障害者政策委員会(第86回)議事録
令和7年11月19日(水)
14:00~17:00
中央合同庁舎8号館 8階代替講堂
(ハイブリッド開催)
【議事に使用されている資料については「議事次第」のページにまとめて掲載していますのでご参照ください。】
○熊谷委員長 それでは、定刻になりましたので、これより第86回「障害者政策委員会」を開会いたします。
委員の先生方におかれましては、御多忙中のところ、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日の委員会は最長で17時までを予定しております。
まずは事務局より報告及び出欠状況の報告をお願いいたします。
○古屋参事官 皆さん、こんにちは。内閣府の参事官の古屋でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
まず委員の御紹介をさせていただきます。前回御出席がかなわなかった新任の永井幸子委員に御出席いただいておりますので、一言御挨拶いただければと存じます。よろしくお願いいたします。
○永井委員 永井と申します。
○古屋参事官 ありがとうございました。
続きまして、出席状況について御報告いたします。
本日は、仲根委員が遅れて御出席、安藤委員、深道委員、宮本委員が所用により御欠席との御連絡を受けております。また北川委員、清田委員、米山委員が途中退席と伺っております。ウェブでの参加でございます森委員、米山委員がまだアクセスができていない状況と聞いております。
各府省庁からは内閣府障害担当のほか、内閣人事局、人事院、消費者庁、こども家庭庁、総務省、法務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、環境省が出席しております。
以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございます。
それでは、早速ですが、議事に入りたいと思います。
毎回のお願いとなりますが、御発言いただくときは、オンライン参加の委員におかれましてはチャットメッセージによりまして発言の意思表示をしていただき、委員長の指名を受けてからの御発言をお願いいたします。会場に御参加の委員は挙手という形でお願いいたします。また御発言の際には、できれば最初に結論を述べていただき、その後に理由や説明をしていただくと分かりやすいと考えておりますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。あわせてマイクで音声を拾いやすくする観点や情報保障の観点から、特にゆっくりはっきり分かりやすく御発言いただきますようお願いいたします。またできるだけマイクを近づけてお話しください。
それでは、本日の議題及び資料につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
○古屋参事官 内閣府の古屋でございます。
タブレット端末を配付して資料を閲覧いただく形を基本としておるところでございます。不具合がございましたら、お近くの職員までお声がけいただければと存じます。
本日は、資料といたしまして資料1-1、1-2、2-1、2-2、2-3、参考資料を配付しているところでございます。
資料1-1と1-2につきましては第5次障害者基本計画の令和6年度の実施状況となっております。資料2-1は新銀委員から御提出された資料、2-2は岩上委員から御提出いただいた資料、資料2-3は石橋委員からの御提出資料となっております。また名簿を参考資料として入れているところでございます。
以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございました。
本日の議題に移る前に、前委員会の終わりに頂いた御意見も踏まえまして、一言私から申し上げたいことがございます。
本障害者政策委員会の議論を、我が国の障害者施策を前に進めていくためのものとするため、なるべくこの時間を有意義に使いたいと思っております。委員の皆様方におかれましては、ぜひ御協力いただきたい事柄として、まず事実の確認に関わる事項についてはなるべく事前に十分な時間をもって事務局に送付すること、そして会議での発言は事実確認ではなく、政策の実現に向けた課題の洗い出しや未来に向けた提案につながるものを中心にすること、もちろんそれだけに切り詰められたものではないですけれども、なるべく事実確認は事前に行い、この会議では課題の洗い出しや未来への提案につながるような御意見に集中して特化して議論を進めたいと思っております。
あわせまして各府省庁の方々にも御協力をお願いしたい事柄として、各委員から早めに提出いただいた事前の事実確認に関する御意見に対して、可能な限り誠実に正確に御回答していただきたいということ、そして会議当日においては施策の方向性についてお示しいただきたいと思っておりますので、どうか委員の皆様、そして各府省庁の皆様に御協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは、議題「第5次障害者基本計画の実施状況について」、分野ごとに事務局から御説明を差し上げた後に、委員の皆様からの質疑をお受けしてから、各省庁からの回答としたいと思います。途中、1時間程度経過した時点で休憩を挟みながら進行したいと思っております。
それでは、事務局より御説明をお願いいたします。
○古屋参事官 事務局の古屋でございます。
前回に引き続きまして、第5次障害者基本計画の令和6年度の実施状況について御報告させていただきます。
資料1-1を御覧いただければと存じます。
柱立ての6、7、9について御説明させていただきます。
まず111ページを御覧ください。
「6.保健・医療の推進」についてでございます。
6-(1)の精神保健・医療についてでございますが、6-(1)-1では精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業について記載しているところでございます。
6-(1)-1-アでは精神保健福祉相談件数、6-(1)-1-ウの精神科病院からの地域移行に向けた相談支援の利用実績については前年度より増加していることを記載しているところでございます。
6-(1)-1-エでは精神科医療の人材育成について記載しているところでございます。
114ページを御覧ください。
6-(1)-4についてでございます。精神科病院での虐待防止に関する通報義務規定についての規定が昨年4月に施行されているところでございます。
6-(1)-6の入院者訪問支援事業につきましては50都道府県・市町村で実施しているところでございます。
続きまして、115ページを御覧ください。
6-(1)-8の精神科病院からの地域移行に向けた地域相談支援事業の実績につきましては前年度より増加しているところでございます。
116ページを御覧ください。
6-(1)-10について、行動制限最小化に関する普及啓発のためのプラットフォームや啓発資料を作成していることが記載されております。また「精神保健医療の今後の施策推進に関する検討会」を昨年5月から開催しているところでございます。
6-(2)では保健・医療の充実について記載しているところでございます。
6-(2)-1では精神疾患に関するアウトリーチ事業について記載しています。また医療型短期入所については事業所数・入所人数ともに増加しているところでございます。
120ページを御覧ください。
6-(3)-1についてでございますが、保健・医療の向上に資する研究開発の指針に係る事業を記載しているところでございます。
6-(3)-2では再生医療に関する支援について記載しております。
121ページの6-(3)-3の高次脳機能障害情報・支援センターにつきまして全都道府県に設置されていることが記載されておるところでございます。
122ページを御覧ください。
6-(4)-1について、医師等の人材育成に係るカリキュラムについて記載しているところでございます。
123ページを御覧ください。
6-(4)-4においては発達障害のあるお子さんへの早期発見・早期対応のための巡回支援専門員整備について実施市町村を記載しているところでございます。2025年度100市町村とする目標を2024年度には上回っているところでございます。
124ページを御覧ください。
6-(5)の難病につきましては、指定難病に7疾病、小児慢性疾患に13疾病が追加されています。難病相談支援センターの設置などが行われているところでございます。
6-(6)の障害の原因となる疾病の予防については127ページの6-(6)-3を御覧いただければと存じますが、小児救急病院等での児童虐待の防止についての取組を記載しているところでございます。
129ページを御覧ください。
「7.自立した生活の支援・意思決定支援の推進」についてでございます。
130ページを御覧ください。
7-(2)-1では基幹相談支援センター設置状況を記載しているところでございます。
7-(2)-2では相談支援事業所の設置数について記載しております。利用状況につきましては障害者・障害児ともに前年度比増となっております。
7-(2)-3の自立支援協議会の設置についてはほぼ全ての市町村で設置されているところでございます。
131ページを御覧ください。
7-(2)-4の発達障害者支援センターの設置状況やペアレントメンターの研修の実施状況について記載しているところでございます。
132ページの7-(2)-8の相談支援専門員の研修修了者については令和5年度の数値でございます。
7-(2)-10は発達障害のピアサポートの推進について記載しているところでございます。
134ページを御覧ください。
7-(3)-1では令和6年度報酬改定について、重度化・高齢化に対する対応を記載しているところでございます。訪問介護・重度訪問介護・生活介護・短期入所のサービス利用については伸びているところでございます。
137ページを御覧ください。
7-(3)-7は自立生活援助の実績を記載しております。
138ページを御覧ください。
7-(4)-1は障害のある子供に対する支援についてでございます。妊産婦向けの伴走型相談支援について令和7年度から制度化されているところでございます。放課後児童クラブでの障害児受入れについては約6割で実施されている状況でございます。また保育所等訪問支援を実施している事業者数は前年と比べて500事業所増となっているところでございます。
140ページを御覧ください。
7-(4)-2、発達障害のある児童についての早期対応のための助言指導を行う巡回支援専門員整備の実施市町村は、504市町村に増加しているところでございます。
141ページを御覧ください。
7-(4)-4、医療的ケア児の入院支援等の加算の創設等が令和6年度報酬改定で行われています。また児童発達支援の事業所数は増加しているところでございます。
142ページでは、7-(4)-5で医療的ケア児への支援状況について記載しております。コーディネーターを設置する自治体が大きく伸びているところでございます。
7-(4)-6は重症心身障害児の支援について記載しているところでございます。
148ページを御覧ください。
7-(6)では福祉用具の開発等について記載しています。
150ページを御覧ください。
7-(7)からは人材育成の状況を記載しているところでございます。資格取得者数は伸びているところでございますけれども、賃金の面への課題の対応のため、福祉・介護職員について時限的に賃金増のための措置を実施していることが記載されているところでございます。
171ページを御覧ください。
「9.雇用・就業、経済的自立の支援」についてでございます。
9-(1)-1では、ハローワークが中心となった支援について記載しております。就職支援コーディネーターを配置し、チーム支援を実施しており、就職者数が伸びている状況でございます。また就職支援ナビゲーターも配置して、障害特性に合った専門的支援を実施しているところでございます。
また9-(1)-3ではトライアル雇用助成金の実績について記載しております。
172ページを御覧ください。
9-(1)-4は障害者雇用納付金や障害者雇用安定助成金の支給状況について実績を記載しているところでございます。
9-(1)-5では地域障害者職業センターでの職業リハビリテーションやジョブコーチの支援を記載しているところでございます。
173ページを御覧ください。
9-(1)-6は障害者就業・生活支援センター事業の実績でございます。
9-(1)-7は障害者に対する職業訓練の実施状況について記載しております。
174ページを御覧ください。
9-(1)-8は就労定着支援事業の状況について記載しているところでございます。
175ページを御覧ください。
9-(2)-1は障害年金について記載しているところでございます。
177ページを御覧ください。
9-(3)-1は障害者雇用率の状況について記載しているところでございます。法改正によりまして、令和6年度以降、段階的に引き上げられていく予定でございます。雇用者数については伸びているところでございます。また専門職の精神・発達障害者雇用サポーターの設置について記載されているところでございます。
178ページを御覧ください。
9-(3)-2は障害者雇用率未達成の企業に対する指導について記載しているところでございます。
184ページを御覧ください。
9-(3)-4は特例子会社の雇用状況について記載しているところでございます。
192ページを御覧ください。
9-(4)-2では難病患者就職サポーターの配置状況について記載しています。
198ページを御覧ください。
9-(4)-4は国や地方公共団体等の障害者就労施設等での調達実績を記載しています。現在、集計中というところでございます。
202ページを御覧ください。
9-(5)-1はA型・B型作業所の工賃の状況について記載しています。令和6年度の実績については、集計方法が変わっているため一概には比較できませんが、前年度を上回っているところでございます。A型については経営改善書の提出を求めているとのことでございます。
なお、これらの実績の指標については、昨年度の実績と併せまして資料1-2の別表に記載しているところでございます。今回の未達成部分に関しまして、その理由について御説明いたします。
15ページを御覧いただければと存じます。
全国の精神医療審査会における退院等請求の平均審査期間に関しまして、2022年度につきましては31日といったところでございますが、2024年度は32日に増えているところでございます。これにつきましては全国の精神医療審査会における退院請求件数が増加しているためと伺っているところでございます。
次に、18ページでございますが、再生医療等提供計画の届出件数につきまして、2023年度の104件から2024年度は96件に減少しております。これは再生医療等安全性確保法施行10年を迎えまして終了に至った臨床研修がありまして、件数に影響を与えている可能性があると伺っております。
次に、21ページでございますけれども、成年後見制度利用事業を実施する地方公共団体の数でございます。こちらにつきましては2024年度末までに1,741団体を目指していたところ、2021年度の実績については1,702団体となっております。これにつきましては実施主体における予算確保の問題が考えられるとのことでございます。
