障害者政策委員会(第80回)議事録
令和6年10月8日(火)
13:00~15:00
日本財団ビル2階会議室
(ハイブリット開催)
【議事に使用されている資料については「議事次第」のページにまとめて掲載していますのでご参照ください。】
○熊谷委員長 それでは、定刻になりましたので、これより「第80回障害者政策委員会」を開会いたします。
委員の先生方におかれましては、御多忙中のところ、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日の委員会は15時までを予定しております。
本日は、安藤真理子委員、内布専門委員が所用により御欠席、大下委員、佐保委員が途中で御退席、水流委員が到着が少し遅れているという御連絡を受けております。
ここで、事務局の交代がございましたので、御報告をお願いいたします。
○古屋参事官 このたび人事異動により事務局の交代がありましたので、御報告申し上げます。統括官の黒瀬でございます。
○黒瀬統括官 統括官の黒瀬でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○古屋参事官 続きまして、審議官の江浪でございます。
○江浪審議官 審議官の江浪でございます。よろしくお願いいたします。
○古屋参事官 そして、参事官の古屋でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、審議に入ります。
ここで、議事に入る前に、オンラインで御参加の委員へお願いがございます。
御発言いただく際には、まずチャットメッセージに文字で「挙手」と書いて送信いただくことによりまして「挙手」を頂き、委員長の御指名を受けてから御発言をお願いできればと存じます。
また、御発言の際にはマイクに近づいてゆっくり分かりやすく御発言いただくこと、最初に結論を述べて、その後、ゆっくり簡潔に理由や説明をしていただくことが情報保障の質を上げる上で非常に重要でございます。限られた時間の中でなるべく多くの方の御意見を伺う際の効率を考える上でも重要になってまいりますので、可能な限り御協力をよろしくお願いいたします。
○熊谷委員長 熊谷でございます。ありがとうございました。
それでは、早速ですが、本日予定している議事を進めたいと思います。
議題及び資料について再び事務局から説明をお願いいたします。
○古屋参事官 事務局の古屋でございます。
本日は、資料として資料1から資料4-17と、委員御提出の資料を用意しているところでございます。
まず、資料1に沿って本年の障害者政策委員会の議題について御説明させていただきます。資料1を御覧ください。
本年は、今後3回にわたり、第5次障害者基本計画の実施状況について、第3章の柱立てごとに御審議いただくところでございます。
第1回目の本日は「障害者に対する差別や偏見のない共生社会の実現に向けた対策推進本部」の設置についての御報告の後、計画の実施状況として、分野1から分野5についてを議題として御審議いただきます。
第2回目の10月29日は、計画の実施状況として、分野6・7・9についてを議題として御審議いただきます。
第3回目の12月11日は、10月14日から16日に予定されているG7包摂と障害に関する担当大臣会合についての御報告、そして障害者権利条約の次期対日審査の予定についての御報告の後、計画の実施状況として分野8・10・11についてを、併せて総括所見に対応する障害者基本計画に関連する記載がないものについてを議題として御審議いただきます。
本日は、御審議に先立ちまして、資料2を使いまして「障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた対策推進本部」の設置について御報告させていただきます。
そして、分野ごとに事務局から御説明させていただいた後、委員の皆様からの質疑をお聞きし、休憩時間を挟んでから、各省庁からの御回答をさせていただきます。
○熊谷委員長 熊谷でございます。御説明ありがとうございました。
ただいま事務局からも説明がありましたが、まずは内閣府より御報告いただきまして、その後に委員の皆様から質疑をお受けいたしまして、14時5分をめどに休憩に入りたいと思っております。
それでは、事務局から実施状況等について御説明をお願いします。
○古屋参事官 事務局の古屋でございます。
事務局から議題1、議題2について、一括して御説明させていただきます。
まず「障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた対策推進本部」の設置についてでございます。資料2を御覧ください。
7月3日の旧優生保護法の最高裁判決を受けまして、内閣総理大臣を本部長とし、全大臣を構成員とする「障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた対策推進本部」を設置しました。第1回は7月29日に開催され、総理から4点の指示があったところでございます。
まず、1点目、結婚、出産、子育てを含めた希望する生活の実現に向けた支援の取組の推進についてでございます。厚生労働省におきまして、事例集を作成し、自治体や事業者、支援者等に対してさらなる周知を図るほか、本年度中に解説動画や障害当事者の方にも分かりやすいリーフレットを作成するなど、取組を進めていくこととしているところでございます。
2点目、各府省庁における職員の研修・啓発の点検、3点目の「ユニバーサルデザイン2020」のフォローアップ・取組強化、これらにつきましては、9月に各府省庁に対し、内閣府から点検やフォローアップ等に関する依頼を行っているところでございます。今後、研修・啓発の見直しを行うなどし、新しい行動計画を策定することとしているところでございます。
4点目、障害当事者の意見を反映する体制の構築でございます。本部の下に各省庁の官房長、局長級を構成員とする幹事会を設置し、前委員長の石川准先生のほか、田門浩先生、坂元茂樹先生にも有識者構成員となっていただいております。今後、幹事会で障害当事者の方へのヒアリングを進め、有識者構成員の方からの御意見を頂きつつ、推進本部で新しい行動計画を策定していく予定でございます。政策委員会でも御意見を賜り、施策に反映していく予定でございます。
続きまして、第5次障害者基本計画のフォローアップについて御説明させていただきます。今回は、柱立ての1から5について御議論いただくところでございます。資料が大部となっておりますので、かいつまんで御説明させていただきます。
資料3-1を御覧ください。こちらの資料は、今回、1から5まで御説明させていただき、御意見を頂くところでございます。
まず「1.差別の解消、権利擁護の推進及び虐待の防止」についてでございます。
1ページを御覧ください。「(1)権利擁護の推進、虐待の防止」についてでございます。令和6年度報酬改定におきまして、虐待対策未実施の事業所の減算の導入等が行われていることが記載されているところでございます。
続きまして、4ページを御覧いただければと存じます。1-(1)-8の成年後見制度について見直しの検討が開始されていることが記載されているところでございます。
続きまして「(2)障害を理由とする差別の解消の推進」についてでございます。
5ページ、1-(2)-1は、障害者差別解消法に基づく職員の対応要領について各府省の取組状況を記載しているところでございます。先ほど申し上げましたように、現在、推進本部での総理指示を受けまして、各府省庁で職員への研修・啓発の状況について点検・調査中でございます。詳しいことについて調べたものをお示しするような形になろうかと思います。
続きまして、17ページでございます。1-(2)-4は、内閣府におきまして、昨年10月から令和7年3月まで、障害者差別解消法に関する質問に回答することを目的とする相談窓口としまして「つなぐ窓口」を試行的に実施しているところでございます。相談対応件数については資料に記載しているとおりですが、改正法の施行直前の3月から月平均の相談件数が大きく増加していまして、令和7年度予算で継続の要求をしているところでございます。
続きまして、20ページの1-(2)-9は、国家試験や大学入試での合理的配慮について24ページまで記載しているところでございます。振り仮名の試験問題や拡大問題用紙、パソコンでの受験、点字受験などが行われているところでございます。
続きまして、24ページ、1-(2)-10は、代筆や代読等の対応について記載しているところでございます。金融庁におきまして、金融機関における取組状況の把握といったものが行われているという記載もあるところでございます。
次に「2.安全・安心な生活環境の整備」についてでございます。
28ページを御覧ください。2-(1)-2は、居住支援協議会について記載されているところでございます。
30ページを御覧ください。「(2)移動しやすい環境の整備等」について、公共交通機関でのバリアフリー化の状況を記載しているところでございます。令和5年度末の数字については現在集計中でございます。
続きまして「(3)アクセシビリティに配慮した施設、製品等の普及促進」についてでございます。こちらについては、33ページから35ページまで取組を記載しているところでございます。
続きまして「(4)障害者に配慮したまちづくりの総合的な推進」につきましては、35ページから39ページまで取組について記載しているところでございます。
続きまして「3.情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実」でございます。こちらについては、40ページから記載しているところでございます。
