(Computer Based Testing)というのが注目されており、試験や入試等に情報機器が活用されつつあるわけですけれども、アクセシビリティがどのように実現されているのか、必ずしも明確になっておりません。ぜひ積極的に推進できるように書き込んでいただきたいと思います。
そして、アクセシブルな図書のやり取りをする図書館の障害者サービスについても充実できるような取組が必要だと思います。読書バリアフリー法で議論されていることではありますけれども、ここは改めて書き込んでいく必要性があるかと思います。
そして、ITサポートセンターの議論が先ほどございましたが、このITサポートセンターを充実させる際には、ぜひ様々な障害特性を考えて、ここのITサポートセンターはこういう障害に特化しているのでそれ以外の障害についてはよくわからないとならないように配慮をしていただきたいと思います。
3番目です。意思疎通支援の充実に関してです。ここでは権利条約に倣って意思疎通を明確に定義したほうがよいと思います。権利条約の中では、意思疎通の定義のところにどういう支援内容が含まれるかというのが書き込まれているわけですが、ここを明らかにしておかないと、ある一部の意思疎通支援をしただけでよいと思われてしまう可能性があります。それぞれの障害特性に応じて必要な意思疎通支援があると思いますので、そこはしっかりと書き込んでいただきたいと思います。
先ほど竹下委員も御発言されましたが、点訳、代読、代筆に関しては全く足りない状況であることが明らかでございます。権利条約の中には明記されているにもかかわらず、それが推進できていないというのは大きな課題かと認識しております。
最後です。4番目の行政情報のアクセシビリティの向上についてです。行政機関のホームページの中にもアクセシブルでないものがまだまだ多いように思います。そのため、「みんなの公共サイト運用ガイドライン」がどの程度遵守できているのか、明確な目標を立てて推進したほうがよいと思います。
それから、ほかのところでも「障害特性に配慮した」という表現がなされているのですが、ここは「障害特性に配慮した」の「配慮」とはどういう配慮なのかということを明確にある程度定義をしておいたほうがよいと思っております。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。
宮本専門委員、お願いします。
○宮本専門委員 宮本です。ありがとうございます。
5月19日の情報コミュニケーション法の成立は、うれしく思いました。意見・質問は、情報保障について1点あります。
今、出席させていただいている情報保障画面のことなのですけれども、前回の情報保障は、要約筆記による字幕は、修正が遅れてなされたり、読みにくいところもありました。途中で配信がうまくできていなかったりしました。今回もまた画面がピンぼけで文字がとても見えません。発言者が変わっても改行されなかったり、行間が極端に狭くて読みにくい。とても目が疲れます。こちらは急遽タブレットで、ユーチューブ配信で確認しましたが、現場とユーチューブ配信では10分のタイムラグがあり、とても出席している気持ちになりませんでした。
内閣府の担当者に聞きたいと思います。要約筆記者は、要約筆記者問題研究会もしくは派遣センターから派遣されている方でしょうか。文字の情報保障をきちんとしていただくなら、字幕を出せればいいという問題ではなくて、文字通訳を担うレベルの方、利用者の利用目的などを熟知している方々、その人たちはスクリーンや画面の表記を研究されて大事にしていただいているので、ちゃんとした資格を持つ要約筆記者を派遣していただきたいです。
ちゃんと伝わる要約筆記者でないと手話取得が難しい聞こえない人たちの社会参加が広がりませんし、いまだに要約筆記のことを知らない聞こえない方も多いし、要約筆記を利用しようという聞こえない方が多い現状だし、どうかよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○石川委員長 その点は事務局のほうからも御答弁いただきたいと思います。
大河内専門委員、お願いします。
○大河内専門委員 大河内です。
1点、情報アクセシビリティの向上のところで総務省の方にお願いです。デジタル社会を踏まえて、今、セキュリティ対策がものすごく重要視されているのですけれども、実はセキュリティ対策が強化されると情報アクセシビリティが損なわれるという事例がしばしば起きております。
最近、視覚障害の人たちから結構注目されているのは、来年ぐらいに、皆さんが非常にたくさん使っている大手のインターネットバンキングのセキュリティ強化に伴って、これまでできていたことができなくなるという問題が、今、結構ホットな状況になっているというのが一つの例なのですけれども、そのようにセキュリティ対策とアクセシビリティというのは相反するようなことがどうしても起きてしまうので、このどこか、情報アクセシビリティの向上のところに、セキュリティ対策と情報アクセシビリティの両立ということをしっかり明記しておいていただけるといいのかなと思います。
