障害者政策委員会(第84回)議事録
令和7年7月16日(水)
11:00~13:00
中央合同庁舎第7号館13階
共用第1特別会議室
(ハイブリッド開催)
【議事に使用されている資料については「議事次第」のページにまとめて掲載していますのでご参照ください。】
○熊谷委員長 それでは、定刻になりましたので、これより第84回「障害者政策委員会」を開会いたします。
委員、専門委員の先生方におかれましては、御多忙のところ、お集まりをいただきまして、誠にありがとうございます。本日の委員会は13時までを予定しております。
議事に先立ちまして、事務局より報告がございますので、よろしくお願いいたします。
○古屋参事官 皆さん、おはようございます。
事務局の古屋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
まず委員の御紹介をさせていただきます。前回御出席がかなわなかった新任で弁護士の深道祐子委員からこの後御挨拶いただければと存じます。また、大下委員に代わりまして、日本商工会議所産業政策第二部担当部長の清田様が就任されているところでございます。
それでは、深道委員からまず一言御挨拶をいただければと存じます。よろしくお願いいたします。
○深道委員 初めまして。弁護士の深道と申します。
私、弁護士会で高齢者と障害者の委員会の委員などをしておりまして、関心を持って何かお役に立てることがないかなと思っております。ぜひよろしくお願いいたします。
○古屋参事官 ありがとうございました。
次に、清田委員から一言御挨拶いただければと存じます。
○清田委員 日本商工会議所の清田と申します。
労働政策を担当させていただいてございます。厚生労働省の労働政策審議会障害者雇用分科会なども担当させていただいております。どうぞよろしくお願いをいたします。
○古屋参事官 ありがとうございました。
続きまして、事務局に人事異動がございましたので御報告を申し上げます。
7月より着任いたしました統括官の水野でございます。
○水野統括官 今、御紹介いただきました、統括官に就任いたしました水野でございます。
いろいろとお世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。
○古屋参事官 続きまして、審議官の成松でございます。
○成松審議官 審議官の成松と申します。よろしくお願いいたします。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
深道委員、清田委員、水野統括官、成松審議官、どうぞよろしくお願いをいたします。
次に、事務局より委員の出欠状況について報告をお願いいたします。
○古屋参事官 ありがとうございます。
本日は、佐保委員が遅れて出席、浅川委員、岩上委員が所用により欠席、曽根委員が途中退席と伺っております。ネット出席予定の仲根委員、米山委員、金丸専門委員は、まだつながっていない状況ですが、御出席の予定でございます。
○熊谷委員長 ありがとうございました。
それでは、議事に入りたいと思います。毎回のお願いとなりますが、御発言いただくときは、チャットメッセージによりまして、発言の意思表示をしていただき、委員長の指名を受けてから御発言をお願いいたします。
また、御発言の際には、できれば最初に結論を述べていただき、その後に理由や説明をしていただくと分かりやすいと考えております。
あわせて、ウェブ会議であることを踏まえまして、いつも以上にゆっくり分かりやすく御発言をいただくよう、お願いいたします。
また、できるだけマイクを近づけてお話をいただければと思っております。
それでは、本日の議題及び資料につきまして、引き続き事務局より説明をお願いいたします。
○古屋参事官 事務局でございます。
前回に引き続きまして、ペーパーレス化を推進する観点から、タブレット端末を配付して資料を閲覧いただく形としておるところでございます。不具合等がございましたら、お近くの内閣府職員までお声がけいただければと存じます。
本日は資料として資料1-1から資料3を用意しているところでございます。
資料1-1、1-2としまして、障害を理由とする差別の解消に向けた相談窓口の試行に係る調査研究に係る資料。
資料2-1から2-3としまして、先日公布、施行されました手話施策推進法の概要、本文、施行通知、資料2-4、2-5としまして石橋委員より提出資料。
資料3としまして、5月30、31日に迎賓館で開催した「ともともフェスタ2025」の開催概要を資料として配付しているところでございます。
○熊谷委員長 ありがとうございます。
熊谷です。
それでは、まずは「つなぐ窓口」、続けて手話施策推進法、そして「ともともフェスタ2025」、この順で御報告をいただき、その後、石橋委員から御発言をいただきたいと思っております。その後、皆様から質問、御意見をお受けしてから、12時20分頃に休憩を取りたいと思います。なお、質疑が多い場合には、休憩後にも引き続き質疑を受け付けたいと思っております。
それでは、事務局から御報告をお願いいたします。
○古屋参事官 事務局の古屋でございます。
事務局より3点、一括して御説明をさせていただきます。
まず、「つなぐ窓口」について御説明いたします。
資料1-1、1ページを御覧ください。
「つなぐ窓口」につきましては、障害者差別解消法に関する質問や相談に対応し、適切な自治体等につなぐための調整・取次ぎをするため、一昨年10月から1年半の試行事業として実施したところでございます。報告書については、本年6月に公表しております。
2ページを御覧ください。
期間中に寄せられた相談については、全部で4,602件となっておるところでございます。改正法施行の前後で増加していますけれども、その後緩やかに減少傾向にあるところでございます。
相談者の属性につきましては、障害者やその家族が約8割、事業者が約1割ということとなっております。
3ページを御覧ください。
障害種別では、精神障害のある方からの御相談が最多ということとなっているところでございます。
4ページを御覧ください。
相手方の事業者の業種を見ますと、行政、医療・福祉、教育・学習支援が多く、教育・学習支援については、発達障害のある方や御家族からの相談が多くなっております。
5ページを御覧ください。
相談のうち、半分程度が障害福祉制度等に関する意見や障害者雇用に関する相談等、障害者差別解消法の範囲外のものとなっております。障害者差別解消法に係る相談の2,395件のうち、つないだ案件は534件でございます。このうち、取次ぎを完了したものは280件で、市区町村につないだものがほとんどでございました。この中の事案終結した案件を見ますと、過半数が解決とされているところでございます。
6~8ページに具体的な相談事例を示しています。
視覚障害者へのビュッフェでのメニュー読み上げや配膳等の配慮、駐車場の利用拒否、オストメイトの入店拒否といった事例を挙げているところでございます。詳細については資料1-2の本体を御覧いただければと存じます。なお、この事業につきましては、本年4月から本格実施をしているところでございます。
次に、手話施策推進法の公布・施行について御説明いたします。資料2-1を御覧ください。
手話に関する施策を推進する法律につきましては、これまで制定を国に求める決議が全ての自治体で行われ、多くの自治体で手話言語条例等も制定されました。こうした状況を踏まえ、超党派の議員連盟でろうあ連盟等の関係団体も含めた形で手話施策推進法案が検討されました。本年11月に日本で初開催されるデフリンピックも背景に、議員提案の法案が6月18日に全会一致で可決成立いたしました。
その内容につきましては、手話を言語として位置づけるとともに、手話の習得・使用に関する環境の整備、手話による文化の保存・継承・発展とともに、手話の国民の理解と関心を深めることを基本理念として、国や地方公共団体に施策の策定・実施の責務を定めているところでございます。基本施策として、子供の手話の習得支援、学校における手話による教育、職場における環境整備、手話通訳等の人材確保等が定められているところでございます。また、9月23日を手話の日といたしまして、国民の理解と関心を深めるための広報・啓発活動を行うこととしておりまして、内閣府でも普及啓発のための取組を実施してまいります。
推進法では、これらの施策の障害者基本計画への反映を求めておりまして、次期障害者基本計画にその内容を反映してまいります。
なお、公布日付で、内閣府、厚労省、文科省、こども家庭庁の連名で、都道府県等に施行通知を発出するとともに、内閣府から各省庁に対しまして、審議会等の傍聴における手話通訳の配慮等の合理的配慮を求める旨の事務連絡を発出しているところでございます。
最後に、「ともともフェスタ2025」について御報告をいたします。資料3を御覧ください。
優生保護法を受けた行動計画に基づきまして、障害の有無にかかわらず、交流できる行事を5月末に赤坂迎賓館で初めて開催し、館内の無料開放も行ったところでございます。この「ともともフェスタ」におきましては、実行委員会やワーキングチームを設置しまして、企画段階から障害当事者の方々とも協力し、コンテンツや情報保障・バリアフリーについても検討いたしました。また、今回の振り返りもこの実行委員会で行ったところでございます。
当日は、周知期間が短く、悪天候の中ではございましたが、2,000人の方が来場され、オンライン配信も実施したところでございます。実行委員会やボランティア等で御協力いただきました委員の皆様方や団体の皆様方、また御来場いただいた皆様方や周知に御協力いただきました皆様、改めて感謝を申し上げます。ありがとうございました。
続きまして、2ページを御覧ください。
今回は実施までの期間が短かったため、主にSNSや団体を通じて周知をしてきたところでございます。また、障害への理解や、障害者への偏見や差別の解消へのメッセージとともに、開催をお知らせする動画を作成して配信したところでございます。この動画につきましては、1000万回近い再生をいただいているところでございます。
続きまして、4ページを御覧いただければと存じます。
4ページにお示ししましたように、総理や大臣も出席の下、開会のセレモニーが実施されているところでございます。
続きまして、6ページを御覧いただければと存じます。
様々なステージパフォーマンスも行われたところでございます。
7ページにブース展示の一覧が出ているところでございますが、8ページにお示ししたような形でブースが配置されたところでございます。この中には、旧優生保護法関係のパネルの展示も行っているところでございますし、また知的障害・発達障害、手話の体験、車椅子体験などについては、総理や大臣も御参加されているところでございます。
また、10ページ、11ページにお示ししていますが、災害時に活用できるバリアフリートイレの展示・使用やカームダウンスペースの設置、バリアフリーマップの提供等も行ったところでございます。
12ページを御覧ください。
アンケートでは、また来たいという方が6割を超しているところでございますが、開催する場所や日時次第という御意見も4割弱程度あるところでございます。振り返りの際には、周知などの準備期間の短さや、会場へのアクセス、出展者のスペースなどが課題として挙げられたところでございますが、基本的には、非常に開催してよかったという御意見をいただいているところでございます。
