障害者政策委員会(第73回)議事録

令和4年11月14日(月)
13:00~16:30
中央合同庁舎8号館 4階416会議室
(Web会議にて開催)

【議事に使用されている資料については「議事次第」のページにまとめて掲載していますのでご参照ください。】

○石川委員長 それでは、これより「第73回障害者政策委員会」を開会いたします。
 各委員におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。本日の委員会は16時30分までを予定しております。
 また、本日は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、ウェブ会議により開催しております。
 なお、取材及び一般傍聴者は、感染防止の観点から本日もお断りし、その代わりに動画中継を視聴していただくこととしております。
 初めに、事務局より、委員の出欠状況について御報告をお願いいたします。

○立石参事官 事務局でございます。
 本日は、大下委員、野澤委員、柘植委員及び平川委員から所用により欠席との連絡を受けているほか、北川委員が15時30分頃に御出席されるとの連絡を受けております。佐保委員が14時頃、眞保専門委員が15時頃及び加野委員が15時20分頃に、所用により途中退室されると伺っております。また、黒岩委員の代理として、神奈川県福祉子どもみらい局福祉部障害福祉課長の鳥井健二様に御出席をいただいております。
 以上でございます。

○石川委員長 それでは、本日の議事に入ります。御発言の意思表示には挙手ボタンを使用してください。委員長の指名を受けてから発言してください。
 また、御発言の際には、最初にお名前を名乗っていただき、結論を述べた上で、その後に理由または説明をしていただくと理解しやすいと思います。
 それでは、本日の議題及び資料について、事務局より説明をお願いいたします。

○立石参事官 事務局でございます。
 本日は、第5次障害者基本計画の案について御審議をいただきたいと考えております。資料といたしましては、第5次障害者基本計画(案)に係る資料として資料1から4のほか、厚生労働省及び文部科学省からの説明資料として資料5、資料6、そのほかに参考資料として、障害者権利委員会による対日審査総括所見の英文資料の確定版を御用意しております。
 なお、前回委員から御指摘のあった和訳につきましては、外務省にお伺いしたところ、まだ準備ができていないということでございまして、大変恐縮でございますが、今回も英文資料となっております。
 本日の進め方ですが、冒頭事務局より、計画における修正の概要について御説明をいたします。次に、厚生労働省及び文部科学省から、本委員会において御議論があり、また、障害者権利委員会による対日審査総括所見においても指摘のありました、障害者の地域移行や日常生活用具、インクルーシブ教育などについて、現状や今後の方向性、計画案への反映の考え方などについて御説明をいただきます。
 その後、途中に休憩を挟みながら各委員からの御質問・御意見等をいただき、16時頃まで御審議をいただきたいと思います。
 また、計画についての審議の終了後、基本方針の改定案について、前回委員長一任としていただいたところ、委員長と御相談の上、前回の御議論を踏まえた修正を行いましたので、その結果を御報告させていただきます。関係資料としては、資料7及び資料8を用意しております。
 以上でございます。

○石川委員長 それでは、議事に入ります。
 まず、事務局から第5次障害者基本計画(案)の修正の概要について説明をお願いします。

○立石参事官 事務局でございます。
 それでは、第5次障害者基本計画の案につきまして、前回の御議論を踏まえて修正した資料につきまして、主な修正部分について御説明をさせていただきます。
 資料1を御覧ください。なお、資料2につきましては、前回資料との新旧対照表となっておりますので、適宜御参考いただけますと幸いでございます。
 それでは、最初に資料1の12ページを御覧ください。
 総論の「4.各分野に共通する横断的視点」「(3)当事者本位の総合的かつ分野横断的な支援」の記載でございます。
 冒頭のところでございますが、前回の御意見で、障害のある人々が結婚して家族を形成することを支援するという視点を入れるべきとの御指摘があったことを踏まえ、障害のある方が結婚することを含めて、多様なライフステージを支援するという趣旨で、ここの最初のところからですが、「障害者の尊厳、自律及び自立の尊重を目指す条約の趣旨を踏まえ、障害者が多様なライフステージに対応した適切な支援を受けられるよう、教育、文化芸術、スポーツ、福祉、医療、雇用等の各分野の有機的な連携の下、施策を総合的に展開し、切れ目のない支援を行う」という形に修正を行っております。
 なお、今回の御指摘につきましては、以前にも同様の指摘をいただいていたところ、それを踏まえまして、第71回の政策委員会におきまして、各論の9のところ、御参照いただきます場合には56ページとなりますが、その「(2)経済的自立の支援」の1つ目の○のところで同様に、「障害者が地域で質の高い自立した生活を営み、自らのライフスタイルを実現することができよう、雇用・就業(自営業を含む。)の促進に関する施策と福祉施策との適切な組合せの下」云々といった形での修正も入れさせていただいていたところでございまして、今回は前回における御指摘も踏まえまして、さらに総論の部分におきまして、分野横断的な支援のところに重ねて追記をさせていただいたものでございます。
 続きまして、13ページを御覧ください。「(5)障害のある女性、こども及び高齢者に配慮した取組の推進」の「②障害のあるこども」の項目でございます。
 中頃のところでございます。「障害のあるこどもに対しても、地域社会への参加・包容(インクルージョン)を推進する観点等を踏まえた」としておりまして、前回はここのところで「障害児の」という言葉が入っておりましたところ、その前の「障害のあるこども」との重複感があるということで、ここを削除してはどうかという御指摘を踏まえ、削除をさせていただいたものでございます。
 続きまして、20ページを御覧いただければと思います。こちらは各論の部分になります。「1.差別の解消、権利擁護の推進及び虐待の防止」「(2)障害を理由とする差別の解消の推進」の関係でございます。
 20ページの6番目の○のところでございますけれども、ここでは国家資格の取得に当たっての合理的配慮などについての記載がありましたところ、前回、国家資格だけでなくてあらゆる資格ということを書くべきではないかとの御指摘を踏まえまして、基本方針案の検討におきましても資格とか試験に係る記載がありましたので、そちらと同様の書きぶりとさせていただくことといたしました。
 読み上げさせていただきますと、「各種の国家資格の取得等において障害者に不利が生じないよう、高等教育機関に対し、入学試験の実施や国家資格試験の受験資格取得に必要な単位の修得に係る試験の実施等において合理的配慮の提供等を促すとともに、国家資格試験の実施等に当たり障害特性に応じた合理的配慮を提供する。また、民間資格の試験を実施する事業者に対しても同様に、試験の実施等に当たっての合理的配慮の提供を促す」という書きぶりとさせていただいております。
 続きまして、23ページを御覧いただければと思います。「2.安全・安心な生活環境の整備」「(3)アクセシビリティに配慮した施設、製品等の普及促進」の部分でございます。
 こちらは極めて事務的な修正でございますが、法律の略称につきまして「バリアフリー法に基づき」という書き方にさせていただいたものでございます。
 引き続きまして、31ページ「4.防災、防犯等の推進」「(1)防災対策の推進」のところを御覧いただければと思います。
 4つ目の○のところでございます。個別避難計画に関連しまして、前回、個別避難計画部分はとても重要であり、誰がどのように避難を支援して命を守るのかということがとても重要、関連する総括所見も参考にしながら文章を修正してはどうかという御意見を踏まえまして、委員御指摘の総括所見における障害者、家族を含むコミュニティーが参画した災害に強いコミュニティーという趣旨を踏まえまして、「障害者に対する避難支援などの充実を図るため、福祉や防災などの関係者が連携し、避難確保計画、非常災害対策計画、業務継続計画、個別避難計画等の各種計画の策定や実効性の確保等を促進することにより、当事者参画の下、地域の関係者が協力し、安全な避難先を定めるなど計画策定を通じた災害に強い地域社会づくりにつなげる」という文章にさせていただいております。
 続きまして、37ページを御覧ください。「5.行政等における配慮の充実」の「(4)国家資格に関する配慮等」の部分でございます。
 こちらの修正も、先ほどの国家資格に関連して、基本方針での議論を踏まえた記載と同様に修正をさせていただきました。赤字のところでございますが、「高等教育機関に対し、入学試験の実施や国家資格試験の受験資格取得に必要な単位の修得に係る試験の実施等において合理的配慮の提供等を促す」という形で、基本方針と同様の書きぶりとさせていただいております。
 続きまして、38ページ「6.保健・医療の推進」「(1)精神保健・医療の適切な提供等」のところの1つ目の○を御覧いただければと存じます。前回の御意見といたしまして、精神障害のある方が地域で受け入れられているという感覚を持つために社会風土を形成し、支援体制を整備するという文言を入れてほしいという御指摘を踏まえまして、委員長とも御相談いたしまして、「精神障害者が地域で生活できるよう正しい理解を促進し、支援体制や社会資源を整備する」という書き方とさせていただいているところでございます。
 続きまして、39ページの1つ目の○のところに修正を入れさせていただいております。こちらは、その1つ上のメンタルヘルス不調の方への保健福祉センターでの心の相談について、地域包括ケアシステムをつくるということで、市町村が担うことが分かるような文章にしてはどうかという御指摘がありましたところですが、市町村の相談支援体制の整備という文脈で、1つ目の○の後段部分の方に追記をさせていただきまして、「また、身近な地域で、必要なサービスを切れ目なく受けられるよう、市町村における相談支援体制を整備するための支援を行う」という記載にさせていただいたところでございます。
 また、同じ39ページの一番下の○でございます。非同意入院につきまして、前回の御意見で、6月にまとめられた検討会の報告書も踏まえ、今後、非同意入院について検討課題とする旨の記述を加えるべきであるという御指摘を踏まえまして、新たな項目を立てさせていただき、「精神科病院において、誰もが安心して信頼できる入院医療が実現されるよう、今後非自発的入院のあり方などに関し、課題の整理を進め、将来的な見直しについて検討を行う」という文章にさせていただいております。
 40ページをおめくりいただければと思います。「(2)保健・医療の充実等」の3つ目の○でございます。国立障害者リハビリテーションセンターに関する記載でございますが、ここで子供のハビリテーションなどについても記載をしてほしいとの御指摘を踏まえまして、リハビリテーションにつきましてはハビリテーションも含めているということでございましたが、御指摘の趣旨を踏まえまして、子供が含まれているということを明確化するために、「国立障害者リハビリテーションセンターにおいて、乳幼児から高齢者までの重度・重複障害者等に対して医療から職業訓練・社会生活にかけて一貫した支援を提供する」といった文章に修正をさせていただいております。
 続きまして、48ページをおめくりいただければと思います。こちらは「7.自立した生活の支援・意思決定支援の推進」「(6)福祉用具その他アクセシビリティの向上に資する機器の普及促進・研究開発及び身体障害者補助犬の育成等」という項目のところでございます。そちらの2つ目の○でございます。
 日常生活用具の支援につきましては、この後、厚生労働省さんの方から改めて御説明があるところでございますけれども、それを踏まえて本日も御議論をと思っておりますが、前回の日常生活用具につきまして、必要な機器がなかなか手に入らない、円安の中での対応の必要性があるのではないかなど、給付制度の見直しや充実について御指摘があったことを踏まえ、御趣旨を踏まえて、「障害者のニーズや時代に応じた福祉用具等の普及を促進する」という形で文言を追記しているところでございます。
 続きまして、52ページ「8.教育の振興」「(2)教育環境の整備」のところでございます。5個目の○のところでございますが、公立小中学校施設の防災機能の強化につきまして、前回、災害時の電源確保について、命に関わることなのでしっかりと明記すべきとの御指摘を踏まえまして、「自家発電設備を含む防災機能の強化については」という形で明記をさせていただいております。
 続きまして、54ページをお開きいただければと思います。「(4)生涯を通じた多様な学習活動の充実」の4つ目の○でございます。こちらでは、いわゆる読書バリアフリー法とその基本計画を踏まえて、公共図書館等の連携による読書環境の整備の促進が書かれているところでございますが、そこで公共図書館、学校図書館と並べて視覚障害者情報提供施設についても追記すべきとの御意見を踏まえ、その旨追記をさせていただいております。
 続きまして、61ページ「10.文化芸術活動・スポーツ等の振興」の4つ目の○のところでございます。日本国際博覧会についての項目でございますが、「東京2020大会のレガシーを踏まえ、障害の有無にかかわらず全ての人が快適に移動でき」というのが元の案となっておりましたが、移動に加えて利用もできるようにという御意見を踏まえまして、「快適に移動や利用ができ、不安や不自由なく過ごすことができる施設を整備する」という書きぶりに修正をさせていただいております。
 資料1に関しまして、前回の修正点につきましては以上でございます。
 なお、資料3につきましては、関連する成果目標案についての資料となっておりますけれども、今回、資料3につきましては前回からの修正点はございません。
 資料の御説明については、事務局からは以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 次に、厚生労働省から、障害者の地域移行や日常生活用具の開発、給付、利用について、現状や今後の方向性、基本計画への反映の考え方などについて説明をお願いします。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査)厚生労働省でございます。
 Wi-Fiの都合があまりよくなくて、ビデオオフにさせていただければと思います。現在音声は聞こえていますでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、担当の方から説明をしたいと思います。

