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障害者政策委員会第1小委員会(第1回)議事録

三浦座長 時間となりましたので、「障害者政策委員会第1小委員会」の第1回会合を開会いたします。委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

本日の会議は15時30分までの2時間を予定しております。

いつものお願いになりますけれども、小委員会の開催に先立ちまして、1点お願いがございます。本小委員会におきましても、情報保障の観点から、「障害者政策委員会」と同様に、各委員が発言を求めるときはまず手を挙げていただき、指名を受けた後に、御自身のお名前を述べられてから、可能な限りゆっくりと御発言いただきますようにお願いいたします。

委員の皆様方には、先日、事務局を通じて御連絡させていただきましたが、石川委員長と委員長代理3名で相談した結果、各小委員会の座長は委員長代理が務めることとさせていただきました。この第1小委員会については、私、三浦が担当させていただくことになります。ふなれではございますけれども、委員の皆様方に忌憚のない御意見をいただいて円滑な会議運営に努めてまいりたいと思いますので、どうか御協力をよろしくお願いいたします。

続きまして、専門委員について御報告いたします。

第1回の総会で議決されましたとおり、各小委員会の審議においては、それぞれの分野に専門的な知見を有する有識者の方々に専門委員として議論に参加していただくこととしております。専門委員を加えました本小委員会の構成員の一覧は、資料として、参考資料1としてお手元にお配りしているとおりです。御紹介とさせていただきます。

それでは、副座長について確認させていただきます。

この第1小委員会の円滑な運営を図るために、石川委員長とも御相談の上、個人資格にて参加されている委員のうち、棟居委員に本小委員会の副座長として私のサポートをお願いしたいと考えておりますが、皆様、よろしいでしょうか。

(拍手多数)

三浦座長 ありがとうございます。

それでは、議事に入る前に本日の議題及び資料について、事務局より御説明をお願いします。

東室長 どうもこんにちは。担当室の東と申します。

今日の議事等について御説明申し上げます。

最初に、お配りした資料の中で「障害者政策委員会第1小委員会(第1回)議事次第」という1枚物があるかと思います。開いていただけますでしょうか。

この小委員会の位置づけについて若干御説明申し上げます。御承知のとおりでありますが、「障害者政策委員会」では、平成25年以降の新たな基本計画の在り方につきまして内閣総理大臣に意見を述べるということになっております。このうち、基本計画の各論に関する部分の検討につきましては幅広い分野についての検討が必要なため、当該分野における専門家も交えつつ、障害者基本法の条文に基づいてグループ分けして議論するといったことになっております。

この第1小委員会では、基本法の条文のうち、第16条の教育と第25条の文化的諸条件の整備等に関する政策について検討を行うということになります。

小委員会の運営については事前にお知らせしたとおりでありますが、委員長及び小委員会座長と相談した結果、小委員会における審議を効率よく進めるために、3回の小委員会では、あらかじめ時間、論点を決めた上で、毎回各論について議論を行うということにしております。

本日の小委員会につきましては、前半において関係省庁からの本分野の施策に関する概括的な説明を聴取した後、この小委員会で今後議論すべき論点について御議論いただき、後半は最初の論点に関する審議を行うという予定でおります。

議事次第の2というところに「本分野の施策に関する概括的な説明」というのがありますが、これに関しましては、この分野を担当する文部科学省から、現在の取り組み状況、これまでの進捗状況等について概括的な説明をいただきます。

資料1 障害者基本計画

資料2 障害者基本計画の推進状況(抜粋)~平成22年度~

資料3 障害者基本計画に基づく「重点施策実施5か年計画」の進ちょく状況(抜粋)~平成22年度~

というものがありますが、この議題に関連するのが以上の資料です。

次に、議題3というところに「小委員会で議論すべき論点について」とありますが、以上の文科省からの説明を踏まえて、時間的な制約がある中で効率的に調査・審議を進めるために、本小委員会に特にどのような点について議論すべきか、関係省庁の意見も聴取しつつ、委員間で議論していただきたいと思っております。

これに関する資料としましては、

資料4 小委員会で議論すべき論点(案)

資料5 論点案に関する委員意見

というものをお配りしているかと思います。

以上の点まで、1時間ほどの時間を見込んでおります。

議事次第の4につきましては、「初等中等教育におけるインクルーシブ教育システムの構築について」という議題が載っておりますけれども、これに1時間をかけるといったことで考えております。

1つ目の論点ということで、「論点<1>:初等中等教育におけるインクルーシブ教育システムの構築について」を議論していただくわけですが、この時間帯で冒頭に文部科学省からこの点に焦点を当てた御説明を受けた後、委員間で議論していただくという予定にしております。

資料6 論点<1>に関する文部科学省資料

資料7 論点<1>に関する委員意見とが関連資料となっております。

なお、このほかに参考資料1として小委員会構成員名簿、2として障害者基本法の抜粋をお手元に配付しているかと思います。

議題、資料についての御説明は以上のとおりです。資料で足りないものがあれば事務局にお申し出ください。

また、専門委員の皆様の席上には、専門委員としての辞令を封筒に入れて置いてありますので、あわせて御確認いただければと思っているところです。

以上です。ありがとうございます。

三浦座長 ありがとうございました。

それでは、早速、議事に入りたいと思います。

第1小委員会で扱う分野の施策について、文部科学省から概括的な説明、全体をまとめ、かいつまんで御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

大山課長 ありがとうございます。

それでは、お手元の資料の資料2と資料3に基づきまして御説明させていただきたいと思います。文科省初等中等教育局特別支援教育課長の大山でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

資料2「障害者基本計画の進捗状況(抜粋)」でございます。文部科学省の関係部分について御説明をいたします。

1ページの「1 啓発・広報」でございます。本小委員会に関係する内容といたしましては、交流教育の実施など、小・中学校等における学校の教育活動を通じまして、障害者に対する理解を深める活動等の状況を記載しております。

たくさんございますので、例えばということで御紹介を幾つかさせていただきたいと思いますが、交流及び共同学習を位置づけた新学習指導要領の実施ですとか、1ページ真ん中あたりにございますが、国立特別支援教育総合研究所によります交流及び共同学習推進指導者研究協議会の実施、さらには、同じくこの資料の下の方にございますが、特別支援学校等の児童生徒が交流学習に参加する場合の交通費の補助などの取り組みを実施しております。

2~3ページにかけまして、「2 生活支援」でございます。本小委員会に関係します内容としては、例えば障害者の利用しやすい施設・設備の整備の促進ですとか、文化芸術活動の講演、展示等におけるさまざまな工夫や配慮の促進、さらにスポーツ関連行事や文化芸術関連行事の充実、支援等についての状況を記載してございます。

こちらも幾つか例で拾わせていただきますと、2ページ、告示を定めまして、各博物館や美術館におきまして障害者等の利用のために必要な施設や設備を整備するのを促進すること、また、障害者が講演を鑑賞しやすい場の提供、さらに3ページに記載がございますが、日本障害者スポーツ協会等と共催で、障害スポーツ全国会議を開催するといったような取り組みを実施しているところでございます。

4~11ページにかけまして、「4 教育・育成」について記載がございます。<1>~<5>に分けて御説明をいたします。

4~5ページの「<1> 一貫した相談支援体制」の整備のところでございますが、ここでは関係機関の役割分担の下に個別の支援計画を作成して行う支援、また、障害のある子どもや保護者に対する乳幼児期から学校卒業後までの一貫した相談支援体制の構築等についての状況を記載しております。

例えば4ページ、特別支援学校の学習指導要領等におきまして、全ての幼児、児童生徒について個別の教育支援計画を策定することを規定するといったこと、また、特別支援教育体制推進事業という事業の実施によりまして、乳幼児期から就労に至るまでの一貫した支援体制を整備すること、関係機関との連携によりまして、授業方法の工夫や就労支援などの具体的な支援の在り方について検討を行う事業といたしまして、高等学校における発達障害支援モデル事業の実施などの取り組みを進めてございます。

6~7ページにかけまして、「<2> 専門機関の機能の充実と多様化」について記載してございます。ここでは、障害の重度・重複化や多様化の状況を踏まえまして、教育・療育機関の機能の充実・体制整備、また特別支援学校のセンター的機能の強化などについての状況を記載しております。

ここも幾つか例を御紹介いたしますと、6ページに、平成19年4月施行の学校教育法一部改正によります従来の盲・聾・養護学校の制度から複数の障害種別に対応することができます特別支援学校制度への転換、特別支援学校がその専門性を生かして、地域の小・中学校等に対する支援を行いますセンター的機能の位置付け、さらには、盲・聾・養護学校ごとの教員免許状を特別支援学校教諭免許状に一本化するなどの取り組みを実施してございます。

7~8ページにかけまして、「<3> 指導力の向上と研究の推進」でございます。ここでは、学校外の専門家等の人材の活用や、一人一人の教員等の専門性の向上、また、国立特別支援教育総合研究所や大学における研究の推進とその成果等の情報提供等についての状況を記載しております。

例えば7ページ、特別支援教育総合推進事業といいます事業によりまして、教育、医療、福祉等の関係機関の連携による支援体制の構築や、外部専門家を活用しました巡回相談等の実施。