今回のイベントにつきましては、報告を取りまとめ、こうしたイベントの開催についてのノウハウを地方公共団体等にもお伝えし、全国に広げていきたいと考えております。
事務局からの説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○熊谷委員長 熊谷です。
御説明ありがとうございました。
引き続きまして、石橋委員より御発言をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○石橋委員 全日本ろうあ連盟の石橋です。
このたび、手話施策推進法が制定、施行されたことに対し、関係者の皆様に多大な御協力をいただきまして、本当にありがとうございました。
全日本ろうあ連盟は、2010年から、手話は言語であるという手話言語法の制定を求める運動を続けてまいりました。15年間です。やっと手話に関する施策推進法が制定されました。非常に喜ばしく思っております。
資料を2つ用意しております。参考資料の、資料2-5です。私の発言の時間は5分で、短いですので、全て話すことはできません。資料2-5に今までろうあ連盟が取り組んできました手話言語法を求める運動、今後の施策推進法に向けての取組についての資料が載っていますので、後ほど御覧になっていただきたいと思います。
私どもろうあ者の先人は、手話は、猿まねから「てまね」とよばれ、言葉として認められなかったのですね。人としても認めてもらえませんでした。まわりからも白い目で見られて、手話は蔑まれ、みっともないと、苦しい経験をされた先人の方々の御苦労があり、さらに聾教育の現場でも、手話は使ってはいけない、認められない、口話教育の中で手話は、蔑まれてまいりました。教育を受ける権利も全て奪われてまいりました。
社会では音声で話し、日本語で書くことが当たり前な考え方でした。きこえる人たちに合わせるようにと、手話は使わないで、日本語を使うのだという、そういう社会の中でとても苦しい経験をしてまいりました。先人の方々には苦労したまま亡くなった方もたくさんおられます。今回、手話施策推進法の中に、まさに手話は言語であるということは、誰もが認知し、障害者基本法にも手話は言語であると明記されておりますが、この「手話は言語である」ということがなかなか国民になじまないという面もありました。
「言語」が(法律名に)入らず今回、手話施策推進法となりました。名を捨てて実を取ったわけです。今後はこれを育てていって、5年間かけて見直しをし、きちんと「手話は言語である」ということを表明したいと思っております。
大事なことは、「手話言語を獲得する」こと、「手話言語で学ぶ」こと、「手話言語を学ぶ」こと、「手話言語を使う」こと、「手話言語を守る」、この5つの権利を手話施策推進法の中にきちんと盛り込み、位置づけ、充実させ、都道府県、市町村、全てのところで障害者基本計画にしっかり反映できることを願っております。
ただ、心配しているのは、自治体によってその格差が生じることで、内閣府の政策委員会の中に、手話に関する施策を検討するワーキンググループを作っていただきたいと思っております。
また、今年11月に、東京2025デフリンピックが開催されます。国歌は、内閣府が中心になって先導されておりますが、まだ手話言語による国歌が制定されておりません。メダルを取った日本人がきちんと誇りを持って、手話で日本国国歌が歌えるように施策を推進していただければうれしいと思います。
過去の歴史にある、口話教育によって人として認められないという苦しみの記憶を将来に残すためには、口話教育、手話が認められてこなかったということを記憶遺産としてきちんと若い人たちに今後継承していくことも大切だと思っております。
ぜひ、これからこの5年間、手話施策推進法の中身を充実させて、手話は言語であるということを明記し、2030年の見直しのときには、きちんと手話は言語であるということの証明を示し、施策の中にも詳述を充実させていただきたいと思っております。
以上です。よろしくお願いいたします。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
石橋委員、大変ありがとうございました。
この法律の背景にある長い歴史の解説、そして具体的な御提案としてのワーキンググループの設置、国歌の手話での表現など、具体的な御提案も短い時間でしたが御説明いただきました。ありがとうございます。
それでは、ここで質疑の時間に移りたいと思います。今日は3つのトピックが最初に事務局から御説明がありましたが、この3つのトピックに関しての質疑になります。
会場で御参加の委員の皆様におかれましては、実際に手を挙げて挙手をしていただきまして、オンラインで御参加の委員におかれましては、チャットメールに「挙手」と入力して、送信アイコンをクリックしてください。本日は、進行上の都合により、挙手していただいた委員に御質問や御意見をいただきまして、休憩時間の後に各省庁から回答をいただきたいと思っています。そして、御質問、御意見はできるだけ簡潔にお願いしたいと思っております。また、御発言の際には、名前をまずおっしゃっていただいてから、省庁からの休憩後の回答に関しても、省庁名、所属部署、氏名を述べてから御発言をお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、御質問、御意見がある方は挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。事務局のほうで手を挙げていただいている方の記録を取りますので、そのまま挙手を維持しておいていただければと思います。申し訳ございません。
手を下ろしていただければと思います。
それでは、時間といたしましては1時間弱になります。12時20分まで質疑の時間にしたいと思っております。
まず田中委員、お願いをいたします。
○田中委員 日本視覚障害者団体連合の田中でございます。御指名ありがとうございます。
私からは、質問を1点と意見を1点述べたいと思います。
まず質問ですが、「ともともフェスタ2025」に関するものです。
本当に短い準備期間の中で、これだけのすばらしいイベントを開催していただきましたことに、まずは心から感謝を申し上げたいと思います。
質問につきましては、2026年以降につきましても開催の予定があるのかどうかについて、現時点でもし回答できる事項があればぜひお願いをしたいと思います。動画の再生数も1000万回に迫るもので、大変多くの方に興味を持っていただいていると思いますし、内容も非常にすばらしいと思いますので、今後の開催の予定について御回答いただけたらありがたいと思います。
それから、次は意見ですけれども、手話施策推進法に関するものです。第1条を見ますと、手話というものが言語その他の重要な意思疎通のための手段というふうに明確に位置づけられております。手話を必要とする人が、日常生活または社会生活を営む上で非常になくてはならないものであるということが法律上もしっかりとしました。そういう点を考えますと、今後、社会全体として、積極的に手話が自由に使える環境整備に取り組んでいくことが必要だろうと思います。その環境整備については、この法律の第18条にもありますように、関係者の意見聴取というものを十分に踏まえていく必要があるだろうという感想を持っております。
その上で、過去この委員会でも何回か発言をしておりますが、民事裁判を利用する場合に、手話通訳者の確保に必要な費用というものが訴訟費用という位置づけになっていまして、敗訴者が負担するという枠組みが果たして手話施策推進法第1条の言語その他の重要な意思疎通のための手段であるという位置づけと整合するのかどうか、改めて検討する時が来ているように思います。これは意見であります。
私からは以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
大変重要な御意見ありがとうございました。
続きまして、オンライン参加の白江委員、お願いいたします。
○白江委員 ありがとうございます。全国身体障害者施設協議会の白江と申します。
私からは2点質問でございます。
1点目は相談窓口の件ですけれども、報告書の中にも総括的なことは書かれているのですけれども、試行されて、どういった課題とか問題があったのか。そして、それをどう改善されて、今、実際に行われているのかというあたり、具体的に教えていただければと思います。
2点目は、石橋委員に御質問でございます。先ほど、これまでの御苦労に対して本当に心から敬意を表したいと思います。その中で、地域間の格差が非常に懸念があると、心配であるというようなお話があったかと思いますが、具体的に教えていただければと思います。
以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございました。
石橋委員、休憩後にぜひ質問への御回答をお願いいたします。
続きまして、現地参加の初瀬委員、お願いいたします。
○初瀬委員 日本パラリンピアンズ協会の初瀬と申します。よろしくお願いいたします。
2点質問がございます。
「つなぐ窓口」について、私も当事者なのですが、視覚障害の方にとって、この「つなぐ窓口」という情報にアクセスすることがそもそもできていない方がいるのではないかと感じております。視覚障害の方、情報取得に課題のある障害の当事者にどのようにリーチしていたのかを教えていただければと思います。
2点目が、視覚障害の相談について、恐らくですけれどもクレジットカードに関するものもあったのではないかと思っております。今年度に入ってから、クレジットカードを使用すると、どうしても暗証番号の入力、サインではなく暗証番号というふうに変更がなされております。私含め周りの多くの視覚障害の方が、仕方なく暗証番号を口頭で店員の方に伝える、もしくは同行の人に伝えるということをやむなくやっているケースが非常に多いと聞いております。直接「つなぐ窓口」についての質問には当たらないかもしれないですが、少しその辺りについて何か御対応などあれば教えていただければと思います。
以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございました。
続きまして、オンライン参加の臼井委員、お願いいたします。
○臼井専門委員 臼井です。
「つなぐ窓口」についてと、手話施策推進法についての意見や質問を述べます。
「つなぐ窓口」については、資料1-2の19ページを見ると、府省庁に取り次がれた相談が6件と僅かです。偏り過ぎています。例えば映画の場合、厚生労働省、経済産業省、文化庁が関わるなど、各府省庁の対応が欠かせません。チラシにも、相談の適切な自治体、府省庁などの相談窓口に円滑につなげると書かれています。そのことを実行していただきたいです。
また、寄せられた相談のうち、分かる範囲での性別割合を質問します。