41ページの3-(1)-2と3-(1)-3は、情報アクセシビリティの確保・向上というところでございますが、こちらに当たって、デジタル庁の取組を始め各府省庁における対応を記載しているところでございます。
続きまして、45ページ、3-(1)-7でございますが、電話リレーサービスの提供について金融機関での取組のほか、総務省での電話リレーサービス提供機関が実施する講習会や利用登録会等へ協力が記載されているところでございます。
続きまして「(2)情報提供の充実等」についての記載でございます。48ページ、3-(2)-4でございますが、読書バリアフリー法に基づく協議会が昨年7月に開催されているところでございます。また、教科書の文字を音声で読み上げるなどの機能を持つ音声教材の経費支援や、小学5年生から中学3年生までを対象にした学習者用デジタル教科書の普及促進等について記載されているところでございます。
続きまして「(3)意思疎通支援の充実」につきまして、50ページから51ページまで、「(4)行政情報のアクセシビリティの向上」については68ページまで記載されているところでございます。
続きまして「4.防災、防犯等の推進」についてでございます。
「(1)防災対策の推進」については、69ページ、4-(1)-3でございますが、内閣府において、災害対策基本法に基づく避難情報の発令や被災者支援に係る要配慮者への情報提供に当たり、留意する事項等について自治体に対して必要な助言を行っているところでございます。
72ページ、4-(1)-9でございますが、検討会の取りまとめを踏まえて国土交通省で「水害ハザードマップ作成の手引き」や「重ねるハザードマップ」等の改定が行われているところでございます。
続きまして、74ページ、4-(2)-2は、1月の能登半島沖地震におきまして、避難所での居宅介護等の対応について記載しているところでございます。
続きまして「(3)防犯対策の推進」について、警察等での対応について75ページ、76ページに記載しているところでございます。
「(4)消費者トラブルの防止及び被害からの救済」について、77ページ、78ページに記載しております。
最後に「5.行政等における配慮の充実」でございます。
「(1)司法手続等における配慮等」について、79ページ、5-(1)-1と5-(1)-2は、警察・検察当局での障害者の特性を踏まえた適切な取調べに対する指導の実施や研修の実施などが記載されているところでございます。
続きまして、81ページ、5-(1)-6でございますが、こちらには裁判官向けの研修等が記載されているところでございます。
続きまして「(2)選挙等における配慮等」につきましては、82ページ以降に記載されているところでございます。
続きまして「(3)行政機関等における配慮及び障害者理解の促進等」につきましては、84ページ以降、各省庁での対応要領、対応指針について記載しているところでございます。
110ページを御覧いただければと存じます。「(4)国家資格に関する配慮等」についてでございます。相対的欠格条項の検討状況について御意見を受けまして、別途資料3-4を配付しておりますので、御確認いただければと存じます。
続きまして、資料3-2を御覧いただければと存じます。目標値の達成状況について記載しております。計画の初年度ということもあり、目標を達成した指標はございませんでした。
続きまして、資料3-3を御覧いただければと存じます。国の審議会等の障害のある女性委員の選任の状況について記載しているところでございます。政策委員会を含みます障害者政策に関わる5つの審議会につきまして、全委員数を分母、障害のある女性の委員数を分子とする割合を示しているところでございます。
最後に、資料4として各省からの説明ペーパーをつけています。御参考に御覧いただければと存じます。また、委員から提出されている資料もお配りしているところですので、御覧いただければと存じております。
説明については以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○熊谷委員長 熊谷でございます。御説明ありがとうございました。
それでは、ここで14時5分までをめどに質疑の時間に移りたいと思います。
オンラインで御参加の委員は、チャットメールに「挙手」と入力し、送信アイコンをクリックしてください。
本日は、進行上の都合により、挙手していただいた委員につきまして、会場に御参加の委員、オンラインで御参加の委員、交互に御質問や御意見を頂きまして、休憩時間の後に各省庁から回答を頂きたいと考えております。
それから、御質問、御意見はできるだけ簡潔にお願いいたします。また、御発言の際は、お名前をおっしゃってから、そして省庁からの回答に関しましては、省庁名、所属部署、氏名を述べてから御発言をお願いしたいと思います。
それでは、御質問、御意見がある方は挙手をお願いいたします。
まず、小枝委員からお願いいたします。
○小枝委員 ありがとうございます。鳥取県から参りました小枝達也と申します。
内閣府の方に質問させてください。資料3-1の70ページ、4-(1)-5でございます。福祉避難所について記載があります。福祉避難所に対して指定を進めているということなのですけれども、設備等で余裕がないと、なかなか外部の方までお引き受けするということはできませんので、その予算措置についてどのようになっているかということをお教えいただけたらと思っております。
私、今、肢体不自由児施設に勤めておりまして、先月、西日本の肢体不自由児施設の施設長及び事務長の会議がございました。そこでこういった問題が出てまいりまして、実際、津波が来るという連絡を受けて、入所者の方を垂直避難させたのだそうですが、やはり呼吸器等を使っている方がたくさんいらっしゃいますので、その方たちの避難プラス道具、機械の避難もさせなければいけないということで、本当に際どい思いをしたというお話が出てまいりました。用具などは余分を避難先に置いておくということは非常に大事なことかなと思いましたのと、場合によっては間に合わないこともあるかもしれないといったときに我々はどのように対処したらよいのかということを運営ガイドラインの中にも記載していただけたらというお話が出ました。
予算措置と、緊急の場合にどのように対応したらいいか、全ての方を避難させることができないかもしれない、そういう逼迫した状況において福祉避難所に指定されたところの職員はどのように対応したらよいか、お示しいただきたい、この2点でございます。よろしくお願いいたします。
○熊谷委員長 熊谷でございます。ありがとうございました。
引き続きまして、オンライン参加、岡田委員、お願いいたします。
○岡田委員 ありがとうございます。全国精神保健福祉会連合会の岡田と申します。
工事の音が入って聞きづらかったら申し訳ないのですけれども、私からは2点の意見と質問を2点申し上げたいと思います。
まず、警視庁の方に対する意見です。御報告にもありますように、障害のある人の特性や障害に配慮したコミュニケーション等への理解を深めるための研修であったり、取調べに関する配慮について御報告を頂きました。このような取組を進めていだだけていることに大変感謝申し上げます。その上で、私からは、もう一歩進めた権利擁護の推進、虐待の防止という視点からの取組を進めていただきたいと考えております。
前回の委員会でも少し触れましたけれども、2022年の12月に、道に迷っていた精神障害のある男性が職務質問にパニックを起こしてしまって、公務執行妨害ということで連行されまして、愛知県の警察署内で拘留中に必要な医療的ケアも受けられず、また大変暴力的な扱いも受けたことから、死亡するという事件が起きております。精神障害がある人への対応のみならず、医療的ケアがされなかったということは大変重大な問題だと考えておりまして、精神障害がある人の尊厳を奪い、命を軽視した対応に恐怖さえ感じてしまって、過ぎたこととして終わりにすることはできないというのが私たち精神の立場です。
警察の皆様には、是非とも精神障害を始めとする障害への正しい理解を深め、偏見を排除する学びの継続と繰り返しとともに、虐待防止や人権擁護についても更に学びを深めていただく必要があるのではないかと考えております。御報告いただいたことを積み重ねながらも、更に徹底して、このようなことが繰り返されないようにということを願っております。強い権力を持ち、市民の命を守る立場の警察官の方々に、特に自らも虐待行為をしない、人権侵害行為をしないための学びというものをお願いしたいと考えております。
意見の2点目は、資料3-3、障害のある女性委員の人数についてです。これは、表を見れば一目瞭然で、圧倒的に障害のある女性の方の参画が少ないということですので、是非増やす方向で検討を進めていただきたいというふうにお願いしたいと思います。
質問の1点目です。資料3-1の3ページ、1-(1)-7のところに、全国の法務局・地方法務局及びその支局においてということで、障害のある人に対する人権問題について面談や電話等による相談に応じていると書かれておりますが、このことをどのように広報されているのか、教えていただきたいと思います。法務省のホームページからは検索できませんでしたので、広報をどのような形でされているか、教えてください。
質問の2点目、資料3-4の欠格条項に関してなのですけれども、このような検証・見直しの取組を御報告いただきまして、ありがとうございます。私どもの認識不足からなのですけれども、心身の故障、心身の障害や精神の機能の障害等による欠格条項というものがこんなにもたくさんあるということに、まず大変驚きました。そして、この表の中で「検証の実施」に丸がついている部分は下線部分が削除されたという理解でよろしいか、また、バツがついているものに関してはこれから削除する方向で検証がなされるという理解でよろしいでしょうか。それから、ここに挙げられた以外には欠格条項としての規定は存在しないという理解でよろしいかということについて教えていただけたらと思います。
