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平成18年度障害者の社会参加促進等に関する国際比較調査

4 支援、交流活動の状況

(1)障害のある人の支援・交流活動への参加経験(Q12)

Q12. 今までに、障害のある人々の手助けをしたり、ボランティアや交流活動をしたりしたことがありますか。あなたがしたことがあるものを、次のうちからすべて選び、番号に○をつけてください。(○はいくつでも)

(図表4-1-1)障害のある人の支援・交流活動への参加経験<CSVデータ>
図表4-1-1 障害のある人の支援・交流活動への参加経験

 障害のある人々の手助けや、ボランティアや交流活動の経験としては、日本では「席をゆずる、横断歩道や階段で手助けをする」(52.2%)が5割強で最も多く、次いで「一緒に遊ぶ」(22.2%)、「相談相手、話し相手」(18.6%)と続くが、「したことはない」(31.3%)という回答も3割程度ある。
 ドイツでは、「席をゆずる、横断歩道や階段で手助けをする」(78.6%)と「相談相手、話し相手」(76.5%)が7割台で最も多く、次いで「寄付、経済的な援助」(62.2%)が6割台である。
 一方、アメリカでは、「相談相手、話し相手」(79.7%)と「寄付、経済的な援助」(79.1%)がほぼ8割弱で最も多く、「席をゆずる、横断歩道や階段で手助けをする」が65.3%である。ドイツ、アメリカで「したことはない」者(独2.6%、米3.2%)は、3%前後である。
 3か国の中で、特にアメリカで「寄付、経済的な援助」(日17.9%、独62.2%、米79.1%)、「募金活動、寄付集め」(日10.1%、独18.7%、米50.5%)、「NPO(非営利団体)、ボランティア団体への参加、運営の手伝い」(日5.2%、独32.4%、米41.1%)と回答した者が多く、寄付やボランティアを取り巻く文化的違いを反映していると考えられる。

 男女別にみると、日本では全般的に男性より女性で参加率が高く、何らかの形で参加したことがあるという回答は女性の方が約12ポイント高い。ドイツとアメリカでは参加経験の有無に男女で大きな差はみられない。
 ドイツとアメリカについて、個別の項目をみると、2か国とも「スポーツ、バザーやコンサートなどイベントへの参加・手伝い」の経験は男性でやや多く、女性の方が多い日本(男8.3%、女13.6%)とは傾向が異なる。また、ドイツでは、「手話・要約筆記」(男15.4%、女22.3%)が女性でやや多い。アメリカでは、「席をゆずる、横断歩道や階段で手助けする」(男68.9%、女61.8%)が男性で、「家事や身の回りの手伝い」(男44.4%、女52.3%)が女性で、それぞれ多くなっている。

(図表4-1-2)障害のある人の支援・交流活動への参加経験(図は日本のみ、男女別)<CSVデータ>
図表4-1-2 障害のある人の支援・交流活動への参加経験(図は日本のみ、男女別)

 また、日本について性・年代別にみると、女性の20〜30代、60代で参加経験率が8割前後と高く、女性の60代は、「席をゆずる、横断歩道や階段で手助けする」が73.0%と特に多くなっている。「一緒に遊ぶ」は男女とも若年層ほど多い傾向にあり、女性の20〜30代では4割弱である。さらに、「相談相手、話し相手」は女性の20〜30代と60代で、「寄付、経済的な援助」は女性の40代と60代で、「手話、要約筆記」は女性の20代で、それぞれ他の性・年代層よりやや多い。

 さらに、日本について身近な障害者の有無別にみると、身近にいたことはない者の6割が、参加「したことはない」(61.6%)と回答しており、身近に障害者のいる者よりも経験のない割合が高い。

(図表4-1-3)障害のある人の支援・交流活動への参加経験(日本、性・年代別)<CSVデータ>
図表4-1-3 障害のある人の支援・交流活動への参加経験(日本、性・年代別)

(図表4-1-4)障害のある人の支援・交流活動への参加経験(日本、身近な障害者の有無別)<CSVデータ>
図表4-1-4 障害のある人の支援・交流活動への参加経験(日本、身近な障害者の有無別)

(2)障害の種類(Q13)

Q13. あなたが手助けをしたり、ボランティアや交流活動をしたりしたことがある人の障害の種類は、次のうちどれでしょうか。あてはまるものをすべて選び、番号に○をつけてください。(○はいくつでも)

(図表4-2-1)支援、交流活動の相手の障害種類<CSVデータ>
図表4-2-1 支援、交流活動の相手の障害種類

 障害のある人の支援、交流活動経験があると回答した者に、活動の対象となった人の障害の種類を聞いた。
 日本(751人)では、「車椅子使用など、肢体不自由の人」(57.3%)が最も多く6割弱である。次いで、「視覚に障害のある人」(36.2%)、「知的障害のある人」(32.9%)、「聴覚・言語に障害のある人」(24.0%)と続く。
 ドイツ(975人)では、「車椅子使用など、肢体不自由の人」(85.0%)が日本と同様最も多く、「知的障害のある人」(61.2%)、「聴覚・言語に障害のある人」(53.6%)と続く。
 アメリカ(969人)でも、「車椅子使用など、肢体不自由の人」(74.7%)が最も多く、次いで「知的障害のある人」(55.7%)となっている。アメリカで第3位の「自閉症や学習障害のある人」(55.4%)は日本、ドイツと比べて目立って多い。

