障害者政策委員会(第74回)議事録

令和4年12月1日(木)
13:30~16:30
中央合同庁舎8号館 6階623会議室
(Web会議にて開催)

【議事に使用されている資料については「議事次第」のページにまとめて掲載していますのでご参照ください。】

○石川委員長 それでは、定刻になりましたので、これより「第74回障害者政策委員会」を開会いたします。
 各委員におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして、ありがとうございます。本日の委員会は、16時30分まで時間を確保しております。
 また、本日は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、ウェブ会議により開催しております。
 なお、取材及び一般傍聴については感染防止の観点から本日はお断りし、その代わりに動画中継を視聴していただくこととしております。
 初めに、事務局より、委員の出欠状況について報告をお願いします。

○立石参事官 事務局でございます。
 本日は、河井委員、熊谷委員、田口委員、辻委員、柘植委員、野澤委員、平川委員、内布専門委員が所用により欠席との連絡を受けているほか、長谷川委員が14時から、米山委員が15時頃から御出席されると伺っております。また、大下委員が14時半頃に、眞保専門委員が15時頃に、所用により途中退室されると伺っております。また、黒岩委員の代理として、神奈川県福祉子どもみらい局障害福祉課長の鳥井健二様が代理出席される予定との御連絡を受けております。また、鳥井様は16時頃、所用により途中退室されると伺っております。
 以上でございます。

○石川委員長 それでは、本日の議事に入ります。御発言いただく際の意思表示については挙手機能を使用していただき、委員長の指名を受けてから御発言いただきたいと思います。
 また、本日も限られた時間の中で多くの方に発言いただくこととなりますが、発言される際はカメラをオンにした上で御所属とお名前をおっしゃっていただき、できるだけマイクを近づけた上でゆっくり分かりやすく御発言いただくようお願いいたします。
 各省庁においても同様に、発言される際にはカメラをオンにしていただき、所属とお名前をおっしゃっていただくよう改めてお願いいたします。発言時間に御留意いただくなど、円滑な運営に御協力いただきたくお願いいたします。私としても進行速度を調整するなど、円滑な運営に努めてまいります。
 それでは、本日の議題及び資料について、事務局より説明をお願いします。

○立石参事官 事務局、内閣府の立石でございます。
 本日は、第5次障害者基本計画案について御審議をいただきたいと考えております。資料としましては、第5次障害者基本計画(案)に係る資料として資料1から4のほか、本日は安部井委員から資料を御提出いただいておりますので、資料5として配付しております。
 冒頭、事務局より、計画における修正の概要について御説明をいたします。その後、途中に休憩を挟みながら各委員から御質問・御意見等をいただき、16時頃まで御審議いただきたいと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 それでは、議事に入ります。
 まず、事務局から第5次障害者基本計画(案)の修正の概要について説明をお願いいたします。

