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第1編 障害者の状況等(基礎的調査等より)

第3章 「障害者に関する世論調査」(平成24年7月)の結果について

第1節

2.主な調査結果の概要

(1) 「共生社会」の周知度

「共生社会」の周知度については、平成24年7月に内閣府が実施した「障害者に関する世論調査」(以下「24年7月調査」という。)の結果によれば、「共生社会」については、「知っている」が40.9%と前回(平成19年2月:40.2%)に比べ微増したものの同程度にとどまった。20歳代では、34.8%となっているが、前回(平成19年2月:26.7%)を大きく上回った。

20歳代で前回を大きく上回ったものの、「障害者基本計画(平成15年度~平成24年度)」の「重点施策実施5か年計画」に定めた「『共生社会』の周知度を成人世代全体、若者(20歳代)とも50%以上」には至らなかった。

しかし、「言葉だけは聞いたことがある」24.2%を含めてではあるが、65.1%と7割近くの人が「知っている」と回答しており、19年2月に実施した同名の「障害者に関する世論調査」による同旨の質問に対する回答が61.4%であったことと比較すれば、用語の周知度も上昇している。

年代別でみると、30代及び70代の周知度が低く、これらの世代への啓発広報が重要と思われる。20代が前回に比べ増加しているのは、学校教育において「共生社会」という言葉に触れることが増えたことが考えられる。

図表1-40 「共生社会」の周知度

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(2) 「共生社会」の考え方について

「障害のある人が身近で普通に生活しているのが当たり前」との考え方については、88.4%の人が程度の差はあれ、こうした考え方を支持しているとともに、その割合は、過去の世論調査の結果(平成9年7月調査:78.3%、13年9月調査:81.7%、19年2月調査:84.8%)と比較しても、着実に伸びてきており、「共生社会」の考え方が普及してきていることがうかがえる。(ただし、平成9年及び13年は設問文が異なる。)

図表1-41 「共生社会」の考え方について

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(3) 障害者週間の周知度

平成24年7月調査では、「障害者週間」を「知っている」と回答した人は、「月日までは知らないが週間があることは知っている」人も含めて28.6%で、「障害者の日」の周知度を尋ねたこれまでの世論調査の結果(平成9年7月調査:15.1%、13年9月調査:15.5%、19年2月調査:27.5%)と比べると高くなっているが、前回よりは微増となっており、さらに周知を図る必要がある。(ただし、平成9年及び13年は設問文が異なる。)

また、「障害者週間」等における行事、催しへの参加については、「機会があれば参加したい」人も含め、69.3%の人が参加したいと回答しており、前回(平成19年2月:70%)とほほ同程度となっている。

図表1-42 障害者週間の周知度

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(4) 会話や手助けの経験

障害のある人と気軽に話したり、障害のある人の手助けをしたりしたことの有無を尋ねたところ、「ある」と回答した人は、70.0%で、前回(平成19年2月調査:68.4%)に比較して、ほぼ同程度となっている。

図表1-43 会話や手助けの経験

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(5) 差別や偏見の有無

「障害のある人に対し、障害を理由とする差別や偏見があるか」については、「少しはあると思う」人を含めて、89.2%の人が「あると思う」と回答しており、前回(平成19年2月:82.9%)より増加している。

差別や偏見が「あると思う」と回答した人についても、過半数の51.5%が、改善されていると答えている。ただし、前回(平成19年2月:57.2%)の「改善されている」と答えた人に比べ減少し、「改善されていない」が前回(平成19年2月:35.3%)に比べ今回40.8%と増加しており、差別や偏見の改善状況がその時点の5年前に比べて改善されていないと考える人が増加している。

図表1-44-1 差別や偏見

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図表1-44-2 差別や偏見の改善状況(「5年前と比べて障害のある人への差別や偏見は改善されたと思うか」)

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(6) 発達障害への理解

「発達障害に関する理解があると思うか」については、「どちらかといえば理解があると思う」を含め、33.6%となっており、「どちらかといえば理解ないと思う」人を含め、「理解がないと思う」人が59.9%となっている。

