障害者政策委員会(第71回)議事録

令和4年10月5日(水)
9:00~12:30
中央合同庁舎8号館 1階講堂
(Web会議にて開催)

【議事に使用されている資料については「議事次第」のページにまとめて掲載していますのでご参照ください。】

○石川委員長 定刻になりましたので、これより「第71回障害者政策委員会」を開会いたします。委員各位におかれましては、御多用のところ御出席いただきましてありがとうございます。本日の委員会は12時30分までを予定しております。
 また、本日はウェブ会議により開催しております。なお、取材及び一般傍聴は、本日も感染防止の観点からお断りしております。その代わりに、動画中継を視聴していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず初めに、事務局より委員の出欠状況について報告をお願いいたします。

○立石参事官 事務局です。
 本日は阿部委員、河井委員、平川委員、及び柘植委員が所用により欠席との連絡を受けているほか、長谷川委員が10時ごろから御出席され、11時から11時30分までの間、離席をされるとの連絡を受けております。
 また、田口委員が10時45分から11時15分までの間、離席されると伺っております。佐保委員が10時ごろ、野澤委員が10時間30分ごろ、大下委員が11時ごろ、竹下委員が11時30分ごろに、所用により退室されると伺っております。
 また、黒岩委員が9時30分ごろ退室され、その後、神奈川県福祉子どもみらい局福祉部障害福祉部長の山本千恵様が代理出席される予定との御連絡を受けております。
 以上でございます。

○石川委員長 それでは、本日の議事に入ります。
 御発言いただく際の意思表示は、挙手機能を用いてください。委員長の指名を受けてから御発言ください。
 また、御発言の際は、最初にお名前を名乗っていただいた上で、できるだけまず結論を述べ、その後、理由または説明をしていただくと分かりやすいかと思います。よろしくお願いします。
 発言はゆっくり、また、簡潔にお願いいたします。
 本日の議題及び資料について、事務局より説明をお願いいたします。

○立石参事官 事務局です。
 本日は「障害者基本計画(第5次)について」を議題としております。前回までに委員の先生方からいただいた御意見や、国連から公表された障害者権利条約における障害者権利委員会の総括所見も踏まえ、第5次障害者基本計画の修正案を作成しております。
 今回は前半と後半の2つのパートに分けた上で御審議をいただきたいと考えております。関係資料は、資料1から資料5のほか、参考資料として、障害者権利委員会による対日審査総括所見の英文資料を御用意しております。なお、こちらについては、外務省に確認したところ、資料の右上にもあるように、アドバンス版ということでございまして、確定版は追って国連から公表されるということでございます。
 また、現段階では、政府としての和訳がないことから、英文で提出させていただいていることを御容赦いただければと存じます。
 前半のパートでは、総論部分と、各論部分のうち「差別の解消、権利擁護の推進及び虐待の防止」「安全・安心な生活環境の整備」「情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実」「防災、防犯等の推進」「行政等における配慮の充実」の各分野について、一括して御審議いただきたいと考えております。
 後半のパートでは、各論部分のうち「保健・医療の推進」「自立した生活の支援・意思決定支援の推進」「教育の振興」「雇用・就業、経済的自立の支援」「文化芸術活動・スポーツ等への振興」「国際社会での協力・連携の推進」の各分野について、一括して御審議をいただきたいと考えております。
 各パートでは、冒頭、事務局より修正の概要について御説明をいたします。その後、御質問、御意見等をいただければと存じます。
 前半のパートとしては、目安として10時20分ごろまで御審議いただき、その後、15分程度休憩を挟み、後半のパートにつきましては、途中に再度休憩を挟みながら、12時25分ごろまで御審議いただければと存じます。
 以上でございます。

○石川委員長 それでは、審議に入りたいと思います。
 パート1の内容に入る前に、最初に第5次の障害者基本計画の期間を何年とするかについてお諮りをして、皆さんの合意を得たいと考えております。
 PDCAサイクルを回していくという観点で、何年が最もよいかということになるかと思います。
 第1次と第2次の障害者基本計画は10年という長期計画でした。政策課題への迅速な対応という点で課題があったため、第3次基本計画から5か年計画としました。
 新しい基本計画を策定するごとに計画は明らかに良いものになってきました。とはいえ、課題は多くあります。改革をスローダウンしたくないという気持ちが、私としては非常に強くあります。また、それに加えまして、権利委員会の次の審査が2028年になるとされています。このことを踏まえると、少なくとも次の5か年計画、第5次基本計画は5年計画を維持したほうが良いと考えます。5か年計画の実施が終わって、それに対する国内における政策委員会によるフォローアップ、監視も終え、さらに次の定期審査に向けての政策委員会としての意見を取りまとめるということを考えても、この枠組みを維持したいと考えています。
 また、6年計画を希望するという御提案をいただいたのですけれども、そのときの理由として、福祉計画と合わせてほしいということでした。その方が自治体にとって負担が軽減されるというお話があったのですけれども、これについては事務局の方で各自治体の状況を調査したデータがありますので、少し簡単に説明していただけますでしょうか。

○立石参事官 事務局でございます。
 お配りしております資料4を御覧いただければと存じます。こちらは「第5次障害者基本計画の計画期間について」というところでございます。趣旨については、先ほど委員長からも御説明がございましたが、令和3年の地方からの提案等に関する対応方針におきまして、基本計画の計画期間を5年から6年に延長することについて、次期計画の策定に係る政策委員会における議論を踏まえつつ、令和4年度中に結論を得るとされているところでございます。
 これに関しまして、この資料の4つ目のポツでございます。自治体が策定する障害者計画の計画期間等の実態を把握するために、厚生労働省及び内閣府地方分権改革推進室が連名で実施したアンケート結果によりますと、障害者計画と障害(児)福祉計画の一体的な策定状況については、全体で1,771件のうち、1,271件については一体的な策定ありです。なしについては513件となっておりました。
 また、障害者計画の現行の期間につきまして、5年間としておりますのが243件で、約14%です。6年としておりますのが899件で51%です。その他が629件で36%となっておりまして、計画期間につきましては、もともと障害者基本計画を基本とする旨が定められているのみで、計画の期間ですとか変更時期、内容については各地方公共団体が地域の実情に応じて定めることが可能となっていたところですが、実態としても、それぞれの自治体の実情に応じて定められておりまして、既に計画期間を5年としておらず、それぞれとしているような自治体の割合は9割近くとなっているところでございます。
 御説明については以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 このようなことを踏まえまして、繰り返しになりますけれども、とりわけ次の権利委員会による定期審査の段階では今、つくっている第5次計画のその次の計画、第6次基本計画を策定して、一層権利条約が求めている方向に日本の障害者施策が進んでいるというところを示していけるような枠組みでやっていくのが望ましいと考えますために、これまでどおり5か年計画として進めていくということを提案させていただきたいと思います。
 これについて、もし特段御意見等がありましたらお願いいたします。
 北川委員、どうぞ。

○北川委員 ありがとうございます。
 意見ではなく質問になります。こども家庭庁の方に施策が移行するに当たっても、障害がある方の基本計画なので、そこの部分も引き続き、障害者基本計画と一緒に進めていくという認識でよろしいのでしょうか。

○石川委員長 はい。そのように理解しております。
 事務局、何か補足あるいは訂正はありますか。

○立石参事官 ございません。委員長の御指摘のとおりと考えております。

○北川委員 分かりました。ありがとうございます。

○石川委員長 曽根委員、どうぞ。

○曽根委員 質問なのですけれども、今の委員長の御提案は、次の計画については、次の対日審査のこともあるので5か年計画で、その先のことについては今後検討という御提案でしょうか。それとも、恒久的に5か年で策定していくということでしょうか。そこを教えていただけたらと思います。

○石川委員長 今期の政策委員会としては、次の基本計画について責任を負っているので、それは5年で行きたいということです。これは今後とも条件は変わらないと思うので、私たちとしては5年計画は続けていただきたいということなのです。
 ただ、基本計画を策定する際の委員会のメンバーはおのずと替わっていくので、その委員会の判断を私たちが縛るということはできないのではないかとは思っています。
 ただ、5年計画が妥当だとは思うし、スローダウンしたくないというのが正直なところです。忙しいのは忙しいのですけれども、まだまだというか、権利委員会から様々な勧告が出ておりますし、全力疾走で行かないとなかなか追いつかないと考えているので、5年計画を極力続けていってもらいたいというのが正直な気持ちです。

○曽根委員 分かりました。ありがとうございました。

○石川委員長 それでは、そのようなことにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございます。
 引き続きまして、第1パートの審議に入ります。事務局から説明をお願いします。

