障害者政策委員会(第83回)議事録

令和7年3月12日(水)
9:30~11:30
中央合同庁舎8号館 1階講堂
(ハイブリット開催)

【議事に使用されている資料については「議事次第」のページにまとめて掲載していますのでご参照ください。】

○古屋参事官 皆さん、おはようございます。内閣府障害者施策担当参事官の私、古屋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 委員長の選出まで司会を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 定刻になりましたので、これより第83回「障害者政策委員会」を開会いたします。
 委員の先生方におかれましては、御多忙中のところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日の委員会は11時半までを予定しております。
 なお、委員会の冒頭、委員の皆様の御迷惑にならない範囲で報道の撮影が行われますので、御承知おきいただければと存じます。
 委員会の開催に当たりまして、三原じゅん子内閣府特命担当大臣より御挨拶いただきます。大臣、よろしくお願いいたします。

○三原大臣 皆さん、おはようございます。共生・共助を担当いたします内閣府特命担当大臣、三原じゅん子でございます。
 委員の皆様方には、大変お忙しい中本日の障害者政策委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 第7期となって初めての障害者政策委員会の開催に当たり、私から一言御挨拶申し上げたいと思います。
 昨年末、かつて旧優生保護法に基づく優生手術等が強制されていた事実への反省の下、障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた行動計画を取りまとめました。この行動計画は、旧優生保護法の被害者の方々や障害当事者の方々から御経験や御意見を伺い、検討を重ね、全閣僚を構成員とする本部で決定したものでございます。
 行動計画には、障害の社会モデルの考え方を踏まえて、社会全体での意識改革を進めるための施策やこれらを担う公務員の意識改革のための施策を広く盛り込ませていただきました。
 本日は、内閣府から詳細について御報告をした上で、皆様からまた御意見を頂戴したいと考えております。
 また、今期は今年秋のデフリンピック開催を控えて、障害者施策に対する社会の関心を一層高めていく大変重要な時期であると考えております。障害に対する理解を深め、障害のある方に対する偏見や差別をなくしていくためには、障害の有無にかかわらず交流し、相互理解のきっかけをつくることが何より重要であると思っています。このため、本年春には相互理解促進のための交流イベントを今回初めて開催することといたしました。委員の皆様、そしてまた関係団体の皆様と御一緒につくり上げていきたいと思っておりますので、ぜひ御協力のほどよろしくお願いしたいと存じます。
 最後に、委員の皆様におかれましては、ぜひ忌憚のない御意見をいただき、関係省庁におかれましては、当委員会での議論をしっかりと受け止めて、それぞれの施策に生かしていただくようお願いを申し上げたいと思います。
 全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合う共生社会の実現に向けて、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

○古屋参事官 ありがとうございました。
 三原大臣は所用のためここで退席されます。

(三原大臣退室)

○古屋参事官 それでは、初めに、オンラインで御出席いただいている方にウェブ会議の留意点について簡単に御説明いたします。
 まず、会議中は原則としてカメラをオン、マイクはミュートとしていただくようよろしくお願いいたします。
 また、御発言の意思表示につきましては、チャットメッセージで「挙手」と入力し、送信アイコンをクリックして行っていただくようお願いいたします。委員長の指名がありましたら、ミュートを解除し、御発言いただくようお願いします。発言後はマイクをミュートに戻していただくようお願いいたします。
 なお、会議中に通信回線や音声通話が途切れるなどの問題が生じました場合、また緊急の御連絡がある場合には、あらかじめ皆様に御連絡いたしました事務局の連絡先まで御連絡いただくようよろしくお願いいたします。
 本日は、次第と資料1-1から資料3、参考資料1から参考資料3までを御用意しております。
 資料3につきましては、日比委員からの提出資料でございます。
 また、障害者政策委員会や障害者施策に関する法令等の資料を基礎資料としてお手元に御用意させていただいております。こちらは毎回お手元に御準備させていただきますので、適宜御参照いただければと存じます。
 なお、今回からペーパーレス化を推進する観点から、タブレット端末を配付して資料を閲覧いただけるような形としております。不具合等がございましたら、お近くの内閣府職員までお声がけいただければと存じます。
 それでは、第7期の委員として御就任いただきました委員の皆様を御紹介させていただきます。
 委員名簿につきましては、参考資料1として皆様のお手元にお配りしております。第6期から継続いただいている方を御紹介した後、新任の委員、専門委員を御紹介させていただきます。新任の方におかれましては、1人当たり1分程度で御挨拶いただければと存じます。可能な限りゆっくり分かりやすく御発言いただくようよろしくお願いいたします。
 また、オンラインで御出席いただいている方、発言の際はミュートを解除して、できるだけマイクのお近くでお話しいただければと存じます。発言後はミュートの機能を再びオンにしていただくことをお忘れなくよろしくお願いいたします。
 それでは、御紹介させていただきたいと思います。お名前をお呼びいたしましたらお返事いただければと存じます。
 オンラインで御出席の社会福祉法人日本身体障害者団体連合会副会長、浅香博文委員。遅れられているようかと思います。
 続きまして、日本科学未来館館長、IBMフェロー、浅川智恵子委員。本日は御欠席と伺っております。
 全国重症心身障害児(者)を守る会会長、安部井聖子委員。
 続きまして、全国市長会、土浦市長、安藤真理子委員。本日は御欠席でございます。
 一般財団法人全日本ろうあ連盟理事長、石橋大吾委員。
 続きまして、一般社団法人全国地域で暮らそうネットワーク代表理事、岩上洋一委員。

○安部井委員 全国重症心身障害児(者)を守る会、安部井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○岩上委員 岩上でございます。よろしくお願いいたします。

○古屋参事官 続きまして、日本商工会議所産業政策第二部長、大下英和委員。本日は御欠席と聞いております。  続きまして、オンラインでの御出席の公益財団法人日本知的障害者福祉協会副会長、北川聡子委員。

○北川委員 北川です。どうぞよろしくお願いします。

○古屋参事官 よろしくお願いします。  続きまして、東京大学先端科学技術研究センター教授、熊谷晋一郎委員。

○熊谷委員 熊谷です。よろしくお願いいたします。

○古屋参事官 続きまして、オンラインでの御出席の鳥取県子ども家庭部理事監兼総合療育センター院長代理、小枝達也委員。

○小枝委員 小枝でございます。
 カメラの調子が悪いものですから、音声のみで参加させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○古屋参事官 ありがとうございます。
 続きまして、一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会会長、佐々木桃子委員。

○佐々木委員 佐々木でございます。よろしくお願いいたします。

○古屋参事官 続きまして、日本労働組合総連合会総合政策推進局長、佐保昌一委員。

○佐保委員 佐保でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○古屋参事官 続きまして、オンラインでの御出席の社会福祉法人全国社会福祉協議会全国身体障害者施設協議会会長、白江浩委員。

○白江委員 白江です。よろしくお願いいたします。

○古屋参事官 日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科教授、曽根直樹委員。

○曽根委員 曽根です。よろしくお願いいたします。

○古屋参事官 社会福祉法人日本視覚障害者団体連合評議員、田中伸明委員。

○田中委員 田中です。よろしくお願いいたします。

○古屋参事官 特定非営利活動法人全国地域生活支援ネットワーク理事長、水流源彦委員。

○水流委員 水流です。よろしくお願いいたします。

○古屋参事官 オンラインでの御出席の一般社団法人日本経済団体連合会常務理事、長谷川知子委員。

○長谷川委員 長谷川です。よろしくお願いします。

○古屋参事官 続きまして、一般社団法人日本パラリンピアンズ協会副会長、初瀬勇輔委員。

○初瀬委員 初瀬です。よろしくお願いいたします。

○古屋参事官 続きまして、オンラインでの御出席の一般社団法人全国肢体不自由児者父母の会連合会理事、日比奈緒美委員。

○日比委員 日比でございます。よろしくお願いいたします。

○古屋参事官 続きまして、社会福祉法人全国盲ろう者協会評議員、福田暁子委員。

○福田委員 福田です。よろしくお願いします。

○古屋参事官 続きまして、オンラインでの御出席の一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会常務理事、宮本せつ子委員。

○宮本委員 宮本です。よろしくお願いいたします。

○古屋参事官 続きまして、オンラインでの御出席の公益社団法人日本精神科病院協会副会長、森隆夫委員。

○森委員 森でございます。よろしくお願いします。
 名称がうまく入らないので、再入場したいと思っています。よろしくお願いします。

○古屋参事官 続きまして、一般社団法人全国児童発達支援協議会副会長、米山明委員。

○米山委員 米山です。よろしくお願いします。
 オンラインの名前の表記のところで米山が映っておりません。後で正したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○古屋参事官 ありがとうございます。
 続きまして、専門委員の皆様を御紹介いたします。
 オンラインで御出席の立命館大学生存学研究所客員研究員、特定非営利活動法人バリアフリー映画研究会副理事長、臼井久実子専門委員。

○臼井専門委員 臼井です。よろしくお願いします。

○古屋参事官 続きまして、一般社団法人日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構副代表理事、内布智之専門委員。

○内布専門委員 内布でございます。よろしくお願いします。

○古屋参事官 それでは、新任の委員の方から1分程度で御挨拶をお願いできればと存じます。
 まず、オンラインでの御出席の一般社団法人日本難病・疾病団体協議会理事、大黒宏司委員、よろしくお願いいたします。

○大黒委員 よろしくお願いいたします。今、御紹介にあずかりました日本難病・疾病団体協議会、私たちはJPAと呼んでいますけれども、その理事をさせていただいています大黒と申します。
 前任の森幸子さんが先月21日にお亡くなりになりまして、後任ということで私がさせていただきます。森さんと同じく膠原病という病気です。全身性の免疫異常による疾患を持っております。大阪府の堺市在住、Teamsで堺市から参加させていただいています。今後ともよろしくお願いいたします。