以上です。ありがとうございました。
○熊谷委員長 熊谷です。ありがとうございました。
続きまして、会場から佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 ありがとうございます。佐藤です。
私、質問が多くて全部で14もあるのですけれども、それはとても聞き切れないので文書で後日提出しますので、また改めてお答えいただければと思います。それでも5点ほどお聞きしたいのですけれども、すみません。
まず、1-(2)-1の関連で金融庁にお尋ねしたいです。今年の春に、手の動かない頸髄損傷の方から相談を受けたのですけれども、ある地方銀行なのですが、これまでATMを指で操作ができないので、行くと、行員の方がいつも代理で操作してくださっていたのですけれども、代理で操作ができなくなったと急に断られたということです。その銀行は、内規で新たにATMの操作を行員が代理でやってはいけないというルールを設けたということでした。窓口に来てくださいと言われるのですけれども、窓口が開いている時間は限られていますし、待ち時間も非常に長いです。手が動かない、ATM操作ができない人に関しては、行員が目の前で代理操作するというのは合理的配慮の提供だと考えるのですけれども、金融庁はどういうふうにお考えなのでしょうか。また、この内規を認めているのか、金融庁からの働きかけは行わないのか、お聞きしたいと思います。
次は、国土交通省にお尋ねいたします。2-(1)-2の関連です。民間の賃貸住宅でバリアフリー化されたものはここ30年ぐらいほとんど増えていないです。私たちが引っ越しするときに住宅を見つけるというのはものすごく大変で、それは今でも全く変わっていないのです。新築時に室内の段差をなくするようなユニバーサルデザインの設計を義務づけるということが必要だと考えておりますけれども、そういったことは検討されているのか、お聞きしたいと思います。また、去年、バリアフリーの基準をガイドラインで作っていただいたのですけれども、それがどのぐらい守られているのか、新築でどのぐらいの民間住宅がバリアフリー化されているのかという実態調査を是非していただきたいと思います。同じく小規模店舗のバリアフリーの基準もガイドラインを作っていただきましたけれども、これがどのぐらい守られて作られているかという実態調査もお願いしたいと思います。
もう一つ、小規模店舗のバリアフリーは全然進んでいないのですけれども、建物の場合は、床面積2000平米以上の特別特定建築物はバリアフリー整備が義務づけされています。しかし、店舗内の義務基準はないのです。そのため、例えばデパートなどは2000平米以上ありますので、建物の入り口や通路、トイレといったところ、共用部分はバリアフリー化されているので使えるのですけれども、その建物の中に入っている店舗、そこは段差があったり、椅子が全て固定で、車椅子では入れないといった状態になっています。共用部分しか使えないという非常にいびつな状態です。これを改善するために、特別特定建築物は共用部分だけではなくて、入店している店舗内のバリアフリー整備の義務づけが必要と考えておりますけれども、これに対してどうお考えか、教えていただきたいと思います。
次は、環境省にお尋ねいたします。2-(4)-6です。国立公園ですけれども、アメリカの国立公園はものすごくバリアフリー整備がよくされていまして、最後まで楽しめるのです。最初から最後まで車椅子でもずっと行って楽しめます。しかし、日本の場合は国立公園の一部分しかバリアフリー整備されていないのです。ですから、せっかく行っても一番楽しいところを見られないということがよくあります。日本の場合は地権者が複数存在するということをお聞きしております。とはいえ、その状態を放置していたら、いつまでたっても国立公園は障害者が楽しむことができませんので、例えば特定の公園をピックアップしてバリアフリー状況を調査して、一体的な整備に取り組むといったモデル事業を実施してはどうかと考えています。これに対してお聞かせいただきたいと思います。
最後、車椅子使用者駐車施設について、これは警察庁にお尋ねしたいのですけれども、車椅子のスペース、3.5メートルの幅があるのですが、車椅子で乗り降りするときに、横の幅がないと、そこに入っていってドアを開けて車に乗ることができないのです。そういう意味で3.5メートル幅を作っていただいているのですけれども、一般の人がほとんど使ってしまって、全く空いていないという状態がずっと続いています。この不適切利用について国交省は様々な啓発をしてくださっているのですけれども、全然良くならないわけです。これはドライバーのモラルの低さが原因だと思いますので、免許の更新をするときに必ず研修を受けますけれども、そこで車椅子使用者駐車施設がなぜ必要か、何で3.5メートル幅が必要なのか、不適切利用は駄目ですということを研修に盛り込んでいただきたいと思います。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。ありがとうございました。
ここで、大変恐れ入りますが、会場に御参加の委員の皆さん、先ほど御発言なさる方に挙手を頂きましたけれども、十分に記録が取れていなかったということで、もう一度だけ挙手をしていただいてもよろしいでしょうか。しばらく手を挙げておいていただいて、恐縮ですが、記録が終わりましたら手を下げていただく感じになります。事務局の方、記録が終わりましたら教えてください。
御協力いただきまして、どうもありがとうございました。
それでは、続けたいと思います。オンライン参加の宮本委員、お願いいたします。
○宮本専門委員 ありがとうございます。宮本と申します。
私の声は聞き取りづらいかもしれませんが、御容赦ください。私からは3点あります。
1点目は、1番目の「差別の解消、権利擁護の推進及び虐待の防止」のところで、虐待について質問です。使用者による虐待について。性別は総数の中の割合のみ報告されていますが、性別とほかの要素との集計は存在するのかです。意見として、今後は是非集計と報告をお願いいたします。使用者による虐待については、毎年の障害者雇用状況調査において被雇用障害者の性別や年齢が把握されていないことが、全体的な評価を困難にしていることを課題として述べます。なお、養護者による虐待や施設における虐待については、調査報告に部分的に性別とほかの要素の集計がありますが、これらも不足しているようです。
2点目は、「障害のある女性の参画の確保について」です。意見と要望です。障害のある委員が少なく、障害のある女性委員は僅かです。「障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた対策推進本部」が発足しましたが、その有識者構成員に障害のある女性がいません。差別の解消、権利擁護の推進には立案段階からの当事者参画が不可欠です。一層の参画の確保のために、当事者に積極的に意見を聞いてほしいと思います。
3点目は、4番の「防災・防犯等の推進」として意見です。防災・防犯の取組をインクルーシブにしていく必要があります。障害のある女性が、女性に対する暴力に関する相談員を務めている例や、定期的な相談員研修の講師をしている例、防災について講師を務めている例があります。そうした取組が知られ、広がるように、防災や防犯に従事する職員や相談員の必修研修として、当事者を講師とする研修を行ってほしい。また、この点について、基本計画に関わる成果目標数値が何もありません。現行の取組を集約しつつ、成果目標を立てるよう検討をお願いいたします。
理由としては、障害のある人は、非常時、緊急時の問題が一層大きく、特に差別が複合することによる被害を被っています。障害のある女性は、暴力などの被害を訴えても話を信じられないとされ、取り合われない経験をしたという人は少なくありません。インクルーシブな社会にしていくこと、当事者参画を基礎として、通報、相談、避難、救援、日常生活支援において、障害のある人への対応を組み込んでおくことが必要であります。職員や相談員にもある差別・偏見を変えていくには、複合差別に対する視点を持ち、適切に対応するための研修を計画に具体的に組み入れることが必要であります。
全難聴は、聴覚障害者、とりわけ難聴者・中途失聴者の団体ですが、情報アクセシビリティについても意見、要望があったのですが、まとめられていませんので、後ほど提出したいと思います。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。ありがとうございました。
続きまして、石橋委員、お願いいたします。
○石橋委員 全日本ろうあ連盟の石橋です。
意見といいますか、全体的に申し上げたいことが2つあります。まず、障害者基本計画(第5次)の大きな考え方は何でしょうか。前回の計画から変わったポイントは何なのか。医学モデルから社会モデルに変わりましたという考え方が一つありますね。2つ目に、情報アクセシビリティという大きなポイントが取り上げられていると思います。これを踏まえて、今日は11項目の中の5項目を議論します。質問はたくさんありますが、事前に提出しております。本日中にご回答がないことは分かっておりますが、後日必ずご回答をお願いします。