同様の理由で未達になっているものとしましては、21ページの障害者ピアサポート研修事業を実施する都道府県があるところでございます。こちらにつきましても全都道府県のところ44都道府県となっているところでございます。ピアサポート研修事業については受託団体との調整といった課題もあると聞いているところでございます。
私からの説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
説明ありがとうございました。
質疑に入る前に、まず新銀委員より資料2-1に基づきまして御発言をお願いしたいと思っておりますが、新銀委員、お願いしてもよろしいでしょうか。
○新銀委員 全国精神保健福祉会連合会の新銀でございます。お時間を頂きありがとうございます。
資料2-1を御覧ください。
このたび当会が全国の精神障害者と同居する御家族を対象に生活実態調査を行い、家族の経済的損失が推定年間2兆円超に上ることを中心に、家族の生活、健康、就労への深刻な影響をまとめました。ぜひ今後の政策議論の参考資料として御活用ください。
調査の目的と概要なのですけれども、特に家族が抱える見過ごされてきた経済的な損失を数値化することで、社会的な支援の必要性を強く訴えるものです。
福祉新聞をはじめとするメディアでは、特に経済的損失の推計結果が注目されました。この推計は、精神障害者のケアを家族が担うことで、家族の労働生産性の低下、労働時間短縮・転職に基づくものであり、個人の問題を超えた社会全体の課題であることを示しています。
今回の調査結果は、精神障害者へのケアが家族依存による実態の結果として、家族のQOLの低下、大規模な社会的経済損失を明確に示しました。家族のケア負担は単なる個別家庭の問題ではなく、日本の労働力維持と社会保障の適正化に関する構造的な課題と捉える必要があると考えます。
提言といたしましては、家族支援の抜本的な強化による社会的損失の軽減として、以下の3点を述べます。
1番目が経済的支援の強化。例えば家族が離職や労働時間短縮を余儀なくされないための経済的補償、家族介護手当などの創設、税制優遇措置の検討といったものを考えました。
2番目が専門的な相談・支援体制の拡充。家族自身の心身の健康を維持するための専門相談窓口の拡充及びレスパイトケアの利用しやすい体制の整備。
それと3番目には地域生活支援体制の抜本的見直し。精神障害者本人の地域生活を支えるサービス(訪問支援、アウトリーチ支援、居場所づくりなど)を強化し、家族が担うケアの割合を社会が担うケアへ移行する政策転換の推進です。
内閣府障害者政策委員会におかれましては、本調査結果を政策推進の重要参考資料として御検討いただきたく、強く提言いたします。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
新銀委員、データに基づく大変重要な御指摘・御提案をありがとうございました。
それでは、これから質疑に入りたいと思います。オンラインで御参加の委員におかれましては、チャットに「挙手」と入力し、送信アイコンをクリックしていただければと思います。会場に御参加の皆さんにおかれましては、手を挙げて御発言の意思を表明していただければと思います。本日は進行上の都合により、挙手していただいた委員につきまして、会場に御参加の委員、そしてオンラインで御参加の委員交互に御質問や御意見を頂き、休憩時間の後に各省庁から回答を頂きたいと思っております。冒頭でも申し上げましたが、御質問・御意見はできるだけ簡潔にお願いいたします。また御発言の際には名前をおっしゃってから、省庁からの御回答の場面では省庁名、所属部署、氏名を述べてから御発言をお願いいたします。
それでは、御質問・御意見がある方は挙手をお願いいたします。会場の方、すみません、恐縮ですが、事務局が確認を済ませるまでそのまま手を挙げておいていただければと思います。お疲れのところ申し訳ないです。では、手を下ろしていただいて結構です。ありがとうございました。
それでは、まず最初に現地から岩上委員、お願いいたします。
○岩上委員 全国地域で暮らそうネットワークの岩上でございます。
冒頭、委員長からもお話がございましたが、前回の最後に私から、次のステージに進むような議論をこの政策委員会ではしていきたい、それには質問についても少し委員の皆さんにも御協力を頂く必要があるのではないかとお願いしたところ、委員長や内閣府の御配慮を頂きまして、先ほどのような御説明をいただきましたことをありがたく思っています。
私もちょっと責任を感じておりますけれども、あらかじめ意見は提出させていただいておりますので、この中では特に省庁の認識であるとか、あるいは課題をどのように捉えているかという質問をさせていただいたところです。かなり多く質問させていただいているので、時間等もあると思いますので、省庁で全体を見渡して皆さんの意見を聞いた上で、この中で回答しておいたほうがよいという御判断の中で御発言いただければいいかなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○熊谷委員長 熊谷です。
ありがとうございました。
そうしましたら、省庁の皆さんにおかれましては、特に課題の部分あるいは将来の政策に関わる部分について後ほど回答をぜひよろしくお願いいたします。
それから、オンライン参加の臼井委員、お願いいたします。
熊谷でございます。
臼井委員、いかがでしょうか。
○臼井専門委員 すみません、マイクがオンになっていなかったようです。申し訳ありません。最初から行きます。
初めに、病院入院時の身辺介助の異性介助について、次に6-(4)-1の医学教育モデル・コア・カリキュラムについて、最後に7-(2)-11の女性に対する暴力相談について、それぞれ意見と質問を述べます。
最初の異性介助についてですが、入院した女性の入浴や排せつなどの身辺介助を男性が当然のようにしている病院が多いです。女性による介助を本人が希望して選べた人もいますが、同性介助を求めたが拒否されたという体験が後を絶ちません。共通して望まれているのは、誰もが意思を聞かれて、希望に応じた介助を受けられることです。このことは虐待防止法の第31条の観点からも、性暴力防止の観点からも重要です。障害福祉サービスにおいては、1-(1)-3にあるように、排せつや入浴などの身辺介助で本人の意思に反した異性介助がなされないように、事業指定基準の解釈通知に明記されました。医療においても、特に入院時の入浴や排せつなどの身辺介助で本人の希望を聞いて、望まない異性介助がされないように促す方策が必要です。
以上が意見で、質問に移ります。
政策委員会でこの話は初めてではありません。第75回にかけて多数の委員から意見が出されました。多くの意見の趣旨は、福祉サービスにとどまらず、医療においても望まない異性介助がなされないようにすべきということでした。その後、厚生労働省でも検討が続けられているのではと思いますが、検討の状況や進捗はいかがでしょうか。
次に、医学教育モデル・コア・カリキュラムについてです。コア・カリキュラムの改定案をつくる最初から、障害のある医療従事者に直接意見を聞き、反映する取組を提案します。伺ったところ、そのような取組は前回の改定においてはなかったそうですが、今後はぜひと願います。理由は、そうすることで障害当事者の経験と意見を反映して、医療を充実できるからです。25年前なら医師法などに絶対的欠格条項があったので、障害のある人の医学教育はほぼ想定外でした。今では障害のある医療従事者が多数学び、就業し、経験を積んでいます。例えば開催中のデフリンピックの救護スタッフにも耳の聞こえない医師や看護師が活躍されているでしょう。
このことに関連して質問です。現在のカリキュラムで学生が学ぶ中に、障害のある医療従事者の話を直接聞く機会は設けられていますか。
次に、7の自立した生活の支援等について、女性に対する暴力相談に関する質問です。障害のある女性で、女性に対する暴力の相談員をしている人や相談員の定期研修の講師をしている人が今はそれぞれ複数います。政府としてもそういった人を研修に招く、講演を教材にするなどが、大きな意義を持つと考えますが、いかがでしょうか。
意見としては、もし既にそのような取組があれば、実績を示すものとしてフォローアップ報告にも記載していただきたいです。なお、内閣府の男女共同参画局が毎年報告しているDV相談件数には障害者の性別や障害別も記載されているので、現状を示すものとしてフォローアップ報告に記載することが考えられると思います。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
臼井委員、ありがとうございました。
続きまして、現地参加の水流委員、お願いいたします。
○水流委員 全国地域生活支援ネットワークの水流です。
私からは2点です。
まず1点目、7-(3)-1については資料2-2にございます岩上委員からの意見に同意いたします。先般9月までに4回開催された「障害者の地域生活支援も踏まえた障害者支援施設の在り方に係る検討会」、いわゆる「施設の在り方検討会」では、その議論のまとめとして、入所施設は通過型としての機能を再認識し、それを果たすべきであると強調していただきました。親亡き後、人材確保等々課題は山積しておりますが、大きな方向感として入所施設は通過点という認識を、当事者はもとより御家族・支援者・施設設置者・行政関係者は改めて認識していく必要があります。今、申し上げた関係者だけではなく、国民全ての認識を新たにしていただく。これらのことを明記した障害者基本法の改正をもって示すときではないでしょうか。そのためにも従前申し上げているとおりこちらの「障害者政策委員会」の委員の皆様と心を一つにして基本法改正への動きを具体化していきましょう。この件は厚生労働省ではなく内閣府の所管となりましょうが、各省庁の皆様にもぜひとも応援をお願いいたします。現時点での事務局としての見解をお聞かせいただきたいです。
2点目です。7-(3)-5について。今、申し上げた内容と関連いたしますが、地域生活支援拠点整備において拠点コーディネーターの果たすべき役割に大きな期待が寄せられています。入所施設・入院施設を通過するしないにかかわらず、現在、地域で暮らし続けておられる全ての当事者の皆様に関わる内容と捉えています。これらの推進のために、こちらの委員の皆様の地元もしくは所属団体でも事業者同士のネットワークのさらなる構築、相互の連携を深めていただくための取組を推進してまいりましょう。具体例として厚生労働省が示しておられる高齢者の包括的ケア並びに精神のにも包括、そして重層的支援体制整備等々どれらもすばらしい取組内容ですけれども、重複する部分があったり、市町の規模で取組に工夫が必要であったりという課題が見え隠れしています。これらを鑑みましても、地域生活支援拠点の取組をよりよいものにしていくために私たちも役割をしっかりと果たしていこうと思うのですが、厚生労働省として私たち各団体や地方行政に担ってもらいたいこと、いわゆるリクエストがあれば具体的にお示しいただきたいと思います。
以上、2点でございます。
○熊谷委員長 熊谷です。
すばらしく前向きな御意見をありがとうございました。
続きまして、オンラインから白江委員、お願いいたします。
○白江委員 ありがとうございます。全国身体障害者施設協議会の白江と申します。
まずは前回最後に岩上委員からの御提案、それからそれにすぐに対応された委員長・事務局に心より敬意を表したいと思います。またそのような方向でこれから私としても取り組んでいこうと改めて感じました。ありがとうございました。
その上で2点御意見申し上げたいと思います。
1点は、基幹相談支援センター、それから地域生活支援拠点の整備についてまだまだ100%には至っていないということなのですが、今まで量的整備というか、全国に津々浦々体制を整えていくということが主なテーマであったように私は思っておりますが、この辺りで質的な部分にもしっかり目を向けていくといいますか、検証していく必要があるのではないかなと思っております。地域生活支援拠点に関しては検証のための手引などを厚労省でつくられているようですけれども、実際に形骸化していたり、偏りがあったりということで、地域特性という視点ではもちろん違いがあっていいと思うのですけれども、それとは違う意味で偏りやアンバランスが生じているような気がいたします。私のものは身近なところでの比較ですけれども、そういったことも含めて今後量的な整備を進めていく上で好事例を発掘していくことにもつながっていくと思いますので、質的な見直しを進めていきながら、量的整備をさらに進めていくことが重要ではないかと思っておりますので、その方向性について議論できればなと思っております。
2つ目ですが、医療型のショートステイ、短期入所についてです。医療型というと、とかく医療機関での対応が基本になっているように思うのですが、事実そうだろうと思うのです。ただ、今回福祉強化型でも新たなタイプをつくられたように、福祉型あるいは福祉強化型でも、あるいは医療型でも同じような状態像の方が両方使われているという実態もあります。身近なところでショートステイを使うとなると、やはり福祉型をもう少ししっかりとサポートして使えるようにしていくのが必要なのだろうと私は思いますし、そのためには1つはやはり報酬があまりにも格差があって、福祉型に取り組んでいる事業所などがなかなかやりづらい。人員配置の問題が一番問題としてはありますが、その裏づけとなる報酬などにしっかりと対応していく必要があろうかと思います。徐々に増えてはおりますけれども、今、申し上げたように利用される方の使い勝手、身近なところで気軽に使えるような体制を取っていくためには、そういった部分での展開も必要であろうと思っております。
以上、2点でございます。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございました。
続きまして、会場から内布委員、お願いいたします。
○内布専門委員 日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構副代表理事の内布智之と申します。
今回の資料にあります6番目「保健・医療の推進」と7番目「自立した生活の支援・意思決定支援の推進」、9番目「雇用・就業、経済的自立の支援」について7点考え方を述べさせていただきます。
まず1つ目、6-(1)-1に「入院中の精神障害者の早期退院(入院期間の短縮)及び地域移行を推進」とありますが、個別の状況を鑑みずに一律に考えることから地域移行が進まないという側面があると思います。つまり高齢者の入院者の退院支援が進まないことについて、現在、入院中の方に届くような短期的な具体的対策が見えません。個別給付の地域移行支援は障害福祉サービスであり、介護保険制度の利用が想定されるため、高齢者の地域移行との連動は、障害者を担当する相談支援専門員だけでは十分に支援し切れない可能性があるため、高齢で長期入院になっている方を担当している各自治体の高齢部局と精神科病院との連携を図っていただく必要があると思います。あるいは介護分野で働く人たちの教育課程に地域移行に関する項目を入れていただくなど、介護分野の方たちに地域移行について知っていただくことも有効な手だてだと思います。