この質問を補足します。相談者の性別を聞けているのは限定的であっても、その内訳は大切な指標です。そして、個人情報の保護は前提として、相談事例を幅広く公表すること。その中で、性別と障害が複合した相談事例も出されることが重要です。このように解決できる、困難や課題があるなど、広く参考にできるからです。
「つなぐ窓口」については以上です。
次に、手話施策推進法について、学校での手話の習得について意見があります。法律の第6条に、学校とは幼稚園から高校までが範囲とされて、第7条に、手話を使用する子どもが在学する学校においてと書かれています。一般校、それから特別支援学校の両方で手話の習得を保障すること、教科書と、教員の養成が特に急ぎの課題と考えます。
先ほど石橋委員からもお話がありましたが、私は中学まで一般校の障害児学級にいました。耳が聞こえない子ども・聞こえにくい子どもだけを集めた学級でした。学校で、手話は動物の言葉だから駄目とされていました。口の形を読むこと、補聴で補うことという、ほぼ不可能なことを求められていました。読み書きされる言語の習得も困難な、人や社会と分け隔てがある環境でした。分け隔てられない共生社会に向けて、手話の習得は、耳が聞こえない人、聞こえにくい人だけではなくて、社会のあらゆる人に必要です。法律の具体化のために、財政やほかの法制、そして障害者基本計画に何を盛り込むか、十分な議論を求めます。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷です。
臼井委員、ありがとうございました。
続きまして、現地参加の水流委員、お願いいたします。
○水流委員 全国地域生活支援ネットワークの水流です。
まず、「つなぐ窓口」について、先ほど御報告いただきましたけれども、各省庁をまたいで解決した好事例をお示しいただくことで、いわゆる迷子問題も減っていくということを期待いたします。私の地元、鹿児島市のホームページにも「つなぐ窓口」の案内がなされておりまして、周知が徹底されていて、喜ばしいと考えております。本格実施以降も、引き続き、迷子問題を解消すべく、次年度以降、「つなぐ窓口」の継続をぜひともお願いいたします。
多くの市町がそうであると思いますけれども、基幹相談支援センターの中に差別解消担当が配置されており、差別解消法の範囲内、範囲外の判断が難しい例をセンター内でそれぞれの相談員へつなぐ、並びに虐待防止窓口も引き受けている場合は、そのまま振り分けることができます。あくまでも各地域で解決が難しい問題を、各省庁をまたぐ課題について、「つなぐ窓口」での対応に今後も大いに御期待申し上げます。
1点質問といたしまして、現「つなぐ窓口」に従事しておられるスタッフの方々の御苦労された、もしくはお困りのエピソード等があればお聞かせいただきたいです。
続きまして、手話施策推進法の施行についてですけれども、これも私の地元、鹿児島でも昨年条例が制定されまして、そのことを市民に広く周知することを目的に、鹿児島市手話言語・障害者コミュニケーション条例制定記念イベントが開催されました。イベント3か月前に、市役所の障害福祉課から、私の法人の保育園の子供たちに手話歌を披露してほしいと依頼がありました。手話を体験できるいい機会だと思って、知り合いの聾者に相談したら、手話歌なんてあなたは何も分かっていないと憤慨されてしまいまして、頼まれたこととはいえ、大いに反省いたしました。結論としては、手話劇「大きなカブ」を保育園の子供たちと地元のデフNetworkかごしまの子供たちと共演して、すてきな舞台を披露することができました。そのときに覚えた手話での自己紹介を子供たちに卒園式でも披露してもらい、拍手喝采でした。
今回の推進法の施行が当事者の皆さんにとって有益であることはもとより、手話を日常的に使わない子供たちにも手話の大切さを知るきっかけとなるよう、皆さんと共に啓発を続けていきたいと思います。
最後に、「ともともフェスタ」についてですけれども、3月の本委員会にて、本事業が一過性のものとならない工夫をしていただきたいと発言をさせていただきました。ぜひとも次年度以降も継続していただけるよう、改めてお願いいたします。
また、開催時期については、今回の雨の影響等を考えるととても悩ましいところでありましょうが、例えば障害者週間が12月に設定されていることに鑑み、時期を合わせてみる等の検討をしていただければと思います。
加えて、前回と同意見ですけれども、東京での事業継続と、それらを横展開させる意味でも、文化庁主催の日本博事業でも採択され、全国各地で開催される東京演劇集団風によるバリアフリー演劇鑑賞会や、各地で開催されるバリアフリー映画上映会、アール・ブリュット等の展覧会としっかりタイアップしていくことで、障害の有無にかかわらずみんなで楽しめる広場を増やし、定着を目指せると思います。ぜひ御検討をお願いいたします。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷です。
ありがとうございました。
続きまして、オンライン参加、金丸専門委員、お願いいたします。
○金丸専門委員 日本相談支援専門員協会の金丸です。
手話に関する施策の推進に関する法律についての意見と質問です。
基本理念に、手話に関する国民の理解と関心を深めようとすると示されていますが、手話に関する国民の理解と関心を深めるために重要なのは、多くの子供が手話を使う機会を増やすことであり、日常的な場面で多くの教師が手話を理解しようとして、断片的でもいいですから手話を使って話をしていくことではないでしょうか。また、手話を使う子供と直接関わる経験が効果的だと思っています。
気になっているのは、基本施策の学校における手話における教育等に示されていることです。手話の技能を有する教員、手話通訳を行う者、手話に関する必要な支援を行う者等が適切に輩出されるようにとか、手話の技能を有する教員の養成といったことは大切なのですけれども、特別な支援が必要な子供に専門的な支援者を配置していくということにしか言及していないことになるのではないかなと思っております。
前回のこの委員会でも、インクルーシブ保育について、こども家庭庁より、保育所等における障害児などの受入れにつきましては、交付税措置による保育士加配や療育支援加算等により、受入体制の充実を図ってきているといった説明がありました。また、個人的には、様々な場面で教育行政より、特別な配慮を要する子供には特別な支援を行う教員等が対応していくという趣旨の発言を何度も耳にしています。
必要な支援を専門的な立場で対応していくことにはもちろん大賛成なのですけれども、手話を必要とする子供たちがまず求めているのは、手話を理解しようとする担任であり、周りの仲間なのだろうと思っています。手話を使いこなせないのだけれども、一緒に遊ぼうとか、分かりましたかとか、頑張ったねみたいな感じの十分ではないのですけれども子供に語りかける人の存在が大事ではないかなと思っています。全ては分からなくても、分かろうとするとか理解しようとするという人がいることで子供の気持ちは前に向かっていくのだろうと思いますし、専門的な支援者、加配保育士等が存在すると、担任も周りの子供もその人に支援を委ねる傾向がこれまで現場を見て感じてきております。
専門的な立場の人をつけていくことのデメリットもあることを考えつつ、基本、手話を必要とする子供と楽しみ、授業においても、例えば指文字で24ページを開きましょうねとか、専門的でなくても、その気になれば部分的に使えるようになるわけですし、現場に負担を求めることにはならないと思っています。
手話は、子供たちばかりでなく、大人たちも表現を豊かにさせてくれると思っています。意思の疎通の在り方を深く学ぶ機会につながると思っています。基本施策では、手話を必要とする子供に、手話を理解した支援者を配置するという視点しか示していません。基本施策の国民の理解と関心の増進では、学校教育でできるノウハウに関する情報提供、児童・生徒に対する手話の学習機会の提供といった表現はありますけれども、これではこれまでの学校教育が行ってきたことと変わりはないままだと思っています。
子供の言語というのは、本来子供が意図していなくても、子供の動きとか表情、音声に大人が意味をつけていくということから、意味のある表出につながっていきます。変わりたい、分かってあげたいという気持ちで子供を見つめていくことによって、子供が成長していくと思います。
手話を必要とする子供が身近にいたら、意思を表明することの喜びを感じる子供が増えていくことでしょう。行事等とか交流的な機会だけでは、理解は深まっていかないと考えています。手話に関する国民の理解につながっていくことについて、今後、何に重点を置こうとしているのか、文部科学省、また、こども家庭庁としてどのような見解をお持ちか聞かせていただけると助かります。よろしくお願いします。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございました。
続きまして、現地参加の新銀委員、お願いいたします。
○新銀委員 全国精神保健福祉会連合会の新銀でございます。御指名ありがとうございます。
私からは、精神障害のある方とその家族の立場から、3点に絞って意見を述べさせていただきます。
1点目は、相談件数の比率に見合った取扱いの必要性です。「つなぐ窓口」における相談事案の属性等について、1のところなのですけれども、精神障害者が障害種別の中で27.5%と最も多いにもかかわらず、報告上の対応事例については、精神障害者関連の記述がほとんどない点が懸念されます。制度上、制度的理解が進みにくい分野であるからこそ、丁寧な事例共有と解説が今後の施策に不可欠だと思います。
2点目は、精神障害者における合理的配慮の認識と判断の困難さについてです。精神障害者は外見上の障害が見えにくく、特に本人の訴えが甘えとかわがままとか誤解されるケースも少なくありません。相談対応者側の精神理解を深めるためのスキルアップ、それから自治体や事業者向けの研修資料にも、精神障害者特有の事例を含める必要があると考えております。
3点目が、制度の隙間に置かれている相談の存在について申し上げます。全体の52%が差別解消法の範囲外に分類されています。その内容は、事前説明では労働関係とお聞きしたのですけれども、就労とか医療、生活困窮などの複合的な課題に対して、制度の横断的な支援につなげる仕組みの整備が求められるのではないかと考えております。
以上が、精神障害者の実態を的確に捉えて、今後の政策形成に反映していただくことをお願い申し上げます。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷です。
ありがとうございました。
続きまして、オンライン参加、小林委員、お願いいたします。
○小林委員 日本発達障害ネットワークの小林です。よろしくお願いいたします。
まずは「ともともフェスタ2025」についての感想、意見と、それから今、皆さんのお話を伺っていて1つ意見というかお話ししたいことが出てきましたので、大きく分けて2点お話をいたします。
5月に開催された政府の「ともともフェスタ2025」は、石破総理も御出席いただけるなど、国を挙げて共生社会実現の試みとして、様々な障害の啓発の機会となったなと感想としてはございます。