○厚生労働省(障害保健福祉部精神・障害保健課 戸部課長補佐) 精神・障害保健課で課長補佐をしております戸部と申します。
 現在審議中の法案等に関しまして、少し御報告も兼ねて御説明をさせていただければと思います。
 まず、政策委員会の委員の皆様におかれましては様々なお立場から貴重な御意見をいただいておりまして、感謝申し上げます。
 精神障害者の地域生活の実現に向けては、今国会に精神保健福祉法等の改正法案を提出しておりまして、先日国会での審議が始まっているところでございます。
 こちらの法案につきましては、精神障害を有する方がその状態に応じたサービスを身近な市町村を中心にして受けることができるよう、医療その他のサービスへのアクセスの確保と権利擁護の充実を図り、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を目指すものでございます。
 法案の提出に向けては、昨年10月から精神障害を有する当事者、家族の方にも御参加をいただき、議論を積み重ねてまいりました。
 厚生労働省といたしましては、国会で十分御審議の上この法案を成立させていただき、精神障害を有する方等の権利擁護がより一層推進されるよう引き続き取り組んでまいりたいと考えてございます。
 本日、4点を中心に、患者の権利擁護の一層の推進に向けた取組について御紹介をしたいと考えてございます。少々お時間を頂戴いたします。ありがとうございます。
 1つ目でございます。第1に、医療保護入院から任意入院への移行を進めるための施策についてでございます。
 今回の精神保健福祉法の改正法案につきましては、医療保護入院の入院期間を定める、また、精神科病院において地域の障害福祉、介護事業者との連携を義務づけるなど、入院患者の退院促進に向けた仕組みを拡充することとしてございます。
 医療保護入院制度につきましては、治療の必要性があるにもかかわらず、患者本人の入院の意思を確認できない場合に、患者の権利擁護に責任を有する精神保健指定医が入院治療の必要性を判断した上で、医師から十分な説明を受けた家族の同意に基づき入院を行うことで、患者の権利擁護を図りつつ、適切な医療へのアクセスを保障するものでございます。
 医療保護入院の患者さんについては、本人が同意できる状態になった場合には、速やかにその意思に基づき、任意入院や通院での治療に移行することが重要でございまして、適切な運用が図られるよう準備を進めてまいりたいと考えてございます。
 2つ目でございます。精神科病院における長期入院の現状についての認識及び解消に向けての考え方についてでございます。
 厚生労働省では、精神疾患の患者が地域で生活できる体制の構築を図るべく、障害福祉サービスの基盤整備や外来医療、訪問看護の充実に取り組んできたほか、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向け、よりきめ細かい対応ができるよう、平成29年度からピアサポーターによる退院支援、また、多職種チームによる在宅サービスの充実等の取組を進めているところでございます。
 こうした取組によりまして、1年以上にわたり入院されている患者数は減少の傾向にあるところでございますが、依然入院患者全体で6割以上を占める水準にあるというのが現状でもございます。
 今回の精神保健福祉法の改正法案については、医療保護入院の入院期間に6か月の上限を設ける、精神科病院の管理者に地域の障害福祉、介護事業者との連携を義務づけると先ほど申し上げた医療面に関する改正に加えまして、緊急時の対応や地域移行に向けた障害福祉サービスの体験利用等に関する地域の相談支援を強化するなど、地域の生活面での支援に関する改正を行い、退院支援に向けた取組を進めるものでございます。こうした取組が着実に行われていくよう関係省庁との調整を含め、地域の支援体制を充実させていくことが重要と認識しているところでございます。
 第3に、入院医療を必要最小限にするための予防的取組についてでございます。
 入院医療を必要最小限にするという観点からは2点ございます。1つ目、患者の緊急のニーズについて、受診前相談や入院外医療の充実を図ること。
 もう一つ、包括的支援マネジメントと呼ばれるものでございますが、本人を中心に、医療、障害福祉など、広く各方面の多職種の連携を確保し、訪問診療、訪問看護や外来患者に対する相談体制の充実を図ることでございます。
 1つ目の患者の緊急のニーズ、精神科救急医療体制の整備でございますが、そちらについては都道府県等を通じ、精神科救急医療の提供、精神科救急情報センターの役割を担う医療機関等への支援を進めているところでございます。
 また、包括的支援マネジメントについて、令和4年度の診療報酬改定におきまして、精神科外来に通院する一定の患者さんに対して、多職種による包括的支援マネジメントに基づいた相談支援を実施した場合の診療報酬上の評価の仕組みを創設しているところでございます。
 こうした取組は、精神疾患、精神障害の普及啓発と併せて行うことが効果的とされているところでございます。また、普及啓発の観点から、令和元年から10月10日の世界メンタルヘルスデーに合わせ、シンポジウムの開催や、動画配信等の普及啓発に関するイベントを行っているところでございます。また、令和3年度から、普及啓発の設計において、態度や行動の変容までつながることを意識したものが必要であるという観点から、心のサポーター、こちらは精神疾患への正しい知識と理解を持ち、メンタルヘルスの問題を抱える家族や同僚等に対する傾聴を中心とした支援を行うものとして考えてございますが、その心のサポーターの養成に向けた事業を開始しているところでございます。
 最後に第4点でございます。隔離・身体的拘束の現状や取組状況についてでございます。
 隔離・身体的拘束につきましては、その最小化に一層取り組むこととして、本年6月に取りまとめの検討会で示されたところでございます。検討会においては、精神障害を有する当事者の方や家族の方にも御参加をいただき、不適切な隔離・身体的拘束をゼロとすることが盛り込まれたところでございます。
 この不適切な隔離・身体的拘束をゼロとする取組につきましては、精神保健福祉法の規定に基づく行動制限について、代替方法の充実を図り、管理者のリーダーシップの下、より一層の最小化に取り組む必要があるとの議論を踏まえまして、このような理念を表現するために盛り込まれたものでございます。
 厚労省としても、今すぐ可能な取組について着手していく必要があると認識しているところでございます。そういった機会を設けるため、指定医研修の機会を活用し、国としても直接働きかけていくよう進めてまいりたいと考えているところでございます。引き続き精神障害者の当事者の方々をはじめ、関係者の方々の御意見を聞きながらしっかり検討を進めていきたいと考えているところでございます。
 長くなりましたが、法案等の関係も含めまして御説明させていただきました。機会をいただき、ありがとうございます。失礼いたします。

○厚生労働省(障害保健福祉部 自立支援振興室 奥出室長)引き続きまして、障害保健福祉部の自立支援振興室長の奥出と申します。
 私の方からは、日常生活用具関係について御説明をさせていただきます。
 資料の6ページ目につけておりますが、もう皆さん御承知のとおりだと思いますけれども、日常生活用具給付等事業に関して、実施主体であります各市町村の地域の実情に応じまして柔軟な形態で効果的な事業展開を行うと、地域生活支援事業の一つとして位置付けられております。こうしたことから、現状としては市町村が品目とか給付対象者、基準額等、詳細を定めることになっております。
 そのため、制度上、国においてそれぞれの用具の具体的な取扱いの記載ということはなかなか難しいですし、この事業の中で対象としています用具につきましては、オーダーメイドのものというよりは市販の製品でございまして、技術の進歩によりまして障害の方が使用することを想定した用具が多岐にわたるということもございます。そうした製品が市場に出回っているということもあります。その中で一定の種目なり基準額等を法律的に定めるということはそうした意味からも難しいですし、自治体の自由度を損なうということからもなかなか困難ではないかと考えております。
 そうした前提に立ちまして、これまでの取組といいますか、自治体が障害者のニーズに応じた日常生活用具を対象品目にそろえる取組への支援といたしまして、例えば資料にありますように、毎年行っているのですけれども、全国課長会議の中で定期的に当事者の方の意見を聴取するなどによってニーズを把握し、実勢価格をきちんと調査した上で、地域の実情に即した種目、基準額となるような定期的な見直しに努めていただきたいということをお願いしているところでございます。
 また、スライドの下の方に調査事業と書いておりますけれども、そうした自治体の定期的な見直しの参考とするために、令和2年度の障害者総合福祉推進事業の中で、日常生活用具給付等事業について全国の市町村を対象にアンケート調査を行いまして、その成果物についてフィードバックをして参考にしていただいたところがございます。
 そうしたものを提供してきましたけれども、さらに自治体の見直しがより効果的に行われるように、今、申し上げた自治体のアンケートの中でも、定期的に見直しを行う上での課題といいますか、ニーズ把握とか製品情報の把握というところに苦慮しているということも聞いておりますので、今後はさらにこうした自治体への情報提供なり定期的見直しの取組の支援をより詳細に行っていくことを考えておりまして、今、一部の自治体からもいろいろと話を聞いております。
 そうした中で、例えば技術の進歩に応じた新しい製品であるとか、そういったものをほかの自治体では採用しているであるとか、この自治体はこうした見直しのプロセスを経た上で定期的に見直しを行って当事者の団体からも評価を得ていますとか、そうしたところを細かに把握するなどを通じて、それをまた自治体に提供することによって自治体の定期的な見直しへの支援をこれまでよりも進めていきたいと考えております。
 こうした取組を丁寧に進めて、地域の障害者のニーズを踏まえた対応を自治体に行っていただくために、私どももこれまでどおりの対応ではなく、少し加えまして、自治体の実際の取組が地域の中で評価される事業になるように考えていきたいと思っております。
 今回は、計画の本文の中では入念的に障害者のニーズというものを加えたということでございまして、具体的な今後のことは書いておりませんけれども、私どもの考え方としては、これまでの自治体支援というものをもうちょっと加速化といいますか、より自治体が考えやすいものにするということが今後の私どもの取組の方向性でございますので、御理解いただければと思っております。
 厚生労働省は以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 続きまして文部科学省から、インクルーシブ教育について、現状や今後の方向性、基本計画への反映の考え方などについて説明をお願いします。