2点目、6-(1)-1-アに「精神科救急システムを確立する」とありますが、精神科救急医療圏及び精神科医療圏が1つしか設定されていない都道府県があります。つまり広大な都道府県内で1つの精神科医療を考えるため、患者の立場から見たとき精神科救急でいえば居住地からかなり離れたところに入院になってしまうケースが想定されます。適切な医療圏の設置が必要ではないかと問題提起したいと思います。
3点目、6-(1)-3の「精神障害者及び家族のニーズに対応した多様な相談体制の構築を図る」、こちらにつきましては当事者性を生かした相談支援も非常に有効であることから、今般障害福祉サービスで報酬上も評価されたピアサポートについて、さらなる推進を図ることが必要ではないかと思います。特に委託相談ではピアサポートが受けられるようになるとよいと思います。
4点目、6-(1)-6に「精神科病院に入院中の患者の権利擁護の観点から、研修を受講した第三者により病院を訪問して行う相談支援の仕組みを都道府県等の事業として構築する」とあります。つまり入院者訪問支援事業のことだと思いますが、当該事業は非常によい事業なので、推進を継続的に図っていただきたいと思います。加えて1点確認ですが、今般の改正精神保健福祉法において障害者虐待に係る通報などが義務化されましたが、個々の入院者訪問支援員にもこの通報義務は課せられるという解釈でよいかと質問したいと思います。理由は、虐待を発見する可能性が極めて高い立場にいると考えられるからです。
5点目、6-(4)-1に「様々な場面や対象者に対応できる質の高い看護職員等の養成に努める」とありますが、現在の精神科医療従事者に対する教育課程において、行動制限最小化に資するものがないと聞いております。早急に教育課程を見直し、権利擁護の観点からも行動制限最小化に資する教育を実施するべきだと思います。
6点目、7-(2)-1に「障害者が自らの決定に基づき、身近な地域で相談支援を受けることのできる体制を構築」とあります。一部重複しますが、ピアサポートを希望されるような相談支援体制の構築も併せて積極的に推進していただきたいと思います。
最後7点目、9-(3)-2に「障害者が個々に持てる能力を発揮していきいきと活躍できるよう雇用の質の向上に向けて取り組む」とありますが、これはとても重要な視点だと思います。しかし、障害者雇用がイコール安い労働者と画一的認識にならないように、全体の意識改革が必要だと思います。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
内布委員、大変重要な御指摘をありがとうございました。
続きまして、オンラインから大黒委員、お願いいたします。
○大黒委員 ありがとうございます。日本難病・疾病団体協議会の大黒です。
まず障害者政策全体につきまして、障害者基本法において難病も障害者の定義の中に含まれているとされていますが、明記されていません。そのために多くの場面で障害者施策から難病が置き去りにされているような印象があります。ぜひ難病も明記する方向で検討していただきたいと思っています。
また例えば手帳を所持していない難病患者の障害福祉サービスの利用者は全国で数千人規模です。これは極端に少ない状況であると考えています。福祉サービスの内容や、また障害年金の判定方法等において、難病患者の現状に適当であるかどうか検討する機会を設けていただければと思っています。
また次は個々の部分ですけれども、6-(2)-1についてです。医療的に必要な場合には適切にリハビリを受けられるように、維持期であっても介護保険制度と医療保険制度を併用できるようにしてください。
また6-(5)-7についてです。障害者総合支援法の対象外の疾病の場合には障害福祉サービスの申請すらできないという状況です。そのために居宅介護が受けられずに生活が困難で、通院ができない方が多くおられます。せめて必要な状況の方には通院が確保できるように検討していただければありがたいと思っています。
また障害者手帳を申請すれば取得できる可能性のある難病患者も多くおられると思うのですが、例えば痛みのためにほとんど動けない方でも、病気によっては診断書を書いていただけない場合が多くあります。せめて申請できるような制度にしていただければありがたいと思っています。
最後ですけれども、9-(2)-1についてです。障害年金制度について、障害者手帳交付を受けていない難病患者にも障害年金制度に関するリーフレットの配付を検討してください。
以上です。よろしくお願いします。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
大黒委員、ありがとうございました。
続きまして、会場から初瀬委員、お願いいたします。
○初瀬委員 ありがとうございます。日本パラリンピアンズ協会の初瀬です。よろしくお願いいたします。
項目9の障害者の就労・雇用のところで御質問がございます。就職支援のコーディネーター数の配置が、現在、280人になっているのですか。これは人数として適正と考えているのか、それともこのまま増やしていこうと御検討されているのか、増やす減らす人数の想定があれば、どのような計画をされているのかについて教えてください。
以上になります。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございました。
続きまして、オンラインから日比委員、お願いいたします。
○日比委員 ありがとうございます。全国肢体不自由児者父母の会連合会の日比です。
私どもからは117ページ、「(2)保健・医療の充実等」と6-(2)-1から、障害児者が身近な地域で必要な医療やリハビリテーションを受けられるよう、地域医療体制の充実を図るとされておりますが、生まれながらの障害児者は成長過程においてリハビリテーションを活用しておりますが、ある時期から機能獲得や回復が進まなくなることがございます。そのような状況下ここにも書かれておりますが、機能の硬直・重度化などの二次障害の防止にリハビリテーションは欠かすことができません。医学的リハビリテーションは医療保険制度に基づいて医療機関で提供されております。しかし、障害のある児者は一定時期を経過すると介護保険や障害福祉サービス制度に基づいた福祉的リハビリテーションを受けることになります。現制度下では通所リハ・訪問リハ・短期入所・療養介護・自立訓練等とメニューはそろえられておりますが、医療と福祉が分断されている印象が強く、利用者からは複雑な体系となっております。リハビリテーションを障害児者の障害種別・障害程度・ライフステージに応じた適切に整理分類した提供体制を講じる意見があると考えます。
もう一点は意見というよりは要望でございます。障害者の重度化・高齢化に対応できる日中サービス支援型グループホームを実施していると118ページにありますが、利用者と世話人の配置人数で重度化に対応できるとするのは身体・知的・精神を同一基準で判断することにつながり、無理があると思われます。重度障害者の定義づけが必要と考えます。そこで明確な基準を設けていただきたいと思います。現状の日中サービス支援型グループホームで真に重度障害者や車椅子利用者が利用しているか疑問であり、利用者の障害種別・支援区分別に実態を調査する必要があるのではと感じております。実はこの件に関しまして、事前説明会のときに質問させていただきまして、昨日回答いただいた中で、令和6年度の報酬改定チームが公表されております利用者の人数と障害者区分を頂きました。その中で種別は身体が3,529人、知的が9,644人、精神が5,208人。圧倒的に身体が少ないです。障害区分といたしましては、障害区分6が4,372人、5が4,539人、障害区分4が5,679人と伺いました。この数字から見ましても、やはり圧倒的に身体が少ないなと感じております。そこで、もう少し実態を把握した上で、本当に重度障害者の方あるいは医療的ケアのある方が現在、利用できる日中サービス支援型グループホームの利用者数及び事業者数をお示しいただきたいと思います。
以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷です。
ありがとうございました。
続きまして、会場から石橋委員、お願いいたします。
○石橋委員 全日本ろうあ連盟の石橋です。いつもありがとうございます。
現在、デフリンピックが開催されております。共生社会の実現に向けて、1歩踏み出しております。
まず内閣府の政策委員会に対してお願いが1つあります。政策委員の皆さんはあらゆる質問・意見をお出しになります。それに対して、関係省庁から回答があります。これで終わりではなく、議論を積み重ねて建設的な、いい方針・方法ができるかどうかがこの政策委員会の役割だと思いますので、ただ一度の質疑応答で終わるだけでなく、それを複数回行い議論を積み重ねていってきちんとしたものにしていくことをお願いしたいと思います。
3点意見を申し上げたいと思います。
まず1点目は126ページ、6-(6)-1について、新生児聴覚スクリーニング検査について説明があります。難聴児中核機能支援のモデル事業が令和2年から始まっております。3年間のモデル事業が終わりまして、令和6年度からは強化事業になりました。実際この事業は法的根拠がないのです。この事業がいつかなくなってしまうのではといつも心配しております。ですので将来的に法的な根拠をもとに継続した支援ができる、早期発見・早期支援がとても重要と考えていますので、法的な根拠をどのように考えておられるのか、こども家庭庁にお聞きしたいのが1つ目です。
2つ目は、繰り返し内閣府からつなぐ窓口の話が出ております。手話リンクもありますが、国だけではなくそれを全国の都道府県・市町村にもお願いしたいです。132ページ、7-(2)-7に虐待防止に関する内容にもありますように、虐待の通知・通報に関する手話リンクによる通報、こういう環境整備がとても大事と考えております。国だけで一生懸命やるのではなくて、都道府県・地域で虐待の通報を受けられる情報アクセシビリティーがある環境、誰もが通報できるような環境を求めています。その辺りをどのように考えておられるか教えてください。
最後、3つ目に、実際にこれまでの政策を見ると縦割りです。横断的な政策を行うことはとても重要だと考えております。今年の6月25日にスタートしました手話施策推進法の中にも横断的に施策推進が必要だと書いてあります。手話施策推進法には、きこえない子どもあるいはその親が手話言語を習得する環境をつくるということがはっきり書いてあります。それなのにこちらの政策委員会では早期支援に関わる横断的な議論がないと思います。横断的に関わりを持つことが必要だと思っております。そのためには前々から繰り返し要望しておりますように、手話施策推進法に関わるワーキンググループをつくることを強く求めています。それに関して可能性があるのか、ないのか、きちんと回答が欲しいと思います。回答がないままで、無視されているような状態にありますので、ワーキンググループを作るのかどうか、はっきりしていただきたいと思います。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
石橋委員、ありがとうございました。
では、ここで10分休憩を入れたいと思います。15時11分から再開したいと思いますので、それまで御休憩をどうぞよろしくお願いいたします。
(休憩)
○熊谷委員長 それでは、時間になりましたので再開したいと思います。よろしいでしょうか。
続きまして、オンラインから参加の金丸委員、お願いいたします。
○金丸専門委員 日本相談支援専門員協会の金丸と申します。今日はありがとうございます。
私からは相談支援の現場にいる者として3点質問と意見を申したいと思います。
1つ目は意思決定支援の推進に係ることで、7-(3)-4に触れられているのですけれども、移動支援について、障害のある子供や成人期における暮らしの充実のためにも、特に知的障害・発達障害のケースにおいては意思決定をしていく機会を増やしていくためにも、相談支援専門員としては最も重視している公的福祉サービスが移動支援及び行動援護の事業になります。地域での生活の幅を広げて、余暇を充実していくだけでなく、本人の生活の励みともなっていることは多いので、利用計画の作成においてはほかの福祉サービス利用に合わせて1対1の支援である移動支援や行動援護のサービスを積極的に選択肢として提案していきたいと取り組んでいます。ところが、移動支援とか行動援護の事業ともに支援者・ヘルパーが見つからないことがこのところ増えています。本人のニーズを満たせないことが多くなっているのですが、こうした状況について厚労省としてはどのように認識していらっしゃるのか、また本人の思いに寄り添う貴重なサービスの重要性を周知していくために、今後検討会を企画してほしいなと思っているところなのですけれども、移動支援や行動援護の事業所が増えていくために国として何らかのさらなる手だてを検討していらっしゃるのかどうかお聞かせください。
2点目が障害のある子供に対する支援の充実について、7-(4)-2と7-(4)-7のところなのですけれども、乳幼児から学校卒業以降も一貫した効果的な支援を地域の身近な場所で提供する体制を構築していくのを図っていくためにも児童発達支援センターが大きな役割を担っていかなければならないと考えていますけども、現実的に児童発達支援センターは乳幼児の相談と支援に追われて、地域支援としてはいわゆる療育を開始するまでの入り口対応及び就学前までの保育所等への支援が中心となっていると考えています。小学校低学年までのフォローをしているところは児童発達支援センターにあるのですけれども、それ以上の児童期・思春期の支援や卒業以降の支援体制の構築には至っていないところが多いと認識しています。こども家庭庁としては、思春期の支援や卒業以降の支援体制の構築のために児童発達支援センターは果たして本当に役割を果たしていけるのかどうか、その認識についてお聞かせください。特に中学以降の支援体制の構築については、現場としては私たちは児童発達支援センターと基幹相談支援センターとの役割分担についてどういうふうに考えていけばいいのかというところで少々混乱しています。改めてその辺りについてもお聞かせください。
3点目、最後になりますけども、雇用・就業、経済的自立の支援についてなのですが、9-(3)-5のところになります。知的障害者の雇用促進のためには、まずは公的機関が積極的に雇用していくことが大切だと思っています。国の試みとしてチャレンジ雇用は大いに評価したいと思っているところです。地方自治体においては、まだまだ知的障害者の雇用には消極的ですし、実績は不十分だと感じています。このチャレンジ雇用については各省庁とも雇用人数が今のところは極めて少ないと、今回お示しいただいた数字から見ても感じたのですけれども、今後どのように雇用数を増やしていく計画なのか、これは全部聞くわけにはいきませんので、代表して1つの省庁からの報告でよいので聞かせていただきたいと思っています。
意見として、インクルーシブな職場では、職場の雰囲気はほかの従業員の定着エンゲージメントがよくなるという報告を聞いたことがあるのですけれども、知的障害者への支援として展開するだけでなく、知的障害者と一緒に働くことの様々な効果について議論する機会をぜひ今後つくってほしいと思っているところです。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございました。