一方で、ある政党の出版物に、そもそも発達障害は存在しないといった誤った記載が現在でもあり、日本発達障害ネットワークの会員一同としては、非常に遺憾に感じているところでもあります。
発達障害者支援法は、平成16年に超党派による議員立法で成立した法律でして、施行後20年を経て、様々な形で発達障害児・者とその保護者の方々に適切な支援が届くようになってきたと思っております。
また、最近は、アジアの国々からも、日本の発達障害者支援の取組は高く評価されているところです。
この点から、私たち日本発達障害ネットワークでは、今後も発達障害児・者とその保護者の方々が、どこで暮らしていても必要としている理解や配慮が享受できるような活動をしていきたいと考えております。
このことから、今後において、「ともともフェスタ」が共生社会実現のための試みとして継続されていくことがとても重要だなと考えておりますし、様々な啓発という活動もまだ続けていかなければいけないことだなということが今回の感想となります。
もう一つなのですけれども、今、手話の推進法が出来上がったということで、私、実は公認心理師という心理職でもあります。スクールカウンセラーなどもやっているということもありまして、特別支援学校にSCが行くということがございます。ただ、聾学校や盲学校、それから特別支援学校に必置になっている感じではなくて、要請されて行くような感じですので、すごく必要なところであるなと理解しているのですけれども、調査をしていただくと分かると思うのですが、小・中学校には配置されているのだけれども、特別支援学校は、通常の形では配置されていないことが多いなということがあります。
聾学校に伺うときの手話としてのコミュニケーションの取り方というのをSCは持っていないことがほとんどです。その場合、どうしていったらいいのかなということを考えつつ、これから子供たちの心のケアということも踏まえて、新しく手話施策推進法に関わるところで、子供たちの心のケアという側面からどんなふうに考えていったらいいのだろうかなということを考えさせられましたので、感想として述べさせていただきました。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございました。
続きまして、現地参加、石橋委員、お願いいたします。
○石橋委員 ありがとうございます。全日本ろうあ連盟の石橋でございます。
発言の機会をありがとうございます。
3つほど意見を申し上げたいと思います。
まず1点目でございますが、「つなぐ窓口」の御説明をいただきました。確かに件数はかなり増えているという中で、窓口へのアクセス方法はどうなっているのでしょうか。手話施策推進法が成立し、手話言語でアクセスできる、手話言語で相談できるという環境ができたはずなのですが、このような環境整備をどのようにお考えか、見解をお示しいただきたいと思います。
「つなぐ窓口」だけではなく、差別解消法に関してもそうです。各都道府県の苦情の窓口、あるいは基幹相談支援センターなどあると思います。まさにこれが手話言語でアクセスできるか、相談できるか、手話言語できちんと対応できるかということについては、現実的にはまだまだというような現状ではないかと思っております。
あるいは、各都道府県、自治体、また省庁ホームページなどを見ましても、アクセスの状況はどうかというと、電話、ファクス、メールというものはありますけれども、手話でのアクセスの環境が全くないという現状があります。ですから、さらに手話言語でアクセスできる環境整備を考えねばならないのではないかと思います。
もう一つ、今、皆さん御存じのように、テレビ放送に手話通訳のワイプというものがありますね。手話のワイプを付けたらそれでよいと思われていますが、実際は、映っている手が小さくて、もう手話が見えないのです。(情報に)アクセスできないという状況が起こっています。手話通訳がついているとは言いますけれども、実際には見えない、小さ過ぎるということで、結局情報取得ができないという現状が今もあるわけです。現在、テレビの字幕はオフ・オン機能がリモコンにあります。同じように、手話言語が必要な人たちの場合は、自分の好きなように手話をオンオフし、自由に配置でき、拡大して見ることができるようにならなければなりません。自己選択ができる環境が必要ではないでしょうか。
このような具体的な施策の中身をきちんと議論をするために、国として、政策委員会の中にワーキンググループをぜひ設けていただきたいのです。皆さんが気づかないことが本当に多いわけです。これらを一つのモデル的に、各都道府県に発信していくという仕掛けは大事ではないかと思っております。地域格差が解消されるきっかけになると考えております。
格差の内容について御質問が先ほどございましたけれども、休憩が終わった後に説明するようにというお話がありました。その辺りもまた加えたいと思います。
ありがとうございます。以上です。
○熊谷委員長 熊谷です。
ありがとうございました。
続きまして、オンライン参加の宮本委員、お願いいたします。
○宮本委員 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会の宮本です。
「つなぐ窓口」と手話施策推進法に意見があります。
「つなぐ窓口」の報告書(概要)の3ページを見ると、聴覚・言語障害者(家族を含む)からの相談方法が、電話111件、メール66件となっています。そのうち、右下のグラフを見ると、電話リレーサービスが17件あるようです。ほかの障害種別と比較すると、メールの比率が高いとはいえ、電話での応答の際にそごが生じなかったかが気になります。障害種別を考慮して適切に対応していただくことと、電話リレーサービスがもっと社会に周知されるように要望していただくといいかと思います。
もう一つ気になるのは、地域別相談件数です。「つなぐ窓口」報告書(全文)の11~12ページを見ると、関東からの相談件数が圧倒的に多いようです。これは単に人口比によるものだとは思われません。内閣府の事業なので、地域差があってはならないと思います。全国一律に事業の周知をしていただくよう、要望することをお願いいたします。
次は、手話施策推進法のところです。全難聴には、手話対策部ができています。手話施策推進法がこのたび成立したことは大変喜ばしく、これまで尽力してこられた全日本ろうあ連盟をはじめ、関係者の運動に深く敬意を表したいと思います。
他方、これまで手話といえば、第一言語を手話とする聴覚障害者のいわゆる「日本手話」が重んじられ、同じ聴覚障害者である中途失聴・難聴者が使っている、いわゆる日本語対応手話についてはあまり考慮されてこなかったことが現実としてあります。この件について、どのように考えられるのか知りたいと思います。
全難聴としては、この法律の施行をきっかけに、中途失聴・難聴者に合った日本語対応の手話を習得しやすい環境の整備を求めて、関係機関へ働きかけていきたいと考えていますと手話対策部からの意見をいただきました。
以上です。ありがとうございます。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございました。
それでは、現地参加の平野委員、お願いいたします。
○平野委員 「つなぐ窓口」と手話施策推進法について意見と質問を述べさせていただきます。
まず「つなぐ窓口」についての意見と質問です。
ホームページを見ますと、「つなぐ窓口」の目的は、自治体・各省庁等の適切な相談窓口に円滑につなげるための調整・取次ぎを行うと書いてあります。ところが、私どものほうに1件相談が寄せられましたのは、イギリスから来られた方が、東京の民間の美術館に入ろうとして、電動車椅子が大き過ぎるということで入館を拒否されてしまい、すったもんだあったのですけれども、何とか入ることはできたと。こういうことが日本のほかの障害者に起こっても困るのでということで、私どもに相談がありました。
これに対しての対応につきましてお伺いしましたが、各省庁との取次ぎは行いませんということで、「つなぐ窓口」から返答が来ました。これはホームページの設置の目的と合しないのではないかなと思いますし、様々省庁と絡む問題はありますので、省庁は独自に相談窓口は持っているかもしれませんけれども、そこにしっかりとつなぐことが内閣府の「つなぐ窓口」の役割ではないかと思いますので、そこについてはきちんとした対応をお願いしたいということで、まず意見です。
質問ですが、資料1-1の5ページに、差別解消法の範囲内で2,207件のうちつないだ案件は534件とあります。つながなかったのが1,673件ほどですが、これはその後どうなったのでしょうか。対応されているのでしょうか。あと、未解決が33件とありますが、どういった内容で未解決になっているのか。こういったことの内容が開示されないと、そしてその要因が何なのかということを分析しないと、よりよい対応というのはできないと思いますけれども、未解決事案の分析こそが、「つなぐ窓口」のバージョンアップの要だと思いますので、そこに対しての御意見、御返答をお願いしたいと思います。
あと、就労・労働に関してですけれども、報告書の中では、障害者が生活する中で直面している悩みについての相談は、障害者雇用や障害者制度への質問と例示されていて、職場における差別事案や合理的配慮に関しては、差別解消法の範囲外の相談として集計されているのでしょうか。雇用における差別に関しては、障害者雇用促進法の中で対応するということになっていますけれども、差別解消法の対象外だったとしても、所管省庁である厚労省、あるいは都道府県の労働局などの相談窓口につなぐ役割ということは絶対に必要だと思っていますが、ぜひとも「つなぐ窓口」にはその役割を担っていただきたいと思っています。
次に、手話施策推進法に関してですけれども、実は私の友人で、聾者の親で、子供も聾者だという方がいらっしゃって、その人から、この委員会に私が所属しているということとは関係なく御相談があったのが、手話ができる先生は少しずつ増えてきていると。長い間の口話教育のために壁はあったのですけれども、少しずつできる先生は増えてきているけれども、いざしっかりと手話を使って授業できる技量のある先生がいるかというと、そこはとても不安だということでした。
先ほどの金丸委員の意見と若干方向性は違いますけれども、専門性、そもそもの教員に手話ができる技量が備わっているということ、手話ができる人が教員になるということもあるかもしれませんけれども、教員養成課程において、聾教育を専攻する人たちがきちんと手話の技術を習得できて、手話の必要な子供の教育に当たれるようにということのスキルアップの取組というのは本当に重要ではないかなと思っています。
聾者の子供のお父さん、お母さんたちが安心して子供が学んでいけるのだということを保障していくためのこの推進法の具体的な今後の取組として、教員の手話技術の習得ということに関して意見を述べさせていただきました。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷です。
ありがとうございました。
それでは、オンラインから安部井委員、お願いいたします。
○安部井委員 ありがとうございます。全国重症心身障害児(者)を守る会の安部井でございます。