○古屋参事官 ありがとうございました。
 続きまして、一般社団法人日本発達障害ネットワーク副理事長、小林真理子委員、よろしくお願いいたします。

○小林委員 日本発達障害ネットワークの小林でございます。よろしくお願いいたします。
 副理事長をやっています。前任は大塚晃副理事長でした。きっと年齢のことがあったのかと思いますけれども、私なんかでいいのかと思いながら参加させていただいております。ふだんは山梨英和大学というところで公認心理師や臨床心理士を育てる大学の教員をしております。それまでは児童相談所の所長をやったりとか、発達障害者支援センターなどでお仕事をした経緯がございます。今後とも皆さん、よろしくお願いいたします。

○古屋参事官 ありがとうございます。
 次に、公益社団法人全国精神保健福祉会連合会副理事長、新銀輝子委員、よろしくお願いいたします。

○新銀委員 新銀でございます。
 前任の岡田久実子理事長からの交代で兵庫から参りました。私も年齢の関係で交代したように思います。本当に私のような者がと思いつつ、大変緊張しておりますけれども、少しずつ慣れていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○古屋参事官 ありがとうございます。
 次に、公益社団法人全国脊髄損傷者連合会、仲根建作委員、よろしくお願いいたします。

○仲根委員 おはようございます。安藤事務局長より引継ぎをさせていただきました仲根と申します。
 私自身はフィールドは沖縄県でありまして、就労支援の事業所、介護ケアマネ、相談支援専門員など30年ぐらい従事していましたので、そういう経験から、また地方の声を発言させていただければと思いまして、参画をさせていただいています。よろしくお願いいたします。

○古屋参事官 ありがとうございます。
 全国知事会愛媛県知事の中村時広委員は、本日御欠席でございます。
 次に、特定非営利活動法人DPI日本会議議長、平野みどり委員、よろしくお願いします。

○平野委員 おはようございます。初めましての方が多いと思いますが、DPI日本会議の議長をしております平野みどりと申します。
 前任の佐藤聡事務局長に引き続き、私が委員を拝命することになりました。生活しておりますのは熊本でして、熊本と東京を行ったり来たりしている活動であります。大半が17年間、熊本県議会議員をしていた関係で、障害者運動と政治の場を行ったり来たりという状況です。今はもう引退しておりますので、障害者運動一筋で、定年は70歳と聞いておりますが、そこまで頑張れたらと思っております。よろしくお願いいたします。

○古屋参事官 ありがとうございます。
 続きまして、弁護士の深道祐子委員でございますが、本日は欠席と聞いております。
 続きまして、新任の専門委員を御紹介いたします。
 オンラインでの御出席の特定非営利活動法人日本相談支援専門員協会副代表理事、金丸博一専門委員、よろしくお願いします。

○金丸専門委員 おはようございます。金丸です。オンラインから失礼いたします。
 日本相談支援専門員協会の副代表理事を務めております。障害のある人が自立した生活を送るための相談支援体制を少しでも深めるために努めている協会です。私個人的には広島で活動しております。長年、児童分野で仕事をしてまいりました。今後ともよろしくお願いいたします。

○古屋参事官 ありがとうございました。
 接続が取れましたので、改めて御紹介させていただきます。オンラインで御出席の社会福祉法人日本身体障害者団体連合会副会長、浅香博文委員。

○浅香委員 申し訳ありません。日身連の浅香と申します。
 前期に続いて参画させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○古屋参事官 ありがとうございました。
 以上でございます。御紹介させていただきました。ありがとうございます。
 また、内閣府障害者施策アドバイザーの大河内直之アドバイザー、オンラインで参加されています尾上浩二アドバイザーにも御参加いただいているところでございます。
 続きまして、出席者の代理についてお諮りさせていただきます。全国知事会の中村時広委員の代理としまして、愛媛県障がい福祉課のキハラ主幹の出席について御了承いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 ありがとうございます。
 では、最初の議題に移らせていただきます。
 障害者政策委員会令第2条第1項におきまして、本委員会の委員長は委員の互選により選任するとされています。委員の皆様におかれましては、委員長の選出をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 それでは、田中委員、どうぞ。

○田中委員 日本視覚障害者団体連合の田中でございます。
 委員長として熊谷晋一郎さんを推薦したいと思います。熊谷さんは第6期の政策委員会におきましてもしっかりと議長を務めてくださいました。また、研究者としての知見も広くお持ちです。適任であると考えます。

○古屋参事官 ありがとうございます。
 岩上委員、どうぞ。

○岩上委員 私も熊谷晋一郎さんを推薦したいと思います。皆さん御存じのとおり、自立とは依存先を増やすことというのは多くの方に共鳴を与えたのではないかと思っております。また、今、田中委員もお話しいただきましたが、前期の議事運営についても的確に皆さんの声を集めて集約していただけたと思っておりますので、また今期についても委員長をお願いしたいと思っております。
 以上でございます。

○古屋参事官 ありがとうございました。
 ほかに御意見のある方はいらっしゃいますでしょうか。
 それでは、熊谷委員を推薦する御意見をいただきましたが、熊谷委員、お引き受けいただけますでしょうか。

○熊谷委員 では、引き続きお引き受けしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

○古屋参事官 どうもありがとうございます。
 それでは、熊谷委員、委員長席へお願いいたします。以降の進行は熊谷委員長にお願いいたします。

(熊谷委員、委員長席へ移動)

○熊谷委員長 改めまして、今期もどうぞよろしくお願いいたします。
 早速ですけれども、議事を進めさせていただきます。
 まず、委員長代理の指名を行う必要がありますが、障害者政策委員会令第2条第3項に委員長代理を置くということが定められております。委員長代理は委員長が指名すると記載されておりますことから、この場で私から指名させていただきたいと思います。
 それでは、委員長代理につきましては、曽根委員にお願いしたいと思いますが、曽根委員、いかがでございましょうか。

○曽根委員 力不足ではありますが、委員長の御指名ですので、謹んで引き受けさせていただこうと思います。どうぞよろしくお願いします。

○熊谷委員長 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、引き続き議事に入りたいと思います。
 障害者政策委員会の基本的な事項について、事務局から説明をお願いいたします。

○古屋参事官 事務局の古屋でございます。
 本日は新任の方もいらっしゃいますので、障害者政策委員会の法的な位置づけ等について御説明いたします。
 当委員会は、平成23年の改正障害者基本法に基づきまして、内閣府に設置された審議会でございます。今期の構成員は、内閣総理大臣が任命した委員30名と専門委員3名でございます。委員の任期は、本年1月18日から2年でございます。
 当委員会の任務としては、障害者基本法等に基づき、障害者基本計画の策定に関する調査審議、実施状況の監視、障害者差別解消法の基本方針に関する意見具申、障害者権利条約の国内実施状況の監視等が定められております。今期は障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた行動計画のほか、障害者基本計画の実施状況に関して御意見をいただくこと等を考えているところでございます。
 以上でございます。

○熊谷委員長 ありがとうございます。
 これに関連して、障害者政策委員会の出席の在り方につきまして委員長提案をさせていただきたいと思います。
 障害者政策委員会は、団体や機関を構成員とするものではなく、それぞれの方々が固有の御見識や御経験を踏まえて、内閣総理大臣により任命されたものになります。したがいまして、委員の皆様には、所属団体や所属機関ありきではなく、それぞれの余人をもって代え難い素質に基づき委員として任命されていることになり、その職責は極めて重いものと考えております。
 そのため、基本的には第6期前期と同様に、代理出席は基本的には御遠慮いただき、委員御本人に出席をいただきたいと考えております。
 やむを得ず御欠席される場合には、意見の事前提出にて対応をお願いいたします。事前提出する意見については、出席される委員の発言時間とのバランスや情報保障に必要な時間も考慮し、後日、事務局経由で分量の上限や提出期限につきまして周知をいたします。事前意見書を会議資料とする場合には、情報保障の観点から、分量と期限については特に厳守をいただきたいと思っておりますので、御協力をどうぞよろしくお願いいたします。
 他方、知事または市長の委員におかれましては、自治体のトップとして公務で多忙を極められ、委員御本人の出席がかなわないということも少なくないところです。このため、知事及び市長の委員に限りまして、委員の御意見を携えて代理出席することは現実的にお認めすべきだと考えております。
 各委員におかれましては、本趣旨、御高配の上、この提案に御賛同いただきたく存じますが、いかがでしょうか。御異論、御意見などございましたらお願いいたします。いかがでしょう。よろしいでしょうか。
 では、そのような形で運営したいと思います。ありがとうございました。
 それでは、次の議事に移りたいと思います。
 「障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた行動計画について」という議題です。
 こちら、事務局より御報告がございますので、よろしくお願いいたします。

