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第2編 全般的推進状況(平成24年度を中心とした障害者施策の取組)

第4章 日々の暮らしの基盤づくり

第1節 生活安定のための施策

5.スポーツ・文化芸術活動の推進

(1) スポーツの振興
ア 障害者スポーツ大会等の開催

障害のある人のスポーツに対する国民各層の理解と関心は年々高まりをみせており、現在では、全国各地で数多くのスポーツ大会やスポーツ教室が開催され、また、国際スポーツ大会に我が国から多数の選手が参加している。平成24年度においては、イギリスのロンドンで「ロンドン2012パラリンピック競技大会」が開催され、世界164ヵ国・地域から4,310名(うち、日本から134名)のアスリート、2,430名(うち、日本から121名)のコーチ・役員が参加した。本大会は、4年に一度行われる身体・知的障害のある選手による世界最高峰の大会であり、夏季大会と冬季大会が開催されている。また、国際障害者年の記念行事として昭和56年より毎年開催され、第32回を迎えた「大分国際車いすマラソン大会」には、世界14か国から251名の車いすランナーが出場した。本大会は世界初の車いす単独のマラソン大会であり、国際パラリンピック委員会公認大会となっている。

第32回大分国際車いすマラソン大会の様子
イ 障害者スポーツ指導者の養成

障害のある人がスポーツ活動を行うためには、それぞれの障害の特性に応じて適切な指導ができるスポーツ指導者の確保が不可欠である。このため、公益財団法人日本障害者スポーツ協会において障害者スポーツ指導者制度を設け、同協会や都道府県が実施主体となってその養成を行っており、全国で21,838人(平成24年11月30日現在)が指導者として登録されている。

ウ 障害者スポーツ振興のための取組

障害者スポーツについては、公益財団法人日本障害者スポーツ協会を中心として、障害者全体のスポーツの振興を進めている。具体的に、国においては、全国障害者スポーツ大会を開催するとともに、地域生活支援事業の一環として、「スポーツ・レクレーション教室開催等事業」により、各地方公共団体による大会・教室の開催や障害者スポーツ指導者の養成、身近な地域でスポーツを親しめる環境の整備、パラリンピック等の国際大会に参加した選手を招いて障害者スポーツの楽しさを体験してもらう事業に対して支援を行っている。また、選手強化のため、世界大会でメダル獲得が有望な選手・団体に対し重点的な強化等の実施や、パラリンピック、デフリンピック、スペシャルオリンピックス世界大会等の国際大会が開催される年度には、選手団の派遣や国内強化合宿を実施している。その他、「社会福祉振興助成事業」を通じて、同協会が行う国際大会への選手団派遣事業や各競技団体が行う全国大会の開催事業等への助成を行うとともに、同協会においても、組織強化や主催大会の実施、国際大会への日本選手団派遣、パラリンピック競技大会のメダリストへの報奨金や選手の育成強化を図るための、各企業への協賛や募金の呼びかけなどを行っている。

なお、平成23年6月にスポーツ基本法が成立し、その基本理念に障害のある人のスポーツを推進することが明記された。同法の規定に基づいて24年3月に策定された「スポーツ基本計画」の中でも、年齢や性別、障害等を問わず、広く人々が、関心、適性等に応じてスポーツに参画することができる環境の整備を基本的な政策課題としている。これを踏まえ、国では平成24年度より、障害のある人と障害のない人が地域において一体となってスポーツ・レクリエーション活動を行うことができるようにするための実践研究を行うとともに、地域におけるスポーツ・レクリエーション環境の実態を把握する調査を実施している。

主な国内・国際障害者スポーツ大会

◯全国障害者スポーツ大会

平成13年度から、それまで別々に開催されていた身体に障害のある人と知的障害のある人の全国スポーツ大会が統合され、全国障害者スポーツ大会として開催されています。平成20年度からは、精神障害者のバレーボール競技が正式種目に加わり、全国の身体、知的、精神に障害のある方々が一堂に会して開催される大会となっています。本大会は、障害のある選手が、競技等を通じ、スポーツの楽しさを体験するとともに、国民の障害に対する理解を深め、障害のある人の社会参加の推進に寄与することを目的として、国民体育大会(本大会)の直後に、当該開催都道府県で行われています。