○立石参事官 事務局、内閣府の立石でございます。
 それでは、第5次障害者基本計画につきまして、資料1を御覧いただければと存じます。なお、資料2は新旧対照表となっておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 まず、表紙をおめくりいただきますと、今回新たに目次をつけております。
 目次の項目名について、前回の委員会での御意見を受け、表題に修正が入っている部分がありますが、こちらは本文を御説明する際に改めて御説明をさせていただきます。
 続いて本文に入ってまいります。1ページをお開きください。「はじめに」の「(我が国におけるこれまでの主な取組)」の部分になります。
 一番下の文章のところに、デジタル庁からの御意見を受け、石川委員長とも御相談し、情報コミュニケーション法について追記をしております。
 読み上げさせていただきます。
 また、令和4(2022)年5月には、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通 に係る施策を総合的に推進することを目的として、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(令和4年法律第50号。以下「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法)という。」が制定され、障害者基本計画の策定や変更に当たっては同法の規定の趣旨を踏まえることとされた。
 続いて、2ページをお開きください。「(障害者政策委員会における検討)」の2段落目の障害者権利委員会に係る記載についてでございます。
 外務省から御指摘があり、障害者権利委員会については、条約に基づいて設置されているものであり、正確性を期するため、「国際連合(以下『国連』という。)の障害者の権利に関する委員会」としていたものを「国際連合(以下『国連』という。)ジュネーブ本部にて、障害者の権利に関する委員会」という形に修正をさせていただいております。
 続いて、3ページを御覧ください。「(本基本計画を通じて実現を目指すべき社会)」の3つ目のポツについてでございます。
 前回、委員より、デジタルの活用により一人一人の障害者の特性やニーズあるいは希望に即したサービスを選ぶことができ、障害の有無にかかわらず多様な幸せが実現できる社会との記載が、デジタル庁との関係で追記が必要ではないかと指摘があったことを踏まえ、委員長とも御相談をし、後ほど御説明する各論において、関連の施策の追加記載と併せまして、ここに新たに追記をすることとさせていただいております。
 続きまして、「Ⅰ 障害者基本計画(第5次)について」の「1.位置付け」の部分でございます。
 こちらの第2段落目のところにも、新たに情報コミュニケーション法関係の追記をしてございます。
 読み上げをさせていただきます。
 また、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法第9条第1項の規定に基づき、障害者基本計画の策定や変更に当たっては同法の規定の趣旨を踏まえることとされている。
 続いて、6ページを御覧ください。こちらは「4.条約との関係」の(3)の表題の記載についての修正でございます。
 前回、もともとの表題名である「障害者基本計画(第5次)との関係」という記載については、「Ⅰ 障害者基本計画(第5次)について」と「4.条約との関係」という表題と循環してしまっており、見出しを工夫すべきではないかという御指摘を踏まえ、委員長と御相談し、本文の内容にも鑑み、「(3)条約との整合性の確保」という表題としております。
 次に、10ページをお開きください。「Ⅱ 基本的な考え方」「4.各分野に共通する横断的視点」の(2)の表題の部分でございます。
 前回、もともとの案である「(2)社会のあらゆる場面におけるアクセシビリティの向上」としていた表題について、アクセシビリティだけを横断的視点として取り上げることについては、総括所見を踏まえれば、アクセシビリティとインクルージョン、共生社会の構築、インクルーシブ社会の構築といった中身も書き込んで変えていくほうがよいのではないかという御指摘があったところであります。
 これを踏まえ、委員長とも御相談をいたしまして、表題について「(2)共生社会の実現に資する取組の推進」とした上で、①の本文、11ページを御覧いただければと思いますが、追記をさせていただいております。
 11ページの1段落目の中頃のところ、読み上げをさせていただきます。
 加えて、社会的障壁の除去を進めるに当たっては、障害者の参加を確保し、障害者の意見を施策に反映させるとともに、障害者・行政機関・事業者・地域住民といった様々な関係者が、障害のある人と障害のない人が同じ地域社会でともに暮らし、学び、働く共生社会(インクルーシブな社会)という共通の目標の実現に向け、協力して取組を進めていくことが重要である。
 という追記をさせていただいております。
 続けて同じページ、「②アクセシビリティ向上に資する新技術の利活用の推進」の部分でございます。冒頭の文章を分かりやすく、また、内容についても充実をさせていただいております。
 読み上げます。
 画像認識、音声認識、文字認識等のAI技術が進展し、自分に合った方法(音声、ジェスチャー、視線の動き等)でデジタル機器・サービスが利用可能となっている。と記載を修正させていただいております。
 また、同じ段落の中頃から下のところ、「こうした新たな技術を用いた機器やサービスは、アクセシビリティとの親和性が高いという特徴があり、社会的障壁の除去の観点から、障害者への移動の支援や情報の提供を行う場合など」としていたところを、「情報の提供、意思疎通、意思決定支援等」と追記をした上で、「様々な場面でアクセシビリティに配慮したICTを始めとする新たな技術の利活用」という形で修正をさせていただいております。
 次に、12ページでございます。
 先ほどの文章から引き続く部分でございますが、1段落目の情報コミュニケーション法に係る記載については、最初の「はじめに」に記載をすることとしておりますので、ここでは削除とさせていただいております。
 14ページをお開きください。「(5)障害のある女性、こども及び高齢者に配慮した取組の推進」の「③障害のある高齢者」についてです。
 こちらの障害のある高齢者に係る記載について、1行程度と少し記載が薄くなっておりましたところ、委員長と御相談をいたしまして、少し中身を充実、追記をしております。
 読み上げます。
 障害のある高齢者は、障害に加えて高齢であることにより、更に困難な状況に置かれている場合があることから、こうした点も念頭に置き、また、条約との整合性に留意して障害者施策の策定・実施が求められる。
 としております。
 続いて、17ページをお開きいただければと思います。「5.施策の円滑な推進」「(2)理解促進・広報啓発に係る取組等の推進」「①重点的に理解促進等を図る事項」の4段落目を御覧ください。
 児童、生徒、地域住民等のボランティア活動に係る記載ですが、ここの「児童、生徒」を「こども」に置き換えてはどうかという御指摘を踏まえ、そのように記載をしております。
 同様に18ページ、2段落目であります。ここで「障害のある幼児児童生徒と障害のない幼児児童生徒との相互理解を深めるための活動」についての記載がございますが、ここの「幼児児童生徒」を「こども」に置き換えてはどうかということで、こちらも同様に修正をしております。
 総論についての修正は以上となります。
 続いて各論に入ってまいります。
 19ページを御覧ください。「1.差別の解消、権利擁護の推進及び虐待の防止」「(1)権利擁護の推進、虐待の防止」の4つ目の○を御覧ください。
 これまで御意見としていただいておりました意思決定支援に加えて、意思を形成する支援を入れてほしいとの御指摘を踏まえ、「障害者本人に対する意思決定支援」の後ろに「(意思を形成する段階の支援を含む。)」という形で入れさせていただいてございます。
 また、2行目のところ、委員より「相談支援専門員やサービス管理責任者等」とあるが、「等」の中に児童発達支援管理責任者も入っているのかとの御指摘を踏まえまして、その内容を明記することといたしまして、「サービス管理責任者」の後ろに「及び児童発達支援管理責任者」という形で入れさせていただいております。
 20ページを御覧ください。2つ目の○でございます。
 ここで「自らが意思を決定すること及び表明することが困難な障害者」という記載になっておりましたものを、「自らが意思を決定すること及び表明することに支援が必要な障害者」という形で修正を入れさせていただいております。
 また、先ほどと同様、「相談支援専門員やサービス管理責任者」の後ろに児童発達支援管理責任者につきましても明記をする形の修正をさせていただいております。
 28ページまで飛んでいただければと存じます。「3.情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実」でございます。
 この分野につきましては、先ほど総論部分で御説明いたしましたが、本基本計画を通じて実現を目指すべき社会について、デジタルの活用により一人一人の障害者の特性やニーズあるいは希望に即したサービスを選ぶことができ、障害の有無にかかわらず多様な幸せが実現できる社会ということを追記したところでございます。これを踏まえ、委員長とも御相談し、各論においてデジタル庁より幾つか関連の施策の登録をいただいております。
 まず、28ページの「(1)情報通信における情報アクセシビリティの向上」の3つ目の○でございます。
 新規の施策として1つ追記をさせていただいております。読み上げをいたします。
 官民挙げての利用者視点からのアクセシビリティやユーザビリティ確保のためのサービスデザインの取組について、政府機関・地方公共団体等に横展開を図る。こちらを追記してございます。29ページを御覧ください。
 2つ目の○は、障害者のICT機器の利用機会の拡大また活用能力の向上に係る施策を書いている項目でございますが、この後段です。 また、このような取組も含め、関係省庁、地方公共団体、ボランティア団体等と連携し、デジタルに不慣れな方に対するサポートを行う「デジタル推進委員」の取組について、全国津々浦々に展開できるよう国民運動として更なる拡大を図りつつ、地域における相談体制の整備を図る。
 とさせていただいております。
 30ページでございます。「(2)情報提供の充実等」について、3つ目の○でございます。こちらも記載の充実を図らせていただいております。2行目以降からでございます。
 デジタル社会の実現に向けた重点計画を踏まえ、デジタル社会推進標準ガイドライン群において多様な障害特性に考慮した内容の充実を図り、障害者等を始めとする誰もがICT機器・サービスにアクセスできるよう環境整備の推進に努める。
 と記載を充実させていただいております。
 続きまして、41ページまで飛んでいただければと思います。「6.保健・医療の推進」「(2)保健・医療の充実等」についてでございます。
 3つ目の○について、国立障害者リハビリテーションセンターにおける支援に関する記載でございます。こちらは御意見を踏まえまして、「乳幼児から高齢者までの重度・重複障害者等に対して」という記載になっていた部分を「乳幼児期から高齢期までの重度・重複障害者等に対して」という記載にしまして、表現の適正化を図らせていただいております。
 46ページを御覧ください。「7.自立した生活の支援・意思決定支援の推進」「(3)地域移行支援、在宅サービス等の充実」の1つ目の○でございます。
 重症心身障害児(者)の地域移行に関しましては、これまで委員会において御議論がなされており、また、本日委員から資料5が提出されているところでございますが、これらを踏まえ、在宅サービス等の支援に係る記載がなされている本項目において、「在宅サービスの量的・質的充実を図る」の後ろに「ほか、必要な時に救急医療が受けられる体制整備を推進する」と記載を追加してございます。
 続きまして、同じページの(3)の5つ目の○でございます。こちらの地域生活支援拠点等の整備に関する項目につきましては、これまでの委員会の御意見におきまして、緊急時の受入れ対応に加えて、地域生活支援拠点の役割について、入所施設や親元、グループホーム、地域生活の移行の役割を担うといった旨の記載を追記すべきという御意見をいただいていたところでございます。
 これを踏まえ、「地域で生活する障害者の支援や入所施設・病院、親元からグループホームや一人暮らしなどへの生活の場の移行をしやすくする支援を進めるために、地域生活支援拠点等の整備を図り」といった記載に充実をさせていただいております。
 続きまして、47ページでございます。1つ目の○、委員の御指摘を踏まえ、「地域生活への移行を進める観点から、障害者支援施設においては、入所者の」の後ろに「意思決定の支援に配慮を行い」という追記をさせていただいております。
 また、修正部分ではございませんが、前回、(3)に関連いたしまして、委員から依存症の回復支援について、地域移行支援、自立訓練、地域活動センターなどの事業を活用して依存症の回復施設の運営がなされていること、依存症の回復支援もここに含まれているのか確認したいとの御質問があった点について、厚労省より、依存症の回復施設も指定障害福祉サービス事業者の指定を受けていれば障害福祉サービスの提供が受けられるので、先生の御指摘のとおりでございますとの回答が登録されましたので、併せてここで御説明をさせていただきます。
 48ページを御覧ください。「(4)障害のあるこどもに対する支援の充実」に関する施策といたしまして、4つ目の○でございます。
 こちらについても、子供の意思決定支援等につきまして、委員の御指摘を踏まえ、「意思形成支援を含む意思決定支援等に配慮しつつ」と追記させていただいております。
 「(5)障害福祉サービスの質の向上等」でございます。2つ目の○です。
 障害福祉サービス事業者等の職員への研修についての項目ですが、前回の委員の御指摘で、「障害者権利条約を初め共生社会の理念を理解し」と追記すべきではないか、研修が足りていないのではないかと感じているという御指摘を踏まえ、「障害者権利条約などを踏まえ、共生社会の理念を理解し」といった記載を追記させていただいております。
 50ページを御覧ください。「(6)福祉用具その他アクセシビリティの向上に資する機器の普及促進・研究開発及び身体障害者補助犬の育成等」についてであります。
 1つ目の○、日常生活用具につきましては、前回の委員会におきまして、「時代に応じた障害者のニーズに対応した福祉用具などの普及促進に向けて、給付要件等の見直しについて検討する」と修正をすべきとの御意見、また、地域間格差を示すガイドラインを示してほしいとの御意見、平成4年のガイドブックの改訂を検討すべきではないかといった御意見をいただいているところです。御意見の趣旨を踏まえまして修正を行っております。
 読み上げをいたします。
 日常生活用具の給付・貸与については、市町村の実施状況について情報収集を行い、品目や対象者、基準額などの見直しに資する効果的な取組について検討のうえ、市町村に発信することにより、地域の障害者のニーズを踏まえた対応を促していく。
 このような修文を記載させていただいております。
 続いて51ページ、「8.教育の振興」「(1)インクルーシブ教育システムの推進」の2つ目の○でございます。
 前回の御意見で、いじめ防止については学校だけでなくて幼児期も入るので、幼児も入れてほしいとの御指摘を踏まえまして、「『いじめの防止等のための基本的な方針』等を踏まえ、障害のある幼児児童生徒が関わるいじめ等の防止や早期発見等のための適切な措置を講ずる」という幼児が読み込める形で修正をさせていただいております。
 52ページ、3つ目の○でございます。
 医療的ケアを必要とする幼児児童生徒等についての記載でございますが、前回、記載について、「病気療養児等長期入院を余儀なくされている幼児児童生徒」といった記載の方が分かりやすいのではないかという御意見がございましたので、その旨の追記をしております。
 同じページの52ページ、一番下の○でございます。
 障害の早期発見・早期支援に関する項目につきまして、前回、時系列的に分かりやすい記載として整理をしてほしいとの御意見がございました。これを踏まえ、全体的に記載を整理し直しまして、医療、保健、福祉等との連携の下、乳幼児に対する健康診査や就学時の健康診断の結果等を活用し、障害の早期発見や早期支援につなげる。また、個別の教育支援計画等も活用し、入学後の児童生徒の状態等を踏まえ、本人や保護者に対する教育相談・支援体制の充実を図る。としております。
 53ページでございます。「(2)教育環境の整備」の1つ目の○でございます。
 特別支援教育の体制の整備や教職員の専門性に関する項目でございます。後段の「全ての新規採用教員がおおむね10年目までの期間内において、特別支援学級の教師や、特別支援学校の教師を複数年経験する」という部分について、計画から削除してはどうかとの御指摘、また、特別支援学級等に一律に複数年配置は難しく、現場で生かせる事前の研修を充実する必要があるのではないかとの御指摘、前段の管理職を含む全ての教職員の理解や専門性を高めるという部分は大事であるとの御指摘など、様々あったところでございます。
 これらを踏まえ、委員長とも御相談をいたしまして、今回、「管理職を含む全ての教職員」のところに「への研修等を促進することを通して」と追記を行った上で、後段の記載は残す案とさせていただいております。
 56ページ、「9.雇用・就業、経済的自立の支援」を御覧ください。【基本的考え方】の中頃に「福祉的就労の底上げ」という言葉がございますが、前回の御意見で、総括所見では、福祉的就労は否定的評価がされているのではないか。少なくとも見出しの文言として使うことは不適切ではないかとの御指摘がございました。
 これを踏まえ、56ページの【基本的考え方】における「福祉的就労の底上げにより」という記載については削除をしますとともに、59ページの(5)の見出しにつきましても、「福祉的就労の底上げ」という言葉については削除し、代わりに「一般就労が困難な障害者に対する支援」という書き方に修正させていただいております。
 64ページ、「11.国際社会での協力・連携の推進」でございます。
 こちらは修正を行った部分ではございませんが、「(2)国際的枠組みとの連携の推進」の3つ目の○、「アジア太平洋障害者の十年」についての記載がございまして、【P】と書かせていただいております。次の取組についてはまだ正式な採択が決まっていないということで、項目に【P】とついておりますが、方向性が決まり次第、外務省さんとも相談をいたしまして、年次についての記載をバージョンアップする等の必要な修正をした上で確定をしていきたいと考えてございます。
 説明が漏れていた部分がございました。大変失礼いたしました。40ページを御覧ください。「6.保健・医療の推進」「(1)精神保健・医療の適切な提供等」に係る部分でございます。一番下の○を御覧ください。
 こちらにつきましては、前回の御意見におきまして、今後、非自発的入院のあり方に関する検討を行うとされている項目につきまして、身体拘束も含め検討を行うことを提案するという御指摘がございました。それを踏まえまして修正を行わせていただいております。
 精神科病院において、誰もが安心して信頼できる入院医療が実現されるよう、今後、非自発的入院のあり方及び身体拘束などに関し、精神障害を有する当事者等の意見を聞きながら、課題の整理を進め、将来的な見直しについて検討を行う。
 大変失礼いたしました。また後ろのページにお戻りいただければと思います。66ページ、「おわりに ~今後に向けて~」と題している部分でございます。
 今回、委員長と御相談いたしまして、第4次計画と同様、第5次計画の案にも「おわりに」を書いてはどうかということで記載をさせていただいているものでございます。
 ここでは第5次計画を実施していく上で重視すべきこと、また、総括所見について、本基本計画に盛り込まれていない事項も含めた適切な検討や対応が求められること、また、当事者参画の重要性などについても記載をさせていただいております。
 読み上げをさせていただきます。
 本基本計画は、障害者を、必要な支援を受けながら自らの決定に基づき社会のあらゆる活動に参加する主体として捉えた上で、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進することで、条約が目指す社会の実現につなげる。
 加えて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大など、非常時に障害者が受ける影響やニーズの違いに留意しながら取組を進めることが必要であることや、2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機とした機運を一過性のものにすることなく、障害者への偏見や差別意識を社会から払しょくし、「社会モデル」の理解促進に継続して取り組み、多様性と包摂性のある社会の実現を目指すことが重要である。これらの社会情勢の変化を踏まえ、政府において本基本計画に記載する各分野の施策を総合的かつ計画的に実施する。
 令和4年8月に、条約の締約国として、障害者権利委員会による我が国政府報告の審査が実施され、同年9月には同委員会の見解及び勧告を含めた総括所見が採択・公表された。総括所見では、インクルーシブ教育を受ける権利の認識、障害者の脱施設化及び自立生活支援、精神障害者の非自発的入院及び隔離・拘束に関わる法制度の見直し、意思決定を代行する制度から支援を受けて意思決定をする仕組みへの転換等多岐にわたる事項に関し、見解及び勧告が示されたことを受け、各府省において、本基本計画に盛り込まれていない事項も含め、勧告等を踏まえた適切な検討や対応が求められる。なお、障害者施策の検討及び評価に当たっては、「私たちのことを、私たち抜きに決めないで」の考え方の下、障害者が意思決定過程に参画し、障害者の視点を施策に反映させることが重要である。
 全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら、世界に誇れる共生社会の実現を目指して、政府全体で不断に取組を進めていく。
 「おわりに」については以上でございます。
 資料1についての御説明は以上でございます。続きまして、資料3でございます。
 資料3につきましては、関連成果目標案となってございます。こちらは今回、目標値については修正がなく、直近の現状値の更新と本文の表題が変更になったものに伴い、併せて変更した部分についての修正のみとなっております。
 具体的には、23ページ、「通級による指導の普及状況」の現状値が最新のものとなっていること、30ページ、「公共図書館、学校図書館における障害者の読書環境の整備状況」また「全国の学校におけるコミュニティ・スクールの導入状況」に係る現状値の更新が修正として入ってございます。
 また、33ページ、先ほど御説明いたしました「福祉的就労の底上げ」について、「一般就労が困難な障害者に対する支援」と目標分野の形が本文に伴い変更されているものでございます。
 資料3の御説明については以上でございます。
 事務局からの資料の説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○石川委員長 ありがとうございました。
 1点確認ですけれども、「はじめに」の中の「本基本計画を通じて実現を目指すべき社会」の4つ目なのですけれども、「障害者施策が国民の安全・安心や社会経済の進歩につながる」の後に「しなやかで強い社会」と変更した点について説明があったかどうか聞きもらしたのですけれども、確認です。