幾つか絞って全体的なことで聞きたいと思っております。それは能登半島の1月の地震です。皆さん御存じのように、地域が孤立し、被害を受けている方がたくさんおられました。これまでの地震と、その後、大雨ですね。ダブルパンチを受け、非常に被害が増えております。とても被災者が困っているのは情報格差です。前回の東日本大震災のときの反省がどこまでできているのか疑問を持ちました。東日本大震災のときもかなり反省したという事ですが具体的にどこまでなさったのでしょうか。情報アクセシビリティについても、きこえないきこえにくい人たちの情報取得の改善は見られませんでした。情報アクセシビリティの重要性を改めて考えていただきたいところが一つです。
2つ目に、今回、障害者差別解消法の考え方「義務」が、民間企業も加えられました。努力義務から当たり前な考え方になりました。通常、公的な情報、特に全国のニュース、これはNHK、民放は字幕がきちんとついています。しかし、ローカル局の場合はほとんど字幕がありません。なぜ字幕付与の格差があるのか、なぜこうなってしまうのでしょうか。手話言語を排除しています。手話言語を利用できなくしています。日本語の読み書きができない、たくさんの聾者がいるのです。ニュースを、文字ありきの考え方で通す、字幕をつければ結果オーライだ、という事ではないのです。文字プラス手話言語双方つけて行うニュースです。手話言語による情報アクセシビリティ、これらについて今回どこにも書かれていません。進展も全くありません。命を守るという事も含め、対等な考え方で(障害者基本計画を)作成していただきたいと思います。そういう意味では、情報アクセシビリティの重みを改めて考えていただきたいと思います。
皆さんも同様だと思いますが、きこえる、きこえないに関係なく、いつでも・どこでも・誰でもコミュニケーションや情報が取れる社会こそ共生社会と言えるのではないでしょうか。いつでもとは24時間です。どんなときでもどこにいても同じように、誰もが情報を受けられる、コミュニケーションが取れる、家にいても外にいても自由に、そういう環境を整えることが我々の責務と感じております。これらの考え方をいろいろ意見として出したいと思っています。
今日は、質問は一つだけです。合理的配慮とは何でしょうか。特に司法の関係者はよくお分かりではないようです。例えば手話言語通訳者を配置する。それは誰の責任でしょうか。手話言語通訳者の場合、私たちだけが連れていくのではないです。皆さんがまず意識を高める必要があると思います。省庁から呼ばれても、手話通訳を準備するのは、予算がないという理由で、そちらで準備してくださいと言われてしまいます。こういう対応に疑問が残るわけです。7月3日の最高裁判所での判決は、傍聴席にも手話通訳がきちんと配置されました。7月3日でやっと私たちの要望がかなえられました。配置できたのは最高裁判所だけです。ほかの地方の裁判所は、手話通訳の配置は断られています、その違いは何なのでしょうか。矛盾が起きているのです。この矛盾を納得できる方法がないのです。以上、質問をしたいと思います。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。ありがとうございました。
続きまして、曽根委員、お願いします。失礼しました。今、オンラインから挙手がありましたので、福田委員、お願いいたします。
○福田委員 全国盲ろう者協会の福田です。ありがとうございます。
全体を通しての質問が幾つかあります。
一つは、啓発、研修などが行われるということが各所に明記がある、取組があるということですが、その際に当事者の講師を招くということを、もしくは当事者によく分かる人を招くということを書いていただきたい、議論したいということが一つです。よく知っている人、その分野に詳しい人による障害者向けのセミナーがあっても、情報がよく分からなくて、当事者が分かるという点が研修に抜けているので、そこを大事にしていただきたいということが一つあります。
そして、省庁横断的な意見ですけれども、子育て環境や、子育て政策が整ってきた、進んできた、整備されてきたことにより、今度はエレベーターなどの待ち時間、電車に乗るときの駅員サポートの待ち時間などに関して、非常に嬉しいような悲しい悲鳴が出てきました。東京で駅員がいる駅ですらかなり待ち時間が長くなりました。駅員がいない駅自体も増えてきました。エレベーターは、障害があるなしにかかわらず、共生社会でみんなが使えるものとしてもっと増やすような方向で考えるところにきているのかと思っています。
あと、観光などいろいろな場面において、情報保障の一つの取組として文字などでの説明でもある程度は理解できますが、最近、世界遺産の姫路城に行ったのですが、世界遺産ということで車椅子では入れないと言われました。そこに関しては諦めはつくのですが、ただ、建物の形、城の形を知りたいなどというのは、車椅子でなくても視覚障害があると時々あります。無理でなければ、せめて模型などの触って分かる情報保障というのを増やしていただきたいというのが一点です。
金融庁、消費庁に対しての質問、意見になりますけれども、最近、クレジットカードの番号を入れるときに、触って分かる番号のものが減ってきました。番号の順番もランダムにタッチパネルに表示されるようになり、それでは視覚障害がある、また私たち盲ろうにとっては、誰かに読み上げてもらい誰かに代理でENTERを押してもらわなければいけないという状況が発生しています。公共の場で自分のカードなどの大切な情報、個人情報を声に出したり、また手話言語、指文字などで表したりしなければならないことで個人情報を知られてしまうことの危なさというのは、生活の中では安全安心にそもそも問題があるのかなと感じています。
防災に関してですけれども、各地方自治体での取組で、私も酸素や人工呼吸器などを使用して生活しています。日常生活用具の中で電源がないと生命の維持ができない者にとっては、在宅避難が原則と言われましても、避難できない状況にありますので、まずはポータブル電源が確実にどの自治体でも給付対象になるようにまずしていただきたいと思います。今までの取組では、それぞれ個人の努力におおむね生命の継続が求められている状況にありまして、どうしてもお金がかかるものなので、一部の災害の多い地域では既に自治体レベルでの給付が決まっているところはありますが、それは各自治体での取組ではなく、国での取組に上げていかなければいけないのかなという認識を持っています。
幾つかあるのですが、最後に一つだけ、意思疎通でICT機器の関係ですけれども、デジタル教科書の話もありました。記載のところには、視覚障害、発達障害とあったのですけれども、重度肢体不自由とかでももちろん使えますので、「等」と書いてあるのですが、「等」で書かずに、もう少し入れたほうがいいのかなと、細かいところですけれども。
あとは、新しくどんどんツールが出てきて、そこへの補助がないまま、各家庭への依存、各家庭の持ち出しが多くなっているために格差が生まれているという状況があります。視線入力の機器であったり、それに伴うアプリやソフトであったり、情報を得るためのツールが特別にその人に合わせて作らなければいけないものであったり、また、副教材などの保障は各家庭で頑張っているような状況で、そこにスキャナーが必要であったり、裁断機が必要であったり、また、小・中でないと、高等学校は義務教育でないので、さらにエネルギー的にもお金的にも負担がかかっているような状況があります。大学入試のことは触れられていましたが、それまでの過程でもそこら辺は新しく出てきたイシューとして取り上げていただきたいと思いました。
情報保障に関しては、盲ろう者にとって文字だけでは難しい。ただ、近づけば手話が見える者も多いのです。ウェブサイトなど、あと、文字情報だけでなく、例えばQRコードを読み取れば画像で動画でも手話でも確認できるようにするなどの、目で見る、動画でも見ることができるものが増えれば、また分かりやすい版のさらなる拡充が求められます。
長くなりましたが、以上です。
○熊谷委員長 熊谷です。ありがとうございました。
残り時間僅かなので、簡潔に進めたいと思います。御協力をお願いします。
曽根委員、お願いいたします。
○曽根委員 曽根です。
私は、障害者虐待防止の関係で特に学校における虐待の通報義務に関して、厚生労働省、文部科学省に御質問させていただきます。
障害者虐待防止法の附則2条には、学校、保育所等、医療機関、官公署における通報義務を含めた虐待の対応について、法施行後3年後をめどに検討を加えることが定められています。この中で保育所等については、こども家庭庁において、保育士や職員による子供への虐待について児童福祉法を改正して虐待の通報義務を定めるということが表明されておりますし、幼稚園については、文部科学省が同様の通報義務化を検討しているということが公表されています。学校においても、障害のある子供、障害のない子供を分けない通報義務化ということが求められると考えております。ただ、令和4年9月に国連の障害者権利委員会から発出された対日審査の後の総括所見においては、障害者虐待防止法を改正して学校等の通報義務化を定めるべきということが勧告されていると理解しております。ただ、令和4年8月に開かれたジュネーブの障害者権利委員会において、そういった障害者権利委員会の意見に対して、日本政府として厚生労働省が、障害者のみに通報義務を課すと障害の有無によって対応が分かれるという課題があると答弁したと承知しております。
そこで、御質問ですが、障害者虐待防止法を所管する厚生労働省及び学校を所管する文部科学省においては、今後、学校における児童生徒に対する教職員による虐待の通報義務を含めた対応について法制化するとした場合、障害者虐待防止法の見直しにより、障害のある子供のみを対象とするべきというふうにお考えなのか、あるいは現在検討が進められている保育所等及び幼稚園の虐待通報義務化の方向性も踏まえて、障害の有無にかかわらず全ての児童生徒を対象とするべきとお考えか、御見解を伺いたいと思います。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷です。ありがとうございました。