○立石参事官 事務局でございます。第5次の障害者基本計画案につきまして、資料1に基づき御説明をいたします。資料2は現行計画との新旧対照表になりますので、適宜御参照いただければと思います。事前にお送りをさせていただいておりますので、主な項目について御説明をさせていただければと思います。
 資料1の2ページを御覧ください。総論の部分でございます。
 「はじめに」の(障害者政策委員会における検討)の項目の下の方でございます。先日の国連審査関連の文章を記載しております。
 また、審査に係る障害者政策委員会の取組についても書かせていただいているところでございます。審査に際しては、条約の実施を監視するための枠組みである障害者政策委員会も、障害者権利委員会に対し、我が国の取組の進捗状況や今後の課題に係る見解を提出するとともに、政府報告の審査にも参加し、我が国の施策の実施状況に係る説明を行ったとしております。
 続きまして、4ページ目でございます。「4.条約との関係」の「③我が国の関連するこれまでの取組」のところの下の方でございます。こちらにも先ほどと同様、国連審査に係る記載を追記してございます。
 続きまして、6ページでございます。「II 基本的な考え方」の「2.基本原則」の(地域社会における共生等)の項目でございます。
 委員の御意見として、基本原則のところに、地域生活への移行を促進するための基盤整備を入れて欲しいという御指摘がございましたので、2つ目のポツで≪障害者の地域生活への移行を促進するための基盤整備を進め、≫地域社会において他の人々と共生というふうに、記載を充実しているところでございます。
 続きまして、11ページを御覧ください。ここは「4.各分野に共通する横断的視点」の中の「(2)社会のあらゆる場面におけるアクセシビリティの向上」の中の「②アクセシビリティ向上に資する新技術の利活用の推進」の部分でございます。
 委員会の御議論で、いわゆる情報コミュニケーションの推進法に基づく対応を総論でもしっかり指摘しておくべきという御指摘がございました。それを踏まえまして≪また、令和4年に制定された障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律に基づき、障害者による情報の取得及び理由並びに意思疎通に係る施策を総合的に推進する。≫と追記しております。
 また、次の段落のところで、デジタル共生社会についての記載でございます。委員より、アクセシビリティについて、デジタルに不慣れな方への配慮ということも入れるべきという御指摘を踏まえまして「デジタル共生社会の実現を図るため、デジタル機器・サービスに不慣れな障害者の支援も含めデジタル機器・サービスに係るアクセシビリティ環境の整備を促進する」といった記載ぶりとしてございます
。  続きまして、12ページを御覧ください。「(3)当事者本位の総合的かつ分野横断的な支援」の部分でございます。ここの2段落目のところに、支援の在り方についての記載がございまして「障害者の家族や介助者など関係者への支援も重要」という部分がございました。その部分につきまして、委員から、ヤングケアラーも含めるべきという御指摘をいただきまして、それを踏まえ「ヤングケアラーを含む介助者など関係者への支援」という形にしております。
 総論につきましては、主な修正点につきましては以上でございます。
 引き続きまして、各論の御説明に入らせていただきます。18ページとなります。
 「1.差別の解消、権利擁護の推進及び虐待の防止」でございます。
 まず【基本的考え方】の2段落目でございます。高齢障害者に対する虐待防止も読み取れるようにすべき、障害者虐待防止法の後ろに「等」をつけてはどうかという御意見をいだいたところでございます。その御意見を踏まえまして、障害者虐待防止法の後ろに「等」をつけさせていただいてございます。
 「(1)権利擁護の推進、虐待の防止」の1つ目の○でございます。ここで冒頭、同様に虐待防止法の後ろに「等」をつけさせていただいているとともに、後段の部分の「また、障害福祉サービス事業所等における虐待防止委員会の設置や従業員への虐待の防止のための研修の実施、虐待防止責任者の設置を徹底し、虐待の早期発見や防止に向けて取り組む。」と記載させていただいております。
 2つ目の○については、新たに項目を立てております。強度行動障害と虐待の関係についてはハイリスクであることや、その支援方法についても記載すべきではないかとの御意見を踏まえて「強度行動障害を有する者の支援体制の整備が障害者虐待の防止に重要な関わりがあるとの観点を踏まえつつ、強度行動障害を有する者の支援に関する研修の実施などの支援体制の整備に取り組む。」と記載させていただいております。
 3つ目の○、それから、19ページの2つ目の○でございます。意思決定支援の質の向上に係る部分でございます。この意思決定支援の質の向上を図るべきという御意見を踏まえまして「相談支援専門員やサービス管理責任者等に対する研修等を通じた意思決定支援の質の向上や」ということを、それぞれ追記させていただいております。
 「(2)障害を理由とする差別の解消の推進」に入ります。
 4つ目の○でございます。基本方針におきまして、相談体制における御議論をいただいているところでございますが、それを踏まえて、基本計画においても記載させていただいております。「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針を踏まえ、障害者や事業者、都道府県・市区町村等からの相談に対して法令の説明や適切な相談窓口等につなぐ役割を担う国の相談窓口について検討を進め、どの相談窓口等においても対応されないという事案が生じることがないよう取り組む。」と記載させていただいております。
 続きまして、21ページに入ってまいります。「2.安全・安心な生活環境の整備」でございます。まず【基本的考え方】でございます。ここに当事者参画の重要性についても入れるべきではないかとの御意見を踏まえまして、2行目に「障害当事者等の意見を丁寧に伺った上で、障害者が安全に安心して生活できる」云々という記載をさせていただいております。
 続きまして「(1)住宅の確保」の関係の記載です。(1)の2つ目の○でございます。ここで民間住宅のバリアフリーについての記載も検討してほしいとの御指摘を踏まえまして、3行目でございますが「バリアフリー化を含めた住宅の改修」といった記述をさせていただいております。
 4つ目の○の自分らしい暮らしをすることができるよう、協議の場を図るというところを、当事者や家族の参画についても記載すべきではないかという御意見を踏まえて「当事者・家族・保健・医療・福祉関係者による協議の場」というところで記載させていただいております。
 続きまして、22ページに入ってまいります。「(3)アクセシビリティに配慮した施設、製品等の普及促進」でございます。23ページの1つ目の○でございます。小規模店舗のバリアフリーの推進について記載すべきではないかとの指摘を踏まえまして、項目を新たに立てさせていただき「小規模店舗については、バリアフリー法に基づく条例により小規模建築物に対応した基準を柔軟に設定可能としたことを踏まえ、地方公共団体に対して条例の制定を働きかける。さらに、『高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準』に盛り込んだ小規模店舗のバリアフリー設計等に関する考え方・留意点を店舗事業者や設計者に周知し、バリアフリー整備を促進する。また、既存の小規模店舗等のバリアフリー改修に対して支援を行う」といった記載を追記させていただいてございます。
 23ページの7つ目の○でございます。こちらも新しい項目を立てさせていただいております。障害者が安心して商品やサービスを購入できるよう、お客様問合せ窓口やサポートセンターのアクセシビリティについても記載すべきという御指摘を踏まえまして、項目を新設いたしまして「障害者が安心して商品の購入やサービスを利用できるよう、事業者が電話や電子メール等多様な障害特性に配慮したサポートを適切に提供するよう周知・啓発を行う」と追記しております。
 「(4)障害者に配慮したまちづくりの総合的な推進」でございます。24ページを御覧いただきます。2つ新しく項目が立っております。道路や踏切における安全対策等について記載すべきという意見を踏まえ、2つ目の○、3つ目の○を新たに追記させていただいているところでございます。
 2つ目の○は「歩道等が設置されていない道路における視覚障害者誘導用ブロックや踏切道における『表面に凸凹の付いた誘導表示等』の設置の在り方等について検討する。」です。
 3つ目の○は「特定道路や障害者等の利用がある踏切道において、路面の平滑化、視覚障害者誘導ブロックの整備等により安全な歩行空間の確保を図る。また、全方位型警報装置、非常押ボタンの整備、障害物検知装置の高規格化を推進する。」と記載してございます。
 その次は、国立公園でございます。障害者も公園をトータルで楽しめるような整備を検討してほしいとの御指摘を踏まえ、4つ目の○の記載を充実いたしまして「国立公園等においては、優れた自然景観の魅力を利用者の誰もが楽しめるようにする観点から、魅力の本質である自然資源を損なわないよう留意しつつ、主要な利用施設であるビジターセンター、園路、公衆トイレ等のバリアフリー化を実施するとともに、情報提供等のソフト面を含めた取組を推進する。」と記載させていただいております。
 26ページでございます。「3.情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実」でございます。まず、【基本的考え方】のところに、御意見を踏まえまして「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法に基づき、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策を充実させ、」という記載を追記させていただいております。
 「(1)情報通信における情報アクセシビリティの向上」についての3つ目の○でございます。こちらについては、日本版VPATの利用についても記載すべきとの御意見です。また、調達に当たって、アクセシビリティを要件とすべきとの御意見を踏まえ、新たに項目を立てて「企業が自社で開発するデジタル機器・サービスが情報アクセシビリティ基準に適合しているかどうかを自己評価するチェックシート(通称:「日本版VPAT」)等の普及展開を促進する。また、引き続き、デジタル・ガバメント推進標準ガイドラインに則り、政府情報システムに係る調達において『日本版VPAT』の書式を用いて、障害の種類・程度を考慮した確認を求める」という記載を追記してございます。
 27ページでございます。2つ目の○でございます。ITサポートセンターの設置について、様々な障害に対応できるようにすべきではないかとの指摘を踏まえ、障害種別や障害特性を考慮しつつ、障害者のICT機器の利用機会の拡大や、活用能力の向上を図るというふうに記載させていただいてございます。
 28ページでございます。「(3)意思疎通支援の充実」でございます。
 1つ目の○のところで、障害の種別に関しまして「盲ろう」を追記させていただいております。
 「(4)行政情報のアクセシビリティの向上」でございます。1つ目の○につきまして、障害者施策や緊急時の情報提供等を行う際にはという書きぶりであったわけですが、こうすると対象が限定されているように見えてしまうのではないかとの御指摘を踏まえて「行政情報、特に障害者施策や」という修正をいたしまして、行政情報全体も当然対象となるという記載に修正しております。
 2つ目の○につきまして、各府省庁のウェブサイトにつきまして、最新の規格を踏まえた対応を行うとの修正や『みんなの公共サイト運用ガイドライン』の見直し等についても追記しているところでございます。
 30ページに入ります。「4、防災、防犯等の推進」でございます。「(1)防災対策の推進」の3つ目の○でございます。情報伝達の体制の整備だけではなくて、伝達の方法についても記載すべきではないかという御指摘を踏まえて「障害特性に配慮した多様な伝達手段や方法における情報伝達の体制や環境の整備を促進する。」というふうに記載を充実しております。
 4つ目の○でございます。個別避難計画につきまして、ケアマネージャーや支援員はあまり見たことがなく、避難は誰かが支えなければならないので、防災と福祉部局の連携を記載すべきではないかとの御指摘を踏まえまして「個別避難計画等の各種計画に基づき、防災部局や福祉部局などの関係部局が連携して必要な体制整備を支援する。」といった書きぶりに充実させていただいております。
 31ページでございます。2つ目の○のところです。福祉避難所の協定など、公益的なネットワークの記載で、教育機関も追加すべきとの指摘を踏まえ、追記を行っております。
 31ページの一番下の○でございます。こちらも項目を新設させていただきまして、障害特性から自宅待機をする方への支援を書き込むべきとの指摘を踏まえまして「災害発生後も精神障害や発達障害など障害の特性に応じて障害者が在宅に留まる場合に、必要となる情報の収集や適切な対応が行えるよう、在宅に留まる障害者への支援方法を紹介しているリーフレットの周知に取り組む。」という形で記載させていただいてございます。
 続きまして34ページの「5.行政等における配慮の充実」でございます。
 【基本的考え方】の部分につきまして「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法も踏まえ、」ということを追記させていただいております。
 また、欠格条項につきまして、相対的欠格条項と書くのが適切ではないかとの御意見、それから、欠格条項につきましては本当に必要なのか、避けられないのかなどの検証を記載すべきという御意見を踏まえまして「心身の障害等により制限を付している法令の規定(いわゆる相対的欠格条項)については各制度の趣旨や技術の進展、社会情勢の変化等を踏まえ、真に必要な規定か検証し、必要に応じて見直しを行う。」という記載に修正させていただいております。
 「(1)司法手続続等における配慮等」です。1つ目の○でございます。「意思疎通等を円滑に行うことができるよう」の後ろに「手話通訳の利用も含め、」を追記させていただくとともに「刑事事件における運用において手続上の配慮を適切に行う」というふうに記載を充実させていただいております。
 また、刑事に加えて民事にかかる記載も必要ということで、(1)の6つ目の○、一番下でございます。新たに項目を立てて「障害者が民事事件、家事事件等の法的紛争の当事者その他の関係人となった場合において、その障害特性に応じた意思疎通等の手段を確保するべく、日本弁護士連合会や法テラス等と連携の下、障害者に対する配慮・支援の充実を図るとともに、これらの手続に携わる職員等に対して、障害や障害者に対する理解を深めるため必要な研修を実施する。」という記載を新たに追記しております。
 「(2)選挙等における配慮等」でございます。2つ目の○のところで御意見として、物理的な障害の排除以外の配慮も必要なので、障害特性に応じてと記載すべきではないかとの御意見や、代理投票についてのマニュアルの整備等も記載をするべきとの御意見を踏まえまして「障害特性に応じて、自らの意思に基づき円滑に投票できるよう、取組事例の周知等を通じて投票の秘密に配慮した代理投票の適切な実施等の取組を推進する。また、選挙人を介護する者やその他の選挙人とともに投票所に入ることについてやむを得ない事情がある者として投票管理者が認めた者は投票所に入ることができることの周知を図る。」という記載をさせていただいております。
 4つ目の○でございます。主権者教育につきまして、障害のある子供への普及啓発を記載すべきとの意見を踏まえ、新たに項目を立てて「全国の選挙管理委員会による主権者教育の取組の調査を行うとともに、障害のある個々の生徒に応じた取組の実施に向け、各自治体の実施事例について周知を行うなど、主権者教育の充実を図る。」と追記しているところでございます。
 「(3)行政機関等における配慮及び障害者理解の促進等」についてでございます。2つ目の○のところで、知的障害などで支援が必要な人を念頭に、コミュニケーションに困難を抱える障害についても追記すべきとの御意見を踏まえ、追記を行わせていただいております。
 36ページの「(4)国家資格に関する配慮等」でございます。こちらの後段について、欠格事由についても基本的考え方の記載を併せて修正を行わせていただいております。
 資料1につきましては、以上でございます。
 続けて、資料3を御覧いただければと思います。こちらは関連成果目標案についての資料でございます。こちらも前回から新たに追加された指標についてだけ御説明をさせていただければと思います。
 1ページ目の一番下のところです。障害者ピアサポート研修事業を実施する都道府県の数及び研修修了者数でございます。こちらにつきましては、前回の御意見につきまして、ピアサポートの活用に係る事業を実施する地方公共団体の数について、目標値が前年度比増となっていたのを具体的数値化すべきとの御意見があったところ、地域の状況により、こちらを示すのは困難だけれども、代わりにこちらの研修事業について追加をしたいということで、追加させていただいているところでございます。
 8ページをお開きいただければと思います。情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実の目標といたしまして、ICTサポートセンターの設置状況につきまして、委員の御指摘を踏まえて成果目標に追加をさせていただき、ICTサポートセンターを設置している都道府県数を目標に加えているところでございます。
 資料3につきましては以上でございます。
 前半のパートについての御説明につきましては以上でございます。駆け足で大変恐縮でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、一問一答方式で進めていきたいと思います。このパート1に関わる部分で修正意見等のある委員は挙手ボタンをお願いいたします。
 黒岩委員、お願いします。

○黒岩委員 ありがとうございます。神奈川県知事の黒岩祐治です。
 資料1の6ページの障害者基本計画の基本理念に、当事者目線という考え方を反映していただきたいという提案であります。
 神奈川県で6年前に津久井やまゆり園事件が発生して以降、二度とこうしたことが起きないように利用者支援の検証を行うとともに、当事者目線の障害福祉が重要なのだという考えに至りました。これは障害者一人一人の声にしっかりと耳を傾けて、支援者の周りの人が工夫しながら支援することが、その障害当事者だけではなくて、障害者に関わる全ての人々の喜びにつながる。これが当事者目線の障害福祉ということだと思います。
 本県では今、神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例の制定を目指しております。そのプロセスの中で私自身が障害者の皆さんと直接の対応を重ねております。県の担当者も約60の障害者団体や支援者団体と意見交換を行い、多くの方の意見をいただきながら、条例案を今、開会中の県議会に提案しているところであります。こうした一連のプロセスをつい先日、国連障害者権利委員会のヨナス・ラスカス副委員長と直接お話しする機会がありました。ラスカス副委員長からは、神奈川県のこうした取組に大変感銘を受けたと、その経験や努力を今後の日本の進展に生かしてほしいといった趣旨の御意見をいただいたところでありまして、これまで我々が取り組んできた取組は間違っていなかったのだと、思いを実感したところであります。
 私は厚生労働省の社会保障審議会障害者部会の委員も務めておりまして、今年の6月に取りまとめられた障害者総合支援法改正法施行後3年の見直し、この基本的考え方にも、当事者目線の考え方を我々が訴えて、これを明記していただきました。そこで、障害者基本計画の中にもこの当事者目線という考え方を位置付けることが重要と考えておりまして、以前にも説明させていただいたのですが、ここで改めて提案をさせていただきたいと思います。
 具体的な修正案としましては、社会保障審議会障害者部会の報告書と同じ文章を、6ページの「1.基本理念」の3段落目に位置付けたいと思っておりまして、3段落目の3行目に「自己実現できるよう」とありますが、その後にこの次の文章を加えてほしいと思っております。
 障害当事者自身の言葉や発信をそのままに受け止め、当事者の目線を大切に、当事者を中心として、そして、元に戻って、支援するとともにということで修文をお願いしたいと思っております。こういった提案内容を、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 ありがとうございました。

○石川委員長 ありがとうございます。
 事務局、いかがでしょうか。権利条約は当事者参加ということを強調しておりまして、当事者参加と当事者目線は同じなのか、微妙にニュアンスが違うところがあるのかについて、黒岩委員、どのようにお考えでしょうか。

○黒岩委員 今までの障害福祉というのは、障害者の安全のためにということで、例えば、施設に閉じ込めたりとかしていたわけです。閉じ込められる人の目がなかったといったことです。どこの目に立っているのかというのは極めて曖昧だと思います。明らかに当事者の目線に立っている。つまり、閉じ込められている人の目線に立つという意味では、当事者目線ということは今、非常に重要なのではないかと考えています。

○石川委員長 御意見ありがとうございました。
 事務局、すぐにコメントがなければ検討させていただきたいと思います。権利条約で同様の表現もあるかと思いますので、どのようにするかというのは、委員の御指摘はごもっともですけれども、検討させていただきたいと思います。
 事務局、よろしいですか。何か補足はありますか。

○立石参事官 検討させていただきます。またこの政策委員会でほかの委員の皆様からも御意見あれば、引き続き御議論いただければと思っております。

○石川委員長 佐保委員、お願いします。

○佐保委員 ありがとうございます。10時ごろから途中退席する関係で先に手を挙げました。
 私からは本日1点、発言のみございますのでよろしくお願いします。
 資料1の24ページです。「(4)障害者に配慮したまちづくりの総合的な推進」の部分の、上から3つ目の○です。特定の障害者等の利用のある踏切道においてというので、結論を申しますと、その次の路面の平滑化、視覚障害者誘導ブロックの整備等という部分の、平滑化と視覚障害者の文言の中に「十分な通行時間」の確保といった文言を加えていただければと思っています。
 理由につきましては、安全な歩行空間の確保という意味では、通行できる時間の確保についても記載が必要ではないかと考えております。例えば、踏切道ですぐに遮断器が下りてしまうと焦るということで、かえって事故や怪我などにつながることがないよう、環境を整備していく必要があると考えました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 事務局、いかがでしょうか。

○立石参事官 国土交通省様、いらっしゃいますでしょうか。

○国土交通省(総合政策局バリアフリー政策課 北小路課長補佐)国土交通省でございます。いただいた意見を持ち帰って検討させていただければと思います。
 よろしくお願いいたします。

○石川委員長 続きまして、竹下委員、お願いします。

○竹下委員 ありがとうございます。日視連の竹下です。3点について意見を述べさせていただきます。
 7ページの2の黒丸の4つ目ですけれども、ここでは「情報の取得又は利用のための手段について選択する機会の拡大」という表現になっております。これでは文言としては不適切ではないかと思っております。
 理由は、法律何条か覚えていないのですが、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法の制定と、差別解消法の、今回改正された8条の2項を想定しますと、単に機会の拡大という表現ではなくて、選択することを可能にするという表現にすべきではないかと思っております。
 26ページの3の(1)の○の3つ目ですけれども、企業の機器の開発に関連して、日本版VPATです。私はこのVPATをよく理解していないかもしれませんが、これで果たして十分なアクセシビリティが確保された機器の開発になるかどうかどうかについての疑問であります。
 できれば国の機器調達において、必ずアクセシビリティが確保されたものを調達するということが明記される形にこれでなるのかどうかということも含めた意見ないし質問であります。
 次は35ページであります。「(2)選挙等における配慮等」というところがあるわけですが、1つ目の○に「障害特性に応じた選挙等に関する情報提供の充実を図る」とあるのですけれども、ここにある候補者の情報の提供等に何が含まれるかということだと思っております。すなわち、この文言の書きぶりでいきますと、政見放送に手話の問題が明記されていることは分かりました。しかし、それ以外の場面においてどこまで障害の特性において配慮がされるのかです。ここに点字という明記があるのですけれども、2つだけ具体的に申し上げれば、選挙公報が全ての視覚障害者に点字、音声、拡大文字版で情報を提供されるということが含まれているのか、あるいは、それ以外の最近増えてきた動画配信におけるアクセシビリティは確保されているということになるのかどうか、このことが3番目の疑問であり指摘です。
 最後に、指摘というより不満なのですが、情報保障のところで、資料3の9ページの解説放送の時間の割合の問題なのですが、これは現在実現しているパーセンテージを下回る目標の設定のままで、資料3が配付されております。これは先ほど指摘しました施策推進法の制定や、それ以外の権利条約の指摘を含めれば、極めて不十分な目標の設定でありますので、この点は今後どう考えておられるかについても併せて質問させていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 総務省の方からお願いできますか。