図表1-45 発達障害への理解

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(7) 障害者権利条約の周知度

障害者権利条約の周知度については、「知っている」が18.0%となっており、前回(平成19年2月:18.3%)に比べほぼ同程度となっており、「知らない」は、81.5%と前回(平成19年2月:78.5%)に比べ若干増加している。

図表1-46 障害者権利条約の周知度

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(8) 障害者差別禁止法(案)(仮称)の検討の周知度

「障害者差別禁止法(案)(仮称)の検討状況」については、「内容は知らないが、検討を行っていることは知っている」を含め「知っている」が25.2%、「知らない」が73.8%となっている。

図表1-47 障害者差別禁止法(案)(仮称)の検討の周知度

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(9) 合理的な配慮と差別について

「障害のある人とない人が同じように生活するためには、生活するために不便さを取り除く、例えば、商店の入り口などのスロープの整備や点字ブロックや音声案内など、いろいろな配慮や工夫が必要になることがあるが、こうした配慮や工夫を行わないことが「障害を理由とする差別」に当たる場合があると思うか」と聞いたところ、「差別に当たる場合があると思う」は46.1%(「どちらかといえば差別に当たる場合があると思う」の27.5%を含む。)、「差別に当たる場合があるとは思わない」とする者の割合が45.7%(「どちらかといえば差別に当たる場合があるとは思わない」21.6%を含む。)となっている。

図表1-48 合理的な配慮と差別について

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(10) 負担と配慮について

(9) の問に「経済的負担」を追加する形で、障害のある人とない人が同じように生活していくために必要とされる生活するために不便さを取り除く、例えば、商店の入り口などのスロープの整備や点字ブロックや音声案内などの配慮や工夫を行うことを求められた場合、経済的な負担を伴うこともあるが、どうするか聞いたところ、「配慮や工夫を行う」とする者の割合が88.9%(「可能な範囲の負担であれば、配慮や工夫を行う」54.3%及び「負担がなければ、配慮や工夫を行う」25.1%を含む。)、「配慮や工夫を行うことは難しい」と答えた者の割合が6.0%となっている。

図表1-49 負担と配慮について

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(11) 企業や民間団体への要望

「企業や民間団体への要望」(複数回答)としては、今回の上位第一位が「障害のある人の雇用の促進」67.3%(平成19年2月:64.2%)、第二位が「障害者になっても継続して働くことができる体制の整備」61.4%(平成19年2月:58.0%)、第三位が「障害のある人に配慮した事業所等の改善・整備」49.5%(平成19年2月:46.0%)となっているが、いずれも前回(平成19年2月)に比べ増加している。なお、上位3項目とその順位は前回(平成19年2月)と同じである。

図表1-50 企業や民間団体への要望

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(12) 国や地方公共団体への要望

「国や地方公共団体への要望」(複数回答)としては、今回の上位3項目の第一位が「障害のある子どもの相談・支援体制や教育の充実」54.3%(平成19年2月:49.0%で第5位)、第二位が「生活の安定のための年金や手当の充実」50.5%(平成19年2月:57.8%で第1位)、第三位が「障害に応じた職業訓練の充実や雇用の確保」50.4%(平成19年2月:49.6%で第4位)となっている。

図表1-51 国や地方公共団体への要望

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(13) 「5年前と比べ障害者施策は進んだか」について

「5年前と比べて福祉・教育・雇用・まちづくりなどの障害者施策は進んだと思うか」については、「進んだと思う」とする者の割合が49.0%(「ある程度進んだと思う」41.9%を含む。)、「進んだと思わない」とする者の割合が42.8%(「あまり進んだと思わない」34.7%を含む。)となっている。

前回(平成19年2月)の調査結果と比較して見ると、「進んだと思う」(61.2%→49.0%)とする者の割合が低下し、「進んだと思わない」(32.6%→42.8%)とする者の割合が上昇しているが、「(その時点の)5年前に比べ」なので、単純に比較できない面はある。

図表1-52 「5年前と比べ障害者施策は進んだか」について

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(14) 「しょうがい」の表記について

今回初めて質問項目に設けた「しょうがい」の表記についてふさわしいものについては、「障がい」が35.5%、「障害」が33.8%、「どれでもよい」が21.9%、「障碍」が2.4%となっているが、性別、年齢別で差異がある。

図表1-53 「しょうがい」の表記について

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