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第4章 日々の暮らしの基盤づくり > 第1節 生活安定のための施策 > 8.専門職種の養成・確保

平成24年版障害者白書

平成23年度を中心とした障害者施策の取組

第4章 日々の暮らしの基盤づくり

第1節 生活安定のための施策

8.専門職種の養成・確保
(1)福祉専門職

福祉専門職の養成確保については、「社会福祉法」に基づき、社会福祉事業従事者等に対する研修や無料職業紹介事業等を実施する都道府県福祉人材センター及び社会福祉関係職員の福利厚生の充実を図る福利厚生センターが設置されるなど、総合的な社会福祉従事者確保の対策が進められている。

ア 社会福祉士、介護福祉士

国民の福祉サービスに対する需要が多様化・高度化してきたことから、昭和62年5月、「社会福祉士及び介護福祉士法」が制定され、福祉・介護サービスが現場において着実に定着してきた。

具体的には、身体上、精神上の障害等により日常生活を営むのに支障がある人に対して、専門的知識及び技術を持って福祉に関する相談援助を行う社会福祉士については、資格登録者数146,220人(平成23年9月末)、専門的知識及び技術を持って心身の状況に応じた介護や介護指導を行う介護福祉士については、資格登録者数984,466人(23年9月末)を数えることとなった。

さらに、昨今、認知症ケア等の従来の身体介護にとどまらない介護やサービスの利用支援、権利擁護等の新しい相談援助など介護・福祉サービスの多様化・高度化に的確に対応できる人材の確保・資質の向上を図るため、平成19年に同法を改正し、より質の高い社会福祉士及び介護福祉士の養成・確保に努めているところである。

また、平成23年度に同法を改正し、喀痰吸引(たんの吸引)等が介護福祉士の業務として位置付けられ、平成27年度からの施行が予定されている。

イ 精神保健福祉士

精神障害のある人の社会復帰を促進する上では精神障害のある人の保健・福祉に関する専門的知識・技術を有する者による相談・援助が重要である。このため、精神障害のある人の社会復帰に関する相談・援助を行う精神保健福祉士を国家資格化する「精神保健福祉士法」が平成9年12月に成立し、10年4月から施行された。同年以降、精神保健福祉士は着実に養成されており、有資格者数は55,394人(24年3月末)を数えることとなった。

(2)リハビリテーション従事者

高齢化の進展、疾病構造の変化等に伴い、リハビリテーションの必要性、重要性が一層増してきている。そのため、専門的な技術及び知識を有する人材の確保と資質の向上を図っていくことが重要である。

ア 理学療法士、作業療法士

理学療法士及び作業療法士は、身体や精神に障害のある人々に対し、基本的動作能力・応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るための理学療法、作業療法を行う専門職である。平成23年4月現在で理学療法士の養成施設は13,454名、作業療法士の養成施設は7,260名の定員が確保されている。

イ 視能訓練士、義肢装具士

両眼視機能の回復のための矯正訓練及びこれに必要な検査を行う視能訓練士、義肢・装具の装着部位の採型並びに製作及び身体への適合を行う義肢装具士の養成施設についても、平成23年4月現在それぞれ1,333名、283名の定員が確保されている。

ウ 言語聴覚士

音声機能、言語機能及び聴覚に関するリハビリテーション等を行う言語聴覚士が平成10年に国家資格化され、その養成施設は23年4月現在、定員2,711名が確保されている。

(3)国立専門機関等の活用

国立障害者リハビリテーションセンター学院において、障害のある人のリハビリテーション・福祉に従事する専門職員の養成及び現に従事している各種専門職の技術の向上を目的とした研修として、5学科の専門職員養成、21コースの知識・技術向上のための研修を実施している。

情報の保障やコミュニケーションの支援を必要とする視覚障害のある人、聴覚障害のある人の社会参加を進める上で専門職の養成・確保が重要な課題であることから、視覚障害のある人の生活訓練を専門とする技術者を養成する視覚障害学科、聴覚障害のある人の手話通訳を専門とする手話通訳士を養成する手話通訳学科を設けているほか、現任者の技術等の向上のための、視覚障害生活支援研修会、手話通訳士専門研修会も実施している。

また、保健・医療に携わる専門職については、言語聴覚学科、義肢装具学科により養成を行っているほか、平成23年10月から脳卒中リハビリテーション看護認定看護師の教育課程を開講するとともに、音声言語機能等判定医師研修会、義肢装具士研修会、作業療法士研修会、リハビリテーション心理職研修会、言語聴覚士研修会等を実施している。

さらに、身体に障害のある人の総合的なリハビリテーションのための体育・スポーツの指導を専門とする技術者を養成するリハビリテーション体育学科を設けているほか、国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局において、地域ボランティアや住民を対象として、また、福祉教育の一環として教員や小中学生を対象に、障害のある人に対する正しい理解と知識や援助方法の習得を目的とした研修会等を実施している。

また、知的障害のある人の高齢化や障害の重複化、さらには自閉症等の特有の発達障害のある人に対する取組の強化等に伴い、これらに関連する業務に従事する専門職員の資質向上を図ることは重要な課題であることから、国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局秩父学園附属保護指導職員養成所において、知的障害関係福祉施設等で保護指導の業務に従事する職員の資質向上を図るための研修を実施している。特に自閉症等への取組として、全国の「発達障害者支援センター」の職員に対する療育技術に関する研修を実施している。

なお、同養成所は、平成24年度から国立障害者リハビリテーションセンター学院に組織統合することとしている。

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