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平成18年度障害者の社会参加促進等に関する国際比較調査

3 障害に対する意識

(1)障害のある人の生活(Q6)

Q6. 障害のある人は、障害のない人と同じような生活を送っていると思いますか。それともそうは思いませんか。次のうち、あてはまるものを1つだけ選び、番号に○をつけてください。(○はひとつだけ)

(図表3-1-1)障害のある人の生活<CSVデータ>
図表3-1-1 障害のある人の生活

 障害のある人はない人と同じような生活を送っているか、という問いかけに対して、日本では「そう思わない」(46.5%)と回答した者が5割近くで、「あまりそう思わない」者(28.4%)を合わせると4人に3人は、同じような生活を送っているとは『思わない』と答えている。一方、ドイツでは「そう思う」(12.9%)と答えた者が1割強で、「ややそう思う」(69.0%)という者と合わせると、同じような生活を送っていると『思う』者が8割強である。
 アメリカは、『そう思う』(「そう思う」+「ややそう思う」)という者が53.7%で、同じような生活を送っているとは『思わない』者(45.4%)と意見が拮抗し、3か国の違いが回答に顕著に表れた設問といえる。

 男女別にみると、日本では性別による回答の差はみられない。ドイツでは、「ややそう思う」(男66.5%、女71.5%)が女性でやや多いが、『そう思う』『そう思わない』の割合は大きく変わらない。アメリカでも、性別による差はみられない。

(図表3-1-2)障害のある人の生活(図は日本のみ、男女別)<CSVデータ>
図表3-1-2 障害のある人の生活(日本、男女別)
図表3-1-2 障害のある人の生活(ドイツ・アメリカ、男女別)

 日本について性・年代別にみると、障害のある人が同じような生活を送っていると『思う』と回答した者は、男女とも20代と50代以上に多くなっている。

 また、日本について、身近な障害者の有無別にみると、障害のある人が身近にいる者は、そうでない者に比べて、同じような生活を送っていると『思う』と回答した者がやや多い。

(図表3-1-3)障害のある人の生活(日本、性・年代別)<CSVデータ>
図表3-1-3 障害のある人の生活(日本、性・年代別)

(図表3-1-4)障害のある人の生活(日本、身近な障害者の有無別)<CSVデータ>
図表3-1-4 障害のある人の生活(日本、身近な障害者の有無別)

(2)障害のある人の参加を促進するべき場所(Q7)

Q7. 障害のある人の参加の度合が今よりも、もっと高くてもいいと思う場所はどこですか。次のうち、あてはまるものをすべて選び、番号に○をつけてください。(○はいくつでも)

(図表3-2-1)障害のある人の参加を促進するべき場所<CSVデータ>
図表3-2-1 障害のある人の参加を促進するべき場所

 障害のある人の参加を促進するべき場所としては、日本では、「職場」(64.2%)、「義務教育以降の教育機関」(57.1%)、「義務教育機関」(55.3%)がいずれも5〜6割台であり、「隣近所」は25.3%である。
 ドイツでは、「職場」(82.7%)が他の国に比べて目立って多く、「隣近所」(71.2%)、「義務教育以降の教育機関」(69.5%)、「義務教育機関」(63.0%)の順である。
 アメリカでは、「義務教育機関」(69.8%)、「職場」(65.7%)、「隣近所」(60.9%)、「義務教育以降の教育機関」(57.6%)がいずれも5〜6割台であり、項目による回答の差がみられない。

 男女別にみると、日本では、「義務教育機関」(男51.5%、女59.3%)は女性で、「特にない」(男15.0%、女9.1%)は男性で、それぞれやや多い。ドイツでは、「義務教育機関」(男57.0%、女69.0%)、「義務教育以降の教育機関」(男66.5%、女72.5%)、「隣近所」(男66.1%、女76.3%)のいずれも、女性の方が多い。一方、アメリカでは、性別による大きな差はみられない。

(図表3-2-2)障害のある人の参加を促進するべき場所(図は日本のみ、男女別)<CSVデータ>
図表3-2-2 障害のある人の参加を促進するべき場所(図は日本のみ、男女別)

 また、日本について、性・年代別にみると、「義務教育機関」は女性の30〜40代で、「義務教育以降の教育機関」と「職場」は女性の40代でやや多くなっている。

 一方、日本について、身近な障害者の有無別にみると、自分自身や家族・親族に障害がある者は、いずれの項目も多くあげている。

(図表3-2-3)障害のある人の参加を促進するべき場所(日本、性・年代別)<CSVデータ>
図表3-2-3 障害のある人の参加を促進するべき場所(日本、性・年代別)