○古屋参事官 事務局の古屋でございます。
 議題2「障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた行動計画について」、資料1-1に沿いまして御説明いたします。
 1ページを御覧いただければと存じます。まず、経緯について御説明させていただきます。優生保護法につきましては、平成8年の改正までの48年間、同法に基づく施策により、特定の疾病や障害等を理由に多くの方々に優生手術や人工妊娠中絶等が行われてきたところでございます。旧優生保護法の規定を違憲とする昨年7月の最高裁判決を受けまして、政府では総理を本部長、全閣僚を構成員とする推進本部を設置したところでございます。
 当時の岸田総理から、障害者への社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという考え方を踏まえた上で、4点指示があったところでございます。1点目は障害者の希望する生活の実現に向けた必要なサービスの活用や見守り等の支援体制の構築、2点目は各府省庁の障害者差別解消法の「対応要領」に基づく職員の研修・啓発の点検、3点目はユニバーサルデザイン2020行動計画における「心のバリアフリー」の取組等のフォローアップと強化、4点目はこれらについて幹事会を設置し、有識者の協力を得て、障害当事者の方から意見を伺った上で、成果を新たな行動計画として取りまとめることといったものがございます。
 これらを踏まえまして、当委員会の前委員長の石川准先生や国連障害者権利委員会委員に選出された田門浩先生など、人権や障害分野の有識者にも御参画いただきながら、関係府省庁の点検やフォローアップを行い、12月27日に取りまとめを行っているところでございます。幹事会では、旧優生保護法原告団の方々のほか、当委員会の委員長であります熊谷委員長、前委員の佐藤委員、南高愛隣会で子育て中の知的障害のある方の御家族、精神障害のある方の立場から内布専門委員から御経験や御意見を伺ったところでございます。また、より多くの方々から御経験や御意見を伺うため、私とお二人の内閣府アドバイザーでヒアリングを行ったところでございます。伺った御意見につきましては、資料1-2の行動計画本体に資料として掲載しているところでございます。この場を借りて、各団体の御協力に厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 続きまして、行動計画の内容について御説明させていただきます。2ページをお開きください。行動計画では、ヒアリングの当事者の方々からの問題意識についてまず書かせていただいているところでございます。主に5点ありました。優生手術等に係る歴史的事実やその背景を後世に伝承し、記憶の風化を防ぐべき、人権侵害に迅速・確実に対応する体制を構築すべき、国民全体に、障害の社会モデルを含め、障害に関する正しい知識を普及すべき、障害のある人が結婚・出産・子育てをする上で、何でも相談できる窓口や第三者の支援が必要、障害のある人とない人が共に学び、共に育つ経験ができる環境、共に働ける環境を整備すべきといったものでございます。
 このような問題意識を踏まえまして、行動計画では3つの取り組むべき事項を示しておるところでございます。
 1点目、子育て等の希望する生活の実現に向けた支援の取組の推進についてでございます。具体的には、結婚・出産・子育て支援取組事例集の周知や解説動画や障害当事者にも分かりやすいリーフレットの作成、こども家庭センターにおける障害保健福祉部局等と連携した相談対応、全国の市町村における基幹相談支援センターや地域生活支援拠点等の設置等を記載しているところでございます。
 2点目でございますが、公務員の意識改革に向けた取組の強化について盛り込んでいるところでございます。検討に当たりまして、障害者差別解消法の「対応要領」に基づく職員の研修・啓発について、全ての国の行政機関と独立行政法人等に調査を行っております。その結果、「対応要領」の定期的な周知や震災以降の研修がさらに必要であるということと、研修内容への障害当事者の関与が少ないということや旧優生保護法の歴史的経緯を含む研修も少数であることが明らかになったところでございます。これを踏まえまして、今後の取組として、各府省庁の「対応要領」の毎年1回以上の全職員への周知、公務員の人権研修への旧優生保護法の歴史的経緯や被害当事者の声の導入、全ての幹部職員を対象とする障害当事者を講師とする研修の実施や、障害当事者の参画の下、障害者の実体験なども含めた教材を作成すること、内閣府より、研修の講師として、障害当事者や専門家を紹介する仕組みを整備すること等を記載しているところでございます。
 3点目でございます。3ページを御覧ください。ユニバーサルデザイン2020行動計画で提唱された「心のバリアフリー」の取組の強化についてでございます。これは過去に作成されました行動計画の内容についてフォローアップを行い、取り組むべき事項を検討したものでございます。
 こちらについては、多様な意見を受けまして、例えば教育については、旧優生保護法等の検証を踏まえた人権教育の教材の作成と学校教育や人権啓発活動での活用、特別支援学校と通常の学校の一体的運営によるインクルーシブな学校運営モデルを盛り込んでおるところでございます。企業等での対応につきましては、改正障害者差別解消法に基づく業種別の「対応指針」への民間企業等の対応状況の調査や好事例の横展開、雇用分野の合理的配慮指針等の事業主への周知や好事例集の更新と横展開、重度障害者等への雇用・教育・福祉が連携した就労・修学支援の推進を盛り込んでいるところでございます。人権侵害への対応につきましては、人権相談・調査救済活動に従事する職員や人権擁護委員への旧優生保護法に関する研修の速やかな実施、人権侵犯事件への適切な措置のため、障害者差別解消法の趣旨を踏まえたより望ましい対応を提示するなど積極的な啓発を行うこと等を記載しました。インターネットへの差別的書き込み等への対応といったことも盛り込んでいるところでございます。また、先ほど大臣から発言のありました普及啓発イベントといったことも盛り込んでいるところでございます。
 障害者に対する偏見・差別の根絶には、不断の取組が必要でございます。各府省庁は行動計画の取組のほか、障害当事者の方々の御意見を受け止め、記憶を風化させないための方策や人権侵害に迅速に対応する体制など、当事者の方から示された問題意識について引き続き検討することとしております。その際、旧優生保護法に係る調査・検証の内容・結果も踏まえるとともに、共生社会の実現に向けて、法制度の在り方等を含めて、教育・啓発等の諸施策を検討し実施することとしております。
 今後、継続的にフォローアップし、必要な施策については速やかに実施に移し、次期障害者基本計画などにも反映していく方針でございます。
 行動計画を策定いたしました12月27日の推進本部におきましては、石破総理大臣から、各省庁の大臣がそれぞれの府省庁の全職員向けに障害者に対する偏見や差別の根絶に向けたメッセージを送るよう指示がございました。これを受けまして、全ての府省庁におきまして、大臣のメッセージを職員に対して送信しているところでございます。内閣府では、訓示という形で内閣官房長官から全職員宛てにメールをお送りしているところでございます。資料2に内閣府の職員向けメッセージをお示ししておりますので、御覧いただければと存じます。
 報告については以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○熊谷委員長 熊谷でございます。
 御説明ありがとうございました。
 それでは、これより委員、専門委員の皆様から御質問や御意見をいただきます。11時までをめどに御意見をいただければと思っております。御質問等のある方は挙手をお願いいたします。オンラインで御参加の方におかれましては、チャットメッセージで「挙手」と入力し、送信アイコンをクリックしてください。
 本日は、進行上の都合により、挙手していただいた委員につきまして、会場に御参加の委員、そしてオンラインで御参加の委員、それぞれ交互に御質問や御意見をいただきまして、休憩時間の後に各省庁から回答いただきたいと考えております。
 それから、ぜひ御協力をいただきたいのですが、御質問、御意見はできるだけ簡潔にお願いをいたします。また、御発言の際にはお名前をおっしゃってから、そして省庁からの回答に関しては省庁名、所属部署、氏名を述べてから御発言をお願いしたいと思います。
 それでは、御質問、御意見がある方は挙手をお願いいたします。恐れ入りますが、そのまま手を挙げておいていただければと思います。事務局で記録をしますので、合図をするまで手を挙げ続けておいていただければと思います。しんどいですけれども、申し訳ないです。
 ありがとうございました。では、手を下ろしていただければと思います。
 それでは、最初に曽根委員から御発言をお願いいたします。

○曽根委員 曽根です。
 私は質問です。
 3ページの「今後に向けた更なる検討」の中で、旧優生保護法に係る調査・検証の内容・結果も踏まえるとありました。これは非常に重要なことだと考えているのですけれども、この報告書のようなものがもし公表されていましたら教えていただけたらと思います。
 以上です。

○熊谷委員長 熊谷です。
 ありがとうございました。
 続きまして、オンラインから北川委員、お願いいたします。

○北川委員 知的障害者福祉協会の北川です。
 2ページ目のところで意見です。優先保護、優生手術等に関わることなのですけれども、私、ドイツを視察したとき、現場の教員の方が、歴史上、アウシュビッツで障害のある方を幼児も児童も含めて殺害してしまったという大変な間違いを起こしたことを決して忘れないで障害のある子供たちの教育を行っているとおっしゃっていました。そういった意味で、この「優生手術等に係る歴史的事実やその背景を後世に伝承し、記憶の風化を防ぐべき」というのは、非常に大事な記述だと思っております。本当にいろいろな方々がこのことを知った上で、今後生きていくことが大事だと思います。
 また、社会モデルの普及も障害のある方への理解に関してとても大事だと思います。
 最後になりますが、障害のある方とない方が子供時代から共に育つ経験が、障害のある方とともに生き、リスペクトし合う共生社会が実現することにつながると思いますので、特に保育政策の中でインクルーシブな保育の実現をより進めていくことが大事だと考えます。
 以上です。

○熊谷委員長 熊谷です。
 ありがとうございました。
 続きまして、現地参加の水流委員、お願いいたします。

○水流委員 全国地域生活支援ネットワークの水流です。
 まずもって、障害者差別に関する相談窓口「つなぐ窓口」の本格実施、誠にありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた行動計画が計画だけに終わらず、必要な施策については速やかに実施に移していただき、次期障害者基本計画などにも反映されることを切に望みます。特に、障害の有無にかかわらず楽しみ交流することができる普及啓発イベントの新たな実施については、一過性のものとならない工夫をしていただきたいと思います。例えば、全国各地で開催されている東京演劇集団風によるバリアフリー演劇鑑賞会や各地で開催されるバリアフリー映画上映会としっかりタイアップしていただくことで、障害の有無にかかわらず楽しめる広場を増やし、定着を目指せると思います。ぜひ御検討ください。
 最後に、3番目の「今後に向けた更なる検討」の2つ目の○のところ「旧優生保護法に係る調査・検証の内容・結果も踏まえるとともに、障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向け、法制度の在り方を含め、教育・啓発等の諸施策を検討し実施」とあります。この法制度の在り方として、障害者基本法の改正に向けた動きを確たるものにしていきましょう。今般の行動計画に示されている内容の根幹をなすものとして、基本法の改正にしっかりとうたい込むことは必要であると考えます。皆様、ぜひ御検討いただければと思います。
 以上です。

