障害者政策委員会ワーキング・セッションIV:情報アクセシビリティ 議事録

○竹下委員 ワークセッションIVを開催させていただきます。
 このセッションは、コーディネーター役として、門川委員、石野委員、竹下が仰せつかっております。きょうは、門川委員は欠席です。
 第1回目の本日は、私が進行役を務めさせていただきます。不なれで不手際ないしは失礼な段があるかもしれませんが、そのときはお許しください。
 では、本日の出席状況について事務局から確認をお願いします。

○加藤参事官 事務局でございます。
 本日のワーキング・セッションIVには、コーディネーターの石野委員、竹下委員のほかに石川委員長、大河内委員、河井委員、佐藤委員、松森委員、三浦委員が出席しておられます。上野委員は少しおくれておられるようでございますが、出席の予定でございます。伊藤委員が少しおくれるという御連絡をいただいております。
 会議の冒頭、委員の皆様の御迷惑にならない範囲で取材が入り、写真撮影が行われますので御承知おきください。
 以上でございます。

○竹下委員 ありがとうございます。
 この委員会は、どの場合でも同じことですけれども、2つ、3つ私からのお願いを重ねてしておきたいと思います。
 一つは、発言はできるだけ端的にといいますか、短く、かつ、要領よくお願いしたいということであります。とりわけ結論を先に言っていただいて、その理由づけを述べていただくと聞き取りやすいかなと思いますので、発言の際はそういう工夫をお願いしたいと思っています。
 また、発言される方は挙手をお願いします。私、見えませんが、石野委員か私のアシスタントの誰かが名前を呼ばせていただきます。その際、自分の名前を述べた上で発言をお願いしたいと思っています。
 また、手話とか要約筆記の都合もありますので、できるだけゆっくり、かつ、明瞭に発言いただくこともお願いしたいと思っております。
 本日の流れとしましては、省庁からのヒアリングを最初にやらせていただいて、これは内閣府防災担当と総務省と厚生労働省から。その後、参考人3名の方からの御意見をお聞きし、一旦休憩を挟んだ後、皆さんとのセッション、意見交換に入っていきたいと思っております。そういう流れで12時30分までを予定しておりますので、よろしくお願いします。
 最初に、資料の説明などについて事務局からお願いします。

○加藤参事官 事務局でございます。
 本日のワーキング・セッションIVの会議資料について御説明します。
 資料1「情報ワークセシビリティ 当ワーキング・セッションにおいて重視すべきポイント」
 議事次第には「資料2」とございますが、資料2はございません。
 資料3「通信、放送分野における情報バリアフリー促進支援事業等の実施状況について」
 資料4「視聴覚障害者向け放送の普及の実施状況について」
 資料5「意思疎通支援事業等の実施状況について」
 資料6「情報アクセシビリティに関して」
 参考資料1「障害者政策委員会ワーキング・セッションについて」
 参考資料2「障害者政策委員会における第3次障害者基本計画の実施状況の監視に係る今後のスケジュールについて(案)」
 参考資料3「障害者政策委員会における第3次障害者基本計画の実施状況の監視について(案)(第20回障害者政策委員会資料)【抜粋】」となっております。
 今、申し上げました資料2につきましては、記載がありますけれども、資料としてはございません。
 なお、委員の皆様方には、机上に常備いたします資料として「障害者基本法」「障害者基本計画」「障害者基本計画の概要」「障害者基本計画の実施状況」「障害者の権利に関する条約」をファイルで御用意してございます。
 進行につきましては、先ほど竹下コーディネーターから説明があったとおりでございます。
 なお、これ以降の写真撮影は、御遠慮いただきますようお願い申し上げます。
 以上でございます。

○竹下委員 ありがとうございます。
 ちなみに、資料2はコーディネーターが、きょう招請しました3人の参考人の推薦の理由といいますか、こういうことをお願いしたいということで記したものであります。それが入っていないことだけ御了承ください。
 早速、各省庁からの報告を受けたいと思います。
 最初に、内閣府の防災担当からお願いします。これも事前にお願いしているわけですが、時間を節約したいということで、5分程度でお願いできればと思っております。よろしくお願いします。

○内閣府 内閣府防災でございます。よろしくお願いいたします。簡潔に御回答申し上げたいと思います。
 災害発生時に障害者に対して適切に情報を伝達できるよう、民間事業者等の協力を得つつ、障害特性に配慮した情報伝達の体制の整備を促進するという項目についてお答えいたします。
 平成25年6月の災害対策基本法の改正によりまして、障害者等の災害時の避難等に特に支援を要する方を対象といたしました避難行動要支援者名簿の作成を市町村長に義務づけたところでございます。
 これを受けまして、避難行動要支援者名簿の作成及び活用に係る具体的な手順などを盛り込みました「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」等を平成25年8月に作成、公表いたしまして、この名簿をもとに、市町村において、平常時からの地域の関係者の協力も得まして、避難支援等の実効性を高めるための個別計画を策定すること、また、平常時からの防災訓練参加への呼びかけを行っていただくこと、そして災害発生時または発生のおそれがある場合に、情報伝達、避難支援等に取り組んでいただくよう通知をいたしたところでございます。
 あわせて、この取組指針等において、災害発生時に障害者等の方々に緊急かつ着実な避難支援が伝達されますよう、ファクスですとか携帯端末など、多様な手段をできるだけ活用すること。障害者等にもわかりやすい言葉や表現、説明などをきめ細かに行っていただくことによりまして、一人一人の方に的確に伝わるようにすることなども盛り込んで周知をいたしたところでございます。
 また、避難行動要支援者名簿の作成及び活用が進んでいくように、取組指針の周知等に努めまして、市町村における取り組みを推進しておるところでございます。
 以上でございます。

○竹下委員 非常に簡潔に御報告いただき、ありがとうございました。
 続きまして、総務省の方、お願いいたします。

○総務省 総務省でございます。
 総務省対象のところは、情報通信における情報アクセシビリティ向上のところで、6-(1)-1、6-(2)-3、6-(4)-1でございまして、それぞれ御報告がありますが、もう少し詳しく御解説したいと思います。どれも同じような施策になっておりますので、まとめて御説明をしたいと思います。
 まず、障害者の情報通信機器及びサービスの利用における情報アクセシビリティの確保及び向上・普及を図るため、障害者に配慮した情報通信機器及びサービス等の企画・開発及び提供を促進するという項目でございますが、ここの中で私どもは、障害や年齢によるデジタル・ディバイドを解消するために、通信・放送分野における情報バリアフリーの推進に向けた助成事業を実施してございます。
 施策の概要でございますが、ICTの情報通信技術の進展は、日常生活を初めとする多くの場面におきましてさまざまな恩恵をもたらせております一方で、障害や年齢によるデジタル・ディバイドのために、その恩恵を十分に享受できない方々が多く存在しておられます。このようなデジタル・ディバイドを解消して、障害者や高齢者を含めた誰もがICTの恩恵を享受できる情報バリアフリー環境を実現するために、2つの助成をやってございます。
 資料3の中では、①②に記載しております。
 ①でございます。資料には「独立行政法人情報通信研究機構」とございますが、たしか4月から名称が変わりまして、「国立研究開発法人情報通信研究機構」でございます。御訂正をお願いします。
 国立研究開発法人情報通信研究機構を通じまして、身体障害者の利便の増進に資する通信・放送役務の提供を行う者に対しまして、その資金の2分の1を上限として助成金を交付するということでございます。
 また、これに対する情報提供等を同研究機構では、ウェブページ等を使いまして行っているところでございます。
 この事業は平成13年度から実施しておりますが、25年度までの13年間で延べ108件の助成を実施したところでございます。
 もう一つ、②と書いてございます「デジタル・ディバイドに向けた技術研究開発支援」でございますが、高齢者とか障害者の方々の利便性の増進に資する通信・放送サービスの充実に向けて、新たな技術を研究開発する方に対しまして、その経費の2分の1、上限は3,000万円でございますが、助成を実施するということでございます。
 これは総務省直轄の助成事業でございまして、平成9年から25年までの過去17年間に173件の助成実績がございます。
 資料3では2ページになりますが、ウェブアクセシビリティ向上のための取り組みということでございます。これは、国や地方公共団体の公的機関のウェブアクセシビリティの確保の取り組みを支援するために、私どもが「みんなの公共サイト運用モデル」と「みんなのアクセシビリティ評価ツール」いわゆる「miChecker」と呼んでいるものですが、これを開発、公表しております。
 皆さん御案内のとおり、ウェブアクセシビリティの規格でありますJIS X 8341-3に基づきまして、みんなの公共サイト運用モデルでは、この企画が求めます要件につきまして、実施すべき取り組みの項目とか手順を示しておりまして、2010年に総務省が作成、公表いたしました。
 一方の「みんなのアクセシビリティ評価ツール(miChecker)」でございますが、これは各機関が運営するホームページにつきまして、試験とか検証を行うためのチェックツールプログラムでございます。これも同じく2010年度に提供を開始したところでございます。このツールは、ホームページに企画上の不都合の可能性があることを発見した場合は、その箇所を特定して修正方法を示すという機能を持っておるところでございます。このような取り組みを総務省が行って、ウェブアクセシビリティの向上に努めてまいるということでございます。
 次の放送でございます。