○文部科学省(特別支援教育課 山田課長)文部科学省特別支援教育課長の山田でございます。
 今日はお時間を頂きましてありがとうございます。資料6に当方からの資料を用意しておりますので、御覧いただきながらお聞きいただければと思います。
 まず3ページですが、この横の流れ図が我々の方で指導している障害のある児童生徒の就学先決定の在り方です。
 例えば点線の中を御覧いただきますと、2つ目に保護者の意見聴取・意向確認が必ず必要になってくるということと、下の四角に書いてございますが、その際は本人の意向を尊重することということを、我々としても障害者基本法等に基づいて指導をしているところでございます。その後、専門家からの意見聴取をし、合意形成をし、通知をするという流れになってございます。
 実際に今どういう数字になっているかというのが、4ページでございます。青いところ、義務教育段階の全児童生徒数は0.9倍、10年間で1割減しているところですけれども、特別支援教育を受ける子供たちは年々増えてございます。中でも一番多く増えているのが、一番下の通常の学級に在籍しながら通級による指導を受けている子供たちがこの10年間で2.5倍ということで、かなり増えていると認識してございます。
 5ページが、特別支援学校と学級の人数の推移と内訳でございます。
 特別支援学校は左側ですけれども、知的の子供、水色っぽいところが伸びているので増えているという状況で、逆に視覚とか聴覚は減少の傾向にございます。
 特別支援学級については、一番上の黒っぽいところと下の方の青っぽいところ、上が自閉・情緒で下が知的障害ですけれども、この2つが大きく増えることによって増えているという状況を御覧いただけると思います。
 6ページは学年別に輪切りをした数値でございます。薄い水色が特別支援学校の小学部、濃い水色が中学部、黒が高等部となってございます。御覧いただけますように、小学部より中学部、中学部より高等部の方が在籍者数が多くなって、もともとは小学校に通っていた子が中学部へ、中学校に通っていた子が高等部へ通うという状況が見てとれる。学年が進行していくとついていくのが難しくなって、特別支援学校を選択される保護者、御本人が多いと分析をしてございます。
 簡単に特別支援学校での学習内容の中身の御説明を申し上げますと、例えば7ページは小学校の低学年をイメージしておりますけれども、生活科というものがございまして、より障害のある子の生活に密着したことを重点的に教えるような内容になっております。例えば食事とかトイレが先生と一緒にできるようになるというような、基本的なところをじっくりとやるような内容になっております。
 反対に、学ぶ内容が難しくなってきた場合、例えば8ページは中学校の理科の物質ですけれども、イオンとかアルカリとかそういったもの、目に見えにくい、概念として捉えにくい内容がだんだん出てまいります。そういうときに特別支援学校の中学部では、物質でもより分かりやすい形と重さとか、温度とか、体積とか、どちらかというと視覚的に分かりやすいようなものを中心に学んでいくというカリキュラムの工夫がなされております。
 以上が特別支援学校で主に何をやっているかということでございまして、11ページからは、特別支援学校を選ばずに、障害のある子が通常級に来たときにどんなサポートがありますかということの説明でございます。
 何回も話に出ております通級による指導は、週に1回とか2回とか、自立活動を実施するために取り出して教えられるものです。
 文科省の取組を左下に書いてございますけれども、今は加配という仕組みだったのですけれども、文科省に何千人、何百人という先生のプールがあって、北海道には何人つけよう、青森県には何人つけようとやっているのが今の仕組みだったのですけれども、それを人数が増えれば増えるだけ教員を配置するという方針に、今、10年計画で変えてございまして、令和8年度にこれが完成し、子供が多くなれば多くだけ教員定数が加えられるという基礎定数化を進めております。
 そういったことを進めているということもございまして、12ページは言語障害、一番下のところが多いですけれども、上の発達障害の通級指導の対象者もかなり多く増えておりまして、先ほど申し上げましたように9年間で2.5倍という状況になってございます。
 また、13ページ、14ページは特別支援教育支援員ということで、教室に入る2人目の大人として子供の生活や学びをサポートしている。これは地方財政措置もしておりますし、14ページにあるように、学校教育法施行規則にもこういう職があるのですよということを改めて定めまして推進を図っているところで、15ページにございますとおり毎年増えているという状況がございます。
 では、今後どうするのですかという話でございますが、ジュネーブで出されました勧告でございますとか、現在我々が通常級の発達障害児の調査を実施しておりまして、それは近々公表される予定でございますけれども、その内容と併せまして、「通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議」という会議を設けておりまして、そこの中で今後の進むべき方向性、どのように通常級の通級指導などを充実していくかということを含め、議論をしていきたいと思っております。
 インクルーシブについては以上なのですけれども、前回の会議で御指摘を頂いたことについて若干御説明を補足させていただきたいと思います。
 教員の専門性について記述を削除すべきではないかという意見が中野委員からあったので、御議論の結果削除していただいても構いませんけれども、やっている内容を御紹介したいと思います。
 18ページにありますように、特別支援学校だとか特別支援学級の教員のうち臨時的任用、年度単位で採用されるような方の占める割合が、残念ながら通常級の先生に比べて大変高くなっております。もちろん臨時的任用の方の中でも専門性の高い方はいらっしゃるのですが、正規雇用ではないので継続性や育成という観点からすれば、かなり残念な状況になっています。
 結果、19ページのように、特別支援学級は小中学校の8割以上に設置されているのですが、管理職、校長先生、教頭先生が障害児に向き合ったことがあるのですかというと、右下にありますように、特別支援学級を置いている学校の校長先生なのですけれども、障害児に向き合ったことがないという先生が7割、8割いるという状況があります。20ページにお示ししたように、今年の3月に取りまとめていただき、我々が通知をしましたけれども、例えば前回お話しいただいたところで言うと、真ん中の少し左の「②採用段階での工夫」というところで、採用後10年以内に特別支援教育を複数年経験するとか、③の一番上ですけれども、「管理職の任用にあたり、特別支援教育の経験を考慮」という形で、障害児がいるのが当たり前の学校の中でそういった専門性を育んでいきたいという取組を我が省としては進めているということの御紹介でございます。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、ここから審議に入りたいと思います。途中で休憩を挟みまして、全体で2時間程度審議時間を確保しております。前半は、特に総括所見でも強調された19条及び24条、ちょうど本日御報告いただいた厚生労働省及び文部科学省所管の分野を中心に、第5次の基本計画でさらに議論が必要な点、盛り込むべき項目等について御意見をいただきたいと思います。
 それでは、意見のある委員は挙手ボタンで意思表示をお願いします。
 最初に片岡委員、お願いします。

○片岡委員 全国地域生活支援ネットワークの片岡です。
 1点だけ、前回並びに前々回委員会でも発言させていただいたことが反映されていませんので、再度発言させていただきたいと思います。
 資料1の45ページ、「(3)地域移行支援、在宅サービス等の充実」の下から2つ目の○の部分です。「また、地域生活支援拠点等については、緊急時の受け入れ・対応や体験の機会・場などの役割を担う」という箇所を「また、地域生活支援拠点等については、緊急時の受け入れ・対応並びに入所施設や病院・親元からグループホーム・一人暮らしなど、地域生活への移行の役割を担う」という記載にしていただきたいということに関してです。
 このことは、今年3月にまとめられた地域生活支援拠点等の機能充実に向けた運用状況の検証及び検討の手引を根拠にしていることも、前回、前々回委員会でお伝えいたしましたが、その手引では、地域生活支援拠点について2つの役割と5つの機能ということで整理されております。地域生活支援拠点の役割について書いている箇所ですので、地域生活における安心の確保ということと、地域生活への移行の支援の2つの役割を記載するべきであると考えております。
 現状の「緊急時の受け入れ・対応や体験の機会・場などの役割を担う」という文言は、緊急時の受け入れ・対応という役割のうちの一つが記載され、体験の機会・場という5つの機能のうちの一つが記載されているという少しちぐはぐな文言に読み取れる状況です。地域生活支援拠点の役割を記載している箇所ですので、緊急時の受け入れ・対応に加えて地域生活への移行、この2つの役割を記載していただきたいと思います。この意見に関しましては、ぜひほかの委員の皆様がどうお考えかをお聞かせいただきたいです。
 以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。

○石川委員長 ありがとうございます。
 異論はないかと思うのですけれども、まず厚労省、いかがでしょうか。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査)申し訳ございません。担当者が今回出席しておりませんでして、確認してまた御相談をさせていただきます。

○石川委員長 片岡委員、ほかの委員の意見をお聞きになりたいということなのですけれども、これについては議論が分かれる部分があるかもしれないということでしょうか。もうちょっと教えていただけますか。

○片岡委員 議論が分かれるとは思っていなくて、適切なことを言っているつもりなのですけれども、2回発言させていただいて反映がされていなかったもので、何か問題があるのかなと思いまして、意見を伺いたいという発言をさせていただきました。

○石川委員長 事務局、調整の方で何かありましたでしょうか。

○立石参事官 厚労省さんとの関係では、御意見・御指摘については検討中とお返事をいただいているところでございます。

○石川委員長 では、次回までには回答が得られると思いますので、お待ちいただければと思います。引き続きお願いいたします。

○片岡委員 ありがとうございます。

○石川委員長 では、門川委員、お願いします。

○門川委員 発言の機会をありがとうございます。門川です。
 前回とその前もですけれども、日常生活用具、福祉用具に関することで発言させていただきました。その結果、今回の第5次基本計画改定案に障害のニーズというのがつけ加えられていますけれども、これを読んでもぴんとこないところがあるのですね。
 それで、少しこちらで提案をさせていただきたい文を考えてみたのですが、例えば「時代に応じた障害者のニーズに対応した福祉用具(情報機器を含む)などの普及促進に向けて、日常生活用具給付要件等の見直しなどについて検討をする」もしくは、日常生活用具としてふさわしくない場合は、補装具ということも検討してみてはどうかと思って提案をさせていただきました。
 具体的に言いますと、点字ディスプレイです。皆さんは点字ディスプレイを御存じでしょうか。パソコンもしくはスマートホンなどを、視覚に障害のある人や盲聾の人が点字で確認しながらパソコンやスマホを操作するために必要な機器で、一番安くても1台20万円、平均で40万円、いいものになると60万円以上します。そして、今は社会全体が物価が高い時代になっているので、当然値上げしています。現在の障害者の所得では、こうした点字ディスプレイを購入するのが非常に難しい。特に一番必要としている視覚と聴覚の両方に障害のある盲聾者の多くは年金生活です。定職を持っていない人がほとんどです。
 今は家にテレビが必ず家族分あるのと同じように、パソコンやスマホも1人に最低1、2台以上ある時代です。そんな時代に対応していくように、デジタルデバイドを解決していくように、パソコン用にはスタンドアローン用のディスプレイを設置する、外、スマホ用には携帯用のディスプレイを使うといった使い分けができるといいと思っています。
 例えばの話ですが、市町村によって、具体的には、私が住んでいるところは点字ディスプレイは1回しか支給できないと言われます。つまり、壊れてしまったら、あとは自分で購入するしかないです。こんな高いものを壊れるたびに買わなければいけなくなります。このようなことを今度の第5次基本計画で何とか改善していっていただきたいと思って提案しています。厚生労働省さん、よろしくお願いします。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 厚労省の奥出室長に御発言いただきたいのですが、次の辻委員はこちらの地域生活支援事業に関わる御発言でしょうか。関連であれば先にお聞きしようと思います。

○辻委員 和泉市の辻でございます。
 3点ございまして、地域の実情という点につきまして、日常生活用具の点も1点質問がございますけれども、どうしましょう。3点あるのです。

○石川委員長 まず先に1点だけお聞きして、奥出室長に発言していただいて、また辻市長に戻します。

○辻委員 ありがとうございます。
 資料5の6ページにございます日常生活用具の給付に関しまして「地域の実情」とあるのですけれども、何をもって地域の実情と示されているのかという点です。国の方はガイドラインを示すのが難しいというお話がありましたけれども、地域間格差がありまして、品目とか耐用年数が自治体ごとに違うことがあるのです。ところが、障害につきましては、聴覚にしましても、視覚にしましても、地域の格差はないわけでございまして、その辺をきっちりと、どこに住んでいても同じようにサービスが受けられるような、地域間格差をなくすようなガイドラインを厚生労働省の方で示していただけたら非常に使い勝手がいいものになるのではないかと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございます。
 私も全く同じことを発言しようと思っていたのですけれども、地域生活支援事業のメニューはたくさんあるわけですが、日常生活用具の給付事業に関してのみ国が指針を出せないのでしょうか。あらゆる地域生活支援事業について、国は指針を出したくても出せないという制度的な縛りがあるのかどうか。奥出室長にはその点も含めて御回答いただきたいと思います。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査)厚生労働省でございます。
 大変恐縮ですが、室長の奥出は別件の業務がございまして、ただいま離席しており、回答を申し上げることができません。いただいた御指摘につきましては、改めて回答という形にさせていただければと思います。申し訳ございません。

○石川委員長 基本計画の策定の期限が近くなっておりまして、事務局の方で御回答いただいて、今期の基本計画に何らかの形でもう少し具体性を持って反映させたいと思っているのですけれども、自立支援振興室の方は本日は離席された状態ということでしょうか。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査)ほかの用務の都合がございまして、今日回答を差し上げることが難しいと思います。申し訳ございません。

○石川委員長 説明をされたら今度は委員から質問があってそれに回答する、そこまでがセットの話なので、説明だけして退席されるというのは何か非常事態が起きたのでしょうか。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査)ただいま国会開会中でして、その関係で離席しております。申し訳ございません。

○竹下委員 発言したいのですけれども、よろしいでしょうか。

○石川委員長 竹下委員、どうぞ。

○竹下委員 今の点は非常に大事な問題なので続けて発言させてください。
 実は、日常生活用具につきましては、ガイドラインが全くないわけではありません。平成4年だったと思いますが、厚生労働省がテクノエイドに委託してガイドブックをつくらせております。そのガイドブックがいまだ一つの基準ないしは指針となっておりまして、それに基づいて地方自治体が運用しているというのが実態です。
 私たちはこの件について、これまでも厚生労働省に対して、あまりにも地域間格差が大きい、しかも、地域の特性でも何でもない格差が出ているので、ガイドラインの作成をお願いしてきているのです。その中で、もう時代も大きく変わってきているので、平成4年のガイドラインを改定すべきだということをお願いしているということをつけ加えておきたいと思っております。

○石川委員長 ありがとうございます。
 この件の対応について、事務局としてどのように厚生労働省と調整していただけるか、事務局の方で説明をいただけますか。

○立石参事官 事務局でございます。
 本日は御説明と御議論ということでお願いをしていたものでございますが、こういったことになりまして大変申し訳ございません。
 日常生活用具の関係につきましては、本日いただきました御指摘を踏まえて、次の案の時にどのように反映できるかということを含めて、厚労省さんと協議をさせていただければと思っております。
 本日は、せっかくこういった場にしておりましたところ、大変申し訳ございません。

○石川委員長 よろしくお願いいたします。私も引き続き、この点については具体的な計画への盛込みを目指したいと思います。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査)今の日常生活用具の関係で少し補足させていただいてもよろしいでしょうか。