○立石参事官 事務局でございます。
 大変失礼いたしました。こちらの点につきましても、今、委員長の御指摘のとおり、「しなやかで強い社会」ということで修正をさせていただいております。
 修正の趣旨として、40年前の国際障害者年で障害者を排除する社会は弱くもろい社会であると言われたということを踏まえ、「障害者施策が国民の安全・安心や社会経済の進歩につながるしなやかで強い社会」と今回修正をさせていただいたところでございます。
 御指摘大変ありがとうございます。大変失礼いたしました。以上でございます。

○石川委員長 弱くもろいの反対だと強く堅いかもしれないのですけれども、堅いではちょっとと思って、しなやかで強いと提案をさせていただきました。
 それでは、審議に入ります。本日の審議をもちまして、できれば障害者基本計画(第5次)の障害者政策委員会案を採択したいと考えております。これまでの審議を踏まえた修正を踏まえまして、さらなる修正が必要な点について具体的な修正提案をいただければと思います。
 それでは、御提案をお持ちの委員は、挙手ボタンで意思表示をお願いします。
 大塚委員、お願いします。

○大塚委員 どうもありがとうございます。日本発達障害ネットワークの大塚です。
 私の方は1点、19ページです。「(1)権利擁護の推進、虐待の防止」の2つ目の○、強度行動障害を有する者の2行目に「強度行動障害を有する者の支援に関する研修」とありますけれども、ここを「強度行動障害を有する者への身体拘束に頼らない支援等に関する研修」という文言を入れてほしい。
 その理由は、一つは、強度行動障害については身体拘束が非常に大きな社会問題になっていること。
 それから、具体的な研修の内容がないので、身体拘束を減らす研修という明示を入れたほうがいいということ。
 3番目に、身体拘束に頼らない支援は計画的に減らしたりなくすことができるわけですから、計画上の文言としても適切。この3つの理由により入れてほしいということです。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 今日採択を目指すからには、一点一点の修正提案について担当府省庁から回答していただくというやり方が必要かと思います。取りこぼしたくないという趣旨です。
 厚生労働省、お願いいたします。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 障害保健福祉部の桑でございます。
 ただいま御指摘いただきました点につきましては、関係する部局とも調整の上、御指摘の趣旨を踏まえて検討したいと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 ぜひ検討をよろしくお願いいたします。
 片岡委員、お願いします。