○総務省 パートが分かれておりまして、放送の関係を追加で説明させていただきたいと思います。
 総務省地上放送課の梶田と申します。よろしくお願いいたします。
 資料4になります。それと「障害者基本計画(第3次)の実施状況(案)」のほうは、場所としましては60ページ6-(2)-1になります。「~視聴覚障害者向け放送の普及の実施状況について~」ということで、推進状況で書きましたことだけではちょっとわかりにくい部分があるかと思いまして、補足のための資料を準備させていただきました。
 資料3の1ページですけれども、これは実施状況のほうで字幕番組とかの制作費の助成のことがちょっと書いておりますが、その仕組みを解説するものです。平成9年度からこの仕組みで実施しておりまして、27年度の予算額は3億5,000万円になっております。
 27年度からの新しいところとしましては、資料4の1の③になります。「字幕付与等設備整備支援」と書いてありますが、今、CMにも字幕をつけるという取り組みが始まっておりますけれども、その字幕をチェックするための機械を購入するときに、その費用の一部を助成しようということを27年度からスタートしております。
 資料4の2ページになりますけれども、「スマートテレビ時代における字幕等の在り方に関する検討会」取りまとめ。これは平成26年7月に公表されたものでございますけれども、推進状況のほうに研究会のことを書いてございますが、どんな取りまとめがなされたのかということで、概要を書かせていただいております。
 この検討会の提言としましては、2ページの下半分「2.字幕付きCMの普及に向けた提言」ということでまとめてございますけれども、要点を言いますと、この春から今までやってきたCMの取り組みをより本格化させようとか、この4月から字幕付きCMを行う番組をふやしていこうとか、(3)のところは関係者で連携の場をつくろうということで「字幕付きCM普及推進協議会」というものが昨年秋に立ち上げられております。
 ここの下で、やはりこれの普及に向けて国は必要な支援策を講じるべきという提言も受けておりまして、このようなことも受けて、先ほどの助成のところで御説明しましたように、字幕付きCMに対する助成を新たに行うこととしたものでございます。
 あとは、実施状況のところで、情報アクセシビリティの一番後ろ、70ページに目標の数値などを掲げておりますけれども、ここの中で字幕番組と解説番組のことが書いてございます。それの目標が資料3の3ページと4ページ、「視聴覚障害者向け放送普及行政の指針」が目標となっておりますので、その現物を添付させていただきました。
 以上でございます。

○竹下委員 ありがとうございました。
 では、厚生労働省、お願いします。

○厚生労働省 厚生労働省の自立支援振興室長でございます。よろしくお願いいたします。
 ファイルになっております資料の基本計画の実施状況というのを、真ん中ぐらいに挟んでおります。この資料に沿いまして御説明をさせていただきたいと思います。
 他に、追加で出させていただいております資料5がございます。厚生労働省からの資料でございますが、適宜参照しながら御説明をさせていただきたいと思っております。
 情報アクセシビリティの関係でございますけれども、基本計画の(案)の58ページを御参照ください。6-(1)-1でございます。情報アクセシビリティの確保及び向上・普及を図るため、情報通信機器及びサービス等の企画、開発及び提供を促進するということが目標として掲げられております。
 厚生労働省といたしましては、障害者自立支援機器等開発促進事業という事業を実施しております。資料5をおめくりいただきますと、最初にその概要を載せております。
 私どもの事業でございますけれども、基礎的な技術開発は関係各省でやっていただいております。その基礎的な技術を活用いたしまして商品化をするわけでございますけれども、実用に向けた商品の開発の部分の費用の一部を助成するという事業でございます。
 昨年度から企業が持っておられます技術、「シーズ」と言っておりますけれども、これと障害当事者の方のニーズをうまくマッチングさせるためのシーズ・ニーズマッチング事業というものを開始しておりまして、今年度も引き続きこの事業に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
 続きまして、元の資料に戻っていただきまして、60ページでございます。真ん中ぐらいにございます6-(1)-4でございます。障害者ITサポートセンターの設置の促進ということが目標に掲げられております。
 25年度の状況でございますけれども、ITサポートセンターの運営事業を実施しております都道府県が26都道府県でございます。まだまだ全県設置に至っておりませんので、引き続きたくさんの自治体に実施していただくように努力をしてまいりたいと考えております。
 次に61ページを御参照ください。6-(2)-2、一番上のところでございますけれども、聴覚障害者情報提供施設について、その整備を促進するということが目標に掲げられております。
 これは、全国主管課長会議などを通じまして、全県設置に向けての周知を行っているところでございます。26年3月末現在で46都道府県が設置ということで、全県設置に向けて引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
 次に63ページを御参照ください。一番上、6-(3)-1でございます。手話通訳者、要約筆記者、盲ろう者向け通訳・介助員等の派遣等と人材の育成確保の関係につきまして目標が掲げられているところでございます。
 25年度の推進状況のところを御参照いただきますと、統合補助金で地域生活支援事業という補助金がございます。今年度の予算が464億円ございますけれども、そのメニューの中にきちんと位置づけられて、手話奉仕員、手話通訳者、要約筆記者及び盲ろう者向け通訳・介助員等の養成、派遣を実施しているところでございます。
 26年11月18日時点の速報値でございますけれども、手話通訳者養成研修事業は64カ所、盲ろう者通訳・介助員養成研修事業は59カ所、奉仕員等養成研修事業は45カ所等々ということで、各自治体に実施をしていただいているところでございます。
 また、国立リハビリテーションセンター学院におきましても、手話通訳士等の養成を実施しているところでございます。
 その下の欄でございます。6-(3)-2でございます。これは支援機器の関係でございまして、情報やコミュニケーションに関する支援機器の開発の促進とその周知を図るということで目標が掲げられております。
 これは先ほどお伝えいたしました障害者自立支援機器等開発促進事業の中でやっておりますし、また、日常生活用具給付等事業の中で、こういった機器についても給付できるように必須事業として実施しているところでございます。
 さらにお進みいただきまして、64ページを御参照ください。6-(3)-3でございます。意思疎通に困難を抱える人が自分の意思や要求を的確に伝え、正しく理解してもらうことを支援するための絵記号等の普及及び利用の促進を図るということでございます。地域生活支援事業の意思疎通支援事業の中に位置づけておりまして、こういった事業につきましては、自治体にしっかりと実施していただくように督励をしているところでございます。
 なお、実施状況について詳細な部分につきましては、現在、自治体を通じまして調査を行っているところでございまして、まとまり次第御報告をさせていただければと思っております。
 厚生労働省からは以上でございます。ありがとうございます。