○総務省(情報流通行政局地上放送課 樋口主査)総務省地上放送課でございます。
今の解説放送の点でよろしいでしょうか。

○石川委員長 それでは、放送の方から先にお願いしたいです。VPATの方は別部署の方からお願いします。

○総務省(情報流通行政局地上放送課 樋口主査)先に解説放送の点について失礼いたします。
 竹下委員が御指摘の点ですけれども、解説放送の目標値というところですが、解説放送のほか、字幕も手話もございますけれども、こちらは今年度内に、普及目標値を定めた行政指針の改正に向けた研究会の開催を準備しているところですので、こちらの中で、関係の有識者、障害者団体の皆様、放送事業者等の方々の議論を踏まえて、議論ができればと思っております。
 以上です。

○石川委員長 私からも補足なのですけれども、字幕付与可能番組の範囲の拡大テストとか、音声解説が必要な番組はどの範囲なのかということについての検討もぜひお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
 VPATについて、総務省、お願いします。

○総務省(情報流通行政局情報活用支援室 日樫主査)総務省情報活用支援室の日樫です。よろしくお願いします。
 日本版VPATに関しまして、総務省としては、記載のとおり、企業等が自社で開発するデジタル機器、サービスが情報アクセシビリティ基準に適合しているかどうか自己評価するチェックシートとして、こちらの普及展開を図っていくものでございます。委員御指摘の、公共通達においてアクセシビリティが確保された製品等の調達できるかという点については、デジタル・ガバメント推進標準ガイドラインに則るものでございまして、デジタル庁様の方からお願いしたいと思います。
 よろしくお願いします。

○石川委員長 デジ庁、お願いできればと思います。

○デジタル庁 (国民向けサービスグループ 岡村補佐) デジタル庁です。お世話になります。
 御指摘の日本版VPATの活用について、デジタル庁で取りまとめます政府情報システムの調達については、デジタルガバメント推進標準ガイドラインの方で日本版VPATの書式を用いて、アクセシビリティへの対応状況の確認を求めるというふうにしてございますが、別件の際に議論があったのが、すごく緻密にそこを確認しようとすると、今度は調達を、実際に実務を担当する事務の方がどう確認すればいいか分からないという部分があって、そこで総務省さんが作られている日本版VPATが割とそういったところを確認しやすい書式になっているということで、こちらの書式を使っていくことで情報アクセシビリティの向上を進めていくということで、今年度からガイドラインに記載した取組を進めるとしてございます。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。よろしくお願いします。
 竹下委員の質問は以上だったでしょうか。選挙部、お願いします。

○総務省(自治行政局選挙部管理課 棚橋課長補佐) 総務省選挙部でございます。竹下委員から資料1の35ページのところで候補者情報の提供等についての御意見があったかと存じますけれども、まさにおっしゃられたとおり、選挙公報ですとかホームページの情報提供などを含む記述として想定してはいるところなのですが、分かりやすい表現ぶりにできないかという御趣旨の御指摘かと存じますので、事務局とも相談しながら持ち帰り、そこは御検討させていただきたいと思っております。

○石川委員長 よろしくお願いいたします。
 続きまして、野澤委員、お願いします。

○野澤委員 ありがとうございます。野澤です。
 資料1の18ページだったと思うのですけれども、虐待防止のところで強度行動障害のことを加えられて、これはとても重要なことで、これはあったほうがいいと思うのですけれども、もう一つ重要なところが抜け落ちているような気がして、先ほど気がついたのですけれども、強度行動障害を有する者は、生まれてから強度行動障害を起こす人はいないと思うのです。いろいろな環境が良くなったり、あるいは、尊厳を傷つけられたり、支援がまずかったりして、それに対して強度行動障害を起こすわけですね。また行動障害を起こすことに対して身体拘束をしたり、あるいは叩かれたりという、この悪循環なのです。
 この書きぶりだと、行動障害を起こす人がもともといて、それに対して支援が大変だから、支援について検討しようということになっていて、起こす側の責任というのが転嫁されているような気がして、御本人にとってはすごく不本意な、この委員会の存在そのものを否定するような感じがしてしまうのです。なので、どう書いたらいいかあれなのですけれども、強度行動障害を引き起こさないための環境整備や支援者側の意識の改革、あるいは意識の変革とか、意識の改善とか、支援の在り方等に取り組むみたいな書きぶりの方がいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○石川委員長 重要な御指摘をありがとうございます。
 つまり、強度行動障害というのはインペアメントではないのだという御指摘と理解してよろしいですか。

○野澤委員 はい、そうです。原因が必ずしも、個々によって違うかもしれないし、いろいろなことがまだはっきりとは言えないのですけれども、多くの研究者が実践されている中で、こちら側のまずさによって引き起こしているのだというのはある程度共通認識があると思うのです。少なくとも、この政策委員会の修正としては、そういうスタンスに立ったほうが私はいいと思うのです。

○石川委員長 ありがとうございます。
 実は政策委員会の監視枠組みとしての見解の中でも、行動障害という言葉を使ってしまって後で悔やんでいるのですけれども、事務局、いかがでしょうか。これは厚労省に聞いた方がいいですか。
 厚生労働省、お願いします。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) おはようございます。厚生労働省障害部でございます。担当課の障害福祉課の方は入室しておりませんので、私、企画課の方から代わりに回答申し上げます。
 記載ぶりにつきましては、担当課ともよく相談をしたいと思っております。
 以上です。

○石川委員長 この点については事務局と厚労省とで調整をお願いしたいと思います。
 続きまして、三浦委員、お願いします。

○三浦委員長代理 ありがとうございます。全国身障協の三浦です。野澤委員と同じページ18ページで、1点提案をさせてください。
 1-(1)-1の1つ目の○なのですけれども、下から2行目に「障害福祉サービス事業所等における虐待防止委員会の設置や従業員への虐待の防止のための研修」という記載があるのですけれども、この従業員という呼称を従事者としていただくことはできないだろうかという提案です。従事者としたほうが、経営者や管理者もきちんと意識するものになるのではないかと思いまして、提案をいたします。
 なお、この部分は44ページに再掲されていますので、そちらも合わせての提案です。
 以上です。

○石川委員長 その方が良いと思います。事務局も異論はないと思います。
 続きまして、岡田委員、お願いします。

○岡田委員 ありがとうございます。全国精神保健福祉会連合会の岡田です。
 今、三浦委員の方からありまして、18ページの最初の「(1)権利擁護の推進、虐待の防止」のところの最初の部分なのです。私の意見は、4行目の「障害福祉サービス事業所等における虐待防止委員会の設置」の「障害福祉サービス事業所」の後に「医療機関」を加えて「障害福祉サービス事業所、医療機関等における虐待防止委員会の設置」としていただけないかという意見です。障害者虐待防止法の対象外となっている医療機関での虐待防止策は大変重要な視点かと思いますので、ここに「医療機関」ということを明記していただけたらと考えております。
 もう1点、31ページの、先ほど御説明にありました最後の○です。災害時に自宅にとどまる方々への支援についてということを書き加えていただきまして、ありがとうございます。
 この書きぶりについてなのですけれども「障害の特性に応じて障害者が自宅に留まる場合に」の「応じて」という言葉がしっくりこないのです。障害の特性ゆえに自宅にとどまらざるを得ない状況があるわけなので「応じて」という表現がふさわしくない感じがします。「障害の特性により」とか「障害特性のため」とか、ここの書き方を工夫していただきたいと思いました。
 ここで質問なのですけれども「在宅に留まる障害者への支援方法を紹介しているリーフレット」が出てきますが、これがもう既に作られているという理解でよろしいでしょうか。
 以上です。よろしくお願いいたします。

○石川委員長 質問に対して、事務局、お願いします。

○立石参事官 厚労省さん、入っていらっしゃいますでしょうか。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 途中音声が途切れておりまして、もう一度事務局の方で再度、委員の御発言の御趣旨について御説明いただくことは可能でしょうか。

○立石参事官 まず、31ページの8個目の○のところでございます。障害の特性に応じてという書きぶりが少し違和感があるということで「障害の特性により」とか「障害特性のため」ということで、やむを得ずとどまらざるを得ないということを反映してほしいという御指摘でございました。
 それから、同じ○の中で「在宅に留まる障害者への支援方法を紹介しているリーフレットの周知に取り組む」とされているが、このリーフレットについては既に作成されている物をということでよろしいかという御質問でございました。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 御教示ありがとうございます。
 こちらの記載につきましても、改めて関係省庁と相談をしながら、記載ぶりについて検討したいと思います。

○石川委員長 後ほどで結構ですので、リーフレットについても御回答をお願いします。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査)厚生労働省でございます。
 先ほどの御質問の件なのですけれども、リーフレットですとか「障害の特性に応じて」の記載ぶりにつきまして、ここは災害対応をしております内閣府の防災が所掌しておりますので、本日もし防災の方が入っておられましたら、内閣府防災の方から説明をお願いいたします。

○立石参事官 割り振りについての御指摘かと思います。
 厚労省さんで担当されていると思いますが、それは後ほどのお話ということで、ここは一旦引き取らせていただきます。

○石川委員長 「応じて」は明らかにおかしいので、これは直しましょう。リーフレットについてだけ、ぜひ教えてください。
 米山委員、お願いします。

○米山委員 全国児童発達支援協議会の米山です。私から2点ございます。
 まず1点目が、35ページの選挙関係のところです。(2)の4つ目の○で子供への選挙権の教育を入れていただいてありがとうございます。そこの文言で「生徒」と書いてありますけれども、学校に行っていない子たちもおりますので、これは「子供」という表記の方がよろしいかと思います。それが1点です。
 2点目が、18ページです。先ほど野澤委員やほかの委員からも御指摘ありましたけれども、虐待の防止というところで、18ページの(1)の1つ目と2つ目の○なのですけれども、そこに関連して、前回、基本的な考え方に障害者虐待防止法のところ等ということで、子供に関しては児童虐待防止法と、入所施設だと児童福祉法に基づいて子供虐待の対応が行われるわけで「等」に入っていると思うのですけれども、先ほどありました、強度行動障害にならないような障害特性への教育だとか、そういう支援が必要だと思います。
 もう一つは、前回お話したかも分かりませんが、子供虐待防止、子供虐待の児童相談所への相談のうちの約5分の1、20%が全児相ですし、奈良県の場合は23.4%が何らかの疾病や障害がある子供ということで、子供自身の障害というのはハイリスクと言われています。
 そのうちの10%余りが発達障害の診断もついているお子さんたちということで、約半数なのです。発達特性ということもあるので、何をしたいかというと、その予防も踏まえて、子供の時期からの対応が大事なので、子供の虐待、障害児虐待については、そういう今、話したようなこともあるので、出生前から保健、医療、福祉、教育の連携した養育者、家族への予防や早期発見、対応を含めた体制整備に努める。さらに、支援者に当たっては、障害特性の理解や必要な合理的配慮の提供など、支援体制、研修等の充実を図るといった啓発活動を行うというような文章を入れてはいかがかと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 厚生労働省、いかがでしょうか。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 御指摘ありがとうございます。
 こちらの御指摘につきまして、引き続き重要な御指摘と認識して検討を進めてまいりたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 よろしくお願いします。
 門川委員、お願いします。

○門川委員 全国盲ろう者協会の門川です。最初に、先頃の障害者権利委員会の審査を受けて出された総括所見を基に、今回の基本計画第5次に、盲ろうに関連のある文言を適所に記載いただきありがとうございました。
 その上で発言したいことが1点あるのです。福祉用具についてというところです。意思決定支援の充実の中の福祉用具につきまして2点ほど、確認も含めて発言したいと思います。
 その一つが、良質で質の良い安価な福祉用具の供給による利用者の利便性の向上を図るためとあります。

○石川委員長 門川委員、すみません。福祉用具は後半のパートで意見をいただく並びになっていますので、すみませんが、後ほどもう一度発言の機会を差し上げますので、そちらまでお持ちいただきたいのです。

○門川委員 了解しました。
 福祉用具は分かったのですが、5番目の意思決定支援の充実は、先ほどのパート1ではなかったでしょうか。もしなかったのでしたら、後で発言させていただきます。
 私からは福祉用具について発言したかったので、よろしくお願いします。

○立石参事官 事務局でございます。
 意思決定支援の充実につきましては、3の情報アクセシビリティの(3)のところの、盲ろうの記載を入れた御指摘かと思っておりますので、前半パートの部分かと存じております。  以上でございます。

○石川委員長 そのとおりですので、門川委員、お願いします。

○門川委員 私も分からなくなってきたのですけれども、福祉用具というものについて、具体的にどういう種類のものであるかといったことです。

○石川委員長 意思決定支援のところの話であれば今、お願いします。

○門川委員 意思決定支援の中に福祉用具のパートがあったと思うので発言しようと思ったのですが、違ったようなので、後で発言させていただきます。

○石川委員長 私もいささか混乱してまいりました。
 事務局、整理してください。

○立石参事官 事務局でございます。
 門川委員から御指摘があった意思決定支援は、恐らく「7.自立した生活の支援・意思決定支援の推進」の部分ではないかと感じております。
 ただ、先ほどの盲ろうの記載の追記ということは、3番の情報アクセシビリティの向上及び疎通支援の充実のところの(3)の意思疎通支援の充実につきましても、その旨の記載がございますので、そちらについて御指摘をいただいたのかと思っております。
 いずれにしましても、7のパートにつきましては後半部分ということでお願いできればありがたく存じます。
 以上でございます。

○石川委員長 話が混乱してしまいまして済みません。
 石橋委員、お願いします。

○石橋委員 ありがとうございます。改めて、全日本ろうあ連盟の石橋です。
 最初に、神奈川県知事の御発言がありました。当事者目線という話ですが、それには大賛成です。
 理由は、障害者基本計画の冒頭のところには、社会モデルだけではなく、人権モデルというところを書き込むという考え方になるわけです。当事者目線というのは人権モデルにつながるわけですので、ぜひ「社会・人権モデル」と入れていただきたいと思います。
 石川委員長にお願いがあります。パート1だけでも意見を12件ぐらい用意しています。幾つか選んで発言しますけれども、後ほど書面にて改めて意見を提出することをお認めいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○石川委員長 はい。ぜひ書面にて御意見をいただけるとありがたく思いますので、よろしくお願いします。