同じく7ページ、国立特別支援教育総合研究所におきまして、発達障害教育指導者研究協議会や、特別支援教育コーディネーター指導者研究協議会などの専門的な研修を実施していますほかに、8ページ、国立特別支援教育総合研究所におきます研修講義のウェブサイトによる配信などの取り組みを実施しております。

8~9ページにかけましては、「<4> 社会的及び職業的自立の促進」について記載してございます。ここでは、教育、福祉、医療、労働などの幅広い観点から適切な支援を行う個別の支援計画の策定など、一人一人のニーズに応じた支援体制の構築、また、後期中等教育及び高等教育への就学支援、地域における学校卒業後の学習機会の充実等についての状況を記載しております。

例えば9ページ、幼稚園、小・中・高等学校の学習指導要領等におきまして、障害のある児童生徒について、個別の教育支援計画を作成することなどによりまして、障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的、組織的に行う旨を規定して実施したところでございます。

10~11ページにかけましては、「<5> 施設のバリアフリー化の促進」について記述してございます。ここでは、教育等施設のバリアフリー化の推進、機器・設備等の整備の推進についての状況を記載してございます。

10ページ、学校施設のバリアフリー化に積極的に取り組んでいる地方公共団体の活動状況を紹介した事例集の作成・周知、特別支援学校施設整備指針の改訂・周知。また、特別支援学校や小・中学校の施設整備事例を紹介した事例集の作成・周知、さらには学校施設のバリアフリー化に係る取り組みを国庫補助の対象にするといった取り組みを進めております。

12~14ページにかけて、「5 雇用・就業」について記述してございます。本小委員会に関係する内容といたしましては、教育現場における障害者雇用の拡大、障害者の雇用促進に向けた関係機関の連携、また、在学中から卒業後を通じた適切な支援、高等教育機関等の試験等における配慮等についての状況を記載しております。

例えば12ページには、個別の教育支援計画の策定の促進を行います特別支援教育総合推進事業の実施、14ページ、大学入試センター試験や各大学の個別試験での配慮などの取り組みを行っております。

資料の最後になりますが、15ページ「6 保健・医療」です。本小委員会に関係する内容といたしましては、学校において、学校保健安全法に基づきます健康診断が毎学年定期的に実施されているところでございます。

次に、もう一つの資料3「障害者基本計画に基づく『重点施策実施5か年計画』の進ちょく状況(抜粋)~平成22年度~」をごらんください。これまでに御説明いたしました資料2の基本計画の進捗状況と重なる部分もございますので、重複する部分につきましては説明を割愛させていただきたいと存じます。

1ページの「1.啓発・広報」、こちらは説明を割愛いたします。

1~2ページにかけましての「2.生活支援」、例えば1ページにございますが、放課後等に小学校等を活用して学習や体験交流活動を実施する「放課後子ども教室推進事業」の実施や、2ページ、民間組織・支援技術を活用した特別支援教育研究事業によります障害の状態等に応じた教材等の在り方及びそれらを活用しました効果的な指導方法等についての実証的研究などを実施してございます。

また、3~5ページにかけては、教育育成について記述してございます。例えば4ページ、学校と労働関係機関等が緊密な連携の下で、職業教育改善や、特別支援学校とハローワークが連携して新たな職域を拡大することなどを行います、職業自立を推進するための実践研究事業や、5ページ、特別支援学校の卒業後に直ちに就職が難しいと考えられます就職未内定者に就労に必要とされる知識・技能等を付与するために、各都道府県の職業能力開発主管部と各都道府県の教育委員会等が連携を強化するように、文部科学省と厚生労働省とで連名の通知を発出したりもしております。日本学生支援機構によります「障害学生修学支援ネットワーク」の推進などの取り組みも実施しております。

最後ですが、資料の6~7ページにかけまして、「5 雇用・就業」について記述しております。

6ページですが、特別支援学校の高等部学習指導要領におきまして、地域及び産業界や労働等の業務を行います関係機関等との連携を図り、長期間の実習を取り入れるなど、就業体験の機会を積極的に設けることや、家庭及び地域や福祉、労働等の業務を行います関係機関との連携を十分に図りつつ、計画的、組織的な進路指導を行い、キャリア教育を推進することを規定しておりますほか、7ページ、高等学校における発達障害のある生徒に対して、大学や労働関係機関等と連携して、ソーシャルスキルの指導や授業方法、教育課程上の工夫、また就労支援等、全国の高等学校の参考となるような具体的な支援の在り方について検討を行う高等学校における発達障害支援モデル事業を実施しているほか、大学において障害のある学生の就労支援に関して、日本学生支援機構のホームページにおきまして、ハローワークにおける就職情報の提供と職業相談の実施や、就職活動支援ウェブサイト等の学外機関の活用について、大学の担当職員等に周知するなどの取り組みを実施しております。

以上で説明を終わります。

三浦座長 ありがとうございました。

ただいまの御説明に対して御質問などがありましたらお願いいたします。

なお、第1小委員会で議論すべき論点については後ほど御審議いただくことを予定しておりますので、御質問におとどめおきいただきたいと思います。どなたかございませんでしょうか。

尾上委員、どうぞ。

尾上委員 尾上です。どうも御説明をありがとうございました。

尋ねたいというか、次の新しい計画をつくる際の基本視点みたいなこととも関係しますので確認をお願いします。昨年、改正をされました障害者基本法の改正では、去年の6月15日、衆議院の内閣委員会で、その当時の末松担当副大臣がこうおっしゃられています。16条改正というのは、障害者である児童生徒が障害者でない児童生徒及び生徒と一緒に同じ学校の通常学級に在籍しながら教育を受けられるようにする。この基本方向を示したと答弁されているのです。

その点から考えたら、今回いただいた報告自体、10年前の計画のそれぞれの項目に対応したものだから仕方がないのかなと思ったりもするのですが、先ほどの大臣答弁で言われている同じ学校の通常学級に在籍しながら教育を受けられるように、こういった状況にあるお子さんがどれぐらいいるのかとかそういう項目自体が、先ほどいただいた報告の中では福祉教育の推進という項目で、交流教育の実施などということでちょっと出てくるぐらいで、まさにこの基本方向に対応した現状やどういう課題があるかみたいなことがわかるような資料をもう少しいただけないかなと思います。

あるいはもしそれがないとするならば、むしろ次の基本計画の項目として非常に重要な論点なのかなという感想を持ちました。もしそれにかかわる資料があれば教えていただければと思います。

三浦座長 大山課長、いかがでしょうか。

申しわけありません。一応お答えをいただきながら進めてまいります。

大山課長 ただいま尾上先生もおっしゃっておられましたように、今、私が御説明させていただきましたのは、10年前に策定された基本計画の項目に対応しながらの進捗の現状等について御紹介させていただいたということでこのような内容の御説明になっているというところでございます。

尾上委員 それでしたら、もし追加の資料で、現在、例えば地域の通常学級で在籍されて学んでおれる障害のあるお子さんの数や実態がわかるような資料をもし文科省の方でお持ちだったら、次回でも結構ですので、出していただけないでしょうか。

三浦座長 いかがでしょうか。御請求の資料を次回の委員会までにというお願いです。

大山課長 確認をいたしまして、可能な対応をさせていただければと思います。

三浦座長 ありがとうございます。

新谷委員、どうぞ。

新谷委員 質問です。施策の方を見ても出てこなかったのですけれども、就学猶予、就学免除者の数ですけれども、これからインクルーシブ教育を考えるときの基本的な理念にかかわる部分です。インターネットで見ると100%就学と言いながら、最近は就学免除者がふえてきているというようなことが載っていたのですけれども、実態がどうなっているのかわかれば教えていただきたいと思います。

三浦座長 文科省、どうぞ。

大山課長 質問ありがとうございます。今、手元に具体の数字を持ち合わせておりませんので、確認をさせていただきたいと思います。

三浦座長 それでは、次回の委員会までにということでよろしいでしょうか。

すみません、先ほど先に手が上がりました栗川専門委員、どうぞ御発言ください。

栗川専門委員 栗川です。

尾上委員の質問に関連しまして、私自身も普通高校で働いている視覚障害を持っている教員ですが、学校現場にどれほどの障害を持っている教職員がいるのかという実態について、校種別のデータ。これは雇用率ともかかわりますし、この後の合理的配慮の問題にもかかわると思いますので、その辺の基礎的なデータを、これも今日、あれば一番いいですが、なければ次回以降で出していただければと思います。

三浦座長 文科省、いかがでしょうか。

大山課長 恐縮です。何分、今日は10年前の障害者基本計画に対応してということで資料を御準備させていただいたものですから、今、手元にそういった細かいデータを持ち合わせておりませんので、あわせて確認をさせていただきたいと存じます。

三浦座長 よろしいでしょうか。

それでは、大谷委員、一木委員、小中委員の順で御発言いただきたいと思います。

大谷委員、よろしくお願いします。

大谷委員 大谷です。よろしくお願いします。

読み込み不足で、間違えていたら教えていただきたいのですけれども、推進状況と進捗状況という2つの資料をいただいたのですが、とにかく推進のための基本的な枠組みを決めて、それに基づいて進捗状況を図るという形で理解してよろしいのでしょうか。