○片岡委員 全国地域生活支援ネットワークの片岡です。
 1点だけ発言させていただきたいです。資料1の46ページ、一番下の○の部分です。
 前回委員会での私の伝え方が少し悪かったのかもしれませんが、追記くださった「入所施設・病院、親元からグループホームや一人暮らしなどへの生活の場の移行をしやすくする支援」という文言について、次のページになるのですけれども、最後の行の地域生活支援拠点等の役割が書かれてあるところに記載するほうが適切ではないかと考えております。いかがでしょうか。
 理由は、前回委員会でお伝えしたとおりです。非常に重要なことだという認識ですので、再度の御検討をお願いしたいと思います。
 あと、感想レベルになりますが、「おわりに」の記載はすごくいい追記だと感じました。ありがとうございました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 これも厚生労働省、お願いいたします。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 厚生労働省障害保健福祉部の桑でございます。
 ただいまの御指摘を踏まえながら、改めて修文案につきまして検討したいと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 よろしくお願いします。
 それでは、三浦委員、お願いします。

○三浦委員長代理 御指名ありがとうございます。全国身体障害者施設協議会の三浦です。
 私の方は、資料1の19ページ、(1)の4つ目の○でございますけれども、児童発達支援管理責任者を入れることは賛成ですが、この中で「等」が消えました。この「等」の中には、例えば訪問系サービスのサービス提供責任者であるとか、そこにつながる高齢障害者のサービスの管理者等も含む必要があることが出てくると思いますし、含むべきであると考えます。この「等」は残していただきたいというのが意見です。同じ表現が、7-(1)-1、7-(5)-4にもございますので、御検討をお願いいたします。
 もう1点は、資料1の47ページ、上から1つ目の○、7-(3)-6の部分ですけれども、「入所者の意思決定の支援に配慮を行い」と書かれているのですが、この「配慮」は要らないのではないかというのが意見です。「意思決定の支援を行い」という表現の方が確実に意思決定支援を行うということが強調されはしないかと思いまして、意見として提案いたします。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 とりわけ最後の「支援に配慮」の「配慮」は要らないという点は重要かと思いますが、厚生労働省、お願いします。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 厚生労働省障害保健福祉部でございます。
 御指摘を踏まえながら、改めて修文案につきまして検討したいと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 よろしくお願いします。  では、久保委員、お願いします。

○久保委員 ありがとうございます。全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。
 資料1の19ページの「Ⅲ 各分野における障害者施策の基本的な方向」の「(1)権利擁護の推進、虐待の防止」の3つ目の○でございます。
 「障害福祉サービスの提供に当たっては」という部分がございますけれども、ここに同性介助の医療施設を加える修文をお願いしたいと思っております。医療施設も身辺介助も重要かと思いますので、「障害福祉サービスの提供及び医療施設の身辺介助においては、利用者の意向を踏まえ、本人の意思に反した異性介助が行われることがないよう取組を進める」と修文をお願いしたいと思っております。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございます。
 「医療施設における身辺介助」の追記と、「繰り返し」の削除ということでよろしいですね。
 厚生労働省、お願いします。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 厚生労働省障害保健福祉部企画課でございます。
 異性介助の部分につきまして、これまで何度も御指摘をいただいているところでございまして、現在担当課の方でも記載ぶりについて検討しているところでございます。引き続き、いただいた御指摘の御趣旨を踏まえながら検討を進めてまいりたいと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 ぜひよろしくお願いいたします。
 石橋委員、お願いします。

○石橋委員 全日本ろうあ連盟の石橋です。御指名ありがとうございます。
 意見として3つほどあります。
 1つ目は確認をさせていただきたいのですが、5ページになります。「①『障害』の捉え方」についてですが、今は社会モデルという方向で進んでいるのですけれども、以前から意見として提案させていただいているのは人権モデルという視点です。なぜ人権モデルというものが必要かというと、4ページの「②主な内容」の2つ目のポツになります。
 一般的義務、全ての障害者のあらゆる人権及び基本的自由を完全に実現することを確保するという考え方に基づきまして、社会の中で人権モデルを表記するほうがすっきりするのではないかと何度も申し上げているのですけれども、人権モデルをそこに挿入できない理由を教えていただきたいと思っています。
 2つ目、15ページになります。「②実施(Do)」という部分です。その下の方に「高齢者施策、医療関係施策、こども・子育て関係施策」等々について説明がありますが、それを見ますと教育分野については全く言及されていないのです。ですから、「教育関係施策」を追記してはどうかという意見を申し上げたいと思います。
 3番目、43ページになります。「(6)障害の原因となる疾病等の予防・治療」について、1つ目の○の提案ですが、3行目に当たります。「また、障害の早期発見と早期の発達支援を図るため、診断、治療」、そして言語の獲得、確保、習得というものが必要になります。「言語(手話言語を含む)」という形になるわけですが、障害者基本法を見ますと、言語という中に手話を含むという表記があります。それと同じように、そちらも「早期発見と早期の発達支援」の中に言語の獲得という重要な視点が必要ですので、それをきちんと盛り込んでいただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 まず内閣府からお願いします。

○立石参事官 内閣府の事務局、立石でございます。
 1番目にいただいた御意見といたしまして、障害の社会モデルでなくて人権モデルという考え方にしてほしいという御指摘でございました。
 理由として、4ページの「②主な内容」のところにその旨のことも書いてあるということで、人権モデルでなくて社会モデルとしている理由を教えてほしいという御趣旨であったかと思っております。
 人権モデルと社会モデルにつきましては、これまでの委員会においても御議論がございまして、人権モデルという考え方についてどこまでの内容を指しているのかということが、政府としてもまだはっきりしていないと思ってございます。
 また、まさに委員から御指摘がございました人権の大切な考え方につきましては、6ページの「1.基本理念」のところで基本法第1条を引く形とさせていただきまして、「障害者施策は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるという理念にのっとり」ということで書かせていただいてございまして、条約の趣旨というものは今回の基本計画にもしっかりと書き込ませていただいているのではないかと思っております。
 以上でございます。

○石川委員長 2点目の教育施策についてお願いします。

○立石参事官 引き続きまして、15ページの「②実施(Do)」のところにございます「高齢者施策、医療関係施策、こども・子育て関係施策、男女共同参画施策等」の中に教育も入れるべきではないかという御趣旨ではなかったかと思っております。「こども・子育て関係施策」の中に含まれ得るのではないかと思っておりますが、確認をさせていただければと思っております。

○石川委員長 ありがとうございます。
 言語習得についての施策登録はどちらでしたでしょうか。

○立石参事官 こちらの施策登録自体は厚生労働省さんでございますが、言語の獲得という部分についてはなかなか難しいのかなと思っております。様々な障害がある中でそれを書くかどうかということは、検討を要することではないかと思っております。
 とりあえず今時点でございますが、以上でございます。

○石川委員長 少なくとも手話言語の習得について、基本計画の中でどこかしかるべき施策として登録すべきという御意見はごもっともかと思いますけれども、教育ということになりますでしょうか。これについては検討をお願いしたいと思います。
 では、岡田委員、お願いします。

○岡田委員 ありがとうございます。
 これまでも何度も発言をしてきました19ページの「1.差別の解消、権利擁護の推進及び虐待の防止」の(1)のところで、先ほど久保委員から御提案がございましたように、ここに「医療施設における身辺介助」を入れていただくことと、「繰り返し」を削除するという御意見に深く賛同いたします。
 この政策委員会でまとめました「障害者の権利に関する条約の実施状況に係る障害者政策委員会の見解」の中で、「障害者政策委員会は以下の対応を求める」として、「例えば福祉施設、在宅介護サービスや医療施設での同性介助の標準化や障害のある女性に対する性犯罪防止策のさらなる推進などに取り組む必要がある」と書かれております。このレポート内容を基本計画にも反映していただく意味でも、ここにぜひ医療施設を加えていただきたいと考えますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。

○石川委員長 重ねてよろしくお願いいたします。
 では、眞保委員、お願いします。

○眞保専門委員 ありがとうございます。法政大学の眞保です。
 66ページの「おわりに」の記載は、大変いい文章を追記していただいたと思っております。その上で上から4行目なのですが、「加えて」の後に「災害発生時や」という文言を追記したらいかがかと思っております。
 無論、その後の文章で「感染症の感染拡大など」と「など」があるわけですけれども、災害発生時の障害のある方の死亡率は大変高いものがあるということがさきの震災でも指摘されているところでありますから、あえてもう一つ付け加えさせていただきたいと考えております。
 もう1点は細かい点なのですけれども、23ページの「2.安全・安心な生活環境の整備」の【基本的考え方】の四角の中の上から2行目に、「丁寧に伺った上で」という記載がございます。丁寧に書かれているのでよろしいかとも思うのですけれども、ほかとのバランスにおいて、こちらだけ少し敬体の表現になっているかなと思いまして、御検討いただければと思っております。
 以上です。