○石橋委員 ありがとうございます。今回、幾つかに絞って、5点だけ発言します。
 まず、資料2の9ページです。手話放送に関してです。前回、第5次計画について意見を出したのですけれども、現状を見ると、NHKの時間が43分とあります。地方局は平均2分、目標数値が2027年で15分です。27年の目標は非常に低く設定されています。これは10年間の目標の数字です。2018年から2022年までの5年間は、15分はそのままでいいかもしれませんが、それ以降は総務省から説明があったように、指針の見直しをするということでこれから議論が始まると思います。
 目標は「分」ではなくて、何パーセントという数字でお願いしたいと思います。これが1つ目です。
 2つ目に、資料1の7ページです。(差別の禁止)の上のところで「情報の取得又は利用のための手段について選択する機会の拡大」とありますけれども、拡大だけではなくて、大切なことは確保です。機会を確保するということが大事ですので、確保にしていただきたいと思います。
 次に、10ページの一番下です。説明の※印のところです。「障害により情報の取得が困難な者に対して、代替手段を用いて情報提供すること」という、何か上から目線の言葉で、できなければ代わりの方法でしてあげるというような上から目線で、考えが優生思想になると思います。「本人に合わせた方法で情報提供すること」という文言が一番ふさわしいと思います。
 次に、12ページに「(3)当事者本位の総合的かつ分野横断的な支援」とあります。横断的支援という説明があると思いますが、来年4月以降、こども家庭庁が新設されますね。今回、これを読むと「教育、文化芸術、スポーツ、福祉、医療」とかありますけれども、そこで大切な「療育または発達支援」という文言を入れていただきたいと思います。
 27ページの3つ目の○です。電話リレーサービスについて、問題があるのは金融機関だけではありません。保険会社もあります。ほかにも様々な困難があります。なかなか理解が進められないという状況ですので、誤解されないよう、金融機関だけではなく、そこに「等」という文言を入れてほしいと思います。
 最後に29ページの2つ目の○です。災害が発生したときの説明書きがありますけれども、災害が発生するときだけではなくて、交通事故だとかという「事故」という文言を入れてほしいと思います。
 他にもたくさんありますので書面にて提出したいと思います。
 以上です。よろしくお願いいたします。

○石川委員長 ありがとうございました。
 事務局、発言はありますか。
 御検討いただくということで、中野委員、お願いします。

○中野専門委員 慶応大学の中野です。6ページに対して意見がございます。
 「Ⅰ 障害者基本計画(第5次)」についての「4.条約との関係」の「(3)障害者基本計画(第5次)」との関係の最後のところに「本計画に掲げる施策のPDCAサイクルの中で」云々という記述があります。その中に「障害者権利委員会による総括所見等も扱う」と記載されているのですが、この記載を「総括所見を精査する」と書き換えていただくことを提案させていただきます。
 理由は障害者権利委員会による総括所見が公表された以上、私たちのこれまでの議論は尊重しつつも、この総括所見を精査した上で、これまでの議論を見直す必要があるのではないかと思うからです。我々の議論が十分ではなかった点等も指摘されているかと思いますので、ぜひ、ご検討ください。
 特に総括所見の中には、懸念や提言が書かれているわけですが、この懸念や提言に対して、本基本計画が十分に対応できているのかどうかは精査していかないといけないのではないかと思います。
 個人的には、例えば、移動支援、身体的支援、コミュニケーション支援など、地域社会で障害者に必要なサービスや支援を提供するための地域や自治体の格差をなくすということや、通常の学級の教師のスキル不足と、インクルーシブ教育に対する否定的な態度ということについて、今回の計画で十分に応えることができるのかという点については、非常に疑問に思っています。ぜひ、今後のPDCAサイクルの中で、総括所見の指摘について適切に扱うことができるようにしていただきたいと思います。
 それから、誤植が幾つかあるようです。例えば「視覚障害者誘導用ブロック」の「用」が抜けている箇所がありますので、御確認をいただければと思います。
 以上です。

○石川委員長 1点目について、事務局からお願いします。

○立石参事官 事務局でございます。こちらにつきましては、障害者政策委員会におきましては、基本計画につきまして毎年の年次のフォローアップをしていただいているところでございます。
 総括所見に関しましては、今回も総括所見を踏まえて、基本計画の案の方を作成いただき、今回、この場で皆様に御議論をいただいているというところでございますので、そういったことを盛り込まれた基本計画のフォローアップを通じて行っていくということかと思っております。
 書きぶりにつきましては委員長とも御相談しながら検討させていただければと思っております。
 以上でございます。

○石川委員長 安部井委員、お願いします。

○安部井委員 全国重症心身障害児(者)を守る会の安部井でございます。ありがとうございます。
 1つの質問と、1点の追記をお願いしたいと思います。
 1つ目の質問ですが、先ほど黒岩委員から、当事者の目線が重要であるとの発言がありました。私たちはこれまでにいろいろな意見を交わして、それをまとめていただいたのが資料5だと思っております。これらの意見が本文案に反映されているのかどうかがよく分かりませんでした。各意見に対して丸、三角、バツみたいに、採用されたか採用されなかったかという結果を示していただくことはできないでしょうか。
 2点目は追記のお願いです。30ページの「4.防災、防犯等の推進」に当たりますが、電源確保の視点が抜けていたように思います。人工呼吸器などの医療機器を必要として生活している重症心身障害児者、医療的ケア児者は災害発生後の電源確保は命に直結しますので、避難先への電源供給体制を整備するとともに、在宅避難者にも対応するという記述を追記していただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 事務局と内閣府防災ですか。担当からお願いします。

○立石参事官 事務局でございます。1つ目の御意見でございます。
 資料5にどのように対応しているかの丸、バツ、三角ということでございますが、いろいろな御意見が、その1つの御意見の中にもいろいろと含まれているということがございまして、一概に丸、バツ、三角というのは難しいかと思っております。ただ、分かりやすさの観点から、引き続きしっかりと御説明させていただければと思っておりますので、御不明な点等をぜひ御指摘いただきますようよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○石川委員長 防災の方はいかがでしょうか。担当者はいらっしゃいますか。

○立石参事官 事務局でございます。電源確保につきましては、もしかしたら防災なのか他省庁なのかというのがございますので、一旦事務局で引き取らせていただければと思います。

○石川委員長 分かりました。間に合いましたらお願いいたします。
 佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。2点あります。
 1つ目は資料1の34ページの「5.行政等における配慮の充実」の【基本的考え方】の中に書かれているのと、36ページの「(4)国家資格に関する配慮等」のところに、欠格条項の見直しについて書いていただきましてありがとうございます。
 後段の修正の提案です。「社会情勢の変化等を踏まえ」の次のところなのですけれども「当事者参画の下で検証し、本計画期間中に必要な見直しを行う」と修正していただきたいと思います。9月に出された総括所見では、至るところで当事者参画を求める記載がありました。それも踏まえて、当事者参画ということを明確に書いていただきたいと思いました。
 2点目は、先ほど黒岩委員から御提案のあった当事者目線についてです。私は当事者参画という言葉の方が適切ではないかと考えました。
 当事者の視点に立って施策を考えることは非常に重要です。しかし、障害者権利条約では、当事者参画という言葉をたくさん使っております。これは障害当事者が施策の立案に参画していくという考え方が込められており、主体性がある言葉だと思います。目線だけだと参画という趣旨が含まれていないように感じました。黒岩委員の御提案と、条約の趣旨を踏まえて、当事者参画という言葉の方が適切ではないかと考えます。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。当事者参画につきまして、私も同意見です。
 続きまして、北川委員、お願いいたします。

○北川委員 ありがとうございます。日本知的障害者福祉協会の北川です。
 私から追記をお願いしたいのは、18ページの(1)の○の3つ目と、19ページの○の2つ目です。同じようなことが書かれているのですけれども、自己決定を尊重する観点の前に、自己形成を支援するということが大切だと思います。そのためには相談支援専門員やサービス管理責任者等とは書かれていますけれども「等」の中にきっと児童発達支援管理責任者も入っているのかもしれないのですが、児童発達支援管理責任者に対する研修等を通じた意思決定支援のための支援を含めた研修をしていくということも含めていただきたいと思いました。というのは、小さなころから子供たちが自分で決めていいのだとか、自分の気持ちが大事だということがなかったら、どうしても意思が出せない子供が親とか支援者の意見に、それが大事みたいに形成されていくと大人になってもなかなか自分の意思を伝えることができなかったりするので、その意思決定のための形成支援というのを入れていただけたらと思いました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 安藤委員、お願いします。

○安藤委員 ありがとうございます。全国脊髄損傷者連合会の安藤です。
 私からは1点お願いと、もう一つは質問です。石川先生にお伺いしたいことがあって、2点お願いします。
 1点目は資料1の24ページぐらいのところに入れていただきたいのですけれども、バリアフリートイレの拡充、基準づくりをお願いできればと思います。どう書いたらいいかはお任せしますけれども、そういった文言を入れていただきたいと思っています。
 その背景としては今、私たち車椅子ユーザーにとっては、トイレというのは非常に切実な問題です。みんなのトイレみたいな形で今、広まってきて、子育て世代の方やLGBTQの方とかも使用できるようになってきている。母数が増えてきているので、多様な使い方に合わせたトイレづくりのことをもう少し書いていただきたいと思っています。そこは基準を設けていただくような形で、設置数の基準をお願いしたいと思っています。
 もう一つ、こちらも佐藤さんがおっしゃっていましたが、当事者の目線というのが気になります。前回の差別解消法のところでもお話しさせていただきましたけれども、女性と書いてあるところにLGBTQの方たちも入れてほしいと思ったのは、LGBTQの立場に立ったとき、男性に対して女性と書かれたら、LGBTQの人たちはどう思うのだろうと思ったのです。それで、何となく嫌だなと思ったのです。
 そういったことを踏まえて、石川先生にお伺いしたいのですけれども、そもそも視線と言われたときに、目が見えない障害のある方たちはどう思うのかということです。視線というのはそんなに気になるものなのか、気にならないものなのか、そういったことが一つです。
 あと、私のような車椅子ユーザーに立って考えると、わざわざ視線を下ろして見るという意味なのだろうという、上からしてやっている感を感じるというのがあるので、そこも気になります。
 私が黒岩知事だったら、黒岩知事の視線に立ってとは言わないです。黒岩知事だったら、視線に立つとは言わないと思いながら、視線という言葉はすごくいろいろなことを妄想すると、何か違和感があると思っています。
 佐藤さんもおっしゃったように、パーティシペーション、当事者参加です。これは参加という言葉を使っていると思うのです。佐藤さんは参画とおっしゃっていましたけれども、パーティシペーションという言葉を使っているので、そちらでいいのではないかと私は思いました。
 以上です。

○石川委員長 発言の機会をいただきましてありがとうございます。
 視線とおっしゃっていたのですけれども、目線ですよね。

○安藤委員 そうです。目線です。済みません。

○石川委員長 知事御自身の意図はそうではないとは思うのですが、聞いたときのイメージとして、当事者の声というと、本人が発する声ですね。当事者の目線に立ってと言ったときに、当事者の参画が保障されているかどうかは、それだけでは確実でない懸念を持ちます。つまり、当事者の視点あるいは目線からはこう見えているはずだと代弁する場合も当事者目線でと言えるように思うのです。
 その点について、先ほど黒岩知事にお聞きしたかったのですけれど、今、代理の方が挙手をされているように思うので、この場合に関連してということだと思いますので、御発言いただければと思います。

○全国知事会(神奈川県福祉子どもみらい局 山本福祉部長)神奈川県の福祉部長の山本と申します。黒岩知事が退席いたしましたので、私が続いて参加をさせていただいております。よろしくお願いいたします。
 当事者目線なのですけれども、まず申し上げたいのが、8月の障害者の権利条約の国連の障害者権利委員会の総括所見の中でも、津久井やまゆり園事件の検証を進めるということが記載されていたかと思います。神奈川県では津久井やまゆり園の事件を受けまして、利用者支援の在り方というものを本当に議論を重ねて、検証してまいりました。その中で、先ほど黒岩知事が申し上げましたように、どうしても利用者さんの安全のためにということでやっていた支援というのが、実際には支援者側の目線になってしまっていて、当事者目線に立っていなかったという、そうした津久井やまゆり園の事件を受けて検証を重ねてきた中で、当事者の方々の意見も伺って対話を重ねながら行き着いてきた、当事者目線の障害福祉ということでございます。
 なので、支援の在り方といたしまして、支援者目線ではなく当事者目線でということで考えておりますので、先ほど知事の方から御提案させていただきました内容でございますが、基本理念の中で、先ほどの部分は支援にかけてというところでございますので、支援というところで、支援者目線ではなく当事者目線で支援をしていく。ただ、当事者参画ということはもちろん重要でございますので、当事者参画と、当事者目線の支援を両方明記していくといったことでいかがかと考えております。
 目線については、いろいろと議論が、言葉としてあるところでございまして、厚労省さんの障害者部会の方でもいろいろ、委員の皆様と議論を重ねられましたけれども、目線という言葉の中には、その立場からの物の見方とか、そういった意味がきちんとございますので、そこを踏まえた上で御議論いただければと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございます。
 権利委員会からの意見には、最善の利益と最善の解釈という2つの定着した言葉がありまして、おっしゃっているのは、支援者目線というのは、本人にとってこれが最善であろうという観点から支援をしようとするタイプのことを言い、当事者目線というのは、当事者の立場から何を望んでいるのかということを、精一杯寄り添って解釈、理解しようとすることを当事者目線ということを知事はおっしゃりたいのではないかと思うのですけれども、そのことを誤解なく伝えるような、これは行政文書なので、目線というのは多儀的な意味を持つし、できれば、ここで新たに多義的な言葉を導入することについては、私としては消極的ではあるのですけれども、御趣旨は私も全く同じ考えです。
 さらに、基本は当事者参画です。当事者が自ら声を発して発言するということに対して、その次には、当事者の発言を支援して当事者が発言できるようにサポートしてくことが大事で、それが難しい場合に初めて当事者の望んでいる最善の解釈をしていくという順番かと思っています。なので、全部含めて当事者目線と言ってしまうと、佐藤委員が言ったような当事者参画というところは弱くなってしまうかもしれないし、本人の意思決定を支援していくというところが、目線だけだと出てこないと思うので、大事な御指摘の部分は受け止めつつ、言葉としてはそのまま基本計画に載せるのは難しいと考えています。御理解いただければ幸いです。
 ほかの委員はよろしいでしょうか。
 岩上委員、お願いします。

○岩上委員 全国地域で暮らそうネットワークの岩上です。
 7ページ目に「障害者の地域生活への移行を促進するための基盤整備を進め」と入れていただいたことと、差別解消の基本指針に関わる相談窓口についてもきちんと明記をしていただいてよかったと思っています。
 私も実は当事者の目線について発言しようと思っておりました。前から申し上げているように、私は当事者の目線という言葉をここで使うことは反対しています。つまり、今まで当事者を中心としてとか、本人を中心としてとか、当事者の方の意思を中心としてということで私どもは対応してきたわけですから、それをあえて当事者の目線とすることについてはきちんと議論がなされていないと、ここに明記することについては反対しています。
 障害者部会の方でも傍聴しておりましたけれども、かなり多くの委員からそういった意見が出ていましたので、まずは神奈川県の方でしっかり検証していただいて、今までのやり方だと、今までの本人中心ではまずいということをまず検証していただいて、その上で、もう少し国としても考えるべきだということであれば、またここで議論すべきだと思っています。  以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 北川委員、いかがでしょうか。