手話施策推進法に関して1点と、「ともともフェスタ2025」に関して感想とお願いを大きく2つ発言したいと思います。
手話施策推進法に関しては、基本施策の⑧に、児童・生徒への学習の機会の提供が記載してあります。手話が言語の一つであることを多くの国民に理解していただけるよう、幼児の頃から、そして児童・生徒が理解できるよう、文部科学省との連携を図っていただき、その保護者も共に学べる機会をいただけたらと思っておりますので、これからの進展に期待しております。
それから、「ともともフェスタ2025」ですが、短期間にもかかわらず、あのように盛大なイベントを開催していただきましたこと、本当にありがとうございました。寒い雨の中、内閣府の方々、ボランティアの方々、そして関係する方々の御尽力によるものだと思って深く感謝しております。
そして、悪天候ではありましたけれども、本来は熱中症にそんなに配慮しなくてもよい時期を選定していただいて開催していただいていたと思っておりました。ただし、雨でしたので、現地に行けない、参加できなかったという声もたくさんいただいております。雨でなかったら行きたかったという声もありましたので、来年度以降も開催するのでありましたならば、準備期間を長く取っていただきまして、様々な展示ブースが展開されるように願っております。
そして、全国展開というお話が先ほど説明の中ではありましたけれども、開催地が偏らないような工夫をしていただいて、全国各地で開催できるように願っております。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございました。
続きまして、オンライン参加の米山委員、お願いいたします。なるべく簡潔に、どうぞよろしくお願いいたします。
○米山委員 全国児童発達支援協議会の米山です。よろしくお願いします。
意見が2つ、それから質問が1つございます。
まず1つ意見ですが、先ほど安部井委員からもありました「ともともフェスタ2025」は、本当に悪天候の中、大変でしたが、すばらしいフェスティバルで、私も参加させていただいて、楽しく過ごしさせていただきました。いろいろな天候の準備も大変だと思いますが、ぜひ来年も続けて開催していただければと思います。2日目、私も参加させていただきましたが、ちょうどしまじろうの手話歌のステージもあって、本当に今後、手話施策推進のほうが進む、それの前段階といいますか、そんな感じで感動いたしました。ぜひ続けていただきたいと思います。
それから、2点目が、手話施策推進法ですけれども、概要のほうの2のところのいわゆる第2章の第6条でありますように、子供の心身の発達年齢において、手話の学習の機会の提供とございます。これについては、乳児から幼児期、就学前までが子供の言葉の発達のちょうど時期なのです。言語の発達の時期です。それに応じてということで、第一言語の日本語、さらに第二言語となるでもあろう手話だとか、そういったところの機会を学校教員だけではなくて、保育園、幼稚園の教諭、それから私も関係しています児童発達とか障害児の支援、その職員にもぜひそういう学べるような人を育てることと、そういう機会の提供を上手に組み合わせて提供していただきたいと思います。それが意見です。
最後、「つなぐ窓口」についての質問があります。4ページに統計が出ていますけれども、医療・福祉、教育学習の機会の相談が多かったと思いますが、実際に資料の63ページの相談受付表に年齢別のチェックがありますけれども、18歳までの子供が実際に相談されているケースだとか、年齢層に応じてどういう相談があったか、年齢層の統計まとめがありましたらぜひ教えていただきたいと思いました。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございました。
続きまして、北川委員、お願いいたします。
○北川委員 ありがとうございます。日本知的障害者福祉協会、北川です。
私も「ともともフェスタ」のことなのですけれども、本当に短い時間で開催をして、お天気も、雨が降ったにもかかわらずいろいろな配慮もしていただいて、内閣府をはじめ関係者の皆さんの努力を本当に感じました。感謝いたします。
私は、20代後半の青年たちと家族と一緒に参加させていただきました。そのときに、迎賓館の中のきれいな花鳥の間で、うれしくて飛んだり走ったりしましたけれども、一緒にいたお母さんたちはそれをほほえましく見ることが。いつもだったら止めないといけないと思っていましたが、本当にほほえましく見ることができて、親子で楽しめたとおっしゃっていました。出展もかなりたくさんやってくれる方も多くて、今後の生産活動にも、日本知的障害者福祉協会としてもはずみがついたと聞いております。
やはり地域に行くと、まだいろいろな誤解とかがたくさんあるので、差別とか偏見のない共生社会の実現のために、今回の取組は大変うれしい大切な取組だと思いますし、ぜひ国が推進してやっていただいて、地域地域でこの取組が展開できたらどんなにいいかなと思います。
もう一つは、そのためにも具体的なインクルーシブ保育などの推進が大事かなと思います。能力主義とかではなくて、子供たちのウェルビーイングのための育ちの支援とともに、私も、大臣が訪れたイタリアを視察しましたけれども、子供の頃から共に生きて、一緒に遊んで、理解し合って、もちろん先ほどの手話なんかも一緒に学びながら、小さな頃からそういう環境をぜひ進めていただきたいと思います。
私からは以上です。
○熊谷委員長 熊谷です。
ありがとうございました。
続きまして、オンライン参加の福田委員、お願いいたします。
○福田委員 発言の機会をいただき、ありがとうございます。全国盲ろう者協会の福田と申します。
私からは、それぞれ「手話施策推進法」、「つなぐ窓口」、「ともともフェスタ」、簡単に意見させていただきたいと思います。
手話施策推進法に関してですが、盲ろうの立場からは、手話というものの中にも多様性があるということをまず理解していただいて、政策などの中で理解していただくことが非常に大事かと思います。触手話や弱視手話があります。弱視手話の中でも接近手話であったり、狭い範囲で表出する手話もあります。また、もともとベースにしている手話も違います。日本手話であったり、音声対応手話であったりもしますし、スピードも違ったりします。その辺を尊重して進めていただければと思います。
また、環境整備についてですけれども、ほかの委員の方も指摘されていましたけれども、手話というのは一つの言語なので、今、駅などでも英語とか中国語、韓国語などの表記があるように、手話も同じ位置づけで言語としてあちこちで見かけないといけないと思います。耳が聞こえなくて手話を使う人だけを対象にしただけの考え方で進めていくのではなくて、みんなが手話に触れる機会が多い場面をつくることが非常に大事だと思います。
また、石橋委員がワーキンググループのこともおっしゃっていましたけれども、少し深掘りして、どのようにやっていくかなどの提言が盲ろう側からもできたらいいかと思います。
様々な場面で、視覚障害者が音声テキストでアクセスするためにコードがついていますね。例えばですけれどもこういう封筒にコードがついていたり、私が住んでいる自治体の福祉計画の冊子とかでも、全ページにこのようについているのです。このコードを使うことで情報にアクセスすることができます。同じ方法で、もう一個このようなコードが併記されていて、それをスキャンすれば手話が自分の手元で見られる。それは別に聞こえない人だけのものではなくて、これはどのように手話で表すのだろうと知りたいときの参考にもなります。手話の理解促進には、そういう方法もあるかと思います。
また、教育の場で、教員養成で、聾学校の教諭や、聞こえない子供に接する教諭の手話の習得についてありました。手話というのは言語ですので、使って教えるという立場になるためには、大学の4年間、もしくはもうちょっと短い時間で習得して、手話言語で教える立場になれるものではないと思うのです。毎日その言語を使っているからこそ、その言語で教えることができる。当事者の教員を増やすことの必要性もあると思います。そうでなければ、先ほど指摘があった専門的な内容を手話で教えるというようなことは非常に難しいのではないかなとも考えます。学校の教員が忙しい中で手話を学ぶということの難しさ、そして言語なので日々使わないと忘れていくので続けてずっと手話を続けてやっていくという環境がどれだけ保てるかということも懸念されます。教員養成の間の4年間だけ勉強しただけで、ずっと手話で子供と接することができるわけではないので、継続して手話に触れる機会が必要であります。また、学校の中で手話という言語が必要な場面は、授業だけではないです。やはり子供同士の中でも、手話が使えなければ、お互いに学校生活を楽しむことができないと思うのです。
○熊谷委員長 熊谷です。
福田委員、大変ありがとうございます。少し簡潔に意識をしていただけると助かります。
○福田委員 ありがとうございます。
私は、声で発信していますが、小さい頃に手話を習得していたので、受信は手話でできます。私の周りのクラスメイトは手話を覚えて、情報が足りないときは聞こえない同級生に対して通訳をしていました。そのような環境がつくれていけばいいなと、理想的には思っています。そのようなことを今後やっていければいいかなと思います。
「つなぐ窓口」については、もう簡潔に、まず盲ろう者の件数が少ないことについては、周知の問題とその方法、手段に問題があるのかなと思います。全体の件数を見て思うところは、やはり周知が足りないから減っているというところもあるかとは思いますけれども、もう一つ、今までどのような内容のものがあったのかというのを、どこを見ればいいのか分からなくて、もし前例があるのであれば、個人情報が分からない範囲でも参考にできる前例を相談側があらかじめ見られる、そのサイトにデータソースがある、そのような場があれば、先に相談する前に確認できるのですけれども、それが今どこにあるのか分からないという状況があります。
また、つながったものの、どのくらいのスピード感で、どのように、必ず解決されるのか、そのことが分からないと、つなぐきっかけ、つなぐ気持ちが生まれないと思います。初瀬委員がおっしゃったように、クレジットカードを私も他人に自分の番号を公開して、お店で代理入力をしてもらわないといけないこともあります。また、参院選の選挙公報は、15日をめどに東京都から市に届いてからお知らせが来るというふうに聞いております。通常であれば点字を読むのに1.5倍ぐらいの時間が合理的配慮で確保されるのに、それを通常の0.5倍以下の短い期間で読まないといけない。そうすると、読むのが間に合わないので、もちろん期日前投票には行けない。通訳介助者の申請期限にも間に合わないそのような状況が生まれているようなことなどを「つなぐ窓口」に伝えたとします。でも、それを「つなぐ窓口」から市に伝えたところで、市レベルでは解決できないという問題もあるし、今後、福祉計画などのフォローアップ、障害者計画のフォローアップの中でも触れていくべきことなのかと思っています。
また、「ともともフェスタ」に関しては、やはり周知の問題があると思います。周知期間が短く、私たち盲ろう者にとっては、さらに3か月前ぐらいには知りたい。