○石川委員長 御指摘の方向で修正ということで問題ないかと思いますので、次に宮本委員、お願いいたします。

○宮本専門委員 ありがとうございます。宮本です。
 先ほど岡田委員がおっしゃったことと関係あるのですが、19ページの「(1)権利擁護の推進、虐待の防止」の3つ目の○のところです。そこに修文していただきたいことがございます。
 「医療施設の身辺介助」を加筆し、「繰り返し」という言葉を削除する。修文すると「障害福祉サービスの提供及び医療施設の身辺介助においては、利用者の意向を踏まえ、本人の意思に反した異性介助が行われることがないよう取組を進める」ということです。
 理由は、委員からもあったとおり、入院施設などにおいても異性介助は日常的に行われていて、特に障害のある女性には性的被害や虐待となりやすい状況があります。障害者政策委員会から、今年、国連に送られたレポートに医療施設を含む同性介助の標準化の課題が述べられており、ぜひこのレポートを反映していただきたいと思います。
 「繰り返し」という言葉の削除については、たとえ一度限りでも影響が深刻であることに加えて、基本計画という大きな課題や方向を示す文章において不要な言葉だと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 基本的に久保委員、岡田委員と同じ御提案かと思います。厚労省には重ねてよろしくお願いいたします。
 続きまして、北川委員、お願いいたします。

○北川委員 ありがとうございます。日本知的障害福祉協会の北川です。
 私からは2点の意見と1点質問です。
 47ページの1つ目の○ですが、これまでも発言してきたのですが、障害者支援施設において入所者の意思決定支援を行うことを加えていただけたことは、障害のあるご本人の望む暮らしを実現するということにおいて本当によかったと思います。さらにこれに加えていただきたいのは、まだ多くの施設には多床部屋があるという実態があるため、ここの大きな項目ですが、安全に安心して生活できる住環境の整備というのを加えていただけたらと思いました。
 次に、48ページの3つ目の○ですが、ここでは「児童発達支援センター及び障害児入所施設」と書かれていますけれども、この内容は児童発達支援センターの内容が記載されていると思いました。今、児童福祉法が改正になりまして、児童発達支援センターは特に中核的な支援センターと位置付けられていますが、障害児入所はまだ位置付けられていないと思います。  ですので、児童発達支援センターに加えて、もう一つ項目立てをしていただいて、障害児入所施設についても同様に専門的機能の強化を図り、特に最近では多くなっている、虐待を受けた障害児等の対応を含めてより家庭的な環境で支援を行う、環境の整備を図る必要があるということを加えていただきたいと思います。子どもの権利条約からも、今、家庭的な環境ということが言われていますので、よろしくお願いします。  3つ目は3ページで、最後に「しなやかで強い社会」という言葉があったのですが、強い社会というところに違和感がありました。しなやかで豊かな社会とか、強くなければいけないのかというところにいかがなものかという思いを持ちました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 まず、厚生労働省、お願いいたします。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 厚生労働省障害保健福祉部の桑と申します。
 今、委員から御指摘がございました1点目及び2点目につきましては、引き続き御指摘も踏まえながら検討してまいりたいと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございます。
 3点目については内閣府・事務局もしくは私からという感じですが、私が述べたほうがよろしいでしょうか。

○立石参事官 いずれにしても石川委員長と御相談をさせていただければと思います。

○石川委員長 御指摘の点は、私も気にしながらも、弱くてもろいの反対の社会だということを言いたいというのが趣旨で、弱い社会ではない、もろい社会ではないということが言いたかったのですけれども、検討させていただきます。
 佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。DPI日本会議の佐藤です。
 私からは1点です。
 片岡委員が言われたところと同じで恐縮なのですけれども、資料1の46ページの最後の○のところです。
 ここはこれまでも何回かお願いしているのですけれども、前段のところで入所施設・病院、親元から移行しやすくなるような支援というのは入れていただいたのですけれども、後段の「地域生活支援拠点等」のところに、具体的に言いますと、「地域生活支援拠点等については、緊急時の受け入れ・対応並びに入所施設・病院、親元からグループホーム、一人暮らしなど地域生活への移行の役割を担う」と入れていただきたいと思います。ここの部分が地域生活支援拠点の説明になりますので、どういった役割を担うのかということをここで明確に書く必要があると思います。
 厚労省が今年の3月にまとめた検討の手引では、地域生活支援拠点というのは2つの役割と5つの機能が明記されております。今の書きぶりではそこが不十分なままで終わってしまいますので、何としてもここはぜひ加筆をお願いしたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 厚生労働省、お願いします。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 厚生労働省障害保健福祉部の桑でございます。
 いただいた御指摘も踏まえながら、記載について検討してまいります。
 以上でございます。

○石川委員長 よろしくお願いします。
 それでは、中野委員、お願いします。

○中野専門委員 中野です。
 修文案が1つと質問が3つあります。
 まず、修文案です。6ページの「Ⅰ 障害者基本計画(第5次)について」「4.条文との関係」の最後です。「(3)条約との整合性の確保」についての修文案なのですが、最後に「なお、障害者権利委員会による総括所見との整合性については、十分に検討することができなかったため、来期の政策委員会で引き続き検討を行うものとする」という文章の追加をお願いしたいと思います。
 理由は、今回の障害者基本計画(第5次)では、障害者権利委員会による総括所見の政府訳が間に合わなかったこともあり、総括所見との整合性について十分な議論を行うことができなかったと認識しているからです。
 「おわりに」に書いていただいたとおり、総括所見の中には、今後の日本の障害者政策にとって極めて重要な指摘もあるため、精査することは必要不可欠ではないかと思います。
 なお、今期の障害者政策委員会は残り1回のみなので、「おわりに」は非常にいい文章だと思うのですが、「おわりに」にさらに、来期の障害者政策委員会において、障害者権利委員会による総括所見を精査した上で、障害者基本法の見直しを行う必要性があることについても言及していただいてよいのではないかと思います。
 これが修文案です。
 あと小さな質問が3つあります。
 1番目の質問は、30ページ「(3)意思疎通支援の充実」、1つ目の○の中に「点訳、代筆、代読、音声訳等による支援を行うとともに」という記載があるのですけれども、この「音声訳等」の中に、権利条約の意思疎通の定義にある「拡大、利用しやすいマルチメディア、平易な言葉」などが含まれていると考えてよいかどうかについてお教えください。
 2番目の質問は、53ページの「(2)教育環境の整備」のところです。いろいろ意見を申し上げましたが、今回修文をしていただいてありがとうございます。その確認の中で、「おおむね10年までの期間内において、特別支援学級の教師や、特別支援学校の教師を複数年経験する」という箇所につきましては、今回は修正をしないという決断がなされました。
 前回、専門家や保護者等からは疑問視する声が上がっているという意見を出させていただいたわけですが、それでも修正しないという点につきましては、個人的には残念に思っております。座長もそのような御判断をされたということで了解しましたが、この政策決定をした委員会がどこであるかというのが分かりませんでした。ぜひ委員会の名称を教えてください。
 最後、質問の3番目です。教育の振興についてなのですが、差別解消法の改正によって私立の学校へも合理的配慮が義務化されることになったわけですけれども、これを周知徹底するための取組や計画については今回特段の言及がなかったかと思います。そのような取組は今のところ計画されていないのかどうかということについてお教えください。
 以上です。

○石川委員長 修文の御提案と質問3点ということで、修文の提案は大変重要な御指摘をいただきました。内閣府、いかがでしょうか。

○立石参事官 内閣府でございます。
 総括所見との関係について御指摘をいただいたところでございますが、基本的に総括所見につきましては、その指摘の内容につきまして、その施策を所管する担当省庁においてきちんと検討が行われるべきものと考えております。したがって、障害者政策委員会につきましては、総括所見につきまして全般的に精査をする場ではないと考えてございます。
 また、障害者基本法の改正につきましては、その改正の内容などについて具体的な検討がない中で、改正を行うということだけを書くということはなかなか難しいのではないかと考えております。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございます。
 この点についても、また事務局とも意見交換をしたいと考えております。基本計画の中に載せる内容の範囲に入るのか、あるいは入らないのかということもあったり、来期の委員会の在り方について、今期でどこまで踏み込んでということもあるのですが、重要な御指摘なので、基本計画にということよりも、今期の委員会として来期への引継ぎみたいなこととしてお願いすることも含め、相談させていただきたいと思います。
 3点の質問のうち1点目は選挙広報だったでしょうか。

○中野専門委員 意思疎通支援でございます。

○石川委員長 失礼しました。これは厚生労働省になりますか。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 厚生労働省障害保健福祉部でございます。
 大変申し訳ございません。30ページの意思疎通支援の関係なのですけれども、現在国会の対応で担当が同席しておりませんので、確認して改めて御回答するような形にしたいと思います。