○竹下委員 どうもありがとうございました。
 続けていきたいと思います。
 本日は、資料1に記載したとおり、3名の参考人の方に御出席いただいております。東京大学の近藤武夫様、全難聴の新谷友良様、浦和大学の寺島彰様です。本日は、お忙しい中御出席いただき、ありがとうございます。
 では、最初に東大の近藤先生からお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○近藤参考人 東京大学の近藤です。
 私たちのほうからは、情報アクセシビリティに関して昨年度行いました情報アクセシビリティに関する勉強会の検討の結果から情報提供をさせていただきたいと思います。資料6の一番後にこの勉強会のメンバーを掲載しております。このようなメンバーで検討を行いました。
 情報アクセシビリティに関しては、まず大枠的に3つのポイントを示しています。
 1つ目として、情報アクセシビリティに関して、例えば事業者であったり行政機関等に、アクセシビリティに関して考える担当者、あとはそれぞれ個々の障害のあるユーザーさんと対話できるような人がそこにいるかどうかということです。まず、そういった人の存在を第1ポイントとして挙げています。
 2つ目なのですけれども、情報アクセシビリティに関しては、やはり標準化、例えば日本工業規格などに対応しているかどうかといった聞き方をされることが多いのですけれども、こうした規格対応を聞くということは、実際には余り実効的ではないと私たちは考えています。
 では、必要なことは何かといいますと、事業者であるとか行政機関等が、それぞれの機関内でアクセシビリティに関する方針を明確化しているかどうかということです。さらに、それを評価する体制がその事業者や行政機関等に存在しているかどうか。それから、今のような方針であったり、評価体制に関して責任を持っている人物もしくは担当者というのが存在しているかどうか。このポイントが非常に重要であると考えております。
 3つ目のポイントとしまして、情報アクセシビリティについてよく語られることとして、例えばICT機器などの装置、デバイスのアクセシビリティであるとか、ウエブコンテンツなどの内容についてのアクセシビリティということは、確かに重要視されるのですけれども、さらに加えて、運用面のアクセシビリティということも非常に重要であると考えています。
 これは先ほど一番初めに挙げました担当者であるとか、対話できる人がそこにいるかということともかかわっているのですけれども、装置やコンテンツそのもののアクセシビリティが確保されていたとしても、実際に運用面で、例えば窓口対応など、そういったところにおいてしっかりとしたアクセシビリティの配慮というものが行われていない場合は、実際には障害のあるユーザーに対してアクセス可能な情報が届かないということがあります。
 今、挙げました3つの大枠的なポイントというのを、個別のそれぞれの領域、個別的な問題を挙げる前に、まずこういった大枠的なポイントを検討することが重要であるということを勉強会ではまとめております。
 次に、少し細かいポイントになるのですけれども、我々の勉強会では、障害者基本政策第3次において情報アクセシビリティに関係するものを見直しておりまして、本日は提出しておりませんが、勉強会の報告書の中ではかなり詳しくまとめておりますので、必要でしたら、その資料は後日提出させていただきたいと思います。
 この基本計画第3次の中で触れられていないというか、我々の勉強会で特に強調しておきたいポイントを4点挙げておりますので、この4点について御説明をさせていただきたいと思います。
 1つ目は、先ほど挙げた3つのポイントにかかわるところでもあるのですけれども、情報アクセシビリティを実際に担保する、あるいは対応することができる人材の養成についてです。例えば手話通訳や要約筆記、盲ろう者向けの通訳介助員など、個別性の高いさまざまなコミュニケーション手段を用いる人の研修授業、養成方法に関する研究などもそうなのですけれども、事業者や行政機関等の職員を対象として情報アクセシビリティという言葉自体が具体的に理解されていないところがありますので、そうした知識習得を行うための講習会などの実施、それらの推進状況を把握することが必要であると考えています。
 もう一つは、大学等において情報アクセシビリティという概念自体の実際の方法であったり、考え方についての知識の習得というのを、例えば教育であるとか福祉、ICT分野等、さまざまな学科科目の中で取り上げていくということが必要であると考えています。
 2点目ですけれども、影響力の大きな試験での情報保障というのが非常に重要であると考えています。例えば資格試験であるとか、就職試験であるとか、入学試験であるとか、例えば教育課程から就労に移る、もしくは教育課程のさまざまな段階の間を、例えば中学から高校、高校から大学に移行する、もしくは何か就労に向けての専門的な知識を習得する、そういったところでは必ず試験というものが間に挟まっています。
 この社会生活において非常に影響力の大きな試験において情報保障が整備されていない場合は、障害のある人たちがさまざまな別の領域に社会生活を広げていくことの大きな障壁になることがありますので、影響力の大きな試験においての情報保障の徹底は重要であると考えます。
 3つ目、4つ目としては、民間事業者における情報アクセシビリティ。これは日本工業規格等の普及促進に関してのものを提言させていただきたいと思います。
 それから、勉強会の中では、緊急時における情報アクセシビリティがかなり重要なものであるとして挙げられました。例えば銀行の窓口対応であるとか、クレジットカードの利用、ロードサービス、保険、携帯通信、もしくは解錠サービス、病院、交通機関等さまざまなサービスに関して、緊急時の連絡窓口においてできるだけ多様な情報アクセシビリティの確保に向けた取り組みが行われているかどうか、こうしたポイントを押さえることが重要であると考えています。
 以上で資料6に挙げたものは全てになりますけれども、再度申し上げておきますが、このほか障害者基本計画について我々の勉強会が全体的に見直しました資料というものも別途存在しておりますので、こうしたものも折に触れて提示することができればと考えております。
 以上で私からの情報提供は終わらせていただきます。

○竹下委員 ありがとうございました。
 今、近藤さんから御指摘いただいた資料も参考にできるものがあるように思いましたので、場合によっては御提供をお願いしたいと思います。
 続きまして、後の時間も差し支えがあるようにお聞きしておりますので、寺島さん、お願いできますでしょうか。

○寺島参考人 寺島です。どうぞよろしくお願いします。
 私は特に資料はありませんけれども、口頭で述べさせていただきます。
 「障害者基本計画(第3次)の実施状況(案)」を読ませていただきまして、少し感じたことを述べさせていただきたいと思っております。7つあります。
 全体としましては、関係者の皆様に積極的に取り組んでいただいておりますことに敬意をあらわしたいと考えておりますが、まず一番に感じたのは、インクルーシブな社会の視点が欲しいというところです。障害のある方が同じ社会に住んでいるという認識をされているのかどうかという点に、若干温度差があるのではないかという気がいたします。例えば、後で申し上げますように規格に関してです。情報通信や放送などの規格を決める場合に、障害のある方の意見を反映するような体制になっていないということがあります。前提として、インクルーシブな社会の視点が欲しいということです。
 2番目は、今申し上げましたように情報通信関連等の規格を決める場合には、当事者あるいはその意見を反映できる人を必ず入れることが必要だと思います。特に放送とインターネットの融合について進歩してきましたが、その分野において障害のある方たちが外されているという状況があるように感じます。
 3番目に、意思疎通支援は、ただそれだけで存在するわけではないという認識が欲しい。例えば、盲ろうの方では、意思疎通支援がすなわち生活支援であるという状況もあるわけで、意思疎通支援あるいはアクセシビリティを余り狭く捉えないで、広めに考えていただけるといいのではないかなということです。
 4番目に、障害の特徴に着目した支援が必要だろうと思います。最近は、障害種別を忘れがちになっていると思います。しかし、それぞれの障害にはそれぞれのニーズがあると思いますので、そういったニーズに応えた支援についてももう少し細かく整理していく必要があるのではないかということです。
 5番目は、地域性を考慮した支援です。例えば、対象者が少ない場合に、アクセシビリティを確保できるのだろうか。実際的な問題がいろいろなところで起こってきております。人口が少ないとか、あるいは障害のある方の数が少ないとか、そういう場合に社会資源をうまく有効活用しないと、そういった方たちに対する支援ができないのではないかということです。省庁間あるいは制度間の相互利用でありますとか、そういったことも考える必要があるのではないかということです。
 6番目に、民間活力の有効活用です。例えば、通訳者などコミュニケーション支援者の育成は、いろいろなところでニーズが叫ばれているところですけれども、人的資源を確保できるのかどうかというところも大きな問題としてあります。先ほど申し上げましたような、省庁間あるいは制度間の相互利用でありますとか、さらに、民間の活力をいかに有効活用するか、そういったことも内容として含まれているといいのではないかと考えます。
 7番目、最後ですけれども、先ほど来繰り返しておりますが、省庁間の協力が欲しいところです。特にコミュニケーション機器の開発でありますとか、そういった部分では、同じような機器がいろいろなところで開発されていて、補助金をもらっているということもなきにしもあらずというところだと思います。
 新しい機器を開発したら、次はそれを利用できるようにどのように制度を構築していくかが重要です。相互利用なども関係すると思います。また、どのようにその機器の使い方を指導するか、利用支援をどうするかとか、そういうところが必要です。機器が壊れたときにメンテナンスをどうするか、あるいは著作権の処理をどうするか、そういったこともあると思います。これには省庁横断的な内容が含まれることが多いですので、できれば省庁横断的な組織があって、アクセシビリティや機器の開発に関するコーディネートなどをできればありがたいのかなと思っております。
 以上です。