○石川委員長 どうぞ。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査)前回、前々回までの御指摘を踏まえまして、ただいま厚労省の方から内閣府の方に、今回の資料によると48ページの(6)の2つ目の○のところで、今の「促進する」の後ろに「日常生活用具の給付・貸与については、市町村の実施状況について情報収集を行い、品目や対象者、基準額などの見直しに資する効果的な取組を発信し、地域の障害者のニーズを踏まえた対応を促していく」というように修文案を検討しておりまして、現在内閣府の方に登録をさせていただいているところです。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございます。
 それに加えて、やはり指針が必要だと思います。そのために、例えば自治体や事業者あるいは有識者などを含めた検討会議を開くということも必要でしょうし、古い指針を無視していいですよということを発出するだけでは、非常に多岐にわたり専門性も要る、判断も要る、日常生活用具の対象であるとか、給付額であるとか、その他様々なことについて、個々の自治体がそれぞれ独自に調査して判断をするというのはあまりにも効率的でないというか、非合理的だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、辻市長、お願いします。

○辻委員 資料1の52ページと、先ほど御説明もいただきましたけれども、文科省さんの資料6の20ページにもありましたけれども、特別支援学級等に10年目までの教員を複数年配置することの是非について意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 全ての教師が特別支援教育に関する理解を深め、専門性を持つことが重要という考え方については全く同感でございますけれども、教師が経験を積んでいく、また、理解を深めていくという点ではそのとおりなのですけれども、障害のある子供さん一人一人の教育的ニーズに対応して全ての子供たちの可能性を引き出す、個に応じたきめ細かな学習という子供視点で見た場合にいかがなものかということがございます。専門性のない教員を機械的かつ一律の複数年配置をしていくということについては、少し無理があるのではないかと思います。
 その教師のスキル、また、理解を深めていくためには、校内の通常の学級と特別支援学級、通級指導教室、特別支援学校との間で交換授業や授業研究をするなど、現場で学ぶだけではなくて、それ以上の研修を積んでいって、それを学級で生かせるという事前の研修を充実させていく必要性があると思いますし、一律に新任教員だけに任せるというのではなく、そこにベテランも入れて教師間の交流で新任教師をスキルアップしていくという人材育成の仕組みをつくっていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
 もう1点は文言の訂正だけなのですけれども、資料7の10ページ、「2 対応要領」の(1)の5行目、「国の行政機関の長及び独立行政法人等は、対応要領の作成・変更」とあるのですけれども、その下の「3 地方公共団体等における対応要領に関する事項」の2行目に関しまして「地方公共団体等において対応要領を作成する場合には」とあります。これは本来でしたら「作成・変更する場合には」でないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 文部科学省、山田課長はいらっしゃいますでしょうか。

○文部科学省(特別支援教育課 山田課長)私はまだいます。
 今、市長がおっしゃったことはそのとおりだと思っていまして、単に新しい若い先生にお任せしてほったらかしで学ぶことはできないと思っています。10年間で複数年と原則をお示ししておりまして、プラス研修の必要性はおっしゃるとおりでございますし、人事交流などによって経験を積むこと、また、10年間で一律が難しい場合の例示も幾つかさせていただいておりますけれども、その中の一つとして、例えば複数学級あって、ベテランの先生が真ん中で引っ張っていってくれて、若手の先生がそれを見ながらやるとか、そういう体制が組めない場合も難しいというのは我々も承知しております。
 ただ、一方で、先ほどお示ししたように、今、放っておくと毎年毎年雇い替えになる臨時的任用の先生ばかりが特別支援を担っているという状況は変えて、正規の教員もしっかりと経験を積むようにしていかなくてはいけない。
 先ほどおっしゃったように、今、専門性が高い先生ばかりで特別支援学級、通級ができていればいいのですけれども、実際には全然そういうことになっていなくて、臨時的任用の先生にももちろん専門性が高い先生もいらっしゃるのですけれども、専門性が必ずしも高くない臨時的任用の先生が担っている状況があるので、何とか我々はその状況を変えていきたいという気持ちでこのように進めているところです。
 繰り返しになりますけれども、5次の基本計画に御記載になるかどうかというのは、この委員会の御判断だと思っております。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、三浦委員、お願いします。

○三浦委員長代理 3点、手短にございます。
 資料の40ページ、修文の入りました「(2)保健・医療の充実等」の3つ目の○です。「乳幼児から高齢者までの」とありますけれども、「重度・重複障害者等に対して」と続きますので、修文提案は「乳幼児期から高齢期までの」としたらどうかということを提案いたします。
 続きまして、45ページです。先ほどの片岡委員の部分なのですけれども、(3)の下から2つ目の○、私も「また」以降が気になりました。体験の機会の辺りの修文は片岡さんに賛成で、その前の部分で「緊急時の受け入れ」とありますけれども、緊急時の前に「災害や虐待時など緊急時の受け入れ」という文言を入れていただきたいという提案です。
 続きまして、47ページの(5)の2つ目の○で、「障害福祉サービス事業所等の職員が、共生社会の理念を」とございますけれども、共生社会の前に「障害者権利条約をはじめ共生社会の理念を理解し」と「条約をはじめ」という文言を追加していただきたいと思います。これは条約の一般的義務でもありますし、研修が足りていないということを障害福祉サービス事業所として感じておりますので、追加提案をいたします。
 よろしくお願いいたします。

○石川委員長 御異論はないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 では、竹下委員、お願いします。

○竹下委員 ありがとうございます。日視連の竹下です。
 3点お願いしたいと思います。
 まず「はじめに」のところで、2ページになるかと思うのですが、その中の今後のあり方、目指すべきところですけれども、ポツの3つ目の後にこういう文言を入れていただくことがデジタル庁との関係で必要かと思うのです。私のつくった文章をそのまま読み上げてみますと、「デジタルの活用により一人一人の障害者の特性やニーズあるいは希望に即したサービスを選ぶことができ、障害の有無にかかわらず多様な幸せが実現できる社会」という文言を入れていただければ流れがよくなるのではないかというのが1点目です。
 次は疑問になるのですが、6ページに「総括所見等も踏まえて議論が行われ」とあるのですけれども、この後少し議論があるのかもしれませんが、端的に言えば、私は総括所見に基づいた議論を踏まえた第5次基本計画になっていると思えないのですね。こういう文言を入れるからには、十分その議論をちゃんと確保してからにしていただくか、言い回しとしては、第5次基本計画の実施の中で総括所見を踏まえた議論を行うという形でないとおかしいのではないかというのが2点目です。
 3点目は7ページになるかと思うのですけれども、ここに「意思疎通のための手段について選択する機会の確保」という言葉があった後に、今度は「情報の取得又は利用」の部分で「選択する機会の拡大」とあるのです。これは前にも指摘したかと思うのですけれども、非常におかしいと思うのです。少なくともこの法律の関係も、新しく出た情コミ法の関係も含めてでしょうけれども、拡大ではなくて、こちらの後半の「情報の取得又は利用」の部分も「選択する機会の確保」とすることが必要ではないかと思っております。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 2点目につきましては、今、厚労省及び文部科学省に特にプレゼンテーションをしていただいて、行っていることも含めて、総括所見を踏まえた上での検討をようやく始めているという状態で、今回の基本計画の射程といいますか、策定できる範囲内で、かつ、総括所見を踏まえて何が書き込めるかということは難しい問題ではありますけれども、検討して現状可能な限り総括所見を踏まえた基本計画にできたという実感が得られた場合には、これを書き込むみたいな形かなと私としては思っております。事務局の考えもあると思いますので、それは休憩後にしたいと思います。差し当たりは厚労省と文科省からのプレゼンを踏まえての質問を中心に、前半は、もう少し発言を希望されている方がいらっしゃるので、そちらの方に発言権をお渡ししたいと思います。
 デジ庁に対する提案については、今日デジ庁から即答が可能であればデジ庁あるいは事務局、即答が可能でなければ次回までの検討とさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、阿部委員、お願いします。

○阿部委員 日本身体障害者団体連合会の阿部です。
 今日は文科省の山田課長から説明をいただきまして、内容を知ることができました。質問になるのですけれども、通常の学級から通級による指導に関しては、知的障害の方は在籍できないものなのか。この資料から見ると在籍できないことになっているように思います。共に学ぶ機会は知的障害の方にはないのかなと思いました。
 それとの関係なのかもしれませんけれども、25ページ、26ページでは、このまま読みますと、特別支援学級を利用している児童の方が通常学級を利用する場合ということで書いてあるものなのかなと思います。そうすると、特別支援学級で学びながら通常学級で授業を受けることは可能になっているケースもある、またはそういう地域があるのかということをここで考えましたので、その辺のことをお伺いします。
 それから、文科省の13ページに、幼稚園にも公立幼稚園で、公立だからか分かりませんが、平成21年度から特別支援教育支援員の地方財政措置が可能になっているということですけれども、文科省だから幼稚園なのかもしれませんけれども、保育園とか認定こども園を利用している子供さんたちに対しての様々な措置というのは、この基本計画に書いてあったのかどうかが私も分からなくなりましたので、関連で言うと、52ページの8-(2)―2で幼稚園、小・中学校、高等学校における体制整備が書いてありますけれども、同じ年齢の子供であるとしたならば、幼稚園に該当する保育園、認定こども園にいる子供さんたちについてはどうなのかということを確認したいと思いました。
 今度は51ページの下から2つ目の○、8-(1)-11です。よく読むと自分自身が分からなくなったので、「障害の早期発見や早期支援につなげるため、個別の教育支援計画等も活用し」というのは、学校に入って就学してから教育支援計画なども活用だと思うのですけれども、続けて読んでいくと「医療、保健、福祉等との連携の下」、今度は「乳幼児に対する健康診査や就学時の健康診断の結果」と読んでいくと、時系列な順序立った理解ができなくなったもので、修文してこのようになったのだと思うのだけれども、分かりやすく説明していただきたいと思います。
 24条については以上なのですけれども、もう1点、11条関係でコメントだけさせていただきたいと思います。
 32ページの4-(1)-12なのですけれども、「災害発生後も精神障害や発達障害など障害の特性により障害者が在宅にとどまる場合に必要となる情報の収集や」何とかとなっているのですが、これを読みますと、精神障害の方、発達障害の方はあたかも在宅にとどまるということが多くの人に伝わってしまうような気がしました。
 確かに避難所では、精神障害の方、発達障害の方は、例えば11年前の東日本大震災でも大変だったと思いますけれども、それは避難所運営に関してしっかりこの方々への理解ができなかったからだと思っていました。この文章だけだと、精神障害、発達障害の人は自宅でと受け取られないようにと思って指摘いたします。
 むしろ避難所運営に関しては、障害の特性を踏まえた避難所運営にすべきだというのがどこかにあるべきなのかなと思いながら、このままだと誤解を招くように受け取ったのは私だけなのかどうか、そのことも含めてコメントをさせていただきました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 11条に関しては、休憩の後にと思います。
 それ以外の点について、時間が押してまいりましたので、厚労省、文科省、もし可能であれば委員からの意見を全部お聞きした上でまとめて御回答いただくということで、ちょっと負担になりますけれども、対応は可能でしょうか。
 では、そのようにさせていただきたいと思います。
 佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。
 3点あります。  まず1つ目は、片岡委員がおっしゃったことに私も賛成です。資料1の45ページの下の地域生活拠点のところなのですけれども、ここは厚労省の資料でも2つの役割と5つの機能ということが明記されていますので、ぜひこれを盛り込んでいただきたいと思います。
 2点目は、厚労省様への質問です。国会で現在審議されている改正法案について御説明いただいてありがとうございます。厚労省として9月に出された総括所見の検討は、今後どういうスケジュールでやられるかというのを教えていただきたいと思います。
 総括所見では、パラグラフ32で非自発的入院の廃止を求めています。今回の精神保健福祉法の改正では、市町村長同意で医療保護入院ができるようになったり、また、入院期間は6か月と定められますけれども、これは繰り返し何度でも延長できるという仕組みです。そのため、長期入院を防ぐものにはなっていないのではないかと思います。虐待防止も障害者虐待防止法ではなく同じ法律の中でということで、不十分な仕組みではないかと考えています。総括所見を踏まえた内容ではない。むしろ逆行した内容ではないかと危惧をしております。
 総合支援法の改正も、今回、総括所見が出てから時間がなかったので、十分には議論されていないと思います。こういったことを踏まえて、今後、総括所見の検討を厚労省としてどのようなスケジュールでやられるのかということをぜひ教えていただきたいと思います。
 3点目です。文科省様の御説明を聞いていたのですけれども、これを踏まえて、ぜひ来年この政策委員会で総括所見の分析をしっかりやっていただきたいと思っております。総括所見のパラグラフ52では、分離教育をやめるように求めています。文科省様から御説明いただきましたけれども、総括所見を踏まえた討議が必要だなと思いました。条約が求めているインクルーシブ教育と現在の日本の教育との乖離が大きいと思いました。
 具体的に言うと、条約は場を分けないということをとても重視しているのに対して、日本の場合は場を分けているところが大きな根本的な違いだと考えています。総括所見を政策委員会で取り上げて、条約実施を進めていくのにはどのような課題があるのかということを、1条から33条までぜひ突っ込んだ議論をすべきだと思います。政策委員会は条約の国内監視機関ですので、ぜひ来年度、議論ができるように御検討いただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 米山委員、お願いします。