北川委員、簡潔にお願いいたします。
○北川委員 ありがとうございます。
私のほうからは、まず、差別や偏見を根絶するということで共生社会の実現に向けた対策推進本部が政府にできたことは、これからにとっても、この障害者委員会にとっても大変弾みがつく事かと思います。
もう一点、最初の権利のところですけれども、ほかの委員の方もおっしゃっていましたが、女性の性暴力についてです。こどものほうは日本版DBSなどが導入されて、性的な被害に遭いやすい教育・保育等を提供する場における性暴力に対しての事業者による取組の指針など今つくられています。こどもたちも自分に起こったことがなかなか表現できなかったり、その後のトラウマなどが大変なことになりますが、知的障害がある女性なども起こったことの意味が分からなかったり、その後のどう表現していいのか、お世話になっている人にという、グルーミングなど、いろんなことがありますので、もう少しこどものほうで行っているような性暴力に対する対策が必要です。施設などでも非常にありますし、支援者から、残念なことに経営者からの性暴力などもまだまだありますので、もう少しこのことに対して手厚くして取り組んでいく必要があるのではないかと思います。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷です。ありがとうございました。
田中委員、お願いいたします。
○田中委員 日本視覚障害者団体連合の田中でございます。御発言の機会を頂いて、ありがとうございます。
私からは全て意見ということで申し上げたいと思います。
まず、分野1の(2)の障害を理由とする差別の解消関係です。項目の5番目には障害者差別解消法の広報・啓発に関する目標が掲げられております。この点につきましては、直接差別だけではなくて間接差別、関連差別、合理的配慮の否定というものが内容となり得るということをその普及啓発の内容に盛り込んでいただきたいと思います。これらの内容は、障害者権利委員会が公表しております一般的意見の中にも明記されているところです。また、障害者であるという側面と女性であるという側面、両方から差別的な取扱いを受ける、いわゆる複合的差別、交差的差別というものも広報・啓発の内容として取り組んでいただきたい、このように思っております。
同じく分野1の(2)の9ですけれども、入学試験、国家試験に関する合理的配慮の提供について記載があります。特に時間延長について申し上げたいのですが、このような配慮を頂いているところは多いかと思いますが、一律に1.5倍というような基準を適用するのではなくて、試験問題の長さあるいは解答までの作業量等も考慮しまして、1.75倍とかあるいは2倍と、試験時間も柔軟に対応していただきたいと思います。もちろん公平性の観点は忘れてはなりませんが、試験における国際的な合理的配慮の具体例も参照しながら、柔軟に御検討いただきたいと考えております。
次に、分野3の情報アクセシビリティ関係です。3-(1)-1には、障害者に配慮した情報通信機器及びサービスの企画、開発、提供が内容として書かれております。こういった場合にJIS X8341という基準を満たすだけではなくて、やはりユーザーテストというものを実施していただきたい。特に国の方針として情報通信技術を用いたシステムが導入されることがこれから増えてまいります。国の方針として導入する場合は全ての人が利用できることが前提です。もちろん障害者も利用者の一人となるわけです。したがいまして、タッチパネルのみで操作するとか、そうなると、事実上、視覚障害者は独力で使えないということになりますので、導入前に是非ユーザーテストというものを実施して、全ての人が取り残されることなく利用できる情報通信技術を導入していただきたい、これを強く望みます。
次に、分野4の(1)防災対策の推進関係です。ここでは、項目の3には災害発生時の情報提供体制について記載があります。また、項目5では、避難所、仮設住宅のバリアフリーというものが取り上げられております。これらにつきましても、災害が発生した後どうするかということではなくて、やはり事前の準備が非常に重要です。避難訓練等に組み込んでいただいて、是非これは障害当事者の意見を聞きながら、事前の準備を手厚くしていただきたい。災害が発生したときにどういった形で情報提供すると受け取りやすいのか、そういった具体的な内容を是非事前の準備に取り込んでいただきたい。避難所もプライバシーの保護を含めてどういう形がよいのか、仮設住宅のバリアフリーはどういうものが適切かというところを国としてやはり事前に準備をしていただきたい、このように思います。
次に、分野5の(1)司法手続の配慮についてです。ここでは5-(1)-1に「手続上の配慮」という言葉が出てまいります。障害者権利委員会の一般的意見第6号51項にもありますとおり、この手続上の配慮という言葉は合理的配慮という言葉とは異なります。均衡を失したまたは過度な負担という概念によって制約を受けないというのが手続上の配慮の非常に大きな特徴となります。この点を改めてこの場で強調させていただきまして、十分な予算措置、特に手話通訳者の確保というところは公費で負担するという制度も含めて十分な検討を頂きたい、このように思います。
以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷でございます。ありがとうございました。
まだ手を挙げていただいていますが、御発言いただけなかった委員の皆様、大変申し訳ございません。この後、各省庁からの回答もありますので、一旦ここで質疑の時間は終了いたしますが、事務局の皆さん、文書で1週間程度を目安にということですかね。
○古屋参事官 事務局の古屋でございます。
今回、たくさん御意見を賜って、皆さんまだ手を挙げられている方もいらっしゃる中で、大変恐縮ではございますけれども、お時間もありますので、この中でできなかったという方におかれましては、今週中に事務局のほうに御意見を頂ければ、各省庁から回答をもらってお答えするようにしたいと思っております。御理解賜ればと存じます。よろしくお願いします。
○熊谷委員長 熊谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
では、ここで休憩の時間はしっかり取るべきだという御意見もこれまで頂いておりますので、予定どおり10分、14時19分から再開したいと思います。
それでは、休憩に入ります。よろしくお願いします。
( 休憩 )
○熊谷委員長 それでは、時間となりましたので、再開したいと思います。
ここからは休憩の前に御発言のあった御意見、御質問に関しまして、関係省庁からの回答をお願いしたいと思います。
まず、内閣府の障害担当から、主に田中委員、宮本委員、岡田委員、福田委員から御質問を頂いているかと思います。こちら、お願いしてもよろしいでしょうか。
○古屋参事官 内閣府の古屋でございます。御回答申し上げます。
御質問を頂いた中で、災害関係のところについては、担当が今、台風がございまして対応中ということで、能登のほうに行っているということで、お答えは後日とさせていただければと存じます。大変申し訳ないです。
御質問いただいた点、何点かあると理解しております。
1点目ですけれども、障害のある女性に関してということで、委員等について岡田委員等から御意見を頂いたところでございます。障害のある方の委員に占める比率も重要でございますし、また、女性の占める比率の目標を政府で定めているところでございます。併せて両方あるという部分で、複合的な差別という部分にも着目して、こういったところを今後、多くの委員の方が選ばれるようにしていきたいと思っております。
2点目でございますけれども、手話通訳等の情報保障についての御指摘でございます。こちらについては、この会議も含めまして、内閣府等では手話通訳の確保についての予算も立てた上でやっているところでございます。ただ、省庁によってはしっかりと取組が進んでいないところがありますので、こういった場を機に各省で取組が進めばというふうに考えているところでございます。各省庁の対応要領では、こういった手話通訳の方をコミュニケーションで入っていただくということは記載しているところですので、各省庁の取組を促していきたいと考えております。
もう一点でございますけれども、推進本部の男女構成についての御指摘がございました。推進本部の幹事会のほうはメインが役所の人間という形になっておりますので、女性をというところが非常に難しいところであります。これから障害当事者の方のヒアリング等を進めていきますので、女性の方の御意見もしっかりと聞くようにしていきたい、このように思っておるところでございます。
私からの回答は以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷です。
田中委員から、解消法に関して間接差別とか合理的配慮の否定についても含めてほしいというような御意見ですとか、福田委員から、啓発の取組への当事者参画、この辺りにも御意見を頂いておりましたが、何か追加でありませんか。
○古屋参事官 田中委員から御指摘の点については、普及啓発の際には留意してしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
それから、福田委員からの御指摘の点でございますけれども、こちらについては各省庁の研修・啓発について現在調査をしているところでございまして、この中で研修内容についても調べているところでございます。研修の内容について当事者の方がどの程度関与しているか、どういう形で関与しているかというところも調べておりますので、この結果を踏まえて必要な対応を取っていきたいと考えています。