そうすると、それを前提に初めて読み比べて見ると、資料2の9ページの上から3番目に、幼稚園、小・中・高等学校の学習指導要領において個別の教育支援計画を作成することをふやしていくのだというイメージだろうと思うのです。

3ページ、進捗状況を見ますと、小・中学校においては20%から50%まで上げる。高校の数字がないのはどうしてなのかなというのが素朴な疑問なのです。高校はどうしたのかなという、高校の策定率に関しては具体的な数字を挙げなかったのかが素朴な疑問なのです。

教育支援計画策定率なのですけれども、そもそも障害のある子がそこにいて、その子に対しては今まで教育支援計画は策定されていなかった。その子に対する支援計画を策定するということを挙げているのであって、障害のある子が小・中学校にどれぐらいふえてきて、それに対して計画を上げて、要するに分母の数字というか、これが具体的にどこを基本としているのか読めないので、どういう形ではじいているのかなと。そもそも障害のある子がそこにいて、そのうちの何%が策定されているのかどうかということだけなのか、そもそも全体としての障害児もふえている、それをもとにすれば、これだけパーセンテージが上がっていますとこういうふうになっているのか説明していただけたらと思います。

三浦座長 内容に関しての御質問ですので、文科省にお尋ねいたします。

文部科学省 すみません、担当から説明させていただきます。

今の1つ目のお尋ねの方向について数値がないということについては、この時点では高校については数値目標を定めなかったというような御理解をしていただければと思います。それが1点目の点に関してでございます。

個別の教育支援の計画の作成率をどのように出しているかということでございますが、それぞれの学校において、1人でも障害のあるお子さんがいらっしゃってつくっておられれば、その学校においては作成しているというような形でカウントしていただいている数値でございます。

以上でございます。

三浦座長 よろしいでしょうか。

それでは、続きまして、一木専門委員、御質問ください。

一木専門委員 専門委員の一木です。どうぞよろしくお願いいたします。

今までの流れと関連しているのですが、先ほど大谷委員が質問しました個別の教育支援計画の策定が特別支援学校、小・中学校でどんどん進んでいると思うのですが、具体的にどのようなものなのか、どのような様式で何が書かれているのかなど詳細を教えていただきたいなと思います。各自治体に任せているものだと思うのですが、策定が始まった際に文科省としてはどのようなものを想定して各自治体、教育委員会に対してどのような指導をしたのか、そしてその進捗状況をどのように把握しているのか。通知や書類等を次回にでも資料としても出していただきたいと思います。

加えまして、推進状況の4ページの右側の2つ目の○で、平成16年度に盲・聾・養護学校における個別の教育支援計画について(報告書)をまとめた。そして、その後、幼稚園、小・中・高等学校にも導入するとなっています。その際に、特別支援学校とは別に特別支援学級や普通学級用の様式モデルを策定して推進したのか。教えていただきたいと思います。

今後の論点で合理的配慮が入ってきますので、今後は個別の支援計画の中に合理的配慮についての記載が行われると思います。そうしますと、個別の教育支援計画の中身についての見直しも行わなければいけないと思います。

ごめんなさい、もう一点いいですか。尾上委員の質問に関係するのですけれども、今後は普通学級に障害のある子がどんどん入っていくことになりますので、普通学級に今後どのような予算づけとかしなければいけないのか、いろんな計画をどのように作るのかということを考えないといけないと思いますので、やはり実態調査が必要だと思うのです。今回、普通学級に学校教育法施行令22条3に該当する子の在籍率を文科省が出しましたけれども、それプラス、今、障害のある子どもが在籍している普通学級にどれくらいの予算が配分されているのかというような資料がもしありましたら提示していただきたいなと思います。

例えば普通学級に教員がどれぐらいの人数と時間が加配されているのかとか、バリアフリーの実施率とか補助具等の配置率。それに関連して、今、多くの保護者が付き添いをしていると聞いていますので、保護者の付き添いがどれぐらいなされているのかとか、把握されていましたら、そのような数字、調査結果を提示していただければと思います。よろしくお願いいたします。

三浦座長 御質問ありがとうございます。

個別の教育支援計画の内容と普通学級の中で障害のある子どもたちが学んでいる実態調査に関する資料と2つの御請求も合わせてですけれども、文科省、よろしいでしょうか。

大山課長 個別の教育支援計画についてなのですが、まさに子ども一人一人の支援をするためにということで、教育面だけではなくて、保健とか医療とかそういった面も含めての必要な内容が記載されているものになっております。

もう一つの御質問の方については、かなり細かい御指摘を頂戴いたしましたので、すぐに御用意できるもの、できないものがあるかと思いますので、精査というか確認をさせていただきたいと思います。

三浦座長 一木専門委員、よろしいでしょうか。

委員の意見書の中に個別支援計画に関しましては、4~5名の御意見が挙がっております。内容について詳しく知りたい、活用されているかも知りたいというような御意見ではなかったかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、小中専門委員、手を挙げていただいていたかと思います。

小中専門委員 専門委員の小中です。よろしくお願いいたします。

障害者基本計画の推進状況の6ページの最後の右側のところなのですが、「教育、福祉、医療、労働等の関係機関が連携し、障害のある子どもやその保護者に対する一貫した効果的な相談支援体制の整備を図るため」と書いてあります。

次の7ページのところに、「地域において一貫した効果的な支援体制を構築するために『地域における相談支援体制の整備のためのガイドライン(試案)』」となっています。この連携した相談の支援体制、ガイドラインの試案というのはどのような成果を上げているのか。試案どまりになっているが、今どのような状況になっているのかの説明をお願いします。

といいますのは、例えば聴覚障害に関する教育の場でも、早期に聴覚障害が発見された場合に、医療側の話が非常に強くありまして、連携が医療モデルの相談支援体制に偏っている面があります。社会モデルとしての相談支援に変えていかなければいけないと思っています。そういう意味でも、今の状況について知りたいと思っております。お願いいたします。

三浦座長 よろしいでしょうか。

大山課長 事業として既に、前者については13~15年度に実施、後者についても20年3月までに策定して一定の成果を上げて終了しているというところで、しかるべく現場等でも活用されていると認識しているところでございます。

三浦座長 よろしいでしょうか。

小中専門委員 小中です。

次回の会議にでも資料の提供をお願いします。

三浦座長 では、次回の委員会までにということでよろしいでしょうか。

大山課長 たくさん宿題を頂戴して、いずれも確認を一旦させていただければと思います。恐縮です。

三浦座長 どうかよろしくお願いいたします。

それでは、たくさん質問が上がりましたけれども、議論すべき論点もございますので、次の段階へと進ませていただきます。

まず、本小委員会におきまして審議を効率的に進めるために、事務局において第1小委員会で特に議論すべき論点の案を作成いただいております。

事務局より御説明をお願いします。

東室長 担当室の東です。

参考資料2をお開けいただきますと、障害者基本法の抜粋が載っております。本小委員会におきましては、障害者基本法の条文のうち、16条の教育、25条の文化的諸条件の整備の検討を行うということにされております。

この小委員会で議論すべき論点につきましては、資料4に論点案として<1>~<5>まで、その他の論点候補として<1>というものを挙げております。

本日の後半の部分を含めますと合計で5時間ほどの議論を行うことが可能ですが、1つの論点につき1時間ほど議論することとした場合、合計5つ程度の論点を扱うことが可能ではないかとも考えております。したがいまして、この5時間の時間の割り振りに関しては委員長及び座長とも御相談の上、今、申しました論点案というものを提示させていただきたいと思っております。

初等中等教育に関しましては、障害者権利条約のインクルーシブ教育システム構築の理念を踏まえ、昨年の障害者基本法の改正を受けまして、現在、文科省におきまして所要の検討が行われているものと承知しております。このため、本日の後半におきましては、論点<1>として現在の検討状況や取り組み状況について御説明を受けた後、さらに個別の事項につきましては、論点<2>及び論点<3>として議論していただいてはどうかと考えております。

三浦座長 ありがとうございました。最初の文科省からの概括的な説明も踏まえて、この論点の案につきまして御質問、御意見がございましたらお願いいたします。また、各論点に関して各省庁から説明を求めるべき事項などがありましたら、あわせて御発言をお願いいたします。

大谷委員、どうぞ。

大谷委員 書面で提出いたしましたけれども、大谷です。

高校進学ですが、この論点案だと後期中等教育として<2>と<3>に含める趣旨なのかどうか確認したい。今、確認させていただいたけれども、高校進学に関しては推進するということなのか、それとも個別的支援計画の数字に挙げなかっただけでどのように今後推進するかに関しては余りプランがあるのかないのかもわからないのですが、これから非常に問題になってくると思いますので、高校をどこで扱うのかははっきりしていただきたいということと、これですと初等中等となっていますので、幼稚園は教育に入ると思うのですが、就学前教育をどこかで扱っていただきたいと思っています。