続きまして、会場から北川委員、お願いいたします。
○北川委員 日本知的障害者福祉協会、北川です。
私からは3点意見を述べさせていただきます。
まず6-(1)-2ですけれども、「学校、職域及び地域における心の健康に関する相談、カウンセリング等の機会の充実」とありますが、ここの中に記載がないので、小中学生の自殺が日本では今、過去最多となっています。その背景は半数が不明となっておりますが、障害のある子供たちからも友人関係の悩みなど、自殺願望を訴える子供もいます。2000年にフランスと日本は同じぐらいだったのですけれども、フランスは半減して、日本はまだ増えている状況の中で、国としても喫緊の課題として対応を取っていることと思いますので、子供の自殺対応についてもここに取り上げて、実施状況があったらいいのではないかと思います。
次、2つ目です。7-(1)-1です。意思決定支援のところです。「自ら意思を決定することに支援が必要な障害者等が障害福祉サービス等を適切に利用することができるよう」という、ここの自己決定を尊重するという観点ですが、やはり自己決定、それから自己決定を尊重した支援というのは、子供の頃から大人までとても大切だと私は思います。ここではこども家庭庁のことが書かれておりますけれども、成人期以降の方々の意思決定を尊重することも当然のごとく大事だと思います。特に障害のある方の望む暮らしの実現のために障害者入所施設に地域生活移行に関する意向確認を令和8年4月から国としても行うので、日本知的障害者福祉協会としても今、そのためのテキストをつくっておりますが、それは支援者の視点ではなく、国としてつくるものでも専門家の視点ではなく、やはり本人の意思の尊重を十分柱に置いていただきたいなと思います。実は子供の個別支援計画でも常に何々ができないから何々が必要みたいな、そういう医学モデル的なところがまだ子供のときの支援にもあります。そこに子供の願いや思いが入っている個別支援計画を立てていくような全体的な日本の流れになってほしいなと思います。
それから、障害のある子供に対する支援の充実です。7-(4)-1や7-(4)-7の辺りですけれども、子育て支援法に基づくいろいろな障害児を受け入れるということが書かれてあります。また児童発達支援センターにおいて、中核機能として4つの機能の中にインクルーシブの推進が入りました。そして保育園や幼稚園の子供を支える方向になってきています。しかし、これまで障害児支援の施策と子供の支援の施策が分かれていたため、なかなかインクルージョンが進みません。インクルーシブはいろいろな今までの検討会でも理念の中には入っているのですけれども、もうこれから実質的なものにするためには都道府県や政令指定都市・中核市などでインクルージョンの協議会・推進協議会のようなもの、いろんな子供に関わる団体や行政が入って協議会のようなものをつくってはいかがかと思います。
もう一つ、障害児入所施設において今、検討会が開かれていますけれども、いろいろな事情でおうちで暮らせなくなった子供たちが、やはり子供期ですので、サテライトですとかグループホームなど、そういう家庭的な環境整備がしっかりと整っていくことが大切だと思います。
私からは以上です。
○熊谷委員長 熊谷です。
ありがとうございました。
続きまして、オンラインから米山委員、お願いします。
○米山委員 全国児童発達支援協議会の米山です。よろしくお願いします。
私からは3点ございます。
まず6-(1)-4になります。精神科医療の部分で今度精神保健福祉法の通告義務規定が設けられました。精神障害の方々への通告のシステムができたことは喜ばしいことだと思います。一方、子供に関していうと、障害児は一般病院だとか小児病院とかに入院します。今、その障害児、さらに難病等の心身の障害の方々も病院に当然入院していますけれども、病院における虐待という通告システムは、障害者虐待防止の中では間接的防止措置ということで中途半端にとどまっていると思います。保育所等は今度通告になったと思いますけれども、そこについて厚生労働省で今後どのように病院についても通告システムとかそういったところの法制化をされるのかをお伺いしたいことと、ぜひそれを進めていただきたいと思います。
さらに子供については、障害児については児童の福祉施設の場合には障害者虐待防止法で通報義務がなされるようになっています。一方で、障害児入所施設の場合には、非措置児童等ということで改正児童福祉法となっています。ただ、保護者が行った虐待については児童虐待防止法の中で動いております。その辺りがとても複雑なので、児童虐待防止法では保護者が虐待するというところに規定されていると思いますが、ここはもう子供真ん中社会ですので、子供にとってケアをする人ということだと日中ケアする保育士さんとか、あと教員もそうですし、今の病院生活だと病院職員もそうだと思います。そういったところもあると思いますので、もう一度通報の仕方だとかをまた整理していただければありがたいと思います。それが1点です。
2点目は先ほど金丸委員からも北川委員からもありました138ページ、7-(4)-1から2、3、4に関わるところですけれども、障害のある、あるいは疑いのある子供たちの地域での支援の在り方で、今、私も所属している児童発達支援協議会が児童発達支援センターの中核機能を強化するということで動いておりますけれども、一方で巡回支援専門員、それから先ほど金丸委員からありました機関相談という、そこの連携と役割分担がすごく曖昧になっていると思います。ですのでそこをどのような形かうまい具合に連携・協働あるいは役割分担を強化していただけるとありがたいと思います。
3点目、最後になりますけれども、141ページ、142ページにわたる医療的ケア児関係なのですけれども、ここで看護師確保ということも書いてありますけれども、高齢者のケアも含めて看護師の確保がなかなか難しいというのは、学校だけではなく放課後等デイサービスあるいは日中一時支援事業、発達も含めて難しいと聞いております。これは医ケア児のほうができる前に、実は看護職あるいは医療職以外で認定特定行為研修を受けて、5つの特定行為が本来できるようになっております。それをうまく使うと、福祉職でも医療的ケアが受けられることになっておりますけども、残念ながらそこがあまり進んでいないような印象を持っております。今、認定特定行為研修は平成31年くらいまではかなり受けていたと思うのですが、その実態、どのくらい研修を終えているかという数がもし分かれば教えていただきたいことと、認定特定行為をすることで福祉職が福祉現場で医ケア児も預かれる、支援できるということが可能になると思いますので、その辺りをもう一度いい形で整備していただけると、医ケア児の居場所の支援場所の確保にもなると思いますし、保護者のレスパイトも含めた家族支援にもなると思いますので、ぜひその辺りを進めていただきたいと思います。
以上、3点になります。よろしくお願いします。
○熊谷委員長 熊谷です。
ありがとうございました。
続きまして、会場から佐々木委員、お願いいたします。
○佐々木委員 全国手をつなぐ育成会連合会の佐々木でございます。
6点ほど意見を申し上げます。
まず114ページの6-(1)-6の入院者訪問支援事業の実績についてお聞きしたところ、御連絡いただきましてありがとうございました。もしこの事業の好事例、成果などがありましたら、入所施設等にも活用できるのではないかと考えております。もし退院意欲が高まったというような好事例がありましたら、また教えてください。
2つ目です。130ページの7-(2)-2の相談支援事業について、事業者数のデータもさることながら、実際の利用者数を把握することが重要であると考えております。望まないセルフプランをゼロにする目標に向かって、利用者数の増加も目標としていただきたいと思います。
続いて、133ページの7-(2)-9の障害者ピアサポートについては、相談事業などにおけるマンツーマン型の在り方だけではなく、グループ活動を通じて社会参加意欲を高めるグループ型の在り方についても推進していただきたいと思います。
次に、136ページの7-(3)-4、地域共生社会の実現に向けて、障害福祉サービス分野では地域活動支援センターが重要であると考えております。障害の有無に関係なく、地域住民が集うことができる場としても活用できるよう、地域活動支援センターの類型を新たに創設していただけないかというお願いです。
そして138ページの7-(4)-1についてです。伴走的な相談支援については、方向性は賛同いたします。ただ、障害児分野で伴走を掲げるのであれば、やはり既存の相談機能をつなぎ合わせるやり方ではなく、療育相談や発達支援相談といった固定的に同じ場所に寄り添う仕組みを制度化すべきであると思います。幼い障害児を連れてあちこちに行くのは親にとってもなかなか厳しいものがあり、特に揺れる時期の保護者の側に立ち、保護者が安心できる場所を制度的にも確立していただきたいと思います。
以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷です。
ありがとうございました。
続きまして、オンラインから小林委員、お願いいたします。
○小林委員 日本発達障害ネットワークの小林です。
2点、意見という形でお話をしたいと思います。
前回岩上委員からの御意見と、それから先ほど委員長からの課題の洗い出しであることとか未来に向けたものだという発言を受けて、私のほうで2点お話をさせていただきます。
1つは新銀委員も文書上で書かれていましたし、水流委員もお話をされていました、それから白江委員もお話をされていたかなと思うのですけれども、地域支援体制システムをつくっていくことに関して、実は今、厚生労働省の障害者部会においても、こども家庭庁の障害児支援部会においても、地域支援体制がとても話題になっています。その中で地域差、地域の支援サービスの差が起きているということなんかも話題になっていて、それをどのようにこう考えていったらいいのか、差を均てん化するとかそんな単純なものではなくて、どのように地域の支援サービスを考えていったらいいのかということが話題になっているのだろうなと考えているところで、ここの障害者の基本計画を立てるに当たって、今後に関して地域支援体制整備をどんなふうに考えていったらいいのかを大きな議題として上げていく必要があるのではないかなと考えておりました。
もう一つは、これは白江委員もお話しされていましたけれども、障害福祉サービスの量的な評価は多くなされておりますけれども、やはりもうそろそろ質的な評価に関してどんなふうに考えていったらいいのかということを話題にしていく時期に来ているのではないかなと考えているところです。障害者基本計画として大きく考えてみたのですけれども、1つは先ほど申し上げましたような地域支援体制整備をどういうふうにしていったらいいか。私はきちんと可視化していく作業をそれぞれの地域がしていく必要があるのではないかなと考えているところなのですけれども、まずはそれが1点。それから、もう一つは障害のサービスの質的な評価をきちんとしていく必要があるのではないかなということを意見として上げさせていただきます。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷です。
ありがとうございました。
続きまして、会場から再び新銀委員、お願いいたします。
○新銀委員 全国精神保健福祉会連合会、新銀でございます。
私のほうから5点質問させていただきます。
まず114ページ、6-(1)-3です。家族会活動の支援についてお尋ねいたします。家族支援については地域においてかなりのばらつきがあると考えています。年々家族会活動が衰退していく中で、地域格差を是正し、家族会が安定的に活動できるための委託事業に依存しない持続可能かつ全国的な支援基盤としてどのような対策を想定しているのか、具体的なロードマップも含めて回答を求めます。
それから、6-(1)-5の精神科救急医療体制の整備について。精神科救急医療の整備は精神保健福祉法により都道府県の努力義務とされていますが、地域差によって整備状況にばらつきがあることは、国民の医療アクセス権の観点から当然あってはならないと考えております。地域間の格差を是正するため、国としてどのような法的・財政的措置を講じ、その整備を努力義務から国の責務とする検討はなされているのか、回答を求めます。
130ページ、7-(2)-2、相談支援専門員の業務負担・報酬についてです。障害者にとって相談支援事業は極めて有効で、家族としてもとても頼もしいサービスと日々感じております。しかし、介護保険によるところのケアマネージャーであれば、ケアマネが担当する利用者は2024年の介護報酬改定により44人から49人に引き上げられています。それでも49人です。相談支援専門員ですと、担当利用者数の平均は78.9人となっており、140人以上の相談を担当している事業所も少なくありません。地方で聞かれているのが、相談事業所はあっても、新規を受け入れることができず、他市に依頼しているという実情です。相談支援専門員が初任者研修で地元の社会資源を調べることが必須になっていても、これでは業務に活用されません。このように多くの課題を抱えていると認識しております。その上で対象者の大幅な拡大とは、現行の報酬体系と人員配置基準を維持したままの拡大を意味するのでしょうか。相談支援の質を確保するために、対象拡大に先行あるいは同時に相談支援専門員の報酬体系及び配置基準を介護支援専門員の水準に近づけるための具体的な改定時期について回答を求めます。
132ページです。7-(2)-7の虐待防止法の適切な運用ですが、障害者虐待防止法の対象の範囲は今後も養護者・障害者・福祉施設従事者・使用者だけなのか回答を求めます。障害者虐待防止法の法外となる精神科病院は、精神保健福祉法の改正により令和6年4月より虐待防止の措置が講じられていますが、例えば身体虐待の中には正当な理由なく身体の拘束をすることが虐待とされており、この正当な理由の判断が病院内の組織による決定のみで完結することに対し、第三者の担保が不十分ではないかという疑問が残っております。虐待の深刻さを考えると、虐待が起こる前の手だてを考えるべきであり、精神科病院内の実態を含めて、身体拘束の要否決定のプロセスにおける第三者委員による関与や、拘束された患者本人・家族への十分な情報公開と説明責任の強化について改善策を講ずることが肝要と考えます。国の考えを求めたいと思います。
それから、187ページ、9-(3)-8です。もにす認定制度の周知について。もにす認定制度の周知について、制度周知や個別の事業主への働きかけの具体的な方法をお尋ねします。貴省による既存の周知広報、認定マーク、低利融資、公共調達での加点などが全国の中小企業約340万件に対し、どの程度浸透し、実際に認定申請数の増加につながっているのか、その効果検証はどのように行われているのでしょうか。またおおむね障害者が働く場として取り組みやすい職種には、その業種に特化した企業への情報提供や認定制度と特定の業種別訓練、就労支援を結びつけるなどのもにす認定の情報が優先的に入手できるような工夫がなされることを期待し、回答を求めます。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷です。