○熊谷委員長 熊谷です。
 ありがとうございました。
 続きまして、オンラインから臼井専門委員、お願いいたします。

○臼井専門委員 臼井です。
 3つ意見があります。
 1つ目は、ヒアリングの行動計画への反映、具体化の検討をもっと進めたいということです。一連のヒアリングで体験に根差した貴重な意見が述べられたことを拝見しました。しかし、その行動計画への反映がまだ十分ではありません。特にⅢの1の「子育て等の希望する生活の実現に向けた支援の取組の推進」については、周知が主になっています。具体的な支援策が乏しいと言えます。グループホームで地域で障害のある本人や子どもとともに取り組まれたことがヒアリングの中で話されました。子育てをされた当事者からのヒアリングを含む具体的な検討を厚生労働省は行っていただきたいです。
 2つ目に、先ほど水流さんが言われました行動計画の障害者基本計画への反映、障害者基本法の改正、そしてヒアリングでも意見があった国内人権機関の設置などが課題になると思います。
 3つ目に、研修と講師についてです。府省庁への調査結果をふまえ、研修の教材づくりに携わる人や派遣の講師について、障害のある当事者、特に障害のある女性を確保することを求めます。
 以上です。

○熊谷委員長 熊谷です。
 臼井専門委員、ありがとうございました。
 続きまして、現地参加の佐々木委員からお願いいたします。

○佐々木委員 育成会の佐々木でございます。
 御説明ありがとうございます。
 2つの質問と2つの意見を述べさせていただきます。
 資料1-1の2ページ、2の「(2)公務員の意識改革に向けた取組の強化」についてですけれども、新たな行動計画に盛り込む今後取り組むべき事項の5つ目の○に、研修の講師として障害当事者や専門家を紹介する仕組みを整備するとありました。前回も申し上げたのですけれども、知的障害者は警察と接する機会は大変多うございます。障害特性を知っていただくためにも、ぜひ当事者の研修を取り入れていただきたいと思っています。
 実は、先日もお父様の訪問介護に来た看護師さんがお子さん、お子さんといっても大人ですけれども、知的障害のある方が自宅で暴れてしまったら、警察に通報されてしまったそうなのです。そうしましたら、警察官が来て連れていかれてしまった、その後お母様が警察を訪問したのだけれども、会わせてもくれなかったということがあったそうです。本人がパニックになったときにカームダウンできるような対応をしていただけるなどすると落ち着いたりするものですから、そういったこともぜひ警察の現場の方に知っていただけるような当事者による研修ができるように、警察だけではないですけれども、特に警察が一番トラブルが多いので、計画の中に具体的に盛り込んでいただければと思っております。
 資料1-1の3ページ、インクルーシブな学校運営モデルの構築についてですけれども、今回のいろいろな団体さんからの意見の中には、本人と直接関わっていただくことが一番有効、またインクルーシブ教育の必要性や重要性の意見がたくさん出ていました。インクルーシブ教育を進めていくには、通常学級の先生方の障害理解や保護者の理解が大変必要です。保護者や先生方が理解していただくことで子供たちの理解にもつながると思います。ただ、一方、現在のままでは障害児が合理的な配慮の提供を受け、一人一人の能力を伸ばしていく教育が受けられないのではないかという保護者側には不安もあります。ぜひ資料1-2の11ページに「心のバリアフリー」に関する記述がありますけれども、さらに現場の先生方への障害特性の理解の研修を加えていただきたいと思います。
 また、これに関して質問なのですけれども、インクルーシブな学校運営モデルの構築をされているのですけれども、最終的な目標はインクルーシブ教育と捉えてよろしいのでしょうかという質問です。
 もう一つ、資料1-2の5ページ、1つ目の○で、グループホームにおける支援の留意についてお聞きしたいと思っています。出産後すぐに新たな住居が見つからない場合、グループホームで子供との同居が認められることになりましたけれども、それに対してのグループホームへの加算があるのでしょうか。それとも子育て支援関係のサービスを利用して、グループホームへの加算はないのでしょうか。
 2つ質問で、以上でございます。

○熊谷委員長 熊谷です。
 ありがとうございました。
 続きまして、オンラインから米山委員、お願いいたします。

○米山委員 米山です。
 私からは2点ございます。
 先ほど、北川委員、佐々木委員からもありましたが、資料1-1の3ページ目でインクルーシブ教育の推進に向けてという記載がございますけれども、インクルーシブ教育で学齢児のインクルージョンもですが、幼児期からインクルーシブ、地域共生ということが当然必要だと思います。御存じかと思いますけれども、国連の障害者の権利に関する委員会の2022年の10月の第1回の政府報告に関する総括所見の中でも、項目18のところで児童の権利委員会及び障害者権利委員会による障害のある児童に関する共同声明に関連してということで勧告を受けていると思います。その中で「全ての障害のある児童の完全な社会包容の権利を認識するために既存の法律を見直し、他の児童との平等を基礎として、障害のある児童が幼少期から一般の保育制度を完全に享受することを確保するため、ユニバーサルデザイン及び合理的配慮」と書いてあります。こども家庭庁さんもインクルーシブ保育を進めていると思いますが、ぜひここの中にも幼児期からのインクルーシブ保育と入れていただくことで、そこでいわゆる定型発達している子供、障害のある子供、お互いにその特性を理解し合う、多様性を認め合うことが育つと思いますので、ぜひ入れていただきたいと思います。それが1点目です。
 2点目は、2ページの項目の中で、上の(1)のこども家庭センターにおいて障害保健福祉部局等の関係機関との連携、それからその次の○で障害者総合支援法に基づく基幹相談支援センターの全国の市町村におけるということで書いてありますが、子供から成人に移行する場合にこの辺りのシステムが各自治体でうまく連携が取れていないと感じることがよくあります。ぜひともここを子供の部局から障害のほうの支援センター、障害者支援法に基づく関係機関の連携を進めていただきたいと思います。
 以上になります。よろしくお願いします。

○熊谷委員長 熊谷です。
 ありがとうございました。
 引き続き、会場から小林委員、お願いいたします。

○小林委員 日本発達障害ネットワークの小林です。
 意見を2つお願いします。
 実は、この資料を頂いて、大学で70数ページのほうを3回ゼミでみんなで輪読をする形でやってみました。まず「優生保護」という言葉からつまずいておりまして、これは何なのだろうということ。それから、これはどういうことを今、招いているのかが話題になりました。分かってくると、そうなのだ、でも、例えば女性の妊娠時の検査はどういうことなのだろうかとか、障害がある方のきょうだいの場合、結婚のときに周りの方たちからいろいろ言われていくつらさみたいな話になっていくということがありました。大学生なのですけれども、こういうことをきっかけに、福祉教育という言い方をするのはおこがましいのかもしれませんけれども、すごく重要なことができたのかと考えた次第です。ですから、周知・啓発はすごく重要だと思うのですけれども、知ることというときに、ここまで教育的に関わっていかないと、なかなか分からない言葉はそのまま素通りしてしまうことが多いかと考えたことが、今回体験としてございました。
 もう一つ、何でこんなに長い年月置き去りにされていた事案なのだということが話題になったのです。少数派であること、声が小さかったし、周りもダイバーシティー的な多様性を持った考え方が持てなかったことかみたいな話題に学生たちとなっていくのですけれども、ただ、最近は私たち発達障害の中では、いわゆるニューロダイバーシティーの考え方が多く取り沙汰されてき始めています。すごく重要な1つの見解だとは思っているのですけれども、同時に、特性の問題が濃過ぎて、そういう言い方をしたら語弊があるかもしれませんが、逆に今度は生きづらさ、強度行動障害という問題を招くことがどうしてもあるわけです。そういうときに、学生たちの中では、置き去りにされることが起きることは、光って見えるものとどうしても闇に葬られてしまうものがあるねという話をしていたところでした。ですから、バランスよく教えていく作業がすごく重要だと思いながら、今回そのような福祉教育をしたという感じでございました。
 意見で、初めてなものですから、どのような話をしていくのがいいのか戸惑いながらなのですけれども、発言させていただきました。

○熊谷委員長 熊谷です。
 大変参考になる御意見をありがとうございました。
 続きまして、オンラインから白江委員、お願いいたします。

○白江委員 ありがとうございます。
 全国身体障害者施設協議会の白江と申します。よろしくお願いいたします。
 私からは2点質問です。
 1点目は、既に曽根委員、水流委員も触れられましたけれども、今後の調査・検証は非常に重要だと私も思いますので、具体的にどのようにされるのかというところをお聞かせいただければと思います。
 もう一点は、これのフォローアップ体制なのですけれども、この推進本部が同じようなメンバーで今後も継続してフォローアップしていくのか、あるいは別の組織をまた考えておられるのか、その辺を教えていただければと思います。
 以上です。