全般的な通学支援に関しても、高等教育における障害学生支援ということで大学と障害学生支援ということになっていますけれども、幼稚園から大学まで全部含めて通学支援というのをやっていただきたいという趣旨と、やっていただくのだったらどこでやるかをぜひこの論点案の中に組み込んでいただきたいなと思っています。

以上です。

三浦座長 ありがとうございます。

事務局からお答えいたします。

東室長 これは論点案でありまして、別にこれでおしまいというわけではありませんので、何を議論すべきかは、むしろ委員の皆様方で決めていただければと思っています。ただ、提示した案としては、ここは中等教育のところで議論していただければと思っておりますし、就学前教育につきましては、先ほどの文科省からの説明もありましたように、初等中等教育に連携したものとしてされておりますので、その中で議論していただければと思っているところです。

三浦座長 大谷委員、よろしいでしょうか。

大谷委員 通学支援はどこかでまとめて議論はしないのですか。

東室長 論点<1><2><3>という形で初等中等教育を書いておりますけれども、論点<1>については個別の論点に限定しておりません。全体的な枠組みの問題として最初にやるということですので、個別の問題が全体にかかわる問題という形であれば全体の中で議論していただければと思っているところです。

三浦座長 それでは、次に御質問いただいた尾上委員と宮崎専門委員の順でお願いいたします。

尾上委員 ありがとうございます。

論点についての意見、資料5に書面で出させていただいています。5ページでございます。

1つは、先ほど大谷委員がおっしゃられた就学前の幼稚園、あと子ども・子育て支援システムの議論の中では、幼稚園、保育所まで含めた就学前のインクルーシブな制度についての議論が必要であるということをあわせて提起をさせていただきたいと思います。

もう一つがその1つ上なのですけれども、今日の午前中の第3小委員会でも議論になっていましたが、進め方ということで、やはり大枠としてこの政策委員会の8月20日のときの議論でも権利条約の批准を念頭に置いた議論が必要だというようなことがありました。いわば新たな障害者基本計画全体が権利条約の批准との関係で議論していくということからしましたら、その点でこの教育の分野ではどういったことが求められていくのかみたいなことも小委員会の方でしっかり議論しておかないと、政策委員会で権利条約批准に向けて総論でこう書いているのに、こちらの各論では余りその権利条約の批准等の関係が議論されなかったみたいなことになってしまわないようにしていただきたいと思います。

以上です。

三浦座長 御意見ありがとうございます。後ほどまた整理をするということでよろしいでしょうか。

では、御意見をいただきます。宮崎専門委員、どうぞ。

宮崎専門委員 ありがとうございます。声をからしておりまして失礼します。専門委員の宮崎でございます。よろしくお願いします。

先ほど来、文部科学省の前回の障害者基本計画の進捗状況のところでもいろいろ御意見があったのですけれども、計画の基本的なコンセプトというか考え方の基本になるところについて、少し専門委員の立場を超えたことになるかもしれませんが、お願いだけさせていただきたいと思っております。

この小委員会では、特に教育についての検討をするということで、これはそのとおりで、私もその立場から参加をさせていただいているのですけれども、障害者の権利に関する条約に挙げられているインクルーシブ教育システムの構築ということは、先ほど来お話があったとおり非常に重要な問題で、私どもがここで取り組まなければいけない課題だと認識しております。

その上で申し上げたいことなのですが、今回の基本計画の前提となるべきものについての考え方についてでございます。私は、文部科学省の中教審の特別委員会の委員長を務めさせていただきまして、先日、報告をまとめさせていただきました。これは2009年12月に障害者制度改革が進められて、障がい者制度改革推進本部が設けられ、その本部決定として「障がい者制度改革推進会議」という有識者の方々が会議でまとめられた第一次意見

の尊重が2010年6月に閣議決定された。そのときに関係省庁で検討することに関して文部科学省は中教審の中に特別委員会を設けて、そこで検討するということになったわけでございます。2010年12月に論点整理をまとめて報告をさせていただき、パブリックコメントなども出しました。その後、具体的に推進会議の方で第二次意見などが出され、政府でこうしたことを踏まえて障害者基本法の改正法が提出され国会で修正・整理された。今日は何度も障害者基本法の案件が出ているわけですが、つまり、この間のいろんな動きを考えてみますと、今回の基本計画というのは、改正障害者基本法を十分踏まえた上で作成されるものであろうと私自身は思っております。

そこで、具体的に文部科学省の報告というのは、改正障害者基本法を踏まえて検討した中身でありますので、その中身を十分今回の計画の中に盛り込んでいただきたいというのが私のお願いであります。

もう一つ、申し上げたいことというのは、中教審でも論議をしたのですけれども、共生社会の形成に向けた国民の共通理解を一層進めていくこと、障害者制度改革の推進を社会的な機運として醸成していかなければいけない。このことが一番重要だと私自身は思っております。全体の総論になるかもしれないようなところというのはここでは論議をされないだろうと思いますので、あらかじめというか、これは専門委員の立場を超えていると思いますが、そういった中身を総論のところに盛り込んでいただきたいというのが切なるお願いでございます。

さらに今のことで申し上げますと、前回の障害者基本計画の中で、まだ学校として十分できなかったことというのはたくさんあります。そのうち最も大きかったことというのは、学校において障害者理解を進めていくということが何よりも重要だと思っております。障害理解教育については、学習指導要領の中にも盛り込まれたわけですが、このロードマップというか具体的なものはまだ十分詰めているところまで至っておりませんので、このあたりは今後計画に盛り込んで対応していくことになるだろうと思いますし、ぜひその点も考えていかなければいけない。

もう一つ申し上げたいのは、障害者権利条約第24条の中に多様性の尊重ということがございます。ダイバシティの尊重というのは世界の潮流でございます。その点でも、国全体として、また学校において、その点を進めていくことが非常に重要だと思いますので、この点もぜひ今後検討していただきたい。

総論のところで多分検討していただけるのだと思うのですが、教育の細かい中身に入る前に、そのことだけお願いしておきたいと思います。

以上です。

三浦座長 貴重な御意見をありがとうございます。学校でできなかった障害者理解を推進するということ、多様性を尊重していくということなど、先生が中心におまとめになられました文科省の報告を計画にもしっかり盛り込んでいただきたいというお願いをいただきました。

棟居副座長、何か御意見は。

棟居副座長 今、たまたま資料6を見ておりましたら、かなり最初の方に重なる内容の記載を既に用意されているようですので、今、特に私がどうこう述べることはしませんで、文科省の御説明を伺いたいと思います。これは時間の進行はよろしいですか。

三浦座長 大丈夫です。

それでは、文科省からお願いいたします。

大山課長 それでは、お手元の資料6をごらんください。

三浦座長 すみません、確認が漏れておりました。少し先に行きましたので、一旦整理をさせていただきます。

ただいま論点に関して皆様方の御意見を伺っておりました。実はそれぞれ意見書で挙げていただきましたさまざまな細かい部分も含めましての論点がございます。そちらの割り振りというものに関しましては事務局に御一任をいただきまして、今、検討案というところまではつくっているのですけれども、一応今日の議論を踏まえて割り振りをしたいと考えておりますので、論点としての骨格は今日お示しの資料のとおりでよろしいかを確認させていただきたいと思います。

阿部委員、どうぞ。

阿部委員 その論点にもかかわるのですけれども、先ほどの説明でも障害者スポーツを取り上げていただいて、本当によいことだと思いましたし、<5>でも障害者が文化的諸活動に参加しやすい環境の整備を取り上げていただきました。このときに例えばスポーツを取り上げても、身体障害のある子どもが普通学級で体育の時間にどのような内容の授業を受けているのかについて、大きな関心をもっています。もちろん、私が子どもの頃のずっと昔のことですけれども、私は、体育は見学でした。学校を卒業してからスポーツに取り組み、その素晴らしさを知ったところです。そこで、お尋ねしたいのは、今、その実態といいますか、障害者スポーツ等、文化的諸活動を議論する前に、教育と一生涯のスポーツ、文化活動は大事ですので、<5>について議論するときには、現在の体育の授業の実態について資料等をいただければと思いました。

以上です。

三浦座長 ありがとうございます。

それでは、初めての御意見ということで、保坂専門委員、どうぞ。

保坂専門委員 専門委員の保坂です。よろしくお願いいたします。

文化を担当するということで参加させていただいております。第5回に1時間もとっていただいてスポーツとあわせて議論していただくということで非常に光栄に思っております。恐らく文化に関して、ここにいらっしゃる御専門の方々はそれぞれいろいろ御意見があるかとは思うのですけれども、背景等々ほかの御専門に比べたら御存じないことも多いかと思いますので、できましたら文科省、厚労省の方には障害者が関係する文化的諸活動、先ほどの資料では障害者芸術・文化祭1つのみが挙げられているだけなのですけれども、そのほかにもさまざまな活動が福祉施設を中心に実践されておりますので、そうした資料について、もしできましたら、議論当日ではなくて前の回においてお配りいただければ、活発な議論につながるのではないかと思います。それは多分スポーツについても同様だと思うのですけれども、文化等につきましては私の方でも簡単な資料の用意はありますので、もしお手伝いできるようなことがあればおっしゃってください。