○北川委員 ありがとうございます。
 私も佐藤委員や岩上委員、西川委員長の意見に賛成です。
 しかし、現状の中で、知的障害の方とか発達障害の方がこのような会議にもなかなか参加できないという現状もある中で、このことを一緒に考えていくということが大事なのかと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 神奈川県が挙手されていますが、繰り返しであれば時間がないので降ろしていただきたいですし、新しい論点があれば御発言ください。

○全国知事会(神奈川県福祉子どもみらい局 山本福祉部長)すみません。最後に一言だけ。
 当事者目線だけを入れてくださいという提案ではなくて、先ほど申し上げましたように、障害当事者自身の言葉や発信をそのままに受け止め、当事者の目線を大切に、当事者を中心として支援するということを入れてくださいとお願いした次第でございますので、引き続き御検討の方をお願いいたします。
 以上でございます。

○石川委員長 最後になります。予定の時間が過ぎておりますけれども、私からも意見、修正点を述べさせていただきます。
 差別解消のところなのですけれども、以前にも意見を申し上げたのですが、国立病院への差別解消法の浸透が進んでいないという問題意識を持っています。なので、今回の基本計画におきまして、周知を図り、障害のある患者さんへの合理的配慮の提供を促進する施策を進めていくといったことを入れられないでしょうか。厚生労働省の方、いかがでしょうか。
 もう1点、27ページなのですけれども、これは成果目標のところなのです。公共のウェブサイトのアクセシビリティ基準対応を76%から84%まで引き上げるとなっているのですが、5年間で8%というのは達成目標成果目標としては低すぎると思うので、これは100%としていただきたいです。公共のサイトでもありますし、アーカイブまで、古いものまで遡ってという話ではないはずですので、これは100%でいけると考えていますが、総務省いかがでしょうか。厚労省と総務省からお願いします。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 厚生労働省でございます。
 大変恐縮です。先ほど石川委員がおっしゃった国立病院の差別の意識の関係なのですけれども、資料1のページ何番のことを指していらっしゃいましたでしょうか。

○石川委員長 全く記載がないので、差別解消法に基づく研修であるとか、具体的な合理的配慮の提供についての、病院を利用する患者さんへの案内であるとか、そういったものが一切ないし、そもそも国立病院に勤務されている医師、看護師、その他コメディカルの方々も差別解消法はほとんど知らないのです。なので、全く研修が行き届いてなくて、民間の病院にこれから合理的配慮の提供についてやっていただくという段階で、国立の病院については1ミリも進んでないように思われるので、これは所管庁として対応していただきたいと思う次第なのです。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査)御指摘ありがとうございます。
 担当課が、今日は会議に参加していないので、検討をしたいと思うのですけれども、資料1の18ページとか19ページの辺りに差別解消の話がございます。こちらに何らかの記載を盛り込めないかと、関係省庁とも相談して検討したいと思います。
 御参考までに確認したいのですけれども、国立病院に差別解消の関係で周知がされていないことのエビデンスは何かございますでしょうか。
 厚生労働省の医政局の方で行っておりますので、もし厚生労働省の医政局が本日参加しておられましたら、医政局に発言をお願いしたいと思うのです。

○石川委員長 エビデンスというような、組織的に調査したわけではないのですけれども、厚労科研費のプロジェクトで、国立病院等において患者さんたちにアクセシブルな情報提示、説明をしていくための研究班というのがありまして、私はそちらの研究班のメンバーで、各がんセンターですとか、国立の病院の医師であったり、様々な形で国立病院の職員である方々からお話を聞いていると、対応要領はどこかを探せばあるのだけれども、それ以上の研修を受けた経験はないと、どなたも口をそろえておっしゃっていたので、ないのであろうと想像しております。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) ありがとうございます。
 それでは、事務局の方から、こちらのガイドラインとかの周知につきましては医政局に御相談をいただければと思います。
 また、厚生労働省から1点、先ほど回答申し上げたことにつきまして訂正でございます。
 岡田委員から御指摘のございました、資料1の32ページのリーフレットの関係ですけれども、こちらにつきましては大変恐縮ですが、国立リハビリテーションセンターの方で、リーフレットで『災害と発達しょうがい』というものを出しておりますので、既に発行済みの物でした。申し訳ございません。
 障害特性の記述につきましても、厚生労働省の方で関係省庁とも相談をしながら検討してまいりたいと思います。先ほどの発言を訂正いたします。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 誤解を招かないように1点補足しておきますと、各国立病院は個々の患者の状況に合わせて、それなりに様々なことはこれまでもやってきているので、そういう意味でいうと、新しい枠組みの場合は、患者からの求めによって合理的配慮の提供を検討するというつくりです。医療は医療側、介護側の視点からこういったものが必要ではないか、きっとこういうことをやったほうがいいのではないかということで提案して、あるいは、医療者の目線からだったり、場合によっては患者の目線ということもあると思いますし、全然ないというわけではないのですが、枠組みが違うことによって、求めていることと提供されていることの間にミスマッチもあるだろうという問題意識を持っているということで御理解いただければと思います。
 すみません。まだ発言を希望されている方がいらっしゃるのですけれども、時間的にどうですかね。
 石橋委員、お願いします。

○石橋委員 特に発言はございません。

○石川委員長 分かりました。降りていなかったものですから、失礼しました。
 米山委員も降りていないだけと理解してよろしいですか。

○米山委員 米山です。今、石川委員長のお話の件のことで、私も医療者なので。
 障害者虐待防止法で病院等が、いわゆる間接措置になっているかと思うのです。その辺の法的なところが、もう少し整備が必要なのかと思っています。私の記憶違いだったら申し訳ございません。

○石川委員長 差別解消法と虐待防止法では意味が違ってきます。今のは差別解消法の話ですので病院も対象になります。

○米山委員 そこが進むとある意味、より研修等が義務的になるかなと思いましたので発言させていただきました。

○石川委員長 ぜひ虐待防止法についても、範囲の拡大については検討すべきだと私も考えております。差し当たりは差別解消法に関わることとして問題提起をいたしました。
 遅くなりましたけれども、10分間休憩します。

(休憩)

○石川委員長 それでは、再開します。カメラをオンにしてください。第2パートの審議に入ります。「保健・医療の推進」から最後までいきたいと思います。
 事務局、修正部分の説明をお願いします。

○立石参事官 事務局でございます。資料1の37ページから御覧いただければと思います。「6.保健・医療の推進」です。まず【基本的考え方】の部分でございます。
 4行目です。御意見を踏まえて「切れ目のない退院後の支援に関する取組を行う」としております。
 「(1)精神保健・医療の適切な提供等」の1つ目の○のイでございます。アウトリーチについて、必要に応じて精神科医療が含まれる旨を記載すべきとの御意見を踏まえて「アウトリーチ(訪問支援・在宅医療)を充実させる」という記載にしております。
 38ページに進みます。6個目の○でございます。御意見を踏まえまして「精神障害者の退院後及び外来通院時の切れ目のない支援に係る取組を行う」と修正させていただいております。
 「(2)保健・医療の充実等」でございます。39ページの2つ目の○でございます。
 国リハにつきまして、二次障害への対応について記載すべし、また、センターがやるべきことを明確に記載して、技術指導、教育、立入検査等の機能を発揮すべきとの指摘を踏まえ、修文をしております。「国立障害者リハビリテーションセンターにおいて、重度・重複障害者等に対して医療から職業訓練・社会生活までの一貫した支援を提供するとともに、二次障害の予防や健康増進活動等の患者支援サービスを提供する。また、リハビリテーション手法の開発や、試行的サービスを提供し、その情報提供を行う」としております。
 40ページに進んでいただきまして「(4)保健・医療を支える人材の育成・確保」の3つ目の○でございます。障害者にとって必要な福祉サービス等の情報提供が得られるよう連携を図るとしているところにつきまして、教育関係者も追記すべきとの御指摘を踏まえまして追記を行っております。
 「(5)難病に関する保健・医療施策の推進」です。41ページに行っていただきまして、4つ目の○でございます。難病相談支援センターとピアサポーターの連携が強まるような記載をしてほしいという御指摘を踏まえまして「各種相談支援事業やピアサポート等を行う難病相談支援センターを中心とし」という記載にさせていただいております。
 「(6)障害の原因となる疾病等の予防・治療」でございます。1つ目の○の医療・福祉の専門職の確保の記載について、分かりやすいように「診断、治療及び発達支援の知見と経験を有する」としてはどうかとの指摘を踏まえ、そのように修正させていただいております。
 43ページでございます。「7.自立した生活の支援・意思決定支援の推進」でございます。【基本的考え方】のところで、障害のある人が家族を持って自立した生活を営むという視点も入れるべきという御指摘を踏まえまして、冒頭に「障害者の望む暮らしを実現できるよう」ということを追記させていただいております。
 「(2)相談支援体制の構築」につきまして、44ページに行っていただきます。6つ目の○でございます。ピアサポート加算ができたことを踏まえて、ピアサポート体制の強化とすべきとの御意見を踏まえまして、ピアサポーターの育成のところを「ピアサポート体制の強化等の障害者同士・家族同士が行う援助として」という記載にさせていただいております。
 45ページでございます。「(3)地域移行支援、在宅サービス等の充実」でございます。ここの5つ目の○でございます。地域生活支援拠点等の整備や機能強化について、緊急時対応についても記載をすべきという御指摘を踏まえまして「また、地域生活支援拠点等については、緊急時の受け入れ・対応や体験の機会・場などの役割を担う」という追記をさせていただいております。
 46ページでございます。「(4)障害のある子供に対する支援の充実」でございます。2つ目の○でございます。大人の発達障害は子供のころの情報が必要であり、生涯を通じて一貫した効果的な支援を付すとすべきとの御意見を踏まえまして「乳幼児期から学校卒業以降も一貫した効果的な支援を」という書きぶりに修正させていただいております。
 47ページでございます。1つ目の○でございます。医療的ケア児支援センターによる相談対応等の取組などについてもきちんと記載をすべきとの御意見を踏まえまして「医療的ケアが必要な障害児等に対して、医療的ケア児支援センターが、相談に応じ、情報の提供や助言その他の支援、関係機関等への情報提供及び研修の実施等を推進する。また、地域において包括的な支援が受けられるように、保健・医療・福祉等の関係機関の連携促進に努める」という項目を新たに立てさせていただいているというところでございます。
 その3つ下でございます。子供の関係でございますが、子供の権利を守る上で意思形成支援が大事ということを記載すべきではないかとの御意見を踏まえ、新たに項目を立てて「子供の意見を聴く機会の確保等が重要とされていることから、障害児においても、子供の意思決定支援等に配慮しつつ必要な支援等が行われることを推進する」と記載してございます。
 「(5)障害福祉サービスの質の向上等」でございます。3つ目の○でございます。障害福祉サービス等を提供する事業者による自己評価についても追記をさせていただいているというところでございます。
 48ページを御覧ください。「(6)福祉用具その他アクセシビリティの向上に資する機器の普及促進・研究開発及び身体障害者補助犬の育成等」についてでございます。49ページの2つ目の○でございます。ここにつきまして、盲導犬の入店拒否などが世の中で起こっているということで、その入店拒否などをなくすという言葉を入れるべきではないかとの御指摘を踏まえまして「身体障害者補助犬を使用する身体障害者が施設等の利用を拒まれることがないよう、普及啓発を推進する」という書きぶりに修正させていただいております。
 「(7)障害福祉を支える人材の育成・確保」でございます。1つ目の○でございます。「相談支援の質の向上を図る観点から、地域の中核的な役割を担う主任相談支援専門員の養成を推進する」と追記させていただいております。
 50ページでございます。「8.教育の振興」についてでございます。まず、【基本的考え方】につきまして、合理的配慮の提供について、全学校で合理的配慮の義務化となるので、その旨の表現を修正すべきとの御意見を踏まえて「高等教育を含む学校教育における障害のある幼児児童生徒及び学生に対する支援を推進するため」という書き方にするとともに、引き続き、環境の整備を充実してから個別の合理的配慮の提供を図るという流れの方が適切ではないかとの御意見を踏まえて、記載の順序を入れ替えまして「適切な支援を行うことができるよう環境の整備に努めるとともに、合理的配慮の提供等の一層の充実を図る」という書き方にさせていただいているところでございます。
 「(1)インクルーシブ教育システムの推進」でございます。3つ目の○でございます。共同学習のお話が書いてありますが、共同学習については、在り方を周知するという段階ではなくて、取組とか具体的方策を進めるための文言を記載すべきという御意見を踏まえて「異なる学校間の取組を含む交流及び共同学習の事例や在り方等を周知するとともに」と、記載を充実しております。
 51ページでございます。2つ目の○のところでございます。「校長のリーダーシップの下」というところでございますが、校長が分かっていない、分かりづらいようなところでも、障害児教育の専門家等の助言を受けることが必要だという御意見を踏まえまして「必要に応じて外部の専門家等とも連携し」と追記したところでございます。
 52ページでございます。「(2)教育環境の整備」の1つ目の○でございます。教員が特別支援学校の教師を複数年経験するための具体的な推進方法を記載すべき。例えば、特別支援学校教諭免許状を全ての先生に取らせるとか、または、カリキュラムを受けさせるなどの道筋をつけるべきとの御意見を踏まえて「教職課程において必修化されている特別支援教育に関する内容の確実な実施のほか、全ての学校における特別支援教育の体制の整備を促す」という記載を追記しております。
 最後から3行目辺りのところでございますが「都道府県教育委員会等が策定する教育育成指標において特別支援教育を明確に位置付けることを目指し、必要な周知・調査等を行う」と、ここでも記載を充実させていただいております。
 4つ目の○でございます。デジタル教科書の話につきまして、デジタル教科書についてアクセシブルなものとすべきという御意見を踏まえまして「アクセシブルな」という追記をさせていただいております。
 次の○でございます。こちらの学校施設のバリアフリー化につきまして、2011年の文科省の事務連絡の活用を記載すべきではないかという御意見を踏まえまして、公立小中学校施設については「令和2年度に定めた令和7年度末までの5年間の緊急かつ集中的なバリアフリー化の整備目標を踏まえ整備を推進することや」という記載を追記をさせていただいております。  54ページでございます。「(4)障害を通じた多様な学習活動の充実」でございます。
 5つ目の○でございます。医療的ケアの人工呼吸器ユーザーなどが居宅で学べるように記載をしてほしいとの御意見を受けて「訪問支援を含む多様な学習活動を行う学びの場やその機会を提供・充実する」と追記させていただいております。
 55ページからは「9.雇用・就業、経済的自立の支援」でございます。
 56ページをおめくりいただきまして「(2)経済的自立の支援」でございます。1つ目の○でも、障害がある人も結婚して家族を持つことも含めて、自立した生活を営む視点を入れるべきとの御指摘を踏まえて「障害者が地域で質の高い自立した生活を営み、自らのライフスタイルを実現することができるよう」と記載を追記させていただいております。
 57ページでございます。1つ目の○でございます。キャリア形成支援につきましても、障害者雇用につきましてキャリア形成支援についても追記すべきとの御指摘を踏まえ、後ろから3行目のところで「併せて、官民ともに法定雇用率の達成のみならず、障害者が個々に持てる能力を発揮していきいきと活躍できるよう雇用の質の向上に向けて取り組む」という記載を追記してございます。
 6番目の○でございます。障害を理由とする解雇や配置転換などへの対応について、裁判だけではなかなか原状回復にならないこともあるが、行政側からもっとできることはないのかという御意見を踏まえて、行政のところで「必要に応じて助言、指導、勧告を行うとともに、当事者からの求めに応じ、労働局長による紛争解決援助又は」ということで、記載を充実させていただいております。
 58ページでございます。「(4)障害特性に応じた就労支援及び多様な就業の機会の確保」でございます。
 1つ目の○でございます。「採用後に障害者となった者について」という記載に関しまして、必要なリハビリテーションであるとか、職業訓練といったことを追加すべきとの御指摘を踏まえて「必要な職業訓練の機会の確保等円滑な職場復帰」といった文章に充実させていただいております。
 3つ目の○でございます。ここでテレワークの話なども出ておりますが、通勤が困難な障害者の雇用については、テレワークの促進が必要。その際には、労働時間管理やコミュニケーションの促進等に留意が必要であるとの御指摘を踏まえて「適切な雇用管理を行った上で、時間や場所を有効活用できる柔軟な働き方を推進する」という記載にしております。
 60ページまでおめくりください。「10.文化芸術活動・スポーツ等の振興」でございます。
 まず【基本的考え方】におきまして、1行目のところです。御意見を踏まえまして、障害者の生活の後ろに「社会」を追記して「障害者の生活と社会を豊かにするとともに」という文章にさせていただいております。また、後段部分は「さらに、共生社会の実現に向け、障害の有無にかかわらず誰もが障害者スポーツに親しめる機会をつくるとともに」という文言を追記させていただいております。
 「(1)文化芸術活動、余暇・レクリエーション活動の充実に向けた社会環境の整備」について、1つ目の○につきましては、もともと項目の順番として少し後ろの方であったものを、1つ目の項目とした上で、合理的配慮の視点を入れるべき、地方公共団体における基本計画の策定が進んでいないので促進するような記載をすべきといった御意見を踏まえ、その旨の記載を充実させていただいております。
 2つ目の○につきましては特別支援学校と小中高の記載が少し分かれるような書き方になっておりましたが、その修正でございますとか、例えば「一流の」という書き方についてはいかがかといったような御指摘を踏まえまして修正させていただいております。
 3つ目の○です。国立博物館のところでございますが、御意見を踏まえまして「手話による案内」ですとか「ICT等を活用しながら、アクセシビリティの向上に努める。」といった記載に充実させていただいております。
 61ページでございます。5つ目の項目でございます。こちらの文化施設につきまして、少しその内容を具体的に記載するべきでありますとか、文化芸術施設のアクセシビリティの確保の推進や、バリアフリー化の推進を書き足すべきではないかという指摘を踏まえまして「劇場・音楽堂等や博物館などの地域の文化施設に」とした上で「ユニバーサルデザイン化・バリアフリー化を推進し、文化施設へのアクセシビリティの向上を支援する。」と記載しております。
 その次の丸でございます。大阪万博につきましても取組が進むように、基本計画において記載をすべきという御意見を踏まえまして、新たに項目を立てて「2025年に開催される日本国際博覧会において、東京2020大会のレガシーを踏まえ、障害の有無にかかわらず全ての人が快適に移動でき、不安や不自由なく過ごすことができる施設を整備する」という記載を追記させていただいております。
 次に「11.国際社会での協力・連携の推進」でございます。こちらは64ページをおめくりをいただきまして「(4)障害者の国際交流等の推進」でございます。こちらは2つ目の○と3つ目の○でございますが、もともと1つの項目にまとまっていたものにつきまして、委員より、スポーツ外交推進の観点と、広報文化外交の観点、2つが1つの項目になっているが、それぞれ分けて記載するほうが推進に資するのではないかという御指摘を踏まえ、分けた記載とさせていただいたところでございます。
 資料1につきましては以上でございます。
 続いて、資料2の関連成果目標案につきまして、新たに項目が立てられたものにつきまして御説明をさせていただければと存じます。
 19ページでございます。「7.自立した生活の支援・意思決定支援の推進」でございます。下の2段目のところでございますが、障害者ピアサポート研修事業を実施する都道府県の数及び研修修了者数でございます。こちらの第1パートで御説明したものの再掲になってございます。
 31ページの一番下の段でございます。全国の公立学校におけるコミュニティスクールの数を指標として、新たに追記させていただいております。こちらもコミュニティスクールについて関連成果目標に書くことはできないかという御指摘を踏まえ、新たに追記させていただいたものでございます。
 35ページでございます。「10.文化芸術活動・スポーツ等の振興」のところでございます。2段目のところです。障害者による文化芸術活動の推進に関する計画を策定した都道府県数というところで、新しい指標を追加させていただいております。こちらも意見のところで、地方公共団体の計画の策定が進んでいないので、成果目標を上げていただきたいとの御指摘を踏まえ、新たに追記させていただいたというものでございます。
 資料2については以上でございます。
 御説明は全体としては以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、修正意見のある委員は挙手ボタンを押してください。
 竹下委員、最初にどうぞ。