○熊谷委員長 熊谷です。
 ありがとうございました。
 それでは、会場に移ります。石橋委員、お願いいたします。

○石橋委員 全日本ろうあ連盟の石橋です。
 意見を3つ述べさせていただきます。
 まず、今回優生保護法の関係で、国会で深く反省しているという謝罪がありました。我々障害者にとって歴史的な出来事だったと思います。まさに記憶遺産となるものです。これを、今いる私たちだけが知るということではなく、後世に引き継いでいくことがとても重要だと考えております。今、首相を中心に共生社会の実現に向けた行動計画等々の取り組みを進められておりますが、その一つとして、国連教育科学文化機関のユネスコへの優生保護法に関する記憶遺産という形で申請をする考えがあるかどうか、その辺りの御意見をお聞きしたいと思います。
 2つ目に、今回資料1-1の中にまとめて書いてありますように、行動計画もろもろの具体的なことが出されています。今の障害者基本法の見直しに関わることも多くあると思います。今回のこの政策委員会で障害者基本法の見直しにきちんとつなげて、速やかに議論をする必要があると思います。具体的な計画を示していただきたいと思います。
 最後に、3つ目は、今回の反省をふまえ、障害者基本計画第5次で、世界的な動向である医学モデルから社会モデルという考え方へ大きく変革することとなっています。また、資料2に内閣府の林官房長官のコメントとして、社会モデルというものをもっと広げていくと書いてあります。そのとおりです。今の法律を見直す必要があると思います。特に身体障害者福祉法の障害の定義について、見直す必要があると思います。今まさに医学モデルの考え方にのっとって規定されています。社会モデルにきちんと変えていく必要があります。例えば聴覚障害の定義は聴力は70デシベルと決まっておりますね。今年11月に東京2025デフリンピックが開催されますが、参加できる資格は55デシベルです。国際的な規格に比べると日本は70デシベルで、かなり差があるわけですね。デシベルダウンということを考えなければならない。その辺りの身体障害者福祉法の見直しが必要ではないかと意見として申し上げたいと思います。
 以上、3点です。よろしくお願いいたします。

○熊谷委員長 熊谷です。
 ありがとうございました。
 それでは、オンラインで小枝委員、お願いいたします。

○小枝委員 よろしくお願いいたします。鳥取県立総合療育センターの小枝でございます。
 資料1-2の16ページ、17ページに関しまして、御質問を1件させてください。
 「災害など緊急時における支援」ということでかなり詳しく具体的に書かれているわけですけれども、この中に「福祉避難所」という言葉が見当たりません。障害のある方の緊急時の避難として福祉避難所の拡充は非常に欠かすことができないのではないかと考えておりまして、このたくさん書かれてある具体的な内容は、もちろん福祉避難所においてもこういったことを充実させていくという理解でよろしいか、そういったことを確認させていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○熊谷委員長 熊谷です。
 ありがとうございました。
 引き続きまして、フロアから平野委員、お願いいたします。

○平野委員 ありがとうございます。
 多くの委員の皆さんが既に発言されたことと重複するものが多いので、その中で3点ほど意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、この第7期の政策委員会の位置づけといいますか、私も初めて出ましたが、障害者制度改革の政策委員会が立ち上がった頃、あの頃の熱気が今はどこに行ったのだろうと正直思います。それは委員の皆さんたちの熱意ではなく、それを見守る当事者や関連団体、国民の皆さんたちのこの政策委員会への期待がどこに今は行っているのかということを正直感じているのです。
 そういう意味で、総括所見が2022年に出され、そして今回24年に優生保護法の判決を基に行動計画が策定されたという、この時期を逃して日本の障害者制度を変えていく時期はない、まさに今はチャンスなのではないかと。これで私たちの議論をしっかり活発にし、周辺の皆さんたちの意識改革というか、意識を上げていただく、関心をしっかり持っていただくということにつなげていく必要があるのではないかと思っています。今回5期の障害者福祉計画がかなりスピードアップされて議論が進んでいくようですので、ぜひそれにしっかりと反映させられるような議論を展開しなくてはいけないと委員として思います。
 それに伴い、水流委員とほかの委員も発言されておりましたが、障害者基本法の改正、これは絶対に不可避なものだと思っていますので、それをやっていく政策委員会の頻度も含めて今後私は期待しているのですけれども、心配もしているところです。
 その中で、特に私が個別に関心を持っておりますのが、インクルーシブ教育と複合的差別、交差的差別の問題です。私は30歳のときに障害を持ち、障害のない世界を30年間暮らし、それからもう30年以上障害を持った生活をしていますけれども、障害を持ってすぐに感じたのは、私が生きてきた中で障害を持っている子供や友達がいなかった、なぜ私はそういう人たちと出会う機会を奪われてきたのだろうかと障害者運動に入ってすぐに感じました。障害者の世界、障害を持つ人たちと関わりのある人たちとの関わりの中で、私は深い交流、深い結びつきをこれまで構築してきました。これは日本に生まれた子供たちみんなに経験させたいと思っていて、それがインクルーシブ社会につながると思っています。そういう意味では、この総括所見で求められているインクルーシブ教育を進めること、この方針に転換していくことがまず大事だと思っています。
 佐々木委員が御指摘されたように、本当に通常学級の先生たちの意識が、何か違う子がいたら支援学級、支援学校にという意識でしかない。そういう研修というか教育しか受けていらっしゃらないことがすごく悲劇だと思っています。私の夫もそういう支援学校の教員をしていて、いつ通常学校で働けるようになるのかと期待しながら、支援学校で退職したという状況なので、本当にインクルーシブ教育をしっかりとやっていく、そのための仕組みを抜本的に考えていく必要があると思っています。支援学校を存続だ、なくすだとか、そういう話ではないと。学ぶところをきちんと選択ができ、その教育を保障できる環境整備をしていくことが大事だということを、日本の教育界の皆さんはしっかりと認識していただきたいと思います。
 それと、臼井専門委員もおっしゃっていたように、女性の複合的な差別の問題。私は子供はいませんが、子供のいる障害のある仲間たちが、子育ての時間、支援の時間が足りないということで、自分の支援は福祉で来るけれども、障害を持っている子供の子育てには来ないということで、行政とすごくかけ合ってやっと少し時間を増やしてもらったなどのいろいろな例を聞いている中で、障害を持つ女性が女性の施策の中からも抜け落ちている、障害施策の中でもジェンダーレスで来ていますから、きちんと女性のニーズが反映されていない施策になっているというところで、複合的な問題、差別の問題についてはしっかりと皆さんとともに認識し、施策にしっかり反映させていかなければならないと思っています。意見でした。
 以上です。

○熊谷委員長 熊谷です。
 ありがとうございました。
 続いて、オンラインから宮本委員、お願いします。

○宮本委員 ありがとうございます。
 宮本です。
 聴覚障害、特に難聴者・中途失聴者の件です。先ほど、デシベルダウンというお話が出ました。全難聴では長年にわたり「デシベルダウン啓発運動」を続けています。もちろん行政にも訴えています。現状(通信不良)

○熊谷委員長 熊谷です。
 今、音声が途切れてしまっているようで、デシベルダウンの啓発活動を続けています、もちろん行政にも訴えています、の後から音声が途切れているようです。

○宮本委員 今、聞こえますでしょうか。

○熊谷委員長 今、聞こえております。

○宮本委員 では、続けます。
 現状、軽度・中等度(40~60デシベル)難聴者に対する補聴器購入助成金制度は、各自治体任せとなっており、地域間での格差が大きく、必要な支援を受けられない方が多くいらっしゃいます。障害者手帳の対象外である軽度・中等度難聴者は、聞こえにくさから日常生活や社会生活に大きな困難を抱え、QOLの低下や認知症のリスクも高まっています。軽度・中等度であっても聞こえにくさは人それぞれであり、生活上の困難は深刻です。これらの人々を放置することは、経済的・社会的損失にもつながります。
 さらに、聞こえにくさを放置することは、脳への刺激が減少し、聴力低下が進行する「デシベルダウン」を招く可能性があります。早期に適切な補聴器を使用することで、この進行を抑制し、健康寿命の延伸にもつながります。つきましては、以下の6点を要望いたします。
 1つは、日本の聴覚障害認定基準は、世界保健機構(WHO)などの国際基準と比べて、非常に厳しいものとなっています。この乖離を是正し、国際基準に近づけることを求めます。
 2、国主導による全国一律の補聴器購入助成金制度の確立。
 3、対象範囲を軽度・中等度難聴者にも拡大。
 4、助成金金額の増額と定期的なメンテナンス費用の助成。
 5、補聴器に関する専門的な相談体制の強化。
 6、軽度・中等度難聴に対する理解促進のための啓発活動の推進。
 これらの制度拡充は、軽度・中等度難聴者のQOL向上、認知症予防、社会参加促進に加え、「デシベルダウン」の抑制にもつながり、結果的に医療費の削減にも貢献するのではと思います。関係各位との連携と密にし、一刻も早い制度拡充の実現を目指していただきたい、共に取り組んでいきたいと考えております。
 「心のバリアフリー」というけれども、人間の意識のバリアフリーが大事ではないのかと思います。心ではバリアフリーができないかと。
 以上です。