○石川委員長 もし含まれるのであれば、明示したほうがよりよいように思いますけれども、中野委員は御賛成いただけますか。

○中野専門委員 明示していただけると非常にありがたいと思います。よろしくお願いします。

○石川委員長 2点目、3点目につきましては、文部科学省、お願いします。

○文部科学省(初等中等教育局特別支援教育課 宇野課長補佐) 文部科学省特別支援教育課課長補佐の宇野と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず2点目に御質問いただいた10年目までに複数年というところに関して、会議体の名称に関するお尋ねがございました。
 読み上げさせていただきます。「特別支援教育を担う教師の養成の在り方等に関する検討会議」、こちらは昨年度の10月頃に立ち上げまして、今年の3月に御提言をいただいた会議体の名称でございます。こちらが2点目の御質問への回答でございます。
 続きまして、3点目におきまして、差別解消法の改正に伴って、私立学校に合理的配慮が義務化されたことの周知の具体的な方法に関して、今、どうであるかという御質問をいただきました。
 現時点で、こういうやり方で周知をしますというところまで決めているところではございませんけれども、この基本計画の中におきましても、7ページから8ページ目にかけて、差別解消法の改正であるとか、それに伴う基本方針の改定、また、各省における対応指針の改定に取り組んでいき、必要となる準備を十分に行うことが求められるという記載がございますので、この記載も踏まえながら、必要に応じて関係省庁と連携しながら周知の取組をしたいと考えてございます。
 以上でございます。

○石川委員長 ありがとうございました。
 まだ挙手されている委員が複数いらっしゃいますけれども、1回ここで休憩を挟みたいと思います。現在2時57分なので、3時12分再開とさせていただきます。

(休憩)

○石川委員長 お待たせいたしました。この後の政策委員会の持ち方等について事務局とも相談しておりまして、時間を費やしてしまいました。失礼しました。
 それでは、佐保委員、お願いします。

○佐保委員 ありがとうございます。連合の佐保です。
 私から1点、軽微な修正だと思いますが、意見をさせていただきます。
 情報通信における情報アクセシビリティの向上の部分で、29ページ、2つ目の○の中でデジタル推進委員の説明について記載が追加されておりますが、この中で「デジタルに不慣れな方」という記載がありますが、デジタル庁のホームページの説明では、「デジタル機器・サービスに不慣れな方等に対し」と記載がございます。基本計画も書きぶりを合わせてはいかがかと思っております。
 理由につきましては、現在ではデジタルと言えばそれで理解していただける皆さんが多いのではないかと思いますが、もともとデジタルは、いろいろな意味がございますので、デジタル推進委員の書きぶりと合わせたら正確かと思い、発言をいたしました。
 以上です。

○石川委員長 恐らくその方向で問題ないと思います。
 時間の関係で、次に玉木委員、お願いいたします。

○玉木委員 ありがとうございます。
 今回で最後の議論になると思うので、思っていることを言わせていただきたいと思っています。
 意見としては、久保委員等がおっしゃった医療施設の身辺介助の件と、「繰り返し」を削除するということと、片岡委員が長いこと言っておられた地域生活支援拠点の中で、地域移行支援を促進するための仕組みを書き込むということが書いていただきたいこととしてあるということなのですが、今日いろいろ聞いていて気づいたことがあったので、それをお伝えしたいと思います。
 特に地域生活支援拠点の話については、過去何回も意見として上がっていたにもかかわらず、厚生労働省から出てくる文章は変わっていない。今回も厚生労働省障害保健福祉部の方は、毎回担当者がいないので受け止めておきますと言われながら全然反映していないということでいくと、今回最後と言われても、そこがちゃんと反映していくかどうかというのは非常に不安になっているのは間違いないので、やはり最後の論議であれば最後の論議であるほど、各省庁、できれば責任のある回答をこの場でしていただけたらよかったなと思っているところです。
 もう1点は、中野委員の意見に近いのかなと思うのですけれども、総括所見の中の肯定的な意見として、条約の実施管理を担当する機関として障害者政策委員会を設置したことはいいことみたいなことで書かれていたと思うのですけれども、その所見を受けて権利条約を実施していく上で、国内法制度でどのような課題があるのかを検討して意見を述べることが条約の実施機関としての政策委員会に求められるのではないかと、中野委員の発言を受けて思った次第です。
 長いこといろいろな論議をさせていただいて、受け取っていただいたこと、また、受け取られなかったこと、いろいろあるのですけれども、最後に「おわりに」というすてきな文章をつけていただいて、ちょっとほっとしたところです。本当にありがとうございました。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 1点目はほかの委員とも共通する点だと思いますけれども、可能であれば後で厚生労働省の方から、検討したけれども難しいものについて、既にお聞きであれば担当課から補足説明するということは可能ですか。
 厚労省、いかがでしょう。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 厚生労働省障害保健福祉部の桑でございます。
 御指摘いただいた点につきましては、今、担当者が不在なのですけれども、担当者を呼んでまいりますので、参りましたら改めて回答する形としたいと思います。申し訳ございませんが、少々お時間をいただければと思います。

○石川委員長 よろしくお願いします。
 続きまして、竹下委員、お願いします。

○竹下委員 日視連の竹下です。
 まず1点目は、要望ないし確認です。
 中野委員と重なるのですけれども、私は総括所見との整合性を「おわりに」の部分で付け加えてほしいと思っていたのですが、場所的には中野委員の指摘する場所でもいいので、どちらかで必ず入れていただきたい。
 その理由は2つあります。
 一つは前回までに私が申し上げていたことで、19ページの権利擁護の虐待防止法のところの書きぶりが「適正な運用を通じて」としかない。これは非常に限定されているので、「必要な見直しも含めて」というのを入れてほしいとお願いしたのですが、残念ながら受け入れられませんでした。
 それはそれで仕方がないので、少なくとも「おわりに」のところで、今後の必要な検討が行われるという含みとして考えたいので、そこの修文までは求めませんが、この点は、必要な見直しについても今後5年間に検討されるということで確認をさせていただきたいと思うわけ。それだけに、総括所見を踏まえた検討がこの政策委員会でされなかったら駄目だと思うのです。
 なぜならば、現に総論のところに権利条約との対応性や整合性を指摘しているのに、総括所見についてだけ内閣府の所管でないというのは矛盾しているといいますか、対応としておかしいのではないかと思うのです。それだけに、書きぶりは慎重あるいはいろいろと検討すべき文言はあるのでしょうけれども、総括所見との対応についても必ず検討していただくということは入れていただきたいというのが1点。
 2点目は、24ページと25ページになるのですけれども、この部分で私の方が大事だと思っているのは、駅とか商業施設の無人化の問題であります。この点も前回発言したのですが、残念ながらその文言を受け入れていただくことはできませんでした。例えば駅で言いますと、単に地方だけでなくて、都会においてもAIを含めてどんどん無人化が進んでいく中で、視覚障害者などが非常に対応に苦慮し、あるいは不安を感じているわけです。
 それだけに、ぜひこの部分で無人化ということを含んだ文言を入れていただいて対応を意識していただきたいという意味で、まず24ページの2-(2)-2のところで「適切な対応の確保に向け、無人化された駅も含め旅客施設や」としていただきたいと思うし、25ページの2-(3)-8になりますが、「サービスを利用できるよう、事業者が」の後に「無人化された店舗を含め、電話や」としていただければと思います。
 お願いは以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 無人化駅の件につきましては、国土交通省からお願いできますか。

○国土交通省(総合政策局バリアフリー政策課 北小路課長補佐)国土交通省バリアフリー政策課、北小路でございます。
 従前から、駅の無人化のお話をいただいていたところでございます。内部でも検討させていただいていたところではあるのですけれども、御指摘いただいた2-(2)-2のところなのですが、国土交通省ではもともと旅客施設の移動等円滑化、バリアフリーの推進をさせていただいていますが、国土交通省としてはこの中に無人駅も全て含まれた状態で扱わせていただいているところです。当然国土交通省の会議等では、しっかり無人駅に対しての検討はさせていただいていますし、それぞれの中では細かく書かせていただいているところであったのですけれども、こちらの大枠の中では旅客施設ということで書かせていただいて、ここに包含されるということで修文させていただいていなかったところでございます。しっかり対応させていただいているところであって、その辺りは御理解いただきたいと思っております。
 以上です。

○石川委員長 よろしくお願いいたします。
 では、安部井委員、お願いします。

○安部井委員 全国重症心身障害児(者)を守る会の安部井でございます。ありがとうございます。
 資料5として提出した意見の一部を取り上げていただき、46ページに加筆していただきましたこと、深く感謝申し上げます。重症児者の命を守るための体制整備をぜひお願いいたします。
 1点質問があります。「おわりに」の12行目から16行目に総括所見の内容が断定的に書かれておりますが、日本語訳がまだ公表されていないと聞いております。外務省が翻訳されたことが記載されているのでしょうか。ぜひ教えてください。よろしくお願いいたします。

○石川委員長 総括所見からの引用について、内閣府、お願いします。

○立石参事官 内閣府事務局の担当の立石でございます。
 先ほど御説明があった「おわりに」の総括所見の部分でございますが、御指摘のとおり外務省の仮訳はまだできておりませんので、各省庁において、その言葉について書かせていただいた段階のものということで御承知おきいただければと思います。
 以上でございます。