(図表3-2-4)障害のある人の参加を促進するべき場所(日本、身近な障害者の有無別)<CSVデータ>
図表3-2-4 障害のある人の参加を促進するべき場所(日本、身近な障害者の有無別)

(3)障害のある人を前にした時の意識(Q8)

Q8. 何らかの障害のある人を前にした時、あなたはどのように感じますか。 次のうち、あてはまるものを1つだけ選び、番号に○をつけてください。(○はひとつだけ)

(図表3-3-1)障害のある人を前にした時の意識<CSVデータ>
図表3-3-1 障害のある人を前にした時の意識

 何らかの障害のある人を前にした時の意識について、日本では、「非常に意識する」(8.3%)という者が1割弱で、「少しは意識する」(52.3%)を合わせると、6割は『意識』して接すると回答している。これに対して、ドイツでは、「あまり意識せず接する」(53.5%)が過半数で最も多く、「全く意識せず気軽に接する」者は33.9%である。また、アメリカでは、半数が「全く意識せず気軽に接する」(50.0%)と回答しており、ドイツ、アメリカともに『意識せず接する』が9割近くを占める。

 男女別にみると、3か国とも、回答に性別による大きな差はない。

(図表3-3-2)障害のある人を前にした時の意識(図は日本のみ、男女別)<CSVデータ>
図表3-3-2 障害のある人を前にした時の意識(日本、男女別)
図表3-3-2 障害のある人を前にした時の意識(ドイツ・アメリカ、男女別)

 日本について、性・年代別にみると、『意識せず接する』は男性の20代と50代以上、女性の60代でやや多い。また、日本について、身近な障害者の有無別にみると、障害のある人が身近にいたことがある回答者の方が、『意識せず接する』とした者が多い。

(図表3-3-3)障害のある人を前にした時の意識(日本、性・年代別)<CSVデータ>
図表3-3-3 障害のある人を前にした時の意識(日本、性・年代別)

(図表3-3-4)障害のある人を前にした時の意識(日本、身近な障害者の有無別)<CSVデータ>
図表3-3-4 障害のある人を前にした時の意識(日本、身近な障害者の有無別)

(4)障害のある人を前にした時の周囲の意識(Q9)

Q9. では、あなた以外の周囲の人は、何らかの障害のある人を前にした時、どのように感じると思いますか。次のうち、あてはまるものを1つだけ選び、番号に○をつけてください。(○はひとつだけ)

(図表3-4-1)障害のある人を前にした時の周囲の意識<CSVデータ>
図表3-4-1 障害のある人を前にした時の周囲の意識

 周囲の人が障害のある人を前にした時の意識について、日本では、「少しは意識する」(55.5%)と答えた者が6割弱で、「非常に意識する」(14.5%)を合わせると、周囲の人は『意識する』という回答は7割である。ドイツ、アメリカも同様に、『意識する』という者が7割を超え、自分自身は意識しないが、周囲の人は意識するという見方をしている。

 男女別にみると、日本では、性別による大きな回答の差はないが、ドイツとアメリカでは、ともに男性より女性の方が、自分以外の周囲の人は『意識する』だろう、と回答している。

(図表3-4-2)障害のある人を前にした時の周囲の意識(図は日本のみ、男女別)<CSVデータ>
図表3-4-2 障害のある人を前にした時の周囲の意識(日本、男女別)
図表3-4-2 障害のある人を前にした時の周囲の意識(ドイツ・アメリカ、、男女別)

 日本について性・年代別にみると、『意識せず接する』は、男性の50代以上と女性60代でやや多い。また、日本について、身近な障害者の有無別にみると、身近に障害のある人がいない者で「わからない」という回答が2割強である。

(図表3-4-3)障害のある人を前にした時の周囲の意識(日本、性・年代別)<CSVデータ>
図表3-4-3 障害のある人を前にした時の周囲の意識(日本、性・年代別)

(図表3-4-4)障害のある人を前にした時の周囲の意識(日本、身近な障害者の有無別)<CSVデータ>
図表3-4-4 障害のある人を前にした時の周囲の意識(日本、身近な障害者の有無別)

(5)障害のある人への意識(Q10)