○熊谷委員長 熊谷です。
 ありがとうございました。
 では、フロアから田中委員、お願いいたします。

○田中委員 日本視覚障害者団体連合の田中でございます。
 私からは2点意見を申し上げたいと思います。
 1点目は、資料1-2の9ページ、別紙でございます。令和6年度以降の「心のバリアフリー」に関する取組が記載されておりますが、その1番目、学校教育等に関する取組についてです。この点、各委員からもかなり御意見が出ておりますけれども、インクルーシブ教育を進める観点から、さらなる取組の強化を求めたいと思います。インクルーシブ教育につきましては、総括所見でもかなり強い言葉で日本への勧告が行われているところです。インクルーシブ教育の専門家等へのヒアリングなども含めまして、いま一歩踏み込んだモデル事業の立案等も含めまして、ぜひより一層の取組、御尽力をお願いしたいと、そのように思います。
 2点目です。資料の2ページ、当事者の方々から出された主な意見の中に「人権侵害に迅速・確実に対応する体制を構築すること」というものが記載されております。今回の旧優生保護法に基づく強制不妊手術の問題は、解決まで非常に長い時間がかかりました。この迅速・確実に解決を図る体制が強化されることが必要です。この点も総括所見においては国内人権機関の設置が求められているところですので、いま一度検討をお願いしたいと思います。
 なお、この別紙の中ですけれども、22ページの「情報アクセシビリティの向上」という中の5つ目になりますが、民事司法アクセスへの取組のことが記載されております。もちろん司法手続において情報アクセスの向上は必要不可欠なのですけれども、むしろ20ページの2)の「人権擁護に係る取組の強化」という性格も強く持つものだと感じております。それを踏まえての取組をお願いしたいと思います。今回の旧優生保護法をめぐる裁判でも、聴覚障害の原告当事者の方に公費で手話通訳者をつけることが法制上難しいという現状があります。権利条約13条の手続上の配慮という考え方に照らしまして、締約国である日本におきましてもこれらを含めて総合的な検討を再度お願いしたいと、このように感じております。
 以上でございます。

○熊谷委員長 熊谷です。
 ありがとうございました。
 以上で挙手いただいた委員からは御発言をいただいたかと思いますが、まだ御発言なさっていない委員、お願いいたします。

○仲根委員 全国脊髄損傷者連合会の仲根です。
 2点ほど意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず1つは、行動計画のヒアリングから出てきた問題意識の中にある人権侵害に迅速・確実に対応する体制の構築、それと国民全体に障害の社会モデルを含め障害に関する正しい知識を普及するという点についてなのですが、実際にこの行動計画、今回の優生保護法に関する問題となった方々の周知が各都道府県に下りていると思うのですけれども、沖縄県の場合は母子保健班というところが受けております。内閣府は全庁的な取組で下に下ろすのですが、各都道府県はどうしても縦割り関係になっていて、この障害者の権利擁護などといったところのつながりが難しい状況があります。そういう意味で、各都道府県では障害だけではなく総合的な包括的な人権尊重に関する条例が各都道府県でも21か所ほど制定されて施行されております。ただし、例えば沖縄県の場合は共生社会づくり条例になっております。といっても、ほとんどヘイトスピーチと女性差別、ジェンダー、そういったもので、障害の表現はほとんどない。ホームページでも女性の110番とか、人権擁護の110番とかがありますが、障害者110番はあるにもかかわらず載っていないという意味で、縦割りの壁があることで国民への全体の普及の総合的な窓口の在り方が問われていると思っておりまして、ぜひ内閣府の取組が都道府県に浸透するようなところで、今、言った総合的な人権擁護の条例などの中にも入れていくと。今後改正も含めてですね。そういったものが伝わるような御努力をぜひお願いしたいと思っております。
 2つ目が、2の「(2)公務員の意識改革に向けた取組の強化」についてでございます。これは公務員だけに限らないのですが、実際、当面は公務員ということもありますが、この教育のプログラムというか研修のプログラムについて、ぜひ障害当事者が講師役、担い手になれるような人材育成を図った上で、開発プログラムをつくって、各自治体への周知、研修につながるような形を取っていただきたいと。この開発プログラムがとても重要だと思っています。特にインクルーシブ教育を進める上で学校教育の中にも行けるように、その担い手にぜひ知的障害も精神も発達障害も当事者として担える人材育成をしていただきたい。特に今は厚労省でピアサポーター養成研修をされていて、ここの中で知的の方も発達の人も案外リーダー育成として人材発掘が広がってきておりますので、そういう当事者育成をしっかりしていただきたい。私たちも参画していきたいと思っています。
 以上です。

○熊谷委員長 熊谷です。
 仲根委員、ありがとうございました。
 そのほか、まだ発言いただいていない委員、お願いいたします。

○新銀委員 全国精神保健福祉会連合会の新銀でございます。
 3ページのヒアリング意見の例のところに「精神障害は『身近な病気で誰にでも起こり得る』という正しい情報を全国民が得る機会が必要」というところがあるのですけれども、本当にこの部分はいつも思うところですけれども、家族自身や本人もいまだにクローズという状態がございますので、なぜクローズにしておかなくてはいけないかというところに、過去や現在の教育によるべき弊害があったのではないかと考えております。
 特に旧優生保護法においても、今回の旧優生保護法のことで、精神の方が実は一番多いとお聞きしていますその実数、実態が見えてこない、情報発信ができていないということで実態が見えてこなくて、実際に経験があるにもかかわらず手を挙げることができないという実情があるかと思います。どのようにしたら精神障害の方が手を挙げることができるのか、ここは本当に深刻な問題だと考えております。
 先ほどもありましたけれども、その教育の中で伝えるべきことは、その疾病を持った当事者や家族がどう支えていったのか、本人がどのような心情だったのかということで、病気の中身とともにその経験をしたことに対しての心情というのですか、そこを伝えることが大変大切だと思っております。当事者が教育の中で伝えていくときに、海外では体験専門員といったかなり専門的な位置づけを公に認めているかと思うのですね。ピアサポーターということで、日本の中ではそういう研修が増えていっているのですけれども、まだ立ち位置としては弱いのではないか、そういったところでは体験専門員という位置づけで、立場の向上にどうか取り組んでいただければと考えております。
 以上です。

○熊谷委員長 熊谷です。
 ありがとうございました。
 それから、オンラインで日比委員からも挙手があるようです。日比委員、お願いいたします。

○日比委員 どうも御指名ありがとうございます。
 今回、この資料を読ませていただきまして、とても期待できるかと思った部分と、反面、いろいろとまだこれから乗り越えていかなければならない障壁がたくさんあると感じたのが個人的な感想です。
 うちの会から紙面で意見を出しているのですけれども、その中で皆さんの今の意見をお聞きして一番思うのは、一番大事な「心のバリアフリー」に関してなのですけれども、その中でインクルーシブ教育は本当に要となると思うのです。先ほどから出ているように幼児期からずっと続けることが本当に大事で、うちの子供のことでお話しさせていただきますと、うちは幼稚園と保育園のときに本当に健常児の子たちと一緒に面倒を見ていただいて、すごく成長したのです。でも、小学校に上がるときに、地元の小学校に行ったら何をしに来たと言われて、結局遠くにある今でいう特別支援学校ですね。そこに通うことになるのですけれども、そういうことになってしまうとせっかくできた絆が途切れてしまうので、途切れのない真のインクルーシブ教育は本当に必要だと思うので、もう一度その辺の見直しというか、先ほどから本当に何回も出ていることですけれども、切にお願いいたします。
 以上でございます。ありがとうございます。

○熊谷委員長 熊谷です。
 日比委員、ありがとうございました。
 福田委員、お願いいたします。

○福田委員 福田です。
 改めまして、私は盲ろうという障害と肢体不自由障害があって車椅子を使っています。
 2つ、私から意見があります。
 1つ目は、盲ろう障害という障害がまだ固有の障害として認められていないことが、非常に多くの場面でバリアを感じている原因になっていると、つくづく最近感じています。つい先日、ネパールで開かれたアジア地域の盲ろう関係の会議に参加してきましたけれども、盲ろう者は視覚障害者でもないし、聴覚障害者でもありません。盲ろう障害という固有の障害を持って、視覚障害者に対する支援や聴覚障害者に対する支援ではないところの別の支援が必要な障害者である。その障害のある者として非常に感じているのは、孤立感ですね。社会モデルといいましても、今の医療モデルに基づいて身体障害者手帳が発行されて、その中でサービスを受けているわけですけれども、盲ろう障害に必要なサービス、ちゃんとニーズにマッチしたサービスが得られている状態にはありません。日本の障害者手帳を開いても、私の障害者手帳には「盲ろう」という記載は一切ありません。また、全国盲ろう者協会は世界盲ろう者連盟の一団体でありますけれども、その中でも「国際盲ろうの日」を推進して動こうとしております。日本も権利条約の総括所見の中でも「盲ろう」という言葉が散見して指摘を受けているということですので、「盲ろう」という言葉、盲ろう障害の理解がある程度必要ではないかという状況があります。
 もう一つは、大学教員としての所感ですけれども、インクルーシブ教育の重要性は非常に分かります。そして、今の大学生たちは小中学校で公立高校に通った場合はある程度交流教育みたいなものもあって、イベントなどでは一般の学級と特別支援学級と一緒に体育大会や文化祭などをやってはいたものの、同じ教室にたまに障害のある子が来ても、「いたな」という理解はあっても、深く話したり一緒に何かをつくったりという経験はなかったようです。そして、多くの学生たちが中学受験や高校受験で私立高校に行っていて、私立中高では全く障害者がいなかったという発言も非常に多く、今まで障害者に会ったことがない若い世代が非常に多く見られるということで、私の授業の中で障害者と対話をすることで、「授業を受けて初めて障害者のことが分かった」という意見も聞かれます。小さい頃に障害児、子供の頃に障害者と一緒にいる場面が学校教育の中でありながらも、しっかりと一緒に何かをつくったという経験もないので、交流はあったけれども、何かを一緒につくり上げたという体験が欠乏しているというのは、大学の授業の中で学生と対話を通して非常に感じていることであります。
 ですから、大臣が5月に交流イベントを開催されるということをおっしゃっていましたが、その中でも障害がある人もない人も楽しめるイベントを企画するのはすごく大事だと思います。けれども、障害がある人とない人が一緒に何かをつくり上げるというその過程が、お互いの意見を聞いて、それに対するフィードバックがあって、そのやり取りがあって初めて分かるものが非常に多いと思いますので、ただ単に視覚障害の体験をしてみたとか、車椅子に乗ってみたとか、そういう疑似体験だけで終わるのではなくて、もう言葉を使える大人であれば、障害者と一緒に何かつくり上げるようなものになれば良いと思います。それがイベントの中でも今後の行動の計画の中でもあればよいかと考えます。よく研修で「当事者講師を呼ばないといけない」といって、当事者講師のビデオをオンラインで流すなどがありますけれども、それはただの映像を見ているだけですので、当事者の講師と対面で触れて息遣いを感じないと分からないことは多いと思います。
 意見が以上の2点です。