○竹下委員 日視連の竹下です。時間がないので、1点だけに絞って修正をお願いします。
 教育のところの、52ページの最後、6つ目の○かと思うのですが、この部分を充実させていただきたいです。
 内容としましては、通学における支援の問題であります。特別支援学校への通学であれ、インクルーシブ教育を含めた統合教育の場面であれ、障害児生徒の通学保障を具体的に保障するために、この部分の書きぶりを、障害のある幼児児童生徒の通学及び通学を含む学校教育活動に伴う移動に係る支援の充実に努めるとともに、各地域における教育と福祉部局との「連携を促す」ではなく「連携を図る」としていただきたいです。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。これはよろしいでしょうか。特になければ、そのようにお願いしたいです。

○文部科学省(初等中等教育局特別支援教育課課長 宇野補佐)文部科学省特別支援教育課でございます。御発言をお許しいただけるのであればと思います。

○石川委員長 もちろんです。どうぞ。

○文部科学省(初等中等教育局特別支援教育課課長 宇野補佐)竹下先生、御指摘ありがとうございます。
 検討させていただきます。私どもも特別支援教育就学奨励費におきまして、障害のある児童生徒の通学も含めて、これは平成25年から特別支援学校に通う子供に限らず、通常の学級に通っている重い子供も対象としておりますけれども、年々その拡充に努めてきているところではございますが、御指摘は、それをより明確化するべきではないかというところで、検討をさせていただきたいと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 続きまして、岩上委員、お願いします。

○岩上委員 チイクラネットの岩上です。37ページの「6.保健・医療の推進」の「(1)精神保健・医療の適切な提供等」のところに「御本人の同意によらない入院の在り方について検討を加える」といった項目を入れていただきたいと思います。これについては「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」の取りまとめが6月に行われておりますが、その中でも議論されてきたことで、今後もそういったことについては検討を加える必要があるといったことになっております。総括所見の意見もございましたので、特にこの部分は、今回の基本指針の中に加える必要があると思います。
 以上です。

○石川委員長 厚生労働省、お願いします。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 厚生労働省でございます。御指摘をいただきましたその本人同意によらない入院の在り方につきましては現在、報道等もされております障害者総合支援法等の見直しで精神保健の関係の法律も見直しておりまして、改正法案の附則第3条において、権利条約の実施について当事者等の意見を聴きつつ検討をしてまいりたいと、いわゆる「検討規定」を記載しているところでして、そういった精神医療の在り方につきましては、引き続き厚生労働省の方でも検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
 以上です。

○岩上委員 すみませんが、検討は検討でしていただいて構わないと思います。私自身は今回も含めてあと3回ぐらい精神保健福祉法を改正しませんと、こういうことを言うと皆さんには怒られるかもしれませんが、ある程度の時間をかけていきませんと、きちんと国民の期待に応えられる法律にならないと思っています。今回改正法の中で検討を加えるということは承知しているところでございまして、それを踏まえてもなお、非同意入院の在り方についてはまだ課題が残ると私自身は思っておりますので、それについて、基本計画の中でもきちんと明記する必要があると思います。
 以上です。

○厚生労働省(障害保健福祉部精神・障害保健課関根専門官) 厚生労働省から発言してもよろしいでしょうか。

○石川委員長 先にどうぞ。

○厚生労働省(障害保健福祉部精神・障害保健課関根専門官) ありがとうございます。厚生労働省精神・障害保健課です。
 岩上委員、御指摘ありがとうございました。こちらの記載もまた検討させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 御発言ありがとうございました。

○岩上委員 どうぞよろしくお願いします。

○石川委員長 関連なのですけれども、身体拘束の要件が緩和されるのではないかという懸念が広がっているかと思いますが、この点についても、そのようなことがあってはならないと考えております。基本計画の中で、身体拘束についても、今は全く一言も触れられていないのですけれども、ぜひ前向きの基本方針としていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 久保委員、お願いします。

○久保委員 ありがとうございます。
 1点お願いと、1点質問でございます。
 1点のお願いは、資料1と資料2にトータルで子「供」というところが、漢字の子「供」になっているところが随所にございます。平仮名の「ども」になっているところもありますので、ぜひ、全部平仮名の「ども」に全部変えていただきたいと思っています。それがお願いでございます。
 もう1点の質問は、資料1の60ページの「10.文化芸術活動・スポーツ等の振興」の【基本的考え方】の部分ですけれども、最初の2行と少しが文化芸術のことで、あとの部分は障害者スポーツのことを書かれているのかと、分けて書いていただいているのかと私は読み取ったのです。その中で、もう少し障害者の文化芸術のところに、アスリートの育成強化を図るみたいな感じで、もう少し推進をしていくという書き方をしていただいたらどうかと思っていて、分けて書いておられるかどうかをお聞きしたいと思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 スポーツ庁、あるいは、いらっしゃらなければ。

○文部科学省(初等中等教育局特別支援教育課課長 宇野補佐) 文部科学省の特別支援教育課でございまして、御指摘いただいたところの文化庁とスポーツ庁の担当者が予定の関係で今、この場にいないという状況で大変申し訳ございません。追って内閣府の方から御連絡もあろうかと思いますので、その船で伝えたいと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 よろしくお願いいたします。
 片岡委員、お願いします。

○片岡委員 ありがとうございます。全国地域生活支援ネットワークの片岡です。1点に絞って意見させていただきたいことがあります。
 資料1の45ページ、下から2つ目の白丸の追記部分です。「また、地域生活支援拠点等については、緊急時の受け入れ・対応や体験の機会・場などの役割を担う」という箇所を修正していただきたいと考えております。そこの部分を「また、地域生活支援拠点等については、緊急時の受け入れ・対応、並びに、入所施設や病院・親元からグループホーム・独り暮らしなど、地域生活への移行の役割を担う」と記載していただきたいのです。
 理由につきましては、今年3月にまとめられた「地域生活支援拠点等の機能充実に向けた運用状況の検証及び手引き」におきましても、地域生活支援拠点の役割について、地域生活における安心の確保というものと、地域生活への移行の支援の2つの役割として整理されております。その手引きには、緊急時の相談や短期入所等の受け入れ・対応体制を整備することにより、地域における生活の安心感を担保する機能を備えるということと、入所施設や病院、親元からのグループホームや独り暮らし等への生活の場の移行をしやすくする支援を提供する体制の整備ということで明確に記載されておりますので、以上のことから、先ほど述べました修正の御検討をお願いしたい次第です。よろしくお願いいたします。
 以上です。

○石川委員長 検討をお願いいたします。
 安部井委員、お願いします。

○安部井委員 ありがとうございます。全国重症心身障害児(者)を守る会の安部井でございます。2点ございます。
 初めに、45ページの「(3)地域移行支援、在宅サービス等の充実」の部分です。6つ目の○になります。一番下です。追記をお願いしたいと思います。
 「地域生活への移行を進める観点から、障害者支援施設」の後に括弧して「(重症児施設を除く)」と追記していただきたいと思います。
 2点目です。49ページの(7)の障害福祉を支える人材ですが、介護分野の人材確保は喫緊の課題となっています。昨日の夕刊で、介護福祉士の養成がピンチだという記事がありました。資料3には目標設定がされていないようですので、数値目標を設定して、人材確保を図るというようにしていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 1点目について、厚生労働省、お願いします。どちらもお答えいただければと思います。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 御指摘ありがとうございます。
 御発言いただきました記載につきましては、両方とも引き続き検討してまいりたいと思います。御指摘ありがとうございます。

○石川委員長 門川委員、お願いします。

○門川委員 門川です。先ほどは混乱を招いて申し訳ございませんでした。
 発言したいテーマは福祉用具、日常生活用具等に関することですが、先ほどのパート2の事務局からの説明にも、このことについては触れられていなかったような気がするのですが、とりあえずお話しさせていただきます。
 1つ確認したいことと、一つは意見としてお伝えしたいことです。
 まず、確認したいことですが、質の良い安価な福祉用具の供給について、自立支援金等の助成金を活用して福祉用具などを開発していると思うのですけれども、これが数値目標として、第5次基本計画には数字が記載されていないと思います。現在値が21件と出ていると思います。21件の内訳はどのようになっているのでしょうか。例えば、身体介護に関連する機器であったり、コミュニケーションを支援する機器であったり、どのようなものが開発されているのか関心のあるところです。
 次にもう1点ですが、日常生活用具等の給付についてです。給付要件を緩和していただきたいということです。その理由は、例えば、点字ディスプレイがありますが、点字ディスプレイを購入したいということで申請ができる条件が市町村によっても異なります。あるところでは1度しか申請ができなかったり、支給される限度額も異なります。
 今、まさにデジタル化テクノロジーの進んだ世の中ですので、点字ディスプレイなどの高価なものをできるだけの多くの障害者が簡単に手に入れられるようにしていただきたいと思います。
 ここのところは、障害者も障害者でない者も同じように必要な日常生活用具、例えば、情報機器などを含むものを購入できるように支援していただきたいと書き加えていただくとか、何らかの方策をぜひ御検討いただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 2点ありましたので、厚労省の自立支援振興室はいらっしゃいますか。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 機器不良により回答が遅くなりまして申し訳ございません。自立室の方から回答いたします。

○厚生労働省(障害保健福祉部自立支援振興室 照井室長補佐) 障害保健福祉部自立支援振興室 室長補佐照井でございます。御質問をありがとうございました。
 まず、1点目なのですけれども、こちらは目標の数値、内訳等々についてなのですが、内訳について目標を設定しているわけではございませんので、これは現状の内訳として、どういった機器を開発しているのかということについては、調べて後ほどお伝えしたいと思っております。
 2点目なのですけれども、御承知とは思うのですが、日常生活用具につきましては、基本的には市町村が支給決定しておりまして、我々の方では、どういった機器が範囲なのかということも含めてお示しをしていないという状態になっておりますので、何らかの、そういった中でどういった方法があるのかということについては今後とも検討していきたいと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 本件について私からも補足的な質問あるいは意見があるのですけれども、現在、多くの支援機器というのは、海外からの輸入、つまり、国内での生産がもはや成り立たないような状況になってきていて、海外からの輸入品が中心を占めています。
 一方、昨今の急激な為替変動、円安とドル高が急速に進行していて、その中で、厚労省からの指導とかガイドラインはないにもかかわらず、各自治体のそれぞれの支援機器についての給付限度額というのはほぼ横並びになっていて、しかも硬直的だということで、今後、今の円安水準、ドル高水準が続くようであると、門川委員が懸念されるように、必要な機器を日常生活用具の給付制度の枠の中では入手できないという状況が、今後ますます深刻になってくると思うのです。
 こういったものに対して、これは構造的な問題なので、地域生活支援事業で自治体の判断だということだけではまずいと思うので、今後の給付制度の在り方であるとか、ガイドラインみたいなものについても検討する必要があると思うのですが、それを今回の基本計画の中に、厚労省として組み込んで検討するということは書けないでしょうか。
 自立支援振興室、いかがでしょうか。