そういう意味で、先ほどの竹下委員の情報アクセシビリティの向上では弱いという御意見は、私も非常に賛同いたします。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございました。
次は私から発言させていただきたいと思います。
まず、先ほど中野専門委員からも御発言がありましたけれども、「みんなの公共サイト運用ガイドライン」というのが十数年前につくられました。公共サイトのウェブアクセシビリティを向上するためにどういうことをしていけばよいのかということについて、単にJISとかの規格だけでなくて、運用の仕方というか、アクセシビリティを向上するためのもろもろの手順だとか作業ということまでかなり詳しく書いてできたものなのですけれども、古くなっております。
モバイル、スマホでのアクセスというものがまだ想定されていない時代のウェブのアクセシビリティの規格、ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアムというところがつくった2.0という規格相当でつくられているということもありまして、この「みんなの公共サイト運用ガイドライン」の改訂を今期の第5次の基本計画の中に入れていただけないか。これは特に総務省への提案です。もし可能であれば御所見を伺いたい。
さらに、そこはいけるだろうと思っているのですけれども、改正障害者差別解消法の施行を見据えて、また、障害者情報コミュニケーション法の成立・施行を受けて、みんなのウェブサイト運用ガイドラインというように、民間事業者に向けた形に対象を広げていくようなガイドラインとできないか。そういう方向性を基本計画で出していけるとよいと考えています。
それから、公共調達について詳しく書いていただいているのですけれども、その中に、最近の一つの動きとして、これも総務省のほうで開発された日本版VPATという、企業が自主的にアクセシビリティへの対応状況を申告する枠組みがあって、それが「デジタル社会推進標準ガイドライン」の中でも推奨されているのですけれども、この日本版VPATの利用についても中に書き込んだほうがよいように思うのですが、いかがでしょうかということで、今日御所見をいただきたいということではないのですけれども、そのように考えます。
それから、これも中野専門委員がおっしゃっていたことなのですけれども、日本ではずっとreasonable accommodationを合理的配慮と訳してきていて、差別解消法の改正時に、私、この合理的配慮という言葉が誤解を招きやすいので、大変だけれども、思い切って合理的調整とか合理的変更に変えたほうがいいということを主張いたしまして、多くの皆さんから賛同していただいたのですけれども、あまりにも大変なのでということで実現しなかったのですが、例えばこういうところで配慮と合理的配慮というのが、どういう関係でこの言葉が使われているかというのが非常に不明確になる。配慮というのは合理的配慮の省略形なのか、人に優しいバリアフリー社会系の配慮なのか、分かりにくいわけですね。なので、基本計画の中で明確化していかないと、竹下委員もおっしゃったように、はっきりとしたメッセージが出せないのではないかと思っています。
以上です。
続きまして、安部井委員、お願いします。
○安部井委員 ありがとうございます。全国重症心身障害児(者)を守る会の安部井でございます。
11ページ、(3)意思疎通支援の充実のところでございます。1点だけ。門川委員から障害種別の追記のお話がありましたが、障害種別を入れるとするならば、重度の身体などの障害というくくりに入れられていると思うのですけれども、重症心身障害やALSも入るのではないかと思いました。
また、先ほど中野専門委員からは、障害特性に応じた意思疎通支援の必要性のお話がありました。意思疎通に大変困難を抱えている重症心身障害児者への配慮を忘れないでいただきたいと思いました。
以上です。ありがとうございました。
○石川委員長 米山委員、お願いします。
○米山委員 全国児童発達支援協議会の米山です。
今の安部井委員と同じように意思疎通支援についてですけれども、子供については、意思疎通が困難な子供たちもたくさんいます。もちろん意思表明権、意思表出が難しい子供もいますが、さらに障害児の場合はその意見について、子供の場合は意思形成支援という言葉を使っていて、これは教育の分野にも入ると思いますが、意見表明をしていいということがとても大事だろうということで、意思形成支援をしていくことが子供の権利を守るということに重要だということで、2年前に障害児虐待予防マニュアルの中に入れていますけれども、意思疎通とともに、子供だけではないかもしれませんが、子供の場合には意思形成支援も大事であるという文言を御検討いただければと思います。