場所に関してですけれども、外に舞台を設置してしまうと天候に非常に左右されますので、舞台だけでも室内設置が必要であると思います。要約筆記画面の文字を見る盲ろう者は、眩しい場面では見えなくなる人もいます。手話を見る盲ろう者も見えなくなる可能性もあります。
非常に尽力してできた今回のものをたたき台にして、さらに各地域や各ブロックなどでもだんだん広まっていって、よい形で開催されることを望んでいます。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございました。
まだオンラインの仲根委員、浅香委員、手を挙げていただいていますが、ここで一旦休憩を入れさせていただいて、12時半から再開いたします。再開後、仲根委員と浅香委員にコメントをいただきたいと思っております。
それでは、休憩に入ります。
(休憩)
○熊谷委員長 熊谷でございます。
それでは、時間になりましたので、再開をしたいと思います。皆様よろしいでしょうか。
それでは、休憩後もまだ質疑を続けたいと思います。
オンライン参加の仲根委員、簡潔にどうぞよろしくお願いいたします。
○仲根委員 全国脊髄損傷者連合会、仲根です。
私のほうから、「つなぐ窓口」と「ともともフェスタ」の2件について意見をさせていただきたいと思います。
まず、「つなぐ窓口」の設置については、内閣府と地方自治体が直接事例を通して学びを蓄積していく取組だと思っておりまして、非常に大切な事業で、今後も強化をしていただきたいというのが前提でございます。
資料1-2の31ページにございます。先ほど来、周知策について各委員からの御質問がいろいろあったと思いますが、鹿児島の委員の方ですか。鹿児島県のほうにはサイトに案内があったとありますが、私は所在が沖縄県でございまして、県のホームページにはございません。県内の市町村にも、多分どこも「つなぐ窓口」の周知は、サイト案内はされていないと理解しておりまして、そういう意味では、実績からしても、まだまだ自治体への「つなぐ窓口」の周知推進が不十分だと思っております。ぜひ各地方自治体へ、アイコンでもいいので、アイコンのリンクを推進できるように、取組をぜひしていただきたい。
もう一つは、先ほど来、各省庁へのつなぎについてはハードルがあるというような御意見だったように思っています。質問の内容も、働くというテーマの相談が非常に多いという観点からも、雇用政策のホームページあたり、またもう一つは教育だけでも構いませんが、つなぐかどうかは別にしても、各省庁へ「つなぐ窓口」の配置をホームページに置くということだけでも情報の入り方が違うかなと思いますので、その取組を進めていただきたいというのが希望でございます。
もう一つは、「ともともフェスタ」について、私ども脊損会のほうでも、準備段階から参画をさせていただきました。ただ、当日、先ほど来から出ているように、雨天で寒かったというところで、特に車椅子は雨になると完全にアウトでしたので、そういう対策をもう少し早い段階から、準備段階から参画をさせていただいて、意見提言できるような場を御検討いただきたいなと。ぜひこの「ともともフェスタ」も推進を強化していただきたいというのが前提の御意見でございます。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございました。
続きまして、オンライン参加の浅香委員、簡潔にお願いいたします。
○浅香委員 日本身体障害者団体連合会の浅香と申します。
5月末に開催されました「ともともフェスタ2025」について、要望をしたいと思います。
まずは関係の皆様、本当にお疲れさまでした。
私は、この事業について、今回、赤坂迎賓館で開催されたことに非常に意義があると思っています。全国各地には重要文化等の施設がたくさんありますが、社会的障壁によって、館内などに入れない、入ることができないなどの施設がまだまだたくさんあると聞いています。一番重要なことですが、バリアフリー化を進めるに当たって、今の時代になっても、障害者団体や当事者が参画できていないことも決して少なくないと聞いております。この事業をスタートとして、全国各地にある重文施設等が入場が簡単にできるよう、施設のバリアフリー化を内閣府を中心に進めていただきたいと要望し、期待をしております。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございました。
それでは、最後に現地参加の佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員 ありがとうございます。
まず、遅参をしたことに対しましておわびを申し上げたいと思っております。
私からは、議題3点についてそれぞれ簡潔にお話をしたいと思います。
「つなぐ窓口」についてですが、障害者差別解消法の実効性を高める上で、質問・相談を気軽にできる窓口の設置は重要と考えます。利用は緩やかに減少しているとのことですが、必要な人が適切な窓口につながり、事案解決に結びつけることができるよう、電話回線の応答率を含め、相談内容の分析と周知徹底、体制整備をお願いいたします。
具体的な相談事例については6ページ以降に記載されておりますが、例えば障害種別でどのような相談が多いのか、行政や医療・福祉など、相手方事業者によってどのように相談内容が異なるかなど、さらに分析していただけると今後の取組に生かせるのではないかと考えます。御検討をお願いいたします。
次に、手話施策推進法の施行についてです。
能登半島地震の教訓を踏まえ、今年5月に災害対策基本法が改正され、被災者に対する福祉的支援の充実として、DWAT(災害派遣福祉チーム)の活動領域が広がることとなりましたが、手話による情報提供も重要と考えます。
災害対策基本法では、災害時に自ら避難することが困難な高齢者や障害者、外国人など、避難行動要支援者の名簿の作成が市町村の義務となっており、避難行動要支援者に対する個別避難計画を策定することが市町村の努力義務となっております。しかし、今年4月現在、いまだに市町村の2.9%が未策定で、さらに市町村の過半数が避難行動要支援者の20%未満の策定にとどまり、実効性確保に課題が残ります。こうした平時からの対応が災害時の状況把握と迅速な避難につながるため、手話による情報提供を含め、取組の強化をお願いいたします。
3点目、「ともともフェスタ」についてです。
連合も、「ともともフェスタ2025」を後援し、当日も参加させていただきました。迎賓館は石畳など多くのバリアがあり、行きたくてもなかなか行けない人が多い場所でもあります。そこで開催することは、どんなバリアも越えていくことができるのだということを国が示したよい例になったと考えております。当日はあいにくの雨でしたが、今後もよい事例として、引き続き国が率先して取り組んでいただきたいと考えます。
私からは以上です。
○熊谷委員長 熊谷です。
ありがとうございました。
ここからは回答に移りたいと思っておりますが、まず初めに石橋委員に、明示的には白江委員から、地域間の格差についての御質問がありました。そのほか多くの委員から、手話に関連した、あるいは手話施策推進法に関連した御意見などもありました。石橋委員から最初に御質問へのお答えをお願いしたいと思います。なるべく簡潔にお願いできれば幸いです。
○石橋委員 ありがとうございました。
様々な委員の皆様方、手話施策推進法のことに関しまして、非常に期待というものを強く感じられました。また、要望もありがとうございます。
これまでになかったことではないかと思っております。今後ますます内容の充実を図っていきたいと考えております。先ほど私が説明不足で申し訳なかったのですけれども、補足になります。手話でのアクセスということについて説明をさせていただきましたが、そもそも教育現場におきまして、例えば地域の聾学校では、手話を使ってはいけない、手話禁止で口話教育を推進してきた歴史があります。ですから、日本語の読み書きが苦手な方が非常に多いのです。特に高齢者などです。様々な意見があっても(日本語で)自ら発信ができない。手話であれば意見を十分に表出できるので、その環境を整える必要があるという意味で、先ほど申し上げました。
そして、子供たちに関することでは、手話言語の獲得、習得という御意見もありました。教員免許を取得するとき、教員養成カリキュラムの中に、手話言語の習得義務はないのです。要するに、教員養成のカリキュラムに手話というものが全くない中で、個人の先生の努力に任せられているというのが現状でございます。この実態があるために、本当に手話習得を努力している先生もおり、また、それをあまり必要と感じない先生もいるというようなことで温度差があるのです。地域格差もその一つの中に含まれると言えます。加えて、教員養成カリキュラム、あるいは言語聴覚士養成のカリキュラムなど、様々な養成カリキュラムの中で、手話というものについては全く触れられていないというのが現状でございます。そういう意味での格差というものがあると申し上げます。
手話施策推進法の基本的な考え方なのですけれども、誰のための法律なのか。きこえない人だけのためなのか。いや、決してそうではありません。手話を使用する人たち、つまり聞こえる、聞こえないに関係なく、全ての必要とする人たちのための法律という立てつけになっています。ですから、今回、手話施策推進法は文部科学省、(対面での)御出席がなく、オンラインにいらっしゃるかどうか分かりませんけれども、文科省にも積極的に関わっていただきたいと思っています。
スクールカウンセラーの話になりますけれども、手話ができないスクールカウンセラーという方も多くおられます。そもそも、聾学校への配置義務はないので、結局、任意に任せられて、要請があればということになります。九州でも、手話のできるスクールカウンセラーは実際に存在しますが、本当に僅かなのです。
それから、手話通訳者の派遣につきましても同様です。予算は自治体の裁量に任せられております。ですから、手話通訳者の派遣も、やはり市町村の裁量に任せられている。ろうあ者の相談支援の在り方も本当に地域格差が非常に大きな課題になっております。きちんと手話施策推進法を基本として、何かモデルを示すため、例えばワーキングチームを立ち上げるというような、先ほど申し上げました案もあるわけです。
大切なことは何かというと、出生したとき、きこえない、きこえにくいと分かった場合、早期支援という考え方があります。難聴児中核機能支援がありますが全国的には非常に僅かな状況です。その中に、手話言語に関する支援というもの、きこえない子供だけではなく、保護者支援というものも非常に重要な視点になります。それが全く現状整備されていないのが実態です。
簡単に少し生い立ちを説明させていただきます。私は生まれたときからきこえませんでした。手話を覚え始めたのは、実は高校2年のときだったのです。それまで手話は全く接触することがない環境でした。親とのコミュニケーションもできない。親も手話ができないし、口話教育という時代でしたので、口話主義という考え方がかなり強い教育体制にありましたので、親子のコミュニケーションすらうまくいかなかったという環境の中で育ちました。