御指摘ありがとうございました。
それから、オンライン参加の福田委員、お願いいたします。
○福田委員 全国盲ろう者協会の福田です。
前回の岩上委員からの話、そして今回それを受けて熊谷委員長からも未来に向けた意見・提言ということで、どこを詳しくというわけではないのですけれども、盲ろう者の立場から少し意見させていただきたいと思います。
今回6、7、9というところで保健・医療、自立した生活の意思決定支援、それから雇用・就業、経済的自立についてですけれども、そもそもの問題として、まず盲ろう障害の認識がどこかしらで議論されなければいけないと思うのです。盲ろうは、視覚と聴覚の両方に障害がある場合を便宜的に盲ろう障害としていますし、機能的にはそのような状態のものを盲ろうと言っていますけれども、その二重の感覚障害によるニーズは視覚障害者への支援または聴覚障害者の支援を足したものだけとはまた違う独自の特殊な支援が必要になっています。
障害者手帳に盲ろうという言葉がございません。医療モデルという言葉、それから社会モデルという言葉の中で今後社会モデルに変えていく必要があるということで、権利条約の中でもそのように考えられていますけれども、権利条約の中でも盲ろうという言葉は残されています。それほど特別に焦点を当てなければいけないコミュニティーである特性のあるグループです。また今年は国際盲ろうの日が制定されました。国連総会にて盲ろうは1つの独自の障害として存在することが新たにグローバルにも確認されたわけです。
振り返って保健・医療の場においても、自立した生活の場においても、雇用においても、何が必要であるか、何が足りていないのかは、やはり盲ろう障害ゆえに基本的に必要とされている意思疎通支援、特にコミュニケーション、そして移動支援、また情報へのアクセスの3つに関しては足りていません。
どうして足りていないのかというのは、やはり今、申したように、障害者基本法の中でも議論されなければいけない意思疎通支援のことであったり、その流れの中で難病に関しても、盲ろうの中では難病を理由に盲ろう障害を持つ者も非常に多くいます。私も含めてそうですけれども、そのような状況でこの計画のフォローアップの中でどこをどのように見ていけばいいのかというと、やはりまず石橋委員がおっしゃったように縦割りで取り組んでいるがゆえに難しくなっているということ、これは横断的に取り組まないといけない課題が非常に多くあって、総括所見でも勧告がありましたけれども、盲ろう者に対する意思疎通支援は非常に重要であって、その1つで日本での取組としては盲ろう者向けの通訳介助者派遣制度があります。盲ろう者はこの制度がなければ、コミュニケーションにおいても、移動においても、情報のアクセスにおいても、全ての基本となる自立生活をするにも、医療にアクセスするにも、全てのものに対しての制限がかかってきます。現状盲ろう者は平均的に全国では月に20時間の通訳介助の派遣がされていますけれども。
○熊谷委員長 途中で申し訳ございません。熊谷です。
福田委員、ほかの委員の発言の時間もありますので、少しポイントをおまとめいただけますとありがたく思います。
○福田委員 簡単にまとめてしまうと、盲ろう者のことについて、盲ろう者が必要とされている意思疎通支援、人的な支援が基本的にはなってくるということ、それについての議論をどの項目においてももう少ししていかないといけないのではないかということです。地域生活支援事業の中においては、月20時間ではいろいろな権利、例えば投票に行くこともできませんし、医療に関しても制限がかかってきますし、もちろん様々な部分で制限がかかってくる。この時間数を増やすことでかなり達成されることができる。この時間数を増やすために何が必要かというと、やはり盲ろうという言葉、盲ろう障害を理解していくこと。盲ろう障害を理解していくためには何が必要かというと、日本では指摘されている社会モデルにおける権利条約の総括所見に対する勧告であったり、そこら辺をもう少しここでも皆さんと議論して考えていけたらいいのかな、そして日本での大切な基本法の改正とかにもつなげていけたらよいのではないかと考えています。
1つ質問としてあるといえば、各省庁でいろいろな就労における取組について書いてあったのですけれども、どこかの省庁で構わないのですけれども、盲ろう者が就労している省庁がありましたら教えていただきたいなというのはあります。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷です。
福田委員、ありがとうございました。
ちょっと変則的ですが、途中退席の予定ということで、先にオンラインから清田委員、お願いいたします。
○清田委員 日本商工会議所の清田でございます。私の都合によって御配慮いただきまして、誠にありがとうございます。
私からは項目番号9で御説明いただきました障害者雇用に係る支援の充実強化について、中小企業の視点から意見・要望として申し上げたいと思います。現在、令和6年度の障害者雇用状況が公表されておりますが、障害者雇用数・実雇用率とも順調に伸びて過去最高を記録している状況でございます。一定の進捗が見られる中、従業員数40人以上100人未満の企業、いわゆる小さい企業においては、実雇用率が2%にも満たない状況になっており、中小企業における障害者雇用の進捗はまだ道半ばであると考えております。中小企業においては、業種業態が非常に多様でございます。規模の制約から、いわゆる標準化・マニュアル化されたような大規模な定型業務が少なく、また1人の社員が多岐にわたって業務を細かく少量ずつ兼任していることが多く、このような中小企業においては、業務を切り出していくことが大企業に比べて難しいという点がございます。また、障害をお持ちの方にそのような多種対応でロットの少ない業務を担っていただくに当たっては、OJT等でマンツーマンの支援を行う専任者を割り当てる必要があり、御承知のとおり中小企業では慢性的な人手不足に直面している中で、なかなかそうした社員を十分に配置できず、受入れのための十分な人員体制を構築するのが難しいという課題を抱えております。
こうした中小企業の課題に対応するためには、個々の企業の特徴を踏まえた伴走型での支援が非常に重要であると考えております。業務の切り出しのサポート、業務と障害の特性を踏まえた障害者とのマッチングの支援、定着に向けた初期のフォローなど、受入れ時の体制整備を丁寧に行うことが極めて重要となります。こうした受入れ時の丁寧な取組が障害者の方のやりがいや成長といった、いわゆる質の高い雇用につながるだけではなく、企業にとっても人手不足対策、生産性向上につながると考えており、障害者の方々に企業の戦力として御活躍いただけるような環境を整えるのに必要な取組ではないかと考えております。
政府におかれましては、9-(1)-1などにおきましてハローワーク等の関係機関連携によるチーム支援などの伴走的な支援の取組を実施いただいておりますが、こうした支援の周知広報強化をいただくとともに、支援のさらなる充実に向けて取り組んでいただきますようお願いいたします。我々商工会議所においても支援に取り組んでいきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
私からは以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷です。
ありがとうございました。
続きまして、会場から安部井委員、お願いいたします。
○安部井委員 全国重症心身障害児(者)を守る会の安部井でございます。
前回岩上委員から最後に、数字的なことは事前にお聞きして、この政策委員会の場では具体的なということをおっしゃられましたので、内閣府さんに数字的なことを事前に質問させていただきましたところ、各省庁さんからとても丁寧な御回答を頂き、ありがとうございました。
今回はそれ以外に2点質問させていただきたいと思います。
保健・医療の推進のところで7-(3)-1です。厚生労働省さんにおいては在宅福祉サービスの充実に御尽力いただきまして、誠にありがとうございます。感謝しております。在宅福祉サービスの充実を図るほかに、「必要な時に救急医療が受けられる体制整備を推進する」とありますが、どのようなことを実施してくださっているのかをお伺いしたいと思います。
2つ目、7-(6)-2で補装具について質問いたします。令和7年3月31日付で補装具支給事務取扱要領の改定があり、完成用部品の指定について大幅な見直しがありました。これまで完成用部品として登録があった部品のうち、座位保持装置など477件が削除されました。重症心身障害児者は座位保持が困難な人が多く、車椅子などに不可欠な部品が多数含まれておりました。本来必要なパーツを搭載することができなくなったために、医師や市区町村担当者・製作業者との意見のすり合わせに時間がかかり、困惑している保護者・本人が多数おります。また修理を諦めて、保護者が簡易に修理して使用を続けている場合もあり、本人の生活に影響が出ています。今回削除された部品は特例補装具として申請できますが、承認は各都道府県の判断とされており、居住地によって格差が生じる可能性があります。また必要性はその都度判断されますが、介助者側の必要性が考慮されないと多くの声が届いております。今回の完成用部品の指定が大きく見直された経緯と、それによる影響や対応についてお伺いしたいと思います。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷です。
ありがとうございました。
続きまして、オンラインから仲根委員、お願いいたします。
○仲根委員 全国脊髄損傷者連合会の仲根です。
私のほうから3点御質問と意見・提言がございます。
まず1つは130ページの7-(2)-3の地域自立支援協議会についてでございます。政策決定をする大事なこの協議会の中での当事者の委員の参加促進を図っていただきたいという趣旨の下、当事者の参加状況についてどのように把握されているのか、また参加促進のための市町村への促し、取組などはどうされているのかという御質問をさせていただきたいです。データについてもしあれば、今日はお示ししなくても後日改めて頂ければと思います。
2つ目、133ページの7-(2)-9のピアサポーター養成研修についてでございます。もうほぼほぼ全国の都道府県で取組が実施されておりますが、実際受講された方々が継続的にピアサポートを担っているかというと、離れている人たちとかいろいろな課題がございます。一番大事なのは、継続的に拡充を図るためには、配置した場合の実施加算報酬等について拡充を求めたいと思っております。次期報酬改定でこの障害ピアサポーターの配置の実施加算等の協議をぜひ図っていただきたいという要望でございます。
3つ目が、146ページの7-(5)-7では障害福祉サービスを利用していた方が65歳になった場合の問題でございます。俗にいう、私どもは65歳の壁問題という表現にしておりますが、厚生労働省では再三市町村自治体には介護保険と障害福祉の適用関係通知は出していただいておりますが、実態としては障害者福祉サービスを利用していた人が65歳到達になった場合の市町村の対応の差異が非常に大きくて、現場では困っているという相談が実は増えてきております。改めて介護保険と障害者福祉サービスの適用関係についての伝え方についてお願いでございます。ぜひ福祉部署の職員研修または相談支援専門員の多様な研修機会の中でこの適用関係通知の内容について詳細を説明するプログラムを研修日程の中に入れていただきたい。これは障害だけではなく介護支援専門員の研修等でもぜひお願いしたいところがございます。改めて後日でよいのですが、65歳になった方が継続して介護保険を利用せずに福祉サービスを利用されている方の実態、それと介護保険制度との併用利用の数字、人数。
○熊谷委員長 すみません、ちょっと音声が途切れてしまいました。仲根委員、65歳の問題に関して、研修をすべきだと、あと実態を把握すべきだというところまで聞こえていたのですが、その後ちょっと音声が途切れてしまいましたので、もう一度お願いします。
>○仲根委員 失礼しました。今、146ページの7-(5)-7のお話です。
○熊谷委員長 65歳以上で介護保険だけではなくて障害者福祉を利用している方の実態を調査すべきだという御提案をいただいたと思うのですが、その後が聞こえなくなってしまいまして。
○仲根委員 改めて、今、おっしゃったように障害福祉サービスの利用継続されている方の人数と介護保険制度と障害福祉サービスを併用されている方の利用者数、両方の利用数の実態を知りたいと思っています。よろしくお願いします。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷です。
よく理解できました。ありがとうございました。
続きまして、会場から永井委員、お願いいたします。
○永井委員 ありがとうございます。
私からはまず総論的なお話と、加えて5点申し上げたいと思います。
まず総論的な話になりますが、障害福祉サービスについては切れ目のないサービスの確保はもちろん、相談体制や緊急時の受入れ体制の充実や障害者の就労先確保が必要であり、さらに障害児者を支える家族の仕事とケアの両立支援なども重要と考えておりますので、今後はそうした取組も力を入れていただきたいと考えております。その上で申し上げます。
まず6-(2)-5の精神科病院の入院患者の地域移行促進についてですが、現在、厚生労働省の中医協で診療報酬改定に向けた議論が進められております。今回の改正においては、精神疾患の患者をはじめとする長期入院の改善に向けて地域移行の取組を推進するとともに、医療内容や人員配置基準の改善、早期相談、治療、入院支援が可能な体制整備について評価すべきではないかと考えております。
2つ目には7-(7)-1の障害者福祉を支える人材の処遇改善についてです。障害福祉分野の職員の処遇改善について、ここ数年の5%という賃上げの中で、今後も物価や賃金の上昇が見込まれると思っております。障害福祉分野の人材確保に向けてさらなる処遇改善を行うべきと考えております。
続きまして、3点目、9-(1)-6、支援機関全般に言えることですが、障害者就業・生活支援センターは就業と生活を一体的に支援するなど地域の障害者支援の中核的役割を担う重要な機能であると認識しております。同センターがその機能をより発揮できるよう、地域の就労関係機関との間で役割の整理と連携の強化を進めるとともに、就職、職場定着に向けた支援を含め、多様な支援ニーズに対応していくためにも体制強化に向けた人員配置や安定的な財源の確保をお願いしたいと思います。
続きまして、4点目、9-(3)-1の障害者雇用率、法定雇用率でございます。障害者雇用率の引上げが予定されている中におきまして、市町村の機関や教育委員会など公的機関において依然として未達成が多い状況は、民間企業の取組意欲に大きく影響すると思っております。民間企業からは未達成の主な理由としてノウハウ不足などが上げられているところであり、公的機関が見本を示し、ノウハウ提供に資するような形が望ましく、公的機関の雇用率達成に向けた具体的な取組強化をお願いしたいと思います。