○米山委員 全国発達支援協議会の米山です。発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 細かい文言の修正も含めて8点ございます。
 まず一つは、先ほどの48ページの(6)、あと、厚労省様の7ページの「日常生活用具給付等事業の概要」というところで、ちょっと細かい点なのですけれども、「在宅療養等支援用具」の中で、医療的ケア児も含む人工呼吸器の必要な方については、災害時にも利用できる手動式の人工呼吸器、通常はアンビューバックといいますけれども、それがあると災害時に電源が落ちても人工でできるということになっていますが、大体2~3万円かかるのです。それは私の理解している限りだと、地域によって自費購入となっていますが、東京都などは全体を給付するとなっています。
 図を見ますと電気式たん吸引器も書いてありますので、アンビューバックという手動式人工呼吸器も購入できる文言に入れていただけると、災害時の電源が落ちたときでもそれが利用できるので、ぜひ入れていただきたいということがあります。

○石川委員長 米山委員、文言修正等、丁寧な御意見をいただいて感謝いたします。時間の関係もあって、修文等あるいは細部に関わる御提案については、後半の時間に時間がありましたら必ず御発言の機会を提供いたします。

○米山委員 では、もう1点だけ。
 40ページにございます特別リハビリテーションセンターのところを先ほど説明いただきましたが、ここに障害のある子供については、小児専門の医療機関、発達支援機関と連携、協働したハビリテーション手法の開発や試行的サービスということで入れていただきたいのと、ここで議論をしていただきたいことがございます。
 実は障害者権利条約の26条は、ハビリテーション及びリハビリテーションという表現になっています。ところが、子どもの権利条約の23条では、実はリハビリテーションという翻訳といいますか、実際に英文もRehabilitationということになっていて、小児領域では、今は先天的あるいは知的障害もリハビリではないのでハビリテーションという言葉を使うように理解していますけれども、その言葉の統一を図るかどうか。
 要は、今はリハビリという段階なのか、あるいは今回子供のことを取り上げていただいたので、この中にハビリテーションという言葉を組み込むか、言葉の使い方について議論を願いたいと思います。
 あと細かいことについては後にいたします。

○石川委員長 御協力ありがとうございます。
 ハビリテーションについては議論が必要かと思いますので、これも休憩後にもう一度取り上げたいと思います。
 玉木委員、お願いします。

○玉木委員 玉木です。ありがとうございます。
 今回は、文科省の話を聞かせていただいてよく分かりました。1点は質問なのですけれども、資料6の15ページ、特別支援教育の支援員の推移ということで、増えていっていますよということはよく分かるのですけれども、できればこれを小学校、中学校、高等学校別に出していただきたいと思いました。
 理由としては、私たちの地元でも小学校では手厚く支援員がついているのだけれども、中学校に行くと支援員が小学校と同等につくわけではないのですよという教育委員会の説明があって、なぜかなと思っていたら、今日の文科省の説明でいくと、やはり教科学習中心の学校教育であるから、勉強についていけなかったら普通学級には入れないという前提が原則あるのかなと感じたので、それが気になっています。
 やはり御説明いただいたように、特別支援学級を設置している普通の学校にいらっしゃる校長先生が7~8割、特別支援教育について理解されていないということであれば、幾ら特別支援教育の支援員が配置されたとしても、受入れの問題でいろいろ問題が出てくるのかなと思っています。
 仮に特別支援学級が嫌で通常学級に促すと言ったとしても、促した結果、通常の学級で特別支援教育の支援員がつかなければ全く意味のない話になるのかなと思っています。
 最後に、懸念事項として申し上げますと、前回委員の中から、この計画を考えるときには総括所見をベースにして考える必要があるのではないかということで、私も改めて調べていったのですけれども、若干気になることがあったので、そこの確認だけして終わりたいと思います。
 竹下委員とか佐藤委員がおっしゃっていたように、総括所見を踏まえるというのは分かるのですけれども、総括所見の一般原則と勤務というところで1条から4条までに条約の日本語訳が懸念事項として、特にインクルージョン、包括的コミュニケーション、アクセシビリティ、特定の生活様式、個人的支援、ハビリテーションの用語の不正確な翻訳ということを懸念されている。
 一方で、勧告として、条約の全ての条項が正確に日本語に翻訳されていることを確認することと書かれているので、今日説明いただいたことが本当に現行の権利条約の日本語訳を書いた上での説明なのか、現行の日本語訳に基づいた説明で言っているのかということで、以後の論議は変わってくるのではないかと思っているので、すぐにとは言いませんけれども、併せて現在の日本語訳自体から見直しを始めないと、本当の意味での総括所見というのがこの計画上にも反映されないのではないかということを少し心配しているので、そこだけ意見が言いたかったのです。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 まだ発言を求めておられる委員が多数いらっしゃいまして、1回休憩を入れたいと思います。厚労省と文部科学省は休憩後も御出席いただけると確認しておりますので、1回息を入れたいと思います。2時50分再開で大丈夫でしょうか。
 2時50分再開とさせていただきます。

(休憩)

○石川委員長 それでは、再開いたします。
 続きまして、岡田委員、お願いします。

○岡田委員 ありがとうございます。全国精神保健福祉会連合会の岡田です。
 2点発言をさせていただきます。
 まずは、精神科の非自発的入院の在り方に関する検討の項目を設けていただけたこと、大変ありがたく思っております。総括所見にも非自発的入院の廃止ということが提示されました。特に日本独特の医療保護入院制度につきましては、精神科医の判断とともに家族等の同意によって本人の意思に関係なく入院が決まるという家族に負担を課す制度になっております。このことについては時間をかけてでも検討していく必要があると考えていますので、よろしくお願いいたします。
 2点目は、前回にも発言いたしましたが、18ページの「(1)権利擁護の推進、虐待の防止」の3つ目の○について、改めて文面の見直しを提案したいと思います。
 前回の私の発言につきまして、安藤委員から、本人の意向確認の重要性の視点が欠けているのではといった内容の御意見をいただきました。大変大切な視点を御指摘いただいたと思っています。私自身は、御本人の意向を重んじるべきだということについては安藤委員と同じ考えです。
 私がお伝えしたかったのは、言葉の使い方がうまくなかったのかなと思うのですけれども、福祉サービスの提供のみならず医療提供においても、ほかの委員からは介護においてもという御意見もあったかと思いますが、福祉サービスの提供のみではないでしょうということ。それと、やはり同性介助を原則とすべきという2点でした。
 特に私がこの文章で気になりますのは、「本人の意思に反した異性介助が繰り返し行われることがないよう」という表現で、一度はあっても仕方がないけれども、それを繰り返されないようにというニュアンスに読み取れてしまいますので、本人の意思に反した異性介助は一度たりとも行われることがない状況をつくる必要があると考えていますので、この文面を「障害福祉サービスや医療の提供に当たっては、利用者の意向を踏まえた同性介助を原則とする取組を進める」としてはどうかと考えております。御検討をよろしくお願いいたします。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 続きまして、曽根委員、お願いします。

○曽根専門委員 曽根です。
 私は確認です。
 前回、依存症の回復支援についての文言の加筆を提案させていただいたのですけれども、精神障害の中に依存症が含まれているということで、特別な記述は入らないという整理になったとお聞きしました。
 45ページの「(3)地域移行支援、在宅サービス等の充実」の中に、日中活動の場とか自立訓練、地域活動支援センターの機能の充実、こういった文言が入っていると思うのですけれども、現状こういった事業を活用して依存症の回復施設の運営がなされている実態がありますので、それもこの中に意味合いとして含まれているのかどうかということを確認させてください。
 あと、44ページの一番下の○のところに「ピアサポーターの育成」というのがあるのですけれども、こちらの方は依存症の回復支援のための自助グループも含まれているかどうかということの確認をさせていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 中野委員、お願いします。

○中野専門委員 慶應大学の中野です。
 文部科学省の御説明を受けて、意見が一つと質問が一つあります。
 まず意見ですが、資料1の52ページ、先ほども議論になりましたが、「全ての新規採用教員がおおむね10年目までの期間内において、特別支援学級の教師や、特別支援学校の教師を複数年経験すること」についてです。
 今回、文部科学省からの御説明をお聞きして、文部科学省が出していただいた資料6の20ページにある、採用時に「特別支援教育の経験を考慮すること」や、「管理職の任用に当たり特別支援教育の経験を考慮」することについては賛同いたしますけれども、「全ての新規採用教員に対して採用後10年以内に特別支援教育を複数年経験」することを求めるという施策に関してはどうしても疑問が残ります。
 1988年から国立特別支援教育研究所に研究員として在籍して以来、長年障害のある子供たちの教育に従事し続け、特別支援学校や特別支援学級等の研修等に携わっている専門家の一人として、特別支援学級の教員に臨時任用の人の割合が多いことが問題であるという御指摘はよく理解できます。しかし、そうであれば、特別支援学級の教員の専門性が担保できるような施策、例えば臨時任用の教員を採用する場合には、当該障害種の教員免許を有していることや特別支援教育の十分な経験が必要だという仕組みにしたほうがよいのではないかと思います。
 これらの疑問が残るため、「全ての新規採用教員が特別支援学級等を複数年経験すること」に関する記載に関しましては、今回の基本計画からは削除すべきではないかと思いますので御検討ください。
 それから、質問です。資料6の参考資料に対日審査勧告の仮訳をつけていただき、ありがとうございます。この中に、「特別学級の児童が授業時間の半分以上を通常の学級で過ごしてはならないとした、2022年に発行された政府の通知」について指摘があったわけですが、この点については本日、特に説明がありませんでした。なぜ特別支援学級の児童が授業時間の半分以上を通常の学級で過ごしてはならないという制限をかける必要があるのかご説明ください。それから、25ページの大臣の会見録には、このような制限をかけることは「むしろインクルーシブを推進する」と発言されているのですが、この論理が私にはよく分からなかったので、御説明をお願いしたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 続きまして、黒岩委員の代理で鳥井様、お願いします。

○全国知事会(神奈川県福祉子どもみらい局 鳥井障害福祉課長) 全国知事会選出の神奈川県知事の代理で出席をさせていただいております、神奈川県障害福祉課長の鳥井でございます。発言の機会をいただき、ありがとうございます。
 1点だけ発言をさせていただきます。
 資料1の「7.自立した生活の支援・意思決定支援の推進」におきまして、意思決定支援につきましては「(1)意思決定支援の推進」に総括的に記載されているところですけれども、障害者支援施設からの地域移行支援の場面では、生活の場の選択となり、意思決定支援の側面も重要となりますので、意思決定支援について入念的な記載の追加が必要ではないかと考えております。
 具体的には、資料1の45ページの「(3)地域移行支援、在宅サービス等の充実」の一番下の○になるかと思いますが、7-(3)-6とされているところですけれども、1行目の「障害者支援施設においては、入所者の」の後に「意思決定の支援に配慮するとともに」という文言を追加していただく方向で御検討いただければと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 続きまして、石橋委員、お願いします。

○石橋委員 全日本ろうあ連盟の石橋です。発言の機会をいただき、ありがとうございます。
 先ほどの文科省の方からの御説明を含めて資料1の52ページになりますが、教育環境の整備について意見を述べたいと思います。
 せんだって国連の障害者権利委員会から勧告が出されました。聞こえない子供に対する手話言語教育に関する内容です。従来ここの政策委員会におきましても、手話言語に関する教育は皆無というか、文言が全く見えないと繰り返し申し上げました。今回もこの資料には何もない。今回の国連からの日本政府への勧告に対する文言もこの資料には全くないということで、その辺りはきちんと明確に透明性を持った内容を示すべきではないかと思っています。
 特に、例えば特別支援学校では、障害を持つ子供たちが混在しているという感じがします。特に見えない子供たち、聞こえない子供たちは非常に数も少ない。でも、実際は混在してなかなか見えづらいという現状があると思います。
 例えば特別支援教育支援員の配置、6万7,300人分という形になっています。先ほど玉木委員から小学校、中学校、高等学校に分けてほしいという御発言がありましたが、障害を分けるという中でそれぞれが何人いるのかという数も示していただきたい。また免許を持つ教員も同じです。特別支援教育をまとめるというだけでなく、障害種別に応じて一体何人いるのかというデータもきちっと示していただきたい。具体的な内容を分かりやすく明確に示す必要があるのでないかという意見です。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 続きまして、宮本委員、お願いします。