以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷でございます。ありがとうございました。
防災担当は、今、能登のほうで大変であるということで、後ほどということです。
続きまして、これは厚生労働省になりますでしょうか。北川委員から、女性の性暴力に関して、とりわけ知的障害のある方の性暴力の支援という御意見がありました。北川委員のこの御発言に対して厚生労働省からもしコメントありましたら、お願いいたします。
○厚生労働省 厚生労働省でございます。
北川委員の御意見、障害者虐待に該当する虐待行為につきましては、対応状況の把握や未然防止等を含めて推進しているところでございます。更なる強化についての御意見につきましては、貴重な御意見として承りまして、今後も検討してまいりたいと思います。
以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷でございます。ありがとうございます。
続きまして、警察庁でしょうか。佐藤委員からありました車椅子使用者の駐車施設に関して、モラルの問題ですね。一般の人が使っているという不適切利用を国交省のほうでは啓発しているが、状況は改善していない。免許更新の研修の中に盛り込める余地はないだろうかという御意見を頂きましたが、警察庁から何かコメントありますでしょうか。
○警察庁 警察庁免許課の深澤と申します。
佐藤委員から御質問がございました車椅子使用者用駐車施設につきまして、私のほうから回答させていただきます。運転免許証の更新時における講習におきましては、その講習で使用する教本に車椅子使用者用駐車施設の必要性や不適切利用をしないことについて記載することを、現在、教本を作成している全ての出版社に対しまして依頼しているところでございます。なお、新規に免許を取得する方に対しましては、指定自動車教習所の学科教習におきまして、車椅子使用者用駐車施設の必要性と不適切利用をしないことについての教習を行うよう指導しております。
私からは以上です。
○熊谷委員長 ありがとうございました。
すみません。まとめてお伝えすればよかったのですが、もう一点、警察庁に関連するコメントが岡田委員からありました。障害を持つ方への取調べに関する配慮についてのコメントです。虐待防止の視点から、精神障害のある方への対応について取組を進めてほしい、具体的には精神障害を持たれている方への理解啓発あるいは人権擁護や虐待防止といった形で警察庁の職員の方に周知するということは可能でしょうかというような御意見だったかと思います。要領が悪くてすみません。警察庁のほうからまたコメントありますでしょうか。
○警察庁 警察庁の永沢と申します。
それでは、私のほうから回答申し上げたいと思います。先ほど岡田委員から御意見を頂戴しておりますとおり、警察の職務につきましては、市民に接する機会が大変多い、そしてまた人権に関わりの深い仕事を行っております。そういったことからも、障害のある人の特性をよく理解した上で、その性別、年齢及び障害の状態などに配慮しながら、適切に対応するための研修を行っていくということは大変重要なものと認識しているところでございます。このことを踏まえた上で、警察では、新規の採用または昇任の際の研修において、障害を理由とする差別の解消を始めとする各種人権課題について理解を深め、そしてまた人権尊重の重要性や人権に配意した職務執行の必要性について理解させるための研修を行っているところでございます。その際には、いわゆる授業での座学といったものだけではなく、委員から御指摘もあったとおり、当事者の方や有識者の方からの御講話を頂いたり、また、関連施設へ訪問しての実習といったものを通じて障害特性や各種人権の課題について理解を深めるようにということを指導しているところでございます。
また、先ほど委員のほうからいろいろ御説明があった事案などもありましたけれども、新規採用時、昇任時のほかにも、専門的な仕事を行う職員に対して、例えば犯罪捜査や留置業務、被害者の支援、こういった仕事に専従する警察職員に対しまして、被疑者や被留置者、被害者などの人権に配意した適切な職務執行を期する上で必要な知識・技能を習得させるための専門教育にも努めているところでございます。
本日は大変重要な御意見を賜ったところでございますけれども、本日のお話も踏まえた上で、今後とも、様々な機会を捉えて、障害を理由とする差別の解消に向けて人権に配意した適正な職務執行を期すための研修の充実に努めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○熊谷委員長 熊谷でございます。ありがとうございました。
続きまして、金融庁に関連した御意見、御質問です。まず、佐藤委員から、銀行における代理操作の問題の御報告がありました。ATMの代理操作ができなくなった事例が一部の銀行である。合理的配慮の範囲だと思われるのだけれども、金融庁の見解としてはどうか、働きかけは行わないのかという御意見が一点、それから、福田委員から、クレジットカードに関して、最近、凹凸のない、触って分かりにくいものが増えてきてしまって、暗証番号などもランダムで出てきて、代理の方がいないと実質分からない、安全面上も非常に不安があるというような御意見がありました。これらの御意見に対して金融庁のほうからコメントありますでしょうか。
○金融庁 金融庁監督局銀行第一課の末広と申します。
まず、1点目、佐藤委員から頂きました銀行員によるATMの代理操作についてお答え申し上げます。ATMの操作につきましては、暗証番号の操作を伴うことが一般的でありますところ、銀行員によるATM操作は銀行員が暗証番号という非常に機微な情報に触れることになるため、現在、基本的に断ることとしている銀行が多いと聞いております。これは、昨今、他人の預金口座をターゲットとしたいろんな手口の金融犯罪が多発していることが背景にございます。身に覚えのない不正出金などが頻発している現状において、仮に銀行利用者が実際に金融犯罪に遭遇した場合、利用者が暗証番号操作をした銀行員を疑い、結果として利用者に不快な思いをさせてしまうおそれがあることから、銀行として慎重な対応をしているものと理解しております。したがいまして、障害のある方によるATM操作につきましては、金融機関は、利用者が必要とする適切な対応を行う必要があるものの、銀行員によるATMの直接操作につきましては、金融犯罪防止を徹底する観点から金融機関の判断としてお断りし、別の方法による入出金や振込をお願いしている現状であります。金融庁といたしましては、少し御不便をおかけするものの、別の方法の御案内が可能である状況におきまして、現在の金融犯罪の発生状況を踏まえますと、直ちに金融機関に是正を求めるものではないものと考えておりますが、今後の金融犯罪の状況などを踏まえつつ、各銀行において、障害がある方への適切な対応について、寄り添った対応を検討していくべきものと考えております。
2点目、福田委員から、カードやATMの使い勝手の点で御意見を頂いていたかと思いますので、お答えさせていただきます。ATMの使い勝手の点につきましては、現状、視覚障害者向けATMについて、例えば主要行におきましては、ほぼ100%整備されておりまして、音声ハンドセットのボタンに点字をつけたり、キャッシュカード挿入口に点字をつけたりしているATMを設置している銀行があると承知しております。一方で、カードの使用も含めまして、一部の方にとっては使いづらい仕様となっているのも事実かと承知しております。金融機関においては、数年ごとにATMなどの更新を行っておりまして、そういった更新に合わせ、利用者からの利便性に関する意見を頂き、反映している金融機関もあると聞いております。金融庁といたしましても、そのような事例を他の金融機関に対し幅広く紹介することによりまして、使い勝手が悪く感じる方が減るよう促していきたいと考えております。
以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷でございます。ありがとうございました。
多要素認証の技術も随分日進月歩のようなので、どんな障害があってもスムーズに認証が行えるような方法が今後整うといいなと個人的にも思っております。ありがとうございました。
引き続きまして、総務省の関連になるでしょうか。石橋委員から、情報アクセシビリティに関する御意見を頂いています。公的な情報、例えば全国のニュースなどにおいて字幕がローカル局などではついていないことも珍しくない。文字言語と手話言語を双方つけて初めて情報アクセシビリティが確保されるので、そのような社会の実現に向けてどのように考えているかというような御意見、それから、田中委員からも、こちらはデジタル庁になりますかね。まず、総務省に関して石橋委員からの御意見に対してコメントありますでしょうか。
○総務省 総務省地上放送課の川口でございます。
ローカル局における字幕付与に関しましては、予算等の問題から現時点では全ての番組への字幕付与は難しいと聞いております。総務省としては、放送事業者の取組を後押しするため、字幕番組や手話番組等の制作費に対する助成を行っております。
手話放送に関しましては、総務省では、字幕番組、解説番組、手話番組の普及目標を定めた「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」を策定しております。同指針は令和5年10月に改定を行っており、この改定において、大規模災害時等に手話通訳者が同席する会見等を中継する場合、できる限り手話を映り込ませるよう努めるものとすることを追記しております。これらを踏まえ、各放送事業者において、緊急災害時等における字幕や手話を含めた情報発信に関する取組を進めているものと承知しております。
