障害者施策の基本的な方向を定める「障害者基本計画」(平成14年12月24日閣議決定)においては、障害の有無にかかわらず、国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会の実現を目指している。
共生社会の実現を図るためには、国民の障害及び障害者に関する意識や理解が極めて重要となる。
本調査は、日本、ドイツ及びアメリカの3か国における国民の障害に対する意識等に関し、国際比較分析を行い、今後のわが国における障害者施策の推進に資することを目的とするものである。
(1)対象国
日本、ドイツ、アメリカ
(2)調査対象者
20歳以上69歳以下の男女個人
(3)調査方法
ア 日本:個別訪問面接調査(訪問留置訪問回収法併用)
イ ドイツ:電話調査(CATI)
ウ アメリカ:電話調査(CATI)
(4)抽出方法
ア 日本:層化二段無作為抽出法(100地点)
●地域(ブロック)・市郡規模
・県(都道府県)を単位にして全国を9ブロックに分類。
北海道 | 北海道 |
東北 |
青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県 |
関東 |
茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、長野県 |
北陸 |
新潟県、富山県、石川県、福井県 |
東海 |
岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 |
近畿 |
滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県 |
中国 |
鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 |
四国 |
徳島県、香川県、愛媛県、高知県 |
九州 |
福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
・各ブロック内においてさらに、市区町村を5つの市郡規模に分類。
15大都市(札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、東京都特別区、横浜市、川崎市、静岡市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、北九州市、福岡市) |
人口15万以上の都市(15大都市を除く) |
人口5万以上の都市 |
人口5万未満の都市 |
郡部(町村) |
イ ドイツ
無作為二段抽出(地域・人口規模別二段抽出)乱数ダイアル法
●地域・都市規模
・地域を州(federal state)で区分する。
(1)シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州 | (9)バイエルン自由州 |
(2)ハンブルク | (10)ザールランド州 |
(3)ニーダーザクセン州 | (11)ベルリン |
(4)ブレーメン | (12)ブランデンブルク州 |
(5)ノルトライン・ヴェストファーレン州 | (13)メクレンブルク・フォアポンメルン州 |
(6)ヘッセン州 | (14)ザクセン・アンハルト州 |
(7)ラインラント・プファルツ州 | (15)ザクセン自由州 |
(8)バーデン・ヴュルテンベルク州 | (16)テューリンゲン自由州 |
・上記の16ブロック内において、次のように都市規模別に分類し、層化する。
1 〜2,000人未満 |
2 〜5,000人未満 |
3 〜20,000人未満 |
4 〜50,000人未満 |
5 〜100,000人未満 |
6 〜500,000人未満 |
7 500,000人以上 |
(参考)乱数ダイアル法
(ドイツ・マーケティングリサーチ協会(ADM)標準のサンプル・デザイン法に順ずる)
A 下二桁以外共通の電話番号を、局番ごとに分類し、下二桁は00〜99の間の任意の数とする。事業所の電話番号は予め除いておき、地区コードを付与する。
B ブロック・都市規模で分類された各層の母集団(20〜69歳の人口数)の大きさにより、各層の地区地区コード数を決定し、地区コードごとの電話番号(世帯)数を比例配分により抽出する。
C 地区コードごとに、電話番号(世帯)をランダムに抽出する。
D 選ばれた世帯に電話をかけ、調査時以降に最も早く誕生日を迎える人を抽出する。対象となる人が不在の場合、時間帯や曜日を変えて、数回電話する。
ウ アメリカ
