「震災と障害者」<4>東日本大震災における障害者の死亡率
死者15,858名、行方不明者3,057名、負傷者6,077名(いずれも、平成24年5月1日緊急災害対策本部による。)という甚大な人的被害があった東日本大震災ですが、障害者の死亡者率が被災地全体の死亡率に比して高いと言われています。
ここでは、障害者の死亡率について地方公共団体から出されているデータについていくつかをご参考に紹介します。
【岩手県宮古市】(障がい者制度改革推進会議構成員実地調査(平成23年12月15日)における宮古市提供資料より)
事項 | 数値 | 備考 |
---|---|---|
宮古市の全人口 | 59,636人 | |
うち障害者の人口 | 3,371人 | 障害者手帳所持者数 |
宮古市の全死亡者数 (対宮古市全人口比) |
525人 (0.9%) |
平成23年8月26日まで(以後変更無し) |
うち障害者の死亡者数 (対宮古市障害者人口比) |
36人 (1.1%) |
内訳:身体障害28人、知的障害2人、精神障害7人、身体・知的の重複障害1人 |
【宮城県】宮城県主催・障害福祉団体等の意見交換会(平成24年3月29日)配布資料(※)より内閣府作成(宮城県の全人口・障害者数は、公表資料より)
事項 | 数値 | 備考 |
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宮城県の全人口 | 234万6,853人 | 宮城県の推計(平成23年3月1日) |
宮城県の障害者数 (3市町も含む。) |
10万7,150人 | 障害者手帳所持者(平成23年3月31日)、身体80,457人、療育A7,066人、療育B8,822人、精神保健福祉10,805人 |
宮城県の全死亡者数 (対宮城県の全人口比) |
9,471人 (0.4%) |
平成24年2月29日現在 |
宮城県の障害者の死亡者数 (対宮城県の障害者数(3市町を除く。)の比) |
1,028人 (1.7%) |
平成24年2月29日現在。仙台市、亘理町、大和町は障害者の死亡者数を把握していない。(3市町を除いた宮城県の障害者数は61,724人。) |
※http://www.dinf.ne.jp/doc/JDF/20120323_miyagi/index.html
(表中の「3市町」とは、仙台市、亘理町、大和町)
【宮城県南三陸町】(障がい者制度改革推進会議構成員実地調査(平成23年12月22日)などにおける南三陸町提供資料より)
事項 | 数値 | 備考 |
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南三陸町の全人口 | 17,666人 | |
うち障害者の人口 | 940人 | |
南三陸町の全死亡者数 (対南三陸町全人口比) |
798人 (4.5%) |
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うち障害者の死亡者数 (対南三陸町障害者人口比) |
125人 (13%) |
身体113名、知的5名、精神7名。公立志津川病院で74名、特別養護老人ホームで40名が亡くなっていることが大きな要因と思われる。 |
【福島県南相馬市】(障がい者制度改革推進会議構成員実地調査(平成23年12月16日)における南相馬市提供資料より)
事項 | 数値 | 備考 |
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南相馬市の全人口 | 71,556人 | |
うち障害者の人口 | 4,280人 | |
南相馬市の全死亡者数 (対南相馬市全人口比) |
1,249人 (1.75%) |
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うち障害者の死亡者数 (対南相馬市障害者人口比) |
19人 (0.44%) |
11月までに手帳を返還した人。内訳:身体障害18人、精神障害1人 |
内閣府(防災担当)では、平成24年度「災害時要援護者対策の検討に関する調査」を実施し、東日本大震災において障害者など災害時要援護者がどのように被災し、避難したか実態把握を行い、災害時要援護者対策の見直しの必要性や対策の考え方を検討することとなっています。