○宮本専門委員 ありがとうございます。宮本です。
 基本計画案を現在の基本計画と比べると、障害女性の参画拡大について大幅に加筆されたことを感謝いたします。
 資料1の38ページ、「6.保健・医療の推進」についてです。聴覚障害があること、女性であることで、医療・保健サービスを受けるのに困ることが結構あります。なので、女性向け医療機器や設備を障害のある女性も使いやすいものにするといった記述はできないでしょうか。医療・保健にアクセスしにくい大きな要因であり、第25条の勧告を受けて、次期計画に必要なことだと思います。
 聴覚障害のところなのですが、検査や入院のときに病院から出される体温計なのですけれども、それは音だけが出るタイプが多いです。私たちは聞こえないので、今では振動つき体温計が出ているので、それを出してほしいと思っています。レントゲンのときの指示は声だけであり、エコー検査のときに検査技師さんたちはみんなマスクをしているので、聴覚障害がある人には分かりません。これは女性向けの医療においても似たところがあります。人による情報コミュニケーションの支援はもちろん重要ですが、機器や設備の面でももっとできることがあります。
 以上です。ありがとうございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 続きまして、大塚委員、お願いします。

○大塚委員 ありがとうございます。日本発達障害ネットワークの大塚です。
 私は1点、資料1の45ページ、(3)の地域移行支援というところですけれども、総括所見との関係をどのように議論していくかということが将来の方向性であれば今回は扱わなくてもいいかもしれませんけれども、やはり地域移行支援というよりは、総括所見はほとんどが脱施設、Deinstitutionalizationという言葉で語られている。この脱施設というのは誤解されやすい言葉でなかなか使いづらいのですけれども、むしろ今回も、例えば45ページの一番下の「地域生活への移行及び脱施設」という言葉を入れるかどうかということだと思っています。
 それは、もちろん総括所見のこともありますけれども、障害福祉計画の中においては施設から地域への移行というものと、入所施設の定員を削減しなさいということで、これはまさに脱施設ということだと思っておりますので、既に行われているということを考えれば、地域生活への移行と脱施設は両面ないといけない。地域移行支援だけ、それも在宅のサービスを増やすだけということの中においては、全体としてちょっと不十分な見解かなと思っています。
 もう一つ、一番上の「障害者が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活又は社会生活を営む」ということは地域移行の理念かもしれませんけれども、このような「社会生活を営み、共生社会を実現するために」とか、やはり地域移行は何のためにあるかという理念がもう少し強く主張される、つまり共生社会の実現をより推進するのだということをはっきりうたう必要があるのではないかという意見です。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 続きまして、内布委員、お願いします。

○内布専門委員 発言の機会をいただきありがとうございます。日本メンタルヘルスピアポート専門員研修機構の内布と申します。
 1点ございます。石川委員長が出されております障害者権利条約政府報告書審査における石川委員長の冒頭ステートメントの中で、3つの懸念事項の2つ目に精神のことが書かれております。平均在院日数もございますが、非自発的入院についてと身体拘束については入っておりますので、今回、39ページのところは「精神科病院において、誰もが安心して信頼できる入院医療が実現されるよう、今後、非自発的入院のあり方などに関し、課題の整理を進め、将来的な見直しについて、身体拘束も含め非自発的入院の具体的な検討を行う」ということを提案します。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 最後になりましたけれども、私からも意見を述べさせていただきます。
 今の内布委員の御提案とも関連するのですけれども、まず不適切な隔離・身体拘束をゼロにするためのロードマップの策定ということを基本計画の中に入れていただきたいと提案いたします。既に前回提案したものですけれども、繰り返し提案させていただきます。
 それから、成果目標として、身体拘束の件数を2003年水準への削減ということで、個々のケースを積み上げていった結果なので、政策的な目標とはなり得ないという反応は予想されるのですけれども、2003年からの20年間になぜ身体拘束が倍増したのかという合理的な説明はないと思いますので、2003年水準というのを成果目標として掲げて、減らしていくという方向性についてしっかりと基本計画にすることを提案したいと思います。
 医療保護入院は半年を上限としつつも更新は何度でもできるとした理由について、分からないので教えていただきたいというのが質問の1点です。
 以上、厚生労働省と文部科学省関連の意見や質問はこれで全てお聞きしたと思います。米山委員から文言の修正等はまだあったかと思いますけれども、それを除いて各委員からの意見は全て出そろったと思います。
 回答の御準備をしていただく間に、事務局の方から総括所見と第5次基本計画との関係といいますか、総括所見を第5次基本計画にどこまで反映できるのかについて、内閣府としてのお考え、判断をお聞きできればと思います。よろしくお願いします。

○立石参事官 内閣府でございます。
 今、委員長から御指摘いただきました件でございます。計画への所見の反映についてでございます。第5次計画につきましては、来年4月からのスタートということを目指しまして、昨年の11月からこれまで約1年をかけて委員の先生方に御協力をいただき、議論を積み重ね、多くの意見をいただいてここまで修正を行ってきたところと思っております。そのような形で、既に10か月議論を重ねました段階で、9月に総括所見が出されたということになっております。
 来年4月からのスタートを目指すことが、切れ目のない計画という意味では一番よいということからの時間的制約があるという点、また、総括所見につきましては非常に大きな変革を求めているような所見が多くある中で、各省庁におきましても、9月に所見が出て、10月に確定が出てという経過の中で検討は行われていると思っておりますが、今回の計画に大きな変革を求めるような事項を全て盛り込むということは、当然時間的に難しいということは委員の皆様も御理解いただけるのではないかと思います。例えば法改正の方向などを決めていく場合には、委員御存じのとおり、検討会とか審議会などで年単位の時間をかけて検討していくというのが通常ということは御理解いただければと思います。
 私ども、仮訳も御準備できないという苦しい状況になる中で、各委員の先生方に御協力をいただき、これまでも所見に基づく意見をお出しいただき、また本日、厚労省、文科省にもお越しいただいて、本当に活発な御議論をいただいているところと思っております。
 そうした中で、先ほど委員長もおっしゃいましたとおり、現状できる限りの議論を行っていただいて、5次計のスタートに間に合うような形で計画に反映していただくという形で、まずは5次計の策定ということを考えていただきますと、事務局としては大変ありがたいと思っております。
 長くなりましたが、以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございます。
 例えば文部科学省におかれましても、また、厚生労働省におかれましても、総括所見を踏まえた上での今後の大きな施策の方向性についての検討というのはお考えいただけるものと理解しておりますけれども、障害者権利条約の一番の根幹は当事者参画ということなので、それぞれの分野において当事者参画を確保しつつ、今後検討をしていただけるかどうか、来年度以降になろうかと思いますけれども、その辺りも含めて御回答をいただければと思います。
 特に厚労省におきましては、直前に法改正などを行われた関係もありまして、検討会議の後に審査があり、総括所見があったといったこともありましたので、今回の基本計画の現時点での文言は「将来的な見直し」となっておりますけれども、将来的というのはやや気の長い話だなと私としては感じるのです。やはり総括所見を受けてもう一度検討をしていくことが迫られているのではないかと思います。その点も踏まえて各委員からの質問や御提案などもありましたので、一括してそれぞれお答えいただくのは御負担が大きいのですけれども、可能な範囲でお願いできればと思います。
 それでは、よろしければ厚生労働省からお願いできればと思います。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査)厚生労働省でございます。
 まず全体につきまして、御指摘を踏まえつつ担当において検討したいと思います。なお、これからは当方も含めて、担当を途中で代えながら補足したい点が何点かございます。
 1点目、総括所見への対応でございますが、総括所見は法的拘束力はないものの、その趣旨につきましては、外務省から提示されました日本語の訳などをいただいたら、引き続き当事者も交えた障害者部会や、検討会において対応について検討をしてまいりたいと考えているところです。
 2点目が、法案につきまして、非同意の入院も含めて御指摘をいただいたのですけれども、今回、厚生労働省から出している法案につきましては、厚生労働省の検討会や審議会において当事者にも御参加いただいた上で議論をしたところです。大変恐縮なのですけれども、内閣府での議論というものは反映いたしかねますので、その点につきましては御承知おきください。
 非同意入院の点につきましては、厚生労働省の検討会において、当事者も含みます関係者と同意した内容で現在法案をつくっております。
 なお、総括所見でいただいている御指摘などにつきましては、今回の法案の附則規定で引き続き検討をしてまいりますと記載をしているところです。
 3点目です。脱施設につきましては本日担当がいないので、とりあえず当方の方からお答えを申し上げますが、今、精査中の内容ではあるのですけれども、総括所見の施設にはグループホームも含まれるのではないかと思われているところでして、脱施設と書いてしまうと障害者の生活の場であるグループホームを奪ってしまうことになるので、総括所見ベースで脱施設と記載することは難しいようにも思われますので、引き続き外務省からの訳も踏まえつつ、適切な記載について今後検討をしてまいりたいと思います。
 当方からは以上です。
 なお、先ほど国会対応の関係で中座しておりました室長の奥出が戻ってまいりましたので、生活用具の関係につきましては奥出の方から説明を申し上げます。

○厚生労働省(障害保健福祉部 自立支援振興室 奥出室長)厚生労働省の奥出です。先ほどは中座してしまって申し訳ございませんでした。
 日常生活用具の関係は、具体的な個別の話からいろいろいただいていますけれども、そうした意見、課題の指摘をいただいた上で、先ほど具体的な修文案でこういうことを考えているというのを申し上げたかと思いますけれども、まずは市町村における実施状況等の情報収集と、さらに自治体も硬直化しているという御意見もございましたので、より効果的な見直しができるようなプロセスについても、取組等についてこちらから有益となるものを情報発信したいということです。
 先ほどのガイドラインという話もございますけれども、過去のものと言われているのはテクノエイド協会がガイドブックというものを発行しているのですけれども、そういったものを出すことが市町村の給付の適正化になるかどうかというのもありますので、今、市町村側にどういったものを提供していけば、より現在のニーズなりを把握して実態に沿ったものになるかというものも含めまして検討していくということになろうかと思いますので、必ずしも具体的にガイドラインというものを出しますというところではなく、どういったものがより効果的になるのかということも含めて厚労省として一度検討をして、今後、調査研究が必要であれば調査研究事業も使えますし、そういったものを含めて情報発信する方法も含めて検討していきたいと考えております。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 厚労省、まだ補足はありますか。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査)ありがとうございます。
 依存症の関係については、担当の方からの回答を申し上げます。

○石川委員長 厚労省、お願いします。

○厚生労働省(社会・援護局傷害保険福祉部精神・障害保健課依存症対策推進室 松井専門官)精神・障害保健課の依存症対策推進室でございます。
 先ほど曽根委員より、依存症の関連について御確認をさせていただきたいという点がございました。依存症につきましては精神障害の一つであるということで御理解いただき、ありがとうございます。
 その上で、例えばピアサポーター体制の強化等については依存症も含まれるのかという点については、含まれるものと認識をしております。
 一方で、自立訓練の方に依存症の者が含まれるか否かについては、担当外となりますので、確認をして御報告申し上げたいと思います。

○厚生労働省(精神・障害保健課 戸部課長補佐)続きまして、精神・障害保健課の戸部から御回答申し上げます。
 内布委員と石川委員長の御意見についてのお返しでございます。
 流れ上、まず石川委員長の隔離・身体的拘束に関しての御指摘について御回答を差し上げたいと思います。
 御指摘につきまして、不適切な隔離・身体的拘束をゼロとするためのロードマップの策定と、成果目標といたしまして、身体的拘束の数に関して2003年水準まで減らすということの御指摘をいただいているところかと思います。こちらに関しまして、隔離・身体的拘束の最小化については、代替方法の充実などを通じ、可能な取組に着手していく必要があるということに関しましては、先ほど申し上げたとおりでございます。
 また、隔離・身体的拘束の可能な限りの最小化に向けて関係者が広く目指すべき姿というものを共有していくことは大変重要なことだと考えているところでございますが、一方で、ロードマップや一律の数値目標の設定については慎重な検討が必要なところと考えているところでございます。
 また、内布委員の御指摘、39ページの一番下の○の「精神科病院において」というところで、「非自発的入院のあり方などに関し、身体的拘束を含め具体的な検討を行う」という文言としてはどうかという御指摘だったかと思いますが、そちらについてどのような修正等が可能かどうかについては一旦検討の時間をいただきたいと思います。
 さらに、石川委員長の御指摘に戻らせていただきまして、医療保護入院に関して御質問をいただいたという認識でございます。6か月の入院期間に関して上限なく延長できてしまうのではないか、それについてどのように考えているのかといった御趣旨の御質問をいただいたかと思います。
 こちらに関しまして、今回の改正案につきまして、医療保護入院の入院期間の上限を定めることにより、期限の到来の際に精神科病院が入院の要件を確認して、要件を満たしていない場合には患者を退院させることとなるものと考えてございます。
 また、医療保護入院の入院期間を更新する場合においては、精神科病院において初回入院時の入院要件を確認することと併せて、精神科病院が設置する退院支援委員会において、地域における生活への移行を促進するための措置について審議を行うこととしているところでございます。
 そういった観点で、退院に向けた取組が行われていることを前提に更新を認めることといった案とさせていただいているところでございます。こういった改正を行うとともに適切な運用を図ることが、長期入院の改善にも資するものと厚生労働省としては考えているところでございます。
 以上でございます。