○竹下委員 どうもありがとうございました。
 休憩に入る前の最後になりますけれども、参考人として新谷さんからの発言をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○新谷参考人 おはようございます。全難聴の新谷です。参考人に呼んでいただきまして、どうもありがとうございます。
 私は難聴者なので、今から述べることは難聴者の課題ということで非常にバイアスのかかった話になるかと思いますけれども、共通的なことがあれば参考にしていただいて、議論をいただければいいかなと思います。
 今、いろいろお話を伺いまして、情報バリアに限定すれば、私たちは個別には多々の課題を持っております。例えばテレビ字幕の問題、意思疎通支援事業の問題、いろいろございますけれども、私たち難聴者一人一人の人間にとって、成長していく、社会に参加していくという、人としての立場から申し上げますと、情報バリアの位置づけを一体どこに置くべきかというのはいろいろ悩みがあります。というのは、私たちが難聴者として生きていくときには、私どもは3つぐらいの側面で捉えないといけないと見ております。
 1つは、聞こえそのものを回復する。聞こえることができる環境をつくるという聞こえそのものの回復というのが、私たち難聴者の場合には非常に大きな問題になってくる。聞こえそのものが回復するというのは、医療の問題と密接に関係してしまうので、果たしてここの議論になじむのかどうかわかりませんけれども、現在、例えば私たち難聴者にとっては、補聴器というものが聞こえの回復の非常に大きな手段ですけれども、それ以外にもう少し医療側で言えば、人工内耳という回復手段もある。だけれども、それぞれの医療が抱えている方法、進め方と、福祉機器、補装具とか日常生活用具とかと分断されたもの、福祉機器と医療機器との絡みというのは余り議論になってこないということがございます。
 だけれども、実際問題、医療と福祉機器が分断していると、情報の受け手、情報にアクセスする人間から考えますと、やはりその間の溝というのがお互いに乗り越えられた形の手がかりがないと、実際の生活で非常に困る。例えば人工内耳で言いますと、お医者さんに行かないとちょっとしたメンテナンスも全部やってもらえないわけです。ところが、補聴器であれば補聴器店に行ってメンテナンスをする。そのときの技術的なレベルはどうなるとか、今いろいろな問題が山積しております。そういう個人としての聞こえの回復があります。
 皆さんは御理解いただけると思うのですけれども、聞こえというのは騒音のレベルで随分違います。もし、この部屋がもし静かであるとしても、恐らく騒音レベルで40、50デシベルぐらいの騒音があります。私たちの聴力レベルはよく90デシベルと言いますけれども、90デシベルの人が40デシベルの騒音下にいれば、単純に足し算をすると百何十デシベルという重度の難聴状態に置かれます。健聴の方は0デシベルとしても、80デシベルという物すごいノイズ環境に置かれればかなり難聴状態になるということで、聞こえそのものは個人としての医療、福祉機器の利用もございますけれども、環境としての整備で聞こえの問題が解決する部分が非常に大きくあります。
 それの代表的なものが、今、ここで使っております補聴援助システム、磁気ループです。これで騒音をカットしていますので、私の耳にはほとんど0デシベルの騒音環境で伝わっているので、今、私は非常によく聞こえています。ということで、情報アクセスをこれからもっと進めるためには、環境整備の問題は非常に大きくなると考えております。
 もう一つ、今、ここでマイクを使ってスピーカーが出ていると思いますけれども、現在は騒音下でもかなりノイズを除去して、いい音で伝えるスピーカーの開発も進んでおります。ちょっと高いですけれども、COMUOUNというスピーカーができ上がっていますし、マイク機能がもっともっと進めば、私たちのような聞こえの悪い人工内耳、補聴器使用でも、かなり普通の状態での会話ができるのではないかと期待をしております。それが聞こえの問題です。
 昔は、聴覚リハビリテーションという言い方をしましたけれども、現在は聴覚を補償するという言い方が非常に普及しております。私たちは、まず聞こえない立場で、この問題を解決してほしいということが非常に大きくあります。
 2番目の問題は、私たちが聞こえないときに他人と会話をする、他人と交わるためにどうするのだといったら、私たちは新しいコミュニケーション方法を勉強するということです。その代表的なものが手話です。手話を勉強することで、手話を使う人とはコミュニケーションができる。もしくは相手の口形を読む読話を勉強するということが、コミュニケーション学習の典型的なものとしてあります。だけれども、今は1対1ないしは複数のコミュニケーションでも、例えばスマートフォン、iPhone、iPadを使ってコミュニケーションができるという技術が進んでおります。特にキーテクノロジーは、音声認識、自動音声認識です。これを使うことによって、複数人間も含めてかなりリアルタイムの会話ができるようになってきていますので、要するに、声の聞き取りでのコミュニケーションというのではなくて、文字でのコミュニケーションというのがかなり広がってきている。私たちは、そういうコミュニケーションについての学習をしていかないといけないと考えております。
 3つ目の側面は、意思疎通支援事業に代表されます私たちのコミュニケーションそのものを、外から保障していただくという問題です。これは手話通訳、要約筆記という人的支援もありますけれども、代表的な、一番使いやすいものは、私たちにとってはやはり文字表示です。全ての音声情報を文字化するということができれば、私たちはかなりの程度、ほかの方の手を煩わせないで生活ができると考えております。
 そういう意味で、今、バスの電子掲示、電車の中のスクリーンでいろいろな情報が出ますけれども、私たちはこれで随分生活がしやすくなっている。やはりキーテクノロジーは、私は音声認識だと思います。リアルタイムで何か事故情報があれば、車掌さんがそれをマイクで伝えると自動的にモニターに表示できる社会になれば、私たちは1人でいろいろな生活ができると考えております。
 それ以外の意思疎通支援事業については、個別にいろいろ問題がありますので議論をさせていただきたいと思いますけれども、先ほど総務省からお話がございましたテレビ字幕の問題ですが、総務省さんはテレビ部分だけに限定されて問題をお考えになっているのかもわかりません。そんなことはないと思いますけれども、今、問題になってきているのは、テレビを超えたインターネット動画をどうするのか。いろいろな動画素材がございます。そういうものの字幕付与が、今、野放しとは言いませんけれども、規格なしの字幕付与になっています。
 皆さん、Youtubeをごらんいただきたいと思うのですけれども、Youtubeには字幕オンの機能があります。その字幕オンの機能をつけて字幕を見ていただきたいと思います。すさまじい字幕が出てきます。えっという字幕ばかり。政府インターネットテレビというのは、全部ではないですけれども、字幕がついています。それはきちんとした編集がついた字幕がついていますので、インターネットの情報としても非常にわかりやすい。
 ただ、問題は何かというと、例えば安倍首相の記者会見とか、アメリカの議会で演説をされたというのは政府インターネットテレビで上がっていますけれども、あれには字幕がついていない。どうして政府情報でありながら、ある部分は字幕がついて、ある部分は字幕がつかないのか。この辺の政策的な判断もあるかと思います。
 いずれにしましても、私たちの求める情報アクセスというのは、基本的に全ての音声情報は文字化してほしい。そのための技術は既に確立しているので、あとはそれをやるかやらないかという施策ないし事業者の決意にかかわっている部分が、今は非常に大きくなっている。そういう段階に来ているのではないかと考えております。
 以上です。

○竹下委員 どうもありがとうございました。
 非常にスムーズにといいますか、予定した時間割どおりに進行しておりまして、ここで休憩に入らせていただきます。再開は11時35分とさせていただきますので、よろしくお願いします。

(休憩)