平成24年度の第12回大会は、岐阜県において開催されました。

なお、平成25年度の第13回大会については、東京都で開催される予定です。

全国障害者スポーツ大会(第12回ぎふ清流大会)の様子

◯全国ろうあ者体育大会

本大会は、聴覚に障害のある人が、スポーツを通じて技を競い、健康な心と体を養い、自立と社会参加を促進することを目的として、昭和42年度から開催されています。

夏季大会は、平成23年度に千葉県で第46回大会が開催されました。平成25年度の第47回大会については、富山県で開催される予定です。

冬季大会は、平成21年度に北海道で第41回大会が開催されました。平成25年度の第42回大会については、栃木県で開催される予定です。

◯ジャパンパラ競技大会

競技力の向上と国際大会へ派遣する選手の選考を目的とした本大会は、平成3年度から陸上競技と水泳、5年度からスキー、6年度からアイススレッジホッケー、10年度からアーチェリーの大会が、各々開催されています。

陸上競技、水泳及びスキーの大会には、身体に障害のある人と知的障害のある人が、また、アイススレッジホッケー及びアーチェリーの大会には身体に障害のある人が参加しています。

◯デフリンピック

4年に一度行われる、聴覚に障害のある人の国際スポーツ大会であり、夏季大会と冬季大会が開催されています。

夏季大会は1924年を第1回としており、2009年には、台湾の台北市において第21回大会が開催されました。次回は、2013年にブルガリアのソフィアにおいて開催が予定されています。

冬季大会は1949年を第1回としており、2007年には、アメリカのソルトレークシティにおいて第16回大会が開催されました。

◯アジアパラ競技大会(旧フェスピック大会)

アジアパラリンピック委員会が主催するアジア(中東地域を含む)地域最大の障害者の総合スポーツ大会です。

我が国の呼びかけにより、1975年より、9回にわたり開催されてきたフェスピック競技大会を前身としています。

2010年に中国の広州市で開催された本大会は、フェスピック競技大会の歴史と精神を引き継ぎ、アジアパラリンピック委員会として初めて開催された大会となりました。

次回は、2014年に韓国の仁川において開催が予定されています。

2012ジャパンパラリンピック陸上競技大会の様子 (C)エックスワン

◯スペシャルオリンピックス世界大会

4年に一度行われる、知的発達障害のある人のスポーツの世界大会であり、夏季大会と冬季大会が開催されています。順位は決定されるものの最後まで競技をやり遂げた選手全員が表彰される、といった特徴がある大会です。

夏季大会は1968年を第1回としており、2011年にはギリシャのアテネにおいて第13回大会が開催されました。次回は2015年にアメリカのロサンゼルスにおいて開催される予定です。

冬季大会は1977年を第1回としており、2013年には韓国の平昌(ピョンチャン)において第9回大会が開催されました。次回は、2017年にオーストリアにおいて開催される予定です。

◯パラリンピック競技大会

オリンピックの直後に当該開催地で行われる、障害者スポーツの最高峰の大会であり、夏季大会と冬季大会が開催されています。

夏季大会は、1960年にイタリアのローマで第1回大会が開催され、オリンピック同様4年に一度開催されています。

2012年には、イギリスのロンドンにおいて第14回大会が開催されました。次回は、2016年、ブラジルのリオデジャネイロにおいて開催が予定されています。

冬季大会は、1976年にスウェーデンのエンシェルツヴィークで第1回大会が開催されて以降、オリンピック冬季大会の開催年に開催されています。2010年3月には、カナダのバンクーバーにおいて、第10回大会が開催されました。次回は、2014年、ロシアのソチにおいて開催が予定されています。

ロンドン2012パラリンピック競技大会の様子 (C)エックスワン
(2) 文化活動の振興

最近では、障害のある人によるコンサートや、障害のある人も楽しめる舞台芸術公演、展覧会等も各地で開催されるようになってきている。また、国立劇場や新国立劇場においては、障害のある人の入場料の割引を、国立美術館、国立博物館においては、展覧会の入場料の無料を実施しているほか、全国各地の劇場、コンサートホール、美術館などにおいて、車いす使用者でも利用ができるトイレやエレベーターの設置等障害のある人に対する環境改善も進められている。

また、障害のある人の生活を豊かにするとともに、国民の障害への理解と認識を深め、障害のある人の自立と社会参加の促進に寄与することを目的として、「第12回全国障害者芸術・文化祭さが大会」(平成24年度)が佐賀県において開催された。

第12回全国障害者芸術・文化祭さが大会の様子
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