TNS Access Panelより割当て抽出法
(TNS Access Panelに参加している50万世帯から、性、年齢、地域、人種、学歴などの属性を、US Census Population Survey(センサス)に応じて割付け、対象者を抽出する。)
(5)調査項目
ア 障害者との接触
イ 障害の認知度
ウ 障害者の雇用
エ 障害者の教育
オ 障害者の地域生活
カ 障害者の社会参加
キ その他
ク 調査対象者の基本的属性(性別、年齢、職業等)
(6)調査時期
平成19年2月〜3月
(7)調査実施機関
本調査の実査及び集計は、次の調査機関によって実施した。
日本:株式会社日本リサーチセンター
ドイツ:Ipsos GmbH
アメリカ:Taylor Nelson Sofres (TNS)
(8)回収結果
ア 日本
サンプル数 1,800
回収数 1,093
回収率 60.7%
転居 | 長期不在 | 短期不在 | 拒否 | 住所不明 | その他 | 合計 |
62 | 55 | 80 | 452 | 33 | 25 | 707 |
3.4% | 3.1% | 4.4% | 25.1% | 1.8% | 1.4% | 39.3% |
イ 3か国属性別
(上段:実数、下段:%)全体 | 男性 | 女性 | |
日本 | 1,093 | 565 | 528 |
100.0% | 51.7% | 48.3% | |
ドイツ | 1,001 | 495 | 506 |
100.0% | 49.5% | 50.5% | |
アメリカ | 1,001 | 498 | 503 |
100.0% | 49.8% | 50.2% |
全体 | 20歳代 | 30歳代 | 40歳代 | 50歳代 | 60歳代 | |
日本 | 1,093 | 168 | 204 | 224 | 259 | 238 |
100.0% | 15.4% | 18.7% | 20.5% | 23.7% | 21.8% | |
ドイツ | 1,001 | 185 | 209 | 258 | 198 | 151 |
100.0% | 18.5% | 20.9% | 25.8 | 19.8 | 15.1% | |
アメリカ | 1,001 | 214 | 215 | 241 | 204 | 127 |
100.0% | 21.4% | 21.5% | 24.1% | 20.4% | 12.7% |
(9)本報告書を読む際の注意
(1)Nは質問に対する回答者数で、100%が何人の回答に相当するかを示す比率算出の基数である。
(2)標本誤差は回答者数(N)と得られた結果の比率によって異なるが,単純任意抽出法(無作為抽出)を仮定した場合の誤差(95%は信頼できる誤差の範囲)は下表のとおりである。
各回答の比率 | 10%(又は90%) | 20%(又は80%) | 30%(又は70%) | 40%(又は60%) | 50% |
N | |||||
1,000 | +/-1.9 | +/-2.5 | +/-2.8 | +/-3.0 | +/-3.1 |
500 | +/-2.6 | +/-3.5 | +/-4.0 | +/-4.3 | +/-4.4 |
100 | +/-5.9 | +/-7.8 | +/-9.0 | +/-9.6 | +/-9.8 |
なお、本調査のように層化二段無作為抽出法による場合は標本誤差が若干増減することもある。また、誤差には調査員のミスや回答者の誤解などによる計算不能な非標本誤差もある。
(3)M.T.(Multiple Totalの略)は、複数の回答を選ぶことのできる設問で回答数の合計を回答者数(N)で割った比率であり,通常その値は100%を超える。
(4)結果数値(%)は、表章単位未満を四捨五入してあるので,内訳の合計が計に一致しないこともある。
(5)統計表等に用いた符号は次のとおりである。
0.0:表章単位に満たないが、回答者がいるもの
-:回答者がいないもの
(10)企画分析委員
本調査の企画及び分析にあたっては、次の各氏の協力を得た。
座長
丸山 一郎埼玉県立大学保健医療福祉学部教授
委員
江上 義盛(財)全国精神障害者家族連合会専務理事
片石 修三(財)日本障害者リハビリテーション協会常務理事
千葉 均 (社)全国脊髄損傷者連合会専務理事
東山 文夫(社福)日本盲人会連合常務理事
久松 三二(財)全日本聾唖連盟本部事務所長
松友 了 (社福)全日本手をつなぐ育成会常務理事
森 祐司(社福)日本身体障害者団体連合会常務理事
(敬称略・五十音順)