○竹下委員 障害者権利条約35条に基づいて、国が国連の権利委員会に報告書を提出するに当たって、日本の実情を討議する場であります。この障害者政策委員会に与えられた任務というのは、第3次基本計画の進捗状況を検証するということでありまして、その検証を通じて、日本の到達点あるいは問題点が明確になればということが、ワーキング・セッションの役割だと思っております。
 コーディネーターを仰せつかった3人で、このセッションで重視すべきポイントについて少し考えてみました。それが資料1の冒頭に書かれている内容であります。これも参考にしていただくとともに、先ほど参考人のお三方から情報アクセシビリティを考える上で非常に参考になるポイントをいただいたかと思っております。その点なども参考にしながら、皆さんの御意見を出していただければと思います。
 なお、私はすぐに忘れるのですが、しゃべり終わったらマイクのボタンをオフにすることもお願いしておきたいと思います。
 なお、参考人または省庁への御質問がある場合は出していただいて結構なのですが、きょうこの場で回答が得られないこともあるかと思います。その場合は、次回のセッションで御回答いただくという形で流れをつくっていきたいと思います。
 以上で私からの説明はおしまいです。
 では、早速、委員の方でこの分野についての御意見・御質問がある方はお願いしたいと思います。
 松森さん、お願いします。

○松森委員 松森でございます。
 私からは3つ、質問と課題提起があります。
 1つ目は、テレビの手話放送について。総務省の平成25年度の字幕放送等の実績を見ると、手話についてはNHK総合で0.2%、NHK教育で2.5%、民放で0.1%、これは前年度と比べるとプラスマイナス0ポイントでふえていません。これについて、課題提起として出したいと思います。
 2つ目は「障害者基本計画(第3次)の実施状況」の6-(4)-3、政見放送のところになります。政見放送について、平成25年7月21日の参議院議員通常選挙、これは比例代表選挙のことです。比例代表選挙の政見放送において手話及び字幕の付与を実施したとあります。でも、当然それだけでは不十分であって、例えば都道府県知事や小選挙区の政見放送の手話及び字幕放送は実施されていません。これについてはどのようになっているのか、課題として出したいと思いました。
 3つ目、国会中継の情報アクセシビリティについて、NHKで放送されている国会中継は、1953年からテレビで放送されています。しかし、そこには字幕も手話もつかないということは、皆様も御存じだと思います。これは社会的な影響もとても大きいものと考えています。聴覚障害者団体なども、これまで字幕や手話を入れるべきだと長年繰り返し提案をしてきたと思います。しかし、進んでいません。国会中継では、国民の生活にかかわることが正しく議論されているものだと思います。私は一度も聞いたことがないので、その様子を知ることはできません。政治参加の権利ということを考えると、優先して取り組むべき課題ではないでしょうか。
 生中継であるので、間違いとか誤変換があることを断った上で、この障害者政策委員会と同じように、手話や字幕つきで、リアルタイムで情報を等しく得られるようにすることが、私たちの政治参加の基本でもあると考えています。
 以上、3つです。

○竹下委員 どうもありがとうございました。
 今の松森委員の発言に対して、場合によっては総務省から少しコメントをいただいたほうがいいのかとも思うのですが、何人かの委員の発言をいただいた上でそういう振り方をさせてもらえればと思っております。石川委員長、お願いします。

○石川委員長 まず、近藤参考人へのお願いが1点。内閣府の障害者施策担当、事務局への質問及び私の意見が1つ、総務省への質問が1つ、厚生労働省への質問が1つ、内閣府の防災担当への提案を1つさせていただきます。
 最初に近藤参考人に対してお願いなのですけれども、アクセシビリティの各方面の専門家によって構成された勉強会の成果物は、現状公表されていないということかと思いますけれども、政策委員会で参考資料として読ませていただくことは可能でしょうか。御提供いただけるかどうかというのを1点お願いさせてください。
 次が質問あるいは私の意見も含みますけれども、まず内閣府の施策担当へですが、近藤参考人から提案がありましたアクセシビリティポリシー、アクセシビリティ方針であるとか、内部に評価体制を構築することであるとか、アクセシビリティの担当部署の設置といったことは、対応要領の中に書き込み得ることではないか、あるいは書き込むべきことではないかと考えるのですが、一方で、狭義の解釈として、職務規律の一環として個々の職員に対して対応要領を示すという考え方もあり得るかと思うのですが、他方で民間の事業者に対する対応指針というのは、事業主を飛び越えて、個々の社員、従業員に対して何がしかのことを求めるというのは、そのような趣旨ではあり得ないと考えますので、対応要領と対応指針のバランスというか、整合性ということを考えましても、個々の組織に対して全体として取り組むべきことを示さないで、個々の職員に対する服務規律のみを対応要領として示すということは不可能だし、また、実効性という点で十分な成果が上がるとは考えられないのです。これは私の意見ですが、施策担当としてのお考えがあればお願いしたいと思います。
 総務省に対しての質問ですけれども、ウエブアクセシビリティに関してなのですが、このガイドラインを現時点で準拠している、あるいは準拠していると標榜されている中央省庁、数であるとか比率であるとか、あるいは地方公共団体の数であるとか比率であるとか、それについて既に把握されていれば教えていただきたいと思います。もし、きょう難しいということであれば、次回お願いできないでしょうかということが1つ。
 それから、字幕可能番組の100%対応は2017年度達成目標となっておりますけれども、現時点での達成状況について、もしデータがあれば教えてください。
 厚生労働省の自立支援振興室への質問ですけれども、視覚障害者の読書をサポートするサピエというオンラインの電子図書館サービスがあります。これにつきましては、たしか高度情報通信補助事業という裁量的な経費で、補助金の形で厚生労働省として進めておられて、この利用者数が1万数千人おりますし、また、利用実績も非常に高く、視覚障害者の読書保障においてなくてはならない欠かせない存在になっておりますけれども、何分裁量的な経費ということで、自立支援振興室としても予算の確保に大変苦慮されているかと思います。これを義務的な位置づけにすることはできないものか。あるいはどのような条件をクリアすれば義務的なものにすることが可能かということについて、教えていただけないでしょうか。
 最後、内閣府の防災担当に対しての提案ですが、3月に国連の防災会議が仙台で開催されまして、これが障害者を包摂したインクルーシブな防災会議として国際的に高く評価されております。その御努力に敬意を表したいと思いますけれども、第1回の政府報告の中で、日本としてアピールできる一つのものになるかと思いますので、きょうは基本計画の実施状況についての御報告ということで言及はなかったのですけれども、政府報告においては、ぜひ入れていただければと提案をさせていただきます。
 以上です。

○竹下委員 どうもありがとうございました。
 では、ここで一旦切りまして、松森委員及び石川委員長の発言の中に、総務省の放送関係が幾つか含まれていたと思うので、きょう回答が可能であればお願いしたいのと、今後御準備いただくことも含めて御発言をお願いできればと思います。

○総務省 総務省地上放送課の梶田と申します。
 テレビ放送の手話などの関係で御質問があった件、答えさせていただきます。
 まず、松森委員からありましたテレビ手話の状況については、御指摘のとおり、0コンマ幾つとか25年度でまだまだ低い状態で、こちらとしても課題として認識をしているところです。
 今までにこちらでやってきたこととしましては、毎年このような実績を公表していることと、先ほど資料4で御説明をさせていただいた視聴覚障害者向けの指針があるのですけれども、そちらも平成24年度に見直しをしまして、手話放送についても、それまで目標として入っていなかったところを追加させていただいたりという取り組みはしているところです。なかなかすぐにというところはあるのですけれども、引き続きしっかりと取り組んでいきたいと思っています。
 国会中継の情報アクセシビリティのことなのですけれども、こちらとしても課題としては認識しておりまして、今、NHKで国会中継をなさっているということで、引き続き字幕をつけてもらえるようにというお願いはしていきたいと思います。やはり今、言われておりますのは、先ほどお話にあったように、内容が内容だけに間違いがあると本当に、普通の番組で間違いがあっていいわけではないのですけれども、国会という場、審議、先ほどおっしゃったように内容が重要なものであるがゆえに、余計に神経をとがらせているところもあるようでして、先ほどおっしゃったように間違いがあるかもという断りをした上でつけるというのは、確かに選択肢としてあると思うので、そこは引き続きお願いをしていきたいと思います。
 石川委員長からお話がありました字幕の実績、今はどうかということなのですけれども、情報が古くて恐縮なのですが、実施状況のアクセシビリティの数字を載せてある70ページ、ここに25年度の状況までは載せさせていただいております。字幕でいけばNHK総合で84.8%、キー局の平均で95.5%という形になっております。26年度については、今、調査中でして、恐らく毎年のペースでいきますと、9月とか10月ぐらいには26年度の状況が公表できるのかなと思っております。
 以上です。