総務省からは以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷でございます。ありがとうございました。
引き続きまして、田中委員からJIS基準に関連してのコメントがありました。企画、開発、提供という文言がありますけれども、単にJIS基準を満たすだけではなくてユーザーテストなども行うべきではないか、国の方針として情報通信技術を用いたシステムを導入する以上、障害を持った人々もユーザーになるのでというようなコメントがありました。こちらは恐らく総務省とデジタル庁の双方にまたがる御意見かなと思いましたが、まず、総務省のほうからこの御意見に対するコメントは何かございますでしょうか。
○総務省 総務省情報活用支援室の前里と申します。本日は貴重なお時間を頂きまして、ありがとうございます。
田中委員からの御指摘につきまして、総務省では、障害者の方や高齢者の方の利便性を増進するICT機器・サービスの研究開発等を行う企業を補助金の形で支援しておりまして、研究開発の過程では、当然、当事者も参加した形でのアクセシビリティをチェックしている企業もあります。今後もそれが当たり前のこととなるようにしっかり評価して採択していきたいと考えております。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷です。ありがとうございました。
同じコメントに関してデジタル庁からももしコメントがありましたら、お願いしたいのですが、いかがでしょうか。
○デジタル庁 お時間を頂きまして、ありがとうございます。デジタル庁の坂本と申します。よろしくお願いいたします。
現在、デジタル庁のほうで公開しております各省庁向けの標準ガイドライン群というのがございます。この中で、ICT機器等、それから情報サービスの調達の際にはJIS規格にのっとった対応を求めているほか、こちらのガイドライン群に付随する参考文書として様々なテンプレートを公開しているのですけれども、この中の要件定義書などのテンプレートに関しては、具体的にアクセシビリティの要件をこのように担保しなさい、JIS X8341-3のAAに準拠する、その上で一部のAAAの項目についても準拠するように努める。それから、テストについても、このような形にのっとってテストを行うというようなところで具体的な記載ぶりを各省庁にお示しして、情報アクセシビリティの向上に努めているということになっております。よろしくお願いいたします。
○熊谷委員長 熊谷でございます。ありがとうございました。
続きまして、法務省に関連した御質問、御意見に移りたいと思います。まず、石橋委員から、7月3日の最高裁では傍聴席にも手話通訳者が準備されたという事柄がありましたけれども、その一方で、地方裁判所などでは相変わらず断られている現状があるというような御指摘がありました。これに関してどのように解釈して対応を取っていくかというような御意見だったかと思います。これが1点目です。
続きまして、田中委員から、手続的配慮と合理的配慮というのは全く異なった概念であり、過度な負担といった観点によって制約を受けるのが合理的配慮、手続的配慮は受けないという違いがあるという解説を頂きました。司法手続における、例えば手話通訳や情報保障の配慮というものは合理的配慮ではなく手続的配慮のカテゴリーに入るものであり、十分な予算措置が必要である、加えて手話通訳者の確保もお願いする必要があるというような御意見がありました。これに関してどのように検討が進んでいるのかという御意見だったかと思います。
最後に、岡田委員から、障害のある方向けの人権相談というものを法務省のほうで行っておりますが、広報に関して十分に届くべき人に届いていない現状があるのではないか、現状どのように広報しておられるのか、あるいは今後の予定など伺えればというような御意見があったかと思います。
この3名の委員の御質問、御意見に対して法務省からコメントありますでしょうか。
○法務省 法務省司法法制部の加藤と申します。
私のほうから1点目の質問についてお答えさせていただこうと思います。御承知のとおり、令和6年7月に実施された最高裁判所大法廷における旧優生保護法関連事件の判決言渡し期日については、事案の内容、性質、実施予定手続の内容等を考慮して傍聴人に対する手話通訳者が公費で手配されたものと承知しております。したがって、裁判所においては、こうした事案の内容、性質、実施予定手続の内容等を考慮して手話通訳者を公費で手配するかどうかを個別具体的な各地の裁判所において判断されるものと承知しておるところでございます。
私からは以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
地方裁判所に関しての現状についてのコメントもあったのと、手続上の配慮、手続的配慮に関する予算措置、そして人権相談の広報に関しても御意見がありましたが、もしこれに関しても何かコメントなどありましたら、お願いいたします。
○法務省 引き続き、法務省司法法制部の加藤でございます。
先ほど私の答えが若干不足していたところがあり、申し訳ございません。地方裁判所においてどういう形で傍聴人に対する手話通訳者を公費で手配するかというところでございますけれども、これも繰り返しになりますが、最高裁判所大法廷判決において手話通訳者が公費で手配されたのは、その事案の内容、性質、実施予定手続の内容等を踏まえて判断されたものと承知しております。したがって、地方裁判所におかれてもこういった事情を考慮して個別具体的に判断されるものと承知しておるところでございます。
それから、手続上の配慮というところで、質問に対するお答えになっているかどうか分かりませんけれども。
○熊谷委員長 熊谷ですが、今、固まってしまったという感じですか。
○古屋参事官 事務局でございます。
今、法務省のほうに連絡を取って、画面が固まっておりますので、もう一回入ってもらうようにお願いしているところでございます。長時間お待ちいただいて、大変申し訳ございません。
○熊谷委員長 熊谷でございます。法務省の皆さん、つながりましたでしょうか。
○法務省 司法法制部の担当者は入っていないので、先に3点目をお答えさせていただいてよろしいでしょうか。
○熊谷委員長 熊谷でございます。お願いいたします。
○法務省 法務省人権擁護局の齊藤と申します。本日は貴重な機会を頂きまして、ありがとうございます。
法務局の人権相談の広報について岡田委員から御質問頂きました。全国の法務局、地方法務局での面談やインターネットによる人権相談窓口、また、LINEを活用した人権相談等の常設の相談所につきましては、ホームページ、リーフレット、パンフレット等で広く広報を行っているところでございます。そのような常設の相談所で相談を受けることが困難な社会福祉施設の入所者等に向けた当該施設での特設相談所というのも開設しているところでございますけれども、これらの特設の相談所での相談につきましては、当該施設の入所者に対する相談事業として開設しているものでございますので、当該施設内の広報を中心に広報を行っているところでございます。
私からは以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷でございます。ありがとうございます。
引き続きまして、先ほども厚労省の方にマイクを渡したのですが、もう一度だけ、宮本委員から、使用者虐待の詳細について性別や年齢ごとのデータが把握されているのかどうかというような御意見がありました。厚労省からコメントありますでしょうか。
○厚生労働省 厚生労働省のマツザキと申します。ありがとうございます。
大変申し訳ないのですけれども、使用者虐待の状況等の公表を担当しております課が本日参加しておりませんので、しっかり担当課のほうにお伝えしまして、後日回答とさせていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
○熊谷委員長 熊谷でございます。では、後ほどどうぞよろしくお願いいたします。
引き続きまして、文科省に関連した御意見です。厚労省にもまたがる内容かもしれませんが、曽根委員から、虐待の通報義務に関しての御質問がありました。これは総括所見とも関連する話で、今後、学校における、教職員における通報義務を法制化する場合に、ユニバーサルな方法で障害の有無にかかわらず通報義務を課すのか、それとも障害を持った児童生徒の虐待に特化した形での通報義務を制度化するのか、そのどちらかによって計画が変わってくるであろうということで御質問がありました。これが1点目です。
2点目として、福田委員からデジタル教科書について、「等」でくくらず、重度肢体不自由、明記したほうがいいということですね。これは資料3-1、配付資料においてということですね。明記したほうがいいという御意見です。
それから、別件です。新しい機器の導入が各家庭に依存しており、格差が生じている現状に対してICT機器の導入に関してどう考えておられるかというような御意見がありました。
それから、田中委員から、入学試験や国家試験における時間延長が1.5倍といった、十分な根拠があるかどうかというところも議論になりますけれども、そういった基準を画一的に適用するのではなくて、問題の長さや解答に至る作業量など個別具体的な条件を考慮して柔軟に対応できないかというような御意見がありました。こちらに関して文科省からコメントありますでしょうか。
○文部科学省 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課の河﨑と申します。本日はこのような貴重な機会を頂き、ありがとうございます。