○石川委員長 続きまして、細かい修正、意見なのですが、私の方から提案をさせていただきます。
 1-(1)-3は既に述べられているので飛ばします。
 2点目、6-(1)-10、「課題の整理を進め、将来的な見直しについて検討を行う」となっておりますけれども、将来的な見直しというのはあまりにも遠い話となりますので、「必要な見直しを行う」と修正していただきたいと思います。
 3点目は複数箇所ありまして、障害者の視点を施策に反映させるという表現と、障害者の意見を施策に反映させるという表現の両方が混在しております。これを障害者の意見を施策に反映させるということで統一を図っていただきたいと思います。
 4点目、7-(6)-2ですけれども、「市町村に発信する」となっているのですが、何を発信するのかが不明瞭なので、「検討の成果を市町村に発信する」としていただきたいと思います。
 私からは以上です。
 厚生労働省、お願いいたします。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 厚生労働省障害保健福祉部の桑でございます。
 将来的な見直しは、精神保健福祉の担当がおりますので、そちらからの回答を申し上げます。また、「検討の成果を市町村に発信する」につきましては、自立室の担当が参っておりますので、その担当から回答を差し上げます。
 まず、精神保健の方からの回答を差し上げます。切替えまで少々お待ちくださいませ。

○厚生労働省(障害保健福祉部精神障害保健課 薫田係員) 失礼いたします。厚生労働省精神障害保健課の薫田と申します。
 今、御指摘いただきました「障害者を有する当事者の意見を聞きながら課題の整理を進め、将来的な見直しについて検討を行う」の部分なのですが、今回の法改正案の方にも「必要な」という記載をさせていただいておりますので、一旦こちらで検討させていただきたいと思っております。
 御意見ありがとうございます。

○厚生労働省(障害保健福祉部自立支援振興室 大城室長補佐) 障害保健福祉部、自立支援振興室の大城と申します。
 ただいま御指摘のございました福祉用具の関係ですが、御指摘を踏まえまして修文案を検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。

○石川委員長 よろしくお願いいたします。
 続きまして、阿部委員お願いします。

○阿部委員 ありがとうございます。日本身体障害者団体連合会の阿部です。
 66ページに「おわりに」という文章を加えていただいて本当に良かったと思います。分かりやすくなりました。
 その文章の中で、下から5行目、読ませていただいて確認したいところがあります。「なお」以下ですけれども、「なお、障害者施策の検討及び評価に当たっては、『私たちのことを、私たち抜きに決めないで』の考え方の下、障害者が意思決定過程に参画し、障害者の視点を施策に反映させることが重要である」とありますけれども、障害者が意思決定過程に参画するということがよく理解できなかったことで、「施策の決定過程に参画し」なのかなと思いながら、ここに「意思」ということを入れていることについて教えていただければと思います。そのことだけです。

○石川委員長 多分誤植かと思いますが、内閣府、一応お願いします。

○立石参事官 事務局、内閣府の立石でございます。
 御指摘の点でございますが、障害者の意思決定過程の参画につきましては、例えば15ページの「③評価(Check)」のところで、「障害者施策の評価に当たっては、障害者が意思決定過程に参画することとし」と書かれている部分でございますとか、また、審議会等におきまして委員として参画するということで政策決定過程への当事者参画、そういったことを想定して書かせていただいた記載でございます。
 今、御指摘がございましたので、再度見直しまして、適切な書きぶりとなるようにしてまいりたいと思っております。御指摘どうもありがとうございました。
 以上でございます。

○阿部委員 よろしくお願いします。

○石川委員長 続きまして、曽根委員、お願いします。

○曽根専門委員 曽根です。
 46ページのところに依存症回復施設の解釈を示していただきまして、ありがとうございました。
 意見なのですけれども、19ページの本人の意に反した異性介助の部分なのですが、ここに「特に女性に対する同性介助が原則となるよう取組を進める」という一文を加えてはどうかという意見です。
 理由なのですけれども、異性介助となりますと、女性に対する男性介助もある一方、男性に対する女性介助もあるということになると思います。ただ、実際に福祉・医療で働いている職員の比率で考えますと女性職員の比率が高いという現状にありまして、男性に対して男性介助をきちんと体制として用意するというのは、現場の要請としてはなかなか厳しいという実態があると思います。異性介助となりますと、そこが薄まってしまって、なかなか難しいねということになって実効性につながらないのではないかということを懸念しました。
 今回も女性の委員の方たちがここについて繰り返し意見を述べていらっしゃいまして、やはり女性に対する男性介助というものが問題として取り上げられていると理解しましたので、そういった一文を加えまして趣旨が明確になるように、あるいは現場としても実態として対応が進むようにしてはどうかという意見です。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。
 厚生労働省、いかがでしょうか。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 障害保健福祉部の桑でございます。
 ただいま御指摘をいただきました、また、ほかの委員からも御指摘をいただいております異性介助の関係なのですけれども、現在担当が離席しておりますが、今、呼んでまいりますので、こちらも先ほど御指摘いただいたほかの記載と併せて回答いたします。少々お待ちいただければと思います。大変申し訳ございません。

○石川委員長 分かりました。お待ちします。
 では、佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。DPI日本会議の佐藤です。
 2回目の発言で申し訳ございません。
 先ほど中野委員と竹下委員が言われていた御意見、大切な提案だと思いますので、私からも重ねてお願いしたいと思います。
 「おわりに」の文章はとてもいい文章で、私もよかったなと思っています。ここにぜひ来年の政策委員会で総括所見の分析をするという旨を加えていただきたいと思います。そして来年の政策委員会では、ぜひ総括所見の分析と基本法の改正を踏まえた議論をしてほしいと思っています。
 この障害者政策委員会は、障害者権利条約の国内監視機関でありますし、権利委員会に対しては政策委員会として意見も出しました。今年の夏の建設的対話には石川委員長と三浦委員長代理が行かれて、国連の権利委員の皆さんにも説明をされまして、とても高い評価をいただいたと聞いております。ぜひそういったことも踏まえて、今後、総括所見の分析を検討していただいて、基本法の見直しも複数箇所で勧告されていますので、この基本法の見直しにもつなげていっていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。

○石川委員長 ありがとうございます。
 内閣府、事務局の御意見を伺いたいのですが、第5次の基本計画の各論の中で、政策委員会の活動は内閣府として登録する施策の中に入ると思うのですけれども、その中で国内監視枠組みとしての総括所見の検討であるとか、総括所見に基づくフォローアップであるとか、そうしたことを第5次の基本計画の中で行うということを登録するのは決して無理な話ではないと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○立石参事官 内閣府障害者施策担当の立石でございます。
 御指摘をいただいているところでございますが、繰り返しで大変恐縮ではございますけれども、総括所見につきましては、まず各省庁におきまして、勧告が出た施策についてきちんと検討を行って対応を行うということが先になってくると考えてございます。
 そういったことも踏まえて、障害者政策委員会につきましては、基本計画のフォローアップとか基本計画の策定がミッションとなっているわけでございますので、総括所見につきましては、まずは施策を担当している各省庁においてしっかりと専門的な検討が行われてからでないと、政策委員会としてもなかなか難しいのではないかと思っております。
 現時点でございますが、以上でございます。

○石川委員長 さらなる御検討もいただきたいと思います。
 では、米山委員、お願いいたします。

○米山委員 全国児童発達支援協議会の米山です。遅れての参加で申し訳ございませんでした。
 障害児の支援についてたくさん書き込んでいただいて、ありがとうございます。  4点ほどございます。
 一つ、資料1の14ページの「②障害のあるこども」のところですけれども、6行目の「こどもと家族に対する妊娠期からの切れ目のない継続支援を早期から行うことが必要であり」と書いてありますけれども、ここの「切れ目のない」というところに「切れ目のない継続した成長・発達支援を早期から行うことが必要であり」と入れてはいかがかと思いました。
 「こどもと家族に対する」というところに当たるので、成長・発達は子供の成長・発達支援ですからその手前ですか。失礼しました。「こどもと家族」の手前のところに「こどもの成長・発達支援と家族に対する妊娠期から」というところです。
 あと、飛びまして41ページになります。これは前回御指摘させていただいた点なのですけれども、(2)の3つ目の○のところで「乳幼児期から高齢期」までと入れていただいてありがとうございます。
 そこで、リハビリテーションが障害者権利条約の26条では「Habilitation and rehabilitation」となっていて、Habilitationの翻訳は「適応のための技能の習得」と括弧書きで書いてありますけれども、国立障害者リハビリテーションセンターにおいてということで幼児期からというと、やはりリハビリだけでなくてハビリテーションという意味が入ると思いますので、ここでハビリテーションとリハビリテーションの手法の開発や」と入れてはいかがという提案をさせていただいたのですが、日本の中でハビリテーションというのはなじみがなくて、いろいろな学会で意見も聞いたのですけれども、ほかのところでの文言では、子供に対しては発達支援、英語で言えばDevelopmental supportになっていると思いますし、医学用語の中でも、知的障害の方の神経発達症の中に入っていて、それに対する支援ということで書いてあるので、ハビリテーションということはなく、全体的には児童のことも発達支援ということになっているので、ここではハビリテーションという言葉を使わずに、「発達支援及びリハビリテーションの手法の開発」としたらいかがかと、もう一度改めて提案で、これは皆さんの御意見を聞いて、ハビリテーションという言葉をどう位置付けるかというのは検討できたらいいと思いました。  あと、短いことですけれども、次の42ページの(4)の2つ目の○ですが、「理学療法士、作業療法士、言語聴覚士」の後に、リハビリテーションの方に携わっておりますので「公認心理師」を入れていただきたいと思います。前回お伝えしたかもしれません。
 もう一つ、48ページ、3つ目の○になります。「児童発達支援センター及び障害児入所施設について、障害の重度化・重複化や多様化」と書いておりますが、障害児入所施設は、厚生労働省の平成30年の調査では37.7%が社会的擁護、いわゆる被虐待の疑いのある子供たちが入所されているという実態がありますので、そこに「障害の重度化・重複化や社会的擁護の必要なこどものケアなど多様化を踏まえ」というように、「社会的擁護の必要なこどものケア」という文言を入れていただきたいと思います。
 最後になりました。54ページの一番下のところに「大学入学共通テストにおいて実施されている障害のある受験者の配慮」と書いてありますが、これは「障害等のある受験者の配慮」という案内になっていますので、「等」を入れていただきたいと思います。
 以上です。