○総務省 石川委員長からございました、ウェブアクセシビリティの達成状況をお答えしたいと思います。
 都道府県、市町村でございますが、まず都道府県が26年4月1日現在で、JIS X 8341-3、ウェブアクセシビリティでございますが、これに準拠していると答えているところが32都道府県。全都道府県のうち、68.1%になるかと思います。
 一方、市町村でございますが、同じ質問の中では52.6%、961市町村。これも同じく平成26年4月1日現在でございます。
 ちなみに、それの1年前の25年4月1日現在でいきますと、都道府県では53.2%の25都道府県、市町村でまいりますと47.1%の821市町村ということで、いずれも達成しているところは少しずつ上がってきているようでございます。
 なお、今後もこのようなことに取り組んでいただきまして、少しでも達成しているところが多くなってくれればと考えております。
 以上でございます。

○石川委員長 把握されていれば、国の中央官庁についても実績を教えていただけないでしょうか。

○竹下委員 お願いします。

○総務省 ほぼ全省庁達成だと把握しておったと思いますが、間違いでございましたら後ほど御訂正をさせていただきたいと思います。
 以上です。

○竹下委員 では、お願いします。

○総務省 総務省選挙部の弘中といいます。
 選挙時の政見放送の手話通訳、字幕付与の関係の御指摘がございました。御指摘のとおり、手話通訳につきましては、現在、参議院選挙区選挙については行われておりません。あと、字幕付与につきましては、衆議院比例代表選挙、参議院選挙区選挙、都道府県知事選挙において行われていないということでございまして、まず政見放送の手話通訳につきましては、政見放送の収録自体が、参議院選挙区選挙ですと47都道府県ほぼ同時期に行われるということでございますので、そういった観点から手話通訳士の方の十分な確保ができるかといった懸念が一つ考えられるのかなというところでございます。
 字幕付与につきましては、政見放送自体が政党や候補者の主張をそのまま正確かつ公正に伝えるということが大前提となっておりますので、例えば放送事業者の判断が入らない仕組みをどのようにつくるかとか、限られた短い期間の中で収録を行わないといけないという制約の中で、そういう実施体制をどのように確保していくのかといった観点から、そういった課題が考えられるところでございまして、いずれにしましても選挙の公正確保という観点も十分留意しまして、放送事業者を初めとしまして関係機関とも連携をしながら、今後検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○竹下委員 総務省は、それで全体の回答はよろしいですか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、厚生労働省、先ほどの視覚障害者の読書の関係について、答えられるようでしたらお願いします。

○厚生労働省 厚生労働省自立支援振興室でございます。御質問ありがとうございます。
 サピエにつきましては、非常に良い事業だと私どもも思っておりまして、しっかりこの事業を維持していきたいと思っております。義務的経費なのか、裁量的経費なのかということでございました。私どもの理解といたしましては、法律に位置づけられて国が負担をするという規定があるものにつきましては、いわゆる義務的経費ということで位置づけられていると認識しておりますけれども、近年、義務的経費、裁量的経費にかかわらず大変財政状況が厳しいということで、政府部内の手続ではございますけれども、財政当局といろいろ折衝をしながら予算をつくっていっている状況であるということでございます。
 サピエにつきましては、高度情報通信等福祉事業費ということで位置づけておりまして、金額を見ますと昨年度が4,200万弱でございますけれども、今年度は4,800万強ということで、メンテナンスの費用など必要な額が認められているということです。必要な部分については私どももちゃんと主張して、確保をしていきたいと考えているところでございます。
 一方で効率化もやっていかなければいけないと思っておりますので、関係者の皆様の御意見をよく聞きながら対応をしていきたいと考えているところでございます。
 以上です。

○竹下委員 ありがとうございました。
 内閣府の企画担当になるかと思うのですけれども、対応要領、対応指針の内容として、情報アクセシビリティの部分について盛り込めるのか、意見と提案が含まれていたかと思うのですけれども、可能な範囲で回答をお願いします。

○内閣府 内閣府の事務局でございます。
 まず、対応要領、対応指針というものは、まさに差別解消法に基づきまして基本方針を示したわけでございまして、それを敷衍する形で、それぞれの組織においてどのように職員が障害者の方々と接していくのかということをお示しするようなイメージでおるわけでございまして、御質問にあった情報アクセシビリティというのは、確かに民間企業だろうが、行政庁だろうが、対国民あるいはお客様に対する本来のサービスなり、本来の事業として提供をしていくものにかかわる大きなところだと思いますので、むしろ障害者差別解消法に基づいた対応指針とか対応要領といったレベルに書くのか、本来の事業あるいは役所の運営方針といいますか、あり方のところにもっと関与した、コミットしているものが中身なのではないかなと個人的には思っております。
 そこら辺も踏まえつつ、当然、情報提供をするということもそれぞれの行政庁においての一つ仕事でありますから、その際にどのように職員が振る舞っていくのかというのも、ある種重要なポイントであろうと思います。ただ、一義的に対応要領、指針に書けるのかと言われると、今、何ともお答えのしようがないかなと。もっと業務そのものにかかわる話なのかなと考えております。

○竹下委員 ありがとうございます。
 3月の国連の国際会議の成果についての内容を盛り込むという点については、防災担当の方、いかがでしょうか。

○内閣府 内閣府防災でございます。
 国連防災会議の成果を報告に盛り込む件につきましては、申しわけございません、本日私から回答することはできませんので、一度持ち帰らせていただきまして、また後日御回答申し上げます。よろしくお願いします。

○竹下委員 いいことなので、ぜひ前向きに考えていただければと思います。
 それから、近藤先生、先ほど石川委員長からお願いがあった研究会の成果物といいますか、報告書、公開をすることも含めて、取扱注意を前提で御提供いただくことは可能でしょうか。

○近藤参考人 提出させていただきます。

○竹下委員 ぜひお願いしたいと思っております。
 石川委員長の質問と松森さんの質問はこれでほぼ終わったのかなと思いますけれども、お二人さん、よろしいでしょうか。
 ほかの方、いかがでしょうか。
 大河内さん、どうぞ。

○大河内委員 ありがとうございます。大河内です。
 2点御質問をさせていただきたいと思います。どこの省庁にということではないのですけれども、情報アクセシビリティの推進については、もう誰もが異論がないところだと思いますけれども、一方で、今、例えばサイバー犯罪等々の対策におけるセキュリティー強化の問題がアクセシビリティを大きく阻むという現実がございます。もちろん、それは先ほど総務省の方からお話があった、まさにいろいろな対策をするときにアクセシビリティの確保を踏まえた対策が必要だということではあるのですけれども、犯罪を抑止するという優先度が非常に高い対策の中で、アクセシビリティはかなり優先度が低められてしまうという状況が散見されております。
 大手の金融機関のサービスが、これまでは障害を持った人たちが自分のコンピューターで利用できていたようなものが、セキュリティー強化に伴って利用ができなくなっていったり、また、今後できなくなるだろうと言われているようなサービスの導入が予定されていたりします。そういうことについての対策、セキュリティー強化の対策も大事なのですけれども、セキュリティーとアクセシビリティを併用していくための取り組みというか、そういう考え方についてのプランなどがありましたら教えていただきたいと思います。
 2点目ですけれども、これは総務省の方にお伺いします。字幕放送についてのさまざまな取り組みがある一方で、資料でも音声解説放送についての記述が余り見えなかったと考えております。実際のところ、テレビ放送における音声解説は、映画等も含めてですけれども、まだ普及率としては10%以下と認識しております。この辺の今後の推進、拡大、強化等についての情報をお持ちでしたらお教えいただきたいと思います。
 以上です。