以上です。

三浦座長 ありがとうございます。

それでは、資料の準備ということに関しまして。

大山課長 では、担当部署にも確認いたしまして、いろいろ今日御質問いただきました点につきましてはお出しできるもの、できないものもあるかと思いますので、整理をして準備を進められるようにと思っております。

三浦座長 ありがとうございます。

なお、保坂専門委員におかれましては、ぜひ必要な資料等は提出していただければと思います。ありがとうございます。

阿部委員、よろしいでしょうか。

大谷委員、どうぞ。

大谷委員 すみません、たびたび。私が言ったことに対して東室長から答えていただいたのですけれども、できたら第4の高等教育における障害学生支援というのを1時間とっているのです。大学教育、高等教育は非常に重要だと思うのですけれども、<2>と<3>がかなり重いし非常に重要な議論をしなければいけないかなと思うので、できたらここに高校を入れて、そして障害学生支援の中に通学支援も特筆してここでまた議論するとかという形で御検討いただけたらと思いますので、提案だけさせてください。後はお任せします。

三浦座長 ありがとうございました。

それでは、論点に関する御意見、これまでということでよろしいでしょうか。では、細かい項目、意見書の方も極めて重要でございますので、そちらの方で挙がっております個別項目に関しましては、またこの時間に話し合いの中に入れたいということでの案をお送りさせていただきます。後日になります。

続きまして、最初の論点に関する審議に入らせていただきます。本日の論点<1>は「初等中等教育におけるインクルーシブ教育システムの構築について」でございます。

文部科学省より御説明をお願いいたします。

大山課長 それでは、お手元の資料6をごらんください。先ほど棟居先生、宮崎先生からも触れていただきました、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進の報告の概要について御紹介をさせていただきたいと思います。この小委員会の1つ目の論点ともなっておりますインクルーシブ教育システム構築についてでございます。

さて、まず前段といたしまして、皆様御存じのとおり、障害者の権利に関する条約の批准に向けまして、政府全体で障害者制度改革の検討が行われておりまして、教育では主に障害のある子どもと障害のない子どもが共に学ぶという、条約にございますインクルーシブ教育システムの構築が課題になっております。このことにつきまして、文部科学省では、平成22年7月に中央教育審議会初等中等教育分科会に審議要請を行いまして、特別支援教育の在り方に関する特別委員会が設置されました。この特別委員会の議論につきましては、約2年にわたる議論を経て、去る7月23日に報告が取りまとめられたところでございます。

この報告は5部からなっておりまして、以下の5つでございますが、「1.共生社会の形成に向けて」「2.就学相談・就学先決定の在り方について」「3.障害のある子どもが十分に教育を受けられるための合理的配慮及びその基礎となる環境整備」「4.多様な学びの場の整備と学校間連携等の推進」「5.特別支援教育を充実させるための教職員の専門性向上等」でございます。この5部からなりますが、本日の論点は、初等中等教育におけるインクルーシブ教育システムの構築についてという点でございますので、大きな理念、基本的な方向性、インクルーシブ教育システムとはどういうことかといった総論的な部分がポイントになるかと考えられますので、特に5つの柱のうちの1つ目「共生社会の形成に向けて」の部分を説明いたしたいと思います。

お手元の資料6の1ページ「(1)共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システムの構築」では、共生社会やインクルーシブ教育システムの定義等について以下のようにおまとめいただいているところでございます。

まず、共生社会とは、これまで必ずしも十分に社会参加できるような環境になかった障害者等が、積極的に参加・貢献していくことができる社会である。それは、誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会である。このような社会を目指すことは、我が国において最も積極的に取り組むべき重要な課題であるとされております。

また、障害者の権利に関する条約の第24条によりますと、インクルーシブ教育システム(inclusive education system)とは、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みであり、障害のある者が「general education system」(署名時仮訳:教育制度一般)から排除されないこと、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、また、個人に必要な合理的配慮が提供されることなどが必要とされています。

そして、共生社会の形成に向けて、障害者の権利に関する条約に基づくインクルーシブ教育システムの理念が重要であり、その構築のために、特別支援教育を着実に進めていく必要があると考える旨が報告でも述べられております。

このインクルーシブ教育システムにおきましては、同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある幼児児童生徒に対して、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる多様で柔軟な仕組みを整備することが重要であるとされております。また、小・中学校における通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある多様な学びの場を用意しておくことが必要であるともされております。

2ページ目「(2)インクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」について記述がございます。ここでは、インクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の基本的考え方について、以下のようにおまとめいただいております。

まず、特別支援教育は共生社会の形成に向けて、インクルーシブ教育システム構築のために必要不可欠なものである。そのために以下<1>~<3>までの3つの考え方に基づきまして特別支援教育を発展させていくことが必要であるとされております。

このような形で特別支援教育を推進していくことは、子ども一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な指導及び必要な支援を行うものであり、この観点から教育を進めていくことにより、障害のある子どもにも、障害があることが周囲から認識されていないものの、学習上または生活上の困難のある子どもにも、さらには全ての子どもにとってもよい効果をもたらすことができるものと考えられるとされております。

以下3点御紹介いたしますと、まず<1>といたしまして、障害の子どもが能力等を最大限に伸ばし、自立し社会参加することができるよう、医療、保健等との連携を強化し、教育の充実を図ることが重要であることとされております。

2点目といたしまして、<2>障害のある子どもが地域社会の中で豊かに生きることができるように、可能な限り共に学ぶことができるよう配慮することが重要であるとされております。

3点目、<3>障害者理解を推進することにより、インクルーシブな社会の構築につながることとされております。

これらを踏まえまして、基本的な方向性といたしましては、障害のある子どもと障害のない子どもができるだけ同じ場で共に学ぶことを目指すべきであるとされております。その場合には、それぞれの子どもは授業内容がわかり、学習活動に参加している実感、達成感を持ちながら、充実した時間を過ごしつつ生きる力を身に着けていけるかどうか、これが最も本質的な視点であって、そのための環境整備が必要であるとまとめていただいております。

最後に、同じく2ページの「(3)共生社会の形成に向けた今後の進め方」では、今後の施策の実施について、以下のようにまとめていただいているところでございます。今後の進め方につきましては、施策を短期と中長期に整理してございます。

短期と申しますのが障害者の権利に関する条約批准まででございまして、中長期と申しますのが同条約の批准後の10年間程度ということで整理して、段階的に実施していく必要があるとされております。

それぞれ見てまいりますと、短期につきましては就学相談・就学先決定の在り方に係る制度改革の実施や、教職員の研修等の充実、また当面必要な環境整備の実施などが挙げられております。また、合理的配慮の充実のための取り組みや、それらに必要な財源を確保して順次実施していく旨が記述されております。

中長期の方でございますが、短期の施策の進捗状況を踏まえまして、追加的な環境整備や教職員の専門性向上のための方策を検討していくこととされております。そして、最終的には、条約の理念が目指す共生社会の形成に向けてインクルーシブ教育システムを構築していくことを目指すとされております。

以上、概括的な部分について御説明を終わりたいと思います。

三浦座長 ありがとうございました。

それでは、残りの時間、ただいまの説明を踏まえまして、初等中等教育におけるインクルーシブ教育システムの構築について議論を進めてまいりますけれども、御意見、御質問などがありましたら、どうぞ挙手をもってお願いいたします。

それでは、土本委員、どうぞ。

土本委員 ピープルファースト北海道の土本と申します。

今日の自分の資料も含めて入っているのですけれども、寄宿舎の問題は、住みなれている場所から離れている寄宿舎に入れられてしまっている仲間がいるということは、共生ではなくてまた分けている教育ではないかと思います。

以上です。

三浦座長 ありがとうございます。

それでは、御意見を承って進めてまいります。

棟居副座長、お願いいたします。

棟居副座長 文科省の大山課長あるいは宮崎専門委員、どちらにお答えいただいても構わないのですけれども、今、御報告の資料6のインクルーシブ教育システムの理念が重要であるという、ポツでいうと下から2つ目、理念が重要であり、その構築のため、特別支援教育を着実に進めていく必要があるというつながりというのが教育の素人である我々には非常にわかりづらい。そこでいつも立ちどまってしまうというか、何か同じ言葉を使っているのに全く違うことがイメージされているというもどかしさがあります。せっかく専門家中の専門家である宮崎先生をお迎えしていますので、まず宮崎専門委員に教えていただくということでよろしいですか。すみません。

三浦座長 宮崎専門委員、お願いいたします。

宮崎専門委員 ありがとうございます。専門委員の宮崎です。

特別支援教育の定義というか考え方について、まず御説明をしておかなければいけないのかなと思いました。私どもは特別支援教育については、特殊教育から特別支援教育に変わるときにかなり細かい論議を詰めてまいりました。基本的なところを申し上げますと、障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けて、主体的な取り組みを支援するという視点を持っているということがまず原則でございます。その上で、児童生徒一人一人の教育的なニーズを把握する、これは学校側、支援者側にあるわけですけれども、把握をした上で生活上や学習上の困難を改善、克服するために適切な指導、支援を行うというのが特別支援教育の考え方です。