○熊谷委員長 熊谷です。
 福田委員、大変貴重なコメントをありがとうございました。
 それでは、ここで10分ほど休憩を取りたいと思います。11時14分から再開といたします。
 それでは、休憩に入ります。

(休憩)

○熊谷委員長 熊谷でございます。
 それでは、時間となりましたので、再開をさせていただきたいと思います。御着席のほどよろしくお願いいたします。
 ここからは、御発言のあった御意見、御質問に対しまして、関係省庁からの回答をお願いしたいと思います。
 まず、こども家庭庁から、主に曽根委員、米山委員、白江委員の質問の1つ目が専らこども家庭庁への御質問だったかと思います。よろしくお願いします。

○こども家庭庁 こども家庭庁支援局障害児支援課の村山と申します。
 委員の皆様方からインクルーシブ保育の推進について御質問いただいていたかと思いますので、回答いたします。
 障害のある子供につきましても、保育の必要がある場合には、できる限り保育所で受け入れていくことが望ましいとこども家庭庁としても考えてございます。このため、保育所等における障害児などの受入れにつきましては、交付税措置による保育士加配や療育支援加算等により、受入れ体制の充実を図ってきているところです。
 また、保育所等が児童発達支援事業所等と併設する場合におきましては、設備・人員の共用・兼務を可能とするよう事務連絡を発出するなど、インクルーシブな保育を推進しているところでございます。
 また、令和6年度は、調査研究におきまして保育所等と児童発達支援事業所等との併設・交流によるインクルーシブ保育を中心に実態把握を行っているところでございまして、取組の優良事例についても周知することとしております。
 障害児支援におきましても、児童発達支援センターの機能強化や保育所等への巡回支援などにより、地域の保育所等への後方支援を行うことを通じて、保育所等におけるインクルージョンを推進しているところでございます。
 以上になります。

○熊谷委員長 熊谷です。
 曽根委員から旧優生の検証を踏まえた報告書などがあるかという質問と、白江委員から同じく今後の優生保護に関する調査・検証は計画があるかという質問がありました。こちらはいかがでしょうか。

○こども家庭庁 こども家庭庁の母子保健課旧優生保護法対応調整官をしております小澤と申します。
 私から曽根委員と白江委員の旧優生保護法に関する調査・検証に関しての御質問にお答えしたいと思います。
 調査・検証につきましては、旧優生保護法補償金等支給法という法律が本年の1月17日から施行されておりますけれども、法律の第33条で国が行うこととされておりまして、ただ、この国と申しますのが、今回の旧優生保護法の制定経緯等に鑑みまして、国会が行う、調査及び検証等の主体は国会であると超党派の議連の総会の中でお決めをいただいているところでございます。したがいまして、この調査・検証に関しては、今後国会で御検討いただいて行われていくことになるというところでございます。
 以上でございます。

○熊谷委員長 熊谷です。
 ありがとうございました。
 続きまして、厚生労働省から御返答いただきたいと思います。主に臼井専門委員、佐々木委員、新銀委員、福田委員、宮本委員、石橋委員からの御質問に関する事柄かと思います。お願いいたします。

○厚生労働省 厚生労働省の障害保健福祉部企画課長の本後でございます。
 まず、臼井専門委員、佐々木委員からグループホームでの子育ての支援について御指摘をいただいております。これはグループホーム、地域の中で障害のある方が結婚をされ、子育てをする、そういった支援について様々な支援も組み合わせながら可能になるようにということで、昨年になりますけれども、事例集を公表いたしております。この旧優生保護法の過程におきましても、総理からこういったことの周知が必要である、それをするべきだという指示がありましたので、こういったことも踏まえまして、それ以降、特に夏秋以降になりますけれども、様々な会議、それから媒体を通じまして、その事例集の普及を図っております。現在、動画の媒体、それから障害のある方御本人にとっても分かりやすいような媒体の作成をしております。これは今年度中に作成する予定になっておりまして、来年度にかけまして、そういったものも普及を図ってまいりたいと思っております。
 実際にグループホームで子供と同居される場合の報酬上の評価というところですけれども、これはグループホーム、障害の報酬の中では加算措置があるということではございません。今、申し上げました事例集の中でも御紹介をさせていただいておりますけれども、障害のある御両親をサポートするという意味では、相談支援事業所、その他の様々な障害福祉サービスとの組合せの事例、それから子供を含めた御家庭の支援という意味でいきますと子育て支援との連携、そういった事例もこの事例集の中で載せております。御指摘の中にこども家庭センターとの連携という御指摘もございました。こういったことも含めまして、来年度以降さらに周知をしてまいりたいと思っております。
 それから、石橋委員、宮本委員から聴覚障害の定義、中軽度の難聴に対する支援という御指摘をいただいております。これは御指摘いただきましたとおり、身体障害者福祉法上の身体障害者手帳、聴覚障害に関しましては、70デシベル以上ということになっております。これに関しましては、身体障害者福祉法制定以来、基本的には変わっていない基準ということで、長らくこの基準で運用をさせていただいております。これをもう少し社会モデル、あるいは広げるべきという御指摘だったかと思いますけれども、長らくこの基準でやっていることから、どのような基準にするべきなのか、あるいは身体障害の中でも他の障害がありますので、それとのバランス、どのような制度にどのような影響があるのか、そういったことも含めまして検討しなければいけない、これは非常に大きな課題だと考えております。これは今すぐにどうこうというお答えはなかなかするのは難しいですけれども、問題意識として受け止めさせていただきたいと思います。
 とりわけ中軽度の難聴ということでいきますと、御指摘いただきましたとおり、認知症との関係のような介護分野、高齢者施策との連携も必要になってまいります。これは厚生労働省の中で障害保健福祉部が中心となりまして、介護保険、高齢者支援を担当する部署も含めて関係部署と連携して対応をしております。連携会議を年に1度は必ず開いて政策を確認しながら進めている状況でございます。こういった施策の連携も進めながら、今後とも進めてまいりたいと思います。
 福田委員から御指摘いただきました盲ろうということに対する身体障害者手帳の取扱いということになります。身体障害者手帳につきましては、視覚障害、それから聴覚障害、様々な障害ごとということで基準自体は定めさせていただいております。こういったものの組合せでサービスがより必要になる場合には、障害者総合支援法のサービスの認定等々の中でしっかりと必要なサービスが提供されるように運用をこれからも進めていきたいと考えてございます。
 厚生労働省は以上でございます。

○熊谷委員長 ありがとうございました。
 感覚障害に伴ってメンタルヘルスの合併症が増えるという昨今の報告も大変注目されているし、むしろ中等度の感覚障害はより一層推測しようとするコストが高まってメンタルヘルスが悪化するという報告もあるので、この問題、今回福田委員や宮本委員が強調されておりましたけれども、ぜひ考慮に入れたほうがいいかと思いました。
 続きまして、内閣府から、こちらは多くの委員から御指摘いただいております。フィードバックをお願いいたします。

○古屋参事官 内閣府の古屋でございます。
 御回答申し上げます。
 まず、今回の推進本部の体制について、今後についての御質問、白江委員からございました。この推進本部ですが、閣僚会議をつくって、また幹事会をつくって、その中に有識者という形で当事者の方も入っていただいている体制でやってきているところであります。こういったところを継続しながらフォローアップなども進めていきたいと考えております。
 続きまして、今回行動計画で取り上げられた内容について、イベントに関しまして御意見、水流委員、福田委員、それから北川委員から御指摘いただいたかと思います。御指摘いただいたように、当事者の方が参加できるような形で、またこういった交流が深まるように一緒に何かをつくり上げる経験が非常に大事ということで、今後工夫したいと考えております。
 また、今回社会モデルの普及啓発というところがございますので、障害者週間といったイベントも私どもでまたやっておりますので、こういったところの中身なども検討するとともに、当事者の方に御参画をいただいて、御意見をいただきながら、いいイベントをつくっていきたいと考えております。  続いて、研修の講師について御意見をいただきました。臼井専門委員、佐々木委員から御意見をいただいたかと思います。女性あるいは知的障害のある当事者の方といった方の御参画、非常に重要と考えております。どういった方を講師として登録いただくかはまだ決めておりませんが、御意見を参考にして検討していきたいと考えております。
 続きまして、今度は行動計画の普及啓発に関してということで、小林委員、北川委員から御意見をいただいているのと、仲根委員から人権条例などを定めている自治体へのアプローチというお話がございました。私ども障害関係の担当課、県庁の方はお付き合いがございますので、こういったところを通じたお知らせはしているところですが、県庁の中でも様々な部署があって、そこでお知らせするというところがございますので、関係省庁と連携してそういった会議などにもお邪魔してお知らせしていきたいと思っております。また、大学などでの講師派遣なども私どもは呼ばれれば行くようにしておりますので、御指名があれば、よろしくお願いいたします。
 続きまして、女性の複合差別について、平野委員、臼井専門委員から御意見をいただいたところでございます。こちらについては今回御意見もいただいたところでございますが、行動計画の中で全てを受け止め切れているわけではないと思っております。今回いただいた御意見なども含め、女性であることと障害があることと両方の面で差別があるということについて御意見も含めて検討しまして、今後また研究、検討などをしまして、適切な対応を取れるようにしていきたいと考えているところでございます。
 続きまして、今後のスケジュールについて、平野委員から御意見があったところでございます。今年度、第5次障害者基本計画のフォローアップを実施していくところでございますけれども、障害関係の動きでいいますと、改正障害者差別解消法については施行後1年を迎えていて、御指摘があったように「つなぐ窓口」についても継続設置が決まっているところでございます。また、国会においては手話施策推進法案提出の動きもあることでございますので、こういった動きにも対応して開催も検討していきたいと考えているところでございます。
 続きまして、基本法の改正について、平野委員、臼井専門委員、それから水流委員、石橋委員から御意見があったところでございます。今回、法律改正に当たりましては、改正に当たる立法事実を精査することが必要ということでございます。今回、行動計画の中にもそういった流れに応じて制度の見直しなども重要ということを書いております。障害者政策委員会では、障害者基本計画のフォローアップなどを通じまして課題を把握しまして、今後の対応について検討していきたいと考えているところでございます。
 私からは以上でございます。