○竹下委員 ありがとうございました。
 大河内委員の1点目はどなたが答えられるのか、私もよくわからない。今のところ、総務省のほうで何か答えられる点はありますでしょうか。
 この点はどこが担当するのかもよくわかりませんが、もし、総務省で大河内委員の第1点目の質問、犯罪防止とアクセシビリティの保障との調整をどうするかということについて、国として検討をする要素やポイントがあるようでしたら、次回でも何らかの情報提供というか、説明があればありがたいと思いますので、もし、検討が可能であればお願いしたいと思っております。
 2点目の音声解説の部分についての現状を含めた報告を、総務省、お願いします。

○総務省 総務省地上放送課の梶田と申します。
 解説放送の関係のお尋ねでした。現状としては、今、大河内委員から御指摘があったように、細かく言うとそれぞれパーセントは違うのですけれども、おおむね10%に足りていないような形になっています。「障害者基本計画(第3次)の実施状況(案)」でいきますと、数字的には70ページに25年度の実績を書いてございますけれども、一番進んでいるのはNHK教育で、13.6%という形になっています。
 ここの普及を図るための取り組みとしましては、やはり先ほど申し上げました視聴覚障害者向けの行政指針に、解説放送についても目標を掲げているということが一つです。資料4でいきますと、解説放送については資料4の4ページに書いている状態でございます。こちらに基づいて取り組みを求めているところと、あと、取り組みとしましては、25年度に放送局の再免許ということがございましたけれども、そのときの要請事項としても字幕放送、解説放送、手話放送についてはしっかり取り組んでいただきたいということで要請をしているところでございます。
 また、助成事業としまして、政策にどうしてもコストがかかりますので、そこの部分の一部費用を負担するような制度も実施しているところでございます。
 以上です。

○竹下委員 ありがとうございます。
 非常に気になることがあるのですけれども、きょう防災担当の方に報告をいただいたこととも関係があるのですが、災害時の情報アクセスというか、情報保障というのは極めて重要で命にかかわる問題だと思うのですね。緊急放送や災害時における情報保障という点で、総務省ないしは内閣府の防災担当でお考えになっていることがあれば、少し御説明いただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○内閣府 内閣府防災です。
 一部冒頭に御説明した部分と重複してしまう部分があるかと思うのですけれども、もう一度御説明しますと、障害者を含む要配慮者の方に対する情報提供につきましては、障害の内容に応じて情報伝達手段を整備ないしは確保して、障害者の方々に着実に情報が伝わるようにしていくことが重要であると考えておりまして、内閣府としてもおととしの8月に「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」、また同時期に「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」という指針を策定いたしまして、この中で障害者の障害の種別にも十分配慮をして、情報伝達の取り組みについて市町村において進めていただくようにということを取りまとめておりまして、その後も、ただ取組指針を取りまとめただけではなくて、しっかりと周知をしていくということで、全国でブロック会議をやって、取組指針の内容について御説明をしたり、非常に取り組みが進んでいる市町村の参考事例を収集しまして、参考事例集として取りまとめて公表をしたり、また、最近になって取り組みの強化が必要であると思われた都道府県におきましては、個別に内閣府との間で会議をやって、取組指針にのっとって取り組みを行っていただくようにということで、取り組みについて促進をしているところでございます。

○竹下委員 ありがとうございます。
 私があえてもう一度申し上げたのは、今の字幕であろうが音声であろうが、それが放送媒体でどれだけアクセシビリティがよくなってきているかということが、今、一つのテーマになっているかと思うのですが、緊急時の部分というのはなかなかそこがリンクしてこないといいますか、防災対策のところと放送担当の所管とが連携なり対応をしていただかないと、その点は大きな改善に結びつかないのかなということが気になっての質問だったつもりです。
 すなわち、災害発生時における情報というのは、間違いなくICTも含めた通信・放送関係で一番早く伝えられるものだろうと思うし、その何秒が命にもかかわることを考えると、その分野における字幕であったり音声による支援というものが、システム上対応できるようにできないのかなという趣旨の質問だったつもりです。
 私の意見になってしまいましたけれども、そういう趣旨ですので御理解いただければと思います。
 三浦さん。

○三浦委員 1点、厚生労働省に御要望したいことがございます。人的支援の部分になるのですけれども、きょう参考人のお三方の方々から大変貴重な御意見をいただいた中に、東大の近藤先生が資料6として提案をされた下の四角囲みの1の1つ目の○のところでございますが、個別性の高いコミュニケーション手段、コミュニケーション支援を必要とする方々の中には、視覚、聴覚と合わせて高次脳機能障害やALSなど、重度の身体障害の方々を対象として明記をしていただいております。並んで、重度の脳性麻痺や最重度の脳血管障害の方々への意思疎通支援、コミュニケーション支援というのは、制度上なかなか得られないもので、介護というくくりの中で行われますので、非常に困難なことが起こってくるのが、その方々が入院されたときに、医療機関にその人とコミュニケーションができるヘルパーさんを派遣してくれないと、この人の治療そのものができないという事態も起こってきておりまして、コミュニケーション支援を必要とする方々の中に、重度重複障害と身体障害の方々も常に入れて御検討いただきたいということ。
 それと、先ほど裁量的経費と義務的経費のお話が石川委員長からございましたけれども、個別性が高い支援ですと、なかなか裁量的経費になじまないところもあるように思われます。今、ちょうど社会保障審議会で3年後の総合支援法の見直しに入っておられ、意思疎通支援に始まる意思決定支援、両方とも論点に入っているかと思われますので、どうか重度重複の方々にも必要なコミュニケーション支援のことも、議論の俎上に乗せていただきたいということを、きょう改めて要望させていただければと思います。

○竹下委員 ありがとうございます。
 今の三浦委員の2点あったうちの1点目なのですけれども、近藤先生、何か補足はありますか。

○近藤参考人 私からは特にございませんが、特に重度の重複障害であったり身体障害がある方の支援においては、例えばテクノロジーの利用などを通じてコミュニケーションのパスを確保するということも非常に重要であるということを申し添えさせていただきます。

○竹下委員 ありがとうございます。
 そうしたら、これは要望として受けとめておいていただいても結構ですけれども、厚生労働省のほうで意思疎通支援の現状なり、または今の見直しについて、きょう報告いただける点があればお願いしたいと思います。

○厚生労働省 御質問ありがとうございます。厚生労働省の自立支援振興室長でございます。
 重度の障害の方が入院をされたときのコミュニケーション支援というのは、医療の世界で費用負担のある医療保険の部分と、そこにヘルパーなりが派遣されてサポートする場合の費用負担の調整などの問題もございまして、基本的には医療機関の中ではそこで完結するという制度になっていたかと思います。
 ただ、ALSの患者さんなどは、長きにわたって特定のヘルパーの方とのコミュニケーションによってのみお気持ちを伝えることができるという関係性があるということから、コミュニケーション支援という観点で、そのヘルパーの方が病院に入ってサポートするということは現状でも実施しておりまして、私どもの地域生活支援事業で対応をしているところでございます。
 併せまして、ALS以外の先ほどおっしゃったような重度の方のコミュニケーション、病院に入院されたときのコミュニケーション支援についても、自治体によって差はございますけれども、対応しているという現状もございます。そこは実態をしっかりと踏まえまして、どのようにしたらより良い状態になるのか、また考えていきたいと思っているところでございます。
 現在、障害者総合支援法の見直しの議論が進んでいますけれども、その中でコミュニケーション支援なり情報アクセシビリティ、これも大きな論点の一つになると認識しておりますので、そういった議論の中で、各方面の御意見も承りながら対応をしていきたいと考えているところでございます。
 以上です。

○竹下委員 ありがとうございます。
 私が言っていいかどうかわかりませんが、三浦委員が指摘された、意思疎通とかが裁量的経費になじまないのではないかという発言があったのですけれども、今の3年後見直しの論点の一つに、今まで意思疎通支援は地域生活支援事業にとどまっていたわけですが、それを障害福祉サービス、個別給付として位置づけることのメリット・デメリットを含めた論点が含まれていることだけはつけ加えさせていただきます。
 次に質問があったのは、佐藤委員と伊藤委員の手が挙がっていたかと思うのですけれども、佐藤委員からお願いします。