特別支援教育は、基本的には場で指定しているわけではなくて、特別支援学校にいる児童生徒であったり、あるいは通常の学校にいる児童生徒であったりというようなことになろうかと思いますので、基本的には場を念頭に置いていることではなくて、つまり、学びの場がどこであろうとも、障害のある人の自立や社会参加を支援するための学校教育が重要であるという学校教育の重要性を強調したのが特別支援教育という考え方に立っています。

その上で、特別支援教育を進めるための指針として挙げたのが先ほどの教育基本計画にあったような中身です。個別の支援計画を作成すること。どの学校でも学校全体として障害児・者を支援するということで、学校内全体で協議をするような場としての協議会、そこを束ねる特別支援教育コーディネーターを置くこと。小・中学校では、これまで十分に障害児・者を支援するという仕組みになっていないというようなことなどがあって、特別支援学校がセンター機能を発揮して、できるだけ小・中学校にいる障害児・者の教育についての支援をしていく仕組みをつくる、これが学校教育法の74条の規定になります。

あとは通級による指導の充実ですとか、通常学級に在籍をした上で特別支援教室、通級による指導と言っておりますが、そこの制度をさらに充実させていくというような今までの学校教育の中で十分できていなかったところを対応しようと考えたものでございますので、その点を基本にしながらインクルーシブな教育システムを充実させていこうと考えたということでございます。

三浦座長 棟居副座長、どうぞ。

棟居副座長 追加でよろしいですか。ごめんなさい。申しわけないです。ありがとうございます。

追加の質問なのですけれども、共生社会というときの「社会」には学校は入らないですか。

宮崎専門委員 当然入っていると思います。

棟居副座長 ありがとうございます。もう一点、一人一人ということは、障害者の障害はさまざまですから、一人一人に対応する必要がある、これはよくわかるのですけれども、教育全体、つまり障害のない子に対しては一人一人ということはお考えではない、理念として必要でないということでしょうか。

宮崎専門委員 当然先々になってくればという話になると思いますが、現状ではまずは障害のあるお子さんに対する支援をしていく。結果的には、お子さんによってはその周辺群にいらっしゃる方も当然いらっしゃると思って、言い方が十分適切な言葉を使っていないかもしれませんが、お子さんたちへの支援というのは当然その支援をすることによってほとんどのお子さんが救われていくという考え方というのは出てくると考えております。

三浦座長 ありがとうございました。

大谷委員、どうぞ。

大谷委員 非常にわかりやすい話をありがとうございました。大谷です。

かねがね棟居先生がおっしゃったように、同じ言葉を同床異夢で使っているのかなと思うことが多々あったのですけれども、しかし、今、先生のお話を伺っていてやはりここが違うのだと思う点があったので、ぜひその点だけは確認させていただきたいのです。

今までは場を分ける、場の教育というのは特殊教育だった。それを転換して、一人一人の個に応じたニーズ保障の教育ということで特別支援教育に変えたということでおっしゃられたのですけれども、まずはともに学ぶ。そしてともに学んだ中で一人一人のニーズを保障するという姿勢にどうして立っていただけないのかなというのが大きな率直な疑問なのです。

申しわけありませんけれども、今、先生がおっしゃられたような形での特別支援教育に決定的に欠けているのは、まずはともに学ぶ中で個別の支援をしていくのだというところの、まずともに学ぶということを前提に据えるかどうかということが非常に欠けているかなとどうしても考えてしまう。

もう一点、困難を克服するという主体は、障害のある人が克服するのか、社会が克服するのかという点に関しても問題があるのだろうと思うのです。これは大きく言えば障害概念にかかわることだろうと思うのですけれども、障害というのは社会との関係に生じるということであれば、困難を克服するのは障害者だけではなくて、社会が変わることによって克服するのだということになってきているわけですから、それは学校もしくは社会が変わるということを前提にした教育をしていくという発想になるのかなと私などは思っているのです。

とすると、先生のお話の特別支援教育はと言われたところで一番どうしても疑問に思うのは、ともに学ぶ中で個別支援をするという前提に立つと、その中で特別支援教育をそういう形で言葉を定義していくというふうに方向を変えていただけないかどうかということと、障害を克服する、困難を克服するというのは社会もともに変わるのだという前提に立った克服ですねという意味も含めて、そこを教育の中身も含めて変えるのだということを盛り込めるのかどうかをやはりお聞きしたいと思います。

以上です。

三浦座長 では、宮崎先生。

宮崎専門委員 やりとりになってしまうのですが、よろしいでしょうか。

三浦座長 大丈夫です。

宮崎専門委員 今の大谷先生のお話を私の立場で申し上げますと、1点目のことに関しましては、ともに学ぶということはとても大事だと思っています。と同時に、学びが必ずしもともに学ぶことで充実をしていくかどうかというのは、少し子どもの発達段階や条件というのがあるのではないかという立場に立っております。これは先生と私の違いかもしれません。

具体的に申し上げますと、例えば発達障害のお子さんでみんなの中に入り切れないお子さんというのはいらっしゃるのです。そのときには少人数の指導というのが当然必要になったり、その子の今の条件を整備しながら徐々にみんなの中に入るような仕組みというのは考えなければいけない。

例えばコミュニケーション保障というような視点などを考えたときに、みんなでという場合でない場合もある。そういった学びの多様性というのも当然考えなければいけないのではないか。ですから、私たちは、学びの場の連続性と申し上げておりまして、さまざまな学びの場を充実させることで、できるだけ全体にみんなで学ぶ仕組みに最終的にはそこへ到達するけれども、現実にはさまざまな学びの集団はあってもいいのではないかという立場をとっております。

2点目は、まさにおっしゃったように、克服というのは本人が自分の課題を乗り越えていくという視点で克服という場合もある。同時に、社会全体がそのお子さんたちの支援をするために克服というのはあると思うので、そこの部分は私と先生はそんなに違っていないのかなと思っております。双方に係ることと私自身はとりたいと思います。

三浦座長 では、棟居副座長、どうぞ。

棟居副座長 すみません、やりとりになって申しわけない。これも以前から一度ぜひお聞きしたいと思って、今日、本当にチャンスに恵まれてありがたいのですが、障害のない生徒が障害のある生徒と同じ教室、同じ学校で学ぶことによって、障害のない生徒が将来いろんな人と一緒に暮らしていく、共生社会のメンバーになっていく、そういう勉強を学校でできるという視点はもちろんお持ちですね。

宮崎専門委員 障害者基本法の教育のところに書いてある中身だと理解していますので、それは持っております。

棟居副座長 ありがとうございました。

三浦座長 ありがとうございました。

ちょっとお待ちいただきまして、ここで文科省の方にも、今、特別支援教育という言葉、インクルーシブ教育、システムの問題ですけれども、教育関係者と教育関係者ではない、私も含めてそうなのですが、幾らか概念の違いがあるようです。文科省の方でどのように整理をなさっているかをお伺いしたいと思います。

大山課長 まさに資料6、中教審の報告の中の整理ですけれども、インクルーシブ教育システムを構築するために特別支援教育を着実に進めていくと整理しているところでございます。その辺がまさにお手元の資料の1ページのあたりですとか、2ページのところにも書いてあるわけですが、特別支援教育というのがインクルーシブ教育システムのために必要不可欠だということで、2ページに<1>~<3>を書かせていただきましたけれども、そういう考え方で特別支援教育というものはある。自立、社会参加を目指すということですとか、地域社会の中で積極的に活動していく、あるいは障害者理解を推進していくといったところを特別支援教育で進めていくことによってインクルーシブ教育システムが構築され、ひいては共生社会が形成されるという流れで考えているところです。

三浦座長 報告書を読んでいて同じところで立ちどまるということが多数の委員にあるわけです。ここで1点確認ですけれども、特別支援という教育システムに子どもを当てはめていくのではなくて、子どもの個々の特別なニーズに特別支援する教育が特別支援教育と考えてよろしいのでしょうか。申しわけありません。福祉系から見ると誰が中心かというのが非常に重要なことなものですからお尋ねしたいと思います。

大山課長 報告の中にも触れられていますけれども、まさに一人一人の子どものニーズに対応した教育ということを理念としても考えているところでございます。

三浦座長 ありがとうございました。

それでは、大谷委員。

大谷委員 大谷です。

障害者基本法でも確認させていただいたのですけれども、本人、保護者の意向を尊重するという形に入ってはいるのですけれども、宮崎専門委員もおっしゃっていただいたのですけれども、確かにそれぞれの発達段階に応じて必要な事が変わってくるだろうと。ですから、まずは前提としてともにということでなかなかためらいがあるというような御説明だったのはわかりました。

私の早読みだったのかもしれませんけれども、ともかくはそれぞれに個別の必要性があるのでという御説明だったと思うし、文科省の方も個別のニーズということだったのですけれども、ニーズの把握というか必要性は、本人、保護者が最終的には決定するという立場は取っていただけないのでしょうか。ニーズ把握というか、必要性を把握するのは一体誰なのかということに関しては、基本的には本人、保護者が決めていいのだというお立場でよろしいのですよねということだけ確認させてください。