このような私と同じような人たちがたくさんいるわけです。きこえる子供と同じような親子の関係、親子のコミュニケーション環境を充実させるということをぜひお願いしたいと思います。
また、聾学校、地域の学校で、いずれにしても教育を受ける権利というものは誰にもあります。教員の中でも、手話言語をきちんと専門的に習得した教員配置というものも絶対に強く求めたいという考えを持っております。学校教育法の中の、学習指導要領をぜひ変えて、改善していただきたいと思います。
それから、災害時の対応についてでございますが、例えば避難所におきましても、手話でのコミュニケーションができない、そのために情報入手ができないという現実があります。これは困難をさらに極めています。社会資源を見ましても、例えば老人ホームにしても、ヘルパーにしても、様々な部門において手話のできないヘルパー、あるいは手話のコミュニケーションができないという環境があります。そういう中で今回、手話施策推進法というものができました。ですから、誰でもが手話にアクセスできる、コミュニケーションできる環境整備というものが非常に重要な施策だと思っておりますので、ぜひお願いしたいと思います。
まとまらない話で申し訳ありません。本当に申し上げたいことは山ほどあります。ただ、時間の制約がございますので、これにて終了させていただきます。ありがとうございました。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
石橋委員、本当にありがとうございました。
それでは、ほかの質問に関しまして、まずは内閣府から回答をお願いいたします。
○古屋参事官 内閣府の古屋でございます。
一括して回答させていただきます。
様々に御意見いただきまして、ありがとうございます。
まず、「つなぐ窓口」に関してでございます。
佐保委員、新銀委員から、体制について御要望と御質問をいただいているところでございます。
「つなぐ窓口」の体制につきましては、昨年度まで電話回線5回線以上確保で、電話対応が6名、メール対応が5名の体制でございました。今年度、1週間当たり延べ150回線程度を確保して、週の応答率が8割、80%を下回らない範囲で、電話窓口を運用しているところでございます。
対応するスタッフにつきましては、窓口、常時3~4名が対応している状況で、障害当事者の方のほか、社会福祉士等の専門職の方も配置しているところでございまして、メールでの対応も兼務しているという状況でございます。
試行事業におきましては、解消法の施行前後、大きく御質問等が増加しているというところでございまして、一旦、対応の応答率が下がったところでございますが、その後、回復して、7月以降は8割台で推移しているところでございます。ノウハウがしっかりと蓄積して、分析等もできるような体制をつくっていきたいと思っております。
続きまして、課題と改善点について、白江委員から御質問いただいたところでございます。課題、改善点については、一番大きい部分につきましては、今日、委員からも御指摘がありましたように、周知のところが課題と考えております。資料にもありますように、徐々に相談件数は少なくなってきているというところでございますので、自治体を通じてこれまで広報をしてきたところでございますけれども、初瀬委員ですとか、あと福田委員からも御指摘があったように、当事者の方にどうやって届くのかという部分について、関係する団体にも御意見を伺いながら、対応を考えていきたいと思っています。
今、視覚障害者向けのアプローチとしては、QRコードをチラシに入れているのですけれども、そもそもQRコードがどこにあるかが分からないというところもあると思うので、そういったところも御意見を伺いながら考えていきたいと思っています。
続いて、府省庁へつなぐ案件が少ないのではないかということで、臼井委員、平野委員、仲根委員から御意見をいただいたところでございます。これについては、基本的には障害者差別解消法、最も身近な自治体である市区町村が対応するというのを原則としておりますので、市区町村に基本的にはつなぐというふうにしているところでございます。一方で、府省庁に関わるような案件もございますので、こういった案件はきちんとつなげるようにしていきたいと考えております。
続いて、性別について臼井委員、それから年齢について米山委員から御質問があったところでございます。この試行事業については、実はこれらについて質問の際に必ず聞くというふうにはしていなかったところでございます。聞き取っていないケースもございますので、正確な数字自体は把握していないところでございますけれども、不明のもの等も含めますと女性32%、男性42%、無回答や不明等が26%となっているところでございます。
また、年齢の回答があったもののうち、10代のものが3%、それから20代のものが8%、30代が16%、40代が25%、50代が23%、60代が13%、70代が5%ということで、30~40代が大分多いというような状況でございます。
今年度の本格実施に当たりましては、こういった質問について質問票を見直しまして聞き取りを強化しているところでございます。本年度について、こういったデータ等もしっかりと取るようにしたいと考えております。
続きまして、手話でのアクセスについて、石橋委員から御指摘があったところでございます。資料の中に小さいのですけれども書いてあるのですが、電話リレーサービスでのお問合せも若干数ではございますが受け付けているところでございます。「つなぐ窓口」でしっかりと手話で御相談ができるような体制が取れるように、手話リンクという別のサービスもございますので、こういったところの導入などもこれから考えていきたいと考えております。
続きまして、スタッフについて、困ったエピソードなどがあったのかという御質問を水流委員、それから困難事例等を新銀委員から御質問いただいたところでございます。今日は御紹介しませんでしたが、本体の資料1-2の54~56ページに、特にアドバイザーに御相談するという体制がありましたので、この中で御相談した案件について示させていただいております。例えば強い口調で相談されたとか、つじつまが合わない話になっているとか、取次ぎを辞退されているようなケースなどが挙げられているところでございます。
本年度は、専門職の配置等もしているところでございまして、こういった中で解決するような体制になっておりますけれども、しっかりとこういった困難事例にも対処していけるようにしていきたいと思っております。
続きまして、新銀委員から精神関係の事例が出ていないのではないかという御意見があったところでございます。今回、基本的に、「つなぐ窓口」については公表を前提としていないものですので、一個一個公表について確認を取る必要があるのでございますけれども、一件一件取っているという形にはなっておりません。次回少し精神関係もお示しできるような形で、同意等を取ってお示ししたいと考えております。
続きまして、平野委員から534件のつないだ案件以外の1,700件はどうなったのかという御質問をいただきました。
一つは障害者差別解消法の質問そのものということで、質問して終わっているという形のものでございます。もう一つにつきましては、お話はされているのですけれども、取次ぎまでは求めなかったというケースでございます。
評価の仕方の違いがあると思いますけれども、話す中で、御自身で落ち着いていかれているというケースもあるのではないかと思っているところでございます。その中に解決できるような案件があるのであれば対応できるように、体制はしっかりと取っていきたいと考えているところでございます。
未解決事案について、333件ということでございますが、自治体がつないだけれども平行線になったというものでございます。ここについては自治体の対応力をしっかりと強化していくということが大事と考えております。私どもで地方公共団体職員向けのマニュアルを作っているところでございますけれども、昨年度、予算事業で見直しを行って、更新をしたり、あと動画版を作ったりして、新しい職員になっても学んでいただけるような形にしておるところでございます。今日、マニュアルをホームページで公表したところでございます。動画版もできるだけ早く公表していきたいと考えております。
それから、職場の差別事案についてということで、平野委員、それから新銀委員から御質問があったところでございます。職場の差別事案につきましては、労働局、ハローワークで受け付けるという形となっているところでございます。「つなぐ窓口」では、障害者差別解消法のものを受け付ける形になっておりますので、取次ぎまではしていないのですけれども、労働局の連絡先等についてはお伝えをしているという状況でございます。
続きまして、手話施策推進法の関係でございます。
石橋委員から、ワーキンググループの設置について御意見いただいたところでございます。こちらについて、全体の委員会の運営のところもございますので、改めて検討して、委員長とも御相談しながら考えていきたいと思っております。
今までこの下に小委員会が置かれた例でございますと、差別解消法に関するようなものといった、割と障害横断的なものが例としてあるのですけれども、そういったものを踏まえながら、これから検討していきたいと思います。
あと、口話教育の歴史について教えるべきだというような御意見があったところでございます。口話教育とか、あるいは手話が長く使えない環境にあったということは、自治体の条例等の前文等でも示されているところでございます。こういった歴史などについても、周知に当たってはお知らせしていきたいと思っております。口話教育そのものの関係については、文科省のほうからも補足があると思います。
続きまして、手話の多様性について、福田委員と宮本委員から御意見があったところでございます。触手話など日本語の手話と言われるものは様々あるところでございますので、こういった多様性も理解しながら、私どもは施策を展開していきたいと考えております。宮本委員から、中途失聴者の対応という御指摘がありました。法律の条文の中にも、中途失聴者が手話を学ぶ機会ということを規定しているところですので、関係省庁等がしかるべき対応していくというようになると考えております。
それから、佐保委員から災害対応についての手話の情報提供について御意見いただいたところでございます。こちらについては、次回以降、障害者基本計画のフォローアップのほうで対応していくような形になろうかと考えておるところでございますが、今日担当が来ていないので、趣旨等はお伝えしたいと思います。
今把握している範囲では、能登半島地震の際には、一部の民間事業者で、スマホを利用した遠隔手話サービスを提供していたという例もあったと認識しているところでございます。
それから、「ともともフェスタ」についての今後でございますが、たくさんの方から御意見と御質問をいただきました。今日いただいた御意見も含めて、開催時期や場所、あと開催するかどうかも含めて、検討していきたいと考えておるところでございます。