 男女別にみると、日本では、「知的障害のある人」(男28.7%、女36.6%)、「自閉症や学習障害のある人」(男11.8%、女17.7%)、「統合失調症、うつ病など、精神病の人」(男7.3%、女13.4%)は、女性の方がやや多い。ドイツでも、「自閉症や学習障害のある人」(男32.1%、女37.6%)、「統合失調症、うつ病など、精神病の人」(男38.1%、女46.3%)は、女性の方が多い。アメリカでは、「知的障害のある人」(男52.7%、女58.7%)、「聴覚・言語に障害のある人」(男44.0%、女51.5%)、「統合失調症、うつ病など、精神病の人」(男44.8%、女49.9%)で、それぞれ女性の方がやや多い。

(図表4-2-2)支援、交流活動の相手の障害種類(図は日本のみ、男女別)<CSVデータ>
図表4-2-2 支援、交流活動の相手の障害種類(図は日本のみ、男女別)

 さらに、日本について、性・年代別にみると、「車椅子使用など、肢体不自由な人」は男性の50代で、「視覚に障害のある人」は女性の40代で、「知的障害のある人」は、男女とも20代で、「聴覚・言語に障害のある人」は女性の20代と40代で、それぞれ他の性・年代層より多くなっている。

(図表4-2-3)支援、交流活動の相手の障害種類(日本、性・年代別)<CSVデータ>
図表4-2-3 支援、交流活動の相手の障害種類(日本、性・年代別)

(3)支援、交流活動のきっかけ(Q14)

Q14. あなたが障害のある人々の手助けをしたり、ボランティアや交流活動をしたりしたきっかけはなんですか。次のうち、あてはまるものをすべて選び、番号に○をつけてください。(○はいくつでも)

(図表4-3-1)支援、交流活動のきっかけ<CSVデータ>
図表4-3-1 支援、交流活動のきっかけ

 支援・交流活動のきっかけとしては、日本では「困っているのを見かけたので」(53.9%)が5割強で最も多く、「身近に障害のある人がいたので」(37.0%)、「職場を通じておこなう機会があったから」(21.8%)が続く。
 ドイツとアメリカでは、「困っているのを見かけたので」(独80.9%、米76.4%)と「身近に障害のある人がいたので」(独76.6%、米78.7%)が8割前後あり、次いで「職場を通じておこなう機会があったから」(独53.2%、米46.5%)となっており、上位3項目は3か国とも同じである。
 なお、ドイツでは兵役義務の代わりに公共奉仕活動を選べる兵役代替奉仕によって多くの若者が社会福祉活動に参加している[1]ため、ドイツのみ「兵役代替として」という選択肢を提示した。

 男女別にみると、日本とドイツでは、性別による大きな差はない。アメリカでは、上位3項目に性別による大きな差はみられないが、「学校を通じて行う機会があったから」(男34.2%、女45.2%)は、女性の方がやや多い。

(図表4-3-2)支援、交流活動のきっかけ(図は日本のみ、男女別)<CSVデータ>
図表4-3-2 支援、交流活動のきっかけ(図は日本のみ、男女別)

 日本について、性・年代別にみると、「身近に障害のある人がいたので」と回答した者は、女性の30代で、「職場を通じておこなう機会があったから」は女性では30〜40代で、きっかけとして、それぞれ多くあげられている。また、「学校を通じておこなう機会があったから」は男女とも若年層ほど多い傾向にある。さらに、「ボランティア募集のお知らせを見て」は女性の20代で、「ボランティアに関する講座や教室などに参加して」は女性の50代で、それぞれやや多くなっている。

(図表4-3-3)支援、交流活動のきっかけ(日本、性・年代別)<CSVデータ>
図表4-3-3 支援、交流活動のきっかけ(日本、性・年代別)

(4)支援、交流活動の経験のない理由 (Q15)

Q15. 障害のある人々の手助けをしたり、ボランティアや交流活動をしたりしたことがないのは、どうしてでしょうか。次のうち、あてはまるものをすべて選び、番号に○をつけてください。(○はいくつでも)

(図表4-4-1)支援、交流活動の経験のない理由<CSVデータ>
図表4-4-1 支援、交流活動の経験のない理由
*ドイツ、アメリカは該当数が小さいため参考値

 支援・交流活動を「したことがない」と回答した者の理由としては、日本(342人)では、「そのような機会がなかった」(79.2%)が最も多い。

 日本について、男女別にみると、「そのような機会がなかった」(男76.7%、女83.3%)は女性の方がやや多い。一方、「どのように接してよいかわからなかった」(男25.2%、女15.9%)、「専門家に任せた方がよいと思った」(男14.3%、女9.1%)、「おせっかいになるような気がした」(男12.9%、女6.8%)などは、男性の方がやや多くなっている。