三浦座長 それでは、その確認は宮崎先生、お答えいただけますか。

宮崎専門委員 基本的には保護者や本人の意向を尊重するということはそのとおりで、決定に当たっての考え方があると思うのです。というのは、保護者の認識というのが別のところにあった場合に、そのお子さんにとって今の段階で十分お子さんの教育の状況に合致しているのかどうかというのはそれぞれ教育の専門家であったり、あるいは心理の専門家であったりというような方々とも協議をしながら、そこは対応しなければいけないことも出てくるのではないかと思います。

保護者の意向がお子さんにとってとても大事なことはわかりますが、それが全てではない場合も一方ではあるという事実もあります。ですから、そのことも踏まえて対応するということが大事なのではないかなと思っています。

三浦座長 ありがとうございました。

栗川専門委員、どうぞ。

栗川専門委員 専門委員の新潟西高校の栗川といいます。よろしくお願いします。

インクルーシブ教育システムの構築ということと、特別支援教育の推進ということのつながりの問題だと思うのですけれども、先ほど大山課長が読んでいただいた中の基本的な方向性としては、障害のある子どもとない子どもが同じ場でともに学ぶことを目指すと。ただ、その後にこれが最も本質的な視点であると書いてあるところは、個々の子どもは授業内容がわかるとか、参加していけるとか、そういうようなことが重要であると、最も本質的であると書かれていると思うのです。これが多分前段がインクルーシブ、インクルーシブというのは排除しないということだと思います。

しかし、そのインクルーシブな教育が基本的な方向なのだけれども、最も大事なのは個々の子どもが授業がわかることであるとするならば、この文脈で私が理解すると、場合によっては授業がわからなかったり、いろいろ普通学校でともに学ぶことが困難であって、場を分けて特別支援学校やほかのところにやった方がその子にとって授業がわかるとかそういうことがあるのであれば、そちらの方がいいでしょう、そちらの方が本質的でしょうという文脈にとれます。

ここがまさにこれからどう進んでいくのかというところの基本的な論点だと思うのですけれども、私自身が障害を持って高校現場で働いていますし、うちの学校にも障害を持っている生徒がいます。聴覚障害の生徒や視覚障害の生徒や発達障害の生徒や、いろんな生徒がいますけれども、学校現場はこれがうちの学校の生徒だと、一種言い方が悪いかもしれませんが、覚悟を決めるといいますか、排除しないのだというか、この子らはうちの学校の生徒なのだと思ったときには、教職員あるいは同級生は一緒にやっていくのです。ところが、どこかにこの子は別のところに行った方がいいのではないかという出口というか、別の場がもし想定されているとすると、そちらの方がいいかもしれないということで、一種善意かもしれないのですけれども、排除の方向へ行きかねないということがあります。

そういう点では、まずはとにかく本人がどこか別のところでという場合にはまた別だとは思うのですけれども、基本的にインクルーシブということを考えていくときには、障害がある人もない人も、まずは同じところでどこかに追い出されないのだというか、そういうことはすごく大事だと思うのです。今、私自身も障害を持って普通高校で働いていますけれども、やはり途中で見えなくなったときには、あなたは目が見えないのだから盲学校へ行って働いた方がいいですよということは言われるわけです。障害のある人は特別なところへ行って、そこなら安心して生きられるでしょう、普通のところは大変でしょうということになってしまうので、これからのインクルーシブな社会、そのための前提としての学校ではどんな子でも追い出されないといいますか、エクスクルーシブにならずにインクルーシブになるという部分の大前提の安心感がないと、この後の合理的配慮のところにもつながると思うのですが、こういうニーズがあるのです、私は障害があってこういうことに困っているのですと言ってしまうと、だったらここでなくて別の場所ねということで言われてしまう。そういうことがあると言えないということにもなっていきますので、いろんな個別のニーズがあるのだということを言っても追い出されないシステム、そこの部分を大前提で確定していかないと、特別支援教育がエクスクルーシブな教育に結局なってしまうという危険性があるのではないかと考えます。

以上です。

三浦座長 栗川先生、ありがとうございました。

尾上委員、お願いします。尾上委員、新谷委員の順番で進みます。

尾上委員 尾上です。

先ほどインクルーシブ教育と特別支援教育のことの議論にもなりましたが、もう一つ確認をしたいことがあります。1つは、先ほどいただいた資料6の中で共生社会の定義がございます。この中の本文で言えば2行、それは誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い云々というのは、実は障害者基本法の第1条の一部なのです。一部というのは何かというと、障害者基本法では、障害の有無によって分け隔てられることなく相互に人格と個性を尊重し支え合いとなっているわけですが、当然、この「障害者政策委員会」、障害者基本法に基づく新しい計画をつくっていくということなので特に障害者基本法では障害の有無によって分け隔てられることのない共生社会という分け隔てられることがないというのが基本だ、それを前提にした議論を進めていくということでよろしいかどうか。

つまり、共生社会というのは基本法でもう既に障害の有無によって分け隔てられることのない共生社会と入っていたので、それは法律として確認されているので、それを前提に私たちは集められたのかなと思っていますので、その障害の有無によって分け隔てられないということがこの資料6の中には書かれていませんが、この前提になる基本法の中には入っているということをみんなで共有し、確認をしたいというのが1点でございます。

もう一つが先ほどの栗川委員の発言とも関係しますけれども、この政策委員会の前の推進会議も含めまして、誰もそういう意味では多様な学びの場自身を否定する議論がなかったと思うのです。つまり、障害のあるなしにかかわらず、まずは地域の小・中学校に、障害がなければみんな当たり前に地域の小・中学校に行くわけですから、障害があっても障害のない子と同様な形で地域の小中学校への就学通知がきて、本人、保護者が希望する場合、自らの希望に基づいて特別支援学校、支援学級が選べるということを推進会議では提起してきたと思うのです。

先ほど栗川さんが言われた、障害があるからこういった支援が欲しいのだと言うと排除されてしまう、そのきっかけになってしまうことがみんなはしんどいわけです。今日、私の資料の中の資料7の6ページのところに紹介をしていますけれども、この2009年4月に奈良県の下市町というところで脳性麻痺の女の子が地域の小学校で学んで、そのまま一緒に学んだお友達と一緒に中学校へ上がろうと思うと入学拒否にあって、そして3か月の裁判の末、無事学ぶことができて、この前、今年卒業されて高校にも進学されています。実際に入られて、十分だったかどうかは御本人でないとわかりませんけれども、例えば彼女の行っているクラスを1階に移したりとか、学校でできることはやってきているわけです。実際に入って受け入れが始まったらそうしてくれるのだけれども、入り口の段階で閉じられてしまうことがまずいのだと思うのです。

先ほど宮崎先生がおっしゃられたとおり、全ての学校で障害のある子を受けとめていくということからすれば、障害のあるなしにかかわらず全ての地域の小・中学校で、その地域にいる子は、障害があってもなくても、まずは自分たちの子どもなのだということを意識してもらえるような仕組みにしていく必要があるのではないかと思います。

これは具体的には次回以降の特に就学決定の仕組みのところで、まずは障害のあるなしにかかわらず、地域の小学校、中学校への就学通知を出して、もちろん、自ら希望に基づいて特別支援学校なども選べるという仕組みにしていけば、先ほど言われている、学校に何か求めればそれがきっかけになって、場違いな子どもだと見られてしまうのではないか、そういう不安感を取り除く、安心感をどこで学んでも得られるようにしてあげるというのがインクルーシブ教育という点からは重要なのではないかと思います。

三浦座長 ありがとうございました。

新谷委員、お願いいたします。

新谷委員 新谷です。

「障がい者制度改革推進会議」のときからの議論の続きですが、基本的にインクルーシブ教育の中で特別支援学校の存在意義を否定するような議論はなかったと思います。システムとして、学校選択のときに一番優先するのは生徒の子どもの意思であり、保護者の意思であるということを保障するためのシステムを考えようということが議論の大体の集約点ではなかったかと思います。

今、現実にある特別支援学校、通級、特別支援学級は長い間の積み重ねがあると思いますので、それを全く無視した意見、議論というのは難しい、それは当然のことだと思います。私は聴覚障害者、特に中途失聴、難聴者の立場なので、通常の学級にいる聞こえない子どもの問題がクローズアップされていないというのが非常に大きな関心事です。前も会議で言ったかと思いますけれども、出生時の聴覚障害を持つ人の子どもの比率というのは0.5%ぐらいと言われています。年間120万新生児がいると6,000人ぐらいの聞こえない子が生まれてくる。義務教育は9年間ですから、5万4,000人の聞こえない子どもがいる。その中で特別支援学校、通級、特別支援学級を合わせても1万人ちょっとしかそういうところにはいっていない。そうすると、通常の学校で学んでいるお子さんというのが4万人ぐらい。それは生まれたときから聞こえない子どもですけれども、それが4万人。その後、聴覚障害を持ったお子さんというのは自然にふえていくでしょう。その子どもたちを通常学校の中でどういうふうに捕捉しているのか。