○石川委員長 厚生労働省、以上でしょうか。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査)以上でございます。

○石川委員長 厚生労働省、以上でしょうか。

○厚生労働省(精神・障害保健課 戸部課長補佐)以上でございます。

○石川委員長 では、文部科学省、お願いします。

○文部科学省(特別教育支援教育課 山田課長)文部科学省特別支援教育課長です。
 最初に、石川委員長からおっしゃった今後の総括所見も含めた話ですけれども、我々は総括所見がこのぐらいの時期に出るだろうということは分かっておりましたので、先ほど資料でお示しした16ページにある会議の中に、当事者の親御さんとか関係者も含めておりますけれども、その中で障害のある子供がどう通常級で受け入れられるかということを話しておりますので、この会議の中で今年度内に議論をさせていただいて、方向性をお示ししていきたいと思っております。
 阿部先生から頂いた通級の知的の話は、大変難しい、重要な話でございまして、資料で言うと11ページなのですけれども、御指摘のとおり知的のある児童生徒に対して通級指導の枠組みは現在適用されていません。
 2つ理由がありまして、一つは知的障害がある、知的発達に遅れがある児童生徒については、基本的には全教科、様々な分野で遅れがある場合が多いと考えておりまして、1授業、2授業を変えたところでうまくいかないのではないかという指摘があることが一つ。
 もう一つは、知的のある子を取り出してやってしまうと、その分その子の授業が更に遅れる、あるいはほかの子との差が開いてしまうということがあって、現在はその枠組みに入れていません。
 ただ、今は保護者、本人の御希望によって、知的障害があっても通常級を選ばれる方もいらっしゃるので、現在、先ほど御紹介した会議の中で、その扱いも含めて検討をしているところでございます。
 続きまして、25ページ、26ページ、4月に出した通知の話です。中野先生からの御質問にも通じるところですけれども、簡単に言いますと、我々は学びの場をなるべくインクルーシブな形にしてほしいと思っています。そういう意味では、特別支援学校よりも特別支援学級、特別支援学級よりも通常級という形で促していきたいと思っておりまして、調べてみますと特別支援学級に1回分けられているのだが、ほぼ全ての時間通常級にいるという事例があるということが判明いたしました。
 我々としては、1回分ける必要はないでしょう。1回分けなければ、今、35人学級とかを進めているので、通常級の中で35人の一人としてカウントしていられるのですが、1回特別支援学級に分けますと、36人目、37人目、38人目ということで、教室が更に密になり、少人数指導ができなくなるような環境が生まれてしまうので、通常級に在籍できる子はなるべく通常級に在籍してくださいという通知なのです。
 それが26ページの第2のところに書いてあって、特別支援学級に在籍している児童生徒については、週の半分以上、必要な人が特別支援学級に在籍するのですよ、ほぼ通常級にいられる人は通常級に在籍してください、学びの場の変更を考えてくださいと。ただ、どうしてもこの子は特別支援学級で指導を受ける必要があるのだと分けるのだったら、しっかりとそこで専門性の高い指導を受けてくださいねという通知であって、そういう意味で、通常級に在籍することを促すための通知であって、むしろインクルーシブを推進するものであると考えております。
 実は、いろいろな方からそこの部分が分かりにくいという御指摘もあったので、先日、文部科学省のホームページにQ&Aを、今、申し上げたことも含めまして掲載をしております。我々としては、1回特別支援学級に分けるのではなくて、混ざれるというか、通常級に在籍できるのだったら籍ごと通常級に置いて、必要があれば通級指導とかを受ければいいのではないですかということで指導をしているということでございます。
 逆に言うと、子供の特性に応じて、この子は国語、算数、理科、社会は難しくても、例えば体育は十分通常級でできるとか、あるいは美術、絵を描かせるとすごくいいものを描くのだという子は、特別支援学級に在籍しながらも手厚いというか、十分な学びが得られる場であれば通常級と是非混ざってほしい。我々は交流及び共同学習と呼んでいますけれども、交流及び共同学習を進めてほしいと思っております。
 続きまして、幼稚園と書かれているところで、認定こども園だとか保育所が書かれていないという御指摘があったと思いますけれども、そこについては一応「等」は入れているのですが、内閣府さんとか厚労省さんと相談してここに追加できるようであれば追加も検討させていただきたいと思います。
 あと、8-(1)-11は御指摘のとおり読みにくい文章になっていると思いますので、そこは時系列も含めて検討をさせていただきたいと思っております。
 特別支援教育支援員の内訳の話は、お配りしている資料の13ページ、これは地方財政措置上の人数ですが、基本的には少し前の状況を調査したものを地方財政措置に反映させておりますので、基本的な割合はこんな感じです。幼稚園が8,400人、小学校が4万5,700人、中学校が1万2,400人ということです。御指摘のとおり、どこが多いかというと小学校です。これは6学年あるというのもありますが、それにしても中学校より1学年当たりは多くなっております。
 中身は、いろいろな人が支援員になっていらっしゃるので、退職教員の方だったり、地域のお子さんのお友達のお母さんだったり、いろいろな方がなっている場合がありますけれども、基本的にこの方たちは日常生活の介助とか学習支援とか、いろいろな活用の仕方が柔軟にできる方なので、是非中学校以上でも校長先生の御理解の下、受入れを進めて、障害のある子が通常級で十分に学びが得られるようになればいいなと我々も思っております。
 逆に言いますと、我々も地方の数が伸びれば伸びるほど地方財政措置を総務省にお願いしやすいので、地方で実態がどんどん伸びていって、それにつられて地方財政措置も増えていくという好循環が生まれるといいなと思っております。
 あと、石橋委員からいただきましたけれども、教育のところはあまり個別の障害ごとに書き分けていないというのが一つと、7ページのところで、基本原則の中の一つとして手話を含む言語の手段について選択する機会の確保ということが頭に述べられておりますので、現在は特に教育のところに載せていないという状況でございます。
 私からは以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 これで一通り委員からの意見や質問と、それに対する厚生労働省並びに文部科学省からの御回答が一巡したのですけれども、なおも御意見があれば、どうしてもこれだけはということがあれば挙手ボタンで意思表示をお願いしたいと思います。
 よろしいでしょうか。そうしましたら、ほかの分野も含めて全体について御発言のある委員は挙手ボタンをお願いします。
 米山委員、先ほどそれ以外のことについては後ほどとお願いしたので、もしあれば御発言ください。

○米山委員 ありがとうございます。
 細かい文言のことでもよろしいでしょうか。

○石川委員長 すごくたくさんありますか。

○米山委員 多分1分で済むと思います。

○石川委員長 では、どうぞ。

○米山委員 子供のいろいろな権利のことをたくさん入れていただいて、ありがとうございました。
 まず一つは、17ページ、6行目に「児童、生徒」とありますけれども、これは「こども」に置き換えてよろしいのではないかと思います。
 一番下の行も「幼児児童生徒」とありますが、これも「こども」と置き換えてよろしいのではないかと思います。
 次に、33ページの1つ目の○の部分ですけれども、これは前回お願いをしたところだと思いますが、「訪問診療が必要な」とありますけれども、訪問診療をしていない人工呼吸器療法の方もいらっしゃいますから、そこを削っていただきたいと思います。
 50ページになります。教育の方になりますが、いじめ防止は、やはり児童、学校だけではなくて幼児期も入りますので、「幼児」を入れていただけるといいかと思います。
 51ページの3つ目の○に「医療的ケア」と書いてありますが、ここは「医療的ケア等」と入れていただいたほうがよろしいと思います。
 51ページの4個目の中段に「医療的ケアを必要とする児童」と書いてありますが、ここは「病気の状態等」というのを入れていただいたほうが分かりやすいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 ほかに御発言のある方は挙手ボタンでお願いします。
 中野委員、お願いします。

○中野専門委員 先ほど資料1の52ページについて、文部科学省への質問等は終わったわけですが、今回の基本計画に、全ての新規採用教員が特別支援学級等を複数年経験することという施策を掲載すべきかどうかということについては、まだ結論が出ていないと理解しておりますが、この点に関してはいかがなのでしょうか。

○石川委員長 山田課長、いかがですか。先ほども御発言いただいたかと思いますが、繰り返しでも結構ですのでお願いします。

○文部科学省(特別支援教育課 山田課長)我々は既に提言を出して、この方向で、特別支援というか、障害に向き合える教員を一部でなくて全員にしなければいけないという強い危機感を持っていて、我々としては進めています。ただ、それを計画の中に位置付けるべきかどうかというのは皆様の御議論だろうと思いますので、そこは私がどうこう言う話ではないと思っております。

○石川委員長 翻訳しますと、計画に入れるかどうかについてはお任せするけれども、やるかやらないかといえばやりますということですね。

○文部科学省 やります。

○石川委員長 中野委員、いかがですか。

○中野専門委員 この施策に関しては、私は疑問を感じていて、ほかにもやり方があるのではないかと思っています。この委員会は文部科学省の施策の詳細を議論する場ではないと思いますが、先ほど私以外からも、この記載に関しては基本計画にわざわざ記載しなくてもよいのではないかという御意見があったので、この委員会として掲載すべきか否かについて結論を出すべきだと思います。ここに記載するということは、この委員会として、文部科学省の立案された「全ての新規採用教員が特別支援学級等を複数年経験すること」という施策を目標にするということになるかと思いますので、私たちがその目標を立ててよいと考えるかどうかだと思います。
 この施策に関しては、理念はすごくよく分かるのですけれども、ほかのやり方があり得るのではないかと思います。また、新任の先生が特別支援学校や特別支援学級で複数年経験するということは、本来ならば専門性の高い先生が配置されるポジションに、新任の先生が入ってくるということになりますので、特別支援学校や特別支援学級で今まさに、学んでいる障害のある子供たちにとっては、専門性に裏付けられた学びという意味で、質が低下する可能性があるという懸念がいろいろなところから示されているかと思います。これらの懸念を考えると、文部科学省のお考えは理解しますけれども、必ずしもこの委員会で、この施策を基本計画の目標にすべきではないのではないかというのが中野の意見でございます。
 以上です。

○石川委員長 非常に明確な御意見だと思いますが、ほかの委員の御意見もお聞きしたいと思いますけれども、今、あまり多くの時間をこれに使うのが最適かどうかは判断に迷いますが、河井委員、お願いします。

○河井委員 ありがとうございます。河井です。
 私もここの部分は削除してよいと思います。その前段の管理職を含む全ての教職員の理解や専門性を高めるということは非常に重要なことなので、ここの部分を強調するのは大事なのですが、スキル等を身に着けるのはほかにも様々な方法がありますし、現状でも、特別支援学校においても教員の資質にばらつきがあるということも現実だと思いますので、この下の部分は削除してよいと思います。
 以上です。

○石川委員長 玉木委員、お願いします。

○玉木委員 玉木です。
 誠に抽象的な話で申し訳ないのですけれども、厚労省の方は省内でちゃんと論議をやっているからいいみたいなことを言われていて、文科の方はやっていきますということを言われている中で、基本計画というのは何なのですかというのが今日論議をする中で感じたことです。
 以上、感想です。

○石川委員長 三浦委員、お願いします。

○三浦委員長代理 ありがとうございます。
 厚労省の資料5の4ページに「『入院者訪問支援事業』の創設」というパワーポイント資料があるのですけれども、この入院者訪問支援員というのは都道府県が派遣するとありますが、どこに所属する人々を想定されているのかということをお尋ねさせてください。

○石川委員長 厚労省、お願いします。

○厚生労働省(障害保健福祉部精神・障害保健課 戸部課長補佐) 御質問ありがとうございます。厚労省でございます。
 入院者訪問支援の支援員につきましては、特段の資格や団体等の定めはございません。一定の研修を受けていただいた方について都道府県が任命し、派遣するという仕組みでございます。
 以上でございます。

○三浦委員長代理 分かりました。

○石川委員長 中野委員の御提案については、私、持ち帰らせていただいて考えさせていただくということでもよろしいでしょうか。御発言の趣旨は理解しましたので、落ち着いて考えてみたいと思います。