○石川委員長 発達支援、ハビリテーションの辺り、厚生労働省、いかがでしょうか。

○厚生労働省(障害保健福祉部施設管理室 中郡係長) 障害保健福祉部施設管理室の、中郡と申します。
 まず、国立障害者リハビリテーションセンターの取組につきまして、前回委員からいただいた御指摘の趣旨を踏まえまして、センターでも手法の開発や試行的サービスの提供や情報発信につきまして、子供のハビリテーションも対象としておりますので、それを明確にする形で、前回「乳幼児期から高齢期までの」という文言を加える修正をさせていただきました。
 また、センターの方で検討した結果なのですけれども、リハビリテーションという文言は、一般的には子供のハビリテーションも含まれているという意味合いで、後段の部分を残す形で前回の修正とさせていただいております。
 ですので、本日、米山委員から御提案いただきました、リハビリテーションのところに「発達支援」という文言を加えていただく修正でありましたら、センターの取組についても登録施策の記載として十分かなと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございました。
 それでは、片岡委員、お願いします。

○片岡委員 全国地域生活支援ネットワークの片岡です。
 2回目の発言で大変恐縮ですが、挙手ボタンを押さずにはいられなくなり押してしまいました。
 たくさんの委員の皆様が発言されましたように、障害者政策委員会は条約の実施の監視を担当する機関であるということであれば、私の認識といたしましても障害者権利条約の国内モニタリング機関として、総括所見を受けての議論・検討は政策委員会でも行うべきという認識です。総括所見を受けて、国内の法制度でどのような課題があるのかをしっかりと検討することが条約実施の監視機関としての政策委員会に求められていることだと思います。
 そのようなことを踏まえまして、先ほど中野委員や玉木委員、竹下委員、佐藤委員の発言には強く賛同いたします。
 以上です。

○石川委員長 ありがとうございます。同感です。
 それでは、厚労省、同性介助・異性介助関連の点ですけれども、担当者は到着されていますでしょうか。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 障害保健福祉部でございます。
 申し訳ございません。まだ担当の方が別の国会業務の関係で来られておりませんで、今日の委員会はこれで終わりということであるならば、大変申し訳ないのですけれども、改めて書面かメールで、内閣府の事務局を通して回答させていただければと思いますが、いかがでしょうか。

○石川委員長 この後の今日の残り時間のこととか、委員の御意見やら事務局の意見やらも聞いて相談したいと思いますので、それによって判断させていただきたいと思います。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 委員会の最後の方であれば、もしかしたら担当が間に合うかもしれないので、最後の方で時間があって、担当が間に合えば、その場で回答させていただくことでもよろしいでしょうか。

○石川委員長 可能な限りお待ちいたします。
 三浦委員、挙手ボタンを押していらっしゃったかと思います。

○三浦委員長代理 御指名ありがとうございます。
 総括所見のことなのですけれども、先進11か国の中で全ての条項について懸念と勧告の提言があるのは日本だけというお話を当事者の法学の研究者から伺いました。
 また、先般、総合支援法の一部を改正する法律案の附帯決議が衆議院の方でも通りまして、その中で2か所、国連障害者権利委員会の対日審査の総括所見における指摘事項を踏まえてあります。当然各省庁も本気で向き合って前に進もうとしていただいていると思うのですが、国内モニタリング機関の政策委員会委員としては、多くの方が同じ気持ちでいてくださると思うのですけれども、相当緊張感と責任感を持って総括所見を受け止めておりますので、何らかの形で終わりに、今後の課題としても結構なのですけれども、表現をしていただくことを私も重ねて要望いたします。よろしくお願いします。

○石川委員長 ありがとうございました。
 これで各委員からの意見と可能な範囲で今日の段階での府省庁からの回答があったわけですけれども、事務局、いかがでしょう。
 いかがでしょうというのは、今日の議論の今の状況で、今期の政策委員会はこれで終わりにして、委員長一任で基本計画の採択は可能でしょうか。あるいは各委員はどのようなお考えでしょうか。率直なところをお聞きしたいと思います。

○立石参事官 事務局、内閣府の障害者施策担当の立石でございます。
 本日、御意見を多く頂戴いたしましてありがとうございます。御承知のとおり、次の基本計画の始期といたしましては来年度の4月1日ということを考えますと、本基本計画の障害者政策委員会としての意見につきましては、委員の皆様の任期のことも考えますと今年中にお取りまとめいただければ大変ありがたいということで、以前よりお願いを申し上げていたところでございます。
 本日、意見がございましたけれども、主な御意見としましては、同性介助の話、地域生活支援拠点の話、また、先ほど来ございます政策委員会での総括所見の検討、この辺りを大きな意見といたしまして、ほかにも委員の皆様から文言の修正等、様々な御意見があったと思ってございます。
 事務局といたしましては、いつかはきちんと取りまとめていただかなくてはいけないということを考えますと、本日いただいた御意見について修正をさせていただきまして、それをもって次の予定、年内に日程を確保していただいておりますけれども、その日に本日いただいた意見に対する検討の結果を御報告させていただくこととしてはどうかと思っております。
 毎回新しい御意見を頂戴しておりますと、なかなか最終的な取りまとめに至らないのではないかという心配もございますので、そのようなことを考えておりますけれども、いかがでございましょうか。

○石川委員長 大変柔軟な事務局の姿勢に敬意を表したいと思います。
 つまり、あと1回年内に、今日の議論を踏まえて可能な限り最大限修正できるところは修正した事実上の確定版といいますか、あとは誤植であるとか表現の不統一といった微細な点については委員長一任の形で、原則としては報告のための委員会を年内にもう一回だけ開いて、委員会の場で採択として締めくくりたいという提案と理解したのですけれども、委員の御意見はいかがでしょうか。そのようなことで賛成していただけますでしょうか。
 何か御意見のある委員がいらしたら挙手ボタンをお願いしたいのですが、賛成意見でしたら結構です。それ以外に何かあれば。
 大丈夫でしょうか。そうしましたら、本日の議論を踏まえて最大限修正やら調整をいたしまして、こうなりましたというものを報告する。それで今期の政策委員会を締めくくるとしたいと思います。
 その際には、例えばどうしても基本計画に組み込むことができなかった大きな論点につきましては、可能な限り担当省庁の方からも説明をいただければと思います。この点も御協力いただければと思います。
 同性介助・異性介助の辺りの御担当はまだ国会でしょうか。

○厚生労働省(障害保健福祉部企画課 桑主査) 申し訳ございません。まだ国会の対応で離席しています。申し訳ございません。

○石川委員長 分かりました。
 そうしましたら、各委員から出た意見は極力御検討いただいて反映させていただくようにお願いしつつ、次回は本当に最終回となりますけれども、その際にも、もし何らかの限界みたいなものがあるとすれば、それはなぜなのかといった説明をしていただくと納得感が得られるかと思いますので、その辺りもよろしくお願いいたします。
 では、以上でよろしいでしょうか。事務局、何かありますでしょうか。

○立石参事官 事務局、内閣府の立石でございます。
 次回の日程等につきましては、また委員長と御相談しながら委員の皆様に御連絡を申し上げていきたいと思っております。
 以上でございます。

○石川委員長 それでは、以上をもちまして本日の政策委員会を終了いたします。委員各位は退室ボタンを押して退室してください。本日もありがとうございました。