私は捕捉できていないのではないかと思います。いろんな工夫を重ねて捕捉の努力をされていると思いますけれども、そういう子どもたちがどういう障害を持つか。言葉の問題、学んでいく力が蓄えられないという問題があるわけです。特別支援学校に行けばある程度のサポートがあるのかもわかりませんが、通常学級で放置されてしまいますと9年間、言葉の遅れがあることで、通常の学科学習で大きな遅れをとる。その結果どんどん別の問題、聞こえの問題ではなくてほかの自閉症になってみたり、いろんな問題が出ていきますので、聞こえに障害を持った子どもをきちっと把握するシステムをまず保障してほしい。

それでいろいろ資料に書きましたけれども、聴力検査はなぜ小学校の4年、6年はやらなくていいのか、高校はやらなくていいのか、毎年毎年、どうして聴力検査をきちっとして把握しないのか非常に疑問があるのです。子どもの健康記録をどういうふうに継続していくかというのは、特特委員会の報告の中にも課題として出てきています。そういうベースになる資料を整えて、観察記録みたいなものがあって、一人一人のニーズを把握していく。健康なお子さんはそういう検査に引っかからないから「問題ない」という観察記録になるのかもわかりませんけれども、そういうデータが全体の中でどういうふうに蓄えられているのか。

今の就学基準でいいますと、60dBで切っていますので、それより重いお子さんについては、厳密に調べていく仕組みはあります。だけれども、それで引っかからなかった、60dBで引っかからなかったお子さんについては、初めから普通のお子さんと一緒の扱いなのです。私は逆だと思うのです。かなり軽度のレベルでその子どもは要注意と見て、実際の勉強の場、学習の場で、この子はもしかしたら聞こえていないのではないかということで障害を持った子どもを早く発見していくということをやらないと、その子どもたちの学力の遅れ、学習の遅れというのはどんどん積み重なっていくということがある。

そういう意味で、実務的な障害の把握の仕方をぜひ全体の教育システムの中のベースに据えていただきたいという希望があります。

以上です。

三浦座長 ありがとうございました。御意見として承るということでよろしいでしょうか。

それでは、石川委員、どうぞ。

石川委員 石川です。

今日は文部科学省から10年前の障害者基本計画に基づいた実施状況ということで御報告いただきました。10年前につくったものは、やはりそのままにしておくのでなく、途中で見直さないと減価償却していくというか、老朽化していくという感じも持ちました。一方で、中教審の報告書についての御紹介もいただいたのですが、私は特殊教育から特別支援教育、さらにインクルーシブ教育へという、ちょうど質的な跳躍を果たすための準備動作として特別支援教育というのを位置づけておくべきではないかと幾つかの場所で申し上げたことがあって、その第三段階であるインクルーシブ教育システム構築のために、現に今文科省で行おうとしている準備についてもぜひ御紹介いただきたいと思います。

例えば来年度の概算要求には、インクルーシブ教育システム構築にかかわる予算も要求されていますけれども、もう少し具体的に教えていただけたらと思います。また先ほどから問題になっていた、次回当然議論になる就学先決定の制度改革についても、準備状況について可能な範囲でご報告いただきたいと思います。

三浦座長 それでは、文科省の方からお答えいただけますか。

大山課長 どうもありがとうございます。

石川先生御指摘のように、私どももこの中央教育審議会の報告を受けまして、来年度の概算要求をしているところでございます。まさに例えば合理的配慮などについては特に新しい概念でもございますので、具体的にどういうものかというものを実践して、その実践例を共有化していこうというようなことで、例えばモデルスクールですとか、モデル地域ですとか、そういったこと。また、特別支援学校のセンター的機能をどう発揮していくか。また、外部人材の活用等々、そういったものを視野に入れた来年度の概算要求を今進めているところでございますので、御指摘いただきましたので、ぜひ次回その辺も御紹介させていただければと存じます。

三浦座長 ありがとうございました。

それでは、委員さんから手が挙がっております。

一木専門委員、阿部委員、土本委員の順番で御発言をいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

一木専門委員 一木です。

今日の論点がインクルーシブ教育システムの構築についてですので、次回に続けるためにも、このインクルーシブ教育システムのイメージを共有することが必要だと思います。そのためにも前提としてともに学ぶ場が普通学級なのだというところを抑えておくことが必要なのだと思うのです。

といいますのは、例えば聴覚障害の学生から、小中高で勉強がわからなかったけれども、わからないからこういう支援をしてほしいということが言い出せなかったという話を聞いています。先ほど栗川専門委員が言ったように、それを言ってしまうと個別にほかの部屋で勉強しようかとか言われるかもしれない、みんなと一緒にいられなくなるかもしれないと思うと、自分の障害について堂々と言えなかったというような意見を聞きます。

そのような意味でも、前提としてともに学ぶ、普通学級で合理的配慮や必要な支援を受けられるということを学校も本人も安心して思える。学ぶ場のベースは普通学級にあるというところを確認しておいた方がいいと思います。これからインクルーシブな社会を創っていくという日本が非常に大きな改革の端緒についた、人の意識を変えるうえでも、普通学級でともに学ぶということが前提なのだということを押さえた上で議論をする、そのようなインクルーシブ教育システムのイメージを共有したい思います。

以上です。

三浦座長 ありがとうございました。

大変重要な点を御指摘いただいているかと思います。

それでは、まだ発言をお待ちの方もいらっしゃいますので、阿部委員、お願いいたします。

阿部委員 阿部です。

今、委員の皆さんからお話がありました。まずは一人一人の教育のニーズということと、ともに学ぶということは、身近な地域で、また学びは家庭での学びというのもありますね。ですから、土本委員のお話にもありましたように、寄宿舎で学ぶときにはいろんな限度があります。これから求めていくべきは、自分の育った地域で学んでいける状況をどうつくり出していくかということだと思います。

ただし、その前に現状を踏まえて、土本委員の御指摘のように、例えば寄宿舎で学んでいる方、長期の休みは地域に戻っていきますね。その地域の中でどう位置づけられていくかというのもしっかり考えていく必要があるのではないかと思います。

私も子どものころ、肢体不自由児施設で過ごした後で、やがて自分の地域の学校に行ったときに、やはり社会的経験の足りなさを実感し、社会的経験がすごく大事だなと思いました。そのようなことを考えると、現在、支援学校に自宅から通えない人も結構多いわけです。できる限りその地域の中で学ぶというような取り組みとして、例えば副次的な籍ということでの副籍とか、支援籍というものがあると聞いています。自宅のある地域の学校に副籍、支援籍があれば、地域の学校はしっかり取り組むのではないかと考えられます。幾つかの地域における、復籍などの実態と学ぶシステムの現状についても報告いただければと思います。

私たちの経験から言いますと、今度は寄宿舎で学んだ場合、12年間から地域から離れて、でも夏休みとかは地域に戻ってきているわけですね。そして、学校が終わったらまた地域に地域の住民として住むわけです。ですから、その地域の中に位置づけられるシステムということをどのように追い求めて、どのような成果があるかなどを踏まえた上で検討していくことも大事ではないかと思います。

先ほどの繰り返しですけれども、本当は自分の家から特別なニーズ、その一人一人の発達のためのニーズをきちんと支援して、同じ子どもの1人としてともに学ぶ社会が必要だと思いますけれども、現状のところを少し教えていただくことも大事かなと思ってお話しさせていただきました。

以上です。

三浦座長 今の副次籍等のものに関しましては、次回までに資料をお願いするという形でよろしいでしょうか。

阿部委員 はい。幾つかの自治体がどのように取り組んでいるかということについての資料をお願いします。

三浦座長 わかりました。

文科省さん、そのような形でよろしいですか。

大山課長 では、どういう例があるかを確認したいと思います。

三浦座長 ありがとうございます。

それでは、土本委員、お待たせしました。

土本委員 土本です。

実際に自分は分けられた教育でした。届きそうで届かないところにいて、分けられた教育でした。同じ世代がどんな勉強をしているのか、全く違う部屋というか建物であって、それを繰り返すなと。自分の受けてきたものではあるけれども、これからの世代を担っている仲間は、もう私たちの苦しみ、悲しみを繰り返すなと言いたいというところで、復讐

的なものかもしれませんけれども、以上です。

三浦座長 ありがとうございます。

非常に貴重な御意見、根幹に触れる意見、多様にいただきました。なかなかここではまとめきれるものではございませんけれども、インクルーシブ教育システムとは何かということの小委員会での共通、イメージを共有するということが非常に重要かと思われます。ただ、それをこの時間でここですというところまでは今日の時間では行き着いていないかもしれませんが、次回でまた議論を深めてまいりたいと思います。

それでは、お時間となりますので、事務局にお戻しいたします。

東室長 担当室の東です。

どうも今日は長時間ありがとうございました。次回の予定でありますけれども、資料の最後に「障害者政策委員会の年内の予定」と書いたものが1枚物としてあるかと思います。ご覧になっていただくと、前半の小委員会は今日、それに10月1日、その次が10月15日で予定されております。

次回は、本委員会は13時半から15時半という同じ時間帯で書いてあります。議題につきましては、このまま今日の議題の継続でいいのか、委員の出席等の都合も見て判断をさせていただきたいと思います。その点についての連絡はできるだけ速やかにいたしたいと思っているところです。

以上でございます。どうもありがとうございました。

三浦座長 ありがとうございました。

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