それでは、順に回答させていただきます。まず、1つ目の曽根委員からの障害者虐待防止のところに関する御質問ですけれども、学校において障害の有無にかかわらず通報ができるようにするべきではないかといった御意見であると承知いたしました。学校においては、御案内のとおり、教員の行為について既に学校教育法上で体罰が禁止されておりまして、障害者虐待防止法とはまた異なった法体系で既に必要な措置が講じられているところでございます。ですので、曽根委員のほうから例として挙げていただいた保育園や幼稚園とは異なる観点での検討が必要であると現段階では考えております。
次に、福田委員から御質問を頂きました点について回答させていただきます。資料の中で、視覚障害、発達障害などに加えて肢体不自由等も含めたほうがというところについて、御指摘部分は文部科学省のみから出しているところではないため、そこは当省だけで御回答するのが難しいのですけれども、その次の新しい機器が多く生まれて家庭での持ち出しが多くなっているという点でございますが、こちらは御指摘のとおりで、学校でICTによる情報保障を進めていく上で、今、いろいろな機器が必要になり、それに応じていろいろ御負担も増えてきているものと承知しております。文部科学省としましては、入出力支援装置の整備補助、これにつきまして予算措置をしているほか、自治体ごとにカバーされる内容が異なってはくるのですけれども、特別支援教育就学奨励費を使っていただくことで学用品や教科用図書の購入費の補助をしております。
併せてデジタル教科書についても御指摘がございまして、デジタル教科書を高等学校のほうでもより使いやすくするようにというような御指摘を頂いたかと思いますけれども、担当に確認しましたところ、現在、高校でも80%弱の紙の教科書に対応するデジタル教科書が発行されている状況です。紙の教科書に加えて購入していただくということにはなるのですけれども、制度上は、高校においても教育課程の一部または全部において紙の教科書に代えてデジタル教科書を使用することができることとなっております。
いずれにしましても、教育現場においてICTによる情報保障というのは非常に大切でして、障害の程度に応じてICTを活用することで一層学びを支援することができるようになると思っておりますので、今後とも検討を進めてまいりたいと考えております。
それから、最後の田中委員からの入学試験における時間の延長の件でございますけれども、大変恐縮なのですが、本日、こちらの担当の者がここにまいっておりませんので、紙面にて回答させていただければと思います。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。ありがとうございました。
では、後ほど回答をどうぞよろしくお願いいたします。
引き続きまして、国土交通省ですね。予定の時間が少し過ぎておりますが、もう少し続けさせていただきます。佐藤委員と福田委員から御意見を頂いております。民間のバリアフリー住宅のユニバーサルデザインの義務化に関しての実態調査についての御質問、それから小規模店舗、特別特定建築物は、全体としてはパブリックスペースのバリアフリーは義務づけられていますけれども、そこに入っている店舗の中のバリアフリー化は義務づけられていないという点がありました。
福田委員からは、駅へのエレベーターの設置に関しまして、待ち時間が増えたことで、もう少し増やせないかということと、観光地での文化財へのアクセシビリティ、こちらは佐藤委員の御質問とも関わりますが、そこのアクセシビリティの問題と、情報アクセシビリティとして模型などで触って分かる情報保障をそういった場所で増やせないかというようなコメントがありました。
こちらに関して国土交通省からお答えありますでしょうか。
○国土交通省 国土交通省バリアフリー政策課長をしております瀬井と申します。よろしくお願いいたします。
まず、佐藤委員から住宅と店舗のバリアフリーについて御質問を頂きました。民間の賃貸住宅につきましては、先ほど佐藤委員からの御発言にもございましたが、本年6月に「障害者の居住にも対応した住宅の設計ハンドブック」というものを策定したところでございます。委員御指摘のバリアフリー化の義務づけにつきましては、必要となる追加コストなど、入居者や設計者に大きな影響を及ぼすおそれがあることから、慎重な検討が必要と考えておりまして、まずは6月に策定したハンドブックの普及に努めてまいりたいと考えております。
2点目、小規模店舗のバリアフリーについて御質問を頂きました。こちらにつきましては、令和3年3月に建築設計標準を改正いたしまして、小規模店舗のバリアフリー設計の考え方を盛り込んだところでございます。この改正後の標準を反映して建てられた小規模店舗の数については調査等を行っていないために現在は把握できておりませんけれども、引き続き、御意見を踏まえまして、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
3点目に、2000平米以上の比較的大きな建物の中に入っている小規模店舗のバリアフリーについてです。こちらにつきましても、令和3年3月に建築設計標準を改正したというところは同じでございまして、さらに、こちらにつきましては、令和5年7月に関係する事業者団体に対しまして、テナント店舗との賃貸借契約で定める内装工事指針などについて令和3年に定めました店舗のバリアフリー設計の考え方を盛り込むなど、テナント店舗のバリアフリーの促進に向けた協力を依頼したところでございます。引き続き、建築設計標準の普及を通じて小規模店舗のバリアフリー化に向けて取り組むとともに、建築設計標準に関するフォローアップ会議などにおいて必要な検討をしてまいりたいと考えております。
次に、福田委員からいただいた駅のエレベーターについてでございます。公共交通機関の旅客施設に関しましては、バリアフリーについての基準やガイドラインを定めておりまして、これらについて、先般のオリンピック・パラリンピック大会を契機といたしまして、鉄道駅のエレベーターの台数や寸法、籠の大きさ、こういったものについては当該駅における高齢者、障害者などの利用状況を考慮して選定する、こういった内容に改正したところでございまして、今後の整備の進展に期待しているところでございます。
もう一点の観光地での話でございます。委員が例として挙げられた姫路城につきましては、文化庁さんのほうに何か別のお話があるかもしれませんけれども、福田委員の御意見につきましては、観光地全般についての御意見ということで観光庁に伝えたいと考えております。
以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷でございます。ありがとうございました。
最後に環境省に関連した御質問です。佐藤委員から、国立公園のバリアフリーに関しまして、アメリカとの比較において日本の国立公園は一部分しかバリアフリー化されていない、今後、特定の公園をピックアップして一体的な整備に取り組むようなモデル事業などはできないものかというような御意見を頂きました。こちら、環境省のほうからコメントありますでしょうか。
○環境省 環境省自然環境整備課の二戸と申します。
それでは、御意見を頂きました件につきまして、こちらから回答させていただきたいと思います。国立公園等においては、優れた自然景観の魅力を利用者の誰もが楽しめるようにする観点から、魅力の本質である自然資源を損なわないよう留意しつつ、主要な利用施設であるビジターセンター、公衆トイレ、園路等のバリアフリー化の整備を推進しているところでございます。駐車場や園路、展望台等を含む一体的な再整備を検討している、地権者が複数存在するエリアにおいても、地権者を含む地元関係者、自治体、障害当事者の方々と意見交換を行いながら、利用者目線での施設整備を推進している地域もございます。これらの取組を参考に、今後とも、障害当事者の方々や関係する方々とコミュニケーションを図りながら、国立公園における一体的なユニバーサルデザインに取り組んでまいりたいと思っております。本日は貴重な御意見を頂きまして、誠にありがとうございました。
環境省からは以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷でございます。ありがとうございました。
たった今、法務省司法法制部のオカダさんから、不具合でネットに入れないので、後ほどメールにてレスポンスするというような御連絡を頂きましたので、御報告させていただきます。
それでは、時間も過ぎてしまいました。本日の議題は以上で全て終了となりますが、先ほども申し上げましたように、本日御発言いただけなかった委員の皆様におかれましては、10月12日土曜日、今週中までに事務局宛てにペーパーの形で御意見の提出をお願いできればと思います。頂いた御意見につきましては、担当の府省庁に共有させていただき、次回政策委員会で回答の時間を設けたいと思っておりますので、何とぞ御容赦いただければと思います。
最後に、事務局から事務連絡をお願いいたします。
○古屋参事官 事務局の古屋でございます。
本日は、御議論いただきまして、誠にありがとうございました。
次回の政策委員会は10月29日を予定しております。改めて御案内申し上げますので、何とぞよろしくお願いいたします。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
それでは、これをもちまして、第80回「障害者政策委員会」を閉会いたします。
オンラインで御参加の委員におかれましては、画面の「電話マーク」をクリックして御退出をお願いいたします。本日は誠にありがとうございました。