Q10. 次のような人が、車椅子に乗っていたり、視覚や聴覚に障害があったりしたとしたら、あなたはどのように感じますか。次のうち、それぞれについて、あてはまるものを1つずつ選び、番号に○をつけてください。(○はひとつずつ)

(図表3-5-1)障害のある人への意識<CSVデータ>
図表3-5-1 障害のある人への意識

 “職場の上司・同僚”“近所の人”“買い物に行く店の店員”“政治家、芸術家など有名人”に障害がある場合の意識を、それぞれについて聞いた。
 日本では、4項目とも『意識せず接する』が5割前後であった。ドイツとアメリカでは4項目とも『意識せず接する』が9割前後である。アメリカでは、“近所の人”に関して、「全く意識せず接する」(77.1%)という者が8割近くを占めているが、いずれの国でも、相手による接し方に大きな違いはみられなかった。

 男女別にみると、日本、ドイツでは性別による大きな差はみられない。アメリカでは、“職場の上司、同僚”と“買い物に行く店の店員”の場合、『意識せず接する』という者の割合に男女差はみられないが、「全く意識せず気軽に接する」と回答した者は男性より女性の方がやや多い。“近所の人”と“政治家、芸術家など有名人”の場合は、アメリカでも性別による差はみられない。

(図表3-5-2)障害のある人への意識(男女別)<CSVデータ>
図表3-5-2 障害のある人への意識(男女別)
図表3-5-2 障害のある人への意識(男女別)

 

 日本について、性・年代別にみると、男性の40代以下と女性の30代以下で、“職場の上司、同僚”の場合、『意識する』と回答した者が多い。“買い物に行く店の店員”の場合は、女性の20代と40代で『意識する』がやや多い。

(図表3-5-3)障害のある人への意識『意識する』計(日本、性・年代別)<CSVデータ>
図表3-5-3 障害のある人への意識『意識する』計(日本、性・年代別)

 また、日本について身近な障害者の有無別に、『意識する』と言う回答の割合をみてみた。“職場の上司、同僚”、“近所の人”や“買い物に行く店の店員”の場合、『意識する』と回答した割合は、障害者が身近にいない者の方が、やや多い傾向にある。一方 “政治家、芸術家など有名人”の場合は、身近な障害者の有無による大きな差はみられない。

(図表3-5-4)障害のある人への意識『意識する』計(日本、身近な障害者の有無別) <CSVデータ>
図表3-5-4 障害のある人への意識『意識する』計(日本、身近な障害者の有無別)

(6)精神障害のある人の近隣への転居(Q11)

Q11. 精神に障害のある人が、あなたのご近所に暮らすことになったとします。あなたはどのように感じますか。次のうち、あてはまるものを1つだけ選び、番号に○をつけてください。(○はひとつだけ)

(図表3-6-1)精神障害のある人の近隣への転居<CSVデータ>
図表3-6-1 精神障害のある人の近隣への転居

 精神に障害のある人の近隣への転居について、日本では、「非常に意識する」(25.5%)と「少しは意識する」者(47.3%)を合わせると、7割以上が『意識する』と答えている。これに対して、ドイツとアメリカでは、「全く意識せず気軽に接する」(独37.8%、米38.0%)がともに4割弱で、7割以上は、近隣の精神に障害のある人と『意識せず接する』と答えている。

 男女別にみると、日本では、「非常に意識する」(男21.9%、女29.4%)と答えた、強く意識する者は女性の方が多い。ドイツでは、性別による大きな差はみられない。アメリカでは、『意識する』(男15.7%、女22.1%)という者は、男性より女性にやや多くなっている。

(図表3-6-2)精神障害のある人の近隣への転居(図は日本のみ、男女別)<CSVデータ>
図表3-6-2 精神障害のある人の近隣への転居(日本、男女別)
図表3-6-2 精神障害のある人の近隣への転居(ドイツ・アメリカ、男女別)

 日本について、性・年代別にみると、男性の20代で『意識せず接する』という者がやや多い。一方、男性の30〜40代と女性の30代では、『意識する』が8割程度である。

 身近な障害者の有無別にみると、近隣の精神障害者に対する意識に大きな差はみられない。

(図表3-6-3)精神障害のある人の近隣への転居(日本、性・年代別)<CSVデータ>
図表3-6-3 精神障害のある人の近隣への転居(日本、性・年代別)

(図表3-6-4)精神障害のある人の近隣への転居(日本、身近な障害者の有無別)<CSVデータ>
図表3-6-4 精神障害のある人の近隣への転居(日本、身近な障害者の有無別)

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