以上になります。
○石川委員長 委員からの発言は以上かと思います。
それでは、総務省、厚生労働省、内閣府、事務局の順で御発言をいただきたいと思います。
最初に総務省、お願いします。
○総務省(情報流通行政局情報流通振興課情報活用支援室田中課長補佐) 総務省情報活用支援室でございます。
委員の皆様から多岐にわたる御提案をいただき、ありがとうございます。通信関係についていただいた意見について、お答えさせていただきます。
まず、電話リレーについてでございます。こちらについては、委員の方からもソフト面・ハード面を含めてさらなる電話リレーサービスの充実という御意見をいただいたと思っています。こちらについては、現行の記載でサービスの提供内容の充実を図るということでございますが、この障害者委員会での御意見だったり、ふだん総務省が各種団体さんからいただく意見も含めて、提供機関のほうに伝えて改善に努めていくということで取組を進めてまいりたいと思っております。
また、いただいた意見の中で、「みんなの公共サイト運用ガイドライン」についての御意見もいただいております。こちらにつきましては、今回、事務局さんの都合で間に合わなかった部分もありますが、公共サイト運用ガイドラインの改訂についても、本計画の中に改訂を含めるということも含めて検討をさせていただいておりますので、こちらはまた別途石川先生のほうにもお伝えさせていただければと思っております。
その他いただいた意見の中で、情報セキュリティの確保という観点とアクセシビリティの両立といった意見もございました。こちらにつきましては、総務省で別にセキュリティ担当の部門もございますので、別途お答えさせていただくということかと思います。
もう一つ、日本版VPATの活用という話もございました。こちらにつきましては、10ページの「(2)情報提供の充実等」の一番下にもございますとおり、現在、総務省が令和2年に日本版VPATの様式を策定して、令和3年度も引き続きその普及・展開について調査・研究等を行っておりまして、最新の状況といたしましては、デジタル庁のほうが策定しております「デジタル・ガバメント推進標準ガイドライン」の今年の4月の改正において、日本版VPATを活用していくということが明記されたところでもございますので、そういった観点の記載も含めて、御意見を踏まえて検討を進めていきたいと思います。
ありがとうございます。
○総務省(情報流通行政局地上放送課鎌田室長) 続きまして、総務省から放送の関係についてお答え申し上げます。
放送の関係につきましては、資料6の8ページから9ページの成果目標のところでございますが、行政指針におきましては、字幕放送、解説放送につきましてはパーセンテージという形での表記になっている一方で、手話放送については分単位という形での表記になっているところでございます。
この指針につきましては、様々な障害者様の関係団体、放送事業者などの関係者の中で御検討いただきましてまとめているものではございますが、特に手話につきましては、実際に行うには手話ができる専門の方に実際に来ていただいて行っていただく必要がございますので、非常にハードルが高くなっているところもございますので、現時点ではまだ分単位という形の表記になっているところでございます。
総務省としましては、まず手話ができる人材を育成することが重要であると考えておりまして、手話通訳ができる人材を育成できる研修会を実施して、手話放送の向上に向けた取組を進めているところでございます。
また、この指針につきましては5年に一度見直しをしているところでございますので、関係者の方々の御意見を伺いながら、次の新たな指針についての検討をしてまいりたいと考えております。総務省としましては、いずれにしましても様々な障害のある方々が円滑に放送を御利用いただける環境にできるように、対応を進めてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○石川委員長 ありがとうございます。
セキュリティ担当は、今日はいらっしゃいますか。
○総務省(情報流通行政局情報流通振興課情報活用支援室田中課長補佐) 総務省からは、通信担当の情報活用支援室と放送担当の地上放送課のみになっておりますので、事務局から御確認いただいた上で総務省よりお答えする形になると思います。
○石川委員長 よろしくお願いいたします。