○熊谷委員長 熊谷です。
 ありがとうございました。

○古屋参事官 もう一点だけ補足いたします。古屋でございます。
 福祉避難所について、小枝委員から御指摘いただきました。防災担当が今日は出ておりませんが、福祉避難所については障害者基本計画にも書き込んでいるところでございます。こういったフォローアップなどを通じてしっかりと避難所が整備されるようにしていきたいと考えております。
 以上でございます。

○熊谷委員長 熊谷です。
 こちらは後日回答ということで、よろしくお願いいたします。
 予定していた時刻にはなったのですが、少しだけ延長させていただいて、回答を続けたいと思います。
 続きまして、複数の委員からインクルーシブ教育に関する御意見、御質問をいただいております。加えて、ユネスコの記憶遺産という形で旧優生保護法について登録することは考えているのかという石橋委員の問いかけもありました。文部科学省から回答をお願いいたします。

○文部科学省 文部科学省特別支援教育課の河﨑と申します。
 本日はありがとうございます。
 今、ございましたように、複数の先生方からインクルーシブな教育の在り方、インクルーシブな学校運営モデル事業の御質問、御意見をいただきました。それぞれの先生方へのお答えがかぶる部分もございますので、総括的に御回答させていただこうと思います。
 まず、文部科学省としましては、基本的な考え方としまして、一人一人の教育的ニーズに応じた学びの場として、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある多様な学びの場を整備しておりまして、これは障害者権利条約に「inclusive education system at all levels」として規定されている障害者を包容するあらゆる段階の教育制度に当たると考えております。
 その上で、幼児期からのインクルーシブ教育を行った上で、義務教育段階に上がるときに途切れのないインクルーシブ教育をすることが必要であるといった御意見がありましたけれども、これにつきましては、まず就学先決定の観点で、本人と保護者の御意向を最大限に尊重しつつ、その上で教育上必要な支援の内容や医学、教育などの専門家の方々の御意見などを総合的に勘案して、市町村教育委員会において決定する仕組みとしておりまして、その旨、教育委員会の就学事務担当者にも引き続き周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
 また、特に幼児期からの途切れのないという観点につきましては、教育委員会における早めの就学相談も大切になってくると思っておりまして、各教育委員会においては例えば早い段階からの学校見学、体験入学といった機会を設けていただきたく、文部科学省としてもその旨周知をしてまいりたいと考えております。
 また、実際の授業の中では、今、文部科学省として公表しております「心のバリアフリーノート」を活用いただいたりですとか、あとは学習指導要領にお示ししている交流及び共同学習を実施していただくことによって、障害のある子供と障害のない子供が共に学ぶ機会を設けているところでございます。
 こうした機会の中で、例えば障害のある方、当事者からの経験を聞いていただくような授業であるとか、御意見としてもございましたように何かを一緒につくり上げるといった経験をしっかりとしていただきたいと思っておりますが、こうした一時の経験だけでは不十分ではないかといった御意見もあったものと承知しておりまして、そうしたことも踏まえて、今、まさにインクルーシブな学校運営モデル事業を文部科学省として実施しているところでございます。
 こちらの事業につきましては、特別支援学校と小中高等学校のいずれかを一体的に運営するインクルーシブな学校運営モデルというものを構築しまして、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が交流及び共同学習を発展的に進め、一緒に教育を受ける状況と、柔軟な教育課程及び指導体制の実現を目的としている事業ということになります。
 この事業を行うに当たっては、公募した幾つかの団体においてこの事業を実施していただいているところでありますけれども、各団体において連携協議会というものを設置しておりまして、こうした中で専門家の方から意見をもらうような取組も行っております。こちらの事業につきましては、令和6年度から始まった取組でもございますので、今後の在り方については引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上がインクルーシブ教育システム、それからインクルーシブな学校運営モデルに関するお答えになります。
 最後に、ユネスコのところなのですけれども、大変申し訳ありませんが、本日こちらに担当者が来ておりませんでして、後日書面回答という形にさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○熊谷委員長 熊谷です。
 ありがとうございました。
 複数の委員から旧優生保護法の歴史を風化させないという問題提起がありましたけれども、その風化させないという意味で教育の果たす役割は非常に大きいかと思いますので、ユネスコに限らずぜひ御検討いただけたらと思います。
 それでは、最後に法務省から回答いただければと思います。臼井専門委員から国内人権機関に関する御質問、田中委員からは手続的な配慮に関する御質問等があったかと思います。よろしくお願いいたします。

○法務省 法務省人権擁護局調査救済課の荒川と申します。
 まず、国内人権機関の設置について、臼井専門委員、田中委員から御質問いただいたところでございます。政府におきましては、国際的な要請や平成13年の人権擁護推進審議会の答申を受けまして、平成14年と平成24年に新たな人権救済機関の設置等を内容とする法案を提出しておりますけれども、いずれも衆議院の解散により廃案となっている状況でございます。こちらを受けまして、国内人権機構の設置を含めた人権救済制度の在り方につきましては、これまでなされてきた議論の状況も踏まえまして、不断に検討を進めている状況でございます。
 行動計画にも記載させていただいておりますけれども、人権相談の窓口を、法務局に設置してございまして、こちらでさらに人権侵犯事件としてそういった疑いがある事案に関しては調査を行いまして、それぞれ適切な措置を講じているところでございます。その際に、これまでよりも積極的に啓発を行うということで、人権侵犯性があるかないかにかかわらず、障害者差別解消法の趣旨を踏まえまして、より望ましい対応を提示するといった形の積極的な啓発はこれからも引き続き進めていきたいと思っているところでございます。
 国内人権機関につきましては以上でございまして、民事司法アクセスの向上の関係につきましては、司法法制部からコメントいただけますでしょうか。

○法務省 法務省大臣官房司法法制部の大久保と申します。
 民事司法へのアクセスの関係で御意見をいただきました。ありがとうございます。
 手話通訳の費用について言及があったかと思います。耳の聞こえない方が民事訴訟の当事者や証人として口頭弁論に関与される場合の手話通訳を含む通訳人の日当、費用につきましては、現行法上、訴訟費用の一部となりまして、訴訟に負けた方、敗訴当事者が負担することとされています。これは民事訴訟が私人間の紛争を処理するための手続であることから、訴訟手続を利用する方と利用しない方との間の公平等を考慮して、手続に要する費用をその事件の当事者の負担とし、原則として敗訴した当事者の負担とすることというところでございます。こうした通訳人の日当、費用を公費で負担することにつきましては、私人間の紛争を処理する、その費用を公費で賄うというところについて、制度全体との関係を踏まえつつ、慎重に検討する必要があるものと考えております。
 民事司法へのアクセスを確保することは大切なことだということは十分に認識をしておりまして、現在法務省におきましては、最高裁判所及び日本弁護士連合会とともに、障害者の民事司法へのアクセス拡充に関するワーキンググループというものを開催しておりまして、こちらにおきまして民事司法のデジタル化の動向を踏まえつつ、障害をお持ちの方の民事司法へのアクセスについて、その属性に応じて一層の拡充を図るため、各団体からの意見聴取を実施するとともに、法曹三者で幅広く意見交換をしているところでございます。今後とも手話通訳が必要な方を含む障害をお持ちの方の民事手法へのアクセスについては、一層の拡充を図るために必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○熊谷委員長 熊谷です。
 丁寧な御回答をありがとうございました。
 では、回答は以上かと思います。一部、後日回答の御質問もあったかと思いますが、本日の審議は以上とさせていただきます。
 なお、この場で回答ができなかったものについては、事務局を通じて委員へ回答または次回委員会にて回答ということですので、各担当府省庁の皆様におかれましては、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 これで本日の議題は全て終了となります。
 最後に、事務局より連絡事項があればお願いいたします。

○古屋参事官 事務局の古屋でございます。
 本日は御議論いただきまして、誠にありがとうございました。
 次回の政策委員会の開催については、委員長と御相談の上、決定いたしますので、何とぞよろしくお願いいたします。

○熊谷委員長 熊谷でございます。
 それでは、これをもちまして、第83回「障害者政策委員会」を閉会いたします。
 オンラインで御参加の委員、専門委員におかれましては、画面の電話マークをクリックして御退室をお願いいたします。
 本日はどうもありがとうございました。