○中野専門委員 結構でございます。

○石川委員長 私から、1点はすごく細かい、もう1点はある意味ではやや大きな提起ということで、1点目ですけれども、Iの「4.条約との関係」の(3)ですけれども、「(3)障害者基本計画(第5次)との関係」という見出しになっています。もともと基本計画と条約との関係を記述しているのがIの4で、また基本計画との関係と循環しているので、内容はよろしいかと思いますけれども、見出しは工夫したほうがよいと思います。
 もう1点は皆さんの御意見をいただきたいのですが、IIの4の「(2)社会のあらゆる場面におけるアクセシビリティの向上」ということで、アクセシビリティに関わることが書いてあるのですが、全体的な記述が不ぞろいというか、これは第4次の基本計画段階での書きぶりがそのまま残っていて、差別解消法の議論、基本方針の議論などで、私たちはその当時よりもいろいろと理解が深まっているところもありまして、いろいろ物足りなさを感じるということが一つ。
 もう一つ、やはり総括所見を踏まえて、アクセシビリティだけをここに横断的視点として取り上げることはバランスが悪い、不十分ではないかと考えています。だから、ここに横断的視点ということで入れるべき項目としては、アクセシビリティとインクルージョンとか、共生社会の構築とか、インクルーシブな社会の構築として、それに対応した中身を書き込んでいくほうがいいのではないかと思ったのですけれども、いかがでしょうか。
 アクセシビリティは、もともと第4次の基本計画の際に、日本の障害者政策の中でそもそもアクセシビリティという言葉自体が存在しておらず、ぜひこれを基本計画に入れて推進していきたいという問題意識があって入ったということはあるのですけれども、それはその当時の問題意識であって、第5次の基本計画においてはさらにバージョンアップしていく必要があるのではないかと思いまして、提案させていただきました。
 賛成、反対等御意見がございましたらお願いいたします。
 竹下委員、別件でしょうか。

○竹下委員 別件です。

○石川委員長 別件でもお聞きします。

○竹下委員 竹下です。
 59ページの雇用のところで「(5)福祉的就労の底上げ」という見出しになっているわけです。総括所見で、福祉的就労は否定的評価をしているのではないかというのが私の理解です。少なくとも各項目をこう変えろというのは、ざっと見ている限りはないのですけれども、見出しが「福祉的就労の底上げ」ということになると総括所見とは逆行するのではないかと思うので、見出しの文言は不適切だと思うので、変更したほうがいいように思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 ほかに御意見はございますでしょうか。
 では、「福祉的就労の底上げ」が不適切ではないかという御意見もございましたが、事務局、厚労省、いかがでしょうか。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査)厚生労働省でございます。
 記載ぶりにつきましては、担当課との相談の上、検討してまいりたいと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 内閣府、アクセシビリティのところはいかがでしょうか。

○立石参事官 事務局でございます。
 御指摘をいただきましてありがとうございます。御指摘を踏まえてよりよい表現になるように工夫してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○石川委員長 最終確認ですが、基本計画の本日時点での案についての修正提案あるいは質問は全て出していただいたと理解してよろしいでしょうか。
 それでは、そのように理解したいと思います。
 本日の議論を踏まえまして、さらに改良作業を行っていただき、各省とも調整して、次回取りまとめに向けての案を掲示していただきたいと思っております。
 続きまして、改正差別解消法の基本方針の前回委員長一任としていただいた修正について、事務局から報告をお願いします。

○立石参事官 それでは、資料7を御覧ください。
 前回委員長一任としていただいたところ、委員長と御相談をしながら修正をさせていただきましたので、その御報告をさせていただければと思います。
 まず2ページ目でございます。「2 基本的な考え方」「(1)法の考え方」でございます。こちらの2段落目の中頃のところでございます。元の案では「その他の心身の機能の障害(難病に起因する障害を含む。)」とされていたところ、前回かなり重い障害が出るものでもまだ難病指定されていないようなものもあるということで、「難病等」と「等」を入れてほしいという御指摘がございました。そちらを踏まえまして「等」を挿入してございます。
 次に3ページでございます。「第2 行政機関等及び事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する共通的な事項」の「1 法の対象範囲」「(1)障害者」のところでございます。ここで障害の定義を記載している部分がございますが、「その他の心身の機能の障害」とあるところの後ろに、今ほど御説明しました2ページの追記と同様に並びをとってほしいという御指摘がございまして、「その他の心身の機能の障害(難病等に起因する障害を含む。)」という括弧の部分を追記させていただいております。
 また、これに伴いまして、この部分の文章が法の第2条第1号の条文を引用していることを表すために定義の部分を鍵括弧でくくっていたのですが、法律上の定義に解釈的なことを追記した形となっておりますので、鍵括弧は落とすという形にしております。
 また、その下、「障害者基本法第2条第1号に規定する障害者の定義と同様であり」の後ろに続く部分で「障害者が日常生活又は社会生活において受ける制限は」という部分を削除しております。こちらは前回、社会モデルの定義について、委員の御意見を踏まえて、2ページの「(1)法の考え方」の部分に社会モデルの考え方を移動したものの、この部分を削除漏れしてしまったというところで、大変申し訳ございません、お詫びを申し上げますとともに今回削除をさせていただいております。
 続きまして、5ページでございます。「2 不当な差別的取扱い」の中の「(正当な理由があるため、不当な差別的取扱いに該当しないと考えられる例)」の4つ目の事例でございます。元の案で「搭乗に間に合う時間に空港に来ていただくよう依頼すること」と記載していた部分につきまして、「来ていただく」という表現ぶりが他との並びで少々合わないのではないかということで、「搭乗に間に合う時間に空港に来てもらう」という修正とさせていただいたところでございます。
 7ページでございます。「3 合理的配慮」「(1)合理的配慮の基本的な考え方」の中の「(合理的配慮の提供義務に反しないと考えられる例)」の1つ目の例でございます。こちらは、「飲食店において食事介助等を求められた場合に、当該業務を事務・事業の一環として行っていないことから、その提供を断る」という事例でございますが、障害者差別解消法の条文上、行政機関に関連する規定では「その事務または事業を行うに当たり」と規定しているところ、事業者につきましては単に「その事業を行うに当たり」としておりまして、今回の事例は民間の事業者である飲食店を念頭に置いた事例であることから「事務・」の部分は削除としております。
 また、3つ目のポツにつきまして、オンライン講座の配信のみを行っている事業者に対して個別指導を求めるという事例でございますが、事例の趣旨を分かりやすくするための修正として、事務・事業の目的、内容、機能の本質的な変更には及ばないことの観点の事例であることを踏まえ、その点を分かりやすくする観点から、「対面での個別指導を求められた場合に、当該対応はその事業の目的・内容から」としていたのを「とは異なるものであり、」とし、「対面での個別指導を可能とする人的体制・設備も有していないため」という形で分かりやすいよう修文をしております。
 次、4つ目の例でございます。小売店において、視覚障害者が混雑時に店内の付添いと買い物の補助を求めるという事例でございます。前回の委員会におきまして、買い物リストに従って商品を準備するという元案ですと、リストをいつも一々準備をしていかなくてはいけないのではないかという御指摘を踏まえまして、「買い物リストを書き留めて商品を準備する」という修正をさせていただいております。
 続きまして、13ページでございます。「第5 国及び地方公共団体による障害を理由とする差別を解消するための支援措置の実施に関する基本的な事項」「1 相談及び紛争の防止等のための体制の整備」「(1)障害を理由とする差別に関する相談対応の基本的な考え方」の部分でございます。
 前回、こちらの13ページの2段落目のところでございますけれども、紛争解決のための措置についての御議論として「救済」という文言を入れられないかという御指摘があり、その救済の中身として、具体的には「再発防止」という言葉を入れてはどうかという御議論があったところでございます。これを踏まえ、2段落の最初のところで、「その上で、基本的な対応での解決が難しい場合は、事案の解決・再発防止に向けた次の段階の取組として、国においては~」という形で記載をさせていただいているところでございます。
 14ページでございます。「2 啓発活動」のところでございます。中頃でございますけれども、「各種啓発活動に積極的に取り組み」という文章がございます。ここで社会モデルの考え方もしっかりと啓発すべきであるという御意見を踏まえまして、「いわゆる『社会モデル』の考え方も含めた各種啓発活動に積極的に取り組み」という文章とさせていただいております。
 同じく啓発活動の「(3)地域住民等に対する啓発活動」の15ページのアの部分でございますけれども、前回の御指摘で周知・啓発活動に当たってはアクセシブルなものにしてほしいとの御指摘があったことを踏まえ、「アクセシビリティにも配慮しつつ、多様な媒体を用いた周知・啓発活動に積極的に取り組む」と修正をしてございます。
 また、その次のイのところでございます。インクルーシブ教育システムの構築の推進という文章に関連しまして、前回の審議での委員及び担当省庁との御意見の交換があったところでございますが、それらのやり取りを踏まえ、委員長と御相談をいたしまして、ここのインクルーシブ教育システムは権利条約第24条の趣旨であることを明記する修正とさせていただき、「障害者権利条約が求めるインクルーシブ教育システムの構築を推進しつつ」としておるところでございます。
 16ページを御覧ください。「4 障害者差別解消支援地域協議会」でございます。「(1)趣旨」の下の方になりますけれども、協議会について、障害者、その家族の参画の関係の記載がございます。ここで、元案では「障害者及びその家族の参画について配慮する」というところでしたが、表現として弱いのではないかという御指摘を踏まえ、「参画を進める」という書きぶりにしているところでございます。
 17ページの「第6 その他障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策に関する重要事項」についてでございます。前回、国家資格の取得等についての合理的配慮の提供の部分につきまして、入学試験に当たっての合理的配慮についても追記をすべきであるという御指摘を踏まえまして、「入学試験の実施や国家資格試験の受験資格取得に必要な単位の修得に係る試験の実施等において合理的配慮の提供を促す」という記載にしております。
 そのほか、先ほど辻委員からも、「作成」については「作成・変更」とするべきではないかという御指摘がございました。この辺りは文書審査等におきましてきちんと修正をさせていただければと存じます。
 以上が修正点の御報告でございます。今後は基本方針改定案の閣議決定に向けて、パブリックコメントや文書審査等必要な手続の準備を進めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
 御説明は以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。以上のように修正をいたしまして、政策委員会としての改正差別解消法基本方針改定案の確定とさせていただきたいと思います。
 長時間にわたって密度の濃い議論をしていただいた委員各位にお礼を申し上げたいと思います。また、事務局、各省からも大変積極的な御意見や御尽力をいただきまして、ありがとうございました。
 それでは、基本方針につきましては以上とさせていただきます。
 竹下委員、どうぞ。

○竹下委員 竹下です。
 1点質問です。
 基本方針の改定作業、ありがとうございました。それを踏まえてお聞きしたいのは、今、事務局からあったように、今後パブリックコメントを含めた閣議決定をというのがありましたけれども、今後のスケジュールであります。すなわち今後この基本方針の確定、対応要領・対応指針の改定と進むのだろうと思いますけれども、それを含めた施行に向けての期間というのはどういうスケジュールで考えているか、現時点で分かるものがあれば、あるいは方針があれば教えてください。
 以上です。

○石川委員長 事務局、お願いします。

○立石参事官 事務局でございます。
 今、御質問がございまして、現時点でお答えできる内容でございますけれども、通常、今回の御報告をさせていただきまして、パブリックコメントをさせていただくことになりますが、通常でございますと2週間程度でパブリックコメントをお返しできればいいなという形でしっかり準備を進めてまいります。
 パブリックコメントは、前回も30日間させていただいているところでございますので、今回も前回と同様にさせていただけるのではないかと思ってございます。
 その後の施行に向けてでございますけれども、もちろんパブコメ等を含めて閣議決定に向かっていくわけでございますが、閣議決定、基本方針が終わりました後は、これまでも御議論いただいている対応指針などについても各省庁に準備をいただき、また、その相談体制の整備などについても、国、地方公共団体において準備が行われるものと考えております。まだ施行日については未定でございますけれども、そういった準備をしっかり進めて、施行に向けてしっかり取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
 現時点でございますけれども、大変恐縮でございますが、御説明としては以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 入念に基本方針の策定作業を行いましたので、施行は3年近くかかってしまうかもしれませんけれども、この後、対応要領と対応指針もしっかりしたものをつくっていただいて、そうちょくちょくできることではありませんので、よいものにして施行ということでお願いしたいと思います。
 それでは、事務局、事務連絡等をお願いします。

○立石参事官 事務局でございます。
 次回の政策委員会の詳細につきましては、委員長と御相談の上で確定次第、委員の皆様に御案内をさせていただければと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

○石川委員長 総括所見を受けて、今後の障害者施策の基本的な方向性について、政策委員会としての考え方を特に出せる一番自由度の高いところはやはり総論部分になりますので、その点も御考慮いただいた上で、次回御提案などをいただければと思います。
 それでは、以上をもちまして「第73回障害者政策委員会」を終了いたします。