(図表4-4-2)支援、交流活動の経験のない理由(日本、男女別)<CSVデータ>
図表4-4-2 支援、交流活動の経験のない理由(日本、男女別)

(5)今後の活動意向(Q16)

Q16. あなたは、今後、障害のある人々の手助けをしたり、ボランティアや交流活動をしたりしたいと思いますか。次のうち、あてはまるものを1つだけ選び、番号に○をつけてください。(○はひとつだけ)

(図表4-5-1)今後の活動意向<CSVデータ>
図表4-5-1 今後の活動意向

 回答者全員に、今後の支援・交流活動への参加意向について聞いたところ、日本では「機会があればそうしたい」と回答した者が65.7%であった。ドイツでは、「機会があればそうしたい」(72.7%)が7割強、アメリカ(63.7%)では6割強である。
 一方、日本では、「そうしたくない」が3.7%で、「わからない」(30.6%)が約3割であるが、ドイツとアメリカでは「そうしたくない」(独25.4%、米32.3%)が3割前後で、日本とは対照的である。

 男女別にみると、日本では女性の方が「機会があればそうしたい」(男59.8%、女72.0%)と答えた者が、男性よりも約12ポイント多い。ドイツでは男女間に差はないが、アメリカでも「機会があればそうしたい」(男60.8%、女66.6%)は女性の方がやや多い。

(図表4-5-2)今後の活動意向(図は日本のみ、男女別)<CSVデータ>
図表4-5-2 今後の活動意向(日本、男女別)
図表4-5-2 今後の活動意向(ドイツ・アメリカ、男女別)

 日本について性・年代別にみると、男性の30代では「機会があればそうしたい」(44.2%)は4割強にとどまり、「わからない」(50.0%)が5割と多い。

(図表4-5-3)今後の活動意向(日本、性・年代別)<CSVデータ>
図表4-5-3 今後の活動意向(日本、性・年代別)

(6)希望する活動内容(Q17)

Q17. それでは、あなたは今後、どのような手助けや活動をしたいと思いますか。次のうち、あてはまるものをすべて選び、番号に○をつけてください。(○はいくつでも)

(図表4-6-1)希望する活動内容<CSVデータ>
図表4-6-1 希望する活動内容

 今後の活動について「機会があればそうしたい」と回答した者に、今後やってみたい支援・交流活動の内容を聞いた。日本(718人)では、「席をゆずる、横断歩道や階段で手助けをする」が90.5%で際立って多く、次いで、「相談相手、話し相手」(35.9%)が続く。
 ドイツ(728人)でも日本と同様に、「席をゆずる、横断歩道や階段で手助けをする」(95.5%)、「相談相手、話し相手」(93.7%)、「一緒に遊ぶ」(88.9%)が上位にあげられているが、いずれも9割前後と意向が強い。アメリカ(638人)では、「席をゆずる、横断歩道や階段で手助けをする」(94.5%)、「相談相手、話し相手」(94.0%)、「外出の手伝い」(89.5%)の順である。また、「募金、寄付集め」が66.3%で、日本、ドイツに比べ、目立って多い。

 男女別にみると、日本では、上位2項目については性別による大きな差はない。一方、「一緒に遊ぶ」(男24.0%、女30.5%)、「スポーツ、バザーやコンサートなどイベントへの参加、手伝い」(男24.0%、女30.5%)、「家事や身の回りの手伝い」(男13.0%、女24.2%)などは女性の方が、活動意向が強くなっている。
 ドイツでは、「寄付、経済的な援助」(男67.3%、女73.6%)、「家事や身の回りの手伝い」(男67.9%、女73.6%)、「NPO(非営利団体)、ボランティア団体への参加、運営の手伝い」(男52.6%、女60.5%)、「募金活動、寄付集め」(男32.1%、女39.0%)、「手話、要約筆記」(男45.7%、52.3%)などは、女性の意向の方がやや強くなっている。
 アメリカでは、「手話、要約筆記」(男36.3%、女50.4%)は女性が男性を約14ポイント上回り、「点訳、音訳」(男38.9%、女46.6%)も、女性の方が多い。一方、「障害のある子どもを養子にする」(男27.1%、女21.8%)は、男性の意向の方がやや強くなっている。

(図表4-6-2)希望する活動内容(図は日本のみ、男女別)<CSVデータ>
図表4-6-2 希望する活動内容(図は日本のみ、男女別)

 日本について性・年代別にみると、「相談相手、話し相手」と「一緒に遊ぶ」は女性の30代で、「外出の手伝い」は男性の20代で、「NPO(非営利団体)、ボランティア団体への参加、運営の手伝い」、「手話、要約筆記」は男女とも20代で、「点訳、音訳」は女性の20代で、それぞれ他の属性より活動意向が強い傾向がある。

(図表4-6-3)希望する活動内容(日本、性・年代別)<CSVデータ>
図表4-6-3 希望する活動内容(日本、性・年代別)

参考文献
[1]株式会社日本総合研究所、2001年、『社会奉仕活動の指導・実施方法に関する調査研究 要約版』、文部科学省委託調査

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