○佐藤委員 佐藤です。ありがとうございます。
 2点ございます。きょうお越しいただいた省庁とは別のところになるかもしれないのですが、可能であれば次回資料をいただきたいと思います。
 1つ目は、6-(2)-4です。電子出版のことなのですけれども、電子出版は視覚障害の方だけではなくて、身体障害にとっても非常に有効な手段です。例えば上肢に障害があると本をめくれない。その結果本が読めないという人は結構いらっしゃるのです。そういう方も電子図書は活用されているのですけれども、電子図書の普及に向けた取り組みというのはどういうことがされているかということを教えていただきたいです。
 2点目は、6-(4)-4です。緊急時における情報提供なのですけれども、主にお答えいただいたのはウエブのことが多かったかと思うのですけれども、新谷参考人からも少しお話があったのですが、例えばバスで緊急時があったときに、音声認識を使えば文字に変換して伝えることができるというお話がありました。例えばコンサートホールとかスポーツを観戦に行ったところとか、あるいは乗り物、電車、バス、そういったもので緊急事態が起きたときに、速やかに伝えられるような政策、取り組みがあるのかどうかということを教えていただきたいです。
 以上です。

○竹下委員 ありがとうございます。
 先に進ませていただきたいと思うのですが、電子図書の点は総務省になるのでしょうか。それと、緊急時の情報提供について、やはりまた防災担当の方になるのかなと思うのですが、お答えが可能であればお願いします。
 所管を間違えていました。文科省なのだそうで、きょうの質問は事務局から伝えさせていただくことにします。

○石川委員長 所管の問題は複数にかかわるのかもしれないのですが、先日、総務省からの委託事業になるのでしょうか、財源の性質についてまでは把握できていないのですが、電流協に出された電子書籍のアクセシビリティガイドラインの成果物が総務省のサイトで公開されているかと思うので、所管されている分野の1つかなと理解していたのですけれども、御確認いただけないでしょうか。

○竹下委員 では、総務省と文科省、それ以外も関係してくるのか、私はわかっていませんが、その点は少し検討をいただくということにしておきたいと思います。
 では、防災のほう、お願いします。

○内閣府 本日、その点については私のほうで御回答ができないので、持ち帰らせていただければと思います。私どもで回答できるかどうかも含めて検討をさせていただければと思います。

○竹下委員 よろしくお願いします。
 では、伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員 伊藤です。
 資料1にいろいろなことがまとめられておりますけれども、2ページ目の3の(2)が余りお話しされていなかったと思うのです。特にみずから意思表示ができない、あるいはコミュニケーションをとることができないという病気や意識の障害を持っている方々に対して、これは防災も含めてですが、何かしようということで、ここに書かれていることは、みんなこれから研究しなければならないことなのですね。
 我々も実験、研究をしようと思っていたのですが、これをどこに相談に行ったらいいかというのがあって、厚生労働省なのか、総務省なのか、経済産業省なのか、文部科学省なのかわからない。特に日本版NIHという触れ込みでつくられましたAMEDの中に、何かそういう項目が含まれていないかといろいろ探したのですけれども、そこの研究応募の項目にもないということなのです。
 今、大変な時点ですので、ぜひどこに相談に行ったらいいのか。厚生労働省の中でもどこなのか、福祉なのか、基礎研究なのかも含めて、そういう場所を明らかにしていただかないと、ここに書かれているように「今後の課題は何か」というと、とにかくどこに行ったらいいかわからないのが課題だろうと思うぐらいですが、重要ですので、ぜひこのところを教えていただきたいと思います。

○竹下委員 ありがとうございます。
 どなたが答えられるのか、それこそ難しいのですけれども、その点について検討を含めて、厚生労働省のほうでお答え可能でしょうか。

○厚生労働省 厚生労働省の自立支援振興室長でございます。御質問ありがとうございます。
 厚生労働省だけで答えるというのは、なかなか荷が重い気がしますけれども、厚生労働省の中でもこういったICTをどう活用するかというのはいろいろと議論されておりまして、おっしゃるとおりに医療の分野もそうですし、介護の分野もそうですし、障害の分野も関係するということで、実務者も含めて縦割りではなくて、横串の連携をとってやっております。
 一番身近なところにアクセスしていただければ、そこからまたつなぐということも私どもは心がけておりますので、そこは積極的に活用をしていただいて、できるだけワンストップでつないでいけるように努力をしていきたいと思っております。

○伊藤委員 ついでに発言を続けたいと思いますが、実はそう思っていろいろなところに相談に行ったのですけれども、ワンストップにならないのですね。どこか自分で探していかなければならないというので、介護のほうかもしれないしということで、わからなかったのですね。
 もし、そういうことが可能でしたら、せめて相談はここにということだけ教えていただければと思います。自立支援振興室でよろしいでしょうか。それとも、難病ですと健康局に行かなければいけないのか。

○厚生労働省 どこが一番近い部署かというのは案件によるかもしれませんが、そこはざっくばらんに御相談いただければ、私どもが知り得る範囲でつなぎたいと思っておりますので、お気軽に御相談いただければと思います。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 従来でき上がったものではなくて、新たな視点から新たな開発をする必要があるところですので、よろしくお願いいたします。

○竹下委員 どうもありがとうございました。
 ぼちぼち時間が迫ってきたわけですけれども、今、手を挙げておられる松森さんで、きょうの質疑は最後にしたいと思います。
 松森委員、どうぞ。

○松森委員 松森でございます。
 新谷さんに1つ質問です。きょう配られている資料1の2ページ目に「3 参考人に聞きたいポイント」というものがあります。⑦の災害時について新谷さんから具体的なお話はなかったと思うのですけれども、全難聴という立場で必要だと思うことだとか、実施状況に書かれていること以外で具体的なことが何かあれば教えてください。

○竹下委員 新谷さん、答えることが可能でしたらお願いします。

○新谷委員 新谷です。
 この問題は繰り返し言ってきて、今さら行くことはたくさんはないのですけれども、もう持ち帰って検討というレベルではなかったはずなのですね。緊急時の字幕のつけ方とか、いろいろなことの議論を繰り返してきて、確かに緊急時の情報というのは、正確さは非常に重要ですけれども、もしかすると少々不正確でもタイミングのほうが急がれることがあるということで、総務省のほうで災害関係を考える基本的な視点をどこに置くかということが、方針を決める非常に大きなところではないかと思います。
 ただ、私たちが言っているのは、発災時の一番後まで残る情報手段というのは、多分ラジオだろうと。ラジオは、インターネットでは「らじるらじる」というNHKのものがあるわけですね。それは残念ながら音声だけだということで、私たちはそれをiPhoneにつないで、siriの音声認識にかけてどれだけ変換できるのかというのをトライアルでやったのですよ。もうほとんどできる。だから、その情報をiPhoneとパソコンでプロジェクターにつないでスクリーンに出せば、かなりのところに伝えられる。だから、私たちは総務省の指針を待たないで、そんなことは団体内でやってしまおうというタイミングです。結局、災害というのはいつ起こるかわからないから、私たちとしてはやれることをやろうかなと考えております。

○竹下委員 ありがとうございました。
 今の新谷さんの回答も、場合によっては総務省や防災担当のほうでも御参考にしていただければと思います。
 時間が来ましたので、きょうの質疑はこれで終わらせていただきたいと思います。どうも御協力ありがとうございました。
 あとは次回に向けての説明を事務局からお願いします。

○加藤参事官 お手元の参考資料2をごらんください。この資料には、今後のワーキング・セッションと障害者政策委員会の予定を記載しております。次回のワーキング・セッションIVにつきましては、6月1日月曜日10時30分開始を予定しております。場所は同じ4号館の408会議室を予定しております。また、この資料にありますように、第21回の障害者政策委員会、その他のワーキング・セッションも並行して開催される予定でございます。
 以上でございます。

○竹下委員 どうもありがとうございました。
 では、きょうのワーキング・セッションIVは、これで終わらせていただきます。どうも御協力ありがとうございました。