○厚生労働省(障害保健福祉部自立支援振興室 照井室長補佐)厚生労働省障害保健福祉部自立支援振興室 照井でございます。
 恐縮ですが即答は厳しいので、現状の物価高につきましては地方創生臨時交付金の対象になっているですとか、そういった周知については自治体には今までも何度かさせていただいたりしておりますので、その範囲ではありますけれども、ある程度対応はしてきていると考えているところではございます。

○石川委員長 もう少し前向きに検討してみていただいて、まず、基本計画の中に何か効果的な施策を盛り込めるかどうかの検討はしていただけないでしょうか。

○厚生労働省(障害保健福祉部自立支援振興室 照井室長補佐) 省内でできるのかどうかから、まずは検討させていただきます。

○石川委員長 ぜひお願いいたします。
 続きまして、三浦委員、お願いします。

○三浦委員長代理 ありがとうございます。全国身障協の三浦です。短目に2点です。
 資料1の47ページです。7の(4)の5つ目の○です。下から2行目に「保健・医療・福祉等の関係機関の連携」と書かれているのですけれども、医療的ケア児のことですので「保健・医療・福祉・教育」と、教育を追加していただきたいという意見です。
 同じ47ページの一番下です。7の(5)の4つ目の○は、私が以前意見を申し上げ反映された部分です。さらに、実はそのときの意見の趣旨として、意思決定支援ガイドラインのブラッシュアップが必要ではないかということを申し上げています。修文提案といたしましては「意思決定支援の質の向上や当事者参画の下、意思決定支援ガイドラインの改定と普及を図ることにより」という修文提案をさせていただきたいと思います。
 もう一つは、39ページに戻っていただきまして、先ほど前半で石川委員長の差別解消法の医療機関への浸透というところに賛成です。実はここの6の(2)の3つ目の○の国立障害者リハビリテーションセンターの部分で、3行目に「患者支援サービス」とあるのですけれども、これは「支援サービス」だけでいいのではないかと、その全体の文脈から思いました。ただ、医療機械の浸透というところで強調されるということであれば、この3つ目の意見は差し控えます。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。御検討いただければと思います。
 岡田委員、お願いします。

○岡田委員 ありがとうございます。全国精神保健福祉会連合会の岡田です。私からは3点、お話をさせていただきます。
 その前に、先ほど本人の同意によらない入院の在り方の検討について岩上委員から、また、身体拘束について石川委員長から御発言がありました。私も同じ意見を持っておりますということをお伝えして、御検討のほどよろしくお願いいたします。
 別の意見として1点目です。37ページです。「(1)精神保健・医療の適切な提供等」ということで、最初の○に大変重要な視点が書かれていると思います。
 この後、文章の最後のところに加えていただきたい言葉があります。
 「次に掲げる取組を通じて、精神障害者が地域で生活できる社会風土を形成し、社会資源及び支援体制を整備する」として、社会風土の形成、支援体制を書き込んでいただきたいと思います。
 精神障害者が地域で生活できるためには社会資源の整備ももちろん必要なことは確かですけれども、それだけではなくて、精神障害者が社会の中で受け入れられているという感覚のための社会風土の形成、それから、社会資源を活用した支援体制が一緒につくられていくことが不可欠だと考えているという理由からです。御検討をお願いいたします。
 2点目は、38ページの上から3つ目の○です。これは質問にもなるのですかね。「精神病床の機能分化を進めるとともに、適切な医療の提供を確保し、患者・家族による医療機関の選択に資するよう、精神医療に関する情報提供」。ここまではよく分かって、必要なことだと思うのです。次の「及び安全対策の推進を図る」という、ここで安全対策の推進が出てくる意味は何回読んでも分からなかったので、この意味合いを御説明いただけたらと思います。ここでなぜ安全対策の推進が必要なのかということを教えていただきたいです。
 3点目です。46ページの3つ目の○です。ヤングケアラーを初めとする家族支援についての取組の記述です。家族の立場から大変感謝をしております。この文章の最後の部分に、家族全体という視点の記述を入れていただきたいと思います。「必要なサービスの提供体制の確保に取り組み、家族全体を支援する視点が重要である」としていただきたいと思います。
 家族の立場には様々な立場があって、立場によって様々な課題を抱えています。家族全体を見るという視点がとても重要ですので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 2点目の質問もありましたので、2点目を中心に厚生労働省からお願いします。

○厚生労働省(障害保健福祉企画課 桑主査) 厚生労働省でございます。
 まず、1点目に関しましては、基本的には一旦持ち帰らせていただいて記載を検討させていただければと思います。
 2点目の安全対策の部分なのですが、申し訳ありません。現状、何をという明確なリソースを持っていないので、一旦確認させていただいて、後日書面等で回答させていただけたらと思います。必要に応じては修文をさせていただく方向で検討させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○石川委員長 次に、市川委員、お願いします。

○市川専門委員 全国特別支援学校長会の市川でございます。ありがとうございます。
 50ページの最後の〇の部分ですが「交流及び共同学習の事例や在り方等を周知するとともに一層の推進を図り」の部分に「一層の推進を図るための体制整備の在り方について検討する」などという、もう少し具体的な言葉が入れられないかということでございます。というのは、先ほどのお話の中で、もう在り方についての周知は終わっているので次の段階だということだったのですが、特別支援学校の場合には、居住地の小中学校との交流及び共同学習を進めるためには、保護者の方が付き添いをしていただいたり、教員が付き添いをしに行くなどの支援が必要だったり、また、都道府県によっては、推進を一層図るために副次的な席を設けているようなところもあります。文部科学省の特別支援教育の在り方に関する有識者会議の報告の中にもそのような文言がありますから、今後どのような体制整備をしていけば良いかについての検討も含まれるのではないかと思っています。
 2点目が最後のページになります。スポーツのところでございます。障害のある方のスポーツの推進なのですが、これを読んでいて、障害者のスポーツについて記載されているのですが、障害のある児童生徒のスポーツについてどのように考えるかも御検討が必要ではないかと思っています。というのは、今、中学校の部活動の地域移行ということが話題になっておりまして、特別支援学校もその対象になりますが、どうしても障害のある児童生徒が地域でスポーツをすることが難しい状況になっているといいましょうか、なかなか受皿がないという課題があります。児童生徒の地域でのスポーツの推進という視点も必要ではないかと思っております。
 以上です。

○石川委員長 続きまして、中野委員、お願いします。

○中野専門委員 中野でございます。2か所について意見がございます。
 まず、1番目は「7.自立した生活の支援・意思決定支援の推進」のところです。47ページに「(5)障害福祉サービスの質の向上等」という項目があります。1つ目の○に「障害福祉サービス及び相談支援が円滑に実施されるように」云々という記述がありますが、ここに「障害福祉サービス及び相談支援が早期かつ円滑に実施されるように」というふうに、早期という言葉を記載していただけないかというお願いでございます。
 早期をどうして入れていただきたいかというと、福祉サービス等に出会うまですごく時間がかかっているケースが多いという調査研究がたくさんありますので、ぜひ病院等の医療機関等々で早期に支援が受けられる体制をつくっていただきたいからです。
 2番目は「8.教育の振興」についてです。これまでの会議でお願いした様々な点について反映していただいてありがとうございます。その上で、52ページにある「(2)教育環境の整備」の1つ目の○の後半にある「その際、柔軟な運用に配慮しつつ、小・中学校、高等学校等の全ての新規採用教員がおおむね10年目までの期間内において」云々という記載があるわけですが、この記述は削除していただきたいと思います。
 理由は、教育現場や保護者からは、様々な不安や懸念が示されていると聞いているからです。また、このような措置を行うことがインクルーシブ教育の推進に効果があるかどうかに関しては、明確な根拠も示されていないわけです。根拠もないし不安があるという事項を基本計画に明記するというのは少し違和感がありますので、ぜひ御検討ください。
 それから、教育の振興のところで、移動支援について、先ほど竹下委員から御意見ありましたが、私も竹下委員のご意見に賛成です。文部科学省から就学奨励費を充実させているという御説明がありましたが、就学奨励費だけでは対応できていない事例がありますので、ぜひ、この点に関しては御検討をお願いします。
 最後にお願いなのですが、障害者権利委員会による総括所見の中では、日本のインクルーシブ教育に関してかなり踏み込んだ懸念が示されていました。本会議でのこれまでの我々の指摘や議論が十分ではなかったのではないかと、個人的には心配しております。
 今回でなくてもよいのですが、総括所見で示された教育に関する懸念事項に対して、文部科学省の御見解を含めて、それが基本計画の中にどのように反映されているか、また、反映されていると考える理由や根拠をお聞かせいただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 御指摘ありがとうございます。
 特別支援教育課、いかがでしょうか。

○文部科学省(初等中等教育局特別支援教育課 宇野課長補佐) 文部科学省の特別支援教育課でございます。中野先生、何点か御指摘をいただきましてありがとうございます。最初の方から順番に申し上げたいと思います。
 まず、52ページの「10年目までの」というところを削除というところでございますけれども、最初に御説明したときに申し上げたか記憶がないのですけれども、文部科学省の有識者会議の中で、こちらは何か月か前に教員の養成の在り方ということで会議を回しまして、専門家の御意見なども拝聴いたしながら、こういった策を打ち出したところでございます。
 根拠というお話もありましたけれども、特別支援学校に限らず全ての学校に障害のある子供が在籍をしている中にあって、事実特別支援学級というのは82%の小中学校に設置されている中にあって、例えば、校長先生が特別支援教育を経験したことがあるかないかでいうと、7割の校長先生は経験していなかったりするという状況です。こちらは文部科学省としては、少しずつ改善をしていかねばならないと思っております。
 その一環といたしましての、こういった全ての教員が、複数年経験をするようにという思いで書かせていただいた施策でございます。御懸念のところは、恐らく現場からの御不安といったところで御指摘をいただきましたのは、専門性が相対的に高いとは言えない教員が、非常に難しい障害のある方さんの教育に携わることへの不安というところがメインかという拝察いたしました。
 その点に関しましては前回の会議でも御指摘をいただきまして、まず、8の(2)の1つ目の○です。同じパラグラフのところに、既に教職課程において必修化されている特別支援教育に関する内容の着実な実施です。これは小中高の免許を取るときも個別支援の単位を取らないといけないことになっています。これは着実に実施するということもありますし、また、53ページの8の(2)の7つ目の○に飛びますが、こちらについては通級の教師なども含めて、免許状の保有率の向上であるとか、教職課程の充実とか、専門性向上の取組を進めるといった辺りも併せて記載してございますので、私どもとしては御指摘のところは引き続き、支援施策を推進していきたいと考えております。
 長くなりました。どうしましょうか。続けてあれした方がよろしいのか、それとも、今、中野先生から手も挙がったように思われましたが、委員長、いかがいたしましょうか。

○石川委員長 手が挙がったのですね。
 ここまでで中野先生、お願いします。

○中野専門委員 私も教職課程で必修化されている「特別支援教育」の講義を大学で担当しておりますので、その経験から申し上げます。特別支援教育の授業は時間数が限られているので、例えば、点字や手話を使いこなせるところまで教えることはできません。時間数が圧倒的に足りません。そのため、必修の「特別支援教育」の単位を取得しただけで、例えば、視覚障害や聴覚障害に関する教育を、新任の先生が、実施できるかというと、極めて難しいと思います。すべての教員が特別支援教育を担当できるようにすることは、理念としては、正しいと思っているのですが、この理念を実現するためにはどういう方法論が必要かについては、もう少し根拠をしっかりと蓄積してから試行しても良いのではないかと思います。以上、すべての教員が特別支援教育を担当できるような制度の検討を進めていただくことに関しては異論はないのですけれども、具体的な方法や効果に関する根拠を踏まえた上で、もう少し慎重に施策を進めていく必要があるのではないかという意見でございました。
 以上です。

○石川委員長 文科省としてまた御意見あると思いますけれども、2つ目以降の質問もございましたので、そちらの方に移って御回答、御答弁をいただければと思います。

○文部科学省(初等中等教育局特別支援教育課 宇野課長補佐) 承知しました。時間のない中、御発言ありがとうございました。
 竹下委員からお尋ねいただいたところに関する、中野先生からもそうであるという御指摘のところは、繰り返しですが検討させていただきたいと思います。私どもとしては引き続き、移動も含めた支援の充実を図ることは大事だと思って、その観点で同じ方向を向いていると思うのですけれども、これは閣議決定なので、何と申しますか、私どもの方でどこまでも文案を自在にコントロールできるわけではないことも鑑みて、そこは検討したいというのが、繰り返しになりますが2点目の御指摘に対するお答えです。
 3点目に関して、これを今、申し上げるとすると数分お時間をいただいてしまうことになるのですが、勧告を受けた文部科学省の見解及び、それがこの計画にどのように反映されていると考えているかというお尋ねだったのですけれども、数分間お時間がかかってしまうかと思うのですが、中野委員は後ほどでも良いとおっしゃいましたが、委員長、いかがしましょうか。

○石川委員長 教育は本当に非常に重要なので、ぜひ、多く御発言いただければと思います。

○文部科学省(初等中等教育局特別支援教育課 宇野課長補佐) ありがとうございます。
 9月9日に障害者権利委員会からの総括所見が出されまして、パラ51、52で懸念とリコメンデーションが示されているところでございます。
 52パラのリコメンデーションの方はAからFまでございますけれども、例えば、合理的配慮の保障をさらに進めるべきというところであったり、これはまだ日本語訳が正式版がないものですから仮訳と思っていただければと思いますが、合理的配慮のところであるとか、研修の推進であるとか、そのようなところに関しましては勧告の趣旨に沿って取組を当然進めていくべきと考えており、計画との関係で申し上げますと、合理的配慮については、例えば8の1の1であるとか、研修とか教員の専門性みたいなところに関しましてはまさに今、中野先生と御議論をした辺りのパラグラフにおいて、充実策を記載させていただいていると考えております。
 他方で、これは9月13日ぐらいに文部科学大臣の方から記者会見で申し上げましたけれども、特別支援学級の存在について懸念とか、そういった記載も書かれていて、分離された特別教育をやめるための云々かんぬんといった記載もあったところに関しましては、こちらは私どもといたしましては、現在多様な学びの場において行われている特別支援教育というものを中止するということは考えてはございません。もちろん、繰り返しになりますが、可能な限り共に過ごす条件整備というのも当然大事だし、それも当然進めていくし、一人一人のニーズに合った多様な学びの場というものを引き続き整備していくということも重要で、両輪で進めていきたいと考えているところでございます。
 雑駁になりましたが、一旦以上にいたします。