最後、5点目は9-(3)-6の障害者の虐待のところです。令和6年度の取組実施状況では、虐待が認められた事業者数が434事業所に上っているとありますが、虐待が確認された後の対応について伺いたいと思っております。虐待を受けた障害者にどのような支援措置が講じられているのか、また事業者への指導や改善措置、再発防止に向けた対応がきちんと行われているのか伺いたいと思います。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございました。
続きまして、オンラインから小枝委員、お願いいたします。
○小枝委員 ありがとうございます。鳥取県立総合療育センターの小枝です。私は7-(4)-3に関しまして厚生労働省にお願いしたいことが3点ございます。
7-(4)-3につきましては、発達障害を診療する医師の養成ということが書いてあるわけですが、御回答がございませんので、発達障害の診療ができる医師の養成を以前はたしかしておられたと思うのですが、ここ数年途絶えていると思っておりますので、ぜひ再開していただきたいと思っています。
それから、診療に関する内服薬の不足が今、生じておりまして、医療をやっている立場としては、お薬が使えないということで本当に困っている現状がございます。これにつきましては先の見通しも含めてメーカーへの御指導をお願いしたいと思っております。
また昨今アプリによる治療的なプログラムなんかも医療機関で処方できるようになっておりますので、こういった薬剤以外の指導法についても医療の中で使えるような取組も一層促進していただけたらと思っております。
以上でございます。ありがとうございました。
○熊谷委員長 熊谷です。
ありがとうございました。
続きまして、会場から長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 ありがとうございます。経団連の長谷川です。
3点コメント及び要望をさせていただきます。
まず1点目は、184ページ、9-(3)-4にある特例子会社による障害者雇用についてですけれども、高齢・障害・求職者雇用支援機構が表彰制度をされている中で表彰されているような、例えば東京都チャレンジドプラスTOPPAN株式会社、こちらは健康維持と就労継続両立のために定期通院に対応する有給休暇制度を導入しているほか、トレーニング設備と専門サポートで健康管理を支援されています。またホンダ太陽株式会社では治具の改良により作業負荷を軽減したほか、作業標準書を動画化することで理解の向上を図るなど、職域拡大と作業の改善に努めておられます。このような優良事例が多々ございますので、こうした事例を広く周知し、全国的に横展開につなげていただければと思います。
2点目は201ページ、9-(4)-5の農福連携についてです。経団連では障害者の就労機会拡大を目的として、農福連携の推進に積極的に協力しております。経団連の農業活性化委員会では企業向けアンケートに8月に協力したほか、農福連携シンポジウムの開催の周知など周知協力に取り組んでいます。農福連携等応援コンソーシアムの幹事として農水省や日本農福連携協会と密に連携し、今後も障害者の雇用促進と地域活性化に貢献していきたいと考えております。
最後に、177ページ、9-(3)の障害者雇用の促進に関するお願いです。先ほど日商の清田様からも御紹介がございましたが、企業の積極的な取組もございまして、2024年6月現在で障害者雇用数は67.7万人、実雇用率2.41%と過去最高を記録しております。一方で、法定雇用率が2024年4月に2.3%から2.5%に引き上げられたことにより、達成企業割合は46%に低下しております。さらに2026年7月には2.7%への引上げが決定しており、残念ながら達成企業の割合のさらなる低下が見込まれております。企業が積極的に努力すべきことは言うまでもありませんが、第5次障害者基本計画で示された2027年度の目標値達成企業割合56%は、法定雇用率の引上げ決定の2022年に設定されたものであり、引上げによる影響が考慮されておりません。厚生労働省の「労働政策審議会障害者雇用分科会」では毎年度達成企業割合を確認しながら、必要に応じて目標値も見直されております。同様に障害者基本計画の目標値設定に当たっても、法定雇用率の改定状況も踏まえながら実態を踏まえた検討をお願いしたいと思います。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷です。
ありがとうございました。
続きまして、会場から田中委員、お願いいたします。
○田中委員 日本視覚障害者団体連合の田中でございます。
事務局からの御説明ありがとうございました。私からは2点ほど意見を申し上げたいと思います。1点は6-(1)の精神障害の関係、それから2点目は7-(4)の障害のある子供への支援についてです。
まず1点目ですけれども、本日新銀委員から非常に重要な資料の御提供がありまして、本当にありがとうございました。この資料を拝見いたしますと、新銀委員からも御説明がありましたが、提言3のところに家族支援から社会支援へのシフトが必要だということが述べられております。これは全面的に賛成するところであります。ただ一方で、現状としましてはやはり家族が支援を多く担われているところがあり、提言2番でもレスパイトの利用しやすさについての体制整備が述べられております。こういう現状や将来に向かっての体制整備のことを考えますと、それを進めていくための根拠となる施策の基本となる法整備も必要になってこようかと思います。そういうことを考えますと、平成22年12月17日に障害者制度改革推進のための第二次意見がまとめられておりまして、その中の基本的施策関係の中に精神障害者に係る地域移行の促進と医療における適正手続の確保が項目としてしっかり上がっております。こういうことを含めて障害者基本法に必要な条項を定めていくことも検討してよいのではないか考えているところです。
2点目につきまして、7-(4)ですけれども、障害のある子供に対する支援でございます。障害者基本計画の実施状況を拝見しますと、各省庁におかれましてこの間基本計画に沿って非常に御尽力いただいているというところがよく分かります。ただ一方で、令和6年12月27日になりますけれども、障害者に対する偏見や差別のない共生社会実現に向けた行動計画が発表されております。その中で1つの項目として子育て等の希望する生活の実現に向けた支援の取組の推進というものが項目として上がっています。こういう状況を見ますと、今、障害児に対する支援、子育て支援は非常に重要性を増している。行動計画の実質的な推進という意味でも、この点についてもやはり1つの根拠法令をもって臨むべきではないかと考えております。こちらも先ほど申し上げました第二次意見の総則規定のところには障害児という項目で内容が盛り込まれております。こういうところも参考にして、ぜひ障害者基本法の改正の議論を内閣府の「障害者政策委員会」でも行っていきたいと思っております。意見を申し上げました。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございます。
それでは、会場から平野委員、お願いいたします。
○平野委員 私もこの委員になってまだ日が浅いわけですけれども、同じように日が浅い方たちもおられると思うので、改めて確認させていただきたいと思います。私からは3点です。
まず1点目ですが、本人の意思に反する異性介助に関してです。臼井委員が先ほど意見を述べられたと思いますけれども、1-(1)-3になります。障害福祉サービス事業者に関しては、解釈通知で本人の意思に反する異性介助がなされないように、サービス管理責任者等がサービス提供に関する本人の意向を把握するとともに、本人の意向を踏まえたサービス提供体制を確保すべきとあります。なぜこれが医療の分野で実現されないのか、これが難しいとされるのかという部分ですけれども、私は実は30年前に車椅子になる障害を持って初めて入院しました。医療関係者は確かにドクターを含めて男性が多いです。手術後、初めて入浴することになったときに、ベッド上に寝たままだったので、座位がまだ取れなかったので、大きな浴場に入って、そこには大きな機械を操作する男性がいるのです。もちろん直接的に介助してくれるのは看護師さんだったりするのですけれども、男性がそこにいるということで、私は本当にもう身の毛がよだつというか、自分は石だ、人間ではないと思おうと思って入院期間を過ごしたのです。今の私だったらもちろんそんなことは駄目だ、嫌だと言えるのですけれども、初めて入院したときは本当にそうだったのです。急性期の医療に関して、医療スタッフが全部女性であれ、同性であれなんて言っているわけではないわけです。私たちが本当にナーバスな、デリケートな部分で、排せつですとか清拭、入浴介助、その部分だけでも本人の意思に反する異性介助は絶対にやめてほしいと私は強く思います。それができないわけはないと思います。いろいろな意味で医療の現場が多職種、そして女性ばかりではなくて男性が多いということは重々分かっていますけれども、1-(1)-3の虐待防止につながるようなことでもありますし、今の病院が虐待の温床になっているのだと。急性期のところよりむしろ慢性期の医療現場ですけれども、虐待の現場がもう温存されていることに対して私たちは危機感をしっかりと持つべきだろうと思います。改めて厚生労働省の皆さんにも取組をしっかりやっていただきたいと思います。
2点目です。難病の方たちの福祉サービスの利用が促進されていることはとてもいいことだと思いますけれども、障害者総合支援法で難病の方たちが自分もサービスを受けられるのだということを知る状況はなかなかつくられないのではないかなと。私たちのような肢体不自由も含めて重度の方たち、難病の方たちは分かりやすいのですけれども、なかなか目では分からない、そして日常的には仕事をしているけれども、家事の負担がすごく体に重くなるとかいうような方たちもサービスが受けられるのだということです。その周知を工夫してもっとやっていただきたいと思います。
あと訪問系サービスに関してなのですけれども、国庫負担金ベースを自治体の支給決定基準にしているということで、訪問系サービスは3773億円ですか、そして今、国庫負担金を超過している自治体の持ち出しが523億円ということで、一生懸命当事者の意に沿うようなサービスを提供しようとしている自治体が、本当に自分たちの負担を出してしまうというか、過剰な負担を出してしまうということで財政が厳しくなるというようなことは、本当に私たちは望まないことです。片やこういうサービスを全く提供していない自治体も私たちの熊本県にもあるので、その落差はすごく大きいのですけれども、本当にニーズがあって、サービスが必要だったら、その上限を撤廃していくような取組をしないと、地域移行したところで、私たちは本当に地域移行したいです、だけれどもそこで訪問系サービスを受けられないとか、自治体がうちはやりませんというようなことであっては、本当に私たちの思い描く地域福祉ができないなという危機感を持っております。ぜひ御一考をお願いいたします。
以上です。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
ありがとうございました。
それでは、関係省庁からの回答の準備もありますので、ここからもう一度5分ほど休憩を挟みたいと思います。16時26分から再開いたしますので、5分ほど休憩をお願いいたします。
(休憩)
○熊谷委員長 それでは、時間になりましたのでそろそろ再開したいと思いますが、よろしいでしょうか。まだちょっと戻っておられない委員がおられますので、もう少しお待ちください。
それでは、委員の皆様がおそろいですので、各府省庁からの回答に移りたいと思います。
それでは、厚生労働省からの回答をよろしくお願いいたします。
○厚生労働省 厚生労働省の障害保健福祉部の企画課長、乗越と申します。
本日は様々貴重な御意見を賜りましてありがとうございます。御意見を受け止めさせていただきまして、施策にまた生かしてまいりたいと考えております。御質問いただいた事項につきましては担当者からお答えをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
○厚生労働省 厚生労働省障害保健福祉部自立支援振興室の増田と申します。
私から2点御回答させていただきます。
まず1点、佐々木委員から地域活動支援センターの類型のお話を頂きました。恐らく御指摘いただいているのが実施要領に定める類型、これを増やすという御指摘だと推測しております。実施要領に定めております類型につきましてはあくまでも例示ということで、逆に言うと、今、3類型示させていただいておりますが、これ以外ができないという仕組みではなく、例示で示しているということでありますので、例えばその地域の実情に応じて自治体がここにないような類型でやりたいというようなパターンを否定するものではないことを御理解いただければと思います。
2点目、安部井委員から御指摘のありました補装具について御説明させていただきたいと思います。委員御指摘のとおり平成7年度の完成用部品の指定に当たりましては、御指摘の座位保持装置、今でいうと姿勢保持装置に相当いたしますが、姿勢保持装置の部品も含めて、他の補装具の部品も含めて、外部の有識者に御参画いただいております「補装具評価検討会」で御議論いただき、まずは完成用部品の定義をしっかり定め、明確化し、またその指定に当たっての留意事項を整理していただきながら、御指摘のような精査をさせていただいたところでございます。その結果、6年度までは指定されていた部品が7年度から完成用部品として指定されていないという状況は実際にございます。一方で、その外れた完成用部品が金輪際補装具として使えないということではなくて、これも委員御指摘いただいておりましたが、他に代用が利かない、今の補装具で定めている部品またはオーダーメイドでつくる付属品・部品では代用できないという場合につきましては、特例補足具、一部特例ということでできる仕組みになっております。先ほど申し上げた「補装具評価検討会」の外部の委員の皆様からも、始まってからおおむね順調に特例補装具の審査なりが進んでいるというお声もある一方で、やはり委員がおっしゃるような現場の個々の声の中で、例えば外れた完成用部品に係る申請なので、受付のところでシャットアウトしてしまうといった事例もあるというお声も伺っているところでございます。そこは我々が目指している、また「補装具評価検討会」で議論がなされた方向性とは異なる方向性でございますので、そういったものを個々に解消していきたいという趣旨から、今年10月に入ってから、そういった一律のシャットアウトみたいな形は適切ではないということを自治体並びに更生相談所に周知させていただいたところであります。こういったものはまだ10月に出したばかりでありますので、そういった状況をちゃんと我々のほうで注視していきながら、今後の対応についても検討していきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○厚生労働省 続きまして、障害福祉課で相談支援を担当しております杉渕から基幹相談支援センター、相談支援専門員、協議会に関して御質問いただいたことに回答させていただきます。