最後、クレジットカードについて、初瀬委員から御質問いただいたところでございます。こちらについては、クレジットカード決済での暗証番号の入力について、所管の経済産業省に聞きましたところ、業界団体が事務局としてまとめたガイドラインにおきまして、不正利用のために暗証番号の利用を推奨しているということで、周知を行っている一方で、視覚障害のある方等については、合理的配慮が求められるということも書いてあるということでございます。経済産業省でも今年5月に協会に対して、暗証番号の入力について、販売店での合理的配慮の周知や、適切な対応について要請の文書を発出しているところでございます。
経済産業省で問合せ等をしたところ、販売店から合理的配慮の対応について問合せがあった場合には、この対応を案内しているということで、加盟店の店員の方が代替入力するというのは適切ではないということです。業界にこういった現状を伝えて、適切な対応を促していきたいと聞いているところでございます。
私からの御説明は以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
司会の不手際で予定の時間となってしまったのですが、少し時間を超過して回答を続けたいと思います。
先ほど、災害時の手話に関する情報提供に関しての佐保委員からの御質問に対し、内閣府からも回答をもらったところですが、今日、厚生労働省の方も参加いただいているということで、もし補足があればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○厚生労働省 厚生労働省障害保健福祉部自立支援振興室長の前田です。
災害自体は、私どもの部で所管をしていないことから、詳しくはお答えできませんが、日頃から、先ほど石橋委員からお話がありましたように、手話の方については、自治体での養成・派遣について、財源的な制限はありますけれども、補助をさせていただいているところであります。引き続き、手話通訳士、手話通訳者、手話ができる方を養成していくということについては、いろいろ知恵を絞りながら自治体を支援してまいりたいと考えております。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございました。
続きまして、文部科学省から回答をお願いしたいと思います。多くの委員から、専門性を持った手話を扱える人材の育成に加えて、よりインフォーマルな手話の周知、底上げというもの、矛盾しない事柄だと思いますけれども、その2つの方向性での御質問を多くいただいています。それに加えて、迎賓館が象徴しているような文化財のアクセシビリティーに関する御質問もあったかと思います。
文部科学省からお願いいたします。
○文部科学省 文部科学省の特別支援教育課で企画官をしております酒井と申します。
様々、手話施策推進法につきまして御意見を賜りまして、ありがとうございます。
私から、手話施策推進法に対する御意見、あと御質問がございましたので、答えさせていただきたいと思います。
まず冒頭、特別支援学校の今の手話の使い方の現状ということでございますが、学習指導要領の中では、児童・生徒の聴覚障害の状態等に応じて、音声、文字、手話、指文字等を適切に活用して、適切な意思の相互伝達が行われるよう指導方法を工夫することということで、学習指導要領の中で示しておりまして、現状におきましては、児童・生徒の聴覚障害の状態等を踏まえて、手話を含めた適切な意思表示方法を使うといったことが学習指導要領の中で明示をしているというところでございます。
これを踏まえまして、教員養成課程の中でも、教員養成段階の必要な内容ということで、コアカリキュラムというものを今お示ししてございます。その中で、特別支援学校の聴覚障害領域の免許を取得するに当たっては、その指導方法として、到達目標として、音声、文字、手話、指文字など多様な意思の伝達方法を適切に選択・活用することについて理解するといったことをお示ししておりまして、教員養成課程の中でも、一定、障害の状態等に応じて適切な手段を選択するように教えることができるようにするといったことを今お示ししているところでございます。
ただ、今回、手話施策推進法を成立いただきましたことを踏まえまして、文部科学省といたしましても、改めて施行通知等を各省連名で各教育委員会や各大学等にお示しをしたところでございます。文部科学省としましても、手話に関する理解と増進を図るよう、法の趣旨を踏まえた取組、各関係機関に努めていただきたいことを改めて要請をしているところでございます。その中では、特別支援学校においても、授業その他の教育活動において手話学習の機会を提供するよう努めるといったことを要請しているところでございます。
また、今回、法律の施行等がありましたことも踏まえまして、手話を含む聴覚障害教育の充実、そして聴覚障害に関する理解啓発の一層の推進は大変重要だと考えているところでございます。
また、委員から、聴覚障害がある、特別支援学校に通っているお子さん以外に、いわゆる一般の小・中学校に通っている健常者の子供に対する聴覚障害への理解、手話に関する理解を深めるような教育に関しても御意見、御質問を賜っているところでございます。
文科省といたしましても、今年度の事業の中で、聴覚障害や手話に関する理解を小・中学校等のお子さんにも深めていただくためのコンテンツの開発を今行っておりまして、当該コンテンツを学校において活用するための教員用の指導の手引の作成も今進めているところでございます。こういった施策を進めまして、各学校において、今、学校現場では教員の働き方改革、学校の働き方改革というものも進めてございます。そういったいわゆる教員の負担軽減にも留意をしつつ、手話施策、手話の理解・啓発を進めるような取組を一層進めてまいりたいと考えているところでございます。
また、スクールカウンセラーの配置状況についても御意見等がございました。特に聴覚障害の特別支援学校の配置率については、正確な数字は持ち合わせておりませんが、今、小・中学校では、スクールカウンセラーというのは大多数の学校で配置をされておりますが、特別支援学校においては、まだ小・中学校ごとの配置が進んでいない現状があると承知をしてございます。これにつきましても、スクールカウンセラーの配置というのは設置者の責務でございますけれども、設置者に対してスクールカウンセラーの配置をより推進していただくように、働きかけをしていきたいと考えているところでございます。
最後、文化財へのアクセシビリティー等につきましては、大変恐縮でございますが、本日担当が出席しておりませんので、改めて回答させていただきたいと思います。
文部科学省からの回答は以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷でございます。ありがとうございました。
引き続きまして、こども家庭庁からの回答をお願いしたいと思います。とりわけ手話施策推進法に関連して言語発達を考えると、インクルーシブ保育、かなり早い段階でのインクルーシブネスという主題は非常に重要なものだという御意見と御質問をいただいています。
こども家庭庁から御回答をお願いしてよろしいでしょうか。
○こども家庭庁 こども家庭庁障害児支援課の時末と申します。
こども家庭庁に対しましては、今お話があったとおり、手話施策推進法に関して2点御質問をいただいていたかと思います。
まず1つ目、金丸専門委員から、手話施策の推進に関する法律に関して、何に重点を置いて進めていこうとしているのかということに対してですけれども、聴覚障害児につきましては、乳幼児期から切れ目なく、また、多様な状態像を踏まえて、保健、医療、福祉、教育等の各分野の多職種が連携して支援を行っていくことが重要と考えております。
こども家庭庁では、令和2年度から令和5年度まで実施されていた聴覚障害児支援中核機能モデル事業を、令和6年度より聴覚障害児支援中核機能強化事業として実施しておりまして、都道府県等においてコーディネーターを配置して、保護者講座の場などにおける乳幼児等とその保護者に対する手話取得支援を行う専門人材を派遣する取組ですとか、手話を含めたコミュニケーション手段の種類についての情報提供を行うといった家族支援、また、保育所、幼稚園、障害児通所支援事業所、学校等を訪問するなどによりまして、聴覚障害児への支援方法の伝達や、専門機関の紹介等の助言、援助を行うといった巡回支援、また、聴覚障害児の支援方法について、より高い専門性を獲得することで、聴覚障害児支援の質の向上に資することを目的とした研修や啓発など、地域における聴覚障害児支援の体制整備を進めているところです。
こうした取組を展開することによりまして、手話を必要とする者、手話を使用する者の意思が尊重されるとともに、手話の習得・使用に関する必要かつ合理的な配慮が適切に行われるために必要な環境の整備が図られるよう、引き続き取組を進めてまいりたいと思います。
2つ目の御質問が、米山委員から、学校のほかに保育所や障害児通所支援事業所の場でも専門的な支援が受けられるようにすることが必要ではないかという御質問があったかと思います。聴覚障害のある子供の支援は、乳幼児からの適切な支援が必要であり、また、状態像が多様になっていることから、早期からの切れ目のない支援と多様な状態像への支援が大事だと考えております。
先ほども御紹介させていただきました聴覚障害児支援中核機能強化事業を都道府県等で実施していただいておりますが、この中で、先ほども御紹介しました保育所、幼稚園、障害児通所支援事業所、学校等を訪問する巡回支援、こういった取組を今後も展開していくことによりまして、福祉部局と教育部局の連携の下で、聴覚障害児支援の中核機能を整備し、聴覚障害児とその家族に対し適切な情報と支援を提供するといった取組を引き続き推進していきたいと考えております。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございました。
本日いただいた御質問、御意見の中で、石橋委員からの御質問で、テレビにおける手話のワイプが小さ過ぎるという御意見があったかと思います。本日は出席がかないませんでしたが、総務省の所管である可能性もありますので、事務局のほうで問合せをしたいと思っております。
それから、もう一点、こちらは田中委員から、以前より御指摘をいただいていた内容ですが、大変重要な民事裁判における手話の情報保障の負担、その訴訟費用は敗訴側が支弁するという現行の運用は改めて検討すべきではないかという御指摘をいただいています。こちらも本日出席がかないませんでしたが、法務省に意見照会をしたいと考えております。
以上で御質問に対する回答を終わらせていただきたいと思います。
司会の不手際で時間が超過してしまい申し訳ございませんでした。
以上で本日の議題は全て終了になります。
最後に、事務局より連絡事項があればお願いいたします。
○古屋参事官 事務局の古屋でございます。
本日は、御議論、誠にありがとうございました。
次回の政策委員会の開催については、10月28日の午後を予定しているところでございます。場所と開催時間が決まりましたら御連絡する予定でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございました。
それでは、これをもちまして、第84回「障害者政策委員会」を閉会いたします。
オンラインで御参加の委員、専門委員におかれましては、画面の電話マークをクリックして御退室をお願いいたします。
本日はどうもありがとうございました。