○石川委員長 ありがとうございました。引き続き対話していきたいと思います。
 続きまして、曽根委員、お願いします。

○曽根専門委員 曽根です。2点、追記の提案をさせていただきたいと思います。
 1点目は37ページの「(1)精神保健・医療の適切な提供等」の中に、依存症からの回復支援を念頭に置いた記載を加えるということになります。
 この中のウなのですけれども「居宅介護など訪問系サービスの充実や地域相談支援(地域移行支援・地域定着支援)、自立生活援助の提供体制の整備を図る」に加えまして「図るとともに、回復施設の充実や自助グループの育成によりつながり続けることができる環境づくりを推進する」のような文言の追記の提案をさせていただきます。
 依存症の支援については専門医療の提供、その後の回復施設や自助グループへのつながりといったことが非常に重要と言われていまして、こういった記載を加えてはどうかと思いました。
 2点目は61ページになります。「10.文化芸術活動・スポーツ等の振興」の上から6つ目の○なのですけれども、日本国際博覧会についてここに記載していただいています。ここに書かれているのはどちらかというと環境のバリアフリーの側面かと思うのですけれども、ここに「障害者の芸術文化を発信する」という文言を加えることはできないかと思いました。先日の国連の政府報告書審査においても、障害者芸術文化推進法については非常に委員からも高い評価を得たと思っておりまして、そういったことをこの万博を機に、国際的に発信できるといいのではないかと思いました。
 これは文化庁さんの方も施策はあると思いますので、御検討いただけたらと思いました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。だんだん時間がなくなってまいりました。大変恐縮ですが、残りの方は1人3分をめどに御提案をいただきたいと思います。
 石橋委員、お願いします

○石橋委員 全日本ろうあ連盟の石橋です。
 まず、追加意見として提案させていただきたいと思います。保健・医療の推進という部分のテーマです。
 41ページの(6)の部分について、まずは1つ目です。新生児関係です。聴覚スクリーニング検査に関する記述が全くないのです。現在、厚労省と文科省で、難聴児に関する支援中核機能モデル事業というものを打ち出しております。それを踏まえて、新生児聴覚スクリーニング検査につきましても、早期発見、早期療育を推進するということになります。
 乳幼児、また、家族に対する十分な支援を行う時に、手話言語も含むということで、言語獲得、スムーズな療育、その後の社会参加の拡大ということにもつながりますので、そういった視点から早期発見、早期療育、早期教育がスムーズに進むように、流れを明確に、メリハリをつけて、当事者、また、親に対するフォローアップという体制づくりをぜひ設けていただきたいという提案をしたいと思います。
 46ページ(3)の上の方です。重度障害者加算という文言があります。わざわざ重度ということが必要かどうかです。「全ての障害者」という文言の方が柔軟に対応できるのではないかと思っています。この書きぶりについては、21ページも同じように重度障害者で、わざわざと重度というのもありますが「全ての障害者に対する」という言い方に文言変更が必要ではないかと思います。
 (4)の支援の充実の説明がありますが、先ほど申し上げました難聴児の中核機能モデル事業というものを明記していただきたいと思います。
 50ページです。教育関係についてですが、これは非常にがっかりした部分が、手話言語獲得ということです。「手話」の言葉が全くここには見られません。SDGsの考え方からも、誰一人として取り残されない手話の獲得教育の推進ということも、ぜひともここに盛り込んでいただきたいと思っています。
 最後に48ページになります。日常生活用具の記述になりますが、こちらにおいては実際にICTデジタルが現在かなり普及しておりますので、「デジタルに対応できる日常生活用具」という言葉に表記を変えるべきではないかという意見です。
 ほかにもありますが、ペーパーで後ほど提出させていただきます。
 以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 続きまして、玉木委員、お願いします。

○玉木委員 ありがとうございます。3点あります。
 1点目は、リモートでやっているときの違和感を言います。各省庁からの回答のときは、ほぼ画面をオフにしてしゃべっているのですけれども、僕は顔と名前が見られても嫌なことも言わないといけないことをやっているのに、そこら辺はぜひ、顔を出して回答いただければいいかと思います。
 2点目は、45ページの(3)の5つ目の○です。いろいろ考えてきたのですけれども、まず、書き出しとして「地域で生活する障害者の支援を進めるために」になっているのだけれども、これは国連の19条を考えたときに「地域で障害者が安心した生活を送っていくために」という具体的なことを書いていくべきかと思っています。その上で、地域生活拠点事業のことについては、この緊急時対応と体験の場づくりだけではなくて、相談とか、あとは専門的人材の確保要請とか、地域の体制づくりも、5つまとめて地域生活拠点事業になっているので、それは忘れないでいただきたいと思います。
 最後に、教育のことについてはいろいろ言いたいことがあるので、またまとめて書こうと思うのですけれども、特に勧告後の大臣の記者会見については、政策委員会で建設的対話をやってきたつもりなのですけれども、勧告については、遺憾であるということを言われたことについて、かなり我々はショックでして、少なくとも政策委員会があるのだから、もう少し政策委員会等できちんと建設的対話を進めていきますとかという言い方にしていただきたかったと思っていますので、よろしくお願いします。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 私は冒頭しか聞いていなかったのですけれども、文部科学大臣のコメントについて、事務局、あるいは文科省の方から、正式なメッセージ、コメントはどうだったのでしょうか。

○文部科学省(初等中等教育局特別支援教育課 宇野課長補佐) 文部科学省特別支援 教育課でございます。
 1点目はカメラの御指摘がございました。カメラをオンにしてお答えします。その一方で、この関係で音声が乱れるようなことがあれば大変申し訳ございません。ややWi-Fi環境が弱い部分がございます。文部科学省特別支援教育課の宇野と申します。よろしくお願いいたします。
 御指摘の大臣の会見に関しましては、9月13日に行われた閣議後会見のことと承知をしてございます。その場で大臣の方からお話をいたしましたのは、まず、こういう勧告がなされました。勧告の趣旨を踏まえて進めていきますということと、それと併せまして、今回の勧告の中で、やや日本政府の考えが聴取されることなく、私どもとしては、より通常の学級に在籍する障害のあるお子さんというものを、就学先の変更を促すことによって今、特別支援学級に在籍しているけれども、ほとんど通常の学級で学んでいるという実態がある場合においては、就学先の決定の変更の検討をするべきであるということです。
 裏を返せば、そうではない場合は特別支援学級でしっかり授業を受けてくださいといったような通知をいたしましたけれども、その通知に関しまして撤回を求められているというのが、9月9日の勧告において、文言として盛り込まれているというところに対して、私どもとしては、より障害のあるお子さんが通常の学級で学べるようにという趣旨で通知を発出しているにもかかわらず、それに対する日本政府としての報告というものも、特段求められることも聴取されることもない中で、そういった勧告が出されたことに対して遺憾であると申し上げたと、大臣から話があったという認識をしてございます。
 一旦お返しいたします。

○石川委員長 ありがとうございます。
 国際人権の枠組みの中で、条約を批准している国々でつくっています締約国会議で、締約国が推薦、投票して選ばれた委員が、監視枠組みをボランティアベースで行っています。専門性を持って、責任を持ってやっています。そこから出てきた勧告に対して、開口一番遺憾であるというのはあまり適切ではなかったかと、残念ながら私としては思わざるを得ないところもございます。うまく適切に伝えることができなくて残念であるとかというぐらいの感じだったら良かったかとは思いますけれども、これは私の感覚です。

○文部科学省(初等中等教育局特別支援教育課 宇野課長補佐) 長くなって恐縮なのですけれども、開口一番遺憾であると申し上げたわけではございませんし、記者さんからの御指摘の中で、通知の撤回を求められている部分についての見解というものを尋ねられたのに対しまして、もちろん、全体として勧告の趣旨を踏まえてやっていくのであるが、この通知の撤回のところに関しては遺憾であると申し上げたというのが事実関係でございます。それは記者さんとの関係できちんと質問に答える必要があったものと認識いたしております。

○石川委員長 承知いたしました。
 続きまして、米山委員、お願いいたします。

○米山委員 米山です。手短に5件あります。
 まず「6.保健・医療の推進」の(1)の精神保健の辺りですけれども、先ほど精神保健福祉法で、同意に基づかない入院ということで、子供の権利と子供の同意ということで、いわゆる医療保護入院ということがありますが、子供のことについては、もう一方で医療ネグレクトとかネグレクトケースもあって、その辺についてはまた、精神保健福祉法と児童福祉法、その辺りの絡みがあるので、精神保健の中に、子供の精神保健ということを何か入れられないかというのがなかなか、いい名案が出ていませんので、お願いします。
 37ページの一番下の行なのですが、これを読んでみると曖昧な書き方があるのです。最後の行の「加えて、学校においては子供の心の変化に気付くための取組の促進」と書いてありますが、変化に気づくための取組だけではなくて「変化に気付く取組と対応の促進」ということだと思いますので、追記をお願いします。
 8ページの5つ目の○になりますけれども「当事者・家族・保健・医療・福祉関係者」ということで加えられています。子供においては教育関係者ということで、子供においては「教育」を入れていただきたいと思います。
 40ページになります。(4)の2つ目の○です。「理学療法士、作業療法士、言語聴覚士」とあります。精神の方には書いてありますが、公認心理師法がもう5年経ちましたので、ここに「公認心理師」も入れていただきたいと思います。
 教育の進行の方なのですが、52ページになります。教育の一番下から1つ上の○になりますが、バリアフリー化についてです。「トイレの洋式化」というところに、先ほど重症心身障害の方から医療的ケア児について、電源の確保ということが災害で大事ということで出ていましたので、ここに「電源の確保」というものを入れていただきたいと思います。
 最後の行になるのですけれども、児童生徒の教育活動に伴う異動とありますが、実は医療的ケア児などでケアが必要なので看護師だとか、付き添いができないということで、登校できていない子供が全国にいることが報告されています。ですので、教育課活動の中に、「登下校に伴う移動」を入れていただけたらよろしいかと思います。
 これが最後になりますけれども、前の方のページです。難病になるのですけれども、難病の政策の41ページなのですけれども、これは私が前提案したところを書いていただいているかと思います。ありがとうございます。この書きぶりを見ると、幼少時から慢性的にかかっているというと、またかなり曖昧になるので「難病のある子供においては」と書いたら、長期にわたる療養というようにつながると思いますので、そこの文言を「難病のある子供においては」に変更してはいかがかというように思います。
 以上です。

○石川委員長 北川委員、お願いします。

○北川委員 45ページと47ページのどちらか判断しかねるのですけれども、日本知的障害者福祉協会では居住支援の在り方について現在、重点事項にあげて検討しています。野澤委員や私からも以前に発言しことがあります。障害のある方の尊厳にふさわしい日常生活という(3)の○の一番目ですがここでは地域支援について書かれているところですけれども、多床部屋がまだまだ大変多い現状を改善するとか、プライバシーの守られた個室整備等の推進とか、そういったことを書き入れていただきたいと思いました。しかし、読んでいますと、地域での在宅の暮らしのことを書かれていますので、もしかしたら、47ページの「(5)障害福祉サービスの質の向上等」への記載の方がふさわしいのかとも思いました。よろしくお願いします。
 また、2つ目ですけれども、47ページの上から4つ目や、下から1つ目の意思決定支援のところに、ぜひ意思形成支援も含めた支援について入れていただけたらと思います。
 以上です。

○石川委員長 御検討いただきたいと思います。
 眞保委員、お願いします。

○眞保委員 法政大学の眞保です。ありがとうございます。
 私の方から「9.雇用・就業、経済的自立の支援」についてお話をさせていただければと思います。
 キャリア形成支援に係る雇用の質の向上について加えていただき、また、合理的配慮提供に係る相談、通報への対応について、具体的な文言を入れていただきありがとうございます。
 58ページの(4)の2つ目の○なのですけれども、こちらの5行目になります。「『医療』から『雇用』への流れ」とありますけれども、精神障害のある方の多くは医療とつながりを持ちながら働いていく必要があると思っております。
 ですので、医療から雇用という直接的な流れを表示しますと、例えば、病院から雇用へという誤解が生じるような懸念もあろうかと思います。障害者雇用促進法の施行規則において、対象となる精神障害の方というのは、症状が安定し、就労が可能な状態にある方になっておりますので、直接的なつながりではなくて、就業を希望する精神障害者の雇用への流れを、もう一度申しますと、5行目のところです。「就労支援機関が医療機関と連携を図りつつ、就業を希望する精神障害者の『雇用』への流れを」という文言に変更したら、より誤解なく伝わるのではないかと考えております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 最後かと思いますけれども、私からも若干修正提案をさせていただきます。
 まず、53ページの高等教育機関についてですけれども、合理的配慮の提供をめぐって学生と教員、あるいは学生と学部との間で合意形成ができない場合に、障害学生支援の実施を担当している支援室等とは別に、調整あるいは救済の機能を果たす仕組みの設置を各高等教育機関に促す、求めるという施策を入れていただきたいと思います。
 成果目標のところには、100%を目指すとなっているので、ここにあるので書いていただけるのではないかと思いますので、重ねてお願いしたいと思います。
 54ページですけれども、読書バリアフリー法です。公共図書館と学校図書館を併記されているのですが、視覚障害者情報提供施設を公共図書館の前に入れるほうが現実に即しているのではないかと考えます。
 文科省所管だとすると違ってくるので、この辺りは分かりませんけれども、あと、文化のところに入れるというのが有力な位置付けになると思うので、その点も含めて御検討いただければと思います。
 それから、読書バリアフリー法では出版社から図書館等の情報提供施設などに、書籍の電子データを提供してもらって、それを用いてアクセシブルな電子書籍を効率的に作るということが、この法律では眼目の一つとして考えられているのですけれども、これについてのコミットする施策がないようなのですが、こういう点についても御検討いただきたいと思います。
 それと、アクセシブルな電子書籍という表現になっているのですけれども、これは中野委員の御意見を伺いたいのですが、アクセシビリティ規格に合致したとか、準拠した電子書籍という言い方の方が良いのではないか。つまり、独自企画でもアクセシブルですよというものもアクセシブルな電子書籍になってしまうと、後々副作用が大きいというか弊害が大きいように思うのですけれども、いかがでしょうかということです。
 私からは以上です。
 もう予定の時間が来ましたので、事務局から、何か事務的な連絡の前にございますでしょうか。

○立石参事官 事務局でございます。
 本日いただいた御意見を踏まえまして、必要な修正等の検討を行ってまいりたいと存じております。
 以上でございます。

○石川委員長 私から2点ありまして、1点は、まだ政策委員会では成果目標の検討が十分できていないと思うので、これにもう少し注意を向けた方がいいのではないかと考えているということと、もう1点は、権利委員会の総括所見を受けての対応ということで、これは各省、各部署にお願いしたい点です。ちょうどその総括所見も出たところでもありますので、それを受け止めつつ、第5次の基本計画において、それを何らか、前向きに反映させていくということができないかどうか御検討いただきたいと思います。
 最後に事務連絡です。次回の政策委員会の日程等につきまして、事務局からお願いします。

○立石参事官 事務局でございます。
 次回の政策委員会の詳細につきましては、委員長にも御相談の上で、改めて確定次第御案内をさせていただければと存じます。
 以上でございます。

○石川委員長 これをもちまして、第71回の障害者政策委員会を終了いたします。退室ボタンをクリックして退室してください。