まず白江議員から、基幹相談支援センターについて、量もさることながら評価または質のことについても対応していく必要があるのではないか、という御指摘を頂いたところです。そこについては同感でして、厚生労働省における今の取組などについて少し補足説明させていただきます。令和4年度に障害者総合支援法の改正がございまして、基幹相談支援センター、地域生活支援拠点等については市町村の努力義務化されたところでございます。また、協議会についても守秘義務などの強化が図られたところでして、それ以前から地域で創造的に取り組まれていた地域ですとか、一方、令和6年4月から努力義務化された時点からそろそろ設置しなければいけないという地域の差が生じていると考えております。そういった課題に対して、設置の促進と機能強化について促進すべく、都道府県のバックアップの機能が重要ではないかと思っており、それについて、ここにいらっしゃいます曽根委員の御協力も頂きながら、令和6年度から3年間で都道府県に対するブロック会議または市町村に対するオンライン研修みたいなものを実際に顔を合わせながら推進を図ってきているところでして、今年度のオンライン研修は先般行われたところですが、2,000人以上のアカウントが御参加されていて、画面の向こうでは官民が共同で、市町村と基幹センターが一緒に参画いただいているような状況で、それ以上の参加もあったところでございます。
また、小林委員から御指摘も頂いたところで、評価とか足元の状況を見える化してはどうかみたいな御指摘について、少し御紹介したいのが、岩上委員と一緒に官民共同でつくったツールがあります。「地域における障害者等の相談支援体制の構築に必要な理解と実践(大切にしたい31のチェック項目)」というものを作成いたしまして、これを市町村と基幹センター、官民共同で話し合っていただいて、現状の足元と今後の展望について考えていただくような機会もつくっているところです。また、県のバックアップのところでは、県にアドバイザーを設置していただいて、少し外部から助言いただくような体制もあわせて進めていくところでして、それについては白江委員の事業所の方もアドバイザーに参画いただいているところでして、一緒に進めていければありがたいかなと思っています。本日頂いた御意見も踏まえ、この取組にも反映しながら、より一層推進を図っていきたいと思っています。
続きまして、新銀委員から頂きました質問について、相談支援専門員の担当件数は今後どういう見通しかというところでございます。ケアマネが対応されたということはもちろん承知していて、その動向も踏まえながら我々も検討していくところですが、我々の足元の状況については今年度調査研究事業を実施しており、現状を把握するとともに、来年度報酬改定検討チームで議論もされていくところですし、今後障害者部会でも必要に応じて対応していくところですので、基礎情報をまずは把握し、本日の御意見も踏まえながら今後検討していきたいと考えてございます。
最後、3つ目に仲根委員から協議会の当事者の参画について御質問いただきました。協議会には我々も当事者の参画を求めているところでして、その参画状況のデータとか委員の構成の状況については協議会のガイドラインなどに資料があったかと思いますが、すみません、手元にないので提供できるデータを確認して、追って提供させていただきたいと思います。
私からは以上です。
○厚生労働省 続きまして、障害福祉課で虐待防止を担当しております松崎と申します。
まず石橋委員から、虐待通報に関する窓口として手話言語で問合わせができる手話リンクを取り入れてくださいといった御意見がございました。通報窓口につきまして、障害者虐待防止対策支援事業として市町村に設置されております障害者虐待防止センターの体制整備について補助しているところでありまして、同センターを含めて各自治体において様々な障害特性に対応するために必要な窓口の整備に努めていただいているものと考えておりますが、当方からも自治体に対して手話リンクでの通報を受けられるようにするなどの取組を働きかけることを検討したいと思います。貴重な御意見をありがとうございます。
続きまして、米山委員と新銀委員から、障害者虐待防止法における障害者虐待の対象範囲に関する御質問を頂きました。こちらにつきましては平成29年度に障害者虐待防止法の附則2条に関する調査研究事業を実施いたしまして、障害の有無に関係なく利用する機関においては、障害者への虐待のみが通報対象となる不整合が生じることや、各機関における虐待に類似した事案を防止する既存法令と重複する部分の調整の必要性が生じることといった課題が指摘されまして、まずは既存の法制度において対応可能なことの充実強化を図り、運用上の改善を進めることとされたところで、そのように取り組んでいるところでございます。その後、御承知のとおり精神科病院や保育所等における虐待防止措置が各法で講じられたところでございます。今後のことについてこの場で何か確定的に申し上げることは難しいですけれども、引き続き障害者に対する虐待の防止に努めてまいりたいと思います。貴重な御意見をありがとうございました。
以上でございます。
○厚生労働省 続きまして、障害福祉課の青木と申します。施設入所支援や短期入所を担当しております。
私からは資料2-2で岩上委員から記載いただいた資料の部分で、1ページの一番下にあります7-(3)-1で、政府報告に関する総括所見では、施設に入居させるための予算の割当てを地域社会で生活するための整備や支援に再配分することにより、施設入所を終わらせるための措置を要請されているがどのような見解かという部分でございます。9月に取りまとめられました「施設の在り方検討会」の議論のまとめにおきましても、その中で施設や地域生活支援に関わる具体的な報酬等の在り方については、施設や地域生活支援に係る障害福祉サービスの費用の実態ですとか、限られた予算の中で実現可能性等も考慮しつつ、次期報酬改定に向けて検討するとなっておりますので、その方向で検討していきたいと考えております。
また同じく2ページ目の一番上にあります地域移行の関係で、入所施設の価値観を変えるための手だてというものでございますが、令和8年度から地域移行の意向確認が施設入所の方に義務づけられまして、また担当者の選任や施設において指針の策定などが義務化されますので、そういう取組によって地域移行を進めていきたいと考えております。
続きまして、白江委員からございました短期入所の関係でございますが、令和6年度の報酬改定におきましても、福祉型でやっていただくよう新たな類型として福祉型強化短期入所の類型の追加や、福祉型短期入所サービスについて医療的ケア児者を受け入れて対応している場合の加算の拡充などの措置をしたところでございます。まだまだこれでは不十分という声も聞いておりますので、その点につきましては次期報酬改定の中で関係者の皆様の声を聞きながら対応していきたいと考えております。
私からは以上でございます。
○厚生労働省 厚生労働省障害福祉課で訪問系サービスを担当しております平山と申します。よろしくお願いいたします。
私からはまず金丸委員から、行動援護の関係でのヘルパーが見つからないという、人材不足関係の御質問を頂きました。行動援護に限らず障害福祉全般ではございますが、これまでも魅力発信の補助事業等に取り組んでいるところではございますが、今年6月の骨太の方針の中で障害福祉人材の人材確保ですとか処遇改善等について2025年内に結論を得るということで、今、検討を進めているところでございます。障害福祉人材の人材確認に向けて検討を進めているところでございますので、引き続き検討を重ねてまいりたいと思っております。
次、平野委員の国庫負担基準関係の御質問でございます。こちらは障害者総合支援法、その前の障害者自立支援法のときからあったものでありますが、訪問系サービスにつきましては国の費用負担を義務化する一方で、財源に限りがあるところもありますため、国費を公平に配分し、市町村下のサービスのばらつきをなくすために、国と自治体との精算基準ということでの国庫負担基準を定めているところでございます。これまでも報酬改定の中での検討の際に、重度訪問介護を使っている方、重度障害者等包括支援を使っている方が多い自治体にはかさ上げの加算率を設けたり、あとは小規模の市町村には別途補助金等を設けたり、必要な見直し、制度を設けているところでございます。こちらにつきましては超過負担をできる限りなくすことは必要がある一方、障害のある皆様方にサービスが届くというところも必要でありますので、そういった実態を見ながら必要な方が障害福祉サービスを受けられるよう引き続き努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○厚生労働省 厚生労働省年金局事業管理課給付事業室の大平と申します。障害年金を担当させていただいております。
私からは大黒委員から御指摘いただきました2点についてお答えさせていただきます。
まず障害年金の判定方法についてですけれども、障害年金については傷病名によらず障害の状態で判定を行っており、引き続き様々な御意見を伺いながら適切に対応してまいりたいと考えています。
もう1点、障害年金制度について、リーフレットの配布を検討するようにという御指摘ですけれども、これにつきましてもどのような形で対応できるか検討してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○厚生労働省 厚生労働省障害福祉課でグループホームを担当しております馬場と申します。
日比委員から、グループホームの日中サービス支援型におけます障害種別や障害者支援区分につきまして事前に資料を提出させていただきました。先ほど委員からその状況の御報告を頂いたところでございます。厚生労働省におきましては、地域において介護などの援助を必要とする重度の障害者の方がグループホームで生活できるよう、基本報酬や重度障害者支援加算などこれまで見直しを行ってきたところでございます。次期基本指針や報酬改定に向けまして、皆様からいろいろな御意見を伺いながら検討を行っていきたいと考えております。
○厚生労働省 厚生労働省精神保健課の堀と申します。
岩上委員からの御指摘について御回答いたします。事前に頂いた内容をありがとうございました。まずしっかりと受け止めさせていただきたいと考えております。その上で頂いたものに沿って回答させていただくと、まず医療観察法の附則に触れられた御指摘がございましたが、こちらの御指摘は精神保健医療福祉の水準の向上を図っていくものとされておりますところ、精神保健医療福祉の水準の向上を図っていくことが重要であることは認識しておりまして、例えば令和6年4月に施行されました改正精神保健福祉法におきましては、精神障害者の方の希望やニーズに応じた支援体制を整備するために包括的な支援の確保を明確化するほか、医療保護入院における入院期間の法定化、地域援助事業者の紹介義務等の退院支援措置の取組、精神科病院における虐待防止措置の義務化や虐待を発見した場合の都道府県等への通報義務の取組、入院者訪問支援事業の創設等を定めたところです。また今後につきまして今後の精神保健医療福祉について、現在、御存じのことと思いますが、「精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会」におきまして議論しておりまして、今後も当事者の方を含む関係者の御意見を聞きつつ検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
また障害者権利条約の総括所見の勧告について非同意入院についても御指摘があったところですが、入院制度につきましても、まず障害者総合支援法の附則の3条において検討規定を設けているところでございまして、また今後について、現在、「精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会」におきまして非自発的入院の課題や今後の在り方を含む今後の精神保健医療福祉の政策について議論しておりまして、今後も当事者の方を含む関係者の御意見を聞きながら検討を進めたいと考えているところでございます。
○厚生労働省 同じく精神・障害保健課の地域の精神医療や精神保健を担当しております古屋と申します。
私からは新銀委員から頂いた御質問2点と内布委員から頂いた御意見2点について発言したいと思います。
まず新銀委員から頂いた家族会活動の支援に対してですけれども、家族会支援の取組につきましては、地域の状況によってその取組内容が異なっているため、具体的なロードマップをお示しすることは難しいと考えておりますが、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業で都道府県等に対して補助金を交付しているところです。その事業の中で都道府県等において保健・医療・福祉関係者による協議の場の設置を必須としているところです。その協議の場につきましては当事者や御家族のニーズを踏まえた支援体制を構築することも非常に重要であると考えておりまして、その協議の場へ当事者やピアサポーター、御家族が参画するように推進しているところでございます。また同事業において都道府県等が行う家族等の活動支援の活用に係る事業などへも補助金を交付しております。
次に、精神科救急医療体制の整備に関する御質問に対してですが、精神科救急医療の提供の在り方は都道府県によって大きく異なっており、地域の実情を踏まえてどの地域でも精神科救急医療が受けられる体制を整える必要があると考えております。そのため精神科救急医療体制整備事業として都道府県・指定都市を通じ、精神科救急医療や精神科救急情報センターに対応する医療機関等を支援しています。また、精神科救急を含め、精神疾患の医療体制については、医療計画に基づき都道府県において整備を進めております。今後も必要な検討や支援を行うとともに、適切な精神科救急医療体制が整備されるよう努めてまいります。
内布委員の御意見について、さきに精神科救急医療圏及び精神医療圏の適切な医療圏の設置が必要ではないかという御意見に対して、精神科救急医療圏は都道府県などにおける各年度の精神科救急患者や身体合併症患者の状況、圏域の人口、地理的状況などを総合的に評価した上で圏域を設定することとしています。まずは二次医療圏の状況やそれぞれの医療機能及び地域の医療資源の実情を丁寧に把握することを促すなどの対応を進めてまいりたいと考えております。
最後に、入院中の精神障害者の早期退院、高齢の入院者の退院支援についての具体的な対応策についてですが、高齢の長期入院者への退院支援に当たっては、当該患者の意向を尊重しつつ、病状なども十分に踏まえた上での対応が求められる点に留意しつつ、地域移行に取り組む必要があると考えております。入院患者の退院促進や地域移行の観点から医療・障害福祉・介護などのサービスをその病状などに応じて切れ目なく受けられるようにするための体制整備に今後も努めてまいりたいと思います。
以上です。
○厚生労働省 続きまして、同じく精神・障害保健課で入院を中心とした精神医療を担当しております岡本と申します。よろしくお願いいたします。
私から2点御回答させていただきたいと思います。