あと、せっかくの機会なので、音声解説について私見を述べさせていただきたいと思っているのですが、以前より、音声解説の対応番組が少ないということが特に視覚障害の委員等から示されてきたところではあるのですけれども、一方で音声解説がないと十分にコンテンツ、番組を理解できない番組が全体の中でどれぐらいあるのか。言い換えれば、音声解説を入れることで理解が深まる番組、コンテンツがどれぐらいあるのか。他方、音声解説がさほど必要ない番組がどれぐらいあるのか。そういう実証的な調査とか分析は、例えば放送研とかそういったところで出ているのでしょうか。
個々の利用者の実感としてはこれぐらいかなというのは、それぞれなりの関心で持っていると思うのですけれども、何かそういう調査はございますか。ないかもしれないですけれども、念のために教えていただけますか。お願いします。
○総務省(情報流通行政局地上放送課鎌田室長) 総務省地上放送課でございます。
先生から御指摘いただきました、音声解説がないとどれぐらい理解が及ばないのかという点につきましては、主観的な側面もあり難しいところ、そういう数値は、大変恐縮ですが、拝見したことがございません。
○石川委員長 全体として目標値を設定するときに、全時間に対して何%というのが必ずしも現実的かどうかということもあるけれども、音声解説がないことで十分な理解ができない、あるいは決定的な誤解をしてしまう番組がどれぐらいあるとか、そういう情報があると施策を前に進める上で説得力があるのかなと思ったものですからお聞きしました。総務省のほうは引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
厚生労働省、お願いします。
○厚生労働省(社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室大城室長補佐) 厚生労働省です。委員の皆様、御指摘いただきましてありがとうございます。
今回、意思疎通支援の充実に関する記載内容、障害特性への配慮といった視点、ICTサポート、文化・芸術など、さまざま御指摘をいただきました。御指摘が多岐にわたりますので、持ち帰らせていただきたいと思っております。
なお、竹下委員御指摘の意思疎通支援につきましては、社会保障審議会障害者部会で議論がなされているところでございます。今後も様々な御意見をいただきながら施策の充実に努めていきたいと考えております。どうもありがとうございました。
○石川委員長 ありがとうございます。
最後に事務局のほう、お願いします。
○立石参事官 事務局でございます。
先ほどは情報保障の件につきまして、宮本専門委員より御指摘をいただきました。これまで障害者政策委員会の運営に当たりましては、事務局といたしましても情報保障という面を非常に大事にして対応してきたところでございます。しかし、本日御指摘いただいたようなことがございましたので、画面の見え方とか要約筆記の在り方などにつきまして、業者と十分に調整をいたしまして、不具合の原因を精査いたしまして、次回以降きちんと委員の皆様に情報保障を御提供できるように取り組んでまいります。
重ねて御迷惑をおかけしたことを事務局としてお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。
○石川委員長 そうしましたら、本日予定しておりました各論の3までの審議はひとまず終えました。また引き続き、本日の議論を踏まえて、事務局とも相談しまして、さらに改訂したものを事務局より委員会に提出していただくことになると思います。
最後に、事務局より事務的な連絡についてお願いします。
○立石参事官 事務局でございます。
次回の政策委員会の詳細につきましては、委員長に御相談の上で、確定次第御案内をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○石川委員長 片岡委員が挙手されているようです。どうぞ。
○片岡委員 全国地域生活支援ネットワークの片岡です。
最後に2点だけ発言させていただきたいです。
少し重複した発言になりますけれども、今日冒頭に私が発言させていただき、途中、岩上委員からも発言がありました総論本文案の基本原則に、地域生活への移行を促進するための基盤整備というものを追記する件に関しまして、議論が途中になっていると感じましたので、発言させていただきたいです。
事務局から御説明がありました、基本法の条文に準じているということは重々理解できておりますが、その上でやはり大切なのは、それを受けて第5次計画においてどのように進めていくかということを記すことかと思いますので、いま一度の御検討をよろしくお願いいたします。
もう1点ですけれども、たしか前回委員会の最後に佐藤委員のほうから、社会保障審議会障害者部会の議論を受けて、総合支援法の見直しについても本委員会で議論が必要ではないかという趣旨の発言があったかと思います。私もそのことについて考えておりまして、とても大切なことだなと思った次第です。
例えばこちらの委員会のほうで、社会保障審議会障害者部会でどのような議論になっているのかを報告いただいて、議論が弱いと感じたところなどを中心に本委員会で検討するという方法もあるのかなと思いました。そういった方法も含め、改めて御検討いただければと思います。
以上です。よろしくお願いいたします。
○石川委員長 まだ時間が少しだけあります。1点目については、私としては前向きに検討させていただきたいと思っておりますが、事務局のお考えがさらにあればお願いします。2点目については、検討していただいた事務局としての現時点での考えをお示しいただければと思います。
○立石参事官 事務局でございます。
1点目の総論部分の地域移行の件につきましては、委員各位からの御指摘を踏まえて、私どものほうでも委員長と相談しながら検討させていただければと存じます。よろしくお願いいたします。
2点目の総合支援法の関係でございます。こちらにつきましては、委員がもう十分御存じのとおり、社会保障審議会のほうで御議論が進んでいるものと考えてございます。前回委員長のほうからも御指摘がございましたように、障害者政策委員会の任務といたしましては、障害者基本法におきまして、基本計画についての調査・審議、実施状況の監視でございますとか、差別解消法の基本方針に関する意見具申ということでお願いをしているところでございます。まさに今回、基本計画と基本方針という大きな議題が走ってございまして、また、これまで国連の関係の御議論もいただいていたということで、非常に大きな論点を並行してやっていただいている状況でございます。
総合支援法につきましては、先般も厚生労働省の担当課長においでいただきまして御報告させていただいたということもございますので、この件につきましては、引き続きそれぞれの所掌分野に基づいて議論を行っていただくということでお願いできればと考えているところでございます。
以上でございます。
○石川委員長 重ねて片岡委員あるいは佐藤委員から御発言があれば受けたいと思います。
片岡委員、どうぞ。
○片岡委員 まさに本委員会の役割であります実施状況の監視というところに該当するのかなという意見も持っていまして、先ほどのような発言をさせていただいた次第です。ほかの委員の皆様がどのように考えられているか知りたくて、もしかしたら私が的外れな発言をしているのかもしれませんが、ぜひ検討をしていただきたい内容ですので発言させていただきました。
以上です。
○石川委員長 ありがとうございます。
実施状況というのは、基本計画の実施状況の監視というのが当委員会の所掌事項になっていまして、総合支援法の見直しについて検討をするというのは本委員会の所掌を超えてしまうというか、範囲に含まれていないので、それをこちらの委員会で正式に取り上げるというのは非常に難しいと考えています。先ほど片岡委員がおっしゃったような工夫はあり得ると思います。
○片岡委員 ありがとうございます。ぜひその工夫を含めて。
○石川委員長 障害者部会での議論の状況を報告していただくという形は可能かと思うのですが、ここで正式な議題として、見直しについて政策委員会の意見を集約して社保審の障害者部会に伝えるみたいなことは、差し控えなければいけないというか、できないことであろうと思います。
佐藤委員。
○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。
今のところなのですけれども、そういう事情があるのだろうなというのは理解いたしました。ただ、障害者権利条約の対日審査を今年の夏に控えておりますし、国内監視機関は障害者政策委員会ですので、ぜひ条約の理念に沿って総合支援法の法改正も進めていただけるように、引き続きまた御報告いただきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
○石川委員長 気になる議論というか、いろいろなことをやっているところはほかにもたくさんあって、正直言って全部気になるのだけれども、それは信頼してお任せする。自分たちの力の及ぶ範囲で頑張るしかないと思っています。
この政策委員会の委員と他の各省で行われている検討会等の委員を兼ねている方もいらっしゃいますし、そうした委員を通して、この委員会での権利条約ベースの物の考え方をぜひ部会のほうに反映していただきたいと思っています。
例えば精神障害者の身体拘束であるとか、そういったことについて検討されている場所もございますし、その議論も気になります。前回ユーチューブで聞いておりましたら、参考人の方が90分も延々と独演をされていましたし、そういうことでよいのかと個人的には思いました。
いろいろなことが懸念されますけれども、それぞれの場で参加されている委員、ぜひ御尽力をお願いしたいと思います。
では、以上をもちまして、第65回「障害者政策委員会」を終了させていただきたいと思います。本日はありがとうございました。