まず1点目なのですが、入院者訪問支援事業について、本日ないしは事前に御質問を佐々木委員、内布委員、田中委員、平野委員から頂いております。誠にありがとうございました。入院者訪問支援事業は、市町村長同意による医療保護入院者等の求めに応じて、医療機関外の第三者である訪問支援員が入院中の精神科病院を訪問し、入院者本人の話を丁寧に聞くとともに、必要な情報提供等を行うことを通じ、自尊心の低下や孤独感、日常の困りごと等を解消することを主な目的としております。このため退院に向けた直接的な支援を目的とする事業ではございませんが、ある自治体がアンケート調査を行った結果、既に実際に利用された利用者の方より、気持ちが明るくなったというような前向きなお声を多く頂いたという結果が寄せられているところでございます。実施主体は都道府県・指定都市にはなるのですが、その実績につきまして厚生労働省が令和7年6月に実施した自治体に対する調査によりますと、まず訪問支援員の養成を行う入院者訪問支援員養成研修の実施状況は、令和6年度中に39自治体が実施を行っており、令和7年度中に23自治体が実施予定となっております。訪問支援員の派遣の実施状況につきましては令和6年度中に30自治体が既に派遣を開始されておりまして、今年度、令和7年度中に22自治体が派遣開始予定となっております。また令和6年の実績につきまして、派遣を開始した自治体のうち、実際に訪問支援員を派遣した実績があるのは29自治体であり、同年度における派遣実績につきましては、訪問回数が1回から5回未満というまだ始まったばかりの自治体は8自治体、5回以上10回未満が12自治体、10回から50回未満が6自治体、50回以上の訪問実績があったのが3自治体という結果になっております。
また内布委員から、訪問支援には虐待を発見する可能性が極めて高い立場にいるという御指摘を頂きましたが、このような場合の対応につきまして入院者訪問支援員養成研修においては、訪問支援員は原則として本人の希望する活動を行いますが、虐待に関わる事案等、慎重な対応が求められる場合は、状況を事務局と共有し、客観的事実を確認した上で、法制度などを踏まえて協議の上で活動方針を決定するというように訪問支援員の対応についてお示ししているところでございます。引き続き訪問支援を希望する患者様に対して必要な支援が適切に届けられるよう支援体制の整備に努めてまいりたいと思います。
2点目なのですが、新銀委員から身体的拘束の件について御質問・御意見を頂いたところでございます。精神科病院における身体的拘束を含む行動制限の最小化は重要な課題であると考えております。精神保健・医療・福祉の様々な課題を幅広く検討する場として、令和6年度から「精神保健医福祉の今後の施策推進に関する検討会」を設置し、当事者や御家族、医療関係従事者を含む関係者の御意見を聞きながら検討を行っているところでございます。
以上でございます。
○厚生労働省 続きまして、障害者雇用対策課の原田と申します。
私からは、主に障害者雇用についての御質問にお答えさせていただきます。
まず岩上委員から事前に御質問を頂いていた件のうち、特に障害者雇用ビジネスについて我々の認識を説明させていただきます。障害者雇用ビジネスにつきましては、令和4年1月以降ハローワーク等において障害者雇用ビジネス事業者及びその利用企業の実態を把握しております。その把握において、利用企業が就業場所に自ら雇用する管理者を配置しないとか、障害者雇用促進法の理念に照らして疑義が残る事例もあった一方で、能力開発につながる例も確認しているところでございます。このため厚生労働省としては適正な雇用管理のために事業主に望まれる取組の方向性等をリーフレットにまとめて指導・助言などに活用しているところですが、障害者雇用ビジネスについては、現在、開催している「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」の中でも具体的に議論することを予定しておりまして、これまでに御指摘のガイドラインの作成や規制の要否の検討の必要性など、様々御意見として頂いています。その一方で、障害者雇用ビジネスの業界団体による適正化を目指す動きも生まれていることを踏まえまして、研究会において引き続き議論させていただきたいと考えております。その中で特例子会社との関係あるいはA型の関係も十分認識しながら議論を進めていきたいと考えています。
続きまして、内布委員から雇用の質に関しての御質問を頂きました。障害者雇用を進めていく上で、障害者一人一人が希望や特性に応じて能力を有効に発揮して活躍することは非常に重要であると考えております。障害者雇用促進法においては、既に事業主の責務として雇用する障害者に対して適正な雇用の場を提供するのみならず、その能力を正当に評価し、適正な雇用管理、それから職業能力の開発及び向上に努めなければならないとされています。また障害者である労働者は経済・社会を構成する労働者の一員として職業生活においてその能力を発揮する機会を与えられるものである、こういうふうに規定されています。こうした理念の下、具体的な施策を進めていくわけでございますけれども、こちらも先ほど御紹介いたしました研究会において雇用に関する質の向上に向けてどのような施策を取っていったらいいのかについては具体的に議論を進めていますので、こちらについても厚生労働省の研究会で一定の取りまとめを行っていきたいと考えてます。
続きまして、初瀬委員より就職支援コーディネーターの見込みなどについて御指摘を頂きました。ハローワークにおける就職支援コーディネーターの配置数が適切かとの御質問ですが、障害者向けチーム支援を行う就職コーディネーターをはじめとする相談員という身分は非常勤職員でございますけれども、その配置については求職や求人の状況また障害種別なども踏まえた専門性の強化の観点や、ハローワーク内での他の部門との連携強化、それから相談員のみならず常勤職員の配置などによるチーム体制そのものの強化なども総合的に鑑みた上で毎年配置数を検討し、その結果を踏まえた上で配置しているものでございますので、現在の配置数になっているというところでございます。今後も毎年の状況ですとかハローワーク全体の体制の方針も見ながら、障害者の就労支援が効率的かつ効果的に行われるように相談員の配置に取り組んでまいりたいと考えております。
続きまして、チャレンジ雇用について御指摘を頂きました。チャレンジ雇用に関しては、申し訳ございませんが、チャレンジ雇用のみならず国と地方の障害者雇用全体の取組の中で行われているものでございますので、全体の取組を御紹介いたしますと、国や地方公共団体に対しては自ら率先して障害者雇用を行う立場にあるということが障害者雇用促進法の中に明記されてございます。これに基づきまして各機関において障害者活躍推進計画を各機関が作成しております。代表してどこかの省庁から報告をという御指摘をいただきましたので、厚生労働省における計画において何が書かれているかを簡単に御紹介させていただきますと、チャレンジ雇用を含めまして、職員の募集・採用に際しては、引き続き障害特性に配慮した職務選定や選考における合理的配慮等により知的障害者、それから精神障害者及び重度障害者の積極的な採用に努めるということにしております。2024年度のフォローアップとして知的障害者に関しては、選考時において付添人の来場許可や控室の用意、面接時に就職支援機関の職員等の同席を許可するなどの合理的配慮を行っております。こうした取組の上で令和6年6月1日現在の任免状況通報における知的障害者は171.0人、精神障害者は594.5人などとなっております。知的障害者等の採用や障害についての理解促進のために、また特別支援学校の見学会なども参加を呼びかけていたりします。御紹介としては以上になります。
続きまして、清田委員から御指摘を頂いた、中小企業における雇用の状況、それからその支援をどのようにしていくかという御指摘です。御指摘のとおり中小企業は特に障害者雇用のノウハウが不足している企業が多いですが、新たな雇入れのための支援が必要な企業に対しては、清田委員も御指摘いただいたとおり、障害者の適切なマッチング、職場定着を図る観点から、特に障害者雇用がいまだゼロの企業に対して、地域の関係機関と連携して募集の準備段階や採用の定着支援までの一貫した支援を行う企業向けチーム支援をハローワークにおいて実施しております。また令和6年4月から雇入れなどを図るために必要な一連の雇用管理に関する相談援助事業も開始しており、それに伴う助成金の支給も開始しています。こういった取組を通じて引き続き中小企業の雇用の促進のための支援を行ってまいりたいと考えています。
続きまして、永井委員から幾つか御指摘を頂きました。まず障害者就業・生活支援センターの体制強化でございますが、力強い御支援のお声を頂きまして、誠にありがとうございます。同センターにつきましては各障害保健福祉圏域に1つ以上配置するという方針を取っておりますところ、現在、339か所設置しております。こちらは去年よりも1あるいは2増えている状況でございます。予算確保についても引き続きしっかり確保させていただいて、地域の障害者就労支援に貢献できるように努めていきたいと考えております。
また、事業主による虐待が認められた事業所数に関しての御指摘もございました。記載しておりますのは令和6年度の事業所数でございますけれども、直近の推移としては、例えば令和2年度ですと401事業所、令和3年度においては392事業所、令和4年度においては430事業所、令和5年においては447事業所となっておりまして、直近と比較しても横ばい、あるいは減っている部分もございますけれども、直近で最も多かった平成29年度の597事業所と比較すると減少していると認識しております。一方で、虐待が認められた事業主に対してしっかり措置をすることは当然でございまして、労働局において何らかの措置は講じております。内訳を全て御紹介することはできないのですけれども、例えば令和6年度においては労働基準関係法令に基づく指導等を行った事例あるいは障害者雇用促進法に基づく助言指導を行った事例、こういった措置を施しているところでございます。
続きまして、経団連の長谷川委員の御指摘を頂いていると承知しております。まず特例子会社における取組について幾つか好事例を御紹介いただき、大変感謝申し上げます。こちらについては御指摘のとおりJEEDにおける表彰制度における事例として紹介したり、あるいは特例子会社も取得できますもにす認定、こちらは一覧についてホームページにおいて公表している状況でございます。幾つかの労働局においては事例集をまとめているのを承知していますが、どういう形で横展開ができるかについては引き続き我々のほうでも十分検討したいと考えております。
最後に、達成企業割合の目標の立て方、とりわけ「障害者政策委員会」における基本計画の目標に関する御指摘を頂いていたと思っております。まず雇用率の引上げに関しては、企業において雇用の取組を積極的に行っていただいていることについて大変感謝申し上げております。とりわけ1,000人以上の大企業は達成企業割合が最も高くなっていることについては私のほうでも御紹介させていただきたいと思いまして、取組を進めていただいているという状況であると認識しております。その上で達成企業割合の目標については、雇用率の引上げ状況などによって達成企業割合が影響を受けることについては重々承知しております。こちらの委員会ではございませんけれども、「労働政策審議会障害者雇用分科会」においても、毎年の目標を設定して、その際除外率などの影響も加味しながら設定しているところでございます。障害者基本計画においては、5か年の計画であることと計画の時期との関係で、目標の設定について全ての要素を考慮することには課題があると認識しておりますけれども、障害者雇用においてどのような促進があるべきかも踏まえながら、企業の取組状況もしっかり評価した上で、次回以降の目標においてどのように設定すべきかはしっかり検討するとともに、併せてどのような目標であろうが雇用の促進に向けて特に課題のある企業、とりわけ最初に御説明しました中小企業における支援について、しっかり既存の取組などを着実に取り組んでまいりたいと考えております。
すみません、長くなりましたが以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷です。
今、時間が超過しておりますが、厚生労働省からの回答までを今日行いまして、本日回答し切れなかった点、こども家庭庁、文科省、内閣府などにも御質問を頂いていますが、それは後日積み残した質問ということで文書で回答させていただきたいと思います。
それでは、厚労省の方、引き続きお願いいたします。
○厚生労働省 厚労省はオンラインでも参加している部局がいるかと思うのですけれども、そちらからもしあればお願いいたします。
○厚生労働省 恐れ入ります、医政局地域医療計画課の救急医療係の作山と申します。
資料7-(3)-1に関わります「必要な時に救急医療が受けられる体制整備を推進する」とあるが、どのようなことをしているのかというところで回答を申し上げたいと存じます。救急医療体制につきましては各都道府県で策定する医療計画に基づきまして、夜間に比較的軽症の患者さんを受け入れる初期救急、そして入院を要する救急患者を受け入れる二次救急、重篤な患者を受け入れる三次救急と大きく3つ役割を明確化して、その地域において効率的かつ円滑に重症心身障の児童さんだけでなく、患者さんを受け入れる体制整備を図るための都道府県に対しての補助金等を通じて支援を行っているところでございます。また総務省・消防庁さんとも連携いたしまして、メディカルコントロール体制で、例えば消防庁さんのほうで患者さんを観察していただいて、適正な処置と搬送先の選定をしていただいているところと認識しておりますが、万が一現場の救急隊の方たちが選定先や処置の実施に困ったときに、医療機関の救急の医師にすぐに連絡を行って指導・助言を得られるような体制づくりを実施しております。適正に今後も必要なところとも連携して実施していきたいと思っているところでございます。
回答としては以上でございます。
○熊谷委員長 熊谷でございます。
途中で何度も割り込んで申し訳ございません。会場の関係で、すみません、途中で申し訳ないのですが、一旦ここで回答の時間は区切らせていただきたいと思います。厚労省からの回答も途中で終わってしまって恐縮ですが、残りの部分に関しては、大変恐縮ですが後日文書の形で事務局に御提出いただければと思っております。司会の不手際で大変申し訳ございませんでした。時間を超過してしまいましたが、これで本日の議題は全て終了となります。
最後に、事務局から事務連絡をお願いいたします。
○古屋参事官 事務局の古屋でございます。
本日時間オーバーとなってしまいまして大変申し訳ございません。
次回の「障害者政策委員会」につきましては、令和8年1月29日を予定しているところでございます。改めて御案内申し上げますので、何とぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
○熊谷委員長 それでは、これをもちまして第86回「障害者政策委員会」を閉会いたします。オンラインで御参加の委員におかれましては、画面の電話マークをクリックして御退出をお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。